JP7342259B2 - 過敏性腸症候群の予防又は治療のための医薬的組み合わせ - Google Patents

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Description

本発明は医薬分野に関し、具体的には、過敏性腸症候群の予防又は治療のための医薬的組み合わせに関する。
過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome、IBS)は一般的な機能性腸疾患の一つであり、罹患率が高い。Meta分析により、中国人個体群の過敏性腸症候群の罹患率は1.0%~16.0%であり、全体罹患率は6.5%であり、そのうち、Manning標準に準拠する罹患率は11.5%、ローマIII標準に準拠する罹患率は8.9%であった。
過敏性腸症候群は慢性疾患の一つであり、排便又は排便習慣の変化に関わる腹部疼痛又は腹部不快感として表現される。腹部疼痛、鼓脹(bloating)、腹部膨満(distension)と排便障害は過敏性腸症候群の一般的症候であり、かつ反復的発作の可能性があり、患者に大きな苦痛をもたらし、生活の質を低下させる。
ローマIII標準に基づいて、そして患者の大便性状に基づき、過敏性腸症候群は下痢型過敏性腸症候群(IBS-D)、便秘型過敏性腸症候群(IBS-C)、混合型過敏性腸症候群(IBS-M)及び無定型過敏性腸症候群(Un-subtyped IBS)に分けられる。患者は通常にこれらの亜型の間で変換される。
過敏性腸症候群は検出可能な器質的原因が欠乏しており、その病因が依然として未知のことである。実験室検査、X線検査及び生検では解剖学異常を認めなかった。感情要素、飲食、薬物又はホルモンは消化管病状を誘発又は増悪する可能性がある。
内臓高感受性(Visceral hypersensitivity)は過敏性腸症候群のコア発病機序であり、過敏性腸症候群の病状発症と疾患進行に重要な役割を果たしている。大多数の研究により、過敏性腸症候群患者は直腸と結腸の内臓高感受性、即ち腸管の刺激に対する感受性が増強することが証明された。内臓高感受性は過敏性腸症候群の腹部疼痛、鼓脹などの腹部不快感病状発症のコア病理生理学的機序である。過敏性腸症候群のある患者は結腸直腸拡大(圧力)刺激に対して敏感であり、下痢型にも便秘型にも過敏性腸症候群患者の疼痛閾値はいずれも対照群より低下した。
現在の過敏性腸症候群の治療用薬物は鎮痙薬、下剤、止痢薬、抗うつ薬(TCAs、SSRIs)、抗生剤、5-HT3受容体拮抗薬、5-HT4受容体部分的作動薬、グアニル酸シクラーゼ-C作動薬及びオピオイド受容体作動薬などを含むが、既存の過敏性腸症候群の治療用薬物には明らかな副作用が存在する。鎮痙薬は短期的に下痢型過敏性腸症候群患者の病状を緩和することができ、腹部疼痛に対して一定の治療効果がある。これらの薬物は選択性腸平滑筋弛緩薬(例えば、臭化ピナベリウム、オチロニウムブロミド、臭化シメトロピウム、メベベリン、アルベリン)及び抗コリン作動薬(例えば、スコポラミン)などを含む。平滑筋弛緩類鎮痙薬のよく見られる副作用としては呼吸困難、頭痛、目まい、皮膚掻痒及びバラ疹などが挙げられる。抗コリン類鎮痙薬は心拍加速、視力障害、便秘などを招くおそれがあり、胃食道逆流疾患、急性心筋梗塞、高血圧、甲状腺機能亢進症のある患者、及び閉塞隅角緑内障に罹患しやすい患者は慎重に用いる必要があり、前立腺増殖患者は使用を避ける必要がある。5-HT3受容体拮抗薬であるアロセトロンは米国で最初にFDAによって下痢型過敏性腸症候群のある女性患者の治療に許可され、この薬物が虚血性結腸炎及び便秘合併症を引き起こすため、その後、適応症範囲を縮小し、病状重篤の患者にのみ使用された。5-HT4受容体部分的作動薬であるテガセロドは女性便秘型過敏性腸症候群患者の病状緩和のため短期治療に許可された。しかし、心血管有害事象のリスクがあるため、この薬物の米国での販売は一時停止されている。リファキシミンは米国で下痢型過敏性腸症候群の治療のために許可されているが、説明書ラベルにはディフィシル菌に関連する下痢に関わる黒枠警告がある。
臨床的に、治療効果が良く、有害反応が少ない又は副作用が小さい過敏性腸症候群治療用薬物に対して、依然として必要性が大きくなってきている。
本発明は、過敏性腸症候群の予防又は治療のための薬物の製造におけるドスマルフェートとリゾチームとの医薬的組み合わせの使用、過敏性腸症候群の予防、過敏性腸症候群の治療のための医薬組成物、及び過敏性腸症候群の予防又は治療のための方法を提供することを目的とする。
このため、本発明の第1の態様では、本発明はドスマルフェート及びリゾチームを含む、過敏性腸症候群の予防又は治療のための薬物の製造における医薬的組み合わせの使用を提案する。本発明者らは、ドスマルフェートとリゾチームとを組み合わせて使用することにより、過敏性腸症候群を予防及び治療することができ、両者が顕著な協同相乗効果を有することを発見した。
いくつかの例において、前記過敏性腸症候群は内臓高感受性の特徴を含む。
本発明者らは、医薬的組み合わせにおけるドスマルフェートとリゾチームとの質量比が、両者の過敏性腸症候群に対する相乗的治療に大きな影響を与えることをさらに発見した。いくつかの例において、前記組み合わせにおけるドスマルフェートとリゾチームとの質量比は(0.05~100):1であり、かつ0.05:1を含まない。いくつかの例において、前記組み合わせにおけるドスマルフェートとリゾチームとの質量比は(0.1~10):1である。ドスマルフェートとリゾチームとの質量比が0.05:1である場合には、相乗的作用がなく、質量比が(0.1~10):1である場合には、顕著な相乗的作用があり、割合がこの範囲を超えると相乗的作用が弱くなる。
いくつかの例において、前記リゾチームの力価は20000U/mgよりも大きい。
医薬的組み合わせにおけるドスマルフェートとリゾチームはそれぞれ独立した製剤として投与(併用)されてもよいし、同一製剤に存在する形態(医薬組成物)で投与されてもよい。いくつかの例において、ドスマルフェートとリゾチームは医薬組成物の形態で投与される。
いくつかの例において、前記医薬組成物は内服製剤である。いくつかの例において、前記内服製剤は内服速放性製剤、内服徐放製剤、内服放出制御型製剤のうちの任意の1種類である。いくつかの例において、前記内服製剤は錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、シロップ剤、経口溶剤、経口懸濁剤及び経口乳剤のうちの任意の1種類から選ばれる。
いくつかの例において、前記医薬組成物には薬学的に許容される補助剤をさらに含む。いくつかの例において、前記薬学的に許容される補助剤は賦形剤、粘着剤、崩壊剤、潤滑剤、溶解補助剤、矯味剤、着色剤、味覚マスキング剤、pH調整剤、懸濁補助剤、増稠剤、保存剤、安定剤、抗酸化剤、湿潤剤、表面活性剤、懸濁剤、吸収促進剤及びコーティング材料のうちの少なくとも1種類から選ばれる。
いくつかの例において、ドスマルフェートとリゾチームはそれぞれ独立した製剤として投与される。
いくつかの例において、前記独立した製剤には薬学的に許容される補助剤をさらに含む。いくつかの例において、薬学的に許容される補助剤は賦形剤、粘着剤、崩壊剤、潤滑剤、溶解補助剤、矯味剤、着色剤、味覚マスキング剤、pH調整剤、懸濁補助剤、増稠剤、保存剤、安定剤、抗酸化剤、湿潤剤、表面活性剤、懸濁剤、吸収促進剤及びコーティング材料のうちの少なくとも1種類から選ばれる。
本発明者らはさらに研究した結果から、リゾチームの他の製剤に比べて、前記リゾチームが腸溶性製剤、具体的には大腸、特に結腸で薬物を放出する製剤を用いた場合、ドスマルフェートとの相乗的作用をよりよく発揮することができ、過敏性腸症候群を治療する時により良好な治療効果をもたらすことを発見した。
具体的な需要に応じて、前記腸溶性製剤は腸溶機能を有する速放性製剤、徐放製剤、放出制御型製剤などの腸溶性製剤形態であり、腸溶機能を有する錠剤、カプセル、丸剤、顆粒剤などの腸溶性製剤形態であってもよく、それらの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの例において、前記腸溶性製剤は腸溶錠剤である。いくつかの例において、前記腸溶性製剤は結腸腸溶錠剤である。
いくつかの例において、前記ドスマルフェートは内服製剤形態である。具体的な需要に応じて、前記ドスマルフェートは速放性製剤、徐放製剤又は放出制御型製剤などの製剤形態であり、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、シロップ剤、経口溶剤、経口懸濁剤及び経口乳剤などの製剤形態であってもよく、それらの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの例において、前記ドスマルフェートは錠剤である。
本発明の第2の態様では、本発明はドスマルフェート及びリゾチームを含む過敏性腸症候群の予防又は治療のための医薬組成物を提案する。本発明者らは、ドスマルフェートとリゾチームとを組み合わせて使用することにより、過敏性腸症候群を予防及び治療することができ、両者が顕著な協同相乗効果を有することを発見した。
本発明者らは、医薬組成物における前記ドスマルフェートとリゾチームとの質量比が、両者の過敏性腸症候群に対する相乗的治療に大きな影響を与えることを発見した。いくつかの例において、医薬組成物におけるドスマルフェートとリゾチームとの質量比は(0.05~100):1であり、かつ0.05:1を含まない。いくつかの例において、医薬組成物におけるドスマルフェートとリゾチームとの質量比は(0.1~10):1である。
いくつかの例において、前記リゾチームの力価は20000U/mgよりも大きい。
いくつかの例において、前記医薬組成物は内服製剤である。いくつかの例において、前記内服製剤は内服速放性製剤、内服徐放製剤、内服放出制御型製剤のうちの任意の1種類である。いくつかの例において、前記内服製剤は錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、シロップ剤、経口溶剤、経口懸濁剤及び経口乳剤のうちの任意の1種類から選ばれる。
いくつかの例において、前記医薬組成物には薬学的に許容される補助剤をさらに含む。いくつかの例において、前記薬学的に許容される補助剤は賦形剤、粘着剤、崩壊剤、潤滑剤、溶解補助剤、矯味剤、着色剤、味覚マスキング剤、pH調整剤、懸濁補助剤、増稠剤、保存剤、安定剤、抗酸化剤、湿潤剤、表面活性剤、懸濁剤、吸収促進剤及びコーティング材料のうちの少なくとも1種類から選ばれる。
前記医薬組成物は以下の方法により調製することができる。
ドスマルフェートとリゾチームとを混合し、薬学的に許容される補助剤を添加して医薬組成物を製造する。
又は、ドスマルフェート及びリゾチームを薬学的に許容される補助剤とそれぞれドスマルフェート製剤サブユニット及びリゾチーム製剤サブユニットに製造し、2つの製剤サブユニットを混合して医薬組成物を得る。好ましくは、ドスマルフェート製剤サブユニットは腸溶剤型又は胃溶剤型であり、リゾチーム製剤サブユニットは腸溶剤型である。
本発明の第3の態様では、本発明は過敏性腸症候群患者に作用量のドスマルフェート及びリゾチームを投与することを含む過敏性腸症候群の予防又は治療のための方法を提案する。
本発明者らは、ドスマルフェートとリゾチームとの質量比が、両者の過敏性腸症候群に対する相乗的治療に大きな影響を与えることを発見した。いくつかの例において、ドスマルフェートとリゾチームとの質量比は(0.05~100):1であり、かつ0.05:1を含まない。いくつかの例において、ドスマルフェートとリゾチームとの質量比は(0.1~10):1である。
いくつかの例において、前記リゾチームの力価は20000U/mgよりも大きい。
いくつかの例において、前記ドスマルフェートの毎日投与量は0.05~20gであり、好ましくは、前記ドスマルフェートの毎日投与量は0.1~10gである。
いくつかの例において、前記ドスマルフェート又はリゾチームはそれぞれ1~3回/日投与してもよい。
いくつかの例において、ドスマルフェート又はリゾチームはそれぞれ独立した製剤として投与(併用)されてもよいし、同一製剤に存在する形態(医薬組成物)で投与されてもよい。
いくつかの例において、ドスマルフェートとリゾチームは医薬組成物の形態で投与される。
いくつかの例において、前記医薬組成物は内服製剤である。いくつかの例において、前記内服製剤は内服速放性製剤、内服徐放製剤、内服放出制御型製剤のうちの任意の1種類である。いくつかの例において、前記内服製剤は錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、シロップ剤、経口溶剤、経口懸濁剤及び経口乳剤のうちの任意の1種類から選ばれる。
いくつかの例において、前記医薬組成物には薬学的に許容される補助剤をさらに含む。いくつかの例において、前記薬学的に許容される補助剤は賦形剤、粘着剤、崩壊剤、潤滑剤、溶解補助剤、矯味剤、着色剤、味覚マスキング剤、pH調整剤、懸濁補助剤、増稠剤、保存剤、安定剤、抗酸化剤、湿潤剤、表面活性剤、懸濁剤、吸収促進剤及びコーティング材料のうちの少なくとも1種類から選ばれる。
いくつかの例において、ドスマルフェートとリゾチームはそれぞれ独立した製剤として投与される。
いくつかの例において、前記独立した製剤には薬学的に許容される補助剤をさらに含む。いくつかの例において、薬学的に許容される補助剤は賦形剤、粘着剤、崩壊剤、潤滑剤、溶解補助剤、矯味剤、着色剤、味覚マスキング剤、pH調整剤、懸濁補助剤、増稠剤、保存剤、安定剤、抗酸化剤、湿潤剤、表面活性剤、懸濁剤、吸収促進剤及びコーティング材料のうちの少なくとも1種類から選ばれる。
本発明者らはさらに研究した結果から、リゾチームの他の製剤に比べて、前記リゾチームが腸溶性製剤、具体的には大腸、特に結腸で薬物を放出する製剤を用いた場合、ドスマルフェートとの相乗的作用をよりよく発揮することができ、過敏性腸症候群を治療する時により良好な治療効果をもたらすことを発見した。
具体的な需要に応じて、前記腸溶性製剤は腸溶機能を有する速放性製剤、徐放製剤、放出制御型製剤などの腸溶性製剤形態であり、腸溶機能を有する錠剤、カプセル、丸剤、顆粒剤などの腸溶性製剤形態であってもよく、それらの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの例において、前記腸溶性製剤は腸溶錠剤である。いくつかの例において、前記腸溶性製剤は結腸腸溶錠剤である。
いくつかの例において、前記ドスマルフェートは内服製剤形態である。具体的な需要に応じて、前記ドスマルフェートは速放性製剤、徐放製剤又は放出制御型製剤などの製剤形態であり、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、シロップ剤、経口溶剤、経口懸濁剤及び経口乳剤などの製剤形態であってもよく、それらの任意の組み合わせであってもよい。
いくつかの例において、前記ドスマルフェートは錠剤である。
本発明は以下の有益な効果を有する。
本発明によって提供されるドスマルフェートとリゾチームとの組み合わせは過敏性腸症候群を著しく改善することができ、両者は過敏性腸症候群を改善する上で協同相乗効果を有する。試験結果から分かるように、本発明のドスマルフェートとリゾチームとの組み合わせは過敏性腸症候群モデル動物の腹壁引込め反射(AWR)スコアと筋電図(EMG)AUC値を有意に低下させ、内臓高感受性状態を有意に改善することができる。なお、内臓高感受性特徴が各型過敏性腸症候群に存在するため、本発明の組み合わせは各型過敏性腸症候群に適用可能である。また、1カ月持続投与において、すべての試験動物で有意な毒性を示さず、副作用が小さいことを例証した。したがって、本発明は、広く適用可能で、治療効果が良く、かつ副作用が小さい新規な過敏性腸症候群を治療するための医薬的組み合わせを提供する。
以下、本発明を詳細に説明するために、実施例をさらに列挙する。なお、以下の実施例は、本発明をさらに説明するためにのみ使用され、本発明の保護範囲を限定するものと解釈されるべきでない。当業者が本発明に記載された原理に従って想到したいくつかの非本質的な改善及び調整はいずれも本発明の保護範囲に属する。以下の例の具体的なプロセスパラメータなども適切な範囲における一例に過ぎず、即ち、当業者であれば、後述する例の具体的データに限定されるものではなく、本明細書の説明によって適切な範囲内の選択を行うことができる。
定義
過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome、IBS):過敏性腸症候群は機能性腸疾患の一つであり、排便又は排便習慣の変化に関わる腹部疼痛又は腹部不快感として表現される。腹部疼痛、鼓脹(bloating)、腹部膨満(distension)と排便障害は一般的特徴である。
内臓高感受性(Visceral hypersensitivity):内臓高感受性とは、腸管の刺激に対する感受性が増強させたことであり、内臓痛又は不快感刺激を引き起こす閾値の低下、内臓の生理的刺激に対する不快感の発生又は傷害性刺激に対する反応が強い現象である。直腸と結腸だけが内臓高感受性を示すのではなく、消化管の他の領域、例えば空腸、食道も内臓高感受性を示すことができる。過敏性腸症候群のある動物又は患者は内臓高感受性が存在し、内臓高感受性は過敏性腸症候群の腹痛、鼓脹などの腹部不快感の発症のコア病理生理学的メカニズムである。内臓高感受性は胃腸動力イベントを拡大することで症状を産生することができる。過敏性腸症候群のある動物又は患者の内臓高感受性は結腸直腸拡大(圧力)刺激に敏感であること、温度の刺激に高感受性であること、生理刺激(例えば、食事)に高反応性であることを含むが、これらに限定されない。
ドスマルフェート(Dosmalfate):ドスマルフェートは胃粘膜保護剤であり、胃、十二指腸潰瘍の治療に許可されている。その化学名はジオルミン七ビス(硫酸水素塩)アルミニウム複合体であり、分子式はAl7(OH)14(C28H25036S7)[A1(0H)3]7である。動物実験及びヒト研究により、ドスマルフェートが消化管潰瘍を効果的に治療でき、その有害反応が軽微で、かつ発症率が低いことを表明した。
リゾチーム(Lysozyme):リゾチームは動物、植物、微生物由来のリゾチーム、又は天然リゾチームの改質物である。例えば、鶏卵リゾチーム、ヒトリゾチーム、組換えヒトリゾチーム、ファージリゾチームなどであってもよい。本発明におけるリゾチームはその薬用塩、例えば塩酸塩、塩素化物、硫酸塩又はアミノ酸塩などをさらに含む。鶏卵リゾチームはリゾチームの主な市販供給源であり、その活性はヒトリゾチームに近く、多くの市販薬物に使用されるリゾチームは鶏卵リゾチームである。ヒトリゾチームは人体内に広く分布し、大量に存在する。リゾチームの安全性は非常に高い。
腸溶性製剤:腸溶性製剤とは、胃で薬物を放出しないか、又はほとんど放出しないが、腸に入り、腸管のある部位で薬物の大部分又は全部を放出できる製剤である。ヒトの腸管は小腸と大腸を含み、小腸は十二指腸、空腸、回腸に分類され、大腸は盲腸、結腸、直腸に分類される。消化管の部位によって異なるpHを有し、例えば、胃内のpH値が約1~3、小腸内のpH値が約4~7、大腸内のpH値が約7~8である。製剤補助剤としてpH依存性分解材料を選択使用することにより、消化管の特定部位に薬物を指向的に放出する製剤、例えば小腸腸溶性製剤又は大腸腸溶性製剤を得ることができる。具体的には、十二指腸腸溶性製剤、空腸腸溶性製剤、回腸腸溶性製剤、盲腸腸溶性製剤、結腸腸溶性製剤又は直腸腸溶性製剤などを含んでもよい。
以下に、ドスマルフェートの単独製剤、リゾチームの単独製剤、及びドスマルフェートとリゾチームとの医薬組成物の例示的な調製方法について記述する。
リゾチーム原料は力価が20000U/mgよりも大きい市販品であってもよい。ドスマルフェート原料は従来技術により製造することができる。
ドスマルフェート錠:ドスマルフェートを原料として、通常の錠剤補助剤を用いて打錠すれば得られる。
リゾチーム顆粒剤:リゾチームを原料として、等量のでん粉を加え、均一に混合し、粘着剤(水)を加えて造粒し、乾燥すれば得られる。
リゾチーム結腸腸溶性顆粒剤:リゾチームを原料として、等量のでん粉を加え、均一に混合し、粘着剤(水)を加えて造粒し、乾燥し、リゾチーム顆粒を得る。調製されたリゾチーム顆粒を、通常の方法により市販の結腸腸溶コーティングを被覆し、リゾチーム結腸腸溶性顆粒剤を得る。
ドスマルフェートリゾチーム複合カプセル:リゾチームを原料として、等量のでん粉を加え、均一に混合し、粘着剤(水)を加えて造粒し、乾燥し、リゾチーム顆粒を得る。調製されたリゾチーム顆粒を、通常の方法により市販の結腸腸溶コーティングを被覆し、リゾチーム結腸腸溶性顆粒を得る。ドスマルフェートを原料として、普通の顆粒剤補助剤を加え、造粒してドスマルフェート顆粒を得る。リゾチーム結腸腸溶性顆粒とドスマルフェート顆粒とを適切な配合比率で普通の空カプセルに入れ、ドスマルフェートリゾチーム複合カプセルを得る。
以下の実施例は動物試験を介して本発明について具体的に説明する。
使用された試験動物、試薬などはいずれも市販品であった。試験に用いた関連試験方法及び関連機器の具体的な取り扱い方法などは当業者に知られている。使用されたドスマルフェート及びリゾチーム結腸腸溶性顆粒剤はいずれも湘北威爾曼製薬有限公司によって提供されたものであった。
実施例
過敏性腸症候群モデル動物に対するドスマルフェートとリゾチームとの組み合わせの治療作用
本実施例は、SDラット新生仔(Sprague-Dawley rats)に対して8日齢から21日齢までの期間に結腸直腸拡大を刺激因子として毎日与えることにより、過敏性腸症候群モデルの産生を誘発し、該モデル動物は、過敏性腸症候群の内臓高感受性が存在し、かつ結腸炎症又は粘膜損傷を随伴しなかった。21日齢から8週齢までの期間は結腸直腸拡大刺激を与えなかった。8週齢から3月齢までの期間は試験薬物又はプラセボを毎日胃内投与した。8週齢(1カ月の投与期間開始前)と3月齢前後に(1カ月の投与期間終了後)、腹壁引込め反射試験と筋電図試験によりラットの結腸直腸拡大刺激に対する挙動及び神経反応をテストした。
1、動物及び群分け処理
正常体重の8日齢新生雄SDラットを12:12時間の明-暗周期循環に曝露した。新生ラット12匹ごとに成年雌マウス1匹と共に、25日齢まで同ケージでマウス乳哺育した。そして新生ラットを4匹ごとに同ケージで哺育し、自由に食事及び飲水可能とした。
前記SDラットをランダムに正常対照群、モデル群、ドスマルフェート群、リゾチーム群、併用一群(ドスマルフェートとリゾチームとの投与量の比は0.05:1であった)、併用二群(ドスマルフェートとリゾチームとの投与量の比は0.1:1であった)、併用三群(ドスマルフェートとリゾチームとの投与量の比は10:1であった)及び併用四群(ドスマルフェートとリゾチームとの投与量の比は20:1であった)に分け、各群に12匹の動物を割り当てた。
2、動物モデリング
正常対照群以外、残りの各群のラットは8日齢から21日齢までの期間に結腸直腸拡大(CRD)刺激を毎日与えて過敏性腸症候群を誘発した。具体的な取り扱い方法:手術手袋の指を1つの可撓性バルーン(ポリテトラフルオロエチレンカテーテル付き、バルーンは比較的良好なコンプライアンスを有するように実験前に一夜ガス充填する必要がある)に作製し、ワセリンを塗布した後、ラットの肛門から結腸まで挿入し、肛門から2cm離れた尾部に固定した。バルーンはカテーテルを介してバルブに接続され、バルブには血圧計も接続された。ラットを小プラスチックケージに入れて寝返りを制限し、30分間適応させた。バルーンを血圧計で60 mm Hgまで徐々にガス充填させ、20秒刺激した後にガス放出し、1時間以内に刺激を2回繰り返した(30分間隔)。
正常対照群のラットの処理方法は他の群と類似しているが、バルーンを結腸に挿入せず、ラット8日齢から21日齢までの期間にその会陰部に毎日軽く触れた。
動物モデリングが完了した時に、正常対照群だけ1匹のラットが死亡し、残りの動物はいずれも後続の実験過程を完成した。
3、医薬品配合と投与
正常対照群とモデル群以外、残りの各群のラットは8週齡から3月齢までの期間に試験薬物(0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液に湿潤したもの)を毎日胃内投与し、投与量は8mlであった。
リゾチーム群:リゾチーム結腸腸溶性顆粒100mg/kg(リゾチームによって計算される)。
ドスマルフェート群:ドスマルフェート100mg/kg。
併用一群:リゾチーム結腸腸溶性顆粒100mg/kg(リゾチームによって計算される)、ドスマルフェート5mg/kg。
併用二群:リゾチーム結腸腸溶性顆粒100mg/kg(リゾチームによって計算される)、ドスマルフェート10mg/kg。
併用三群:リゾチーム結腸腸溶性顆粒100mg/kg(リゾチームによって計算される)、ドスマルフェート1000mg/kg。
併用四群:リゾチーム結腸腸溶性顆粒100mg/kg(リゾチームによって計算される)、ドスマルフェート2000mg/kg。
モデル群は等量の0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液を毎日投与した。正常対照群はいかなる薬物も投与しなかった。
4、テスト
結腸直腸拡大(CRD)モデルはすでに動物の内臓感受性を評価する標準ツールになっている。腹壁引込め反射と筋電図テストは結腸直腸拡大刺激後の動物反応を評価する最もよく使われる方法である。
4.1、腹壁引込め反射(abdominal withdrawal reflex、 AWR)試験
腹壁引込め反射試験はラットの結腸直腸拡大刺激に対する挙動反応を評価するために用いられた。各群のラットが8週齢(1カ月の投与期間開始前)と3月齢(1カ月の投与期間終了後)に達したときに行った。腹壁引込め反射試験前に、消化管の内容物を減少させるために、一夜絶食させた。
試験を行う時に、手術手袋の指を1つの可撓性バルーン(ポリテトラフルオロエチレンカテーテル付き、バルーンは比較的良好なコンプライアンスを有するように実験前に一夜ガス充填する必要がある)に作製し、ワセリンを塗布した後、ラットの肛門から結腸まで7cm挿入し、肛門から2cm離れた尾部に固定した。バルーンはカテーテルを介してバルブに接続され、バルブには血圧計も接続された。ラットを小プラスチックケージに入れて寝返りを制限し、30分間適応させた。バルーンを血圧計でそれぞれ20、40と60mm Hg圧力までガス充填させてテストを行った。テストごとに圧力を20秒維持させ、盲検観察者が圧力20秒維持間にラットの腹壁引込め反射スコアを記録し、圧力条件ごとに3回繰り返し、結果として3回のテストの平均値をとった。毎回テストの間にラットを10分間休憩させ、異なる圧力の間も10分間休憩させた。
腹壁引込め反射(AWR)のスコアルールは以下のとおりである。0=挙動反応なし、1=頭部短期間運動、その後静止状態に入る、2=腹筋収縮、3=腹部がケージのプラットフォームから挙離、4=骨盤構造スプリング。
4.2、筋電図(electromyography, EMG)試験
腹外斜筋の筋電図活性を測定することにより、ラットの結腸直腸拡大に対する内臓高感受性反応(神経反応)を定量した。各群のラットが3月齢(1カ月の投与期間終了後)に達した後、腹壁引込め反射試験を完了した後に行った。
各群のラットが3月齢に達し、腹壁引込め反射試験を完了した翌日、ラットに適量のペントバルビタール溶液(50mg/ml)を腹腔内注射し、十分麻酔した。下腹部と後頸部の毛髪をカットし、針電極(タングステン微小電極)をラットの腹部左側に移植し、腹外斜筋筋層内に固定し、電極細糸をラット左側の体の皮下を経て後頸部にある小さな切り口に貫通し、その小さな切り口から穿出した。ラットの腹部と頸部の傷口を縫合し、ケージに戻らせた。術後3日目、消化管の内容物を減少させるために、一夜絶食させた。術後4日目、筋電図テストを開始した。腹壁引込め反射試験と同様の方法を用いて結腸直腸拡大刺激を行うとともに、生理信号収集処理システムにより各結腸直腸拡大圧(20、40及び60mm Hg)刺激下のラット腹外斜筋の放電活動を記録し、各圧力を20秒維持し、各圧力を3回測定し、結果として3回のテストの平均値をとった。毎回テストの間にラットを10分間休憩させ、異なる圧力の間も10分間休憩させた。
筋電図テスト結果は結腸直腸拡大開始後の30秒間の曲線下面積(AUC)で表され、データごとに平均基線振幅(average baseline amplitude、100%とした)に対して正規化処理を行った。
5、試験結果と評価
腹壁引込め反射と筋電図テスト
腹壁引込め反射のスコアが高いほど、ラットの結腸直腸拡大刺激に対する挙動反応が強く、さらに内臓感受性が高いことを例証し、そのため、過敏性腸症候群が重篤であることを例証した。
筋電図のAUC値(平均基線振幅に対して正規化した値)が大きいほど、ラットの結腸直腸拡大刺激に対する神経反応が強く、さらに内臓感受性が高いことを例証し、そのため、過敏性腸症候群が重篤であることを例証した。この試験の統計結果を表1~3に示す。
表1:8週齢時各群動物の腹壁引込め反射試験スコア結果
Figure 0007342259000001
表2:3月齢時各群動物の腹壁引込め反射試験スコア結果
Figure 0007342259000002
**相応な圧力下の正常対照群に比べて、有意差(P<0.01)があることを表した。##相応な圧力下のモデル群に比べて、有意差(P<0.01)があることを表した。&&相応な圧力下のリゾチーム群に比べて、有意差(P<0.01)があることを表した。&相応な圧力下のリゾチーム群に比べて、差別(P<0.05)があることを表した。
表3:3月齢時各群動物の筋電図テスト結果
Figure 0007342259000003
**相応な圧力下の正常対照群に比べて、有意差(P<0.01)があることを表した。##相応な圧力下のモデル群に比べて、有意差(P<0.01)があることを表した。&&相応な圧力下のリゾチーム群に比べて、有意差(P<0.01)があることを表した。&相応な圧力下のリゾチーム群に比べて、差別(P<0.05)があることを表した。
本試験は新生ラットに対して結腸直腸拡大刺激を連続的に加え、過敏性腸症候群モデルの発生を誘発し、動物内臓高感受性を引き起こした。結腸直腸拡大(colorectal distension、 CRD)は臨床前と臨床研究に広く使用され、再現可能な内臓感受性評価方法である。結腸直腸拡大は腸管への有害性刺激の1つとして、内臓高感受性の被験者又は被験動物に結腸直腸拡大刺激を加えることにより内臓痛反応を引き起こすことができ、このような機械的拡大モデルは過敏性腸症候群患者の腹部疼痛、腹部不快感などの症状を比較的によくシミュレートすることができ、そしてこのような内臓刺激形式は制御しやすく、再現性が良い。結腸直腸拡大による内臓感受性の評価はよく齧歯動物(例えばラット、マウス)にて行われ、結腸直腸拡大モデルはすでに齧歯動物の内臓感受性を評価する標準ツールになっている。
腹壁引込め反射と筋電図テスト結果から分かるように、過敏性腸症候群動物モデルのモデリングに成功し、前記動物モデルは内臓高感受性が存在し、ヒトの各型過敏性腸症候群を類比することができる。正常対照群に比べて、各試験圧力下のモデル群動物の結腸直腸拡大刺激に対する挙動反応と神経反応はいずれも明らかに増強された。表1~3のデータから分かるように、モデル群の腹壁引込め反射スコアは正常対照群に比べて、明らかに増加し(P<0.01)、筋電図テストの曲線下面積AUC値も明らかに増大した(P<0.01)。モデル群動物は少なくとも8週齢から3月齢までの期間に過敏性腸症候群の内臓高感受性状態を維持していることを例証した。
試験結果から、次の結論を得た。
1、投与後、リゾチーム群の腹壁引込め反射と筋電図のテスト結果数値はモデル群に比べて、統計学的差がなく(P>0.05)、リゾチームの単独使用による過敏性腸症候群の治療はほとんど治療効果がないことを例証した。ドスマルフェート群の状況は類似した。
2、投与後、併用一群の腹壁引込め反射と筋電図のテスト結果数値はモデル群より低下する傾向があったが、統計学的差がなかった。組成物におけるドスマルフェートとリゾチームとの割合は過敏性腸症候群に対する治療効果に影響を与え、両者の組成物は一定の割合に達してこそ協同相乗効果を発揮できることを表明した。
3、投与後、併用二群、併用三群及び併用四群の腹壁引込め反射と筋電図のテスト結果数値はモデル群及びリゾチーム群より明らかに低下した(P<0.01)。ドスマルフェートリゾチーム組み合わせは単独の2種類の成分に持たない効果を果たし、協同相乗効果を発揮し、過敏性腸症候群の治療に使用できることを表明した。
本試験において、筋電図テストが完了した当日、ラットを屠殺し、脳、心、肝臓、脾臓、肺、腎臓と消化管(結腸を含む)などに対して病理組織学的検査を行った。正常対照群及びモデル群に比べて、併用一群、併用二群、併用三群及び併用四群のラットはいずれも有意病的変化を認めなかった。本発明の組み合わせは投与後の毒副作用が小さく、安全性が高いことを例証した。また、本発明では、結腸病理組織学的検査では典型的な炎症、粘膜損傷又は他の異常を認めなかったため、炎症及び粘膜損傷と試験動物の内臓高感受性との間の関連性を排除した。
以上、本発明について一般的説明、具体的な実施形態等を用いて詳細に説明した。本発明に基づいて、当業者は本発明の精神を維持しながら、本発明に対して合理的な修正又は改善を行うことができ、これらの修正又は改善は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるものとする。

Claims (11)

  1. ドスマルフェート及びリゾチームを含む、過敏性腸症候群の予防又は治療のための薬物の製造における医薬的組み合わせの使用であって、医薬的組み合わせにおけるドスマルフェートとリゾチームとの質量比は(0.1~20):1である、使用
  2. 医薬的組み合わせにおけるドスマルフェートとリゾチームとの質量比は(0.1~10):1である、ことを特徴とする請求項1に記載の使用。
  3. 過敏性腸症候群を予防又は治療するための、ドスマルフェート及びリゾチームを含む、医薬組成物であって、医薬組成物におけるドスマルフェートとリゾチームとの質量比は(0.1~20):1である、医薬組成物。
  4. 医薬組成物におけるドスマルフェートとリゾチームとの質量比は(0.1~10):1である、ことを特徴とする請求項に記載の医薬組成物。
  5. 前記医薬組成物は内服製剤である、ことを特徴とする請求項に記載の医薬組成物。
  6. 前記内服製剤は内服速放性製剤、内服徐放製剤、内服放出制御型製剤のうちの任意の1種類である、ことを特徴とする請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 前記内服製剤は錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、シロップ剤、経口溶剤、経口懸濁剤及び経口乳剤のうちの任意の1種類である、ことを特徴とする請求項5に記載の医薬組成物。
  8. 前記医薬組成物は薬学的に許容される補助剤をさらに含み前記薬学的に許容される補助剤は賦形剤、粘着剤、崩壊剤、潤滑剤、溶解補助剤、矯味剤、着色剤、味覚マスキング剤、pH調整剤、懸濁補助剤、増稠剤、保存剤、安定剤、抗酸化剤、湿潤剤、表面活性剤、懸濁剤、吸収促進剤及びコーティング材料のうちの少なくとも1種類から選ばれる、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の医薬組成物。
  9. ドスマルフェートとリゾチームとを混合する工程を含む、請求項~8のいずれか1項に記載の医薬組成物の製造方法。
  10. ドスマルフェート及びリゾチームを薬学的に許容される補助剤とそれぞれドスマルフェート製剤サブユニット及びリゾチーム製剤サブユニットに製造し、2つの製剤サブユニットを混合して医薬組成物を得る工程を含む、請求項8に記載の医薬組成物の製造方法。
  11. ドスマルフェート製剤サブユニットは腸溶剤型又は胃溶剤型であり、リゾチーム製剤サブユニットは腸溶剤型である、請求項10に記載の医薬組成物の製造方法。
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