JP7449495B1 - デザイン評価システム、デザイン評価方法、及び、評価用印刷物 - Google Patents

デザイン評価システム、デザイン評価方法、及び、評価用印刷物 Download PDF

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Abstract

【課題】加飾成形品を作製する際の加飾シートのデザイン開発を迅速に行うことが可能な、デザイン評価システム、デザイン評価方法、及び評価用印刷物を提供する。【解決手段】デザイン評価システム20は、加飾シート3の画像データを格納部40に提供する第1端末30と、第1端末30から提供された複数の画像データを表示可能な第2端末40とを備えている。格納部40は、第2端末50からの信号に基づいて、複数の画像データから所定の画像データを選択するとともに、選択された画像データを第2端末50に送信する。第2端末50は、加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを直接又は格納部を介して第1端末30に送信する。【選択図】図1

Description

本開示は、デザイン評価システム、デザイン評価方法、及び評価用印刷物に関する。
従来、自動車の内装部品や外装部品、建材の内装材や外装材、家電筐体として、樹脂成形品の表面に加飾シートを積層させた加飾成形品が用いられている。このような加飾成形品の製造工程では、加飾シートは、樹脂成形品の表面の形状に追従するように、樹脂成形品の表面に積層される。加飾成形品の製造は、例えば、成形型を用いて行われる。
特開2005-103794号公報
このような加飾シートのデザイン(意匠)開発において、デザインを検証するために加飾シートのサンプルを製造したり、加飾成形品を製造するための成形型を製造したりすることが必要である。そのため、開発するデザインの点数に応じて、試作すべき加飾シートのサンプル及び成形型の数が増える。これにより、デザイン開発にかかる負担が増えたり開発期間が長くなってしまったりする。これを解決するために、加飾シートのサンプルや成形型の試作が繰り返される。
特に、表面に凹凸が形成され、ユーザーの触感に訴える加飾シートをデジタル環境下で評価する場合、評価者であるユーザーに実際の触感を伝えることが難しい。
このように、迅速なデザイン開発を行うために、最終的なデザイン有する加飾シートを作製する前に、加飾シートのデザインを評価することが求められ得る。
本開示は、以上の点を考慮してなされ、加飾成形品を作製する際の加飾シートのデザイン開発を迅速に行うことが可能な、デザイン評価システム、デザイン評価方法、及び評価用印刷物を提供することを目的とする。
本開示のデザイン評価システムは、
加飾シートの絵柄と触感を評価するためのデザイン評価システムであって、
加飾シートの画像データを格納部に提供する第1端末と、
前記第1端末から提供された複数の前記画像データを表示可能な第2端末とを備え、
前記格納部は、前記第2端末からの信号に基づいて、複数の前記画像データから所定の前記画像データを選択するとともに、選択された前記画像データを前記第2端末に送信し、
前記第2端末は、加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを直接又は前記格納部を介して前記第1端末に送信する。
本開示によるデザイン評価システムにおいて、前記第1端末は、前記加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを、直接又は前記格納部を介して前記第2端末に送信するようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価システムにおいて、前記第1端末は、前記加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを前記画像データとともに、直接又は前記格納部を介して前記第2端末に送信する、請求項2に記載のデザイン評価システム。
本開示によるデザイン評価システムにおいて、前記凹凸用印刷データで規定される凹凸構造は、前記画像データで規定される絵柄に対応付けられるように構成される、請求項2記載のデザイン評価システム。
本開示によるデザイン評価システムにおいて、前記凹凸用印刷データで規定される凹凸構造は、前記画像データの絵柄に対応付けられていないように構成されている、請求項2に記載のデザイン評価システム。
本開示によるデザイン評価システムにおいて、前記第1端末又は前記第2端末は、加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを前記格納部に提供するようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価システムにおいて、前記第1端末は、前記画像データを表示可能であり、
前記第2端末が前記画像データを表示する際の表示条件は、前記第1端末が前記画像データを表示する際の表示条件に基づいて決定されているようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価システムにおいて、前記加飾シートの前記画像データ及び前記加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データに基づいて、前記画像データが規定する絵柄及び前記凹凸用印刷データが規定する凹凸構造を印刷して評価用印刷物を出力する評価用印刷装置を更に備えるようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価システムにおいて、前記評価印刷物は、基材と、前記基材上に設けられ且つ絵柄を表示する絵柄層と、前記絵柄層上に設けられ且つ前記凹凸用印刷データで規定される凹凸構造を有する触感付与層と、を備え、
前記評価用印刷物の前記絵柄層の絵柄は、前記画像データに基づいて設定され、
前記評価用印刷物の前記触感付与層の凹凸構造は、前記凹凸用印刷データに基づいて設定されるようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価システムにおいて、前記第1端末、前記格納部又は前記第2端末は、前記評価用印刷物を出力させるために、前記評価用印刷装置に、前記加飾シートの前記画像データ及び前記凹凸用印刷データに基づいたデータを送信するようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価システムにおいて、前記評価用印刷装置は、加飾シートの前記画像データ及び前記凹凸用印刷データに基づいて、前記基材上において、触感が異なるように表面の凹凸構造が異なる複数の凹凸評価領域が設けられるように、前記触感付与層を選択的に印刷することで、前記評価用印刷物を出力するようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価システムにおいて、前記評価用印刷装置は、前記基材上において、前記複数の凹凸評価領域にそれぞれ近接して前記画像データで規定される絵柄が表示されるように、前記複数の凹凸評価領域にそれぞれ近接する複数の絵柄評価領域に前記絵柄層を選択的に印刷することで、前記評価用印刷物を出力するようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価システムにおいて、前記評価用印刷装置は、前記複数の凹凸評価領域それぞれに、前記絵柄層を印刷するとともに前記絵柄層の絵柄の上方に前記凹凸構造が位置する前記触感付与層を印刷することで、前記評価用印刷物を出力するようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価システムにおいて、前記加飾シートの前記画像データ及び前記凹凸用印刷データは、前記絵柄層に表示される絵柄に対応して前記触感付与層の凹凸構造が形成されるように規定されているようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価システムにおいて、前記第2端末は、前記評価用印刷装置により出力された前記評価用印刷物の表面の凹凸構造に関する触感の評価の情報を、加飾シートの表面の凹凸構造の触感の評価を含む前記評価結果として受け付けるようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価システムにおいて、前記評価用印刷装置は、熱溶融転写印刷装置又は3Dプリンタであるようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価システムにおいて、前記凹凸用印刷データは、前記加飾シートの表面の凹凸構造に対応付けられた触感を分類する触感分類情報を含み、
前記評価用印刷装置は、前記基材上において、前記複数の凹凸評価領域にそれぞれ近接して前記凹凸用印刷データで規定される触感分類情報が表示されるように、前記触感分類情報を選択的に印刷することで、前記評価用印刷物を出力するようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価システムにおいて、前記画像データの絵柄及び前記凹凸用印刷データの凹凸構造を加工する加工部を更に備えるようにしてもよい。
本開示のデザイン評価方法は、
加飾シートの絵柄と触感を評価するためのデザイン評価方法であって、
第1端末から加飾シートの画像データを格納部に提供する工程と、
前記格納部を介して複数の前記画像データを表示可能な第2端末から、複数の前記画像データの中から所定の前記画像データを選択する信号を受付ける工程と、を備え、
加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを前記第2端末から受付ける工程をさらに備える。
本開示によるデザイン評価方法において、前記格納部を介して複数の前記画像データを表示可能な第2端末から、複数の前記画像データの中から所定の前記画像データを選択する信号を受付ける前記工程の後、加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを前記第2端末から受付ける前記工程が実行されるようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価方法において、加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを前記第2端末から受付ける前記工程の後、前記格納部を介して複数の前記画像データを表示可能な第2端末から、複数の前記画像データの中から所定の前記画像データを選択する信号を受付ける前記工程が実行されるようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価方法において、前記第1端末から、前記加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを、直接又は前記格納部を介して前記第2端末に送信するようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価方法において、前記第1端末から、前記加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを前記画像データとともに、直接又は前記格納部を介して前記第2端末に送信するようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価方法において、前記凹凸用印刷データで規定される凹凸構造は、前記画像データで規定される絵柄に対応付けられるように構成されるようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価方法において、前記凹凸用印刷データで規定される凹凸構造は、前記画像データの絵柄に対応付けられていないように構成されているようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価方法において、前記第1端末から、加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを前記格納部に提供するようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価方法において、評価用印刷装置により、前記加飾シートの前記画像データ及び前記加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データに基づいて、前記画像データが規定する絵柄及び前記凹凸用印刷データが規定する凹凸構造を印刷して、評価用印刷物を出力する工程を更に備えるようにしてもよい。
本開示によるデザイン評価方法において、加飾シートの表面の凹凸構造の触感の評価を含む前記評価結果は、前記評価用印刷装置により出力された前記評価用印刷物の表面の凹凸構造に関する触感の評価の情報を含むようにしてもよい。
本開示のデザイン評価システムは、加飾シートの絵柄と触感を評価するためのデザイン評価システムであって、
格納部と、
加飾シートの画像データを前記格納部に提供する第1端末と、を備え、
前記格納部は、第2端末からの信号に基づいて、複数の前記画像データから所定の前記画像データを選択するとともに、選択された前記画像データを前記第2端末に送信し、
前記第1端末は、加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを直接又は前記格納部を介して前記第2端末から受け付ける。
加飾シートの評価用印刷物であって、
基材と、
前記基材上に設けられ且つ絵柄を表示する絵柄層と、
前記絵柄層上に設けられ且つ凹凸構造を有する触感付与層と、を備え、
前記基材上において、触感が異なるように表面の凹凸構造が異なる前記触感付与層が選択的に複数の凹凸評価領域に形成されている。
本開示による評価用印刷物において、前記基材上において、前記複数の凹凸評価領域にそれぞれ近接して絵柄が表示されるように、前記複数の凹凸評価領域にそれぞれ近接する複数の絵柄評価領域に前記絵柄層が選択的に形成されているようにしてもよい。
本開示による評価用印刷物において、前記基材上において、前記複数の凹凸評価領域それぞれに、前記絵柄層が形成されているとともに前記絵柄層の絵柄の上方に前記凹凸構造が位置する前記触感付与層が形成されているようにしてもよい。
本開示によれば、加飾成形品を作製する際の加飾シートのデザイン開発を迅速に行うことができる。
図1は、第1及び第2の実施形態による加飾成形品を示す断面図である。 図2は、第1及び第2の実施形態による加飾成形品の製造方法の一例を説明するための図である。 図3は、第1及び第2の実施形態による加飾成形品の製造方法の一例を説明するための図である。 図4は、第1及び第2の実施形態による加飾成形品の製造方法の一例を説明するための図である。 図5Aは、第1の実施形態によるデザイン評価システムを示すブロック図である。 図5Bは、図4に示す評価用印刷装置により出力される評価用印刷物の一例を示す上面図である。 図5Cは、図4に示す評価用印刷装置により出力される評価用印刷物の他の例を示す上面図である。 図5Dは、図5Bに示す評価用印刷物の、Z-Z線に沿った、凹凸評価領域の断面の一例を示す断面図である。 図5Eは、図5Cに示す評価用印刷物の、Z-Z線に沿った、凹凸評価領域の断面の一例を示す断面図である。 図5Fは、図4に示す評価用印刷装置により出力される評価用印刷物の他の例を示す上面図である。 図6は、第1の実施形態によるデザイン評価方法を示すフローチャートである。 図7は、第1の実施形態によるデザイン評価方法を示すフローチャートである。
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して本開示の第1の実施形態について説明する。
なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する用語等、例えば、「平行」、「垂直」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
本明細書において、「フィルム」、「シート」及び「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて互いから区別されるものではない。例えば「加飾シート」は、加飾フィルム又は加飾板と呼ばれる部材等と呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
まず、図1乃至図4を参照して、加飾成形品の構成及び製造方法について説明する。図1は、加飾成形品1の構成を概略的に示す断面図である。また、図2乃至図4は、図1の加飾成形品1の製造方法の一例を説明するための図である。
加飾成形品1は、例えば、移動体の内装部品や外装部品、建材の内装材や外装材、家電筐体として用いられる。移動体とは、例えば、自動車や鉄道車両、台車、船、飛行機、ヘリコプター、ドローン、ロボットである。図1に示すように、加飾成形品1は、成形部2と加飾シート3とを備えている。
成形部2は、樹脂材料が成形された部品であり、例えば、後述するように、樹脂材料を射出成形することにより作製される。成形部2をなす樹脂材料は特に限定されない。成形部2をなす樹脂材料として、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ABS(アクリロニトリル ブタジエン スチレン共重合体)、ポリプロピレンが例示される。成形部2は、透明でも、不透明でもよい。成形部2は、着色されていてもよい。
加飾シート3は、成形部2の表面の少なくとも一部を覆う。図示された例では、加飾シート3は、樹脂材料で作製された基材シート4に意匠層5や表面保護層6等を積層することにより作製される。基材シート4をなす樹脂材料として、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル、ABS(アクリロニトリル ブタジエン スチレン共重合体)、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、ポリプロピレン等が例示される。例示した材料のシートを単層又は複数で用いてもよく、例えば、アクリル樹脂とABSを積層して用いてもよい。基材シート4は、透明でも不透明でもよい。基材シート4は着色されていてもよい。加飾シート3は、透明でもよく、不透明でもよい。
意匠層5は、例えば、色彩やパターン、図形、デザイン、絵、写真、キャラクター、マーク、ピクトグラム、文字や数字などの絵柄が形成された層、木、布、革、石、金属等の素材を表現する絵柄が形成された層や、内部に凹凸構造を有し奥行きのある立体感を呈する層である。意匠層5は、印刷によって形成されてもよいし、転写によって形成されてもよい。
表面保護層6は、加飾成形品1の最表面を形成する。表面保護層6は、耐擦傷性等を有する。表面保護層6は、例えば樹脂材料により作製される。表面保護層6をなす樹脂材料として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化樹脂が例示される。
加飾シート3の構成は上述した例に限られない。例えば、加飾シート3は、紫外線吸収層、反射防止層、光拡散層、接着層、バッカー層、遮光パターン等の機能層を備えていてもよい。
このような加飾成形品1は、成形型内での加飾や、成形型外(又は成形型を用いず)での加飾により作製され、例えば、次のような射出成形同時加飾方法で作製される。まず、図2に示すように、成形型10を準備する。成形型10は、加飾成形品1の形状に対応した形状を有している。成形型10は、雌型11及び雄型12を有している。雌型11及び雄型12は、それぞれ、成形用のキャビティC(図4参照)となる空間を画定するキャビティ面13、14を有する。雌型11には、キャビティC内の空気を排出するための吸引孔15が設けられている。
次に、図3に示すように、加飾シート3を雌型11のキャビティ面13に対面して配置し、シートクランプ16等を用いて雌型11に固定する。図示された例では、シートクランプ16は平面視において枠状に形成されている。次に、ヒータ17で加飾シート3を加熱して軟化させつつ、加飾シート3と雌型11のキャビティ面13との間の空気を、吸引孔15を通じて排出する。これにより、軟化した加飾シート3が伸長して、キャビティ面13に概ね沿った形状になる。このようにして、加飾シート3は予備成形される。
次に、図4に示すように、雄型12のキャビティ面14を雌型11のキャビティ面13に対向させ、雄型12を雌型11に密着させ固定する。次に、雌型11と雄型12との間に形成されたキャビティCに、加熱されて溶融した樹脂材料Rを充填する。樹脂材料Rは、成形部2をなす樹脂材料である。キャビティCに加熱された樹脂材料Rが充填されることにより、加飾シート3は雌型11のキャビティ面13に対応した形状になる。このようにして、加飾シート3は成形される。同時に、成形部2も成形される。キャビティC内の樹脂材料Rが冷却して固化した後、成形型10を開いて成形物を取り出し、必要に応じて加飾シート3の不要部分をトリミングする。以上により、加飾成形品1が作製される。以下、上記の加飾成形品の製造方法を第1の製造方法(いわゆるサーモジェクト工法)と称することがある。
なお、加飾成形品1の製造方法は、図2乃至図4に示す方法に限られない。例えば、加飾シート3は、成形型10に適用される前に、成形型10とは別の予備成形型を用いて予備成形されてもよい。この場合、次のような方法で加飾成形品1を作製してもよい。すなわち、加熱した加飾シート3を予備成形型(図示せず)に沿って伸長させて、成形型10の雌型11のキャビティ面13に概ね対応した形状に予備成形する。次に、予備成形された加飾シート3を、予備成形型から取り外し、図4に示すように成形型10内に配置する。次に、キャビティCに溶融した樹脂材料Rを充填する。キャビティC内の樹脂が冷却して固化した後、成形型10を開いて成形物を取り出す。成形物を成形型10で成形後あるいは成形前に、必要に応じて加飾シート3の不要部分をトリミングする。以上により、加飾成形品1が作製される。以下、上記の加飾成形品の製造方法を第2の製造方法(いわゆるフィルムインサート工法)と称することがある。なお、加飾成形品は、例示の第1の製造方法及び第2の製造方法以外の、第3の製造方法(例えばインモールド成形等の成形方法を利用した工法)を用いてもよい。
次に、第1の実施形態によるデザイン評価システム20について説明する。このデザイン評価システム20は、加飾成形品1を作製するための加飾シート3の画像を評価するためのシステムである。
デザイン評価システム
図5Aに示すように、デザイン評価システム20は、第1端末30と、第1端末30から提供された複数の画像データを表示可能な第2端末50とを備えている。また、デザイン評価システム20は、加飾シート3の画像データ及び加飾シート3の表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを加工する加工部60を更に備えていてもよい。また、デザイン評価システム20は、画像データが規定する絵柄及び凹凸用印刷データが規定する凹凸構造を印刷して評価用印刷物を出力する評価用印刷装置70を更に備えていてもよい。
このうち第1端末30は、加飾シート3の画像データ及び加飾シート3の表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを格納部40に提供するように構成されていてもよい。また、格納部40は、第1端末30から提供された複数の画像データを保存するように構成されていてもよい。さらに、第2端末50は、第1端末30及び格納部40のうちの少なくとも一方に、加飾シート3の画像データを提供するように構成されていてもよい。
また、第2端末50は、加飾シート3の表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを、格納部40を介して第1端末30に送信するようにしてもよい。すなわち、第1端末30は、加飾シート3の表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを、格納部40を介して第2端末50から受け付けるようにしてもよい。また、第2端末50は、加飾シート3の表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを、直接、第1端末30に送信するようにしてもよい。すなわち、第1端末30は、加飾シート3の表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを、直接、第2端末50から受け付けるようにしてもよい。
ここで、第1端末30及び/又は第2端末50が提供する加飾シート3の画像データは、加飾シート3の二次元データであってもよく、加飾シート3の二次元データに加えて微細な表面構造(例えば、凹凸構造)に関するデータを含む三次元データであってもよい。例えば、第1端末30及び第2端末50の一方が、加飾シート3の二次元データを提供し、その後、他方が表面に関するデータを提供し、格納部40において二次元データと表面に関するデータとを統合することにより、格納部40に三次元データが保存されるようにしてもよい。また、第1端末30が提供する加飾シート3の画像データは、加飾シート3のサンプルをスキャナで取り込んで作成した画像データであってもよく、画像編集用のソフトウエアを用いて作成した画像データであってもよい。加飾シート3のサンプルの製造を行わず、画像編集用のソフトウエアを用いて作成された画像データを用いることにより、加飾シートのデザイン開発をより迅速に行うことが可能となる。
また、第1端末30及び/又は第2端末50が提供する加飾シート3の凹凸用印刷データは、加飾シート3の表面の触感を評価するために、加飾シート3の表面の凹凸構造を印刷で形成するための印刷用データである。この凹凸用印刷データは、例えば、画像データに含まれる表面構造(例えば、凹凸構造)に関するデータ(三次元データ)に基づいて構成されていてもよい。この凹凸用印刷データの凹凸構造は、位置(座標)と高さの情報とが互いに関連づけられて規定されている。そして、例えば、加飾シート3のサンプルの作成やデザインを決定する前段階において、評価用印刷装置70により、加飾シート3の画像データ及び凹凸用印刷データに基づいて作成した評価用印刷データに基づいて、画像データが規定する絵柄及び凹凸用印刷データが規定する凹凸構造を印刷した評価用印刷物を出力して、絵柄と触感を含むデザインをユーザーが評価して、この評価結果をフィードバックすることにより、加飾シートのデザイン開発をより迅速に行うことが可能となる。
また、第1端末30は、画像データの解像度の高さを変えた複数種類のデータを格納部40に提供してもよい。これにより、デザイン開発の段階に応じて解像度の異なるデータを画像データとして利用することができる。例えば、実際に加飾シート3を作製する際に使用する画像データよりも、解像度を低くした、加飾シート3の画像データ(説明の便宜上、「低解像度の画像データ」と呼ぶことがある)を格納部40に提供し、デザイン開発の初期段階では低解像度の画像データを用いてもよい。そして、実際に加飾シート3を作製する際に必要な解像度をもつ加飾シート3の画像データ(説明の便宜上、「高解像度の画像データ」と呼ぶことがある)を格納部40に提供してもよく、デザイン開発の初期段階以降では高解像度の画像データを用いてもよい。このように、デザイン開発の段階に応じて画像データの解像度を変更することにより、加飾シートメーカーとその顧客との間で効率的にデジタル環境下でのコミュニケーションをすることができる。この場合、第1端末30が格納部40の提供する、低解像度の画像データの解像度は、例えば、100dpi以上300dpi以下であってもよく、一例として、約150dpiであってもよい。これにより、例えば、第2端末50において、第2端末50のユーザーが意匠を選択するために多数の画像データを表示させた場合であっても、第2端末50への負荷を低減できる。また、第2端末50のユーザーが、複数の低解像度の画像データをダウンロードしやすくなり、ユーザーの利便性が向上する。また、例えば、加飾成形品の形状に対応させるために、長さが1mを超えるような長尺フィルムに印刷するために画像を長尺サイズに構成した場合であっても、画像データの容量の増加が抑えられ各種機械への負荷を低減できる。
次に、第1端末30、格納部40、第2端末50、加工部60、及び評価用印刷装置70について詳細に説明する。ここでは、まず、第1端末30について説明する。
(第1端末)
第1端末30は、表示部31と、通信部32と、記憶部33と、処理部34と、操作部35とを有している。表示部31は、画像データを表示するための構成である。これにより、第1端末30は、画像データを表示可能である。表示部31は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の任意のディスプレイを用いることができる。例えば、第1端末30は、加飾シートを提供する加飾シートメーカーの端末である。
通信部32は、ネットワークを介して格納部40等と第1端末30との間で情報を送受信するためのインターフェースである。記憶部33は、画像データや凹凸用印刷データ等のデータを記憶するための構成である。この記憶部33は、例えばROMやRAMなどのメモリーであってもよい。
処理部34は、第1端末30における必要な処理を実行するための構成である。この処理部34は、例えば、所定のプログラムに基づいて動作するCPU(Central Processing Unit)により構成されていてもよい。
ここで、処理部34は、シミュレーションにより、成形時に発生する加飾シート3の伸びを検証してもよい。加飾シート3を用いて作製される加飾成形品1は、高低差の大きい凹凸や貫通孔等を有する三次元形状をもっている。この高低差は、図2乃至4に示されるキャビティ面13の高低差と捉えることができる。このため、加飾成形品1を作製した際に、三次元形状に追従する領域では加飾シート3に伸びが生じる。加飾シート3の伸びが大きい場合、加飾シート3が破けてしまう可能性がある。また、加飾シート3が破れなかった場合であっても、加飾シート3が伸びてしまうことにより、加飾シート3の絵柄が歪んでしまう可能性がある。この結果、加飾成形品1に付与される意匠と、目的とする意匠とが異なる場合がある。このような場合、加飾成形品1の表面形状や成形型の形状の設計を試行錯誤して修正することにより、加飾成形品1に付与される意匠を意図した意匠に近づけることができる。しかしながら、満足のいく加飾成形品1が作製されるまで加飾シートや成形型を作製し直すことは、加飾成形品1の作製にかかる時間およびコストの増大に繋がる。これに対して、処理部34が、シミュレーションにより、成形時の加飾シート3の伸びを検証することにより、加飾シート3から加飾成形品1を作製できるか否かについて容易に判定することができるとともに、加飾シート3の絵柄の歪みを予め把握することができる。
この場合、第1端末30は、加飾成形品1に関する三次元CADデータに基づいて、成形時の加飾シート3の伸びを検証したシミュレーションデータを作成してもよい。シミュレーションデータの作成には、例えば、三次元CADデータに基づいて生成される金型モデルのデータ、加飾シート3の物性データを用いてもよい。金型モデルのデータを用いてシミュレーションデータを作成する場合、まず、三次元CADデータに基づいて成形に用いる金型モデルを作製する。次に、金型モデルを用いて、成形前後の加飾シート3の伸び量をシミュレーションしてシミュレーションデータを作成する。加飾シート3の伸び量に応じて加飾シート3の画像データの絵柄の成形後の位置を決定することによって、成形後の絵柄の状態をシミュレーションすることができる。そして、第1端末30は、格納部40を介して、シミュレーションデータを第2端末50に提供してもよい。なお、処理部34がシミュレーションをする際、例えば、上述した加飾成形品1の成形工法等が考慮されてもよい。加飾成形品1の成形工法によって異なる成形型が使用され得る。加飾成形品1の成形工法によって異なる加飾シート3の構成が使用され、その結果、加飾シート3の物性が変わり得る。このため、成形工法に応じた成形型や加飾シート3に基づいて、処理部34が加飾シート3の伸びをシミュレーションしてもよい。これにより、加飾シート3の伸びをより正確に検証できる。
ここで、加飾成形品1の開発において、加飾シート3のデザイン開発と加飾成形品1の開発とが並行して行われることがある。具体的には、加飾成形品1の仕様(例えば、形状)が決定する前に、加飾シート3のデザイン開発が始まることがある。つまり、加飾シート3のデザイン開発が進行する中で、加飾成形品1の形状が変更される場合がある。このような場合、シミュレーションデータの作成に用いる三次元CADデータ(説明の便宜上、仮の三次元CADデータと呼ぶことがある)と、変更された加飾成形品1の形状を表す三次元CADデータ(説明の便宜上、修正後の三次元CADデータと呼ぶことがある)とが異なる。加飾成形品1の開発が途上の段階においては仮の三次元CADデータを用い、加飾成形品1の開発が完了した段階(例えば、加飾シート3のサンプルを評価する段階)においては仮の三次元CADデータとは異なる、修正後の三次元CADデータを用いてもよい。
なお、加飾成形品1の三次元CADデータは、格納部40を介して、第2端末50から第1端末30に提供されてもよい。あるいは、加飾シート3を提供する側のユーザーが、加飾シート3を提供される側のユーザーに対して、加飾成形品1の形状等を提案する場合、提案する加飾成形品の三次元CADデータが、第1端末30の記憶部33に予め保存されていてもよい。
操作部35は、第1端末30のユーザーにより操作される入力装置であり、第1端末30は、操作部35に入力された操作に応じた処理を、処理部34に実行させるように構成されている。
この第1端末30は、例えば、デスクトップ型のパソコン、ノート型のパソコン又はスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末であってもよい。
なお、第1端末30は、加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを画像データとともに、格納部40を介して、第2端末50に送信する。なお、第1端末30は、加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを画像データとともに、直接、第2端末50に送信するようにしてもよい。また、第1端末30は、加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データのみを、格納部40を介して第2端末50に送信するようにしてもよい。なお、第1端末30は、加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データのみを、直接、第2端末50に送信するようにしてもよい。
(格納部)
格納部40は、通信部41と、記憶部42と、処理部43とを有している。通信部41は、ネットワークを介して第1端末30等と格納部40との間で情報を送受信するためのインターフェースである。記憶部42は、第1端末30から提供された画像データ等を記憶するための構成である。この記憶部42は、例えばROMやRAMなどのメモリーであってもよい。
記憶部42には、各々の画像データに関連付けされた様々な情報が1以上のデータテーブルに格納されていてもよい。この場合、格納部40の記憶部42には、画像データによってもたらされるデザインのコンセプトや、加飾シート3の製造条件に関するデータが格納されていてもよい。例えば、各々の画像データの意匠(例えば絵柄や色)、加飾シートを用いて成形する方法(成形工法)、加飾シートの材料、加飾シートに関するカーボンフットプリント(CFP)等に関する情報が、データテーブルに格納されていてもよい。これにより、第2端末50を操作するユーザーが、画像データに関連付けされた情報(例えば、成形時に採用可能な成形工法)に基づいて、画像データを検索できるようになっていてもよい。なお、成形工法としては、例えば、インサート成形法、サーモジェクト成形法又はインモールド成形法が挙げられる。また、加飾シート3の層構成、材料又は厚み等に関する情報、加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データや印刷方法等が、当該データテーブルに格納されていてもよい。
なお、記憶部42に格納された各種データテーブルは、第1端末30のユーザーのみが閲覧できるように構成されていてもよい。
処理部43は、格納部40における必要な処理を実行するための構成である。この処理部43は、例えば、所定のプログラムに基づいて動作するCPUにより構成されていてもよい。
ここで、格納部40は、第2端末50からの信号に基づいて、複数の画像データから所定の画像データ及び/又は複数の凹凸用印刷データから所定の凹凸用印刷データを選択するとともに、選択された画像データ及び/又は凹凸用印刷データを、第2端末50に送信し、さらに、評価用印刷部70に直接又は第2端末50を介して送信するように構成されている。これにより、第2端末50を操作するユーザーが、第2端末50によって、所望の画像データ及び/又は凹凸用印刷データを閲覧できるようになっている。さらに、評価用印刷部70によって、所望の画像データ及び凹凸用印刷データに基づいた評価用印刷物を印刷することができ、ユーザーが加飾シート3の絵柄及び触感を評価できるようになっている。
格納部40は、第1端末30から提供された複数の画像データを、複数のグループに分類して保存していてもよい。また、格納部40は、第1端末30から提供された複数の画像データそれぞれに、属性情報を付与して保存してもよい。この場合、格納部40は、一の画像データが複数の属性情報を有するように、属性情報を付与してもよいし、一の画像データの属性情報が他の画像データの属性情報と一部又は全部が重複して有するように、属性情報を付与してもよい。なお、属性情報には、上述のデータテーブルの説明において例示した項目が含まれていてもよい。この場合、記憶部42は、第1端末30から提供された複数の画像データを、複数のグループに分類して保存していてもよい。例えば、記憶部42は、所定の特徴毎に、複数の画像データをグループ化して保存していてもよい。一例として、記憶部42は、色や絵柄といった特徴毎又は画像データに付与された属性情報毎に、複数の画像データをグループ化して保存していてもよい。
また、第1端末30は、加飾シート3の表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データをこの格納部40に提供する。なお、第2端末50が、加飾シート3の表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データをこの格納部40に提供するようにしてもよい。この場合、格納部40は、第1端末30又は第2端末50から提供された複数の凹凸用印刷データを、複数の画像データに対応付けて(例えば、同調する画像データの絵柄と凹凸用印刷データの凹凸構造とを関連付けて)、複数のグループに分類して保存していてもよい。なお、格納部40は、第1端末30又は第2端末から提供された複数の凹凸用印刷データを、複数の画像データに関連付けずに、複数のグループに分類して保存していてもよい。
なお、第2端末50は、加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを、この格納部40を介して第1端末30に送信するようにしてもよい。この場合、格納部40は、第2端末50から提供された複数の評価データを、対応する画像データの絵柄と凹凸用印刷データの凹凸構造とを関連付けて、複数のグループに分類して保存していてもよい。なお、第2端末50は、加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを、直接、当該格納部40を介さずに、第1端末30に送信するようにしてもよい。
そして、格納部40は、第2端末50を操作するユーザーの閲覧履歴や評価履歴に関する情報を有していてもよい。第2端末50を操作するユーザーの閲覧履歴や評価履歴に基づいて画像データとそれにマッチしやすい凹凸用印刷データを関連付けておき、格納部40がユーザーにデザイン提案を行うように構成されていてもよい。
この格納部40は、クラウドサーバであってもよい。なお、格納部40は、スタンドアローン型のサーバや、ファイルサーバ等であってもよい。
(第2端末)
第2端末50は、表示部51と、通信部52と、記憶部53と、処理部54と、操作部55とを有している。表示部51は、画像データを表示するための構成である。表示部51は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の任意の表示部を用いることができる。例えば、第2端末50は、加飾シート3を提供されるユーザーの端末、又は加飾成形品1を提供されるユーザーの端末である。
第2端末50が画像データを表示する際の表示条件は、第1端末30が画像データを表示する際の表示条件に基づいて決定されていることが好ましい。ここで、表示条件とは、画像データを表示するディスプレイの精細度、色及び明るさを意味する。この場合、例えば、第1端末30の表示部31が液晶ディスプレイである場合、第2端末50の表示部51は、表示部31と同一の液晶ディスプレイであってもよい。これにより、表示部51に表示される画像データの表示態様を、表示部31によって表示される画像データの表示態様に近づけることができる。このため、例えば画像データを加工する際に、加飾シート3を提供される側のユーザーが求める修正点を、加飾シート3を提供する側のユーザーに対して正確に伝えることができる。この結果、加飾シート3を提供される側のユーザーが、所望の画像データを容易に得ることができる。また、例えば、第1端末30の表示部31が液晶ディスプレイである場合、第2端末50の表示部51は、表示部31と同一規格の色域に対応できる液晶ディスプレイであってもよい。
通信部52は、ネットワークを介して格納部40等と第2端末50との間で情報を送受信するためのインターフェースである。記憶部53は、画像データや凹凸用印刷データ等のデータを記憶するための構成である。この記憶部53は、例えばROMやRAMなどのメモリーであってもよい。
処理部54は、第2端末50における必要な処理を実行するための構成である。この処理部54は、例えば、所定のプログラムに基づいて動作するCPU(Central Processing Unit)により構成されていてもよい。
操作部55は、第2端末50のユーザーにより操作される入力装置であり、第2端末50は、操作部55に入力された操作に応じた処理を、処理部54に実行させるようになっている。
第2端末50は、格納部40を介して、加飾シート3から作製される加飾成形品1の三次元CADデータを第1端末30に提供してもよい。この場合、上述した記憶部53に、当該三次元CADデータが保存されていてもよい。
また、既述のように、第2端末50は、加飾シート3の表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを、格納部40を介して第1端末30に送信するようにしてもよい。また、第2端末50は、加飾シート3の表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを、直接、第1端末30に送信するようにしてもよい。この場合、上述した記憶部53に、当該評価データが保存されていてもよい。
この第2端末50は、例えば、デスクトップ型のパソコン、ノート型のパソコン又はスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末であってもよい。
(評価用印刷装置)
評価用印刷装置70は、加飾シートの画像データ及び/又は加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データに基づいて、画像データが規定する絵柄及び/又は凹凸用印刷データが規定する凹凸構造を印刷して評価用印刷物を出力(印刷)する。なお、例えば、凹凸用印刷データで規定される凹凸構造は、画像データで規定される絵柄に対応付けられるように構成される。しかしながら、例えば、凹凸用印刷データで規定される凹凸構造は、画像データの絵柄に対応付けられていないように構成されているようにしてもよい。
ここで、例えば、第1端末30又は第2端末50は、評価用印刷物を出力させるために、評価用印刷装置70に、加飾シートの画像データ及び凹凸用印刷データに基づいたデータを送信する。なお、格納部40が、評価用印刷物を出力させるために、評価用印刷装置に、加飾シートの画像データ及び凹凸用印刷データに基づいたデータを送信するようにしてもよい。
そして具体的には、評価用印刷装置70は、例えば、評価者である加飾シート3を提供される側のユーザーが、直接又は第2端末50を介して、操作されるようになっている。この場合、評価者である加飾シート3を提供される側のユーザーは、評価用印刷装置70を操作することで、加飾シートの画像データ及び凹凸用印刷データに基づいて評価用印刷装置70から出力された評価用印刷物を直接取得することができる。
しかしながら、評価用印刷装置70は、例えば、評価者である加飾シート3を提供される側のユーザーが、直接又は第1端末30を介して、操作されるようにしてもよい。この場合、加飾シート3を提供する側のユーザーは、評価用印刷装置70を操作することで、加飾シートの画像データ及び凹凸用印刷データに基づいて評価用印刷装置70から出力された評価用印刷物を取得する。そして、加飾シート3を提供する側の当該ユーザーが、この評価用印刷物を評価者である加飾シート3を提供される側のユーザーに郵送等により送ることで、評価者である加飾シート3を提供される側のユーザーが、評価用印刷物を取得することができる。
この評価用印刷装置70は、例えば、熱溶融転写印刷装置又は3Dプリンタである。この評価用印刷装置70は、上述に限られず、インクジェット方式の印刷装置でもよい。
ここで、例えば、図5Bに示すように、評価用印刷装置70は、加飾シートの画像データ及び凹凸用印刷データに基づいて、基材PX上において、触感が異なるように表面の凹凸構造が異なる複数の凹凸評価領域A1、A2、A3、A4が設けられるように、触感付与層AX1、AX2、AX3、AX4を選択的に印刷することで、評価用印刷物Pを出力する。特に、評価用印刷装置70は、例えば、図5Bに示すように、基材PX上において、複数の凹凸評価領域A1、A2、A3、A4それぞれに、絵柄層BX1、BX2、BX3、BX4を印刷するとともに絵柄層BX1、BX2、BX3、BX4の絵柄の上方に凹凸構造が位置する触感付与層AX1、AX2、AX3、AX4を印刷することで、評価用印刷物Pを出力するようにしてもよい。なお、一つの評価用印刷物Pには一つの凹凸評価領域が形成されていてもよい。また、絵柄層BX1、BX2、BX3、BX4がそれぞれ異なる絵柄であってもよいし、互いに一部又は全部が同様の絵柄であってもよい。
評価用印刷物Pにおいて、複数の凹凸評価領域A1、A2、A3、A4それぞれが触感付与層AX1、AX2、AX3、AX4を有し、絵柄層BX1、BX2、BX3、BX4を有していなくてもよい(図5C参照)。
一方、凹凸用印刷データは、加飾シート3の表面の凹凸構造に対応付けられた触感を分類する触感分類情報を含むようにしてもよい。この触感分類情報は、例えば、加飾シート3の表面の凹凸構造を触ったときのユーザーの感覚の例として、しっとり感の強弱や、つるつる感の強弱があるが、これに限定されるものではなく、あくまで、加飾シートの表面の凹凸構造と対応付けられたユーザーの感覚の指標となるものである。この場合、評価用印刷装置は、例えば、図5Bに示すように、基材PX上において、複数の凹凸評価領域A1、A2、A3、A4にそれぞれ関連付けして(この例では、近接して)凹凸用印刷データで規定される触感分類情報M1、M2、M3、M4が表示されるように、触感分類情報M1、M2、M3、M4を選択的に印刷することで、評価用印刷物Pを出力する。そして、例えば、図5Bに示すように、評価用印刷物Pにおいて、第1凹凸評価領域A1の凹凸構造に対応する触感の触感分類情報M1として、「触感 しっとり:強」と記載され、第2凹凸評価領域A2の凹凸構造に対応する触感の触感分類情報M2として、「触感 しっとり:弱」と記載されている。さらに、第3凹凸評価領域A3の凹凸構造に対応する触感の触感分類情報M3として、「触感 つるつる:強」と記載され、第4凹凸評価領域A4の凹凸構造に対応する触感の触感分類情報M4として、「触感 つるつる:弱」と記載される。
なお、第2端末50は、凹凸用印刷データに基づいて、凹凸構造及び当該凹凸構造に対応する触感を分類する触感分類情報M1、M2、M3、M4を表示部51に表示するようにしてもよい。この場合、例えば、触感分類情報M1、M2、M3、M4を閲覧したユーザーが、第2端末50の操作部55を操作することにより、複数の凹凸用印刷データから必要な情報を選択し、また、評価用印刷部70を操作することにより、当該凹凸用印刷データに基づいた評価用印刷物Pを出力させること等ができる。
ここで、例えば、図5Dに示すように、評価印刷物Pは、第1の凹凸評価領域A1において、基材PXと、絵柄層BX1と、触感付与層AX1と、を備える。なお、評価印刷物Pは、第2ないし第4凹凸評価領域A2、A3、A4においても、同様の構成を有する。なお、図5Eに示すように、評価用印刷物Pにおいて、複数の凹凸評価領域A1、A2、A3、A4それぞれが触感付与層AX1、AX2、AX3、AX4を有し、絵柄層BX1、BX2、BX3、BX4を有していなくてもよい。
基材PXは、例えば、樹脂材料や紙等で形成されている。
また、絵柄層BXは、基材PX上に設けられ且つ絵柄を表示する。この評価用印刷物Pの絵柄層BX1の絵柄は、画像データに基づいて設定されている。この絵柄層BXは、例えば、色彩やパターン、図形、デザイン、絵、写真、キャラクター、マーク、ピクトグラム、文字や数字などの絵柄が形成された層、木、布、革、石、金属等の素材を表現する絵柄が形成された層や、内部に凹凸構造を有し奥行きのある立体感を呈する層である。なお、評価時の絵柄層BX1の絵柄は、より実物に近い評価を得るために、加飾シート3の量産時の絵柄とほぼ同じサイズであってもよく、加飾シート3の量産時の絵柄よりも拡大されたサイズであってもよい。
また、触感付与層AX1は、この絵柄層BX上に設けられ且つ凹凸用印刷データで規定される凹凸構造Wを有する。この評価用印刷物Pの触感付与層AX1の凹凸構造Wは、凹凸用印刷データに基づいて設定される。例えば、加飾シートの画像データ及び凹凸用印刷データは、絵柄層BX1に表示される絵柄に対応して触感付与層AX1の凹凸構造Wが形成されるように規定されている。この触感付与層AX1は、当該触感付与層AX1の下側に配置される絵柄層BXの絵柄が評価用印刷物Pの上方から視認できるように、例えば、透明樹脂で構成されている。この触感付与層AX1をなす樹脂材料として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化樹脂が例示される。
なお、評価用印刷装置70は、例えば、図5Fに示すように、基材PX上において、複数の凹凸評価領域A1、A2、A3、A4にそれぞれ近接して画像データで規定される絵柄が表示されるように、複数の凹凸評価領域A1、A2、A3、A4にそれぞれ近接する複数の絵柄評価領域B1、B2、B3、B4に絵柄層を選択的に印刷することで、評価用印刷物Pを出力するようにしてもよい。
既述のように、評価者である加飾シート3を提供される側のユーザーが、評価用印刷装置70から出力された評価用印刷物Pを直接取得する場合として、例えば、加飾シート3を提供される側のユーザーは、自身で評価用印刷物Pを評価用印刷装置70により印刷して評価用印刷物Pを評価することが想定される。
また、評価者である加飾シート3を提供される側のユーザーが、加飾シート3を提供する側のユーザーが用意した評価用印刷物Pを取得する場合として、当該加飾シート3を提供される側のユーザーは、当該評価用印刷物Pが加飾シート3を提供する側のユーザーから郵送等されることで取得された評価用印刷物Pを評価するようにしてもよい。
加飾シート3を提供される側のユーザーは、当該評価用印刷物Pの表面の複数の凹凸評価領域A1、A2、A3、A4に表示された絵柄を目視により評価するとともに、当該評価用印刷物Pの表面の複数の凹凸評価領域A1、A2、A3、A4の異なる凹凸構造を直接触ることで、加飾シート3の表面の異なる凹凸構造の触感を同時に評価することができる。
評価者である加飾シート3を提供される側のユーザーは、この第1ないし第4凹凸評価領域A1~A4の凹凸構造を実際に触った触感に基づいて、加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関して評価をすることができる。そして、当該ユーザーは、加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果を第2端末50に入力する。すなわち、第2端末50は、例えば、評価用印刷装置70により出力された評価用印刷物Pの表面の凹凸構造に関する触感の評価の情報を、加飾シートの表面の凹凸構造の触感の評価を含む評価結果として(例えば、加飾シート3を提供される側のユーザーの操作入力を)受け付ける。
(加工部)
加工部60は、画像データ及び凹凸用印刷データに対して、所定の加工処理を施すための構成である。加工部60は、第1端末30からの信号及び/又は第2端末50からの信号に基づいて、製造条件を満たすように、画像データの絵柄、色及び質感、凹凸用印刷データの凹凸構造(触感)のうち少なくとも1つを変更してもよい。例えば、加工部60は、第1端末30及び/又は第2端末50からの信号に基づいて、画像データの絵柄、色又は光沢感(グロス感若しくはマット感)、等を変更できるようになっていてもよい。また、画像データが三次元データである場合、加工部60は、第1端末30及び/又は第2端末50からの信号(例えば、加飾シート3の表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データ等)に基づいて、凹凸用印刷データの凹凸構造に対応する加飾シート3の表面に形成された凹凸の高さ等を変更できるように構成されていてもよい。この加工部60は、例えば、所定のプログラムに基づいて動作するCPUにより構成されていてもよい。
なお、加工部60は、第1端末30と一体化していてもよい。この場合、第1端末30を操作するユーザーが、画像データ及び凹凸用印刷データを変更することができる。すなわち、加飾シート3を提供する側のユーザーが、第1端末30上で画像データ及び凹凸用印刷データを変更できる。また、加工部60は、第2端末50と一体化していてもよい。この場合、第2端末50を操作するユーザーが、画像データ及び凹凸用印刷データを変更することができる。すなわち、加飾シート3を提供される側のユーザーが、第2端末50上で画像データ及び凹凸用印刷データを変更できる。この場合、加飾シート3を提供される側のユーザーが画像データ及び凹凸用印刷データを変更できるため、加飾シート3を提供される側のユーザーが、所望の画像データ及び凹凸用印刷データを容易に得ることができる。あるいは、加飾シート3を提供する側のユーザー及び加飾シート3を提供される側のユーザーが、それぞれ加工部60にアクセス可能になっていてもよい。
上述した第1端末30、格納部40、第2端末50、加工部60及び評価用印刷部70は、インターネット等のネットワークを介して、互いに通信可能に接続されている。なお、ネットワークは、有線回線及び無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。
デザイン評価方法
次に、第1の実施形態による作用について説明する。ここでは、まず、加飾シート3から加飾成形品1を作製する前に、加飾シート3の絵柄及び触感を評価するデザイン評価方法について、図6により説明する。
まず、格納部40が、加飾シート3の画像データを第1端末30から取得する(図6のステップS1)。このとき、格納部40は、加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを当該画像データとともに、第1端末30から取得するようにしてもよい。この際、第1端末30の記憶部33に保存された画像データ及び凹凸用印刷データが、格納部40に提供される(図6のステップS11)。なお、第1端末30は、当該凹凸用印刷データを画像データとは別に、格納部40に提供するようにしてもよい。
このように、格納部40を介して複数の画像データを表示可能な第2端末50から、複数の画像データの中から所定の画像データを選択する信号を受付ける工程(図6のステップS2)の後、加飾シート3の表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを第2端末50から受付ける工程(図6のステップS3)が実行される。この場合は、画像データの絵柄が選択された後、加飾シート3の表面の凹凸構造の触感が評価結果に応じて選択される順序となる。しかしながら、加飾シート3の表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを第2端末50から受付ける工程の後、格納部40を介して複数の画像データを表示可能な第2端末50から、複数の画像データの中から所定の画像データを選択する信号を受付ける工程が実行されるようにしてもよい。この場合は、加飾シート3の表面の凹凸構造の触感が評価結果に応じて選択された後、画像データの絵柄が選択される順序となる。
そして、当該画像データ及び凹凸用印刷データが、格納部40の記憶部42に保存される。このとき、格納部40の記憶部42は、第1端末30から提供された複数の画像データを、所定の特徴毎にグループ化して保存していてもよい。また、格納部40には、各々の画像データに関連付けされた様々な情報が1以上のデータテーブルに格納されてもよい。この場合、格納部40の記憶部42には、加飾シート3の製造条件に関するデータが格納されてもよい。
次に、格納部40が、第2端末50からの信号に基づいて、画像データを第2端末50に提供する(図6のステップS2)。このとき、格納部40は、第2端末50からの信号に基づいて、加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを当該画像データとともに、第2端末50に提供する。なお、格納部40は、当該凹凸用印刷データを画像データとは別に、第2端末50に提供するようにしてもよい。この際、まず、第2端末50を操作するユーザーが、第2端末50の操作部55を操作することにより、画像データ及び凹凸用印刷データを指定するための所望の条件を入力する。これにより、第2端末50から信号が送信され、格納部40の処理部43が、当該条件に対応する画像データ及び凹凸用印刷データを第2端末50に送信する。なお、この際、複数の画像データ及び凹凸用印刷データが、第2端末50に送信されてもよい。このようにして、第2端末50が、格納部40から画像データ及び凹凸用印刷データを取得する(図6のステップS21)。
そして、例えば、第2端末50は、評価用印刷物Pを出力させるために、評価用印刷装置70に、加飾シート3の画像データ及び凹凸用印刷データに基づいたデータを送信する。なお、格納部40が、評価用印刷物Pを出力させるために、評価用印刷装置に、加飾シートの画像データ及び凹凸用印刷データに基づいたデータを送信するようにしてもよい。これにより、評価用印刷装置70は、加飾シート3の画像データ及び凹凸用印刷データに基づいたデータを取得する(図6のステップS41)。
そして、評価用印刷装置70は、例えば、評価者である加飾シート3を提供される側のユーザーにより、直接又は第2端末50を介して、操作される。この場合、評価者である加飾シート3を提供される側のユーザーは、評価用印刷装置70を操作することで、加飾シートの画像データ及び凹凸用印刷データに基づいて評価用印刷装置70から出力された評価用印刷物Pを直接取得することができる(図6のステップS42)。
そして、加飾シート3を提供される側のユーザーは、当該評価用印刷物Pの表面の複数の凹凸評価領域A1、A2、A3、A4に表示された絵柄を目視により評価するとともに、当該評価用印刷物Pの表面の複数の凹凸評価領域A1、A2、A3、A4の異なる凹凸構造を直接触ることで、加飾シート3の表面の異なる凹凸構造の触感を同時に評価することができる(図5B参照)。
次いで、格納部40が、画像データおよび加飾シート3の表面の凹凸構造の触感の評価結果を第2端末50から取得する(図6のステップS3)。この際、まず、第2端末50を操作するユーザーが、第2端末50に提供された画像データを閲覧するとともに、当該画像データを評価する。そして、画像データを閲覧したユーザーが、第2端末50の操作部55を操作することにより、画像データの評価結果を入力するようにしてもよい(図6のステップS22)。このとき、評価者である加飾シート3を提供される側のユーザーは、加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果を第2端末50に入力するようにしてもよい。すなわち、第2端末50は、例えば、評価用印刷装置70により出力された評価用印刷物Pの表面の凹凸構造に関する触感の評価の情報を、加飾シート3の表面の凹凸構造の触感の評価を含む評価結果として(例えば、加飾シート3を提供される側のユーザーの操作入力を)受け付けるようにしてもよい。さらに、第2端末50は、当該評価用印刷物Pの表面の複数の凹凸評価領域に表示された絵柄を目視による評価結果を受け付けるようにしてもよい。
第2端末50を操作するユーザーは、画像データを閲覧した際に、当該画像データの絵柄が満足のいくデザイン(絵柄)であるか否かを判定してもよい。さらに、第2端末50を操作するユーザーは、評価用印刷物Pを確認した際に、評価用印刷物Pの当該画像データの絵柄及び/又は加飾シート3の表面の凹凸構造の触感が満足のいくデザイン(絵柄、触感)であるか否かを判定してもよい。画像データの絵柄及び/又は凹凸構造の触感が満足のいくデザインである場合、当該ユーザーは、第2端末50の操作部55を操作することにより、評価結果として、画像データの絵柄及び/又は凹凸構造の触感が満足のいくデザインである旨を入力してもよい。
一方、画像データの絵柄及び/又は凹凸構造の触感が満足のいくデザイン(絵柄、触感)でない場合、当該ユーザーは、第2端末50の操作部55を操作することにより、評価結果として、例えば、デザイン(絵柄、触感)の変更を希望する旨を入力してもよい。このようにして、第2端末50から信号が送信され、格納部40に評価結果が送信される。そして、格納部40が、第2端末50から評価結果を取得する(図6のステップS3)。
次に、格納部40から第1端末30に評価結果が送信され(図6のステップS4)、第1端末30が、評価結果を取得する(図6のステップS12)。
ここで、画像データの絵柄及び凹凸用印刷データの凹凸構造の触感を含むデザインの評価結果に基づいて、加工部60によって画像データを加工することにより、第1加工データを作成してもよい。すなわち、第2端末50を操作するユーザーの判定が、当該デザインが満足のいくデザイン(絵柄、触感)でないといった判定であった場合(図6のステップS13のNO)、加工部60によって画像データおよび触感(凹凸構造)を加工することにより、第1加工データを作成してもよい(図6のステップS31)。この場合、例えば第1端末30を操作するユーザーが加工部60を操作することにより、画像データの絵柄の色や形状を加工してもよい。このとき、加工部60は、第2端末からの信号に基づいて、加飾シート3の製造条件を満たすように、画像データの絵柄、色及び質感、凹凸用印刷データの凹凸構造の触感のうち少なくとも1つを変更してもよい。なお、上述したデザインが満足のいくデザインであった場合(図6のステップS13のYES)、当該画像データ及び凹凸用印刷データの凹凸構造をもつ加飾シート3を、加飾成形品1を作製する際に使用する加飾シート3として仮決定してもよい。
加工部60によって画像データ及び凹凸用印刷データの凹凸構造の触感を含む第1加工データを作成した場合、格納部40が、作成された第1加工データを加工部60から取得する(図6のステップS5)。この際、加工部60が作成した第1加工データが、格納部40に提供される(図6のステップS32)。そして、当該第1加工データが、格納部40の記憶部42に保存される。
次に、格納部40が、第1加工データを第2端末50に提供する(図6のステップS6)。この際、格納部40の処理部43が、第1加工データを第2端末50に送信する。このようにして、第2端末50が、格納部40から第1加工データを取得する(図6のステップS23)。
そして、例えば、第2端末50は、評価用印刷物Pを出力させるために、評価用印刷装置70に、加飾シート3の画像データ及び凹凸用印刷データを含む第1加工データに基づいたデータを送信する。なお、格納部40が、評価用印刷物Pを出力させるために、評価用印刷装置に、加飾シートの画像データ及び凹凸用印刷データを含む第1加工データに基づいたデータを送信するようにしてもよい。これにより、評価用印刷装置70は、加飾シート3の画像データ及び凹凸用印刷データを含む第1加工データに基づいたデータを取得する(図6のステップS43)。
そして、評価者である加飾シート3を提供される側のユーザーは、評価用印刷装置70を操作することで、第1加工データに基づいて評価用印刷装置70から出力された評価用印刷物Pを直接取得することができる(図6のステップS44)。
そして、加飾シート3を提供される側のユーザーは、当該評価用印刷物Pの表面の複数の凹凸評価領域に表示された絵柄を目視により評価するとともに、当該評価用印刷物Pの表面の複数の凹凸評価領域の異なる凹凸構造を直接触ることで、加飾シート3の表面の異なる凹凸構造の触感を同時に評価することができる。
次いで、格納部40が、第1加工データの評価結果を第2端末50から取得する(図6のステップS7)。この際、まず、第2端末50を操作するユーザーが、画像データを評価した場合と同様に、第2端末50に提供された第1加工データを閲覧するとともに、当該第1加工データを評価するようにしてもよい。このとき、評価者である加飾シート3を提供される側のユーザーは、加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果を第2端末50に入力するようにしてもよい。すなわち、第2端末50は、例えば、評価用印刷装置70により出力された評価用印刷物Pの表面の凹凸構造に関する触感の評価の情報を、加飾シート3の表面の凹凸構造の触感の評価を含む評価結果として(例えば、加飾シート3を提供される側のユーザーの操作入力を)受け付けるようにしてもよい。さらに、第2端末50は、当該評価用印刷物Pの表面の複数の凹凸評価領域に表示された絵柄を目視による評価結果を受け付けるようにしてもよい。
そして、第1加工データを閲覧し、及び/又は、評価用印刷物Pの絵柄及び触感を評価したユーザーが、第2端末50の操作部55を操作することにより、第1加工データの評価結果を入力する(図6のステップS24)。そして、格納部40が、第2端末50から評価結果を取得する(図6のステップS7)。
次に、格納部40から第1端末30に評価結果が送信され(図6のステップS8)、画像データの評価結果を取得した場合と同様に、第1端末30が、評価結果を取得する(図6のステップS12)。
その後、第2端末50を操作するユーザーの判定が、第1加工データのデザイン(絵柄及び触感)が満足のいくデザインであるといった判定になるまで、上述した図6のステップS13、S31、S32、S5、S6、S23、S43、S44、S24、S7、S8、S12に示す工程が繰り返される。なお、第2端末50を操作するユーザーの判定が、第1加工データのデザインが満足のいくデザインであるといった判定にならない場合には、上述した図6のステップS2からの工程を繰り返し、加飾シート3の新たなデザインを評価してもよい。
そして、加飾成形品1を作製する際に使用する加飾シート3が仮決定される。
次に、加飾シート3の画像及び触感を含むデザインを、加飾成形品1の状態で評価するデザイン評価方法について、図7により説明する。
この際、まず、図6に示す方法により、加飾成形品1を作製する際に使用する加飾シート3を決定する。
また、格納部40が、加飾シート3を用いて作製される加飾成形品1に関する三次元CADデータを第2端末50から取得する(図7のステップS51)。この際、第2端末50の記憶部53に保存された三次元CADデータが、格納部40に送信される(図7のステップS71)。そして、当該三次元CADデータが、格納部40の記憶部42に保存される。
第2端末50から取得する三次元CADデータは、仮の三次元CADデータであってもよいし、修正後の三次元CADデータであってもよい。なお、三次元CADデータが仮の三次元CADデータである場合、後の工程の中(例えば、図7のステップS65以降)で第2端末50から改めて修正後の三次元CADデータを取得してもよい。これにより、加飾シート3のデザイン開発と加飾成形品1の開発とを並行して行うことができる。
次に、格納部40が、三次元CADデータを第1端末30に提供する(図7のステップS52)。この際、格納部40の処理部43が、三次元CADデータを第1端末30に送信する。このようにして、第1端末30が、格納部40から三次元CADデータを取得する(図7のステップS61)。
次いで、第1端末30によって、三次元CADデータに基づいて成形時の加飾シート3の伸びを検証したシミュレーションデータを作成する(図7のステップS62)。この際、まず、三次元CADデータに基づいて成形型10を決定し、決定された成形型10の三次元形状を表す成形型データを生成する。次に、成形型データに基づいて、加飾シート3を成形した場合におけるシミュレーションデータを作成する。そして、作成されたシミュレーションデータは、第1端末30の記憶部33に保存される。
次に、格納部40が、作成されたシミュレーションデータを第1端末30から取得する(図7のステップS53)。このとき、格納部40は、例えばシミュレーションデータに対応する加飾シート3の表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを当該シミュレーションデータとともに、第1端末30から取得するようにしてもよい。この際、第1端末30の記憶部33に保存されたシミュレーションデータ及び凹凸用印刷データが、格納部40に提供される(図7のステップS63)。そして、当該シミュレーションデータ及び凹凸用印刷データが、格納部40の記憶部42に保存される。
次いで、格納部40が、シミュレーションデータを第2端末50に提供する(図7のステップS54)。この際、格納部40の処理部43が、シミュレーションデータを第2端末50に送信する。このようにして、第2端末50が、格納部40からシミュレーションデータを取得する(図7のステップS72)。
そして、例えば、第2端末50は、評価用印刷物Pを出力させるために、評価用印刷装置70に、加飾シート3の画像データを含む当該シミュレーションデータ及び凹凸用印刷データに基づいたデータを送信する。なお、格納部40が、評価用印刷物Pを出力させるために、評価用印刷装置に、加飾シートの画像データを含む当該シミュレーションデータ及び凹凸用印刷データに基づいたデータを送信するようにしてもよい。これにより、評価用印刷装置70は、加飾シート3の画像データを含む当該シミュレーションデータ及び凹凸用印刷データに基づいたデータを取得する(図7のステップS141)。
そして、評価者である加飾シート3を提供される側のユーザーは、評価用印刷装置70を操作することで、当該シミュレーションデータに含まれる加飾シート3の画像データ及び凹凸用印刷データに基づいて評価用印刷装置70から出力された評価用印刷物Pを直接取得することができる(図7のステップS142)。
そして、加飾シート3を提供される側のユーザーは、当該評価用印刷物Pの表面の複数の凹凸評価領域に表示された絵柄を目視により評価するとともに、当該評価用印刷物Pの表面の複数の凹凸評価領域の異なる凹凸構造を直接触ることで、加飾シート3の表面の異なる凹凸構造の触感を同時に評価することができる。
次に、格納部40が、シミュレーションデータに含まれる画像データおよび加飾シート3の表面の凹凸構造の触感の評価結果を第2端末50から取得する(図7のステップS55)。この際、まず、第2端末50を操作するユーザーが、第2端末50に提供されたシミュレーションデータを閲覧するとともに、当該シミュレーションデータを評価する。そして、シミュレーションデータを閲覧したユーザーが、第2端末50の操作部55を操作することにより、シミュレーションデータの評価結果を入力するようにしてもよい(図7のステップS73)。このとき、評価者である加飾シート3を提供される側のユーザーは、加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果を第2端末50に入力するようにしてもよい。すなわち、第2端末50は、例えば、評価用印刷装置70により出力された評価用印刷物Pの表面の凹凸構造に関する触感の評価の情報を、加飾シート3の表面の凹凸構造の触感の評価を含む評価結果として(例えば、加飾シート3を提供される側のユーザーの操作入力を)受け付けるようにしてもよい。さらに、第2端末50は、当該評価用印刷物Pの表面の複数の凹凸評価領域に表示された絵柄を目視による評価結果を受け付けるようにしてもよい。
第2端末50を操作するユーザーは、シミュレーションデータを閲覧した際に、当該シミュレーションデータの絵柄が満足のいく絵柄であるか否かを判定してもよい。シミュレーションデータの絵柄が満足のいく絵柄である場合、シミュレーションデータを閲覧したユーザーは、第2端末50の操作部55を操作することにより、評価結果として、シミュレーションデータの絵柄が満足のいく絵柄である旨を入力してもよい。さらに、第2端末50を操作するユーザーは、評価用印刷物Pを確認した際に、評価用印刷物Pの当該画像データの絵柄及び/又は加飾シート3の表面の凹凸構造の触感が満足のいくデザイン(絵柄、触感)であるか否かを判定してもよい。画像データの絵柄及び/又は凹凸構造の触感が満足のいくデザインである場合、当該ユーザーは、第2端末50の操作部55を操作することにより、評価結果として、画像データの絵柄及び/又は凹凸構造の触感が満足のいくデザインである旨を入力してもよい。
一方、シミュレーションデータの画像データの絵柄及び/又は凹凸構造の触感が満足のいくデザイン(絵柄、触感)でない場合、当該ユーザーは、第2端末50の操作部55を操作することにより、評価結果として、例えば、シミュレーションデータのデザイン(絵柄、触感)の変更を希望する旨を入力してもよい。このようにして、第2端末50から信号が送信され、格納部40に評価結果が送信される。そして、格納部40が、第2端末50から評価結果を取得する(図7のステップS55)。
次に、格納部40から第1端末30に評価結果が送信され(図7のステップS56)、第1端末30が、評価結果を取得する(図7のステップS64)。
ここで、シミュレーションデータの評価結果に基づいて、加工部60によって画像データを加工することにより、第2加工データを作成してもよい。すなわち、第2端末50を操作するユーザーの判定が、シミュレーションデータのデザイン(絵柄、触感)が満足のいくデザインでないといった判定であった場合(図7のステップS65のNO)、加工部60によって画像データ、凹凸用印刷データを加工することにより、第2加工データを作成してもよい(図7のステップS81)。この場合、例えば第1端末30を操作するユーザーが加工部60を操作することにより、画像データの絵柄や凹凸用印刷データの凹凸構造を加工してもよい。加工された絵柄、凹凸構造の決定において、シミュレーションデータ及び凹凸用印刷データが利用され得る。
これにより、再びシミュレーションデータを作成することを省くことができ、デザイン開発を迅速に行うことができる。なお、上述したシミュレーションデータのデザイン(絵柄、触感)が満足のいくデザインであった場合(図7のステップS65のYES)、当該画像データをもつ加飾シート3を、加飾成形品1を作製する際に使用する加飾シート3として最終決定してもよい。なお、デザインの評価結果としては絵柄と触感(凹凸構造)とを分けて評価されるようにしてもよい。
加工部60によって第2加工データを作成した場合、格納部40が、作成された第2加工データを加工部60から取得する(図7のステップS57)。この際、加工部60が作成した第2加工データが、格納部40に提供される(図7のステップS82)。そして、当該第2加工データが、格納部40の記憶部42に保存される。
次に、格納部40が、第2加工データを第2端末50に提供する(図7のステップS58)。この際、格納部40の処理部43が、第2加工データを第2端末50に送信する。このようにして、第2端末50が、格納部40から第2加工データを取得する(図7のステップS74)。
そして、例えば、第2端末50は、評価用印刷物Pを出力させるために、評価用印刷装置70に、加飾シート3の画像データ及び凹凸用印刷データを含む第2加工データに基づいたデータを送信する。なお、格納部40が、評価用印刷物Pを出力させるために、評価用印刷装置70に、加飾シートの画像データ及び凹凸用印刷データを含む第2加工データに基づいたデータを送信するようにしてもよい。これにより、評価用印刷装置70は、加飾シート3の画像データ及び凹凸用印刷データを含む第2加工データに基づいたデータを取得する(図7のステップS143)。
そして、評価者である加飾シート3を提供される側のユーザーは、評価用印刷装置70を操作することで、第2加工データに基づいて評価用印刷装置70から出力された評価用印刷物Pを直接取得することができる(図7のステップS144)。
そして、加飾シート3を提供される側のユーザーは、当該評価用印刷物Pの表面の複数の凹凸評価領域に表示された絵柄を目視により評価するとともに、当該評価用印刷物Pの表面の複数の凹凸評価領域の異なる凹凸構造を直接触ることで、加飾シート3の表面の異なる凹凸構造の触感を同時に評価することができる。
次いで、格納部40が、第2加工データの評価結果を第2端末50から取得する(図7のステップS59)。この際、まず、第2端末50を操作するユーザーが、シミュレーションデータを評価した場合と同様に、第2端末50に提供された第2加工データを閲覧するとともに、当該第2加工データを評価するようにしてもよい。このとき、評価者である加飾シート3を提供される側のユーザーは、加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果を第2端末50に入力するようにしてもよい。すなわち、第2端末50は、例えば、評価用印刷装置70により出力された評価用印刷物Pの表面の凹凸構造に関する触感の評価の情報を、加飾シート3の表面の凹凸構造の触感の評価を含む評価結果として(例えば、加飾シート3を提供される側のユーザーの操作入力を)受け付けるようにしてもよい。さらに、第2端末50は、当該評価用印刷物Pの表面の複数の凹凸評価領域に表示された絵柄を目視による評価結果を受け付けるようにしてもよい。
そして、第2加工データを閲覧し、及び/又は、評価用印刷物Pの絵柄及び触感を評価したユーザーが、第2端末50の操作部55を操作することにより、第2加工データの評価結果を入力する(図7のステップS75)。そして、格納部40が、第2端末50から評価結果を取得する(図7のステップS59)。
次に、格納部40から第1端末30に評価結果が送信され(図7のステップS60)、シミュレーションデータの評価結果を取得した場合と同様に、第1端末30が、評価結果を取得する(図7のステップS64)。
その後、第2端末50を操作するユーザーの判定が、第2加工データのデザイン(絵柄、触感)が満足のいくデザインであるといった判定になるまで、上述した図7のステップS65、S81、S82、S57、S58、S74、S143、S144、S75、S59、S60、S64に示す工程が繰り返される。
そして、加飾成形品1を作製する際に使用する加飾シート3が最終決定され、当該加飾シート3が適用された加飾成形品1が量産されることとなる。
以上説明したように、本実施形態によれば、例えば、デザイン評価システム20が、加飾シート3の画像データを格納部40に提供する第1端末30と、第1端末30から提供された複数の画像データを表示可能な第2端末50とを備えている。また、格納部40が、第2端末50からの信号に基づいて、複数の画像データから所定の画像データを選択するとともに、選択された画像データを第2端末50に送信する。また、第2端末50は、加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを直接又は格納部40を介して第1端末に送信する。これにより、加飾成形品1を実際に作製する前に、加飾シート3を提供される側のユーザーが、加飾シート3のデザインを評価することができる。とりわけ、格納部40が、第2端末50からの信号に基づいて、複数の画像データから所定の画像データを選択するとともに、選択された画像データを第2端末50に送信する。このため、加飾シート3を提供される側のユーザーが求めるコンセプトに基づいて、加飾シート3を提供される側のユーザーが、加飾シート3のデザインを評価することができる。さらに、第2端末50は、加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを直接又は格納部40を介して第1端末30に送信する。例えば、加飾シート3を提供される側のユーザーが、評価用印刷装置70により、加飾シート3の画像データ及び凹凸用印刷データに基づいて作成した評価用印刷データに基づいて、画像データが規定する絵柄及び凹凸用印刷データが規定する凹凸構造を印刷しした評価用印刷物Pを出力することで、絵柄と触感を含むデザインをユーザーが評価することができる。この評価結果を第2端末50から直接又は格納部40を介して第1端末30に評価データとしてフィードバックすることにより、加飾シートのデザイン開発をより迅速に行うことが可能となる。
上記実施の形態及び各変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態及び各変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
1:加飾成形品、2:成形部、3:加飾シート、4:基材シート、5:意匠層、6:表面保護層、10:成形型、11:雌型、12:雄型、20:デザイン評価システム、30:第1端末、40:格納部、50:第2端末、60:加工部、70:評価用印刷装置

Claims (26)

  1. 加飾シートの絵柄と触感を評価するためのデザイン評価システムであって、
    加飾シートの画像データを格納部に提供する第1端末と、
    前記第1端末から提供された複数の前記画像データを表示可能な第2端末とを備え、
    前記格納部は、前記第2端末からの信号に基づいて、複数の前記画像データから所定の前記画像データを選択するとともに、選択された前記画像データを前記第2端末に送信し、
    前記第2端末は、加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを直接又は前記格納部を介して前記第1端末に送信し、
    前記加飾シートの前記画像データ及び前記加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データに基づいて、前記画像データが規定する絵柄及び前記凹凸用印刷データが規定する凹凸構造を印刷して評価用印刷物を出力する評価用印刷装置を更に備え、
    前記評価印刷物は、基材と、前記基材上に設けられ且つ絵柄を表示する絵柄層と、前記絵柄層上に設けられ且つ前記凹凸用印刷データで規定される凹凸構造を有する触感付与層と、を備え、
    前記評価用印刷物の前記絵柄層の絵柄は、前記画像データに基づいて設定され、
    前記評価用印刷物の前記触感付与層の凹凸構造は、前記凹凸用印刷データに基づいて設定され、
    前記評価用印刷装置は、加飾シートの前記画像データ及び前記凹凸用印刷データに基づいて、前記基材上において、触感が異なるように表面の凹凸構造が異なる複数の凹凸評価領域が設けられるように、前記触感付与層を選択的に印刷することで、前記評価用印刷物を出力する、デザイン評価システム。
  2. 前記第1端末は、前記加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを、直接又は前記格納部を介して前記第2端末に送信する、請求項1に記載のデザイン評価システム。
  3. 前記第1端末は、前記加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを前記画像データとともに、直接又は前記格納部を介して前記第2端末に送信する、請求項2に記載のデザイン評価システム。
  4. 前記凹凸用印刷データで規定される凹凸構造は、前記画像データで規定される絵柄に対応付けられるように構成される、請求項2記載のデザイン評価システム。
  5. 前記凹凸用印刷データで規定される凹凸構造は、前記画像データの絵柄に対応付けられていないように構成されている、請求項2に記載のデザイン評価システム。
  6. 前記第1端末又は前記第2端末は、加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを前記格納部に提供する、請求項1に記載のデザイン評価システム。
  7. 前記第1端末は、前記画像データを表示可能であり、
    前記第2端末が前記画像データを表示する際の表示条件は、前記第1端末が前記画像データを表示する際の表示条件に基づいて決定されている、請求項1に記載のデザイン評価システム。
  8. 前記第1端末、前記格納部又は前記第2端末は、前記評価用印刷物を出力させるために、前記評価用印刷装置に、前記加飾シートの前記画像データ及び前記凹凸用印刷データに基づいたデータを送信する、請求項1に記載のデザイン評価システム。
  9. 前記評価用印刷装置は、前記基材上において、前記複数の凹凸評価領域にそれぞれ近接して前記画像データで規定される絵柄が表示されるように、前記複数の凹凸評価領域にそれぞれ近接する複数の絵柄評価領域に前記絵柄層を選択的に印刷することで、前記評価用印刷物を出力する、請求項1に記載のデザイン評価システム。
  10. 前記評価用印刷装置は、前記複数の凹凸評価領域それぞれに、前記絵柄層を印刷するとともに前記絵柄層の絵柄の上方に前記凹凸構造が位置する前記触感付与層を印刷することで、前記評価用印刷物を出力する、請求項1に記載のデザイン評価システム。
  11. 前記加飾シートの前記画像データ及び前記凹凸用印刷データは、前記絵柄層に表示される絵柄に対応して前記触感付与層の凹凸構造が形成されるように規定されている、請求項10に記載のデザイン評価システム。
  12. 前記第2端末は、前記評価用印刷装置により出力された前記評価用印刷物の表面の凹凸構造に関する触感の評価の情報を、加飾シートの表面の凹凸構造の触感の評価を含む前記評価結果として受け付ける、請求項1に記載のデザイン評価システム。
  13. 前記評価用印刷装置は、熱溶融転写印刷装置又は3Dプリンタである、請求項1に記載のデザイン評価システム。
  14. 前記凹凸用印刷データは、前記加飾シートの表面の凹凸構造に対応付けられた触感を分類する触感分類情報を含み、
    前記評価用印刷装置は、前記基材上において、前記複数の凹凸評価領域にそれぞれ近接して前記凹凸用印刷データで規定される触感分類情報が表示されるように、前記触感分類情報を選択的に印刷することで、前記評価用印刷物を出力する、請求項1に記載のデザイン評価システム。
  15. 前記画像データの絵柄及び前記凹凸用印刷データの凹凸構造を加工する加工部を更に備える、請求項1に記載のデザイン評価システム。
  16. 加飾シートの絵柄と触感を評価するためのデザイン評価方法であって、
    第1端末から加飾シートの画像データを格納部に提供する工程と、
    前記格納部を介して複数の前記画像データを表示可能な第2端末から、複数の前記画像データの中から所定の前記画像データを選択する信号を受付ける工程と、を備え、
    加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを前記第2端末から受付ける工程をさらに備え、
    前記第1端末から、前記加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを、直接又は前記格納部を介して前記第2端末に送信し、
    評価用印刷装置により、前記加飾シートの前記画像データ及び前記加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データに基づいて、前記画像データが規定する絵柄及び前記凹凸用印刷データが規定する凹凸構造を印刷して、評価用印刷物を出力する工程を更に備え、
    前記評価印刷物は、基材と、前記基材上に設けられ且つ絵柄を表示する絵柄層と、前記絵柄層上に設けられ且つ前記凹凸用印刷データで規定される凹凸構造を有する触感付与層と、を備え、
    前記評価用印刷物の前記絵柄層の絵柄は、前記画像データに基づいて設定され、
    前記評価用印刷物の前記触感付与層の凹凸構造は、前記凹凸用印刷データに基づいて設定され、
    前記評価用印刷装置は、加飾シートの前記画像データ及び前記凹凸用印刷データに基づいて、前記基材上において、触感が異なるように表面の凹凸構造が異なる複数の凹凸評価領域が設けられるように、前記触感付与層を選択的に印刷することで、前記評価用印刷物を出力する、デザイン評価方法。
  17. 前記格納部を介して複数の前記画像データを表示可能な第2端末から、複数の前記画像データの中から所定の前記画像データを選択する信号を受付ける前記工程の後、加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを前記第2端末から受付ける前記工程が実行される、請求項16に記載のデザイン評価方法。
  18. 加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを前記第2端末から受付ける前記工程の後、前記格納部を介して複数の前記画像データを表示可能な第2端末から、複数の前記画像データの中から所定の前記画像データを選択する信号を受付ける前記工程が実行される、請求項16に記載のデザイン評価方法。
  19. 前記第1端末から、前記加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを前記画像データとともに、直接又は前記格納部を介して前記第2端末に送信する、請求項16に記載のデザイン評価方法。
  20. 前記凹凸用印刷データで規定される凹凸構造は、前記画像データで規定される絵柄に対応付けられるように構成される、請求項16記載のデザイン評価方法。
  21. 前記凹凸用印刷データで規定される凹凸構造は、前記画像データの絵柄に対応付けられていないように構成されている、請求項16に記載のデザイン評価方法。
  22. 前記第1端末から、加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データを前記格納部に提供する、請求項16に記載のデザイン評価方法。
  23. 加飾シートの表面の凹凸構造の触感の評価を含む前記評価結果は、前記評価用印刷装置により出力された前記評価用印刷物の表面の凹凸構造に関する触感の評価の情報を含む、請求項16に記載のデザイン評価方法。
  24. 加飾シートの絵柄と触感を評価するためのデザイン評価システムであって、
    格納部と、
    加飾シートの画像データを前記格納部に提供する第1端末と、を備え、
    前記格納部は、第2端末からの信号に基づいて、複数の前記画像データから所定の前記画像データを選択するとともに、選択された前記画像データを前記第2端末に送信し、
    前記第1端末は、加飾シートの表面の凹凸構造の触感に関する評価を含む評価結果に基づく評価データを直接又は前記格納部を介して前記第2端末から受け付け、
    前記加飾シートの前記画像データ及び前記加飾シートの表面の凹凸構造を印刷で形成するための凹凸用印刷データに基づいて、前記画像データが規定する絵柄及び前記凹凸用印刷データが規定する凹凸構造を印刷して評価用印刷物を出力する評価用印刷装置を更に備え、
    前記評価印刷物は、基材と、前記基材上に設けられ且つ絵柄を表示する絵柄層と、前記絵柄層上に設けられ且つ前記凹凸用印刷データで規定される凹凸構造を有する触感付与層と、を備え、
    前記評価用印刷物の前記絵柄層の絵柄は、前記画像データに基づいて設定され、
    前記評価用印刷物の前記触感付与層の凹凸構造は、前記凹凸用印刷データに基づいて設定され、
    前記評価用印刷装置は、加飾シートの前記画像データ及び前記凹凸用印刷データに基づいて、前記基材上において、触感が異なるように表面の凹凸構造が異なる複数の凹凸評価領域が設けられるように、前記触感付与層を選択的に印刷することで、前記評価用印刷物を出力する、デザイン評価システム。
  25. 加飾シートの評価用印刷物であって、
    基材と、
    前記基材上に設けられ且つ絵柄を表示する絵柄層と、
    前記絵柄層上に設けられ且つ凹凸構造を有する触感付与層と、を備え、
    前記基材上において、触感が異なるように表面の凹凸構造が異なる前記触感付与層が選択的に複数の凹凸評価領域に形成されており、
    前記基材上において、前記複数の凹凸評価領域にそれぞれ近接して絵柄が表示されるように、前記複数の凹凸評価領域にそれぞれ近接する複数の絵柄評価領域に前記絵柄層が選択的に形成され、
    前記基材上において、前記凹凸評価領域の凹凸構造に対応する触感を示す触感分類情報が表示されている、評価用印刷物。
  26. 加飾シートの評価用印刷物であって、
    基材と、
    前記基材上に設けられ且つ絵柄を表示する絵柄層と、
    前記絵柄層上に設けられ且つ凹凸構造を有する触感付与層と、を備え、
    前記基材上において、触感が異なるように表面の凹凸構造が異なる前記触感付与層が選択的に複数の凹凸評価領域に形成されており、
    前記基材上において、前記複数の凹凸評価領域それぞれに、前記絵柄層が形成されているとともに前記絵柄層の絵柄の上方に前記凹凸構造が位置する前記触感付与層が形成され、
    前記基材上において、前記凹凸評価領域の凹凸構造に対応する触感を示す触感分類情報が表示されている、評価用印刷物
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