JP7437199B2 - 研磨用組成物およびこれを用いた研磨方法 - Google Patents

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本発明は研磨用組成物およびこれを用いた研磨方法に関する。
近年、LSIの高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(以下、「CMP」とも略称する)法もその1つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程において頻繁に利用される技術である。
また、このCMP法は、樹脂の表面の研磨にも用いられ、CMP法を適用することにより、表面の欠陥が少ない樹脂製品を得ることができる。これより、樹脂を含む種々の材料の研磨用途の研磨用組成物として、種々の検討がなされている。
特許文献1には、高剛性および高強度を有する樹脂を含む研磨対象物の研磨用途の研磨用組成物が開示されている。より具体的には、特許文献1には、所定値以上のモース硬度および表面酸量を有する砥粒と、分散媒とを含む研磨用組成物によって、高剛性および高強度を有する樹脂であっても高い研磨速度で研磨できることが開示されている。また、特許文献1には、研磨速度の観点から、砥粒としてはα-アルミナを主成分とするものが好ましいことも開示されている。
特許文献2には、合成樹脂製の研磨対象物の研磨用途の研磨用組成物が開示されている。より具体的には、特許文献2には、特定構造のポリウレタン系高分子界面活性剤を含み、所定の粘度範囲を有する研磨用組成物を用いることによって、合成樹脂の研磨における研磨用組成物の減少および研磨能力の低下の抑制が可能となることが開示されている。また、特許文献2には、研磨速度の観点から、研磨用組成物が砥粒としてα-アルミナをさらに含むことが好ましいことも開示されている。
特開2016-183212号公報 特開2007-063442号公報
近年、各種材料の研磨、特に樹脂を含む種々の材料の研磨において、さらなる高い研磨速度が要求されるようになってきている。しかしながら、特許文献1の研磨用組成物や特許文献2の研磨用組成物において、好ましい砥粒であるα-アルミナを主成分とするアルミナを使用した場合であっても、必ずしも十分な研磨速度が得られるとは限らないとの問題が生じていた。
そこで、本発明は、各種材料の研磨、特に樹脂を含む種々の材料の研磨に用いられる研磨用組成物において、従来と比べて高い研磨速度を実現しうる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、本発明者らは、砥粒として所定値以上の破壊強度を有するアルミナ粒子を使用することで顕著な研磨速度の向上効果が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の上記課題は、以下の手段により解決されうる。
アルミナ粒子と、分散媒とを含み、
前記アルミナ粒子の破壊強度が0.5GPa以上である、研磨用組成物。
また、本発明の上記課題は、以下の手段によっても解決されうる。
アルミナ粒子と、分散媒とを含み、
前記アルミナ粒子が、爆燃法により製造されたアルミナ粒子である、研磨用組成物。
本発明によれば、各種材料の研磨、特に樹脂を含む種々の材料の研磨に用いられる研磨用組成物において、従来と比べて高い研磨速度を実現しうる手段が提供されうる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。
本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20℃以上25℃以下の範囲)/相対湿度40%RH以上50%RH以下の条件で測定する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートの総称である。(メタ)アクリル酸等の(メタ)を含む化合物等も同様に、名称中に「メタ」を有する化合物と「メタ」を有さない化合物の総称である。
<研磨用組成物>
本発明の一形態は、アルミナ粒子と、分散媒とを含み、前記アルミナ粒子の破壊強度が0.5GPa以上である、研磨用組成物に関する。
また、本発明の他の一形態は、アルミナ粒子と、分散媒とを含み、前記アルミナ粒子が、爆燃法により製造されたアルミナ粒子である、研磨用組成物に関する。
本発明者らは、本発明によって上記課題が解決されうるメカニズムを以下のように推測している。
従来、機械的研磨効果の向上の観点から、高い硬度を有する砥粒ほど高い研磨速度が得られると考えられてきた。しかしながら、本発明者らは、高い硬度を有する砥粒は脆い傾向があり、研磨時に印加される応力によって破壊が生じ易く、研磨対象物に十分に応力を伝えることができないことを見出した。よって、単に高い硬度を有する砥粒を選択するのみでは、十分な機械的研磨効果が得られず、高い研磨速度も得られない。
一方、本発明に係る研磨用組成物は、所定値以上の破壊強度を有するアルミナ粒子を有する。砥粒の破壊強度は、応力印加時に許容されうる砥粒の変形量の指標となるが、所定値以上の破壊強度を有する砥粒は、応力印加時における変形による破壊が生じにくい。または、本発明に係る研磨用組成物は、爆燃法により製造されたアルミナ粒子を有する。爆燃法で製造されたアルミナ粒子は、応力印加時における変形可能量および真球度が大きく、応力印加時における変形による破壊が生じにくい。また、アルミナ粒子は、十分な硬度を有する。よって、砥粒としてこれらのアルミナ粒子を用いると、応力印加時における砥粒の変形によって砥粒と研磨対象物との間の接触面積がより大きくなり、かつ砥粒の弾性力によって研磨対象物により大きな応力が伝わることとなる。
なお、上記メカニズムは推測に基づくものであり、その正誤が本発明の技術的範囲に影響を及ぼすものではない。また、本明細書における他の推測事項についても同様に、その正誤が本発明の技術的範囲に影響を及ぼすものではない。
〔砥粒〕
本発明に係る研磨用組成物は、砥粒としてアルミナ粒子を含む。そして、当該アルミナ粒子は、後述する爆燃法で製造されたアルミナ粒子であるか、または、破壊強度が0.5GPa以上であるアルミナ粒子である。
砥粒は、研磨対象物を機械的に研磨し、研磨速度を向上させる。そして、アルミナ粒子は、十分な硬度を有することから、研磨速度の向上効果、特に樹脂を含む種々の材料の研磨速度の向上効果が高い。
アルミナ粒子の破壊強度は、特に制限されないが、0.5GPa以上であることが好ましく、0.6GPa以上であることがより好ましく、0.65GPa以上であることがさらに好ましく、0.7GPa以上であることがよりさらに好ましく、0.75GPa以上であることが特に好ましく、0.8Pa以上であることがさらに特に好ましい。上記範囲であると研磨速度がより向上する。また、アルミナ粒子の破壊強度は、2GPa以下であることが好ましい。上記範囲であると、高い研磨速度を維持しつつ、生産適性がより向上する。
なお、研磨対象物が酸化ケイ素を含む場合、アルミナ粒子の破壊強度の好ましい一例は、0.8GPa以上2GPa以下である。研磨対象物がエポキシ樹脂を含む場合、アルミナ粒子の破壊強度の好ましい一例は、0.80GPa以上2GPa以下である。研磨対象物がポリイミド樹脂を含む場合、アルミナ粒子の破壊強度の好ましい一例は、0.70GPa以上2GPa以下であり、より好ましくは、0.75GPa以上2GPa以下であり、さらに好ましくは、0.80GPa以上2GPa以下である。研磨対象物がアクリル樹脂を含む場合、アルミナ粒子の破壊強度の好ましい一例は、0.70GPa以上2GPa以下であり、より好ましくは、0.75GPa以上2GPa以下である。
アルミナ粒子の破壊強度は、製造方法や製造条件によって制御することができる。製法では、後述する爆燃法により製造されたアルミナ粒子は、より高い破壊強度を有する。また、爆燃法では、前原料である金属アルミナの粉流体の加熱温度を1200℃超で前処理することで破壊強度の値を大きくすることができる。また、制御の容易さから、加熱温度は1250~1275℃の間であることが好ましい。
アルミナ粒子の破壊強度は、「非整形試験片による岩石の引張り強さの迅速試験、平松 良雄、岡 行俊、木山 英郎、日本鉱業会誌、81巻、932号、1024~1030頁、1965年」を参考として算出することができる。詳細には、粒子(特に球形粒子)を圧縮すると、載荷点付近には圧縮応力が分布するが、その他はほとんど全面に引っ張り応力が分布することとなる。よって、アルミナ粒子の破壊強度は、得られた荷重-押し込み変位線図を記録し、急激に変位が増加する点を粒子に大規模破壊が発生した点として、下記式に従い算出することができる。
ここで、破壊荷重Pは、株式会社島津製作所製 微小圧縮試験機 MCTW-500およびダイヤモンド製平面圧子(φ=50μm)を用いて測定することができる。また、平均粒子径dの測定方法は、後述する平均粒子径の説明に記載する。アルミナ粒子の破壊強度の測定、算出方法の詳細は実施例に記載する。
なお、上記測定に基づいて算出されるアルミナ粒子の破壊強度は、研磨用組成物の原料である粉末状のアルミナ粒子の状態で測定しても、調製された研磨用組成物からアルミナ粒子を取り出して測定しても、値は同等となる。
アルミナ粒子は、球形粒子であることが好ましい。本明細書において、球形粒子とは、真球度が90%以上である粒子を表す。球形粒子であると、研磨速度がより向上する。球形粒子は応力印加時の粒子の変形や変形による破壊がより生じ難く、研磨対象物により大きな応力を伝えることができるからと推測される。
アルミナ粒子の真球度は、50%を超えることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、65%以上であることがさらに好ましく、70%以上であることがよりさらに好ましく、80%以上であることが特に好ましく、90%以上であることが極めて好ましい。上記範囲であると、研磨速度がより向上する。また、アルミナ粒子の真球度は、99.9%以下であることが好ましい。上記範囲であると、生産適性がより向上する。
なお、研磨対象物が酸化ケイ素を含む場合、アルミナ粒子の真球度の好ましい一例は、98%以上99.5%未満である。研磨対象物がエポキシ樹脂を含む場合、アルミナ粒子の真球度の好ましい一例は、98%以上99.5%未満である。研磨対象物がポリイミド樹脂を含む場合、アルミナ粒子の真球度の好ましい一例は、90%以上99.9%以下であり、より好ましくは、95%以上99.9%以下であり、さらに好ましくは、98%以上99.5%未満である。研磨対象物がアクリル樹脂を含む場合、アルミナ粒子の真球度の好ましい一例は、99.5%以上99.9%以下であり、より好ましくは、99.5%超99.9%以下である。
アルミナ粒子の真球度は、製造方法や製造条件によって制御することができる。例えば、後述する爆燃法により製造されたアルミナ粒子は、より高い真球度を有し、その真球度は50%を超えることが一般的である。また、爆燃法では、爆燃反応後の加熱温度を1225℃よりも低くすることで真球度の値を大きくすることができる。加熱処理においては、ロータリーキルン等の公知の装置・方法が採用されうる。
アルミナ粒子の真球度は、走査型電子顕微鏡(SEM)(株式会社日立ハイテクノロジー製 製品名:SU8000)で測定した画像からランダムで100個の砥粒を選び、これらの平均長径および平均短径を測定、算出した上で、下記式に従って算出することができる。アルミナ粒子の真球度の測定、算出方法の詳細は実施例に記載する。
なお、上記測定に基づいて算出される真球度は、研磨用組成物の原料である粉末状のアルミナ粒子の状態で測定しても、調製された研磨用組成物からアルミナ粒子を取り出して測定しても、値は同等となる。
アルミナ粒子は、爆燃法により製造されたアルミナ粒子であるか、または、破壊強度が0.5GPa以上のアルミナ粒子であれば特に制限されない。例えば、α-アルミナ、γ-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナ、η-アルミナおよびκ-アルミナから選択される少なくとも1種を含むアルミナ粒子等が挙げられる。これらの中でも、結晶相としてγ相を含むアルミナ粒子(γ-アルミナを含むアルミナ粒子)であることが好ましく、主となる結晶相としてγ相を含むアルミナ粒子(主成分としてγ-アルミナを含むアルミナ粒子)であることがより好ましい。
本明細書において、粉末X線回折装置を用いて得た粉末X線回折スペクトルから、2θ=46°の位置に現れるγ相のピークが確認される場合、アルミナ粒子が「結晶相としてγ相を含む」と判断する。また、本明細書において、後述するγ化率が50%超である場合、アルミナ粒子が「主となる結晶相としてγ相を含む」と判断する(上限100%)。結晶相としてγ相を含むアルミナ粒子を使用することで、研磨速度がより向上し、γ相が主となる結晶相である場合はその効果がより高まる。γ相は応力印加時における変形可能量が大きく、破壊強度の向上に寄与するからであると推測している。なお、後述する爆燃法で製造されたアルミナ粒子は、2θ=46°の位置に現れるγ相のピークが確認されるとき、γ相の含有割合が特に高くなる傾向がある。
また、アルミナ粒子のα化率は、50%未満であることが好ましく、45%未満であることがより好ましく、40%未満であることがさらに好ましい(下限0%)。上記範囲であると、研磨速度がより向上する。α相は高い硬度を有するものの脆い傾向があるため、その含有量を一定以下とすることで応力印加時の破壊強度がより向上に寄与するからであると推測している。ここで、α化率〔%〕は、粉末X線回折装置を用いて得た粉末X線回折スペクトルから、2θ=25.6°の位置に現れるα相(012)面のピーク高さ(I25.6)と、2θ=46°の位置に現れるγ相のピーク高さ(I46)とから、下記式によって算出することができる。
主となる結晶相としてγ相を含む場合、さらに結晶相としてα相を含むことが好ましい。この場合、硬度がより向上して研磨速度がより向上する。この際、α化率は0%超40%未満であることが好ましい。
また、本明細書において、γ化率〔%〕は、粉末X線回折装置を用いて得た粉末X線回折スペクトルにおける、2θ=25.6°の位置に現れるα相(012)面のピーク高さ(I25.6)と、2θ=46°の位置に現れるγ相のピーク高さ(I46)とから、下記式より算出される値であると定義とする。
アルミナ粒子中の結晶相の種類やその含有割合は、製造方法や製造条件によって制御することができる。例えば、後述する爆燃法により製造されたアルミナ粒子は、γ化率がより高く、α化率がより低い。また、爆燃法では、爆燃反応後の加熱温度を1225℃よりも低くすることで、α化率を下げることができる。
アルミナ粒子中の結晶相の種類の特定、ならびにα化率およびγ化率の測定、算出方法の測定、算出方法の詳細は実施例に記載する。
また、上記測定に基づいて算出されるα化率、γ化率は、研磨用組成物の原料である粉末状のアルミナ粒子の状態で測定しても、調製された研磨用組成物からアルミナ粒子を取り出して測定しても、値は同等となる。
アルミナ粒子の平均粒子径は、特に制限されないが、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましく、5μm以上であることがさらに好ましく、8μm以上であることがよりさらに好ましく、10μm以上であることが特に好ましい。上記範囲であると、研磨速度がより向上する。また、アルミナ粒子の平均粒子径は、500μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましく、20μm以下であることがよりさらに好ましく、15μm以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、研磨対象物上のスクラッチなどの欠陥がより減少する。
なお、研磨対象物が酸化ケイ素を含む場合、アルミナ粒子の平均粒子径の好ましい一例は、5μm以上20μm以下であり、より好ましくは、12μm以上20μm以下である。研磨対象物がエポキシ樹脂を含む場合、アルミナ粒子の平均粒子径の好ましい一例は、5μm以上20μm以下であり、より好ましくは、12μm以上20μm以下である。研磨対象物がポリイミド樹脂を含む場合、アルミナ粒子の平均粒子径の好ましい一例は、10μm以上20μm以下であり、より好ましくは、12μm以上20μm以下である。研磨対象物がアクリル樹脂を含む場合、アルミナ粒子の平均粒子径の好ましい一例は、8μm以上20μm以下であり、より好ましくは、8μm以上10μm以下である。
本明細書において、アルミナ粒子の平均粒子径は、粒子径分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、マイクロトラックMT3000II)を用いて測定を行うことができる。なお、アルミナ粒子の平均粒子径の測定方法の詳細は実施例に記載する。
また、上記測定に基づいて得られる平均粒子径は、研磨用組成物の原料である粉末状のアルミナ粒子を用いて測定しても、当該アルミナ粒子を含む研磨用組成物を用いて測定しても、値は同等となる。
アルミナ粒子の含有量は、特に制限されないが、研磨用組成物の総質量に対して0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましく、2質量%以上であることが特に好ましい。アルミナ粒子の含有量が大きくなるにつれて、研磨速度がより向上する。また、アルミナ粒子の含有量は、研磨用組成物の総質量に対して25質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましく、8質量%であることがよりさらに好ましく、6質量%以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、研磨対象物上のスクラッチなどの欠陥の発生がより減少する。
アルミナ粒子の製造方法は、特に制限されず、公知の方法を適宜使用することができ、より高い破壊強度のアルミナ粒子、例えば、破壊強度が0.5GPa以上のアルミナ粒子が得られる方法であることが好ましい。中でも、爆燃法(VMC法:Vaporized Metal Combustion Method)が好ましい。すなわち、アルミナ粒子としては、爆燃法で製造されたアルミナ粒子であることが好ましい。爆燃法は、破壊強度および真球度が高いアルミナ粒子を得ることができ、当該粒子を使用することで研磨速度がより向上する。
爆燃法とは、「酸素を含む雰囲気内において化学炎を形成し、この化学炎中に目的とする酸化物超微粒子の一部を形成する金属粉末を粉塵雲が形成される程度の量投入し、爆燃を起こさせて酸化物超微粒子を合成する方法」を表す。爆燃法の詳細は、例えば、特開昭60-255602号公報をはじめとする公知の文献に記載されており、これらの記載を参考としてアルミナ粒子を製造することができる。
〔分散媒〕
本発明に係る研磨用組成物は、分散媒を含む。分散媒は、各成分を分散または溶解させる。
分散媒は、水を含むことが好ましい。さらに、不純物による研磨用組成物の他の成分への影響を防ぐ観点から、できる限り高純度な水を使用することが好ましい。具体的には、イオン交換樹脂にて不純物イオンを除去した後フィルタを通して異物を除去した純水や超純水、または蒸留水が好ましい。また、分散媒として、研磨用組成物の他の成分の分散性などを制御する目的で、有機溶媒などをさらに含んでもよい。
〔pH調整剤〕
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物は、pH調整剤をさらに含むことが好ましい。pH調整剤は、その種類および添加量を選択することで研磨用組成物のpHの調整に寄与しうる。
pH調整剤は、pH調整機能を有する化合物であれば特に制限されず、公知の化合物を用いることができる。pH調整剤は、pH調整機能を有するものであれば特に制限されないが、例えば、酸、アルカリ等が挙げられる。
酸としては、無機酸または有機酸のいずれを用いてもよい。無機酸としては、特に制限されないが、例えば、硫酸、硝酸、ホウ酸、炭酸、次亜リン酸、亜リン酸およびリン酸等が挙げられる。有機酸としては、特に制限されないが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2-メチル酪酸、n-ヘキサン酸、3,3-ジメチル酪酸、2-エチル酪酸、4-メチルペンタン酸、n-ヘプタン酸、2-メチルヘキサン酸、n-オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸および乳酸などのカルボン酸、ならびにメタンスルホン酸、エタンスルホン酸およびイセチオン酸等が挙げられる。これらの中でも、無機酸が好ましく、硝酸がより好ましい。
アルカリとしては、特に制限されないが、例えば、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、テトラメチルアンモニウムおよびテトラエチルアンモニウムなどの第4級アンモニウム塩、エチレンジアミンおよびピペラジンなどのアミン等が挙げられる。これらの中でもアンモニアが好ましい。
なお、pH調整剤は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
pH調整剤の含有量は、特に制限されず、pH値を後述する好ましい範囲内の値とすることができる量であることが好ましい。
〔加工促進剤〕
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物は加工促進剤をさらに含むことが好ましい。そして、加工促進剤としては、幹ポリマー部にアニオン性官能基を有するグラフトポリマー(以下、単に「グラフトポリマーAとも称する」)が好ましい。グラフトポリマーAは、砥粒である上記のアルミナ粒子と組み合わせて使用することにより、研磨速度、特に研磨対象となる材料が樹脂である場合の研磨速度を向上させるよう作用する。この理由は、研磨対象物のゼータ電位および濡れ性を調整し、アルミナ砥粒と、研磨対象物との接触をより容易にするからであると推測される。
グラフトポリマーAが有するアニオン性官能基としては、特に制限されないが、研磨速度、特に研磨対象となる材料が樹脂である場合の研磨速度の向上効果をより高めるとの観点から、カルボキシ基またはその塩の基であることが好ましい。このことから、幹ポリマー部としては、カルボキシ基またはその塩の基を有する単量体由来の構成単位を含む(共)重合体であることが好ましい。そして、少なくとも(メタ)アクリル酸またはその塩由来の構成単位を含む(共)重合体であることがより好ましい。
また、少なくとも(メタ)アクリル酸またはその塩由来の構成単位を含む(共)重合体は、他の単量体由来の構造単位をさらに含んでいてもよい。他の単量体としては、特に制限されないが、公知のビニル基を有する単量体や、公知の(メタ)アクリロイル基を有する単量体などの炭素-炭素二重結合を有する単量体が好ましい例として挙げられる。他の単量体の具体的な例としては、特に制限されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアミノアルキルエステル;ヒドロキシエチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸とグリコールとのモノエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルアルキルエーテル;ビニルスルホン酸またはその塩;スチレンスルホン酸またはその塩;アリルスルホン酸またはその塩;メタリルスルホン酸またはその塩;(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸またはその塩;酢酸ビニル;ビニルステアレート;N-ビニルイミダゾール;N-ビニルアセトアミド;N-ビニルホルムアミド;N-ビニルカプロラクタム;N-ビニルカルバゾール;(メタ)アクリルアミド;N-アルキル(メタ)アクリルアミド;N-メチロール(メタ)アクリルアミド;N,N-メチレンビス(メタ)アクリルアミド;グリコールジ(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン;グリコールジアリルエーテル;アリルアルコール等の不飽和アルコール;無水マレイン酸またはその塩;マレイン酸エステル等が挙げられる。
なお、上記のポリ(メタ)アクリル酸塩の形態や、他の単量体が塩である場合の形態としては、特に制限されないが、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩であることが好ましい。
グラフトポリマーAが有するアニオン基の数は、1個の幹ポリマー部に対して1個以上であれば特に制限されないが、2個以上であることが好ましい。
グラフトポリマーAを構成する枝部(グラフト鎖)は、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシブチレン鎖をはじめとするポリオキシアルキレン鎖を分子内に含むポリマーであることが好ましい。枝部がかようなポリマーであることで、研磨速度、特に研磨対象となる材料が樹脂である場合の研磨速度の向上効果がより高まる。枝部を構成しうる、ポリオキシアルキレン鎖を分子内に含むポリマーとしては、特に制限されないが、例えば、末端にヒドロキシ基を有し、幹ポリマー部のカルボキシ基とエステル化反応またはヒドロキシル基と付加反応することでグラフト結合を形成し得るポリマーが挙げられる。この具体例としては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルケニルエーテル等のオキシアルキレン基を有する(共)重合体が挙げられる。また、枝部を構成しうる、ポリオキシアルキレン鎖を分子内に含むポリマーとしては、例えば、末端にアミノ基を有し、幹ポリマー部のカルボキシ基とアミド化反応することでグラフト結合を形成し得るポリマーが挙げられる。この具体例としては、特に制限されないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン等が挙げられる。これらのことから、好ましいグラフトポリマーAの一例としては、幹ポリマー部にアニオン性官能基を有し、枝部にポリオキシアルキレン鎖を含む、グラフトポリマーが挙げられる。
グラフトポリマーAの枝部の数は、1個の幹ポリマー部に対して1個以上であれば特に制限されないが、2個以上であることが好ましい。
グラフトポリマーAの一例としては、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含むポリマーが挙げられる。
上記一般式(1)において、
は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数が1~6の置換もしくは非置換アルキル基を表し、
は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数が1~12の置換もしくは非置換アルキル基を表し、
、R、およびRは、それぞれ独立して、-CO-、-CO-、および-CO-から選択されるいずれか1種の構造単位を表し、
は、それぞれ独立して、水素原子またはカルボキシル基を表し、
Aは、それぞれ独立して、単結合、-O-、-COO-、炭素数が1~9のオキシアルキレン基(-C2qO-(qは1~9の任意の整数))、アミド基(-CONH-)、または-NH-を表し、
l、m、nは、それぞれ独立して、0~100の任意の整数を表し、l+m+n>0であり、
*は結合手を表す。
また、グラフトポリマーAの一例としては、上記一般式(1)で表される繰り返し単位に加え、下記一般式(2)~(4)で表される繰り返し単位の少なくとも1つをさらに含むポリマーが挙げられる。
上記一般式(2)において、
は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数が1~6の置換もしくは非置換アルキル基を表し、
は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数が1~12の置換もしくは非置換アルキル基を表し、
A’は、それぞれ独立して、単結合、-O-、または-NH-を表し、
上記一般式(2)~(4)において、
*は結合手を表す。
上記一般式(1)~(4)において、結合手*は、他の繰り返し単位または水素元素と結合することが好ましい。
グラフトポリマーAが上記一般式(1)で表される繰り返し単位と、上記一般式(2)~(4)の少なくとも1つで表される繰り返し単位とを共に含むポリマーである場合、これらのモル比は、一般式(1)で表される繰り返し単位:一般式(2)~(4)で表される繰り返し単位の総和=1:20~20:1であることが好ましく、1:10~10:1であることがより好ましく、1:3~3:1であることがさらに好ましく、1:1であることが特に好ましい。
グラフトポリマーAの重量平均分子量は、特に制限されないが、500以上が好ましく、1,000以上がより好ましく、5,000以上がさらに好ましく、7,000以上が特に好ましい。上記範囲であると、基材へのグラフトポリマーAの付着率がより高くなるため、期待した基材の表面特性をより良好に得ることができる。また、グラフトポリマーAの重量平均分子量は、2,000,000以下が好ましく、100,000以下がより好ましく、30,000以下がさらに好ましい。上記範囲であると、研磨中に基材表面からのグラフトポリマーAをより適切に除去できるため、期待した研磨速度をより安定的に得ることができる。重量平均分子量は、ゲルパーミーエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、GPC装置(株式会社島津製作所製 型式:Prominence + ELSD検出器(ELSD-LTII))などを用いてポリエチレングリコール換算によって求めることができる。なお、重量平均分子量の測定方法の詳細は実施例に記載する。
加工促進剤は、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、特に制限されないが、例えば、日油株式会社製のマリアリム(登録商標)AKM0531、SC0505K、SC0708A、SC1015F等が挙げられる。
なお、加工促進剤は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
加工促進剤の含有量は、特に制限されないが、研磨用組成物の総質量に対して0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましい。上記範囲であると、研磨速度、特に研磨対象となる材料が樹脂である場合の研磨速度がより向上する。また、加工促進剤の含有量は、研磨用組成物の総質量に対して25質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。上記範囲であると、砥粒と基材との間の接触頻度をより高めることができる。
砥粒の含有量に対する加工促進剤の含有量の比(加工促進剤の含有量(質量%)/砥粒の含有量(質量%))は、特に制限されないが、0.01以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましく、0.15以上であることがさらに好ましい。また、砥粒の含有量に対する加工促進剤の含有量の比(加工促進剤の含有量(質量%)/砥粒の含有量(質量%))は、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。これらの範囲であると、この範囲であると、砥粒と、基材との間の接触頻度をより高めることができる。
〔他の成分〕
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で上記説明した以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。他の成分としては、特に制限されず、公知の研磨用組成物に用いられる成分を使用することができる。例えば、濡れ剤、界面活性剤、キレート剤、防腐剤、防カビ剤、溶存ガス、酸化剤、還元剤等が挙げられる。
〔pH〕
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物のpHは、特に制限されないが、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましい。上記範囲であると、安全性を考慮ししつつ、高い研磨速度が得られる。また、研磨用組成物のpHは、12以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。ガラスエポキシ、ポリイミド、アクリルなどの樹脂が研磨対象の場合は、9以下であることがさらに好ましく、7以下であることがよりさらに好ましく、6以下であることが特に好ましく、4以下であることが最も好ましい。上記範囲であると、高い安全性および高い研磨速度が得られる。これより、pHの範囲の好ましい一例としては、1以上12以下が挙げられ、より好ましくは、2以上10以下が挙げられる。
なお、研磨対象物がポリイミド樹脂を含む場合、pHの範囲の好ましい一例は、2以上7未満であり、より好ましくは、2以上5以下であり、さらに好ましくは、2以上4以下である。研磨対象物がアクリル樹脂を含む場合、pH範囲の好ましい一例は、2以上7未満であり、より好ましくは、2以上5以下であり、さらに好ましくは、2以上4以下である。
pH値は、pHメーター(株式会社 堀場製作所製 型番:LAQUA(登録商標))によって確認することができる。
〔研磨用組成物の製造方法〕
研磨用組成物の製造方法(調製方法)は、特に制限されず、例えば、破壊強度が0.5GPa以上のアルミナ粒子と、分散媒とを、攪拌混合することを含む製造方法が適宜採用されうる。また、例えば、爆燃法によりアルミナ粒子を製造することと、当該アルミナ粒子と、分散媒とを、攪拌混合することを含む製造方法が適宜採用されうる。これらの方法に際して、pH調整剤や他の成分を、さらに攪拌混合してもよい。添加される各成分の詳細は、上記の通りである。これより、研磨用組成物の製造方法の好ましい一例としては、爆燃法によって破壊強度が0.5GPa以上のアルミナ粒子を製造することと、当該アルミナ粒子と、分散媒とを、攪拌混合することを含む製造方法が挙げられる。なお、爆燃法の詳細については、上記の研磨用組成物の説明と同様である。
各成分を混合する際の温度は特に制限されないが、10~40℃が好ましく、溶解速度を上げるために加熱してもよい。また、混合時間も特に制限されない。
研磨用組成物は、研磨用組成物の原液を水などの希釈液を使って例えば10倍以上に希釈することによって調整されてもよい。
〔研磨対象物〕
本発明に係る研磨用組成物によって研磨される研磨対象物は、特に制限されず、公知のCMP工程における研磨対象物を適宜選択することができる。
Si元素含有材料としては、特に制限されないが、例えば、ポリシリコン、アモルファスシリコン、単結晶シリコン、n型ドープ単結晶シリコン、p型ドープ単結晶シリコン、SiGe等のSi系合金、酸化ケイ素(SiO)、BD(ブラックダイヤモンド:SiOCH)、FSG(フルオロシリケートグラス)、HSQ(水素シルセスキオキサン)、CYCLOTENE、SiLK、MSQ(Methylsilsesquioxane)、窒化ケイ素(SiN)、炭窒化ケイ素(SiCN)等が挙げられる。ここで、酸化ケイ素としては、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)由来の酸化ケイ素であることが好ましい。
樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル-アクリル酸メチル共重合体、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂等のアクリル樹脂;エポキシ樹脂;超高分子量ポリエチレン(UHPE)等のオレフィン樹脂;フェノール樹脂;ポリアミド樹脂(PA);ポリイミド樹脂(PI);ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、不飽和ポリエステル樹脂等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂(PC);シンジオタクチックポリスチレン(SPS)等のポリスチレン樹脂;ポリノルボルネン樹脂;ポリベンゾオキサゾール(PBO);ポリアセタール(POM);変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE);非晶ポリアリレート(PAR);ポリスルホン(PSF);ポリエーテルスルホン(PES);ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリエーテルイミド(PEI);フッ素樹脂;液晶ポリマー(LCP)等が挙げられる。
また、樹脂には、ガラス繊維や炭素繊維などの繊維を複合して強度を向上させた強化プラスチックも含まれるものとする。
これらの中でも、研磨対象物は、研磨面にSi元素含有材料または樹脂を含む研磨対象物であることが好ましく、研磨面に酸化ケイ素または樹脂を含む研磨対象物であることがより好ましい。さらに、研磨面に樹脂を含む研磨対象物であることがさらに好ましく、研磨面にエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂またはアクリル樹脂を含む研磨対象物であることがよりさらに好ましい。そして、研磨面にポリイミド樹脂またはアクリル樹脂を含む研磨対象物であることが特に好ましい。研磨面に樹脂を含む研磨対象物を研磨する用途で使用される場合、特に研磨面にポリイミド樹脂またはアクリル樹脂を含む研磨対象物を研磨する用途で使用される場合、研磨速度が顕著に向上する。
また、研磨面に樹脂を含む研磨対象物において、樹脂は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、カオリン、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム等の無機フィラーや、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ゴム微粒子等の有機フィラー等をさらに含んでいてもよい。
これらSi元素含有材料または樹脂は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
さらに、研磨対象物は、研磨面として、Si元素含有材料または樹脂以外に、これらとは異なる材料を含むものであってもよい。かような材料として、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)等が挙げられる。
<研磨方法>
本発明の他の一形態は、上記の研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する、研磨方法に関する。本形態に係る研磨対象物の好ましい例は、上記の研磨用組成物の説明で挙げたものと同様である。例えば、研磨面に樹脂を含む研磨対象物を研磨することが好ましい。
研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する際には、通常の研磨に用いられる装置や条件を用いて行うことができる。一般的な研磨装置としては、片面研磨装置や両面研磨装置が挙げられる。片面研磨装置では、一般的に、キャリアと呼ばれる保持具を用いて研磨対象物を保持し、上方より研磨用組成物を供給しながら、研磨対象物の片面に研磨パッドが貼付された定盤を押し付けて定盤を回転させることにより研磨対象物の片面を研磨する。両面研磨装置では、一般的に、キャリアと呼ばれる保持具を用いて研磨対象物を保持し、上方より研磨用組成物を供給しながら、研磨対象物の対向面に研磨パッドが貼付された定盤を押しつけ、それらを相対方向に回転させることにより研磨対象物の両面を研磨する。このとき、研磨パッドおよび研磨用組成物と、研磨対象物との摩擦による物理的作用と、研磨用組成物が研磨対象物にもたらす化学的作用とによって研磨される。前記研磨パッドとしては、不織布、ポリウレタン、スウェード等の多孔質体を特に制限なく使用することができる。研磨パッドには、研磨液が溜まるような加工が施されていることが好ましい。
研磨条件としては、例えば、研磨荷重、定盤回転数、キャリア回転数、研磨用組成物の流量、研磨時間等が挙げられる。これらの研磨条件に特に制限はないが、例えば、研磨荷重については、研磨対象物の単位面積当たり0.1psi以上10psi以下であることが好ましく、より好ましくは0.5psi以上8.0psi以下であり、さらに好ましくは1.0psi以上6.0psi以下である。一般に荷重が高くなればなるほど砥粒による摩擦力が高くなり、機械的な加工力が向上するため研磨速度が上昇する。この範囲であれば、十分な研磨速度が発揮され、荷重による研磨対象物の破損や、表面に傷などの欠陥が発生することを抑制することができる。定盤回転数、およびキャリア回転数は、10~500rpmであることが好ましい。研磨用組成物の供給量は、研磨対象物の全体が覆われる供給量(流量)であればよく、研磨対象物の大きさなどの条件に応じて調整すればよい。研磨パッドに研磨用組成物を供給する方法も特に制限されず、例えば、ポンプ等で連続的に供給する方法が採用される。また、加工時間は、所望の加工結果が得られる時間であれば特に制限されないが、高い研磨速度に起因してより短い時間とすることが好ましい。
また、本発明のさらなる他の一形態は、上記の研磨方法で研磨対象物を研磨する工程を含む、研磨済研磨対象物の製造方法に関する。本形態に係る研磨対象物の好ましい例は、上記の研磨用組成物の説明で挙げたものと同様である。好ましい一例としては、上記研磨方法によって、樹脂を含む研磨対象物を研磨することを含む、電子回路基板の製造方法が挙げられる。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「質量%」および「質量部」を意味する。
<砥粒>
〔砥粒A1~5の製造〕
特開昭60-255602号公報の実施例を参考として爆燃法によって製造された、下記表1に記載の砥粒A1~A5を準備した。
〔砥粒A6~A9の合成〕
特開2006-36864号公報の段落「0013」に記載のように、水酸化アルミニウムを、か焼温度を1100~1500℃の範囲内とし、か焼時間を1~5時間の範囲内とする条件でか焼した後、20000μm径の酸化アルミニウムポールを用いて粉砕した。このようなか焼し、その後必要に応じて粉砕することによるアルミナ粒子の製造方法(粉砕法)によって、砥粒A6~A9を製造した。これらの砥粒の製造においては、下記表1に記載の平均粒子径の値が得られるよう粉砕時間を制御した。
〔砥粒A10およびA11の製造〕
アルミニウムアルコキシドを加水分解することによるアルミナ粒子の製造方法(加水分解法)によって製造された、下記表1に記載の砥粒A10およびA11を準備した。
〔結晶相の種類および含有量の分析〕
(アルミナ粒子に含まれる結晶相の種類)
粉末状の砥粒(アルミナ粒子)について、粉末X線回折装置(株式会社リガク製 全自動多目的X線回折装置 SmartLab)を用いて粉末X線回折スペクトルを得て、当該粉末X線回折スペクトルのピーク位置よりアルミナ粒子に含まれる結晶相の種類を判断した。ここで、当該粉末X線回折スペクトルにおいて、2θ=25.6°の位置に現れるα相(012)面のピークが確認される場合、アルミナ粒子が「結晶相としてα相を含む」と判断した。また、2θ=46°の位置に現れるγ相のピークが確認される場合、アルミナ粒子が「結晶相としてγ相を含む」と判断した。
(α化率)
α化率〔%〕は、粉末X線回折装置を用いて得た粉末X線回折スペクトルにおける、2θ=25.6°の位置に現れるα相(012)面のピーク高さ(I25.6)と、2θ=46°の位置に現れるγ相のピーク高さ(I46)とから、下記式によって算出した。
(主となる結晶相)
α化率が50%超である場合、アルミナ粒子が「主となる結晶相としてα相を含む」と判断した。また、粉末X線回折装置を用いて得た粉末X線回折スペクトルにおける、2θ=25.6°の位置に現れるα相(012)面のピーク高さ(I25.6)と、2θ=46°の位置に現れるγ相のピーク高さ(I46)とから、下記式より算出される値をγ化率〔%〕と定義とする。γ化率が50%超である場合、アルミナ粒子が「主となる結晶相としてγ相を含む」と判断した。
〔真球度〕
粉末状の砥粒(アルミナ粒子)について、走査型電子顕微鏡(SEM)(株式会社日立ハイテクノロジー製 製品名:SU8000)で測定した画像からランダムで100個の砥粒を選び、これらの平均長径および平均短径を測定、算出した。続いて、平均長径および平均短径の値を用いて、下記式に従い、砥粒の真球度を算出した。
〔平均粒子径〕
粉末状の砥粒(アルミナ粒子)について、粒子径分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、マイクロトラックMT3000II)を用いて測定を行い、平均粒子径を評価した。
〔破壊強度〕
粉末状の砥粒(アルミナ粒子)について、以下の測定装置および測定条件によって荷重-押し込み変位線図を得た。そして、急激に変位が増加する点を粒子に大規模破壊が発生した点として、砥粒の破壊強度を下記式に従い算出した。
(測定装置および測定条件)
測定装置:株式会社島津製作所製 微小圧縮試験機 MCTW-500、
使用圧子:ダイヤモンド製平面圧子(φ=50μm)、
負荷速度:7.747mN/s:負荷速度一定方式、
測定雰囲気:室温大気中。
各砥粒の特徴(材質および製造方法)と、α化率、主となる結晶相、平均粒子径、真球度、平均長径および平均短径ならびに破壊強度の評価結果とを表1に示す。
なお、下記表1において、α化率が<40〔%〕とは、結晶相としてα相を含むものの、そのα化率の値は0%超40%未満であることを表す。
<研磨用組成物>
〔研磨用組成物P1~P10、P13~P19の調製〕
下記表3の種類の砥粒と、pH調整剤である硝酸と、分散媒である水とを添加し、攪拌混合して、研磨用組成物P1~P10、P13~P19を得た(混合温度約25℃、混合時間:約10分)。この際、砥粒の添加量を、調製される研磨用組成物の総質量に対して下記表3の濃度〔質量%〕となる量とし、pH調整剤の添加量を、調製される研磨用組成物のpH値が下記表3の値となる量とした。
〔研磨用組成物P11およびP12の調製〕
下記表3の種類の砥粒と、pH調整剤であるアンモニアと、分散媒である水とを添加し、攪拌混合して、研磨用組成物P11およびP12を得た(混合温度約25℃、混合時間:約10分)。この際、砥粒の添加量を、調製される研磨用組成物の総質量に対して下記表3の濃度〔質量%〕となる量とし、pH調整剤の添加量を、調製される研磨用組成物のpH値が下記表3の値となる量とした。
〔研磨用組成物P20~35の調製〕
下記表4の種類の砥粒と、下記表4の種類の加工促進剤または加工促進剤の効果を確認するための比較用化合物(以下、単に「比較用化合物」とも称する)と、pH調整剤である硝酸と、分散媒である水とを添加し、攪拌混合して、研磨用組成物P20~35を得た(混合温度約25℃、混合時間:約10分)。この際、砥粒の添加量、および加工促進剤または比較用化合物の添加量を、調製される研磨用組成物の総質量に対して下記表4の濃度〔質量%〕となる量とし、pH調整剤の添加量を、調製される研磨用組成物のpH値が下記表4の値となる量とした。
研磨用組成物P20~35の調製に使用した加工促進剤および比較用化合物を以下に示す:
・化合物A:マリアリム(登録商標)SC0505K(日油株式会社製;幹ポリマー部にアニオン性官能基を有し、枝部(グラフト鎖)にポリオキシアルキレン鎖を含む、グラフトポリマー;ポリオキシアルキレン鎖長は短め;Mw=8,000以上10,000以下)、加工促進剤、
・化合物B:マリアリム(登録商標)AKM0531(日油株式会社製;幹ポリマー部にアニオン性官能基を有し、枝部(グラフト鎖)にポリオキシアルキレン鎖を含む、グラフトポリマー;ポリオキシアルキレン鎖長は中程度、Mw=16,000以上20,000以下)、加工促進剤、
・化合物C:マリアリム(登録商標)SC0708A(日油株式会社製;幹ポリマー部にアニオン性官能基を有し、枝部(グラフト鎖)にポリオキシアルキレン鎖を含む、グラフトポリマー;ポリオキシアルキレン鎖長は中程度、Mw=9,000以上15,000以下)、加工促進剤、
・化合物D:マリアリム(登録商標)SC1015F(日油株式会社製;幹ポリマー部にアニオン性官能基を有し、枝部(グラフト鎖)にポリオキシアルキレン鎖を含む、グラフトポリマー;ポリオキシアルキレン鎖長は長め、Mw=10,000以上15,000以下)、加工促進剤、
・化合物E:ポリアクリル酸(東亜合成化学株式会社製;Mw=8,000以上10,000以下)、比較用化合物、
・化合物F:ポリアクリル酸(東亜合成化学株式会社製;Mw=80,000以上100,000以下)、比較用化合物、
・化合物G:ポリアクリル酸(東亜合成化学株式会社製;;Mw=400,000以上500,000以下)、比較用化合物。
なお、加工促進剤および比較用化合物の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミーエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、GPC装置(株式会社島津製作所製 型式:Prominence + ELSD検出器(ELSD-LTII))を用いてポリエチレングリコール換算によって求めた。具体的には以下の通りである。
GPC装置:株式会社島津製作所製
型式:Prominence + ELSD検出器(ELSD-LTII)
カラム:VP-ODS(株式会社島津製作所製)
移動相 A:MeOH
B:酢酸1%水溶液
流量:1mL/分
検出器:ELSD temp.40℃、Gain 8、N2GAS 350kPa
オーブン温度:40℃
注入量:40μL。
なお、研磨用組成物の調整において、pH値は、pHメーター(株式会社 堀場製作所製 型番:LAQUA(登録商標))によって確認した。
〔研磨速度〕
研磨対象物として、下記表2の基板S1~S4を準備した。
続いて、得られた研磨用組成物を用いて、下記の研磨装置および研磨条件にて基板を研磨し、下記の方法に従って基板の研磨速度を評価した。研磨用組成物P1~P19を用いた研磨結果を下記表3に示す。また、研磨用組成物P20~P35を用いた研磨結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、研磨用組成物P20~P35との比較のため、研磨用組成物P1、P5、P13、P15およびP17を用いた研磨結果も併せて記載する。
(研磨装置および研磨条件)
研磨装置:小型卓上研磨機(日本エンギス株式会社製 EJ380IN)
研磨パッド:硬質ポリウレタン製パッド(ニッタ・ハース株式会社製 IC1000) プラテン(定盤)回転速度:70〔rpm〕
ヘッド(キャリア)回転速度:70〔rpm〕
研磨圧力:4.0〔psi〕
研磨用組成物の流量:100〔ml/min〕
研磨時間:1〔min〕
(研磨速度評価方法)
1.電子天秤GH-202(株式会社エー・アンド・デイ製)を用いて、研磨前後の研磨対象物の質量を測定して、これらの差から、研磨前後の研磨対象物の質量変化量ΔM〔kg〕を算出した;
2.研磨前後の研磨対象物の質量変化量ΔM〔kg〕を研磨対象物の比重(研磨対象となる材料の比重)で除することで、研磨前後の研磨対象物の体積変化量ΔV〔m〕を算出した;
3.研磨前後の研磨対象物の体積変化量ΔV〔m〕を研磨対象物の研磨面の面積S〔m〕で除することで、研磨前後の研磨対象物の厚み変化量Δd〔m〕を算出した;
4.研磨前後の研磨対象物の厚み変化量Δd〔m〕を研磨時間t〔min〕で除し、さらに単位を〔μm/min〕へと換算した。この値を研磨速度v〔μm/min〕とした。
上記表3より、本発明に係る研磨用組成物P1~P12は、高い研磨速度を示すことが確認された。また、これらの研磨用組成物は、研磨対象となる材料が樹脂である場合に極めて高い研磨速度を示すことが確認された。
一方、比較例に係る研磨用組成物P13~P19は、研磨速度に劣り、樹脂研磨においても高い研磨速度が得られないことが確認された。
また、上記表4より、加工促進剤をさらに含む、本発明に係る研磨用組成物P20~P26は、これらと同種の砥粒を含み、加工促進剤を含まない、本発明に係る研磨用組成物P1およびP27~P29と比較して、より高い研磨速度を示すことが確認された。また、加工促進剤をさらに含む、本発明に係る研磨用組成物P30~P32は、これらと同種の砥粒を含み、加工促進剤を含まない、本発明に係る研磨用組成物P5と比較して、より高い研磨速度を示すことが確認された。このように、本発明に係る研磨用組成物は、加工促進剤をさらに含むことで、より高い研磨速度を示すことが確認された。また、これらの研磨速度の向上効果は、研磨対象となる材料が樹脂である場合に、より顕著となることが確認された。
一方、加工促進剤をさらに含む、比較例に係る研磨用組成物P33~P35は、それぞれ、これらと同種の砥粒を含み、加工促進剤を含まない、P13、P15およびP17と比較して、研磨速度に劣り、加工促進剤による研磨速度の向上効果も得られないことが確認された。

Claims (12)

  1. アルミナ粒子と、分散媒とを含み、
    前記アルミナ粒子の破壊強度が0.5GPa以上であり、
    前記アルミナ粒子のγ化率が50%超であり、
    前記γ化率は、粉末X線回折装置を用いて得た粉末X線回折スペクトルにおける、2θ=25.6°の位置に現れるα相(012)面のピーク高さ(I25.6)と、2θ=46°の位置に現れるγ相のピーク高さ(I46)とから、下記式:
    によって算出される、研磨用組成物。
  2. 前記アルミナ粒子の真球度が50%を超える、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記アルミナ粒子のα化率が45%未満であり、
    前記α化率は、粉末X線回折装置を用いて得た粉末X線回折スペクトルにおける、2θ=25.6°の位置に現れるα相(012)面のピーク高さ(I25.6)と、2θ=46°の位置に現れるγ相のピーク高さ(I46)とから、下記式:
    によって算出される、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
  4. pHが1以上12以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  5. 前記アルミナ粒子の破壊強度が0.6GPa以上である、請求項1~のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  6. 前記アルミナ粒子の破壊強度が2GPa以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  7. 前記アルミナ粒子の真球度が99.9%以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  8. 幹ポリマー部にアニオン性官能基を有するグラフトポリマーをさらに含む、請求項1~のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  9. 研磨面に樹脂を含む研磨対象物を研磨する用途で使用される、請求項1~のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  10. 爆燃法によりアルミナ粒子を製造することと、
    前記アルミナ粒子と、分散媒とを、攪拌混合することを含む、
    請求項1~のいずれか1項に記載の研磨用組成物の製造方法。
  11. 請求項1~のいずれか1項に記載の研磨用組成物を用いて、または、
    請求項10に記載の製造方法によって研磨用組成物を製造し、当該研磨用組成物を用いて、
    研磨対象物を研磨する、研磨方法。
  12. 前記研磨対象物は、研磨面に樹脂を含む研磨対象物である、請求項11に記載の研磨方法。
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