以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数などを、実際の構造における縮尺および数などと異ならせる場合がある。
また、図面には、適宜、Z軸を示している。Z軸は、鉛直方向を示している。鉛直方向のうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)は上側であり、鉛直方向のうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)は下側である。Z軸と直交する方向は、水平方向である。なお、本明細書において、鉛直方向および水平方向を用いて説明される各部の相対位置関係は、少なくとも無人飛行体が飛行している状態において満たされればよい。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態における無人飛行体システム100を示す模式図である。図2は、無人飛行体システム100の構成を示すブロック図である。図1および図2に示すように、無人飛行体システム100は、無人飛行体10と、地上局20と、接続ケーブル30と、を備える。無人飛行体10は、接続ケーブル30を介して地上局20と連結されている。無人飛行体10には、地上局20から電力が供給される。無人飛行体10は、地上局20によって制御される。
地上局20は、地上に設置されている。地上局20は、無人飛行体10に電力を供給し、かつ、無人飛行体10を制御する。図2に示すように、地上局20は、システム制御装置21と、無線通信装置22と、電源装置70と、を有する。システム制御装置21は、無人飛行体システム100を制御する装置である。システム制御装置21は、無線通信装置22によって無人飛行体10の後述する制御部40に信号を無線で送信する。これにより、システム制御装置21は、無人飛行体10を制御する。
無線通信装置22は、無人飛行体10の後述する無線通信部15から送信されたGPS受信部16の演算結果を受信する。無線通信装置22によって受信されたGPS受信部16の演算結果は、システム制御装置21に入力される。システム制御装置21は、GPS受信部16の演算結果に基づいて、無人飛行体10を制御する。
電源装置70は、無人飛行体10に接続ケーブル30を介して電力を供給する装置である。電源装置70には、システム制御装置21が電気的に接続されている。電源装置70が接続ケーブル30に流す電力は、例えば、高電圧かつ低電流の電力である。接続ケーブル30を介して電源装置70から無人飛行体10に供給された電力は、後述する第2変圧部52によって低電圧かつ高電流の電力に変換されてから、無人飛行体10の各部に供給される。
図3は、電源装置70を示す斜視図である。図3に示すように、電源装置70は、例えば、直方体状である。電源装置70は、直方体箱状のケース71と、ケース71の内部に収容された巻回部72と、ケース71に設けられた第1コネクタ部73aおよび第2コネクタ部73bと、を有する。ケース71は、上側に開口するケーブル引出口71aを有する。
巻回部72は、水平方向に延びる回転軸R回りに回転可能である。巻回部72には、回転軸R回りに接続ケーブル30の一部が巻き回されている。巻回部72に巻き回された接続ケーブル30のうち無人飛行体10に接続される側の端部は、ケーブル引出口71aを介して、ケース71の上側に引き出されている。接続ケーブル30が上側に引っ張られると、巻回部72が回転軸R回りに回転し、巻回部72に巻き回されていた接続ケーブル30の部分が巻回部72から解けて、ケース71の外部に順次送られていく。なお、巻回部72は、図示しないモータなどによって回転軸R回りに回転させられることで、接続ケーブル30を巻き取り可能となっていてもよい。また、巻回部72には、図示しない巻きばねなどにより接続ケーブル30を巻き取る向きに回転軸R回りに常時力が加えられていてもよい。
第1コネクタ部73aは、電源としての家庭用電源(電源)Hに電気的に接続されるコネクタ部である。家庭用電源Hは、例えば、一般的な家庭の家屋などに供給される電源である。第1コネクタ部73aは、第1電源ケーブル81によって家庭用電源Hと電気的に接続される。第1電源ケーブル81の一端は、第1コネクタ部73aに設けられた穴部内に差し込まれ、第1コネクタ部73aに設けられた端子部に電気的に接続される。本実施形態において第1コネクタ部73aに設けられた穴部は、ケース71の上面に開口している。第1電源ケーブル81の他端は、家屋などの壁部Wに設けられた家庭用コンセントHaに差し込まれることで、家庭用電源Hに電気的に接続される。これにより、第1コネクタ部73aと家庭用電源Hとが第1電源ケーブル81によって互いに電気的に接続される。
第2コネクタ部73bは、電源としての発電機(電源)Gに電気的に接続されるコネクタ部である。第2コネクタ部73bは、例えば、第1コネクタ部73aと水平方向に間隔を空けて並んで配置されている。第2コネクタ部73bは、第2電源ケーブル82によって発電機Gと電気的に接続される。第2電源ケーブル82の一端は、第2コネクタ部73bに設けられた穴部内に差し込まれ、第2コネクタ部73bに設けられた端子部に電気的に接続される。本実施形態において第2コネクタ部73bに設けられた穴部は、ケース71の上面に開口している。第2電源ケーブル82の他端は、発電機Gに設けられたコンセントGaに差し込まれることで、発電機Gに電気的に接続される。これにより、第2コネクタ部73bと発電機Gとが第2電源ケーブル82によって互いに電気的に接続される。第2電源ケーブル82は、第1電源ケーブル81と同一のケーブルであってもよいし、第1電源ケーブル81と異なるケーブルであってもよい。
家庭用電源Hおよび発電機Gは、電源装置70が接続される電源である。本実施形態の電源装置70は、家庭用電源Hと発電機Gとのうちのいずれかの電源に接続される。無人飛行体システム100の使用者は、電源装置70に接続する電源を家庭用電源Hと発電機Gとのうちからいずれか1つを選択し、選択した電源を、電源ケーブルを用いて電源装置70に接続する。家庭用電源Hから無人飛行体10に供給可能な電力は、例えば、発電機Gから無人飛行体10に供給可能な電力よりも小さい。
図3の例では、電源装置70が第1電源ケーブル81によって家庭用電源Hに接続された場合を示している。電源装置70に家庭用電源Hが接続される場合には、電源装置70には発電機Gは接続されない。図3の例では、発電機Gおよび第2電源ケーブル82を二点鎖線で示し、発電機Gが電源装置70に接続された場合を仮想的に示している。電源装置70に発電機Gが接続される場合には、電源装置70には家庭用電源Hは接続されない。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、電源装置70に家庭用電源Hが接続されている場合について説明する。
図4は、無人飛行体10の構成および電源装置70の構成を示すブロック図である。図4に示すように、電源装置70は、第1変圧部74と、電力情報送信部75と、ノイズフィルタ76と、を有する。第1変圧部74は、第1コネクタ部73aおよび第2コネクタ部73bと電気的に接続されている。第1変圧部74は、家庭用電源Hまたは発電機Gから電源装置70に供給された電力を、高電圧かつ低電流の電力に変換し、接続ケーブル30の後述する電源線31に流す。
電力情報送信部75は、家庭用電源Hから供給される電力と発電機Gから供給される電力とのいずれの電力が電源装置70に供給されているかを示す信号を無人飛行体10の後述する電力切替部51に送る。本実施形態において電力情報送信部75は、第1コネクタ部73aと第1変圧部74とを繋ぐ配線と、第2コネクタ部73bと第1変圧部74とを繋ぐ配線とに電気的に接続されている。電力情報送信部75は、これらの各配線に流れる電流または各配線に印加された電圧などの値に基づいて、電源装置70が家庭用電源Hと発電機Gとのどちらの電源に接続されているか否かを判定し、電源装置70に接続された電源に関する情報を電力切替部51に送る。本実施形態において電力情報送信部75には、接続ケーブル30の後述する信号線32が電気的に接続されている。電力情報送信部75は、信号線32を介して有線で電力切替部51に信号を送る。なお、電力情報送信部75は、無線によって電力切替部51に信号を送ってもよい。
電力情報送信部75が家庭用電源Hから供給される電力と発電機Gから供給される電力とのいずれの電力が電源装置70に供給されているかを判定する方法は、上述した方法に限られない。電力情報送信部75は、例えば、図4に二点鎖線で示すスイッチ78の状態に基づいて無人飛行体10の電力切替部51に信号を送ってもよい。この場合、スイッチ78は、例えば、ケース71の外表面に設けられる。スイッチ78は、例えば、電源として家庭用電源Hを使用するモードと電源として発電機Gを用いるモードとの間で電源装置70の使用モードを切り替えるためのスイッチである。この場合、使用者は、電源として家庭用電源Hと発電機Gとのいずれを用いるかに応じて、スイッチ78を切り替える。電力情報送信部75は、スイッチ78の状態に基づいて、いずれの電源から電源装置70に電力が供給されているかを判定し、電源装置70に接続された電源に関する情報を電力切替部51に送る。
なお、例えば、スイッチ78の切り替えによって電源装置70の使用モードが家庭用電源Hを使用するモードとなった場合において、発電機Gを電源装置70に接続しても発電機Gから電源装置70に電力が供給されないように回路の一部が遮断される構成としてもよい。また、例えば、スイッチ78の切り替えによって電源装置70の使用モードが発電機Gを使用するモードとなった場合において、家庭用電源Hを電源装置70に接続しても家庭用電源Hから電源装置70に電力が供給されないように回路の一部が遮断される構成としてもよい。
また、電力情報送信部75は、電源装置70に家庭用電源Hが接続された場合に後述する電力切替部51に信号を送り、電源装置70に発電機Gが接続された場合には電力切替部51に信号を送らなくてもよい。また、電力情報送信部75は、電源装置70に発電機Gが接続された場合に電力切替部51に信号を送り、電源装置70に家庭用電源Hが接続された場合には電力切替部51に信号を送らなくてもよい。これらの場合であっても、電力切替部51は、電力情報送信部75からの信号の有無を判定することで、電源装置70に接続された電源に関する情報を取得できる。
ノイズフィルタ76は、第2コネクタ部73bと第1変圧部74との間に設けられている。発電機Gが第2コネクタ部73bに接続された場合、第2コネクタ部73bから第1変圧部74へと流れる電流はノイズフィルタ76を通る。ノイズフィルタ76によって発電機Gから供給される電流に含まれるノイズの少なくとも一部を除去できる。発電機Gからの電流には比較的多くのノイズが含まれやすいため、第2コネクタ部73bと第1変圧部74との間にノイズフィルタ76を設けることで、発電機Gを電源装置70の電源として用いる場合であっても、ノイズが少ない電流を無人飛行体10へと供給できる。
接続ケーブル30は、電源装置70と無人飛行体10とを繋ぐケーブルである。本実施形態において接続ケーブル30は、電源線31と、信号線32と、を有する。図示は省略するが、電源線31は、正極用と負極用との2本設けられている。信号線32は、例えば、2本設けられている。つまり、接続ケーブル30は、例えば、2本の電源線31と2本の信号線32との4本の配線が束ねられて構成されている。なお、信号線32は、1本であってもよいし、3本以上であってもよい。
図1に示すように、無人飛行体10は、本体部11と、照明装置12と、撮像装置13と、を有する。照明装置12および撮像装置13は、本体部11に取り付けられている。照明装置12および撮像装置13を有することで、無人飛行体10は、飛行中に光を照射することと、飛行中に周囲の風景および対象物などを撮像することとが可能である。
照明装置12は、光Lを照射可能である。照明装置12の光源は、例えば、発光ダイオード(LED:light emitting diode)などである。照明装置12は、本体部11の外面に固定されている。本実施形態において照明装置12は、1つの無人飛行体10に対して複数設けられている。より具体的には、照明装置12は、1つの無人飛行体10に対して2つ設けられている。2つの照明装置12は、本体部11を水平方向に挟んで配置されている。照明装置12は、光Lの照射方向を変更可能である。照明装置12は、地上に光Lを照射することもできるし、水平方向に光Lを照射することもできるし、上方に向けて光Lを照射することもできる。なお、図1では、照明装置12が地上に向けて光Lを照射する状態を示している。
撮像装置13は、例えば、CCDイメージセンサを有するカメラである。撮像装置13は、例えば、撮像方向を変化させることができる。撮像装置13は、1つの無人飛行体10に対して複数設けられてもよい。
図2に示すように、本体部11は、制御部40と、動力部14と、無線通信部15と、GPS受信部16と、電源部50と、バッテリ60と、を有する。また、図4に示すように、本体部11は、電流検出部17を有する。制御部40は、地上局20から送られる信号に基づいて、照明装置12、撮像装置13、および動力部14を制御する。制御部40には、電源部50から電力が供給される。
動力部14は、無人飛行体10に浮力および推進力を生じさせる。図2に示すように、動力部14は、モータ14aと、モータ14aによって回転させられるプロペラ14bと、を有する。プロペラ14bは、鉛直方向に延びる軸回りに回転可能である。本実施形態において動力部14は、複数設けられている。より具体的には、動力部14は、4つ設けられている。なお、動力部14の数は、特に限定されない。
無線通信部15は、地上局20に設けられた無線通信装置22と無線により通信可能である。無線通信部15は、無線通信装置22から無人飛行体10の制御に関する信号を受信可能である。無線通信部15によって受信された信号は、制御部40に入力される。無線通信部15は、GPS受信部16から入力された信号を、地上局20に設けられた無線通信装置22に送信可能である。
GPS受信部16は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信可能である。GPS受信部16は、GPS衛星から受信した信号に基づいて、GPS受信部16の現在位置を演算可能である。GPS受信部16の演算結果は、無線通信部15によって地上局20に送られる。
電源部50は、制御部40に接続されている。電源部50は、制御部40を介して、照明装置12、撮像装置13、および複数の動力部14に電力を供給する。電源部50は、接続ケーブル30によって電源装置70と電気的に接続されている。図4に示すように、電源部50は、電力切替部51と、第2変圧部52と、を有する。
第2変圧部52には、接続ケーブル30の電源線31が接続されている。第2変圧部52は、電源線31によって、電源装置70の第1変圧部74と電気的に接続されている。第2変圧部52は、電源線31から供給される電力の電圧を変換可能である。本実施形態において第2変圧部52は、電源線31を介して電源装置70から供給される高電圧かつ低電流の電力を、低電圧かつ高電流の電力に変換する。
電力切替部51には、接続ケーブル30が電気的に接続されている。より詳細には、電力切替部51には、第2変圧部52を介して電源線31が電気的に接続されている。電力切替部51には、信号線32が電気的に接続されている。電力切替部51には、バッテリ60が電気的に接続されている。
電力切替部51は、無人飛行体10において消費される電力に基づいて無人飛行体10の電力として使用される電力を切り替える電力切替制御を実行可能である。本実施形態において電力切替部51は、電力切替制御によって、無人飛行体10の電力として使用される電力を、家庭用電源Hから供給される第1電力と、バッテリ60から供給される第2電力との間で切り替える。電力切替制御については、後段において詳述する。
バッテリ60は、電力切替部51に電気的に接続されている。バッテリ60は、充電式のバッテリである。バッテリ60は、例えば、予め充電された状態で無人飛行体10に搭載される。バッテリ60は、接続ケーブル30を介して電源装置70から無人飛行体10に供給される電力の一部によって充電可能となっている。なお、本実施形態において本体部11には、バッテリ60から流れる電流が接続ケーブル30へと流れることなどを抑制する逆流防止回路などが設けられている。
電流検出部17は、電力切替部51に電気的に接続されている。電流検出部17は、無人飛行体10に供給される電流を検出可能である。より詳細には、電流検出部17は、無人飛行体10全体で使用される総電流量を検出可能である。本実施形態において、無人飛行体10全体で使用される総電流量は、複数の動力部14のモータ14aなどを含む本体部11で使用される電流量と、複数の照明装置12で使用される電流量と、撮像装置13で使用される電流量と、を足し合わせた電流量である。
例えば、電源装置70から供給される電力が無人飛行体10で使用される場合、無人飛行体10全体で使用される総電流量は、第2変圧部52から電力切替部51に流れる電流の大きさである。また、例えば、バッテリ60から供給される電力が無人飛行体10で使用される場合、無人飛行体10全体で使用される総電流量は、バッテリ60から電力切替部51に流れる電流の大きさである。電流検出部17は、第2変圧部52と電力切替部51とを繋ぐ配線に流れる電流、およびバッテリ60と電力切替部51とを繋ぐ配線に流れる電流をそれぞれ検出可能である。電流検出部17の構成は、電流を検出可能であれば、特に限定されない。
無人飛行体10全体で使用される総電流量、すなわち電流検出部17によって検出される電流の値が大きいほど、無人飛行体10において消費される電力は大きくなる。電流検出部17によって検出される電流の値は、例えば、無人飛行体10において消費される電力に比例する。
次に、電力切替部51による電力切替制御について詳細に説明する。本実施形態において電力切替部51は、家庭用電源Hから第1コネクタ部73aを介して電源装置70に電力が供給される場合に電力切替制御を実行する。一方、本実施形態において電力切替部51は、発電機Gから第2コネクタ部73bを介して電源装置70に電力が供給される場合には電力切替制御を実行しない。つまり、本実施形態では、電源装置70が第1電源ケーブル81を介して家庭用電源Hと接続されている場合に電力切替制御が実行され、電源装置70が第2電源ケーブル82を介して発電機Gと接続されている場合には電力切替制御が実行されない。
本実施形態において電力切替部51は、電源装置70における電力情報送信部75からの信号に基づいて、電力切替制御を実行するか否かを決定する。電力切替部51は、電力情報送信部75からの信号が、電源装置70に家庭用電源Hが接続されていることを示す信号であった場合に、電力切替制御を実行する。一方、電力切替部51は、電力情報送信部75からの信号が、電源装置70に発電機Gが接続されていることを示す信号であった場合には電力切替制御を実行しない。電力切替部51は、例えば、電源装置70に家庭用電源Hが接続されていることを示す信号が電力情報送信部75から送られている間、常時、電力切替制御を実行する。
なお、電源装置70に家庭用電源Hが接続された場合と電源装置70に発電機Gが接続された場合とのいずれか一方の場合のみに、電力情報送信部75が電力切替部51に信号を送る場合には、電力情報送信部75は、電力情報送信部75からの信号の有無に応じて、電力切替制御を実行するか否かを決定する。例えば、電源装置70に家庭用電源Hが接続された場合のみに電力情報送信部75が電力切替部51に信号を送信する場合、電力切替部51は、電力情報送信部75から信号が送られてくる場合に電力切替制御を実行し、電力情報送信部75から信号が送られてこない場合には電力切替制御を実行しない。
図5は、電力切替制御の手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態において電力切替部51は、図5に示すフローチャートに沿って電力切替制御を実行する。なお、例えば、無人飛行体10に使用される電力は、初めは電源装置70から供給される電力に設定されている。つまり、本実施形態では、無人飛行体10の使用を開始し始めた直後においては、無人飛行体10には電源装置70を介して供給される家庭用電源Hからの第1電力が使用される。
図5に示すように、電力切替制御において電力切替部51は、電流検出部17によって検出された電流の値が所定の閾値以上か否かを判定する(ステップS11)。所定の閾値は、家庭用電源Hに対して設けられた家庭用ブレーカに設定された上限電流値に基づいて決められる。所定の閾値は、当該所定の閾値の電流が無人飛行体10で使用された場合に、家庭用電源Hから電源装置70に流れる電流の値が家庭用ブレーカに設定された上限電流値を超えない値に設定される。例えば、家庭用電源Hに対して設けられた家庭用ブレーカに設定された上限電流値が15Aである場合、所定の閾値は、当該所定の閾値の電流が無人飛行体10で使用された場合に、家庭用電源Hから電源装置70に流れる電流の値が15Aよりも小さくなる値に設定される。当該所定の閾値は、例えば、家庭用電源Hから電源装置70に供給される電流の値と、当該家庭用電源Hから供給された後に無人飛行体10で使用される際の電流の値との関係に基づいて決定される。当該所定の閾値の電流が無人飛行体10に流れる場合、無人飛行体10において消費される電力は所定値となる。当該所定値は、当該所定の閾値に、無人飛行体10において使用される電圧値を乗じた値である。
なお、家庭用ブレーカに設定された上限電流値とは、家庭用ブレーカが落ちずに家庭用電源Hを使用できる最大の電流値である。当該上限電流値を超えた電流を家庭用電源Hから使用しようとすると家庭用ブレーカが落ちて、家庭用電源Hからの電力供給が遮断される。
電流検出部17によって検出された電流の値が所定の閾値よりも小さい場合(ステップS11:NO)、電力切替部51は、無人飛行体10に使用される電力を切り替えずに、電源装置70から供給される電力、すなわち家庭用電源Hから供給される第1電力を無人飛行体10の電力として使用する(ステップS12)。言い換えれば、電力切替制御において電力切替部51は、無人飛行体10において消費される電力が所定値よりも小さい場合に、電源としての家庭用電源Hから供給される第1電力を無人飛行体10の電力として使用する。
一方、電流検出部17によって検出された電流の値が所定の閾値以上の場合(ステップS11:YES)、電力切替部51は、無人飛行体10に使用される電力を切り替え、バッテリ60から供給される第2電力を無人飛行体10の電力として使用する(ステップS13)。言い換えれば、電力切替制御において電力切替部51は、無人飛行体10において消費される電力が所定値以上の場合に、バッテリ60から供給される第2電力を無人飛行体10の電力として使用する。
電力切替制御において電力切替部51は、ステップS11の判定を常時行い、無人飛行体10に使用される電力を切り替える。例えば、無人飛行体10に使用される電力をバッテリ60から供給される第2電力に切り替えた後に、電流検出部17によって検出された電流の値が所定の閾値よりも小さくなった場合(ステップS11:NO)には、電力切替部51は、無人飛行体10に使用される電力を、家庭用電源Hから供給される第1電力に再び切り替える。以上のようにして、電力切替部51は、電力切替制御を行い、無人飛行体10に使用される電力を切り替える。
以上のように、本実施形態によれば、電力切替制御において電力切替部51は、無人飛行体10において消費される電力が所定値よりも小さい場合に、電源装置70が接続される電源から供給される第1電力を無人飛行体10の電力として使用し、かつ、無人飛行体10において消費される電力が所定値以上の場合に、バッテリ60から供給される第2電力を無人飛行体10の電力として使用する。そのため、当該所定値を、家庭用電源Hに設けられる家庭用ブレーカに設定された上限電流値に基づいて適切に決めることで、家庭用電源Hから電源装置70へと流れる電流が家庭用ブレーカの上限電流値を超えそうになった場合に、無人飛行体10に使用する電力をバッテリ60から供給される第2電力に自動的かつ能動的に切り替えることができる。これにより、電源装置70の電源として家庭用電源Hを使用する場合に、無人飛行体10において消費される電力が急激に上昇する場合などであっても、家庭用電源Hに設けられた家庭用ブレーカが落ちることを抑制しつつ、無人飛行体10への電力供給が停止することを抑制できる。このようにして、本実施形態によれば、家庭用電源Hから供給される第1電力を無人飛行体10の電力として利用できる。そのため、無人飛行体10を使用する使用者は発電機Gを用意せずとも無人飛行体10を使用できる。これにより、無人飛行体10を使用するために必要なコストおよび手間が増大することを抑制できる。また、発電機Gを用いずに無人飛行体10を使用できるため、無人飛行体10の使用時に発電機Gから騒音が生じることがない。
なお、無人飛行体10において消費される電力が急激に上昇する場合とは、例えば、飛行中の無人飛行体10に対して突風が吹いて無人飛行体10の位置および姿勢の制御などに電力を大きく消費する必要が生じた場合、および無人飛行体10を急速に方向転換させる必要がある場合などである。例えば、上述したようにして電力切替制御によって無人飛行体10で使用される電力を切り替える場合、無人飛行体10に対して突風が吹いたときに無人飛行体10に使用される電力がバッテリ60から供給される第2電力に切り替わり、突風が止むと無人飛行体10に使用される電力が家庭用電源Hから供給される第1電力に再び切り替わる。
例えば、無人飛行体10が産業用途で使用される場合、無人飛行体10は数時間単位で使用される場合が多く、無人飛行体10で使用される電力も大きくなりやすい。そのため、従来では、無人飛行体10が個人の娯楽などの用途で使用される場合に比べて、より家庭用電源Hを使用できなかった。これに対して、本実施形態によれば、上述したようにして家庭用電源Hから供給される第1電力を無人飛行体10の電力として利用できる。このように、本実施形態によって得られる効果は、無人飛行体10を産業用途で使用する場合に、特に有用である。
また、無人飛行体10の電力として家庭用電源Hから供給される第1電力を使用しても家庭用ブレーカが落ちない場合には、バッテリ60から供給される第2電力ではなく、家庭用電源Hから供給される第1電力が使用される。そのため、バッテリ60の充電が切れることを抑制でき、接続ケーブル30を介した有線給電による無人飛行体10の長時間運用も可能である。
また、本実施形態では、バッテリ60の第2電力を無人飛行体10に使用していない際には、バッテリ60は電源装置70からの電力の一部で充電されている。そのため、バッテリ60の第2電力が使用されても、家庭用電源Hの第1電力に切り替わった後には、バッテリ60が充電される。そのため、バッテリ60の充電が切れることが好適に抑制される。上述したように、バッテリ60の第2電力が使用される場合とは、例えば、突風が吹いた場合および無人飛行体10を急速に方向転換させる場合などであり、バッテリ60の第2電力が使用される1回の時間は、比較的短時間となる。そのため、一時的にバッテリ60の第2電力が使用されても、無人飛行体10で使用される電力が家庭用電源Hの第1電力に切り替わった後にバッテリ60がすぐに充電され、バッテリ60の充電が切れることがより好適に抑制される。したがって、上述した電力切替制御を長時間連続して実行し続けることが可能である。
また、本実施形態によれば、電力切替制御において電力切替部51は、電流検出部17によって検出された電流の値が所定の閾値よりも小さい場合に、家庭用電源Hからの第1電力を無人飛行体10の電力として使用し、かつ、電流検出部17によって検出された電流の値が所定の閾値以上の場合に、バッテリ60からの第2電力を無人飛行体10の電力として使用する。そのため、無人飛行体10に搭載された電流検出部17によって、無人飛行体10において消費される電力の変化を容易に取得することができ、電力切替部51による電力切替制御を容易に実行できる。
また、本実施形態によれば、電力切替部51は、家庭用電源Hから第1コネクタ部73aを介して電源装置70に電力が供給される場合に電力切替制御を実行する。そのため、電源装置70に家庭用電源Hが接続された際に、家庭用電源Hに設けられた家庭用ブレーカが落ちることを好適に抑制できる。
また、本実施形態によれば、電源装置70は、電源としての発電機Gに電気的に接続される第2コネクタ部73bを有する。そのため、使用者は、電源装置70の電源として、家庭用電源Hを使用するか発電機Gを使用するかを選択できる。これにより、使用者の利便性を向上できる。
また、本実施形態によれば、電力切替部51は、発電機Gから第2コネクタ部73bを介して電源装置70に電力が供給される場合には電力切替制御を実行しない。ここで、発電機Gを電源装置70の電源として用いる場合には、家庭用電源Hと異なり、家庭用ブレーカの上限電流値を考慮する必要がない。そのため、発電機Gを電源装置70の電源として用いる場合には、電力切替制御を実行する必要がない。したがって、発電機Gを電源装置70の電源として用いる場合には電力切替制御を実行しないことで、無人飛行体10において消費される電力量によらず、無人飛行体10に対して発電機Gから安定して電力を供給できる。また、電力切替部51が電力切替制御を行う必要がないため、電力切替部51における制御負荷を小さくできる。
また、本実施形態によれば、バッテリ60および電力切替部51は、無人飛行体10に設けられている。そのため、無人飛行体10で消費される電力量に基づいて電力切替部51を容易に動作させることができ、かつ、バッテリ60から無人飛行体10に電力を供給することも容易にできる。
<第2実施形態>
図6は、本実施形態における無人飛行体システム200の一部の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明において、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより説明を省略する場合がある。
図6に示すように、本実施形態の無人飛行体システム200における電源装置270は、保護回路部277を有する。保護回路部277は、第1コネクタ部73aと第1変圧部74との間に設けられている。保護回路部277は、家庭用電源Hから第1コネクタ部73aを介して供給される電流の値が第1閾値以上の場合に動作する。第1閾値は、家庭用電源Hに対して設けられた家庭用ブレーカに設定された上限電流値を超えない値に設定される。例えば、家庭用電源Hに対して設けられた家庭用ブレーカに設定された上限電流値が15Aである場合、第1閾値は15Aよりも小さい値に設定される。
保護回路部277は、家庭用電源Hから第1コネクタ部73aを介して供給される電流の値が第1閾値以上の場合に、第1コネクタ部73aから接続ケーブル230へと流れる電流を減衰または遮断する。本実施形態において保護回路部277は、家庭用電源Hから第1コネクタ部73aを介して供給される電流の値が第1閾値以上の場合に、第1コネクタ部73aから第1変圧部74へと流れる電流を減衰または遮断する。保護回路部277は、例えば、家庭用電源Hから供給される電流の値が第1閾値以上の場合に第1コネクタ部73aと第1変圧部74との間を遮断するリレー回路を有してもよいし、家庭用電源Hから供給される電流の値が第1閾値以上の場合に第1コネクタ部73aから第1変圧部74へと流れる電流を減衰させる減衰器を有してもよい。当該減衰器には、例えば、トランジスタなどが使用されてもよい。
なお、保護回路部277が第1コネクタ部73aから接続ケーブル230へと流れる電流を減衰または遮断する場合、つまり家庭用電源Hから第1コネクタ部73aを介して供給される電流の値が第1閾値以上の場合には、無人飛行体において消費される電力が第1実施形態において述べた所定値以上となっている。
本実施形態において保護回路部277は、第1コネクタ部73aから接続ケーブル230へと流れる電流を減衰または遮断する状態が所定時間続いた場合に、第1コネクタ部73aから接続ケーブル230へと流れる電流を減衰または遮断する状態を解除する。所定時間は、例えば、数十秒から数分程度である。当該所定時間は、例えば、突風などの影響によって無人飛行体210における消費電力が一時的に上昇した際に、当該消費電力が上昇した状態が続く平均的な時間などに基づいて決められる。
本実施形態において電源装置270は、第1実施形態と異なり、電力情報送信部75を有していない。電源装置270のその他の構成は、第1実施形態における電源装置70のその他の構成と同様である。本実施形態の接続ケーブル230は、信号線32を有していない点を除いて、第1実施形態における接続ケーブル30と同様の構成である。
本実施形態において無人飛行体210は、第1実施形態と異なり、電流検出部17を有していない。無人飛行体210の電源部250における電力切替部251は、図7に示すフローチャートに沿って電力切替制御を実行する。図7は、本実施形態における電力切替制御の手順の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、電力切替制御において電力切替部251は、バッテリ60から印加される電圧が第2変圧部52から印加される電圧より大きいか否かを判定する(ステップS21)。第1コネクタ部73aから第1変圧部74へと流れる電流が保護回路部277によって減衰も遮断もされない場合において、第2変圧部52から電力切替部251に印加される電圧は、バッテリ60から電力切替部251に印加される電圧よりも僅かに大きくなっている。そのため、第1コネクタ部73aから第1変圧部74へと流れる電流が保護回路部277によって減衰も遮断もされない場合、バッテリ60から印加される電圧は第2変圧部52から印加される電圧より小さい(ステップS21:NO)。この場合、電力切替部251は、無人飛行体210に使用される電力を切り替えずに、電源装置270から供給される電力、すなわち家庭用電源Hから供給される第1電力を無人飛行体210の電力として使用する(ステップS22)。
なお、第1コネクタ部73aから第1変圧部74へと流れる電流が保護回路部277によって減衰も遮断もされない場合において第2変圧部52から電力切替部251に印加される電圧と、バッテリ60から電力切替部251に印加される電圧とは、いずれも無人飛行体210の各部に電力を供給する際の電圧として利用可能な範囲内の値である。
一方、第1コネクタ部73aから第1変圧部74へと流れる電流が保護回路部277によって減衰または遮断されると、接続ケーブル230を介して無人飛行体210へと供給される電力が小さくなり、第2変圧部52から電力切替部251に印加される電圧も低くなる。その結果、バッテリ60から電力切替部251に印加される電圧が第2変圧部52から電力切替部251に印加される電圧よりも相対的に大きくなる(ステップS21:YES)。この場合、電力切替部251は、無人飛行体210に使用される電力を切り替え、バッテリ60から供給される第2電力を無人飛行体210の電力として使用する(ステップS23)。
上述したように保護回路部277は、第1コネクタ部73aから接続ケーブル230へと流れる電流を減衰または遮断する状態が所定時間続いた場合に、第1コネクタ部73aから接続ケーブル230へと流れる電流を減衰または遮断する状態を解除する。そのため、ステップS23において、電力切替部251が無人飛行体210に使用される電力をバッテリ60から供給される第2電力に切り替えてから所定時間が経過すると、保護回路部277は、第1コネクタ部73aから接続ケーブル230へと流れる電流を減衰または遮断する状態を解除する。これにより、第2変圧部52から印加される電圧がバッテリ60から印加される電圧よりも再び大きくなり(ステップS21:NO)、電力切替部251は、無人飛行体210に使用される電力を家庭用電源Hから供給される第1電力に切り替える(ステップS22)。
このとき、無人飛行体210において消費される電力が所定値よりも小さく、家庭用電源Hから第1コネクタ部73aを介して供給される電流の値が第1閾値よりも小さくなっている場合には、保護回路部277が第1コネクタ部73aから接続ケーブル230へと流れる電流を減衰も遮断もしないため、電力切替部251は、無人飛行体210に使用される電力を家庭用電源Hから供給される第1電力にし続ける。
一方、無人飛行体210において消費される電力が所定値以上で、家庭用電源Hから第1コネクタ部73aを介して供給される電流の値が第1閾値以上となる場合が続いている場合には、保護回路部277が第1コネクタ部73aから接続ケーブル230へと流れる電流を再び減衰または遮断するため、電力切替部251は、無人飛行体210に使用される電力をバッテリ60から供給される第2電力に再び切り替える。その後、保護回路部277は、所定時間経過後に第1コネクタ部73aから接続ケーブル230へと流れる電流を減衰または遮断する状態を再び解除し、電力切替部251は、再び上述したのと同様の判定を行って電力の切り替えを行う。
無人飛行体210のその他の構成は、第1実施形態の無人飛行体10のその他の構成と同様である。無人飛行体システム200のその他の構成は、第1実施形態の無人飛行体システム100のその他の構成と同様である。
本実施形態によれば、電源装置270には、家庭用電源Hから第1コネクタ部73aを介して供給される電流の値が第1閾値以上の場合に動作する保護回路部277が設けられている。保護回路部277は、家庭用電源Hから第1コネクタ部73aを介して供給される電流の値が第1閾値以上の場合に、第1コネクタ部73aから接続ケーブル230へと流れる電流を減衰または遮断する。電力切替制御において電力切替部251は、家庭用電源Hから接続ケーブル230を介して電力切替部251に印加される電圧が、バッテリ60から電力切替部251に印加される電圧よりも大きい場合に、家庭用電源Hから供給される第1電力を無人飛行体210の電力として使用し、かつ、バッテリ60から電力切替部251に印加される電圧が、電源装置270から接続ケーブル230を介して電力切替部251に印加される電圧よりも大きい場合に、バッテリ60から供給される第2電力を無人飛行体210の電力として使用する。
そのため、第1閾値を家庭用電源Hに対して設けられた家庭用ブレーカに設定された上限電流値よりも小さい値に適切に設定することで、家庭用電源Hから電源装置270へと流れる電流が家庭用ブレーカの上限電流値を超えそうになった場合に、保護回路部277によって接続ケーブル230を介して無人飛行体210へと流れる電流を少なくできる。これにより、家庭用電源Hから接続ケーブル230を介して電力切替部251に印加される電圧が低くなり、電力切替部251は、無人飛行体210に使用される電力をバッテリ60から供給される第2電力に切り替える。したがって、電源装置270の電源として家庭用電源Hを使用する場合に、無人飛行体210において消費される電力が急激に上昇する場合などであっても、家庭用電源Hに設けられた家庭用ブレーカが落ちることを抑制しつつ、無人飛行体210への電力供給が停止することを抑制できる。このようにして、家庭用電源Hから供給される第1電力を無人飛行体210の電力として利用できる。
また、本実施形態では、保護回路部277が家庭用電源Hから電源装置270へと流れる電流を直接監視できるため、家庭用電源Hから電源装置270へと流れる電流が、家庭用ブレーカに設定された上限電流値を超えることをより好適に抑制できる。また、本実施形態では、電力切替部251が家庭用電源Hから接続ケーブル230を介して電力切替部251に印加される電圧の大きさとバッテリ60から電力切替部251に印加される電圧の大きさとを比較して電力を切り替えるため、電源装置270から電力切替部251に信号を送る必要がない。これにより、電源装置270に電力情報送信部75を設ける必要がなく、接続ケーブル230に信号線32を設ける必要もない。
また、本実施形態によれば、保護回路部277は、第1コネクタ部73aから接続ケーブル230へと流れる電流を減衰または遮断する状態が所定時間続いた場合に、第1コネクタ部73aから接続ケーブル230へと流れる電流を減衰または遮断する状態を解除する。そのため、保護回路部277が電流を減衰または遮断する状態を解除した際に、無人飛行体210において消費される電力が、家庭用ブレーカを落とさずに家庭用電源Hからの第1電力を使用可能な電力に戻っていれば、電力切替部251によって、無人飛行体210の電力として使用される電力を家庭用電源Hからの第1電力に再び戻すことができる。このように、本実施形態によれば、バッテリ60から無人飛行体210へと供給される電流の大きさに関する情報を電源装置270の保護回路部277へと送らなくても、自動的に、無人飛行体210で使用される電力を、家庭用電源Hから供給される第1電力に戻すことができる。
なお、保護回路部277が電流を減衰または遮断する状態を解除した際に、無人飛行体210において消費される電力が家庭用電源Hからの第1電力を使用可能な電力に戻っていない場合には、上述したように、無人飛行体210で使用される電力がすぐにバッテリ60から供給される第2電力に戻る。しかしながら、その後、所定時間ごとに保護回路部277が同様に電流の減衰または遮断を解除する動作を行うため、無人飛行体210において消費される電力が家庭用電源Hからの第1電力を使用可能な電力に戻った際に、無人飛行体210で使用される電力を家庭用電源Hから供給される第1電力に好適に戻すことができる。
<第3実施形態>
図8は、本実施形態における無人飛行体システム300の一部の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明において、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより説明を省略する場合がある。
図8に示すように、本実施形態の無人飛行体システム300における電源装置370は、保護回路部377の構成が異なる点を除いて、第2実施形態の電源装置270と同様の構成である。電源装置370の保護回路部377は、第1コネクタ部73aと第1変圧部74との間に設けられている。保護回路部377は、家庭用電源Hから第1コネクタ部73aを介して供給される電流の値が第1閾値以上の場合に動作する。当該第1閾値は、上述した第2実施形態において述べた第1閾値と同様である。保護回路部377は、第1電流検出部377aと、信号送信部(動作部)377bと、を有する。
第1電流検出部377aは、家庭用電源Hから第1コネクタ部73aを介して供給される電流の値を検出可能である。本実施形態において第1電流検出部377aは、第1コネクタ部73aと第1変圧部74との間に設けられている。第1電流検出部377aの構成は、家庭用電源Hから第1コネクタ部73aを介して供給される電流の値を検出可能であれば、特に限定されない。
信号送信部377bは、第1電流検出部377aによって検出された電流の値が第1閾値以上の場合に所定の動作を行う動作部である。本実施形態において信号送信部377bは、第1電流検出部377aによって検出された電流の値が第1閾値以上の場合に、電力切替部351に有線または無線で信号を送る。つまり、本実施形態において、動作部である信号送信部377bの所定の動作は、電力切替部351に有線または無線で信号を送ることである。本実施形態において信号送信部377bは、接続ケーブル30の信号線32を介して、電力切替部351に信号を送る。なお、信号送信部377bは、無線によって電力切替部351に信号を送ってもよい。
本実施形態の無人飛行体310は、第1実施形態の電流検出部17の代わりに、第2電流検出部317を有する。第2電流検出部317は、無人飛行体310に供給される電流を検出可能である。第2電流検出部317は、電流検出部17と同様の構成であり、電流検出部17と同様にして無人飛行体310に供給される電流を検出する。
無人飛行体310の電源部350における電力切替部351は、図9に示すフローチャートに沿って電力切替制御を実行する。図9は、本実施形態における電力切替制御の手順の一例を示すフローチャートである。
図9に示すように、電力切替制御において電力切替部351は、家庭用電源Hから供給される第1電力を無人飛行体310の電力として使用している状態(ステップS31)において、信号送信部377bからの信号を受信したか否かを判定する(ステップS32)。信号送信部377bからの信号を受信していない場合(ステップS32:NO)、電力切替部351は、家庭用電源Hから供給される第1電力を無人飛行体310の電力として使用し続ける(ステップS31)。
一方、信号送信部377bからの信号を受信した場合(ステップS32:YES)、電力切替部351は、バッテリ60から供給される第2電力を無人飛行体310の電力として使用する(ステップS33)。つまり、電力切替制御において電力切替部351は、信号送信部377bからの信号を受信した場合、すなわち動作部である信号送信部377bが所定の動作を行った場合に、無人飛行体310で使用される電力を、家庭用電源Hから供給される第1電力から、バッテリ60から供給される第2電力に切り替える。
なお、無人飛行体310で使用される電力がバッテリ60から供給される第2電力に切り替えられると、家庭用電源Hから無人飛行体310へと電力が供給されなくなるため、家庭用電源Hから第1コネクタ部73aを介して電源装置370に供給される電流の値が低下する。これにより、第1電流検出部377aにおいて検出される電流の値が第1閾値よりも小さくなり、信号送信部377bから電力切替部351に信号が送られなくなる。
無人飛行体310で使用される電力がバッテリ60から供給される第2電力に切り替えられた後、電力切替部351は、第2電流検出部317によって検出された電流の値が第2閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS34)。ここで、第2閾値は、第1実施形態において述べた所定の閾値と同様である。つまり、第2閾値は、例えば、家庭用電源Hに対して設けられた家庭用ブレーカに設定された上限電流値に基づいて決められる。
第2電流検出部317によって検出された電流の値が第2閾値以上の場合(ステップS34:NO)、電力切替部351は、バッテリ60から供給される第2電力を無人飛行体310の電力として使用し続ける(ステップS33)。一方、第2電流検出部317によって検出された電流の値が第2閾値よりも小さい場合(ステップS34:YES)、電力切替部351は、家庭用電源Hから供給される第1電力を無人飛行体310の電力として使用する(ステップS31)。つまり、電力切替制御において電力切替部351は、第2電流検出部317によって検出された電流の値が第2閾値よりも小さい場合に、無人飛行体310で使用される電力を、バッテリ60から供給される第2電力から、家庭用電源Hから供給される第1電力に切り替える。その後、電力切替部351は、再びステップS32の判定を行い、以降同様にして無人飛行体310で使用される電力を切り替えていく。
無人飛行体310のその他の構成は、第1実施形態の無人飛行体10のその他の構成と同様である。無人飛行体システム300のその他の構成は、第1実施形態の無人飛行体システム100のその他の構成と同様である。
本実施形態によれば、保護回路部377は、家庭用電源Hから第1コネクタ部73aを介して供給される電流の値を検出可能な第1電流検出部377aと、第1電流検出部377aによって検出された電流の値が第1閾値以上の場合に所定の動作を行う動作部としての信号送信部377bと、を有する。電力切替制御において電力切替部351は、動作部としての信号送信部377bが所定の動作を行った場合に、無人飛行体310で使用される電力を、家庭用電源Hから供給される第1電力から、バッテリ60から供給される第2電力に切り替える。
そのため、第1閾値を家庭用電源Hに対して設けられた家庭用ブレーカに設定された上限電流値よりも小さい値に適切に設定することで、家庭用電源Hから電源装置370へと流れる電流が家庭用ブレーカの上限電流値を超えそうになった場合に、保護回路部377の信号送信部377bが所定の動作を行い、当該所定の動作に基づいて電力切替部351によって、無人飛行体310に使用される電力をバッテリ60から供給される第2電力に切り替えることができる。したがって、電源装置370の電源として家庭用電源Hを使用する場合に、無人飛行体310において消費される電力が急激に上昇する場合などであっても、家庭用電源Hに設けられた家庭用ブレーカが落ちることを抑制しつつ、無人飛行体310への電力供給が停止することを抑制できる。このようにして、家庭用電源Hから供給される第1電力を無人飛行体310の電力として利用できる。
本実施形態では、動作部は、第1電流検出部377aによって検出された電流の値が第1閾値以上の場合に電力切替部351に有線または無線で信号を送る信号送信部377bである。そのため、家庭用電源Hから電源装置370へと流れる電流が家庭用ブレーカの上限電流値を超えそうになった場合に、信号送信部377bから電力切替部351へと信号が送られ、電力切替部351によって、無人飛行体310に使用される電力をバッテリ60から供給される第2電力に好適に切り替えることができる。
また、本実施形態では、保護回路部377が家庭用電源Hから電源装置370へと流れる電流を直接監視できるため、家庭用電源Hから電源装置370へと流れる電流が、家庭用ブレーカに設定された上限電流値を超えることをより好適に抑制できる。また、保護回路部377の信号送信部377bが電力切替部351に電力を切り替える信号を送るため、電力切替部351においてバッテリ60から印加される電圧と第2変圧部52から印加される電圧とを比較する必要がなく、電力切替部351における制御を容易にできる。
また、本実施形態によれば、無人飛行体310は、無人飛行体310に供給される電流を検出可能な第2電流検出部317を有する。電力切替制御において電力切替部351は、第2電流検出部317によって検出された電流の値が第2閾値よりも小さい場合に、無人飛行体310で使用される電力を、バッテリ60から供給される第2電力から、家庭用電源Hから供給される第1電力に切り替える。そのため、無人飛行体310で使用される電力がバッテリ60からの第2電力に切り替えられた後、無人飛行体310で消費される電力が低下した際に、無人飛行体310で使用される電力を家庭用電源Hから供給される第1電力に戻すことができる。これにより、本実施形態によれば、無人飛行体310において消費される電力が上昇した場合に無人飛行体310で使用される電力を好適にバッテリ60からの第2電力に切り替えつつ、無人飛行体310において消費される電力が元に戻った場合に無人飛行体310で使用される電力を好適に家庭用電源Hからの第1電力に戻すことができる。
なお、本実施形態において、第2電流検出部317は設けられなくてもよい。この場合、電力切替制御において電力切替部351は、無人飛行体310で使用される電力をバッテリ60から供給される第2電力に切り替えてから所定時間後に、無人飛行体310で使用される電力を、バッテリ60から供給される第2電力から、家庭用電源Hから供給される第1電力に切り替えてもよい。
この場合において、無人飛行体310で使用される電力が家庭用電源Hから供給される第1電力に切り替えられた場合、無人飛行体310において消費される電力が、家庭用ブレーカを落とさずに家庭用電源Hからの第1電力を使用可能な電力に戻っていれば、電力切替部351は、無人飛行体310で使用される電力を、家庭用電源Hから供給される第1電力に維持する。一方、無人飛行体310において消費される電力が家庭用電源Hからの第1電力を使用可能な電力に戻っていなければ、第1電流検出部377aによって検出される電流の値が第1閾値以上となるため、信号送信部377bから電力切替部351へと信号が送られる。したがって、電力切替部351は、無人飛行体310に供給される電力をバッテリ60から供給される第2電力へと再びすぐに切り替える。このように、この構成によれば、無人飛行体310に第2電流検出部317を設けることなく、無人飛行体310に供給される電力を、バッテリ60から供給される第2電力から、家庭用電源Hから供給される第1電力に戻すことができる。
また、本実施形態では、動作部を信号送信部377bとしたが、これに限られない。動作部は、例えば、リレー回路を有し、第1電流検出部377aによって検出された電流の値が第1閾値以上の場合に当該リレー回路によって保護回路部377の回路の状態を変化させる部分であってもよい。この場合、動作部における所定の動作は、保護回路部377の回路の状態を変化させることである。また、この場合、電力切替部351は、有線または無線により保護回路部377の回路の状態変化を読み取った場合に、無人飛行体310で使用される電力を、家庭用電源Hから供給される第1電力から、バッテリ60から供給される第2電力に切り替える。
<第4実施形態>
図10は、本実施形態における無人飛行体システム400の一部の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明において、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより説明を省略する場合がある。
図10に示すように、本実施形態の無人飛行体システム400において、バッテリ460および電力切替部479は、電源装置470に設けられている。電力切替部479には、バッテリ460と第1コネクタ部73aとが電気的に接続されている。電力切替部479は、第1変圧部74と電気的に接続されている。本実施形態において家庭用電源Hから無人飛行体410に電力が供給される場合、家庭用電源Hから第1コネクタ部73aに供給された電流は、電力切替部479および第1変圧部74をこの順に通って、接続ケーブル430へと流れ、接続ケーブル430を介して無人飛行体410の第2変圧部52へと流れる。本実施形態の接続ケーブル430は、例えば、第2実施形態の接続ケーブル230と同様である。
バッテリ460は、電力切替部479を介して第1変圧部74に電気的に接続されている。本実施形態においてバッテリ460から無人飛行体410に電力が供給される場合、バッテリ460から供給される電流は、電力切替部479および第1変圧部74をこの順に通って、接続ケーブル430へと流れ、接続ケーブル430を介して無人飛行体410の第2変圧部52へと流れる。バッテリ460は、家庭用電源Hと発電機Gとのうち電源装置470に接続された電源から供給される電力の一部によって充電可能な充電式のバッテリである。バッテリ460は、ケース71の内部に収容されている。
本実施形態において電源装置470は、家庭用電源Hから第1コネクタ部73aを介して供給される電流の値およびバッテリ460から供給される電流の値を検出可能な第3電流検出部490を有する。第3電流検出部490は、これらの各電流の値を検出可能であれば、どのような構成であってもよい。第3電流検出部490は、家庭用電源Hから無人飛行体410へと電流が流れる場合には第1コネクタ部73aから電力切替部479へと流れる電流を検出する。第3電流検出部490は、バッテリ460から無人飛行体410へと電流が流れる場合にはバッテリ460から電力切替部479へと流れる電流を検出する。第3電流検出部490の検出結果は、電力切替部479に送られる。
電源装置470の電力切替部479は、図11に示すフローチャートに沿って電力切替制御を実行する。図11は、本実施形態における電力切替制御の手順の一例を示すフローチャートである。
図11に示すように、電力切替制御において電力切替部479は、家庭用電源Hから供給される第1電力を無人飛行体410の電力として使用している状態(ステップS41)において、第3電流検出部490によって検出された電流の値が第1閾値以上か否かを判定する(ステップS42)。当該第1閾値は、上述した第2実施形態において述べた第1閾値と同様である。ここで、ステップS42において第3電流検出部490によって検出される電流は、家庭用電源Hから第1コネクタ部73aを介して供給される電流の値、すなわち第1コネクタ部73aから電力切替部479へと流れる電流の値である。
第3電流検出部490によって検出された電流の値が第1閾値よりも小さい場合(ステップS42:NO)、電力切替部479は、家庭用電源Hから供給される第1電力を無人飛行体410の電力として使用し続ける(ステップS41)。一方、第3電流検出部490によって検出された電流の値が第1閾値以上の場合(ステップS42:YES)、電力切替部479は、バッテリ460から供給される第2電力を無人飛行体410の電力として使用する(ステップS43)。つまり、電力切替制御において電力切替部479は、第3電流検出部490によって検出される電流の値が第1閾値以上の場合に、無人飛行体410で使用される電力を、家庭用電源Hから供給される第1電力から、バッテリ460から供給される第2電力に切り替える。
無人飛行体410で使用される電力がバッテリ460から供給される第2電力に切り替えられた後、電力切替部479は、第3電流検出部490によって検出された電流の値が第3閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS44)。第3閾値は、電流値が当該第3閾値となるバッテリ460の電力と同じ大きさの電力を家庭用電源Hから無人飛行体410に供給する際に、家庭用電源Hから電源装置470に流れる電流の値が家庭用ブレーカに設定された上限電流値を超えない値に設定される。第3閾値は、例えば、第1実施形態で述べた所定の閾値および第2実施形態で述べた第2閾値と同じ値にできる。なお、バッテリ460の電圧が家庭用電源Hの電圧と同じ、またはほぼ同じ場合には、例えば、第3閾値は、第1閾値と同じ値に設定できる。ステップS44において第3電流検出部490によって検出される電流は、バッテリ460から供給される電流の値、すなわちバッテリ460から電力切替部479へと流れる電流の値である。
第3電流検出部490によって検出された電流の値が第3閾値以上の場合(ステップS44:NO)、電力切替部479は、バッテリ460から供給される第2電力を無人飛行体410の電力として使用し続ける(ステップS43)。一方、第3電流検出部490によって検出された電流の値が第3閾値よりも小さい場合(ステップS44:YES)、電力切替部479は、家庭用電源Hから供給される第1電力を無人飛行体410の電力として使用する(ステップS41)。つまり、電力切替制御において電力切替部479は、第3電流検出部490によって検出された電流の値が第3閾値よりも小さい場合に、無人飛行体410で使用される電力をバッテリ460から供給される第2電力から、家庭用電源Hから供給される第1電力に切り替える。その後、電力切替部479は、再びステップS42の判定を行い、以降同様にして無人飛行体410で使用される電力を切り替えていく。
無人飛行体410は、バッテリ60および電流検出部17が設けられておらず、かつ、電源部450が電力切替部51を有していない点を除いて、第1実施形態の無人飛行体10と同様の構成である。本実施形態の無人飛行体410においては、電源部450の第2変圧部52で変圧された電力が制御部40に直接的に供給される。無人飛行体システム400のその他の構成は、第1実施形態の無人飛行体システム100のその他の構成と同様である。
本実施形態によれば、電力切替制御において電力切替部479は、第3電流検出部490によって検出される電流の値が第1閾値以上の場合に、無人飛行体410で使用される電力を、家庭用電源Hから供給される第1電力から、バッテリ60から供給される第2電力に切り替え、かつ、第3電流検出部490によって検出された電流の値が第3閾値よりも小さい場合に、無人飛行体410で使用される電力をバッテリ460から供給される第2電力から、家庭用電源Hから供給される第1電力に切り替える。そのため、第1閾値を家庭用電源Hに対して設けられた家庭用ブレーカに設定された上限電流値よりも小さい値に適切に設定することで、家庭用電源Hから電源装置470へと流れる電流が家庭用ブレーカの上限電流値を超えそうになった場合に、電力切替部479によって、無人飛行体410に使用される電力をバッテリ460から供給される第2電力に切り替えることができる。したがって、電源装置470の電源として家庭用電源Hを使用する場合に、無人飛行体410において消費される電力が急激に上昇する場合などであっても、家庭用電源Hに設けられた家庭用ブレーカが落ちることを抑制しつつ、無人飛行体410への電力供給が停止することを抑制できる。このようにして、家庭用電源Hから供給される第1電力を無人飛行体410の電力として利用できる。また、第3閾値を家庭用ブレーカに設定された上限電流値に基づいて適切に設定することで、無人飛行体410に使用される電力を家庭用電源Hから供給される第1電力に好適に戻すこともできる。
また、本実施形態によれば、バッテリ460および電力切替部479は、電源装置470に設けられている。そのため、無人飛行体410に対してバッテリ460および電力切替部479を搭載することなく、無人飛行体410で使用される電力を切り替えることができる。これにより、電源装置470に接続される無人飛行体410をどのような無人飛行体としても、無人飛行体410で使用される電力を切り替えることができる。したがって、使用者は、電源装置470を用意するのみで、無人飛行体410を従来の無人飛行体のままとしつつ、家庭用電源Hから供給される第1電力を無人飛行体410の電力として利用することが可能となる。そのため、使用者の利便性を向上できる。
なお、本実施形態の電力切替部479は、第1実施形態の電力切替部51と同様にして無人飛行体410で使用される電力を切り替えてもよいし、第2実施形態の電力切替部251と同様にして無人飛行体410で使用される電力を切り替えてもよいし、第3実施形態の電力切替部351と同様にして無人飛行体410で使用される電力を切り替えてもよい。
また、本実施形態の第3電流検出部490は、第1変圧部74から接続ケーブル430に流される電流の値を検出して、電力切替部479に送ってもよい。この場合、電力切替制御において電力切替部479は、第3電流検出部490によって検出された電流の値が第4閾値よりも小さい場合に無人飛行体410で使用される電力を家庭用電源Hから供給される第1電力とし、かつ、第3電流検出部490によって検出された電流の値が第4閾値以上の場合に無人飛行体410で使用される電力をバッテリ460から供給される第2電力としてもよい。この場合、第4閾値は、接続ケーブル430を流れる電流が当該第4閾値となる電力を家庭用電源Hから無人飛行体410に供給する際に、家庭用電源Hから電源装置470に流れる電流の値が家庭用ブレーカに設定された上限電流値を超えない値に設定される。
<第5実施形態>
図12は、本実施形態における無人飛行体システム500の一部の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明において、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより説明を省略する場合がある。
図12に示すように、本実施形態の無人飛行体システム500における電源装置570は、バッテリ560が接続される第3コネクタ部573cを有する。第3コネクタ部573cは、例えば、図3に示した第1コネクタ部73aおよび第2コネクタ部73bと同様に設けられている。第3コネクタ部573cは、第3電源ケーブル583によってバッテリ560と電気的に接続される。本実施形態においてバッテリ560は、電源装置570に対して外部から接続される外部バッテリである。第3コネクタ部573cの図示しない端子部は、第1変圧部74と電気的に接続されている。
電源装置570のその他の構成は、第4実施形態の電源装置470のその他の構成と同様である。無人飛行体システム500のその他の構成は、第4実施形態の無人飛行体システム400のその他の構成と同様である。
本実施形態によれば、電源装置570は、バッテリ560が接続される第3コネクタ部573cを有する。そのため、バッテリ560を電源装置570に対して外部から接続可能な外部バッテリとすることができる。したがって、バッテリ560の交換が容易である。また、無人飛行体410の種類などに応じて、バッテリ560を適宜変更することが容易である。これらにより、使用者の利便性をより向上できる。
なお、上述した第1実施形態から第5実施形態において説明した電力切替部、保護回路部、電流検出部、電力送信部、および無人飛行体の制御部などを含む無人飛行体システムの各構成要素における機能の少なくとも一部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが、図示しない記憶部に記憶された制御プログラム、すなわちソフトウェアを実行することで実現される。また、無人飛行体システムの各構成要素における機能の少なくとも一部は、例えば、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、およびGPU(Graphics Processing Unit)などの回路部を含むハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されていてもよい。図示しない記憶部は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(hard disk drive)、およびフラッシュメモリなどの記憶媒体によって実現される。
以上に本発明における実施の形態について説明したが、本発明は上述した各実施形態の構成のみに限定されず、以下の構成および方法を採用することもできる。
電力切替部は、上述した電力切替制御を実行可能であれば、どのような構成であってもよい。電力切替部は、上述した電力切替制御以外の制御を実行可能であってもよい。電力切替部は、例えば、電源装置の故障、および接続ケーブルの断線など無人飛行体システムに何らかの障害が生じて、地上局の電源装置からの給電ができなくなった場合に、無人飛行体で使用される電力を無人飛行体に搭載されたバッテリの電力に自動的に切り替える制御を行ってもよい。
電力切替制御は、無人飛行体において消費される電力が所定値よりも小さい場合に、電源装置に接続された電源から供給される第1電力を無人飛行体の電力として使用し、かつ、無人飛行体において消費される電力が所定値以上の場合に、バッテリから供給される第2電力を無人飛行体の電力として使用する制御であれば、特に限定されない。電力切替制御は、無人飛行体で消費される電力量を検出して、当該電力量に基づいて電力の切り替えを行う制御であってもよい。電力切替部は、電源装置に電源として発電機が接続されている場合に電力切替制御を実行してもよい。
電源装置は、電源と電気的に接続されるコネクタ部を1つのみ有してもよい。この場合、当該コネクタ部には、家庭用電源と発電機とのいずれの電源も接続可能となっていてもよい。この場合、電源装置には、電源として家庭用電源を使用するモードと電源として発電機を用いるモードとの間で電源装置の使用モードを切り替えるためのスイッチが設けられていてもよい。
家庭用電源から第1コネクタ部を介して供給される電流の値が所定の閾値以上の場合に動作する保護回路部は、家庭用電源から前記第1コネクタ部を介して供給される電流の値が所定の閾値以上の場合に、第1コネクタ部から接続ケーブルへと流れる電流を減衰または遮断することと、無人飛行体に有線または無線で信号を送ることと、の両方を実行してもよい。この場合、電力切替部は、第2実施形態で説明したように電力切替制御を実行してもよいし、第3実施形態で説明したように電力切替制御を実行してもよい。
本発明が適用される無人飛行体システムにおける無人飛行体は、どのような種類の無人飛行体であってもよい。無人飛行体は、照明装置を有しなくてもよいし、撮像装置を有しなくてもよい。また、1つの電源装置に対して、複数の無人飛行体が連結されて接続されてもよい。この場合、無人飛行体の数は、2つ以上であれば、特に限定されない。
以上、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。