JP7436622B2 - 排便を誘導するための組成物および方法 - Google Patents

排便を誘導するための組成物および方法 Download PDF

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Description

本開示対象は、排便を誘導するためにカプサイシンを使用する方法に関する。
便は大腸で形成され、直腸に一時的に保存される。健常な個体では、便が直腸を満たして膨張すると、末梢および脊椎の排便反射の活性化により、下行結腸およびS状結腸の蠕動収縮が生じる。図1に図示するように、その後の直腸収縮は、内肛門括約筋(すなわち、直腸肛門の抑制反射)と外肛門括約筋(すなわち、脊髄直腸-横紋筋性括約筋の抑制反射)の協調弛緩を伴い、肛門管を通る便の通過を可能にする(MacDonagh,Sun et al.1992,Shafik 1996,Shafik 1999,Shafik,El-Sibai et al.2001,Callaghan,Furness et al.2018)。以上のように、排便は、直腸壁の求心性末端の刺激活性化によって始まり、次に、直腸収縮および肛門括約筋の抑制/弛緩が同時に起こる(すなわち、直腸肛門の抑制反射)。
随意に便を排泄できないこと(すなわち、排便機能障害)は、生命を脅かす状態である。現在の排便機能障害の標準治療には、下剤、浣腸および排便を促す食事と組み合わせた直腸からの便の触指抽出が含まれる。
排便機能障害の個体は、失禁のエピソードも経験することがあり、それによって、直腸内の大量の便は管腔内圧力の急激な上昇を受け、遠位結腸を完全に空にすることなく、直腸内の便の一部が肛門括約筋を通過する。
排便機能障害は、脊髄損傷、二分脊椎、多発性硬化症、および脊髄の病態を伴う他の状態の患者において極めてよく見られる。排便機能障害は、糖尿病性胃腸症の被験体にもよく見られる。排便機能障害はまた、様々な高齢者にも見られ、施設入居高齢者の間でよく見られる。
脊髄損傷(SCI)は、排便に大きく影響する最も頻度の高い損傷であり、通常は交通事故、スポーツ傷害に起因するが、感染症、血管障害、がん、先天性奇形、ポリオ、結核などにも起因する。事故現場で死亡した者を含まないSCIの年間発生率は、米国では人口100万人当たり約54症例、または毎年約17,730の新規症例であると推定される。2019年の米国におけるSCIの人数は約291,000人と推定されており、249,000人~363,000人の範囲である(National Spinal Cord Injury Statistical Center、Facts and Figures at a Glance。アラバマ州バーミンガム:2019年アラバマ大学バーミンガム校)。
脊髄および/または脳の損傷は、随意の排便ができなくなる可能性がある。したがって、大部分のSCI個体は、自ら(56%)または介護者(44%)によって適用される触指直腸刺激および便の手動抽出を用いて、「腸プログラム」にかなりの時間を費やさなければならない。排便反射は、指を直腸に挿入し、上皮内層を軽擦することによって引き起こされる。この軽擦は、便が直腸内を通過する際の直腸機械受容器の生理的刺激を模倣および増幅し、直腸の粘膜層に位置する内因性および外因性の一次求心性機械受容器の末端で活動電位を誘導する。機械受容体の刺激は、末梢および脊椎の排便反射を活性化し、腸細胞からの粘液および電解質の分泌を開始し、これにより便の通過を促進する。
直腸内坐剤「刺激剤」(例えば、ビサコジルまたはグリセリン)は、排便を促進するために使用されてきた。これらの刺激剤は、直腸の粘膜関門を透過性にし、糞便中の刺激物質が粘膜下層の侵害受容求心性神経末端を活性化することを可能にする。求心性活性化は、消化管にシグナルを送って粘液および電解質を分泌させ、直腸を収縮させ、肛門括約筋を弛緩させ、刺激物質を除去する。しかしながら、これらの薬剤は、排便の開始に30分を要することがあり、投与後数時間にわたって排便を刺激し続けることがあり、これは、排便後の便失禁に関する懸念を引き起こす。これらはまた、消化管内層の長期損傷および刺激作用に対する耐性のために毎日使用することができない。
SCIの人々の56%において、腸プログラムに30分~2時間を費やし、その多くは毎日(42%)または1日おき(23%)に腸プログラムを行わなければならない。便の手動抽出に加えて、大量(1L)の温水浣腸が用いられ、温水浣腸は、水および便の内容物を排出しながら30分~1時間トイレに座ることを要する。場合によっては、刺激性の「刺激性下剤」を直腸内投与するが、効果は必要以上に長時間続くことがあり、定期的に投与することはできない。これらの方法は、患者の自尊心を傷つける可能性があり、個人的に混乱させ、社会的関係を変え、うつ、怒り、自己イメージの悪さ、困惑、欲求不満などにつながる可能性がある。
遠位結腸が日常的に空ではない場合、直腸内の便が結腸直腸収縮を誘発し、排便反射および便失禁の不随意の活性化につながる可能性がある。便失禁は、直腸からの固体または液体の便または粘液の偶発的通過として定義される。便失禁には、トイレに到達するまで便通を制することができないこと、および気付かずに排便することが含まれる。便失禁は、社会的活動、雇用、および日常活動を著しく妨げ、SCI個体の65%は、失禁エピソードが発生した場合の清掃で他者の支援を必要とする。米国では1500万人を超える人々が該状態に罹患している。
便失禁は、直腸からの固体または液体の便または粘液の通過を伴うため、固体または液体の便または粘液は、最初に直腸に存在しなければならない。便失禁を防止するために、固形または液体の便または粘液は、随意排便によって、または排便を誘導する薬剤の使用によって直腸から除去することができる。
排便機能障害の個体はまた、便秘のエピソードを経験することがあり、それにより、個体は遠位の結腸および直腸から便を排出することが困難になる。便秘は、胃腸運動低下性障害の最も一般的な形態の1つであり、米国で最も一般的な胃腸愁訴の1つである。北米人の推定1%~8%は慢性便秘である。市販(OTC)の下剤による便秘の自己治療は、非常に最も一般的な治療形態である。米国では毎年10億ドル超が下剤製品に費やされている。
便秘は多くの胃腸管障害で一般的であり、過敏性腸症候群、セリアック病またはグルテン過敏性腸症、甲状腺機能低下症に関連する巨大結腸症、胃腸管の偽性閉塞症、大腸炎、真性糖尿病に関連する結腸の運動性低下、成人発症ヒルシュスプルング病、神経障害、ミオパシー障害、脊髄損傷、パーキンソン病、二次的巨大結腸症を伴う空腸-回腸バイパス、がん化学療法、重症熱傷および他の大きなストレスを含む重症疾患、鬱病症候群、術後状態、および他の病理学的状態を含むが、これらに限らない。
現在の便秘治療には、市販(OTC)の下剤、Amitiza(塩化物チャネル活性化剤であるルビプロストン、便秘またはIBS-Cを伴う過敏性腸症候群用に承認されている)、およびLinzess(リナクロチド、グアニル酸シクラーゼ-Cアゴニスト、IBS-Cおよび慢性特発性膀胱炎、CICの治療用に承認されている)が含まれる。しかしながら、これらの利用可能な薬物はいずれも、結腸収縮および便の排出を生じず、むしろ、腸内の流体を増加させる。
カプサイシン、すなわち8-メチル-N-バニリル-6-ノネンアミドは、カプシカム(Capsicum)属の植物から単離される天然に存在する化学物質であり(Fattori、Hohmann et al.2016)、バニリルアミンと8-メチル-6-ノネノイル-CoAとの縮合から形成されるアミドである(Reyes-Escogido Mde、Gonzalez-Mondragon et al.2011)。カプサイシンは、トウガラシの有効成分の1つであり、感覚求心性神経末端のカプサイシン誘導性活性化は、トウガラシの摂取後に個体が経験する熱、痛みおよび不快感の感覚に関与する(Fattori、Hohmann et al.2016)。
胃腸管では、カプサイシン受容体は、マウスの遠位結腸および直腸の神経線維で豊富に発現し、遠位結腸および直腸のカプサイシン誘導性収縮を媒介する(Matsumoto,Kurosawa et al.2009)。カプサイシンは、覚醒イヌにおいて、直腸内投与ではなく結腸内投与された場合、結腸の過活動を誘導し、排便を開始させるための薬理ツールとして使用されている(Hayashi,Shibata et al.2010;Kikuchi,Shibata et al.2014)。実際、参照刊行物は、直腸投与から脱して経口投与へと教示している。ヒトでは、侵害受容を誘導するためのカプサイシンによる直腸求心性末端の活性化を、健康な被験体および過敏性腸症候群(IBS)の被験体と比較したが、両群は、0.01%および0.1%濃度のカプサイシンの直腸内投与後に、不快感および「便意」を報告したが、排便は報告しなかった(van Wanrooij,Wouters et al.2014)。
排便を誘導するためのカプサイシンの直腸内投与は、これまで実証されていない。さらに、排便機能障害の被験体または脊髄損傷の被験体において排便を誘導するためのカプサイシンの直腸内投与は実証されていない。直腸内投与は、標的組織に曝露を集中させるため、経口薬物投与と比較して安全上の利点を提供する。直腸内カプサイシンの所望の治療効果は、直腸内容物の排出ならびに電解質、体液および粘液の分泌であるため、カプサイシンは直腸から急速に除去され、その作用を終了させ、著しい全身吸収を回避することが期待される。さらに、カプサイシンの直腸吸収は、経口吸収よりも少ない場合がある。
脊髄感覚経路の破壊によるSCIなどの特定の神経系病変がある個体において、カプサイシンの直腸内投与から不快感は予想されない。さらに、一部のSCI個体が現在経験している触指刺激および便の手動抽出に必要な身体的不快感、恥辱、時間および労力よりも軽度の直腸不快感が好ましい可能性がある。
排便機能障害の既存の療法および治療には上記のような制限が伴うため、新しい療法および治療が望ましい。本開示対象は、これらの制限に対処するためのそのような新しい療法および治療を提供する。
本開示対象の一実施形態では、治療を必要とする哺乳動物において排便機能障害の1つを治療するための方法であって、治療有効量のカプサイシンまたはその薬学的に許容される塩を哺乳動物に投与して排便を誘導することを含む方法が提供される。治療有効量のカプサイシンまたはその薬学的に許容される塩は、必要に応じて投与され得る。
本開示対象の一実施形態では、治療を必要とする哺乳動物において排便機能障害を治療するための方法であって、必要に応じて、治療有効量のカプサイシン(式Iによって表される)またはその薬学的に許容される塩を哺乳動物に投与して排便を誘導することを含む方法が提供される。
本開示対象の一実施形態では、必要に応じて治療を必要とする哺乳動物の排便機能障害を治療するための医薬製剤であって、治療有効量のカプサイシン(式I)またはその薬学的に許容される塩、および必要に応じて哺乳動物にカプサイシン(式I)を投与するための担体を含む医薬製剤が提供される。
本開示対象の一実施形態では、患者が排便の随意制御の喪失または低減の治療に使用するためのパッケージキットであって、治療有効量のカプサイシン(式I)またはその薬学的に許容される塩の医薬製剤、貯蔵中および投与前に医薬製剤を収容する容器、ならびに便通制御の喪失または低減を治療するのに有効な様式で投与を実施するための説明書を含むパッケージキットが提供される。
本開示対象の一実施形態では、患者が排便機能障害を必要に応じて治療するために使用するためのパッケージキットであって、治療有効量のカプサイシン(式I)またはその薬学的に許容される塩の医薬製剤、貯蔵中および投与前に医薬製剤を収容する容器、ならびに必要に応じて投与を実施して排便機能障害を治療するための説明書を含むパッケージキットが提供される。
本開示対象の一実施形態では、哺乳動物の排便を誘導する方法であって、治療有効量のカプサイシン(式I)またはその薬学的に許容される塩を哺乳動物に必要に応じて投与して排便を誘導することを含む方法が提供される。
本開示対象の一実施形態では、哺乳動物の便失禁を治療するための方法であって、治療有効量のカプサイシン(式I)またはその薬学的に許容される塩を哺乳動物に必要に応じて投与して排便を誘導することを含む方法が提供される。
本発明の前述の態様および他の特徴は、添付の図面に関連して、以下の記載で説明される。
排便の基礎をなす直腸肛門抑制反射を示す模式図である。 図2は、直腸内カプサイシンが一過性で再現可能な直腸圧の上昇を引き起こしたことを示す図である。 図3は、カプサイシン誘導性の直腸圧反応が直腸内容物を排出できることを示す図である。 カプサイシンに浸漬した綿球の直腸内投与により、カプサイシン溶液の直腸内投与によって生じるものと同様の直腸圧反応が生じたことを示す図である。
本開示の原理の理解を促進する目的で、好ましい実施形態を参照し、それを説明するために特定の文言が使用される。にもかかわらず、それによって本開示範囲の限定は意図されておらず、本明細書に示されるような本開示のかかる変更およびさらなる修正は、本開示が関連する分野の当業者に通常想起されるように企図されることが理解されよう。
本開示対象の一実施形態では、治療を必要とする哺乳動物において排便機能障害を治療するための方法であって、必要に応じて、治療有効量のカプサイシン(式I)またはその薬学的に許容される塩を哺乳動物に投与して排便を誘導することを含む方法が提供される。したがって、本開示の組成物および方法は、例えば、便秘および随意の排便不能を含む、排便機能障害のための新しい治療に対する既存の必要性を満たす。排便機能障害は、脊髄損傷、外傷性脳損傷、多発性硬化症、二分脊椎、変性脳疾患、アルツハイマー、パーキンソン、認知症、糖尿病、高齢、および術後状態のうちの1つ以上を含む広範囲の損傷、状態、疾患、または障害の結果であり得る。
本開示対象の別の一実施形態では、哺乳動物の排便を誘導する方法であって、治療有効量のカプサイシン(式I)またはその薬学的に許容される塩を哺乳動物に必要に応じて投与して排便を誘導することを含む方法が提供される。したがって、本開示の組成物および方法は、例えば、無意識に排便をしてしまう人において、その人が無意識に排便する前に、排便を誘導するための新しい治療に対する既存の必要性を満たす。本開示の方法および組成物の別の利点は、例えば、特定の都合の良い場所または時間で、健常犬に排便を誘導したい場合があるペットの飼い主のためのものである。
肛門括約筋協調不全の効果的な治療を提供するために、本開示の方法および製剤によるカプサイシンの投与を、1つ以上の括約筋弛緩薬、例えば、限定されるものではないが、アルファアドレナリン作動性受容体遮断薬、一酸化窒素(NO)ドナー、PDE5阻害剤およびプロスタグランジンE受容体(EP1、2、3)アゴニストと組み合わせてもよい。
本開示対象の治療有効量の活性剤を、直腸内投与によって投与することができる。
本明細書では活性剤を使用するための方法が提供され、または本明細書では同義で薬物誘発性排便を提供するための「医薬品」とも呼ばれる。薬物誘発性排便は、排便機能障害を有する者、または他の点で排便の誘導が望ましい哺乳動物に有用であり得る。本開示の医薬品は、カプサイシンを含むことができる。本開示の組成物および方法は、排便を生じさせた後、続いて直腸を弛緩させて新たに形成された便を保存してその後の失禁を防ぐことができる作用持続時間を提供するためのカプサイシンの医薬製剤および投与方法を提供する。本開示の製剤および投与方法は、他の器官系における副作用の持続時間を最小限に抑えることができる。
本記載対象の1つの利点は、哺乳動物への投与のため急速発現および短い作用持続時間に影響を及ぼし、直腸の急速発現および短時間収縮を達成するように投与することができるカプサイシンの提供である。意外なことに、カプサイシンの投与によって生じる収縮は、生理学的に有意な直腸の収縮および排便を実際に誘発することができる。例えば、直腸におけるカプサイシン誘導性収縮は、肛門括約筋の収縮および閉鎖、ならびにおそらく排便の阻止を引き起こすと予想されていたであろう。
記載される本投与方法の別の利点は、カプサイシン誘導性排便が、口腔の灼熱感および有痛性痙攣を引き起こす消化管全体の収縮の有害作用なしに達成され得ることである。
長年にわたる特許法の慣例に従って、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」という用語は、特許請求の範囲を含む本出願で使用される場合、「1つ以上の」を指す。したがって、例えば、「被験体(a subject)」への言及は、文脈上明らかに反しない限り(例えば、複数の被験体)、複数の被験体などを含む。
本明細書および特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、および「含む(comprising)」という用語は、文脈上他の意味を要する場合を除いて、非排他的な意味で使用される。同様に、「含む(include)」という用語およびその文法上の変形は、非限定的であることを意図しており、そのため、リストの項目列挙は、列挙項目に置換または追加され得る他の同様の項目を排除するものではない。
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的のために、「約」という用語は、1つ以上の数または数値範囲に関連して使用される場合、範囲内のすべての数を含むすべての該数を指すと理解されるべきであり、記載される数値の上下の境界を広げることによってその範囲を変更する。端点による数値範囲の列挙は、その範囲内(例えば、1から5の列挙は、1、2、3、4、および5、ならびにその小数、例えば1.5、2.25、3.75、4.1などを含む)およびその範囲内の任意の範囲内に包含されるすべての数、例えば整数全体、その分数を含む。
「SCI」とは、脊髄損傷を意味する。
「カプサイシン」(式I)とは、8-メチル-N-バニリル-6-ノネンアミドを意味する。
例えばカプサイシンまたはその薬学的に許容される塩を含む本開示の薬物または薬理学的に活性な薬剤の「有効な」量または「治療有効量」とは、所望の効果を提供する、すなわち、排便機能障害を治療する、例えば随意排便を達成する、および/または便失禁を軽減するための、非毒性であるが十分な量の薬物または活性剤を意味する。薬物または薬理学的に活性な薬剤の有効量は、投与経路、選択される化合物、および薬物または薬理学的に活性な薬剤が投与される種に応じて変わることが認識されている。代謝、生物学的利用率、および異なる投与経路について本明細書でさらに開示される単位用量範囲内の投与後の薬物または薬理学的に活性な薬剤のレベルに影響を及ぼす他の因子などの因子を考慮することによって、適切な有効量を決定することも当業者に認識される。
「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される酸付加塩」の列挙などで、「薬学的に許容される」とは、生物学的にまたは他の点で望ましくないものではない材料を意味し、すなわち、該材料は、望ましくない生物学的作用を引き起こすことなく、または該材料を含有する組成物の他成分のいずれとも有害な様式で相互作用することなく、患者に投与される医薬組成物に組み込まれ得る。「薬理学的に活性な」誘導体または代謝産物のような「薬理学的に活性な」(または単に「活性な」)とは、親化合物と同じタイプの薬理活性を有する誘導体または代謝産物を指す。「薬学的に許容される」という用語が活性剤の誘導体(例えば、塩または類似体)を指すために使用される場合、該化合物は同様に薬理学的に活性であり、すなわち、排便機能障害を治療するために治療上有効であると理解されるべきである。
「連続」投与とは、選択される活性剤の長期投与または連続投与を意味する。例えば、連続投与は、連日投与を含み得る。
「頓服(pro re nata)」、すなわち「prn」投薬としても知られる「必要に応じた(as-needed)」投薬および「オンデマンド」投薬または投与とは、排便開始前のある時点での活性剤の単回投与を意味する。投与は、製剤および投与経路に応じて、該時間の直前、該時間の約0分、約0~約5分、約0~約10分、約0~約20分、約0~約30分、または約0~約40分前などであり得る。
「急速発現」とは、活性剤投与後、約0秒~約1時間、約0秒~約45分、約0秒~約30分、約0秒~約15分、または約0秒~約10分、または0秒~5分の間のTmax以下の任意の期間を意図する。
本明細書に記載の方法および組成物では、カプサイシンの急速発現は、カプサイシン投与後約0秒~約1時間、カプサイシン投与後約0秒~約45分、カプサイシン投与後約0秒~約30分、カプサイシン投与後約0秒~約15分、カプサイシン投与後約0秒~約10分、またはカプサイシン投与後約0秒~約5分の範囲の作用発現を特徴とし得る。
「短い作用持続時間」とは、活性剤投与後約2時間~約10分、約1時間~約10分、および約30分~約10分、および15~約5分の作用持続時間を意図する。
本明細書に記載の方法および組成物では、カプサイシンの短い作用持続時間とは、カプサイシン投与後約1時間~約10分、カプサイシン投与後約30分~約10分、またはカプサイシン投与後約15~約5分の範囲の作用持続時間を特徴とし得る。
「遅延放出」という用語は、その従来の意味で使用され、薬物投与後いくらか遅れて薬物の初期放出を提供する製剤を指し、好ましくは、必ずではないが、最長約10分、約20分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、または約12時間の遅延を含む。
「即時放出」という用語は、その従来の意味で使用され、薬物投与直後に薬物の放出を提供する製剤を指す。
カプサイシンまたはその薬学的に許容される塩は、即時放出剤形として製剤化することができる。必要に応じた投与は、排便を望む時の約0分~約40分前、排便を望む時の約0分~約20分前、または排便を望む時の約0分~約5分前の範囲であり得る。
「排便機能障害」という用語は、遠位の腸および直腸から便を排出することができないことを指す。排便機能障害は、排便障害、肛門直腸排出障害、宿便、便秘、または結腸運動不全としても知られている。
「非経口」薬物送達という用語は、最初に消化管(alimentary canal)または消化管(digestive tract)を通過する必要のない送達を意味する。非経口薬物送達は、「経粘膜」であり得、これは、薬物が粘膜組織を通過するように哺乳動物の粘膜表面に薬物を投与することを指す。経粘膜薬物送達は、「直腸」または「経直腸」または「直腸内」の薬物送達であり得、哺乳動物の直腸粘膜内または直腸粘膜を通る薬物通過による薬物の送達を指す。
一実施形態では、本開示対象は、便通機能障害に罹患している人か、そうでなければ該治療を必要とする人、例えば意識不明で無意識に排便する可能性がある人に都合がよくかつ適切である場合に、カプサイシンの組成物および製剤を投与するための戦略を提供する。本開示の組成物および方法はまた、ペットの飼い主が特定の都合の良い場所または時間でペットに排便を誘導可能にするのに有用であり得る。
本開示の一実施形態では、治療を必要とする哺乳動物において排便機能障害を治療するための方法が提供される。本開示の別の実施形態では、必ずしも排便機能障害ではない可能性がある哺乳動物において排便を誘導する方法が提供される。本方法は、治療有効量のカプサイシンまたはその薬学的に許容される塩を哺乳動物に投与することを含む。哺乳動物には、例えば、ヒト、ネコまたはイヌが含まれ得るが、これらに限定されない。
本開示の組成物および活性剤の製剤は、本明細書にさらに記載されるように、活性剤の投与を達成するように製剤化されている限り、急速発現型および短持続時間型を含み得る剤形で提供される。
一実施形態では、1つ以上の追加の活性剤を、別個の製剤または単一製剤のいずれかで、カプサイシンと同時または逐次のいずれかで投与することができる。追加の活性剤は、便滞留を伴う腸機能障害の治療に有効なものであり得る。追加の活性剤は、排便機能障害を治療するためのカプサイシンの効果を増強するものであり得る。適切な追加の活性剤としては、例えば、アルファアドレナリン作動性アンタゴニスト(例えば、シロドシン、テラゾシン、タムスロシン、ドキサゾシン、プラゾシン、アルフゾシン)、ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル)ルビプロストン、リナクロチド、および/または一次活性剤の作用を阻害しない任意の薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。
追加の活性剤は、被験体の結腸収縮および/または括約筋弛緩の1つを誘導することができる化合物であり得る。肛門括約筋弛緩薬は、例えば、血管作用性小腸ポリペプチド(VIP)、NOドナー、硝酸アミル、硝酸ブチル、グリセリルトリニトラート、アルファ-アドレナリン作動性受容体遮断薬、タムスロシン、シロドシン、アルフゾシン、ナフトピジル、または他の適切な肛門括約筋弛緩薬のうちの1つであり得る。
任意の活性剤は、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、誘導体などの形態で投与され得るが、ただし、塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは誘導体は、薬理学的に適切である、すなわち、本方法において有効である。活性剤の塩、エステル、アミド、プロドラッグおよび他の誘導体は、合成有機化学の当業者に知られる標準的手法を使用して調製することができ、例えば、J.March,Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms and Structure,4th Ed.(New York:Wiley-Interscience、1992)に記載されている。例えば、酸付加塩は、従来の方法論を使用して遊離塩基から調製され、適切な酸との反応を伴う。酸付加塩を調製するのに適した酸には、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などの有機酸と、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸の両方が含まれる。酸付加塩は、適切な塩基での処理によって遊離塩基に再変換され得る。本明細書における活性剤の特に好ましい酸付加塩は、有機酸を用いて調製される塩である。逆に、活性剤上に存在し得る酸部分の塩基性塩の調製は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、トリメチルアミンなどの薬学的に許容される塩基を使用して同様の様式で調製される。
エステルの調製は、薬物の分子構造内に存在し得るヒドロキシル基および/またはカルボキシル基の官能化を含む。エステルは、典型的には、遊離アルコール基のアシル置換誘導体、すなわち式RCOOHのカルボン酸から誘導される部分であり、式中、Rはアルキルであり、好ましくは低級アルキルである。エステルは、必要に応じて、従来の水素化分解または加水分解の手順を使用することによって、遊離酸に再変換することができる。アミドおよびプロドラッグはまた、当業者に知られる技術を使用して、または関連文献に記載されている技術を使用して調製され得る。例えば、アミドは、適切なアミン反応物を使用してエステルから調製されてもよく、またはアンモニアもしくは低級アルキルアミンとの反応によって無水物もしくは酸塩化物から調製されてもよい。プロドラッグは、典型的には、代謝系によって修飾されるまで治療的に不活性な化合物をもたらす部分の共有結合によって調製される。
活性剤の他の塩、エナンチオマー、類似体、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および誘導体は、合成有機化学の当業者に知られている標準技術を用いて調製されてもよく、または関連文献を参照することによって推定されてもよい。さらに、キラル活性剤は、異性体的に純粋な形態であってもよく、または異性体のラセミ混合物として投与されてもよい。
本開示の活性剤は、経粘膜投与または経直腸投与を含む様式によって投与することができる。
本開示の活性剤は、医薬製剤中に含有され得る。医薬製剤は、単位剤形であり得る。医薬製剤剤形は、坐剤、カプセル、錠剤、散剤、クリーム、軟膏、ゲル、フォーム、溶液、乳剤、および懸濁液からなる群から選択され得る。医薬製剤は、透過促進剤を含み得る。
剤形は直腸投与され得る。さらに、当業者は、これらの組成物および剤形を含む適切な製剤を容易に推定することができ、本明細書の他の箇所に記載されているような製剤を含む。
剤形は錠剤であってもよい。錠剤は、標準的な錠剤加工手法および装置を使用して製造され得る。錠剤を形成するための1つの方法は、単独で、または1つ以上の担体、添加剤などと組み合わせて、活性剤を含有する粉末状、結晶性または粒状の組成物の直接打錠によるものである。直接打錠の代替として、錠剤は、湿式造粒法または乾式造粒法を用いて調製することができる。錠剤はまた、打錠ではなく、湿性材料または他の扱いやすい材料から出発して成形されてもよいが、打錠および造粒技術が好ましい。
活性剤に加えて、錠剤は、一般に、結合剤、希釈剤、潤滑剤、崩壊剤、充填剤、安定剤、界面活性剤、保存剤、着色剤、香味剤などの他の材料を含有することができる。結合剤は、錠剤に凝集性を付与するために使用され、したがって錠剤が打錠後に原形を保つことを確実にする。適切な結合剤材料には、デンプン(コーンスターチおよびアルファ化デンプンを含む)、ゼラチン、糖類(スクロース、グルコース、デキストロースおよびラクトースを含む)、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ワックス、ならびに天然ゴムおよび合成ゴム、例えば、アカシアアルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系ポリマー(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等を含む)、およびVeegumが含まれるが、これらに限定されない。希釈剤は、典型的には、実用的なサイズの錠剤が最終的に提供されるように嵩を増すために必要である。適切な希釈剤としては、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプンおよび粉糖が挙げられる。錠剤製造を容易にするために潤滑剤が使用され、好適な潤滑剤の例としては、例えば、落花生油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびカカオ油などの植物油、グリセリン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、およびステアリン酸が挙げられる。ステアラートは、存在する場合、好ましくは、薬物含有コアの約2重量%以下に相当する。崩壊剤は、錠剤の崩壊を促進するために使用され、一般にデンプン、クレイ、セルロース、アルギン、ガムまたは架橋ポリマーである。充填剤としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナ、タルク、カオリン、粉末セルロースおよび微結晶セルロースなどの材料、ならびにマンニトール、尿素、スクロース、ラクトース、デキストロース、塩化ナトリウムおよびソルビトールなどの可溶性材料が挙げられる。安定剤は、例として酸化反応を含む薬物分解反応を阻害または遅延させるために使用される。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、両性または非イオン性の界面活性剤であり得る。
剤形はまた、カプセルであってもよく、その場合、活性剤を含有する組成物は、液体または固体(顆粒、ビーズ、粉末またはペレットなどの微粒子を含む)の形態でカプセル化され得る。適切なカプセルは、硬質または軟質のいずれであってもよく、一般にゼラチン、デンプン、またはセルロース系材料から作製され、ゼラチンカプセルが好ましい。ツーピース硬質ゼラチンカプセルは、好ましくはゼラチンバンドなどで密封される。(例えば、上記のRemington:The Science and Practice of Pharmacyを参照)、カプセル化医薬品を調製するための材料および方法を記載する。活性剤を含有する組成物が液体形態でカプセル内に存在する場合、活性剤を溶解するために液体担体が必要である。担体は、カプセル材料および医薬組成物の全成分と適合性でなければならず、直腸内挿入に適していなければならない。
剤形はまた、1つ以上の不活性成分からなる充填剤を含有する硬質または軟質のカプセルと、1つ以上のカプセルコーティング剤とを含むカプセルであってもよく、少なくとも1つのコーティング剤は適切な製剤および剤形を含む。
好ましい経直腸剤形としては、直腸坐剤、カプセル、錠剤、散剤、クリーム、軟膏、ゲル、フォーム、溶液、乳剤、および懸濁液が挙げられる(Jannin、Lemagnen et al.2014)。経直腸送達用の坐剤、カプセル、錠剤、粉末、クリーム、軟膏、ゲル、フォーム、溶液、乳剤、または懸濁液の製剤は、治療有効量の選択された活性成分および経直腸薬物投与に適した1つ以上の従来の非毒性担体を含む。本発明の経直腸剤形は、従来の方法を使用して製造することができる。経直腸剤形は、急速にまたは数時間にわたって崩壊するように製造することができる。完全崩壊の時間は、好ましくは約1分~約6時間の範囲であり、最適には約3時間未満である。
経直腸投与のために、製剤は、活性剤および1つ以上の選択された担体または賦形剤、例えば水、シリコーン、ワックス、ワセリン、ポリエチレングリコール(「PEG」)、プロピレングリコール(「PG」)、リポソーム、マンニトールおよびラクトースなどの糖類、および/または種々の他の物質を含有する直腸剤形を含んでもよく、ポリエチレングリコールおよびその誘導体が特に好ましい。
経直腸薬物投与は、様々な直腸剤形を使用していくつかの異なる方法で行うことができる。例えば、薬物は、軟性チューブ、スクイーズボトル、またはポンプから直腸に導入することができる。薬物はまた、直腸内で吸収、融解または生体分解(bioerode)されるコーティング、ペレット、錠剤、カプセルまたは坐剤に含まれてもよい。特定の実施形態では、薬物は、直腸挿入物の外面上のコーティングに含まれる。必須ではないが、薬物は、少なくとも約1cmから直腸内に、好ましくは少なくとも約4cmから直腸内に送達されることが好ましい。一般に、少なくとも約3cm~約8cmから直腸内への送達は、本方法と併せて有効な結果を提供する。
PEGまたはPEG誘導体を含有する直腸坐剤製剤は、当業者によって理解され、関連文献および製薬テキストに記載されているように、従来の技術、例えば打錠成形、熱成形などを使用して簡便に製剤化され得る(例えば、上記のRemington:The Science and Practice of Pharmacyを参照)。これは、直腸坐剤の形態の医薬組成物を調製する典型的な方法を開示している。PEGまたはPEG誘導体は、好ましくは約200~約2,500g/molの範囲、より好ましくは約1,000~約2,000g/molの範囲の分子量を有する。適切なポリエチレングリコール誘導体としては、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、例えば、ポリエチレングリコールモノステアラート、ポリエチレングリコールソルビタンエステル、例えば、ポリソルバートなどが挙げられる。特定の活性剤に応じて、直腸坐剤は、PEGまたは他の経直腸ビヒクル中の活性剤の溶解度を高めるのに有効な1つ以上の可溶化剤を含有することも好ましい場合がある。
直腸剤形は、好ましくは、長さ約0.1~約10cm、好ましくは長さ約0.5~約3cm、幅約2cm未満、好ましくは幅約1cm未満ほどの坐剤を含む。坐剤の重量は、典型的には、約0.5gm~約5gmの範囲、好ましくは約1gm~約2gmの範囲である。しかしながら、坐剤のサイズは、薬物の効力、製剤の性質、および他の因子に応じて変化し得ること、および実際に変化することが当業者には理解されよう。他の成分もまた、本明細書に記載される経直腸剤形に組み込まれ得る。追加の成分には、硬化剤、酸化防止剤、防腐剤などが含まれるが、これらに限定されない。使用され得る硬化剤の例としては、例えば、パラフィン、白ろうおよび黄ろうが挙げられる。好ましい酸化防止剤は、使用される場合、亜硫酸水素ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを含む。
医薬製剤の分野で周知の軟膏は、典型的にはワセリンまたは他の石油誘導体をベースとする半固形製剤である。当業者に理解されるように、使用される特定の軟膏基剤は、最適な薬物送達を提供するものであり、その上好ましくは他の所望の特性、例えば皮膚軟化なども提供する。他の担体またはビヒクルと同様に、軟膏基剤は、不活性、安定、非刺激性および非感作性でなければならない。上記のRemington:The Science and Practice of Pharmacyで説明されているように、軟膏基剤は、油性基剤、乳化性基剤、乳剤基剤、および水溶性基剤の4つのクラスに分類され得る。油性軟膏基剤としては、例えば、植物油、動物から得られる脂肪、および石油から得られる半固体炭化水素が挙げられる。吸収性軟膏基剤としても知られる乳化性軟膏基剤は、ほとんどまたは全く水を含有せず、例えば、硫酸ヒドロキシステアリン、無水ラノリンおよび親水性ワセリンを含む。乳剤軟膏基剤は、油中水型(W/O)乳剤または水中油型(O/W)乳剤のいずれかであり、例えば、セチルアルコール、グリセリルモノステアラート、ラノリンおよびステアリン酸が挙げられる。好ましい水溶性軟膏基剤は、様々な分子量のポリエチレングリコールから調製される(例えば、上記のRemington:The Science and Practice of Pharmacyを参照)。
同様に当技術分野で周知のクリームは、水中油型または油中水型のいずれかの粘性液体または半固体乳剤である。クリーム基剤は、水洗性であり、油相、乳化剤および水相を含有する。「内」相とも呼ばれる油相は、一般に、ワセリンおよびセチルアルコールまたはステアリルアルコールなどの脂肪アルコールから構成される。水相は、必ずではないが、通常、体積で油相を超過し、一般に湿潤剤を含有する。クリーム製剤中の乳化剤は、一般に、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤である。
医薬製剤の分野で働いている者には理解されるように、ゲルは半固体懸濁型系である。単相ゲルは、典型的には水性である担体液全体にわたって実質的に均一に分布した有機高分子を含有するが、好ましくはアルコールおよび場合により油も含有する。好ましい「有機高分子」、すなわちゲル化剤は、Carbopolの商標で市販されている「カルボマー」ファミリーのポリマー、例えばカルボキシポリアルキレンなどの架橋アクリル酸ポリマーである。ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマーおよびポリビニルアルコールなどの親水性ポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、およびメチルセルロースなどのセルロース系ポリマー、トラガカント、キサンタンガムなどのガム類、アルギン酸ナトリウム、およびゼラチンも好ましい。均一なゲルを調製するために、アルコールまたはグリセリンなどの分散剤を添加することができ、あるいはゲル化剤を研和、機械的混合および/または撹拌によって分散させることができる。
当業者に知られる様々な添加剤が経直腸製剤に含まれ得る。例えば、可溶化剤を使用して、特定の活性剤を可溶化することができる。粘膜組織を通る透過速度が異常に低い薬物については、製剤中に透過促進剤を含めることが望ましい場合がある。適切な経直腸透過促進剤の例としては、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、N,N-ジメチルアセトアミド(「DMA」)、デシルメチルスルホキシド(「C10 MSO」)、ポリエチレングリコールモノラウレート(「PEGML」)、グリセロールモノラウラート、レシチン、1-置換アザシクロヘプタン-2-オン、特に1-n-ドデシルシクラザシクロヘプタン-2-オン(カリフォルニア州アーバインのNelson Research&Development Co.からAZONEの商標で入手可能である)、SEPA(マサチューセッツ州レキシントンのMacrochem Co.から入手可能である)、例えば、TERGITOL、NONOXYNOL-9およびTWEEN(登録商標)-80を含む上記の界面活性剤、ならびにエタノールなどの低級アルカノールが挙げられる。
当業者は、前述の剤形および組成物のいずれかにおける活性剤の濃度が大きく変動し得、組成物または剤形の種類、対応する投与様式、特異的活性剤の性質および活性、ならびに意図される薬物放出プロファイルを含む様々な因子に依存することを認識している。好ましい剤形は、単位用量の活性剤、すなわち単一の治療有効用量を含有する。クリーム、軟膏などの場合、「単位用量」は、適用される製剤の指定量で単位用量を提供する活性剤濃度を必要とする。任意の特定の活性剤の単位用量は、無論、活性剤および投与様式に依存する。同様に、カプサイシン受容体に対するカプサイシンの親和性は、カプサイシンの有効用量および濃度に影響を及ぼすと予想される。
カプサイシンの場合、経粘膜投与のための単位用量は、約1ng~約10,000mgの範囲、約100ng~約5,000mgの範囲であり得る。経粘膜投与のための単位用量は、約1ng、約5ng、約10ng、約20ng、約30ng、約40ng、約50ng、約100ng、約200ng、約300ng、約400ng、約500ng、約1μg、約5μg、約10μg、約20μg、約30μg、約40μg、約50μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400μg、約500μg、約1mg、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約1,000mg、約1,500mg、約2,000mg、約2,500mg、約3,000mg、約3,500mg、約4,000mg、約4,500mg、約5,000mg、約5,500mg、約6,000mg、約6,500mg、約7,000mg、約7,500mg、約8,000mg、約8,500mg、約9,000mg、または約9,500mg超であり得る。医薬製剤の当業者はまた、本発明の剤形に組み込まれ得る他の種類の活性剤の適切な単位用量を容易に推定することができる。
所与の哺乳動物に投与される特定の活性剤の治療有効量は、無論、特定の活性剤、組成物または剤形の濃度、選択された投与様式、治療されている哺乳動物の年齢および全身状態、哺乳動物の状態の重症度、および処方医師に知られている他の要因を含むいくつかの要因に依存する。しかしながら、当業者は、特定の活性剤の治療有効量が、本明細書でさらに定義されるように、必要に応じた投与を可能にするように選択されなければならないことを容易に認識するであろう。
即時放出剤形では、必要に応じた投与は、排便の開始が望ましい場合の直前の薬物投与を含み得る。必要に応じた投与は、所望される排泄の約0分~約40分前、約0分~約20分前、または約0分~約5分前の範囲であり得る。
別の実施形態では、投与される医薬製剤、すなわち、排便機能障害の治療のために選択された治療有効量の活性剤を含有する医薬製剤、貯蔵中および使用前に製剤を収容するための好ましくは密封された容器、および排便機能障害を治療するのに有効な様式で薬物投与を実施するための説明書を含むパッケージキットが提供される。説明書は、典型的には、添付文書および/またはラベルに記載された説明書である。製剤の種類および意図される投与様式に応じて、キットはまた、製剤を投与するためのデバイスも含み得る。製剤は、本明細書に記載の任意の適切な製剤であり得る。活性剤は、カプサイシン(式I)またはその薬学的に許容される塩であり得る。排便機能障害を治療する方法は、排便機能障害を治療するために必要に応じて投与することであってもよい。頓用は、排便を望む時の約0分~約40分前、排便を望む時の約0分~約20分前、または排便を望む時の約0分~約5分前の範囲であり得る。
キットは、同一薬剤の異なる投与量の複数の製剤を含み得る。キットはまた、異なる活性剤の複数の製剤も含み得る。キットは、排便機能障害の治療における連続、別個および/または同時の使用に適した製剤、ならびに製剤が排便機能障害の治療において連続的、別個におよび/または同時に投与される薬物投与を実施するための説明書を含み得る。キットの部品は、ボトル、シリンジ、プレート、ウェル、ブリスターパック、または任意の他の種類の医薬品包装などの1つ以上の容器に独立して保持されてもよい。
別の実施形態では、必要に応じて治療を必要とする哺乳動物の排便機能障害を治療するための医薬製剤であって、治療有効量のカプサイシンまたはその薬学的に許容される塩、および必要に応じて哺乳動物にカプサイシンを投与するための担体を含む医薬製剤が提供される。医薬製剤はまた、実際の排便機能障害がない哺乳動物に排便を誘発するのに有用であり得る。投与用の担体は、本明細書に記載されるような任意の適切な製剤であり得る。必要に応じた投与は、排便を望む時の約0分~約40分前、排便を望む時の約0分~約20分前、または排便を望む時の約0分~約5分前の範囲であり得る。

以下の例は、本開示対象の代表的な実施形態を実施するために当業者にガイダンスを提供するために含まれている。本開示および当分野の一般的技術レベルに照らして、当業者は、以下の例が例示のみを意図すること、ならびに本開示対象の範囲から逸脱することなく多数の変更、修正、および改変を採用できることを理解し得る。
例1
一般的方法:カプサイシン誘導性直腸反応の測定
以下の方法を用いて、未処置のラットおよび慢性脊髄損傷のラットモデルにおいて排便を誘導するカプサイシンの有効性、特異性、作用発現および作用持続時間を決定した。さらに、複数回投与の再現性および直腸内投与によるカプサイシン投与の薬力学(PD)反応を調査した。
一般:麻酔した急性脊髄損傷(SCI)ラット、麻酔した脊髄無傷ラット、および覚醒慢性脊髄損傷ラットでインビボ研究を行った。12時間/12時間の明暗サイクルで維持したコロニー室で水および食物に自由にアクセスできるケージ(1-3/ケージ)のAAALAC承認設備で、成体の雌雄Sprague Dawleyラット(Charles River、ノースカロライナ州;250~650g)を飼育した。
慢性SCIモデルを用意するために、ケタミン/キシラジンの混合物(それぞれ50~100mg/kgおよび5~10mg/kg、腹腔内)で動物を麻酔し、胸椎レベルで背側の皮膚および筋肉を切開し、脊髄を椎弓切除術によって慎重に露出させ、T3-T4またはT8-T10脊椎レベルのいずれかで切断した。Gelfoam(登録商標)を切開部位に配置し、椎骨を覆う筋肉および皮膚を創傷クリップで閉じた。動物は、研究前の7~10週間で手術から回復した。
急性SCIモデル用に動物をウレタン(1.0~1.4g/kg皮下注射)で麻酔し、胸椎レベルで背側の皮膚および筋肉を切開し、脊髄を椎弓切除術によって慎重に露出させ、T8~T10脊椎レベルで切断した。Gelfoam(登録商標)を切開部位に配置し、椎骨を覆う筋肉および皮膚を創傷クリップで閉じた。実験プロトコルを開始する少なくとも60分前に脊髄を切断した。
すべての直腸収縮性試験について、動物をウレタン(1.0~1.4g/kg皮下注射)で麻酔した。次いで、必要に応じてイソフルラン麻酔(O中0.05~1.5%)を追加して外科的処置を行った。直腸圧信号を増幅し、LabChart(AD機器、コロラド州コロラドスプリングス)を使用してコンピュータに表示した。
直腸収縮性:直腸圧を、遠位直腸領域に挿入した(約4cm)ラテックスバルーンカテーテル(長さ1.5~4cm)を介して測定した。カテーテルを圧力監視システムに接続した。生理食塩水(0.2~0.5mlの総体積)を注入することによってバルーンカテーテル内の圧力を15~20mmHgに徐々に上昇させ、試験全体を通してこの圧力を維持し、直腸圧の薬物誘発性変化を監視できた。測定されたパラメータには、ピーク直腸圧反応、ベースライン活性を上回る期間(薬物投与後の最初の5分)、曲線下面積(薬物投与後の最初の5分間に測定)、ならびにビヒクルおよび薬物投与後の収縮事象の数が含まれた。
覚醒動物の排便を代謝ケージで監視した。動物を、投与前に2~4回、取り扱いおよび代謝ケージに慣れさせ、次いで、治療群に無作為に割り付けた。ラットの体重を測定し、ビヒクルまたはカプサイシンの直腸内投与前に10分間代謝ケージに入れた。糞塊の数および事象のタイミングは、治療を知らされていない訓練された人員によって記録された。糞便重量を投与後10分および30分で計量する。動物を交差設計で2~3日後に再試験した。
投与:直腸内カプサイシンを0.1~2重量%/体積の用量範囲で投与した。カプサイシンを95%エタノールに50~100mg/mLで溶解し、次いで生理食塩水または水のいずれかで2~20mg/mLに希釈して懸濁液を形成し、マイクロピペット、ブラントチップチューブ(22G)を使用して溶液として、または溶液に浸漬した小綿球(直径3~5mm)として直腸内投与した。水または生理食塩水中の同一濃度のエタノールを使用してビヒクル用量を調製した。
データ分析:データを定性的および定量的に調べた。平均値、平均値の標準偏差および標準誤差は、MICROSOFT Excelを使用して計算した。Windows用のPrism5(GraphPad Software,Inc.、カリフォルニア州ラホーヤ)を用いて一元配置ANOVA検定を行い、独立t検定および対応t検定をExcelで行った。P<0.05を統計学的に有意とみなす。
例2
直腸内カプサイシン溶液は、麻酔した未処置ラットにおいて、一過性で再現可能な直腸圧反応の増加を引き起こした。
方法:肛門から2~4cmの直腸に挿入されたバルーンカテーテルを介して、直腸圧記録用に装着され麻酔された脊椎無傷の雄雌ラット(N=雄4匹および雌1匹)にカプサイシンを投与した。バルーンカテーテルと並行して直腸に挿入したPE50チューブを介して、0.2%溶液(4.7%または9.5%エタノール/生理食塩水中の2mg/ml溶液0.05~0.32mL)としてカプサイシンを投与した。比較のために、ビヒクルを同じ技術を用いてすべてのラットに投与した。
結果:0.2%カプサイシン溶液の直腸内投与は、5匹のラットのうち5匹において、1~2分の急速発現時間および短い持続時間(5分)で一過性の直腸圧上昇を引き起こした。ビヒクルは直腸活性を誘発しなかった。図2は、雄ラットで測定された直腸圧の代表例を示す。初回投与の20分後に0.2%カプサイシンを反復投与すると、同様の反応が誘起された(図2)。ビヒクルまたはカプサイシン溶液の投与を図2に矢印で示す。図2に示すように、直腸内カプサイシンは、一過性で再現可能な直腸圧の上昇を引き起こした。
結論:ビヒクルではなく直腸内カプサイシンは、直腸圧の一過性上昇を引き起こし、これは急速発現および短い持続時間を示した。直腸圧の上昇は、同一動物において再現可能であった。
例3
直腸内カプサイシン溶液は、麻酔した未処置ラットにおいて、直腸圧の上昇および直腸内容物の排出を引き起こした。
方法:肛門から2~4cmの直腸に挿入されたバルーンカテーテルを介して、直腸圧記録用に装着され麻酔された脊椎無傷の雄ラットにカプサイシンを投与した。バルーンカテーテルと並行して直腸に挿入したPE50チューブを介して、エタノール/生理食塩水中で0.2%溶液(0.2%、0.25mL)としてカプサイシンを投与した。ビヒクルを同じ技術を用いてすべてのラットに投与した。図3にカプサイシン溶液の投与を黒塗り矢印で示す。
結果:カプサイシンは、投与の1分以内に直腸圧の急速発現上昇を引き起こした。カプサイシンによって誘導される直腸圧上昇のため、直腸バルーンカテーテルは直腸から肛門を通して排出された(図3)。バルーンカテーテルを排出するのに十分な直腸反応は、図3に白抜き矢印で示されている。バルーンカテーテルを最初の排出(*)後に再挿入したが、再び排出された。
結論:直腸内カプサイシンは、直腸内容物を排出するのに十分な強度の急速発現直腸圧上昇を引き起こした。
例4
カプサイシンを含有する綿球の直腸内挿入は、麻酔した脊髄損傷(SCI)ラットにおいて一過性の直腸圧反応の増大をもたらした。
方法:肛門から2~4cmの直腸に挿入されたバルーンカテーテルを介して、直腸圧記録用に装着され麻酔された2匹の急性T9切断SCI雌ラットにカプサイシンを投与した。カプサイシン溶液の接触時間を増やすために、流体に浸漬した綿球を介してカプサイシン(0.2%)を投与した。カプサイシン(50uLの0.2%溶液)に浸漬した小さな綿球を直腸内投与した(図4の黒矢印)。綿球を遠位直腸の肛門管内に配置した。綿球を5~12分後に除去した(図4のアスタリスク)。図4の上下のトレースを別々のラットから記録した。
結果:両ラットで、急速発現(<2分)および短い持続時間(<5分)のカプサイシン誘導性直腸圧の上昇が観察された。図4は、2匹の雌ラットで測定された直腸圧の代表例を示す。示されるように、カプサイシンに浸漬した綿球の直腸内投与により、カプサイシン溶液の直腸内投与によって生じるものと同様の直腸圧反応が引き起こされた。ビヒクルに浸漬した綿球の配置は、綿球の手動挿入に起因して、反応がないか、または直腸活動の微増をもたらした。
結論:カプサイシンは、局所に限定された剤形を使用して投与した場合、脊髄損傷ラットにおいて直腸圧の上昇を引き起こした。
例5
直腸内カプサイシンは、覚醒脊椎損傷ラットに排便を生じさせた。
方法:ラットの排便を代謝ケージで監視した。慢性脊髄損傷(cSCI)ラットを、投与前に2~4回、取り扱いおよび代謝ケージに慣れさせ、次いで、治療群に無作為に割り付けた。ラットの体重を測定し、ビヒクルまたはカプサイシンの直腸内用量を投与する前に10分間代謝ケージに入れた。覚醒ラットでは直腸内投与中の手動刺激は排便を誘導できるため、肛門括約筋の領域に位置する任意の糞塊の自然排便を刺激するために、小さな綿棒の先端を用量投与前に肛門に挿入した。この操作は、肛門括約筋の随伴する収縮/弛緩を伴う排出に近い1~3個の糞塊の排便をもたらした。この方法が手動刺激をほとんど生じなかったため、肛門括約筋の収縮/弛緩(15~90秒)が止むと、微細カテーテル(22Gソフト/軟性ブラントチップカテーテル)を使用してビヒクルまたはカプサイシンを投与した。カプサイシンを0.2%または2%溶液(希釈エタノール/水中2mg/mlまたは20mg/ml、各用量濃度に対応するビヒクルは、それぞれ1.9%および19%エタノール/水であった)として調製した。用量体積は0.1mLであり、肛門から直腸に約1インチ挿入したカテーテルを介して投与した。糞塊の数および事象のタイミングは、治療を知らされていない訓練された人員によって記録された。糞便の重量を、投与の10分後および30分後に記録した。動物を交差設計で2~3日後に再試験した。
結果:カプサイシンは、ビヒクルと比較して、排出された糞塊の数および総重量を有意に増加させた(表1)。排便は5分以内に起こり、10分以内に完了した。いずれの群においても、投与後10~30分の間に排便は観察されなかった。
結論:カプサイシンは、覚醒した慢性脊髄損傷ラットにおいて排便の有意な増加を誘導した。
データは、投与の10分以内に生じた糞塊の数および重量を表す。1群当たりN=6、値は平均値+SDである。*は、19%ビヒクルと比較した有意差を示す(p<0.05レベル、独立t検定p=0.016527)。は、糞塊数の有意な増加を示す(p<0.1レベル、1.9%ビヒクル対0.2%カプサイシン、p=0.05822、19%ビヒクル対2%カプサイシン、p=0.055235)。
当業者は、本記載対象が、目的を実行し、言及された目的および利点、ならびにそれらに固有の目的および利点を得るのによく適合していることを容易に理解するであろう。本明細書に記載の方法とともに本例は、現在好ましい実施形態の典型であり、例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨の範囲内に包含される変更および他の使用が当業者には思い浮かぶであろう。
参考文献
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、本開示対象が属する分野の当業者のレベルを示す。すべての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、あたかも個々の刊行物、特許出願、特許および他の参考文献が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (16)

  1. 哺乳動物の排便を誘導するための医薬組成物であって、治療有効量のカプサイシンまたはその薬学的に許容される塩を含み、経直腸投与され、前記カプサイシンまたはその薬学的に許容される塩が唯一の活性物質である、医薬組成物。
  2. 医薬組成物が、必要に応じて投与される、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 医薬組成物の剤形が、剤、カプセル剤、錠剤、散剤、クリーム、軟膏、ゲル、フォーム、溶液、乳剤、および懸濁液からなる群から選択される、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. 哺乳動物が、ヒト、ネコまたはイヌである、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  5. 投与が、排便を望む時の約0分~約30分前の範囲である、請求項1~4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  6. 投与が、排便を望む時の約0分~約10分前の範囲である、請求項に記載の医薬組成物。
  7. 治療を必要とする哺乳動物において排便機能障害を治療するための医薬組成物であって、排便を誘導するための活性物質として治療有効量のカプサイシンまたはその薬学的に許容される塩を含み、経直腸投与され、前記カプサイシンまたはその薬学的に許容される塩が、排便を誘導して排便機能障害を治療するための唯一の活性物質である、医薬組成物。
  8. 医薬組成物が、必要に応じて投与される、請求項に記載の医薬組成物。
  9. 前記排便機能障害が、脊髄損傷、外傷性脳損傷、多発性硬化症、二分脊椎、変性脳疾患、アルツハイマー、パーキンソン、認知症、糖尿病、高齢、特発性便秘または術後状態のうちの1つ以上の結果である、請求項7または8に記載の医薬組成物。
  10. 前記排便機能障害が便失禁の結果である、請求項7または8に記載の医薬組成物。
  11. 医薬組成物の剤形が坐剤である、請求項7~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  12. 哺乳動物が、ヒト、ネコまたはイヌである、請求項7~11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  13. 投与が、排便を望む時の約0分~約30分前の範囲である、請求項7~12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  14. 投与が、排便を望む時の約0分~約10分前の範囲である、請求項13に記載の医薬組成物。
  15. 治療を必要とする哺乳動物において便失禁を治療するための医薬組成物であって、治療有効量のカプサイシンまたはその薬学的に許容される塩を含み、随意排便を誘導することにより便失禁を治療するために経直腸投与され、前記カプサイシンまたはその薬学的に許容される塩が、随意排便を誘導することにより便失禁を治療するための唯一の活性物質である、医薬組成物。
  16. 医薬組成物が、必要に応じて投与される、請求項15に記載の医薬組成物。
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