JP7437857B2 - 液体霧化装置及び液体霧化装置用の気泡発生装置 - Google Patents

液体霧化装置及び液体霧化装置用の気泡発生装置 Download PDF

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Description

本発明は、水などの液体を霧化して放出する液体霧化装置、及び液体霧化装置用の気泡発生装置に関する。
加湿器などの空調装置、美顔器やサウナなどの美容健康促進装置、農薬散布具など薬剤の散布装置、薬液吸入器などの医療装置、ミスト状の塗料を塗布するコーティング装置,半導体ウェハなどの洗浄装置など、液体を霧化して用いる装置が多数用いられている。
液体を霧化する手法としては、例えば、ノズルから加圧した液体を噴射させて霧化する手法や、回転体を用いて、この回転体に接した水などの液体を遠心力で飛散させる手法(特許文献1参照)、超音波振動子によって液中にキャビテーションを生じさせて液体を霧化する手法などが知られている。
特許第5032389号公報
しかしながら、特許文献1に記載の手法では、回転体を回転させる機構などを要し装置が複雑にならざるを得ない。また、超音波振動子を用いた手法も、超音波振動子を駆動する電気回路などを要する。ノズルを用いる場合には、霧化した液滴のミスト径にばらつきが生じ易い。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、簡単な構成で、連続して液体のミストが得られる液体霧化装置、及びこれに用いる気泡発生装置を提供する。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、液体を貯留する液体貯留部と、三次元網目状に連結した微細気孔を有する多孔質体からなる気泡発生部材であって、表面の一部が気体を上記微細気孔内に圧入する気体圧入面であり、上記表面の他の一部が、上記液体貯留部に貯留された上記液体に接して、上記液体中に上記気体からなる気泡を放出する気泡放出面である、気泡発生部材と、上記気体を上記気体圧入面に供給する気体供給部と、を備え、上記液体中に放出された上記気泡の破泡によって、上記液体のミストを生成させる液体霧化装置であって、 前記気泡発生部材は、平均細孔径が0.5~4μmの前記多孔質体からなり、前記気体供給部は、上記気泡発生部材の臨界圧力Pc以上で、かつ、P≧1.60・Pc-6.75[kPa]の圧力範囲内の印加ガス圧Pを有する前記気体を前記気体圧入面に供給する液体霧化装置である。
第2の態様は、液体を貯留する液体貯留部と、三次元網目状に連結した微細気孔を有する多孔質体からなる気泡発生部材であって、表面の一部が気体を上記微細気孔内に圧入する気体圧入面であり、上記表面の他の一部が、上記液体貯留部に貯留された上記液体に接して、上記液体中に上記気体からなる気泡を放出する気泡放出面である、気泡発生部材と、上記気体を上記気体圧入面に供給する気体供給部と、を備え、上記液体中に放出された上記気泡の破泡によって、上記液体のミストを生成させる液体霧化装置であって、前記気泡発生部材は、平均細孔径ADが0.5~11μmの前記多孔質体からなり、前記気体供給部は、上記気泡発生部材の臨界圧力Pc以上で、かつ、P=391・AD -1 -0.2[kPa]~811・AD -1 +46[kPa]の圧力範囲内の印加ガス圧Pを有する前記気体を前記気体圧入面に供給する液体霧化装置である。
第3の態様は、液体を貯留する液体貯留部と、三次元網目状に連結した微細気孔を有する多孔質体からなる気泡発生部材であって、表面の一部が気体を上記微細気孔内に圧入する気体圧入面であり、上記表面の他の一部が、上記液体貯留部に貯留された上記液体に接して、上記液体中に上記気体からなる気泡を放出する気泡放出面である、気泡発生部材と、上記気体を上記気体圧入面に供給する気体供給部と、を備え、上記液体中に放出された上記気泡の破泡によって、上記液体のミストを生成させる液体霧化装置であって、前記気泡発生部材は、平均細孔径ADが0.5~2.0μmの前記多孔質体からなり、前記気体供給部は、上記気泡発生部材の臨界圧力Pc以上で、かつ、P=390・AD -1 -114[kPa]~944・AD -1 +99[kPa]の圧力範囲内の印加ガス圧Pを有する前記気体を前記気体圧入面に供給する液体霧化装置である。
本発明の液体霧化装置は、気泡発生部材の気泡放出面から液中に放出した気泡が液面で破泡する際に、液体のミストを発生することを利用した液体霧化装置である。この液体霧化装置では、微細気孔を有する多孔質体からなる気泡発生部材を用いるので、気泡放出面から液中に放出される気泡が、微細かつ気泡径が揃った気泡となる。このため、破泡によって生成されるミストを、微細で大きさの揃ったミストとすることができ、しかも連続してミストを得ることができる。
しかも第1の態様の液体霧化装置用では、気泡発生部材は平均細孔径が0.5~4μmの微細な細孔を有する多孔質体であり、気体供給部は臨界圧力Pc以上で、かつ、P≧1.60・Pc-6.75[kPa]の圧力範囲の印加ガス圧Pの気体を供給する。このため、気泡放出面から微細な気泡を放出させることができる。このため、微細な気泡が破泡することにより、微細なミストを生成することができる。具体的に、液体が水であり気体が空気である場合には、φ1.0μm以下のミスト(以下、「ナノミスト」という)を含むミストが得られる。
なお、気体供給部で供給する気体の印加ガス圧Pは、P≦1000kPa(=1MPa)とすると良い。印加ガス圧Pが1000kPa(=1MPa)以下の気体を用いる場合には 高圧ガス保安法などの規制を受けず、取り扱いが容易である。
ここで、臨界圧力Pcとは、多孔質体からなる気泡発生部材において、微細気孔内に染み込んだ液体を、圧入した気体の圧力で押し出すことができる最低の圧力(気圧)を指す。臨界圧力Pcは、Pc=4γcosθ/ADで与えられる。ここで、γは液体の表面張力、θは液体の接触角、ADは気泡発生部材をなす多孔質体の平均細孔径である。
また第2の態様の液体霧化装置では、気泡発生部材は、平均細孔径ADが0.5~11μmの、より小さな微細気孔を有する多孔質体からなる。このため、液体として水を、気体として空気(大気)を用い、平均細孔径ADの大きさに応じた、気泡発生部材の臨界圧力Pc以上で、かつ、P=391・AD -1 -0.2[kPa]~811・AD -1 +46[kPa]の圧力範囲内で、平均体積ミスト径D50が2.0μm以下の微細なミストを多く含むミストを効率よく生成することができる。
或いは第3の態様では、気泡発生部材は、平均細孔径ADが0.5~2.0μmの、さらに小さな微細気孔を有する多孔質体からなる。このため、液体として水を、気体として空気(大気)を用いた場合、平均細孔径ADの大きさに応じた、気泡発生部材の臨界圧力Pc以上で、かつ、P=390/AD -1 -114[kPa]~944・AD -1 +99[kPa]の圧力範囲内で、平均体積ミスト径D50が1.0μm以下の、過半のミストが「ナノミスト」である微細な水のミストを効率よく生成することができる。
なお、気泡発生部材をなす多孔質体の材質としては、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ムライト、シリカなどの酸化物セラミックスや、窒化ケイ素などの窒化物セラミックス、炭化ケイ素などの炭化物セラミックスなどからなる多孔質セラミック、多孔質ガラスが挙げられる。また、ステンレス、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、アルミニウムなどからなる多孔質金属、PTFEなどのフッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレートなどの樹脂からなる多孔質樹脂も挙げられる。
気泡発生部材は、その表面のうち、一部が気体圧入面であり、他の一部が気泡放出面である。この気泡発生部材の形態としては、例えば、板状(平板状、凹板状、凸板状、半球殻状、球殻状)の気泡発生部材の表面のうち、一方の主面の主面の全部または一部を気体圧入面とし、この一方の主面(気体圧入面)と厚み方向に対向する他方の主面の全部または一部を気泡放出面とする形態が挙げられる。また、筒状(角筒状、円筒状)や、一方の端部が多孔質体あるいは緻密質の部材で閉じられた有底筒状(有底角筒状、有底円筒状)の形態の気泡発生部材も挙げられる。このような筒状、有底筒状の気泡発生部材では、例えば、内表面の主面の全部または一部を気体圧入面とし、外表面の全部または一部を気泡放出面とすると良い。また、逆に、外表面の主面の全部または一部を気体圧入面とし、内表面の全部または一部を気泡放出面としても良い。
また、気泡発生部材の気泡放出面に接する液体を貯留する液体貯留部としては、例えば、気泡発生部材とは別体とした、液体を貯留する液体容器であって、気泡発生部材の一部または全部が液中に没入して、気泡発生部材の気泡放出面に液体が接する大きさや形態とした液体容器が挙げられる。また、気泡発生部材の気泡放出面が、貯留した液体に接する接液面の一部または全部をなす液体容器も挙げられる。即ち、気泡発生部材に凹部を形成し、この凹部を液体貯留部とするなど、液体貯留部を気泡発生部材で構成しても、あるいは気泡発生部材をその一部として液体貯留部を構成してもよい。
液体霧化装置で霧化させる液体としては、例えば、水(飲料水、水道水、蒸留水、イオン交換水、純水など)のほか、メタノール、エタノール、IPAなどのアルコールが挙げられる。また、塩酸、酢酸などの酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム(重曹)、アンモニアなどのアルカリ、香料、各種の水溶成分を含む水溶液、各種の培養液なども挙げられる。また、トルエン、キシレンなどの有機溶媒や、ガソリン、灯油などの油類なども挙げられる。
気体圧入面から気泡発生部材に圧入する気体としては、例えば、空気、水素、窒素、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、メタン、プロパン、窒素と酸素の混合ガスなど各種の気体が挙げられる。
上述の液体霧化装置であって、前記液体貯留部は、前記液体を貯留する液体容器であり、上記液体霧化装置は、少なくとも一部が、前記気泡発生部材で構成され、上記液体容器内に配置されて、貯留された上記液体中に前記気泡を発生させる容器内配置部を備える液体霧化装置とすると良い。
この液体霧化装置では、液体容器(液体貯留部)内に容器内配置部を配置しているので、気体供給部から気体を供給することで、液体容器内で、容易に、液体のミストを得ることができる。
さらに上述の液体霧化装置であって、前記容器内配置部は、筒状で、内周面が前記気体圧入面であり、外周面が前記気泡放出面である前記気泡発生部材を含む液体霧化装置とすると良い。
この液体霧化装置では、液体容器(液体貯留部)内に、筒状の気泡発生部材を含む容器内配置部を配置しているので、比較的小さな体積でありながら広い気泡放出面を確保することができる。このため、コンパクトでありながら、気体供給部から気体を供給することで、気泡発生部材の外周面(気泡放出面)から多くの気泡を発生させ、気泡の破泡によって、多くの液体のミストを得ることができる。
あるいは前々項に記載の液体霧化装置であって、前記容器内配置部は、上面の少なくとも一部が板状の前記気泡発生部材で構成された箱状で、上記気泡発生部材の外側面が前記気泡放出面であり、内側面が前記気体圧入面である液体霧化装置とすると良い。
この液体霧化装置では、液体容器(液体貯留部)内に、上面の少なくとも一部が板状の気泡発生部材で構成された箱状の気泡発生部を配置している。このため、気体供給部から気体を供給することで、筒状の気泡発生部材などを用いた場合とは異なり、気泡発生部材から放出した気泡が回り込みなどを生じないでそのまま上方に向けて上昇するので、効率よく、気泡の破泡によって液体のミストを得ることができる。
あるいは当初の三項に記載の液体霧化装置であって、前記液体貯留部は、前記気泡発生部材の前記気泡放出面を、貯留した前記液体が接する接液面の一部または全部としてなる液体霧化装置とすると良い。
この液体霧化装置では、気泡発生部材の気泡放出面が、液体貯留部の接液面の一部または全部となっている。このため、液体霧化装置をコンパクトにできるほか、液体貯留部に貯留した液体中に気泡を放出させて、液面で気泡を破泡させることができるので、効率よくミストを生成できる。
気泡発生部材の気泡放出面を、液体容器の接液面の一部とする形態としては、例えば、液体容器の側面のうち接液面の全部あるいは一部を、気泡発生部材の気泡放出面で構成した液体容器が挙げられる。液体容器の底部の全部または一部を気泡発生部材の気泡放出面で構成した液体容器も挙げられる。
さらに他の課題を解決するための本発明の一態様は、三次元網目状に連結した微細気孔を有する多孔質体からなる気泡発生部材であって、表面の一部が気体を上記微細気孔内に圧入する気体圧入面であり、上記表面の他の一部が、貯留された液体に接して、上記液体中に上記気体からなる気泡を放出する気泡放出面である、気泡発生部材と、上記気体を上記気体圧入面に供給する気体供給部と、を備え、前記気泡発生部材は、平均細孔径が0.5~4μmの前記多孔質体からなり、前記気体供給部は、上記気泡発生部材の臨界圧力Pc以上で、かつ、P≧1.60・Pc-6.75[kPa]の圧力範囲内の印加ガス圧Pを有する前記気体を前記気体圧入面に供給し、上記液体中に放出された上記気泡の破泡によって、上記液体のミストを生成させる液体霧化装置用の気泡発生装置である。
この気泡発生装置の気泡発生部材を、液体容器に貯留した液体中に投入し、気体供給部から気体を供給することで、液体霧化装置とすることができ、容易に、液体のミストを生成することができる。しかも、この液体霧化装置用の気泡発生装置では、気泡発生部材は平均細孔径が0.5~4μmの微細な細孔を有する多孔質体であり、気体供給部は臨界圧力Pc以上で、かつ、P≧1.60・Pc-6.75[kPa]の圧力範囲内の印加ガス圧Pの気体を供給する。このため、気泡放出面から微細な気泡を放出させることができ、これにより、液体が水であり気体が空気である場合には、φ1.0μm以下の「ナノミスト」を含むミストが得られる。
なお、気体供給部で供給する気体の印加ガス圧Pは、P<1MPaとすると良い。印加ガス圧Pが1MPa以下の気体を用いる場合には 高圧ガス保安法などの規制を受けず、取り扱いが容易である。
あるいは、三次元網目状に連結した微細気孔を有する多孔質体からなる気泡発生部材であって、表面の一部が気体を上記微細気孔内に圧入する気体圧入面であり、上記表面の他の一部が、貯留された液体に接して、上記液体中に上記気体からなる気泡を放出する気泡放出面である、気泡発生部材と、上記気体を上記気体圧入面に供給する気体供給部と、を備え、前記気泡発生部材は、平均細孔径ADが0.5~11μmの前記多孔質体からなり、前記気体供給部は、上記気泡発生部材の臨界圧力Pc以上で、かつ、P=391・AD-1-0.2[kPa]~811・AD-1+46[kPa]の圧力範囲内の印加ガス圧Pを有する前記気体を前記気体圧入面に供給し、上記液体中に放出された上記気泡の破泡によって、上記液体のミストを生成させる液体霧化装置とすると良い。
この気泡発生装置の気泡発生部材を、液体容器に貯留した液体中に投入し、気体供給部から気体を供給することで、液体霧化装置とすることができ、容易に、液体のミストを生成することができる。しかも、この液体霧化装置用の気泡発生装置では、気泡発生部材をなす多孔質体として、前述の平均細孔径が0.5~11μmの、より微細な細孔を有する多孔質体を用いている。このため、液体として水を、気体として空気(大気)を用い、平均細孔径ADの大きさに応じた、気泡発生部材の臨界圧力Pc以上で、かつ、印加ガス圧P=391・AD-1-0.2[kPa]~811・AD-1+46[kPa]の圧力範囲内で、平均体積ミスト径D50が2.0μm以下の微細なミストを多く含むミストを効率よく生成することができる。
あるいは、三次元網目状に連結した微細気孔を有する多孔質体からなる気泡発生部材であって、表面の一部が気体を上記微細気孔内に圧入する気体圧入面であり、上記表面の他の一部が、貯留された液体に接して、上記液体中に上記気体からなる気泡を放出する気泡放出面である、気泡発生部材と、上記気体を上記気体圧入面に供給する気体供給部と、を備え、前記気泡発生部材は、平均細孔径ADが0.5~2.0μmの前記多孔質体からなり、前記気体供給部は、上記気泡発生部材の臨界圧力Pc以上で、かつ、P=390・AD-1-114[kPa]~944・AD-1+99[kPa]の圧力範囲内の印加ガス圧Pを有する前記気体を前記気体圧入面に供給し、上記液体中に放出された上記気泡の破泡によって、上記液体のミストを生成させる液体霧化装置とすると良い。
この気泡発生装置の気泡発生部材を、液体容器に貯留した液体中に投入し、気体供給部から気体を供給することで、液体霧化装置とすることができ、容易に、液体のミストを生成することができる。しかも、この液体霧化装置用の気泡発生装置では、気泡発生部材をなす多孔質体として、前述の平均細孔径が0.5~2.0μmの、さらに微細な細孔を有する多孔質体を用いている。このため、液体として水を、気体として空気(大気)を用い、平均細孔径ADの大きさに応じた、気泡発生部材の臨界圧力Pc以上で、かつ、P=390・AD-1-114[kPa]~944・AD-1+99[kPa]の圧力範囲内で、平均体積ミスト径D50が1.0μm以下の、過半のミストが「ナノミスト」である微細なミストを効率よく生成することができる。
実施形態1に係る液体霧化装置の構成を示す説明図である。 実施形態1に係る液体霧化装置にさらにミスト用開口を有する蓋体を設けた構成を示す説明図である。 実施形態1に係る液体霧化装置において、実施例1の平均細孔径AD=37.9μmの多孔質体を用いた場合の、印加ガス圧Pと生成されたミストにおけるφ1μm以下のミストの割合R(1μm)との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る液体霧化装置において、実施例1の平均細孔径AD=37.9μmの多孔質体を用いた場合の、印加ガス圧Pと、生成されたミストの10%体積ミスト径D10〔μm〕、平均体積ミスト径D50〔μm〕、及び90%体積ミスト径D90〔μm〕との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る液体霧化装置において、実施例2の平均細孔径AD=10.4μmの多孔質体を用いた場合の、印加ガス圧Pと生成されたミストにおけるφ1μm以下のミストの割合R(1μm)との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る液体霧化装置において、実施例2の平均細孔径AD=10.4μmの多孔質体を用いた場合の、印加ガス圧Pと、生成されたミストの10%体積ミスト径D10〔μm〕、平均体積ミスト径D50〔μm〕、及び90%体積ミスト径D90〔μm〕との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る液体霧化装置において、実施例3の平均細孔径AD=3.4μmの多孔質体を用いた場合の、印加ガス圧Pと生成されたミストにおけるφ1μm以下のミストの割合R(1μm)との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る液体霧化装置において、実施例3の平均細孔径AD=3.4μmの多孔質体を用いた場合の、印加ガス圧Pと、生成されたミストの10%体積ミスト径D10〔μm〕、平均体積ミスト径D50〔μm〕、及び90%体積ミスト径D90〔μm〕との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る液体霧化装置において、実施例4の平均細孔径AD=2.3μmの多孔質体を用いた場合の、印加ガス圧Pと生成されたミストにおけるφ1μm以下のミストの割合R(1μm)との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る液体霧化装置において、実施例4の平均細孔径AD=2.3μmの多孔質体を用いた場合の、印加ガス圧Pと、生成されたミストの10%体積ミスト径D10〔μm〕、平均体積ミスト径D50〔μm〕、及び90%体積ミスト径D90〔μm〕との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る液体霧化装置において、実施例5の平均細孔径AD=1.7μmの多孔質体を用いた場合の、印加ガス圧Pと生成されたミストにおけるφ1μm以下のミストの割合R(1μm)との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る液体霧化装置において、実施例5の平均細孔径AD=1.7μmの多孔質体を用いた場合の、印加ガス圧Pと、生成されたミストの10%体積ミスト径D10〔μm〕、平均体積ミスト径D50〔μm〕、及び90%体積ミスト径D90〔μm〕との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る液体霧化装置において、実施例6の平均細孔径AD=1.3μmの多孔質体を用いた場合の、印加ガス圧Pと生成されたミストにおけるφ1μm以下のミストの割合R(1μm)との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る液体霧化装置において、実施例6の平均細孔径AD=1.3μmの多孔質体を用いた場合の、印加ガス圧Pと、生成されたミストの10%体積ミスト径D10〔μm〕、平均体積ミスト径D50〔μm〕、及び90%体積ミスト径D90〔μm〕との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る液体霧化装置において、実施例7の平均細孔径AD=0.91μmの多孔質体を用いた場合の、印加ガス圧Pと生成されたミストにおけるφ1μm以下のミストの割合R(1μm)との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る液体霧化装置において、実施例7の平均細孔径AD=0.91μmの多孔質体を用いた場合の、印加ガス圧Pと、生成されたミストの10%体積ミスト径D10〔μm〕、平均体積ミスト径D50〔μm〕、及び90%体積ミスト径D90〔μm〕との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る液体霧化装置において、実施例8の平均細孔径AD=0.77μmの多孔質体を用いた場合の、印加ガス圧Pと生成されたミストにおけるφ1μm以下のミストの割合R(1μm)との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る液体霧化装置において、実施例8の平均細孔径AD=0.77μmの多孔質体を用いた場合の、印加ガス圧Pと、生成されたミストの10%体積ミスト径D10〔μm〕、平均体積ミスト径D50〔μm〕、及び90%体積ミスト径D90〔μm〕との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る液体霧化装置において、実施例9の平均細孔径AD=0.55μmの多孔質体を用いた場合の、印加ガス圧Pと生成されたミストにおけるφ1μm以下のミストの割合R(1μm)との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る液体霧化装置において、実施例9の平均細孔径AD=0.55μmの多孔質体を用いた場合の、印加ガス圧Pと、生成されたミストの10%体積ミスト径D10〔μm〕、平均体積ミスト径D50〔μm〕、及び90%体積ミスト径D90〔μm〕との関係を示すグラフである。 実施形態1(実施例3~9)に係り、臨界圧力Pcと、φ1μm以下のナノミストが発生する最低圧力との関係を示すグラフである。 実施形態1に係り、平均細孔径ADの逆数と、平均体積ミスト径D50≦2μmとなる印加ガス圧Pの上限値及び下限値との関係を示すグラフである。 実施形態1に係り、平均細孔径ADの逆数と、平均体積ミスト径D50≦1μmとなる印加ガス圧Pの上限値及び下限値との関係を示すグラフである。 実施形態1に係り、平均細孔径AD=1.3μmの多孔質体を用いた液体霧化装置において、多孔質体の浸漬深さを変化させた場合の、印加ガス圧Pと生成されたミストにおけるφ1μm以下のミストの割合R(1μm)との関係を示すグラフである。 実施形態1に係り、平均細孔径AD=1.3μmの多孔質体を用いた液体霧化装置において、多孔質体の浸漬深さを変化させた場合の、印加ガス圧Pと、生成されたミストの平均体積ミスト径D50〔μm〕との関係を示すグラフである。 実施形態2に係る液体霧化装置の構成を示す説明図である。 実施形態3に係る液体霧化装置の構成を示す説明図である。
(実施形態1)
第1の実施形態に掛かる液体霧化装置1を、図1~図20を参照して説明する。図1は、本実施形態1に係る液体霧化装置1の構成を模式的に示す説明図である。また、図2は、図1の液体霧化装置1の液体容器30に蓋体50を被せた液体霧化装置1Aである。
本実施形態1の液体霧化装置1は、貯留液体LQS中に気泡BQを放出する発泡部10と、発泡部10に気体ARを供給する気体供給部20と、発泡部10及び気体供給部20とは別体で、貯留液体LQSを貯留する液体容器30(液体貯留部)とを備える。なお、発泡部10及び気体供給部20は、これらで、液体霧化装置用の気泡発生装置40をなしている。また、図2の液体霧化装置1Aの蓋体50には、ミスト用開口51が開口している。
このうち、発泡部10は、円筒状の多孔質体からなる気泡発生部材11と、この気泡発生部材11の両端を図示しないOリングを介してシールしつつ保持する保持部材12とからなる。このうち、気泡発生部材11は、三次元網目状に連結した微細気孔11Pを有するアルミナ系セラミックの多孔質体である。円筒状の気泡発生部材11の表面11sのうち、内周面11s1を気体圧入面11bとする。一方、この気体圧入面11bと径方向に対向する外周面11s2を気泡放出面11aとする。なお後述するように、気泡放出面11aは貯留された貯留液体LQSに接する。この気泡発生部材11は、内径9mm、外径12mm、肉厚1.5mmで、長さ50mm(気泡有効発生長40mm)の寸法を有する。
一方、保持部材12は、一対の第1保持部材12A及び第2保持部材12Bからなる。このうち、第1保持部材12Aは、円筒状の気泡発生部材11の一方側(図1右側)の端部11Fを液密に収容する保持孔12AHを有し、気泡発生部材11と連通する筒形状であり、気体ARを気泡発生部材11内に導入する気体導入部12Iが設けられている。また、第2保持部材12Bは、気泡発生部材11の他方側(図1左側)の端部11Gを液密に収容する保持孔12BHを有し、気泡発生部材11の端部11Gを閉塞している。
本実施形態1では、発泡部10(容器内配置部)は、後述する液体容器30内で、気泡発生部材11が水平方向(図1において左右方向)に延びる形態で、底部30S上に配置される。
気体供給部20は、発泡部10の気体導入部12Iに向けて気体ARを供給するものであり、気体ARを貯留するボンベ21と、ボンベ21から気体ARを配送する気体配管22と、気体ARの流通を開閉するバルブ23と、バルブ23の下流側に位置して発泡部10に供給される気体ARの圧力(印加ガス圧P)を検知する圧力計24を有する。なお、バルブ23は、手動でも良いが、電磁バルブなど電気的に制御可能なバルブを用いても良い。また、本実施形態1では、気体ARとして圧縮空気を用いている。従って、ボンベ21に代えて、コンプレッサ等によって圧縮空気を生成して、気体配管22に送るようにしても良い。
本実施形態1では、液体容器30は、底部30Sが平坦な有底矩形筒状で、貯留液体LQS(液体LQ)を貯留する液体貯留部である。図1に示すように、液体容器30内で底部30S上に発泡部10を配置し、貯留液体LQS中に没入させる。このため、気泡発生部材11の外周面11s2である気泡放出面11aに貯留液体LQSが接して、気泡発生部材11の微細気孔11P内に染み込む。この状態で、気体供給部20のバルブ23を開放して、圧力計24の示す印加ガス圧Pが前述の臨界圧力Pc以上(P≧Pc)である気体ARを発泡部10に供給すると、気泡発生部材11の気体圧入面11bから、気体ARが微細気孔11P内に圧入され、さらに気泡放出面11aから気体ARからなる気泡BQとして放出される。なお、後述する実施例1~9では、気泡発生部材11の浸漬深さF(貯留液体LQSの液面LLから気泡発生部材11までの液体LQの深さ)をいずれもF=3cmとした。また、実施例10,6,11,12では、浸漬深さFを、それぞれF=1,3,9,15cmとした。
なお前述のように、この気泡発生部材11において、微細気孔11P内に染み込んだ液体LQを気体ARの印加ガス圧Pで押し出す臨界圧力Pc(気圧差)は、Pc=4γcosθ/ADで与えられる。ここで、γは液体LQの表面張力、θは液体LQの接触角、ADは多孔質体の平均細孔径である。例えば、本実施形態1のうち後述する実施例6では、平均細孔径AD=1.3μmの気泡発生部材11を用いており、臨界圧力Pc=160kPaであった。本実施形態1では、液体LQとして水(水道水)を用いている。
気泡発生部材(多孔質体)11の平均細孔径ADは、水銀ポロシメーター(マイクロメトリックス製AutoPore IV 9500)を用いた水銀圧入法によって測定した。また、気泡発生部材(多孔質体)11の臨界圧力Pcは、以下の手法で測定した。まず、円筒状の気泡発生部材(多孔質体)11のうち、一方の端部11Gをステンレス製の治具(図示しない)で封止し、他方の端部11Fにはガスを流通(吹き込み)可能とする吹き込み孔付きのステンレス製治具(図示しない)を取り付ける。この状態で液体LQ中(例えば、水中)に浸漬して、気泡発生部材(多孔質体)11の微細気孔11P内が液体LQで満たされるまで(例えば10分間)放置する。次いで、他方側のステンレス製治具のノズルに気体供給配管を取り付け、気泡発生部材11の内側に気体ARを供給できるようにする。気体ARの印加ガス圧Pを徐々に上昇させ、気泡発生部材11の外周面11s2(気泡放出面11a)から気体ARの気泡が放出されるのが観察される最低の印加ガス圧Pを臨界圧力Pcとした。
貯留液体LQS中に放出された気泡BQは、貯留液体LQS中を徐々に上昇し、液面LL付近で破泡する。即ち気泡BQが潰れて消える。この際、液体LQのミストLQMが生成される。このミストLQMは、気泡BQをなしていた液体LQの膜の一部が、破泡の際にはじけ飛んで形成されたと考えられる。そして、気体ARを連続して供給することにより、気泡BQが連続して放出されるので、ミストLQMも連続して生成される。
本実施形態1の気泡発生装置40及びこの気泡発生装置40の気泡発生部材11を液体容器30に貯留した貯留液体LQS中に投入した液体霧化装置1では、微細気孔11Pを有する気泡発生部材11を用いるので、その気泡放出面11aから液体LQ中に放出される気泡BQが、微細で気泡径が揃った気泡BQとなる。このため、破泡によって生成される液体LQのミストLQMを、微細で大きさの揃ったミストLQMとすることができる。しかも連続してミストLQMを得ることができる。
しかもこの液体霧化装置1では、液体容器30内に、気泡発生部材11を含む発泡部10(容器内配置部)を配置しているので、気体供給部20から気体ARを供給することで、液体容器30内で、容易に、液体LQのミストLQMを得ることができる。
加えて、この液体霧化装置1では、液体容器30内に、筒状の気泡発生部材11を含む発泡部10を配置しているので、比較的小さな体積でありながら広い気泡放出面11aを確保することができる。このため、コンパクトでありながら、気体供給部20から気体ARを供給することで、気泡発生部材11の外周面11s2である気泡放出面11aから多くの気泡BQを発生させ、気泡BQの破泡によって、多くの液体LQのミストLQMを得ることができる。
なお、図1には示していないが、ミストLQMの発生により貯留液体LQSの量が減少しても、液体容器30に貯留した貯留液体LQSの液面LLの高さ(収容量)が概ね一定になるように、別途、液体容器30への液体LQの供給を制御すると良い。また、図2に示すように、発生したミストLQMを整流して放出するため、本実施形態1の液体霧化装置1のうち、液体容器30に蓋体50を被せ、この蓋体50のミスト用開口51(例えば、縦20mm×横40mmの長方形の開口)からミストLQMを放出させるようにした、液体霧化装置1Aとしても良い。
(実施例1~9)
次いで、実施形態1の液体霧化装置1のうち、気泡発生部材11(気泡発生部材)の平均細孔径AD[μm]の大きさを変化させた場合(実施例1~9)において、圧力計24で測定される気泡発生部材11に加える気体ARの印加ガス圧P[kPa]と、生成されるミストLQMのミスト径との関係を調査した。即ち、平均細孔径ADが37.9μm,10.4μm,3.4μm,2.3μm, 1.7μm,1.3μm,0.91μm,0.77μm,0.55μmである実施例1~9の気泡発生部材11を作製し、実施形態1の液体霧化装置1を製造した。そして、気泡発生部材11に加える気体ARの印加ガス圧P[kPa]を変化させ、各印加ガス圧Pにおいて生成されたミストLQMについて、ミスト径がφ1μm以下のミストの割合R(1μm)[%]、及び、平均体積ミスト径D50[μm]を測定した。
なお、本実施例1~5では、気体ARとして空気を、液体LQとして水(水道水)を用いた。
また、ミストLQMのミスト径やその分布を、マルバーン製レーザー回折式粒度分布測定装置スプレーテックにより測定した(測定範囲:φ0.117~1000μm)。スプレーテックにおけるミストの解析条件としては、使用検出器として、低角度側に検出器「10」を、高角度側に検出器「Last」を用いた。検出閾値は「4」とした。照明等の外光によるノイズの影響緩和のためである。測定サンプリング数は20回(測定間隔1秒毎)として1つの測定値を得た。各実施例では、得られた20個の測定値の平均値を記載した。
なお、各実施例においては、用いる気泡発生部材(多孔質体)11の臨界圧力Pcが異なるので、印加ガス圧Pの範囲が、互いに異なる範囲となっている。
(実施例1)
平均細孔径AD=37.9μmの多孔質体からなる気泡発生部材11を製造した。なお、この平均細孔径AD=37.9μmの気泡発生部材11の臨界圧力Pcは、Pc=6kPaであった。この気泡発生部材11を用いた液体霧化装置1について、この気泡発生部材11を用いた実施形態1の液体霧化装置1について、気泡発生部材11の位置が液面LLからの浸漬深さFが、F=3cmとなるように貯留液体LQSの量を調整し、気泡発生部材11が完全に水に浸漬されている状態とした。次いで、印加ガス圧PをP=20~100kPaの範囲で変化させてミストLQMを発生させ、各印加ガス圧P[kPa]と、生成されたミストLQMにおけるφ1μm以下のミストの割合R(1μm)[%]との関係を調査した。また、各印加ガス圧P[kPa]と、生成されたミストの10%体積ミスト径D10[μm]、平均体積ミスト径D50[μm]、及び90%体積ミスト径D90[μm]との関係も調査した.これらの結果を、図3、図4に示す。
図4から判るように、平均細孔径AD=37.9μmの気泡発生部材11を用いた本実施例1の液体霧化装置1では、臨界圧力Pc=6kPaを越えた印加ガス圧P=20~100kPaの範囲で、D90=4.5~11μm、D50=2.0~3.6μm、D10=1.1~1.5μmのミストLQMを発生させることができたことが判る。加えて、図3から判るように、印加ガス圧P=20~100kPaの全範囲内で最大7%の割合R(1μm)で、ミスト径φ1μm以下の大きさの「ナノミスト」を生成できることも判る。即ち本実施例1では、印加ガス圧P=20kPa(臨界圧力Pc=6kPaの3.3倍)以上の印加ガス圧Pの気体ARを供給すれば、「ナノミスト」を生成できることが判る。
(実施例2)
平均細孔径AD=10.4μmの多孔質体からなる気泡発生部材11を製造した。なお、この平均細孔径AD=10.4μmの気泡発生部材11の臨界圧力Pcは、Pc=20kPaであった。この気泡発生部材11を用いた液体霧化装置1について、浸漬深さF=3cmとし、印加ガス圧PをP=40~250kPaの範囲で変化させてミストLQMを発生させ、各印加ガス圧Pと割合R(1μm)[%]との関係、及び、各印加ガス圧Pと、10%体積ミスト径D10、平均体積ミスト径D50、及び90%体積ミスト径D90との関係を調査した。これらの結果を、図5及び図6のグラフに示す。
図6から判るように、平均細孔径AD=10.4μmの気泡発生部材11を用いた本実施例2の液体霧化装置1では、臨界圧力Pc=20kPaを越えた印加ガス圧P=40~250kPaの範囲で、D90=4~23μm、D50=1.8~3.6μm、D10=0.39~1.2μmのミストLQMを発生させることができた。このうち、印加ガス圧P=40~210kPaの範囲で、D50≦2.5μmのミストLQMを発生させることができる。また、印加ガス圧P=52~160kPaの範囲で、D50≦2.0μmのミストLQMを発生させることができる。
加えて、図5から判るように、本実施例2では、割合R(1μm)の大きさは変化するが、印加ガス圧P=40kPa(臨界圧力Pc=20kPaの2.0倍)~250kPa超の範囲内の印加ガス圧Pの気体ARを供給すれば、「ナノミスト」を生成できることが判る。また、印加ガス圧P=100~240kPaの範囲では、高い割合(R(1μm)≧25%の割合)で、「ナノミスト」を生成できることが判る。さらに、印加ガス圧P=120~170kPaの範囲では、さらに高い割合(R(1μm)≧30%の割合)で、「ナノミスト」を効率よく生成できることが判る。一方、概ね印加ガス圧P=140~170kPaで、割合R(1μm)はピークとなり、P=170kPaを越えると、割合R(1μm)が徐々に低下する。
(実施例3)
次いで、平均細孔径AD=3.4μmの多孔質体からなる気泡発生部材11を製造した。この平均細孔径AD=3.4μmの気泡発生部材11の臨界圧力PcはPc=60kPaであった。この気泡発生部材11を用いた実施形態1の液体霧化装置1について、浸漬深さF=3cmとし、印加ガス圧P=80~300kPaの範囲で印加ガス圧Pを変化させてミストLQMを発生させ、実施例1等と同様、各印加ガス圧Pと割合R(1μm)との関係、及び、各印加ガス圧Pと、10%体積ミスト径D10、平均体積ミスト径D50、及び90%体積ミスト径D90との関係を調査した。それらの結果を、図7及び図8のグラフに示す。
図8から判るように、平均細孔径AD=3.4μmの気泡発生部材11を用いた本実施例3の液体霧化装置1では、臨界圧力Pc=60kPaを越えた印加ガス圧P=80~300kPaの範囲で、D90=2.8~15μm、D50=1.6~3.7μm、D10=0.59~1.3μmのミストLQMを発生させることができた。このうち、印加ガス圧P=100~240kPaの範囲で、D50≦2.0μmのミストLQMを発生させることができる。また、印加ガス圧P=120~280kPaの範囲で、D10≦1.0μmのミストLQMを発生させることができる。
加えて、図7から判るように、本実施例3では、印加ガス圧P=80kPa(臨界圧力Pc=60kPaの1.3倍)~300kPa超の範囲内の印加ガス圧Pの気体ARを供給すれば、「ナノミスト」を生成できることが判る。中でも、印加ガス圧P=180~220kPaの範囲では、R(1μm)≧25%以上の割合で「ナノミスト」を生成できることも判る。一方、概ね印加ガス圧P=190~210kPaで、割合R(1μm)はピークとなり、P=210kPaを越えると、割合R(1μm)が徐々に低下する。
(実施例4)
次いで、平均細孔径AD=2.3μmの多孔質体からなる気泡発生部材11を製造した。この平均細孔径AD=2.3μmの気泡発生部材11の臨界圧力PcはPc=90kPaであった。この気泡発生部材11を用いた実施形態1の液体霧化装置1について、浸漬深さF=3cmとし、印加ガス圧P=110~420kPaの範囲で印加ガス圧Pを変化させてミストLQMを発生させ、実施例1等と同様、各印加ガス圧Pと割合R(1μm)との関係、及び、各印加ガス圧Pと、10%体積ミスト径D10、平均体積ミスト径D50、及び90%体積ミスト径D90との関係を調査した。それらの結果を、図9及び図10のグラフに示す。
図10から判るように、平均細孔径AD=2.3μmの気泡発生部材11を用いた本実施例4の液体霧化装置1では、臨界圧力Pc=90kPaを越えた印加ガス圧P=110~420kPaの範囲で、D90=2.5~21μm、D50=1.2~3.5μm、D10=0.32~2.1μmのミストLQMを発生させることができた。このうち、印加ガス圧P=150~380kPaの範囲で、D50≦2.0μmのミストLQMを発生させることができる。また、印加ガス圧P=150~390kPaの範囲で、D10≦1.0μmのミストLQMを発生させることができる。
加えて図9から判るように、本実施例4では、印加ガス圧P=130kPa(臨界圧力Pc=90kPaの1.4倍)~420kPaの範囲内の印加ガス圧Pの気体ARを供給すれば、「ナノミスト」を生成できることが判る。また、印加ガス圧P=230~390kPaの範囲では、R(1μm)≧25%以上の割合で「ナノミスト」を生成でき、中でも、印加ガス圧P=250~290kPaの範囲では、R(1μm)≧40%以上の高い割合で「ナノミスト」を生成できることも判る。一方、概ね印加ガス圧P=330kPaで、割合R(1μm)はピークとなり、P=330kPaを越えると、割合R(1μm)が徐々に低下する。
(実施例5)
次いで、平均細孔径AD=1.7μmの多孔質体からなる気泡発生部材11を製造した。この平均細孔径AD=1.7μmの気泡発生部材11の臨界圧力PcはPc=130kPaであった。この気泡発生部材11を用いた実施形態1の液体霧化装置1について、浸漬深さF=3cmとし、印加ガス圧P=180~560kPaの範囲で印加ガス圧Pを変化させてミストLQMを発生させ、実施例1等と同様、各印加ガス圧Pと割合R(1μm)との関係、及び、各印加ガス圧Pと、10%体積ミスト径D10、平均体積ミスト径D50、及び90%体積ミスト径D90との関係を調査した。それらの結果を、図11及び図12のグラフに示す。
図12から判るように、平均細孔径AD=1.7μmの気泡発生部材11を用いた本実施例5の液体霧化装置1では、臨界圧力Pc=130kPaを越えた印加ガス圧P=180~560kPaの範囲で、D90=2.1~25μm、D50=0.8~3.4μm、D10=0.24~2.0μmのミストLQMを発生させることができた。このうち、印加ガス圧P=240~540kPaの範囲で、D50≦2.0μmのミストLQMを発生させることができる。また、印加ガス圧P=300~460kPaの範囲で、D50≦1.0μmのミストLQMを発生させることができる。また、印加ガス圧P=240~560kPaの範囲で、D10≦1.0μm以下のミストLQMを発生させることができる。
加えて図11から判るように、本実施例5では、印加ガス圧P=200kPa(臨界圧力Pc=130kPaの1.5倍)~560kPa超の範囲内の印加ガス圧Pの気体ARを供給すれば、「ナノミスト」を生成できることが判る。また、印加ガス圧P=260~540kPaの範囲では、R(1μm)≧25%以上の割合で「ナノミスト」を生成でき、中でも、印加ガス圧P=280~480kPaの範囲では、R(1μm)≧40%以上の高い割合で「ナノミスト」を生成できる。さらに印加ガス圧P=340~360kPaの範囲では、R(1μm)≧60%以上の特に高い割合で「ナノミスト」を生成できることも判る。一方、印加ガス圧P=340kPaで割合R(1μm)はピークとなり、P=340kPaを越えると、割合R(1μm)が徐々に低下する。
(実施例6)
次いで、平均細孔径AD=1.3μmの多孔質体からなる気泡発生部材11を製造した。この平均細孔径AD=1.3μmの気泡発生部材11の臨界圧力PcはPc=160kPaであった。この気泡発生部材11を用いた実施形態1の液体霧化装置1について、浸漬深さF=3cmとし、印加ガス圧P=200~700kPaの範囲で印加ガス圧Pを変化させてミストLQMを発生させ、実施例1等と同様、各印加ガス圧Pと割合R(1μm)との関係、及び、各印加ガス圧Pと、10%体積ミスト径D10、平均体積ミスト径D50、及び90%体積ミスト径D90との関係を調査した。それらの結果を、図13及び図14のグラフに示す。
図14から判るように、平均細孔径AD=1.3μmの気泡発生部材11を用いた本実施例6の液体霧化装置1では、臨界圧力Pc=160kPaより高い印加ガス圧P=200~700kPaの範囲で、D90=2.0~32μm、D50=0.6~3.8μm、D10=0.21~2.1μmのミストLQMを発生させることができた。このうち、印加ガス圧P=300~680kPaの範囲では、D50≦2.0μmのミストLQMを発生させることができる。また、印加ガス圧P=400~600kPaの範囲で、D50≦1.0μmのミストLQMを発生させることができる。また、印加ガス圧P=300~700kPaの範囲で、D10≦1.0μmのミストLQMを発生させることができる。
加えて図13から判るように、本実施例6では、印加ガス圧P=260kPa(臨界圧力Pc=160kPaの1.6倍)~700kPa超の範囲内の印加ガス圧Pの気体ARを供給すれば、「ナノミスト」を生成できることが判る。また、印加ガス圧P=340~640kPaの範囲では、R(1μm)≧25%以上の割合で「ナノミスト」を生成でき、中でも、印加ガス圧P=360~660kPaの範囲では、R(1μm)≧40%以上の高い割合で「ナノミスト」を生成できる。さらに印加ガス圧P=440~600kPaの範囲では、R(1μm)≧60%以上の特に高い割合で「ナノミスト」を生成できることも判る。このように、「ナノミスト」を含むミストLQMを、気泡放出面11aから効率良く生成することができることも判る。一方、概ね、印加ガス圧P=520kPaで、割合R(1μm)はピークとなり、P=520kPaを越えると、割合R(1μm)が徐々に低下する。
(実施例7)
次いで、平均細孔径AD=0.91μmの多孔質体からなる気泡発生部材11を製造した。この平均細孔径AD=0.91μmの気泡発生部材11の臨界圧力PcはPc=240kPaであった。この気泡発生部材11を用いた実施形態1の液体霧化装置1について、浸漬深さF=3cmとし、印加ガス圧P=300~980kPaの範囲で印加ガス圧Pを変化させてミストLQMを発生させ、実施例1等と同様、各印加ガス圧Pと割合R(1μm)との関係、及び、各印加ガス圧Pと、10%体積ミスト径D10、平均体積ミスト径D50、及び90%体積ミスト径D90との関係を調査した。それらの結果を、図15及び図16のグラフに示す。
図16から判るように、平均細孔径AD=0.91μmの気泡発生部材11を用いた本実施例7の液体霧化装置1では、臨界圧力Pc=240kPaを越えた印加ガス圧P=300~980kPaの範囲で、ミストLQMを発生させることができた。このうち、印加ガス圧P=440~980kPaの範囲(さらには、980kPa超の範囲)で、D50≦2.0μmのミストLQMを発生させることができる。また、印加ガス圧P=620~940kPaの範囲で、D50≦1.0μmのミストLQMを発生させることができる。また、印加ガス圧P=440~980kPaの範囲(さらには、980kPa超の範囲)で、D10≦1.0μmのミストLQMを発生させることができる。
加えて図15から判るように、本実施例7では、印加ガス圧P=580kPa(臨界圧力Pc=370kPaの1.6倍)~980kPa超の範囲内の印加ガス圧Pの気体ARを供給すれば、「ナノミスト」を生成できることが判る。また、印加ガス圧P=520~980kPaの範囲(さらには、980kPa超の範囲)で、R(1μm)≧25%以上の割合で「ナノミスト」を生成でき、中でも、印加ガス圧P=600~980kPaの範囲(さらには、980kPa超の範囲)で、R(1μm)≧40%以上の高い割合で「ナノミスト」を生成できる。さらに印加ガス圧P=680~840kPaの範囲で、R(1μm)≧60%以上の特に高い割合で「ナノミスト」を生成できることも判る。一方、本実施例7では、概ね印加ガス圧P=700~780kPaで、割合R(1μm)はピークとなり、印加ガス圧P=780kPaを越えると、割合R(1μm)が徐々に低下する。
(実施例8)
次いで、平均細孔径AD=0.77μmの多孔質体からなる気泡発生部材11を製造した。なお、この平均細孔径AD=0.77μmの気泡発生部材11の臨界圧力PcはPc=280kPaであった。この気泡発生部材11を用いた実施形態1の液体霧化装置1について、浸漬深さF=3cmとし、印加ガス圧P=380~980kPaの範囲で印加ガス圧Pを変化させてミストLQMを発生させ、実施例1等と同様、各印加ガス圧Pと割合R(1μm)との関係、及び、各印加ガス圧Pと、10%体積ミスト径D10、平均体積ミスト径D50、及び90%体積ミスト径D90との関係も調査した。それらの結果を、図17及び図18のグラフに示す。
図18から判るように、平均細孔径AD=0.77μmの気泡発生部材11を用いた本実施例8の液体霧化装置1では、臨界圧力Pc=280kPaより高い印加ガス圧P=380~980kPaの範囲で、D90=2.0~4.9μm、D50=0.7~3.1μm、D10=0.21~2.0μmのミストLQMを発生させることができた。このうち、印加ガス圧P=520~980kPaの範囲(さらには、980kPa超の範囲)で、D50≦2.0μmのミストLQMを発生させることができる。また、印加ガス圧P=640~980kPaの範囲(さらには、980kPa超の範囲)で、D50≦1.0μmのミストLQMを発生させることができる。また、印加ガス圧P=540~980kPaの範囲(さらには、980kPa超の範囲)で、D10≦1.0μmのミストLQMを発生させることができる。
加えて図17から判るように、本実施例8では、印加ガス圧P=440kPa(臨界圧力Pc=90kPaの1.6倍)~980kPa超の範囲内の印加ガス圧Pの気体ARを供給すれば、「ナノミスト」を生成できることが判る。印加ガス圧P=580~980kPaの範囲(さらには、980kPa超の範囲)で、R(1μm)≧25%以上の割合で「ナノミスト」を生成でき、中でも、印加ガス圧P=620~980kPaの範囲で、R(1μm)≧40%以上の高い割合で「ナノミスト」を生成できることも判る。さらに印加ガス圧P=720~980kPaの範囲(さらには、980kPa超の範囲)で、R(1μm)≧60%以上の特に高い割合で「ナノミスト」を生成できることも判る。一方、概ね印加ガス圧P=780~980kPaで、割合R(1μm)はピークとなっていると解され、P=980kPaを越えると、割合R(1μm)が徐々に低下すると見込まれる。
(実施例9)
次いで、平均細孔径AD=0.55μmの多孔質体からなる気泡発生部材11を製造した。なお、この平均細孔径AD=0.55μmの気泡発生部材11の臨界圧力PcはPc=370kPaであった。この気泡発生部材11を用いた実施形態1の液体霧化装置1について、浸漬深さF=3cmとし、印加ガス圧P=480~1000kPaの範囲で印加ガス圧Pを変化させてミストLQMを発生させ、実施例1等と同様、各印加ガス圧Pと割合R(1μm)との関係、及び、各印加ガス圧Pと、10%体積ミスト径D10、平均体積ミスト径D50、及び90%体積ミスト径D90との関係を調査した。それらの結果を、図19及び図20のグラフに示す。
図20から判るように、平均細孔径AD=0.55μmの気泡発生部材11を用いた本実施例9の液体霧化装置1では、臨界圧力Pc=370kPa以上の印加ガス圧P=480~1000kPaの範囲で、D90=1.8~5.8μm、D50=0.6~3.4μm、D10=0.21~2.0μmのミストLQMを発生させることができた。このうち、印加ガス圧P=700~1000kPaの範囲(さらには、1000kPa超の範囲)で、D50≦2.0μmのミストLQMを発生させることができる。また、印加ガス圧P=780~1000kPaの範囲(さらには、1000kPa超の範囲)で、D50≦1.0μm以下のミストLQMを発生させることができる。また、印加ガス圧P=700~1000kPaの範囲(さらには、1000kPa超の範囲)で、D10≦1.0μmのミストLQMを発生させることができる。
加えて図19から判るように、また本実施例9では、印加ガス圧P=580kPa(臨界圧力Pc=370kPaの1.6倍)~1000kPa超の範囲内の印加ガス圧Pの気体ARを供給すれば、「ナノミスト」を生成できることが判る。また、印加ガス圧P=740~1000kPaの範囲(さらには、1000kPa超の範囲)で、R(1μm)≧25%以上の割合で「ナノミスト」を生成でき、中でも、印加ガス圧P=760~1000kPa以上の範囲(さらには、1000kPa超の範囲)で、R(1μm)≧40%以上の高い割合で「ナノミスト」を生成できることも判る。さらに印加ガス圧P=860~1000kPaの範囲(さらには、1000kPa超の範囲)で、R(1μm)≧60%以上の特に高い割合で「ナノミスト」を生成できることも判る。
一方、本実施例9の液体霧化装置1においては、印加ガス圧P=1000kPaよりも高い印加ガス圧Pに、割合R(1μm)のピークがあると予測される。但し、本実施例9では、印加ガス圧Pの範囲を、1000kPa(=1MPa)以下とした。印加ガス圧PをP=1000kPa(=1MPa)を越えると、高圧ガス保安法による規制を受けるなど、高圧ガスの使用に対する安全性の考慮が必要となり、気体配管22やボンベ21など、液体霧化装置1,1Aを耐圧構造とする必要が生じたり、このためにコストアップとなる。そこで、本実施例9を含む本実施形態1の液体霧化装置1,1Aは、印加ガス圧Pを1000kPa以下としている。
(実施例1~9の検討)
以上のように、本実施形態1の液体霧化装置1,1Aでは、気泡発生部材11として多孔質体を用いたので、臨界圧力Pc以上の印加ガス圧Pの気体AR(各実施例では空気)を気体圧入面11bから圧入することで、気泡放出面11aから気泡BQを貯留液体LQS中に放出し、さらにこの気泡BQの破泡により、液体LQ(各実施例では水)のミストLQMを生成することができることが判る。
特に、平均細孔径AD=0.55~37.9μmの範囲の、従って概ねAD=0.5~38μmの多孔質体からなる気泡発生部材11を用いた実施例1~9の気泡発生装置40、さらにはこれを用いた液体霧化装置1,1Aにおいて、気体供給部20は、臨界圧力Pc以上の印加ガス圧Pの気体ARを供給する。すると、気泡放出面11aから微細な気泡BQを放出させることができる。このため、微細な気泡が破泡することにより、微細なミストLQMを生成することができる。具体的には、液体LQが水であり気体ARが空気である場合には、1.0μmφ以下の「ナノミスト」を含むミストが得られる。
次いで、実施例1~9で用いた気泡発生部材11の臨界圧力Pc[kPa]と、「ナノミスト」が発生する最低の印加ガス圧P[kPa]との関係について検討する。既に説明したように、実施例3~9では、「ナノミスト」が発生する最低の印加ガス圧Pを得ている。図21では、横軸を各実施例で用いた気泡発生部材11の臨界圧力Pcとし、縦軸を「ナノミスト」が得られた最低の印加ガス圧P〔kPa〕としたグラフにプロットした。図21によれば、実施例3~9の範囲、即ち、気泡発生部材11をなす多孔質体の平均細孔径ADが、AD=0.55~3.4μmの範囲、従って、概ね、AD=0.5~4μmの範囲において、気泡発生部材11の臨界圧力Pcと、「ナノミスト」が発生する最低の印加ガス圧Pとは、極めて高い相関を示すことが判る。そこで、さらに近似直線を描いた。この近似直線の式は、P=1.60・Pc-6.75であるから、ミストLQMに「ナノミスト」が含まれるようにするには、印加ガス圧Pを、P≧1.60・Pc-6.75とすること、即ち、概ね気体ARの印加ガス圧Pを、臨界圧力Pcの1.6倍以上とすることが求められることが判る。
このような関係となるのは、以下の理由であると推測される。即ち、気泡発生部材11の気体圧入面11bに、臨界圧力Pcを僅かに越える印加ガス圧Pの気体ARを供給した場合、気泡発生部材11の気泡放出面11aで気泡BQは発生するが、各気泡BQの成長速度は遅い。このように気泡BQがゆっくり成長するため、個々の気泡BQの大きさは大きくなりがちであり、このために、気泡BQが破泡した際に生じるミストLQMの大きさも大きくなると考えられる。
これに対し、気泡発生部材11の気体圧入面11bに、(臨界圧力Pcの1.6倍以上の)臨界圧力Pcよりも十分高い印加ガス圧Pの気体ARを供給した場合には、気泡放出面11aで気泡BQが素早く成長し、次々に連続して勢いよく気泡BQが貯留液体LQS中に放出される。このため、個々の気泡BQの大きさは小さくなりがちであり、このために、気泡BQが破泡した際に生じるミストLQMの大きさも小さくなり、ミストLQM中に「ナノミスト」が含まれやすくなると考えられる。
なお、気泡発生部材11から気泡BQを発生させ、その気泡BQを破泡させてミストLQMを得るのであるから、気泡発生部材11に供給する気体ARの印加ガス圧Pを、気泡発生部材11の臨界圧力Pc以上とするのは当然である。
かくして、上述のように、平均細孔径ADが、概ね、AD=0.5~4μmの範囲において、概ね臨界圧力Pcの1.6倍以上の高い印加ガス圧Pの気体ARを気泡発生部材11に気体圧入面11bに供給すると、液体が水であり気体が空気である場合には、φ1.0μm以下の「ナノミスト」を含むミストが得られる。
次いで、実施例1~9で用いた気泡発生部材11の平均細孔径ADと、液体霧化装置1で得られたミストLQMの平均体積ミスト径D50が、D50≦2.0μmとなる印加ガス圧Pの範囲との関係、即ち、平均体積ミスト径D50≦2.0μmが得られる印加ガス圧Pの範囲について検討する。既に説明したように、実施例2~9では、得られたミストLQMの平均体積ミスト径D50が、D50≦2.0μmとなる印加ガス圧Pの範囲(上限値及び下限値、あるいは下限値のみ)が得られている。図22では、得られた結果を、横軸を気泡発生部材11の平均細孔径ADの逆数(AD-1〔μm-1〕)とし、縦軸を印加ガス圧P〔kPa〕の上限値あるいは下限値としたグラフにプロットし、さらにそれぞれの近似直線を描いた。
図22によれば、気泡発生部材11の平均細孔径ADの逆数AD-1と、ミストLQMの平均体積ミスト径D50が、D50≦2.0μmとなる印加ガス圧Pの上限値あるいは下限値とは、極めて高い相関を示すことが判る。即ち、気泡発生部材11をなす多孔質体の平均細孔径ADが、AD=0.55~10.4μmの範囲において、従って、概ね、AD=0.5~11μmの範囲において、気泡発生部材11に供給される気体(空気)ARの印加ガス圧Pを、気泡発生部材11の臨界圧力Pc以上で、かつ、下限を示すP=391・AD-1-0.2〔kPa〕の直線と、上限を示すP=811・AD-1+46〔kPa〕の直線とに挟まれた印加ガス圧Pの範囲内とすることで、液体霧化装置1により、平均体積ミスト径D50が2.0μm以下である液体(水)LQのミストLQMを発生させ得ることが判る。即ち、印加ガス圧P=391・AD-1-0.2[kPa]~824・AD-1+39[kPa]の印加ガス圧Pの範囲内で、平均体積ミスト径D50が2.0μm以下の、微細なミストを多く含むミストLQMを効率よく生成できることが判る。
さらに、実施例1~9で用いた気泡発生部材11の平均細孔径ADと、液体霧化装置1で得られたミストLQMの平均体積ミスト径D50が、D50≦1.0μmとなる印加ガス圧Pの範囲との関係、即ち、平均体積ミスト径D50≦1.0μmが得られる印加ガス圧Pの範囲について検討する。実施例5~9では、得られたミストLQMの平均体積ミスト径D50が、D50≦1.0μmとなる印加ガス圧Pの範囲(上限値及び下限値、あるいは下限値のみ)が得られている。図23では、前述の図22と同様、横軸を平均細孔径ADの逆数とし、縦軸を印加ガス圧Pの上限値あるいは下限値としたグラフにプロットし、さらにそれぞれの近似直線を描いた。
図23においても、気泡発生部材11の平均細孔径ADの逆数AD-1と、ミストLQMの平均体積ミスト径D50が、D50≦1.0μmとなる印加ガス圧Pの上限値あるいは下限値とは、極めて高い相関を示すことが判る。即ち、気泡発生部材11の平均細孔径ADが、AD=0.55~1.7μmの範囲において、従って、概ね、AD=0.5~2.0μmの範囲において、気泡発生部材11に供給される気体(空気)ARの印加ガス圧Pを、気泡発生部材11の臨界圧力Pc以上で、かつ、下限を示すP=390・AD-1-114〔kPa〕の直線と、上限を示すP=944・AD-1+99〔kPa〕の直線とに挟まれた印加ガス圧Pの範囲内とすることで、液体霧化装置1により、平均体積ミスト径D50が2.0μm以下である液体(水)LQのミストLQMを発生させ得ることが判る。即ち、印加ガス圧P=390・AD-1-114[kPa]~944・AD-1+99[kPa]の印加ガス圧Pの範囲内で、平均体積ミスト径D50が1.0μm以下の、微細なミストを多く含むミストLQMを効率よく生成できることが判る。
(実施例6,10~12)
前述の実施例1~9の気泡発生部材11を用いた液体霧化装置1では、いずれも気泡発生部材11の浸漬深さF=3cmとした。これに対し、実施例10~12の液体霧化装置1は、実施例6で用いた平均細孔径AD=1.3μmの気泡発生部材11(臨界圧力Pc=160kPa)の液体霧化装置1において、気泡発生部材11の浸漬深さFを、F=1cm(実施例10)、F=9cm(実施例11)、F=15cm(実施例12)とし、印加ガス圧P=240~640kPaの範囲で印加ガス圧Pを変化させてミストLQMを発生させ、実施例3と同様、各印加ガス圧Pと割合R(1μm)との関係、及び、各印加ガス圧Pと平均体積ミスト径D50[μm]との関係を調査した。それらの結果を、図24及び図25のグラフに示す。
図24は、平均細孔径AD=1.3μmの気泡発生部材11を用いた各実施例6,10~12の液体霧化装置1において、浸漬深さFをパラメータとした、印加ガス圧P〔kPa〕と、ミストLQMにおけるφ1μm以下のミストの割合R(1μm)〔%〕との関係を示す。図24によれば、実施例6,10~12のいずれの場合も、即ち、浸漬深さFをF=1cm~15cmまで変化させた場合でも、概ね近似した、400~550kPaに割合R(1μm)の最大値を有する、上に凸のグラフ形状となることが判る。
また、図25は、平均細孔径AD=1.3μmの気泡発生部材11を用いた各実施例6,10~12の液体霧化装置1において、浸漬深さFをパラメータとした、印加ガス圧P〔kPa〕と、ミストLQMにおける平均体積ミスト径D50[μm]との関係を示す。図25によれば、実施例6,10~12のいずれの場合も、即ち、浸漬深さFをF=1cm~15cmまで変化させた場合でも、概ね近似した、450~550kPaに、平均体積ミスト径D50に最小値を有する、下に凸のグラフ形状となることが判る。
これら図24,図25の結果から、気泡発生部材11の液体(水)LQ中への浸漬深さFがF=1~15cmの間で変化させても、つまり、貯留液体LQSの量が変化し、液面LLの高さが変化しても、液体霧化装置1におけるミストLQMの発生状況には概ね変化がないことが判る。これは、液面LLの高さの変化に対し、ミストLQMの発生状況は鈍感であり、貯留液体LQSの量について、厳密な調整が不要であることを示しており、液面LLの簡易な制御で足りることを示している。
(実施形態2)
第2の実施形態に掛かる液体霧化装置101を、図26を参照して説明する。図26は、本実施形態2に係る液体霧化装置101の構成を模式的に示す説明図である。前述の実施形態1の液体霧化装置1では、発泡部10に円筒状の気泡発生部材11を用いて、気泡BQを放出させ、液体LQのミストLQMを生成した。これに対し、本実施形態2の液体霧化装置101では、上面110Uに板状の気泡発生部材111を保持させた矩形箱状(直方体状)の発泡部110を用いた点で異なる。そこで以下では、実施形態1の液体霧化装置1とは異なる部分を中心に説明し、同様の部分は、同一の符号を付すほか、説明を省略あるいは簡略化する。
本実施形態2の液体霧化装置101は、貯留液体LQS中に気泡BQを放出する発泡部110と、発泡部110に気体ARを供給する気体供給部20と、発泡部110及び気体供給部20とは別体で、貯留液体LQSを貯留する液体容器30(液体貯留部)とを備える。なお、発泡部110及び気体供給部20は、これらで、液体霧化装置用の気泡発生装置140をなしている。また、気体供給部20及び液体容器30は、実施形態1と同様であるので、説明を省略する。
液体霧化装置101のうち、発泡部110は、上面110Uの一部をなす矩形平板状の気泡発生部材111と、この気泡発生部材111を囲んで保持する保持部材112とからなる矩形箱状(直方体状)の形態を有する。このうち気泡発生部材111も、実施形態1の気泡発生部材11と同じく、三次元網目状に連結した微細気孔111Pを有するアルミナ系セラミックの多孔質体である。矩形平板状の気泡発生部材111の表面111sのうち、下方DDの主面である内側面111s1を気体圧入面111bとする。一方、この気体圧入面111bと厚み方向に対向し、上方UDの主面である外側面111s2(上面)を気泡放出面111aとする。
一方、保持部材112は、四角柱状の凹部112Hを有する上方UDが開口した有底四角筒形状(直方体状)であり、この凹部112Hの上方UDに位置する保持開口112Mで気泡発生部材111の表面111sのうち側面111eを液密に保持している。また、保持部材112の側部には、気体ARを導入する気体導入部112Iが設けられている。本実施形態2では、発泡部110は、液体容器30内で、気泡発生部材111の外側面111s2が水平になる形態で、底部30S上に配置し、貯留液体LQS中に没入させる。
気体ARは、気体供給部20から気体導入部112Iを通じて、気泡発生部材111と保持部材112の凹部112Hに囲まれた包囲空間110Sに導入される。そして図26において破線の矢印で示すように、印加ガス圧Pにより、気泡発生部材111の気体圧入面111bから、気泡発生部材111の微細気孔111Pに圧入され、この微細気孔111Pを通じて、気泡放出面111aから上方UDの貯留液体LQS中に気泡BQとして放出される。この気泡発生部材111においても、気泡発生部材111内に導入される気体ARの印加ガス圧P(気圧差)を、臨界圧力Pc以上とすることで、微細気孔111P内を通じて気体ARを気泡BQとして放出することができる。
貯留液体LQS中に放出された気泡BQは、貯留液体LQS中を徐々に上昇し、液面LL付近で破泡する。この際、液体LQのミストLQMが生成される。そして、気体ARを連続して供給することにより、気泡BQが連続して放出されるので、ミストLQMも連続して生成される。
本実施形態2の気泡発生装置140およびこの気泡発生装置140の気泡発生部材11を液体容器30に貯留した貯留液体LQS中に投入した液体霧化装置101でも、微細気孔111Pを有する気泡発生部材111を用いるので、その気泡放出面111aから液体LQ中に放出される気泡BQが、微細で気泡径が揃った気泡BQとなる。このため、破泡によって生成される液体LQのミストLQMを、微細で大きさの揃ったミストLQMとすることができる。しかも連続してミストLQMを得ることができる。
しかもこの液体霧化装置101では、液体容器30内に、気泡発生部材111を含む発泡部110(容器内配置部)を配置しているので、気体供給部20から気体ARを供給することで、液体容器30内で、容易に、液体LQのミストLQMを得ることができる。
加えてこの液体霧化装置101では、液体容器30内に、一部が板状の気泡発生部材111で構成された上面110Uに有する箱状の発泡部110を配置している。このため、気体供給部20から気体ARを供給することで、実施形態1で筒状の気泡発生部材11などを用いた場合とは異なり、気泡発生部材111から気泡BQを、回り込みなどを生じさせずそのまま上方UDに向けて放出させ、効率よく、気泡BQの破泡によって液体LQのミストLQMを得ることができる。
また、実施形態1の液体霧化装置1と同様、実施形態2の液体霧化装置101において、平均細孔径ADの大きさが異なる気泡発生部材111を用いる場合でも、それぞれの臨界圧力Pc以上の印加ガス圧Pを気泡発生部材111に導入することで、液体LQのミストLQMを得ることができる。
(実施形態3)
第3の実施形態に掛かる液体霧化装置201を、図27を参照して説明する。図27は、本実施形態3に係る液体霧化装置201の構成を模式的に示す説明図である。
実施形態1,2の液体霧化装置1,101では、発泡部10,110と液体容器(液体貯留部)30とは別体とし、液体容器30内に発泡部10,110を配置した。これに対し、本実施形態3の液体霧化装置201では、気泡発生部材211の気泡放出面211aを、貯留した液体LQが接する接液面232の一部とした液体貯留部230とする。具体的には、矩形板状の気泡発生部材211を液体貯留部230の底部230Sの一部(中央部分)に用い、発泡部210に液体貯留部230を一体に設けた液体霧化装置201とする点で異なる。そこで以下では、実施形態1,2の液体霧化装置1,101とは異なる部分を中心に説明し、同様の部分は、同一の符号を付すほか、説明を省略あるいは簡略化する。
本実施形態3の液体霧化装置201は、貯留液体LQS中に気泡BQを放出する発泡部210と、発泡部210に気体ARを供給する気体供給部20と、発泡部210に一体に設けられ貯留液体LQSを貯留する液体貯留部230とを備える。なお、気体供給部20は、実施形態1,2と同様であるので、説明を省略する。
液体霧化装置201の発泡部210は、実施形態2の発泡部110と同様、矩形平板状の気泡発生部材211と、この気泡発生部材211を保持する保持部材212とからなる。気泡発生部材211は、実施形態1,2の気泡発生部材11,111と同じく、三次元網目状に連結した微細気孔211Pを有するアルミナ系セラミックの多孔質体である。矩形平板状の気泡発生部材211の表面211sのうち、下方DDの主面である内側面211s1を気体圧入面211bとする。一方、この気体圧入面211bと厚み方向に対向し、上方UDの主面である外側面211s2を気泡放出面211aとする。
一方、保持部材212は、概ね、実施形態2の保持部材112の上方UDに、液体貯留部230を構成する容器周壁部212Wを延ばした形態を有する。即ち、本実施形態3の保持部材212は、有底四角筒状で、内部に、内側に向けて突出して保持開口212Mをなす内側突出部212Tを有する。このため、凹部212Hは、保持開口212Mよりも下方DDの下部凹部212AHと、保持開口212Mよりも上方UDの上部凹部212BHとに分けられる。保持開口212Mは、気泡発生部材211の表面211sのうち側面211eを液密に保持している。これにより、気泡発生部材211と保持部材212とで囲まれる包囲空間210Sが構成される。これと同時に、保持部材212のうち内側突出部212Tよりも上方UDの容器周壁部212Wと気泡発生部材211とは、貯留液体LQSを貯留する液体貯留部230を構成する。これにより、容器周壁部212Wの内周面212Wnの下部及び気泡発生部材211の表面211sのうち外側面211s2(気泡放出面211a)は、貯留液体LQSに接する接液面232をなす。また、保持部材212の側部には、包囲空間210Sに気体ARを導入する気体導入部212Iが設けられている。本実施形態3では、発泡部210のうち、気泡発生部材211の外側面211s2(上面)が水平になる形態に配置され、液体貯留部230内に貯留液体LQSが注入される。
気体ARは、気体供給部20から気体導入部212Iを通じて、包囲空間210Sに導入される。そして図27において破線の矢印で示すように、印加ガス圧Pにより、気泡発生部材211の気体圧入面211bから、気泡発生部材211の微細気孔211Pに圧入され、この微細気孔211Pを通じて、気泡放出面211aから上方の貯留液体LQS中に気泡BQとして放出される。この気泡発生部材211においても、気泡発生部材211内に導入される気体ARの印加ガス圧P(気圧差)を、臨界圧力Pc以上とすることで、微細気孔211P内を通じて気体ARを気泡BQとして放出することができる。
貯留液体LQS中に放出された気泡BQは、貯留液体LQS中を徐々に上昇し、液面LL付近で破泡する。この際、液体LQのミストLQMが生成される。そして、気体ARを連続して供給することにより、気泡BQが連続して放出されるので、ミストLQMも連続して生成される。
本実施形態3の液体霧化装置201でも、微細気孔211Pを有する気泡発生部材211を用いるので、その気泡放出面211aから液体LQ中に放出される気泡BQが、微細で気泡径が揃った気泡BQとなる。このため、破泡によって生成される液体LQのミストLQMを、微細で大きさの揃ったミストLQMとすることができる。しかも連続してミストLQMを得ることができる。
しかもこの液体霧化装置201では、気泡発生部材211の気泡放出面211aが、液体貯留部230の接液面232の一部となっている。このため、液体霧化装置201をコンパクトにできるほか、液体貯留部230に貯留した液体LQ中に効率よく気泡BQを放出させて、液面LLで気泡BQを破泡させることができるので、効率よくミストLQMを生成できる。
また、液体霧化装置201でも、気泡発生部材211から気泡BQを回り込みなどを生じさせずそのまま上方UDに向けて放出させるので、効率よく、気泡BQの破泡によって液体LQのミストLQMを得ることができる。
さらに、実施形態1,2の液体霧化装置1,101と同様、実施形態3の液体霧化装置201において、平均細孔径ADの大きさが異なる気泡発生部材211を用いる場合でも、それぞれの臨界圧力Pc以上の印加ガス圧Pを気泡発生部材211に導入することで、液体LQのミストLQMを得ることができる。
以上において、本発明を実施形態1~3,実施例1~12に即して説明したが、本発明は上記実施形態1~3等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
実施形態1,2の液体霧化装置1,101では、液体容器30内に別体の発泡部10,110を配置したが、液体容器30に発泡部10,110を取り付けて固定しても良い。
また実施形態3の液体霧化装置201では、液体貯留部230の底部を板状の気泡発生部材211で構成し、気泡発生部材211の気泡放出面211aを、貯留液体LQSが接する接液面232の一部とした。しかし、例えば、多孔質体を凹形状とし、内側の気泡放出面を、貯留液体LQSが接する接液面の全部とするように液体霧化装置を構成しても良い。
1,1A,101,201 液体霧化装置
10,110 発泡部(容器内配置部)
210 発泡部
110U (発泡部の)上面
11,111,211 気泡発生部材
11s,111s,211s (気泡発生部材の)表面
11s1 (気泡発生部材の表面のうち)内周面
111s1,211s1 (気泡発生部材の表面のうち)内側面
11s2 (気泡発生部材の表面のうち)外周面
111s2,211s2 (気泡発生部材の表面のうち)外側面
11a,111a,211a 気泡放出面(接液面)
11b,111b,211b 気体圧入面
111e,211e (気泡発生部材の)側面
11F,11G (気泡発生部材の)端部
11P,111P,211P 微細気孔
F (気泡発生部材の)浸漬深さ
212T 内側突出部
212W 容器周壁部
212Wn (容器周壁部の)内周面
212AH 下部凹部
212BH 上部凹部
20 気体供給部
30 液体容器(液体貯留部)
230 液体貯留部
30S,230S (液体容器,液体貯留部の)底部
232 接液面
40,140 液体霧化装置用の気泡発生装置
50 蓋体
51 ミスト用開口
UD 上方
DD 下方
AR 気体
LQ 液体
BQ 気泡
LQM (液体の)ミスト
LL 液面
AD 平均細孔径
Pc 臨界圧力
P 印加ガス圧(気圧)
R(1μm) ミストにおけるφ1um以下のミストの割合
D50 平均体積ミスト径

Claims (10)

  1. 液体を貯留する液体貯留部と、
    三次元網目状に連結した微細気孔を有する多孔質体からなる気泡発生部材であって、
    表面の一部が気体を上記微細気孔内に圧入する気体圧入面であり、
    上記表面の他の一部が、上記液体貯留部に貯留された上記液体に接して、上記液体中に上記気体からなる気泡を放出する気泡放出面である、
    気泡発生部材と、
    上記気体を上記気体圧入面に供給する
    気体供給部と、を備え、
    上記液体中に放出された上記気泡の破泡によって、上記液体のミストを生成させる
    液体霧化装置であって、
    前記気泡発生部材は、
    平均細孔径が0.5~4μmの前記多孔質体からなり、
    前記気体供給部は、
    上記気泡発生部材の臨界圧力Pc以上で、かつ、P≧1.60・Pc-6.75[kPa]の圧力範囲内の印加ガス圧Pを有する前記気体を前記気体圧入面に供給する
    液体霧化装置
  2. 液体を貯留する液体貯留部と、
    三次元網目状に連結した微細気孔を有する多孔質体からなる気泡発生部材であって、
    表面の一部が気体を上記微細気孔内に圧入する気体圧入面であり、
    上記表面の他の一部が、上記液体貯留部に貯留された上記液体に接して、上記液体中に上記気体からなる気泡を放出する気泡放出面である、
    気泡発生部材と、
    上記気体を上記気体圧入面に供給する
    気体供給部と、を備え、
    上記液体中に放出された上記気泡の破泡によって、上記液体のミストを生成させる
    液体霧化装置であって、
    前記気泡発生部材は、
    平均細孔径ADが0.5~11μmの前記多孔質体からなり、
    前記気体供給部は、
    上記気泡発生部材の臨界圧力Pc以上で、かつ、P=391・AD -1 -0.2[kPa]~811・AD -1 +46[kPa]の圧力範囲内の印加ガス圧Pを有する前記気体を前記気体圧入面に供給する
    液体霧化装置。
  3. 液体を貯留する液体貯留部と、
    三次元網目状に連結した微細気孔を有する多孔質体からなる気泡発生部材であって、
    表面の一部が気体を上記微細気孔内に圧入する気体圧入面であり、
    上記表面の他の一部が、上記液体貯留部に貯留された上記液体に接して、上記液体中に上記気体からなる気泡を放出する気泡放出面である、
    気泡発生部材と、
    上記気体を上記気体圧入面に供給する
    気体供給部と、を備え、
    上記液体中に放出された上記気泡の破泡によって、上記液体のミストを生成させる
    液体霧化装置であって、
    前記気泡発生部材は、
    平均細孔径ADが0.5~2.0μmの前記多孔質体からなり、
    前記気体供給部は、
    上記気泡発生部材の臨界圧力Pc以上で、かつ、P=390・AD -1 -114[kPa]~944・AD -1 +99[kPa]の圧力範囲内の印加ガス圧Pを有する前記気体を前記気体圧入面に供給する
    液体霧化装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の液体霧化装置であって、
    前記液体貯留部は、
    前記液体を貯留する液体容器であり、
    上記液体霧化装置は、
    少なくとも一部が、前記気泡発生部材で構成され、
    上記液体容器内に配置されて、貯留された上記液体中に前記気泡を発生させる
    容器内配置部を備える
    液体霧化装置。
  5. 請求項4に記載の液体霧化装置であって、
    前記容器内配置部は、
    筒状で、内周面が前記気体圧入面であり、外周面が前記気泡放出面である前記気泡発生部材を含む
    液体霧化装置。
  6. 請求項4に記載の液体霧化装置であって、
    前記容器内配置部は、
    上面の少なくとも一部が板状の前記気泡発生部材で構成された箱状で、
    上記気泡発生部材の外側面が前記気泡放出面であり、内側面が前記気体圧入面である
    液体霧化装置。
  7. 請求項1~3のいずれか1項に記載の液体霧化装置であって、
    前記液体貯留部は、
    前記気泡発生部材の前記気泡放出面を、貯留した前記液体が接する接液面の一部または全部としてなる
    液体霧化装置。
  8. 三次元網目状に連結した微細気孔を有する多孔質体からなる気泡発生部材であって、
    表面の一部が気体を上記微細気孔内に圧入する気体圧入面であり、
    上記表面の他の一部が、貯留された液体に接して、上記液体中に上記気体からなる気泡を放出する気泡放出面である、
    気泡発生部材と、
    上記気体を上記気体圧入面に供給する
    気体供給部と、を備え、
    前記気泡発生部材は、
    平均細孔径が0.5~4μmの前記多孔質体からなり、
    前記気体供給部は、
    上記気泡発生部材の臨界圧力Pc以上で、かつ、P≧1.60・Pc-6.75[kPa]の圧力範囲内の印加ガス圧Pを有する前記気体を前記気体圧入面に供給し、
    上記液体中に放出された上記気泡の破泡によって、上記液体のミストを生成させる
    液体霧化装置用の気泡発生装置。
  9. 三次元網目状に連結した微細気孔を有する多孔質体からなる気泡発生部材であって、
    表面の一部が気体を上記微細気孔内に圧入する気体圧入面であり、
    上記表面の他の一部が、貯留された液体に接して、上記液体中に上記気体からなる気泡を放出する気泡放出面である、
    気泡発生部材と、
    上記気体を上記気体圧入面に供給する
    気体供給部と、を備え、
    前記気泡発生部材は、
    平均細孔径ADが0.5~11μmの前記多孔質体からなり、
    前記気体供給部は、
    上記気泡発生部材の臨界圧力Pc以上で、かつ、P=391・AD-1-0.2[kPa]~811・AD-1+46[kPa]の圧力範囲内の印加ガス圧Pを有する前記気体を前記気体圧入面に供給し、
    上記液体中に放出された上記気泡の破泡によって、上記液体のミストを生成させる
    液体霧化装置用の気泡発生装置。
  10. 三次元網目状に連結した微細気孔を有する多孔質体からなる気泡発生部材であって、
    表面の一部が気体を上記微細気孔内に圧入する気体圧入面であり、
    上記表面の他の一部が、貯留された液体に接して、上記液体中に上記気体からなる気泡を放出する気泡放出面である、
    気泡発生部材と、
    上記気体を上記気体圧入面に供給する
    気体供給部と、を備え、
    前記気泡発生部材は、
    平均細孔径ADが0.5~2.0μmの前記多孔質体からなり、
    前記気体供給部は、
    上記気泡発生部材の臨界圧力Pc以上で、かつ、P=390・AD-1-114[kPa]~944・AD-1+99[kPa]の圧力範囲内の印加ガス圧Pを有する前記気体を前記気体圧入面に供給し、
    上記液体中に放出された上記気泡の破泡によって、上記液体のミストを生成させる
    液体霧化装置用の気泡発生装置。
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