JP2020138879A - 修飾グラフェン、修飾グラフェンの製造方法、修飾グラフェン樹脂複合体、修飾グラフェンシート、修飾グラフェン分散体および導電性インク - Google Patents

修飾グラフェン、修飾グラフェンの製造方法、修飾グラフェン樹脂複合体、修飾グラフェンシート、修飾グラフェン分散体および導電性インク Download PDF

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暁子 北尾
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大輝 渡部
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Koichi Suzuki
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Abstract

【課題】欠陥濃度が低い修飾グラフェン、樹脂複合体、分散体の提供。【解決手段】ラマンのGバンドとDバンドの強度比(g/d)が1以上である下記式(I)の修飾グラフェン:Gr1−Ar1−X1−(Y1)n1(I)[Gr1はグラフェン、Ar1は炭素数6〜18のアリーレン基、X1は単結合、炭素数1〜20のアルキレン基又は炭素数1〜10のアルキレン基中の炭素原子を、−O−、−NH−、−CO−、−COO−、−CONH−、及びアリーレン基から選択される構造で置換した基、Y1はX1が単結合の場合Ar1中の炭素原子に、単結合でない場合X1中の炭素原子に結合する、水素、ハロゲン、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アミド基、ビニル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、リン酸基、炭素数3〜6のアルキルシリル(エーテル)基、及びシロキサン基から選択される原子又は基。n1は1以上の整数。]【選択図】なし

Description

本発明は、修飾グラフェン、修飾グラフェンの製造方法、修飾グラフェン樹脂複合体、修飾グラフェンシート、修飾グラフェン分散体および導電性インクに関するものである。
グラフェンやグラファイト、カーボンナノチューブといった炭素材料は、それぞれに優れた電気、熱、光学、および機械特性を有し、電池材料、エネルギー貯蔵材料、電子デバイス、複合材料などの領域で幅広い応用が期待されている。このような種々の炭素材料の特性を有効に機能させ工業的に利用するうえで、炭素材料の凝集力を制御し、分散媒への分散性を改善することが求められる場合がある。
凝集力を抑制する手法として、炭素材料の表面に化学的処理を施し、置換基を導入して表面を改質する製造方法が知られている。特許文献1に開示されているようにグラファイトと酸化剤を用いたHummers法により、グラフェン表面に酸素含有基を導入した酸化グラフェンの製造方法などがあげられる。また、特許文献3には、グラファイト粉末と、アミノ基(−NH)を有する処理剤、例えばp−フェニレンジアミンのモノジアゾニウム塩とを水中で反応させることによりアミノ基を有するグラフェン粉末の製造方法が開示されている。
特許第5098064号公報 特開2016−27099号公報 特許第3980637号公報
本発明の一態様は、グラフェンが本来的に有する優れた導電性及び熱伝導性を損なうことなく分散媒への分散性が改善された修飾グラフェンの提供に向けたものである。
本発明の他の態様は、グラフェンが本来的に有する優れた導電性及び熱伝導性を損なうことなく、分散媒への分散性に優れた修飾グラフェンを製造する方法の提供に向けたものである。
また、本発明の他の態様は、優れた導電性及び熱伝導性を備えた修飾グラフェン樹脂複合体、修飾グラフェンシート、修飾グラフェン分散体及び導電性インクの提供に向けたものである。
本発明の一態様によれば、修飾グラフェンであって、下記式(I)で示される構造を有し、ラマン分光スペクトルにおけるGバンドの強度gとDバンドの強度dの比率(g/d)が、1以上であることを特徴とする修飾グラフェンが提供される。
Gr1−Ar1−X1−(Y1)n1 (I)
式(I)中、
Gr1は単層グラフェンまたは多層グラフェンであり、
Ar1は炭素数6〜18のアリーレン基であり、
X1は、
単結合、
炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基、または、
炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、−O−、−NH−、
Figure 2020138879
−CO−、−COO−、−CONH−、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基であり、
Y1は、
X1が単結合である場合は、Ar1中の少なくとも1つの炭素原子に結合する原子もしくは基であり、
X1が炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基である場合は該アルキレン基中の炭素原子に結合する原子もしくは基であり、または、
X1が炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、−O−、−NH−、
Figure 2020138879
−CO−、−COO−、−CONH−、アリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基である場合は、該基中の炭素原子に結合する原子または基であって、
該Y1は、
水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、
炭素数1〜6のフルオロアルキル基、
シアノ基、ニトロ基、アシル基、アミド基、ビニル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、リン酸基、
炭素数3〜6のアルキルシリル基、
炭素数3〜6のアルキルシリルエーテル基、及び
シロキサン基
からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基であり、
n1は1以上の整数を表し、n1が2以上の場合、該Y1は互いに同じ基であっても、異なる基であっても良い。
本発明の他の態様によれば、下記式(V)〜(VII)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の処理剤をグラフェンに反応させて、A1で表される基をグラフェンに化学結合させる工程を有する修飾グラフェンの製造方法が提供される。
Figure 2020138879
式(V)中、
は、シアノ基;又はエステル基、エーテル基、チオエーテル基、ケトン基、及びスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基と、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基と、が結合した原子団を表し、
A1は−Ar1−X1−(Y1)n1で表される基である。
式(VI)中、
は、シアノ基;又はエステル基、エーテル基、チオエーテル基、ケトン基、及びスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基と、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基と、が結合した原子団を表し、A1は−Ar1−X1−(Y1)n1で表される基である。
式(VII)中、
A1は−Ar1−X1−(Y1)n1で表される基である。
上記Ar1は炭素数6〜18のアリーレン基であり、
X1は、
単結合、
炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基、または、
炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、−O−、−NH−、
Figure 2020138879
−CO−、−COO−、−CONH−、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基であり、
Y1は、
X1が単結合である場合は、Ar1中の少なくとも1つの炭素原子に結合する原子もしくは基であり、
X1が炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基である場合は、該アルキレン基中の炭素原子に結合する原子もしくは基であり、または、
X1が炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、−O−、−NH−、
Figure 2020138879
−CO−、−COO−、−CONH−、アリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基である場合は、該基中の炭素原子に結合する原子または基であって、
該Y1は、
水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、
炭素数1〜6のフルオロアルキル基、
シアノ基、ニトロ基、アシル基、アミド基、ビニル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、リン酸基、
炭素数3〜6のアルキルシリル基、
炭素数3〜6のアルキルシリルエーテル基、及び
シロキサン基
からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基であり、
n1は1以上の整数を表し、n1が2以上の場合、該Y1は互いに同じ基であっても、異なる基であっても良い。
本発明の他の態様によれば、前記式(I)で示される構造を有する修飾グラフェンを含有する修飾グラフェン樹脂複合体、修飾グラフェンシート、修飾グラフェン分散体および導電性インクが提供される。
本発明の一態様によれば、優れた導電性及び熱伝導性を有し、かつ表面に機能性官能基を導入された修飾グラフェンを提供することができる。
また、本発明の他の態様によれば、優れた導電性及び熱伝導性を有し、かつ表面に機能性官能基が導入された修飾グラフェンの製造方法を提供することができる。
さらに、本発明の他の態様によれば、優れた導電性及び熱伝導性を有し、かつ表面に機能性官能基が導入された修飾グラフェンを含有する修飾グラフェン樹脂複合体、修飾グラフェンシート、修飾グラフェン分散体および導電性インクを提供することができる。
本発明者らは、グラフェンが本来的に有する高い導電性、熱伝導性を損なうことなしに、分散媒への分散性に優れたグラフェンを得るべく、グラフェンの化学修飾について検討を行った。
そして、本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載の方法では、強い酸化剤とともにグラフェン表面に官能基を導入しているため、グラフェンが酸化されてしまい、グラフェン特有のsp構造が破壊されると推測される。
特許文献3に記載の方法では、ジアゾニウム化合物をグラフェンに反応させる方法が記載されているが、ジアゾニム化合物は分解し易く、反応系内でラジカル生成の制御ができないために、短時間に多量のラジカルが存在する。このためことから、グラフェン特有のsp構造が破壊され、グラフェンが本来的に有する優れた導電性や熱伝導性が損なわれると考えられる。
一方、特許文献2には、カーボンブラックと、カルボン酸基を有する処理剤、例えば保護基を有するヒドラジノ安息香酸とを水中で反応させることにより安息香酸基で化学修飾されたカーボンブラックの製造方法が開示されている。しかしながら、特許文献2には、この方法のグラフェンへの適用可能性
については何らの示唆もない。
かかる状況の下、本発明者らは更なる検討を重ねた結果、グラフェンが本来的に有する優れた特性、例えば、高い導電性、優れた熱伝導性を損なうことなく、分散媒に対して優れた分散性を示す修飾グラフェンを見出した。
以下に、実施するための形態を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の一態様に係る修飾グラフェンは、下記式(I)で示される構造を有し、ラマン分光スペクトルにおけるGバンドの強度gとDバンドの強度dの比率(g/d)が、1以上である。
Gr1−Ar1−X1−(Y1)n1 (I)
式(I)中の、Gr1、Ar1、X1、Y1及びn1について説明する。
Gr1は、単層グラフェンまたは多層グラフェンを表す。
Ar1は、炭素数6〜18のアリーレン基である。
X1は、
単結合、
炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基、または、
炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、−O−、−NH−、
Figure 2020138879
−CO−、−COO−、−CONH−、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基である。
X1が単結合である場合、Y1はAr1中の少なくとも1つの炭素原子に結合する原子もしくは基である。
X1が炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基である場合、Y1は該アルキレン基中の炭素原子に結合する原子もしくは基である。
X1が炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、−O−、−NH−、
Figure 2020138879
−CO−、−COO−、−CONH−、アリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基である場合、Y1は該基中の炭素原子に結合する原子または基である。
Y1が何に結合するかは上記のとおりである。
Y1が何であるかは下記のとおりである。
Y1は、具体的には、
水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、
炭素数1〜6のフルオロアルキル基、
シアノ基、ニトロ基、アシル基、アミド基、ビニル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、リン酸基、
炭素数3〜6のアルキルシリル基、
炭素数3〜6のアルキルシリルエーテル基、及び
シロキサン基
からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基である。
n1は1以上の整数を表し、n1が2以上の場合、Y1は互いに同じ基であっても、異なる基であっても良い。
式(I)中、Ar1におけるアリーレン基としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下のものが挙げられる。フェニレン基、ビフェニレン基、直鎖または分岐のトリフェニレン基、ナフタレン基、アントラセン基、など。
また、式(I)中、X1における炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下のものが挙げられる。メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、iso−プロピレン基、n−ブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、オクチレン基、ドデシレン基、ノナデシレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、メチルシクロヘキシレン基、2−エチルプロピレン基、2−エチルヘキシレン基等の1級〜3級のアルキレン基。
また、式(I)中、X1における、炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、−O−、−NH−、
Figure 2020138879
−CO−、−COO−、−CONH−、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下のものが挙げられる。エチレン基を構成する炭素原子の一つを−O−で置き換えた場合は、メチルエーテル基となり、プロピレン基を構成する炭素原子の一つを−O−で置き換えた場合は、エチルエーテル基となる。他の元素についても特に限定されるものではないが、同様の基が挙げられる。
式(I)中、Y1におけるアシル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、アクリル基等が挙げられる。
式(I)中、Y1におけるアミド基としては、特に限定されるものではないが、−CONR’R”で表わされる基であって、例えば以下のものが挙げられる。
R’、R”の両方がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのカルボン酸ジアルキルアミド基、
R’、R”のいずれか一方がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのカルボン酸モノアルキルアミド基、
R’、R”の両方がHのアセトアミド基等。
式(I)中、Y1におけるビニル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、
未置換のビニル基の他に、置換ビニル基でもよく、以下のものが挙げられる。ブチレン基、酢酸ビニル基、ブチルビニルエーテル基、酢酸アリル基、アクリル基、メタクリル基、スチレン基等。
式(I)中、Y1におけるカルボン酸エステル基としては、特に限定されるものではないが、例えば以下のものが挙げられる。メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基など。
式(I)中、Y1における炭素数3〜6のアルキルシリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基などが挙げられる。
式(I)中、Y1におけるシロキサン基とは、下記の構造を有する基である。
Figure 2020138879
式(I)中、Y1におけるシロキサン基のSi上の置換基は特に限定されないが、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基である。アルキル基およびアリール基は上述した内容と同じである。シクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。シロキサン基の具体例としては、トリメチルシロキサン基、トリエチルシロキサン基、フェニル−ジメチルシロキサン基、シクロペンチル−ジメチルシロキサン基などが挙げられる。
また、下記式(II)、式(III)、式(IV)のシロキサン基は分子量が大きいためにグラフェン同士の凝集を防ぐ目的、またはグラフェンと樹脂との相溶性を向上させる目的などのために好適に使用できる。
Figure 2020138879
式(II)〜(IV)中、R〜R23はそれぞれ独立にアルキル基、アミノ基、ビニル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸基、ヒドロキシル基、又はアリール基を表し、L1は1〜6の整数を表し、L2及び(L3+L4)は0〜650の数である。
アルキル基、ビニル基、カルボン酸エステル基およびアリール基の具体例としては、上記の内容と同じである。
アミノ基は下記の構造を有する基であり、N上の2つの置換基は、水素原子またはアルキル基である。アルキル基の具体例としては上記の内容と同じである。
Figure 2020138879
式(I)中のY1が基である場合、修飾グラフェン1gに対する該基のモル数が、0.10mmol以上、1.20mmol以下であることが好ましい。修飾グラフェン1gに対する該基のモル数が上記の範囲であることが好ましい理由は以下のとおりである。
修飾グラフェン1gに対する基のモル数が0.10mmolより少ない場合、修飾グラフェン同士の斥力(反発力)が小さいために、媒体中または樹脂中でファンデルワールス力が優勢になり修飾グラフェンの集合体(凝集体)を形成することがある。また、該基のモル数が1.20mmolより大きい場合、斥力は更に高まると予測されるが、一方で修飾グラフェンが基で覆われてしまうことで、修飾グラフェン同士間での熱伝播が阻害され、熱伝導率が低下する恐れがある。
(修飾グラフェンの具体例)
下記式(I)で示される構造を有する本発明の一態様に係る修飾グラフェンの好ましい具体例として、A1−1〜A1−90を以下に示すが、下記の例に限定されるものではない。なお、式(I)におけるGr1(グラフェン)は省略し、*Ar1−X1−(Y1)n1の構造のみを記載した。下記具体例における*は式(I)中のGr1との結合部位を示す。
Gr1−Ar1−X1−(Y1)n1 (I)
Figure 2020138879
Figure 2020138879
Ar1がフェニレン基、ビフェニレン基、トリフェニレン基、又はナフタレン基であり、X1が単結合であり、Y1がカルボン酸基であり、n1が1〜6である例としては、A1−22、A1−23、A1−24が該当する。
Ar1がフェニレン基であり、X1が炭素数1〜20の分岐鎖状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、
Figure 2020138879
または−CONH−で置き換えた基であり、Y1がリン酸基であり、n1が1〜4である例としては、A1−57が該当する。
Ar1がフェニレン基であり、X1が単結合であり、Y1がニトロ基であり、n1が1〜3である例としては、A1−10、A1−11、A1−12が該当する。
Ar1がフェニレン基であり、X1が炭素数1〜20の分岐鎖状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、
Figure 2020138879
−CO−または−CONH−で置き換えた基であり、Y1が水素原子またはビニル基であり、n1が1〜3である例としては、A1−15が該当する。
シロキサン基が、下記式(II)〜(IV)からなる群から選択される少なくとも1つである例としては、A1−83、A1−85、A1−88が該当する。
Figure 2020138879
式(I)で示される構造を有する修飾グラフェンは、例えば、特開2016−27093に記載されている公知の方法等を参考にして合成することができる。
<修飾グラフェンの製造方法>
本発明の一態様に係る修飾グラフェンの製造方法は、下記式(V)〜(VII)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の処理剤をグラフェンに反応させて、上記のA1で表される基をグラフェンに化学結合させる工程を有することを特徴とする。以下この工程を工程(1)と記す。
Figure 2020138879
式(V)中、Pは、
シアノ基;又はエステル基、エーテル基、チオエーテル基、ケトン基、及びスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基と、
脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基と、
が結合した原子団を表し、A1は−Ar1−X1−(Y1)n1で表される基である。
式(VI)中、Pは、
シアノ基;又はエステル基、エーテル基、チオエーテル基、ケトン基、及びスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基と、
脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基と、
が結合した原子団を表し、A1は−Ar1−X1−(Y1)n1で表される基である。
Ar1は炭素数6〜18のアリーレン基である。
X1は、
単結合、
炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基、または、
炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、−O−、−NH−、
Figure 2020138879
−CO−、−COO−、−CONH−、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基である。
X1が単結合である場合、Y1はAr1中の少なくとも1つの炭素原子に結合する原子もしくは基である。
X1が炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基である場合、Y1は該アルキレン基中の炭素原子に結合する原子もしくは基である。
X1が炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、−O−、−NH−、
Figure 2020138879
−CO−、−COO−、−CONH−、アリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基である場合、Y1は該基中の炭素原子に結合する原子または基である。
Y1は、
水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、
炭素数1〜6のフルオロアルキル基、
シアノ基、ニトロ基、アシル基、アミド基、ビニル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、リン酸基、
炭素数3〜6のアルキルシリル基、
炭素数3〜6のアルキルシリルエーテル基、及び
シロキサン基
からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基である。
n1は1以上の整数を表し、n1が2以上の場合Y1は互いに同じ基であっても、異なる基であっても良い。
例えば下記式(IX)で表される修飾グラフェンを製造する場合、製造工程が増えても構わないのであれば、予め式(I)に含まれる下記式(VIII)の修飾グラフェンを製造し、これを中間体として更なる化学反応を用いて式(IX)に導いても構わない。この場合、式(VIII)中のカルボン酸基と対応するアミン化合物との縮合反応を利用すれば良い。
Gr1−Ar1−COOH (VIII)
Gr1−Ar1−CO−NH−CH−CH−CH−CH (IX)
<反応と精製>
本発明において使用される処理剤は、室温で安定なために外部エネルギーによって反応制御しやすい。本発明の一態様に係る製造方法は、また、グラフェンと反応は、ワンポットで、反応装置や液媒体を選ばずに、高い反応効率で修飾グラフェンを製造することができる。反応効率が高いことは、より少ない使用量の処理剤でグラフェンの表面改質が達成できることを意味する。このため、反応効率が高ければ、コスト面でのメリットがあるだけでなく、反応による不純物の発生を低減することもでき、不純物が少なければ、精製効率を向上させたり、精製時間を短くしたりすることも可能である。
特許文献3に開示の技術においては、処理剤としてジアゾニウム塩を用いてグラフェンの表面改質を行っている。処理剤として用いるジアゾニウム塩は、室温でさまざまな副反応を伴って分解する。反応制御が困難なことから、ジアゾニウム塩を用いて置換基の導入量を高めようとする場合には、ジアゾニウム塩をグラフェンに対して過剰に使用する必要がある。しかし、ジアゾニウム塩の使用量を一気に増やしてしまうと、窒素ガスの泡が多く発生するため、反応効率を高めにくいという逆の効果も生じる。
本発明の一態様に係る製造方法で使用する修飾グラフェンの処理剤は、アゾ基を中心として非対称な構造を有する化合物である。この処理剤は、酸化的ラジカル付加反応によって、グラフェン表面に親水性基を含む官能基を結合させる機能を有すると考えられる。
上述したように処理剤は化学的に安定であり、pHや温度による影響を受けにくいため、反応系のpHや温度を任意に設定することができる。具体的には、反応系のpHは1〜13であることが好ましく、1〜10であることがさらに好ましく、1.5〜7であることが特に好ましい。反応効率を高めるためには、反応系のpHを酸性〜中性とすることが好ましい。アルカリ性などの高pH域においては、処理剤が分解する場合がある。一方、反応系のpHを1.5未満にすると、処理剤の溶解性が著しく劣るため反応時間が長くなる場合があるし、酸性の化合物を多く使用する必要があるため、精製などの処理が困難になる場合がある。
また、ラジカル付加反応の反応速度を制御するために、温度を常温(25℃)以外に設定してもよい。温度は処理剤の種類に応じて適宜設定すればよい。具体的には、5〜80℃であることが好ましく、10〜70℃であることがさらに好ましい。温度を高くすると反応速度は上がるが、副反応が生じやすくなり、反応効率が下がる傾向がある。一方、温度を低くすると副反応は生じにくくなるが、反応速度が下がり、反応時間が長くなる傾向がある。
本発明の一態様に係る製造方法は、通常、液媒体中で行う。液媒体中のグラフェンの含有量(質量%)は、液媒体全質量を基準として、1.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上40.0質量%以下であることがさらに好ましい。グラフェンの含有量が高すぎると、反応系の粘度が高くなり、撹拌が難しくなることで反応効率がやや低下する場合がある。一方、グラフェンの含有量が低すぎると、反応系内での処理剤とグラフェンの接触頻度が下がり、反応効率がやや低下する場合がある。
製造した修飾グラフェンは、好適には精製など後処理方法を行った後、種々の用途に用いることができる。具体的には、媒体が存在しない粉末状にすることができる。粉末状にする場合は、エバポレーターなどを利用して減圧や加熱によって液媒体を除去してもよいし、また、フリーズドドライ法やオーブンなどを利用して、乾燥により媒体を除去してもよい。
本発明の一態様に係る製造方法によって得られる修飾グラフェンは、グラフェンの特徴でもある成長した二重結合構造に(sp結合に)ダメージがないという特徴を有する。このため、グラフェンが本来的に有する導電性または熱伝導性を、修飾後もそのままに保持する導電性フィラーまたは熱伝導性フィラーとして有用である。例えば、該フィラー配合樹脂複合体から成る導電性部材、熱伝導性部材、導電性トナーまたは除電部材、さらには少なくとも該フィラーと媒体から成る導電性インクなどに好適に使用できる。
<グラフェン>
グラフェンとは、炭素六員環で敷き詰められた構造を有している2次元シート状の炭素化合物である。本発明においては、上記の構造を有していれば特に限定されず、単層グラフェン、複層グラフェンまたはグラファイトなどが例示できる。
単層グラフェンとは1原子の厚さのsp結合炭素原子のシートを指す。複層グラフェンとは単層グラフェンの数層程度の積層シートを意味する。グラファイトはそれ以上の層の積層シート、または該積層シートの凝集体を意味する。また、グラフェンの形態も特に限定されず、例えば、粉末状、顆粒状の形態が例示できる。これらの材料は、市販品を使用してもよく、慣用の方法、例えば、マイクロ波CVD法、常圧CVD法などにより製造されたものでも構わない。
本発明では、例えば以下の市販品を好適に使用できるが、これらに限定されるものではない。xGnP−C−750(横方向の長さ:1〜2μm、XGサイエンス社)、xGnP−H−5(横方向の長さ:5μm、XGサイエンス社)、xGnP−M−5(横方向の長さ:5μm、XGサイエンス社)、xGnP−R−10(横方向の長さ:10μm、XGサイエンス社)、iGrafen―α(アイテック社)、iGrafen―αS(アイテック社)、Gi−PW−F301(横方向の長さ:1μm、石原ケミカルズ社)、グラフェンC(ケーアーグラフェン社)、グラフェンパウダー(グラフェンプラットフォーム社)、グラフェンフラワー−GF4(横方向の長さ:10μm、インキュベーション・アライアンス社)、グラフェンフラワー−GF7(横方向の長さ:1〜3μm、インキュベーション・アライアンス社)、膨張グラファイトEXP−50S(富士黒鉛工業)、膨張グラファイトEXP−50SL(富士黒鉛工業)、膨張グラファイトEC1(伊藤黒鉛社)、0球状グラファイトSGBH(伊藤黒鉛社)、球状グラファイトSGBH8(伊藤黒鉛社)、球状黒鉛CGB20(粒子径:20μm、日本黒鉛工業社)、球状黒鉛CGC20(粒子径:20μm、日本黒鉛工業社)、グラフェンCVD単層シート(ニューマメタルス社)など。
<樹脂>
本発明の一態様に係る修飾グラフェンは、種々の樹脂に配合して使用することができ、樹脂の種類は特に限定されない。その理由は、一般的に、フィラーと樹脂の組み合わせは、相溶性の問題、それに伴う分散不良(凝集)の問題が発生するために限定される。しかし、本発明の一態様に係る修飾グラフェンは、導入する置換基を樹脂との相溶性を考慮してデザインできるために、樹脂が限定されないのである。使用可能な樹脂の具体例としては、以下のものが挙げられる。ポリエチレン、ポリスチレン、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、酢酸セルロース樹脂、硝酸セルロース樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、天然ゴムなど。
上記シリコーン樹脂の具体例としては、メチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂、フェニルシリコーン樹脂等の一般的なシリコーン樹脂が挙げられる。その他に、アルキッド変性シリコーン樹脂、ポリエステル変性シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂またはアクリル変性シリコーン樹脂などのような有機樹脂変性シリコーン樹脂が挙げられる。
また、2液タイプのシリコーン樹脂(反応性シリコーン樹脂)も使用することができる。該反応性シリコーン樹脂の具体例としては、付加型硬化シリコーン樹脂、縮合型硬化シリコーン樹脂、過酸化物硬化シリコーン樹脂またはカチオン型UVシリコーン樹脂などが挙げられる。これらの中で、入手が容易で、室温でも硬化する付加型硬化シリコーン樹脂は好適に使用される。付加型硬化シリコーン樹脂を製造するために用いられる2つの化合物は、二重結合を有するビニルシロキサンとヒドロシロキサンである。いずれも市販品を入手して使用することができ、ビニル末端ポリシロキサンとしては、DMS-V31(アヅマックス(株))、DMS−V41(アヅマックス(株))などを挙げることができる。水素末端ポリシロキサンとしてはDMS−H03(アヅマックス(株))、HMS−301(アヅマックス(株))、HMS−992(アヅマックス(株))などが挙げられる。
本発明で使用する樹脂の重量平均分子量(Mw)は50,000以下が好ましい。一般的にフィラーの配合量を増やしていくと、樹脂複合体の粘度が挙がったり、混練温度を高く設定したりする必要がある。重量平均分子量(Mw)が50,000を超えると、本発明の一態様に係る修飾グラフェンを配合した場合に、粘度が高くなり過ぎてシート化できない問題や、混練温度の上昇により温度コントロールが困難になる問題などが発生するおそれがある。
<用途>
本発明の一態様に係る修飾グラフェンを配合した樹脂(以下、修飾グラフェン樹脂複合体と記す)は、グラフェンが本来的に有する導電性または熱伝導性が付与された樹脂複合体であるため、様々な製品形態が考えられる。例えば、導電性または熱伝導性マスターバッチ、導電性または熱伝導性シート、導電性または熱伝導性トレーや導電性または熱伝導性ガスケットなどの導電性または熱伝導性成型部材、または電極部材などが挙げられる。また、最近ではグラフェンを配合すると、強度が上がる機能、摺動性が上がる機能が知られており、強度部材や摺動性部材への用途も考えられる。
本発明の一態様に係る修飾グラフェン樹脂複合体を製造し、該複合体を使用して導電性シートまたは熱伝導性シート(修飾グラフェンシート)を製造する場合には、シリコーン樹脂が好適に使用できる。シリコーン樹脂は、膜塗工し硬化させることができ、修飾グラフェンの効果で製品表層に熱伝導性を付与することができる。さらに、多様な被着物への粘着性を有する導電性シートまたは熱伝導性シートにもなる。また、優れた耐候性や耐熱性も併せ持つ。
<修飾グラフェン分散体の構成成分>
以下に本発明の一態様に係る修飾グラフェン分散体の各構成成分を説明する。本発明の一態様に係る修飾グラフェン分散体は、式(I)で示される修飾グラフェンを必須成分として含有し、必要に応じて、これら成分以外の他の添加物及び溶媒等が配合されていてもよい。
以下、各構成成分について説明する。
<修飾グラフェン分散体について>
本発明の修飾グラフェン分散体について説明する。なお、分散媒体とは、水、有機溶剤又はそれらの混合物のことを指す。
本発明の一態様に係る修飾グラフェン分散体は、分散媒体中に、式(I)で示される修飾グラフェンを分散処理することで得られる。
分散処理の方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。分散媒体中に式(I)で示される修飾グラフェンと、必要に応じて樹脂を溶解させ、撹拌しながら十分に分散媒体になじませる。さらに、ボールミル、ペイントシェーカー、ディゾルバー、アトライター、サンドミル、ハイスピードミル等の分散機により機械的せん断力を加えることで、式(I)で示される修飾グラフェンを安定に均一な微粒子状に微分散することができる。
本発明において、修飾グラフェン分散体中の修飾グラフェンの量は、分散媒体100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましい。より好ましくは2〜30質量部、特に好ましくは3〜15質量部である。修飾グラフェンの含有量を上記の範囲内にすることにより、粘度の上昇や分散性の低下を抑制することができる。
修飾グラフェン分散体は修飾グラフェン単独でも、乳化剤を用いても水に分散できる。乳化剤としては、例えば、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等。
アニオン界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム等の脂肪酸石鹸、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノニルフェニルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル、モノデカノイルショ糖等。
分散媒体として用いられる有機溶媒としては、以下のものが挙げられる。メチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール類;アセトン、メチルエチルケトン(2−ブタノン)、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル類;ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤;四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラブロムエタン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、ジメチルグリコール、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類;ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の硫黄・窒素含有有機化合物類。
また、上記の修飾グラフェン分散体を用いることで、導電性のインクを作製することもできる。
<処理剤>
本発明の一態様に係る処理剤は、下記式(V)〜(VII)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の処理剤である。
Figure 2020138879
式(V)中、Pは、シアノ基;又はエステル基、エーテル基、チオエーテル基、ケトン基、及びスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基と、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基と、が結合した原子団を表す。
式(VI)中、Pはシアノ基;又はエステル基、エーテル基、チオエーテル基、ケトン基、及びスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基と、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基と、が結合した原子団を表す。
式(V)〜(VII)中、A1は−Ar1−X1−(Y1)n1で表される基であり、Ar1、X1、Y1の具体例、またはA1の具体的な構造に関しては上記の内容と同じである。
また、上記記載のA1における*は、式(V)〜(VII)中における窒素原子との結合部位を示しており、A1以外の部分を脱離基と、以下呼ぶ。
前記のように、式(V)中のP及び式(VI)中のPは、それぞれ独立に、
シアノ基;又はエステル基、エーテル基、チオエーテル基、ケトン基、及びスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基と、
脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基と、
が結合した原子団を表す。
この原子団(P、P)は、
アゾ基(−N=N−)又はアゾキシ基(−N(=O)=N−)に、
エステル基、エーテル基、チオエーテル基、ケトン基、及びスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を介して、
脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基が結合していることが好ましい。
脂肪族基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を挙げることができる。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基は、直鎖、分岐鎖、及び環状のいずれであってもよい。直鎖及び分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基の炭素数は1〜12程度であることが好ましい。また、環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基は、単環及び複合環のいずれであってもよく、環を構成する元素数は3〜8程度であることが好ましい。
脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基などの直鎖飽和アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、2−エチルへキシル基などの分岐鎖飽和アルキル基;エテニル基、プロペニル基、ブテニル基などのアルケニル基;エチニル基、プロピニル基、ブチニル基などのアルキニル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの環状脂肪族基;などを挙げることができる。
芳香族基としては、アリール基、ヘテロアリール基を挙げることができる。アリール基やヘテロアリール基は、単環及び複合環のいずれであってもよく、環を構成する元素数は3〜8程度であることが好ましい。アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ビフェニル基などを挙げることができる。また、ヘテロアリール基としては、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジニル基、チエニル基、チアゾリル基などを挙げることができる。これらのなかでも、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ビフェニル基、ピリジニル基などが好ましく、フェニル基、ナフチル基などがさらに好ましい。
脂肪族基及び芳香族基を有する基としては、上記で挙げたような各基が直接、又は、−O−、−NH−、−CO−、−COO−、−CONH−、−N=N−、−SO−、−SO−などの一般的なリンカー構造を介して結合した基を挙げることができる。官能基の親水性を高めるためには、脂肪族基及び芳香族基を有する基に、リンカー構造を持たせることがさらに好ましい。
(酸化剤)
本発明においては、上述の工程(1)を酸化剤の存在下で行って修飾グラフェンを製造することが好ましい。本発明における「酸化剤」とは、「酸化電位が+0.00V以上である化合物」を意味する。なお、酸化剤は反応速度の向上のために使用しうるものであるが、本発明の一態様に係る製造方法で利用する反応は酸化剤を使用しなくても進行する。
一般的に、グラフェンに酸化剤を作用させると、グラフェン表面の炭素原子が酸化されてカルボン酸基となる。一方、本発明の一態様に係る製造方法では、処理剤が酸化剤で選択的に酸化されることによって、グラフェンへのA1基の付加反応の進行が促進される。したがって、酸化剤がグラフェン表面に直接的に作用することはない。
本発明の一態様に係る製造方法で用いることができる酸化剤としては、ハロゲン、オキソ酸化合物、金属酸化物、ハロゲン化金属化合物、金属ポルフィリン化合物、ヘキサシアノ金属酸化合物、金属硝酸化物、過酸化水素、硝酸などを挙げることができる。
ハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。
オキソ酸化合物としては、クロム酸、モリブデン酸、過マンガン酸、バナジン酸、ビスマス酸、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、ハロゲン酸、過ハロゲン酸などを挙げることができる。これらのオキソ酸化合物は塩を形成していてもよいが、金属を有することを要する。塩を形成するカチオンとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンなどを挙げることができる。なお、水性の液体中では、塩はイオンに解離して存在しうるが、便宜上、「塩」と表現する。オキソ酸化合物の具体例としては、クロム酸カリウム、二クロム酸カリウム、重クロム酸ビス(テトラブチルアンモニウム)、重クロム酸ピリジニウム、クロロクロム酸ピリジニウム、フルオロクロム酸ピリジニウムなどのクロム酸塩;過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸アンモニウム、過マンガン酸銀、過マンガン酸亜鉛、過マンガン酸マグネシウムなどの過マンガン酸塩;バナジン酸アンモニウム、バナジン酸カリウム、バナジン酸ナトリウムなどのバナジン酸塩;ビスマス酸ナトリウム、ビスマス酸カリウムなどのビスマス酸塩;次亜塩素酸、亜塩素酸、過塩素酸、次亜臭素酸、亜臭素酸、臭素酸、過臭素酸、次ヨウ素酸、亜ヨウ素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、次亜フッ素酸やこれらの塩などを挙げることができる。
金属酸化物としては、酸化マンガン、酸化鉛、酸化銅、酸化銀、酸化オスミウムなどを挙げることができる。
ハロゲン化金属化合物としては、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化銀、塩化クロム、塩化ジルコニウム、塩化スズ、塩化セリウム、塩化鉄、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化マンガンなどを挙げることができる。
金属ポルフィリン化合物としては、中心金属を有し、置換されていてもよいポルフィリン化合物を挙げることができる。具体的には、テトラベンゾポルフィリン化合物、テトラアザポルフィリン化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物などを挙げることができる。中心金属は、金属ポルフィリン化合物の酸化電位が+0.00V以上となる金属であればよい。中心金属としては、例えば、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mg、Pt、Mn、Ru、Cr、Pdなどを挙げることができる。また、金属に配位子が存在していてもよく、配位子としては公知のものを用いればよい。
ヘキサシアノ金属酸化合物としては、ヘキサシアノ鉄酸塩やその水和物などを挙げることができる。具体的には、ヘキサシアノ鉄酸カリウム、ヘキサシアノ鉄酸ナトリウム、ヘキサシアノ鉄酸アンモニウム、ヘキサシアノ鉄酸銅、ヘキサシアノ鉄酸複塩(ヘキサシアノ鉄酸リチウム・カリウムなど)やこれらの水和物を挙げることができる。
金属硝酸化物としては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸銀、硝酸銅などを挙げることができる。
上記した酸化剤以外にも、前述の「酸化剤」の定義に該当すれば、例えば、有機過酸化物、超原子価ヨウ素化合物、N−オキシド化合物などを用いることもできる。
酸化剤は、その酸化電位が大きい方が処理剤を酸化させやすい。本発明で用いることができる酸化剤は、その酸化電位が+0.00V以上であるが、本発明者らの検討の結果、反応効率を向上させるためには、酸化剤の酸化電位が、+0.50V以上+1.70V以下であることが好ましいことを見出した。この範囲の酸化電位を有する酸化剤としては、塩化鉄(中性〜アルカリ性;+0.77V)、過ヨウ素酸ナトリウム(酸性;+1.20V)、酸化マンガン(中性〜アルカリ性;+1.28V)、過マンガン酸カリウム(酸性;+1.51V)などを挙げることができる。
酸化電位が+0.50V以上の酸化剤を用いることで、より効率的に処理剤を酸化させることができ、反応効率を向上させることができる。
一方、酸化電位が+1.70V超の酸化剤を用いると、反応は進行するものの、酸化作用が大きくなってしまい、処理剤が急激にラジカル化してしまう。この場合、反応系に大過剰のラジカルが存在することになるので、ラジカルの失活反応(近接ラジカル同士のホモカップリング反応など)が起こる。このため、グラフェンと処理剤との反応が阻害され、酸化剤を使用することによる反応効率の向上効果が得られにくくなる場合がある。このような理由から、酸化剤の酸化電位は+1.70V以下であることが好ましい。なかでも、酸化剤の酸化電位は、+1.00V以上+1.60V以下であることがさらに好ましい。
また、触媒作用を有する酸化剤を用いることも好ましい。上記で挙げた酸化剤のうち、Fe、Co、Ni、Cu、Mg、Mn、Cr、及びMoからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の、ハロゲン化金属化合物、金属ポルフィリン化合物、又はヘキサシアノ金属酸化合物などが触媒作用を有する。触媒作用を有する酸化剤は、処理剤の酸化に使用された酸化剤が還元種となった後、反応系内の酸素の作用を受けて酸化種に戻るため、再び酸化剤として使用可能となる。したがって、触媒作用を有する酸化剤を用いると、酸化剤の使用量を低減することができる。触媒作用を有する酸化剤は、価数が変化しやすい金属(2以上の酸化状態をとることができる金属元素)を有するものである。
金属の価数変化の具体例としては、Fe(II、III)、Co(II、III)、Ni(II、III)、Cu(0、I、II)、Mg(0、II)、Mn(II、IV、VII)、Cr(II、III)、Mo(IV、V)などがある。触媒作用が生ずるメカニズムについて、具体例を示して説明する。例えば、3価のFe(Fe(III))を有する酸化剤の場合、処理剤の酸化に酸化種であるFe3+(Fe(III))が使用されて、還元種であるFe2+(Fe(II))が生成する。その後、反応系内の酸素の作用を受けて酸化種であるFe3+(Fe(III))に戻ることで、再び酸化剤として使用可能となる。
本発明の一態様に係る製造方法では、酸化剤を用いる場合であってもその機能が損なわれることがないため、窒素やアルゴンなどの不活性ガスを利用することができる。なぜならば、酸化的ラジカル付加反応は、酸素の授受によってではなく、処理剤の酸化によって行われるからである。なお、不活性ガスを反応系に導入する方法としては、例えば、ボンベからチューブを介して流入させる方法;風船などに捕集しておいたものを針先から出して流入させる方法などがある。
<処理剤の具体例>
下記式(V)で表される処理剤の具体的な構造をS1−1〜S1−27に示す。なお、A1については、上記式(I)の具体例に準じる。
−N=N−A (V)
Figure 2020138879
下記式(VI)で表される処理剤の具体的な構造をS2−1〜S2−27に示す。なお、A1については、上記式(I)の具体例に準じる。
Figure 2020138879
Figure 2020138879
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<分析条件>
(酸化電位)
秤量した酸化剤を、酸化剤の約100倍量(質量基準)の支持電解液(過塩素酸テトラブチルアンモニウムをアセトニトリルに溶解した溶液)に添加したものを試料とした。試料を脱気した後、サイクリックボルタンメトリー測定装置(ビー・エー・エス(株)製)の電極を試料中に差し込んだ。電位を掃引して応答電流を測定し、最初の酸化ピークを酸化剤の酸化電位とした。測定条件は以下のとおりである。
・作用極:グラッシーカーボン
・参照極:銀電極(Ag/Ag+
・対電極:白金
(X線光電子分光法)
修飾グラフェンのエックス線光電子測定はQuantera SXM (アルバック・ファイ(株)製)を使用して測定した。励起X線は、monochromatic Al Kα1,2 線(1486.6eV)であり、X線径は100μm、光電子脱出角度は45°である。
未修飾グラフェンをrefとし、修飾グラフェンの各元素の組成比より、修飾量は下記計算式を用いて算出した。
Figure 2020138879
<修飾グラフェンの製造>
以下の製造方法に関する記載における「mmol/g」は、修飾グラフェン1.0g当たりのミリモル数を意味するものとする。
(実施例1)
下記の材料を容量400mLのベッセル(アイメックス(株)製)に入れて混合した。
・グラフェン(商品名:xGnP−M5、(株)ニューメタルス エンド ケミカルス コーポレーション製):18.0g
・イオン交換水:162mL
・DMF(N,N−ジメチルホルムアミド):18mL
・処理剤(化合物(1)、住化テクノサービス(株)製):1.0mmol/g
・酸化剤(過マンガン酸カリウム、酸化電位+1.51):0.5mmol/g
8mol/Lの水酸化カリウム水溶液を入れて液体のpHを7に調整し、温度25℃、回転数2,000rpmで48時間撹拌した。その後、8mol/Lの水酸化カリウム水溶液を入れて液体のpHを10に調整して分散液を得た。得られた分散液を、回転数5,000rpmで遠心分離を10分間行い、上澄みと粗大粒子を除去し、上澄み液の電気伝導度が10μS/cm以下となるよう精製し、修飾グラフェン1を得た。
修飾グラフェン1をフリーズドドライ法で乾燥させ、得られた紛体のX線光電子分光測定を行い、計算式1に従い修飾量を見積もった。
修飾グラエフェン1の修飾量:0.125mmol/g
原料として使用した未修飾グラフェンの元素組成量:表1の上段に示す値
修飾グラフェンの元素組成量:表1の下段に示す値
Figure 2020138879
(実施例2〜40)
処理剤を表2Aに示す化合物2〜40(住化テクノサービス(株)製)に変更したこと以外は、前述の実施例1と同様にして修飾グラフェン2〜40を得た。
修飾量は表2Aに示したとおりであった。
(実施例41〜80)
処理剤を表2Bに示す化合物41〜80(住化テクノサービス(株)製)に変更したこと以外は、前述の実施例1と同様にして修飾グラフェン41〜80を得た。
修飾量は表2Bに示したとおりであった。
(実施例81〜120)
処理剤を表2Cに示す化合物81〜120(住化テクノサービス(株)製)に変更したこと以外は、前述の実施例1と同様にして修飾グラフェン81〜120を得た。
修飾量は表2Cに示したとおりであった。
(実施例121〜150)
処理剤を表2Dに示す化合物121〜150(住化テクノサービス(株)製)に変更したこと以外は、前述の実施例1と同様にして修飾グラフェン121〜150を得た。
修飾量は表2Dに示したとおりであった。
(比較例1)
酸化グラフェン(商品名:GO、(株)ニューメタルス エンド ケミカルス コーポレーション製)を比較化合物1とした。
(比較例2)
処理剤として4−アミノ安息香酸を用いて、特許文献3に記載の下記の製造方法で得られた修飾グラフェンを比較化合物2とした。
修飾量は0.171mmol/gであった。
下記の材料を容量400mLのベッセル(アイメックス製)に入れて混合した。
・グラフェン(商品名:xGnP−M5、(株)ニューメタルス エンド ケミカルス コーポレーション):18.0g
・イオン交換水:162mL
・4−アミノ安息香酸(東京化成工業(株)):1.0mmol/g
・亜硝酸ナトリウム(東京化成工業(株)):1.0mmol/g
温度25℃、回転数2,000rpmで12時間撹拌した。その後、8mol/Lの水酸化カリウム水溶液を入れて液体のpHを10に調整して分散液を得た。得られた分散液を、回転数5,000rpmで遠心分離を10分間行い、上澄みと粗大粒子を除去し、上澄み液の電気伝導度が10μS/cm以下となるよう精製し、修飾グラフェン分散体を得た。次いで、該修飾グラフェン分散体をフリーズドドライ法で乾燥した。
[修飾グラフェンの欠陥濃度評価]
ラマン分光分析は以下の装置、条件により行った。
測定装置:顕微ラマン(日本分光NRS−4100)
測定条件:532nmレーザー使用、レーザー強度0.3mW、対物レンズ20倍、露光時間60秒、積算2回(分解能=7cm−1
グラフェン構造が存在する場合は、グラファイト構造(sp結合)に由来のGバンド(1590cm−1付近)と、欠陥由来のDバンド(1350cm−1付近)が観察される。Gバンドの強度が高くシャープであり、かつ、Dバンドの強度が低いほど、より欠陥が少ないグラフェンといえる。欠陥濃度の評価は下記式を用いて行った。
G/D比=g/d
g:Gバンド強度
d:Dバンド強度
評価基準は以下のとおりである。
Aランク:0.95≦G/D比
Bランク:0.80≦G/D比<0.95
Cランク:G/D比<0.80
以上の結果を表2A〜2Dに示す。
Figure 2020138879
Figure 2020138879
Figure 2020138879
Figure 2020138879
(修飾グラフェンの樹脂複合体の作製方法)
本発明の一態様に係る修飾グラフェンを配合した樹脂シートを、下記作製法1または作製法2のいずれかを用いて作製した。さらに、得られたシートの導電性評価および熱伝導性評価を実施した。
また、酸化グラフェン(比較化合物1)を配合した樹脂シートと、特許文献3に記載の製造方法で製造した修飾グラフェン(比較化合物2)を配合した樹脂シートとを作製し、同様の評価を行った。
上記作製法1と作製法2について下記に述べる。作製法1はシリコーン樹脂を用いたシートに関する方法、作製法2はウレタン樹脂を用いたシートに関する方法である。
[作製法1]
ビニル末端ポリシロキサンDMS−V31(重量平均分子量(Mw):28,000、アヅマックス(株))100部、水素末端ポリシロキサンHMS−301(アヅマックス(株))5部、及び修飾グラフェン(又は比較化合物)60部をヘラで混合した。
次いで、自転公転ミキサー(NR−50,(株)シンキー製)で2分間混練し、1分間脱泡した。これに、白金触媒0.8部を加えてヘラで練り込み、次いで自転公転ミキサー(NR−50,(株)シンキー製)で2分間混練し、1分間脱泡した。得られた混合物を金属板上にバーコーターを用いて塗布し、100℃の恒温室に2時間静置して硬化させ、下記のシリコーン樹脂シートを得た。
・シリコーン樹脂シート
・・厚さ:200±10μm
・・修飾グラフェン(又は比較化合物)の配合量:20vol%
配合量は、修飾グラフェンの密度を2.2g/cm、それ以外の材料の密度を0.97g/cmとして算出した。
[作製法2]
結着樹脂としてポリウレタンUR4800(重量平均分子量(Mw):4,800、東洋紡(株))100部、修飾グラフェン(又は比較化合物)43部、任意量のTHF(テトラヒドロフラン,キシダ化学(株)製)を混合し、超音波を加えながら1時間攪拌して分散液を調製した。
得られた混合物を金属板上にバーコーダーを用いて塗布し、40℃の恒温乾燥機内で乾燥した。次いで、乾燥体を金属板から剥がし、小型熱プレス機(アズワン(株)製)で150℃−0.5kgf/mの加熱加圧を3分間行い、下記のウレタン樹脂シートを得た。
・ウレタン樹脂シート
・・厚さ:200±10μm
・・修飾グラフェン(又は比較化合物)の配合量:20vol%
配合量は、修飾グラフェンの密度を2.2g/cm、ウレタン樹脂の密度を1.28g/cmとして算出した。
[実施例201〜248]
表2、3に記載した修飾グラフェンを使用し、作製法1に準拠して、修飾グラフェン配合シリコーン樹脂シートを作製した。さらに、該シートを所定のサンプル形状に切り出して、導電性評価および熱伝導性評価を実施し、評価結果を表3に記載した。
[実施例249]
ビニル末端ポリシロキサンDMS-V31の代わりにDMS-V41(重量平均分子量(Mw):50,000、アヅマックス(株))を使用し、修飾グラフェン124を使用し、かつ作製法1に準拠して、修飾グラフェン配合シリコーン樹脂シートを作製した。さらに、該シートを所定のサンプル形状に切り出して、導電性評価および熱伝導性評価を実施し、結果を表3に記載した。
[実施例250]
ビニル末端ポリシロキサンDMS-V31の代わりにDMS-V46(重量平均分子量(Mw):117,000、アヅマックス(株))を使用し、修飾グラフェン128を使用し、かつ作製法1に準拠して、修飾グラフェン配合シリコーン樹脂シートを作製した。さらに、該シートを所定のサンプル形状に切り出して、導電性評価および熱伝導性評価を実施し、結果を表3に記載した。
[実施例251〜実施例260]
表1に記載した修飾グラフェンを使用し、作製法2に準拠して、修飾グラフェン配合ウレタン樹脂シートを作製した。さらに、該シートを所定のサンプル形状に切り出して、導電性評価および熱伝導性評価を実施し、評価結果および使用した修飾グラフェンを表3に記載した。
[比較例]
比較する化合物を下記に示す。
比較化合物1:酸化グラフェン(商品名:GO、(株)ニューメタルス エンド ケミカルス コーポレーション製)
比較化合物2:特許文献3に記載の製造方法に準拠して製造した修飾グラフェン
[比較例201]
比較化合物1を使用し、作製法1に準拠して、酸化グラフェン配合シリコーン樹脂シートを作製した。さらに、該シートを所定のサンプル形状に切り出して、導電性評価および熱伝導性評価を実施し、結果を表3に記載した。
[比較例202]
比較化合物2を使用し、作製法1に準拠して、比較化合物2配合シリコーン樹脂シートを作製した。さらに、該シートを所定のサンプル形状に切り出して、導電性評価および熱伝導性評価を実施し、結果を表3に記載した。
(評価)
[導電性評価]
導電性は、樹脂シートサンプルの表面電気抵抗率(Ω/□)で評価した。表面電気抵抗値をJIS K 7194「導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法」に準拠して測定し、該測定値を用いて以下のようにAランク〜Cランクに分類した。一般的に導電性部材の表面抵抗率は1×10Ω/□未満であり、それ以上は静電気拡散性部材(1×10Ω/□以上〜1×10Ω/□未満)または帯電防止部材(1×10Ω/□以上〜1×1012Ω/□未満)であることが知られている。このため、本発明では導電性部材として許容するランク、すなわちAランクの樹脂シートサンプルのみを許容できるランクとした。
[評価ランク]
Aランク・・・ 10kΩ/□≦表面電気抵抗率<100kΩ/□
Bランク・・・ 100kΩ/□≦表面電気抵抗率<1000kΩ/□
Cランク・・・1000kΩ/□≦表面電気抵抗率
[熱伝導性評価]
熱伝導性は、樹脂シートサンプル(厚さ200±10μm)の厚さ方向の熱伝導率で評価した。
まず、作製した樹脂シートを縦×横=6mm×11mmの大きさに切り出した。これを樹脂シートサンプルとして温度波熱分析法(アルバック理工製,FTC−1)で、厚さ方向の熱拡散率αを測定した。熱伝導率λは、λ=α×Cp×ρの式から、上記の測定で求めた熱拡散率αに、比熱Cp(重量分率平均)と密度ρ(体積分率平均)とを掛けて算出した。なお、密度は水中置換法,比熱は示差走査熱量計(PYRIS Diamond DSC−7,DSC,Perkin Elmer 製)を用いて測定した。計算に必要な比熱Cpおよび密度ρは以下のとおりである。
得られた熱伝導率の値を用いて以下のようにAランク〜Cランクに分類した。一般的に、厚さ方向の熱伝導率1Wm−1−1以上であると高性能な熱伝導部材として認知されているため、Aランクの樹脂シートサンプルのみを許容できるランクとした。
[評価ランク]
Aランク・・・1Wm−1−1≦熱伝導率
Bランク・・・0.5Wm−1−1≦熱伝導率<1Wm−1−1
Cランク・・・熱伝導率<0.5Wm−1−1
[計算に用いた各材料の密度と比熱]
・シリコーン樹脂の密度ρ:0.97g/cm
・ウレタン樹脂の密度ρ:1.28g/cm
・修飾グラフェンおよび比較化合物2の密度ρ:2.2g/cm
・酸化グラフェンの密度ρ:2.1g/cm
・シリコーン樹脂の比熱Cp:1600J/kgK
・ウレタン樹脂の比熱Cp:1900J/kgK
・修飾グラフェンまたは比較化合物2の比熱Cp:710J/kgK
・酸化グラフェンの比熱Cp:700J/kgK
以上の結果を表3に示す。
Figure 2020138879
Figure 2020138879
<修飾グラフェン分散体の製造>
以下に記載する方法で、本発明の一態様に係る修飾グラフェン分散体および比較用グラフェン分散体を製造した。
[実施例301:修飾グラフェン分散体の製造例301]
修飾グラフェン53を100部、分散媒体として、トルエン350部、酢酸エチル350部、2−ブタノン300部、ガラスビーズ(直径1mm)750部を混合し、アトライター[日本コークス工業(株)製]を用いて3時間分散させた。その後、メッシュで濾過して本発明の一態様に係る修飾グラフェン分散体をそれぞれ得た。
[実施例302〜306:修飾グラフェン分散体の製造例302〜306]
修飾グラフェン53を表4に示す修飾グラフェンに変更した以外は、グラフェン分散体の製造例301と同様の操作で、修飾グラフェン分散体を得た。
[実施例307:修飾グラフェン分散体の製造例307]
修飾グラフェン53を修飾グラフェン17に変更し、かつ分散媒体を水1000部に変更した以外は、グラフェン分散体の製造例301と同様の操作で、修飾グラフェン分散体を得た。
[実施例308:修飾グラフェン分散体の製造例308]
修飾グラフェン17を修飾グラフェン71に変更し以外は、グラフェン分散体の製造例307と同様の操作で、修飾グラフェン分散体を得た。
[比較例301:比較用グラフェン分散体の製造例301]
修飾グラフェン53を比較化合物1に変更した以外は、グラフェン分散体の製造例301と同様の操作で、修飾グラフェン分散体を得た。
[比較例302:比較用グラフェン分散体の製造例302]
修飾グラフェン17を比較化合物2に変更した以外は、グラフェン分散体の製造例307と同様の操作で、修飾グラフェン分散体を得た。
[比較例303:比較用グラフェン分散体の製造例303]
修飾グラフェン53を未処理のグラフェンである、比較化合物3に変更した以外は、グラフェン分散体の製造例301と同様の操作で、修飾グラフェン分散体を得た。
<評価>
<サンプル作製>
修飾グラフェン分散体および比較用グラフェン分散体をバーコート法(バーコーターの番線の番号 No.10)により、PETフィルムに塗布して、一晩減圧乾燥することでサンプルを作製した。得られたサンプルについて、上記の導電性評価方法を用いて評価を行った。
以上の結果を表4に示す。
Figure 2020138879

Claims (16)

  1. 修飾グラフェンであって、
    下記式(I)で示される構造を有し、
    ラマン分光スペクトルにおけるGバンドの強度gとDバンドの強度dとの比率(g/d)が、1以上であることを特徴とする修飾グラフェン:
    Gr1−Ar1−X1−(Y1)n1 (I)
    (前記式(I)中、
    Gr1は単層グラフェンまたは多層グラフェンであり、
    Ar1は炭素数6〜18のアリーレン基であり、
    X1は、
    単結合、
    炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基、または、
    炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、−O−、−NH−、
    Figure 2020138879
    −CO−、−COO−、−CONH−、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基であり、
    Y1は、
    X1が単結合である場合、Ar1中の少なくとも1つの炭素原子に結合する原子もしくは基であり、
    X1が炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基である場合は該アルキレン基中の炭素原子に結合する原子もしくは基であり、または、
    X1が炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、−O−、−NH−、
    Figure 2020138879
    −CO−、−COO−、−CONH−、アリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基である場合は、該基中の炭素原子に結合する原子または基であって、
    該Y1は、
    水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、
    炭素数1〜6のフルオロアルキル基、
    シアノ基、ニトロ基、アシル基、アミド基、ビニル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、リン酸基、
    炭素数3〜6のアルキルシリル基、
    炭素数3〜6のアルキルシリルエーテル基、及び
    シロキサン基
    からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基であり、
    n1は1以上の整数を表し、n1が2以上の場合、該Y1は互いに同じ基であっても、異なる基であっても良い。)
  2. 前記式(I)のAr1がフェニレン基、ビフェニレン基、トリフェニレン基、又はナフタレン基であり、X1が単結合であり、Y1がカルボン酸基であり、n1が1〜6である請求項1に記載の修飾グラフェン。
  3. 前記式(I)のAr1がフェニレン基であり、X1が炭素数1〜20の分岐鎖状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、
    Figure 2020138879
    または−CONH−で置き換えた基であり、Y1がリン酸基であり、n1が1〜4である請求項1に記載の修飾グラフェン。
  4. 前記式(I)のAr1がフェニレン基であり、X1が単結合であり、Y1がニトロ基であり、n1が1〜3である請求項1に記載の修飾グラフェン。
  5. 前記式(I)のAr1がフェニレン基であり、X1が炭素数1〜20の分岐鎖状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、
    Figure 2020138879
    −CO−または−CONH−で置き換えた基であり、Y1が水素原子またはビニル基であり、n1が1〜3である請求項1に記載の修飾グラフェン。
  6. 前記式(I)のシロキサン基が、下記式(II)〜(IV)からなる群から選択される少なくとも1つである請求項1に記載の修飾グラフェン:
    Figure 2020138879
    (式(II)〜(IV)中、R〜R23はそれぞれ独立にアルキル基、アミノ基、ビニル基、アクリル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸基、ヒドロキシル基、又はアリール基を表し、L1は1〜6の整数を表し、L2、(L3+L4)は0〜650の数である。)
  7. 前記式(I)中のY1が基である場合、修飾グラフェン1gに対する該基のモル数が、0.10mmol以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載の修飾グラフェン。
  8. 前記式(I)中のY1が基である場合、修飾グラフェン1gに対する該基のモル数が、0.10mmol以上、1.20mmol以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載の修飾グラフェン。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の修飾グラフェンを製造する方法であって、
    下記式(V)〜(VII)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の処理剤をグラフェンに反応させて、A1で表される基をグラフェンに化学結合させることを特徴とする修飾グラフェンの製造方法:
    Figure 2020138879
    (式(V)中、
    は、シアノ基;又はエステル基、エーテル基、チオエーテル基、ケトン基、及びスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基と、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基と、が結合した原子団を表し、
    A1は−Ar1−X1−(Y1)n1で表される基である。
    式(VI)中、
    は、シアノ基;又はエステル基、エーテル基、チオエーテル基、ケトン基、及びスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基と、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基と、が結合した原子団を表し、
    A1は−Ar1−X1−(Y1)n1で表される基である。
    式(VII)中、
    A1は−Ar1−X1−(Y1)n1で表される基である。
    上記Ar1は炭素数6〜18のアリーレン基であり、
    X1は、
    単結合、
    炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基、または、
    炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、−O−、−NH−、
    Figure 2020138879
    −CO−、−COO−、−CONH−、及びアリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基であり、
    Y1は、
    X1が単結合である場合は、Ar1中の少なくとも1つの炭素原子に結合する原子もしくは基であり、
    X1が炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基である場合は、該アルキレン基中の炭素原子に結合する原子もしくは基であり、または、
    X1が炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基中の少なくとも1つの炭素原子を、−O−、−NH−、
    Figure 2020138879
    −CO−、−COO−、−CONH−、アリーレン基からなる群から選択される少なくとも1つの構造で置き換えた基である場合は、該基中の炭素原子に結合する原子または基であって、
    該Y1は、
    水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、
    炭素数1〜6のフルオロアルキル基、
    シアノ基、ニトロ基、アシル基、アミド基、ビニル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、リン酸基、
    炭素数3〜6のアルキルシリル基、
    炭素数3〜6のアルキルシリルエーテル基、及び
    シロキサン基
    からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基であり、
    n1は1以上の整数を表し、n1が2以上の場合、該Y1は互いに同じ基であっても、異なる基であっても良い。)
  10. 前記処理剤を、酸化剤の存在下で前記グラフェンに反応させる請求項9に記載の修飾グラフェンの製造方法。
  11. 前記処理剤が、前記式(V)中のP、前記式(VI)中のP、で表される化合物のうちの少なくとも1種が、シアノ基;又はエステル基、エーテル基、及びスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基と、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基と、が結合した原子団を有する請求項9又は10に記載の修飾グラフェンの製造方法。
  12. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の修飾グラフェンと樹脂とを含むことを特徴とする修飾グラフェン樹脂複合体。
  13. 前記樹脂の重量平均分子量が50,000以下である請求項12に記載の修飾グラフェン樹脂複合体。
  14. 請求項12又は13に記載の修飾グラフェン樹脂複合体を硬化または成型してなることを特徴とする修飾グラフェンシート。
  15. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の修飾グラフェンと水または有機溶媒とを含むことを特徴とする修飾グラフェン分散体。
  16. 請求項15に記載の修飾グラフェン分散体を含むことを特徴とする導電性インク。

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