JP7448312B2 - 自動ルーティング方法及び装置 - Google Patents

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本発明は、ビルやホテル、工場等における建設設備の施工図面作成に係り、特に、施工図面の作成の際に必要な空調ダクトや配管類のルートを、コンピュータープログラムを用いて決定する自動ルーティング方法とその装置に関する。
施工図面の作成の際に必要な空調ダクトや配管類のルート決定は、建設対象空間(エリア)の施工図の作図の際に、技術者がCAD上で機器や器具の配置やそれらを結ぶ配管、ダクトの配置を行っているのが現状である。
なお、施工図とは、設計図に基づいて作成される具体的な材料、寸法(サイズ)等を指定する図面であり、それを見て作業員が施工する図面である。例えば、対象空間(建設現場等の空間:エリア)にある柱とか梁という建物の構造体に対してそれとの干渉を避けるようにした空調ダクトや配管類のルートが書かれた図面である。
この種の従来技術に関連したものとして、特許文献1、特許文献2を挙げることができる。特許文献1は、管路をつなぎ直す際に、指定した2点に挟まれた管路長に対して簡略化された新たな管路部分を生成し、管路部分の長さ、節点の個数から管路部分の複雑さを示す評価関数を算出し、評価関数に基づいてつなぎ直し管路を表示し、施工管路の決定を支援する管路設計支援装置を開示する。
また、特許文献2は、対象空間を区切ったメッシュの各々にコスト値を付与し、コスト値の指定に基づいて2点間のルートを決めるナビゲーションシステムを開示する。
特開2010-44707号公報 特開2010-44393号公報
施工図(設備施工図)の作図において、配管やダクトの配置に関しては、総長、施工性、障害物、室の用途などの条件を鑑みてルートを決定する必要がある。
しかし、現状のCADにおける配管やダクトの自動作図機能は、最短距離で始点と終点を結ぶだけであり、障害物や施工性(工事の容易性等)については考慮されていないのが一般的である。
また、水回りや空調の冷媒などの各種配管や空調ダクト(以下、単にダクトとも言う)の配置に関しては、機能保証、配置調整、強度保証、保守性など多岐にわたるため、熟練技術者が多大な設計時間を掛けてCAD上で機器や器具の配置やそれらを結ぶ配管やダクトの配置を行っている。
例えば、機器(空調機器、厨房機器、事務機器、等)は、それらの配置をした後に機器と機器とを配管やダクトで結ぶ必要がある。その作業は熟練者でなくても、その構造体が書いてある図面さえ読み解ければ、配管やダクトはそれらの機器を避けて単純に書けば良いことである。
しかし、その単純に書くことをパソコンに任せると、パソコンは自動的に最短距離を結んでしまうだけなので構造体にぶつかってしまうことがある。
そのために、複雑な納まり(他の設備とか構造体とぶつからない調整)の検討を必要としない単純なルートの作図作業のように、非常に簡単な作業さえも熟練技術者がやらなければならないため、作図作業の負荷となっている。
本発明の第1の目的は、建設設備の施工図面作成に関する配管やダクト等の最適施工ルートの選択肢を、CADシステムで作成した図面データを用い、ンピュータープログラムを利用して自動生成するルーティング方法を提供することにある
また、本発明の第2の目的は上記のルーティング方法を実行する自動ルーティング装置を提供することにある。
上記第1の目的を達成するため、本発明は、空調ダクトや配管類の施工ルートの選択肢を、コンピュータープログラムを用いて決定する自動ルーティング方法であって、下記のステップ(a)~(l)で構成したメインルート候補を得る。自動生成された複数のルート候補を熟練技術者(オペレータ)が、その経験、施工妥当性に基づいて選択して施工図面とすることを特徴とする。
(1)コンピュータが、空調ダクトや配管類の施工ルートを決定する自動ルーティング方法であって、
(a)ルート探索の対象空間エリアのCADデータを読み込んでメモリ上に前記対象空間内に、居室である事務室、人が出入りするトイレや廊下、エレベータが上下に動くEV、人が入らない設備シャフトのEPSや自PS、を例とする室用途に応じて各エリアに区切るエリアマップを作製すると共に、ディスプレイの表示画面に前記エリアマップを展開して梁、柱の障害物と各エリアとを表示する対象空間配置ステップ、
(b)対象空間のエリアマップを決められた大きさのメッシュで分割し、前記エリアマップに当該メッシュを重畳して表示するメッシュ付与ステップ、
(c)前記メッシュで分割されたエリアマップ上でルートを探索する始点と終点を指定する始点・終点設定ステップ、
(d)付与されたメッシュのそれぞれにコストを付与するにあたり、天井があっても通しやすい通しにくいも考慮して数値化した通過コストを前記対象空間エリアの各エリア内部と境界とで分けて付与するコスト付与ステップ、
(e)前記始点から前記終点の間のルート上にある各メッシュについて前記始点からの各メッシュに付与されたコストの積算値の最小値をエリア評価値として算出して設定するラベリングステップ、
(f)ラベリング結果から前記エリア評価値が小さいメッシュを辿るトレースを行い、メインルートを探索するトレースステップ、
(g)トレースステップでの探索結果からコスト合計が小さい順から複数のルートを候補として保存するメインルート候補決定ステップ、
(h)他の終点を始点としたラベリングの対象となるメインルート候補を読み込むメインルート読み込みステップ、
(i)複数の分岐ルートの終点群のうち、メインルート候補の始点からの物理的な距離の小さい方から順に、ラベリングの始点として設定する始点設定ステップ、
(j)メインルート探索時に付与したコストを基に、前記設定した始点からメインルート候補に合流するところまで各メッシュのエリア評価値を算出し設定するラベリングを行い、前記エリア評価値が小さいメッシュを辿るルートを分岐ルートとして探索するラベリングステップ、
(k)すべてのメインルート候補に対して探索を行い、すべてのメインルート候補に対して分岐ルートの探索を行った後、分岐ルートまで含めたすべてのルートに対してコスト値と距離との積算値を算出し、それらを比較してルートを決定するルート比較決定ステップ、
(l)決定したルートに対して、指定された負荷に基づいた寸法を割りあてるサイジングステップ
をこの順で実行することを特徴とする自動ルーティング方法。
(2)構成2
なお、上下隣接階間のルーティング(3次元エリアマップ間のルーティング)は、各階で決定したメインルートの間で、上記の分岐ルートを上記(k)で決定された分岐ルートの設定手法に準じたステップでコスト値の積算値を算出し、比較して決定する。
すなわち、上下階の各メッシュに当該上下階間の通過コストを付与し、エリア評価を[ダクトの通過面積分の通過コスト]×距離(通過メッシュ数)で行う。評価値はダクトの和(距離)を考慮して決定する。配管の場合は、階平面上の前後左右と高さ(上下階間の距離)方向に区切った上下平面の6方向の数値比較でルートを決める。
ダクトの場合は、熟練技術者(ルーティング作成者)が直進+上下左右エルボ(曲がり)+上下左右ホッパの計9項目に対し、更に異形、偏芯を考慮して決める。
上記第2の目的を達成するため、本発明は、下記の構成を備えたことを特徴とする。すなわち、本発明は、空調ダクトや配管類の施工ルートの選択肢(候補)を、コンピュータープログラムを利用して決定するための自動ルーティング装置であって、
(3)構成3
施工図(対象空間:エリアのマップ)の読み込み手段と、読み込んだエリアマップに所定サイズのメッシュを付与するメッシュ付与手段と、各メッシュに対してコストを付与するコスト付与手段と、コスト付与された各メッシュの評価値を算出するエリア評価値算出手段と、算出されたエリア評価値に基づいて複数のメインルートを探索するメインルート探索手段と、探索されたメインルート候補格納領域を有するデータ格納手段と、分岐ルート探索部を具備した。
(4)構成4
また、上記(3)における分岐ルート探索部は、前記データ格納手段から前記メインルート候補を読み込むメインルート読込手段と、複数の終点群のうち距離の小さい方から順に始点を設定する始点設定手段と、前記メインルート探索時に付与したコスト値を基にラベリングを行うと共にメインルートに合流した時点でラベリングを終了するラベリング手段と、複数の終点群に対して行った分岐ルートのコスト値と距離の積算値を比較してルートを決定するルート比較決定手段と、決定したルートに対して、負荷(優良、風量)に対応する適切な寸法を割り当てるサイジング手段と、ルーティングを表示した施工図を該当エリアと共に出力するためのルーティングマップ出力調整手段とを具備した。
(5)構成5
前記(3)で読み込んだ施工図(対象空間:エリアマップ)の始点、終点の入力、(3)におけるメインルート探索の終了、(4)における分岐ルート探索の終了、(4)のコスト値やルート比較における曲がり数、配管やダクトの総長、サイジングを入力するためのオペレータ(熟練技術者等)インターフェースを具備した。
なお、本発明は上記の構成及び後述する実施の形態で説明される構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく種々の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明により、前記した課題を解決するために創案されたものであり、ビルやホテル、工場等の建設設備の施工図面作成における配管や空調ダクト等のルートの作図に対する熟練技術者等の負荷を軽減し、施工現場における施工図面の作成作業にかかる労力を低減することができる。
すなわち、本発明によれば、従来のCADの自動作図ではできなかった配管や空調ダクトの総長、施工性、障害物、室用途などの条件を鑑みた配管やダクトのルートを決定することができる。
また、本発明によって決定されるルート情報をCADに受け渡し可能なデータ形式(例えば、IFC)で出力することで、作図業務の効率化に寄与できる。
本発明に係る自動ルーティング方法の一実施の形態を説明する対称空間(エリア)マップの平面構成例の説明図。 本発明に係る自動ルーティング方法の一実施の形態を説明する対象空間に通過コストを付与した通過コストを示す分布図。 本発明に係る自動ルーティング方法の一実施の形態を説明する対象空間に通過コストを付与したラベリングの手順を示す図。 本発明に係る自動ルーティング方法の一実施の形態を説明する図2Aに基づいて行っているラベリングを説明する図。 本発明に係る自動ルーティング方法の一実施の形態を説明する図1に示した対象空間におけるメインルート候補を説明する図。 複数終点がある対象空間を表す図。 複数終点がある対象空間における複数メインルートの候補を表す図。 メインルートにおいて、他の終点も含めて分岐ルートを算出する説明図。 全ルート候補の決定とルートの最終決定を表す図。 3次元への拡張イメージを表す図。 本発明に係る自動ルーティング装置のメインルート探索部分の構成例を説明する機能ブロック図。 本発明に係る自動ルーティング装置の分岐ルート探索部分の構成例を説明する機能ブロック図。 本発明に係る自動ルーティング方法のメインルートの探索手順を説明するフローチャート。 本発明に係る自動ルーティング方法の分岐ルートの探索手順を説明するフローチャート。
以下、本発明の実施の形態について、実施例の図面を参照して詳細に説明する。
図1~図4は、本発明に係る自動ルーティング方法の一実施の形態を説明する図であり、図1は本発明に係る自動ルーティング方法の一実施の形態を説明する対象空間(対象空間エリア)マップの平面構成例の説明図、図2Aは本発明に係る自動ルーティング方法の一実施の形態を説明する対象空間に通過コストを付与した通過コストを示す分布図、図2Bは本発明に係る自動ルーティング方法の一実施の形態を説明する対象空間に通過コストを付与したラベリングの手順を示す図、図3は本発明に係る自動ルーティング方法の一実施の形態を説明するエリア評価値の更新の例を示す図。そして、図4は本発明に係る自動ルーティング方法の一実施の形態を説明する対象空間における配管や空調ダクトのメインルート候補を示す図である。
以下、図1~図4に基づいて、対象空間における配管やダクト接続する始点から終点までの配管やダクトのメインルートの候補を求めるルーティング方法を説明する。
図1の配管やダクトのルートを決定する対象空間1の一例を表す平面図(エリアマップ)において、当該対象空間1には事務室エリア2、トイレエリア3、EVエリア4、廊下エリア5、二つのEPS(電気設備シャフト)エリア6a、6b及び自PSエリア7からなる様々なエリアが隣接している。
そして、二つのEPS(電気設備シャフト)エリア6a、6bと自PSエリア7、事務室エリア2とトイレエリア3及びEVエリア4はそれぞれ隣接されていて、前記二つのEPS(電気設備シャフト)エリア6a、6bと自PSエリア7からなる3つのエリアと前記事務室エリア2とトイレエリア3及びEVエリア4からなる3つのエリアは廊下エリア5を挟んで設けられている。
また、配管やダクトを通す始点8と終点9及び梁、柱、壁等の障害物10が存在している。
図2Aは、図1の対象空間のエリアマップにおける事務室エリア2、トイレエリア3、EVエリア4、廊下エリア5、二つのEPS(電気設備シャフト)エリア6a、6b及び自PSエリア7を各々閉じた空間とされ、後述するコスト付与基準に基づいて各エリア(空間)全てに通過コストを付与した通過コスト分布図を示す。
前記通過コストは、例えば、各配管、ダクトを設置する各エリア(空間)を単位メッシュ(10cm×10cm)に分割し、各単位メッシュ全てに各エリアの通過ポイントを付与する。
この対象空間を単位メッシュで区切る意味は、通し易さと同時にできるだけ総長(総長距離)は、セオリー的には短い方が良いので、通しやすさ、通しにくさ、かつその距離が上手くバランスしたようになるようにするためである。
この通過コストの数値の大小は設備施工図を作成する際の一般的なセオリーを反映したものであり、例えば、EPS(電気設備シャフト)に無関係な配管やダクトは、通常そのEPSを回避するためコストが大きく(通しにくい)、廊下などの用途がない共通のエリアは、通常ルートとすることが多いのでコストが小さくなる(通しやすい)といったものから、壁や梁側面、その他設備の機器を含む障害物を沿うようなルーティングは避ける(当該エリアのコストより大きくする)などがある。
そのため一般的には廊下で配管やダクトを展開し、水や空気を各エリアに配っている。
一方、例えば水と電気とは相性が悪いことから電気室には水を通したしたような配管は通さない(設けない)。そのためには通し難い数値(コストが高い)を設定したりする。
さらにトイレには壁に穴を開けて配管を通すのでトイレの音が外に漏れてしまうことからトイレ以外の配管はあまり通さない。
なお、電気室、トイレ等もその空間に配管やダクトを通すのではなく、事務室等と同様に天井に通すが、例えば、電気室は、配管から水漏れした場合、室内の配電盤等に水がかかると問題になる。
このように天井であっても通し易い通し難いがあるので一般的なセオリーに従って書く。
このコスト付与基準は案件の内容に応じて使用者が予め決定しておく。表1は、各エリアに付与する通過コストの表である。
Figure 0007448312000001
以下、表1に基づいて各エリア(室)の用途など応じてコストを付与のコスト付与基準の一例を説明する。
表1に示すように、エリアに配管やダクトのルート始点や終点等の目的地点、空調機器や空気吹き出し器等の機器が有る場合は、通過コストを1、廊下など用途のない共通エリアは、通過コストを2、居室、トイレなどの用途のあるエリアは、通過コストを3、自設備エリア(例えば空調設備の場合、機械室、シャフトなど)は通過コストを4とする。
また、他設備エリア(例えば空調設備を構成する機械室、電気室、シャフトなど)は基本的には他設備のエリアを優先しなければならないので通さない。しかし、やむを得ない場合はバックヤードとして通過に使用する場合があるので通過コストを5とする。通常は、通過させないエリア(階段室、電気室)は、通過コストを6、そもそも配管やダクトが通過できないエリア(ELVなど)は、通過コストを9とする。
また、上記した通過コストは対象空間内部(インテリア)での通過コストであり、同じ空間内でも空間の境界(ペリメーター)は、いろいろな配管やダクトを通す場合に、先に壁際に配管やダクトを通してしまうと他の設備に配管やダクトが通せなくなる。そのため、境界となる部分は他の配管との関係上空けておく場合が多いので、インテリアとペリメーターの通過コストを変化させることもできる。
例えば、インテリアの通過コストを基準としてペリメーターに近づくほど通過コストを割り増しとしインテリアの通過コストの1.5倍とする等である。
このように、インテリアの通過コストを基準としてペリメーターに近づくほど通過コストを割り増しとすることで、ペリメーター沿いのルートをできるだけ回避するようなルート決定ができる。
このペリメーターの通過コストの算出式は可変とし、案件(対象空間)の内容に応じて使用者が決定できる。
前記したコスト付与基準に基づいて、図2Aに示すように、事務室エリア2は、インテリアの単位メッシュの通過コストを1、ペリメーターの単位メッシュの通過コストを2としている。
トイレエリア3は、インテリアの単位メッシュの通過コストを3、ペリメーターの単位メッシュの通過コストを5としている。
また、EVエリア4及び二つのEPS(電気設備シャフト)エリア6a、6bは、全ての単位メッシュの通過コストを9としている。
自PSエリア7は、インテリアの単位メッシュの通過コストを4、ペリメーターの単位メッシュの通過コストを6としている。
そして、廊下エリア5は、インテリアの単位メッシュの通過コストを2、ペリメーターの単位メッシュに通過コストを3としている。
前記図2Aに基づいて行うラベリングを説明する図2Bは、対象空間のエリア(エリアマップ)のラベリング(更新回数2回)の手順を説明する図である。
ラベリングとは、前記図2Aで設定した通過コストをもとに、始点から終点までの各エリアの単位メッシュの通過コストの積算の最少値(エリア評価値)を算出し、単位メッシュに付与することである。図2Bでは下記に説明するように、ラベリングを2回行っている。
1)ラベリング1回目
自PSエリア7に設けられた始点8の単位メッシュM1と接する2つの単位メッシュM2、M3の積算をだす。
最初の単位メッシュM1と右隣りの単位メッシュM2の通過コストを積算すると6+6=12(図中、丸で囲んだ1)、同様に最初の単位メッシュM1と上隣りの単位メッシュの通過コストを積算すると6+6=12(図中、丸で囲んだ2)になる。
2)ラベリング第2回目
現在地の直前の最小値(図中、丸で囲んだ1、同2)を選択して、自位置のコストを加算する。
第1回目で最小値である12(図中、丸で囲んだ1)を選択し、右隣りの単位メッシュM4の通過コスト6を積算すると18(図中、丸で囲んだ3)、上隣りの単位メッシュM5の通過コスト4を積算すると16(図中、丸で囲んだ4)、同様に最小値である12(図中、丸で囲んだ2)を選択し、右隣りの単位メッシュM5の通過コスト6を積算すると16(図中、丸で囲んだ4)、上隣りの単位メッシュM6の通過ポイント6を積算すると18(図中、丸で囲んだ5)となる。
上記の積算を一個一個終点9に向かって逐次実行する。
詳説すると、後述するメインルートR1の候補の決定において、所定の単位メッシュMnと、その単位メッシュMnの上下左右隣りMn+1~Mn+4のうち、最遠終点から始点に向かう横側を除いた隣りの単位メッシュMn+1~Mn+3の通過コスト6を積算する。これにより、障害物10の回り込みをある程度考慮しつつ終点から始点に向かうようなあきらかな無駄なルート探索を避けるようにして計算負荷を抑制可能にしてある。
図3は、前記図2Aに基づいて行っているラベリングを説明する図で、図3の(A)は、更新回数24回、図3の(B)は、同更新回数29回のラベリングを表す図である。
(手法ルート)
エリア評価値は、現在地(現在の地点)における直前(周囲の地点)での評価値のうち最小値を選択し、それに現在地の通過コストを加算した値とする。
ラベリングは、始点から順次、隣接する地点に対して実施していくため、物理的な距離が近い方から数値が先に反映されるが、遠くからの数値の方がエリア評価が良い(数値が小さい)場合、一度ラベリングされた数値も更新をする。
そのため、ラベリングは全メッシュで更新がなくなるまで実施する。
これは、図3の(A)(更新回数=24)において「73」となっている評価値が、図3の(B)(更新回数=29)において「72」と、同様に図3の(A)(更新回数=24)において「84」となっている評価値が、図3の(B)(更新回数=29)において「73」となっていることを意味している。
例えば、通過コスト5の単位メッシュを10個通るよりも通過コスト2の単位メッシュを20個通る方が距離は長いが評価値は低いことになることがあり得る。
図4は、図1に示した対象空間におけるメインルート候補を説明する図面で、図1の対象空間の各エリア(空間)を単位メッシュ(10cm×10cm)に分割し設定した通過コスト(図2A)をもとに始点から終点まで行った各エリアの通過コストの積算の最小値(エリア評価値)を単位メッシュに記載した図である。以下では、簡単のために、2次元での説明とする。
図4に基づいてエリア評価によるメインルート候補の決定を説明する。
ラベリングが完了したら、図1の終点9から始点8に向かって、エリア評価値が低い地点をトレースする。これがメインルートの候補となる。終点9がゴールで始点8がスタートなので終点9から始点8に向かったエリア評価値が同じ場合、後述するルールでいずれかを選択させ、もしくは候補として複数のルートをピックアップし、使用者が決定するようにしてもよい。
図4において、右上が終点9でそのエリア評価値が「89」であり、次に低いエリア評価値を選択する。この場合、左隣と下隣の二つの単位メッシュにおけるエリア評価値が「87」で同じであるがどちらを選ぶかは(最初のみ)任意で良く、同図においては、左隣を選択している。運用上もどちらを選ぶかを施行者に聞いてみたり、プログラム計算上でどちらを選ぶかを聞いてみてもよい。
このように終点9から始点8に向かってエリア評価値が小さい数値を辿り、始点8(「6」)にたどり着いたらルートが決定されるので終了する。
今回は、終点9のエリア評価値「89」から左隣に行ったが下隣を下に行っても(数値的には)よい。
なお、ルート選択には総長距離も重要であるが施工し易さのコスト値の方により重きを置いてもよい。ただそのコストが同じくらいであれば、最短距離を優先する場合もあるがそれも任意に選択可能である。
このトレースする際にも、実際の施工図を作成する場合と同様なセオリーを反映するためのルールを設定してもよい。
例えば、配管の場合に上げ(下げ)が発生した場合、それ以降の下げ(上げ)は禁止するとか、同じ数値の場合、壁・障害物に沿わない方向を選択する等のルールを設けてもよい。
また、ルート選択には総長距離も重要であるが施工し易さのコスト値の方により重きを置いてもよい。ただそのコストが同じくらいであれば、最短距離を優先する場合もあるが、それも人の選択になる。
以上説明した本実施例の手法は、配管、ダクトが通過する対象の空間を単位メッシュに区切り、各メッシュに対して通過コストを付与し、このコストの積算が最少となるような配管、ダクトのルートを探索するようにしたものである。
以上が、本実施例の配管やダクトの自動ルーティングの基本的なロジックであり、ここから、ルート候補群からのメインルートの決定、複数終点がある場合及び3次元に拡張したものが、本来の自動ルーティングとなる。
図5は、複数終点がある対象空間を表す図で、図6は、複数終点がある対象空間における複数メインルートの候補を表す図である。
同図6(A)~同図6(C)はそれぞれメインルート候補が異なる。
同図5は、図1と同様に配管やダクトのメインルートを決定する対象空間の一例を表す平面図あり、当該対象空間1には複数の空調機器や空気吹き出し器等の機器が設けられている。この空調機器や空気吹き出し機器が設けられている個所が配管やダクトの分岐ルートの始点や終点21となる。
まず、上記した手順により最遠終点までのメインルート候補を決定する。その結果、図6(A)のルートR1、同図(B)のルートR2及び同図(C)のルートR3の3つのメインルート候補が定まる。これらから1つのメインルートを決定する。
図7は、図5の対象空間において分岐点及び分岐後ルートの探索を説明する図である。
同図7は、図6(A)のR1のメインルートにおいて、他の終点も含めて分岐ルートを算出する説明図で、例えば、符号21が他の終点とすると、これにも配管やダクトが繋がる分岐ルートが必要である。
分岐ルートは、他の終点を始点として、同様にラベリングを行う。
前記の終点21からメインルートR1までの分岐ルートを選ぶ時、もともとの始点(スタート点)25に距離が近い方(終点21)から既決ルートR1に合流する所まで前記ラベリングを行う。このエリアは基本通過コストが1なので終点21から始点(スタート点)31まで左方向に向かってラベリングを行うとエリア評価値は7(1+1=2、2+1=3、3+4=7)となる。
このようにラベリングの結果、メインルートR1にエリア評価値が最少値で合流する点及びルートが、分岐点及び分岐後のルート(白抜き)となる。
これを全てのメインルート候補に対して実施すると分岐後のルート自体も複数発生する。
詳説すると、分岐ルートの決定において、所定の単位メッシュMnと、その単位メッシュMnの上下左右隣りMn+1~Mn+4の通過コスト6を積算する。これにより、障害物10の回り込みを考慮しつつ終点21から既決ルートR1に確実に合流可能にしてある。メインルートR1の候補の決定のように、終点21から既決ルートR1に合流する方向とは逆の方向に向かうような無駄なルート探索は排除していないものの、もともとの始点(スタート点)25と終点21の距離が近いため、それほど大きな計算負荷にならない。
図8は、全ルート候補の決定とルートの最終決定を表す図である。
同図8(a)は、前記図6(A)のメインルート候補に接続する分岐ルートからなるパターン、図8(b)は、前記図6(B)のメインルート候補に接続する分岐ルートからなるパターン、図8(c)は、前記図6(C)のメインルート候補に接続する分岐ルートからなるパターンを表す図である。
全ての候補パターンが決定したら、あるルールによって自動的にパターンを決定するか、使用者が選択して決定する。
例えば、上記のルールとして、全てのルート候補に対して配管の場合はBM積算値、ダクトの場合は総重量を算出し、各々の数値が一番低いルートを決定ルートとするなどの方法が考えられる。
ここで、BMとは配管口径(JIS B系)に長さ(M)を乗じたもので、例えば2種類の口径で長さが違う配管がレジューサ等で接続されたものがあるとした場合、2B(50A)の口径のものが30m長さであれば2B×30m=60BM、また3B(80A)の口径のものが60m長さあれば3B×30m=90BMとなり合わせて、150BMとなる。
上記した手順によって、分岐位置を含む全メインルートと分岐ルート候補が選定される。そして全てのパターンでルート評価値を算出する。
ここで、配管の場合は、BM積算値→総長→曲がり・分岐数の順番で評価し、ダクトの場合は、重量→総長→曲がり・分岐数の順番で評価し、差異が出た時点で小さい方で決定する。
図8においては、図8(c)がBM:259、総長:131(m)、曲り・分岐:12を他のルート候補と比較し、図8(c)を最終メインルート、分岐ルートとする。
次に、3次元及び実部材への拡張について説明する。図9は、3次元への拡張イメージを表す図である。
今までが基本的なルーティングの手法であり、平面エリア(2次元)の場合について平面図を上から見て1個1個どちらに行けば良いかを見てきた。この手法を上下階(3次元)のルーティングに拡張する場合も、基本的には2次元と同様であり、ルートを決定する際にはダクトや配管の断面に含まれる単位メッシュのエリア評価値の総和でトレース方向を決定することになる。
3次元の場合、現地点から3方向(真っ直ぐ、左回転、右回転)に進んだ場合のコストを比較してルートを選ぶ。
この時に、平面全体にかかるラベリング値を足した数値(評価値)、例えば、ダクトの場合は、その地点(始点)から急に90度に曲がることはできない。その地点からルートを曲げるためには、決まった曲率半径の設定が必要となる。
この場合は、現在の地点から真っ直ぐに行くべきか、曲がった方が良いのかを区別するときに、単位長さを決めておいて、直進のときの評価値と曲がった時の評価値と比較して、ラベリング値に基づいてどう行くのが一番良いかを比較してルートを選ぶ。
配管やダクトは終点の負荷値(風量や流量)により、基本断面の大きさが決まる。ただし、配管は負荷値のみで正方形で定義され、ダクトは負荷値及びコスト値により様々な直方形に変化する。
つまり、配管の場合は、コスト値による断面の形状変化はせず、固定された断面で上下左右及び前方に進んだ場合の各々のルートに含まれるエリア評価の総和でトレースしていく。
このように、配管であれば断面形状は変化しないが、ダクトの場合は、例えば、正方形だと少し上が当たってしまう場合、ダクトを下げるよりも断面を少し変形させて障害物を避けることがある。その変形を考慮した方が良いので表2に例を示す。
表2は、ダクトルートの比較パターンの例と割増率の例を表す。
Figure 0007448312000002
3次元の場合、例えば表2に基づいて3方向(直進、偏芯、エルボ)に進んだ場合の割増率を加えたコストを比較してルートを選ぶ。
図10は本発明に係る自動ルーティング装置のメインルート探索部30の構成例を説明するシステム機能のブロック図である。本構成例は、空調ダクトや配管類の施工ルートを、コンピュータープログラムを用いて決定する。
この自動ルーティング装置は、施工図(対象空間:エリア)の読込手段31、読み込んだエリアに所定サイズのメッシュを付与するメッシュ付与手段32、各メッシュに対してコストを付与するコスト付与手段38、コスト付与された各メッシュを通過することで加算される通過コストに基づいて、所定の単位メッシュMnと、その単位メッシュMnの上下左右隣りMn+1~Mn+4のうち、終点から始点に向かう横側を除いた隣りの単位メッシュMn+1~Mn+3の通過コスト6を積算する形態で、始点から終点までの各エリアの単位メッシュの通過コストの積算の最少値(エリア評価値)を算出するエリア評価値算出手段39、算出されたエリア評価値に基づいて複数のメインルートを探索するメインルート探索手段40、探索されたメインルート候補格納領域371を有するデータ格納手段37が制御装置(CPU)のバスライン60に接続されている。なお、このメインルート探索部分30には、図11で後述する分岐ルート探索部50が接続されている。
バスライン60には、この他に技術者(前記熟練技術者)あるいは設計者等(オペレータ)のがシステムを操作し、指示を与えるための設定手段(オペレータインターフェース)33を介してキーボード331やポインティングデバイス332が接続されている。また、システムの稼働状態や指示内容を可視表示するディスプレイ34、施工図面等をハードコピーに印刷するプリンタ35も接続されている。なお、データ格納手段37はRAM/ROMで構成され、メインルート候補格納領域371の他、表1や表2に示した設定値等のテーブル格納領域372、メッシュ付与プログラム、コスト付与プログラム、エリア評価値算出プログラムなどの本システムに必要なソフトウエアの格納領域373等を有する。
設定手段33は、読み込んだ施工図(対象空間:エリア)の始点、終点の入力、前記(4)構成4におけるメインルート探索の終了、前記(5)構成5における分岐ルート探索の終了、コスト値や(5)構成5のルート比較における曲がり数、配管やダクトの総長、サイジングを入力する。前記設定手段33には、これら情報を入力するためのオペレータ(技術者等)インターフェースが備えられている。
図11は本発明に係る自動ルーティング装置の分岐ルート探索部のシステム構成例を説明する機能ブロック図である。分岐ルート探索部50は、データ格納手段37(図10参照)のメインルート候補格納領域371からメインルート候補を読み込むメインルート読込手段51、複数の終点群のうち物理的な距離の小さい方から順に始点を設定する始点設定手段52、前記メインルート探索時に付与したコスト値を基に、所定の単位メッシュMnと、その単位メッシュMnの上下左右隣りの単位メッシュMn+1~Mn+4の通過コスト6を積算する形態で、始点(スタート点)25から既決ルートR1に最初に合流する地点である終点21までの各エリアの単位メッシュの通過コストの積算の最少値(エリア評価値)を算出し、単位メッシュに付与するラベリングを行うと共にメインルートに合流した時点でラベリングを終了するラベリング手段53、複数の終点群に対して行った分岐ルートのコスト値の積算値を比較してルートを決定するルート比較決定手段54、決定したルートに対して、負荷(優良、風量)に対応する適切な寸法を割り当てるサイジング手段55、ルーティングを表示した施工図を該当エリアと共に出力するためのルーティングマップ出力調整手段56とを具備している。
例えば、分岐ルート探索において、所定の更新回数をあらかじめ設定しておき、その更新回数に到達した時点でラベリングを終了してもよい。このとき、始点(スタート点)25から既決ルートR1に合流する複数のルートが存在した場合、それら複数のルートをルート候補とするとともに、ルート候補それぞれに対して、各エリアの単位メッシュの通過コストの積算の最少値(エリア評価値)を算出し、各ルート候補のうち、エリア評価値が最少となるルートを決定してもよい。
あるいは、メインルートに一番最初に合流した時点でラベリングを終了してもよい。このとき、始点25からメインルートに一番最初に合流した地点までのルートを決定するのでルート比較決定手段54は不要となる。
以上要するに、メインルート探索手段40にてメインルートを探索し、終点9から始点8に向かったエリア評価値が同じメインルートが複数存在する場合、それらメインルートをメインルート候補とし、該メインルート候補を使用者が選択可能に構成したのち、分岐ルート探索部50にて最遠終点9以外の終点9を始点としメインルートに接続するまでバックトレースして分岐ルートを決定することで、重要度が高いメインルートでは使用者の経験を活かしつつ選択決定し、重要度が低い割には数が多く手間がかかる分岐ルートを極力自動化して省力化を図ることができる。
図12は本発明に係る自動ルーティング方法のメインルートの探索手順を説明するフローチャートである。このメインルート候補の探索フローチャートはず8で説明したシステム上で実行される。
システムがスタート(START)すると、

探索の対象空間及び梁、柱、壁等(障害物)のある建築モデルを作業領域に展開する。ディスプレイ34にも表示する。対象空間のレイアウト(マップ)は3DCADで作成したものを読み込むようにしてもよい(実際、この方法が効率がよい)。・・・対象空間配置:ステップ1(以下、S-1のように表記)。

対象空間に対して所定の大きさでメッシュを付与する・・・メッシュ付与ステップ:S-2。

上記建築モデル上に検索する配管やダクトの始点及び終点をメッシュ上で設定する・・・終始点設定ステップ:S-3

上記建築モデルに対して、検索する配管やダクトの始点及び終点を設定する配置した対象空間のメッシュにそれぞれコストを付与する・・・コスト付与ステップ:S-4。

各メッシュに与えられたコストからエリア評価を算出する。各メッシュに設定する予め設定した詳細ルール(例えば、インテリアに対してペリメーターは1.5倍とコストを増加している場合はそれに基づいて自動計算してもよく、ユーザーが詳細に設定してもよい)に基づく計算を行ってもよい・・・ラベリングステップ:S-5.

ラベリング結果からトレースし、メインルートを探索する・・・トレースステップ:S-6。

探索終了の判断は、ユーザーが設定できる。設定例:コスト合計が最少となるルートのうち上位n個を探索した時点まで探索を終了する:コスト合計がmメートル以下のルートを全て探索した時点まで探索を終了する探索終了。探索終了の判断はユーザーが設定できる。設定例:コスト合計が最少となるルートのうち上位n個を探索した時点まで探索を終了する。コスト合計がmメートル以下のルートを全て探索した時点まで探索を終了する・・・探索終了:S-7。

探索したルート群をメインルート候補として保存する・・・ルート決定ステップ:S-8。

エンド(END)・・・分岐ルートの探索へ
上記探索したルート群をメインルート候補として保存して終了し、次に分岐ルートを探索する。
図13は本発明に係る自動ルーティング方法の分岐ルートの探索手順を説明するフローチャートである。
分岐ルートの探索をスタートさせ、メインルートを読み込み、探索したメインルートを読み込んで終点を始点としてラベリングを行う・・・メインルート読込ステップ:S-11。

(上記建築モデル上に)検索する配管やダクトの始点及び終点を設定する。始点設定複数の終点群のうち物理的な距離の小さい方から順に始点を設定する(終始点設定)・・・始点設定ステップ:S-12。

物理的な距離の小さい方の一つからメインルート探索時に付与したコスト値を元にラベリングを行う。メインルートに合流した時点で終了・・・ラベリングステップ:S-13。

探索終了ステップ:S-14。探索終了の判断は、ユーザーが設定できる。
設定例1:コスト合計が最少となるルートのうち上位n個を探索した時点まで探索を終了する。
設定例2:コスト合計がmメートル以下のルートを全て探索した時点まで探索を終了する。

全点終了ステップ:S-15。
全ての終点群に対して検索を行うまで繰り返し実施する

全ルート終了ステップ:S-16。
全てのルート候補に対して分岐ルートの検索を行うまで繰り返し実施する。

ルート比較ステップ:S-17。
分岐ルートまでを含めた全てのルートに対してコスト値の積算値を算出し比較し、決定する。→コスト値のほか、曲がり数や総長等、任意の比較項目をユーザーで設定できる。これを優先して決定してもよい。
任意の複数の比較項目による評価としてもよい。
基本的には、コスト値を評価するようにしているが、実は他の評価値(曲がり数や総長等、任意の比較項目)にしたいときは、そのようにしてもよい。

決定したルートに対して、最終的には負荷(流量、風量)から適切なサイズを割り当てる。「メイン>分岐」最終的にこれを行う・・・サイジングステップ:S-18。

探索終了・・・エンド(END)
本実施例により、建設設備の施工図面作成に関する配管やダクト等の最適施工ルートをCADシステムで作成した図面データを利用し、コンピュータープログラムを用いて自動生成することができるため、配管や空調ダクト等のルートの作図に対する熟練技術者の負荷を軽減して、施工現場における施工図面の作成作業にかかる労力を低減することができる。
1・・・対象空間エリア(メモリ上に展開、ディスプレイ画面に表示)
2・・・事務室
3・・・トイレ
4・・・EV
5・・・廊下
6a、6b・・・EPS
7・・・自PS
8・・・始点
9・・・終点
10・・・障害物
21・・・始点、終点
30・・・メインルート探索部
50・・・分岐ルート探索部

Claims (4)

  1. コンピュータが、空調ダクトや配管類の施工ルートを決定する自動ルーティング方法であって、
    (a)ルート探索の対象空間エリアのCADデータを読み込んでメモリ上に前記対象空間内に、居室である事務室、人が出入りするトイレや廊下、エレベータが上下に動くEV、人が入らない設備シャフトのEPSや自PS、を例とする室用途に応じて各エリアに区切るエリアマップを作製すると共に、ディスプレイの表示画面に前記エリアマップを展開して梁、柱の障害物と各エリアとを表示する対象空間配置ステップ、
    (b)対象空間のエリアマップを決められた大きさのメッシュで分割し、前記エリアマップに当該メッシュを重畳して表示するメッシュ付与ステップ、
    (c)前記メッシュで分割されたエリアマップ上でルートを探索する始点と終点を指定する始点・終点設定ステップ、
    (d)付与されたメッシュのそれぞれにコストを付与するにあたり、天井があっても通しやすい通しにくいも考慮して数値化した通過コストを前記対象空間エリアの各エリア内部と境界とで分けて付与するコスト付与ステップ、
    (e)前記始点から前記終点の間のルート上にある各メッシュについて前記始点からの各メッシュに付与されたコストの積算値の最小値をエリア評価値として算出して設定するラベリングステップ、
    (f)ラベリング結果から前記エリア評価値が小さいメッシュを辿るトレースを行い、メインルートを探索するトレースステップ、
    (g)トレースステップでの探索結果からコスト合計が小さい順から複数のルートを候補として保存するメインルート候補決定ステップ、
    (h)他の終点を始点としたラベリングの対象となるメインルート候補を読み込むメインルート読み込みステップ、
    (i)複数の分岐ルートの終点群のうち、メインルート候補の始点からの物理的な距離の小さい方から順に、ラベリングの始点として設定する始点設定ステップ、
    (j)メインルート探索時に付与したコストを基に、前記設定した始点からメインルート候補に合流するところまで各メッシュのエリア評価値を算出し設定するラベリングを行い、前記エリア評価値が小さいメッシュを辿るルートを分岐ルートとして探索するラベリングステップ、
    (k)すべてのメインルート候補に対して探索を行い、すべてのメインルート候補に対して分岐ルートの探索を行った後、分岐ルートまで含めたすべてのルートに対してコスト値と距離との積算値を算出し、それらを比較してルートを決定するルート比較決定ステップ、
    (l)決定したルートに対して、指定された負荷に基づいた寸法を割りあてるサイジングステップ
    をこの順で実行することを特徴とする自動ルーティング方法。
  2. 空調ダクトや配管類の施工ルートを、コンピュータープログラムを用いて決定する自動ルーティング方法であって、
    上下隣接階間のルーティングは、各階で決定したメインルートの間で、上記の分岐ルート上記(k)で決定された分岐ルートの設定手法に準じたステップでコスト値と距離との積算値を算出し、それらを比較して決定することを特徴とする請求項1に記載の自動ルーティング方法。
  3. 空調ダクトや配管類の施工ルートを、コンピュータープログラムを利用して決定するための自動ルーティング装置であって、
    (a)ルート探索の対象空間エリアのCADデータを読み込んでメモリ上に前記対象空間内に、居室である事務室、人が出入りするトイレや廊下、エレベータが上下に動くEV、人が入らない設備シャフトのEPSや自PS、を例とする室用途に応じて各エリアに区切るエリアマップを作製すると共に、ディスプレイの表示画面に前記エリアマップを展開して梁、柱の障害物と各エリアとを対象空間に配置して表示する施工の対象空間エリアマップの読み込み手段と、
    (b)読み込んだ対象空間のエリアマップを決められた大きさのメッシュで分割し、前記エリアマップに当該メッシュを重畳して付与し表示するメッシュ付与手段と、
    (c)前記メッシュで分割されたエリアマップ上でルートを探索する始点と終点を指定する始点・終点設定手段と、
    (d)付与されたメッシュのそれぞれにコストを付与するにあたり、天井があっても通しやすい通しにくいも考慮して数値化した通過コストを前記対象空間エリアの各エリア内部と境界とで分けて付与するコスト付与手段と、
    (e)付与されたコストを基に、前記始点から前記終点の間のルート上にある各メッシュについて前記始点からの各メッシュに付与されたコストの積算値の最小値をエリア評価値として算出して設定するラベリング手段と
    (f)ラベリング結果である算出されたエリア評価値に基づいて前記エリア評価値が小さいメッシュを辿るトレースを行ってメインルートを探索するメインルート探索手段と、
    (g)トレースステップでの探索結果からコスト合計が小さい順から複数のルートを候補として保存するメインルート候補決定手段と、
    探索された複数のメインルート候補の格納領域を有するデータ格納手段と、
    分岐ルート探索部と、前記分岐ルート探索部は、
    (h)他の終点を始点としたラベリングの対象となる前記複数のメインルート候補を前記データ格納手段から読み込むメインルート読込手段と、
    (i)複数の分岐ルートの終点群のうち、メインルート候補の始点からの物理的な距離の小さい方から順にラベリングの始点として設定する始点設定手段と、
    (j)メインルート探索時に付与したコストを基に、前記設定した始点からメインルート候補に合流するところまで各メッシュのエリア評価値を算出し設定するラベリングを行い、前記エリア評価値が小さいメッシュを辿るルートを分岐ルートとして探索するラベリング手段と、
    (k)すべてのメインルート候補に対して探索を行い、すべてのメインルート候補に対して分岐ルートの探索を行った後、分岐ルートまで含めたすべてのルートに対してコスト値と距離との積算値を算出し、それらを比較してルートを決定するルート比較決定手段と、
    (l)決定したルートに対して、指定された負荷に基づいた寸法を割りあてるサイジング手段と、
    ルーティングを表示した施工図を該当エリアマップと共に出力するためのルーティングマップ出力調整手段と、
    を具備したことを特徴とする自動ルーティング装置
  4. 空調ダクトや配管類の施工ルートを、コンピュータープログラムを利用して決定するための自動ルーティング装置であって、
    前記読み込んだ施工対象空間のエリアマップの始点、終点の入力、メインルート探索の終了、分岐ルート探索の終了、コスト値やルート比較における曲がり数、配管やダクトの総長、サイジングを入力するための設定手段を具備したことを特徴とする請求項3に記載の自動ルーティング装置。

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