(第1実施形態)
以下、図1~図13を用いて、第1実施形態に係る作業機としての打込機10について説明する。なお、図面に適宜示される矢印UP、矢印FR、矢印RHは、それぞれ打込機10の上側、前側、右側を示している。以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、打込機10の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。そして、上下方向が本発明の第1方向に対応し、下側が本発明の第1方向の一方側に対応する。
図1に示されるように、打込機10は、本体部としての打込機本体12を有しており、打込機本体12には、マガジン60が組付けられている。そして、マガジン60に装填された止具としての釘N(図2及び図3参照)を、打込機本体12に供給し、打込機本体12によって被打込材Wに打ち込むようになっている。
打込機本体12は、ハウジング14と、ノーズ30と、シリンダ40と、蓄圧容器42と、打撃部44と、駆動機構50と、を含んで構成されている。また、打込機本体12は、マガジン60内に装填された釘Nを、打込機本体12に供給するための止具供給機構70を有している。以下、打込機10の各構成について説明する。
(ハウジング14について)
ハウジング14は、右側から見た側面視で、中空の略逆P字形状に形成されている。具体的には、ハウジング14は、上下方向に延在された本体ハウジング部14Aと、本体ハウジング部14Aの上下方向中間部から後斜め上方へ延出されたハンドル部14Bと、本体ハウジング部14Aの下端部から後側へ延出されたモータハウジング部14Cと、ハンドル部14Bの後端部とモータハウジング部14Cの後端部とを連結するリヤハウジング部14Dと、を含んで構成されている。
モータハウジング部14Cの後端部内には、後述する打撃用モータ52及びフィーダモータ80を制御する制御部20が設けられている。また、リヤハウジング部14Dの上端部には、バッテリ22が着脱可能に装着されている。バッテリ22は、制御部20と電気的に接続されており、バッテリ22から制御部20を介して打撃用モータ52及びフィーダモータ80に電力を供給する構成になっている。
ハンドル部14Bの前端部内には、トリガ24が設けられている。トリガ24は、ハンドル部14Bから下側へ突出すると共に、上側へ引き操作可能に構成されている。また、ハンドル部14Bの前端部内には、トリガ24の上側において、トリガスイッチ26が設けられており、トリガスイッチ26は制御部20に電気的に接続されている。トリガ24が引き操作されると、トリガスイッチ26が押圧されて、トリガスイッチ26から制御部20に検出信号が出力される構成になっている。そして、制御部20が、トリガスイッチ26からの検出信号に基づいて、トリガ24に対する操作を検知する構成になっている。
(ノーズ30について)
ノーズ30は、本体ハウジング部14Aの下端部内に配置されている。ノーズ30は、ノーズ30の上端部を構成するノーズ取付筒部30Aと、ノーズ取付筒部30Aから下側へ延出された射出部本体30Bと、を含んで構成されている。ノーズ取付筒部30Aは、上側へ開放された有底円筒状に形成されて、本体ハウジング部14Aの下端部内に収容されている。ノーズ取付筒部30Aの内部には、略円筒状のバンパ36が収容されている。そして、後述する打撃部44の上死点から下死点への下降時に、打撃部44がバンパ36に衝突して、打撃部44の運動エネルギーをバンパ36によって吸収するようになっている。
射出部本体30Bは、ノーズ取付筒部30Aから下側へ延出されると共に、本体ハウジング部14Aから下側へ突出している。射出部本体30Bには、ブレードガイド32が設けられている。そして、射出部本体30B及びブレードガイド32によって、射出部34が構成されており、射出部34が、後述する止具供給機構70により供給された釘Nを保持し、釘Nが射出部34から被打込材Wへ射出される構成になっている。射出部34は、上下方向を軸方向とする筒状に形成されており、射出部34とノーズ取付筒部30Aの内部とが連通している。
また、射出部34には、プッシュレバー38が設けられており、プッシュレバー38は、上下方向に延在されると共に、射出部34に上下方向に相対移動可能に連結されている。プッシュレバー38は、その先端部が射出部34よりも下側へ突出した非押込位置に配置されており、打込機10の作業時には、プッシュレバー38が、被打込材Wに押し付けられて、非押込位置に対して上側の押込位置に移動する構成になっている。また、射出部34には、プッシュレバー38の押込位置への移動を検出するレバースイッチ(図示省略)が設けられており、レバースイッチは制御部20に電気的に接続されている。また、射出部本体30Bの上端部における右部には、後述する変換機を収容する変換部収容部30Cが形成されており、変換部収容部30Cは、前後方向を軸方向とする円筒状に形成されている。
また、ブレードガイド32には、射出部34に供給される釘Nをガイドするためのブレードガイド部32Aが設けられている。ブレードガイド部32Aは、ブレードガイド32から後側へ延出されると共に、左右方向から見て、後側へ向かうに従い上側へ傾斜する方向(図1の矢印B方向及び矢印C方向であり、以下この方向を送り方向という)に沿って延在されている。そして、送り方向が本発明の第2方向に対応する。また、以下の説明では、送り方向一方側(図1の矢印B方向側)を正送り方向側と称し、送り方向他方側(図1の矢印C方向側)を逆送り方向側と称する。さらに、左右方向から見て、送り方向に対して直交する方向を直交方向(図1の矢印D方向及び矢印E方向)としている。
ブレードガイド部32Aの上端部には、レール部32Bが形成されており、レール部32Bは、釘Nの頭部をガイドするガイド部として構成されている。また、ブレードガイド部32Aは、ガイド片32Cを有しており、ガイド片32Cは、左右方向を板厚方向として、レール部32Bから直交方向一方側(図1の矢印E方向側)へ延出している。
(シリンダ40について)
シリンダ40は、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されると共に、ノーズ30の上側において本体ハウジング部14A内に配置されている。そして、シリンダ40の下端部が、ノーズ取付筒部30Aにねじ結合されて、ノーズ取付筒部30Aの径方向内側に配置されている。
(蓄圧容器42について)
蓄圧容器42は、下側へ開放された有底円筒状に形成されている。そして、シリンダ40の上端部が、蓄圧容器42にねじ結合されて、シリンダ40内と蓄圧容器42内とが連通している。また、蓄圧容器42の後端部は、下側へ張り出されて、シリンダ40の上端部の後側に配置されている。蓄圧容器42の内部は、圧力室42Aとして構成されており、圧力室42Aには、気体が充填されている。圧力室42A内に充填される気体は、空気、不活性ガス等であり、本実施の形態では、空気が圧力室42A内に充填されている。
(打撃部44について)
打撃部44は、上下方向に延在された長尺状に形成されると共に、上下方向に移動可能にシリンダ40内に収容されている。具体的には、打撃部44は、上死点(図1において2点鎖線にて示される位置)と、上死点から下側へ移動した下死点(図1において1点鎖線にて示される位置)と、の間を移動可能に構成されている。打撃部44は、打撃部44の上端部を構成するピストン46と、ピストン46から下側へ延出されたドライバブレード48と、を含んで構成されている。
ピストン46は、上下方向を軸方向とする上側へ開放された略有底円筒状に形成されており、ピストン46の外径がシリンダ40の内径よりも僅かに小さく設定されている。ピストン46の中央部には、後述するドライバブレード48を取付けるための取付部46Aが形成されており、取付部46Aは、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、ピストン46から下側へ延出されている。
ドライバブレード48は、上下方向に延在された略長尺状に形成されている。ドライバブレード48の上端部が取付部46A内に嵌入されて、ドライバブレード48がピストン46から下側へ延出している。そして、ドライバブレード48は、ノーズ30の射出部34内を移動可能に構成されており、打撃部44が上死点から下死点へ移動することで、射出部34内の釘Nをドライバブレード48によって上側から打撃するように構成されている。
また、打込機10の非作動状態では、打撃部44が待機位置(図1において実線にて示される位置)に配置されており、打撃部44の待機位置では、ドライバブレード48の先端部(下端部)が、射出部34に供給される釘Nの長手方向中間部に位置するように構成されている。すなわち、打込機10の非作動状態では、釘Nが射出部34に供給されておらず、打撃部44が上死点に移動し、後述する止具供給機構70が作動することで、釘Nが射出部34に供給される構成になっている。なお、前述のノーズ30には、打撃部44の位置を検出する位置検出センサ(図示省略)が設けられており、位置検出センサは、制御部20に電気的に接続されている。
(駆動機構50について)
駆動機構50は、打撃駆動部としての打撃用モータ52、減速機構部53、及び変換部55を有している。打撃用モータ52は、ブラシレスモータとして構成されており、モータハウジング部14Cの後端側内に収容されると共に、制御部20に電気的に接続されている。打撃用モータ52は、前後方向を軸方向とする駆動軸52Aを有しており、駆動軸52Aの前端部が、打撃用モータ52の前側に配置された減速機構部53に連結されている。また、減速機構部53は、ノーズ30の変換部収容部30C内に設けられた回転軸54に連結されており、打撃用モータ52の回転力が減速機構部53を介して回転軸54に伝達される構成になっている。
変換部55は、変換部収容部30C内に配置されている。変換部55は、回転軸54の回転力をドライバブレード48に伝達して、打撃部44を上側へ移動させる機構部として構成されている。具体的には、変換部55の作動時には、変換部55が、待機位置のドライバブレード48と係合して打撃部44を上死点に配置させる。また、打撃部44の上死点への到達後、変換部55とドライバブレード48との係合が解除され、打撃部44が圧力室42A内の圧力によって下死点に下降する。さらに、打撃部44の下死点への到達後、変換部55がドライバブレード48と再び係合し、変換部55によって打撃部44が待機位置に配置される構成になっている。
(マガジン60について)
マガジン60は、直交方向を軸方向とする中空の略円柱状に形成されている。マガジン60は、ブレードガイド32のブレードガイド部32Aの後側に配置されて、ブレードガイド部32Aに固定されている。そして、釘Nをマガジン60内に収容して、後述する止具供給機構70よって釘Nを射出部34に供給する構成になっている。釘Nは、長尺帯状のシートや長尺棒状の針金等によって連結されており、連結された複数の釘Nが、巻回された状態でマガジン60内に収容されている。そして、連結状態の釘Nがマガジン60の前部から引き出されて、ブレードガイド部32Aに配置されている。なお、マガジン60の外郭は、一部開口されたマガジン本体62と、マガジン本体62の開口部を開閉する蓋部64と、の2部材によって構成されており、蓋部64が、マガジン本体62に回動可能に連結されている。そして、蓋部64をマガジン本体62に対して回動させることで、マガジン本体62の開口部が開口されて、連結状態の釘Nをマガジン本体62内に収容できるようになっている。
(止具供給機構70について)
図1~図3に示されるように、止具供給機構70は、マガジン60内の釘Nを射出部34に供給する機構として構成されている。止具供給機構70は、ネイルガイドユニット72と、フィーダ駆動部及びアクチュエータとしてのフィーダモータ80と、フィーダユニット90と、を有している。また、止具供給機構70は、前述した制御部20を含んで構成されており、制御部20が本発明の検知部に対応する。
(ネイルガイドユニット72について)
ネイルガイドユニット72は、ネイルガイド73及びストッパ部材としてのネイルストッパ76を含んで構成されている。ネイルガイド73は、左右方向を板厚方向とする略板状に形成されており、ブレードガイド部32Aにおけるガイド片32Cの左側に配置されている。そして、ガイド片32Cとネイルガイド73との間には、釘Nの射出部34への供給時に釘Nが挿通するガイド路71が形成されており、ガイド路71内と射出部34内とが連通している。すなわち、ネイルガイド73は、釘Nの射出部34への供給時に釘Nをガイドするガイド部材として構成されている。
また、ネイルガイド73の前端部が、上下方向を軸方向とする連結軸74に回転可能に支持されており、連結軸74によって、ネイルガイド73がブレードガイド部32Aに連結されている。具体的には、ネイルガイド73が、ガイド片32Cと対向配置されたガイド位置(図2に示される位置)と、ガイド位置から左側へ回転したガイド解除位置(図3に示される位置)と、の間を回転可能に構成されている。そして、ネイルガイド73のガイド位置では、ネイルガイド73によってマガジン60の蓋部64の回転を阻止しており、図示しないロック部材によってネイルガイド73がガイド位置に保持されている。一方、ロック部材のネイルガイド73に対する保持状態を解除して、ネイルガイド73をガイド解除位置に回転させることで、マガジン60の蓋部64の回転が許可されて、マガジン本体62の開口部が開放される構成になっている。これにより、釘Nのマガジン60への装填時には、ネイルガイド73をガイド位置からガイド解除位置へ回転させたのち、さらに左側へ回転させて、連結状態の釘Nをマガジン60内に装填させる構成になっている。
また、ネイルガイド73の後側には、開閉検出部としてのネイルガイドセンサ75が設けられており、ネイルガイドセンサ75は、ブレードガイド部32Aに固定されている。ネイルガイドセンサ75は、レバー式のスイッチとして構成されて、制御部20に電気的に接続されている。そして、ネイルガイド73のガイド位置では、ネイルガイドセンサ75のレバー部がネイルガイド73によって押圧されて、ネイルガイドセンサ75から制御部20にオン信号が出力される構成になっている。一方、ネイルガイド73のガイド解除位置では、ネイルガイド73のネイルガイドセンサ75への押圧が解除されて、ネイルガイドセンサ75から制御部20にオフ信号が出力される構成になっている。これにより、ネイルガイドセンサ75の出力信号に基づいて、制御部20が、ネイルガイド73の開閉及びマガジン60の蓋部64の開閉を検知する構成になっている。
ネイルストッパ76は、送り方向に延在された略長尺ブロック状に形成されている。ネイルストッパ76の後端部は、直交方向を軸方向とする支持軸73Aに回転可能に支持されており、支持軸73Aは、ネイルガイド73に一体形成されている。また、ネイルストッパ76の先端部の左側には、ストッパ付勢部材としてのストッパ付勢バネ77が設けられており、ストッパ付勢バネ77は、圧縮コイルスプリングとして構成されている。ストッパ付勢バネ77の一端部は、ネイルストッパ76に係止され、ストッパ付勢バネ77の他端部は、ネイルガイド73に係止されており、ストッパ付勢バネ77がネイルストッパ76を回転方向一方側(図2の矢印F方向側)へ付勢している。そして、ネイルストッパ76は、図示しない位置においてネイルガイド73に係合されて、図2に示される対向位置に保持されており、対向位置では、後述するフィーダ92とネイルストッパ76とが釘Nを介して左右方向に対向配置されている。
ネイルストッパ76は、ストッパ部76Aを有しており、ストッパ部76Aは、ネイルストッパ76の先端部から右側へ突出して、ガイド路71内に配置されている。ストッパ部76Aは、直交方向から見て略三角形状に形成されると共に、直交方向に延在されている。
(フィーダモータ80について)
フィーダモータ80は、直交方向を軸方向としてブレードガイド部32Aの右側に配置されて、図示しないホルダによってブレードガイド部32Aに固定されている。フィーダモータ80は、モータ本体80Aと、モータ本体80Aから直交方向一方側へ延出された出力軸80Bと、を含んで構成されている。出力軸80Bには、略円柱状のフィーダギヤ82が一体回転可能に設けられており、フィーダギヤ82の外周部には、複数のギヤ歯によって構成されたギヤ部82Aが形成されている。フィーダモータ80は、制御部20と電気的に接続されており、制御部20の制御によって駆動する構成になっている。
(フィーダユニット90について)
フィーダユニット90は、フィーダロッド91(広義には、連結部材として把握される要素である)と、フィーダ92と、を含んで構成されている。フィーダロッド91は、送り方向を長手方向とする略矩形柱状に形成されて、フィーダギヤ82とブレードガイド部32Aとの間に配置されている。また、フィーダロッド91は、送り方向に移動可能にブレードガイド部32Aに連結されている。フィーダロッド91の右面には、複数のラック歯によって構成されたラック91Aが形成されており、ラック91Aは、フィーダギヤ82のギヤ部82Aと噛合されている。これにより、フィーダモータ80が駆動することで、フィーダロッド91が送り方向に往復移動する構成になっている。具体的には、フィーダロッド91は、引き位置(図2に示される位置)と、引き位置に対して正送り方向側(射出部34側)に配置された押し位置(図4の(3)に示される位置)と、の間を、往復移動するように構成されている。フィーダロッド91の先端側部分には、後述するフィーダ92を支持する支持軸91Bが設けられており、支持軸91Bは、直交方向を軸方向とする略円柱状に形成されている。
フィーダ92は、左右方向を厚み方向とする略矩形ブロック状に形成されて、フィーダロッド91の先端側部分とガイド路71との間に配置されている。フィーダ92の基端部(逆送り方向側端部)には、右側へ延出されたアーム部92Aが一体に形成されており、アーム部92Aの先端部が、支持軸91Bに回転可能に支持されている。これにより、フィーダ92が、フィーダロッド91と共に、引き位置と押し位置との間を往復移動する構成になっている。
また、フィーダロッド91の支持軸91Bには、フィーダ付勢部材としてのフィーダ付勢バネ93が装着されており、フィーダ付勢バネ93は、トーションスプリングとして構成されている。フィーダ付勢バネ93の一端部はフィーダ92に係止され、フィーダ付勢バネ93の他端部がフィーダロッド91に係止されて、フィーダ付勢バネ93がフィーダ92を回転方向一方側(図2の矢印G方向側)に付勢している。なお、フィーダロッド91によってフィーダ92の回転方向一方側への回転が規制されており、フィーダ92が図2に示される初期位置に保持されている。
フィーダ92の先端部には、第1フック92Bが設けられている。第1フック92Bは、フィーダ92から左側へ突出し、ガイド路71内に配置されると共に、直交方向に延在されている。第1フック92Bは、直交方向から見て、略台形状に形成されている。そして、フィーダ92の押し位置では、第1フック92Bが射出部34の後端部内に配置されて、釘Nを射出部34内に供給する構成になっている。一方、フィーダユニット90の引き位置では、第1フック92Bが、ネイルストッパ76のストッパ部76Aの逆送り方向側に配置されると共に、ストッパ部76A及び第1フック92Bが、1番目の釘Nと2番目の釘Nとの間に配置される構成になっている。
フィーダ92の先端側部分には、第1フック92Bに対して逆送り方向側において、第2フック92Cが設けられている。第2フック92Cは、フィーダ92から左側へ突出して、ガイド路71内に配置されると共に、直交方向に延在されている。第2フック92Cは、直交方向から見て、略V字形状に形成されている。そして、フィーダユニット90の押し位置では、第2フック92Cが、ネイルストッパ76のストッパ部76Aと左右方向に対向する位置に配置されている。また、第1フック92Bと第2フック92Cとの間に、連結状態の釘Nを配置できるように、送り方向における第1フック92Bと第2フック92Cとの間の距離が設定されている。
また、詳細については後述するが、制御部20は、止具供給機構70の作動時におけるフィーダモータ80の駆動電流(駆動情報)に基づいて、釘Nの残量を検知するように構成されている。具体的には、制御部20は、フィーダ92の引き位置と押し位置との間の往復移動時におけるフィーダモータ80の駆動電流が、往路復路の何れにおいても所定値AT以下である場合には、往復移動後における釘Nの残量が所定本数以下(本実施の形態では、ゼロ)であることを検知する。換言すると、制御部20は、フィーダ92の往復移動時におけるフィーダモータ80の駆動電流が、往路復路の少なくとも一方において所定値ATよりも高い場合には、往復移動後の釘Nの残量がゼロでないと検知する。つまり、フィーダモータ80によってフィーダ92を往復移動させるときの負荷に基づいて、制御部20が、釘Nの残量が所定本数以下であることを検知する。
そして、制御部20が、釘Nの残量がゼロであることを検知すると、打込機10を通常モードから空打防止モードに切替えて、打込機10の作動を禁止するようになっている。具体的には、打撃用モータ52の駆動を禁止して、打撃部44の作動を規制する構成になっている。すなわち、止具供給機構70は、打込機10における釘Nの残量を検知する検知機構、及び打込機10のモードを切替える切替機構としても機能するようになっている。
(止具供給機構70の動作について)
次に、図4~図10を用いて、釘Nの残量に応じた止具供給機構70の動作について説明する。なお、図9及び図10は、打込機10の打込動作の1サイクルにおける、打撃部44の位置、フィーダ92の位置、及びフィーダモータ80の駆動電流を時系列に示すタイムチャートである。
始めに、図4及び図5の作動図と図9のタイムチャートを用いて、釘Nの残量が3本以上の場合の止具供給機構70の動作について説明する。この場合では、釘Nの残量が3本以上であるため、打込機10が通常モードになっている。そして、打込機10の非作動状態(動作時間T0)では、打撃部44が待機位置に配置されている。具体的には、ドライバブレード48の下端部が、射出部34に配置される釘Nの長手方向中間部に対応する位置に配置されている。このため、図4の(1)に示されるように、釘Nが、射出部34内に供給されていない。また、この状態では、フィーダ92による釘Nの射出部34への供給がされていないため、フィーダ92が引き位置に配置されている。具体的には、1番目の釘Nと2番目の釘Nとの間に、ネイルストッパ76のストッパ部76A及びフィーダ92の第1フック92Bが配置されると共に、第1フック92Bがストッパ部76Aの逆送り方向側に配置されている。また、2番目の釘Nが、フィーダ92の第1フック92Bと第2フック92Cとの間に配置されている。
動作時間T1において、トリガ24が引き操作され且つプッシュレバー38が被打込材Wに押し付けられると、打撃部44の待機位置からの上昇が開始する。打撃部44のドライバブレード48が、釘Nよりも上側に移動した動作時間T2において、フィーダモータ80の正転駆動が開始され、フィーダロッド91及びフィーダ92が引き位置から押し位置側へ移動される。フィーダ92が引き位置から移動すると、図4の(2)に示されるように、フィーダ92の第2フック92Cが、第1フック92Bと第2フック92Cとの間の釘Nを正送り方向側へ押圧すると共に、当該釘Nがネイルストッパ76のストッパ部76Aを正送り方向側へ押圧する。これにより、ネイルストッパ76が対向位置から回転方向他方側へ回転して、フィーダ92に対して離間する方向に変位する。なお、フィーダ92の引き位置からの移動時には、フィーダ92の第1フック92Bが、ネイルストッパ76のストッパ部76Aを押圧しないように、直交方向における第1フック92Bとストッパ部76Aとの位置がずれている。
そして、動作時間T3において、フィーダ92が押し位置に到達する。これにより、フィーダ92の往路側の移動が完了する。フィーダ92の押し位置では、図4の(3)に示されるように、1番目の釘Nが、射出部34内に配置されると共に、2番目の釘Nが、第1フック92Bと第2フック92Cとの間に配置される。また、ストッパ付勢バネ77の付勢力によって、ネイルストッパ76は、対向位置に復帰して、ストッパ部76Aが、第2フック92Cと左右方向に対向配置される。ここで、フィーダ92の引き位置から押し位置への移動時には、上述のように、フィーダ92によって釘N及びネイルストッパ76を押圧し且つストッパ付勢バネ77の付勢力に抗してネイルストッパ76を回転方向他方側へ回転させる。このため、フィーダ92の往路移動でのフィーダモータ80の駆動電流値が、所定値ATよりも高い電流値A1となる。また、フィーダ92の往路移動でのフィーダモータ80の駆動時間(動作時間T2から動作時間T3までの時間)が、t1となる。
フィーダ92の押し位置への到達後の動作時間T4において、打撃部44が上死点に到達する。打撃部44の上死点への到達後の動作時間T5において、打撃部44が上死点から下死点に下降し、ドライバブレード48によって、釘Nが、打撃されて、射出部34から射出される(図5の(1)を参照)。
そして、動作時間T6において、フィーダモータ80の逆転駆動が開始され、フィーダロッド91及びフィーダ92が押し位置から引き位置側へ移動される。図5の(2)に示されるように、フィーダ92が押し位置から移動すると、フィーダ92の第1フック92Bが、第1フック92Bと第2フック92Cとの間の釘Nに当接して、当該釘Nによって、フィーダ92がフィーダ付勢バネ93の付勢力に抗して回転方向他方側へ回転した乗上位置に配置される。すなわち、フィーダ92が、釘Nを摺動しながら、逆送り方向側へ移動する。
そして、動作時間T7において、フィーダ92が引き位置に到達する。これにより、フィーダ92の復路移動が完了する。なお、フィーダ92の第1フック92Bが、逆送り方向側の釘Nに当接するときには、釘Nがネイルストッパ76のストッパ部76Aに当接して、釘Nの逆送り方向側への移動が規制されている。また、フィーダ92の引き位置では、フィーダ付勢バネ93の付勢力によって、フィーダ92が回転方向一方側へ回転して初期位置に復帰する(図5の(3)を参照)。すなわち、フィーダ92が第1フック92Bと第2フック92Cとの間の釘Nを乗り越えて、引き位置に到達し、第1フック92Bと第2フック92Cとの間の釘Nが、フィーダ92に対して正送り方向側に配置される。以上により、打込機10の打込動作におけるフィーダ92の往復移動が完了する。また、フィーダ92の復路移動時には、上述のように、フィーダ92が、フィーダ付勢バネ93の付勢力に抗して初期位置から回転方向他方側へ回転しながら、引き位置に移動する。このため、フィーダ92の復路移動でのフィーダモータ80の駆動電流値が、所定値ATよりも高い電流値A2となる。また、フィーダ92の復路移動でのフィーダモータ80の駆動時間(動作時間T6から動作時間T7までの時間)が、t2となる。
フィーダ92の引き位置への移動後の動作時間T8では、変換部55によって打撃部44が下死点から上昇し、動作時間T9において、打撃部44が待機位置に到達する。これにより、打込機10の打込動作の1サイクルが完了する。
以上により、釘Nの残量が3本以上のときのフィーダ92の往復移動時では、往路復路の何れにおいても、フィーダモータ80の駆動電流値A1、A2が所定値ATよりも高いため、制御部20は、打込機10の打込動作後における釘Nの残量がゼロでないことを検知する。これにより、制御部20は、打込機10の通常モードを継続する。
次に、図6及び図7の作動図を用いて、釘Nの残量が2本の場合の止具供給機構70の動作について説明する。図6の(1)に示されるように、釘Nの残量が2本の場合には、釘Nが、非作動状態のフィーダ92の第2フック92Cに対して逆送り方向側に配置されていない。この状態で、打込機10の打込動作が開始されると、上述と同様に、打撃部44が待機位置から上死点に上昇すると共に、フィーダ92によって、1番目の釘Nが射出部34内に押し出される(図6の(2)参照)。また、フィーダ92の引き位置から押し位置への移動時には、上述と同様に、フィーダ92によって2番目の釘N及びネイルストッパ76を押圧し且つネイルストッパ76をストッパ付勢バネ77の付勢力に抗して左側へ回転させながら、フィーダ92が押し位置に移動する。
フィーダ92の押し位置への移動後、打撃部44によって射出部34内の釘Nを打撃し、打撃後にフィーダモータ80を逆転駆動して、フィーダ92を押し位置から引き位置に移動させることで、フィーダ92が供給前の状態に復帰する(図7の(1)~(3)を参照)。また、フィーダ92の押し位置から引き位置への移動時には、上述と同様に、フィーダ92が、釘N上を摺動しながら、逆送り方向側へ移動する。すなわち、フィーダ92が、フィーダ付勢バネ93の付勢力に抗してフィーダ92を初期位置から回転方向他方側へ回動しながら、押し位置へ移動する。
以上により、釘Nの残量が2本の場合における打込機10の打込動作に対するタイムチャートは、図9に示されるタイムチャートと同じになる。すなわち、釘Nの残量が2本のときのフィーダ92の往復移動時では、往路復路の何れにおいても、フィーダモータ80の駆動電流値A1、A2が所定値ATよりも高くなる。このため、制御部20は、打込機10の打込動作後における釘Nの残量がゼロでないことを検知する。これにより、制御部20は、打込機10の通常モードを継続する。
次に、図8の作動図及び図10のタイムチャートを用いて、釘Nの残量が1本の場合の止具供給機構70の動作について説明する。この場合には、最後の釘Nが、フィーダ92に対して正送り方向側に配置されており、第1フック92Bと第2フック92Cとの間には、釘Nが配置されていない(図8の(1)を参照)。この状態で、打込機10の打込動作が開始されると、上述と同様に、打撃部44が待機位置から上死点に上昇する。また、フィーダモータ80の正転駆動によって、フィーダ92が引き位置から押し位置へ移動すると、釘Nがフィーダ92の第1フック92Bによって押し出されて、射出部34に移動する(図8の(2)を参照)。また、このときには、第1フック92Bと第2フック92Cとの間に釘Nがないため、フィーダ92は、釘Nを介してネイルストッパ76を押圧しない。すなわち、図10のタイムチャートに示されるように、フィーダ92の往路移動におけるフィーダモータ80の駆動電流値が、所定値ATよりも低い電流値A3となる。さらに、フィーダモータ80の駆動時間t3(動作時間T2から動作時間T3までの時間)が、駆動時間t1よりも短くなる。
この状態で、打撃部44が下死点に下降して射出部34内の釘Nを打撃すると、釘Nが射出部34から射出されて、釘Nの残量がゼロとなる。打撃部44が下死点への下降後、フィーダモータ80を逆転駆動して、フィーダ92を押し位置から引き位置へ移動させる。このときには、釘Nの残量がゼロであるため、フィーダ92が、初期位置の状態のまま逆送り方向側へ移動する。すなわち、フィーダ92が、釘Nを乗り上げることなく、引き位置に移動する。これにより、図10のタイムチャートに示されるように、復路側のフィーダモータ80の駆動電流値が、所定値ATよりも低い電流値A4となる。さらに、フィーダモータ80の駆動時間t4(動作時間T6と動作時間T7との間の期間)が、駆動時間t2よりも短くなる。
以上により、釘Nの残量が1本の場合における止具供給機構70の動作では、フィーダ92の往路復路の何れにおいても、フィーダモータ80の駆動電流値A3、A4が所定値AT以下となる。このため、制御部20は、打込機10の打込動作後における釘Nの残量がゼロであることを検知する。これにより、制御部20は、打込機10のモードを通常モードから空転防止モードに切替える。
(作用効果)
次に、打込機10の全体の動作を、図11に示されるフローチャートを用いて説明すると共に、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
打込機10の非作動状態では、打撃部44が待機位置に配置されているため、射出部34に釘Nが供給されていない。また、射出部34に釘Nが供給されていないため、止具供給機構70では、フィーダ92が引き位置に配置されている。また、プッシュレバー38が、非押込位置に配置されて、射出部34から下側へ突出している。
打込機10の電源がオンになると、ステップS1において、制御部20が打込機10を通常モードにして、ステップS2に移行する。ステップS2では、トリガ24が引き操作され且つプッシュレバー38が被打込材Wに押し付けられたか否かを、制御部20が判定する。具体的には、制御部20は、トリガスイッチ26及びレバースイッチからオン信号が出力されたか否かを判定する。
ステップS2において、トリガスイッチ26及びレバースイッチからオン信号が出力されない場合(ステップS2のNoの場合)には、ステップS5に移行する。ステップS5では、制御部20が、打込機10に対して所定時間内に操作が行われた否かを判定する。具体的には、制御部20は、所定時間内に、トリガスイッチ26又はレバースイッチからオン信号が出力されたか否かを判定する。打込機10に対して操作が行われない場合(ステップS5のYesの場合)には、処理を終了して電源をオフにする。一方、打込機10に対して操作が行われた場合(ステップS5のNoの場合)には、ステップS2に戻る。
ステップS2において、トリガスイッチ26及びレバースイッチからオン信号が出力された場合(ステップS2のYesの場合)には、ステップS3に移行する。ステップS3では、制御部20によって打撃用モータ52及びフィーダモータ80を駆動させて、打込機10の打込動作を実施させる。具体的には、打撃用モータ52の駆動によって打撃部44を待機位置から上死点に上昇させる。また、フィーダモータ80の駆動によってフィーダ92を引き位置から押し位置に移動させて釘Nを射出部34内に供給する。釘Nの射出部34内への供給後、打撃部44が下死点に下降して釘Nが被打込材Wに打ち込まれる。打撃部44の下死点への下降後、変換部55によって打撃部44が下死点から待機位置に上昇する。
ステップS3の処理後、ステップS4に移行する。ステップS4では、制御部20が、マガジン60内の釘Nの残量がゼロであるか否かを判定する。具体的には、ステップS3の打込機10の打込動作時において、フィーダ92の往復移動時におけるフィーダモータ80の駆動電流値が所定値AT以下であるか否かを制御部20が判定する。ステップS4において、釘Nの残量がゼロでない場合(ステップS4のNoの場合)には、ステップS1に戻る。
一方、ステップS4において、釘Nの残量がゼロである場合(ステップS4のYesの場合)には、ステップS6に移行して、制御部20が打込機10の動作モードを通常モードから空打防止モードに切替える。具体的には、打撃用モータ52の駆動を禁止する。
ステップS6の処理後、ステップS7に移行する。ステップS7では、ネイルガイド73が、ガイド位置からガイド解除位置に開かれたか否かを、制御部20が判定する。具体的には、制御部20は、ネイルガイドセンサ75の出力信号がオン信号からオフ信号に切替わったか否かを検知する。ネイルガイドセンサ75の出力信号がオフ信号に切替わった場合(ステップS7のYesの場合)には、マガジン60が開放されて、連結状態の釘Nがマガジン60内に装填されたと想定されるため、ステップS1に戻る。一方、ステップS7において、ネイルガイドセンサ75からの出力信号がオン信号のままの場合(ステップS7のNoの場合)には、ステップS8に移行する。
ステップS8では、制御部20が、打込機10に対して所定時間内に操作が行われた否かを判定する。具体的には、制御部20は、所定時間内に、トリガスイッチ26又はレバースイッチからオン信号が出力されたか否かを判定する。打込機10に対して操作が行われた場合(ステップS8のNoの場合)には、ステップS7に戻る。一方、打込機10に対して操作が行われない場合(ステップS8のYesの場合)には、処理を終了して電源をオフにする。
以上説明したように、打込機10は、マガジン60内の釘Nを射出部34へ供給する止具供給機構70を有している。止具供給機構70は、引き位置と押し位置との間を往復移動可能に構成され且つ押し位置側へ移動することで釘Nを射出部34へ供給するフィーダ92と、フィーダ92と連結され且つ駆動することでフィーダ92を移動させるフィーダモータ80と、フィーダモータ80を駆動制御する制御部20と、を含んで構成されている。そして、制御部20は、フィーダ92の往復移動時においてフィーダモータ80の駆動電流値に基づいて、釘Nの残量がゼロであることを検出する。すなわち、釘Nを射出部34に供給する止具供給機構70を活用して、釘Nの残量がゼロであることを検知できる。これにより、釘Nの残量が所定数以下であることを検知するための検知機構を別途設ける必要がなくなる。したがって、部品点数の増加及び大型化を抑制しつつ、釘Nの残量が所定数以下であることを検知できる。
また、フィーダ92は、釘Nに当接可能に構成された第1フック92B及び第2フック92Cを有しており、第1フック92Bが第2フック92Cに対して正送り方向側に配置されている。そして、フィーダ92の正送り方向側への移動時には、第2フック92Cが、第1フック92Bと第2フック92Cとの間の釘Nを正送り方向側へ押圧して釘Nを正送り方向側へ移動させる。一方、フィーダ92の逆送り方向側への移動時には、第1フック92Bが、第1フック92Bと第2フック92Cとの間の釘Nに当接しながら当該釘Nを乗り越える。
このため、釘Nの残量が1本の場合には、第1フック92Bによって当該釘Nを正送り方向側へ送って射出部34に供給できる。また、フィーダ92の往路移動時には、第1フック92Bと第2フック92Cとの間に釘Nがないため、フィーダモータ80の駆動電流を、第1フック92Bと第2フック92Cとの間に釘Nがある場合と比べて低くすることができる。さらに、最後の1本の釘Nを射出部34に送った後は、打撃部44によって釘Nが打撃されて、釘Nの残量がゼロになる。これにより、フィーダ92の復路移動時には、第1フック92Bと第2フック92Cとの間に釘Nがないため、フィーダモータ80の駆動電流を、第1フック92Bと第2フック92Cとの間に釘Nがある場合と比べて低くすることができる。以上により、本実施の形態の止具供給機構70によれば、フィーダ92の往復移動後の釘Nの残量がゼロになることを検知することができる。したがって、マガジン60内の釘Nの残量がゼロになるまで使用することができる。
また、フィーダ92の正送り方向側への移動時には、第1フック92Bと第2フック92Cとの間の釘Nによってネイルストッパ76を押圧し、ネイルストッパ76がストッパ付勢バネ77の付勢力に抗して対向位置から左側へ回転する。このため、フィーダ92の正送り方向側への移動時におけるフィーダモータ80の駆動電流を比較的高くすることができる。これにより、第1フック92Bと第2フック92Cとの間に釘Nがある場合とない場合とのフィーダモータ80の駆動電流の差を大きくすることができる。したがって、釘Nの有無を検知するための所定値ATを容易に設定することができる。また、ストッパ付勢バネ77の付勢力を適宜変更することで、フィーダ92の正送り方向側への移動時におけるフィーダモータ80の駆動電流値を容易に設定することができる。
また、フィーダの逆送り方向側への移動時には、第1フック92Bと第2フック92Cとの間の釘Nによって第1フック92Bを押圧し、フィーダ92がフィーダ付勢バネ93の付勢力に抗して初期位置から乗上位置に変位する。このため、フィーダ92の逆送り方向側への移動時におけるフィーダモータ80の駆動電流を比較的高くすることができる。これにより、第1フック92Bと第2フック92Cとの間に釘Nがある場合とない場合とのフィーダモータ80の駆動電流の差を大きくすることができる。したがって、釘Nの有無を検知するための所定値ATを容易に設定することができる。また、フィーダ付勢バネ93の付勢力を適宜変更することで、フィーダ92の逆送り方向側への移動時におけるフィーダモータ80の駆動電流値を容易に設定することができる。
また、釘Nの残量がゼロであることを制御部20が検知すると、制御部20は、打込機10を通常モードから空打防止モードに切替えて、打撃用モータ52の駆動を禁止する。これにより、打込機10の空打ちを防止することができる。また、釘Nの残量がゼロであることを制御部20が検知すると、制御部20はLEDなどからなる報知部21を点灯させて、釘Nの残量がゼロであることを作業者に報知する。
また、制御部20は、ネイルガイドセンサ75の出力信号によってネイルガイド73のガイド位置からガイド解除位置への回転を検知した場合には、打撃用モータ52の駆動禁止を解除する。すなわち、ネイルガイド73をガイド解除位置にすることで、マガジン60を開放させて、連結状態の釘Nをマガジン60内に装填できる。これにより、釘Nの装填後において、打込機10を空打防止モードから通常モードに切替えて、打込機10の作動を許可状態に復帰させることができる。
なお、打込機10では、フィーダ92の往復移動時において、釘Nに対する送り不具合が仮に生じると、打込機10を通常モードから空打防止モードに切り替えて、打撃用モータ52の駆動を禁止する。例えば、図12の(1)に示されるように、フィーダ92の復路移動時に、フィーダ92が引き位置に復帰されず、釘Nを乗り上げた乗上位置に停止した場合、フィーダ92の往復移動時におけるフィーダモータ80の駆動電流が所定値ATよりも低いため、制御部20は、打込機10のモードを通常モードから空転防止モードに切替える。
また、例えば、図13の(1)~(3)に示されるように、フィーダ92の復路移動時において、フィーダ92の第1フック92Bが第1フック92Bと第2フック92Cとの間の釘Nを乗り越えずに、フィーダ92が釘Nと共に引き位置へ移動した場合には、第1フック92Bと第2フック92Cとの間の釘Nが、ネイルストッパ76を押圧してネイルストッパ76が対向位置から回転方向他方側へ回転する。これにより、フィーダ92の復路移動時におけるフィーダモータ80の駆動電流が所定値ATより低くなるため、制御部20は、打込機10のモードを通常モードから空転防止モードに切替える。
なお、マガジン60内に装填された釘Nは、止具供給機構70によって射出部34に供給されるときにマガジン60に対して摺動し、摩擦による摺動抵抗を受ける。釘Nの残量の減少に伴い、この摺動抵抗は減少し、フィーダモータ80によってフィーダ92を往復移動させるときの負荷も減少する。このため、制御部20は、釘Nの残量が所定本数以上の状態であっても、フィーダモータ80にかかる負荷から釘Nの残量を検知することもできる。このとき、検出された釘Nの残量を報知部21で報知させてもよい。
(第2実施形態)
以下、図14~図21を用いて第2実施形態の打込機100について説明する。第2実施形態の打込機100は、以下に示す点を除いて第1実施形態の打込機10と同様に構成されている。すなわち、第2実施形態では、打撃部44の待機位置が、射出部34に配置される釘Nの頭部よりも上側に設定されている。これにより、打撃部44の待機位置において、釘Nを射出部34内に供給できるようになっている。このため、第2実施形態では、打込機10の非作動状態において、止具供給機構70のフィーダ92が押し位置に配置されると共に、釘Nが射出部34に供給されている設定になっている。つまり、フィーダ92が押し位置に配置された状態が、止具供給機構70の初期状態となっており、この状態で、打込機100の打込動作が開始するようになっている。第2実施形態では、待機位置において打撃部44が釘Nの頭部よりも上側に位置するとともにフィーダ92が押し位置に位置する構成であるため、第1実施形態のように待機位置において打撃部44が釘Nの頭部よりも下側に位置するとともにフィーダ92が引き位置に位置する構成と比較して、トリガ24が引き操作され且つプッシュレバー38が被打込材Wに押し付けられてから打撃が開始するまでの時間(第1実施形態におけるT1~T5、第2実施形態におけるT1からT3)を短くすることができる。尚、逆に第1実施形態は待機位置が第2実施形態下側に位置するため、待機位置において変換部55等にかかる負荷が小さい。以下、第2実施形態における、釘Nの残量数に応じた、止具供給機構70の動作について説明する。
始めに、図14及び図15の作動図と図18のタイムチャートとを用いて、釘Nの残量が3本以上の場合の止具供給機構70の動作について説明する。この場合では、釘Nの残量が3本以上であるため、打込機100が通常モードになっている。そして、打込機100の非作動状態(動作時間T0)では、打撃部44が待機位置に配置されると共に、釘Nが、射出部34内に供給されている(図14の(1)参照)。また、この状態では、フィーダ92によって釘Nを射出部34に供給しているため、フィーダ92が押し位置に配置されている。そして、フィーダ92の第1フック92Bと第2フック92Cとの間に、2番目の釘Nが配置されている。
動作時間T1において、トリガ24が引き操作され且つプッシュレバー38が被打込材Wに押し付けられると、打撃部44の待機位置からの上昇が開始し、動作時間T2において、打撃部44が上死点に到達する。動作時間T3では、打撃部44が上死点から下死点に下降する。これにより、ドライバブレード48によって、釘Nが、打撃されて、射出部34から射出される(図14の(2)参照)。そして、打撃部44の下死点への下降後の動作時間T4において、変換部55による打撃部44の下死点からの上昇が開始され、動作時間T5において、打撃部44が待機位置に到達する。
打撃部44の待機位置への到達後の動作時間T6において、フィーダモータ80の逆転駆動を開始して、フィーダロッド91及びフィーダ92を押し位置から引き位置側へ移動させる。そして、動作時間T7において、フィーダ92が引き位置に到達する(図14の(4)参照)。これにより、フィーダ92の往路移動が完了する。また、フィーダ92の往路移動時には、第1実施形態と同様に、フィーダ92が、第1フック92Bと第2フック92Cとの間の釘Nを乗り越えて、引き位置に移動する(図14の(3)参照)。このため、フィーダ92の往路移動における、フィーダモータ80の駆動電流値が、所定値ATよりも高い電流値A2となり、フィーダモータ80の駆動時間が、t2となる。
フィーダ92の引き位置への到達後の動作時間T8において、フィーダモータ80の正転駆動を開始して、フィーダロッド91及びフィーダ92を引き位置から押し位置側へ移動させる。そして、動作時間T9において、フィーダ92が押し位置に到達する。これにより、フィーダ92の復路移動が完了する。また、フィーダ92の復路移動時には、第1実施形態と同様に、フィーダ92が、第1フック92Bと第2フック92Cとの間の釘Nを押圧し、釘Nによってネイルストッパ76がストッパ付勢バネ77の付勢力に抗して対向位置から回転する(図15の(1)~(3)を参照)。このため、フィーダ92の復路移動における、フィーダモータ80の駆動電流値が、所定値ATよりも高い電流値A1となり、フィーダモータ80の駆動時間が、t1となる。
以上により、釘Nの残量が3本以上のときのフィーダ92の往復移動時では、フィーダモータ80の駆動電流値が所定値ATよりも高いため、制御部20は、打込機100の打込動作後における釘Nの残量がゼロでないことを検知する。これにより、制御部20は、打込機10の通常モードを継続する。
次に、図16の作動図及び図19のタイムチャートを用いて、釘Nの残量が2本の場合の止具供給機構70の動作について説明する。図16の(1)に示されるように、釘Nの残量が2本の場合には、非作動状態のフィーダ92に対して、第2フック92Cの逆送り方向側に釘Nが配置されていない。この状態で、打撃部44によって射出部34内の釘Nが打撃されると、釘Nの残量が1本となり、当該釘Nが第1フック92Bと第2フック92Cとの間に配置されている(図16の(2)参照)。そして、フィーダモータ80を逆転駆動してフィーダ92を押し位置から引き位置に移動させる(図16の(3)参照)。この場合には、上述と同様に、フィーダ92が、釘Nを乗り越えながら、逆送り方向側へ移動する。すなわち、図示は省略するが、フィーダ92を、フィーダ付勢バネ93の付勢力に抗して初期位置から回転方向他方側へ回動させながら、引き位置へ移動させる。このため、フィーダ92の往路移動における、フィーダモータ80の駆動電流値が、所定値ATよりも高い電流値A2となり、フィーダモータ80の駆動時間が、t2となる。
フィーダ92の引き位置への移動後、フィーダモータ80を正転駆動して、フィーダ92を引き位置から押し位置に移動させることで、釘Nが射出部34内に供給される。このときには、第1フック92Bと第2フック92Cとの間に釘Nがないため、ネイルストッパ76が、釘Nによって押圧されずに、対向位置に維持される。すなわち、図19のタイムチャートに示されるように、フィーダ92の復路移動時における、フィーダモータ80の駆動電流値が、所定値ATよりも低い電流値A3となり、フィーダモータ80の駆動時間t3が、駆動時間t1よりも短くなる。
以上により、釘Nの残量が2本のときでは、フィーダ92の往路移動におけるフィーダモータ80の駆動電流値A2が所定値ATよりも高くなり、フィーダ92の復路移動におけるフィーダモータ80の駆動電流値A3が所定値AT以下になる。これにより、制御部20は、フィーダモータ80の往路移動及び復路移動の両方のフィーダモータ80の駆動電流値が所定値AT以下ではないため、打込機100の打込動作後における釘Nの残量がゼロでないことを検知する。したがって、制御部20は、打込機10の通常モードを継続する。
次に、図17の作動図及び図20のタイムチャートを用いて、釘Nの残量が1本の場合の止具供給機構70の動作について説明する。図17の(1)に示されるように、釘Nの残量が1本の状態では、当該釘Nが射出部34内に供給されている。この状態で、打撃部44によって射出部34内の釘Nが打撃されると、釘Nの残量がゼロとなる(図17の(2)参照)。これにより、フィーダ92の押し位置から引き位置への移動時には、釘Nの残量がゼロであるため、フィーダ92が、初期位置に配置された状態で、逆送り方向側へ移動する。すなわち、図20のタイムチャートに示されるように、フィーダ92の往路移動時における、フィーダモータ80の駆動電流値が、所定値ATよりも低い電流値A4となり、フィーダモータ80の駆動時間t4が、駆動時間t2よりも短くなる。
また、フィーダ92の引き位置への移動後における、フィーダ92の引き位置から押し位置への移動時には、釘Nの残量がゼロであるため、上述と同様に、ネイルストッパ76が、釘Nによって押圧されずに、対向位置に維持される。すなわち、図20のタイムチャートに示されるように、フィーダ92の復路移動時における、フィーダモータ80の駆動電流値が、所定値ATよりも低い電流値A3となり、フィーダモータ80の駆動時間t3が、駆動時間t1よりも短くなる。
以上により、釘Nの残量が1本のときのフィーダ92の往復移動時では、フィーダモータ80の駆動電流が所定値AT以下となる。このため、制御部20は、打込機100の打込動作後における釘Nの残量がゼロであると検知する。これにより、制御部20は、打込機100のモードを通常モードから空転防止モードに切替る。
次に、第2実施形態における打込機100の全体の動作を、図21に示されるフローチャートを用いて説明する。
第2実施形態の打込機100では、打込機100の非作動状態において、釘Nが射出部34内に供給されている。また、打撃部44が釘Nよりも上側の待機位置に配置されると共に、フィーダ92が押し位置に配置されている。また、プッシュレバー38が、非押込位置に配置されて、射出部34から下側へ突出している。
打込機100の電源がオンになると、ステップS1において、制御部20が、打込機100を通常モードにして、ステップS2に移行する。ステップS2では、トリガ24が引き操作され且つプッシュレバー38が被打込材Wに押し付けられたか否かを、制御部20が判定する。具体的には、制御部20は、トリガスイッチ26及びレバースイッチからオン信号が出力されたか否かを判定する。
ステップS2において、トリガスイッチ26及びレバースイッチからオン信号が出力されない場合(ステップS2のNoの場合)には、ステップS5に移行する。ステップS5では、制御部20が、打込機10に対して所定時間内に操作が行われた否かを判定する。具体的には、制御部20は、所定時間内に、トリガスイッチ26又はレバースイッチからオン信号が出力されたか否かを判定する。打込機100に対して操作が行われない場合(ステップS5のYesの場合)には、処理を終了して電源をオフにする。一方、打込機100に対して操作が行われた場合(ステップS5のNoの場合)には、ステップS2に戻る。
ステップS2において、トリガスイッチ26及びレバースイッチからオン信号が出力された場合(ステップS2のYesの場合)には、ステップS3に移行する。ステップS3では、打撃用モータ52及びフィーダモータ80を駆動させて、打込機100に対して打込動作を実施させる。
ステップS3の処理後、ステップS4に移行する。ステップS4では、制御部20が、マガジン60内の釘Nの残量がゼロであるか否かを判定する。具体的には、ステップS3の打込機10の打込動作時において、フィーダ92の往復移動時におけるフィーダモータ80の駆動電流値が所定値AT以下であるか否かを制御部20が判定する。ステップS4において、釘Nの残量がゼロでない場合(ステップS4のNoの場合)には、ステップS1に戻る。一方、ステップS4において、釘Nの残量がゼロである場合(ステップS4のYesの場合)には、ステップS6に移行する。
ステップS6では、制御部20が打込機10の動作モードを通常モードから空打防止モードに切替える。具体的には、打撃用モータ52及びフィーダモータ80の駆動を禁止する。ステップS6の処理後、ステップS7に移行する。ステップS7では、ネイルガイド73がガイド位置からガイド解除位置に開かれたか否かを、制御部20が判定する。具体的には、制御部20は、ネイルガイドセンサ75の出力信号がオン信号からオフ信号に切り替わったか否かを検知する。ネイルガイドセンサ75の出力信号がオフ信号に切替わった場合(ステップS7のYesの場合)には、マガジン60が開放されて、連結状態の釘Nがマガジン60内に装填されたと想定されるため、ステップS1に戻る。一方、ステップS7において、ネイルガイドセンサ75からの出力信号がオン信号のままの場合(ステップS7のNoの場合)には、ステップS8に移行する。
ステップS8では、制御部20が、トリガ24が操作され且つプッシュレバー38が被打込材Wに押し付けられたか否かを検知する。具体的には、制御部20は、トリガスイッチ26及びレバースイッチからオン信号が出力されたか否かを検知する。トリガ24が操作されない場合(ステップS8のNoの場合)には、ステップS11に移行する。ステップS11では、制御部20が、打込機10に対して所定時間内に操作が行われた否かを判定する。具体的には、制御部20は、所定時間内に、トリガスイッチ26又はレバースイッチからオン信号が出力されたか否かを判定する。打込機100に対して操作が行われない場合(ステップS11のYesの場合)には、処理を終了して電源をオフにする。一方、打込機100に対して操作が行われた場合(ステップS11のNoの場合)には、ステップS7に戻る。
ステップS8においてトリガ24が操作され且つプッシュレバー38が被打込材Wに押し付けられた場合(ステップS8のYesの場合)には、ステップS9に移行する。ステップS9では、制御部20が、打撃用モータ52に対する駆動を禁止した状態で、フィーダモータ80を駆動させて、止具供給機構70を作動させる。これにより、仮に釘Nに対する送り不具合が起きた場合では、射出部34に供給されなかった釘Nを射出部34に送ることができる。そして、ステップS9の処理後、ステップS10に移行する。
ステップ10では、制御部20が、マガジン60内の釘Nの残量がゼロであるか否かを判定する。具体的には、ステップS9のフィーダ92の往復移動時において、フィーダモータ80の駆動電流値が所定値AT以下であるか否かを制御部20が判定する。ステップS10において、釘Nの残量がゼロでない場合(ステップS10のNoの場合)には、ステップS1に戻る。一方、ステップS10において、釘Nの残量がゼロである場合(ステップS10のYesの場合)には、ステップS7に戻る。
以上により、第2実施形態においても、釘Nの残量が所定数以下であることを検知するための検知機構を別途設けることなく、釘Nを射出部34に供給する止具供給機構70の構成によって、釘Nの残量がゼロであることを検出することができる。これにより、部品点数の増加を抑制しつつ、釘Nの残量を検出することができる。
なお、第1実施形態及び第2実施形態では、フィーダモータ80の駆動によってフィーダ92が移動する構成になっているが、フィーダ92を移動させる構成はこれに限らない。以下、フィーダ92を移動させる他の構成を、止具供給機構70の変形例として説明する。
(止具供給機構70の変形例1)
図22(A)に示されるように、変形例1では、第2実施形態の打込機100において、フィーダモータ80の代わりに、フィーダ駆動部及びアクチュエータとしてのソレノイド200が設けられると共に、止具供給機構70において、フィーダロッド91を省略している。ソレノイド200は、ソレノイド本体200Aと、プランジャ200Bと、を含んで構成されている。ソレノイド本体200Aは、図示しないホルダによって、ブレードガイド部32Aに固定されており、プランジャ200Bがソレノイド本体200Aから正送り方向側へ延出されている。また、ソレノイド200は、制御部20に電気的に接続されており、制御部20によって作動することで、プランジャ200Bが逆送り方向側へ移動するようになっている。そして、フィーダ92がプランジャ200Bに回転可能に連結されている。
プランジャ200Bには、圧縮コイルスプリングとして構成された付勢バネ202が装着されている。付勢バネ202の一端部がプランジャ200Bに係止され、付勢バネ202の他端部がソレノイド本体200Aに係止されて、付勢バネ202がプランジャ200Bを正送り方向側に付勢している。これにより、ソレノイド200が、制御部20によって作動することで、プランジャ200Bが逆送り方向側へ移動すると共に、フィーダ92が押し位置から引き位置へ移動する。一方、ソレノイド200に対する制御部20の駆動を停止することで、付勢バネ202の付勢力によってプランジャ200Bが正送り方向側へ移動すると共に、フィーダ92が引き位置から押し位置へ移動する。これにより、フィーダ92が往復移動する。
そして、ソレノイド200の駆動電流が所定値よりも高い場合には、制御部20が釘Nの残量がゼロでないと判定する。一方、ソレノイド200の駆動電流が所定値以下の場合には、制御部20が釘Nの残量がゼロであると判定する。
(止具供給機構70の変形例2)
図22(B)に示されるように、変形例2では、第1実施形態の打込機10において、フィーダモータ80の代わりに、フィーダ駆動部及びアクチュエータとしてのソレノイド204が設けられている。ソレノイド204は、ソレノイド本体204Aと、プランジャ204Bと、を含んで構成されている。ソレノイド本体204Aは、図示しないホルダによって、ブレードガイド部32Aに固定されており、プランジャ204Bがソレノイド本体204Aから正送り方向側及び逆送り方向側へ突出している。また、ソレノイド200は、制御部20に電気的に接続されており、制御部20によって作動することで、プランジャ200Bが正送り方向側へ移動するようになっている。そして、フィーダロッド91の逆送り方向側の端部が、プランジャ204Bの正送り方向側端部に一体移動可能に連結されている。
フィーダロッド91には、圧縮コイルスプリングとして構成された付勢バネ206が装着されている。付勢バネ206の一端部がブレードガイド部32Aに係止され、付勢バネ206の他端部がフィーダロッド91に係止されて、付勢バネ206がフィーダロッド91及びプランジャ204Bを逆送り方向側に付勢している。これにより、ソレノイド204が、制御部20によって作動することで、プランジャ204Bが正送り方向側へ移動すると共に、フィーダ92が引き位置から押し位置へ移動する。一方、ソレノイド200に対する制御部20の駆動を停止することで、付勢バネ206の付勢力によってプランジャ204Bが逆送り方向側へ移動すると共に、フィーダ92が押し位置から引き位置へ移動する。これにより、フィーダ92が往復移動する。
そして、ソレノイド204の駆動電流が所定値よりも高い場合には、制御部20が釘Nの残量がゼロでないと判定する。一方、ソレノイド204の駆動電流が所定値以下の場合には、制御部20が釘Nの残量がゼロであると判定する。
また、第1実施形態及び第2実施形態(上記変形例1及び2を含む)では、制御部20が、フィーダモータ80又はソレノイド200、204の駆動電流に基づいて、釘Nの残量がゼロであるか否かを判定している。これに代えて、フィーダモータ80又はソレノイド200、204の駆動時間に基づいて、釘Nの残量がゼロであるか否かを判定してもよい。すなわち、フィーダモータ80又はソレノイド200、204の駆動時間が所定時間よりも長い場合には、釘Nの残量がゼロでないと判定し、フィーダモータ80又はソレノイド200、204の駆動時間が所定時間以下の場合には、釘Nの残量がゼロであると判定してもよい。また、フィーダモータ80又はソレノイド200、204の駆動電流及び駆動時間に基づいて、釘Nの残量がゼロであるか否かを判定してもよい。
以上、実施形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。例えば、第1実施形態及び第2実施形態においては圧力室42A内に充填された気体の圧力によって打撃部44を駆動する構成としたが、本発明はこの構成に限定されず、例えば打込機とは別に設けた圧縮機から供給される圧縮空気によって打撃部を駆動する構成や、圧力室に充填された可燃性ガスを燃焼させて生じる圧力変化によって打撃部を駆動する構成、コイルスプリングのバネ力によって打撃部を駆動する構成などに置き換えてもよい。