JP7451881B2 - 炭化珪素エピタキシャル基板、炭化珪素半導体チップおよび炭化珪素半導体モジュール - Google Patents

炭化珪素エピタキシャル基板、炭化珪素半導体チップおよび炭化珪素半導体モジュール Download PDF

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Description

本開示は、炭化珪素エピタキシャル基板、炭化珪素半導体チップおよび炭化珪素半導体モジュールに関する。
国際公開2017/203623号(特許文献1)には、基板上に複数の炭化珪素スイッチング素子が搭載されたパワーモジュールが記載されている。
国際公開2017/203623号
本開示の目的は、炭化珪素半導体モジュールの信頼性を向上することである。
本開示に係る炭化珪素エピタキシャル基板は、炭化珪素基板と、炭化珪素エピタキシャル層とを備えている。炭化珪素エピタキシャル層は、炭化珪素基板上にある。炭化珪素エピタキシャル層の主面に平行な方向において、炭化珪素エピタキシャル層におけるZ1/2密度の最大値を最大密度とし、炭化珪素エピタキシャル層におけるZ1/2密度の最小値を最小密度とした場合、最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、0.05以上0.2以下である。
本開示に係る炭化珪素半導体チップは、炭化珪素エピタキシャル基板と、第1電極と、第2電極とを備えている。炭化珪素エピタキシャル基板は、第1導電型を有する炭化珪素基板と、炭化珪素基板上にある炭化珪素エピタキシャル層とを含んでいる。炭化珪素エピタキシャル層は、炭化珪素基板に接する第1導電型炭化珪素層と、第1導電型炭化珪素層上にある第2導電型炭化珪素層とを有している。第1電極は、第2導電型炭化珪素層に接している。第2電極は、炭化珪素基板に接している。炭化珪素エピタキシャル基板の主面に平行な方向において、第1導電型炭化珪素層におけるZ1/2密度の最大値を最大密度とし、第1導電型炭化珪素層におけるZ1/2密度の最小値を最小密度とした場合、最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、0.05以上0.2以下である。
本開示に係る炭化珪素半導体モジュールは、回路基板と、複数の炭化珪素半導体チップとを備えている。複数の炭化珪素半導体チップは、回路基板に実装されている。複数の炭化珪素半導体チップの各々は、炭化珪素エピタキシャル基板と、第1電極と、第2電極とを含んでいる。炭化珪素エピタキシャル基板は、第1導電型を有する炭化珪素基板と、炭化珪素基板上にある炭化珪素エピタキシャル層とを有している。炭化珪素エピタキシャル層は、炭化珪素基板に接する第1導電型炭化珪素層と、第1導電型炭化珪素層上にある第2導電型炭化珪素層とを有している。第1電極は、第2導電型炭化珪素層に接している。第2電極は、炭化珪素基板に接している。複数の炭化珪素半導体チップにおいて、第1導電型炭化珪素層におけるZ1/2密度の最大値を最大密度とし、第1導電型炭化珪素層におけるZ1/2密度の最小値を最小密度とした場合、最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、0.05以上0.2以下である。
本開示によれば、炭化珪素半導体モジュールの信頼性を向上することができる。
図1は、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の構成を示す平面模式図である。 図2は、図1のII-II線に沿った断面模式図である。 図3は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体モジュールの構成を示す平面模式図である。 図4は、図3のIV-IV線に沿った断面模式図である。 図5は、第1炭化珪素半導体チップの構成を示す平面模式図である。 図6は、図5のVI-VI線に沿った断面模式図である。 図7は、第2炭化珪素半導体チップの構成を示す平面模式図である。 図8は、図7のVIII-VIII線に沿った断面模式図である。 図9は、第2実施形態に係る炭化珪素半導体モジュールの構成を示す断面模式図である。 図10は、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法の第1工程を示す断面模式図である。 図11は、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法の第2工程を示す断面模式図である。 図12は、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法の第3工程を示す断面模式図である。 図13は、本実施形態に係る炭化珪素半導体チップの製造方法の第1工程を示す断面模式図である。 図14は、本実施形態に係る炭化珪素半導体チップの製造方法の第2工程を示す断面模式図である。 図15は、本実施形態に係る炭化珪素半導体チップの製造方法の第3工程を示す断面模式図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列挙して説明する。本明細書の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示す。結晶学上の指数が負であることは、通常、数字の上に”-”(バー)を付すことによって表現されるが、本明細書では数字の前に負の符号を付すことによって結晶学上の負の指数を表現する。
(1)本開示に係る炭化珪素エピタキシャル基板100は、炭化珪素基板4と、炭化珪素エピタキシャル層3とを備えている。炭化珪素エピタキシャル層3は、炭化珪素基板4上にある。炭化珪素エピタキシャル層3の主面1に平行な方向において、炭化珪素エピタキシャル層3におけるZ1/2密度の最大値を最大密度とし、炭化珪素エピタキシャル層3におけるZ1/2密度の最小値を最小密度とした場合、最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、0.05以上0.2以下である。
(2)上記(1)に係る炭化珪素エピタキシャル基板100において、最大密度は、2×1013cm-3以下であってもよい。
(3)上記(1)または(2)に係る炭化珪素エピタキシャル基板100において、炭化珪素エピタキシャル層3の厚みは、10μm以上50μm以下であってもよい。
(4)本開示に係る炭化珪素半導体チップ200は、炭化珪素エピタキシャル基板100と、第1電極60と、第2電極63とを備えている。炭化珪素エピタキシャル基板100は、第1導電型を有する炭化珪素基板4と、炭化珪素基板4上にある炭化珪素エピタキシャル層3とを含んでいる。炭化珪素エピタキシャル層3は、炭化珪素基板4に接する第1導電型炭化珪素層10と、第1導電型炭化珪素層10上にある第2導電型炭化珪素層8とを有している。第1電極60は、第2導電型炭化珪素層8に接している。第2電極63は、炭化珪素基板4に接している。炭化珪素エピタキシャル基板100の主面1に平行な方向において、第1導電型炭化珪素層10におけるZ1/2密度の最大値を最大密度とし、第1導電型炭化珪素層10におけるZ1/2密度の最小値を最小密度とした場合、最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、0.05以上0.2以下である。
(5)本開示に係る炭化珪素半導体モジュール300は、回路基板20と、複数の炭化珪素半導体チップ200とを備えている。複数の炭化珪素半導体チップ200は、回路基板20に実装されている。複数の炭化珪素半導体チップ200の各々は、炭化珪素エピタキシャル基板100と、第1電極60と、第2電極63とを含んでいる。炭化珪素エピタキシャル基板100は、第1導電型を有する炭化珪素基板4と、炭化珪素基板4上にある炭化珪素エピタキシャル層3とを有している。炭化珪素エピタキシャル層3は、炭化珪素基板4に接する第1導電型炭化珪素層10と、第1導電型炭化珪素層10上にある第2導電型炭化珪素層8とを有している。第1電極60は、第2導電型炭化珪素層8に接している。第2電極63は、炭化珪素基板4に接している。複数の炭化珪素半導体チップ200において、第1導電型炭化珪素層10におけるZ1/2密度の最大値を最大密度とし、第1導電型炭化珪素層10におけるZ1/2密度の最小値を最小密度とした場合、最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、0.05以上0.2以下である。
(6)上記(5)に係る炭化珪素半導体モジュール300において、複数の炭化珪素半導体チップ200の各々は、トランジスタ150と、ダイオード151とを含んでいてもよい。
(7)上記(5)に係る炭化珪素半導体モジュール300において、複数の炭化珪素半導体チップ200は、トランジスタ150を含む第1炭化珪素半導体チップ200と、ダイオード151を含む第2炭化珪素半導体チップ200とを有していてもよい。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態の詳細について説明する。以下の説明では、同一または対応する要素には同一の符号を付し、それらについて同じ説明は繰り返さない。
(炭化珪素エピタキシャル基板)
まず、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板100の構成を示す平面模式図である。図2は、図1のII-II線に沿った断面模式図である。
図1および図2に示されるように、炭化珪素エピタキシャル基板100は、炭化珪素基板4と、炭化珪素エピタキシャル層3とを有している。炭化珪素エピタキシャル層3は、炭化珪素基板4上にある。炭化珪素エピタキシャル基板100は、第1主面1と、第2主面2と、周縁27とを有している。第2主面2は、第1主面1と反対側にある。第1主面1は、炭化珪素エピタキシャル層3により構成されている。第2主面2は、炭化珪素基板4により構成されている。炭化珪素基板4および炭化珪素エピタキシャル層3の各々は、たとえば六方晶炭化珪素により構成されている。炭化珪素基板4および炭化珪素エピタキシャル層3の各々のポリタイプは、たとえば4Hである。
図1に示されるように、第1主面1の最大径(直径W1)は、たとえば150mmである。直径W1は、150mm以上でもよいし、200mm以上でもよいし、250mm以上でもよい。直径W1の上限は、特に限定されないが、たとえば300mm以下であってもよい。第1主面1は、中央領域11と、外周領域12とにより構成されている。外周領域12は、中央領域11に連なっている。外周領域12は、中央領域11を取り囲んでいる。外周領域12は、中央領域11の外側にある。外周領域12は、たとえば周縁27から3mm以内の領域である。第1主面1の径方向において、外周領域12の幅(外周幅W2)は、たとえば3mm以上5mm以下であってもよい。
図1に示されるように、第1主面1は、第1方向101および第2方向102の各々に沿って拡がっている。第1方向101は、たとえば<11-20>方向である。第2方向102は、たとえば<1-100>方向である。第1主面1は、{0001}面または{0001}面に対して傾斜した平面である。具体的には、第1主面1は、たとえば(0001)面または(0001)面に対して8°以下の角度だけ傾斜した面である。第1主面1は、(000-1)面または(000-1)面に対して8°以下の角度だけ傾斜した面であってもよい。第1主面1が{0001}面に対して傾斜している場合、{0001}面に対する第1主面1の傾斜方向(オフ方向)は、たとえば<11-20>方向である。
図1に示されるように、周縁27は、外周領域12に連なっている。周縁27は、オリエンテーションフラット部25と、円弧状部26とを有している。円弧状部26は、オリエンテーションフラット部25に連なっている。図1に示されるように、第1主面1に対して垂直な方向から見て、オリエンテーションフラット部25は、第1方向101に沿って延在している。
図2に示されるように、炭化珪素エピタキシャル層3の厚みTは、たとえば50μm以下である。炭化珪素エピタキシャル層3の厚みTは、40μm以下であってもよいし、30μm以下であってもよい。炭化珪素エピタキシャル層3の厚みTは、たとえば5μm以上であってもよい。炭化珪素基板4および炭化珪素エピタキシャル層3の各々は、たとえばn型不純物としての窒素(N)を含んでいる。炭化珪素基板4および炭化珪素エピタキシャル層3の各々の導電型は、たとえばn型(第1導電型)である。炭化珪素基板4の不純物濃度は、炭化珪素エピタキシャル層3の不純物濃度よりも高くてもよい。
図2に示されるように、炭化珪素基板4は、基底面転位9を含んでいる。第2主面2に平行な平面において、基底面転位9の面密度は、たとえば100cm-2より高く1000cm-2よりも低い。図2に示されるように、炭化珪素エピタキシャル基板100には、Z1/2と呼ばれる点欠陥41が存在する。点欠陥41は、炭素空孔に起因している。Z1/2のエネルギー準位は、Ec(伝導帯の底のエネルギー)-0.65eVである。Z1/2密度が高くなるとキャリア寿命が短くなる。
本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板100においては、炭化珪素エピタキシャル層3の第1主面1に平行な方向において、Z1/2密度のばらつきが低減されている。別の観点から言えば、炭化珪素エピタキシャル層3の第1主面1に平行な方向において、Z1/2密度の面内均一性が高い。具体的には、炭化珪素エピタキシャル層3の第1主面1に平行な方向において、炭化珪素エピタキシャル層3におけるZ1/2密度の最大値を最大密度とし、炭化珪素エピタキシャル層3におけるZ1/2密度の最小値を最小密度とした場合、最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、0.05以上0.2以下である。
最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、たとえば0.06以上であってもよいし、0.07以上であってもよい。最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、たとえば0.19以下であってもよいし、0.18以下であってもよい。
最大密度は、たとえば2×1013cm-3以下である。最大密度は、たとえば1×1013cm-3以下であってもよいし、9×1012cm-3以下であってもよい。最小密度は、たとえば1×1011cm-3以上である。最小密度は、たとえば3×1011cm-3以上であってもよいし、5×1011cm-3以上であってもよい。
次に、Z1/2密度の測定方法について説明する。
1/2密度は、DLTS(Deep Level Transient Spectroscopy)法によって測定することができる。当該DLTS法によれば、接合容量の過渡変化に基づいて、Z1/2密度が求められる。測定装置としては、たとえばPhystech社製FT1230を使用することができる。測定周波数は1MHz、測定温度は150K以上500K以下である。ショットキー電極として、直径1mmのNi電極などを使用することができる。
まず、炭化珪素エピタキシャル基板100の第1主面1に、第1測定電極(ショットキー電極)が形成される。第2主面2には、第2測定電極(オーミック電極)が形成される。第1測定電極(図示せず)と第2測定電極(図示せず)との間の接合容量の過渡変化に基づいて、Z1/2密度が求められる。第1測定電極は、図1に示す複数の測定領域Sの各々に形成される。第1測定電極は、中央領域11に形成される。具体的には、第1測定電極は、第1主面1の中心13を通り第1方向101と平行な方向に複数設けられ、かつ第1主面1の中心13を通り第2方向102と平行な方向に複数設けられる。測定ピッチは、たとえば3mmである。第1主面1において、たとえば合計100個(第1方向101に沿って50個と第2方向102に沿って50個)の第1測定電極が形成される。第2測定電極は、第2主面2の全面に形成される。
次に、複数の測定領域Sの各々におけるZ1/2密度が求められる。複数の測定領域Sの各々におけるZ1/2密度の中で、Z1/2密度の最大値は最大密度とされ、Z1/2密度の最小値は最小密度とされる。
次に、炭化珪素エピタキシャル基板100のキャリア寿命について説明する。
炭化珪素エピタキシャル基板100においては、炭化珪素エピタキシャル層3の第1主面1に平行な方向において、キャリア寿命のばらつきが低減されている。別の観点から言えば、炭化珪素エピタキシャル層3の第1主面1に平行な方向において、キャリア寿命の面内均一性が高い。具体的には、炭化珪素エピタキシャル層3の第1主面1に平行な方向において、炭化珪素エピタキシャル層3におけるキャリア寿命の最大値を最大寿命とし、炭化珪素エピタキシャル層3におけるキャリア寿命の最小値を最小寿命とした場合、最大寿命から最小寿命を引いた値を最大寿命で除した値は、0.05以上0.2以下である。
最大寿命から最小寿命を引いた値を最大寿命で除した値は、たとえば0.06以上であってもよいし、0.07以上であってもよい。最大寿命から最小寿命を引いた値を最大寿命で除した値は、たとえば0.19以下であってもよいし、0.18以下であってもよい。
最小寿命は、たとえば0.5μ秒以上である。最小寿命は、たとえば0.7μ秒以上であってもよいし、0.9μ秒以上であってもよい。最大寿命は、たとえば40μ秒以下である。最大寿命は、たとえば30μ秒以下であってもよいし、20μ秒以下であってもよい。
次に、キャリア寿命の測定方法について説明する。
キャリア寿命は、μ-PCD(Microwave Photo Conductivity Decay)法により測定することができる。当該μ-PCD法によれば、炭化珪素エピタキシャル層3に対して励起レーザを照射することで過剰キャリアを生成し、過剰キャリアの再結合と共に減少する導電率をマイクロ波の反射率から測定することで、キャリア寿命が求められる。測定装置としては、コベルコ科研製LTA-2200EP/Fを使用することができる。励起レーザは、たとえば波長349nmのYLF(イットリウムリチウムフルオライド)レーザであり、マイクロ波の周波数は26GHzを使用することができる。レーザを照射することにより励起されて生成した少数キャリアに対応する信号の強度の減衰が、指数関数と見なせる領域より求めた時定数を少数キャリアの寿命と定義する。
まず、炭化珪素エピタキシャル基板100が測定装置のステージ上に配置される。ステージをXY平面において移動させることにより、第1主面1における複数の測定領域Sにおいてキャリア寿命を測定することができる。具体的には、図1に示す複数の測定領域Sの各々において、キャリア寿命が測定される。たとえば、第1方向101に沿って炭化珪素エピタキシャル基板100を移動させることにより、第1方向101に沿った複数の測定領域Sにおいて、キャリア寿命が測定される。次に、第2方向102に沿って炭化珪素エピタキシャル基板100を移動させることにより、第2方向102に沿った複数の測定領域Sにおいて、キャリア寿命が測定される。測定ピッチは、たとえば3mmである。たとえば合計100箇所(第1方向101に沿って50箇所と第2方向102に沿って50箇所)の測定領域Sにおいてキャリア寿命が測定される。複数の測定領域Sの各々におけるキャリア寿命の中で、キャリア寿命の最大値は最大寿命とされ、キャリア寿命の最小値は最小寿命とされる。
(炭化珪素半導体モジュール)
次に、第1実施形態に係る炭化珪素半導体モジュール300の構成について説明する。図3は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体モジュール300の構成を示す平面模式図である。
図3に示されるように、炭化珪素半導体モジュール300は、回路基板20と、複数の炭化珪素半導体チップ200とを有している。複数の炭化珪素半導体チップ200の各々は、回路基板20に実装されている。平面視において、回路基板20は、たとえば四角形状である。炭化珪素半導体チップ200の数は、特に限定されないが、たとえば4個である。図3に示されるように、平面視において、2行2列の配置で合計4個の炭化珪素半導体チップ200が配置されていてもよい。炭化珪素半導体チップ200の数は、たとえば4個以上であってもよいし、6個以上であってもよいし、8個以上であってもよい。
図4は、図3のIV-IV線に沿った断面模式図である。図4に示されるように、回路基板20は、基材24と、回路パターン23とを有している。回路パターン23は、基材24上に設けられている。基材24は、たとえば絶縁性材料により構成されている。回路パターン23は、たとえば導電性材料により構成されている。回路基板20は、第3主面21と、第4主面22とを有している。第4主面22は、第3主面21と反対側の面である。第3主面21は、回路パターン23により構成されている。第4主面22は、基材24により構成されている。
図4に示されるように、炭化珪素半導体モジュール300は、接合部材50を有している。接合部材50を用いて炭化珪素半導体チップ200が回路基板20に実装されている。接合部材50は、炭化珪素半導体チップ200と回路基板20との間に位置している。接合部材50は、たとえば半田である。接合部材50は、導電性材料であればよく、半田に限定されない。接合部材50は、たとえば銀ペースト等であってもよい。図4に示されるように、接合部材50は、第3主面21において回路パターン23と電気的に接続されている。接合部材50は、炭化珪素半導体チップ200と電気的に接続されている。接合部材50を介して、炭化珪素半導体チップ200が回路パターン23と電気的に接続されている。
図3に示されるように、本実施形態に係る炭化珪素半導体モジュール300において、複数の炭化珪素半導体チップ200は、第1炭化珪素半導体チップ210と、第2炭化珪素半導体チップ220とを有していてもよい。本実施形態に係る炭化珪素半導体モジュール300は、たとえば2個の第1炭化珪素半導体チップ210と、2個の第2炭化珪素半導体チップ220とを有している。
(炭化珪素半導体チップ)
次に、第1炭化珪素半導体チップ210の構成について説明する。図5は、第1炭化珪素半導体チップ210の構成を示す平面模式図である。図6は、図5のVI-VI線に沿った断面模式図である。
図6に示されるように、第1炭化珪素半導体チップ210は、トランジスタ150を含んでいる。トランジスタ150は、炭化珪素エピタキシャル基板100と、第1電極60と、第2電極63と、ゲート電極64と、ゲート絶縁膜71と、分離絶縁膜72とを主に有している。炭化珪素エピタキシャル基板100は、炭化珪素基板4と、炭化珪素基板4上にある炭化珪素エピタキシャル層3とを有している。炭化珪素エピタキシャル層3は、第1導電型炭化珪素層10と、第2導電型炭化珪素層8と、ボディ領域30と、ソース領域40とを含んでいる。第1導電型炭化珪素層10は、炭化珪素基板4に接している。第2導電型炭化珪素層8は、第1導電型炭化珪素層10上にある。第2導電型炭化珪素層8は、第1導電型炭化珪素層10に連なっている。第1導電型炭化珪素層10は、たとえばn型炭化珪素層である。第2導電型層は、たとえばp型炭化珪素層である。
図6に示されるように、炭化珪素エピタキシャル基板100は、第1主面1と、第2主面2とを有している。第2主面2は、第1主面1の反対側にある。第1導電型炭化珪素層10は、たとえばドリフト領域10である。第1導電型炭化珪素層10は、炭化珪素基板4上に設けられている。第2導電型炭化珪素層8は、たとえばコンタクト領域8である。炭化珪素基板4は、基底面転位9を含んでいる。第2主面2に平行な平面において、基底面転位9の面密度は、たとえば100cm-2より高く1000cm-2よりも低い。
第1電極60は、第2導電型炭化珪素層8上に設けられている。別の観点から言えば、第1電極60は、第2導電型炭化珪素層8に接している。第1電極60は、第1主面1において、第2導電型炭化珪素層8に接している。第1電極60は、たとえばソース電極である。第2電極63は、第1電極60とは反対側に位置している。第2電極63は、炭化珪素基板4に接している。第2電極63は、第2主面2において、炭化珪素基板4に接している。第2電極63は、たとえばドレイン電極である。
第1主面1は、たとえば{0001}面または{0001}面に対して8°以下オフした面である。具体的には、第1主面1は、たとえば(000-1)面または(000-1)面に対して8°以下オフした面である。第1主面1は、たとえば(0001)面または(0001)面に対して8°以下オフした面であってもよい。炭化珪素基板4は、たとえばポリタイプ4Hの六方晶炭化珪素から構成されている。
炭化珪素エピタキシャル層3は、ドリフト領域10と、ボディ領域30と、ソース領域40と、コンタクト領域8とを主に有している。ドリフト領域10は、炭化珪素基板4上に設けられている。ドリフト領域10は、たとえば窒素(N)などのn型不純物を含み、n型の導電型(第1導電型)を有している。ドリフト領域10のn型不純物の濃度は、炭化珪素基板4のn型不純物の濃度よりも低くてもよい。
ボディ領域30はドリフト領域10上に設けられている。ボディ領域30は、たとえばアルミニウム(Al)などのp型不純物を含み、n型とは異なるp型の導電型(第2導電型)を有する。ボディ領域30のp型不純物の濃度は、ドリフト領域10のn型不純物の濃度よりも高くてもよい。
ソース領域40は、ボディ領域30によってドリフト領域10から隔てられるようにボディ領域30上に設けられている。ソース領域40は、たとえば窒素またはリン(P)などのn型不純物を含んでおり、n型の導電型を有する。ソース領域40は、第1主面1の一部を構成している。ソース領域40のn型不純物の濃度は、ボディ領域30のp型不純物の濃度よりも高くてもよい。
コンタクト領域8は、たとえばアルミニウムなどのp型不純物を含んでおり、p型の導電型を有する。コンタクト領域8のp型不純物の濃度は、ボディ領域30のp型不純物の濃度よりも高くてもよい。コンタクト領域8は、ソース領域40およびボディ領域30の各々を貫通し、ドリフト領域10に接している。コンタクト領域8は、第1主面1の一部を構成する。
図6に示されるように、第1主面1には、ゲートトレンチ7が設けられている。ゲートトレンチ7は、側面5と、底面6とを有している。底面6は、側面5に連なっている。側面5は、第1主面1に連なっている。側面5は、ドリフト領域10と、ボディ領域30と、ソース領域40とにより構成されている。底面6は、ドリフト領域10により構成されている。
ゲート絶縁膜71は、たとえば二酸化珪素(SiO)を含んでいる。ゲート絶縁膜71は、側面5および底面6の各々に接している。ゲート絶縁膜71は、側面5において、ドリフト領域10、ボディ領域30およびソース領域40の各々に接している。ゲート絶縁膜71は、底面6において、ドリフト領域10に接している。ゲート絶縁膜71に接するボディ領域30には、チャネルが形成可能に構成されている。
ゲート電極64は、ゲート絶縁膜71上に設けられている。ゲート電極64は、ゲート絶縁膜71に接して配置されている。ゲート電極64は、ゲート絶縁膜71により形成される溝を埋めるように設けられている。ゲート電極64は、たとえば不純物がドーピングされたポリシリコンなどの導電体から構成されている。
分離絶縁膜72は、ゲート電極64上に設けられている。分離絶縁膜72は、ソース電極60とゲート電極64とを電気的に分離している。分離絶縁膜72は、ソース電極60とゲート電極64との間に配置されている。分離絶縁膜72は、ゲート電極64を覆うように設けられている。分離絶縁膜72は、ゲート電極64およびゲート絶縁膜71の各々に接している。分離絶縁膜72は、たとえば窒化珪素(SiN)または酸窒化珪素(SiON)を含んでいる。
ソース電極60は、第1主面1上に設けられている。ソース電極60は、第1主面1において、ソース領域40およびコンタクト領域8の各々と接していてもよい。ソース電極60は、分離絶縁膜72上に設けられている。
ソース電極60は、電極膜61と、金属膜62とを有している。金属膜62は、電極膜61上に設けられている。電極膜61は、たとえばニッケルシリサイド(NiSi)またはチタンアルミニウムシリサイド(TiAlSi)を含む。電極膜61は、ソース領域40およびコンタクト領域8の各々と接している。金属膜62は、ソース配線である。金属膜62は、たとえばアルミニウム(Al)を含む。
ドレイン電極63は、第2主面2上に設けられている。ドレイン電極63は、第2主面2において、炭化珪素基板4に接している。ドレイン電極63は、第2主面2側において、ドリフト領域10と電気的に接続されている。ドレイン電極63は、たとえばNiSi(ニッケルシリサイド)など、n型の炭化珪素基板4とオーミック接合可能な材料から構成されている。ドレイン電極63は、炭化珪素基板4と電気的に接続されている。
第1炭化珪素半導体チップ210においては、炭化珪素エピタキシャル基板100の第1主面1に平行な方向において、第1導電型炭化珪素層10におけるZ1/2密度の最大値を最大密度とし、第1導電型炭化珪素層10におけるZ1/2密度の最小値を最小密度とした場合、最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、0.05以上0.2以下である。
最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、たとえば0.06以上であってもよいし、0.07以上であってもよい。最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、たとえば0.19以下であってもよいし、0.18以下であってもよい。
上述の通り、Z1/2密度は、DLTS法によって測定することができる。図5に示す複数の測定領域Sの各々において、Z1/2密度が測定される。図5に示されるように、測定領域Sは、交差する2本の対角線上に位置している。たとえば、まず薬液を用いて、第1電極60と分離絶縁膜72とゲート電極64とゲート絶縁膜71等が炭化珪素半導体チップ200から除去される。次に、第1導電型炭化珪素層10が露出するように、ボディ領域30、ソース領域40およびコンタクト領域8が除去される。具体的には、炭化珪素エピタキシャル基板100に対して研削が行われる。次に、炭化珪素エピタキシャル基板100に対して機械研磨が行われる。次に、炭化珪素エピタキシャル基板100に対して化学機械研磨が行われる。これにより、第1導電型炭化珪素層10が露出する。次に、炭化珪素エピタキシャル基板100に対して洗浄が行われる。
炭化珪素基板4の影響を抑制した状態でZ1/2密度を測定するためには、ゲートトレンチ7の底面6よりも下側まで炭化珪素エピタキシャル層3が研磨され、かつドリフト領域10の厚みが5μm以上であることが望ましい。第1導電型炭化珪素層10のZ1/2密度を測定するために、第1導電型炭化珪素層10の表面の複数の測定領域Sの各々に第1測定電極が形成される。第1測定電極は、ゲートトレンチ7およびイオン注入領域(具体的には、ボディ領域30、ソース領域40およびコンタクト領域8など)がない領域に配置される。第1導電型炭化珪素層10の表面の5カ所の測定領域Sにおいて、Z1/2密度が測定される。複数の測定領域Sの各々におけるZ1/2密度の中で、Z1/2密度の最大値は最大密度とされ、Z1/2密度の最小値は最小密度とされる。
第1炭化珪素半導体チップ210においては、炭化珪素エピタキシャル基板100の第1主面1に平行な方向において、第1導電型炭化珪素層10におけるキャリア寿命の最大値を最大寿命とし、第1導電型炭化珪素層10におけるキャリア寿命の最小値を最小寿命とした場合、最大寿命から最小寿命を引いた値を最大寿命で除した値は、0.05以上0.2以下である。
最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、たとえば0.06以上であってもよいし、0.07以上であってもよい。最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、たとえば0.19以下であってもよいし、0.18以下であってもよい。
上述の通り、キャリア寿命は、μ-PCD法により測定することができる。図5に示す複数の測定領域Sの各々において、キャリア寿命が測定される。図5に示されるように、測定領域Sは、交差する2本の対角線上に位置している。たとえば、まず薬液を用いて、第1電極60と分離絶縁膜72とゲート電極64とゲート絶縁膜71等が炭化珪素半導体チップ200から除去される。次に、第1導電型炭化珪素層10が露出するように、ボディ領域30、ソース領域40およびコンタクト領域8が除去される。具体的には、炭化珪素エピタキシャル基板100に対して研削が行われる。次に、炭化珪素エピタキシャル基板100に対して機械研磨が行われる。次に、炭化珪素エピタキシャル基板100に対して化学機械研磨が行われる。これにより、第1導電型炭化珪素層10が露出する。次に、炭化珪素エピタキシャル基板100に対して洗浄が行われる。
炭化珪素基板4の影響を抑制した状態でキャリア寿命を測定するためには、ゲートトレンチ7の底面6よりも下側まで炭化珪素エピタキシャル層3が研磨され、かつドリフト領域10の厚みが5μm以上であることが望ましい。第1導電型炭化珪素層10のキャリア寿命を測定するために、第1導電型炭化珪素層10の表面の複数の測定領域Sの各々に第1測定電極が形成される。第1測定電極は、ゲートトレンチ7およびイオン注入領域(具体的には、ボディ領域30、ソース領域40およびコンタクト領域8など)がない領域に配置される。第1導電型炭化珪素層10の表面の5カ所の測定領域Sにおいて、キャリア寿命が測定される。複数の測定領域Sの各々におけるキャリア寿命の中で、キャリア寿命の最大値は最大寿命とされ、キャリア寿命の最小値は最小寿命とされる。
次に、第2炭化珪素半導体チップ220の構成について説明する。図7は、第2炭化珪素半導体チップ220の構成を示す平面模式図である。図8は、図7のVIII-VIII線に沿った断面模式図である。
図8に示されるように、第2炭化珪素半導体チップ220は、ダイオード151を含んでいる。炭化珪素半導体チップ200は、炭化珪素エピタキシャル基板100と、第1電極60と、第2電極63とを主に有している。炭化珪素エピタキシャル基板100は、炭化珪素基板4と、炭化珪素基板4上にある炭化珪素エピタキシャル層3とを有している。炭化珪素エピタキシャル層3は、第1導電型炭化珪素層10と、第2導電型炭化珪素層8とを含んでいる。第1導電型炭化珪素層10は、炭化珪素基板4に接している。第2導電型炭化珪素層8は、第1導電型炭化珪素層10上にある。第2導電型炭化珪素層8は、第1導電型炭化珪素層10に連なっている。第1導電型炭化珪素層10は、たとえばn型炭化珪素層である。第2導電型層は、たとえばp型炭化珪素層である。
図8に示されるように、第1導電型炭化珪素層10は、たとえばn型エピタキシャル層10である。n型エピタキシャル層10は、炭化珪素基板4上に設けられている。n型エピタキシャル層10および炭化珪素基板4の各々は、たとえば窒素などのn型不純物を有している。炭化珪素基板4の不純物濃度は、n型エピタキシャル層10の不純物濃度よりも高くてもよい。第2導電型炭化珪素層8は、たとえばp型エピタキシャル層である。炭化珪素基板4は、基底面転位9を含んでいる。第2主面2に平行な平面において、基底面転位9の面密度は、たとえば100cm-2より高く1000cm-2よりも低い。
第1電極60は、第2導電型炭化珪素層8上に設けられている。別の観点から言えば、第1電極60は、第2導電型炭化珪素層8に接している。第1電極60は、第1主面1において、第2導電型炭化珪素層8に接している。第2電極63は、第1電極60とは反対側に位置している。第2電極63は、炭化珪素基板4に接している。第2電極63は、第2主面2において、炭化珪素基板4に接している。
第2炭化珪素半導体チップ220においては、炭化珪素エピタキシャル基板100の第1主面1に平行な方向において、第1導電型炭化珪素層10におけるZ1/2密度の最大値を最大密度とし、第1導電型炭化珪素層10におけるZ1/2密度の最小値を最小密度とした場合、最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、0.05以上0.2以下である。
最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、たとえば0.06以上であってもよいし、0.07以上であってもよい。最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、たとえば0.19以下であってもよいし、0.18以下であってもよい。第2炭化珪素半導体チップ220におけるZ1/2密度の測定方法は、第1炭化珪素半導体チップ210におけるZ1/2密度の測定方法と同様である。
第2炭化珪素半導体チップ220においては、炭化珪素エピタキシャル基板100の第1主面1に平行な方向において、第1導電型炭化珪素層10におけるキャリア寿命の最大値を最大寿命とし、第1導電型炭化珪素層10におけるキャリア寿命の最小値を最小寿命とした場合、最大寿命から最小寿命を引いた値を最大寿命で除した値は、0.05以上0.2以下である。
最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、たとえば0.06以上であってもよいし、0.07以上であってもよい。最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、たとえば0.19以下であってもよいし、0.18以下であってもよい。第2炭化珪素半導体チップ220におけるキャリア寿命の測定方法は、第1炭化珪素半導体チップ210におけるキャリア寿命の測定方法と同様である。
以上のように、複数の炭化珪素半導体チップ200は、第1炭化珪素半導体チップ210と、第2炭化珪素半導体チップ220とを有していてもよい。第1炭化珪素半導体チップ210は、第1炭化珪素半導体素子を含んでいる。第1炭化珪素半導体素子は、たとえばトランジスタ150である。第2炭化珪素半導体チップ220は、第1炭化珪素半導体素子とは異なる第2炭化珪素半導体素子を含んでいる。第2炭化珪素半導体素子は、たとえばダイオード151である。
複数の炭化珪素半導体チップ200の各々は、炭化珪素基板4と炭化珪素基板4上にある炭化珪素エピタキシャル層3を含む炭化珪素エピタキシャル基板100と、第2導電型炭化珪素層8に接する第1電極60と、炭化珪素基板4に接する第2電極63とを含んでいる。炭化珪素エピタキシャル層3は、第1導電型炭化珪素層10と、第1導電型炭化珪素層10上にある第2導電型炭化珪素層8とを含んでいる。第1導電型炭化珪素層10は、炭化珪素基板4に接している。
図3に示されるように、第1炭化珪素半導体チップ210は、第1チップ201と、第2チップ202とを有している。図5に示されるように、第1チップ201および第2チップ202の各々の複数の測定領域Sにおいて、キャリア寿命が求められる。第1チップ201および第2チップ202の各々において、最大寿命、最小寿命および平均寿命が求められる。
図3に示されるように、第2炭化珪素半導体チップ220は、第3チップ203と、第4チップ204とを有している。図7に示されるように、第3チップ203および第4チップ204の各々の複数の測定領域Sにおいて、キャリア寿命が求められる。第3チップ203および第4チップ204の各々において、最大寿命、最小寿命および平均寿命が求められる。なお、平均寿命とは、複数の測定領域S(たとえば5カ所)におけるキャリア寿命の平均値である。
Figure 0007451881000001
表1は、複数の炭化珪素半導体チップ200の各々における最大寿命、最小寿命および平均寿命を示している。具体的には、第1チップ201における最大寿命、最小寿命および平均寿命は、それぞれT11、T12およびT13である。第2チップ202における最大寿命、最小寿命および平均寿命は、それぞれT21、T22およびT23である。第3チップ203における最大寿命、最小寿命および平均寿命は、それぞれT31、T32およびT33である。第4チップ204における最大寿命、最小寿命および平均寿命は、それぞれT41、T42およびT43である。
複数の炭化珪素半導体チップ200において、第1導電型炭化珪素層10におけるキャリア寿命の最大値を最大寿命とし、第1導電型炭化珪素層10におけるキャリア寿命の最小値を最小寿命とした場合、最大寿命から最小寿命を引いた値を最大寿命で除した値は、0.05以上0.2以下である。
具体的には、第1チップ201、第2チップ202、第3チップ203および第4チップ204の各々の平均寿命の中で、最も大きい平均寿命が最大寿命とされる。同様に、第1チップ201、第2チップ202、第3チップ203および第4チップ204の各々の平均寿命の中で、最も小さい平均寿命が最小寿命とされる。たとえば、T13、T23、T33およびT43の中で最も大きい値がT13であり、最も小さい値がT43であるとする。この場合、複数の炭化珪素半導体チップ200において、最大寿命から最小寿命を引いた値を最大寿命で除した値は、(T13-T43)/T13となる。
Figure 0007451881000002
表2は、複数の炭化珪素半導体チップ200の各々における最大密度、最小密度および平均密度を示している。具体的には、第1チップ201における最大密度、最小密度および平均密度は、それぞれZ11、Z12およびZ13である。第2チップ202における最大密度、最小密度および平均密度は、それぞれZ21、Z22およびZ23である。第3チップ203における最大密度、最小密度および平均密度は、それぞれZ31、Z32およびZ33である。第4チップ204における最大密度、最小密度および平均密度は、それぞれZ41、Z42およびZ43である。
複数の炭化珪素半導体チップ200において、第1導電型炭化珪素層10におけるZ1/2密度の最大値を最大密度とし、第1導電型炭化珪素層10におけるZ1/2密度の最小値を最小密度とした場合、最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、0.05以上0.2以下である。
具体的には、第1チップ201、第2チップ202、第3チップ203および第4チップ204の各々の平均密度の中で、最も大きい平均密度が最大密度とされる。同様に、第1チップ201、第2チップ202、第3チップ203および第4チップ204の各々の平均密度の中で、最も小さい平均密度が最小密度とされる。たとえば、Z13、Z23、Z33およびZ43の中で最も大きい値がZ13であり、最も小さい値がZ43であるとする。この場合、複数の炭化珪素半導体チップ200において、最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、(Z13-Z43)/Z13となる。
次に、第2実施形態に係る炭化珪素半導体モジュール300の構成について説明する。図9は、第2実施形態に係る炭化珪素半導体モジュール300の構成を示す断面模式図である。
図9に示されるように、複数の炭化珪素半導体チップ200の各々は、トランジスタ150と、ダイオード151とを含んでいてもよい。別の観点から言えば、複数の炭化珪素半導体チップ200の各々は、内蔵ダイオードを有している。
図9に示されるように、複数の炭化珪素半導体チップ200の各々は、図6に示すトランジスタ150と、図8に示すダイオード151とを含んでいてもよい。トランジスタ150の第1電極60は、ダイオード151の第1電極60と電気的に接続されている。トランジスタ150の第2電極63は、ダイオード151の第2電極63と電気的に接続されている。トランジスタ150の構成は、図6に示す構成と同様である。ダイオード151の構成は、図8に示す構成と同様である。
なお、第1実施形態および第2実施形態の各々に係る炭化珪素半導体モジュール300において、トランジスタ150は、たとえばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)またはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などである。ダイオード151は、たとえばPiNダイオードなどである。また上記において、第1導電型がn型であり、かつ第2導電型がp型として説明したが、第1導電型がp型であり、かつ第2導電型がn型であってもよい。
(炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法)
次に、炭化珪素エピタキシャル基板100の製造方法について説明する。
まず、たとえば炭化珪素単結晶インゴットをスライスすることにより炭化珪素基板4が準備される。炭化珪素のポリタイプは、たとえば4Hである。炭化珪素基板4は、たとえば窒素などのn型を付与可能な不純物を含む。炭化珪素基板4には、基底面転位9が含まれている。
次に、炭化珪素基板4上に炭化珪素エピタキシャル層3が形成される。たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって炭化珪素エピタキシャル層3をエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長においては、原料ガスとしてたとえばシラン(SiH4)およびプロパン(C38)が用いられ、キャリアガスとして水素(H2)が用いられる。エピタキシャル成長中における炭化珪素基板4の温度は、1400℃以上1700℃以下程度である。エピタキシャル成長において、たとえば窒素などのn型不純物が導入される。炭化珪素エピタキシャル層3の厚みは、たとえば30μmである。
図10に示されるように、炭化珪素エピタキシャル基板100は、第1主面1と、第2主面2とを有している。第1主面1は、炭化珪素エピタキシャル層3により構成されている。第2主面2は、炭化珪素基板4により構成されている。炭化珪素エピタキシャル層3には、Z1/2と呼ばれる点欠陥41が含まれている。
次に、第1主面1を改質する工程が実施される。具体的には、酸素(O)プラズマまたは二酸化酸素(CO)プラズマ雰囲気化において炭化珪素エピタキシャル基板100が処理される。これにより、第1主面1が改質される。別の観点から言えば、プラズマ処理によって第1主面1を酸化させる。プラズマ処理の条件は、たとえばガス流量0.05L/分以上0.5L/分以下、室温、処理時間30分である。結果として、第1主面1において、二酸化珪素膜43が形成される。図11に示されるように、第1主面1において二酸化珪素膜43が形成されることにより、第1主面1付近に炭素原子42が残される。
次に、炭素イオンを注入する工程が実施される。図12に示されるように、第1主面1において二酸化珪素膜43が形成された状態で、炭化珪素エピタキシャル層3に対して炭素イオン44が注入される。炭素イオン44は、二酸化珪素膜43を通過して、炭化珪素エピタキシャル層3の内部に注入される。炭素イオン44の注入深さは、たとえば200nm程度である。炭素イオン44の注入条件は、たとえば温度600℃、注入エネルギー10keV以上150keV以下、注入した領域の炭素密度は5×1020cm-3程度である。
次に、炭化珪素エピタキシャル基板100をアニールする工程が実施される。たとえば、炭化珪素エピタキシャル基板100が1600℃以上の温度でアニールされる。アニール時間は、たとえば30分以上である。これにより、第1主面1付近に存在していた炭素原子42が、炭化珪素エピタキシャル基板100の深層(つまり第2主面2側)に拡散する。拡散された炭素原子42が、炭化珪素エピタキシャル層3の深層に存在する点欠陥41と再結合することで、深層に存在していた点欠陥41は消失する。炭化珪素エピタキシャル基板100をアニールする工程は、第1主面1に二酸化珪素膜43が形成された状態で行われる。炭化珪素エピタキシャル基板100をアニールする工程後、二酸化珪素膜43が除去される。
以上のように、まず酸素プラズマ処理工程において、第1主面1付近に炭素原子42を形成する。その後、炭素イオン注入工程において、酸素プラズマ処理工程において形成された炭素原子42よりも深い位置に炭素イオン44が注入される。その後、炭化珪素エピタキシャル基板100がアニールされる。これにより、第1主面1に平行な方向において均一にZ1/2と呼ばれる点欠陥41が低減される。結果として、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板100が製造される。
(炭化珪素半導体チップの製造方法)
まず、上述の方法によって、Z1/2と呼ばれる点欠陥41の面内均一性が高い炭化珪素エピタキシャル基板100が製造される。次に、イオン注入工程が実施される。具体的には、たとえばアルミニウムなどのp型不純物が炭化珪素エピタキシャル層3に対してイオン注入される。これにより、ボディ領域30が形成される。次に、たとえばリンなどのn型不純物がボディ領域30に対してイオン注入される。これにより、ソース領域40が形成される。次に、コンタクト領域8が形成される領域上に開口部を有するマスク層(図示せず)が形成される。次に、たとえばアルミニウムなどのp型不純物がソース領域40に注入される。これにより、ソース領域40およびボディ領域30の各々を貫通し、かつドリフト領域10に接するコンタクト領域8が形成される(図13参照)。
次に、炭化珪素エピタキシャル基板100に注入された不純物イオンを活性化するために活性化アニールが実施される。活性化アニールの温度は、好ましくは1500℃以上1900℃以下であり、たとえば1700℃程度である。活性化アニールの時間は、たとえば30分程度である。活性化アニールの雰囲気は、好ましくは不活性ガス雰囲気であり、たとえばAr雰囲気である。
次に、ゲートトレンチ7を形成する工程が実施される。まず、マスク層33が第1主面1上に形成された状態で、炭化珪素エピタキシャル基板100がエッチングされる。具体的には、たとえばソース領域40の一部と、ボディ領域30の一部とがエッチングにより除去される。エッチングの方法としては、たとえば反応性イオンエッチング、特に誘導結合プラズマ反応性イオンエッチングを用いることができる。たとえば反応ガスとして六フッ化硫黄(SF6)またはSF6と酸素(O2)との混合ガスを用いた誘導結合プラズマ反応性イオンエッチングを用いることができる。エッチングにより、ゲートトレンチ7が形成されるべき領域に、第1主面1に対してほぼ垂直な側部と、側部と連続的に設けられ、かつ第1主面1とほぼ平行な底とを有する凹部が形成される。
次に、凹部において熱エッチングが行われる。熱エッチングは、第1主面1上にマスク層33が形成された状態で、少なくとも1種類以上のハロゲン原子を有する反応性ガスを含む雰囲気中での加熱によって行い得る。少なくとも1種類以上のハロゲン原子は、塩素(Cl)原子およびフッ素(F)原子の少なくともいずれかを含む。当該雰囲気は、たとえば、塩素(Cl2)、三塩化ホウ素(BCl3)、SF6または四フッ化炭素(CF4)を含む。たとえば、塩素ガスと酸素ガスとの混合ガスを反応ガスとして用い、熱処理温度を、たとえば800℃以上900℃以下として、熱エッチングが行われる。なお、反応ガスは、上述した塩素ガスと酸素ガスとに加えて、キャリアガスを含んでいてもよい。キャリアガスとしては、たとえば窒素ガス、アルゴンガスまたはヘリウムガスなどを用いることができる。熱エッチングにより、第1主面1にゲートトレンチ7が形成される(図14参照)。
側面5は、ソース領域40およびボディ領域30を貫通してドリフト領域10に至っている。別の観点から言えば、側面5は、ソース領域40と、ボディ領域30と、ドリフト領域10とによって構成されている。底面6は、ドリフト領域10に位置している。別の観点から言えば、底面6は、ドリフト領域10によって構成されている。底面6は、たとえば第2主面2と平行な平面である。図14に示されるように、断面視において、ゲートトレンチ7の幅は、底面6から第1主面1に向かうにつれて拡がっている。
次に、ゲート絶縁膜71を形成する工程が実施される。たとえば炭化珪素エピタキシャル基板100を熱酸化することにより、ソース領域40と、ボディ領域30と、ドリフト領域10と、コンタクト領域8と、第1主面1とに接するゲート絶縁膜71が形成される。具体的には、炭化珪素エピタキシャル基板100が、酸素を含む雰囲気中において、たとえば1300℃以上1400℃以下の温度で加熱される。これにより、ゲートトレンチ7に接するゲート絶縁膜71が形成される。
次に、一酸化窒素(NO)ガス雰囲気中において炭化珪素エピタキシャル基板100に対して熱処理(NOアニール)が行われてもよい。NOアニールにおいて、炭化珪素エピタキシャル基板100が、たとえば1100℃以上1400℃以下の条件下で1時間程度保持される。これにより、ゲート絶縁膜71とボディ領域30との界面領域に窒素原子が導入される。その結果、界面領域における界面準位の形成が抑制されることで、チャネル移動度を向上させることができる。
NOアニール後、雰囲気ガスとしてアルゴン(Ar)を用いるArアニールが行われてもよい。Arアニールの加熱温度は、たとえば上記NOアニールの加熱温度以上である。Arアニールの時間は、たとえば1時間程度である。これにより、ゲート絶縁膜71とボディ領域30との界面領域における界面準位の形成がさらに抑制される。なお、雰囲気ガスとして、Arガスに代えて窒素ガスなどの他の不活性ガスが用いられてもよい。
次に、ゲート電極64を形成する工程が実施される。ゲート電極64は、ゲート絶縁膜71上に形成される。ゲート電極64は、たとえばLP-CVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法により形成される。ゲート電極64は、ゲート絶縁膜71により形成された溝を埋めるように形成される。ゲート電極64は、ソース領域40と、ボディ領域30と、ドリフト領域10との各々に対面するように形成される(図15参照)。
次に、分離絶縁膜72を形成する工程が実施される。具体的には、ゲートトレンチ7内において、ゲート電極64を覆うように分離絶縁膜72が形成される。分離絶縁膜72は、たとえば、CVD法により形成される。分離絶縁膜72は、常圧CVD法により形成されてもよいし、プラズマCVD法により形成されてもよいし、低圧CVD法により形成されてもよい。分離絶縁膜72は、たとえば二酸化珪素を含む材料である。分離絶縁膜72は、ゲート電極64およびゲート絶縁膜71の各々に接している。
次に、ソース電極60を形成する工程が実施される。たとえばゲート絶縁膜71および分離絶縁膜72の各々の一部がドライエッチングにより除去される。これにより、第1主面1の一部が、ゲート絶縁膜71から露出する。第1主面1においてソース領域40およびコンタクト領域8の各々に接する電極膜61が形成される。電極膜61は、たとえばスパッタリング法により形成される。電極膜61は、たとえばTi、AlおよびSiを含む材料から構成される。
次に、電極膜61が、たとえば900℃以上1100℃以下の温度で5分程度保持される。これにより、電極膜61の少なくとも一部が、炭化珪素エピタキシャル基板100が含む珪素と反応してシリサイド化する。これにより、ソース領域40とオーミック接合する電極膜61が形成される。電極膜61は、コンタクト領域8とオーミック接合してもよい。次に、金属膜62が形成される。金属膜62は、電極膜61および分離絶縁膜72の各々の上に形成される。金属膜62は、たとえばアルミニウムを含む。以上により、電極膜61と金属膜62とを含むソース電極60が形成される。
次に、炭化珪素エピタキシャル基板100の第2主面2において、裏面研磨が行われる。これにより、炭化珪素基板4の厚みが低減される。次に、ドレイン電極63を形成する工程が実施される。たとえばスパッタリング法により、第2主面2と接するドレイン電極63が形成される。ドレイン電極63は、たとえばNiSiまたはTiAlSiを含む材料から構成されている。次に、炭化珪素エピタキシャル基板100が、たとえば砥石(図示せず)によってダイシングされる。これにより、炭化珪素エピタキシャル基板100が複数の炭化珪素半導体チップ200に分割される。以上により、本実施形態に係る炭化珪素半導体チップ200が製造される。
(炭化珪素半導体モジュールの製造方法)
まず、回路基板20が準備される。図4に示されるように、回路基板20は、基材24と、回路パターン23とを有している。回路パターン23は、基材24上に設けられている。回路基板20は、第3主面21と、第4主面22とを有している。第4主面22は、第3主面21と反対側の面である。第3主面21は、回路パターン23により構成されている。第4主面22は、基材24により構成されている。
次に、複数の炭化珪素半導体チップ200の各々が回路基板20に実装される。具体的には、図4に示されるように、接合部材50を介して炭化珪素半導体チップ200が回路基板20に実装される。接合部材50は、たとえば半田である。接合部材50は、導電性材料であればよく、半田に限定されない。接合部材50は、たとえば銀ペースト等であってもよい。図4に示されるように、接合部材50は、第3主面21において回路パターン23と電気的に接続されている。接合部材50は、第2主面2側において炭化珪素半導体チップ200と電気的に接続されている。接合部材50を介して、炭化珪素半導体チップ200のドレイン電極63が回路パターン23と電気的に接続される。
実装工程においては、複数の炭化珪素半導体チップ200において、第1導電型炭化珪素層10におけるキャリア寿命の最大値を最大寿命とし、第1導電型炭化珪素層10におけるキャリア寿命の最小値を最小寿命とした場合、最大寿命から最小寿命を引いた値を最大寿命で除した値は0.05以上0.2以下となるように、複数の炭化珪素半導体チップ200が選別されてもよい。
実装工程においては、複数の炭化珪素半導体チップ200において、第1導電型炭化珪素層10におけるZ1/2密度の最大値を最大密度とし、第1導電型炭化珪素層10におけるZ1/2密度の最小値を最小密度とした場合、最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は0.05以上0.2以下となるように、複数の炭化珪素半導体チップ200が選別される。
次に、上記実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板100、炭化珪素半導体チップ200および炭化珪素半導体モジュール300の作用効果について説明する。
炭化珪素半導体モジュール300においては、複数の炭化珪素半導体チップ200が回路基板20に搭載されている。炭化珪素半導体モジュール300の信頼性を向上させるためには、複数の炭化珪素半導体チップ200の各々の特性が揃っていることが求められる。
炭化珪素基板4には、通常、基底面転位9が含まれている。炭化珪素基板4に含まれている基底面転位9の一部は、炭化珪素エピタキシャル層3に引き継がれる。炭化珪素半導体チップ200においてバイポーラ型のダイオード151を使用する場合は、基底面転位9の拡張に伴って順方向劣化という現象が生じる。そのため、バイポーラ型のダイオード151を使用する場合は、バイポーラ型のダイオード151を使用しない場合と比較して、複数の炭化珪素半導体チップ200の各々の特性を揃えることが困難である。
順方向劣化は、炭化珪素エピタキシャル層3に注入されたキャリア(電子、正孔)が再結合する際に生じるエネルギーにより基底面転位9が拡張するために発生する。キャリア寿命が長いと、基底面転位9に到達するキャリア数が増加する。この場合、順方向劣化が発生する確率が高くなる。順方向劣化が発生すると、オン抵抗は高くなる。
本実施形態に係る炭化珪素半導体モジュール300によれば、複数の炭化珪素半導体チップ200において、第1導電型炭化珪素層10におけるZ1/2密度の最大値を最大密度とし、第1導電型炭化珪素層10におけるZ1/2密度の最小値を最小密度とした場合、最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、0.05以上0.2以下である。このように、複数の炭化珪素半導体チップ200において、Z1/2密度のばらつきを低減することにより、順方向劣化のばらつきを低減することができる。そのため、複数の炭化珪素半導体チップ200において、オン抵抗のばらつきを低減することができる。結果として、炭化珪素半導体モジュール300の信頼性を向上することができる。
本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板100によれば、炭化珪素エピタキシャル層3の主面1に平行な方向において、炭化珪素エピタキシャル基板100におけるZ1/2密度の最大値を最大密度とし、炭化珪素エピタキシャル基板100におけるZ1/2密度の最小値を最小密度とした場合、最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、0.05以上0.2以下である。通常、一枚の炭化珪素エピタキシャル基板100から複数の炭化珪素半導体チップ200が製造される。炭化珪素エピタキシャル基板100において、Z1/2密度のばらつきを低減することにより、複数の炭化珪素半導体チップ200においてZ1/2密度のばらつきを低減することができる。結果として、炭化珪素半導体モジュール300の信頼性を向上することができる。
本実施形態に係る炭化珪素半導体チップ200によれば、炭化珪素エピタキシャル基板100の主面1に平行な方向において、第1導電型炭化珪素層10におけるZ1/2密度の最大値を最大密度とし、第1導電型炭化珪素層10におけるZ1/2密度の最小値を最小密度とした場合、最大密度から最小密度を引いた値を最大密度で除した値は、0.05以上0.2以下である。これにより、炭化珪素半導体チップ200の面内において、Z1/2密度のばらつきを低減することができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 主面(第1主面)
2 第2主面
3 炭化珪素エピタキシャル層
4 炭化珪素基板
5 側面
6 底面
7 ゲートトレンチ
8 コンタクト領域(第2導電型炭化珪素層)
9 基底面転位
10 ドリフト領域、n型エピタキシャル層(第1導電型炭化珪素層)
11 中央領域
12 外周領域
13 中心
20 回路基板
21 第3主面
22 第4主面
23 回路パターン
24 基材
25 オリエンテーションフラット部
26 円弧状部
27 周縁
30 ボディ領域
33 マスク層
40 ソース領域
41 点欠陥
42 炭素原子
43 二酸化珪素膜
44 炭素イオン
50 接合部材
60 第1電極(ソース電極)
61 電極膜
62 金属膜
63 第2電極(ドレイン電極)
64 ゲート電極
71 ゲート絶縁膜
72 分離絶縁膜
100 炭化珪素エピタキシャル基板
101 第1方向
102 第2方向
150 トランジスタ
151 ダイオード
200 炭化珪素半導体チップ
201 第1チップ
202 第2チップ
203 第3チップ
204 第4チップ
210 第1炭化珪素半導体チップ
220 第2炭化珪素半導体チップ
300 炭化珪素半導体モジュール
S 測定領域
T 厚み
W1 直径
W2 外周幅

Claims (7)

  1. 炭化珪素基板と、
    前記炭化珪素基板上にある炭化珪素エピタキシャル層とを備えた炭化珪素エピタキシャル基板であって、
    前記炭化珪素エピタキシャル層の主面に平行な方向において、前記炭化珪素エピタキシャル層におけるZ1/2密度の最大値を最大密度とし、前記炭化珪素エピタキシャル層におけるZ1/2密度の最小値を最小密度とした場合、前記最大密度から前記最小密度を引いた値を前記最大密度で除した値は、0.05以上0.2以下であり、前記最小密度は、5×1011cm-3以上であり、
    前記炭化珪素基板は、基底面転位を含み、かつ、前記基底面転位の面密度は、100cm -2 より高く1000cm -2 よりも低い、炭化珪素エピタキシャル基板。
  2. 前記最大密度は、2×1013cm-3以下である、請求項1に記載の炭化珪素エピタキシャル基板。
  3. 前記炭化珪素エピタキシャル層の厚みは、10μm以上50μm以下である、請求項1または請求項2に記載の炭化珪素エピタキシャル基板。
  4. 第1導電型を有する炭化珪素基板と、前記炭化珪素基板上にある炭化珪素エピタキシャル層とを含む炭化珪素エピタキシャル基板を備え、
    前記炭化珪素エピタキシャル層は、前記炭化珪素基板に接する第1導電型炭化珪素層と、前記第1導電型炭化珪素層上にある第2導電型炭化珪素層とを有し、さらに、
    前記第2導電型炭化珪素層に接する第1電極と、
    前記炭化珪素基板に接する第2電極とを備え、
    前記炭化珪素エピタキシャル基板の主面に平行な方向において、前記第1導電型炭化珪素層におけるZ1/2密度の最大値を最大密度とし、前記第1導電型炭化珪素層におけるZ1/2密度の最小値を最小密度とした場合、前記最大密度から前記最小密度を引いた値を前記最大密度で除した値は、0.05以上0.2以下であり、前記最小密度は、5×1011cm-3以上であり、
    前記炭化珪素基板は、基底面転位を含み、かつ、前記基底面転位の面密度は、100cm -2 より高く1000cm -2 よりも低い、炭化珪素半導体チップ。
  5. 回路基板と、
    前記回路基板に実装された複数の炭化珪素半導体チップとを備え、
    前記複数の炭化珪素半導体チップの各々は、
    第1導電型を有する炭化珪素基板と、前記炭化珪素基板上にある炭化珪素エピタキシャル層とを含む炭化珪素エピタキシャル基板を含み、
    前記炭化珪素エピタキシャル層は、前記炭化珪素基板に接する第1導電型炭化珪素層と、前記第1導電型炭化珪素層上にある第2導電型炭化珪素層とを有し、さらに、
    前記第2導電型炭化珪素層に接する第1電極と、
    前記炭化珪素基板に接する第2電極とを含み、
    前記複数の炭化珪素半導体チップにおいて、前記第1導電型炭化珪素層におけるZ1/2密度の最大値を最大密度とし、前記第1導電型炭化珪素層におけるZ1/2密度の最小値を最小密度とした場合、前記最大密度から前記最小密度を引いた値を前記最大密度で除した値は、0.05以上0.2以下であり、前記最小密度は、5×1011cm-3以上であり、
    前記炭化珪素基板は、基底面転位を含み、かつ、前記基底面転位の面密度は、100cm -2 より高く1000cm -2 よりも低い、炭化珪素半導体モジュール。
  6. 前記複数の炭化珪素半導体チップの各々は、トランジスタと、ダイオードとを含む、請求項5に記載の炭化珪素半導体モジュール。
  7. 前記複数の炭化珪素半導体チップは、トランジスタを含む第1炭化珪素半導体チップと、ダイオードを含む第2炭化珪素半導体チップとを有する、請求項5に記載の炭化珪素半導体モジュール。
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