JP7448626B1 - 窒化物半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光出力を向上させることができる窒化物半導体発光素子の製造方法を提供する。【解決手段】窒化物半導体発光素子の製造方法は、チャンバ内において、基板上にn型クラッド層と複数の井戸層を有する多重量子井戸構造の活性層とを成膜する工程を備える。活性層を成膜する工程においては、チャンバ内にシリコン源が供給されない。複数の井戸層のうちn型クラッド層側から2番目に位置する井戸層を第2井戸層としたとき、n型クラッド層と活性層とが積層される積層方向のシリコン濃度の分布において第2井戸層の形成範囲にピークが表れるとともに、ピークの頂点のシリコン濃度S2が1.49×1018atoms/cm3以上4.96×1018atoms/cm3以下となるよう、n型クラッド層の成膜後、活性層の成膜前にチャンバ内にシリコン源を供給する工程を更に有する。【選択図】図4

Description

本発明は、窒化物半導体発光素子の製造方法に関する。
特許文献1には、複数の井戸層を含む多重量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)を有する窒化物半導体発光素子が開示されている。特許文献1に記載の窒化物半導体発光素子においては、n型クラッド層と障壁層との間にシリコンを含んだトリガ層が形成されており、これにより発光出力を向上させようとしている。
特開2019-54122号公報
特許文献1に記載の窒化物半導体発光素子においては、更なる発光出力の向上の観点から改善の余地がある。
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、発光出力を向上させることができる窒化物半導体発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記の目的を達成するため、チャンバ内において、基板上にn型クラッド層と複数の井戸層を有する多重量子井戸構造の活性層とを成膜する工程を備え、前記活性層を成膜する工程においては、前記チャンバ内にシリコン源が供給されず、前記複数の井戸層のうち前記n型クラッド層側から2番目に位置する井戸層を第2井戸層としたとき、前記n型クラッド層と前記活性層とが積層される積層方向のシリコン濃度の分布において前記第2井戸層の形成範囲にピークが表れるとともに、前記ピークの頂点のシリコン濃度が1.49×1018atoms/cm以上4.96×1018atoms/cm以下となるよう、前記n型クラッド層の成膜後、前記活性層の成膜前に前記チャンバ内にシリコン源を供給する工程を更に有する、窒化物半導体発光素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、発光出力を向上させることができる窒化物半導体発光素子の製造方法を提供することが可能となる。
実施の形態における、窒化物半導体発光素子の構成を概略的に示す模式図である。 実施の形態における、窒化物半導体発光素子のシリコン濃度分布及びAl二次イオン強度分布を表すグラフである。 図2の第2ピーク付近を拡大した図である。 図2とは異なるシリコン濃度分布の第2ピーク付近を拡大した図である。 実験例1における、第2ピークシリコン濃度と発光出力との関係を示すグラフである。 実験例1における、第1ピークシリコン濃度S1/第2ピークシリコン濃度S2と発光出力との関係を示すグラフである。 実験例2における、シリコン源供給工程におけるシリコン供給量と発光出力との関係を示すグラフである。
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、図1乃至図3を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
(窒化物半導体発光素子1)
図1は、窒化物半導体発光素子1の構成を概略的に示す模式図である。なお、図1において、窒化物半導体発光素子1(以下、単に「発光素子1」ともいう。)の各層の積層方向の寸法比は、必ずしも実際のものと一致するものではない。以後、発光素子1の各層の積層方向を単に積層方向という。また、積層方向の一方側であって、基板2における各半導体層が成長される側(例えば図1の上側)を上側とし、その反対側(例えば図1の下側)を下側とする。なお、上下の表現は便宜的なものであり、例えば発光素子1の使用時における、鉛直方向に対する発光素子1の姿勢を限定するものではない。
発光素子1は、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)又は半導体レーザ(LD:Laser Diode)を構成するものである。本形態において、発光素子1は、紫外領域の波長の光を発する発光ダイオードを構成するものである。特に、本形態の発光素子1は、中心波長が240nm以上365nm以下の紫外光を発する。発光素子1は、例えば殺菌(例えば空気浄化、浄水等)、医療(例えば光線治療、計測・分析等)、UVキュアリング等の分野において用いることができる。
発光素子1は、基板2上に、バッファ層3、n型クラッド層4、組成傾斜層5、活性層6、電子ブロック層7、及びp型半導体層8を順次備える。また、発光素子1は、n型クラッド層4上に設けられたn側電極11と、p型半導体層8上に設けられたp側電極12とを備える。
発光素子1を構成する半導体としては、例えば、AlGaIn1-a-bN(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)にて表される2~4元系のIII族窒化物半導体を用いることができる。本形態においては、発光素子1を構成する半導体として、AlGa1-cN(0≦c≦1)にて表される2元系又は3元系のIII族窒化物半導体を用いている。これらのIII族元素の一部は、ホウ素(B)、タリウム(Tl)等に置き換えてもよい。また、窒素の一部をリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等で置き換えてもよい。
基板2は、活性層6が発する光を透過する材料からなる。基板2は、例えばサファイア(Al)基板である。基板2の上面(すなわち発光素子1の各半導体層が積層される側の面)は、c面である。このc面は、オフ角を有するものであってもよい。また、基板2として、例えば窒化アルミニウム(AlN)基板又は窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)基板等を用いてもよい。
バッファ層3は、基板2上に形成されている。本形態において、バッファ層3は、窒化アルミニウムにより形成されている。なお、基板2が窒化アルミニウム基板又は窒化アルミニウムガリウム基板である場合、バッファ層3は必ずしも設けなくてもよい。また、バッファ層3は、窒化アルミニウムからなる半導体層の上に形成された、アンドープのAlGa1-pN(0≦p≦1)からなる半導体層を含んでいてもよい。
n型クラッド層4は、バッファ層3上に形成されている。n型クラッド層4は、例えば、n型不純物がドープされたAlGa1-qN(0≦q≦1)により形成されている。本形態において、n型不純物としては、シリコン(Si)を用いた。なお、n型不純物としては、ゲルマニウム(Ge)、セレン(Se)又はテルル(Te)等を用いてもよい。n型クラッド層4のAl組成比qは、例えば20%以上とすることが好ましく、25%以上70%以下とすることが更に好ましい。なお、Al組成比は、AlNモル分率とも称される。n型クラッド層4の膜厚は、例えば1μm以上4μm以下とすることができる。本形態において、n型クラッド層4は、単層構造であるが、複数層構造としてもよい。
組成傾斜層5は、n型クラッド層4上に形成されている。組成傾斜層5は、シリコンがドープされたAlGa1-rN(0≦r≦1)からなる。組成傾斜層5の積層方向の各位置におけるAl組成比は、活性層6側の位置程大きくなっている。なお、組成傾斜層5は、例えば積層方向の極一部の領域(例えば組成傾斜層5の積層方向の全体の5%以下の領域)に、活性層6側に向かうにつれてAl組成比が大きくならない領域を含んでいてもよい。
組成傾斜層5は、そのn型クラッド層4側の端部のAl組成比が、n型クラッド層4における組成傾斜層5側の端部のAl組成比と略同一(例えば差が5%以内)であることが好ましい。また、組成傾斜層5は、その活性層6側の端部のAl組成比が、活性層6における組成傾斜層5側の端部のAl組成比と略同一(例えば差が5%以内)であることが好ましい。組成傾斜層5の膜厚は、例えば5nm以上50nm以下とすることができる。
活性層6は、組成傾斜層5上に形成されている。活性層6は、複数の井戸層621~623を有する多重量子井戸構造である。活性層6は、中心波長が240nm以上365nm以下の紫外光を発することができるよう、バンドギャップが調整されている。本形態のように、活性層6が多重量子井戸構造である場合、発光出力の向上の観点から、活性層6が発する紫外光の中心波長は、250nm以上300nm以下が好ましく、260nm以上290nm以下がより好ましい。
本形態において、活性層6は、障壁層61と井戸層621~623とを3つずつ有し、障壁層61と井戸層621~623とが交互に積層されている。活性層6においては、組成傾斜層5側の端部に障壁層61が位置しており、電子ブロック層7側の端部に井戸層623が位置している。なお、活性層6の障壁層の数及び井戸層621~623の数は、井戸層が複数存在してれば特に限定されない。
各障壁層61は、AlGa1-sN(0<s≦1)により形成されている。各障壁層61のAl組成比は、例えば75%以上95%以下である。また、各障壁層61の膜厚は、例えば2nm以上50nm以下である。
井戸層621~623は、AlGa1-tN(0<t<1)により形成されている。各井戸層621~623のAl組成比tは、障壁層61のAl組成比sよりも小さい(すなわちt<s)。
3つの井戸層621~623を、組成傾斜層5側から順に第1井戸層621、第2井戸層622、第3井戸層623と呼ぶこととする。第1井戸層621の膜厚は、第2井戸層622及び第3井戸層623のそれぞれの膜厚よりも1nm以上大きく、かつ、第1井戸層621のAl組成比は、第2井戸層622及び第3井戸層623のそれぞれのAl組成比よりも2%以上大きい。
第1井戸層621のAl組成比を、第2井戸層622及び第3井戸層623のそれぞれのAl組成比よりも大きくすることにより、第1井戸層621の結晶性が向上する。これは、第1井戸層621とn型クラッド層4とのAl組成比の差が小さくなるためである。第1井戸層621の結晶性が向上することにより、活性層6のうちの第1井戸層621上に形成される各層の結晶性も向上する。これにより、活性層6におけるキャリアの移動度が向上し、発光出力が向上する。かかる効果は、第1井戸層621の膜厚が大きくなるほど顕著であるが、発光素子1全体の電気抵抗値が増加することを抑制する観点から第1井戸層621の膜厚は所定値以下となるよう設計される。
第1井戸層621の膜厚と第2井戸層622及び第3井戸層623のそれぞれの膜厚の差は、2nm以上4nm以下とすることが好ましい。本形態において、第2井戸層622及び第3井戸層623のそれぞれは、2nm以上4nm以下の膜厚を有し、第1井戸層621は、4nm以上6nm以下の膜厚を有する。
第2井戸層622のAl組成比は、第1井戸層621のAl組成比よりも5%以上低いことが好ましい。本形態において、第2井戸層622及び第3井戸層623のそれぞれは、25%以上45%以下のAl組成比を有し、第1井戸層621は、35%以上55%以下のAl組成比を有する。複数の井戸層621~623は、例えば組成傾斜層5側のものほどAl組成比が大きくなるよう構成されていてもよい。
活性層6の各層には、シリコンが含まれている。後述するように、本形態においては活性層6の成膜中にシリコン源は供給されず、活性層6の各層に存在するシリコンは、発光素子1の活性層6よりも基板側から拡散されたものである。各障壁層61のシリコン濃度は、組成傾斜層5に近い側の層ほど大きくなり、同様に、各井戸層621~623のシリコン濃度は、組成傾斜層5に近い側の層ほど大きくなる。活性層6中のシリコンは、活性層6の積層方向の各位置のうちのAl組成比が小さい位置に特に取り込まれやすい。
図2に、本形態における発光素子1のシリコン濃度分布及びAl二次イオン強度分布の一例を表している。以後、シリコン濃度分布といったときは、積層方向における発光素子1のシリコン濃度の分布を意味するものとし、Al二次イオン強度分布といったときは、積層方向における発光素子1のAl二次イオン強度の分布を意味するものとする。図2におけるシリコン濃度及びAl二次イオン強度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)を用いて得られたものである。
シリコン濃度分布において、第2井戸層622の形成範囲には、山状の分布であるピークが表れる。以後、シリコン濃度分布において第2井戸層622の形成範囲に表れるピークを第2ピークP2という。前述のごとく、活性層6のうちAl組成比が小さい位置にシリコンが取り込まれやすいところ、Al二次イオン強度分布においては第2井戸層622の形成範囲に下向きのピークが見え、この下向きのピークの頂点位置(すなわちAl組成比が比較的小さい領域)近傍に第2ピークP2が表れる傾向がある。
第2ピークP2の互いに異なる例を、図3A及び図3Bに示している。図3Aは、図2の第2ピークP2付近を拡大した図である。第2ピークP2の頂点におけるシリコン濃度を、第2ピークシリコン濃度S2という。第2ピークP2の頂点とは、第2ピークP2を構成する各点のうち、第2ピークP2の両端同士を結ぶベースラインL(図3A及び図3Bの二点鎖線参照)からの高さ(すなわち図3A及び図3Bの上下方向の両向き矢印の長さ)が最も高い点を意味するものとする。シリコン濃度分布において第2井戸層622の形成範囲に複数のピークが表れる場合、ピークの頂点におけるシリコン濃度が最も高いピークを第2ピークP2とする。
第2ピークシリコン濃度S2は、1.49×1018atoms/cm以上4.96×1018atoms/cm以下であり、1.49×1018atoms/cm以上3.00×1018atoms/cm以下とすることがより好ましい。後述する実験例1にて示すように、第2ピークシリコン濃度S2を前述の範囲にすることで、発光素子1の発光出力が向上する。
また、シリコン濃度分布において、第1井戸層621の形成範囲にもピークが形成される。以後、シリコン濃度分布において第1井戸層621の形成範囲に表れるピークを第1ピークP1という。また、第1ピークP1の頂点におけるシリコン濃度を、第1ピークシリコン濃度S1という。第1ピークP1の頂点とは、第1ピークP1を構成する各点のうち、第1ピークP1の両端同士を結ぶベースラインからの高さが最も高い点を意味するものとする。シリコン濃度分布において第1井戸層621の形成範囲に複数のピークが表れる場合、ピークの頂点におけるシリコン濃度が最も高いピークを第1ピークP1とする。
発光素子1の発光出力の向上の観点から、第1ピークシリコン濃度S1は、第2ピークシリコン濃度S2の7.7倍以上であることが好ましく、8.7倍以上30.7倍以下であることがより好ましい。
後述するように、組成傾斜層5の成膜と活性層6の成膜との間において、チャンバ内に原料ガスとしてシリコン源のみが供給されるシリコン源供給工程が実施される。このとき、組成傾斜層5の転位が存在する箇所にシリコン源が供給されることで、半導体層の母相の成長モードが変わり、活性層6に図示しないピット(例えばいわゆるVピット)が形成される。活性層6中にピットが形成されることで、ピットを介してp型半導体層8から活性層6へ正孔が供給されやすくなる結果、発光素子1の発光出力が向上するものと考えられる。
電子ブロック層7は、活性層6上に形成されている。電子ブロック層7は、活性層6からp型半導体層8側へ電子がリークするオーバーフロー現象の発生を抑制すること(以後、電子ブロック効果ともいう)によって活性層6への電子注入効率を向上させる役割を有する。電子ブロック層7は、活性層6側から順に、第1層71と第2層72とを積層した積層構造を有する。
第1層71は、活性層6上に設けられている。第1層71は、例えばAlGa1-uN(0<u≦1)からなる。第1層71のAl組成比uは、例えば90%以上であり、100%としてもよい(すなわち第1層71をAlNにて構成してもよい)。第1層71の膜厚は、例えば0.5nm以上5.0nm以下である。
第2層72は、例えばAlGa1-vN(0<v<1)からなる。第2層72のAl組成比vは、第1層71のAl組成比tよりも小さく(すなわちv<t)、例えば70%以上90%以下である。第2層72の膜厚は、第1層71の膜厚よりも大きく、例えば15nm以上100nm以下である。
Al組成比が大きい半導体層ほど電気抵抗値が大きくなるため、Al組成比が比較的高い第1層71の膜厚を大きくし過ぎると発光素子1の全体の電気抵抗値の過度な上昇を招く。そのため、第1層71の膜厚はある程度小さくすることが好ましい。一方、第1層71の膜厚を小さくすると、トンネル効果によって電子が第1層71を活性層6側からp型半導体層8側にすり抜ける確率が増大し得る。そこで、本形態の発光素子1においては、第1層71上に第2層72を形成することで、電子ブロック層7の全体を電子がすり抜けることを抑制している。
第1層71及び第2層72のそれぞれは、アンドープの層、n型不純物を含有する層、p型不純物を含有する層、又はn型不純物及びp型不純物の双方を含有する層とすることができる。p型不純物としては、マグネシウム(Mg)を用いることができるが、マグネシウム以外にも、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)又は炭素(C)等を用いてもよい。他のp型不純物を含む半導体層においても同様である。各電子ブロック層7が不純物を含有する場合において、各電子ブロック層7が含有する不純物は、各電子ブロック層7の全体に含まれていてもよいし、各電子ブロック層7の一部に含まれていてもよい。また、電子ブロック層7は、単層にて形成されていてもよいし、3層以上にて形成されていてもよいし、省略されてもよい。
p型半導体層8は、電子ブロック層7上に形成されている。本形態において、p型半導体層8は、p型コンタクト層からなる。p型コンタクト層は、後述するp側電極12が接続された層であり、p型不純物が高濃度にドープされたAlGa1-wN(0≦w<1)により形成されている。p型コンタクト層としてのp型半導体層8は、p側電極12とのオーミックコンタクトを実現すべくAl組成比が低くなるよう構成されており、かかる観点からp型の窒化ガリウム(GaN)により形成することが好ましい。
n側電極11は、n型クラッド層4における活性層6から反基板2側に露出した露出面41に形成されている。n側電極11は、例えば、n型クラッド層4の上にチタン(Ti)、アルミニウム、チタン、金(Au)が順に積層された多層膜とすることができる。また、後述するように発光素子1がフリップチップ実装される場合、n側電極11は、活性層6が発する紫外光を反射可能な材料にて構成されていてもよい。
p側電極12は、p型半導体層8の上面に形成されている。p側電極12は、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)等にて構成することができる。また、後述するように発光素子1がフリップチップ実装される場合、p側電極12は、活性層6が発する紫外光を反射可能な材料にて構成されていてもよい。
発光素子1は、図示しないパッケージ基板にフリップチップ実装されて使用され得る。すなわち、発光素子1は、積層方向におけるn側電極11及びp側電極12が設けられた側をパッケージ基板側に向け、n側電極11及びp側電極12のそれぞれが、金バンプ等を介してパッケージ基板に実装される。フリップチップ実装された発光素子1は、基板2側から光が取り出される。なお、これに限られず、発光素子1は、ワイヤボンディング等によりパッケージ基板に実装されてもよい。また、本形態において、発光素子1は、n側電極11及びp側電極12の双方が発光素子1の反基板2側に設けられた、いわゆる横型の発光素子1としたが、これに限られず、縦型の発光素子であってもよい。縦型の発光素子は、n側電極とp側電極とによって活性層がサンドイッチされた発光素子である。なお、発光素子を縦型とする場合、基板及びバッファ層は、レーザーリフトオフ等により除去することが好ましい。
(窒化物半導体発光素子1の製造方法)
次に、本形態の発光素子1の製造方法の一例につき説明する。
本形態においては、有機金属化学気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)により、円板状の基板2上に、バッファ層3、n型クラッド層4、組成傾斜層5、活性層6、電子ブロック層7及びp型半導体層8を順次エピタキシャル成長させる。すなわち、本形態においては、チャンバ内に配されたサセプタのポケットに円板状の基板2を設置し、基板2上に形成される各半導体層の原料ガスをチャンバ内に導入することによって基板2上に各半導体層が形成される。なお、MOCVD法は、有機金属化学気相エピタキシ法(MOVPE:Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)と呼ばれることもある。
各層をエピタキシャル成長させるための原料ガスとしては、アルミニウム源としてトリメチルアルミニウム(TMA)、ガリウム源としてトリメチルガリウム(TMG)、窒素源としてアンモニア(NH)、シリコン源としてテトラメチルシラン(TMSi)、マグネシウム源としてビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を用いることができる。
本形態の発光素子1の製造方法においては、活性層6の成膜時にチャンバ内にシリコン源は供給されず、n型クラッド層4の成膜後、活性層6の成膜前にチャンバ内にシリコン源が供給される。これにより、組成傾斜層5側から活性層6中にシリコンが拡散され、活性層6中にシリコンが含まれることとなる。
本形態においては、n型クラッド層4の成膜後、活性層6の成膜前のタイミングのうち、組成傾斜層5の成膜時と、活性層6の成膜直前(すなわち組成傾斜層5の成膜後かつ活性層6の成膜前)とにおいて、チャンバ内にシリコン源が供給される。活性層6の成膜直前においては、チャンバ内に原料ガスとしてシリコン源のみが供給され、この工程を以下「シリコン源供給工程」という。シリコン源供給工程においては、原料ガスとしてシリコン源のみがチャンバ内に供給されていればよく、チャンバ内に原料ガス以外のガス(例えば水素等のキャリアガス)が導入されてもよい。
本形態においては、シリコン濃度分布において第2井戸層622の形成範囲に第2ピークP2が表れるとともに、第2ピークシリコン濃度S2が1.49×1018atoms/cm以上4.96×1018atoms/cm以下(好ましくは1.49×1018atoms/cm以上3.00×1018atoms/cm以下)となるよう、n型クラッド層4の成膜後、活性層6の成膜前にチャンバ内にシリコン源が供給される。
第2井戸層622に拡散されるシリコン量は、n型クラッド層4の成膜後、活性層6の成膜前にチャンバ内に供給するシリコン量、活性層6の成長温度、チャンバ内の反応室の空間に面する部位(サセプタ表面及びチャンバの内面等)に堆積した堆積物(デポジション)の厚み等に依存する。例えば、活性層6の成長温度が高いほど、活性層6の各半導体層にシリコンが拡散されやすい傾向がある。そのため、n型クラッド層4の成膜後、活性層6の成膜前にチャンバ内に供給されるシリコン源の供給量は、活性層6の成長温度、堆積物の厚み等が考慮される。
本形態において、n型クラッド層4の成長温度を成長温度T1、組成傾斜層5の成長温度を成長温度T2、シリコン源供給工程の成長温度を成長温度T3、活性層6の成長温度を成長温度T4としたとき、T1>T2≧T3≧T4、又はT1>T2≧T3>T4の関係を満たすことが好ましい。また、成長温度T2,T3は、成長温度T4と同等(例えば10℃以内の差)とすることがより好ましい。これにより、発光出力の向上に適したシリコン量が活性層6に拡散されやすい。例えば、成長温度T1は、1020℃以上1180℃以下、成長温度T2,T3,T4は、1000℃以上1100℃以下とすることができる。
シリコン源供給工程においては、チャンバ内に、0.10μmol/min以上0.40μmol/min以下、好ましくは0.15μmol/min以上0.40μmol/min以下の供給量にてシリコン源が供給される。本工程におけるシリコン供給量を前述の範囲にすることで、後述の実験例2にて示すように発光素子1の発光出力が向上する。その他、ウエハの各半導体層をエピタキシャル成長させるための成長温度、成長圧力、及び成長時間等の製造条件については、各半導体層の構成に応じた一般的な条件とすることができる。
なお、基板2上に各半導体層をエピタキシャル成長させるに際しては、分子線エピタキシ法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)、ハイドライド気相エピタキシ法(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)等の他のエピタキシャル成長法を用いることも可能である。
円板状の基板2上に各半導体層を形成した後、p型半導体層8上の一部、すなわちn型クラッド層4の露出面41になる部分以外の部位にマスクを形成する。そして、マスクを形成していない領域を、p型半導体層8の上面から積層方向のn型クラッド層4の途中までエッチングにより除去する。これにより、n型クラッド層4に、反基板2側に向かって露出する露出面41が形成される。露出面41の形成後、マスクを除去する。
次いで、n型クラッド層4の露出面41上にn側電極11を形成し、p型半導体層8上にp側電極12を形成する。n側電極11及びp側電極12は、例えば、電子ビーム蒸着法やスパッタリング法などの周知の方法により形成してよい。以上により完成したものを、所望の寸法に切り分けることにより、1つのウエハから図1に示すような発光素子1が複数製造される。
(実施の形態の作用及び効果)
本形態の発光素子1の製造方法は、活性層6を成膜する工程において、チャンバ内にシリコン源が供給されない。仮に活性層6の成膜時においてチャンバ内にシリコン源を供給した場合、活性層6の結晶性が低下して製造される発光素子1の発光出力が低くなるため、活性層6の成膜時にシリコン源を供給しない本形態においては製造される発光素子1の発光出力が向上する。さらに、本形態の発光素子1の製造方法は、シリコン濃度分布において第2井戸層622の形成範囲に第2ピークP2が表れるとともに、第2ピークシリコン濃度S2が1.49×1018atoms/cm以上4.96×1018atoms/cm以下となるよう、n型クラッド層4の成膜後、活性層6の成膜前にチャンバ内にシリコン源を供給する工程を有する。これにより、一層発光出力が高い発光素子1を製造可能である。この数値範囲については後述する実験例1にて裏付ける。
また、n型クラッド層4の成膜後、活性層6の成膜前にチャンバ内にシリコン源を供給する工程においては、第2ピークシリコン濃度S2が1.49×1018atoms/cm以上3.00×1018atoms/cm未満となるようチャンバ内にシリコン源が供給される。これにより、発光出力が一層高い発光素子1を製造可能である。この数値範囲については後述する実験例1にて裏付ける。
また、n型クラッド層4の成膜後、活性層6の成膜前にチャンバ内にシリコン源を供給する際の成長温度は、n型クラッド層4の成長温度よりも低く、活性層6の成長温度以上である。これにより、発光素子1の発光出力の向上に適したシリコン量が、組成傾斜層5側から第2井戸層622へ拡散されやすくなる。
また、n型クラッド層4の成膜後、活性層6の成膜前にチャンバ内にシリコン源を供給する工程は、チャンバ内に原料ガスとしてシリコン源のみを供給するシリコン源供給工程を有する。これにより、活性層6にピットが形成されやすくなり、製造される発光素子1の発光出力が向上する。
また、シリコン源供給工程においては、チャンバ内に、0.10μmol/min以上0.40μmol/min以下、好ましくは0.15μmol/min以上0.40μmol/min以下の供給量にてシリコン源が供給される。これにより、製造される発光素子1の発光出力が向上する。この数値範囲については後述する実験例2にて裏付ける。
以上のごとく、本形態によれば、発光出力を向上させることができる窒化物半導体発光素子の製造方法を提供することができる。
[実験例1]
本実験例1は、前記実施の形態にて説明した製造方法にて製造されたウエハについて、第2井戸層の第2ピークシリコン濃度S2の値と発光出力との関係を評価した例である。
本実験例1においては、第2井戸層の第2ピークシリコン濃度S2を種々変更した実施例1~7及び比較例1~7に係るウエハを用意した。実施例1~7及び比較例1~7に係るウエハの製造方法は、特筆する場合を除き、実施の形態と同様である。実施例1~7及び比較例1~7のウエハの各層の膜厚、Al組成比及び成長温度を表1に示す。
Figure 0007448626000002
表1に記載の各層の膜厚は、透過型電子顕微鏡によって測定したものである。また、表1に記載の各層のAl組成比は、二次イオン質量分析法により測定したAlの二次イオン強度から推定した値である。表1における組成傾斜層の欄は、組成傾斜層の積層方向の各位置のAl組成比が、n型クラッド層側から活性層側にかけて、55%から85%まで変動していることを表している。
次に、実施例1~7及び比較例1~7について、第1ピークシリコン濃度S1と、第2ピークシリコン濃度S2と、比率S1/S2とを下記表2に示す。シリコン濃度は、二次イオン質量分析法を用いて得られたものである。また、表2には、実施例1~7及び比較例1~7のそれぞれについて、発光出力と発光波長とを併せて表している。
Figure 0007448626000003
表2から分かるように、実施例1~7は、第2ピークシリコン濃度S2が実施の形態で示した範囲である1.49×1018atoms/cm以上4.96×1018atoms/cm以下を満たす例であり、比較例1~7は、第2ピークシリコン濃度S2が前述の数値範囲を満たさない例である。
実施例1~7及び比較例1~5のそれぞれを製造するにあたっては、シリコン源供給工程におけるシリコン供給量を0.33μmol/minとした。実施例1~7及び比較例1~5において、第2ピークシリコン濃度の値が異なる要因は、例えばチャンバ内に存在する堆積物の厚み等の成膜環境の違いによるものである。また、比較例6,7のそれぞれを製造するにあたっては、組成傾斜層の成膜後に連続して活性層を成膜した。すなわち、比較例6,7のそれぞれを製造するにあたっては、シリコン源供給工程は実施していない。
そして、本実験例1においては、実施例1~7及び比較例1~7のそれぞれのウエハについて、オンウエハの状態で20mAの電流を流したときの発光出力を測定した。発光出力の測定は、実施例1~7及び比較例1~7のそれぞれのウエハの基板側に設置した光検出器によって測定した。また、実施例1~7及び比較例1~7のそれぞれのウエハの発光波長は、概ね280nmに揃えた。
まず、第2ピークシリコン濃度S2と発光出力との関係を図4に示す。図4においては、実施例1~7の結果を丸記号でプロットしており、比較例1~7の結果を四角記号でプロットしている。
図4から分かるように、実施の形態にて示した製造方法にて製造され、第2ピークシリコン濃度が1.49×1018atoms/cm以上4.96×1018atoms/cm以下を満たす実施例1~7は、第2ピークシリコン濃度が前述の数値範囲を満たさない比較例1~7よりも発光出力が著しく向上していることが分かる。特に、第2ピークシリコン濃度が1.49×1018atoms/cm以上3.00×1018atoms/cm以下を満たす例(実施例1及び3)は、発光出力が1.20[a.u.]を超え、極めて発光出力が向上することが分かる。
また、実施例1~7及び比較例1~7のそれぞれについて、第1ピークシリコン濃度S1/第2ピークシリコン濃度S2と発光出力との関係を図5に示している。発光出力が高い実施例1~7は、いずれも第1ピークシリコン濃度S1/第2ピークシリコン濃度S2が7.7以上(具体的には8.7以上30.7以下)であることが分かる。
[実験例2]
本実験例2は、シリコン源供給工程におけるシリコン供給量と発光出力との関係を評価した例である。
本実験例2においては、実施の形態にて説明した製造方法に従って複数のウエハを製造した。複数のウエハを製造するにあたっては、シリコン源供給工程におけるシリコン供給量を種々変更した。本実験例2にて複数のウエハを製造する際の成膜環境(例えばチャンバ内の堆積物の厚み等)は、互いに同条件とした。
本実験例2において製造したウエハの構成は、実験例1の表1にて示した構成と同じである。
そして、本実験例2において製造した各ウエハについて、実験例1と同様に発光出力を測定した。図6に、シリコン源供給工程におけるシリコン供給量(すなわち図6の横軸)と発光出力との関係を図6に示す。
図6から分かるように、シリコン源供給工程においては、チャンバ内に、0.10μmol/min以上0.40μmol/min以下の供給量にてシリコン源が供給されることが、発光出力向上の観点から好ましいことが分かる。さらに、シリコン源供給工程においては、チャンバ内に、0.15μmol/min以上0.40μmol/min以下(より好ましくは0.15μmol/min以上0.35μmol/min以下)の供給量にてシリコン源が供給されることが、発光出力向上の観点から特に好ましいことが分かる。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]本発明の第1の実施態様は、チャンバ内において、基板上にn型クラッド層4と複数の井戸層621~623を有する多重量子井戸構造の活性層6とを成膜する工程を備え、前記活性層6を成膜する工程においては、前記チャンバ内にシリコン源が供給されず、前記複数の井戸層621~623のうち前記n型クラッド層4側から2番目に位置する井戸層を第2井戸層622としたとき、前記n型クラッド層4と前記活性層6とが積層される積層方向のシリコン濃度の分布において前記第2井戸層622の形成範囲にピークP2が表れるとともに、前記ピークP2の頂点のシリコン濃度S2が1.49×1018atoms/cm以上4.96×1018atoms/cm以下となるよう、前記n型クラッド層4の成膜後、前記活性層6の成膜前に前記チャンバ内にシリコン源を供給する工程を更に有する、窒化物半導体発光素子1の製造方法である。
これにより、発光出力が高い窒化物半導体発光素子1を製造可能である。
[2]本発明の第2の実施態様は、第1の実施態様において、前記n型クラッド層4の成膜後、前記活性層6の成膜前に前記チャンバ内にシリコン源を供給する工程において、前記ピークP2の頂点のシリコン濃度S2が1.49×1018atoms/cm以上3.00×1018atoms/cm未満となるよう前記チャンバ内にシリコン源が供給されることである。
これにより、発光出力が高い窒化物半導体発光素子1を製造可能である。
[3]本発明の第3の実施態様は、第1又は第2の実施態様において、前記n型クラッド層4の成膜後、前記活性層6の成膜前に前記チャンバ内にシリコン源を供給する際の成長温度が、前記n型クラッド層4の成長温度よりも低く、前記活性層6の成長温度以上であることである。
これにより、窒化物半導体発光素子1の発光出力の向上に適したシリコン量が、第2井戸層622へ拡散されやすくなる。
[4]本発明の第4の実施態様は、第1乃至第3のいずれか1つの実施態様において、前記n型クラッド層4の成膜後、前記活性層6の成膜前に前記チャンバ内にシリコン源を供給する工程が、前記チャンバ内に原料ガスとしてシリコン源のみを供給するシリコン源供給工程を有することである。
これにより、これにより、活性層6にピットが形成されやすくなり、製造される窒化物半導体発光素子1の発光出力が向上する。
[5]本発明の第5の実施態様は、第4の実施態様において、前記シリコン源供給工程において、前記チャンバ内に、0.10μmol/min以上0.40μmol/min以下の供給量にてシリコン源が供給されることである。
これにより、発光出力が高い窒化物半導体発光素子1を製造可能である。
[6]本発明の第6の実施態様は、第5の実施態様において、前記シリコン源供給工程において、前記チャンバ内に、0.15μmol/min以上0.40μmol/min以下の供給量にてシリコン源が供給されることである。
これにより、発光出力が高い窒化物半導体発光素子1を製造可能である。
(付記)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、前述した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
1…窒化物半導体発光素子
4…n型クラッド層
6…活性層
66…活性層
621…第1井戸層
622…第2井戸層
623…第3井戸層
P2…ピーク
S2…シリコン濃度

Claims (6)

  1. チャンバ内において、基板上にn型クラッド層と複数の井戸層を有する多重量子井戸構造の活性層とを成膜する工程を備え、
    前記活性層を成膜する工程においては、前記チャンバ内にシリコン源が供給されず、
    前記複数の井戸層のうち前記n型クラッド層側から2番目に位置する井戸層を第2井戸層としたとき、前記n型クラッド層と前記活性層とが積層される積層方向のシリコン濃度の分布において前記第2井戸層の形成範囲にピークが表れるとともに、前記ピークの頂点のシリコン濃度が1.49×1018atoms/cm以上4.96×1018atoms/cm以下となるよう、前記n型クラッド層の成膜後、前記活性層の成膜前に前記チャンバ内にシリコン源を供給する工程を更に有する、
    窒化物半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記n型クラッド層の成膜後、前記活性層の成膜前に前記チャンバ内にシリコン源を供給する工程においては、前記ピークの頂点のシリコン濃度が1.49×1018atoms/cm以上3.00×1018atoms/cm未満となるよう前記チャンバ内にシリコン源が供給される、
    請求項1に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記n型クラッド層の成膜後、前記活性層の成膜前に前記チャンバ内にシリコン源を供給する際の成長温度は、前記n型クラッド層の成長温度よりも低く、前記活性層の成長温度以上である、
    請求項1又は2に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  4. 前記n型クラッド層の成膜後、前記活性層の成膜前に前記チャンバ内にシリコン源を供給する工程は、前記チャンバ内に原料ガスとしてシリコン源のみを供給するシリコン源供給工程を有する、
    請求項1又は2に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記シリコン源供給工程においては、前記チャンバ内に、0.10μmol/min以上0.40μmol/min以下の供給量にてシリコン源が供給される、
    請求項4に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  6. 前記シリコン源供給工程においては、前記チャンバ内に、0.15μmol/min以上0.40μmol/min以下の供給量にてシリコン源が供給される、
    請求項5に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
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