JP7443919B2 - センサユニットおよび赤外線センシングシステム - Google Patents

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本発明は、センサユニットおよび赤外線センシングシステムに関するものである。
従来、透過部材の一方側に配置され、透過部材の他方側から当該一方側に透過した電磁波に応じて透過部材の当該他方側の状態に関する推定を行うセンサユニットが知られている。例えば、車両に搭載された可視光レーザセンサユニットは、ガラス、樹脂等の透過部材の他方側から一方側に透過した可視光に基づいて、透過部材の当該他方側の物体の位置等を推定する。そして、このような透過部材の凍結、曇り等により透過部材を電磁波が通り難くなってしまわないよう、透過部材を加熱するヒータが取り付けられる技術も知られている。
また、透過部材を加熱するヒータが不要に作動し続けることを抑制するために、透過部材に温度センサを取り付けてヒータの温度を検出すること、および、ガラス温度センサの検出結果に応じてヒータのオン、オフを制御することが、特許文献1に記載されている。
特開2017-114154号公報
しかし、発明者の検討によれば、上記のように透過部材に温度センサが取り付けられると、透過部材を透過すべき電磁波の一部が温度センサによって遮られてしまい、それによって透過部材の上記他方側の状態に関する検知に悪影響が及ぶ可能性がある。
本発明は上記点に鑑み、従来、透過部材を他方側から一方側に透過した電磁波に応じて透過部材の当該他方側の状態に関する検知を行うセンサユニットにおいて、透過部材を透過すべき電磁波の一部が温度センサによって遮られてしまう可能性を低減することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、電磁波を透過する透過部材(10b)と、前記透過部材を加熱するヒータ(13)と、前記透過部材の一方側に配置され、前記透過部材の全部または一部と重なる第1検知範囲(101)の方向から入射する赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた第1信号を出力すると共に、前記透過部材の他方側から一方側に前記透過部材を透過して前記第1検知範囲と全部または一部が重なる第2検知範囲(102)から入射する電磁波を受けて前記電磁波の強度に応じた第2信号を出力するセンシング部(11、12)と、前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定する温度推定部(15b)と、前記第2信号に基づいて前記透過部材の前記他方側の状態を推定する状態推定部(15d)と、前記温度推定部が推定した温度に応じて前記ヒータの作動を制御するヒータ制御部(15e)と、を備え、前記センシング部は、互いに別体で互いに異なる位置に配置される第1センサ(11)および第2センサ(12)を備え、前記第1センサは、前記第1検知範囲から入射する前記赤外線を受けて前記赤外線に応じた前記第1信号を出力し、前記第2センサは、前記第2検知範囲から前記透過部材を透過して入射する前記電磁波を受けて前記電磁波に応じた前記第2信号を出力し、前記第2検知範囲内に前記第1センサは入っていない、センサユニットである。
また、請求項3に記載の発明は、センサユニットであって、電磁波を透過する透過部材(10b)と、前記透過部材を加熱するヒータ(13)と、前記透過部材の一方側に配置され、前記透過部材の全部または一部と重なる第1検知範囲(101)の方向から入射する赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた第1信号を出力すると共に、前記透過部材の他方側から前記一方側に前記透過部材を透過して前記第1検知範囲と全部または一部が重なる第2検知範囲(102)から入射する電磁波を受けて前記電磁波の強度に応じた第2信号を出力するセンシング部(11、12)と、前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定する温度推定部(15b)と、前記第2信号に基づいて前記透過部材の前記他方側の状態を推定する状態推定部(15d)と、前記温度推定部が推定した温度に応じて前記ヒータの作動を制御するヒータ制御部(15e)と、を備え、前記センシング部は、互いに別体で互いに異なる位置に配置される第1センサ(11)および第2センサ(12)を備え、前記第1センサは、前記第1検知範囲から入射する前記赤外線を受けて前記赤外線に応じた前記第1信号を出力し、前記第2センサは、前記第2検知範囲から前記透過部材を透過して入射する前記電磁波を受けて前記電磁波に応じた前記第2信号を出力し、当該センサユニットは、前記第1センサから出力される前記赤外線に応じた前記第1信号に基づいて、前記透過部材の前記他方側における物体の検知を行うナイトビュー部(15a)を備え、前記温度推定部は、前記第2センサが作動しているときに前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定し、前記ナイトビュー部は、前記第2センサが作動していないときに前記第1信号に基づいて前記透過部材の前記他方側における物体の検知を行う、センサユニットである。
また、請求項5に記載の発明は、電磁波を透過する透過部材(10b)と、前記透過部材を加熱するヒータ(13)と、前記透過部材の一方側に配置され、前記透過部材の全部または一部と重なる第1検知範囲(101)の方向から入射する赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた第1信号を出力すると共に、前記透過部材の他方側から前記一方側に前記透過部材を透過して前記第1検知範囲と全部または一部が重なる第2検知範囲(102)から入射する電磁波を受けて前記電磁波の強度に応じた第2信号を出力するセンシング部(11、12)と、前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定する温度推定部(15b)と、前記第2信号に基づいて前記透過部材の前記他方側の状態を推定する状態推定部(15d)と、前記温度推定部が推定した温度に応じて前記ヒータの作動を制御するヒータ制御部(15e)と、を備え、前記センシング部は、互いに別体で互いに異なる位置に配置される第1センサ(11)および第2センサ(12)を備え、前記第1センサは、前記第1検知範囲から入射する前記赤外線を受けて前記赤外線に応じた前記第1信号を出力し、前記第2センサは、前記第2検知範囲から前記透過部材を透過して入射する前記電磁波を受けて前記電磁波に応じた前記第2信号を出力し、前記透過部材および前記第1センサは車両に搭載され、前記第1センサは、前記車両の走行速度および外気温に応じて前記走行速度が高いほど低くかつ前記外気温が高いほど高く算出される温度(Tx)が所定のスタンバイ温度(Th)より高いことに基づいて、作動を停止する、センサユニットである。
このように、温度推定部は、ヒータの作動の制御に用いられるヒータの温度を、赤外線の強度に応じた第1信号に基づいて推定する。したがって、センシング部が透過部材から離れた状態で、ヒータの温度を検知することができる。それ故、透過部材を透過すべき電磁波の一部が温度センサによって遮られてしまう可能性が低減される。
上記目的を達成するための請求項に記載の発明は、電磁波を透過する透過部材(10b)を加熱するヒータ(13)を制御する機能と、前記透過部材を透過して前記透過部材の一方側に入射する電磁波に基づいて前記透過部材の他方側の状態を推定する機能とを有するセンサユニットに用いられる赤外線センシングシステムであって、前記透過部材の前記一方側に配置され、前記透過部材からの赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた信号を出力する赤外線センサ(11)と、前記信号に基づいて、前記センサユニットにおいて前記ヒータの制御のために用いられる前記ヒータの温度を推定する温度推定部(15b)と、を備え、前記センサユニットは、前記透過部材と、前記ヒータ(13)と、前記透過部材の一方側に配置され、前記透過部材の全部または一部と重なる第1検知範囲(101)の方向から入射する赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた第1信号を出力すると共に、前記透過部材の他方側から前記一方側に前記透過部材を透過して前記第1検知範囲と全部または一部が重なる第2検知範囲(102)から入射する電磁波を受けて前記電磁波の強度に応じた第2信号を出力するセンシング部(11、12)と、前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定する前記温度推定部と、前記第2信号に基づいて前記透過部材の前記他方側の状態を推定する状態推定部(15d)と、有し、前記センシング部は、互いに別体で互いに異なる位置に配置される前記赤外線センサである第1センサ(11)および第2センサ(12)を備え、前記第1センサは、前記第1検知範囲から入射する前記赤外線を受けて前記赤外線に応じた前記第1信号を出力し、前記第2センサは、前記第2検知範囲から前記透過部材を透過して入射する前記電磁波を受けて前記電磁波に応じた前記第2信号を出力し、前記第2検知範囲内に前記第1センサは入っていない、赤外線センシングシステムである
また、請求項10に記載の発明は、電磁波を透過する透過部材(10b)を加熱するヒータ(13)を制御する機能と、前記透過部材を透過して前記透過部材の一方側に入射する電磁波に基づいて前記透過部材の他方側の状態を推定する機能とを有するセンサユニットに用いられる赤外線センシングシステムであって、前記透過部材の前記一方側に配置され、前記透過部材からの赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた信号を出力する赤外線センサ(11)と、前記信号に基づいて、前記センサユニットにおいて前記ヒータの制御のために用いられる前記ヒータの温度を推定する温度推定部(15b)と、を備え、前記センサユニットは、前記透過部材と、前記ヒータ(13)と、前記透過部材の一方側に配置され、前記透過部材の全部または一部と重なる第1検知範囲(101)の方向から入射する赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた第1信号を出力すると共に、前記透過部材の他方側から前記一方側に前記透過部材を透過して前記第1検知範囲と全部または一部が重なる第2検知範囲(102)から入射する電磁波を受けて前記電磁波の強度に応じた第2信号を出力するセンシング部(11、12)と、前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定する前記温度推定部と、前記第2信号に基づいて前記透過部材の前記他方側の状態を推定する状態推定部(15d)と、有し、前記センシング部は、互いに別体で互いに異なる位置に配置される前記赤外線センサである第1センサ(11)および第2センサ(12)を備え、前記第1センサは、前記第1検知範囲から入射する前記赤外線を受けて前記赤外線に応じた前記第1信号を出力し、前記第2センサは、前記第2検知範囲から前記透過部材を透過して入射する前記電磁波を受けて前記電磁波に応じた前記第2信号を出力し、前記センサユニットは、前記第1センサから出力される前記赤外線に応じた前記第1信号に基づいて、前記透過部材の前記他方側における物体の検知を行うナイトビュー部(15a)を備え、前記温度推定部は、前記第2センサが作動しているときに前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定し、前記ナイトビュー部は、前記第2センサが作動していないときに前記第1信号に基づいて前記透過部材の前記他方側における物体の検知を行う、赤外線センシングシステムである。
また、請求項11に記載の発明は、電磁波を透過する透過部材(10b)を加熱するヒータ(13)を制御する機能と、前記透過部材を透過して前記透過部材の一方側に入射する電磁波に基づいて前記透過部材の他方側の状態を推定する機能とを有するセンサユニットに用いられる赤外線センシングシステムであって、前記透過部材の前記一方側に配置され、前記透過部材からの赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた信号を出力する赤外線センサ(11)と、前記信号に基づいて、前記センサユニットにおいて前記ヒータの制御のために用いられる前記ヒータの温度を推定する温度推定部(15b)と、を備え、前記センサユニットは、前記透過部材と、前記ヒータ(13)と、前記透過部材の一方側に配置され、前記透過部材の全部または一部と重なる第1検知範囲(101)の方向から入射する赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた第1信号を出力すると共に、前記透過部材の他方側から前記一方側に前記透過部材を透過して前記第1検知範囲と全部または一部が重なる第2検知範囲(102)から入射する電磁波を受けて前記電磁波の強度に応じた第2信号を出力するセンシング部(11、12)と、前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定する前記温度推定部と、前記第2信号に基づいて前記透過部材の前記他方側の状態を推定する状態推定部(15d)と、有し、前記センシング部は、互いに別体で互いに異なる位置に配置される前記赤外線センサである第1センサ(11)および第2センサ(12)を備え、前記第1センサは、前記第1検知範囲から入射する前記赤外線を受けて前記赤外線に応じた前記第1信号を出力し、前記第2センサは、前記第2検知範囲から前記透過部材を透過して入射する前記電磁波を受けて前記電磁波に応じた前記第2信号を出力し、前記透過部材および前記第1センサは車両に搭載され、前記第1センサは、前記車両の走行速度および外気温に応じて前記走行速度が高いほど低くかつ前記外気温が高いほど高く算出される温度(Tx)が所定のスタンバイ温度(Th)より高いことに基づいて、作動を停止する、赤外線センシングシステムである。
このように、温度推定部は、ヒータの作動の制御に用いられるヒータの温度を、赤外線の強度に応じた信号に基づいて推定する。したがって、センシング部が透過部材から離れた状態で、ヒータの温度を検知することができる。それ故、透過部材を透過すべき電磁波の一部が温度センサによって遮られてしまう可能性が低減される。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係るセンサユニットおよび車両の図である。 センサユニットの斜視図である。 センサユニットの電気的接続関係を示すブロック図である。 赤外線センサの光軸方向を含むと共に天地方向に平行な断面でセンサユニットを切った断面図である。 赤外線センサの検知範囲と物体センサの検知範囲の位置関係を示す図である。 図4のV-V断面図である。 赤外線センサ制御のフローチャートである。 物体センサ制御のフローチャートである。 ヒータ制御のフローチャートである。 センサユニットの作動事例を示すタイミング図である。 ヒータへ印加する電圧のデューティ比とヒータの推定温度との対応関係を示すグラフである。 第2実施形態におけるヒータの構成を示す断面図である。 第3実施形態におけるヒータの構成を示す断面図である。 温度推定処理と赤外線センサ制御の処理内容を示す図である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について説明する。図1に示すに、本実施形態のセンサユニット1は、車両2に搭載され、車両の周囲(例えば車両の前方)の物体を、当該物体から到来する所定の周波数帯の電磁波により検知する。検知対象の物体は、障害物、人、信号機、道路標識、白線等、どのような物体でもよい。
このセンサユニット1は、図2、図3に示すように、ケース10、センシング部、ヒータ13、ヒータ用電源14、制御部15を備える。センシング部は、互いに別体の赤外線センサ11と物体センサ12を有する。また、赤外線センサ11と制御部15は赤外線センシングシステムを構成する。
ケース10は、赤外線センサ11および物体センサ12を収容する部材である。ケース10は、例えば、センサユニット1の検知対象がある側(例えば車両2の前側)を車両2が遮らないような位置(例えば車両2の前端)に、配置される。なお、図示してはいないが、ヒータ用電源14、制御部15もケース10に収容されていてもよいし、収容されていなくてもよい。
ケース10は、図2、図4に示すように、非透過部材10aおよび透過部材10bを有する。非透過部材10aは、ケース10の本体部に相当し、赤外線センサ11および物体センサ12等を収容する。そして、非透過部材10aは、上述の所定の周波数帯の電磁波も赤外線も透過しない。
透過部材10bは、ケース10の蓋部に相当し、センサユニット1、車両2等が収容された非透過部材10aの内部と外部とを仕切る、透明な板形状の部材である。非透過部材10aも透過部材10bも、ケース10の内部に配置された赤外線センサ11、物体センサ12等を保護するための部材である。透過部材10bの一方側が非透過部材10aの内部側であり、他方側が非透過部材10aの外部側である。
赤外線センサ11は、非透過部材10aの内部において、透過部材10bから離れて配置される。赤外線センサ11は、第1センサに対応する。赤外線センサ11は、入射する赤外線を集光させる光学系と、集光された赤外線を撮像して電気信号に変換する撮像素子と、当該電気信号に応じてサーモグラフィを生成して制御部15に出力する画像処理回路と、を有する。サーモグラフィは、第1信号に対応する。赤外線センサ11は、例えば遠赤外線カメラでもよいし、遠赤外線以外の赤外線を受けるカメラであってもよい。
光学系の光軸は、透過部材10bおよびヒータ13を貫くように伸びる。したがって、透過部材10bおよびヒータ13を透過して車両2の外部からケース10の内部に入射した赤外線が、当該光学系に入射して撮像素子に到達する。また、ヒータ13および透過部材10bから放射された赤外線も、当該光学系に入射して撮像素子に到達する。
図5に示すように、赤外線センサ11によって車両2の外部の検出対象が検出できる方向範囲すなわち第1検知範囲101は、透過部材10bにおいては、透過部材10bの一部と重なるが、他の例として、透過部材10bの全部と重なってもよい。なお、この方向範囲は、赤外線センサ11の光学系内を起点とする方向範囲である。図5では、第1検知範囲101の内部に点ハッチングが付され、第2検知範囲102の内部に斜線ハッチングが付されている。
撮像素子は、アレー状に配置されてそれぞれ赤外線を受けて受けた赤外線の強度に応じた電気信号を出力する複数の受光素子を有する。受光素子とサーモグラフィの画素とが、1対1に対応する。
画像処理回路は、ナイトビューモードと温度検知モードの2つのモードで作動可能である。制御部15から画像処理回路へ出力される制御信号に従って、この2つのモードが切り替わる。
画像処理回路は、各受光素子から出力された電気信号の信号強度に対して所定のテーブルを適用することでサーモグラフィの各画素の画素値を決定する。なお、各受光素子から出力された電気信号の信号強度は、その受光素子で受けた赤外線の放出源の温度と対応する。具体的には、信号強度が高いほど放出源の温度が高い。
そして、当該所定のテーブルとして、ナイトビューモードでは第1のテーブルが用いられ、温度検知モードでは第2のテーブルが用いられる。第1のテーブルは、車両2の外部において温度を発する検知対象(例えば、人)の温度範囲に対する感度が高くなるよう、電気信号の信号強度と画素値との対応関係が設定されている。第2のテーブルは、透過部材10bの温度範囲に対する感度が高くなるよう、電気信号の信号強度と画素値との対応関係が設定されている。前者の温度範囲を第1温度範囲といい、後者の温度範囲を第2温度範囲という。第1温度範囲と第2温度範囲は全く重ならなくてもよいし、部分的に重なってもよい。
また、第1温度範囲の方が第2温度範囲よりも高温の温度範囲となる。すなわち、第1温度範囲の最大温度は第2温度範囲の最大温度よりも高温であり、第1温度範囲の最低温度は第2温度範囲の最低温度よりも高温である。
第1のテーブルでは、第2温度範囲よりも第1温度範囲の方が感度が高い。ここで、感度が高いとは、単位温度変化量当たりの輝度値の変化量が大きいことをいう。例えば、第1のテーブルでは、第2温度範囲に該当する信号強度は、画素値として常にゼロ(すなわち最低値)が割り当てられる。
第2のテーブルでは、第1温度範囲よりも第2温度範囲の方が感度が高い。例えば、第2のテーブルでは、第1温度範囲に該当する信号強度は、画素値として常に最大値が割り当てられる。
なお、ナイトビューモードにおいて出力されるサーモグラフィも、温度検知モードにおいて出力されるサーモグラフィも、第1信号に対応する。
物体センサ12は、非透過部材10aの内部において、透過部材10bから離れて配置される。物体センサ12は第2センサに対応する。物体センサ12は、赤外線センサ11とは別体で、赤外線センサ11と光軸を共有せず、赤外線センサ11とは異なる位置に、配置される。このとき、赤外線センサ11の第1検知範囲101内に物体センサ12は入っておらず、物体センサ12の第2検知範囲102内に赤外線センサ11は入っていない。
このように、赤外線センサ11と物体センサ12が別体となって互いに異なる位置に配置されることで、センシング部の配置の自由度が高くなる。例えば、赤外線の検知に適した位置に赤外線センサ11を配置し、電磁波の検知に適した位置に物体センサ12を配置することができる。
物体センサ12は、透過部材10bおよびヒータ13を透過部材10bの上記他方側から上記一方側に透過して入射する上記所定の周波数帯の電磁波に応じて、検知対象を検出するための信号を制御部15に出力する。この信号は第2信号に対応する。透過部材10bの一方側は、透過部材10bを基準として赤外線センサ11、物体センサ12がある側である。透過部材10bの他方側は、車両2の外部(例えば前方)の検出したい対象がある空間である。
物体センサ12は、非透過部材10a内において、赤外線センサ11とは異なる場所に配置される。具体的には、赤外線センサ11と物体センサ12は、赤外線センサ11の光軸方向に対しても物体センサ12の軸線方向に対しても交差する方向に並んでいる。
物体センサ12は、例えば、可視光レーザを検出対象に照射してその反射光に基づいて検出対象の位置等を検出するレーザセンサであってもよい。この場合、反射光が、透過部材10bおよびヒータ13を透過して入射する上記所定の周波数帯の電磁波である。
あるいは、物体センサ12は、例えば、ミリ波を検出対象に照射してその反射波に基づいて検出対象の位置等を検出するミリ波センサであってもよい。この場合、反射波が、透過部材10bおよびヒータ13を透過して入射する上記所定の周波数帯の電磁波である。
図5に示すように、物体センサ12によって検出対象が検出できる方向範囲すなわち第2検知範囲102は、透過部材10bにおいては、透過部材10bの一部と重なるが、他の例として、透過部材10bの全部と重なってもよい。また、第2検知範囲102は、図5に示すように第1検知範囲101と一部のみが重なってもよいが、全部が重なっていてもよい。なお、物体センサ12の軸線方向は、第2検知範囲102の中心を貫く線の方向である。この方向範囲は、物体センサ12の光学系内を起点とする方向範囲である。
ヒータ13は、透過部材10bを加熱する装置である。上述のようなケース10、赤外線センサ11、物体センサ12の構成により、透過部材10bは、赤外線および上記所定の周波数帯の電磁波を良好に透過することが望ましい。例えば、透過部材10bが曇ったり透過部材10bの表面で水分が凍結した場合、赤外線センサ11および物体センサ12による車両2の外部の物体の検出が妨げられる。ヒータ13が透過部材10bを加熱する目的の1つは、このような状況において防曇および解氷を行うことである。
ヒータ13は、図6に示すように、透明導電フィルム130、第1電極131、第2電極132を含んでいる。透明導電フィルム130は、導電性を有すると共に透明なフィルム形状の部材であり、透過部材10bの全面に貼り付けられている。あるいは、透明導電フィルム130は、透過部材10bの一部の面にのみ貼り付けられていてもよい。透明導電フィルム130は発熱部に相当する。以下、ヒータ13の発熱部の温度を単にヒータ13の温度という。
透明導電フィルム130は、図4に示すように透過部材10bの赤外線センサ11とは反対側の面に貼り付けられてもよいし、逆に透過部材10bの赤外線センサ11と同じ側の面に貼り付けられてもよい。あるいは、ヒータ13は、透過部材10bの内部に挟まれるように配置されていてもよい。
第1検知範囲101は、透明導電フィルム130の存在領域の一部または全部を含む。このように、第1検知範囲101が透明導電フィルム130の存在領域の少なくとも一部を含んでいることで、そうでない場合に比べ、赤外線センサ11がヒータ13の温度をより高い精度で特定することができる。また、ヒータ13は、より効果的に赤外線センサ11による車両の周囲の検知性能を高めることができる。
また、第2検知範囲102は、透明導電フィルム130の存在領域の一部または全部を含む。したがって、ヒータ13は、より効果的に物体センサ12による車両の周囲の検知性能を高めることができる。また、第1検知範囲101と第2検知範囲102が重なった範囲も、透明導電フィルム130の存在領域の一部または全部を含む。
第1電極131および第2電極132は、図3に示すヒータ用電源14の異なる極に接続される。第1電極131は、透明導電フィルム130の一方側の端部に接続され、第2電極132は、透明導電フィルム130の他方側の端部に接続される。このようになっていることで、ヒータ用電源14からヒータ13への電力供給がある場合は、第1電極131、透明導電フィルム130、第2電極132の順に電流が流れる。その際、透明導電フィルム130に電流が流れることで、透明導電フィルム130が発熱する。このようにして透明導電フィルム130において生じた熱により、透過部材10bが加熱される。
ヒータ用電源14は、上述の通り、第1電極131、第2電極132を介して透明導電フィルム130に電力供給を行う電源回路である。ヒータ用電源14の作動は、制御部15によって制御される。
制御部15は、赤外線センサ11、物体センサ12、ヒータ用電源14を制御する装置である。制御部15は、図3に示すように、ナイトビュー処理15a、温度推定処理15b、赤外線センサ制御15c、物体センサ制御15d、ヒータ制御15e等を同時並行で実行することができる。
制御部15は、ナイトビュー処理15aを実行することでナイトビュー部として機能し、温度推定処理15bを実行することで温度推定部として機能する。また制御部15は、物体センサ制御15dを実行することで状態推定部として機能し、ヒータ制御15eを実行することでヒータ制御部として機能する。
制御部15は、これらの制御および処理を実行するために、CPU、メモリ等を有するマイクロコンピュータとして実現されていてもよい。その場合、CPUがメモリにあらかじめ記録されたプログラムを実行することで、上述の制御および処理が実現される。なお、メモリは、非遷移的実体的記憶媒体である。
また、制御部15は、これらの制御および処理を実行するよう回路構成されたICであってもよい。この場合、制御部15は、回路構成がプログラム可能なFPGA等の回路であってもよいし、回路構成がプログラム不可能な回路であってもよい。
以下、制御部15が実行するこれらの処理および制御について説明すると共に、センサユニット1の作動について説明する。
制御部15は、ナイトビュー処理15aを実行することで、赤外線センサ11から出力されたサーモグラフィに基づいて、車両2の外部の物体(例えば人)の位置、移動速度等を算出し、算出した位置、移動速度等を、車両2内の他の装置に繰り返し出力する。算出した位置、移動速度等の出力先は、不図示の自動ブレーキ装置である。なお、後述する通り、制御部15がナイトビュー処理15aを実行している間は、赤外線センサ11はナイトビューモードで作動する。
自動ブレーキ装置は、赤外線センサ11または物体センサ12からの信号に基づいて検出された車両の周囲(例えば前方)の物体の位置等に基づいて、必要に応じて車両2の制動装置を自動的に作動させる。自動的にとは、ブレーキペダル押下等の運転者の制動操作に起因せずに、という意味である。なお、自動ブレーキ装置においては、乗員の設定等に基づいて、上記の自動ブレーキ機能のオン(すなわち実行)、オフ(すなわち非実行)が切り替え可能となっている。
制御部15は、赤外線センサ11が温度検知モードで作動中、温度推定処理15bを実行することで、温度検知モードの赤外線センサ11から出力されたサーモグラフィ中の所定の画素に基づいて、ヒータ13の温度を繰り返し定期的に推定する。所定の画素は、サーモグラフィの全画素でもよいし、上述の第2温度範囲内に対応する画素値を有する全画素のみでもよい。なお、制御部15によって推定されたヒータ13の温度は、実質的に透過部材10bと同じである。
具体的には、制御部15は上記所定の画素の画素値の代表値(例えば、平均値、中央値、最大値、最小値)を算出し、算出した代表値から、ヒータ13の温度を推定する。代表値とヒータ13の温度との対応関係は、あらかじめマップとして制御部15に記録されている。算出されたヒータ13の温度は、後述する通り、ヒータ制御15eで用いられる。なお、後述する通り、制御部15が温度推定処理15bを実行している間は、赤外線センサ11は温度検知モードで作動する。その結果、赤外線センサ11から出力されるサーモグラフィは、透過部材10bの温度を良好に示す状態(すなわち、第2温度範囲に対して感度が良い状態)になる。
制御部15は、ナイトビュー処理15aと温度推定処理15bを、互いに排他的に実行する。すなわち、制御部15は、ナイトビュー処理15aを実行している間は温度推定処理15bを実行せず、温度推定処理15bを実行している間はナイトビュー処理15aを実行しない。
制御部15は、赤外線センサ制御15c、物体センサ制御15d、ヒータ制御15eの実行において、それぞれ、図7、図8、図9に示す処理を実行する。これら制御において、フラグ1、フラグ2、フラグ3が利用される。
フラグ1は、赤外線センサ11がナイトビューモードで作動するときにオンとなり、そうでない場合にオフとなる。フラグ2は、物体センサ12が作動する場合にオンとなり、作動しない場合にオフとなる。フラグ3は、ヒータ13が作動する場合にオンとなり、作動しない場合にオフとなる。
以下、図10に示す事例に基づいて、赤外線センサ制御15c、物体センサ制御15d、ヒータ制御15eの処理内容について説明する。
[初期動作]
赤外線センサ制御15cにおいて制御部15は、まずステップS105で、赤外線センサ11および制御部15が正常に作動可能か否かを判定する。例えば、以下の(a)から(d)のうち1つまたは任意の組み合わせに基づいて、正常に作動可能か否かを判定する。組み合わせは、論理和でも論理積でもよい。
(a)車両2の走行用のエンジンがオンか否か
(b)車両2のイグニッションスイッチがオンか否か
(c)赤外線センサ11の診断結果が正常か否か
(d)制御部15の自己診断結果が正常か否か
赤外線センサ11および制御部15が正常に作動可能でなければ、ステップS110に進み、乗員に警告するためにアラートをオンにする。例えば、車室内の異常表示灯をオンにする。続いてステップS115で、赤外線センサ11の作動をオフにする。これにより、赤外線センサ11の消費電力が、作動時よりも大きく低下する。制御部15は更にステップS120でフラグ1をオフに設定し、ステップS205に戻る。
ステップS105で赤外線センサ11および制御部15が正常に作動可能であれば、ステップS125に進み、アラートをオフにする。例えば、車室内の異常表示灯をオフにする。
物体センサ制御15dにおいて制御部15は、まずステップS205で、物体センサ12および制御部15が正常に作動可能か否かを判定する。例えば、車両2の走行用のエンジンがオンか否か、車両2のイグニッションスイッチがオンか否か、物体センサ12の診断結果が正常か否か、制御部15の自己診断結果が正常か否かのうち1つまたは任意の組み合わせに基づいて、正常に作動可能か否かを判定する。組み合わせは、論理和でも論理積でもよい。
物体センサ12および制御部15が正常に作動可能でなければ、ステップS210に進み、乗員に警告するためにアラートをオンにする。続いてステップS215で、物体センサ12の作動をオフにする。これにより、物体センサ12の消費電力が、作動時よりも大きく低下する。制御部15は更にステップS220でフラグ2をオフに設定し、ステップS205に戻る。ステップS205で赤外線センサ11および制御部15が正常に作動可能であれば、ステップS225に進み、アラートをオフにする。
ヒータ制御15eにおいて制御部15は、まずステップS305で、ヒータ13および制御部15が正常に作動可能か否かを判定する。例えば、車両2の走行用のエンジンがオンか否か、車両2のイグニッションスイッチがオンか否か、ヒータ13の診断結果が正常か否か、制御部15の自己診断結果が正常か否かのうち1つまたは任意の組み合わせに基づいて、正常に作動可能か否かを判定する。組み合わせは、論理和でも論理積でもよい。
ヒータ13および制御部15が正常に作動可能でなければ、ステップS315に進み、ヒータ13の作動をオフにする。これにより、ヒータ13の消費電力が、作動時よりも大きく低下する。制御部15は更にステップS320でフラグ3をオフに設定し、ステップS305に戻る。ステップS305で赤外線センサ11および制御部15が正常に作動可能であれば、ステップS325に進む。
[時点t0以降]
図10の事例の時点t0以降、赤外線センサ11、物体センサ12、ヒータ13、制御部15は正常に作動しているものとする。そして、時点t0において、上述の自動ブレーキ装置の自動ブレーキ機能がオフからオンに切り替わったとする。また、ヒータ13の温度はスタンバイ温度Thより十分大きいとする。また、時点t0の直前において、フラグ1、2、3の値は、いずれもオフであったとする。
このとき、物体センサ制御15dにおいて制御部15は、ステップS225に続くステップS230で、自動ブレーキ機能がオンかつナイトビューモードがオフであるか否かを判定する。ナイトビューモードのオン、オフは、車両2の周囲が暗いか否かに基づいて制御部15が判定する。車両2の周囲が暗いか否かは、例えば、現在の時刻に基づいて現在が夜か否かで判定されてもよいし、車両2の外部の明るさを検知する不図示の照度センサに基づいて判定されてもよい。時点t0においては、ナイトビューモードがオフであるとする。
時点t0においては、自動ブレーキがオンであり、かつ、ナイトビューモードがオフであるので、制御部15はステップS230からステップS235に進み、フラグ2をオフからオンに切り替え、続くステップS240で物体センサ12の作動をオンにする。
これにより、物体センサ12が作動し始める。更に制御部15はステップS245で、物体検知処理を行う。具体的には、物体センサ12から出力された信号に基づいて、車両の周囲(例えば前方)の検知対象の物体(例えば障害物、人、信号機、道路標識、白線等)の検知処理を行う。制御部15はこの検知処理によって得た検知対象の物体の位置等の情報を、自動ブレーキ装置に出力する。これにより、自動ブレーキ装置は、検知対象の物体の位置等の情報に基づいて、車両2の制動装置を自動的に作動させるか否かを判定し、作動させると判定した場合は、実際に制動装置を自動的に作動させる。ステップS245の後、処理はステップS205に戻る。ステップS205、S225、S230、S235、S240、S245の処理が繰り返されることで、物体検知処理が繰り返し実行される。
またこのとき、ヒータ制御15eにおいて制御部15は、ステップS305に続くステップS325で、仮ヒータ温度Txがスタンバイ温度Th未満であるか否かを判定する。仮ヒータ温度Txは、外気温、車速、電力に基づいて推定されるヒータ13の温度である。
外気温は、車室外の温度であり、不図示の外気温センサの出力に基づいて特定される。車速は車両2の走行速度であり、不図示の車速センサの出力に基づいて特定される。電力は、ヒータ用電源14からヒータ13に供給される電力であり、ヒータ用電源14からヒータ13への印加電圧およびヒータ13に流れる電流に基づいて算出される。ヒータ13に流れる電流は、不図示の電流計の出力に基づいて特定される。
仮ヒータ温度Txは、外気温が高いほど高く算出される。透過部材10bおよびヒータ13の赤外線センサ11側とは反対側に車両の外部空間があるからである。また仮ヒータ温度Txは、車速が高いほど低く算出される。車速が高いほどヒータ13および透過部材10bと熱交換する空気の流量が多いからである。また仮ヒータ温度Txは、電力が高いほど高く算出される。電力が高いほどヒータ13の発熱量が多いからである。
本事例においては、時点t0では仮ヒータ温度Txはスタンバイ温度Thより高いとする。この場合、制御部15はステップS325からステップS315に進み、ヒータ13の作動をオフに維持する。制御部15は更にステップS320でフラグ3をオフに維持し、ステップS305に戻る。
また赤外線センサ制御15cにおいて制御部15は、ステップS125に続くステップS130で、ナイトビューモードがオンであるか否かを判定する。時点t0ではナイトビューモードがオフなので、続いてステップS150に進み、フラグ2、フラグ3の両方がオンか否かを判定する。時点t0では、上述のようにステップS235でフラグ2がオンになっているが、ステップS320でフラグ3がオフになっているので、ステップS150では否定判定が為される。したがってステップS150に続いてステップS115で赤外線センサ11の作動が停止され、ステップS120でフラグ1がオフになる。ステップS210の後、ステップS105に戻る。
時点t0以降、時点t1の直前まで、時点t0と同じ作動が続く。その間、ヒータ13は作動せず、ヒータ13の温度は低下していく。このように、時点t0から時点t1の直前までの期間では、自動ブレーキ機能がオンでありナイトビューモードがオフであり仮ヒータ温度Txがスタンバイ温度Thより高いため、赤外線センサ11およびヒータ13が停止して物体センサ12が作動する。そしてこの期間、フラグ1、3がオフであると共に、フラグ2がオンである。また、仮ヒータ温度Txがスタンバイ温度Thより高いことに基づいて赤外線センサ11が作動を停止することで、透過部材10bやヒータ13の温度が十分高い場合に赤外線センサ11の無駄な電力消費を低減することができる。
[時点t1以降]
時点t1において、自動ブレーキ機能がオンかつナイトビューモードがオフの状態が継続したまま、ヒータ制御15eのステップS325において、仮ヒータ温度Txがスタンバイ温度Thよりも低いと判定されたとする。
この場合、物体センサ制御15dにおいて制御部15は、時点t1でも自動ブレーキ機能がオンなので、時点t0から時点t1の直前までと同様、ステップS235でフラグ2をオンに維持し、ステップS240で物体センサ12の作動をオンに維持する。そして、ステップS245で物体検知処理を行い、ステップS205に戻る。
そしてこの場合、ヒータ制御15eにおいて制御部15は、上述の通りステップS325で仮ヒータ温度Txがスタンバイ温度よりも低いと判定した後、ステップS330に進む。そしてステップS330では、フラグ1がオンであるか否かを判定する。時点t1ではフラグ1がオフなので、ステップS330で否定判定が為される。したがって、制御部15はステップS345に進み、フラグ2がオンであるか否かを判定する。上述の通り、時点t1ではステップS235でフラグ2がオンに設定されるので、ステップS345で肯定判定が為される。したがって制御部15は、ステップS345に続いてステップS350でフラグ3をオンに設定する。
続くステップS355では、赤外線センサ11の出力に応じたヒータ13の推定温度を取得する。具体的には、赤外線センサ11から出力されたサーモグラフィに基づいて温度推定処理15bで算出されたヒータ13の最新の温度を取得する。後述するように、時点t2以降は、赤外線センサ11は温度検知モードで作動する。
続いてステップS360では、直前のステップS355で取得したヒータ13の推定温度に応じてヒータ制御を行う。具体的には、図11に示すように、ヒータ13の推定温度が高くなるほどヒータ13の発熱量が小さくなるよう、ヒータ用電源14を制御する。
例えば、図11のグラフに示すように、ヒータ用電源14からヒータ13に電圧を印加する場合の電圧を一定とし、ヒータ13の推定温度が高くなるほどデューティ比が小さくなるよう、ヒータ用電源14をデューティ制御する。ここでデューティ比は、ある周期においてヒータ用電源14からヒータ13に電圧を印加する時間をX、ヒータ用電源14からヒータ13に電圧を印加しない時間をYとすると、X/(X+Y)となる。制御部15は、例えばXを固定値(例えば30秒)とし、ヒータ13の推定温度が高くなるほどYを大きくしてもよい。あるいは制御部15は、例えばX+Yを固定値(例えば3分)とし、ヒータ13の推定温度が高くなるほどXを小さくしてもよい。
なお、制御部15は、ヒータ13の推定温度が所定の閾値温度Tjより高い場合、デューティ比をゼロとする。すなわち、ヒータ用電源14からヒータ13への電圧印加を止め、ヒータ13の作動を停止する。また、ヒータ13の推定温度が所定の閾値温度Tjより低い場合、図10に示すように、ヒータ用電源14からヒータ13へ印加される電圧は、上述のように定められた正のデューティ比でオンとオフを繰り返す。
なお、閾値温度Tjは、スタンバイ温度Thより低い。スタンバイ温度Thは、ヒータ13が動作可能状態に入るかどうかを判定するために大まかな判定値であるのに対し、閾値温度Tjは、動作可能状態において実際に動作するか否かを判定するための判定だからである。
また、閾値温度Tjは、ヒステリシスを実現する可変値であってもよい。その場合、閾値温度Tjは、上述のデューティ比がゼロより大きい場合の方が、デューティ比がゼロである場合よりも低い。
図10の事例では、時点t1においてはヒータ13の推定温度が閾値温度Tjより高いとする。したがって、制御部15は、ステップS360でヒータ13をデューティ比ゼロで停止したままにする。ステップS360の後、ステップS305に戻る。
また赤外線センサ制御15cにおいて制御部15は、ステップS130で、ナイトビューモードがオフであると判定し、ステップS150に進む。そしてステップS150では、ステップS235でフラグ2がオン維持され、ステップS350でフラグ3がオンになっているので、フラグ2、3の両方がオンになっていると判定し、ステップS155に進む。ステップS155では、フラグ1をオフに維持する。
続いてステップS160では、ヒータ温度検知動作指示を赤外線センサ11に出力する。これにより、赤外線センサ11の画像処理回路は温度検知モードで作動し始め、上述の通り、透過部材10bのうち第1検知範囲101内の各部の温度を特定できるサーモグラフィを繰り返し出力し始める。続いてステップS145では、所定時間待機し、その後、ステップS105に戻る。この所定時間は、0秒でも、10ミリ秒でも、1秒でも、1分でも、5分でも、10分でもよい
時点t1以降、時点t2の直前まで、時点t1と同じ作動が続く。その間、ヒータ13は作動せず、ヒータ13の温度は低下していく。このように、時点t1から時点t2の直前までの期間では、自動ブレーキ機能がオンでありナイトビューモードがオフでありヒータ13の推定温度が閾値温度Tjより高い。このため、ヒータ13が停止して、物体センサ12が作動し、赤外線センサ11が温度検知モードで作動する。そしてこの期間、フラグ1がオフであると共に、フラグ2、3がオンである。
[時点t2以降]
時点t2において、自動ブレーキ機能がオンかつナイトビューモードがオフの状態が継続したまま、ヒータ制御15eのステップS355において、取得されたヒータ13の推定温度が閾値温度Tjよりも低くなったとする。すると制御部15は続くステップS360で、ヒータ13の推定温度が閾値温度Tjよりも低いことに基づいて、上述の通り、当該推定温度に応じた正のデューティ比で、ヒータ13を作動させる。これにより、ヒータ13が透過部材10bを加熱し、透過部材10bによる電磁波の透過性を良好に維持する。制御部15による赤外線センサ制御15c、物体センサ制御15dの処理内容は、時点t1から時点t2直前までの期間と同じである。
時点t2以降、時点t5の直前まで、自動ブレーキ機能オンかつナイトビューモードオフの状態が続く。その際、赤外線センサ11および物体センサ12の作動内容およびフラグ1、2、3の値は維持される。そして、時点t2から時点t3までは、赤外線センサ11の出力に基づいた推定温度の変化に応じてヒータ13への電圧印加のデューティ比が変化する。そして時点t3を過ぎてから時点t4の直前まで、赤外線センサ11の出力に基づく推定温度が閾値温度Tjを超えることで、ヒータ13への電圧印加のデューティ比がゼロになる。すなわち、ヒータ13作動が停止する。そして時点t4から時点t5の直前まで、赤外線センサ11の出力に基づく推定温度が閾値温度Tjより低下することで、ヒータ13への電圧印加のデューティ比がゼロより大きい値で推移する。
[時点t5以降]
時点t5において、ナイトビューモードがオフのまま、自動ブレーキ機能がオフになったとする。このとき、物体センサ制御15dにおいて制御部15は、ステップS225に続くステップS230で、自動ブレーキ機能がオフなので、ステップS215に進む。
そしてステップS215で物体センサ12の作動を停止し、続くステップS220でフラグ2をオフに切り替える。その後、ステップS205に戻る。
またこのとき、赤外線センサ制御15cにおいて制御部15は、ステップS125に続くステップS130で、ナイトビューモードがオフであると判定してステップS150に進む。そしてステップS150では、上述のようにステップS220でフラグ2がオフに設定されているので、ステップS115に進む。そしてステップS115で、赤外線センサ11の作動を停止し、ステップS120でフラグ1をオフに維持する。ステップS120の後、ステップS105に戻る。
またこのとき、ヒータ制御15eにおいて制御部15は、ステップS305に続くステップS325で、仮ヒータ温度Txがスタンバイ温度Th未満であると判定し、ステップS330に進む。そしてステップS330では上述のようにフラグ1がステップS120でオフになっているので、ステップS345に進む。そしてステップS345では上述のようにフラグ2がステップS220でオフになっているので、ステップS315に進む。そしてステップS315でヒータ13の作動を停止し、ステップS320でフラグ3をオフに切り替える。
このように、自動ブレーキ機能もナイトビューモードもオフの場合は、赤外線センサ11、物体センサ12、ヒータ13のいずれも作動せず、フラグ1、2、3はすべてオフとなる。時点t5以降、時点t6の直前まで、時点t5と同じ作動が続く。その間、ヒータ13は作動せず、ヒータ13の温度は余熱で若干上昇した後低下していく。
[時点t6以降]
時点t6において、ナイトビューモードがオフのまま、自動ブレーキ機能がオンになったとする。このとき、物体センサ制御15dにおいて制御部15は、ステップS225に続くステップS230で、自動ブレーキ機能がオンかつナイトビューモードがオフであると判定してステップS235に進む。そしてステップS235ではフラグ2をオンに切り替え、続くステップS240で物体センサ12の作動をオンにする。これにより、物体センサ12が作動し始める。更に制御部15はステップS245で、物体検知処理を行い、ステップS205に戻る。
またこのとき、ヒータ制御15eにおいて制御部15は、ステップS325で仮ヒータ温度Txがスタンバイ温度Thよりも低いと判定してステップS330に進んだとする。すると制御部15は、ステップS330でフラグ1がオフであると判定してステップS345に進み、更にステップS345でフラグ2がオンであると判定してステップS350に進む。
そして制御部15はステップS350でフラグ3をオフに設定し、続くステップS355で上述の通り赤外線センサ11の出力に応じたヒータ13の推定温度を取得する。続いてS360で、当該推定温度に応じたヒータ13の制御を、既に説明した通りに行う。
時点t6においては、直前のステップS355において取得されたヒータ13の推定温度が閾値温度Tjよりも低いとする。したがって制御部15はステップS360で、ヒータ13の推定温度が閾値温度Tjよりも低いことに基づいて、上述の通り、当該推定温度に応じた正のデューティ比で、ヒータ13を作動させる。
またこのとき、赤外線センサ制御15cにおいて制御部15は、ステップS125に続くステップS130で、ナイトビューモードがオフであると判定してステップS150に進み、フラグ2、3の両方がオンであると判定してステップS155に進む。
そしてステップS155でフラグ1をオフに維持し、続くステップS160でヒータ温度検知動作指示を赤外線センサ11に出力する。これにより、赤外線センサ11の画像処理回路は温度検知モードで作動し始め、上述の通り、透過部材10bのうち第1検知範囲101内の各部の温度を特定できるサーモグラフィを繰り返し出力し始める。続いてステップS145では、所定時間待機し、その後、ステップS105に戻る。
時点t6以降、時点t7の直前まで、時点t6と同じ作動が続く。その間、ヒータ13は作動せず、ヒータ13の温度は上昇に転じる。このように、時点t6から時点t7の直前までの期間では、自動ブレーキ機能がオンでありナイトビューモードがオフでありヒータ13の推定温度が閾値温度Tjより低い。このため、ヒータ13が作動して、物体センサ12が作動し、赤外線センサ11が温度検知モードで作動する。そしてこの期間、フラグ1がオフであると共に、フラグ2、3がオンである。
[時点t7以降]
時点t7において、自動ブレーキ機能がオンのまま、車両の周囲が暗くなってナイトビューモードがオンに切り替わったとする。この場合、物体センサ制御15dにおいて制御部15は、ステップS230で、ナイトビューモードがオフでないと判定し、ステップS215に進む。そしてステップS215で物体センサ12の作動を停止し、続くステップS220でフラグ2をオフに切り替え、ステップS205に戻る。ナイトビューモードがオンになると物体センサ12の作動が停止するのは、物体センサ12の代わりに赤外線センサ11で車両2の周囲の障害物等の物体を検知するためである。
またこの場合、赤外線センサ制御15cにおいて制御部15は、ステップS130でナイトビューモードであると判定してステップS135に進む。ステップS135では、フラグ1をオンに設定する。続いてステップS140では、ナイトビュー動作指示を赤外線センサ11に出力する。これにより、赤外線センサ11はナイトビューモードで作動する。その結果、赤外線センサ11から出力されるサーモグラフィは、透過部材10bの他方側すなわち車両2の周囲(例えば前方)における障害物、標識等の発熱する物体の温度を良好に示す状態(すなわち、第1温度範囲に対して感度が良い状態)になる。続いてステップS145では、既述の通り所定時間待機し、その後、ステップS105に戻る。
またこの場合、ヒータ制御15eにおいて制御部15は、ステップS325で仮ヒータ温度Txがスタンバイ温度Thよりも低いと判定したとする。すると続いてステップS330でフラグ1がオンであると判定し、ステップS335に進む。ステップS335では、フラグ3をオンに設定する。
続いてステップS340では、直前のステップS325で算出された仮ヒータ温度Txをヒータ13の推定温度として取得する。このようにするのは、赤外線センサ11がナイトビューモードで使用されているので、赤外線センサ11を用いて温度検知ができないからである。
続くステップS360では、直前のステップS340で取得したヒータ13の推定温度に応じてヒータ制御を行う。推定温度とヒータ制御の内容との関係は、ステップS355からステップS360に進んだ場合と同じである。ステップS360の後、ステップS305に戻る。
時点t7以降、自動ブレーキ機能オンかつナイトビューモードオンの状態が続く。その際、赤外線センサ11の作動内容、物体センサ12の停止、およびフラグ1、2、3の値は維持される。そして、時点t7から時点t8までは外気温、車速、電力に基づいた推定温度の上昇に応じてヒータ13への電圧印加のデューティ比が低下する。そして時点t8を過ぎてからは、外気温、車速、電力に基づいた推定温度が閾値温度Tjを超えることで、ヒータ13への電圧印加のデューティ比がゼロになる。
このように、時点t7以降の期間は、自動ブレーキ機能もナイトビューモードもオンであり仮ヒータ温度Txがスタンバイ温度Thより低い。このため、物体センサ12が作動せず、赤外線センサ11がナイトビューモードで作動する。そしてこの期間、フラグ1、3がオンであると共に、フラグ2がオフである。
そして、制御部15は、物体センサ12が作動していないときに、ナイトビュー処理15aによって、赤外線センサ11からのサーモグラフィに基づいて、車両の周囲における物体を検知する。このようにすることで、物体センサ12が作動していないときに、赤外線センサ11をヒータ13の温度検知以外の用途に使用することができる。
またこの期間、仮ヒータ温度Txが閾値温度Tjより低ければヒータ13は作動する。これにより、ヒータ13が透過部材10bを加熱し、透過部材10bによる赤外線の透過性を良好に維持する。
なお、上記の時点t0かの時点t1直前までの期間に仮ヒータ温度Txがスタンバイ温度Thと同じかそれ以上であるために、ステップS320でフラグ3がオフになる。そしてその結果、赤外線センサ制御15cのステップS150で否定判定が為され、赤外線センサ11が停止される。つまり、ヒータ13が作動する可能性が比較的低い場合に赤外線センサ11が停止することで、赤外線センサ11の無駄な使用による無駄な電力消費が抑制される。
このことは、ヒータ制御15eのステップS305で否定判定が為された場合も同じである。つまり、ステップS305で否定判定されるようなヒータ13が作動する可能性が無い場合に赤外線センサ11が停止することで、赤外線センサ11の無駄な使用による無駄な電力消費が抑えられる。
また、時点t5から時点t6の直前までの期間においては、フラグ1もフラグ2もオフであるため、ヒータ制御15eのステップS330、S345、S315の順に処理が実行されることでヒータ13の作動が停止される。このヒータ13の作動の停止は、ヒータ13の温度によらず行われる。このようにするのは、物体センサ12が作動せずかつ赤外線センサ11がナイトビューモードでない場合は、そもそもヒータ13を動かす必要がないからである。このようにすることで、ヒータ13の無駄な電力消費を抑制できる。
以上説明した通り、物体センサ12から出力された信号に基づいて制御部15が物体検知処理を行っているときに、赤外線センサ11から出力されたサーモグラフィに基づいて推定されたヒータ13の温度に応じて、ヒータ13の作動が制御される。
このように、制御部15は、ヒータ13の作動の制御に用いられるヒータ13の温度を、赤外線の強度に応じた信号(すなわちサーモグラフィ)に基づいて算出する。したがって、赤外線センサ11が透過部材10bから離れた状態で、ヒータ13の温度を検知することができる。それ故、透過部材10bを透過すべき電磁波の一部が温度センサによって遮られてしまう可能性が低減される。
(第2実施形態)
次に第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、ヒータ13の温度検知手法およびそれに応じたヒータ13の制御手法が異なる。以下、第1実施形態に対する本実施形態の変更点を中心に説明する。
本実施形態のヒータ13は、第1実施形態の透明導電フィルム130、第1電極131、第2電極132に加え、透明導電フィルム130a、第3電極133、第4電極134を有する。
透明導電フィルム130は、第1実施形態と同様の構造を有し、第1実施形態と同様に、一端で第1電極131に接続され、他端で第2電極132に接続される。透明導電フィルム130は、第1加熱部に対応する。
透明導電フィルム130aは、透明導電フィルム130と同様の構造を有し、一端で第3電極133に接続され、他端で第4電極134に接続される。透明導電フィルム130aは、第2加熱部に対応する。
透明導電フィルム130と透明導電フィルム130aとは、電気的に導通しておらず、それぞれ独立にヒータ用電源14から電圧の印加を受ける。ヒータ用電源14は、第1電極131と第2電極132との間の電圧Vaと、第3電極133と第4電極134との間の電圧Vbとを、互いに独立に制御することが可能である。
透明導電フィルム130、130aは、第1実施形態の透明導電フィルム130と同様、透過部材10bに貼り付けられている。そして、第1検知範囲101のうち第1サブ範囲101aと透明導電フィルム130とは、一部または全部が重なっている。また、第1検知範囲101のうち第2サブ範囲101bと透明導電フィルム130aとは、一部または全部が重なっている。
第1サブ範囲101aと第2サブ範囲101bは、互いに異なる範囲である。第1サブ範囲101aと第2サブ範囲101bは互いに部分的に重なり合っていてもよいし、互いに全く重なっていなくてもよい。
第1サブ範囲101aは透明導電フィルム130aと全く重なっていなくてもよいし、第1サブ範囲101aの一部が透明導電フィルム130aの一部と重なっていてもよい。同様に、第2サブ範囲101bは透明導電フィルム130と全く重なっていなくてもよいし、第2サブ範囲101bの一部が透明導電フィルム130の一部と重なっていてもよい。
だだし、第1サブ範囲101aが透明導電フィルム130と重なる範囲の面積は、第2サブ範囲101bが透明導電フィルム130と重なる範囲の面積よりも、大きい。同様に、第2サブ範囲101bが透明導電フィルム130aと重なる範囲の面積は、第1サブ範囲101aが透明導電フィルム130aと重なる範囲の面積よりも、大きい。したがって、透明導電フィルム130は主に第1サブ範囲101aを加熱し、透明導電フィルム130aは主に第2サブ範囲101bを加熱する。
また、第1サブ範囲101aは、物体センサ12による第2検知範囲102の一部または全部と重なってもよいし、第2検知範囲102に全く重ならなくてもよい。同様に、第2サブ範囲101bは、第2検知範囲102の一部または全部と重なってもよいし、第2検知範囲102に全く重ならなくてもよい。
また、本実施形態において制御部15は、温度推定処理15bにおいて、図14に示すように、透明導電フィルム130の温度と透明導電フィルム130aの温度とを別々に推定する。具体的には、制御部15は、温度検知モードで作動している赤外線センサ11から取得したサーモグラフィのうち、第1サブ範囲101a内の温度を示す画素の画素値の代表値Xaと、第2サブ範囲101b内の温度を示す画素の画素値の代表値Xbを算出する。そして制御部15は、算出した前者の代表値から透明導電フィルム130の温度Taを推定し、後者の代表値から透明導電フィルム130aの温度Tbを推定する。
また、制御部15は、ヒータ制御15eのステップS355において、上述のように推定された透明導電フィルム130、130aの温度Ta、Tbを取得する。そして続くステップS360で、それら温度Ta、Tbに基づいて、透明導電フィルム130、130aへの通電を別々に制御する。
具体的には透明導電フィルム130の推定温度Taが高くなるほど、透明導電フィルム130の発熱量が小さくなるよう、すなわち、透明導電フィルム130への印加電圧のデューティ比Daを小さくするよう、ヒータ用電源14を制御する。推定温度Taとデューティ比Daとの対応関係は、図11で示したものと同等である。
また、透明導電フィルム130aの推定温度Tbが高くなるほど、透明導電フィルム130aの発熱量が小さくなるよう、すなわち、透明導電フィルム130aへの印加電圧のデューティ比Dbを小さくするよう、ヒータ用電源14を制御する。推定温度Tbとデューティ比Dbとの対応関係は、図11で示したものと同等である。
このようにすることで、透明導電フィルム130の温度と透明導電フィルム130aの温度が大きく異なる場合、例えば、透明導電フィルム130の領域の透過部材10bにのみ雪が付着している場合等において、効率的に透過部材10bを加熱できる。すなわち、ヒータ13の温度分布の非一様性に対応してヒータ13の作動を制御することができる。
また、本実施形態において、第1実施形態と同等の構成および作動からは、第1実施形態と同等の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に第3実施形態について、図13を用いて説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、ヒータ13の構成が異なる。本実施形態のヒータ13は、第1実施形態と同等の第1電極131、第2電極132に加え、銅線等の熱線ヒータ136を有している。
熱線ヒータ136は、蛇行する形状で透過部材10bに貼り付けられている。熱線ヒータ136は発熱部に相当する。本実施形態におけるヒータの温度は熱線ヒータ136の温度に相当する。第1検知範囲101は、熱線ヒータ136の存在領域の一部または全部を含む。また、第2検知範囲102も、熱線ヒータ136の存在領域の一部または全部を含む。このような熱線ヒータ136を有するヒータ13が用いられても、第1実施形態と同等の作動および効果を得ることができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記実施形態において、センサから車両の外部環境情報(例えば車外の湿度)を取得することが記載されている場合、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報を受信することも可能である。あるいは、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報に関連する関連情報を取得し、取得した関連情報からその外部環境情報を推定することも可能である。特に、ある量について複数個の値が例示されている場合、特に別記した場合および原理的に明らかに不可能な場合を除き、それら複数個の値の間の値を採用することも可能である。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。また、本発明は、上記各実施形態に対する以下のような変形例および均等範囲の変形例も許容される。なお、以下の変形例は、それぞれ独立に、上記実施形態に適用および不適用を選択できる。すなわち、以下の変形例のうち任意の組み合わせを、上記実施形態に適用することができる。
また、本開示に記載の制御部15及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部15及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部15及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
(変形例1)
上記実施形態で制御部15は、図10の時点t7以降のナイトビューモード時のヒータ制御15eにおいて、ステップS340、S360を実行することで、サーモグラフィに基づく温度ではなく仮ヒータ温度Txに基づいてヒータ13の制御を行っている。
しかし、必ずしもこのようになっておらずともよい。制御部15は、図10の時点t7以降のナイトビューモード時のヒータ制御15eにおいて、まず赤外線センサ11を温度検知モードで作動させた状態でサーモグラフィを取得し、そのサーモグラフィに基づいてヒータ13の温度を推定してもよい。制御部15はその後、このように推定した温度に基づいてヒータ13を制御しながら、赤外線センサ11をナイトビューモードで作動させてナイトビュー処理15aを実行してもよい。
また、上記実施形態では、赤外線センサ11は、ナイトビューモードと温度検知モードを排他的に切り替えている。しかし、赤外線センサ11は、ナイトビューモードと温度検知モードを両方同時に実現してもよい。例えば、赤外線センサ11の画像処理回路は、撮像素子から出力された電気信号に対して第1のテーブルを適用したサーモグラフィを出力すると同時に、当該電気信号に対して第2のテーブルを適用したサーモグラフィを出力してもよい。この場合も、制御部15は、ナイトビューモード時のヒータ制御15eにおいて、サーモグラフィに基づくヒータ13の推定温度に基づいてヒータ13の制御を行うことができる。
(変形例2)
上記実施形態では、赤外線センサ11と物体センサ12が1つのセンシング部を構成している。しかし、物体センサ12が廃され、赤外線センサ11のみがセンシング部を構成してもよい。この場合、当該センシング部が受ける電磁波とは、赤外線である。
またこの場合、赤外線センサ11および制御部15は上記変形例1のように作動する。すなわち、温度検知モードにおける赤外線センサ11の出力に基づいて推定された透過部材10bの温度に基づいてヒータ13の作動が制御される状態で、ナイトビューモードにおける赤外線センサ11の出力に基づいて車両2の周囲の物体が検知される。この場合、温度検知モードで赤外線センサ11から出力されるサーモグラフィが第1信号に対応し、ナイトビューモードで赤外線センサ11から出力されるサーモグラフィが第2信号に対応する。また、制御部15は、ナイトビュー処理15aを実行することで状態推定部として機能する。
(変形例3)
上記実施形態では、物体センサ12の出力およびナイトビューモードにおける赤外線センサ11の出力に基づいて、車両2の周囲の物体の検知が行われる。しかし、検知されるのは、車両2の周囲の物体に限られない。例えば、透過部材10bの他方側における日射量、天候、霧の有無等であってもよいし、二酸化炭素の濃度であってもよいし、大気汚染の原因となる微小粒子状物質の濃度でもよい。検知されるのは、透過部材10bの他方側の状態であればよい。
(変形例4)
上記実施形態では、制御部15はケース10の内部に配置されているが、制御部15はケース10の外部にあってもよい。例えば、制御部15は車両2のダッシュボードに配置されてもよい。
(変形例5)
上記実施形態においては、センサユニット1は車両に搭載されているが、センサユニット1は必ずしも車両に搭載されていなくてもよい。
(変形例6)
上記実施形態において、ナイトビュー処理15a、物体センサ制御15dの実行時に制御部15が出力する情報の出力先は、自動ブレーキ装置である。しかし、出力先は、自動ブレーキ装置に限らず、透過部材10bの他方側の状態に応じて作動を変更する他の装置であってもよい。あるいは、出力先は、受けた情報を記録するだけの装置であってもよいし、受けた情報を車両2の外部に無線送信するだけの装置であってもよい。
(変形例6)
上記実施形態においては、ヒータ13は、赤外線センサ11がナイトビューモードで作動しているか物体センサ12が作動しているときにのみ作動して、透過部材10bを加熱する。しかし、必ずしもこのようになっておらずともよい。ヒータ13は、常に透過部材10bを赤外線センサ11、物体センサ12の作動、非作動に無関係に、常に作動していてもよい。
(変形例7)
上記実施形態において、赤外線センサ11は、ナイトビューモードでない場合は、物体センサ12もヒータ13も作動しているときに限り、温度検知モードで作動する。しかし、必ずしもこのようになっておらずともよい。赤外線センサ11は、ナイトビューモードでない場合は、フラグ2、3の状態に関わらず常に温度検知モードで作動していてもよい。
(変形例8)
上記実施形態では、赤外線センサ11の第1検知範囲101は、ヒータ13において発熱する発熱部の存在領域の少なくとも一部を含む。しかし、第1検知範囲101が発熱部の存在領域を全く含まなくてもよい。そのような場合でも、発熱部が透過部材10bを加熱することで、第1検知範囲101の温度も上昇するからである。
(変形例9)
上記実施形態において、ヒータ13の存在領域が第1検知範囲101の内部のみならず第1検知範囲101の外部も含む場合、第1検知範囲101、第2検知範囲102の外部かつヒータ13の存在領域に、サーミスタが配置されていてもよい。その場合、制御部15は、当該サーミスタの検出したヒータ13の温度と、赤外線センサ11からの出力に基づいて推定したヒータ13の温度を補正してもよい。
(変形例10)
赤外線センサ11は上記実施形態のようなナイトビューモードを有しておらず、作動時は常に温度検知モードのみで作動してもよい。
(変形例11)
上記実施形態では、仮ヒータ温度Txは、外気温、車速、電力に基づいて算出される。しかし仮ヒータ温度Txは外気温と車速のみに基づいて算出されてもよい。
(変形例12)
上記実施形態では、制御部15は車両2に搭載されているが、車両2の外部の建造物内等に設置されてもよい。その場合、制御部15は、赤外線センサ11、物体センサ12、ヒータ用電源14等と、無線通信を介した通信経路で通信する。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、センサユニットは、電磁波を透過する透過部材と、前記透過部材を加熱するヒータと、前記透過部材の一方側に配置され、前記透過部材の全部または一部と重なる第1検知範囲の方向から入射する赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた第1信号を出力すると共に、前記透過部材の他方側から一方側に前記透過部材を透過して前記第1検知範囲と全部または一部が重なる第2検知範囲から入射する電磁波を受けて前記電磁波の強度に応じた第2信号を出力するセンシング部と、前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定する温度推定部と、前記第2信号に基づいて前記透過部材の前記他方側の状態を推定する状態推定部と、前記温度推定部が推定した温度に応じて前記ヒータの作動を制御するヒータ制御部と、を備える。
また、第2の観点によれば、前記センシング部は、互いに別体で互いに異なる位置に配置される第1センサおよび第2センサを備え、前記第1センサは、前記第1検知範囲から入射する前記赤外線を受けて前記赤外線に応じた前記第1信号を出力し、前記第2センサは、前記第2検知範囲から前記透過部材を透過して入射する前記電磁波を受けて前記電磁波に応じた前記第2信号を出力する。このように、第1センサと第2センサが別体となって互いに異なる位置に配置されることで、センシング部の配置の自由度が高くなる。
また、第3の観点によれば、センサユニットは、前記第1センサから出力される前記赤外線に応じた前記第1信号に基づいて、前記透過部材の前記他方側における物体の検知を行うナイトビュー部を備え、前記温度推定部は、前記第2センサが作動しているときに前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定し、前記ナイトビュー部は、前記第2センサが作動していないときに前記第1信号に基づいて前記透過部材の前記他方側における物体の検知を行う。このようにすることで、第2センサが作動していないときに、第1センサをヒータの温度検知以外の用途に使用することができる。
また、第4の観点によれば、前記透過部材、前記第1センサ、および前記第2センサは、車両に搭載され、前記第1センサは、前記車両の走行速度および外気温に応じて前記走行速度が高いほど低くかつ前記外気温が高いほど高く算出される温度が所定のスタンバイ温度より高いことに基づいて、作動を停止する。このようにすることで、透過部材の温度が十分高い場合にも赤外線センサの無駄な電力消費を低減することができる。
また、第5の観点によれば、前記ヒータ制御部は、前記温度推定部が推定した前記ヒータの温度が閾値温度より高いことに基づいて、前記ヒータの作動を停止する。このようにすることで、ヒータの無駄な電力消費を低減することができる。
また、第6の観点によれば、前記第1検知範囲は、前記ヒータにおいて発熱する発熱部の存在領域の少なくとも一部を含む。このようにすることで、ヒータの温度をより高い精度で特定することができる。
また、第7の観点によれば、前記ヒータは、前記第1検知範囲のうち第1サブ範囲を加熱する第1加熱部と、前記第1検知範囲のうち前記第1サブ範囲と異なる第2サブ範囲を加熱する第2加熱部と、を備え、前記温度推定部は、前記第1信号のうち前記第1サブ範囲の温度を示す信号に基づいて前記第1加熱部の温度を推定し、前記第1信号のうち前記第2サブ範囲の温度を示す信号に基づいて前記第2加熱部の温度を推定し、前記ヒータ制御部は、前記温度推定部によって推定された前記第1加熱部の温度に基づいて前記第1加熱部の作動を制御し、前記温度推定部によって推定された前記第2加熱部の温度に基づいて前記第2加熱部の作動を制御する。このようにすることで、ヒータ13の温度分布の非一様性に対応してヒータ13の作動を制御することができる。
また、第8の観点によれば、電磁波を透過する透過部材を加熱するヒータを制御する機能と、前記透過部材を透過して前記透過部材の一方側に入射する電磁波に基づいて前記透過部材の他方側の状態を推定する機能とを有するセンサユニットに用いられる赤外線センシングシステムは、前記透過部材の前記一方側に配置され、前記透過部材からの赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた信号を出力する赤外線センサと、前記信号に基づいて、前記センサユニットにおいて前記ヒータの制御のために用いられる前記ヒータの温度を推定する温度推定部と、を備える。
1 センサユニット
10b 透過部材
11 赤外線センサ
12 物体センサ
13 ヒータ
15 制御部

Claims (11)

  1. 電磁波を透過する透過部材(10b)と、
    前記透過部材を加熱するヒータ(13)と、
    前記透過部材の一方側に配置され、前記透過部材の全部または一部と重なる第1検知範囲(101)の方向から入射する赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた第1信号を出力すると共に、前記透過部材の他方側から前記一方側に前記透過部材を透過して前記第1検知範囲と全部または一部が重なる第2検知範囲(102)から入射する電磁波を受けて前記電磁波の強度に応じた第2信号を出力するセンシング部(11、12)と、
    前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定する温度推定部(15b)と、
    前記第2信号に基づいて前記透過部材の前記他方側の状態を推定する状態推定部(15d)と、
    前記温度推定部が推定した温度に応じて前記ヒータの作動を制御するヒータ制御部(15e)と、を備え
    前記センシング部は、互いに別体で互いに異なる位置に配置される第1センサ(11)および第2センサ(12)を備え、
    前記第1センサは、前記第1検知範囲から入射する前記赤外線を受けて前記赤外線に応じた前記第1信号を出力し、
    前記第2センサは、前記第2検知範囲から前記透過部材を透過して入射する前記電磁波を受けて前記電磁波に応じた前記第2信号を出力し、
    前記第2検知範囲内に前記第1センサは入っていない、センサユニット。
  2. 前記第1センサから出力される前記赤外線に応じた前記第1信号に基づいて、前記透過部材の前記他方側における物体の検知を行うナイトビュー部(15a)を備え、
    前記温度推定部は、前記第2センサが作動しているときに前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定し、
    前記ナイトビュー部は、前記第2センサが作動していないときに前記第1信号に基づいて前記透過部材の前記他方側における物体の検知を行う、請求項に記載のセンサユニット。
  3. センサユニットであって、
    電磁波を透過する透過部材(10b)と、
    前記透過部材を加熱するヒータ(13)と、
    前記透過部材の一方側に配置され、前記透過部材の全部または一部と重なる第1検知範囲(101)の方向から入射する赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた第1信号を出力すると共に、前記透過部材の他方側から前記一方側に前記透過部材を透過して前記第1検知範囲と全部または一部が重なる第2検知範囲(102)から入射する電磁波を受けて前記電磁波の強度に応じた第2信号を出力するセンシング部(11、12)と、
    前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定する温度推定部(15b)と、
    前記第2信号に基づいて前記透過部材の前記他方側の状態を推定する状態推定部(15d)と、
    前記温度推定部が推定した温度に応じて前記ヒータの作動を制御するヒータ制御部(15e)と、を備え
    前記センシング部は、互いに別体で互いに異なる位置に配置される第1センサ(11)および第2センサ(12)を備え、
    前記第1センサは、前記第1検知範囲から入射する前記赤外線を受けて前記赤外線に応じた前記第1信号を出力し、
    前記第2センサは、前記第2検知範囲から前記透過部材を透過して入射する前記電磁波を受けて前記電磁波に応じた前記第2信号を出力し、
    当該センサユニットは、前記第1センサから出力される前記赤外線に応じた前記第1信号に基づいて、前記透過部材の前記他方側における物体の検知を行うナイトビュー部(15a)を備え、
    前記温度推定部は、前記第2センサが作動しているときに前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定し、
    前記ナイトビュー部は、前記第2センサが作動していないときに前記第1信号に基づいて前記透過部材の前記他方側における物体の検知を行う、センサユニット。
  4. 前記透過部材および前記第1センサは車両に搭載され、
    前記第1センサは、前記車両の走行速度および外気温に応じて前記走行速度が高いほど低くかつ前記外気温が高いほど高く算出される温度(Tx)が所定のスタンバイ温度(Th)より高いことに基づいて、作動を停止する、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のセンサユニット。
  5. 電磁波を透過する透過部材(10b)と、
    前記透過部材を加熱するヒータ(13)と、
    前記透過部材の一方側に配置され、前記透過部材の全部または一部と重なる第1検知範囲(101)の方向から入射する赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた第1信号を出力すると共に、前記透過部材の他方側から前記一方側に前記透過部材を透過して前記第1検知範囲と全部または一部が重なる第2検知範囲(102)から入射する電磁波を受けて前記電磁波の強度に応じた第2信号を出力するセンシング部(11、12)と、
    前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定する温度推定部(15b)と、
    前記第2信号に基づいて前記透過部材の前記他方側の状態を推定する状態推定部(15d)と、
    前記温度推定部が推定した温度に応じて前記ヒータの作動を制御するヒータ制御部(15e)と、を備え
    前記センシング部は、互いに別体で互いに異なる位置に配置される第1センサ(11)および第2センサ(12)を備え、
    前記第1センサは、前記第1検知範囲から入射する前記赤外線を受けて前記赤外線に応じた前記第1信号を出力し、
    前記第2センサは、前記第2検知範囲から前記透過部材を透過して入射する前記電磁波を受けて前記電磁波に応じた前記第2信号を出力し、
    前記透過部材および前記第1センサは車両に搭載され、
    前記第1センサは、前記車両の走行速度および外気温に応じて前記走行速度が高いほど低くかつ前記外気温が高いほど高く算出される温度(Tx)が所定のスタンバイ温度(Th)より高いことに基づいて、作動を停止する、センサユニット。
  6. 前記ヒータ制御部は、前記温度推定部が推定した前記ヒータの温度が閾値温度(Tj)より高いことに基づいて、前記ヒータの作動を停止する、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のセンサユニット。
  7. 前記第1検知範囲は、前記ヒータにおいて発熱する発熱部(130、130a、136)の存在領域の少なくとも一部を含む、請求項1ないしのいずれか1つに記載のセンサユニット。
  8. 前記ヒータは、前記第1検知範囲のうち第1サブ範囲(101a)を加熱する第1加熱部(130)と、前記第1検知範囲のうち前記第1サブ範囲と異なる第2サブ範囲(101b)を加熱する第2加熱部(130a)と、を備え、
    前記温度推定部は、前記第1信号のうち前記第1サブ範囲の温度を示す信号に基づいて前記第1加熱部の温度を推定し、前記第1信号のうち前記第2サブ範囲の温度を示す信号に基づいて前記第2加熱部の温度を推定し、
    前記ヒータ制御部は、前記温度推定部によって推定された前記第1加熱部の温度に基づいて前記第1加熱部の作動を制御し、前記温度推定部によって推定された前記第2加熱部の温度に基づいて前記第2加熱部の作動を制御する、請求項1ないしのいずれか1つに記載のセンサユニット。
  9. 電磁波を透過する透過部材(10b)を加熱するヒータ(13)を制御する機能と、前記透過部材を透過して前記透過部材の一方側に入射する電磁波に基づいて前記透過部材の他方側の状態を推定する機能とを有するセンサユニットに用いられる赤外線センシングシステムであって、
    前記透過部材の前記一方側に配置され、前記透過部材からの赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた信号を出力する赤外線センサ(11)と、
    前記信号に基づいて、前記センサユニットにおいて前記ヒータの制御のために用いられる前記ヒータの温度を推定する温度推定部(15b)と、を備え
    前記センサユニットは、
    前記透過部材と、
    前記ヒータ(13)と、
    前記透過部材の一方側に配置され、前記透過部材の全部または一部と重なる第1検知範囲(101)の方向から入射する赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた第1信号を出力すると共に、前記透過部材の他方側から前記一方側に前記透過部材を透過して前記第1検知範囲と全部または一部が重なる第2検知範囲(102)から入射する電磁波を受けて前記電磁波の強度に応じた第2信号を出力するセンシング部(11、12)と、
    前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定する前記温度推定部と、
    前記第2信号に基づいて前記透過部材の前記他方側の状態を推定する状態推定部(15d)と、有し、
    前記センシング部は、互いに別体で互いに異なる位置に配置される前記赤外線センサである第1センサ(11)および第2センサ(12)を備え、
    前記第1センサは、前記第1検知範囲から入射する前記赤外線を受けて前記赤外線に応じた前記第1信号を出力し、
    前記第2センサは、前記第2検知範囲から前記透過部材を透過して入射する前記電磁波を受けて前記電磁波に応じた前記第2信号を出力し、
    前記第2検知範囲内に前記第1センサは入っていない、赤外線センシングシステム。
  10. 電磁波を透過する透過部材(10b)を加熱するヒータ(13)を制御する機能と、前記透過部材を透過して前記透過部材の一方側に入射する電磁波に基づいて前記透過部材の他方側の状態を推定する機能とを有するセンサユニットに用いられる赤外線センシングシステムであって、
    前記透過部材の前記一方側に配置され、前記透過部材からの赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた信号を出力する赤外線センサ(11)と、
    前記信号に基づいて、前記センサユニットにおいて前記ヒータの制御のために用いられる前記ヒータの温度を推定する温度推定部(15b)と、を備え
    前記センサユニットは、
    前記透過部材と、
    前記ヒータ(13)と、
    前記透過部材の一方側に配置され、前記透過部材の全部または一部と重なる第1検知範囲(101)の方向から入射する赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた第1信号を出力すると共に、前記透過部材の他方側から前記一方側に前記透過部材を透過して前記第1検知範囲と全部または一部が重なる第2検知範囲(102)から入射する電磁波を受けて前記電磁波の強度に応じた第2信号を出力するセンシング部(11、12)と、
    前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定する前記温度推定部と、
    前記第2信号に基づいて前記透過部材の前記他方側の状態を推定する状態推定部(15d)と、有し、
    前記センシング部は、互いに別体で互いに異なる位置に配置される前記赤外線センサである第1センサ(11)および第2センサ(12)を備え、
    前記第1センサは、前記第1検知範囲から入射する前記赤外線を受けて前記赤外線に応じた前記第1信号を出力し、
    前記第2センサは、前記第2検知範囲から前記透過部材を透過して入射する前記電磁波を受けて前記電磁波に応じた前記第2信号を出力し、
    前記センサユニットは、前記第1センサから出力される前記赤外線に応じた前記第1信号に基づいて、前記透過部材の前記他方側における物体の検知を行うナイトビュー部(15a)を備え、
    前記温度推定部は、前記第2センサが作動しているときに前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定し、
    前記ナイトビュー部は、前記第2センサが作動していないときに前記第1信号に基づいて前記透過部材の前記他方側における物体の検知を行う、赤外線センシングシステム。
  11. 電磁波を透過する透過部材(10b)を加熱するヒータ(13)を制御する機能と、前記透過部材を透過して前記透過部材の一方側に入射する電磁波に基づいて前記透過部材の他方側の状態を推定する機能とを有するセンサユニットに用いられる赤外線センシングシステムであって、
    前記透過部材の前記一方側に配置され、前記透過部材からの赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた信号を出力する赤外線センサ(11)と、
    前記信号に基づいて、前記センサユニットにおいて前記ヒータの制御のために用いられる前記ヒータの温度を推定する温度推定部(15b)と、を備え
    前記センサユニットは、
    前記透過部材と、
    前記ヒータ(13)と、
    前記透過部材の一方側に配置され、前記透過部材の全部または一部と重なる第1検知範囲(101)の方向から入射する赤外線を受けて前記赤外線の強度に応じた第1信号を出力すると共に、前記透過部材の他方側から前記一方側に前記透過部材を透過して前記第1検知範囲と全部または一部が重なる第2検知範囲(102)から入射する電磁波を受けて前記電磁波の強度に応じた第2信号を出力するセンシング部(11、12)と、
    前記第1信号に基づいて前記ヒータの温度を推定する前記温度推定部と、
    前記第2信号に基づいて前記透過部材の前記他方側の状態を推定する状態推定部(15d)と、有し、
    前記センシング部は、互いに別体で互いに異なる位置に配置される前記赤外線センサである第1センサ(11)および第2センサ(12)を備え、
    前記第1センサは、前記第1検知範囲から入射する前記赤外線を受けて前記赤外線に応じた前記第1信号を出力し、
    前記第2センサは、前記第2検知範囲から前記透過部材を透過して入射する前記電磁波を受けて前記電磁波に応じた前記第2信号を出力し、
    前記透過部材および前記第1センサは車両に搭載され、
    前記第1センサは、前記車両の走行速度および外気温に応じて前記走行速度が高いほど低くかつ前記外気温が高いほど高く算出される温度(Tx)が所定のスタンバイ温度(Th)より高いことに基づいて、作動を停止する、赤外線センシングシステム。
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