JP7450214B2 - 環状シール部材及びシール構造 - Google Patents

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Description

本発明は、相互に嵌め合わされる内外2部材における一方の部材の周面に形成された周溝に装着されて当該内外2部材の嵌め合い部分を密封する環状シール部材及びシール構造に関する。
産業機械分野において、相互に嵌め合わされる内外2部材により構成され、外側部材と内側部材との間に作動油や冷却液等の流体を封止する構造が採用されている。このような構成を実現するため、従来、内外2部材における一方の部材の周面に形成された周溝に装着されて当該2部材の嵌め合い部分を密封する環状のシール部材が広く使用されている(例えば、特許文献1、2参照)。
このような環状シール部材は、一方の部材の周溝に装着された際に、他方の部材に当接する部分が周溝の開口端から外方に突出する状態に設計される。そして、内外2部材を嵌め合わせた際に、当該突出部分が周溝の底部と他方部材との間で圧縮された状態となることで密封性が確保されている。
特許文献1、2が開示するように、外側部材と内側部材とが相対的な回転運動や軸方向における相対的な往復運動を実現する機械機構では、機械機構の作動に起因して付与される外力や、密封対象の流体の圧力に起因して付与される外力等により、周溝の開口端近傍に位置する環状シール部材が内外2部材の間に噛み込まれてしまうことがある。このような噛み込みが発生すると、環状シール部材の寿命が低下するという問題があった。このような噛み込みの発生を防止するため、特許文献1、2では、周溝の開口端近傍に空間を設けた構造を有する環状シール部材が提案されている。
特開平9-096364号公報 実開平3-110265号公報
一方、外側部材の開口端から周溝を備える内側部材が挿入されることで、相互に嵌め合わされる構造では、外側部材の内部に内側部材を配置する組み付け時に、周溝に装着された環状シール部材における上述の突出部分には外側部材の開口端側に向かう方向の力が作用する。その結果、組み付け完了時に、周溝内で当該力が作用する方向に環状シール部材が傾いた状態になることがある。このような傾きは、外側部材と内側部材との組み付け時の相対的な移動に起因して発生するものであり、外側部材と内側部材とが相対的に運動することのない静的な構造に適用される静的シールであっても発生し得る。
環状シール部材がこのように傾いた状態になると、所望のシール性能を得ることができない。また、このような現象は周溝の開口幅が狭くなるほど環状シール部材の厚さが薄くなり剛性がなくなるため顕在化する傾向にある。そのため、上述の特許文献が開示するような、動的シールに好適な周溝の開口端近傍に単に空間を設ける構造では、このような傾きがより発生し易くなる可能性があり、傾きの発生を防止することは困難である。
本発明は、上記実情に鑑みなされたもので、環状シール部材が傾いた状態のまま内外2部材間に組み付けられてしまうことを抑制して、確実にシール機能を発揮させることができる環状シール部材及びシール構造を提供することを目的としている。
上述の目的を達成するために、本発明は以下の技術的手段を採用している。まず、本発明は、相互に嵌め合わされる内外2部材における一方の部材の周面に形成された周溝に装着されて当該内外2部材の嵌め合い部分を密封する環状シール部材を前提としている。そして、本発明に係る環状シール部材は、第1シール突状部、第2シール突状部、第3シール突状部、第4シール突状部、第5シール突状部を備える。第1シール突状部は、環状であり、周溝に対向する他方の部材の周面に接触する。第2シール突状部は、環状であり、周溝の底面及び一方の側面に接触する。第3シール突状部は、環状であり、周溝の底面及び他方の側面に接触する。第4シール突状部は、環状であり、周溝の一方の側面に接触する。第5シール突状部は、環状であり、周溝の他方の側面に接触する。また、第1シール突状部は、他方の部材の周面に接触する2つの小突起からなる第1シールポイント及び第2シールポイント、並びに、第1シールポイントと第2シールポイントとの間に介在する第1窪み部を備える。そして、第1シールポイントの頂部と第2シールポイントの頂部との間の距離が、第2シール突状部と第4シール突状部との間に介在する第2窪み部の窪み底部と、第3シール突状部と第5シール突状部との間に介在する第3窪み部の窪み底部との間の距離よりも大きくなる状態に構成されている。第1シール突状部が先端部から基部に向かって突出幅が次第に大きくなる形状であり、第1シール突状部の径方向の突出寸法が、第2窪み部及び第3窪み部の開口端の開口幅よりも大きい。
この環状シール部材では、内外2部材を摺動させながら組み付ける際に、一方の部材の周溝内の環状シール部材が径方向に圧縮されやすいため、周溝内に装着された環状シール部材に傾きが発生しにくくなる。また、第1シール突状部に小突起からなる第1シールポイント及び第2シールポイントを設けることで、他方の部材が摺動しても、反転や捻れの発生を抑制することができる。さらに、小突起の存在により他方の部材が摺動しても、他方の部材に引っ張られて傾くことを防止することができる。これらの効果が相まって、内外2部材を摺動させながら組み付ける場合であっても、環状シール部材が傾いた状態のまま内外2部材間に組み付けられてしまうことを抑制して、確実にシール機能を発揮させることができる。
以上の環状シール部材において、第2窪み部の窪み底部及び第3窪み部の窪み底部の軸方向の位置が、第1シールポイント及び第2シールポイントの間に設定される構成を採用することもできる。この構成では、径方向に圧縮された際の環状シール部材の姿勢安定性をより高めることができ、上述の効果をより一層高めることができる。
以上の環状シール部材において、第2窪み部及び第3窪み部が、開口端から底部に向かって開口幅が次第に小さくなる形状を採用することもできる。この構成では、径方向に圧縮された際の環状シール部材の姿勢安定性をより高めることができ、上述の効果をより一層高めることができる。
以上の環状シール部材において、第2シール突状部と第3シール突状部との間に第4窪み部が介在し、第4窪み部の径方向の窪み深さが第1窪み部の径方向の窪み深さよりも大きい構成を採用することもできる。この構成では、環状シール部材が径方向により圧縮されやすくなるため、上述の効果をより一層高めることができる。
以上の環状シール部材において、第1シール突状部が、先端部から基部に向かって突出幅が次第に大きくなる形状を採用することもできる。この構成では、径方向に圧縮された際の環状シール部材の姿勢安定性をより高めることができる。また、環状シール部材と周溝の側面との間に先端部側に近づくほど広くなる空間を設けることができるため、径方向に圧縮された際に周溝内に圧縮されやすくなるのと同時に、周溝からはみ出して内外2部材の間に噛み込みが発生することを防止することができる。その結果、より良好なシール性を確保することができる。
以上の環状シール部材において、第2シール突状部が周溝の底面に接触する第3シールポイントを有するとともに、第3シール突状部が周溝の底面に接触する第4シールポイントを有する構成を採用することもできる。この場合、第1シールポイント及び第2シールポイントは、それぞれ方向において第3シールポイント及び第4シールポイントと重なる位置に設定される。この構成では、径方向に圧縮された際の周溝の底面に対するシール面圧を確保することができ、より良好なシール性を確保することができる。
当該環状シール部材において、第3シールポイント及び第4シールポイントは、それぞれ周溝の底面に面接触する平面により構成されてもよい。この構成では、環状シール部材を周溝に装着する際の装着安定性をより高めることができるとともに、周溝内での環状シール部材の姿勢安定性をより高めることができる。
当該環状シール部材において、第2シール突状部、第3シール突状部、第4シール突状部及び第5シール突状部は、それぞれが対向する周溝の側面に対して面接触する平面状の接触部をそれぞれ備える構成を採用することもできる。この構成では、上述の装着安定性及び姿勢安定性をより一層高めることができる。
一方、他の観点では、本発明は、相互に嵌め合わされる内外2部材における一方の部材の周面に形成された周溝に装着されて当該内外2部材の嵌め合い部分を密封するシール構造を提供することもできる。すなわち、本発明に係るシール構造では、一方の部材の周溝に装着された上述のいずれかの環状シール部材を備える。また、周溝が形成されていない他方の部材において、一方の部材が嵌め合わされる開口端部に設けられた、嵌め合わせ時の一方の部材の相対的な進行方向に沿って次第に開口幅が小さくなるテーパー状の傾斜面を備える。
このシール構造では、他方の部材の開口端部がフラットである場合に比べて、内外2部材を摺動させながら組み付ける際に周溝内の環状シール部材の傾きの発生をより抑制することができる。
本発明によれば、環状シール部材が傾いた状態のまま内外2部材間に組み付けられてしまうことを抑制して、確実にシール機能を発揮させることができる環状シール部材及びシール構造を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る環状シール部材が装着される内外2部材の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る環状シール部材の一例を模式的に示す断面図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る環状シール部材が周溝に装着された状態を模式的に示す断面図である。(b)は、同環状シール部材を内外2部材間に配置した状態を模式的に示す断面図である。 (a)は、比較例に係る環状シール部材が周溝に装着された状態を模式的に示す断面図である。(b)は、同環状シール部材を内外2部材間に配置した状態を模式的に示す断面図である。 内外2部材の組み付け時における、テーパー状の開口端の作用を模式的に示す断面図である。 (a)から(c)は、本発明の一実施形態に係る環状シール部材の他の例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。本発明に係る環状シール部材は、相互に嵌め合わされる内側部材と外側部材により構成される内外2部材の嵌め合い部分を密封するシール構造1に使用される。そして、本発明に係る環状シール部材は、公知のOリングと同様に、当該内外2部材の一方の部材の周面に凹状に設けられた周溝に装着される。
図1は、本発明の一実施形態に係る環状シール部材が装着される内外2部材の一例を模式的に示す断面図である。図1では、内外2部材は、円柱状の内側部材20と、当該内側部材20を収容する外側部材30とにより構成されている。図1の外側部材30は、内側部材20の外径(径方向の直径)よりもわずかに大きな内径を有する貫通孔31を備える。特に限定されないが、本実施形態では、当該貫通孔31の一方端から内側部材20が挿入されることで、外側部材30の内部に内側部材20が組み付けられる構成になっている。図1の事例では、当該組み付けの際、内側部材20は、例えば、図中右側から左側に向かう方向の摺動により貫通孔31内に挿入され、外側部材30内に配置される。
内側部材20は軸方向の両端の周面の全周に凹状に形成された周溝21を備える。本発明の一実施形態に係る環状シール部材10は当該周溝21に装着される。環状シール部材10は、内側部材20と外側部材30とが組み付けられた状態において、内側部材20と外側部材30とによって圧縮された状態となる。なお、図1では、内側部材20が挿入される側の貫通孔31の端部に位置する周溝21のみを図示し、他方の周溝21の図示を省略している。
図2は、本発明の一実施形態に係る環状シール部材10の一例を模式的に示す断面図である。また、図3(a)は、本発明の一実施形態に係る環状シール部材10が周溝21に装着された状態を模式的に示す断面図であり、図3(b)は、環状シール部材10を内側部材20と外側部材30との間に配置した状態を模式的に示す断面図である。
環状シール部材10は、FKM、NBR、H-NBR、EPDM、CR、ACM、AEM、VMQ及びFVMQ等のゴム材による加硫成型体からなり、その全体形状は、装着される周溝21に対応した環状に形成されている。上述のとおり、本実施形態では、周溝21は円柱状の内側部材20の周面の全周に設けられている。したがって、環状シール部材10の全体形状は円形状である。本明細書では、当該円形状の環状シール部材10の中心軸に沿う方向を軸方向と呼称し、当該円形形状の半径に沿う方向を径方向と呼称する。なお、図2、図3(a)、及び図3(b)は、いずれも径方向に沿う断面図である。図2、図3(a)、及び図3(b)において、図中の左右方向が軸方向に対応し、図中の上下方向が径方向に対応する。
図2、図3(a)、及び図3(b)に示すように、環状シール部材10は、第1シール突状部11、第2シール突状部12、第3シール突状部13、第4シール突状部14、及び第5シール突状部15を備える。第1シール突状部11、第2シール突状部12、第3シール突状部13、第4シール突状部14、及び第5シール突状部15は、環状シール部材10の全周にわたって設けられている。すなわち、第1シール突状部11、第2シール突状部12、第3シール突状部13、第4シール突状部14、及び第5シール突状部15は、それぞれ環状である。
図3(b)に示すように、第1シール突状部11は、周溝21に対向する外側部材30の周面31a(貫通孔31の内側面)に接触する。第2シール突状部12は、周溝21の底面21a及び一方の側面21b(以下、説明のため単に右側面21bという。)に接触する。第3シール突状部13は、周溝21の底面21a及び他方の側面21c(以下、説明のため単に左側面21cという。)に接触する。第4シール突状部14は、周溝21の右側面21bに接触する。第5シール突状部15は、周溝21の左側面21cに接触する。
第1シール突状部11は、図2に示すように、第1窪み部11a、第1シールポイント11b、及び第2シールポイント11cを備える。第1シールポイント11b及び第2シールポイント11cは、第1シール突状部11の先端部に設けられた2つの小突起である。第1シールポイント11b及び第2シールポイント11cは外側部材30の周面31aに接触する。第1窪み部11aは、第1シールポイント11bと第2シールポイント11cとの間に介在する径方向に沿う凹部である。
特に限定されないが、本実施形態の環状シール部材10では、第1シール突状部11が先端部から基部に向かって突出幅が次第に大きくなる形状を採用している。このような形状を採用することで、径方向に圧縮された際の環状シール部材10の姿勢安定性をより高めることができる。また、環状シール部材10と周溝21の右側面21b及び左側面21cとの間に先端部側に近づくほど広くなる空間を設けることができ、径方向に圧縮された際に周溝21内に環状シール部材10が圧縮されやすくなるのと同時に、周溝21からはみ出して内側部材20と外側部材30との間に挟まれて噛み込みが発生することをより抑制することができる。
また、特に限定されないが、環状シール部材10では、第2シール突状部12及び第4シール突状部14は、それぞれが対向する周溝21の右側面21bと面接触する平面状の接触部12a、14aをそれぞれ備える。また、本実施形態に係る環状シール部材10では、第3シール突状部13及び第5シール突状部15は、それぞれが対向する周溝21の左側面21cと面接触する平面状の接触部13a、15aをそれぞれ備える。さらに、第2シール突状部12及び第3シール突状部13は、それぞれが対向する周溝21の底面21aと面接触する平面状の接触部からなる第3シールポイント12b及び第4シールポイント13bをそれぞれ備える。
また、環状シール部材10は、第2窪み部16及び第3窪み部17を備える。第2窪み部16は第2シール突状部12と第4シール突状部14との間に介在する、軸方向に沿う凹部である。第3窪み部17は第3シール突状部13と第5シール突状部15との間に介在する、軸方向に沿う凹部である。
特に限定されないが、本実施形態に係る環状シール部材10は、さらに、第2シール突状部12と第3シール突状部13との間に介在する、径方向に沿う凹部である第4窪み部18を備えている。
以上の構成において、環状シール部材10は、第1シールポイント11bの頂部11dと第2シールポイント11cの頂部11eとの間の距離aが、第2窪み部16の窪み底部16aと第3窪み部17の窪み底部17aとの間の距離bよりも大きくなる状態に構成されている。なお、頂部11dは、第1シールポイント11bである小突起を構成する凸曲面において径方向に最も突出する部分である。同様に、頂部11eは、第2シールポイント11cである小突起を構成する凸曲面において径方向に最も突出する部分である。また、窪み底部16aは、第2窪み部16を構成する凹曲面において軸方向に最も凹入する部分である。同様に、窪み底部17aは、第3窪み部17を構成する凹曲面において軸方向に最も凹入する部分である。さらに、頂部11dと頂部11eとの間の距離a、及び窪み底部16aと窪み底部17aとの間の距離bは、いずれも軸方向の最短距離である。なお、頂部11dの径方向の高さと頂部11eの径方向の高さとが同一であることは必須ではなく、窪み底部16aの径方向の高さと窪み底部17aの径方向の高さとが同一であることも必須ではない。
以上の構成を有する環状シール部材10では、距離aが距離bよりも大きく設定されているため、第1シール突状部11が外側部材30と接触したときに、内側部材20の周溝21内の環状シール部材10が径方向に圧縮されやすい。したがって、当該構成により、内側部材20を外側部材30に組み付ける際に摺動を伴う場合でも、周溝21内に装着された環状シール部材10に傾きが発生しにくくなるという効果を得ることができる。また、外側部材30に対する第1シールポイント11b及び第2シールポイント11cが小突起で構成されているため、内側部材20を外側部材30に組み付ける際に摺動を伴う場合でも、摺動方向(内側部材20の貫通孔31への挿入方向)と反対の方向に作用する第1シール突状部11と外側部材30との間の摩擦力を軽減することができる。したがって、当該構成により、環状シール部材10における反転や捻れの発生を抑制できるという効果を得ることができる。加えて、第1シールポイント11b及び第2シールポイント11cの存在により上述の摩擦力を軽減することができる結果、環状シール部材10が傾くことを防止できるという効果も得ることができる。そして、これらの効果が相まって、外側部材30に組み付ける際に摺動を伴う場合でも、環状シール部材10が傾いた状態のまま内側部材20を外側部材30との間に組み付けられてしまうことを抑制して、確実にシール機能を発揮させることが可能となる。
ここで、環状シール部材10の効果をより具体的に説明するため、上述の距離aが上述の距離bよりも小さく設定されている比較例に係る環状シール部材100について説明する。図4(a)は、比較例に係る環状シール部材100が周溝21に装着された状態を模式的に示す断面図であり、図4(b)は、環状シール部材100を内側部材20と外側部材30との間に配置した状態を模式的に示す断面図である。なお、当該距離aと距離bとの関係以外の環状シール部材100の構成は環状シール部材10と同様であるため、対応する構成要素については環状シール部材10と同一の符号を付している。
図4(a)に示すように、第1シールポイント11bの頂部11dと第2シールポイント11cの頂部11eとの間の距離aが、第2窪み部16の窪み底部16aと第3窪み部17の窪み底部17aとの間の距離bよりも小さくなる状態に構成されている。このような構成では、第1シール突状部11が外側部材30と接触したときに、内側部材20の周溝21内の環状シール部材100が径方向に圧縮され難い。その結果、第1シール突状部11に第1シールポイント11b及び第2シールポイント11cを設けていても、外側部材30に組み付ける際の摺動に伴って摺動方向と反対の方向に作用する第1シール突状部11と外側部材30との間の摩擦力が大きくなり、図4(b)に示すように、第1シール突状部11に傾きが発生することがある。上述のとおり、周溝21の開口幅が狭くなるほど周溝21に装着する環状シール部材の厚さが薄くなって剛性が低下するため、周溝21内で径方向に圧縮され難い環状シール部材100では、周溝21の開口幅が狭くなると、このような傾きがより顕著に発生することになる。このような傾きが発生すると、第1シール突状部11の一部が内側部材20と外側部材30との間に挟まれてしまい、所望のシール性能を得ることができなくなる。
一方、周溝21内で径方向に圧縮されやすい本実施形態の環状シール部材10では、周溝21の開口幅が狭くなった場合でも、第1シール突状部11の傾きを抑制することができる。
なお、図2及び図3(a)に示すように、環状シール部材10では、圧縮時の姿勢安定性をより高めて圧縮容易性をより高める観点で、第2窪み部16の窪み底部16a及び第3窪み部17の窪み底部17aの軸方向の位置が、第1シールポイント11b及び第2シールポイント11cの間に設定されている。しかしながら、上述の距離aが距離bよりも大きければよく、窪み底部16a又は窪み底部17aの軸方向の位置が第1シールポイント11b及び第2シールポイント11cの間にない構成を採用することも可能である。
同様に、図2及び図3(a)に示すように、環状シール部材10では、圧縮時の姿勢安定性をより高めて圧縮容易性をより高める観点で、第2窪み部16及び第3窪み部17が開口端から底部に向かって開口幅が次第に小さくなる形状を採用している。しかしながら、上述の距離aが距離bよりも大きければよく、第2窪み部16及び第3窪み部17は他の任意の形状を採用することも可能である。
同様に、図2及び図3(a)に示すように、環状シール部材10では、圧縮時の姿勢安定性をより高めて圧縮容易性をより高める観点で、第4窪み部18の径方向の窪み深さdが第1窪み部11aの径方向の窪み深さcよりも大きく設定されている。しかしながら、上述の距離aが距離bよりも大きければよく、第4窪み部18の径方向の窪み深さdが第1窪み部11aの径方向の窪み深さc以下に設定される構成を除外するものではない。
また、図2及び図3(a)に示すように、環状シール部材10では、径方向に圧縮された際の、周溝21の底面21aに対するシール面圧をより高める観点で、第1シールポイント11b及び第2シールポイント11cが、それぞれ軸方向において、第3シールポイント12b及び第4シールポイント13bと重なる位置に設定されている。しかしながら、所望のシール性能を確保可能であれば、第1シールポイント11b及び第2シールポイント11cが、それぞれ軸方向において、第3シールポイント12b及び第4シールポイント13bと異なる位置に設定することも可能である。また、第3シールポイント12b及び第4シールポイント13bが、それぞれ周溝21の底面21aに面接触する平面により構成されることも必須ではなく、所望のシール性能を確保可能であれば、他の任意の形状を採用することができる。
同様に、図2及び図3(a)に示すように、環状シール部材10では、第2シール突状部12、第3シール突状部13、第4シール突状部14、第5シール突状部15のそれぞれ備える接触部12a、13a、14a、15aが、それぞれ周溝21の右側面21b又は左側面21cに面接触する平面により構成されることも必須ではない。所望のシール性能を確保可能であれば、接触部12a、13a、14a、15aとして他の任意の形状を採用することができる。
ところで、上述の環状シール部材10を用いるシール構造1では、図1に示すように、周溝21が形成されていない外側部材30において、内側部材20が嵌め合わされる開口部端である貫通孔31の端部に、嵌め合わせ時の内側部材20の進行方向に沿って次第に開口幅が小さくなる傾斜面32を設けることが好ましい。
図5は、内側部材20と外側部材30との組み付け時における、傾斜面32の作用を模式的に示す断面図である。図5に示すように、外側部材30が傾斜面32を備える場合、内側部材20と外側部材30との組み付け時に、第1シール突状部11が当該傾斜面32に当接した状態で内側部材20が外側部材30の貫通孔31の内部に進行する。このような状態では、図5に示すように、第1シール突状部11は、内側部材20の進行する過程で、内側部材20の進行方向の前方側(第2シールポイント11c側)から徐々に圧縮される。このような圧縮過程では、環状シール部材10は、内側部材20の進行方向の前方側に位置する第3窪み部17を備えることと相まって、貫通孔31の開口端部に傾斜面32が設けられていないフラットな場合に比べて、周溝21内の環状シール部材10の傾きの発生をより抑制することができる。
続いて、図6(a)から(c)に基づいて、本発明に係る環状シール部材の他の事例について説明する。なお、図6(a)から図6(c)は、いずれも径方向に沿う断面図である。図6(a)から図6(c)において、図中の左右方向が軸方向に対応し、図中の上下方向が径方向に対応する。また、異なる形状を有しているが、上述の環状シール部材10と同様の機能を有する環状シール部材の構成要素には、環状シール部材10と同一の符号を用いている。
上記実施形態では、例示として、第3シールポイント12b、第4シールポイント13b、接触部12a、13a、14a、15aが、それぞれ平面により構成される事例について説明したが、上述のとおり、これらの構成要素の形状は任意である。例えば、図6(a)に示す環状シール部材40のように、凸曲面により構成された、第3シールポイント42b、第4シールポイント43b、接触部42a、43a、44a、45aを備える構成を採用することも可能である。また、周溝21の側面21b、21cとの接触面積を減少させて、周溝21への組み付け性を向上させる観点では、図6(b)に示す環状シール部材50のように、平面状の接触部12a、13a、14a、15aに代えて、基部から突出する小突起により構成される凸形状の接触部52a、53a、54a、55aを備える構成を採用することも可能である。さらに、組み付け時における第1シール突状部11の傾きに対する耐性を向上させる観点では、図6(c)に示す環状シール部材60のように、第1シール突状部11の基部として、先端部から離れるほど幅広となる段形状(ここでは2段)の基部61aを採用することも可能である。加えて、図6(a)から図6(c)に示す各構成要素の形状を適宜組み合わせて環状シール部材を構成することも可能である。
以上説明したように、本発明によれば、環状シール部材が傾いた状態のまま内外2部材間に組み付けられてしまうことを抑制し、確実にシール機能を発揮させることができる。
なお、上述の実施形態は本発明の技術的範囲を制限するものではなく、既に記載したもの以外でも、本発明の範囲内で種々の変形や応用が可能である。例えば、上述の実施形態では周溝21を内側部材20に形成した事例について説明したが、周溝は外側部材30に形成してもよい。また、上述の実施形態では内側部材20を外側部材30に対して摺動させることで組み付ける事例について説明したが、組み付けは内側部材と外側部材との相対的な移動により実施可能であり、外側部材30のみを摺動させる構成や、内側部材20及び外側部材30の両方を摺動させる構成であってもよい。
1 シール構造
10、40、50、60 環状シール部材
11 第1シール突状部
11a 第1窪み部
11b 第1シールポイント
11c 第2シールポイント
11d 第1シールポイントの頂部
11e 第2シールポイントの頂部
12 第2シール突状部
12a、42a、52a 第2シール突状部の接触部
12b、42b 第3シールポイント
13 第3シール突状部
13a、43a、53a 第3シール突状部の接触部
13b、43b 第4シールポイント
14 第4シール突状部
14a、44a、54a 第4シール突状部の接触部
15 第5シール突状部
15a、45a、55a 第5シール突状部の接触部
16 第2窪み部
16a 第2窪み部の窪み底部
17 第3窪み部
17a 第3窪み部の窪み底部
18 第4窪み部
18a 第4窪み部の窪み底部
20 内側部材(一方の部材)
21 周溝
21a 底面
21b 右側面(一方の側面)
21c 左側面(他方の側面)
30 外側部材(他方の部材)
31 貫通孔
32 傾斜面

Claims (8)

  1. 相互に嵌め合わされる内外2部材における一方の部材の周面に形成された周溝に装着されて当該内外2部材の嵌め合い部分を密封する環状シール部材であって、
    前記周溝に対向する他方の部材の周面に接触する環状の第1シール突状部と、
    前記周溝の底面及び一方の側面に接触する環状の第2シール突状部と、
    前記周溝の底面及び他方の側面に接触する環状の第3シール突状部と、
    前記周溝の一方の側面に接触する環状の第4シール突状部と、
    前記周溝の他方の側面に接触する環状の第5シール突状部と、
    を備え、
    前記第1シール突状部は、前記他方の部材の周面に接触する2つの小突起からなる第1シールポイント及び第2シールポイント、並びに、前記第1シールポイントと第2シールポイントとの間に介在する第1窪み部を有し、
    前記第1シールポイントの頂部と第2シールポイントの頂部との間の距離が、前記第2シール突状部と前記第4シール突状部との間に介在する第2窪み部の窪み底部と、前記第3シール突状部と前記第5シール突状部との間に介在する第3窪み部の窪み底部との間の距離よりも大きく、
    前記第1シール突状部が先端部から基部に向かって突出幅が次第に大きくなる形状であり、
    前記第1シール突状部の径方向の突出寸法が、前記第2窪み部及び前記第3窪み部の開口端の開口幅よりも大きいことを特徴とする環状シール部材。
  2. 前記第2窪み部の窪み底部及び前記第3窪み部の窪み底部の軸方向の位置が、前記第1シールポイント及び前記第2シールポイントの間に設定される、請求項1に記載の環状シール部材。
  3. 前記第2窪み部及び前記第3窪み部が開口端から底部に向かって開口幅が次第に小さくなる形状である、請求項1又は請求項2に記載の環状シール部材。
  4. 前記第2シール突状部と前記第3シール突状部との間に第4窪み部が介在し、第4窪み部の径方向の窪み深さが第1窪み部の径方向の窪み深さよりも大きい、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の環状シール部材。
  5. 前記第2シール突状部が前記周溝の底面に接触する第3シールポイントを有するとともに、前記第3シール突状部が前記周溝の底面に接触する第4シールポイントを有し、前記第1シールポイント及び前記第2シールポイントは、それぞれ方向において前記第3シールポイント及び前記第4シールポイントと重なる位置にある、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の環状シール部材。
  6. 前記第3シールポイント及び前記第4シールポイントは、それぞれ周溝の底面に面接触する平面により構成される、請求項5に記載の環状シール部材。
  7. 前記第2シール突状部、前記第3シール突状部、前記第4シール突状部及び前記第5シール突状部は、それぞれが対向する周溝の側面に対して面接触する平面状の接触部をそれぞれ備える、請求項6に記載の環状シール部材。
  8. 相互に嵌め合わされる内外2部材における一方の部材の周面に形成された周溝に装着されて当該内外2部材の嵌め合い部分を密封するシール構造であって、
    前記一方の部材の周溝に装着された請求項1から請求項のいずれか1項に記載の環状シール部材と、
    前記周溝が形成されていない他方の部材において、前記一方の部材が嵌め合わされる開口端部に設けられた、嵌め合わせ時の前記一方の部材の相対的な進行方向に沿って次第に開口幅が小さくなる傾斜面と、
    を備えることを特徴とする、シール構造。
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