JP7444267B2 - 中枢神経疾患の治療用組成物、中枢神経疾患の治療用組成物の製造方法および中枢神経疾患の治療用製剤の製造方法 - Google Patents

中枢神経疾患の治療用組成物、中枢神経疾患の治療用組成物の製造方法および中枢神経疾患の治療用製剤の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、中枢神経疾患の治療用組成物、中枢神経疾患の治療用組成物の製造方法、中枢神経疾患の治療用製剤の製造方法および中枢神経疾患の治療用製剤の保存方法に関する。
脳梗塞、頭部外傷、脊髄損傷、脳血管性認知症、アルツハイマー病およびパーキンソン病等の、脳または脊髄といった中枢神経系の異常または損傷を原因とする疾患(以下、「中枢神経疾患」ともいう。)の治療として、経口もしくは注射による投薬または外科的治療等が行われている。しかしながら、これらの治療は対症療法であり、中枢神経疾患に対する治療方法は十分に確立されていない。
間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell、MSC)は、骨髄、脂肪、滑膜、歯槽骨および歯根膜等の組織からだけでなく、胎盤、臍帯血および臍帯等の種々の組織からも単離することができる。また、間葉系幹細胞は、生体外で培養して増殖させることもできる。さらに、間葉系幹細胞は、間葉系の細胞(例えば、骨芽細胞、脂肪細胞および軟骨細胞)だけでなく、非間葉系の細胞(例えば、神経前駆細胞および肝細胞)に分化可能な、多分化能を有することから、再生医療または細胞治療に用いられる細胞を製造するための原料としての利用が期待されている。
間葉系幹細胞の培養は、例えばウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum、FBS)等の血清含有の培地を用いて行われる。この血清は、生体外での細胞の成長もしくは増殖を促進するための栄養源、またはホルモン等の生理活性物質の供給源として用いられている。しかしながら、血清含有の培地で細胞を培養すると、血清中に混入している未知の病原体(ウイルス、病原性プリオン等)により培養細胞が汚染される危険性がある。この問題を回避するため、血清を含まない無血清培地を用いる手法が挙げられる。例えば、特許文献1~3には、間葉系幹細胞の培養に用いられる無血清培養が記載されている。
国際公開第2007/080919号 国際公開第2011/111787号 国際公開第2015/016357号
間葉系幹細胞が有する機能は多種多様であって、現在利用されている間葉系幹細胞の機能はその一部である。そのため、中枢神経疾患等の疾患に対して、間葉系幹細胞を用いた新たな治療アプローチの開発が期待されているが、どのような間葉系幹細胞が中枢神経疾患の治療に適しているかについては不明であった。
本発明の一態様は、中枢神経疾患の治療に好適に用いられる、間葉系幹細胞を含む中枢神経疾患の治療用組成物等を提供することである。
本発明者らは、間葉系幹細胞が中枢神経疾患に及ぼす影響について鋭意検討する過程において、無血清培地中で培養された滑膜由来の間葉系幹細胞は、血清培地中で培養した間葉系幹細胞に比べて著しく高い中枢神経疾患に対する有効性(例えば、免疫調節作用、抗炎症効果、血管新生効果および神経保護効果)を有していることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一実施形態は、以下のような構成である。
本発明の中枢神経疾患の治療用組成物は、無血清培地中で培養された滑膜由来の間葉系幹細胞を含有していることを特徴としている。
本発明の中枢神経疾患の治療用組成物の製造方法は、無血清培地中で滑膜由来の間葉系幹細胞を培養する工程を含むことを特徴としている。
本発明の中枢神経疾患の治療用製剤の製造方法は、無血清培地中で培養された滑膜由来の間葉系幹細胞を、凍結のための保存液に懸濁し、得られた懸濁液を凍結する凍結保存工程と、懸濁液を融解し、間葉系幹細胞が投与に適した濃度となるように、懸濁液を希釈する工程と、を含むことを特徴としている。
なお、本発明の中枢神経疾患の治療用組成物を構成する間葉系幹細胞について、「無血清培地中で培養された」等の製造工程で特定している。本発明者らは、本発明に用いられる間葉系幹細胞と、従来の間葉系幹細胞(具体的には、血清培地中で培養された間葉系幹細胞)との間で、発現量が異なる遺伝子(換言すれば、遺伝子マーカー)が存在しないか、試験を行った。その結果、膨大な種類の遺伝子の発現量が異なることが明らかになったものの、これらの遺伝子のうち、いずれの遺伝子が、本発明に用いられる間葉系幹細胞と従来の間葉系幹細胞とを区別する上で重要であるのか、特定するには至らなかった。何れの遺伝子が、本発明に用いられる間葉系幹細胞と従来の間葉系幹細胞とを区別する上で重要であるのか特定するためには、さらに、膨大な時間と労力とが必要である。それ故に、出願時において、本発明の中枢神経疾患の治療用組成物における間葉系幹細胞を構造または特性により直接特定することが不可能である、または、実際的でない事情が存在すると結論づけた。
中枢神経疾患の治療に好適に用いられる、間葉系幹細胞を含む中枢神経疾患の治療用組成物等を提供できる。
実施例1に係る評価方法の手順の概要を示す図である。 実施例1において神経症状スコアを測定した結果を示した図である。 実施例1において総脳梗塞巣の面積を測定した結果を示した図である。 実施例2に係る評価方法の手順の概要を示す図である。 実施例2の実験例2-1においてBBBスコアを測定した結果を示した図である。 実施例2の実験例2-2においてBBBスコアを測定した結果を示した図である。
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。また、異なる実施形態および実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態および実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。なお、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意図する。
本明細書中において、「無血清培地」とは、血清を含まない培地であることが意図され、「無血清培養」とは、血清を用いない培養であることが意図される。また、本明細書中において、「間葉系幹細胞」は、間葉系に属する細胞に由来する幹細胞を意味する。また、間葉系幹細胞から、さらに特定の性質を有するものを単離したもの、間葉系幹細胞に対して、サイトカイン刺激等何らかの刺激を与えたもの、遺伝子導入したものも包含される。例えば、MUSE細胞、MAPC細胞等も包含される。間葉系幹細胞は、ヒト間葉系幹細胞であることが好ましいが、ラット、マウス等の非ヒト哺乳動物由来の間葉系幹細胞であってもよい。また、滑膜は、関節内の大腿骨または関節包を覆う線維性滑膜と、膝蓋下脂肪体の脂肪性滑膜と、に大別される。本明細書中において「滑膜由来の間葉系幹細胞」とは、線維性滑膜由来の間葉系幹細胞および脂肪性滑膜由来の間葉系幹細胞の両方を意図する。
また、本明細書中において、「中枢神経疾患の治療用組成物」は、中枢神経疾患の回復・再生を促進する効果を有する薬剤を意図する。中枢神経疾患の治療用組成物は、間葉系幹細胞を元の状態のまま機能を変化させずに用いたものだけでなく、特定の条件の下で培養および増殖させることによって、分泌能および分化能等の機能を向上させた細胞を用いたものも含む。
〔1.中枢神経疾患の治療用組成物の製造方法〕
本発明の一実施形態にかかる中枢神経疾患の治療用組成物の製造方法(以下、「本実施形態の製造方法」ともいう。)は、無血清培地中で滑膜由来の間葉系幹細胞を培養する工程を含む方法である。
(1-1.無血清培地)
本実施形態の製造方法において、滑膜由来の間葉系幹細胞を培養する無血清培地の組成は特に限定されず、公知の無血清培地の組成を適宜使用することができる。無血清培地を構成するための基礎培地は、公知の哺乳動物細胞用培地であれば特に限定されず、好ましい基礎培地としては、例えば、Ham’s F12培地、DMEM培地、RPMI-1640培地、MCDB培地等が挙げられる。これらの基礎培地は、単独で使用されても、複数を混合して使用されてもよい。一実施形態において、無血清培地を構成するための基礎培地は、MCDBとDMEMとを1:1の比率で混合した培地が好ましい。
一実施形態において、前記の基礎培地に、例えば、PDGF(Platelet-derived Growth Factor)、EGF(Epidermal Growth Factor)、TGF-β(Transforming Growth Factor-β)、HGF(Hepatocyte Growth Factor)、少なくとも1つのリン脂質および少なくとも1つの脂肪酸等を添加した無血清培地が用いられてもよい。
このような無血清培地を間葉系幹細胞の培養に使用することによって、無血清培地中への未知の病原体(ウイルス、病原性プリオン等)の混入による培養細胞の汚染を防ぐことができ、かつ、血清含有の培地を使用した場合と同等以上の増殖促進効果が得られる。
基礎培地に対するPDGFの含有量は、終濃度で、0.5~100ng/mLであることが好ましく、さらに好ましくは10ng/mLである。基礎培地に対するEGFの含有量は、終濃度で、0.5~200ng/mLであることが好ましく、さらに好ましくは20ng/mLである。
基礎培地がTGF-βを含有する場合、基礎培地に対するTGF-βの含有量は、終濃度で、0.5~100ng/mLであることが好ましく、さらに好ましくは10ng/mLである。基礎培地がHGFを含有する場合、基礎培地に対するHGFの含有量は、終濃度で、0.1~50ng/mLであることが好ましく、さらに好ましくは5ng/mLである。
基礎培地に対するリン脂質の総含有量は、終濃度で、0.1~30μg/mLであることが好ましく、さらに好ましくは10μg/mLである。基礎培地に対する脂肪酸の総含有量は、基礎培地の重量の1/1000~1/10であることが好ましく、さらに好ましくは1/100である。
基礎培地に添加するリン脂質としては、特に限定されず、例えば、フォスファチジン酸、リゾフォスファチジン酸、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルセリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルコリンおよびフォスファチジルグリセロール等が挙げられ、これらのリン脂質を単独で用いてもよいし、組み合わせて(例えば、フォスファチジン酸とフォスファチジルコリンとを組み合わせて)用いてもよい。これらのリン脂質は、動物由来のものであっても、植物由来のものであってもよい。
基礎培地に添加する脂肪酸としては、特に限定されず、例えば、リノール酸、オレイン酸、リノレイン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、パルミトイル酸、パルミチン酸およびステアリン酸等が挙げられ、これらの脂肪酸を単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。また、本実施形態に係る無血清培地は、前記脂肪酸以外にさらにコレステロールを含有していてもよい。
本明細書中において、PDGFは、血小板由来増殖因子(PDGF)ファミリーから選択される増殖因子が意図され、PDGF-BBまたはPDGF-ABであることが好ましい。また、本明細書中において、EGFは、上皮増殖因子(EGF)ファミリーから選択される増殖因子が意図される。
また、無血清培地は、結合組織増殖因子(Connective Tissue Growth Factor、CTGF)、血管内皮増殖因子(Vascular Endothelial Growth Factor、VEGF)およびアスコルビン酸化合物のいずれかをさらに含有していてもよい。
本明細書中において、アスコルビン酸化合物は、アスコルビン酸(ビタミンC)もしくはアスコルビン酸2リン酸、またはこれらに類似する化合物が意図される。
また、無血清培地は脂質酸化防止剤を含有していてもよく、脂質酸化防止剤としては、DL-α-トコフェロールアセテート(ビタミンE)等が挙げられる。さらに、無血清培地は界面活性剤をさらに含有していてもよく、界面活性剤としては、Pluronic(登録商標) F-68またはTween(登録商標) 80等が挙げられる。
無血清培地は、インスリン、トランスフェリン、デキサメタゾン、血清アルブミンおよびセレネートをさらに含有していてもよい。本明細書中において、インスリンは、インスリン様増殖因子であってもよく、天然の細胞由来であっても、遺伝子組換えによって製造されたものでもよい。なお、無血清培地がデキサメタゾン、インスリンおよび血清アルブミンの少なくとも何れか1つを含有していれば、間葉系幹細胞の生存期間の延長および間葉系幹細胞の増殖亢進という効果を奏する。
また、本実施形態の製造方法における無血清培地は公知の無血清培地を使用してもよい。公知の無血清培地としては、例えばSTK(登録商標)1(株式会社ツーセル製)、STK(登録商標)2(株式会社ツーセル製)、ヒト間葉系幹細胞専用完全合成培地キット(MSCGM-CD BulletKit)(Lonza)、間葉系幹細胞増殖培地DXF:Mesenchymal Stem Cell Growth Medium DXF(Ready-touse)(PromoCell GmbH.)、Stem Pro MSC SFM Xeno Free(Thermo Fisher Scientific Inc.)およびMesenCult-ACF Medium Kit(STEMCELL Technologies Inc.)等が挙げられる。
(1-2.培養条件)
本実施形態の製造方法では、上述した無血清培地に、ヒト等の動物組織または細胞から従来公知の方法により単離された滑膜由来の間葉系幹細胞を播種し培養する。培養条件として、例えば、培地1mLに対して1~500mgの組織片(間葉系幹細胞を含む)から分離した滑膜由来の間葉系幹細胞を播種することが好ましく、培養温度は37℃±1℃、かつ5%CO下であることが好ましい。
培養時間は特に限定されず、滑膜由来の間葉系幹細胞が目的とする濃度に達する培養時間であればよい。例えば、培養時間は、1~5時間であってもよいし、1~10時間であってもよいし、1~20時間であってもよいし、1時間~1日間であってもよいし、1時間~10日間であってもよいし、1時間~30日間であってもよいし、1時間~50日間であってもよいし、30時間~70時間であってもよいし、40時間~70時間であってもよいし、50時間~70時間であってもよい。このように培養することによって、免疫抑制能を維持または向上した滑膜由来の間葉系幹細胞を効率よく大量に得ることができる。
本実施形態の製造方法において用いられる滑膜由来の間葉系幹細胞は、特に制限されないが、初代の間葉系幹細胞、すなわち、ヒト等の動物組織から採取してから一度も継代培養を経ていない細胞であることが好ましい。
培養に用いる培養容器は、滑膜由来の間葉系幹細胞が増殖し得るものであれば特に限定されない。例えば、ファルコン製75cmフラスコ、住友ベークライト製75cmフラスコ等を好適に用いることができる。ただし、細胞によっては、用いる培養容器の種類によって細胞の増殖が影響を受ける場合がある。このため、間葉系幹細胞をより効率よく増殖させるために、増殖させる対象となる間葉系幹細胞(以下、「増殖対象細胞」ともいう。)毎に、増殖に適した培養容器を用いて培養を行うのが好ましい。
増殖に適した培養容器の選択方法としては、例えば、最適な培養容器を増殖対象細胞に選択させる方法を挙げることができる。具体的に説明すると、複数種類の培養容器を準備し、培養容器の種類が異なる以外は同一の培養条件で増殖対象細胞を増殖させ、培養開始から2週間後の細胞数を公知の方法によって計測し、細胞数が多いものから順に増殖対象細胞の増殖に適した培養容器であると判断することができる。また、増殖対象細胞の増殖速度が速い場合は、培養開始から2週間経過する前であっても、コンフルエント状態の80~90%の細胞数に達する期間が短いものから順に増殖対象細胞の増殖に適した培養容器であると判断することができる。
なお、間葉系幹細胞の増殖には、細胞が培養容器に接着することが必須条件であるので、培養容器に対する増殖対象細胞の接着が弱い場合は、無血清培養する際に、無血清培地に細胞接着分子をさらに含有させることが好ましい。細胞接着分子としては、例えば、フィブロネクチン、コラーゲン、ゼラチン等を挙げることができる。これらの細胞接着分子は、一種類を単独で用いてもよく、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
無血清培地に対する細胞接着分子の含有量は、終濃度で、1~50μg/mLであることが好ましく、さらに好ましくは5μg/mLである。一実施形態において、細胞接着分子としてフィブロネクチンを用いる場合は、無血清培地に対するフィブロネクチンの終濃度が5μg/mLとなるように添加することによって、培養容器に対する増殖対象細胞の接着効率を向上させることができる。
また、無血清培養では、間葉系幹細胞を少なくとも1回継代してもよい。間葉系幹細胞は足場依存的に増殖するので、間葉系幹細胞が局所的に偏って増殖している等の場合に、間葉系幹細胞の増殖途中で間葉系幹細胞を継代することによって培養条件を改善することができる。
間葉系幹細胞の継代方法としては特に限定されず、従来公知の間葉系幹細胞の継代方法を用いて継代することできる。継代を行う場合に哺乳類および微生物由来の成分を含有していない細胞剥離剤を用いて間葉系幹細胞を剥離することが、継代後の間葉系幹細胞の状態が良好であることから好ましい。「哺乳類および微生物由来の成分を含有していない細胞剥離剤」としては、例えば、TrypLE Select(ライフテクノロジーズ)またはACCUTASE(Innovative Cell Technologies, Inc.)を挙げることができる。
〔2.中枢神経疾患の治療用組成物〕
本発明の一実施形態にかかる中枢神経疾患の治療用組成物(以下「本実施形態の治療用組成物」という。)は、無血清培地中で培養された滑膜由来の間葉系幹細胞を含有している。
本実施形態の治療用組成物に含まれる滑膜由来の間葉系幹細胞は、〔1.中枢神経疾患の治療用組成物の製造方法〕の欄にて説明した、無血清培地中で培養された滑膜由来の間葉系幹細胞である。すなわち、本実施形態の治療用組成物に含まれる間葉系幹細胞は、上述した中枢神経疾患の治療用組成物の製造方法において増殖した滑膜由来の間葉系幹細胞である。
本実施形態の治療用組成物は、中枢神経疾患の回復・再生を促進する効果を有する。間葉系幹細胞は骨髄、脂肪および臍帯等の由来組織により、分化能および分泌因子の発現が異なることが知られている。本発明者らは、無血清培地中で培養された滑膜由来の間葉系幹細胞は、血清含有の培地中で培養した間葉系幹細胞に比べて、高い免疫調節作用、抗炎症効果、血管新生効果および神経保護効果を有することを見出した。そのため、血清含有の培地中で培養した間葉系幹細胞を用いた場合には実現できない、著しく高い(換言すれば、臨床現場において利用可能な程度に高い)中枢神経疾患に対する治療効果を奏すると考えられる。間葉系幹細胞を用いた中枢神経疾患の治療を目的とする研究は数多く行われてきたが、このような研究では通常、中枢神経系の間葉系幹細胞(例えば、骨髄等)が多く用いられてきた。しかし、中枢神経系と関連が薄いと考えられていた、運動器の構造体である滑膜に由来する間葉系幹細胞が、無血清培地中で培養されることで、際立って中枢神経疾患の回復・再生を促進する効果を奏することは、本発明者らによる新規な知見である。
また、本実施形態の治療用組成物は、無血清培養した滑膜由来の間葉系幹細胞を含んでいるので、血清中に混入している未知の病原体(ウイルス、病原性プリオン等)が患者の体内に投与される危険性がない。また血清は、非常に高価であり、また天然製品であるがゆえにロット毎に成分の差が生じるので、細胞増殖効果にばらつきが生じやすいが、本発明においては血清を使用しないため、このような問題が生じない。さらに、培養後の間葉系幹細胞から血清由来のタンパク質等を除去するために精製を行う必要がないため、作業の効率化が図れる。
本実施形態の治療用組成物が効能を奏する、中枢神経疾患としては、特に限定されない。このような中枢神経疾患として、例えば、脳梗塞、脳出血、頭部外傷、脊髄損傷、アルツハイマー病、脳血管性認知症、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症および筋萎縮性側索硬化症等が挙げられる。
本実施形態の治療用組成物は、無血清培地中で培養された滑膜由来の間葉系幹細胞からなる薬剤であってもよいが、無血清培地中で培養された間葉系幹細胞の他に薬学的に許容される添加剤(例えば、緩衝剤、酸化防止剤、増粘剤および賦形剤)を含み得る。
前記添加剤の量は、特に限定されないが、例えば、本実施形態の治療用組成物の0.01~50重量%、0.01~40重量%、0.01~30重量%、0.01~20重量%、0.01~10重量%または0.01~1重量%であり得る。
本実施形態の治療用組成物に含まれる間葉系幹細胞の数は、特に限定されず、投与対象の体重に応じて適宜設定することが可能である。例えば、1投与あたり、1×10細胞~1×1010細胞、1×10細胞~1×1010細胞、1×10細胞~1×1010細胞、1×10細胞~1×1010細胞または1×10細胞~1×1010細胞であり得る。勿論、1投与あたり、1×1010細胞以上であってもよい。
前記治療用組成物の投与方法として、例えば、静脈注射、動脈注射および局所(脊髄(例えば、脊髄腔)、筋肉、関節、脳室等)への注射が挙げられる。これらの投与方法のうち、カテーテルを用いた局所近傍の動脈への投与方法であれば、投与に必要な細胞数を減少できるという有利な効果を奏する。
本実施形態の治療用組成物の投与対象は、特に限定されない。例えば、本実施形態の治療用組成物がヒトの滑膜由来の間葉系幹細胞を含む場合、前記投与対象は、ヒトであってもよく、ヒト以外の哺乳動物(ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、マウス、ラット等)であってもよい。また、本実施形態の治療用組成物が、ヒト以外の哺乳動物における滑膜由来の間葉系幹細胞を含む場合、前記投与対象は、当該哺乳動物であってもよく、ヒト等の当該哺乳動物以外であってもよい。つまり、本実施形態の治療用組成物の間葉系幹細胞は、異種動物へ移植されてもよく、同種動物へ移植されたものであってもよい。同種動物への移植は、自家移植であってもよく、他家移植であってもよい。
本実施形態の治療用組成物の投与量は、特に限定されないが、投与対象の体重1kgあたりに投与される間葉系幹細胞の数が、1×10細胞~1×10細胞、1×10細胞~1×10細胞、1×10細胞~1×10細胞、1×10細胞~1×10細胞または1×10細胞~1×10細胞になる量であり得る。
〔3.中枢神経疾患の治療用製剤の製造方法〕
本発明の一実施形態にかかる中枢神経疾患の治療用製剤の製造方法(本実施形態の治療用製剤の製造方法)は、無血清培地中で培養された滑膜由来の間葉系幹細胞を、凍結のための保存液に懸濁し、得られた懸濁液を凍結する凍結保存工程と、前記懸濁液を融解し、前記間葉系幹細胞が投与に適した濃度となるように、前記懸濁液を希釈する工程と、を含む。
ここで、「中枢神経疾患の治療用製剤」とは、中枢神経疾患の回復・再生を促進する効果を有する薬剤を、投与に好適な状態となるように製剤化したものを意図する。中枢神経疾患の治療用製剤は、間葉系幹細胞を元の状態のまま機能を変化させることなく製剤化したもののみならず、特定の条件の下で培養および増殖させることによって、分化能等の機能を向上させた細胞を製剤化したものも含む。
本実施形態の治療用製剤の製造方法における滑膜由来の間葉系幹細胞は、〔1.中枢神経疾患の治療用組成物の製造方法〕の欄にて説明した、無血清培地中で培養された滑膜由来の間葉系幹細胞である。すなわち、本実施形態の治療用製剤の製造方法における滑膜由来の間葉系幹細胞は、上述した中枢神経疾患の治療用組成物の製造方法において増殖した滑膜由来の間葉系幹細胞である。
本実施形態の治療用製剤の製造方法は、無血清培地中で培養された滑膜由来の間葉系幹細胞を、凍結のための保存液に懸濁し、得られた懸濁液を凍結する凍結保存工程を含む。
本実施形態の治療用製剤の製造方法において、上述した滑膜由来の間葉系幹細胞を凍結するための保存液の組成は特に限定されず、公知の保存液の組成を適宜使用することができる。例えば、保存液は輸液、凍結保護剤、アルブミン等を含有してもよい。
輸液としては、重炭酸リンゲル液が例として挙げられるがこれに限定されない。重炭酸リンゲル液としては、商業的に入手可能なものを使用可能であり、例えば、ビカーボン(登録商標)輸液(エイワイファーマ株式会社)を好適に使用することができる。輸液は、一種類を単独で用いてもよく、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
凍結・解凍過程で細胞内に氷結晶が成長することを抑制する凍結保護剤としては、DMSO(ジメチルスルホキシド)等が挙げられるがこれに限定されない。本発明の一実施形態に係る保存液の凍結保護剤の量は、保存液全量に対して0.5%~50%(v/v)がより好ましい。
また、本発明の一実施形態に係る保存液は、凍結・解凍過程でより好適に細胞を保護するためアルブミンを含有していてもよい。アルブミンを加える場合の濃度は、保存液全量に対して0.25%~25%(v/v)がより好ましい。
凍結保存工程では、滑膜由来の間葉系幹細胞を上述した保存液に懸濁する。懸濁する方法としては、例えば、凍結保存可能な容器に保存液を入れ、当該保存液中に間葉系幹細胞を懸濁することが好ましい。
懸濁するときの保存液と間葉系幹細胞との量比は、凍結保存可能な量であれば特に限定されないが、例えば、50万cells/mL~1000万cells/mL程度である。このような量であれば、保存液中に十分に間葉系幹細胞を懸濁させることができる。
滑膜由来の間葉系幹細胞を保存液に懸濁した懸濁液を凍結する。凍結温度は間葉系幹細胞が凍結する温度に適宜設定すればよいが、例えば-80℃以下、または-196℃以下が挙げられる。-80℃以下で凍結する場合は、例えば、従来公知の例等を用いればよく、-196℃以下で凍結する場合は、液体窒素を用いればよい。
また、本実施形態の治療用製剤の製造方法は、上述した懸濁液を融解し、間葉系幹細胞が投与に適した濃度となるように、当該懸濁液を希釈する工程を含む。
本実施形態の治療用製剤の製造方法において、融解させる方法としては、細胞が損傷しない温度で融解させればよく、10℃以上、45℃以下が好ましく、20℃以上、40℃以下がより好ましく、35℃以上、40℃以下がより好ましい。例えば、35~38℃の湯浴を用いて融解することがより好ましい。迅速且つ、細胞の回収率、生存率がより高いからである。
また、融解させた懸濁液は、生理食塩液またはリンゲル液等の希釈液で希釈する。希釈液としては特に限定されず、滑膜由来の間葉系幹細胞の機能を維持できるものであればよい。希釈濃度は間葉系幹細胞が投与に適した濃度となるように適宜調製すればよいが、例えば、間葉系幹細胞の数が50万cells/mL~300万cells/mL程度となるように調製すればよい。
本発明の一実施形態は、以下のような構成であってもよい。
〔1〕無血清培地中で培養された滑膜由来の間葉系幹細胞を含有している、中枢神経疾患の治療用組成物。
〔2〕前記中枢神経疾患は、脳梗塞、脳出血、頭部外傷および脊髄損傷の、少なくともいずれか1つである、〔1〕に記載の中枢神経疾患の治療用組成物。
〔3〕前記中枢神経疾患は、アルツハイマー病、脳血管性認知症、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症および筋萎縮性側索硬化症の、少なくともいずれか1つである、〔1〕に記載の中枢神経疾患の治療用組成物。
〔4〕無血清培地中で滑膜由来の間葉系幹細胞を培養する工程を含む、中枢神経疾患の治療用組成物の製造方法。
〔5〕無血清培地中で培養された滑膜由来の間葉系幹細胞を、凍結のための保存液に懸濁し、得られた懸濁液を凍結する凍結保存工程と、前記懸濁液を融解し、前記間葉系幹細胞が投与に適した濃度となるように、前記懸濁液を希釈する工程と、を含む、中枢神経疾患の治療用製剤の製造方法。
〔実施例1〕
(脳梗塞に対する滑膜由来の間葉系幹細胞の有効性評価)
無血清培地中で培養された滑膜由来の間葉系幹細胞の移植による脳梗塞の後遺症の改善に係る検討を行った。
図1に本実施例に係る評価方法の手順の概要を示す。図1に示すように、本実施例では脳梗塞モデルラットを作製し、脳虚血再灌流直後に間葉系幹細胞(MSC)を投与して1日経過後、行動学的評価および組織学的評価を行った。
ヒトの滑膜または骨髄の組織から、周知の方法(例えばエクスプラント法またはコラーゲナーゼ法)にしたがって、間葉系幹細胞を無血清培地STK(登録商標)1(株式会社ツーセル)または10%ウシ血清含有DMEM培地(Sigma-Aldorich)にて、分離・培養した。無血清培地STK(登録商標)1にて分離した滑膜の間葉系幹細胞を、無血清培地STK(登録商標)2(株式会社ツーセル)に播種し、10%ウシ血清含有DMEM培地にて分離した滑膜または骨髄の間葉系幹細胞を、同培地に播種し、それぞれ37℃、5%COの条件下にて、10~15日間間葉系幹細胞を培養した。
次に、中枢神経疾患の一例として、脳梗塞モデルのラットを作製した(SPHPR-710-2 ラット脳梗塞モデル(小泉モデル))。ラットの内頸動脈に向かって栓子を挿入し、左中大脳動脈を閉塞することで脳虚血処置を行った。脳虚血120分後に栓子を抜き去り、血流を再開通させることで、脳梗塞モデルラットを作製した。
脳虚血再灌流直後に、実施例(A)として、無血清培地を用いて培養した滑膜由来の間葉系幹細胞を、0.8mL/minの速度で脳梗塞モデルラットの尾静脈より1分間かけて投与した群を作製した(A-G2)。また、比較例(B)として、10%ウシ血清含有DMEM培地を用いて培養した滑膜由来または骨髄由来の間葉系幹細胞を、それぞれについて0.8mL/minの速度で脳梗塞モデルラットの尾静脈より1分間かけて投与した群を作製した(B-G2またはB-G3)。このとき、実施例(A)および比較例(B)について、ネガティブコントロール(NC)として、間葉系幹細胞を含有していないソルラクト(登録商標)輸液(テルモ株式会社)を前記同様に脳梗塞モデルラットの尾静脈へ投与した群を作製した(A-G1またはB-G1)。また、実施例(A)および比較例(B)について、ポジティブコントロール(PC)として、脳梗塞巣を縮小させることが示されているFK-506(タクロリムス、アステラス製薬株式会社)を0.5mg/kg、脳梗塞モデルラットの尾静脈へ投与した群を作製した(A-G3またはB-G4)。間葉系幹細胞を投与してから1日後に、それぞれの実施例(A)および比較例(B)の脳梗塞モデルラット群に対して、行動学的評価および組織学的評価を行った。
(行動学的評価)
実施例(A)および比較例(B)の脳梗塞モデルラット群について、神経症状の観察を行い、行動学的評価を行った。個体別に、(1)前肢麻痺、(2)後肢麻痺、(3)回転運動、(4)体側面抵抗性および(5)一般状態の5項目について0~12(病態:数値が高いほど悪い)でスコア化し、5項目の合計を神経症状スコアとして評価した。
具体的には、(1)前肢麻痺では、ラットの尾を持ち、床から10cm程度持ち上げた際の右前肢の屈曲の程度を観察し、屈曲の左右差がない場合を0点、軽度の屈曲がある場合を1点、90度程度の屈曲がある場合を2点、運動不可能である場合を3点、として計測した。同様に、(2)後肢麻痺では、安静時にラットの後肢を引っ張った際の、後肢を元に戻す力を観察し、左右後肢に筋力差がない場合を0点、左右後肢に筋力差がある場合を1点、不自然な状態になるが刺激により元に戻す場合を2点、不自然な状態になり刺激に無反応である場合を3点、として計測した。(3)回転運動では、ラットの尾を持ち、前肢を床面に付けた状態での回転運動を観察し、前方に移動する場合を0点、主として前方に移動するが、右回りに回転する場合を1点、主として右回りに回転し、前方にも移動する場合を2点、右回りにのみ回転する場合を3点、として計測した。(4)体側面抵抗性では、安静時に、左右片側ずつ、ラットの体側面を押した場合の抵抗性を観察し、左右差がない場合を0点、体勢は崩れないが、左からの刺激に弱い場合を1点、左からの刺激により、後肢の維持が困難である場合を2点、左からの刺激により倒れる場合を3点、として計測した。(5)一般状態では、安静状態でのラットの体姿勢を観察し、正常動物と差がない場合を0点、左肢が体の外に出ている場合を1点、右側に傾いている場合を2点、右側にかなり傾いている場合を3点、として計測した。
図2に神経症状スコアの測定結果を示す。なお、神経症状スコアの統計解析は、Steel testを用いて行い、いずれの解析においてもネガティブコントロールを対照群とし、有意水準は両側5%とした。図2の測定結果において、統計的な有意差について「*:P<0.05」および「**:P<0.01」として示す。
図2の測定結果より、ラットの神経症状への統計解析を実施したところ、ポジティブコントロール(A-G3およびB-G4)において、ネガティブコントロール(A-G1およびB-G1)に対して統計学的に有意(P<0.05)な神経症状スコアの改善が認められた。したがって、神経症状スコアの条件は脳梗塞の回復を行動学的に評価可能であることが示された。無血清培地中で培養した滑膜由来の間葉系幹細胞を投与したA-G2では、ネガティブコントロールに対して、統計学的に有意(P<0.01)な神経症状スコアの改善が認められた。一方、血清含有の培地中で培養した滑膜由来または骨髄由来の間葉系幹細胞を投与したB-G2またはB-G3では、ネガティブコントロールに対して、統計学的に有意な差は認められなかった。よって、行動学的に評価して、血清含有の培地中で培養した間葉系幹細胞を用いた場合よりも、無血清培地中で培養した滑膜由来の間葉系幹細胞は脳梗塞の症状を改善することが示された。
(組織学的評価)
続いて、実施例(A)および比較例(B)の脳梗塞モデルラット群について、脳梗塞巣の容積を測定し、組織学的評価を行った。神経症状の観察後、全脳を摘出し、ラット用ブレインマトリックスを用いて切片を作製した。各切片を2% 2,3,5-Triphenyltetrazolium chloride(TTC)を含む生理食塩液中で染色し、脳梗塞巣容積定量用画像をスキャナーで取り込んだ。当該画像を、OsiriX version 8.0.2(Pixmeo SARL)にてTTC非染色部分を脳梗塞巣としてマーキングし、面積を測定した。面積の測定は、大脳皮質および基底核について実施した。各断面の脳梗塞巣の面積と断面厚(2mm)の積から大脳皮質および基底核の総脳梗塞巣(mm)を算出し、これらの合計を総脳梗塞巣容積とした。
図3に総脳梗塞巣の面積を測定した結果を示す。なお、総脳梗塞巣の統計解析は、Dunnett’s testを用いて行い、いずれの解析においてもネガティブコントロールを対照群とし、有意水準は両側5%とした。図3の測定結果において、統計的な有意差について「*:P<0.05」および「***:P<0.001」として示す。
図3の測定結果より、ラットの総脳梗塞巣の統計解析を実施したところ、無血清培地中で培養した滑膜由来の間葉系幹細胞を投与したA-G2では、ネガティブコントロールに対して、統計学的に有意(P<0.001)な神経症状スコアの改善が認められた。さらに、ポジティブコントロールと比較しても、総脳梗塞巣は小さくなっていることが示された。一方、血清含有の培地中で培養した滑膜由来または骨髄由来の間葉系幹細胞を投与したB-G2またはB-G3では、ネガティブコントロールに対して、統計学的に有意な差は認められなかった。したがって、組織学的に評価しても、血清含有の培地中で培養した間葉系幹細胞を用いた場合よりも、無血清培地中で培養した滑膜由来の間葉系幹細胞を用いた場合の方が、脳梗塞巣の大きさが減少することが示された。
行動学的評価および組織学的評価を行った結果、無血清培地中で培養した滑膜由来の間葉系幹細胞は、血清含有の培地中で培養した間葉系幹細胞を用いた場合には実現できない、著しく高い(換言すれば、臨床現場において利用可能な程度に高い)中枢神経疾患に対する効果を有していることが示された。
〔実施例2〕
(脊髄損傷に対する滑膜由来の間葉系幹細胞の有効性評価)
無血清培地中で培養された滑膜由来の間葉系幹細胞の移植による脊髄損傷の後遺症の改善に係る検討を行った。
図4に本実施例に係る評価方法の手順の概要を示す。図4に示すように、本実施例では脊髄損傷モデルラットを作製し、脊髄損傷後翌日に間葉系幹細胞(MSC)を投与し、脊髄損傷後4週目(28日目)まで後肢運動機能の評価を行った。
(実験例2-1)
〔実施例1〕と同様に、滑膜由来の間葉系幹細胞を培養した。続いて、中枢神経疾患の一例として、MASCIS Impactorを用いた50mm重錘落下法による脊髄損傷モデルのラットを作製した。
実験例2-1として、脊髄損傷の翌日(24時間後)に、無血清培地を用いて培養した滑膜由来の間葉系幹細胞を、脊髄損傷モデルラットの尾静脈より、1mLを30秒以上かけて徐々に投与した群を作製した(Cells、サンプル数(n=3))。このとき、ネガティブコントロールとして、間葉系幹細胞を含有していないソルラクト(登録商標)輸液を前記同様に脊髄損傷モデルラットの尾静脈へ投与した群を作製した(Solvent、サンプル数(n=3))。脊髄損傷の翌日、7日後、21日後および28日後に、脊髄損傷モデルラット群に対して、それぞれBBB(Basso-Beattie-Bresnahan)スケール(Basso et al., "A sensitive and reliable locomotor rating scale for open field testing in rats." J.Neurotrauma 1995;12:1-21.参照)を用いて、後肢運動機能評価を行った。
(後肢運動機能評価)
図5に後肢運動機能評価の測定結果を示す。なお、BBBスコアの統計解析は、Kruskal-Wallisの検定法で解析し、統計学的有意性の検討を行い、危険率5%未満を有意差ありとした。
図5の測定結果より、無血清培地中で培養した滑膜由来の間葉系幹細胞を投与したCells群では、Solvent群に対してBBBスコアの改善傾向が確認できた。したがって、後肢運動機能評価において、無血清培地中で培養した滑膜由来の間葉系幹細胞は脊髄損傷の症状を改善することが示唆された。
(実験例2-2)
〔実施例1〕と同様に、滑膜由来の間葉系幹細胞を培養した。続いて、中枢神経疾患の一例として、実験例2-1とは異なるラットを用いて、MASCIS Impactorを用いた50mm重錘落下法による脊髄損傷モデルのラットを作製した。
実験例2-2として、脊髄損傷の翌日(24時間後)に、無血清培地を用いて培養した滑膜由来の間葉系幹細胞を、脊髄損傷モデルラットの尾静脈より、1mLを30秒以上かけて徐々に投与した群を作製した(Cells、サンプル数(n=6))。このとき、ネガティブコントロールとして、間葉系幹細胞を含有していないソルラクト(登録商標)輸液を前記同様に脊髄損傷モデルラットの尾静脈へ投与した群を作製した(Solvent、サンプル数(n=6))。脊髄損傷の翌日、14日後および28日後に、脊髄損傷モデルラット群(CellsおよびSolvent群)に対して、それぞれBBBスケールを用いて、後肢運動機能評価を行った。
(後肢運動機能評価)
図6に後肢運動機能評価の測定結果を示す。なお、BBBスコアの統計解析は、t検定法で解析し、統計学的有意性の検討を行った。p値が0.10未満の場合を有意傾向ありとした。図6の測定結果において、統計的な有意傾向を、「†:P<0.10」として示す。
図6の測定結果より、無血清培地中で培養した滑膜由来の間葉系幹細胞を投与したCells群では、ネガティブコントロールであるSolvent群に対してBBBスコアが有意に改善される傾向にあることを確認できた。したがって、後肢運動機能評価において、無血清培地中で培養した滑膜由来の間葉系幹細胞は脊髄損傷の症状を改善することが改めて示唆された。
本発明は、間葉系幹細胞を用いたより安全かつ利用価値の高い中枢神経疾患の治療用組成物を提供することができるので、間葉系幹細胞を用いた中枢神経疾患の回復・再生を目的とする医療に好適に利用可能である。

Claims (3)

  1. 無血清培地中で培養された滑膜由来の間葉系幹細胞を含有している、中枢神経疾患の治療用組成物であって、
    前記中枢神経疾患は、脳梗塞、脳出血、頭部外傷、脊髄損傷、アルツハイマー病、脳血管性認知症、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症および筋萎縮性側索硬化症の、少なくともいずれか1つである、中枢神経疾患の治療用組成物。
  2. 無血清培地中で滑膜由来の間葉系幹細胞を培養する工程を含む、前記無血清培地中で培養された前記間葉系幹細胞を含有している中枢神経疾患の治療用組成物の製造方法であって、
    前記中枢神経疾患は、脳梗塞、脳出血、頭部外傷、脊髄損傷、アルツハイマー病、脳血管性認知症、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症および筋萎縮性側索硬化症の、少なくともいずれか1つである、中枢神経疾患の治療用組成物の製造方法。
  3. 無血清培地中で培養された滑膜由来の間葉系幹細胞を、凍結のための保存液に懸濁し、得られた懸濁液を凍結する凍結保存工程と、
    前記懸濁液を融解し、前記間葉系幹細胞が投与に適した濃度となるように、前記懸濁液を希釈する工程と、を含む、前記間葉系幹細胞を含有している中枢神経疾患の治療用製剤の製造方法であって、
    前記中枢神経疾患は、脳梗塞、脳出血、頭部外傷、脊髄損傷、アルツハイマー病、脳血管性認知症、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症および筋萎縮性側索硬化症の、少なくともいずれか1つである、中枢神経疾患の治療用製剤の製造方法。
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