JP7452477B2 - ガス濃度検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス濃度検出装置に関する。
ガス濃度検出装置は、車両の排気管等に配置されるガスセンサと、ガスセンサの動作を制御するセンサ制御装置とを用いて構成される。ガスセンサは、固体電解質体に一対の電極が設けられたセンサセルと、通電によって発熱してセンサセルを加熱するヒータとを有する。ヒータへの通電は、負荷変動に対する応答性能の高さ等を考慮して、PWM(パルス幅変調)制御によって行われることが多い。
ヒータのPWM制御を行う場合には、ヒータへパルス状の電圧が印加され、パルス状の電圧の1周期におけるオン・オフの比率を示すデューティ比が適宜変更されて、センサセルの温度が目標とする温度に制御される。ヒータのPWM制御を行うガス濃度検出装置としては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
特許文献1のガス濃度検出装置においては、ヒータへのオン・オフの通電状態が変化する際に、センサセルによる出力信号に重畳するノイズ成分を、平均処理によって出力信号から除外する工夫がなされている。より具体的には、ヒータがオンになるときには、出力信号にはプラス側のノイズが生じ、ヒータがオフになるときには、出力信号にはマイナス側のノイズが生じる。特許文献1のガス濃度検出装置においては、この正負が逆に表れる、出力信号におけるノイズ成分を相殺するように平均処理を行っている。
特開2004-093386号公報
ところが、発明者の研究により、センサセルの出力信号に重畳するノイズ成分には、ヒータへのオン・オフの通電の切り替えに伴う小さな周期のノイズ成分(切り替えノイズ成分という。)の他にも、別のノイズ成分があることが判明した。すなわち、ヒータのPWM制御を受けてセンサセルの温度が目標温度に維持されるときには、切り替えノイズ成分よりも大きな周期のノイズ成分(温度制御ノイズ成分という。)がセンサセルに重畳していることが判明した。温度制御ノイズ成分は、温度の変化のうねり又は実効値として捉えられるものであり、切り替えノイズ成分とは異なる変化速度を有することが判明した。
従って、センサセルの出力信号に含まれるノイズ成分を除去して、ガス濃度検出装置の検出精度を高めるためには、更なる工夫が必要とされる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、ヒータへの実効値としての印加電圧が変化することに伴うノイズ成分がセンサ出力に与える影響が除去され、ガスセンサのセンサ出力の検出精度が高められるガス濃度検出装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
固体電解質体(31)に一対の電極(311,312)が設けられた1つ又は複数のセンサセル(21)、及び通電によって発熱して前記センサセルを加熱するヒータ(34)を有するガスセンサ(10)と、
前記センサセル及び前記ヒータの動作を制御するセンサ制御装置(5)と、を備え、
前記センサ制御装置は、
前記センサセルに生じるセンサ電流(Is)又はセンサ電圧を検出するセンサ検出部(51)と、
前記センサセルの温度を検知する温度検知部(52)と、
前記ヒータへの印加電圧を調整するヒータ制御部(53)と、
前記温度検知部によって検知される前記温度が前記ヒータ制御部によって目標温度に維持されるときの、前記ヒータへの印加電圧(Vh)の変化速度、及び前記ヒータに流れるヒータ電流(Ih)の変化速度(ΔS)のうちの少なくともいずれかを算出する変化速度算出部(54)と、
前記変化速度算出部によって算出された前記変化速度を用いて、前記センサ検出部によって検出された前記センサ電流又は前記センサ電圧であるセンサ出力を補正して、前記ガスセンサのセンサ補正出力(Os)を算出する補正出力部(55)と、を有する、ガス濃度検出装置(1)にある。
前記一態様のガス濃度検出装置のセンサ制御装置においては、温度検知部によって検知されるセンサセルの温度がヒータ制御部によって目標温度に維持されるときの、ヒータへの印加電圧の変化速度、及びヒータに流れるヒータ電流の変化速度のうちの少なくともいずれかが、変化速度算出部によって算出される。これらの変化速度は、センサセルの温度が外乱による影響を受ける際に、センサセルの温度が目標温度からずれないように、ヒータへの印加電圧が調整されるときに算出される変化の速度として示される。
センサセルの温度が外乱による影響を受ける際に、センサ検出部によって、センサセルに生じるセンサ電流又はセンサ電圧がセンサ出力として検出されるときには、センサ出力には、ヒータへの実効値としての印加電圧が変化することに伴うノイズ成分が重畳していると可能性が高い。そこで、変化速度算出部によって算出された変化速度を用いて、補正出力部が、センサ出力を補正して、ガスセンサのセンサ補正出力を算出する。
この構成により、前記一態様のガス濃度検出装置によれば、ヒータへの実効値としての印加電圧が変化することに伴うノイズ成分がセンサ出力に与える影響が除去され、ガスセンサのセンサ出力の検出精度が高められる。
「前記温度検知部による前記センサセルの温度の検知」には、種々の情報に基づいて温度を推定する場合も含まれる。
なお、本発明の一態様において示す各構成要素のカッコ書きの符号は、実施形態における図中の符号との対応関係を示すが、各構成要素を実施形態の内容のみに限定するものではない。
図1は、実施形態1にかかる、ガス濃度検出装置のガスセンサを示す断面図である。 図2は、実施形態1にかかる、ガスセンサのセンサ素子を示す断面図である。 図3は、実施形態1にかかる、図2のIII-III断面図である。 図4は、実施形態1にかかる、図2のIV-IV断面図である。 図5は、実施形態1にかかる、センサ制御装置の電気的構成を模式的に示す説明図である。 図6は、実施形態1にかかる、(a)パルス状の印加電圧、(b)ヒータ電流、(c)ヒータ電流の変化速度、(d)補正前及び補正後のセンサ電流の各時間的変化を示すグラフである。 図7は、実施形態1にかかる、図6(c)のヒータ電流の変化速度のグラフの一部を拡大して示すグラフである。 図8は、実施形態1にかかる、ヒータ電流の変化速度とセンサ電流の変化量との関係を示すグラフである。 図9は、実施形態1にかかる、ヒータ電流の変化速度とセンサ電流の補正量との関係を示す関係マップである。 図10は、実施形態1にかかる、ガス濃度検出装置による制御方法を示すフローチャートである。 図11は、実施形態2にかかる、センサ制御装置の電気的構成を模式的に示す説明図である。 図12は、実施形態2にかかる、(a)パルス状の印加電圧、(b)ヒータ電流、(c)センサセルの変化温度、(d)補正前及び補正後のセンサ電流の各時間的変化を示すグラフである。 図13は、実施形態2にかかる、ヒータ電流の変化速度をパラメータとした、センサセルの変化温度とセンサ電流の変化量との関係を示すグラフである。 図14は、実施形態2にかかる、ヒータ電流の変化速度をパラメータとした、センサセルの変化温度とセンサ電流の補正量との関係を示す関係マップである。 図15は、実施形態2の比較品にかかる、(a)ヒータ電流、(b)センサセルの温度、(c)センサ電流の各時間的変化を示すグラフである。 図16は、実施形態2の比較品にかかる、(a)ヒータ電流、(b)センサセルの温度、(c)センサ電流の各時間的変化を示すグラフである。 図17は、実施形態2の実施品にかかる、(a)ヒータ電流、(b)センサセルの温度、(c)センサ電流の各時間的変化を示すグラフである。
前述したガス濃度検出装置にかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
本形態のガス濃度検出装置1は、図1~図4に示すように、ガスセンサ10及びセンサ制御装置5を備える。ガスセンサ10は、固体電解質体31に一対の電極311,312が設けられた1つ又は複数のセンサセル21と、通電によって発熱してセンサセル21を加熱するヒータ34とを有する。センサ制御装置5は、センサセル21及びヒータ34の動作を制御するものである。
センサ制御装置5は、センサ検出部51、温度検知部52、ヒータ制御部53、変化速度算出部54及び補正出力部55を有する。センサ検出部51は、センサセル21に生じるセンサ電流Isを検出する構成部位である。温度検知部52は、センサセル21の温度を検知する構成部位である。ヒータ制御部53は、ヒータ34への印加電圧Vhを調整する構成部位である。
変化速度算出部54は、温度検知部52によって検知されるセンサセル21の温度がヒータ制御部53によって目標温度に維持されるときの、ヒータ34に流れるヒータ電流Ihの変化速度ΔSを算出する構成部位である。補正出力部55は、変化速度算出部54によって算出されたヒータ電流Ihの変化速度ΔSを用いて、センサ検出部51によって検出されたセンサ電流Isであるセンサ出力を補正して、ガスセンサ10のセンサ補正出力Osを算出する構成部位である。
以下に、本形態のガス濃度検出装置1について詳説する。
(ガスセンサ10)
図1に示すように、ガスセンサ10は、車両の内燃機関(エンジン)の排気管7の取付口71に配置され、排気管7を流れる排ガスGを検出対象ガスとして、検出対象ガスにおける酸素濃度、特定ガス濃度等を検出するために用いられる。ガスセンサ10は、排ガスGにおける酸素濃度、未燃ガス濃度等に基づいて、内燃機関における空燃比を求める空燃比センサ(A/Fセンサ)として用いることができる。空燃比センサは、理論空燃比と比べて空気に対する燃料の割合が多い燃料リッチの状態から、理論空燃比と比べて空気に対する燃料の割合が少ない燃料リーンの状態まで定量的に連続して空燃比を検出することができるものである。
排気管7には、排ガスG中の有害物質を浄化するための触媒が配置されており、ガスセンサ10は、排気管7における排ガスGの流れ方向において、触媒の上流側又は下流側のいずれに配置してもよい。また、ガスセンサ10は、排ガスGを利用して内燃機関が吸入する空気の密度を高める過給機の吸入側の配管に配置してもよい。また、ガスセンサ10を配置する配管は、内燃機関から排気管7に排気される排ガスGの一部を、内燃機関の吸気管に再循環させる排気再循環機構における配管としてもよい。
(センサセル21)
図2~図4に示すように、ガスセンサ10のセンサセル21及びヒータ34は、センサ素子2によって形成されている。センサセル21は、固体電解質体31と、固体電解質体31に設けられた排気電極311及び大気電極312とによって構成されている。固体電解質体31には、絶縁体33A,33Bが積層されており、ヒータ34は、絶縁体33A,33Bに埋設された発熱体によって構成されている。
本形態のセンサセル21は、空燃比センサを構成するために、ガスセンサ10において1つ形成されている。これ以外にも、センサセル21は、例えば、NOx(窒素酸化物)センサを構成するために、ガスセンサ10において複数形成されていてもよい。この場合のセンサセル21は、排ガスGの酸素濃度を低下させるポンピングセル、排ガスGの残留酸素濃度を検出するモニタセル、排ガスGのNOx濃度を検出する検出セル等としてもよい。
また、ガスセンサ10は、空燃比、NOx濃度等を検出するための複数のセンサセル21を有していてもよい。変化速度算出部54及び補正出力部55によってセンサ出力を補正するセンサセル21は、複数あってもよい。
(センサ素子2)
図2~図4に示すように、本形態のセンサ素子2は、長尺の長方形状に形成されており、固体電解質体31、排気電極311及び大気電極312、第1絶縁体33A、第2絶縁体33B、ガス室35、大気ダクト36及びヒータ34を備える。センサ素子2は、固体電解質体31に、各絶縁体33A,33B及びヒータ34が積層された積層タイプのものである。
本形態において、センサ素子2の長手方向Lとは、センサ素子2が長尺形状に延びる方向のことをいう。また、長手方向Lに直交し、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとが積層された方向を、積層方向Dという。また、長手方向Lと積層方向Dとに直交する方向を、幅方向Wという。また、センサ素子2の長手方向Lにおいて、排ガスGに晒される側を先端側L1といい、先端側L1の反対側を基端側L2という。ガスセンサ10においても、センサ素子2の長手方向Lと同じ方向のことを長手方向Lという。
(固体電解質体31、排気電極311及び大気電極312)
図2~図4に示すように、固体電解質体31は、所定の活性温度において、酸素イオン(O2-)の伝導性を有するものである。固体電解質体31の第1表面301には、排ガスGに晒される排気電極311が設けられており、固体電解質体31の第2表面302には、大気Aに晒される大気電極312が設けられている。排気電極311と大気電極312とは、センサ素子2の長手方向Lの、排ガスGに晒される先端側L1の部位において、固体電解質体31を介して積層方向Dに重なる位置に配置されている。センサ素子2の長手方向Lの先端側L1の部位には、排気電極311及び大気電極312と、これらの電極311,312の間に挟まれた固体電解質体31の部分とによるセンサセル21が形成されている。第1絶縁体33Aは、固体電解質体31の第1表面301に積層されており、第2絶縁体33Bは、固体電解質体31の第2表面302に積層されている。
固体電解質体31は、ジルコニア系酸化物からなり、ジルコニアを主成分とし(50質量%以上含有し)、希土類金属元素又はアルカリ土類金属元素によってジルコニアの一部を置換させた安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる。固体電解質体31を構成するジルコニアの一部は、イットリア、スカンジア又はカルシアによって置換される。
排気電極311及び大気電極312は、酸素に対する触媒活性を示す貴金属としての白金、及び固体電解質体31との共材としてのジルコニア系酸化物を含有している。図1及び図2に示すように、排気電極311及び大気電極312には、これらの電極311,312をガスセンサ10の外部と電気接続するための電極リード部313が接続されている。電極リード部313は、センサ素子2の長手方向Lの基端側L2の部位まで引き出されている。電極リード部313の長手方向Lの基端側L2の端部には、端子接続部22が形成されている。
(ガス室35)
図2及び図3に示すように、固体電解質体31の第1表面301には、第1絶縁体33Aと固体電解質体31とに囲まれたガス室35が隣接して形成されている。ガス室35は、第1絶縁体33Aの長手方向Lの先端側L1の部位において、排気電極311を収容する位置に形成されている。ガス室35は、第1絶縁体33Aと拡散抵抗部32と固体電解質体31とによって閉じられた空間部として形成されている。排気管7内を流れる排ガスGは、拡散抵抗部32を通過してガス室35内に導入される。
(拡散抵抗部32)
図3に示すように、本形態の拡散抵抗部(ガス導入部)32は、ガス室35の幅方向Wの両側に設けられている。拡散抵抗部32は、第1絶縁体33Aに形成された導入口内に、酸化アルミニウム等の金属酸化物の多孔質体を配置することによって形成されている。ガス室35に導入される排ガスGの拡散速度(流量)は、排ガスGが拡散抵抗部32における多孔質体の気孔を通過する速度が制限されることによって決定される。なお、拡散抵抗部32は、ガス室35の長手方向Lの先端側L1の部位に設けてもよい。
(大気ダクト36)
図2~図4に示すように、固体電解質体31の第2表面302には、第2絶縁体33Bと固体電解質体31とに囲まれ、大気Aが導入される大気ダクト36が隣接して形成されている。大気ダクト36は、第2絶縁体33Bにおける、大気電極312を収容する長手方向Lの部位から、センサ素子2の長手方向Lにおける基端位置まで形成されている。
(各絶縁体33A,33B)
図2~図4に示すように、第1絶縁体33Aは、ガス室35を形成するものであり、第2絶縁体33Bは、大気ダクト36を形成するとともにヒータ34を埋設するものである。第1絶縁体33A及び第2絶縁体33Bは、アルミナ(酸化アルミニウム)等の金属酸化物によって形成されている。各絶縁体33A,33Bは、排ガスG又は大気Aである気体が透過することができない緻密体として形成されている。
(ヒータ34)
図3及び図4に示すように、ヒータ34は、発熱体として構成されており、大気ダクト36を形成する第2絶縁体33B内に埋設されている。ヒータ34は、通電によって発熱する発熱部341と、発熱部341の、長手方向Lの基端側L2に繋がる発熱体リード部342とを有する。発熱部341は、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの積層方向Dにおいて、少なくとも一部が排気電極311及び大気電極312に重なる位置に配置されている。ヒータ34は、導電性を有する金属材料によって構成されている。発熱体リード部342の長手方向Lの基端側L2の端部には、端子接続部22が形成されている。
(表面保護層37)
図1に示すように、センサ素子2の長手方向Lの先端側L1の部位には、センサセル21を覆う表面保護層37が形成されている。表面保護層37は、排ガスGが通過可能な気孔を有するセラミックス材料としての、互いに結合された複数のセラミックス粒子によって構成されている。
(他のセンサ素子2の構成)
図示は省略するが、センサ素子2は、1つの固体電解質体31を有するものに限られず、2つ以上の固体電解質体31を有するものとしてもよい。固体電解質体31に設けられる電極311,312は、排気電極311及び大気電極312の一対のものだけに限られず、複数組の電極としてもよい。1つ又は複数の固体電解質体31に複数組の電極が設けられている場合には、ヒータ34の発熱部341は、複数組の電極に積層方向Dから対向する位置に設けることができる。
(ガスセンサ10の他の構成)
図1に示すように、ガスセンサ10は、センサ素子2を排気管7に配置して、センサ制御装置5に電気配線するために、ハウジング41、素子保持材42、端子保持材43、接触部材431、接点端子44、先端側カバー45、基端側カバー46、ブッシュ47、リード線48等を有する。
ハウジング41は、ガスセンサ10を排気管7の取付口71に締め付けるために用いられる。ハウジング41は、素子保持材42等を介してセンサ素子2を保持する。センサ素子2は、ガラス粉末421を介して素子保持材42に保持され、素子保持材42は、かしめ用材料422,423,424を介してハウジング41に保持されている。素子保持材42の長手方向Lの基端側L2には、接点端子44を保持する端子保持材43が連結されている。端子保持材43は、接触部材431によって基端側カバー46に支持されている。
接点端子44は、センサ素子2における、端子接続部22としての電極リード部313の基端部、及び端子接続部22としての発熱体リード部342の基端部に接触し、電極リード部313及び発熱体リード部342をリード線48に電気的に接続するものである。接点端子44は、端子保持材43内に配置された状態で、接続金具441を介してリード線48に接続されている。
図1に示すように、先端側カバー45は、ハウジング41の長手方向Lの先端側L1に設けられており、センサ素子2のセンサセル21を覆う。先端側カバー45には、センサ素子2に接触する排ガスGが流通可能なガス流通孔451が形成されている。センサ素子2のセンサセル21及び先端側カバー45は、内燃機関の排気管7内に配置される。排気管7内を流れる排ガスGの一部は、先端側カバー45のガス流通孔451から先端側カバー45内に流入する。そして、先端側カバー45内の排ガスGは、センサ素子2の表面保護層37及び拡散抵抗部32を通過して排気電極311へと導かれる。
基端側カバー46は、ハウジング41の長手方向Lの基端側L2に設けられており、ガスセンサ10の長手方向Lの基端側L2に位置する配線部を覆って、この配線部を大気A中の水等から保護するためのものである。配線部は、センサ素子2に電気的に繋がる部分としての、接点端子44、接点端子44とリード線48との接続部分(接続金具441)等によって構成される。
基端側カバー46の長手方向Lの基端側L2の部分の内周側には、複数のリード線48を保持するブッシュ47が保持されている。基端側カバー46には、ガスセンサ10の外部から大気Aを導入するための大気導入孔461が形成されている。大気導入孔461は、撥水フィルタ462によって覆われている。センサ素子2における、大気ダクト36の基端位置は、基端側カバー46内の空間に開放されており、大気Aは、大気ダクト36内の大気電極312へ導かれる。
(センサ制御装置5)
図1に示すように、ガスセンサ10におけるリード線48は、ガスセンサ10におけるガス検出の制御を行うセンサ制御装置5に電気接続されている。センサ制御装置5は、エンジンにおける燃焼運転を制御するエンジン制御装置6と連携してガスセンサ10における電気制御を行うものである。センサ制御装置5は、各種制御回路、コンピュータ等を用いて構成されている。なお、センサ制御装置5は、エンジン制御装置6内に構築してもよい。
図5には、センサ制御装置5の電気的構成を模式的に示す。センサ検出部51、温度検知部52、ヒータ制御部53及びヒータ電流検出部56は、主に制御回路によって構成され、変化速度算出部54及び補正出力部55は、主にコンピュータ50によって構成されている。センサ制御装置5においては、温度検知部52によるセンサセル21の温度がフィードバックされて、ヒータ制御部53によるセンサセル21の温度のフィードバック制御が行われる。また、センサ制御装置5においては、ヒータ電流検出部56によるヒータ電流Ihが用いられて、変化速度算出部54によるヒータ電流Ihの変化速度ΔSが算出される。そして、補正出力部55によって、変化速度ΔSに基づいてセンサ検出部51によるセンサ電流Isが補正されて、センサ補正出力Osが算出される。
(センサ検出部51)
図2に示すように、センサ検出部51は、排気電極311と大気電極312との間に直流電圧を印加する電圧印加回路511と、排気電極311と大気電極312との間に流れる電流を測定する電流検出回路512とを有する。電圧印加回路511は、排ガスGがガス室35内に流入するときの拡散抵抗部32による拡散抵抗によってセンサセル21に限界電流特性が生じる大きさの直流電圧を電極311,312間に印加する。電圧印加回路511は、ガス室35内の酸素を排出するよう、大気電極312をプラス側として、電極311,312間に直流電圧を印加する。
センサ検出部51においては、内燃機関において燃料リーンの状態で燃焼した後の排ガスGが排気電極311に到達するときには、主にプラス側のセンサ電流Isが検出され、内燃機関において燃料リッチの状態で燃焼した後の排ガスGが排気電極311に到達するときには、主にマイナス側のセンサ電流Isが検出される。
(温度検知部52)
図2に示すように、温度検知部52は、センサセル21の抵抗値又はインピーダンスを検出する検出回路521を有する。温度検知部52は、検出回路521によって検出されたセンサセル21の抵抗値又はインピーダンスを用いて、センサセル21の温度を検知するよう構成されている。排ガスGの組成がストイキ(理論空燃比)の近傍にあるときには、センサ検出部51によって検出されるセンサ電流Isはほぼゼロになる。このストイキ状態等の排ガスGの組成に変動が少ない状態において、センサセル21の電極311,312間に電圧を印加したときの電流値を検出することにより、抵抗値又はインピーダンスを検出することができる。そして、温度検知部52は、抵抗値又はインピーダンスとセンサセル21の温度との相関関係に基づいて、抵抗値又はインピーダンスに基づいて、センサセル21の温度を検知する。
温度検知部52は、ヒータ34の抵抗値又はインピーダンスを検出することによって、センサセル21の温度を推定するよう構成されていてもよい。この場合にも、センサセル21の抵抗値又はインピーダンスを検出する場合と同様の構成にすることができる。
(ヒータ制御部53)
図3に示すように、ヒータ制御部53は、ヒータ34を構成する発熱体の発熱体リード部342に、パルス状の交流電圧としての印加電圧Vhを印加するよう構成されている。ヒータ制御部53は、ヒータ34に通電を行う通電制御回路531を用いて形成されている。ヒータ制御部53は、パルス状の印加電圧Vhのデューティ比を変化させて、ヒータ34への印加電圧Vhを調整するパルス幅変調制御(PWM制御)を行うよう構成されている。
図6(a)に示すように、ヒータ34にパルス状の印加電圧Vhが印加されるときには、ヒータ34には、パルス状の印加電圧Vhのオン時電圧とデューティ比との積である実効電圧Veが実質的に印加される。デューティ比は、オン時電圧/1周期、換言すれば、交流電圧の1周期におけるオン時電圧の割合として表される。ヒータ制御部53によってセンサセル21を加熱する目標温度は、例えば、センサセル21の活性化温度として、600~900℃の間の所定の温度として設定される。
(ヒータ電流検出部56)
図3に示すように、センサ制御装置5は、ヒータ34に流れるヒータ電流Ihを検出するヒータ電流検出部56を有する。ヒータ電流検出部56は、ヒータ電流Ihを検出する電流検出回路561を用いて形成されている。ヒータ電流検出部56は、ヒータ制御部53によってヒータ34にパルス状の印加電圧Vhが印加される際に、実効電圧Veに応じた実効電流を検出するよう構成されている。ヒータ電流検出部56は、ヒータ34に接続されたヒータ制御部53の通電制御回路531に配置されたシャント抵抗の両端の電圧を測定して、ヒータ電流Ihを検出するよう構成されている。
本形態のヒータ電流検出部56は、内燃機関の空燃比が制御されるストイキ近傍において、ヒータ34に流れるヒータ電流Ihを検出する。ガスセンサ10が配置された排気管7内において、センサセル21の温度を変動させる要因となる外乱があるときに、ヒータ制御部53がセンサセル21の温度を目標温度に維持しようとすることにより、ヒータ電流Ihには変動が生じる。外乱としては、排気管7内を流れる排ガスGの温度、流量等の変動がある。
図6(b)及び図7に示すように、ヒータ電流検出部56がヒータ電流Ihを検出するサンプリング周期t1は、ヒータ制御部53によるパルス状の印加電圧Vhの周期t2よりも短い。この構成により、ヒータ電流Ihの変化を適切に検出することができる。また、本形態においては、ヒータ電流検出部56がヒータ電流Ihを検出するサンプリング周期t1は、ヒータ制御部53によるパルス状の印加電圧Vhの周期t2の1/10よりも短くする。センサ検出部51がセンサ電流Isを検出するサンプリング間隔、及び温度検知部52がセンサセル21の抵抗値又はインピーダンスを検出するサンプリング間隔は、ヒータ電流検出部56がヒータ電流Ihを検出するサンプリング周期t1以下とすればよい。なお、図7は、図6(c)の一部を抜き出したものである。
(変化速度算出部54)
図3、図6(b),(c)及び図7に示すように、変化速度算出部54は、ヒータ電流検出部56によって検出されたヒータ電流Ihの変化速度ΔSを算出するよう構成されている。温度検知部52によって検知されるセンサセル21の温度がヒータ制御部53によって目標温度に維持されるときには、センサセル21の温度が目標温度に対して上下に変動することが想定される。また、ヒータ制御部53によってセンサセル21の温度が目標温度に制御されるときには、センサセル21の温度が上昇する場合、センサセル21の温度が低下する場合、センサセル21の温度がほとんど変動しない場合等も想定される。これらのとき、ヒータ電流Ihは、ヒータ制御部53による通電量に応じて変動し、ヒータ電流Ihは、その変動に応じた変化速度を有することになる。
本形態においては、図6(c)に示すように、変化速度算出部54によるヒータ電流Ihの変化速度ΔSは、パルス状の印加電圧Vhのオン時電圧とデューティ比との積である実効電圧Veに応じた、ヒータ34における実効電流の変化速度ΔSとして算出される。実効電流の変化速度ΔSは、ヒータ制御部53によるヒータ34へのオン・オフの通電の切り替えに伴う小さな周期のノイズ成分(切り替えノイズ成分という。)の変化を反映するものではない。実効電流の変化速度ΔSは、センサセル21の温度が目標温度に維持されるときに、切り替えノイズ成分よりも大きな周期のノイズ成分(温度制御ノイズ成分という。)の変化を反映するものである。
図6(b)に示すように、変化速度算出部54においては、ヒータ電流検出部56によるヒータ電流Ihの値は、ヒータ制御部53によるパルス状の印加電圧Vhの周期t2よりも長い所定時間内におけるヒータ電流Ihの平均値aとして求める。そして、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSは、ヒータ電流Ihの平均値aが求められた所定時間よりも長い所定時間におけるヒータ電流Ihの値の変化量(差分値)、微分値等に基づいて求められる。変化速度ΔSは、図6(b)におけるヒータ電流Ihの波形の傾きとして示される。ヒータ電流Ihの平均値aは、ヒータ制御部53によるパルス状の印加電圧Vhの周期t2の整数倍の周期で求めてもよい。
ヒータ制御部53によって同じデューティ比のパルス状の印加電圧Vhが連続してヒータ34に印加されるときには、ヒータ電流Ihの平均値aが一定になり、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSはゼロになる。ヒータ制御部53によって異なるデューティ比のパルス状の印加電圧Vhがヒータ34に適宜印加されるときには、ヒータ電流Ihの平均値aが一定にならず、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSは所定の値を有する。
図6(b),(d)に示すように、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSは、ヒータ電流Ihの単位時間当たりの変動量(変化量)を示す。ヒータ電流Ihの単位時間当たりの変動量は、センサ検出部51によるセンサセル21のセンサ電流Isに、温度制御ノイズ成分としての単位時間当たりの変動量を生じさせることが判明している。換言すれば、センサ検出部51によるセンサセル21のセンサ電流Isには、ヒータ電流Ihの変動に応じた変動が、位相遅れtaを適宜伴いつつ生じることが判明している。
(補正出力部55)
図2、図3及び図6(d)に示すように、補正出力部55は、ヒータ電流Ihの単位時間当たりの変動量が、センサ検出部51によって検出されたセンサ電流Isであるセンサ出力に与える影響を減らして、ガスセンサ10のセンサ補正出力Osを算出する。特に、補正出力部55は、センサ出力に含まれる温度制御ノイズ成分を除去して、ガスセンサ10のセンサ補正出力Osを算出する。補正出力部55は、ヒータ電流Ihの変動の振幅及び周期、ヒータ電流Ihの変動がセンサ電流Isの変動として現れるまでの位相遅れta等を反映して、センサ補正出力Osを算出する。この構成により、センサ補正出力Osの精度を高めることができる。
補正出力部55は、センサ電流Isの実効電流の変化速度ΔSを用い、センサセル21に生じる誘導電流を打ち消すようにセンサ出力を補正して、センサ補正出力Osを算出する。ヒータ電流Ihの変動の振幅が大きくなると、センサ電流Isに重畳する温度制御ノイズ成分の振幅も大きくなる傾向にある。また、ヒータ電流Ihの変動の周期が短くなると(周波数が大きくなると)、センサ電流Isに重畳する温度制御ノイズ成分の振幅が大きくなる傾向にある。ヒータ電流Ihに生じる変動の振幅及び周期は、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSに反映される。そのため、補正出力部55は、ヒータ電流Ihの実効電流の変化速度ΔSが大きくなるほど、センサ電流Isから温度制御ノイズ成分をキャンセルするための補正量を大きくする。このような構成により、センサ電流(センサ出力)Isに含まれる温度制御ノイズ成分を効果的に除去することができる。
また、図6(b),(d)に示すように、ヒータ電流Ihの変動がセンサ電流Isの変動として現れるまでの温度制御ノイズ成分の位相遅れtaは、ヒータ34と各電極311,312及び各電極リード部313との間に配置された絶縁体33A,33B、大気ダクト36等の透磁率、誘電率等の大きさに応じた固有の値を有する。ここで、透磁率は、ヒータ34から各電極311,312及び各電極リード部313への磁束の透過のしやすさを示すものである。誘磁率が大きいほど、磁束が透過しやすくなる。
また、誘電率は、ヒータ34と各電極311,312及び各電極リード部313との間に形成される疑似コンデンサによる静電容量を形成するものである。静電容量は、誘電率に比例して大きくなる。静電容量が大きいほど、磁束が透過する速度が遅くなる。
温度制御ノイズ成分の位相遅れtaは、ガスセンサ10の試作後に試験等を行って求めておけばよい。そして、補正出力部55は、センサ電流Isを補正する際には、位相遅れtaを加味して補正する。換言すれば、補正出力部55は、位相遅れtaがある分だけ時間をずらして、センサ電流Isを補正して、センサ補正出力Osを算出する。
センサセル21に生じるセンサ電流Isには、ヒータ34における実効電流に応じて、センサセル21における排気電極311及び大気電極312に繋がる各電極リード部313に生じる誘導電流が温度制御ノイズ成分として含まれている。ヒータ制御部53によるヒータ34のパルス幅変調制御が行われるときには、ヒータ34には、パルス状の印加電圧Vhのオン・オフに伴う電流の変化が生じ、ヒータ34の配線方向の軸線の周りには、この電流の変化に応じた磁束が生じる。そして、この磁束がセンサセル21における排気電極311及び大気電極312に繋がる各電極リード部313に誘導電流を生じさせ、この誘導電流がセンサ電流Isに重畳する。また、この誘導電流は、位相遅れtaを伴ってセンサ電流Isに重畳する。
(関係マップM)
図8には、ヒータ制御部53によるヒータ34への印加電圧Vhを適宜変化させたときに、ヒータ電流検出部56によってヒータ電流Ihを検出するとともにセンサ検出部51によってセンサ電流Isを検出し、ヒータ電流Ihの変化速度ΔS[A/sec]とセンサ電流Isの変化量[μA]との関係を求めたグラフを示す。ヒータ電流Ihの変化速度ΔSが大きくなるほど、センサ電流Isの変化量が大きくなる。図8においては、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSに対するセンサ電流Isの変化量の値をプロットしている。
図9に示すように、センサ制御装置5は、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSと、補正出力部55によるセンサ電流(センサ出力)Isの補正量との関係を示す関係マップMを有する。センサ電流Isの変化量が温度制御ノイズ成分であると考えられるため、センサ電流Isの変化量にマイナスの符号を付けた値がセンサ電流Isの補正量となる。
関係マップMにおいては、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSには、ヒータ電流Ihが増加する側であるプラス側の変化速度ΔSと、ヒータ電流Ihが減少する側であるマイナス側の変化速度ΔSとがある。関係マップMにおいては、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSがプラス側にあるときには、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSがプラス側に大きくなるほどセンサ電流Isの補正量をマイナス側に大きくする関係がある。また、関係マップMにおいては、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSがマイナス側にあるときには、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSがマイナス側に大きくなるほどセンサ電流Isの補正量をプラス側に大きくする関係がある。
補正出力部55は、変化速度算出部54によって算出されたヒータ電流Ihの変化速度ΔSを関係マップMに照合して決定されたセンサ電流Isの補正量に基づいて、センサ補正出力Osを算出する。また、補正出力部55は、センサ補正出力Osを算出するときには、温度制御ノイズ成分の位相遅れtaの分だけ過去に遡った時間におけるセンサ出力の補正量を利用する。関係マップMを用いることにより、補正出力部55によるセンサ電流Isの補正を容易にすることができる。
(ガス濃度検出装置1の動作)
図6(a)には、ヒータ制御部53によってヒータ34に印加されるパルス状の印加電圧Vhの時間的変化を示す。また、図6(a)においては、ヒータ34への印加電圧Vhの実効値も示す。図6(b)には、ヒータ電流検出部56によって検出される、ヒータ34に流れるヒータ電流Ihを示す。ヒータ電流Ihは、ヒータ34への印加電圧Vhの実効値と同様の波形となる。
図6(c)には、変化速度算出部54によって算出される、ヒータ電流Ihの単位時間当たりの変化量を示すヒータ電流Ihの変化速度ΔSの時間的変化を示す。ヒータ電流Ihの変化速度ΔSは、パルス状の印加電圧Vhの周期の整数倍の時間差内における、ヒータ電流Ihの差分値等によって求められる。
図6(d)には、センサ検出部51によって検出されるセンサ電流Isの時間的変化を示す。センサ電流Isは、ヒータ電流Ihの時間的変化に対して位相遅れtaを生じた波形として検出される。そして、ヒータ電流Ihの時間的変化に伴うセンサ電流Isの時間的変化は、温度制御ノイズ成分であるとして、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSによって、位相遅れtaを考慮して補正する。これにより、補正後のセンサ補正出力Osは、温度制御ノイズ成分による影響がなくなるように補正される。
(ガス濃度の検出方法)
以下に、ガス濃度検出装置1を用いたガス濃度の検出方法の一例について、図10のフローチャートを参照して説明する。
車両の内燃機関及びエンジン制御装置6の起動を受けてガスセンサ10及びセンサ制御装置5も起動される。センサ制御装置5においては、ヒータ制御部53によってヒータ34のパルス幅変調制御が行われて、センサセル21がヒータ34によって加熱される(ステップS101)。次いで、温度検知部52によってセンサセル21の温度が検出され(ステップS102)、センサセル21の温度が活性化温度になるまで、センサセル21の加熱が継続される(ステップS103)。センサセル21の活性化温度は、ヒータ制御部53によってセンサセル21を加熱する目標温度となる。
次いで、温度検知部52によるセンサセル21の温度が活性化温度になった後には、所定のサンプリング間隔で、センサ検出部51によってセンサ電流Isが検出されるとともに(ステップS104)、ヒータ電流検出部56によってヒータ電流Ihが検出される(ステップS105)。次いで、センサ電流Is及びヒータ電流Ihが複数回検出されて、ヒータ電流Ihの平均値aが求められる所定時間間隔が1回又は複数回経過したときには(ステップS106)、変化速度算出部54がヒータ34に流れるヒータ電流Ihの変化速度ΔSを算出する(ステップS107)。
このとき、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSは、現時点のヒータ電流Ihの平均値aと、過去の時点のヒータ電流Ihの平均値aとの差分値を、現時点と過去の時点との時間差によって除算して求められる。ヒータ電流Ihの変化速度ΔSには、プラス側の変化速度ΔSとマイナス側の変化速度ΔSとがある。
次いで、補正出力部55によって、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSが関係マップMに照合されてセンサ電流Isの補正量が決定される(ステップS108)。そして、補正出力部55によって、温度制御ノイズ成分の位相遅れtaの分だけ過去に遡った時間におけるセンサ電流Isの補正量が、現時点のヒータ電流Ihの平均値aと演算されて、センサ補正出力Osが算出される(ステップS109)。
なお、センサ電流Isの補正値がマイナス側である場合には、センサ電流Isの補正値が現時点のセンサ電流Isの平均値aから減算され、センサ電流Isの補正値がプラス側である場合には、センサ電流Isの補正値が現時点のセンサ電流Isの平均値aに加算される。その後、センサ制御装置5による制御が停止されるまで(ステップS110)、ステップS104~S110が繰り返される。
(作用効果)
本形態のガス濃度検出装置1のセンサ制御装置5においては、温度検知部52によって検知されるセンサセル21の温度がヒータ制御部53によって目標温度に維持されるときの、ヒータ34に流れるヒータ電流Ihの変化速度ΔSが変化速度算出部54によって算出される。この変化速度ΔSは、センサセル21の温度が外乱による影響を受ける際に、センサセル21の温度が目標温度からずれないように、ヒータ34への印加電圧Vhが調整されるときに算出される変化の速度として示される。
センサセル21の温度が外乱による影響を受ける際に、センサ検出部51によって、センサセル21に生じるセンサ電流Isがセンサ出力として検出されるときには、センサ出力には、ヒータ34への実効値としての印加電圧Vhが変化することに伴う温度制御ノイズ成分が重畳していると可能性が高い。そこで、変化速度算出部54によって算出されたヒータ電流Ihの変化速度ΔSを用いて、補正出力部55が、センサ出力を補正して、ガスセンサ10のセンサ補正出力Osを算出する。
この構成により、本形態のガス濃度検出装置1によれば、温度制御ノイズ成分がセンサ出力に与える影響が除去され、ガスセンサ10のセンサ出力の検出精度が高められる。また、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSを用いることにより、ガスセンサ10のセンサ出力の検出精度を効果的に高めることができる。
<実施形態2>
本形態のガス濃度検出装置1は、図11及び図12(a),(b),(c),(d)に示すように、センサ制御装置5の補正出力部55が、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSの他に、温度検知部52によって検知される温度も用いて、センサ電流Isとしてのセンサ出力を補正する場合について示す。本形態の補正出力部55は、センサセル21の温度がセンサ電流Isの大きさに与える影響、及びセンサセル21の温度がセンサ電流Isの位相遅れtaに与える影響を加味してセンサ電流Ihを補正して、センサ補正出力Osを算出する。
図11には、本形態のセンサ制御装置5の電気的構成を模式的に示す。センサ制御装置5においては、ヒータ電流検出部56によるヒータ電流Ihが用いられて、変化速度算出部54によるヒータ電流Ihの変化速度ΔSが算出される。そして、補正出力部55によって、変化速度ΔS、及びヒータ制御部53によるセンサセル21の変化温度ΔTに基づいて、センサ検出部51によるセンサ電流Isが補正されて、センサ補正出力Osが算出される。
温度検知部52によって検知されるセンサセル21の温度は、センサ電流Isに生じる温度制御ノイズ成分の大きさ及び位相遅れtaに影響を与える。ヒータ34と各電極311,312及び各電極リード部313との間に配置された絶縁体33A,33B、大気ダクト36等の透磁率は、温度が高くなるほど大きくなる。つまり、センサ素子2の温度が高くなるほど、ヒータ電流Ihの変動に伴うセンサ電流Isの変動も大きくなる。なお、このことは、温度が高くなると、ヒータ34の抵抗値が高くなってヒータ電流Ihが流れにくくなることとは逆の関係にある。
また、ヒータ34と各電極311,312及び各電極リード部313との間に配置された絶縁体33A,33B、大気ダクト36等の誘電率及び静電容量は、温度が高くなるほど小さくなる。ヒータ電流Ihの変化に応じて、センサセル21の各電極311,312及び各電極リード部313に生じる誘導電流は、静電容量が小さいほど、センサ電流Isに重畳するまでの位相遅れtaが短くなる。つまり、センサ素子2の温度が高くなるほど、ヒータ電流Ihの変動に対するセンサ電流Isの変動の位相遅れtaは短くなる。
図12(a),(b)においては、実施形態1と同様に、パルス状の印加電圧Vh及びヒータ電流Ihの時間的変化を示す。図12(c)においては、ヒータ電流Ihが変化したときのセンサセル21の変化温度ΔTを示す。センサセル21の変化温度ΔTは、ヒータ電流Ihの変動に対して、図12(d)のセンサ電流Isと同様に、所定の位相遅れtbを伴う。ヒータ電流Ihの変動に対する、センサ電流Isの位相遅れtaと変化温度ΔTの位相遅れtbとは同様の値になると考えられる。
本形態のセンサ制御装置5は、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSと、補正出力部55によるセンサ電流Isの補正量との関係を示す第1関係マップM1と、センサセル21の温度と、補正出力部55によるセンサ電流Isの補正量との関係を示す第2関係マップM2とを有する。第1関係マップM1は、実施形態1の図9における関係マップMと同様である。
図13には、ヒータ制御部53によるヒータ34への印加電圧Vhを変化させたときに、ヒータ電流検出部56によってヒータ電流Ihを検出するとともにセンサ検出部51によってセンサ電流Isを検出し、ヒータ電流Ihの変化速度ΔS[μA/sec]をパラメータとして、センサセル21の温度の上昇量を示す変化温度ΔT[℃]とセンサ電流Isの変化量[μA]との関係として求めたグラフを示す。変化温度ΔTは、目標温度から変化した温度として捉えることができる。変化温度ΔTが高くなるほど、センサ電流Isの変化量も大きくなる。また、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSが大きくなるほど、変化温度ΔTに対するセンサ電流Isの変化量の幅が大きくなる。
図13において、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSは、0.1Hz、0.2Hz、0.3Hzとして示す。図13においては、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSをパラメータとした、変化温度ΔTに対するセンサ電流Isの変化量の値をプロットしている。
図14に示すように、センサ電流Isの変化量は温度制御ノイズ成分であると考えられるため、第2関係マップM2においては、センサ電流Isの変化量にマイナスの符号を付けた値がセンサ電流Isの補正量となる。センサ電流(センサ出力)Isの補正量は、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSが大きくなるほど大きくなり、かつ変化温度ΔTが高くなるほど大きくなる関係を有している。
図14に示すように、第2関係マップM2においては、変化温度ΔTには、変化温度ΔTが上昇する側であるプラス側の場合と、変化温度ΔTが低下する側であるマイナス側の変化速度とがある。第2関係マップM2においては、変化温度ΔTがプラス側にあるときには、変化温度ΔTがプラス側に大きくなるほどセンサ電流Isの補正量をマイナス側に大きくする関係がある。また、第2関係マップM2においては、変化温度ΔTがマイナス側にあるときには、変化温度ΔTがマイナス側に大きくなるほどセンサ電流Isの補正量をプラス側に大きくする関係がある。
補正出力部55は、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSを第1関係マップM1に照合して決定されたセンサ電流Isの第1補正量、及びヒータ電流Ihの変化速度ΔS及び変化温度ΔTを第2関係マップM2に照合して決定されたセンサ電流Isの第2補正量に基づいて、センサ補正出力Osを算出する。また、補正出力部55は、センサ補正出力Osを算出するときには、位相遅れtaの分だけ過去に遡った時点におけるセンサ電流Isの第1補正量と、位相遅れtbの分だけ過去に遡った時点におけるセンサ電流Isの第2補正量とを利用する。
換言すれば、本形態の補正出力部55は、位相遅れtaの分だけ過去に遡った時点におけるセンサ電流Isの第1補正量と、位相遅れtbの分だけ過去に遡った時点におけるセンサ電流Isの第2補正量とを合算して、センサ補正出力Osを算出する。第1関係マップM1及び第2関係マップM2を用いることにより、補正出力部55によるセンサ電流Isの補正の精度をより高めることができる。
(ガス濃度検出装置1の動作)
図15(a),(b),(c)には、変化速度算出部54及び補正出力部55を有しない従来のガス濃度検出装置(比較品)において、ヒータ制御部53によってセンサセル21の温度が目標温度に制御されるときに、外乱によってヒータ電流Ih及びセンサセル21の温度に変動が生じるときのセンサ電流(センサ出力)Isの変動を示す。図15(a),(b),(c)においては、ガスセンサ10に供給される排ガスGの温度を、模擬的に正弦波状に変動させた場合について示す。
図15(a)には、ヒータ電流Ihの変動を示し、図15(b)には、センサセル21の温度の変動を示し、図15(c)には、センサ電流(センサ出力)Isの変動を示す。図15(a),(b),(c)に示すように、ヒータ電流Ih及びセンサセル21の温度が変動するときには、所定の位相遅れtaを生じてセンサ電流Isが変動していることが分かる。
図16(a),(b),(c)には、比較品について、センサセル21の温度の変動幅が小さくなった場合についての、センサ電流Isの変動を示す。センサセル21の温度の変動幅が小さくなったときには、センサ電流Isの変動も小さくなっていることが分かる。なお、図示は省略するが、ヒータ電流Ihの周期が短くなる(振動の周波数が大きくなる)と、センサ電流Isの振幅が大きくなる。
図17(a),(b),(c)には、変化速度算出部54及び補正出力部55を有する実施形態2のガス濃度検出装置1(実施品)において、ヒータ制御部53によってセンサセル21の温度が目標温度に制御されるときに、外乱によってヒータ電流Ih及びセンサセル21の温度に変動が生じるときのセンサ電流(センサ出力)Isの変動を示す。図17(a),(b),(c)においても、ガスセンサ10に供給される排ガスGの温度を、模擬的に正弦波状に変動させた場合について示す。
図17(c)に示すように、実施品においては、変化速度算出部54及び補正出力部55によるセンサ電流Isの補正が行われていることによって、センサ電流Isの変動が小さく抑制されていることが分かる。
本形態のガス濃度検出装置1における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の構成、作用効果等と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の構成要素と同様である。
<その他の実施形態>
センサ検出部51は、センサ電流Isをセンサ電圧に変換して検出する構成を有していてもよい。この場合には、補正出力部55においては、センサ電圧が補正されてセンサ補正出力Osが算出される。
また、変化速度算出部54は、ヒータ電流Ihの変化速度ΔSを算出する代わりに、ヒータ34への印加電圧Vhの変化速度を算出してもよい。ヒータ34への印加電圧Vhは、温度検知部52によるセンサセル21の温度の変化に応じて適宜変化する。ヒータ34への印加電圧Vhの変化速度は、印加電圧Vhの実効値の変化の速度として求められる。この場合にも、補正出力部55は、実施形態2に示すセンサセル21の温度の変化を反映して、センサ電流Isを補正することが好ましい。また、変化速度算出部54は、ヒータ電流Ihの変化速度ΔS及びヒータ34への印加電圧Vhの変化速度の両方を用いてもよい。
ヒータ制御部53は、パルス幅変調(PWM)制御の代わりに、パルス周波数変調(PFM)制御を用いて、ヒータ34に印加電圧Vhを与えてもよい。PFM制御においては、同じ幅のパルス状の印加電圧Vhが、ヒータ34に印加される間隔が適宜変更される。
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。さらに、本発明から想定される様々な構成要素の組み合わせ、形態等も本発明の技術思想に含まれる。
1 ガス濃度検出装置
10 ガスセンサ
21 センサセル
34 ヒータ
5 センサ制御装置
51 センサ検出部
52 温度検知部
53 ヒータ制御部
54 変化速度算出部
55 補正出力部

Claims (9)

  1. 固体電解質体(31)に一対の電極(311,312)が設けられた1つ又は複数のセンサセル(21)、及び通電によって発熱して前記センサセルを加熱するヒータ(34)を有するガスセンサ(10)と、
    前記センサセル及び前記ヒータの動作を制御するセンサ制御装置(5)と、を備え、
    前記センサ制御装置は、
    前記センサセルに生じるセンサ電流(Is)又はセンサ電圧を検出するセンサ検出部(51)と、
    前記センサセルの温度を検知する温度検知部(52)と、
    前記ヒータへの印加電圧を調整するヒータ制御部(53)と、
    前記温度検知部によって検知される前記温度が前記ヒータ制御部によって目標温度に維持されるときの、前記ヒータへの印加電圧(Vh)の変化速度、及び前記ヒータに流れるヒータ電流(Ih)の変化速度(ΔS)のうちの少なくともいずれかを算出する変化速度算出部(54)と、
    前記変化速度算出部によって算出された前記変化速度を用いて、前記センサ検出部によって検出された前記センサ電流又は前記センサ電圧であるセンサ出力を補正して、前記ガスセンサのセンサ補正出力(Os)を算出する補正出力部(55)と、を有する、ガス濃度検出装置(1)。
  2. 前記センサ制御装置は、前記ヒータ電流を検出するヒータ電流検出部(56)をさらに有し、
    前記変化速度算出部は、前記ヒータ電流検出部によって検出された前記ヒータ電流の変化速度を算出し、
    前記補正出力部は、前記ヒータ電流の変化速度を用いて前記センサ出力を補正して、前記センサ補正出力を算出する、請求項1に記載のガス濃度検出装置。
  3. 前記補正出力部は、前記ヒータ電流の変化速度の他に、前記温度検知部によって検知される前記温度も用い、前記温度が前記センサ電流の大きさに与える影響、及び前記温度が前記センサ電流の位相遅れ(tb)に与える影響を加味して前記センサ出力を補正して、前記センサ補正出力を算出する、請求項2に記載のガス濃度検出装置。
  4. 前記ヒータ制御部は、パルス状の印加電圧のデューティ比を変化させて、前記ヒータへの印加電圧を調整するパルス幅変調制御を行うよう構成されており、
    前記ヒータ電流検出部が前記ヒータ電流を検出するサンプリング周期(t1)は、前記パルス状の印加電圧の周期(t2)よりも短い、請求項2又は3に記載のガス濃度検出装置。
  5. 前記変化速度算出部による前記ヒータ電流の変化速度は、前記パルス状の印加電圧のオン時電圧とデューティ比との積である実効電圧(Ve)に応じた、前記ヒータにおける実効電流の変化速度として算出される、請求項4に記載のガス濃度検出装置。
  6. 前記センサ検出部は、前記センサセルに生じるセンサ電流を検出するよう構成されており、
    前記センサセルに生じるセンサ電流には、前記ヒータにおける実効電流に応じて、前記センサセルの一対の前記電極の各電極リード部(313)に生じる誘導電流が含まれており、
    前記補正出力部は、前記実効電流の変化速度を用い、前記センサセルに生じる誘導電流を打ち消すように前記センサ出力を補正して、前記センサ補正出力を算出する、請求項5に記載のガス濃度検出装置。
  7. 前記補正出力部は、前記誘導電流によって前記ヒータ電流に生じる位相遅れ(ta)を加味して前記センサ出力を補正して、前記センサ補正出力を算出する、請求項6に記載のガス濃度検出装置。
  8. 前記センサ制御装置は、前記変化速度と、前記補正出力部による前記センサ出力の補正量との関係を示す関係マップ(M)をさらに有し、
    前記センサ出力の補正量は、前記変化速度が大きくなるほど大きくなる関係を有しており、
    前記補正出力部は、前記変化速度算出部によって算出された前記変化速度を前記関係マップに照合して決定された前記センサ出力の補正量に基づいて、前記センサ補正出力を算出する、請求項1~7のいずれか1項に記載のガス濃度検出装置。
  9. 前記センサ制御装置は、
    前記ヒータ電流の変化速度と、前記補正出力部による前記センサ出力の補正量との関係を示す第1関係マップ(M1)と、
    前記温度と、前記補正出力部による前記センサ出力の補正量との関係を示す第2関係マップ(M2)とをさらに有し、
    前記センサ出力の補正量は、前記ヒータ電流の変化速度が大きくなるほど大きくなり、かつ前記温度が高くなるほど大きくなる関係を有しており、
    前記補正出力部は、前記ヒータ電流の変化速度を前記第1関係マップに照合して決定された前記センサ出力の第1補正量、及び前記温度の変化量を前記第2関係マップに照合して決定された前記センサ出力の第2補正量に基づいて、前記センサ補正出力を算出する、請求項3に記載のガス濃度検出装置。
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