JP7440820B1 - 溶融金属浴の成分分析システム、溶融金属浴の成分分析方法、溶融亜鉛めっき浴の管理方法、および溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

溶融金属浴の成分分析システム、溶融金属浴の成分分析方法、溶融亜鉛めっき浴の管理方法、および溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

この溶融金属浴の成分分析システムは、レーザ光を発振するレーザ発振器と、開口端が溶融金属浴に浸漬され、開口端へ向けて不活性ガスを供給するとともに、レーザ光を開口端に導光して溶融金属に照射する筒状プローブと、レーザ光の照射により生じる溶融金属のプラズマ発光を検出し、分光分析する検出部と、を備え、溶融金属浴における筒状プローブの開口端の位置および筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかが制御可能に構成されている。

Description

本発明は、溶融金属浴の成分分析システム、溶融金属浴の成分分析方法、溶融亜鉛めっき浴の管理方法、および溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関する。本願は、2022年06月21日に、日本に出願された特願2022-099507号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
溶融亜鉛めっき浴等の溶融金属浴においては、これを用いて得られる製品、例えば溶融亜鉛めっき鋼板の品質管理や、操業条件の管理上の問題から、構成成分を監視し、管理することが求められる。
例えば、溶融亜鉛めっき製造工程においては、めっき被膜と鋼板の適正化や防食効果向上のため、溶融亜鉛めっき浴中に微量のAlやFe等が添加される。操業、すなわち溶融亜鉛めっき浴における鋼板の通板に伴い、Alは減少し、Feは増加する傾向にある。
溶融亜鉛めっき浴中の微量元素の含有量が適切な範囲を逸脱すると、めっき不良の原因となったり、これらの微量元素が亜鉛と合金化してドロスを形成して操業の妨げとなり得る。したがって、これらの微量元素の濃度を連続的に管理し、これにより、適切な範囲となるように微量元素を添加したり、ドロスを取り除いたりすることが重要である。この微量元素の濃度変動は、生産性の向上を目的に鋼板の通板速度を向上させた際により顕著となるため、このような場合、リアルタイムにかつ連続的に濃度を把握する必要性が高い。
特許文献1には、精錬中の溶融金属の分析方法として、溶融金属のレーザ発光分光分析法が提案されている。また、特許文献2においては、レーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS:Laser-Induced Breakdown Spectroscopy)を溶融材料の分析に適用した方法および装置が開示されている。特許文献2においては、亜鉛メッキプロセスにおけるAlおよびZnの濃度の測定についても、具体的に開示されている。
日本国特開2006-300819号公報 日本国特表2005-530989号公報
特許文献1、2において提案される方法は、いずれもレーザを溶融金属に照射し、溶融金属において生じるプラズマ発光を検出、分光分析する方法であり、溶融金属の連続的な成分分析が可能である。
しかしながら、本発明者らが上記のような方法について検討を行ったところ、溶融金属の成分量の変化がない場合であっても、長時間、例えば数時間連続的に測定を行うと、溶融金属浴の操業条件等の変更がなく、めっき浴の成分量が変化する可能性が低いと考えられる状況下においても、溶融金属の成分量の測定値に変動が生じるという問題に直面した。このように溶融金属の成分量の測定値に変動が生じると、溶融金属浴の構成成分の管理を適切に行うことができない。
そこで、本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的とするところは、溶融金属浴の長時間にわたる連続的な成分分析において、成分量の測定値の変動が抑制された、溶融金属浴の成分分析システム、溶融金属浴の成分分析方法、溶融亜鉛めっき浴の管理方法、および溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することにある。
本発明者らの検討により、溶融金属にレーザ光を照射する筒状プローブの先端部の溶融金属の温度または吹き込みガスの圧力の測定から、発光強度の変動のタイミングは、筒状プローブの先端部の溶融金属の温度または吹込みガスのゲージ圧の変動のタイミングと高い関連性を有していることがわかった。そこで、本発明者らはさらに検討を重ねた結果、筒状プローブの浸漬深さや浸漬角度を制御することで、成分量の測定値の変動を抑制することに想到した。
上記知見に基づき完成された本開示の要旨は、以下の通りである。
[1] 本発明の一態様に係る溶融金属浴の成分分析システムは、レーザ光を発振するレーザ発振器と、開口端が溶融金属浴に浸漬され、前記開口端へ向けて不活性ガスを供給するとともに、前記レーザ光を前記開口端に導光して溶融金属に照射する筒状プローブと、前記レーザ光の照射により生じる前記溶融金属のプラズマ発光を検出し、分光分析する検出部と、を備え、前記溶融金属浴における前記筒状プローブの前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかが制御可能に構成されている。
[2] 上記[1]に記載の溶融金属浴の成分分析システムは、前記溶融金属浴における前記筒状プローブの前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかを制御する位置制御部を有していてもよい。
[3] 上記[1]に記載の溶融金属浴の成分分析システムは、前記溶融金属浴における前記筒状プローブの前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度を制御する位置制御部を有していてもよい。
[4] 上記[2]または[3]に記載の溶融金属浴の成分分析システムは、前記開口端における前記溶融金属の温度を測定する温度センサおよび前記不活性ガスの圧力を測定する圧力センサのうちの少なくともいずれかを有し、前記筒状プローブの前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかは、前記温度センサにより測定された前記溶融金属の温度および前記圧力センサにより得られた前記不活性ガスの圧力のうちの少なくともいずれかに基づき制御されてもよい。
[5] 上記[1]~[4]のいずれかに記載の溶融金属浴の成分分析システムは、前記開口端における前記溶融金属の温度を測定する温度センサおよび前記不活性ガスの圧力を測定する圧力センサのうちの少なくともいずれかを有し、下記a~dのいずれか一つ以上の方法により、前記筒状プローブの前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかが制御されてもよい。
a.前記圧力センサにより得られる前記不活性ガスのゲージ圧を、予め決定された範囲内となるように制御する
b.前記不活性ガスの圧力の変動を、予め決定された値以下となるように制御する
c.前記溶融金属の温度を、予め決定された温度以上となるように制御する
d.前記溶融金属の温度変動を、予め決定された値以下となるように制御する
[6] 上記[1]~[4]のいずれかに記載の溶融金属浴の成分分析システムでは、前記溶融金属は、溶融亜鉛を含み、前記溶融金属浴は、溶融亜鉛めっき浴であってもよい。
[7] 上記[6]に記載の溶融金属浴の成分分析システムは、前記不活性ガスの圧力を測定する圧力センサを有し、前記筒状プローブの前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかは、前記圧力センサにより得られる前記不活性ガスのゲージ圧が10~20kPaの範囲になるように制御されてもよい。
[8] 上記[6]または[7]に記載の溶融金属浴の成分分析システムは、前記不活性ガスの圧力を測定する圧力センサを有し、前記筒状プローブの前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかは、前記圧力センサにより得られる前記不活性ガスの圧力の変動が1.0kPa以下となるように制御されてもよい。
[9] 上記[6]~[8]のいずれかに記載の溶融金属浴の成分分析システムは、前記開口端における前記溶融金属の温度を測定する温度センサを有し、前記筒状プローブの前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかは、前記温度センサにより測定される前記溶融金属の温度が440℃以上となるように制御されてもよい。
[10] 上記[4]~[9]のいずれかに記載の溶融金属浴の成分分析システムは、前記開口端における前記溶融金属の温度を測定する温度センサを有し、前記筒状プローブの前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかは、前記温度センサにより測定される前記溶融金属の温度の変動が5℃以内となるように制御されてもよい。
[11] 本発明の別の態様に係る溶融金属浴の成分分析方法は、溶融金属浴に筒状プローブを浸漬し、前記筒状プローブの開口端に不活性ガスを供給し、レーザ光を前記開口端に導光して溶融金属に照射し、および前記レーザ光の照射により生じる前記溶融金属のプラズマ発光を検出および分光分析する、溶融金属浴の成分分析方法であって、前記溶融金属の温度および前記不活性ガスの圧力のうちの少なくともいずれかを測定し、前記溶融金属の温度および前記不活性ガスの圧力のうちの少なくともいずれかに基づき、前記溶融金属浴における前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかを制御する。
[12] 上記[11]に記載の溶融金属浴の成分分析方法では、下記a~dのいずれか一つ以上の方法により、前記筒状プローブの前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかが制御されてもよい。
a.前記不活性ガスのゲージ圧を、予め決定された範囲内となるように制御する
b.前記不活性ガスの圧力の変動を、予め決定された値以下となるように制御する
c.前記溶融金属の温度を、予め決定された温度以上となるように制御する
d.前記溶融金属の温度変動を、予め決定された値以下となるように制御する
[13] 上記[11]に記載の溶融金属浴の成分分析方法では、前記溶融金属は、溶融亜鉛であり、前記溶融金属浴は、溶融亜鉛めっき浴であってもよい。
[14] 上記[13]に記載の溶融金属浴の成分分析方法では、前記不活性ガスのゲージ圧が10~20kPaの範囲となるように、前記筒状プローブの前記開口端の位置を制御すること、および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度を制御すること、のうちの少なくともいずれかを行ってもよい。
[15] 上記[13]または[14]に記載の溶融金属浴の成分分析方法では、前記不活性ガスの圧力の変動が1.0kPa以内となるように、前記筒状プローブの前記開口端の位置を制御すること、および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度を制御すること、のうちの少なくともいずれかを行ってもよい。
[16] 上記[13]~[15]のいずれかに記載の溶融金属浴の成分分析方法では、前記溶融金属の温度が440℃以上となるように、前記筒状プローブの前記開口端の位置を制御すること、および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度を制御すること、のうちの少なくともいずれか行ってもよい。
[17] 上記[13]~[16]のいずれかに記載の溶融金属浴の成分分析方法では、前記開口端における前記溶融亜鉛の温度の変動が5℃以内となるように、前記筒状プローブの前記開口端の位置を制御すること、および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度を制御すること、のうちの少なくともいずれかを行ってもよい。
[18] 本発明のさらに別の態様に係る溶融亜鉛めっき浴の管理方法は、上記[11]~[17]のいずれかに記載の溶融金属浴の成分分析方法によって、溶融亜鉛めっき浴中のAl、Feの少なくとも一つの濃度を測定する工程と、前記濃度に基づき前記溶融亜鉛めっき浴中のFe、Alのいずれか一つの濃度を制御する工程と、を有する。
[19] 本発明のさらに別の態様に係る溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、上記[11]~[17]のいずれかに記載の溶融金属浴の成分分析方法によって、溶融亜鉛めっき浴中のAl、Feの少なくとも一つの濃度を測定する工程と、前記濃度に基づき前記溶融亜鉛めっき浴中のFe、Alのいずれか一つの濃度を制御する工程と、を有する。
以上説明したように本開示の上記態様によれば、溶融金属浴の長時間にわたる連続的な成分分析において、成分量の測定値の変動を抑制することが可能となる。したがって、本開示は、溶融金属浴の構成成分を連続的に監視し、管理するのに適している。
本発明の一実施形態に係る溶融亜鉛めっき装置の概略構成を示す図である。 同実施形態に係る溶融亜鉛めっき装置の概略構成を示す平面図である。 本発明の別の実施形態に係る成分分析システムの構成の一例を示す図である。 本発明例2において測定された溶解Alの濃度およびアルゴンガスのゲージ圧の経時変化を示すグラフチャートである。 比較例1において測定された溶解Alの濃度およびアルゴンガスのゲージ圧の経時変化を示すグラフチャートである。 本発明例3において測定された溶解Alの濃度の経時変化を示すグラフチャートである。 本発明例3において測定された溶解Alの濃度の経時変化を示すグラフチャートである。 本発明例3において測定された溶解Feの濃度の経時変化を示すグラフチャートである。 本発明例3において測定された溶解Feの濃度の経時変化を示すグラフチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.本開示の着想>
まず、本発明の実施形態の説明に先立ち、本開示に至る着想について説明する。
上述したように、本発明者らは、従来提案されてきたレーザを溶融金属に照射し、溶融金属において生じるプラズマ発光を検出、分光分析する方法を検討したところ、同方法においては、溶融金属浴の操業条件等の変更がなく、溶融金属の成分量の変化がない可能性が高いと考えられる場合であっても、長時間、例えば数時間連続的に測定を行うと、溶融金属の成分量の測定値に変動が生じるという問題に直面した。
本発明者らは、このような測定値の経時的な変動についての問題を解決すべく鋭意検討し、まず測定時に溶融金属の測定面に供給される不活性ガスの圧力に着目した。レーザを用いた溶融金属においてプラズマ発光を安定的に生じさせるためには、レーザが照射される溶融金属の測定面付近においてプラズマが安定的に生成し得るようにアルゴンガス等の不活性ガスをバブリングにより安定して供給することが必要である。そして、溶融金属の成分量の測定値の変動を抑制するには、供給される不活性ガスの状態の変動も少ないことが好ましいと本発明者らは考えた。
本発明者らが検討した結果、溶融金属浴の操業条件等の変更がなく、かつ、溶融金属の浴温度およびプローブの浸漬深さが同一の条件にて、溶融金属中の構成成分量の測定を行っている場合であっても(つまり、溶融金属中の成分量の変動が比較的少ないと考えられる場合であっても)、不活性ガスの圧力や溶融金属にレーザ光を照射するプローブの先端部の溶融金属温度が変動していることを見出した。そして、本発明者らは、溶融金属にレーザ光を照射するプローブの先端部の溶融金属温度または吹き込みガスのゲージ圧の測定から、発光強度の変動のタイミングは、プローブの先端部の溶融金属温度または不活性ガスの圧力の変動のタイミングと高い関連性を有していることも見出した。尚、上記において、溶融金属の浴温度とは、所定の位置で測定される溶融金属の温度を意味する。
このような測定値と、不活性ガスの圧力またはプローブの先端部の溶融金属温度との関連性を見出した本発明者らは、まず不活性ガスの圧力が変動する原因を検討した。不活性ガスは、溶融金属の測定面に対しプローブを介して供給される。一方で、溶融金属の粘性は、不活性ガスのバブリングの状態にも影響し得る。例えば、溶融金属の粘性が高い場合、バブリングが困難となり、不活性ガスの圧力は上昇する。ここで、溶融金属の粘性を経時的に測定することは容易ではないが、一方で、溶融金属の粘性は、その溶融金属の温度との間で大きな相関を有する。したがって、溶融金属浴の測定位置における温度を監視し、測定位置における溶融金属浴の温度の変動が少なくなるように測定位置(浸漬深さ)を制御することができれば、溶融金属の成分量の不本意な測定値の変動が抑制できると本発明者らは考えた。よって、溶融金属の粘性の変動が少ない場合、言い換えると、測定位置における溶融金属の温度の変動が少ない場合、不活性ガスの圧力の変動を抑制可能であると、本発明者らは推定した。
また、プローブの鉛直方向に対する角度を変更することでも、バブリングを安定化させることができ、不活性ガスの圧力やプローブの先端部の溶融金属温度の変動を抑制可能であると、本発明者らは推定した。
上記より、プローブ先端部の溶融金属温度または不活性ガスの圧力が所定の範囲に入るように、プローブの浸漬深さや浸漬角度を調整することで、成分量の測定値の変動を抑制することができると、本発明者らは考え、更に鋭意検討した結果、本発明をするに至った。以下では、本発明について実施形態を例に詳細に説明する。なお、溶融金属の成分量の測定値の変動とは、溶融金属浴を分析試料として採取し、オフラインでの化学分析による成分測定値とLIBS法により測定された溶融金属の成分量の測定値との差を意味している。以下、本明細書では、オフラインでの化学分析による成分測定値を便宜上、真値と記述する。つまり、本発明者らは、溶融金属の成分量の真値に近い測定結果が得られる、溶融金属の成分分析システムおよび成分分析方法などを見出した。
<2.溶融亜鉛めっき装置>
まず、本実施形態に係る成分分析システムを備えた溶融亜鉛めっき装置の一例を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る溶融亜鉛めっき装置1の概略構成を示す側面図、図2は、図1に示す溶融亜鉛めっき装置1の概略構成を示す平面図(溶融亜鉛めっき浴の上面から見た図)である。なお、溶融金属浴の一例として、代表的に溶融亜鉛めっき装置1中の溶融亜鉛めっき浴3(以下単に「めっき浴」ともいう)について説明するが、本発明は、当然これに限定されず、他の任意の溶融金属浴に適用可能である。
溶融亜鉛めっき装置1は、鋼帯2を、溶融亜鉛を満たしためっき浴3に浸漬させることにより、鋼帯2の表面に溶融亜鉛を連続的に付着させるための装置である。溶融亜鉛めっき装置1は、めっき槽4、スナウト5、上下一対のサポートロール7、7、インダクタ8、ガスワイピング装置9、合金化炉10、および成分分析システム11を備える。
めっき槽4は、溶融亜鉛からなるめっき浴3を貯留する。なお、本実施形態に係るめっき浴3には、Znの他に、0.12~0.15質量%程度のAl、および0.02~0.1質量%程度のFeが含まれ得る。また、めっき浴3の温度は、430~480℃程度である。スナウト5は、その一端をめっき浴3内に浸漬されるように傾斜配設される。浴中ロール6は、めっき槽4の内側の最下方に配設される。浴中ロール6は、鋼帯2との接触およびせん断によって図示の矢印に沿って回転する。
サポートロール7は、めっき槽4の内側で、鋼帯2の搬送方向における浴中ロール6の下流側に配置され、浴中ロール6から送り出された鋼帯2を左右両側から挟み込むようにして配設される。サポートロール7は、不図示の軸受け(例えば、滑り軸受け、転がり軸受け等)により回転自在に支持される。なお、サポートロールは1つだけ、又は3つ以上設置されてもよいし、サポートロールは配置されなくてもよい。
インダクタ8は、めっき槽4に満たされためっき浴3を加熱する加熱装置の一例である。図1に示すように、本実施形態に係るインダクタ8はめっき槽4の側壁部に複数設けられ、めっき浴3を所定の浴温に調節する。なお、めっき浴3を加熱する手段として、インダクタ8に限られず、公知の技術が用いられる。
ガスワイピング装置9は、めっき槽4の上方に配置され、鋼帯2の両側の表面にガス(例えば窒素、空気)を吹き付けて、鋼帯2の表面に付着している溶融金属を掻き落とし、溶融金属の付着量を制御する機能を有する。
合金化炉10は、ガスワイピング後の鋼帯2を所定の温度まで加熱する加熱装置の一例である。合金化炉10は、加熱により鋼帯2の温度を上昇させ、鋼帯2の表面に付着した溶融金属のめっき層の合金化を促進させる。なお、合金化炉10として、例えば、誘導加熱式のヒータ等、公知の技術が用いられる。
上流工程である焼鈍炉で焼鈍された鋼帯2は、スナウト5を介してめっき浴3で満たされためっき槽4に浸漬され、浴中ロール6、サポートロール7、7を通過して鉛直方向に引き上げられ、めっき浴3外に搬送される。めっき浴3外に搬送される鋼帯2は、ガスワイピング装置9により表面に付着した溶融金属の目付が調整された後、合金化炉10を通過する。
成分分析システム11は、めっき浴3中に存在する各成分を検出および分析する機能を有する分析システムである。本実施形態に係る成分分析システム11は、めっき浴3中にガスを供給しながらパルスレーザを照射して得られた対象元素の信号強度のデータから、Fe、Alの少なくともいずれかを含む対象元素を定量する。すなわち、本実施形態に係る成分分析システム11は、溶融亜鉛のめっき浴を測定対象としたLIBS法を行うための構成を有する。なお、図2に示すように、成分分析システム11を構成する主な装置(例えば、レーザ装置12、筒状プローブ13、支持部材32、固定部材33および駆動部34など。これらの装置は、次の段落以降にて詳しく説明される。)は、めっき浴3の角部付近に配置されているが、本発明は図示の態様に限定されず、成分分析システム11は、めっき浴3の任意の場所に配置可能であり、めっき浴3の任意の位置の測定に使用することができる。以下、成分分析システム11の機能構成例について説明する。
図3は、本実施形態に係る成分分析システム11の構成の一例を示す図である。図3に示すように、本実施形態に係る成分分析システム11は、レーザ装置12、筒状プローブ13、伝送ケーブル14、処理装置20および位置制御装置30を備える。
レーザ装置12は、パルスレーザ光(以下、単に「レーザ光」ともいう)を照射するレーザ発振器(図示せず)と、当該パルスレーザ光を筒状プローブ13に導光し、かつ、筒状プローブ13を介して受光するプラズマ起因の光を伝送ケーブル14に導光する光学系(図示せず)とを有する装置である。レーザ発振器は、これが発振するレーザ光により、後述する筒状プローブ13により供給されるガスとめっき浴3との気液界面においてプラズマを生じさせる機能を有する。当該プラズマが、めっき浴3の組成を反映するように、当該レーザ発振器は、Zn、Fe、Al等の各成分を選択性なく蒸発させるパルスレーザ光を照射する機能を有することが好ましい。例えば、当該レーザ発振器は、高出力パルスレーザとして広く使用されているNd:YAGレーザ等であってもよい。また、当該レーザ発振器のヘッドには、レーザのスポット径等を調整するための調整機構が設けられ得る。
光学系は、レーザ発振器から照射されたレーザ光を筒状プローブ13に導光する光学系、および筒状プローブ13を介して受光するプラズマ起因の光を伝送ケーブル14に導光する光学系を有する。これらの光学系は、レンズ、ミラーまたはダイクロイックミラー等の光学部材により構成される。
筒状プローブ13は、めっき浴3とレーザ装置12との間の光路を構成する筒状部材であり、一端がレーザ装置12と接続され、開口端131である他端がめっき浴3に浸漬されるように配置される。レーザ装置12から照射されるパルスレーザ光は、筒状プローブ13に導光され、開口端131側のめっき浴3中において集束され得る。また、筒状プローブ13には、不活性ガスが任意の位置から開口端131へ向けて供給される。図3に示すように、当該不活性ガスは開口端131からめっき浴3中に放出されるとともに発泡し、泡15を生じる。筒状プローブ13を介して導光されたレーザ光がめっき浴3中の溶融金属に照射されることにより、生じた泡15と溶融金属との気液界面においてプラズマ16が生成される。当該不活性ガスは、ArまたはHe等、プラズマ発光分析で一般的に使用されている不活性ガスであることが好ましい。
筒状プローブ13の開口端131は、長手方向に対し垂直であってもよいし、斜掛であってもよい。
伝送ケーブル14は、めっき浴3においてプラズマ発光し、筒状プローブ13を介してレーザ装置12に導かれた光を処理装置20に伝送するためのケーブルである。伝送ケーブル14は、光ファイバケーブルなど、一般的な導光用のケーブルにより実現される。
処理装置20は、伝送ケーブル14を介して伝送された光を分光および検出し、得られた信号についての処理を行う機能を有する。処理装置20は、検出部21および信号処理部22を備える。
検出部21は、伝送ケーブル14を介して伝送された光を分光分析する機能を有する。例えば、検出部21は、分光器および光電変換器により実現され得る。分光器は、少なくともZn、Fe、Alに対応する各波長の光を分離できる程度の分解能を有する分光器であれば特に限定されず、公知の分光手段を有する分光器が適用可能である。また、光電変換器は、分光された光の強度を検出可能である光電変換器であれば特に限定されず、例えば、CCD(Charge Coupled Device)もしくはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の光センサ、またはPMT(Photomultiplier Tube:光電子倍増管)であってもよい。本実施形態にかかる検出部21は、Zn、Fe、Alに対応する各波長を含む波長帯の信号を測定し、当該信号を測定データとして出力する。検出部21により検出された各元素に対応する信号に関する測定データは、信号処理部22に出力される。
信号処理部22は、取得した測定データ(信号)について処理を行う機能を有する。具体的には、信号処理部22は、パルスレーザ光の照射ごとの信号から各対象元素の信号強度に係るデータ(強度データ)を算出する。信号処理部22は、さらに、算出された強度データに基づき、めっき浴3中の各構成成分の濃度を算出する。算出された各濃度に関するデータは、必要に応じ、例えばディスプレイ等の出力手段(図示せず)に出力される。
ここで、めっき浴3において算出される構成成分の濃度としては、例えば、全Zn濃度、溶解Zn濃度、固体状Zn濃度等のZn濃度、全Al濃度、溶解Al濃度、固体状Al濃度等のAl濃度、全Fe濃度、溶解Fe濃度、固体状Fe濃度等のFe濃度やその他不純物の濃度等が挙げられる。
また、信号処理部22は、例えば、CPU等の演算装置、ROM(Read only memory)やRAM(Random access memory)等の主記憶装置およびハードディスク、フラッシュメモリ等の補助記憶装置を含むハードウェアによって実現される。信号処理部22は、1つのハードウェアによって構成されてもよいし、複数のハードウェアにより構成されてもよい。なお、信号処理部22は、組み込みシステムにより実現されてもよい。
位置制御装置30は、温度センサ31と、支持部材32と、固定部材33と、駆動部34と、伝送ケーブル35と、温度演算部36と、圧力演算部37と、位置制御部38と、圧力センサ(図示せず)と、を有している。
温度センサ31は、例えば熱電対であり、筒状プローブ13の開口端131における溶融金属の温度が検出可能なように、その先端が開口端131付近に配置されている。温度センサ31としては、熱電対以外にも、例えば、気圧温度計、蒸気圧温度計、水銀温度計、バイメタル式温度計、白金抵抗温度計、サーミスタ、半導体式温度センサ、水晶温度計、示温材、液晶式温度計、量子型温度センサ、または熱型赤外線センサ等が挙げられる。熱型赤外線センサとしては、例えば、赤外線サーモグラフ等が挙げられる。温度センサ31によって測定された溶融金属の温度は、支持部材32や駆動部34、伝送ケーブル35に配されたケーブル(図示せず)を介して、温度演算部36に送信される。溶融金属の温度は、放射温度計を用いて、筒状プローブ13を通して開口端131における溶融金属の温度を測定してもよい。
支持部材32は、レーザ装置12および筒状プローブ13を支持する。支持部材32は、例えば、板状の台であることができる。また、支持部材32は、後述する位置制御部38からの指示に従い、後述する駆動部34の、例えば内蔵されたモータ等の駆動手段により、水平面に対し角度を有するように駆動する。これにより、筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度を変更することが可能となる。なお、支持部材は、図示の態様に限定されず、例えばレーザ装置12および筒状プローブ13を把持可能な部材や吊り下げ可能な部材であってもよい。
固定部材33は、めっき槽4の外部に配置され、めっき槽4に対して位置関係が固定された、棒状の部材である。固定部材33には、駆動部34が取り付けられている。
駆動部34は、支持部材32を固定するとともに、固定部材33に沿って移動可能に構成されている。駆動部34は、後述する位置制御部38からの指示に従い、例えば内蔵されたモータ等の駆動手段により、固定部材33に沿った任意の位置(浸漬深さ)に移動する。これにより、筒状プローブ13の開口端131のめっき浴3中における浸漬深さを変更することが可能となる。すなわち、レーザ装置12および筒状プローブ13を支持する支持部材32が固定部材33に対し駆動部34を用いて移動可能となることにより、筒状プローブ13の開口端131の位置(浸漬深さ)が制御可能となる。同様に、位置制御部38からの指示に従い、筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度が制御可能となっている。つまり、位置制御部38からの指示に従い、筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度、および、筒状プローブ13の開口端131のめっき浴3中における浸漬深さ(開口端131の位置)が制御可能となっている。
伝送ケーブル35は、温度演算部36、圧力演算部37、および位置制御部38と、位置制御装置30の他の各部とを接続するためのケーブルである。例えば、温度センサ31において検出された温度情報は、伝送ケーブル35を介して温度演算部36に送信される。また、位置制御部38において決定される筒状プローブ13の開口端131の位置に関する情報は、伝送ケーブル35を介して駆動部34へ指示として送信される。また、位置制御部38において決定される筒状プローブ13の開口端131の角度に関する情報は、伝送ケーブル35を介して駆動部34へ指示として送信される。
温度演算部36は、温度センサ31において受信した溶融金属の温度についての温度情報に基づき、筒状プローブ13の開口端131における溶融金属の温度を連続的に検出する。検出された溶融金属の温度に関する情報は、位置制御部38に送信される。また、温度演算部36において検出された溶融金属の温度に関する情報は、必要に応じてディスプレイ等の出力手段に出力される。
圧力演算部37は、圧力センサにおいて受信した不活性ガスの圧力についての圧力情報に基づき、筒状プローブ13の開口端131における不活性ガスの圧力(ただし、圧力の詳細は後述する。)を連続的に検出する。検出された不活性ガスの圧力に関する情報は、位置制御部38に送信される。また、圧力演算部37において検出された不活性ガスの圧力に関する情報は、必要に応じてディスプレイ等の出力手段に出力される。
位置制御部38は、筒状プローブ13の開口端131の位置(浸漬深さ)および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかを制御する。本実施形態においては、位置制御部38は、温度演算部36において検出された溶融金属の温度(温度変動を含む。以下同様。)および圧力演算部37において検出された不活性ガスの圧力(圧力変動を含む。以下同様。)のうちの少なくともいずれかに基づき、筒状プローブ13の開口端131の位置および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度を制御する。
圧力演算部37において検出された不活性ガスの圧力または温度演算部36において検出された溶融金属の温度のいずれか一方または両方に基づいて、筒状プローブ13の開口端131の位置(浸漬深さ)および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかを制御することにより、不活性ガスのバブリングが安定し、レーザが照射される溶融金属の測定面付近においてプラズマがより一層安定的に生成する。その結果、長時間にわたって溶融金属の成分量の測定値の変動をより一層抑制することができる。
つまり、温度演算部36において検出された溶融金属の温度および圧力演算部37において検出された不活性ガスの圧力に基づいて、筒状プローブ13の開口端131の位置および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度を制御することにより、長時間にわたって溶融金属の成分量の測定値の変動をさらに抑制することができる。
ガスの圧力を測定する圧力センサは、ガスの圧力から大気圧を差し引いたゲージ圧自体を測定するタイプと、絶対圧力を測定するタイプの2つのタイプに分けることができる。絶対圧力は、言い換えるとゲージ圧と大気圧の合計である。本実施形態においては、2つのタイプのいずれの圧力センサも用いることができる。ただし、ゲージ圧を測定する前者のタイプの圧力センサを用いると、ゲージ圧の算出が不要となる。後者のタイプの圧力センサを用いた場合、ゲージ圧を求めるには、測定された全圧力から大気圧を差し引いてゲージ圧を算出する。この際、公知の方向により大気圧を測定してもよいが、測定値から101.3kPaを差し引いてゲージ圧を算出してもよい。ガスの圧力の変動量を求める場合、いずれのタイプの圧力センサを用いても、測定値(ゲージ圧または全圧力)の変動量をそのまま用いる。圧力センサとしては、ダイヤフラム式圧力センサ以外に、液柱型圧力計、円環型圧力計、重鍾型圧力計、ブルドン管圧力計、アネロイド圧力計、またはベローズ式圧力センサ等が挙げられる。
圧力センサは、例えばダイヤフラム式圧力センサでもよく、不活性ガスの圧力が検出可能なように、不活性ガスの導入路に配置されてもよい。圧力センサによって測定された不活性ガスの圧力の情報は、伝送ケーブル35に配されたケーブル(図示せず)を介して、圧力演算部37に送信される。
本実施形態に係る成分分析システム11では、下記a~dのいずれか一つ以上の方法により、筒状プローブ13の開口端131の位置および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかが制御されることが好ましい。
a.圧力センサにより得られる不活性ガスのゲージ圧を、予め決定された範囲内となるように制御する
b.不活性ガスの圧力の変動を、予め決定された値以下となるように制御する
c.溶融金属の温度を、予め決定された温度以上となるように制御する
d.溶融金属の温度変動を、予め決定された値以下となるように制御する
上記制御は、位置制御部38によって実現される。
上記aの方法においては、予め予備試験などを行い、当該予備試験などよりLIBS分析値の変動範囲が許容できる変動範囲内となるためのゲージ圧の範囲を予め決定し、当該範囲内となるようにゲージ圧を制御する。上記bの方法においては、予め予備試験などを行い、当該予備試験などによりLIBS分析値の変動範囲が許容できる変動範囲内となるための不活性ガスの圧力の変動の閾値を予め決定し、当該閾値以下となるように不活性ガスの圧力の変動を制御する。上記cの方法においては、予め予備試験などを行い、当該予備試験などによりLIBS分析値の変動範囲が許容できる変動範囲内となるための溶融金属の温度の閾値を予め決定し、当該閾値以上となるように溶融金属の温度を制御する。上記dの方法においては、予め予備試験などにより、当該予備試験などによりLIBS分析値の変動範囲が許容できる変動範囲内となるための溶融金属の温度の変動の閾値を予め決定し、当該閾値以下となるように溶融金属の温度の変動を制御する。
ここで、めっき浴3は、例えば、溶融亜鉛めっき浴であり、めっき浴3中の溶融金属は、溶融亜鉛を主成分として含む。めっき浴3が溶融亜鉛めっき浴である場合、位置制御部38により、圧力演算部37において検出される不活性ガスのゲージ圧が10~20kPaの範囲となるように、筒状プローブ13の開口端131の位置および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかが制御されることが好ましい。圧力演算部37において検出される不活性ガスのゲージ圧が10~20kPaの範囲となるように、筒状プローブ13の開口端131の位置(浸漬深さ)が制御されること、または、筒状プローブ13が鉛直方向に対する角度に制御されることにより、不活性ガスのバブリングをより一層安定したものとすることなどを通じて、長時間にわたって溶融金属の成分量の測定値の変動をより一層抑制することができる。なお、必要に応じて、予め予備試験などを行い、当該予備試験などより、LIBS分析値の変動範囲が許容できる変動範囲内となるためのゲージ圧の範囲(ただし、10~20kPaの範囲の中でより狭い範囲)を予め決定し、ゲージ圧がその範囲内となるように、筒状プローブ13の開口端131の位置および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかを制御してもよい。
また、位置制御部38により、圧力演算部37において検出される不活性ガスの圧力の変動(測定期間中の最大圧力と最小圧力との差)が1.0kPa以下となるように、筒状プローブ13の開口端131の位置および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかが制御されることが好ましい。圧力演算部37において検出される不活性ガスの圧力の変動が1.0kPa以下となるように、筒状プローブ13の開口端131の位置が制御されること、または、筒状プローブ13が鉛直方向に対する角度に制御されることにより、不活性ガスのバブリングをより一層安定したものとすることなどを通じて、長時間にわたって溶融金属の成分量の測定値の変動をより一層抑制することができる。なお、圧力演算部37において検出される不活性ガスの圧力の変動は小さい程好ましいため、上記変動は、0kPaであることが好ましい。なお、必要に応じて、予め予備試験などを行い、当該予備試験などより、LIBS分析値の変動範囲が許容できる変動範囲内となるための不活性ガスの圧力の変動の閾値(ただし、1.0kPaより小さい閾値)を予め決定し、ゲージ圧の変動がその範囲内となるように、筒状プローブ13の開口端131の位置および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかを制御してもよい。
また、めっき浴3が溶融亜鉛めっき浴である場合、位置制御部38により、温度演算部36において検出される溶融金属の温度が440℃以上となるように、筒状プローブ13の開口端131の位置および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかが制御されることが好ましい。溶融金属の温度が440℃以上となるように、筒状プローブ13の開口端131の位置および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかが制御されることにより、筒状プローブ13の開口端131付近の溶融金属の粘性の変化などが防止され、バブリングに供される不活性ガスのゲージ圧の変化が抑制されることなどを通じて、長時間にわたって溶融金属の成分量の測定値の変動をより一層抑制することができる。なお、上限値は、特に限定されるものではないが、溶融亜鉛めっき浴での溶融金属温度の好ましい上限などがあれば、その上限温度を本発明における溶融金属温度の上限値としてもよい。ただし、溶融金属の温度をより高温とした場合、溶融金属からの輻射熱による分析装置への悪影響が考えられる。更には、高温化によるエネルギーロスや溶融金属の蒸発に伴うロス、めっきの剥離や、地鉄の亜鉛浴中への溶解量が増えるという問題があるため、溶融亜鉛めっき浴であれば、500℃を超えるような操業は行われないのが一般的であり、この程度の温度であれば本発明の実現には何ら影響はない。めっき浴3が溶融亜鉛めっき浴である場合、例えば、溶融亜鉛の蒸発ロスを抑制するために、温度演算部36において検出される溶融金属の温度は、510℃以下または500℃以下であることが好ましい。溶融金属の温度は、480℃以下であることがより好ましい。なお、必要に応じて、予め予備試験などを行い、当該予備試験などより、LIBS分析値の変動範囲が許容できる変動範囲内となるための溶融金属の温度の閾値(ただし、440℃以上より高温側の閾値)を予め決定し、溶融金属の温度がその範囲内となるように、筒状プローブ13の開口端131の位置および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかを制御してもよい。
また、位置制御部38により、温度演算部36において検出される溶融金属の温度の変化が5℃以内となるように、筒状プローブ13の開口端131の位置および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかが制御されることが好ましい。これにより、長時間にわたって溶融金属の成分量の測定値の変動をより一層抑制することができる。なお、元素の発光シグナル強度の測定データを互いに比較する場合は、それらのすべての測定において、開口端131の位置および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかを制御することにより、温度演算部36で検出される溶融金属の温度は、同一の温度域内とすればよい。例えば、元素の発光シグナル強度と元素濃度との相関を検量線として用いる場合は、この検量線作成時においてもこの温度域内で測定を行うことによって、得られた元素の発光シグナル強度をより正確に当該元素の濃度に換算することができる。なお、必要に応じて、予め予備試験などを行い、当該予備試験などより、LIBS分析値の変動範囲が許容できる変動範囲内となるための溶融金属の温度の変動の閾値(ただし、5℃より小さい閾値)を予め決定し、溶融金属の温度変動がその範囲となるように、筒状プローブ13の開口端131の位置および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかを制御してもよい。
本実施形態に係る成分分析システム11において、前記a~dのいずれか一つ以上の方法により、筒状プローブ13の開口端131の位置および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかを制御する方法を、特に限定する必要はなく、公知の方法でよい。例えば、公知のフィードバック制御やフィードフォワード制御などを用いてもよい。この制御の精度向上のため、予め予備試験を行って、不活性ガスのゲージ圧、不活性ガスの圧力の変動、筒状プローブ13の開口端131での溶融金属の温度、および、筒状プローブ13の開口端131での溶融金属の温度変動の合計4つの因子と、筒状プローブ13の開口端131の位置(浸漬深さ)および前記筒状プローブ12の鉛直方向に対する角度との関係を予め調査することが、好ましい。
本発明者らは、浸漬深さが深い方が前記の4つの因子を目標範囲(例えば、不活性ガスのゲージ圧の予め決定された範囲、不活性ガスの圧力変動の予め決定された範囲、溶融金属の温度の予め決定された範囲内(ある温度以上)および溶融金属の温度の変動範囲)に制御するためには、浸漬深さを深くする方向に制御することが好ましいということを見出した。
レーザ装置12は、精密機器であることから、一般的にはめっき浴3からできる限り離れた位置に配置されることが好ましいと考えられていた。また、筒状プローブ13をめっき浴3の深い位置まで挿入した場合、従来は、めっき浴3における溶融金属の圧力が高まる結果、不活性ガスのゲージ圧が安定せず、分析システムの測定値に誤差が生じやすいと考えられてきた。したがって、従来、例えば、溶融亜鉛めっき浴3では、比較的浅い位置、例えば10cmの深さに筒状プローブ13の開口端131を配置することが好ましいと考えられてきた。
これに対し、本発明者らは、めっき浴3における比較的深い位置に筒状プローブ13の開口端131を配置すると、溶融金属の温度変化が少なく、溶融金属の温度が比較的高いことから、溶融金属の粘性の変化が抑制され、長期的には不活性ガスのゲージ圧が安定することを見出した。そして、従来避けられていた位置に配置することにより却って、分析システムの測定値における不本意な変動が抑制されることを見出した。例えば、ゲージ圧を10~20kPaの範囲にするには、溶融亜鉛めっき浴の液面から15~30cmの位置に筒状プローブ13の開口端131を配置することが好ましい。
本発明者らは、前記の4つの因子を前記の目標範囲に制御するためには、筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度を0°ではなく、一定の傾斜角度とすることが好ましいことも見出した。具体的には、筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度は、10~20°であることが好ましい。その角度の下限を11°または12.5°とすることが好ましい。その角度の上限を18°、16°または15°とすることが好ましい。
また、温度演算部36、圧力演算部37、および位置制御部38は、例えば、CPU等の演算装置、ROM(Read only memory)やRAM(Random access memory)等の主記憶装置およびハードディスク、フラッシュメモリ等の補助記憶装置を含むハードウェアによって実現される。温度演算部36、圧力演算部37、および位置制御部38は、1つのハードウェアによって構成されてもよいし、複数のハードウェアにより構成されてもよい。さらに、温度演算部36、圧力演算部37、および位置制御部38は、上述した信号処理部22と同一のハードウェアによって構成されてもよい。なお、温度演算部36、圧力演算部37、および位置制御部38は、組み込みシステムにより実現されてもよい。
<3.成分分析方法>
次に、上述した成分分析システム11を用いた、本実施形態に係る溶融金属浴の成分分析方法について説明する。なお、以下では、図3に示した成分分析システム11を用いて溶融金属浴の成分分析方法を実現する例について説明するが、本発明はかかる例に限定されない。すなわち、以下に説明する溶融金属浴の成分分析方法を実現可能である装置構成であれば、本発明の具体的な態様は特に限定されない。
本実施形態に係る溶融金属浴の成分分析方法は、溶融金属浴に筒状プローブを浸漬し、筒状プローブの開口端に不活性ガスを供給し、レーザ光を開口端に導光して溶融金属に照射し、およびレーザ光の照射により生じる溶融金属のプラズマ発光を検出および分光分析する、溶融金属浴の成分分析方法であって、溶融金属の温度(温度変動を含む。以下同様。)および不活性ガスの圧力(圧力変動を含む。以下同様。)のうちの少なくともいずれかを測定し、溶融金属の温度および不活性ガスの圧力のうちの少なくともいずれかに基づき、溶融金属浴における開口端の位置および筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかを制御することを含む。
なお、不活性ガスの供給、レーザ光の照射およびプラズマ発光の検出および分光分析については、従来知られた方法により行うことができる。このため、詳細な説明を省略する。
本実施形態においては、上述した成分分析システム11において、圧力センサおよび圧力演算部37を用いて、不活性ガスの圧力を測定してもよい。不活性ガスの圧力(圧力変動を含む。)が、予め決定された範囲内となるように、筒状プローブ13の開口端131の位置(浸漬深さ)および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかを制御することができる。
また、本実施形態においては、上述した成分分析システム11において、温度センサ31および温度演算部36を用いて、筒状プローブ13の開口端131における溶融金属の温度を測定してもよい。溶融金属の温度(温度変動を含む。)が、予め決定された範囲内となるように、筒状プローブ13の開口端131の位置(浸漬深さ)および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかを制御することができる。
つまり、上述した成分分析システム11は、不活性ガスの圧力(圧力変動を含む。)および溶融金属の温度(温度変動を含む。)が、予め決定された範囲内となるように、位置制御部38、支持部材32および駆動部34により、めっき浴3における筒状プローブ13の開口端131の位置および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかが制御される。
不活性ガスの圧力に基づいて、めっき浴3における筒状プローブ13の開口端131の位置および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度を制御することが好ましい。
より具体的には、本実施形態においては、めっき浴3が溶融亜鉛めっき浴であるため、不活性ガスのゲージ圧が10~20kPaの範囲となるように、筒状プローブ13の開口端131の位置を制御すること、および、筒状プローブ13を鉛直方向に対する角度を制御することのうちの少なくともいずれかを行うことが好ましい。
また、不活性ガスの圧力の変動が1.0kPa以下となるように、筒状プローブ13の開口端131を配置すること、および、筒状プローブ13を鉛直方向に対して傾けることのうちの少なくともいずれかを行うことが好ましい。
また、開口端131における溶融金属の温度に基づいて、めっき浴3における筒状プローブ13の開口端131の位置を制御すること、および、筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度を制御することのうちの少なくともいずれかを行うことが好ましい。
より具体的には、本実施形態においては、めっき浴3が溶融亜鉛めっき浴であるため、開口端131における溶融金属の温度が440℃以上となる位置に筒状プローブ13の開口端131の位置を制御すること、および、筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度を制御することのうちの少なくともいずれかを行うことが好ましい。
また、開口端131における溶融金属の温度変動に基づいて、めっき浴3における筒状プローブ13の開口端131の位置を制御すること、および、筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度を制御することのうちの少なくともいずれかを行うことが好ましい。
より具体的には、開口端131における溶融金属の温度の変動が5℃以内となる位置に筒状プローブ13の開口端131の位置を制御すること、および、筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度を制御することのうちの少なくともいずれかを行うことが好ましい。
以上、本実施形態によれば、筒状プローブ13の開口端131の位置および筒状プローブ13の鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかを制御することにより、溶融金属浴の長時間にわたる連続的な成分分析において、成分量の測定値の変動を抑制することが可能となる。つまり、本実施形態によれば、LIBSで測定された溶融金属の成分量の測定値は、溶融金属浴の成分量の真値との差が小さい、より真値に近い値となる。したがって、本発明は、溶融金属浴の構成成分を連続的に監視し、管理するのに適している。
なお、上述したように本実施形態は、溶融亜鉛めっき浴の成分管理、例えば、Fe、Al濃度の管理に適している。したがって、本実施形態は、別の側面において、上述した方法を用いて溶融亜鉛めっき浴中のFe、Alの少なくとも一つの濃度を含む成分濃度を測定する工程と、測定されたFe、Alの少なくとも一つの濃度を含む成分濃度に基づき前記溶融亜鉛めっき浴中の各構成成分の含有量を制御する工程と、を有する溶融亜鉛めっき浴の管理方法にも関する。
さらに、このように管理された溶融亜鉛めっき浴を用いて、溶融亜鉛めっき鋼板を好適に製造することができる。したがって、本発明は、別の側面において、上述した方法を用いて溶融亜鉛めっき浴中のFe、Alの少なくとも一つの濃度を含む成分濃度を測定する工程と、測定されたFe、Alの少なくとも一つの濃度を含む成分濃度に基づき前記溶融亜鉛めっき浴中の各構成成分の含有量を制御する工程と、を有する溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法にも関する。
以上、本発明の好適な実施形態に基づき、本発明を説明したが、本発明はこれに限定されない。上記はあくまでも例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
また、筒状プローブ13の開口端131の位置の固定および制御については、上述した態様に限定されず、任意の固定手段、制御手段を採用することができる。また、筒状プローブは、溶融金属浴の深さ方向のみならず、他の方向、例えば水平方向に移動可能に構成されてもよい。
また、温度センサ31および温度演算部36を用いて、筒状プローブ13の開口端131における溶融金属の温度を測定するときに、圧力センサおよび圧力演算部37を用いて、不活性ガスの圧力を測定してもよい。
また、溶融金属浴の成分分析システムは、不活性ガスの流量を測定するためのマスフローコントローラを備えてもよい。マスフローコントローラが備えられる場合、圧力センサは当該マスフローコントローラの後段に設けられればよい。
また、例えば、上述した実施形態においては、溶融金属浴は、溶融亜鉛めっき浴であるとして説明したが、これに限定されず、任意の金属についての溶融金属浴について本発明は適用可能である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、あくまでも本発明の一例であって、本発明を限定するものではない。
(実施例1)
まず、Alの濃度が0.125~0.143質量%となるように調製した溶融亜鉛浴を複数準備した。各溶融亜鉛浴におけるAl濃度、Fe濃度について、以下の条件で測定を行った。
レーザとしては、Quantel社のUltraを用いた。また、レーザの発振条件としては、波長:1064nm、出力:100mJ/pulse、周波数:20Hzとした。発振されたレーザは、内径約30mmの窒化ケイ素系セラミックス製プローブを経由し、溶融亜鉛浴表面で焦点を結ぶよう合成石英製レンズで集光した。また、筒状プローブにおいては、0.75L/minの流量でアルゴンガスをその先端部(開口端)に向けて供給した。
レーザ照射により溶融亜鉛浴表面で発生した発光は、筒状プローブを経由してダイクロイックミラーでレーザの光軸と90゜ずらし、レンズで集光後に25mの光ファイバで分光器に伝送した。分光器には、SOL Instruments社製分光器MSDD1000に、Oxford Instruments社製iCCDカメラiStarを組み合わせたものを用いた。300秒(6000パルスのレーザ照射)により得られた発光スペクトルのうち、Al:308.2nm、Fe:259.9nmのスペクトル強度をZn:303.1nmのスペクトル強度で規格化したものを積算した上で、別途作成した検量線により定量した。
先端部(開口端)に温度センサ(熱電対)を備えた筒状プローブを溶融亜鉛浴に浸漬し、18時間または24時間連続で溶融亜鉛浴中の溶解Al、溶解Feの濃度を測定した。測定時において、プローブ先端部の温度センサで温度をモニタリングした。マスフローコントローラの後段に設けたダイヤフラム式圧力計(株式会社クローネ社製デジタル圧力計KDM30)を用いてアルゴンガスのゲージ圧をモニタリングした。
溶融亜鉛浴ごとに、筒状プローブの開口端の鉛直方向位置及び筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかを制御し、温度センサで測定される溶融亜鉛浴の温度、温度センサで測定される溶融亜鉛浴の温度の変動、アルゴンガスのゲージ圧、及びアルゴンガスのゲージ圧の変動のうちの少なくともいずれかの制御項目を制御した。ただし、表1に示す比較例では、測定の間、筒状プローブの開口端の鉛直方向位置を一定の位置とし、筒状プローブの鉛直方向に対する角度を0°に固定した。表1の「制御範囲」には、各制御項目の制御範囲を記載した。「制御範囲」の項目において、「T」は温度センサで測定される溶融亜鉛浴の温度、「ΔT」は温度センサで測定される溶融亜鉛浴の温度の変動、「P」はアルゴンガスのゲージ圧、「ΔP」はアルゴンガスのゲージ圧の変動を表す。
また、表1の「制御の有無」における「プローブ開口端位置」の項目には、筒状プローブの開口端の鉛直方向位置の制御の有無を記載した。また、表1の「プローブ角度」の項目には、筒状プローブの開口端の鉛直方向に対する角度の制御の有無を記載した。
数時間に1回の頻度で溶融亜鉛浴よりサンプリングし、サンプリングされた溶融亜鉛を凝固させた。当該凝固物を酸溶解してICPにて分析し、Al濃度、Fe濃度を測定した。測定されたAl濃度、Fe濃度を参照値とした。表1の「Al濃度のICP分析値との差の平均値」の項目に、本開示の溶融金属の成分分析システムで測定されたAl濃度と最も近いタイミングで得られた前記参照値との差の平均値を示す。
また、表1の「各パラメータの変動範囲」の項目に各制御項目の制御結果を示す。「プローブ開口端位置(cm)」には、筒状プローブの開口端の鉛直方向位置の変動範囲を記載した。筒状プローブの開口端の鉛直方向位置は、測定開始時の位置を基準とし、上昇を“+”、下降を“-”とした。「プローブ角度(°)」には、筒状プローブの鉛直方向に対する角度の範囲を記載した。「ゲージ圧(kPa)」には、アルゴンガスのゲージ圧の範囲を記載した。「溶融金属温度(℃)」には、温度センサで測定された溶融亜鉛浴の温度範囲を記載した。
Figure 0007440820000001
本発明例1では、温度センサで測定される溶融亜鉛浴の温度が440℃以上となり、アルゴンガスのゲージ圧が10~20kPaとなるように、筒状プローブの開口端の鉛直方向の位置を制御した。筒状プローブの鉛直方向に対する角度は0°とした。その結果、本発明例1では、Al濃度のICP分析値との差の平均値は、70ppmであった。本発明例1において、筒状プローブの開口端の鉛直方向位置の変動は、-5~+3cmであり、アルゴンガスのゲージ圧は12.3~15.0kPaであり、温度センサで測定された溶融亜鉛浴の温度は440~465℃であった。
本発明例2では、アルゴンガスのゲージ圧が10~20kPaとなり、アルゴンガスのゲージ圧力の変動範囲が1.0kPa以下となるように、筒状プローブの鉛直方向に対する角度を制御した。筒状プローブの開口端の鉛直方向の位置は一定とした。その結果、Al濃度のICP分析値との差の平均値は、38ppmであった。本発明例2において、筒状プローブの鉛直方向に対する角度は、11.0~17.5°であり、アルゴンガスのゲージ圧は14.0~15.0kPa(変動範囲は1.0kPa)であり、温度センサで測定された溶融亜鉛浴の温度は460~465℃であった。
本発明例3では、アルゴンガスのゲージ圧が10.0~20.0kPaとなり、アルゴンガスのゲージ圧の変動範囲が1.0kPa以下となるように、筒状プローブの開口端の鉛直方向位置及び筒状プローブの鉛直方向に対する角度を制御した。その結果、Al濃度のICP分析値との差の平均値は、26ppmであった。本発明例3において、筒状プローブの開口端の鉛直方向位置の変動は、-2~+5cmであり、筒状プローブの鉛直方向に対する角度は、12.5~15.0°であり、アルゴンガスのゲージ圧は、14.0~15.0kPa(変動範囲は1.0kPa)であり、温度センサで測定された溶融亜鉛浴の温度は462~466℃であった。
本発明例4では、温度センサで測定される溶融亜鉛浴の温度が440℃以上となるように、筒状プローブの開口端の鉛直方向位置を制御した。筒状プローブの鉛直方向に対する角度は0°とした。その結果、Al濃度のICP分析値との差の平均値は、75ppmであった。本発明例4において、筒状プローブの開口端の鉛直方向位置の変動は、-5~0cmであり、アルゴンガスのゲージ圧は、8.4~12.4kPaであり、温度センサで測定された溶融亜鉛浴の温度は440~470℃であった。
本発明例5では、温度センサで測定される溶融亜鉛浴の温度の変動が5℃以内となるように、筒状プローブの開口端の鉛直方向位置及び筒状プローブの鉛直方向に対する角度を制御した。その結果、Al濃度のICP分析値との差の平均値は、41ppmであった。本発明例5において、筒状プローブの開口端の鉛直方向位置の変動は、-4~+3cmであり、筒状プローブの鉛直方向に対する角度は、12.5~15.0°であり、アルゴンガスのゲージ圧は、8.4~10.2kPaであり、温度センサで測定された溶融亜鉛浴の温度は440~445℃であった。
本発明例6では、アルゴンガスのゲージ圧が10.0~20.0kPaとなるように、筒状プローブの開口端の鉛直方向位置及び筒状プローブの鉛直方向に対する角度を制御した。その結果、Al濃度のICP分析値との差の平均値は、51ppmであった。本発明例6において、筒状プローブの開口端の鉛直方向位置の変動は、0~+5cmであり、筒状プローブの鉛直方向に対する角度は、11.2~17.3°であり、アルゴンガスのゲージ圧は、14.0~17.8kPaであり、温度センサで測定された溶融亜鉛浴の温度は430~465℃であった。
本発明例7では、アルゴンガスのゲージ圧の変動範囲が1.0kPa以下となるように、筒状プローブの開口端の鉛直方向位置及び筒状プローブの鉛直方向に対する角度を制御した。その結果、Al濃度のICP分析値との差の平均値は、48ppmであった。本発明例7において、筒状プローブの開口端の鉛直方向位置の変動は、-2~+5cmであり、筒状プローブの鉛直方向に対する角度は、14.2~15.7°であり、アルゴンガスのゲージ圧は、9.5~10.3kPa(変動範囲は0.8kPa)であり、溶融亜鉛浴の温度は435~460℃であった。
比較例1は、筒状プローブの開口端の鉛直方向位置を一定とし、筒状プローブの鉛直方向に対する角度を約0°で一定とした。その結果、Al濃度のICP分析値との差の平均値は、82ppmであった。比較例において、アルゴンガスのゲージ圧は、8.0~8.5kPaであり、温度センサで測定された亜鉛浴の温度は456~466℃であった。
以上の結果が示すように、溶融亜鉛浴の温度およびアルゴンガスの圧力のうちの少なくともいずれかを測定し、測定された溶融亜鉛浴の温度およびアルゴンガスの圧力のうちの少なくともいずれかに基づき、溶融亜鉛浴における開口端の位置及びおよび筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかを制御することにより、ICP分析値との差の平均値が小さく、安定して精度の高い測定が可能であることが分かった。
(実施例2)
図4に、図1~図3に示すような溶融亜鉛めっき浴を用いて本発明例2の条件で実機による試験を実施し、得られた溶解Alの濃度およびアルゴンガスのゲージ圧の経時変化を示す。図4に示すように、溶解Alの濃度は一定の値を示しており、信号の安定性は高く、精度(3σ)は、6000パルスの積算で21ppm、2000パルスの積算で34ppmであった。
さらに、19日間の連続測定を行った結果、AlおよびFe濃度が一定であったことから、上記の方法により、長期にわたって安定的にAlおよびFe濃度が測定可能であることが実証された。
図5に、図1~図3に示すような溶融亜鉛めっき浴を用いて比較例1の条件で実機による試験を実施し、得られた溶解Alの濃度およびアルゴンガスのゲージ圧の経時変化を示す。測定時における溶融亜鉛浴の溶解Alの濃度は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP発光分析法)による分析値によれば、0.125質量%であり、一定であったが、図5に示すように、比較例1で得られた溶解Al濃度の測定値には、経時的な大きな変動が観察され、安定したプラズマ発光が生じていないことが示唆された。
アルゴンガスのゲージ圧は、8.0~8.5kPaの範囲にあったが、経時的なゲージ圧の変動があり、溶解Al濃度の変動はこの影響(つまり、ゲージ圧の変動の影響)によるものと考えられる。筒状プローブの開口端の温度の測定値は、440℃未満の値となることがあった。
(実施例3)
図6および図7に、図1~図3に示すような溶融亜鉛めっき浴を用いて本発明例3の条件で実機による試験を実施し、得られた溶解Alの濃度の変化を、参考例としてのICP分析による溶解Al濃度とともに示す。ここで、図7は、図6の試験とは異なるタイミングでの試験結果である。図8および図9に、本発明例3によって測定された溶解Feの濃度の変化を、参考例としてのICP分析による溶解Fe濃度とともに示す。ここで、図9は、図8の試験とは異なるタイミングでの試験結果である。
図6~図9に示すように、本発明例3によって測定された溶解Al、溶解Feの濃度は、参考例として測定されたICP分析による各濃度と近い値を示した。また、例えば溶解Alの濃度が0.2質量%から0.14質量%まで変化した場合であっても、本実施例においては、このような濃度の変化に対して追従する測定値を示した。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 溶融亜鉛めっき装置
2 鋼帯
3 めっき浴
4 めっき槽
5 スナウト
6 浴中ロール
7 サポートロール
8 インダクタ
9 ガスワイピング装置
10 合金化炉
11 成分分析システム
12 レーザ装置
13 筒状プローブ
131 開口端
14 伝送ケーブル
20 処理装置
21 検出部
22 信号処理部
30 位置制御装置
31 温度センサ
32 支持部材
33 固定部材
34 駆動部
35 伝送ケーブル
36 温度演算部
37 圧力演算部
38 位置制御部

Claims (16)

  1. レーザ光を発振するレーザ発振器と、
    開口端が溶融金属浴に浸漬され、前記開口端へ向けて不活性ガスを供給するとともに、前記レーザ光を前記開口端に導光して溶融金属に照射する筒状プローブと、
    前記レーザ光の照射により生じる前記溶融金属のプラズマ発光を検出し、分光分析する検出部と、を備え、
    前記溶融金属浴における前記筒状プローブの前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかが制御可能に構成されており、
    前記開口端における前記溶融金属の温度を測定する温度センサおよび前記不活性ガスの圧力を測定する圧力センサのうちの少なくともいずれかを有し、
    前記筒状プローブの前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかは、前記温度センサにより測定された前記溶融金属の温度および前記圧力センサにより得られた前記不活性ガスの圧力のうちの少なくともいずれかに基づき制御される、溶融金属浴の成分分析システム。
  2. 記a~dのいずれか一つ以上の方法により、前記筒状プローブの前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかが制御される、請求項に記載の溶融金属浴の成分分析システム。
    a.前記圧力センサにより得られる前記不活性ガスのゲージ圧を、予め決定された範囲内となるように制御する
    b.前記不活性ガスの圧力の変動を、予め決定された値以下となるように制御する
    c.前記溶融金属の温度を、予め決定された温度以上となるように制御する
    d.前記溶融金属の温度変動を、予め決定された値以下となるように制御する
  3. 前記溶融金属は、溶融亜鉛を含み、前記溶融金属浴は、溶融亜鉛めっき浴である、請求項1または2に記載の溶融金属浴の成分分析システム。
  4. 前記不活性ガスの圧力を測定する圧力センサを有し、
    前記筒状プローブの前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかは、前記圧力センサにより得られる前記不活性ガスのゲージ圧が10~20kPaの範囲になるように制御される、請求項に記載の溶融金属浴の成分分析システム。
  5. 前記不活性ガスの圧力を測定する圧力センサを有し、
    前記筒状プローブの前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかは、前記圧力センサにより得られる前記不活性ガスの圧力の変動が1.0kPa以下となるように制御される、請求項に記載の溶融金属浴の成分分析システム。
  6. 前記開口端における前記溶融金属の温度を測定する温度センサを有し、
    前記筒状プローブの前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかは、前記温度センサにより測定される前記溶融金属の温度が440℃以上となるように制御される、請求項に記載の溶融金属浴の成分分析システム。
  7. 前記開口端における前記溶融金属の温度を測定する温度センサを有し、
    前記筒状プローブの前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかは、前記温度センサにより測定される前記溶融金属の温度の変動が5℃以内となるように制御される、請求項1または2に記載の溶融金属浴の成分分析システム。
  8. 溶融金属浴に筒状プローブを浸漬し、前記筒状プローブの開口端に不活性ガスを供給し、レーザ光を前記開口端に導光して溶融金属に照射し、および前記レーザ光の照射により生じる前記溶融金属のプラズマ発光を検出および分光分析する、溶融金属浴の成分分析方法であって、
    前記溶融金属の温度および前記不活性ガスの圧力のうちの少なくともいずれかを測定し、
    前記溶融金属の温度および前記不活性ガスの圧力のうちの少なくともいずれかに基づき、前記溶融金属浴における前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかを制御する、溶融金属浴の成分分析方法。
  9. 下記a~dのいずれか一つ以上の方法により、前記筒状プローブの前記開口端の位置および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度のうちの少なくともいずれかが制御される、請求項に記載の溶融金属浴の成分分析方法。
    a.前記不活性ガスのゲージ圧を、予め決定された範囲内となるように制御する
    b.前記不活性ガスの圧力の変動を、予め決定された値以下となるように制御する
    c.前記溶融金属の温度を、予め決定された温度以上となるように制御する
    d.前記溶融金属の温度変動を、予め決定された値以下となるように制御する
  10. 前記溶融金属は、溶融亜鉛であり、前記溶融金属浴は、溶融亜鉛めっき浴である、請求項に記載の溶融金属浴の成分分析方法。
  11. 前記不活性ガスのゲージ圧が10~20kPaの範囲となるように、
    前記筒状プローブの前記開口端の位置を制御すること、および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度を制御すること、のうちの少なくともいずれかを行う、請求項10に記載の溶融金属浴の成分分析方法。
  12. 前記不活性ガスの圧力の変動が1.0kPa以内となるように、
    前記筒状プローブの前記開口端の位置を制御すること、および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度を制御すること、のうちの少なくともいずれかを行う、請求項10または11に記載の溶融金属浴の成分分析方法。
  13. 前記溶融金属の温度が440℃以上となるように、
    前記筒状プローブの前記開口端の位置を制御すること、および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度を制御すること、のうちの少なくともいずれかを行う、請求項10または11に記載の溶融金属浴の成分分析方法。
  14. 前記開口端における前記溶融亜鉛の温度の変動が5℃以内となるように、
    前記筒状プローブの前記開口端の位置を制御すること、および前記筒状プローブの鉛直方向に対する角度を制御すること、のうちの少なくともいずれかを行う、請求項10または11に記載の溶融金属浴の成分分析方法。
  15. 請求項8または9に記載の溶融金属浴の成分分析方法によって、溶融亜鉛めっき浴中のAl、Feの少なくとも一つの濃度を測定する工程と、
    前記濃度に基づき前記溶融亜鉛めっき浴中のFe、Alのいずれか一つの濃度を制御する工程と、
    を有する溶融亜鉛めっき浴の管理方法。
  16. 請求項8または9に記載の溶融金属浴の成分分析方法によって、溶融亜鉛めっき浴中のFe、Alの少なくとも一つの濃度を測定する工程と、
    前記濃度に基づき前記溶融亜鉛めっき浴中のFe、Alのいずれか一つの含有量を制御する工程と、
    を有する溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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