JP7439411B2 - 歯車加工装置及び歯車加工方法 - Google Patents

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本発明は、歯車加工装置及び歯車加工方法に関する。
工作機械においては、切削工具と工作物の相対回転速度を上昇させたり、切込量を大きくすると、工作物にびびり振動が発生し易くなる。そこで、例えば、特許文献1には、工作物の動的ひずみを求め、動的ひずみの大きさに基づいて、工作物のびびり振動の判定を行って工作物の加工を行う技術が記載されている。特許文献2には、工作物の固有振動と切削工具の振動成分とが共振しない回転数で切削工具を回転させることで、工作物のびびり振動の発生を防止して工作物の加工を行う技術が記載されている。
特許文献3には、工作物又は切削工具の回転を慣性回転にして切削工具と工作物を相対送りすることで、工作物のびびり振動の発生を防止して工作物の加工を行う技術が記載されている。特許文献4には、工作物に対する切削工具の切込深さを減少させることで、工作物のびびり振動の発生を防止して工作物の加工を行う技術が記載されている。しかし、上述の各技術は、スカイビング加工により工作物に歯車を加工する歯車加工装置(歯車加工方法)に対して適用可能か否かは不明である。
本発明者は、スカイビング加工を行う歯車加工装置(歯車加工方法)において、工作物のびびり振動を抑制して工作物に歯車を加工する技術(特許文献5)を見い出した。すなわち、特許文献5には、工作物主軸(工作物)及び工具主軸(歯切り工具)の回転速度を変動させて同期回転させながら、工作物の回転軸線方向に歯切り工具を工作物に対して相対移動させることにより、工作物のびびり振動を抑制して工作物に歯車を加工する技術が記載されている。
特開2000-237932号公報 特開2009-274179号公報 特開昭63-127801号公報 特許第5929065号公報 特開2018-62056号公報
上述の歯車加工装置では、工作物主軸と工具主軸の回転速度を変動させる際に、工作物主軸と工具主軸の回転位相の同期誤差が発生する場合がある。その場合、加工される歯車の歯の歯すじにうねりが発生し、歯車加工精度が悪化するおそれがある。
本発明は、加工される歯車の歯の歯すじのうねりを抑制できる歯車加工装置及び歯車加工方法を提供することを目的とする。
本発明の歯車加工装置は、工作物と歯切り工具とを同期回転させながら、前記工作物の回転軸線方向に前記歯切り工具を前記工作物に対して相対移動させることにより、前記工作物に歯車の歯を加工する歯車加工装置であって、前記工作物を回転可能に支持する工作物主軸と、前記歯切り工具が装着される回転可能な工具主軸と、前記工作物主軸の回転速度を周期的に変動させる工作物主軸回転速度制御部と、前記工具主軸の回転速度を周期的に変動させる工具主軸回転速度制御部と、前記工作物を含む第一回転体の第一慣性モーメントと前記歯切り工具を含む第二回転体の第二慣性モーメントとに基づいて、前記工作物主軸及び前記工具主軸の少なくとも一方における回転速度の補正量を算出する回転速度補正量算出部と、を備え、前記回転速度の前記補正量は、前記回転速度の周期的な変動における振幅補正量と、前記第一回転体及び前記第二回転体の少なくとも一方における加減速に起因するオフセット時間補正量と、回転速度制御周期より短い時間の装置固有のオフセット時間補正量と、を含む
本発明の歯車加工方法は、工作物を回転可能に支持する工作物主軸と歯切り工具が装着される回転可能な工具主軸とを同期回転させながら、前記工作物の回転軸線方向に前記歯切り工具を前記工作物に対して相対移動させることにより、前記工作物に歯車の歯を加工する歯車加工方法であって、前記工作物主軸及び前記工具主軸の回転速度を周期的に変動させる回転速度変動工程と、前記工作物を含む第一回転体の第一慣性モーメントと前記歯切り工具を含む第二回転体の第二慣性モーメントとに基づいて、前記工作物主軸及び前記工具主軸の少なくとも一方における回転速度の補正量を算出する回転速度補正量算出工程と、を備え、前記回転速度の前記補正量は、前記回転速度の周期的な変動における振幅補正量と、前記第一回転体及び前記第二回転体の少なくとも一方における加減速に起因するオフセット時間補正量と、回転速度制御周期より短い時間の装置固有のオフセット時間補正量と、を含む
本発明の歯車加工装置及び歯車加工方法によれば、第一回転体の第一慣性モーメントと第二回転体の第二慣性モーメントに基づいて、工作物主軸又は工具主軸の回転速度を補正しているので、加工される歯車の歯の歯すじのうねりを抑制でき、歯車加工において加工する歯車の加工精度を高めることができる。そして、工作物主軸又は工具主軸の回転速度を変動させているので、工作物に発生するびびり振動の増幅が抑制される。その結果、工作物に対する歯切り工具の切込量を大きく設定することができる。よって、工作物に形成された加工面の面性状の向上と加工能率の向上との両立を図れる。
本発明の実施形態における歯車加工装置の斜視図である。 第一実施形態においてスカイビング加工を行う際の歯切り工具を拡大した一部断面図である。 歯車加工装置の制御装置のブロック図である。 制御装置により実行される歯車加工処理のフローチャートである。 スカイビング加工を行う際の歯切り工具と工作物との動作を示す図である。 制御装置で制御される工作物主軸の回転速度を正弦波で変動させるときのグラフである。 制御装置で制御される工具主軸の回転速度を工作物主軸の回転速度と同期させるときのグラフである。 工作物主軸と工具主軸の回転位相の同期誤差の変動を示すグラフである。 歯車の歯の歯すじに発生するうねりと歯すじ誤差を示す図である。 工作物主軸の回転速度の第一、第二、第三の補正量を説明するためのグラフである。 第一、第二の補正量で補正後の工作物主軸と工具主軸の回転位相の同期誤差の変動を示すグラフである。 第一、第二の補正量で補正後の歯車の歯の歯すじに発生するうねりと歯すじ誤差を示す図である。 第一、第二、第三の補正量で補正後の工作物主軸と工具主軸の回転位相の同期誤差の変動を示すグラフである。 第一、第二、第三の補正量で補正後の歯車の歯の歯すじに発生するうねりと歯すじ誤差を示す図である。 工具主軸を回転させるときの工具主軸回転速度の安定判別を説明するための図である。 第二実施形態においてホブ加工を行う際の歯切り工具と工作物との動作を示す図である。 歯切り工具及び工作物の回転速度の別例の変動を示すグラフである。
<1.第一実施形態>
(1-1.歯車加工装置の概略構成)
本発明に係る第一実施形態の歯車加工装置の概略構成について図1を参照して説明する。図1に示すように、歯車加工装置1は、相互に直交する3つの直進軸(X軸、Y軸及びZ軸)と2つの回転軸(A軸及びC軸)を駆動軸として有するマシニングセンタである。歯車加工装置1は、ベッド10と、コラム20と、サドル30と、工具主軸40と、テーブル50と、チルトテーブル60と、工作物主軸70と、制御装置100と、を主に備える。
ベッド10は、床上に配置される。このベッド10の上面には、コラム20が設けられる。コラム20は、ベッド10内に収容されるX軸モータ21及びX軸モータ21に連結されるボールねじ22により、X軸線方向(水平方向)へ移動可能に設けられる。さらに、コラム20の側面には、サドル30が設けられる。
サドル30は、コラム20内に収容されるY軸モータ11(図3参照)及びY軸モータ11に連結されるボールねじ(図示省略)によりY軸線方向(鉛直方向)に移動可能に設けられる。工具主軸40は、サドル30内に収容されるエンコーダ(図示省略)を有する工具主軸用モータ41(図3参照)によりZ軸線回りに回転可能に設けられる。工具主軸40の先端には、歯切り工具42(スカイビングカッタ)が装着され、歯切り工具42は、工具主軸40の回転に伴って回転する。
ここで、図2を参照しながら、歯切り工具42について説明する。図2に示すように、歯切り工具42は、外周面に複数の切れ刃42aを備えるスカイビングカッタであり、各々の切れ刃42aの端面は、すくい角γを有するすくい面を構成する。各々の切れ刃42aのすくい面は、歯切り工具42の中心軸線を中心としたテーパ状としてもよく、切れ刃42aごとに異なる方向を向く面状に形成してもよい。
図1に示すように、ベッド10の上面には、テーブル50が設けられる。テーブル50は、ベッド10内に収容されるZ軸モータ12(図3参照)及びZ軸モータ12に連結されるボールねじ(図示省略)によりZ軸線方向(水平方向)に移動可能に設けられる。テーブル50の上面には、チルトテーブル60を支持するチルトテーブル支持部61が設けられる。そして、チルトテーブル支持部61には、チルトテーブル60がA軸線(X軸線と平行)回りに揺動可能に設けられる。
チルトテーブル60の底面には、工作物主軸70及びエンコーダ(図示省略)を有する工作物主軸用モータ71が設けられる。工作物主軸70は、工作物主軸用モータ71によりA軸線に直交するC軸線回りに回転可能に設けられる。工作物主軸70の先端には、工作物Wが保持され、工作物Wは、工作物主軸70の回転に伴って回転する。
(1-2.制御装置の構成)
制御装置100は、スカイビング加工により工作物Wに歯車を加工する。具体的には、図5に示すように、制御装置100は、チルトテーブル60をA軸線回りに揺動させることにより、工作物Wの回転軸線Cを、歯切り工具42の回転軸線Oに対して傾斜させる。この工作物Wの回転軸線Cに対する歯切り工具42の回転軸線Oの傾斜角度を交差角δと称す。
そして、制御装置100は、工具主軸40(歯切り工具42)の回転速度St、工作物主軸70(工作物W)の回転速度Swを制御する。さらに、歯切り工具42の工作物Wに対する工作物Wの回転軸線(中心軸線C)方向への送り速度、すなわち本例ではZ軸線方向のテーブル50(工作物W)の送り速度Vz(以下単に、Z軸送り速度Vzという)及びY軸線方向のサドル30(歯切り工具42)の送り速度Vy(以下単に、Y軸送り速度Vyという)を合成した送り速度Vz+y(以下単に、送り速度Vz+yという)を制御する。
また、切削速度St-wは、歯車加工に要する加工時間(サイクルタイム)、歯切り工具42の諸元、工作物Wの材質、及び工作物Wに形成する歯車のねじれ角等に基づいて設定される。すなわち、切削速度St-wは、歯車加工を行う際の加工能率及び歯切り工具42の工具寿命等を勘案し、最適な速度に設定される。スカイビング加工においては、切削速度St-wを速くするほど、加工能率が向上する一方、面性状等の品質が低下する傾向がある。
ここで、図6A及び図6Bに示すように、工作物主軸70の回転速度Sw(平均工作物主軸回転速度Swa)及び工具主軸40の回転速度St(平均工作物主軸回転速度Sta)を正弦波で変動させる制御を行うことで、歯切り工具42が工作物Wに接触する周期が不規則となる。このため、工作物主軸70及び工具主軸40の回転速度Sw,Stが変動せずに一定である場合と比べて、工作物Wに発生するびびり振動の増幅が抑制される。その結果、工作物Wに対する歯切り工具42の切込量を大きく設定することができる。よって、工作物Wに形成された加工面の面性状の向上と加工能率の向上との両立を図れる。
しかし、工作物Wを含む第一回転体(工作物W及び工作物主軸70の回転部分)の質量と歯切り工具42を含む第二回転体(歯切り工具42及び工具主軸40の回転部分)の質量とは、同一ではない。そのため、工作物主軸70の回転速度Sw及び工具主軸40の回転速度Stが変動したとき、第一回転体の第一慣性モーメントと第二回転体の第二慣性モーメントとが異なる。そして、第一、第二回転体の第一、第二慣性モーメントの相違に起因して、図7に示すように、工作物主軸70と工具主軸40の回転位相の同期誤差Δθが発生する。この回転位相の同期誤差Δθは次式(1)で表される。なお、式中のθwは、工作物主軸回転位相、θtは、工具主軸回転位相、Ztは、歯切り工具42の工具刃数、Zwは、工作物Wに加工する歯車の歯数である。その結果、図8に示すように、加工される歯車の歯Gの歯すじGzに歯すじ誤差εのうねりが発生し、歯車加工精度が悪化するおそれがあった。そこで、制御装置100は、第一回転体の第一慣性モーメントと第二回転体の第二慣性モーメントに基づいて、工作物主軸70における回転速度Swの補正量を算出するようにしている。
Figure 0007439411000001
この制御装置100の具体的構成について説明する。図3に示すように、制御装置100は、工作物主軸回転速度制御部110と、工具主軸回転速度制御部120と、送り速度制御部130と、回転速度補正量算出部140を備える。
工具主軸回転速度制御部120は、工具主軸用モータ41を駆動制御し、工具主軸40の回転速度Stを変動させる。工具主軸40の回転速度Stは、次式(2)で表される。なお、式中のStaは、工具主軸40の平均回転速度(平均工具主軸回転速度)、Atは、工具主軸40の変動振幅、fhは、回転変動の変動周波数、tは、時間である。
Figure 0007439411000002
工作物主軸回転速度制御部110は、工作物主軸用モータ71を駆動制御し、工具主軸40の回転速度Stに同期させて工作物主軸70の回転速度Swを変動させる。工作物主軸70の回転速度Swは、次式(3)で表される。なお、式中のSwaは、工作物主軸70の平均回転速度(平均工作物主軸回転速度)である。
Figure 0007439411000003
送り速度制御部130は、Y軸モータ11及びZ軸モータ12を駆動制御し、歯切り工具42の工作物Wに対する工作物Wの回転軸線(中心軸線C)方向への送り速度を制御し、歯切り工具42と工作物Wとの相対距離を調整する。
回転速度補正量算出部140は、工作物Wを含む第一回転体の第一慣性モーメントと歯切り工具42を含む第二回転体の第二慣性モーメントに基づいて、工作物主軸70の回転速度Swの補正量を算出する。つまり、回転速度補正量算出部140は、工作物主軸70の回転速度Swの補正量に含まれる第一の補正量として、先ず、図9に示すように、工作物主軸70の回転速度Swの図示破線で示す周期的な変動における振幅を微調整するための振幅補正量ΔAw-tを算出する。この補正を行うことで、工作物主軸70の回転速度Swは、図示一点鎖線で示す周期的な変動になる。
具体的には、回転速度補正量算出部140は、回転速度補正量算出部140に予め記憶されている第一回転体の第一慣性モーメントと第二回転体の第二慣性モーメントとの差Iw-t、工具主軸40の回転速度Stの変動振幅At及び変動周波数fhに基づいて、次式(4)で表される工作物主軸70の変動振幅の振幅補正量ΔAw-tを求める。なお、式中のCwtは、歯切り工具42基準の工作物Wに関する定数であり、回転速度補正量算出部140に予め記憶されている。また、同様な変数を三角関数に用いた式にて振幅補正量ΔAw-tを求めることもできる。
Figure 0007439411000004
さらに、回転速度補正量算出部140は、工作物主軸70の回転速度Swの補正量に含まれる第二の補正量として、図9に示すように、第一回転体における加減速タイミングの微小な時間ずれ、つまり、第一回転体における加減速に起因するオフセット時間補正量Pwを算出する。この補正を行うことで、工作物主軸70の回転速度Swは、図示二点鎖線で示す周期的な変動になる。
具体的には、回転速度補正量算出部140は、回転速度補正量算出部140に予め記憶されている第一回転体の第一慣性モーメントと第二回転体の第二慣性モーメントとの差Iw-t、工具主軸40の回転速度Stの変動周波数fhに基づいて、次式(5)で表される第一回転体における加減速に起因するオフセット時間補正量Pwを求める。なお、式中のCwは、第二回転体基準の第一回転体に関する定数であり、回転速度補正量算出部140に予め記憶されている。また、同様な変数を三角関数に用いた式にてオフセット時間補正量Pwを求めることもできる。
Figure 0007439411000005
ここで、上述の工作物主軸70の変動振幅の振幅補正量ΔAw-t及び第一回転体における加減速に起因するオフセット時間補正量Pwで工作物主軸70の変動振幅を補正すると、図10に示すように、工作物主軸70と工具主軸40の回転位相の同期誤差Δθは、図7に示す補正前の回転位相の同期誤差Δθよりも改善される。しかし、図11に示すように、歯車の歯Gの歯すじGzに歯すじ誤差εcのうねりは、図8に示す補正前の歯すじ誤差εのうねりより多少改善される程度(εc<ε)で、歯すじ誤差のうねりの許容範囲内に入っていない。
そこで、さらに、回転速度補正量算出部140は、工作物主軸70の回転速度Swの補正量に含まれる第三の補正量として、図9に示すように、第一回転体における時間的な極僅かな誤差、つまり、第一回転体における回転速度制御周期より短い時間の装置固有のオフセット時間補正量ΔPwを算出する。
この装置固有のオフセット時間補正量は、例えばエンコーダの測定タイミングのずれを補正するものであり、工具主軸回転速度制御部120及び工作物主軸回転制御部110の制御周期によるが、一般的に制御指令は、回転速度制御部同等の時間補正はできない。このため、回転速度指令値の回転位相値に時間補正相当の補正を行うようにする。この補正を行うことで、工作物主軸70の回転速度Swは、図示実線で示す周期的な変動になる。
具体的には、回転速度補正量算出部140は、回転速度補正量算出部140に予め記憶されている工作物主軸70の極僅かな時間ずれΔTw及び工具主軸40の回転速度Stの変動周波数fhに基づいて、次式(6)で表される第一回転体における回転速度制御周期より短い時間の装置固有のオフセット時間補正量ΔPwを求める。
Figure 0007439411000006
上述の第一回転体における回転速度制御周期より短い時間の装置固有のオフセット時間補正量ΔPwで工作物主軸70の変動振幅を補正すると、図12に示すように、工作物主軸70と工具主軸40の回転位相の同期誤差Δθは、図10に示す振幅補正量ΔAw-t及びオフセット時間補正量Pwで補正したときの回転位相の同期誤差Δθと比較して僅かに大きくなるが、図13に示すように、歯車の歯Gの歯すじGzに歯すじ誤差εccのうねりは、図11に示す振幅補正量ΔAw-t及びオフセット時間補正量Pwで補正したときの歯すじ誤差εcのうねりよりも小さくなって(εcc<εc)、許容範囲内に入るようになる。
上述の歯車加工装置1によれば、第一回転体の第一慣性モーメントと第二回転体の第二慣性モーメントに基づいて、工作物主軸70の回転速度Swを補正しているので、加工される歯車の歯Gの歯すじGzのうねりを抑制でき、歯車加工において加工する歯車の加工精度を高めることができる。そして、工作物主軸回転速度Swを変動させているので、工作物Wに発生するびびり振動の増幅が抑制される。その結果、工作物Wに対する歯切り工具42の切込量を大きく設定することができる。よって、工作物Wに形成された加工面の面性状の向上と加工能率の向上との両立を図れる。
(1-3.制御装置による歯車加工処理)
次に、制御装置100により実行される歯車加工処理(歯車加工方法)について図を参照して説明する。なお、歯車加工処理を実行するにあたり、工作物主軸70には、工作物Wが保持され、工具主軸40には、歯切り工具42が装着されているものとする。また、工作物Wの回転軸線Cに対する歯切り工具42の回転軸線Oの傾斜角度は、交差角δに設定され、歯切り工具42は、工作物Wの加工開始位置に位置決めされているものとする。
工具主軸回転速度制御部120は、工具主軸40の回転速度Stを正弦波で変動させて工具主軸40を空転させる(図4AステップS1、回転速度変動工程)。そして、工具主軸40の回転速度Stが、安定しているか否か判別する(図4のステップS2)。この処理は、図14に示すように、工具主軸40の平均工具主軸回転速度Staが、目標中心速度の±20%内に入っている場合に安定と判別する。
工具主軸回転速度制御部120は、工具主軸40の回転速度Stが安定したら、工作物主軸回転速度制御部110に同期回転指令を入力する。工作物主軸回転速度制御部110は、工具主軸回転速度制御部120により設定された工具主軸40の回転速度Stに同期するように、工作物主軸70の回転速度Swを設定して工作物主軸70を空転させる(図4のステップS3、回転速度変動工程)。
そして、回転速度補正量算出部140は、工作物主軸70の回転速度補正量を算出する(図4のステップS4、補正量算出工程)。そして、工作物主軸回転速度制御部110は、工作物主軸70の回転速度Swを次式(7)に示すように工作物主軸70の回転速度補正量で補正する(図4のステップS5)。送り速度制御部130は、Z軸送り速度Vz及びY軸送り速度Vyを制御する(図4のステップS6)。
Figure 0007439411000007
以上の処理により、歯切り工具42は、工作物Wに噛合しながら、工作物Wに連続的な歯車加工を行い、工作物Wに歯面形状を加工する(図4のステップS7)。そして、一の工作物Wの歯車加工が完了したか否かを判断し(図4のステップS8)、一の工作物Wの歯車加工が完了したら、次の工作物Wの歯車加工の有無を確認する(図4のステップS9)。そして、次の工作物Wの歯車加工が有るときは、ステップS7に戻って上述の処理を繰り返し、次の工作物Wの歯車加工が無いときは、全ての処理を終了する。
<2.第二実施形態>
次に、図15を参照して、第二実施形態について説明する。第一実施形態において、歯切り工具42がスカイビングカッタであり、歯車加工装置1は、スカイビング加工による歯車加工を行う場合について説明した。これに対し、第二実施形態では、歯切り工具242がホブカッタであり、歯車加工装置1が、ホブ加工による歯車加工を行う場合を説明する。なお、上記した第一実施形態と同一の部品には同一の符号を付し、その説明を省略する。
歯車加工装置1は、歯切り工具242の回転軸線Oと工作物Wの回転軸線であるC軸とが交差するように、歯切り工具242及び工作物Wを配置する。なお、図16には、歯切り工具242の回転軸線Oと工作物Wの回転軸線であるC軸とが直交するように、歯切り工具242及び工作物Wが配置されている。そして、歯車加工装置1は、歯車加工時において、工作物W及び歯切り工具242をそれぞれ回転させながら、歯切り工具242を工作物Wの中心軸線であるZ軸方向へ送る(相対移動させる)ことにより、工作物Wに歯車を加工する。
この歯車加工においても、第一回転体の第一慣性モーメントと第二回転体の第二慣性モーメントに基づいて、工作物主軸70の回転速度Swを補正できるので、加工される歯車の歯Gの歯すじGzのうねりを抑制でき、歯車加工において加工する歯車の加工精度を高めることができる。そして、工作物主軸回転速度Swを変動させるので、工作物Wに発生するびびり振動の増幅が抑制される。その結果、工作物Wに対する歯切り工具242の切込量を大きく設定することができる。よって、工作物Wに形成された加工面の面性状の向上と加工能率の向上との両立を図れる。
<3.その他>
上記各実施形態では、工作物主軸70の回転速度Swを正弦波で変動させる場合について説明したが、図16に示すように、工作物主軸70の回転速度Swを三角波で変動させてもよい。同様に、工作物主軸70の回転速度Swを放物線が波状に変化するように変動させてもよい。
また、上記各実施形態では、工作物主軸70の回転速度補正量を算出する構成としたが、工具主軸40の回転速度補正量を算出する構成としてもよい。また、工作物主軸70及び工具主軸40の両方の回転速度補正量を算出する構成としてもよい。この場合、工作物主軸70の回転速度補正量と工具主軸40の回転速度補正量を、50%対50%の比率で求め、あるいは、工作物Wに加工する歯車の歯数と歯切り工具42の刃数の比率で求める。
また、上記各実施形態では、歯車加工装置1は、コラム20がX軸線方向へ移動可能な構成を説明したが、コラム20の代わりにテーブル50がX軸線方向へ移動可能に構成されてもよい。また、テーブル50がZ軸線方向へ移動可能な構成を説明したが、テーブル50の代わりにコラム20がZ軸線方向へ移動可能に構成されていてもよい。また、歯車加工装置1として横型のマシニングセンタについて説明したが、縦型のマシニングセンタにも本発明は適用可能である。また、工作機械全般に本発明を適用可能である。
1:歯車加工装置、 40:工具主軸、 41:工具主軸用モータ、 42:歯切り工具、 70:工作物主軸、 71:工作物主軸用モータ、 100:制御装置、 110:工作物主軸回転速度制御部、 120:工具主軸回転速度制御部、 130:送り速度制御部、 140:回転速度補正量算出部、 W:工作物

Claims (6)

  1. 工作物と歯切り工具とを同期回転させながら、前記工作物の回転軸線方向に前記歯切り工具を前記工作物に対して相対移動させることにより、前記工作物に歯車の歯を加工する歯車加工装置であって、
    前記工作物を回転可能に支持する工作物主軸と、
    前記歯切り工具が装着される回転可能な工具主軸と、
    前記工作物主軸の回転速度を周期的に変動させる工作物主軸回転速度制御部と、
    前記工具主軸の回転速度を周期的に変動させる工具主軸回転速度制御部と、
    前記工作物を含む第一回転体の第一慣性モーメントと前記歯切り工具を含む第二回転体の第二慣性モーメントとに基づいて、前記工作物主軸及び前記工具主軸の少なくとも一方における回転速度の補正量を算出する補正量算出部と、をえ、
    前記回転速度の前記補正量は、前記回転速度の周期的な変動における振幅補正量と、前記第一回転体及び前記第二回転体の少なくとも一方における加減速に起因するオフセット時間補正量と、回転速度制御周期より短い時間の装置固有のオフセット時間補正量と、を含む、
    歯車加工装置。
  2. 前記補正量算出部は、前記第一慣性モーメントと前記第二慣性モーメントとに基づいて、前記振幅補正量及び前記加減速に起因するオフセット時間補正量を算出し、さらに、前記装置固有のオフセット時間補正量を算出する、請求項1に記載の歯車加工装置。
  3. 前記補正量算出部は、前記第一慣性モーメントと前記第二慣性モーメントとの差に基づいて、前記振幅補正量及び前記加減速に起因するオフセット時間補正量を算出する、請求項1又は2に記載の歯車加工装置。
  4. 前記補正量算出部は、前記回転速度の変動周波数に基づいて、前記振幅補正量、前記加減速に起因するオフセット時間補正量、前記装置固有のオフセット時間補正量を算出する、請求項1-3の何れか1項に記載の歯車加工装置。
  5. 前記歯切り工具は、スカイビングカッタであり、
    前記歯車加工装置は、前記工作物の回転軸線を前記歯切り工具の回転軸線に対して傾斜させた状態で、前記歯切り工具を前記工作物に対して前記工作物の回転軸線方向に相対移動させることにより、前記工作物に歯車のスカイビング加工を行う、請求項1-4の何れか一項に記載の歯車加工装置。
  6. 工作物を回転可能に支持する工作物主軸と歯切り工具が装着される回転可能な工具主軸とを同期回転させながら、前記工作物の回転軸線方向に前記歯切り工具を前記工作物に対して相対移動させることにより、前記工作物に歯車の歯を加工する歯車加工方法であって、
    前記工作物主軸及び前記工具主軸の回転速度を周期的に変動させる回転速度変動工程と、
    前記工作物を含む第一回転体の第一慣性モーメントと前記歯切り工具を含む第二回転体の第二慣性モーメントとに基づいて、前記工作物主軸及び前記工具主軸の少なくとも一方における回転速度の補正量を算出する補正量算出工程と、をえ、
    前記回転速度の前記補正量は、前記回転速度の周期的な変動における振幅補正量と、前記第一回転体及び前記第二回転体の少なくとも一方における加減速に起因するオフセット時間補正量と、回転速度制御周期より短い時間の装置固有のオフセット時間補正量と、を含む、
    歯車加工方法。
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