JP7449102B2 - 修飾グラフェン、修飾グラフェンの製造方法、修飾グラフェン樹脂複合体、修飾グラフェンシートおよび修飾グラフェン分散体 - Google Patents

修飾グラフェン、修飾グラフェンの製造方法、修飾グラフェン樹脂複合体、修飾グラフェンシートおよび修飾グラフェン分散体 Download PDF

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Description

本発明は、修飾グラフェン、修飾グラフェンの製造方法、修飾グラフェン樹脂複合体、修飾グラフェンシートおよび修飾グラフェン分散体に関するものである。
グラフェンやグラファイト、カーボンナノチューブといった炭素材料は、それぞれに優れた電気、熱、光学、および機械特性を有し、電池材料、エネルギー貯蔵材料、電子デバイス、複合材料などの領域で幅広い応用が期待されている。このような種々の炭素材料の特性を有効に機能させ工業的に利用するうえで、炭素材料の凝集力を制御し、分散媒への分散性を改善することが求められる場合がある。
凝集力を抑制する手法として、炭素材料の表面に化学的処理を施し、置換基を導入して表面を改質する製造方法が知られている。特許文献1に開示されているようにグラファイトと酸化剤を用いたHummers法により、グラフェン表面に酸素含有基を導入した酸化グラフェンの製造方法などがあげられる。また、特許文献3には、グラファイト粉末と、アミノ基(-NH)を有する処理剤、例えばp-フェニレンジアミンのモノジアゾニウム塩とを水中で反応させることによりアミノ基を有するグラフェン粉末の製造方法が開示されている。
特許第5098064号公報 特開2016-27100号公報 特許第3980637号公報
本発明の一態様は、グラフェンが本来的に有する優れた導電性及び熱伝導性を損なうことなく分散媒への分散性が改善された修飾グラフェンの提供に向けたものである。
本発明の他の態様は、グラフェンが本来的に有する優れた導電性及び熱伝導性を損なうことなく、分散媒への分散性に優れた修飾グラフェンを製造する方法の提供に向けたものである。
また、本発明の他の態様は、優れた導電性及び熱伝導性を備えた修飾グラフェン樹脂複合体、修飾グラフェンシート及び修飾グラフェン分散体の提供に向けたものである。
本発明の一態様によれば、修飾グラフェンであって、下記式(I)で示される構造を有し、ラマン分光スペクトルにおけるGバンドの強度gとDバンドの強度dの比率(g/d)が、1以上である修飾グラフェンが提供される。
Gr1=N-Ar1-X1-(Y1)n1 (I)
式(I)中、
Gr1は単層グラフェンまたは多層グラフェンであり、
Ar1は炭素数6~18のアリーレン基であり、
X1は、
単結合、
炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基、または、
炭素数1~10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、-O-、-NH-、
Figure 0007449102000001
-CO-、-COO-、-CONH-、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基であり、
Y1は、
X1が単結合である場合は、Ar1中の少なくとも1つの炭素原子に結合する原子もしくは基であり、
X1が炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基である場合は該アルキレン基中の炭素原子に結合する原子もしくは基であり、
X1が炭素数1のアルキレン基中の1つの炭素原子を、-O-、-NH-、または、
Figure 0007449102000002
で置き換えた基である場合は、該基中の酸素原子、または窒素原子に結合する原子または基であり、
X1が炭素数1のアルキレン基中の1つの炭素原子を、-CO-、-COO-、-CONH-、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基である場合、及び、X1が炭素数~10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、-O-、-NH-、
Figure 0007449102000003
-CO-、-COO-、-CONH-、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基である場合は該基中の炭素原子、または窒素原子に結合する原子または基であって、
該Y1は、
水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、
炭素数1~6のフルオロアルキル基、
シアノ基、ニトロ基、アシル基、アミド基、ビニル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、リン酸基、
炭素数3~6のアルキルシリル基、
炭素数3~6のアルキルシリルエーテル基、及び
シロキサン基
からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基であり、
n1は1以上の整数を表し、n1が2以上の場合、Y1は互いに同じ基であっても、異なる基であっても良い。
本発明の他の態様によれば、下記式(V)で表される有機クロラミン-アルカリ金属化合物を、液媒体中において反応促進剤の存在下で、温度-5℃以上、80℃以下の条件で、原料としてのグラフェン表面に反応させて、式(V)中のA1で表される基をグラフェン表面に結合させる工程を有し、該反応促進剤が、銅、酸化銅、ハロゲン化銅、硫酸銅、ヨウ素、アンモニア、アンモニウム塩、1級アミン化合物、及び、ヒドラジンからなる群から選択される少なくとも一である、修飾グラフェンの製造方法が提供される。

Figure 0007449102000004
(前記式(V)中、Pはハロゲン原子、Pはアルカリ金属であり、Aは-Ar1-X1-(Y1)n1で表される基であり、
Ar1は炭素数6~18のアリーレン基であり、
X1は、
単結合、
炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基、または、
炭素数1~10の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、-O-、-NH-、
Figure 0007449102000005
-CO-、-COO-、-CONH-、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基から選択されるいずれかであり、
Y1は、
X1が単結合である場合は、Ar1中の少なくとも1つの炭素原子に結合する原子もしくは基であり、
X1が単結合でない場合は、X1の炭素原子に結合する原子もしくは基であって、
水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、
炭素数1~6のフルオロアルキル基、
シアノ基、ニトロ基、アシル基、アミド基、ビニル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、リン酸基、
炭素数3~6のアルキルシリル基、
炭素数3~6のアルキルシリルエーテル基、及び
シロキサン基
からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基であり、
n1は1以上の整数を表し、n1が2以上の場合、Y1は互いに同じ基であっても、異なる基であっても良い。)
本発明の他の態様によれば、前記式(I)で示される構造を有する修飾グラフェンを含有する修飾グラフェン樹脂複合体、修飾グラフェンシートおよび修飾グラフェン分散体が提供される。
本発明の一態様によれば、優れた導電性及び熱伝導性を有し、かつ表面に機能性官能基が導入された修飾グラフェンを提供することができる。
また、本発明の他の態様によれば、優れた導電性及び熱伝導性を有し、かつ表面に機能性官能基が導入された修飾グラフェンの製造方法を提供することができる。
さらに、本発明の他の態様によれば、優れた導電性及び熱伝導性を有し、かつ表面に機能性官能基が導入された修飾グラフェンを含有する修飾グラフェン樹脂複合体、修飾グラフェンシートおよび修飾グラフェン分散体を提供することができる。
本発明者らは、グラフェンが本来有する高い導電性、熱伝導性を損なうことなしに、分散媒への分散性に優れたグラフェンを得るべく、グラフェンの化学修飾について検討を行った。
そして、本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載の方法では、強い酸化剤とともにグラフェン表面に官能基を導入しているため、グラフェンが酸化されてしまい、グラフェン特有のsp構造が破壊されると推測される。
特許文献3に記載の方法では、ジアゾニウム化合物をグラフェンに反応させる方法が記載されているが、ジアゾニム化合物は分解し易く、反応系内でラジカル生成の制御ができないために、短時間に多量のラジカルが存在する。このためことから、グラフェン特有のsp構造が破壊され、グラフェンが本来有する優れた導電性や熱伝導性が損なわれると考えられる。
一方、特許文献2には、カーボンブラックと、カルボン酸基を有する処理剤、例えば保護基を有するヒドラジノ安息香酸とを水中で反応させることにより安息香酸基で化学修飾されたカーボンブラックの製造方法が開示されている。しかしながら、特許文献2には、この方法のグラフェンへの適用可能性については何らの示唆もない。
かかる状況の下、本発明者らは更なる検討を重ねた結果、グラフェンが本来有する優れた特性、例えば、高い導電性、優れた熱伝導性を損なうことなく、分散媒に対して優れた分散性を示す修飾グラフェンを見出した。
以下に、実施するための形態を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の一態様に係る修飾グラフェンは、下記式(I)で示される構造を有し、ラマン分光スペクトルにおけるGバンドの強度gとDバンドの強度dの比率(g/d)が、1以上である。
Gr1=N-Ar1-X1-(Y1)n1 (I)
式(I)中の、Gr1、Ar1、X1、Y1及びn1について説明する。
Gr1は、単層グラフェンまたは多層グラフェンを表す。
Ar1は、炭素数6~18のアリーレン基である。
X1は、
単結合、
炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基、または、
炭素数1~10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、-O-、-NH-、
Figure 0007449102000006
-CO-、-COO-、-CONH-、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基である。
X1が単結合である場合、Y1はアリーレン基(Ar1)中の少なくとも1つの炭素原子に結合する原子もしくは基である。
また、X1が炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基である場合、Y1は該アルキレン基中の炭素原子に結合する原子もしくは基である。
さらに、X1が炭素数1~10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、-O-、-NH-、
Figure 0007449102000007
-CO-、-COO-、-CONH-、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基である場合、Y1は該基中の炭素原子に結合する原子または基である。
Y1が何に結合するかは上記のとおりである。
Y1が何であるかは下記のとおりである。
Y1は、具体的には、
水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、
炭素数1~6のフルオロアルキル基、
シアノ基、ニトロ基、アシル基、アミド基、ビニル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、リン酸基、
炭素数3~6のアルキルシリル基、
炭素数3~6のアルキルシリルエーテル基、及び
シロキサン基
からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基である。
n1は1以上の整数を表し、n1が2以上の場合、Y1は互いに同じ基であっても、異なる基であっても良い。
式(I)中、Ar1におけるアリーレン基としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下のものが挙げられる。フェニレン基、ビフェニレン基、直鎖または分岐のトリフェニレン基、ナフタレン基、アントラセン基、など。
また、式(I)中、X1における炭素数1~20の直鎖状、分岐状、または、環状のアルキレン基としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下のものが挙げられる。メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、iso-プロピレン基、n-ブチレン基、sec-ブチレン基、tert-ブチレン基、オクチレン基、ドデシレン基、ノナデシレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、メチルシクロヘキシレン基、2-エチルプロピレン基、2-エチルヘキシレン基等の1級~3級のアルキレン基など。
また、式(I)中、X1における、炭素数1~10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、-O-、-NH-、
Figure 0007449102000008
-CO-、-COO-、-CONH-、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下のものが挙げられる。エチレン基を構成する炭素原子の一つを、-O-で置き換えた場合は、メチルエーテル基となり、プロピレン基を構成する炭素原子の一つを、-O-で置き換えた場合は、エチルエーテル基となる。
式(I)中、Y1におけるアシル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、アクリル基等が挙げられる。
また、式(I)中、Y1におけるアミド基としては特に限定されるものではないが、-CONR’R”で表される基であって、例えば以下のものが挙げられる。
R’、R”の両方がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのカルボン酸ジアルキルアミド基、
R’、R”のいずれか一方がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのカルボン酸モノアルキルアミド基、
R’、R”の両方がHのアセトアミド基等。
また、式(I)中、Y1におけるビニル基としては特に限定されるものではないが、例えば、未置換のビニル基の他に、置換ビニル基でもよく、ブチレン基、酢酸ビニル基、ブチルビニルエーテル基、アクリル基、メタクリル基、スチレン基等が挙げられる。
また、式(I)中、Y1におけるカルボン酸エステル基としては、特に限定されるものではないが、例えば以下のものが挙げられる。メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基など。
また、式(I)中、Y1における炭素数3~6のアルキルシリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基などが挙げられる。
さらに、シロキサン基とは、下記の構造を有する基である。
Figure 0007449102000009
式(I)中、Y1におけるシロキサン基のSi上の置換基は特に限定されないが、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基である。シクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。シロキサン基の具体例としては、トリメチルシロキサン基、トリエチルシロキサン基、フェニル-ジメチルシロキサン基、シクロペンチル-ジメチルシロキサン基などが挙げられる。
また、下記式(II)、式(III)、式(IV)のシロキサン基は分子量が大きいためにグラフェン同士の凝集を防ぐ目的、またはグラフェンと樹脂との相溶性を向上させる目的などのために好適に使用できる。
Figure 0007449102000010
式中、R~R23はそれぞれ独立にアルキル基、アミノ基、ビニル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸基、ヒドロキシル基、又はアリール基を表し、L1は1~6の整数を表し、L2及び(L3+L4)は0~650の数である。
アルキル基、ビニル基、カルボン酸エステル基およびアリール基の具体例としては、上記の内容と同じである。
アミノ基は下記の構造を有する基であり、N上の2つの置換基は、水素原子またはアルキル基である。アルキル基の具体例としては上記の内容と同じである。
Figure 0007449102000011
式(I)中のY1が基である場合、修飾グラフェン1gに対する該基のモル数が、0.10mmol以上、1.20mmol以下であることが好ましい。
修飾グラフェン1gに対する基のモル数が0.10mmolより少ない場合は、修飾グラフェン同士の斥力(反発力)が小さいため、媒体中または樹脂中でファンデルワールス力が優勢になり修飾グラフェンの集合体(凝集体)を形成する要因になると考えられる。また、該基のモル数が1.20mmolより大きい場合は、斥力は更に高まると予測されるが、一方で修飾グラフェンが基で覆われてしまうことで、修飾グラフェン同士間での熱伝播が阻害され、熱伝導率が低下する恐れがある。
下記式(I)で示される本発明に係る修飾グラフフェンの好ましい具体例を以下に示す。なお、式(I)におけるGr1(グラフェン)は省略し、**=N-Ar1-X1-(Y1)n1の構造のみを記載した。前記**は、Gr1中の1個または2個の炭素原子との結合部位を意味している。
Gr1=N-Ar1-X1-(Y1)n1 (I)
(修飾グラフェンの具体例)
修飾グラフェンの具体例としてA-1~A-90を以下に挙げるが、下記の例に限定されるものではない。なお、各々の具体例中、「*」は、式(I)の窒素原子との結合部を表す。
Figure 0007449102000012
Figure 0007449102000013
Ar1がフェニレン基、ビフェニレン基、トリフェニレン基、又はナフタレン基であり、X1が単結合であり、Y1がカルボン酸基であり、n1が1~6である例としては、A-22、A-23、A-24が該当する。
Ar1がフェニレン基であり、X1が炭素数1~20の分岐鎖状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、
Figure 0007449102000014
または-CONH-で置き換えた基であり、Y1がリン酸基であり、n1が1~4である例としては、A-57が該当する。
Ar1がフェニレン基であり、X1が単結合であり、Y1がニトロ基であり、n1が1~3である例としては、A-10、A-11、A-12が該当する。
Ar1がフェニレン基であり、X1が炭素数1~20の分岐鎖状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、
Figure 0007449102000015
-CO-または-CONH-で置き換えた基であり、Y1が水素原子またはビニル基であり、n1が1~3である例としては、A-13、A-14、A-15が該当する。
式(I)で示される構造を有する修飾グラフェンは、例えば、特開2016-27100公報に記載されている公知の方法等を参考にして合成することができる。以下に、詳細に説明する。
<修飾グラフェンの製造方法>
本発明に係る修飾グラフェンの製造方法は、下記式(V)で表される有機クロラミン-アルカリ金属化合物(以下、処理剤とも記載する。)をグラフェン表面に反応させて、置換基としてのAをグラフェン表面に結合させる工程を有する。この工程を、以下で工程(1)とも記載する。
Figure 0007449102000016
式(V)中、Pはハロゲン原子、Pはアルカリ金属であり、Aは-Ar1-X1-(Y1)n1で表される基である。
Ar1は炭素数6~18のアリーレン基である。
X1は、
単結合、
炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基、または、
炭素数1~10の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、-O-、-NH-、
Figure 0007449102000017
-CO-、-COO-、-CONH-、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基から選択されるいずれかである。
Y1は、
X1が単結合である場合は、Ar1の少なくとも1つの炭素原子に結合する原子もしくは基であり、
X1が単結合でない場合は、X1の炭素原子に結合する原子もしくは基であって、
水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、
炭素数1~6のフルオロアルキル基、
シアノ基、ニトロ基、アシル基、アミド基、ビニル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、リン酸基、
炭素数3~6のアルキルシリル基、
炭素数3~6のアルキルシリルエーテル基、及び
シロキサン基
からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基である。
n1は1以上の整数を表し、n1が2以上の場合、Y1は互いに同じ基であっても、異なる基であっても良い。
例えば下記式(VII)で表される修飾グラフェンを製造する場合、製造工程が増えても構わないのであれば、予め式(I)に含まれる下記式(VI)の修飾グラフェンを製造し、これを中間体としてさらなる化学反応を用いて下記式(VII)に導いても構わない。この場合、下記式(VI)中にはカルボン酸基が有るため、さらに結合させたい部位に対応するアミン化合物との縮合反応を利用すれば容易に下記式(VII)が得られる。
Gr1=N-Ar1-COOH (VI)
Gr1=N-Ar1-CO-NH-CH-CH-CH-CH (VII)
本発明に係る製造方法によれば、ワンポットで、反応装置や液媒体を選ばずに、常温(25℃)でも高い反応効率で修飾グラフェンを製造することができる。特に、反応効率が高いため、グラフェンに対する処理剤の使用量を低減させることができる。また、反応効率が高いということは副生成物の発生が抑制されるということでもあり、製造後の精製も容易である。さらに本発明に係る製造方法では、安定、かつ安全な処理剤を用いるため、環境への負荷も軽減することができる。
(グラフェン)
原料となるグラフェンについて説明する。グラフェンは、炭素六員環で敷き詰められた構造を有している2次元シート状の炭素化合物である。本発明においては、上記の構造を有していれば特に限定されず、単層グラフェン、複層グラフェンまたはグラファイトなどが例示できる。
単層グラフェンとは1原子の厚さのsp結合炭素原子のシートを指す。複層グラフェンとは単層グラフェンの数層程度の積層シートを意味する。グラファイトはそれ以上の層の積層シート、または該積層シートの凝集体を意味する。また、グラフェンの形態も特に限定されず、例えば、粉末状、顆粒状の形態が例示できる。これらの材料は、市販品を使用してもよく、慣用の方法、例えば、マイクロ波CVD法、常圧CVD法などにより製造されたものでも構わない。
本発明では、例えば以下の市販品を好適に使用できるが、これらに限定されるものではない。xGnP-C-750(横方向の長さ:1~2μm、XGサイエンス社)、xGnP-H-5(横方向の長さ:5μm、XGサイエンス社)、xGnP-M-5(横方向の長さ:5μm、XGサイエンス社)、xGnP-R-10(横方向の長さ:10μm、XGサイエンス社)、iGrafen―α(アイテック社)、iGrafen―αS(アイテック社)、Gi-PW-F301(横方向の長さ:1μm、石原ケミカルズ社)、グラフェンC(ケーアーグラフェン社)、グラフェンパウダー(グラフェンプラットフォーム社)、グラフェンフラワー-GF4(横方向の長さ:10μm、インキュベーション・アライアンス社)、グラフェンフラワー-GF7(横方向の長さ:1~3μm、インキュベーション・アライアンス社)、膨張グラファイトEXP-50S(富士黒鉛工業)、膨張グラファイトEXP-50SL(富士黒鉛工業)、膨張グラファイトEC1(伊藤黒鉛社)、0球状グラファイトSGBH(伊藤黒鉛社)、球状グラファイトSGBH8(伊藤黒鉛社)、球状黒鉛CGB20(粒子径:20μm、日本黒鉛工業社)、球状黒鉛CGC20(粒子径:20μm、日本黒鉛工業社)、グラフェンCVD単層シート(ニューマメタルス社)など。
(反応機構)
本発明に係る製造方法で使用する処理剤は、式(V)で表されるようにAを有する有機クロラミン-アルカリ金属化合物である。この処理剤は、グラフェン表面に存在する炭素間二重結合(C=C)と反応して、グラフェン表面にAを結合させる機能を有する。その反応は、以下の機構で進行すると考えられる。有機クロラミン-アルカリ金属化合物の特徴は、窒素上に二種の電子求引基が置換している。このため、窒素は反応性が高い状態である。反応中、アルカリ金属が脱離した窒素は、クロラミン上の二重結合に対して求核攻撃を行い付加する。同時に、塩素原子は塩化物イオンとなり脱離し、付加-環化反応が完結するものと考えられる。
Figure 0007449102000018
上記の反応は、反応速度を制御しやすく、比較的緩やかに進む。したがって、従来の修飾グラフェンの製造方法と比較して、本発明に係る製造方法によれば、グラフェンに対する処理剤の使用量が少なくても、Aの導入量(以下、修飾量とも記載する。)が高い修飾グラフェンを得ることができる。
(結合様式)
有機クロラミン-アルカリ金属化合物は、3級アミン環状化合物であるアジリジン化合物を合成する原料として知られており、最近では、ヘテロ環状化合物を合成する際の原料として使用される例が報告されている。例えば、有機合成化学協会誌,61(7),706-714(2003)には、クロラミンTを窒素源とするアジリジン化合物の合成法が開示されている。また、Chemical Communications,323-325(2008)には、有機クロラミン-アルカリ金属化合物とCフラーレンをトルエン中で反応させることによって、フラーレンを構成するC-Cとともにアジリジン環が形成されることが記載されている。
本発明で利用する反応によりアジリジン化合物が生成されることを検証するためにクロラミン化合物、及び炭素間二重結合を有する化合物を用いて、以下の2つの合成例を行い確認した。なお、以下の合成例では、炭素間二重結合を有する化合物としてスチレンを用い、水系で検討を行った。
(合成例1)
この合成例は、4-(アミノスルホニル)安息香酸(アミン化合物)、及び次亜塩素酸ナトリウム(ハロゲン化剤)を反応させて4-[(N-クロロ-N-ソジオ)スルホニル]安息香酸ナトリウム(処理剤)を合成する。そして、合成物をスチレンに反応させて、3級アミン環(アジリジン環)を有する化合物を得るものである。
先ず、アミン化合物(4-(アミノスルホニル)安息香酸、東京化成工業製)1.0g、6mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬工業製)2.5mL、イオン交換水10mLを50mLナスフラスコに入れ、氷浴で温度5℃以下に保った。
これにハロゲン化剤(次亜塩素酸ナトリウム、塩素含有量4%の水溶液、和光純薬工業製)を滴下した。
この際、HPLC(カラム:ODS-P、展開溶媒:アセトニトリル/0.1Mリン酸緩衝液(1/1))により反応を追跡し、アミン化合物が消失したことを確認した時点でハロゲン化剤の滴下を終了し、反応液を得た。
滴下終了までに使用したハロゲン化剤の量(塩素換算)は、アミン化合物のモル数の1.25倍であった。
次いで、テトラヘドロン(Tetrahedron),54,13485-13494に記載のMethod Aに準拠して、以下の操作を行った。
スチレン(東京化成工業製)0.52g、アセトニトリル10mL、反応促進剤(ヨウ素、和光純薬工業製)0.2gを温調可能な容量50mLのベッセル(アイメックス製)に入れ、温度5℃に保った。
ここに、上記で得られた反応液の全量を入れて温度5℃で1時間撹拌し、さらに温度25℃に昇温して、1,000rpmで48時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液、クロロホルム50mL、及びイオン交換水20mLを混合した後、有機層を分取した。
この有機層を、0.1mol/Lの塩酸水溶液で3回、次いでイオン交換水で1回洗浄して、溶媒を除去した。
さらに、シリカゲルカラムクロマトグラム(展開溶媒;クロロホルム/酢酸エチル(7/3))を用いて精製することによって、目的のアジリジン環を有する化合物を得た。
分析の結果、この化合物は下記式(A)で表される構造を有することが判明した。
Figure 0007449102000019
上記で得られた化合物の元素分析(C1513NOS)、及び質量分析の結果を以下に示す。
元素分析(質量%)
理論値 C:59.4、H:4.3、N:4.6、O:21.1、S:10.6
実測値 C:59.1、H:4.2、N:4.1、O:21.9、S:10.7
質量分析、MS(m/z)
計算値:303
測定値:303
(合成例2)
この合成例は、あらかじめ準備した4-[(N-クロロ-N-ソジオ)スルホニル]安息香酸ナトリウム(処理剤)をスチレンに反応させて、アジリジン環を有する化合物を得るものである。
スチレン(東京化成工業製)0.52g、アセトニトリル10mL、反応促進剤(ヨウ素、和光純薬工業製)0.2gを温調可能な容量50mLのベッセル(アイメックス製)に入れ、温度5℃に保った。
ここに、処理剤4-[(N-クロロ-N-ソジオ)スルホニル]安息香酸ナトリウム(American Custom Chemicals製)1.4gを入れて温度5℃で1時間撹拌し、さらに温度25℃に昇温して、1,000rpmで48時間撹拌し、反応液を得た。
以降は合成例1と同様の手順を行い、目的のアジリジン環を有する化合物を得た。分析の結果、この化合物は前記式(A)で表される構造を有することが判明した。
元素分析(質量%)
理論値 C:59.4、H:4.3、N:4.6、O:21.1、S:10.6
実測値 C:59.6、H:4.1、N:4.4、O:20.9、S:11.0
質量分析、MS(m/z)
計算値:303
測定値:303
上述のとおり有機クロラミン-アルカリ金属化合物を用いることでアジリジン化合物が生成されることを確認した。
しかし、これまでにグラフェン表面改質法として有機クロラミン-アルカリ金属化合物を使用した例は報告されていない。勿論、グラフェンと有機クロラミン化合物を混合するという簡便な操作により、グラフェン表面に所望の官能基を高反応効率で導入できる技術は知られていなかった。
(有機クロラミン-アルカリ金属化合物の生成方法)
式(V)で表される有機クロラミン-アルカリ金属化合物は、対応するアミン化合物とハロゲン化剤を反応させて得ることができる。反応性を考慮すると、アミン化合物としては、HN-Aで表される1級アミン化合物を用いることが好ましい。Aは一般式(V)中のAと同義である。
反応中のpHは中性~アルカリ性とし、1級アミンの状態(-NH)を保持することが好ましい。アルカリ性にするために、一般的なアルカリ金属塩を使用すれば良いが、特に1価のアルカリ金属の水酸化物が好ましい。この理由として、1価のアルカリ金属の水酸化物は、単に反応中のpHをアルカリにするだけでなく、以下に示すハロゲン化剤とともに、有機クロラミン-アルカリ金属化合物の製造に必要なアルカリ金属源になる。1価のアルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
1級アミン化合物は、当該化合物に固有の解離定数によっては、液媒体中でカチオン化(-NH )する場合がある。したがって、例えば、アルカリ性などのpH条件によっては、1級アミン化合物がカチオン化しやすい場合もある。ただし、ハロゲン化剤との反応や、修飾グラフェンの製造のための反応におよぼす影響は軽微である。
ハロゲン化剤としては、以下のものが挙げられる。
1)無機ハロゲンオキソ酸、またはそのアルカリ金属塩;
次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、ハロゲン酸、過ハロゲン酸などの無機ハロゲンオキソ酸、またはそのアルカリ金属塩であり、アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどである。ハロゲンオキソ酸のハロゲンとしては、塩素、臭素が好ましい。
無機ハロゲンオキソ酸のアルカリ金属塩以外を使用して有機クロラミン-アルカリ金属化合物を製造する際には、アルカリ金属源が必要である。上述したように、反応中で1価のアルカリ金属の水酸化物を組み合わせて使用することによって、アルカリ金属原子が提供される。
2)ハロゲン;
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などである。
3)有機ハロゲンオキソ酸;
有機ハロゲンオキソ酸は、次亜ハロゲン酸アルキル、亜ハロゲン酸アルキル、ハロゲン酸アルキル、過ハロゲン酸アルキルなどである。
上記ハロゲンオキソ酸のハロゲンとしては、塩素、臭素が好ましい。また、反応性を考慮すると、有機ハロゲンオキソ酸のアルキル基としては炭素数1~6程度のアルキル基が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-へキシル基などを挙げることができる。
2)または3)のハロゲン化剤を使用して有機クロラミン-アルカリ金属化合物を製造する際には、アルカリ金属源が必要である。上述したように、反応中で1価のアルカリ金属の水酸化物を組み合わせて使用することによって、アルカリ金属原子が提供される。
本発明においては、ハロゲン化剤として、以下のものを用いることが好ましい。次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム。次亜塩素酸と水酸化ナトリウムの組み合わせ、次亜臭素酸と水酸化ナトリウムの組み合わせ、次亜塩素酸t-ブチルと水酸化ナトリウムの組み合わせ、次亜臭素酸t-ブチルと水酸化ナトリウムの組み合わせなど。これらのハロゲン化剤は、安価で入手しやすいという利点がある。なお、オキシ塩化リン、塩化チオニル、N-ハロスクシンイミド、ジブロモイソシアヌル酸、ジクロロ臭素酸ピリジニウム、三臭化ピリジニウム、塩化スルフリルなどの従来公知のハロゲン化剤は、製造される修飾グラフェンの精製効率が低くなる場合がある。このため、上記で挙げたハロゲンやハロゲンオキソ酸をハロゲン化剤として用いることが好ましい。
修飾グラフェンを製造する際の反応に先立って、式(V)で表される化合物を予め合成する場合には、液媒体の凝固を避けるとともに、式(V)で表される化合物の合成時における分解を抑制するため、合成時の反応温度を適宜調整することが好ましい。具体的には、反応温度を、使用する液媒体の凝固点を超える温度から25℃以下の範囲とすることが好ましく、0~5℃がさらに好ましい。一方、アミン化合物及びハロゲン化剤の反応により式(V)で表される化合物の合成に引き続き、ワンポットで修飾グラフェンを製造する場合には、使用する液媒体の凝固点を超える温度から25℃にする必要はない。この場合、グラフェンを製造する際の好適な温度に設定すればよい。
(反応促進剤)
本発明においては、上述の工程(1)を反応促進剤の存在下で行って修飾グラフェンを製造することが好ましい。本発明における「反応促進剤」とは、触媒作用を有する化合物及びハロゲン引き抜き作用を有する化合物を意味する。なお、反応促進剤は反応速度の向上のために使用しうるものであるが、本発明に係る製造方法で利用する反応は反応促進剤を使用しなくても進行する。
触媒作用を有する化合物としては、銅類、ヨウ素を挙げることができる。銅類としては、例えば、銅;酸化銅(CuO、CuO);ハロゲン化銅(CuX、CuX;Xは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子を表す);硫酸銅などを挙げることができる。製造した修飾グラフェンを含有する分散液中に重金属が混入しやすいため、銅類よりもヨウ素を用いることが好ましい。なお、ヨウ素の存在下でのアジリジン化合物の合成法は、例えば、特開2000-072743号公報に開示されている。
ハロゲン引き抜き作用を有する化合物としては、アンモニア;塩化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、硝酸アンモニウムなどのアンモニウム塩;脂肪族アミン、脂肪族アルコールアミンなどの1級アミン化合物;ヒドラジンを挙げることができる。これらの化合物は塩として用いてもよい。1級アミン化合物としては、液媒体への溶解性に優れ、また、入手も容易で安価であるため、メチルアミン、エチルアミンなどの脂肪族アミンや、ヒドラジンなどを用いることが好ましい。
(先行技術との相違)
特許文献3に開示の技術においては、処理剤としてジアゾニウム塩を用いてグラフェンの改質を行っている。しかし、ジアゾニウム塩はアルカリや常温(25℃)を超える温度の影響により分解しやすい。反応系内でジアゾニウム塩が分解すると、さまざまな分解物が生ずる。このため、分解物と液媒体や酸素との反応、分解物同士の反応、これ以外の副反応が起こりやすい。したがって、ジアゾニウム塩を用いて置換基の導入量が高い修飾グラフェンを得ようとする場合には、ジアゾニウム塩をグラフェンに対して多めに使用する必要がある。しかし、ジアゾニウム塩の使用量を増やすと、窒素ガスの泡が多く発生するため、反応効率を高めにくいという問題にも直面する。
(反応条件)
本発明に係る製造方法では、ラジカル付加反応の反応速度を制御するために、温度を常温(25℃)以外に設定してもよい。反応速度を上げたい場合には、温度を高めればよく、液媒体の還流温度以下の範囲内で加熱すればよい。例えば、液媒体が水である場合には100℃以下とすればよい。また、液媒体がテトラヒドロフランである場合には80℃以下とすればよい。さらに、液媒体がN,N-ジメチルホルムアミドである場合には160℃以下とすればよい。ただし、本発明に係る製造方法で利用する反応は、常温(25℃)付近でも反応効率が高く、あまり温度を高める必要はない。さらに、いくら化学的に安定とはいえ、熱分解も考慮すると80℃以下で行うことが好ましい。一方、反応速度を下げたい場合は、温度が常温(25℃)以下となるように冷却すればよい。ただし、反応時間を長く要するようになる場合があるため、温度は-5℃以上とすることが好ましい。
本発明に係る製造方法は、通常、液媒体中で行う。液媒体中のグラフェンの含有量(質量%)は、液媒体全質量を基準として、1.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上40.0質量%以下であることがさらに好ましい。含有量が高すぎると、反応系の粘度が高くなり、撹拌が難しくなることで反応効率がやや低下する場合がある。一方、含有量が低すぎると、反応系内での処理剤とグラフェンの接触頻度が下がり、反応効率がやや低下する場合がある。
(後処理)
製造した修飾グラフェンは、好適には精製などの一般的な後処理方法を行った後、種々の用途に用いることができる。具体的には、液媒体が存在しない粉末状やペレット状など常態にすることができる。この場合、エバポレーターなどを利用して減圧や加熱によって液媒体を除去してもよいし、また、フリーズドドライ法やオーブンなどを利用して、乾燥により液媒体を除去してもよい。
(用途)
上記の製造方法で製造された修飾グラフェンの用途について以下に述べる。
(樹脂複合体)
本発明に係る修飾グラフェンを配合した樹脂(以下、修飾グラフェン樹脂複合体と記す)は、グラフェンが本来有する導電性または熱伝導性が付与された樹脂複合体であるため、様々な製品形態が考えられる。例えば、導電性または熱伝導性マスターバッチ、導電性または熱伝導性シート、導電性または熱伝導性トレーや導電性または熱伝導性ガスケットなどの導電性または熱伝導性成型部材、または電極部材などが挙げられる。また、最近ではグラフェンを配合すると、強度が上がる機能、摺動性が上がる機能が知られており、強度部材や摺動性部材への用途も考えられる。
本発明に係る修飾グラフェンは、種々の樹脂に配合して使用することができ、樹脂の種類は特に限定されない。その理由は、一般的に、フィラーと樹脂の組み合わせは、相溶性の問題、それに伴う分散不良(凝集)の問題が発生するために限定される。しかし、本発明に係る修飾グラフェンは、導入する置換基を樹脂との相溶性を考慮してデザインできるために、樹脂が限定されないのである。使用可能な樹脂の具体例としては、以下のものが挙げられる。ポリエチレン、ポリスチレン、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、酢酸セルロース樹脂、硝酸セルロース樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、天然ゴムなど。
本発明に係る修飾グラフェン樹脂複合体を製造し、該複合体を使用して導電性シートまたは熱電導性シート(修飾グラフェンシート)を製造する場合には、シリコーン樹脂が好適に使用できる。シリコーン樹脂は、膜塗工し硬化させることができ、修飾グラフェンの効果で製品表層に熱伝導性を付与することができる。さらに、多様な被着物への粘着性を有する導電性シートまたは熱伝導性シートにもなる。また、優れた耐候性や耐熱性も併せ持つ。
シリコーン樹脂の具体例としては、メチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂、フェニルシリコーン樹脂等の一般的なシリコーン樹脂が挙げられる。その他に、アルキッド変性シリコーン樹脂、ポリエステル変性シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂またはアクリル変性シリコーン樹脂などのような有機樹脂変性シリコーン樹脂が挙げられる。
また、2液タイプのシリコーン樹脂(反応性シリコーン樹脂)も使用することができる。該反応性シリコーン樹脂の具体例としては、付加型硬化シリコーン樹脂、縮合型硬化シリコーン樹脂、過酸化物硬化シリコーン樹脂またはカチオン型UVシリコーン樹脂などが挙げられる。これらの中で、入手が容易で、室温でも硬化する付加型硬化シリコーン樹脂は好適に使用される。付加型硬化シリコーン樹脂を製造するために用いられる2つの化合物は、二重結合を有するビニルシロキサンとヒドロシロキサンである。いずれも市販品を入手して使用することができ、ビニル末端ポリシロキサンとしては、DMS-V31(アヅマックス(株))、DMS-V41(アヅマックス(株))などを挙げることができる。水素末端ポリシロキサンとしてはDMS-H03(アヅマックス(株))、HMS-301(アヅマックス(株))、HMS-992(アヅマックス(株))などが挙げられる。
本発明で使用する樹脂の重量平均分子量(Mw)は50,000以下が好ましい。一般的にフィラーの配合量を増やしていくと、樹脂複合体の粘度が挙がったり、混練温度を高く設定したりする必要がある。重量平均分子量(Mw)が50,000を超えると、本発明に係る修飾グラフェンを配合した場合に、粘度が高くなり過ぎてシート化できない問題や、混練温度の上昇により温度コントロールが困難になる問題などが発生するおそれがある。
(分散体)
本発明に係る修飾グラフェンは修飾グラフェン分散体として様々な用途に利用することが可能である。該修飾グラフェン分散体は、分散媒体中に、式(I)で示される修飾グラフェンを分散処理することで得られる。
分散処理の方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。分散媒体中に式(I)で示される修飾グラフェンと、必要に応じて樹脂を溶解させ、撹拌しながら十分に分散媒体になじませる。さらに、ボールミル、ペイントシェーカー、ディゾルバー、アトライター、サンドミル、ハイスピードミル等の分散機により機械的せん断力を加えることで、式(I)で示される修飾グラフェンを安定に均一な微粒子状に微分散することができる。
本発明において、修飾グラフェン分散体中の修飾グラフェンの量は、分散媒体100質量部に対して1~50質量部であることが好ましい。より好ましくは2~30質量部、特に好ましくは3~15質量部である。修飾グラフェンの含有量を上記の範囲内にすることにより、粘度の上昇や分散性の低下を抑制することができる。
修飾グラフェン分散体は修飾グラフェン単独でも、乳化剤を用いても水に分散できる。乳化剤としては、例えば、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等。
アニオン界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム等の脂肪酸石鹸、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノニルフェニルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル、モノデカノイルショ糖等。
分散媒体として用いられる有機溶媒としては、以下のものが挙げられる。メチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-アミルアルコール、3-ペンタノール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール類;アセトン、メチルエチルケトン(2-ブタノン)、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル類;ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤;四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラブロモエタン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、ジメチルグリコール、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類;ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の硫黄・窒素含有有機化合物類。
また、上記の修飾グラフェン分散体を用いることで、導電性のインクや塗料を作製することもできる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
(材料)
実施例に使用した原料について述べる。グラフェンとハロゲン化剤は固定し、グラフェンはxGnP-M5(ニューメタルス社)を、ハロゲン化剤はNaClO(次亜塩素酸ナトリウム、塩素含有量4%の水溶液、和光純薬工業社)を使用した。また、使用した有機クロラミン-アルカリ金属化合物は下記式(V)で示されるため、窒素上の置換基、すなわちP,P,Aの具体的な構造を表1に示した。
Figure 0007449102000020
(製造操作)
表1に記載したHN-Aのアミン化合物(住化テクノサービス(株))1.0mmol/g、6mol/L水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬工業社)10mL、及びイオン交換水90mLを300mLナスフラスコに入れ、氷浴により温度5℃以下に保った。これにハロゲン化剤(次亜塩素酸ナトリウム、塩素含有量4%の水溶液、和光純薬工業社)を、温度5℃以下に保ちながら滴下した。この際、HPLC(カラム:ODS-P、展開溶媒:アセトニトリル/0.1mol/Lのリン酸緩衝液(1/1))で反応を追跡し、アミン化合物の消失を確認した時点でハロゲン化剤の滴下を終了し、反応液を得た。滴下終了までに使用したハロゲン化剤の量(塩素換算)は1.25mmol/gだった。
グラフェン(商品名:xGnP-M5、ニューメタルス社)18.0g、及びイオン交換水45mLとアセトニトリル45mLとの混合液を温調可能な容量400mLのベッセル(アイメックス社)に入れて混合し、温度5℃に保った。
上記で得られた反応液の全量を入れ、温度25℃、1,000rpmで2時間撹拌した。さらに、温調温度を50℃に設定して、1,000rpmで22時間撹拌して反応液を得た。得られた反応液に1mol/L塩酸を入れてpHを9に調整し、分散液を得た。
精製は遠心分離(12,000rpm)と再分散を繰り返し、上澄み液の電気伝導度が10μS/cm以下となった時点で終了し修飾グラフェン分散液を得た。
また、上記分散液の一部をフリーズドドライ装置(製品名:FDS-1000、アエラ社)で乾燥して修飾グラフェンの粉体を得た。
(修飾グラフェンの同定法)
製造した修飾グラフェンの同定、すなわち置換基の定量(以下、修飾量とも記載する。)について以下に述べる。修飾量は、未修飾のグラフェン(原料)または修飾グラフェンにおける各元素組成量を、エックス線光電子測定はQuantera SXM (アルバック・ファイ(株)製))を使用して得られた組成比と下記計算式1を用いて算出した。なお、励起X線は、monochromatic Al Kα1,2 線(1486.6eV)であり、X線径は100μm、光電子脱出角度は45°である。
Figure 0007449102000021
一例を示す。式(V)中Aの構造がA-22を使用して製造した修飾グラフェンの元素組成量を算出したところ、下記表2の下段に示す値だった。一方、原料として使用したグラフェン(xGnP-M5(ニューメタルス社))の元素組成量は下記表2の上段に示す値だった。この場合、計算式1より、修飾グラフェン1gに対するA-22の修飾量は0.221mmol/gと見積もられた。
Figure 0007449102000022
(修飾グラフェンのラマン分光分析による欠陥濃度評価)
ラマン分光分析は以下の装置、条件により行った。
測定装置:顕微ラマン(日本分光NRS-4100)
測定条件:532nmレーザー使用、レーザー強度0.3mW、対物レンズ20倍、露光時間60秒、積算2回(分解能=7cm-1
グラフェン構造が存在する場合は、グラファイト構造(sp結合)に由来のGバンド(1590cm-1付近)と、欠陥由来のDバンド(1350cm-1付近)が観察される。Gバンドの強度が高くシャープであり、かつ、Dバンドの強度が低いほど、より欠陥が少ないグラフェンといえる。欠陥濃度の評価は下記式を用いて行った。
G/D比=g/d
g:Gバンドの強度
d:Dバンドの強度
[評価基準]
Aランク・・・0.95≦G/D比
Bランク・・・0.80≦G/D比<0.95
Cランク・・・G/D比<0.80
(実施例1~実施例28)
上記製造操作に従い、表1に記載した有機クロラミン-アルカリ金属化合物を使用して修飾グラフェン1~修飾グラフェン28を製造した。
次いで、エックス線光電子測定により、修飾グラフェンの元素組成量を求め、計算式1から修飾量を見積もり、表3に記載した。さらに、ラマン分光分析により、製造した修飾グラフェンのG/D比を求め、評価基準に基づき評価し、表3に記載した。
(比較例1)
酸化グラフェン(商品名:GO、ニューメタルス社)を比較化合物1とした。
ラマン分光分析により、製造した酸化グラフェンのG/D比を求め、評価基準に基づき評価し、表3に記載した。
(比較例2)
処理剤に4-アミノ安息香酸を用いて、特許文献3に記載の下記の製造方法で得られた修飾グラフェンを比較化合物2とした。
下記の材料を容量400mLのベッセル(アイメックス製)に入れて混合した。
・グラフェン(商品名:xGnP-M5、ニューメタルス社):18.0g
・イオン交換水:162mL
・4-アミノ安息香酸(東京化成工業(株)):1.0mmol/g
・亜硝酸ナトリウム(東京化成工業(株)):1.0mmol/g
温度25℃、回転数2,000rpmで12時間撹拌した。その後、8mol/Lの水酸化カリウム水溶液を入れて液体のpHを10に調整して分散液を得た。得られた分散液を、回転数5,000rpmで遠心分離を10分間行い、上澄みと粗大粒子を除去し、上澄み液の電気伝導度が10μS/cm以下となるよう精製し、修飾グラフェン分散体を得た。次いで、該修飾グラフェン分散体をフリーズドドライ法で乾燥した。
エックス線光電子測定により、修飾グラフェンの元素組成量を求め、計算式1から修飾量を見積もり、表3に記載した。さらに、ラマン分光分析により、製造した修飾グラフェンのG/D比を求め、評価基準に基づき評価し、表3に記載した。
Figure 0007449102000023
(修飾グラフェンの樹脂複合体の作製方法)
本発明で製造された修飾グラフェンを配合した樹脂シートを、下記作製法Aまたは作製法Bのいずれかを用いて作製した。さらに、得られたシートの導電性評価および熱伝導性評価を実施した。また、酸化グラフェン(比較化合物1、商品名:GO、ニューメタルス社)を配合した樹脂シートと特許文献3に記載の製造方法で得られた修飾グラフェン(比較化合物2)を配合した樹脂シートとを作製し、同様の評価を行った。
上記作製法Aと作製法Bについて下記に述べる。作製法1はシリコーン樹脂を用いたシートに関する方法であり、作製法2はウレタン樹脂を用いたシートに関する方法である。
(作製法1)
ビニル末端ポリシロキサンDMS-V31(重量平均分子量(Mw):28,000、アヅマックス(株))100部、水素末端ポリシロキサンHMS-301(アヅマックス(株))5部、修飾グラフェン(又は比較化合物)60部をヘラで混合した。次いで、自転公転ミキサー(NR-50,(株)シンキー製)で2分間混練し、1分間脱泡した。これに、白金触媒0.8部を加えてヘラで練り込み、次いで自転公転ミキサー(NR-50,(株)シンキー製)で2分間混練し、1分間脱泡した。得られた混合物を金属板上にバーコーターを用いて塗布し、100℃の恒温室に2時間静置して硬化させ、下記のシリコーン樹脂シートを得た。
・シリコーン樹脂シート
・・厚さ:200±10μm
・・修飾グラフェン(又は比較化合物)配合量:20vol%、ただし、配合量は修飾グラフェンの密度を2.2g/cm、それ以外の材料の密度を0.97g/cmとして算出した。
(作製法2)
結着樹脂としてポリウレタンUR4800(重量平均分子量(Mw):4800、東洋紡績社)を100部、修飾グラフェン(又は比較化合物)43部、任意量のTHF(テトラヒドロフラン,キシダ化学(株)製)を混合し、超音波を加えながら1時間攪拌して分散液を調製した。得られた混合物を金属板上にバーコーダーを用いて塗布し、40℃の恒温乾燥機内で乾燥した。次いで、乾燥体を金属板から剥がし、小型熱プレス機(アズワン(株)製)で150℃-0.5kgf/mの加熱加圧を3分間行い、下記のウレタン樹脂シートを得た。
・ウレタン樹脂シート
・・厚さ:200±10μm
・・修飾グラフェン(又は比較化合物)配合量:20vol%、ただし、配合量は修飾グラフェンの密度を2.2g/cm、ウレタン樹脂の密度を1.28g/cmとして算出した。
(実施例29~実施例56)
表1に記載した修飾グラフェン1~修飾グラフェン28を使用し、作製法1に準拠して、修飾グラフェン配合シリコーン樹脂シートを作製した。さらに、該シートを所定のサンプル形状に切り出して、導電性評価および熱伝導性評価を実施し、結果を表4に記載した。
(実施例57または実施例58)
表1に記載した修飾グラフェン2、修飾グラフェン8を使用し、作製法2に準拠して、修飾グラフェン配合ウレタン樹脂シートを作製した。さらに、該シートを所定のサンプル形状に切り出して、導電性評価および熱伝導性評価を実施し、結果を表4に記載した。
(実施例59)
ビニル末端ポリシロキサンDMS-V31に変えてDMS-V41(重量平均分子量(Mw):50000、アヅマックス(株))を使用し、修飾グラフェン2を使用し、かつ作製法1に準拠して、修飾グラフェン配合シリコーン樹脂シートを作製した。さらに、該シートを所定のサンプル形状に切り出して、導電性評価および熱伝導性評価を実施し、結果を表4に記載した。
(実施例60)
ビニル末端ポリシロキサンDMS-V31に変えてDMS-V46(重量平均分子量(Mw):117000、アヅマックス(株))を使用し、修飾グラフェン2を使用し、かつ作製法1に準拠して、修飾グラフェン配合シリコーン樹脂シートを作製した。さらに、該シートを所定のサンプル形状に切り出して、導電性評価および熱伝導性評価を実施し、結果を表4に記載した。
(比較例3)
酸化グラフェン(商品名:GO、ニューメタルス社)を使用し、かつ作製法1に準拠して、酸化グラフェン配合シリコーン樹脂シートを作製した。さらに、該シートを所定のサンプル形状に切り出して、導電性評価および熱伝導性評価を実施し、結果を表4に記載した。
(比較例4)
特許文献3に記載の製造方法に準拠して製造した修飾グラフェン(比較化合物2)を使用し、かつ作製法1に準拠して、酸化グラフェン配合シリコーン樹脂シートを作製した。さらに、該シートを所定のサンプル形状に切り出して、導電性評価および熱伝導性評価を実施し、結果を表4に記載した。
(評価)
上記で作製した樹脂シートの導電性評価および熱伝導性評価を下記の方法で行い、下記の評価基準に従って評価した。
(導電性評価)
導電性は、樹脂シートサンプルの表面電気抵抗率(Ω/□)で評価した。表面電気抵抗値をJIS K 7194「導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法」に準拠して測定し、該測定値を用いて以下のようにAランク~Cランクに分類した。一般的に導電性部材の表面抵抗率は1×10Ω/□未満であり、それ以上は静電気拡散性部材(1×10Ω/□以上~1×10Ω/□未満)または帯電防止部材(1×10Ω/□以上~1×1012Ω/□未満)であることが知られている。このため、本発明では導電性部材として許容するランク、すなわちAランクの樹脂シートサンプルのみを許容できるランクとした。
[評価基準]
Aランク・・・ 10KΩ/□≦表面電気抵抗率<100KΩ/□
Bランク・・・ 100KΩ/□≦表面電気抵抗率<1000KΩ/□
Cランク・・・1000KΩ/□≦面電気抵抗率
(熱伝導性評価)
熱伝導性は、樹脂シートサンプル(厚さ200±10μm)の厚さ方向の熱伝導率で評価した。
まず、作製した樹脂シートを縦×横=6mm×11mmの大きさに切り出した。これを樹脂シートサンプルとして温度波熱分析法(アルバック理工製,FTC-1)で、厚さ方向の熱拡散率αを測定した。熱伝導率λは、λ=α×Cp×ρの式から、上記の測定で求めた熱拡散率αに、比熱Cp(重量分率平均)と密度ρ(体積分率平均)とを掛けて算出した。なお、密度は水中置換法, 比熱は示差走査熱量計 (PYRIS Diamond DSC-7,DSC,Perkin Elmer 製)を用いて測定した。計算に必要な比熱Cpおよび密度ρは以下のとおりである。
得られた熱伝導率の値を用いて以下のようにAランク~Cランクに分類した。一般的に、厚さ方向の熱伝導率1W/m/K以上であると高性能な熱伝導部材として認知されているため、Aランクの樹脂シートサンプルのみを許容できるランクとした。
[評価基準]
Aランク・・・1W/m/K≦熱伝導率
Bランク・・・0.5W/m/K≦熱伝導率<1W/m/K
Cランク・・・熱伝導率<0.5W/m・K
[計算に用いた各材料の密度と比熱]
・シリコーン樹脂の密度ρ:0.97g/cm
・ウレタン樹脂の密度ρ:1.28g/cm
・修飾グラフェンおよび比較化合物2の密度ρ:2.2g/cm
・酸化グラフェンの密度ρ:2.1g/cm
・シリコーン樹脂の比熱Cp:1600J/kgK
・ウレタン樹脂の比熱Cp:1900J/kgK
・修飾グラフェンまたは比較化合物2の比熱Cp:710J/kgK
・酸化グラフェンの比熱Cp:700J/kgK
Figure 0007449102000024
(修飾グラフェン分散体の製造)
以下に記載する方法で、本発明に係る修飾グラフェン分散体および比較用グラフェン分散体を製造した。
(実施例61)
修飾グラフェン12を100部、分散媒体として、トルエン350部、酢酸エチル350部、2-ブタノン300部、ガラスビーズ(直径1mm)750部を混合し、アトライター(日本コークス工業(株))で3時間分散させた。その後、メッシュで濾過して修飾グラフェン分散体を得た。
(実施例62)
修飾グラフェン12を修飾グラフェン21に変更した以外は、実施例61と同様の操作で、修飾グラフェン分散体を得た。
(実施例63)
修飾グラフェン12を修飾グラフェン23に変更した以外は、実施例61と同様の操作で、修飾グラフェン分散体を得た。
(実施例64)
修飾グラフェン12を修飾グラフェン25に変更した以外は、実施例61と同様の操作で、修飾グラフェン分散体を得た。
(比較例5)
修飾グラフェン12を比較化合物1(酸化グラフェン、商品名:GO、ニューメタルス社)に変更した以外は、実施例61と同様の操作で、比較用グラフェン分散体を得た。
(比較例6)
修飾グラフェン12を特許文献3に記載の製造方法に準拠して製造した修飾グラフェン(比較化合物2)に変更した以外は、実施例61と同様の操作で、比較用グラフェン分散体を得た。
(比較例7)
修飾グラフェン12を比較化合物3(未処理のグラフェン、商品名:xGnP-M5、ニューメタルス社)に変更した以外は、実施例61と同様の操作で、比較用グラフェン分散体を得た。
(評価)
(サンプル作製)
修飾グラフェン分散体および比較用グラフェン分散体をバーコート法(バーコーターの番線の番号 No.10)により、PETフィルムに塗布して、一晩減圧乾燥することでサンプルを作製した。得られたサンプルについて、上記の導電性評価方法を用いて評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 0007449102000025

Claims (13)

  1. 修飾グラフェンであって、
    下記式(I)で示される構造を有し、
    ラマン分光スペクトルにおけるGバンドの強度gとDバンドの強度dの比率(g/d)が、1以上であることを特徴とする修飾グラフェン:
    Gr1=N-Ar1-X1-(Y1)n1 (I)
    (前記式(I)中、
    Gr1は単層グラフェンまたは多層グラフェンであり、
    Ar1は炭素数6~18のアリーレン基であり、
    X1は、
    単結合、
    炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基、または、
    炭素数1~10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基中の少なくとも1つ
    の炭素原子を、-O-、-NH-、
    Figure 0007449102000026
    -CO-、-COO-、-CONH-、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基であり、
    Y1は、
    X1が単結合である場合は、Ar1の少なくとも1つの炭素原子に結合する原子もしくは基であり、
    X1が炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基である場合は該アルキレン基中の炭素原子に結合する原子もしくは基であり、
    X1が炭素数1のアルキレン基中の1つの炭素原子を、-O-、-NH-、または
    Figure 0007449102000027
    で置き換えた基である場合は、該基中の酸素原子、または窒素原子に結合する原子または基であり、
    X1が炭素数1のアルキレン基中の1つの炭素原子を、-CO-、-COO-、-CONH-、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基である場合、及び、X1が炭素数~10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、-O-、-NH-、
    Figure 0007449102000028
    -CO-、-COO-、-CONH-、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基である場合は該基中の炭素原子、または窒素原子に結合する原子または基であって、
    該Y1は、
    水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、
    炭素数1~6のフルオロアルキル基、
    シアノ基、ニトロ基、アシル基、アミド基、ビニル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、リン酸基、
    炭素数3~6のアルキルシリル基、
    炭素数3~6のアルキルシリルエーテル基、及び
    シロキサン基
    からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基であり、
    n1は1以上の整数を表し、n1が2以上の場合、Y1は互いに同じ基であっても、異なる基であっても良い。)
  2. 前記式(I)のAr1がフェニレン基、ビフェニレン基、トリフェニレン基、又はナフタレン基であり、X1が単結合であり、Y1がカルボン酸基であり、n1が1~6である請求項1に記載の修飾グラフェン。
  3. 前記式(I)のAr1がフェニレン基であり、X1が炭素数1~10の分岐鎖状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、
    Figure 0007449102000029
    または-CONH-で置き換えた基であり、Y1がリン酸基であり、n1が1~4である請求項1に記載の修飾グラフェン。
  4. 前記式(I)のAr1がフェニレン基であり、X1が単結合であり、Y1がニトロ基であり、n1が1~3である請求項1に記載の修飾グラフェン。
  5. 前記式(I)のAr1がフェニレン基であり、X1が炭素数1~10の分岐鎖状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、
    Figure 0007449102000030
    -CO-または-CONH-で置き換えた基であり、Y1が水素原子またはビニル基であり、n1が1~3である請求項1に記載の修飾グラフェン。
  6. 前記Y1がシロキサン基であり、該シロキサン基が、下記式(II)~(IV)からなる群から選択される少なくとも1つである請求項1に記載の修飾グラフェン:
    Figure 0007449102000031
    (前記式(II)~(IV)中、R1~R23はそれぞれ独立にアルキル基、アミノ基、ビニル基、アクリル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸基、ヒドロキシル基、又はアリール基を表し、L1は1~6の整数を表し、L2、(L3+L4)は0~650の数である。)
  7. 前記式(I)中のY1が基である場合、修飾グラフェン1gに対する該基のモル数が、0.10mmol以上である請求項1~6のいずれか一項に記載の修飾グラフェン。
  8. 前記式(I)中のY1が基である場合、修飾グラフェン1gに対する該基のモル数が、0.10mmol以上、1.20mmol以下である請求項7に記載の修飾グラフェン。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の修飾グラフェンを製造する方法であって、
    下記式(V)で表される有機クロラミン-アルカリ金属化合物を、液媒体中において反応促進剤の存在下で、温度-5℃以上、80℃以下の条件で、原料としてのグラフェン表面に反応させて、式(V)中のA1で表される基をグラフェン表面に結合させる工程を有し、該反応促進剤が、銅、酸化銅、ハロゲン化銅、硫酸銅、ヨウ素、アンモニア、アンモニウム塩、1級アミン化合物、及び、ヒドラジンからなる群から選択される少なくとも一である、ことを特徴とする修飾グラフェンの製造方法:
    Figure 0007449102000032
    (前記式(V)中、
    P1はハロゲン原子、P2はアルカリ金属であり、A1はAr1-X1-(Y1)n1で表される基であり、
    Ar1は炭素数6~18のアリーレン基であり、
    X1は、
    単結合、
    炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基、または、
    炭素数1~10の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、-O-、-NH-、
    Figure 0007449102000033
    -CO-、-COO-、-CONH-、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基であり、
    Y1は、
    X1が単結合である場合は、Ar1の少なくとも1つの炭素原子に結合する原子もしくは基であり、
    X1が炭素数1のアルキレン基中の1つの炭素原子を、-O-、-NH-、または
    Figure 0007449102000034
    で置き換えた基である場合は、該基中の酸素原子、または窒素原子に結合する原子または基であり、
    X1が炭素数1のアルキレン基中の1つの炭素原子を、-CO-、-COO-、-CONH-、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基である場合、及び、X1が炭素数2~10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、-O-、-NH-、
    Figure 0007449102000035
    -CO-、-COO-、-CONH-、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基である場合は該基中の炭素原子又は窒素原子に結合する原子または基であって、
    該Y1は、
    水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、
    炭素数1~6のフルオロアルキル基、
    シアノ基、ニトロ基、アシル基、アミド基、ビニル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、リン酸基、
    炭素数3~6のアルキルシリル基、
    炭素数3~6のアルキルシリルエーテル基、及び
    シロキサン基
    からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基であり、
    n1は1以上の整数を表し、n1が2以上の場合、Y1は互いに同じ基であっても、異なる基であっても良い。)
  10. 請求項1~8のいずれか一項に記載の修飾グラフェンと樹脂とを含む修飾グラフェン樹
  11. 前記樹脂の重量平均分子量が50,000以下である請求項10に記載の修飾グラフェン樹脂複合体。
  12. 請求項10又は11に記載の樹脂複合体を硬化または成型してなる修飾グラフェンシート。
  13. 請求項1~8のいずれか一項に記載の修飾グラフェンと水または有機溶媒とを含む修飾グラフェン分散体。
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