以下、本発明の屋根構造体の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態においては、屋根構造体をテラス1に適用した例について説明する。なお、本実施形態においては、屋根構造体をテラス1に適用した例について説明するが、これに限定されない。例えば、屋根構造体を、テラス以外の構造物、例えば、カーポート、駐輪場、シェルター、休憩所、バス停などの構造物に適用してもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係るテラス1を斜め上方側から見た斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係るテラス1を斜め下方側から見た斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係るテラス1の平面図である。図4は、図1におけるA-A線断面図である。図5は、屋根体4を構成する先端側形材42の梁3への接続構造を示す断面図である。図6は、屋根体4を構成する中間形材43の梁3への接続構造を示す断面図である。図7は、屋根体4を構成する樋構成形材44の梁3への接続構造を示す断面図である。図8は、クリップ部材5を用いて樋構成形材44を梁3に固定する構造を示す図である。図9は、クリップ部材5を取り付ける方法を示す斜視図である。図10は、クリップ部材5を用いて固定する構造の断面図であって、(a)は図9のB-B線断面図であり、(b)は図9のC-C線断面図である。図11は、隙間塞ぎ材71の接続構造を示す断面図である。図12は、隙間塞ぎ材71の接続構造を示す斜視図である。
なお、本実施形態の説明においては、テラス1の屋根体4を構成する複数の長尺形材(長尺材)41が延びる方向を左右方向(長尺形材41の長手方向)ともいう。また、梁3が延びる方向を前後方向ともいい、梁3が延びる方向において、支柱2側を、テラス1の基端側ともいい、支柱2と反対側を、テラス1の先端側ともいう。
本実施形態のテラス1は、図1~図3に示すように、屋根体4を前後方向の基端側(図1における左手前側及び図2における左側)において一対の支柱2で支持する、いわゆる、片持ち構造のテラスである。また、本実施形態のテラス1は、支柱2に接続された梁3の下部(下方)に、屋根体4が吊られて接続される吊構造で構成される。
また、テラス1は、屋根体4の先端が、建物壁面や建物開口を有する躯体10から離間して、躯体10に対向して配置される独立型のテラスである。屋根体4と躯体10との間の隙間は、隙間塞ぎユニット7により塞がれている。
図1~図3に示すように、本実施形態のテラス1は、地面11に立設される一対の支柱2(柱材)と、支柱2の上端部から支柱に交差する方向に延びる梁3と、梁3の下部に接続される屋根体4と、隙間塞ぎユニット7と、を備える。支柱2、梁3、及び屋根体4を構成する複数の長尺形材41は、アルミ材料の押出し形材で形成され、断面が中空状の中空部を有するホロー構造を有する。
一対の支柱2は、図1に示すように、テラス1の基端側(図1における左手前側)において、テラス1の左右方向に離間して配置される。
支柱2は、図1及び図4に示すように、横断面が角筒状に形成される中空状の支柱本体部21と、支柱本体部21の屋根体4側の側面から屋根体4側に突出すると共に上下方向に延びる一対のカバー取付壁22と、を有する。一対のカバー取付壁22には、支柱カバー部材23が取り付けられる。支柱2の上端部には、支柱2の上端部の開口を覆うように、支柱キャップ24が配置される。
支柱本体部21と支柱カバー部材23との間には、屋根体4の屋根体側樋構成部40(後述)から排出された水が流される。支柱本体部21と支柱カバー部材23との間には屋根体側樋構成部40(後述)から排出された水が流入して水が流れるため、図4に示すように、支柱本体部21及び支柱カバー部材23は、支柱側樋構成部20(柱材側樋構造)として構成される。本実施形態においては、支柱本体部21と支柱カバー部材23との間に雨樋用のホースなどが配置されずに、支柱本体部21及び支柱カバー部材23だけで、縦樋を構成する。支柱側樋構成部20は、支柱本体部21の屋根体4側の側面が支柱カバー部材23に覆われるため、テラス1の外部からは視認されない。そのため、支柱2が樋の機能を備えることが外部からは視認されず、意匠性を向上できる。
図1及び図2に示すように、一対の支柱2における左右方向の一方側(図1における右手前側)の支柱2には、地面11付近の下端部に、排水誘導部材6が取り付けられる。排水誘導部材6は、支柱本体部21と支柱カバー部材23とにより構成される支柱側樋構成部20(後述)を流れる水を前後方向の一方側(建物と反対側)の外部へ誘導して排出する。
一対の梁3は、テラス1の左右方向に離間して配置される。一対の梁3は、それぞれ、前後方向に延びると共に、支柱2側に下る下り傾斜で形成される。梁3は、支柱2側に基端側が配置されると共に、基端側から先端側に延びる。一対の梁3の基端側の端部(左側の端部)は、図4に示すように、L字状の連結部材25を介して、支柱2の上端部に接続される。一対の梁3の下部には、屋根体4が接続される。
一対の梁3は、図1及び図4に示すように、それぞれ、断面が角筒状に形成される梁側ホロー部31と、延出板部32(下部延出板)と、端部キャップ33と、を有する。
梁側ホロー部31の先端31aは、先端側の上端部が傾斜して切り欠かれるように、先端側から基端側(支柱2側)に向かうにしたがって上る上り傾斜で形成される。そのため、梁3の先端31aは、梁3の下部に屋根体4が接続された状態において、屋根体4の先端側の下方の地面11側からは視認しにくい形状である。よって、屋根体4の先端側の下方の地面11側からは梁3を視認しにくいため、意匠性を向上できる。また、本実施形態においては、梁3は、屋根体4の先端まで延びておらず、梁3の先端は、屋根体4の先端の位置よりも基端側(支柱2側)に位置している。これにより、屋根体4の上面の先端において、隙間塞ぎユニット7の取付枠体72を配置するためのスペースが確保されている。
延出板部32は、図3及び図4に示すように、梁側ホロー部31の下端部から、屋根体4における左右方向の中央側(一対の梁3のうち、当該梁3とは別の梁3側)に向けて延出すると共に、前後方向に延びる板状に形成される。延出板部32は、前後方向に並んで複数配置されるネジ部材101により、延出板部32において、屋根体4に固定される。
屋根体4は、梁3の下方に配置される。屋根体4は、図4に示すように、屋根体4が一対の梁3の下部に吊られて配置される吊り下げ構造であって、一対の梁3の下部に取り付けられる(接続される)。屋根体4は、複数の長尺形材(長尺材)41が、梁3が延びる方向に並んで連設されて互いが嵌合して連結されて構成される。
複数の長尺形材41は、それぞれ、テラス1の左右方向(梁3が延びる方向に直交する方向)に延びており、所定の厚さを有する。複数の長尺形材41は、それぞれ、アルミ材料の押出し形材で形成され、断面が中空状に形成される中空部を有するホロー構造を有する。屋根体4は、上面4a及び下面4bがフラット(平面状)に形成される。屋根体4は、支柱2側が下る下り傾斜に配置されており、上面4a及び下面4bは、支柱2側が下る下り傾斜に形成される。アルミ材料の押出し形材で形成された複数の長尺形材41を連結して屋根体4を構成することで、複数の長尺形材41を、屋根体4の面材として使用できると共に、屋根体4の強度を確保することができる。また、屋根体4を構成する複数の長尺形材41を、中空部を有する形材で構成することで、屋根体4自体を強度部材として使用でき、屋根体4の強度を出すための部材を別に設ける必要がない。よって、屋根体4を構成する部材の部品点数を低減できる。
屋根体4を構成する複数の長尺形材41は、図4に示すように、最も先端側に配置される先端側形材42と、支柱2側の最も基端側に配置される樋構成形材44と、先端側形材42と樋構成形材44との間に配置される複数の中間形材43と、を備えて構成される。複数の長尺形材41は、それぞれ、ネジ部材101により、梁3に直接固定されて接続される。詳細には、上方側から移動されたネジ部材101により、梁3の延出板部32と長尺形材41(先端側形材42、中間形材43)の上面板(先端側形材42の基端側上部延出片427、中間形材43の基端側上部延出片437)とを貫通されたネジ部材101が、上面板(先端側形材42の基端側上部延出片427、中間形材43の基端側上部延出片437)の下方に配置された裏板部材108に螺合されることで、長尺形材41は、梁3に固定される。
先端側形材42は、図4に示すように、梁3に接続された屋根体4の先端側に配置される。先端側形材42は、図5に示すように、先端側に配置される第1先端ホロー部421と、第1先端ホロー部421の基端側に配置される第2先端ホロー部422と、第2先端ホロー部422の基端側に形成される基端側上部延出片427(固定部)と、第2先端ホロー部422の基端側に形成される基端側下部片428と、を有する。
第1先端ホロー部421の先端側の端部側の上面には、引っ掛け片423(引っ掛け部)が形成され、下面には、下方に突出するフィン424が形成される。引っ掛け片423は、支柱2側に開放する断面がコ字状に形成され、支柱2側に開放する。引っ掛け片423の開放側には、舌状部材34(仮支持部)の板状突出部341が挿入される。引っ掛け片423は、舌状部材34の板状突出部341に引っ掛けることが可能であり、屋根体4の施工時に、舌状部材34に引っ掛けられた状態で維持可能である。
舌状部材34は、梁3の先端側に固定して設けられ、屋根体4の施工時に、先端側形材42の引っ掛け片423を引っ掛けることで、先端側形材42を仮支持することが可能である。舌状部材34は、断面形状がクランク状に形成され、先端側には、板状突出部341が形成される。舌状部材34の基端側の端部342は、梁3の先端の下面に固定されている。
板状突出部341は、板状に形成され、梁3の先端から、屋根体4の先端側に略水平に突出する。板状突出部341は、屋根体4の先端の上面において、梁3の先端から、先端側形材42の引っ掛け片423まで延びる。これにより、先端側形材42を梁3に取り付ける際に、板状突出部341を第1先端ホロー部421の引っ掛け片423に引っ掛けることで、先端側形材42を梁3に仮支持させることができる。舌状部材34は屋根体4の上面に配置されるため、屋根体4の下方からは視認されず、意匠性を確保できる。
基端側上部延出片427は、第2先端ホロー部422における基端側(図5における左側)の上端部から前後方向の基端側に向けて延出する。基端側上部延出片427は、先端側形材42の前後方向の基端側(支柱2側)の端部の上端部に配置され、ネジ部材102により梁3の延出板部32に固定される固定部(ネジ固定部)を構成する。
基端側上部延出片427における屋根体4の前後方向の基端側(図5における左側)の端部には、側方に延出する側方延出壁427bと、下方に延出する下方延出壁427cと、が形成される。
下方延出壁427cにおける屋根体4の前後方向の基端側の面には、隣接する中間形材43の先端側の端部に取り付けられるビード材401(止水材)が押圧される。ビード材401は、先端側形材42と中間形材43との連結部分に配置される止水部として機能する。ビード材401は、先端側形材42及び隣接する中間形材43(長尺形材41)の連結部分が延びる方向、即ち、長尺形材41の長尺方向(長手方向)に沿って延びるように形成される。
基端側下部片428は、第2先端ホロー部422における屋根体4の前後方向の基端側の下端部から基端側に向けて延出する。基端側下部片428における基端側の端部には、上方側に突出する引っ掛け係合部428a(引っ掛け部)が形成される。
引っ掛け係合部428aは、図5に示すように、梁3に取り付けられた先端側形材42の前後方向の基端側の端部において、先端側形材42の下端部に形成される。引っ掛け係合部428aは、梁3に取り付けられた先端側形材42の前後方向の基端側の端部において、下端部に配置される基端側下部片428から上方に立ち上がると共に、立ち上がった上端部において長手方向に直交する幅方向に延びるT字状に形成される。
先端側形材42の引っ掛け係合部428aは、隣接する中間形材43の先端側の下端部の側面から先端側に突出する先端側下部突出片436と、隣接する中間形材43の先端側の端部に形成される引っ掛け延出片435の引っ掛け片435b(後述)と、に係合可能である。引っ掛け係合部428aは、引っ掛け延出片435の引っ掛け片435bに引っ掛けられた状態で維持可能である。
基端側下部片428の上面には、隣接する中間形材43における中段樋構成部410(止水部)から溢れた水が流通する。基端側下部片428の上面は、屋根体4の内部において、上下方向の下段に位置する下段樋構成部420を構成する。下段樋構成部420は、水を流す樋機能を有する。下段樋構成部420は、ビード材401を通過して中段樋構成部410に受け止められて中段樋構成部410(止水部)から溢れた水を受け止める。下段樋構成部420は、中段樋構成部410から溢れて受け止めた水を左右方向の両端部側に流通させる。
中間形材43は、図4に示すように、先端側形材42と樋構成形材44との間に複数並んで配置される。中間形材43は、図6に示すように、先端側に配置される第1中間ホロー部431と、第1中間ホロー部431の基端側に配置される第2中間ホロー部432と、第1中間ホロー部431における先端側の上端部の側面に形成されるビード材取付凹部433と、第1中間ホロー部431の先端側の側面から先端側に延在するL字状の中段樋部434と、中段樋部434の先端側の端部の下端部から下方に延びるL字状の引っ掛け延出片435と、第1中間ホロー部431における先端側形材42側の下端部の側面から先端側に突出する先端側下部突出片436と、第2中間ホロー部432の基端側に形成される基端側上部延出片437と、第2中間ホロー部432の基端側に形成される基端側下部片438と、を有する。
中間形材43の先端側の端部の下方側には、図6に示すように、下方に開口(開放)する開口部439が形成される。開口部439は、中段樋部434における第1中間ホロー部431の一方側に配置される上下方向に延びる端辺431aと、L字状の引っ掛け延出片435とにより形成される。開口部439の開口縁には、開口部439の開口縁から開口部439の内側に互いに対向して突出する対向突出部439aが形成される。本実施形態においては、対向突出部439aは、先端側下部突出片436と、L字状の引っ掛け延出片435の引っ掛け片435b(後述)と、により構成され、互いが近づくように、開口部439の内側に向けて突出して延びる。
以上のように構成される先端側形材42及び中間形材43においては、隣接する先端側形材42及び中間形材43が連結した状態において、先端側形材42の引っ掛け係合部428aは、隣接する中間形材43の開口部439の内部に配置された状態で、上下方向の移動を規制するように、対向突出部439a(先端側下部突出片436、L字状の引っ掛け延出片435の引っ掛け片435b)に引っ掛かって嵌合する。
ビード材取付凹部433は、先端側に隣接する先端側形材42の下方延出壁427cに対向して配置される。ビード材取付凹部433の上面433aは、屋根体4の上面4aから一段下がった位置に形成される。ビード材取付凹部433は、隣接する長尺形材41の連結部分が延びる方向、即ち、長尺形材41の長尺方向(長手方向)に沿って延びる。
ビード材取付凹部433には、ビード材401が取り付けられる。ビード材401は、ビード材取付凹部433に取り付けられた状態で、先端側に隣接する先端側形材42の下方延出壁427cを押圧する。ビード材401は、先端側形材42と中間形材43との連結部分に配置され、止水部として機能する。
中段樋部434は、底壁部434aと、立設片434bと、を有する。中段樋部434は、屋根体4の内部において、上下方向の中段に位置する中段樋構成部410を構成する。中段樋構成部410は、水を流す樋機能を有すると共に、止水部として機能する。中段樋構成部410は、ビード材401で止水できなかったビード材401を通過した水を受け止めて、受け止めた水を左右方向の両端部側に流通させる。
L字状の引っ掛け延出片435は、下方延出片435aと、下方延出片435aの下端部から中間形材43の幅方向中央部に向かう引っ掛け片435bと、を有する。引っ掛け片435bは、隣接する先端側形材42の前後方向の基端側の端部に形成される引っ掛け係合部428aに係合可能である。引っ掛け片435bは、引っ掛け係合部428aに係合した状態で、引っ掛け係合部428aを中心に回転可能である。
先端側形材42の隣りに、隣接する中間形材43を取り付ける場合には、梁3の延出板部32が接続された先端側形材42の引っ掛け係合部428aに、中間形材43の引っ掛け延出片435を引っ掛けることで、梁3の下方において、中間形材43を仮置きできる。また、先端側形材42の引っ掛け係合部428aに中間形材43の引っ掛け延出片435を引っ掛けた状態で、引っ掛け延出片435の先端を中心に中間形材43を回転することで、中間形材43を取り付け位置に配置できる。
中間形材43を取り付け位置に配置した状態においては、先端側形材42における前後方向の基端側には、先端側形材42の引っ掛け係合部428aに中間形材43の引っ掛け延出片435が嵌合した状態で、中間形材43が取り付けられる。
中間形材43の基端側上部延出片437及び基端側下部片438について、説明しない点については、先端側形材42の基端側上部延出片427及び基端側下部片428の構造と同様である。そのため、中間形材43の基端側上部延出片437及び基端側下部片438の構造で説明した符号に対応する符号を付して、その説明を省略する。
また、連続して配置される複数の中間形材43の構成は全て同様の構成であるため、その説明を省略する。梁3に接続した中間形材43の隣りに、隣接する中間形材43を取り付ける場合には、先端側形材42の隣りに中間形材43を取り付ける場合と同様に、梁3の延出板部32に接続された中間形材43の引っ掛け係合部438aに、中間形材43の引っ掛け延出片435を引っ掛けることで、梁3の下方において、中間形材43を仮置きできる。また、中間形材43の引っ掛け係合部438aに中間形材43の引っ掛け延出片435を引っ掛けた状態で、引っ掛け延出片435を中心に中間形材43を回転することで、中間形材43を取り付け位置に配置できる。隣接する中間形材43を取り付け位置に配置した状態においては、中間形材43における前後方向の基端側には、中間形材43の引っ掛け係合部438aに、隣接する中間形材43の引っ掛け延出片435が嵌合した状態で、隣接する中間形材43が取り付けられる。
樋構成形材44は、屋根体4において、複数の長尺形材41が並ぶ方向の基端側(支柱2側)の端部に並列に配置され、図7に示すように、上部側が上方側に向けて開口する長尺形材により形成される。本実施形態においては、樋構成形材44は、中空部を有さないソリッド材により形成され、上部側が開口する断面U字形状に形成される。なお、樋構成形材44は、これに限定されず、中空部を有するホロー構造のアルミ材料の長尺形材の上面が切り欠かれることで上部側が開口する形状に形成されていてもよい。
樋構成形材44は、屋根体4の支柱2側の最も基端側の端部において、屋根体4の上面4aを基端側に流れて基端側の端部に達した水を受け止めて流通させる屋根体側樋構成部40を構成する。屋根体側樋構成部40は、屋根体4の上面4aを流れる水の下流側の端部に配置される。本実施形態においては、屋根体側樋構成部40は、屋根体4における下り傾斜の端部であって、屋根体4における基端側の支柱2側の端部に配置されている。
屋根体側樋構成部40は、上部側が開口しているため、屋根体側樋構成部40を屋根体4の下方から見た場合に、長尺形材41のフラットな(平面状の)下面が見えるだけで、屋根体4の上面4a側に樋が存在することを認識させずに樋を構成でき、意匠性を向上できる。
樋構成形材44は、図7に示すように、先端側の端部の構成が、中間形材43の先端側の端部の構成と同様であるため、先端側の端部の構成については、対応する符号を付して、その説明を省略する。また、梁3に接続した中間形材43の隣に、隣接する樋構成形材44を取り付ける場合は、中間形材43を先端側形材42の隣りに取り付ける場合と同様である。
樋構成形材44の先端側の端部以外の構成について詳細に説明する。
樋構成形材44は、樋構成部441を有する。樋構成部441は、上方が開放する略U字形状の樋構成部本体442と、基端側に配置される基端側上部内方延出片451(上面板)と、先端側に配置される先端側上部内方延出片452と、基端側に配置される水切りフィン453と、基端側に配置される基端側上部壁454と、を有する。
樋構成部本体442は、屋根体4の上面4aにおいて支柱2側に流された水を、上方の開放された部分から導入して受け止める。第2先端ホロー部422の側面には、導出開口442a(排水口)が形成される。
導出開口442aは、図7に示すように、前後方向の基端側の一方の支柱2(図1に示す右手前側の支柱2)が配置される部分において、樋構成部本体442の側面を支柱2側の側方に貫通して形成される。導出開口442aには、L字状の誘導部材47の側部開口部471(後述)が接続される。
誘導部材47は、屋根体側樋構成部40に流れ込んで滞留した水を、支柱側樋構成部20に誘導する。誘導部材47は、支柱側樋構成部20側に下る斜め下方に傾斜した筒状に形成され、側部開口部471と、下端開口部472と、を有する。誘導部材47は、一方側の側部開口部471が樋構成部本体442(屋根体側樋構成部40)の側面に形成された導出開口442aに接続されると共に、他方側の下端開口部472が支柱本体部21と支柱カバー部材23との間に挿入されて、支柱側樋構成部20の内部に開口される。
基端側上部内方延出片451は、図7に示すように、樋構成形材44の基端部側において、樋構成形材44の上方側の内面から内方側に突出する。基端側上部内方延出片451には、ネジ部材451aにより、誘導部材47が固定される。
図8~図10に示すように、樋構成形材44の幅方向の支柱2側の端部に形成される基端側上部内方延出片451は、クリップ部材5(挟み部材)により、梁3の延出板部32の長手方向の支柱2側の端部に固定されている。
クリップ部材5は、側面視コ字状であり、断面においてコ字状の部分を含んで構成される。クリップ部材5は、梁3の延出板部32の長手方向の支柱2側の端部と樋構成形材44の基端側上部内方延出片451とを上下方向において挟む。梁3の基端側の端部において、樋構成形材44の基端側上部内方延出片451の上方には、梁3の延出板部32の基端側の端部が重なって配置される。
クリップ部材5は、図8及び図9に示すように、上側板51(上側板部)と、受け板52(受け板部)と、側面板53と、を有する。クリップ部材5は、受け板52において、樋構成形材44の基端側上部内方延出片451の下面を受けると共に、上側板51において、梁3の延出板部32の上面に配置される。これにより、クリップ部材5は、受け板52と上側板51との間に、樋構成形材44の基端側上部内方延出片451と梁3の延出板部32とを挟んで保持する。
上側板51及び受け板52は、上方から視た場合に、L字状に形成され、L字の角部において上下方向において重なって配置され、上側板51の先端側が、梁3の延出板部32の上面に配置され、受け板52の先端側が、樋構成形材44の基端側上部内方延出片451と梁3の延出板部32とが重なった部分の下方に配置される。
側面板53は、上側板51及び受け板52の左右方向の梁3の延出板部32の幅方向の一端部を上下方向に接続する板状に形成される。側面板53は、上下方向に幅を有して梁3が延びる方向に延びる板状に形成される。図9に示すように、上側板51と受け板52とが重なった部分において、上側板51と受け板52との間には、梁3の延出板部32側に開放する開放空間Kが形成される。
上側板51は、図8に示すように、梁3の延出板部32の上面に配置され、梁3の延出板部32の幅方向の全域に亘って延びる。上側板51は、所定の厚みを有した板状に形成される。上側板51は厚みを有するため、先端側の側面51aにおいて、梁3の延出板部32を先端側から基端側に向けて流れる水を堰き止めて、樋構成形材44の屋根体側樋構成部40側に誘導できる。
受け板52は、支柱2側の部分が、樋構成形材44の基端側上部内方延出片451と梁3の延出板部32とが重なった部分の下方に配置され、先端側の部分が、梁3の延出板部32の下方に配置される。これにより、受け板52は、樋構成形材44の基端側上部内方延出片451と梁3の延出板部32とに重なった状態で、樋構成形材44の基端側上部内方延出片451と梁3の延出板部32とを下側から受ける。樋構成形材44の基端側上部内方延出片451は、受け板52により受けられるため、固定強度が向上する。
また、受け板52は、上下において、支柱2と反対側の部分が、上側板51に重なっており、支柱2側の部分が、上側板51に重なっていない。受け板52における上側板51に重なっていない支柱2側の部分には、ネジ孔521が形成されている。ここで、上側板51と受け板52のネジ孔521とは、上下に重なっていない。ネジ孔521には、ネジ部材54の先端がねじ込まれて固定されている。
クリップ部材5を用いて、梁3に樋構成形材44を固定する場合には、クリップ部材5の角部に形成される開放空間Kに、梁3の延出板部32が挿入されるように、かつ、受け板52の支柱2側の部分を、樋構成形材44の基端側上部内方延出片451と梁3の延出板部32との重なった部分の下方に挿入するように、クリップ部材5を移動させる。
この状態においては、図10に示すように、クリップ部材5は、受け板52と上側板51との間に、樋構成形材44の基端側上部内方延出片451と梁3の延出板部32とを挟み込んでいる。そのため、施工時に手を離した状態で、ネジ部材54により、梁3の延出板部32、樋構成形材44の基端側上部内方延出片451、及び、クリップ部材5の受け板52を共締めすることで、樋構成形材44を梁3に固定できる。この場合、ネジ部材54の先端を、受け板52のネジ孔521にねじ込んで固定できる。これにより、受け板52は、ネジ孔521においてネジ部材54の先端を固定でき、裏板として機能する。
また、屋根体4の左右方向の両端部には、図1に示すように、一対の屋根体側部カバー部材8が取り付けられている。一対の屋根体側部カバー部材8は、長尺形材41の左右方向の両端部において、前後方向に延びて配置される。一対の屋根体側部カバー部材8は、屋根体4の左右方向の両端部において、長尺形材41の側部を覆うように配置される。一対の屋根体側部カバー部材8は、それぞれ、支柱2側が下る下り傾斜で、屋根体4の傾斜方向に沿って延びる。
隙間塞ぎユニット7について説明する。
本実施形態のテラス1は、風圧や積雪などによる荷重を受けた場合に、支柱2の振動や撓みがあっても、屋根体4が躯体10に荷重を掛けないように、独立型で構成される。そのため、屋根体4の先端と躯体10との間には、隙間を設けている。本実施形態においては、屋根体4の先端と躯体10との間の隙間を塞ぐように、隙間塞ぎユニット7を配置している。
隙間塞ぎユニット7は、図1に示すように、屋根体4の先端に接続され、屋根体4の左右方向に延びる。隙間塞ぎユニット7は、図11及び図12に示すように、隙間塞ぎ材71と、取付枠体72(接続部材)と、を備える。本実施形態においては、隙間塞ぎ材71及び取付枠体72は、隙間塞ぎユニット7としてユニット化されており、隙間塞ぎユニット7として組み立てた後に、屋根体4に取り付けられる。
隙間塞ぎ材71は、図4に示すように、屋根体4の先端と躯体10との隙間を塞ぐように配置されている。隙間塞ぎ材71は、例えば、ゴムや軟質合成樹脂等の高弾性収縮性の材質で形成されている。隙間塞ぎ材71は、基端側が、取付枠体72を介して、屋根体4の先端に取り付けられ、先端側が、撓んだ状態で躯体10に接触して配置されている。
隙間塞ぎ材71は、躯体10側に上り傾斜で延びており、図11及び図12に示すように、先端側に形成される舌状先端711と、基端側に形成される水切突片712と、を有する。隙間塞ぎ材71における基端側の端部の下面には、L字状係合部713と、T字状嵌合部714とが形成されている。T字状嵌合部714及びL字状係合部713は、水切突片712側(基端側)から先端側に向かってこの順に配置されている。隙間塞ぎ材71の基端側の端部の下面に配置されるT字状嵌合部714及びL字状係合部713には、取付枠体72が接続される。
取付枠体72には、隙間塞ぎ材71が取り付けられており、隙間塞ぎ材71が取り付けられた取付枠体72は、屋根体4の先端の上面に固定される。取付枠体72は、屋根体4の先端と隙間塞ぎ材71とを接続する。
取付枠体72は、屋根体4の上部に配置されて、屋根体4の上面に固定される。取付枠体72は、第1取付枠73(第1部材)と、複数の第2取付枠74(第2部材)と、を有する。取付枠体72は、屋根体4の上部に配置されるため、屋根体4の下方側から視認されにくい。
第1取付枠73は、図3及び図12に示すように、屋根体4の先端縁が延びる左右方向に沿って長尺状に形成される。第1取付枠73は、例えば、アルミ材料の押出し形材で形成される。第1取付枠73の両端部は、隙間塞ぎ材71の左右方向の両端部よりも内側に位置する。これにより、第1取付枠73は、屋根体4の左右方向の両端部において、屋根体4の下方側から視認されにくい。
第1取付枠73は、図11に示すように、隙間塞ぎ材71の基端側の端部の下方において、隙間塞ぎ材71の基端側の端部の下面に配置されるT字状嵌合部714に取り付けられる。第1取付枠73は、断面C字状の嵌合溝枠731と、嵌合溝枠731の下部に形成される下方開放枠732と、嵌合溝枠731及び下方開放枠732の先端側の側面から先端側に延出する延出片733と、を有する。
嵌合溝枠731には、隙間塞ぎ材71のT字状嵌合部714が嵌合する。嵌合溝枠731に嵌合されたT字状嵌合部714は、ネジ部材715により、図3に示すように、屋根体4の左右方向における中央側の1箇所において、図11に示すように、嵌合溝枠731の下板731aに固定される。ネジ部材715は、下方側から上方側に移動されることで、下方開放枠732側からねじ込まれる。ネジ部材715のネジ頭部715aは、嵌合溝枠731の下板731aの下面に配置されており、第1取付枠73が屋根体4の上面に配置されるため、外部に露出せずに、外部から視認されにくく、意匠性を向上できる。
下方開放枠732は、嵌合溝枠731の下部において下方に開放して形成される。下方開放枠732の上板732aと、嵌合溝枠731の下板731aとは、共通の部材である。下方開放枠732の基端側の下端部には、先端側に突出する突出片732bが形成される。突出片732bは、後述する第2取付枠74の屈曲係止部741bに係止される。
延出片733は、先端側に突出する。延出片733は、後述する第2取付枠74に固定される。
複数の第2取付枠74は、図3及び図12に示すように、屋根体4の先端縁が延びる左右方向に沿って、第1取付枠73の長手方向に間隔をおいて複数並んで配置される。第2取付枠74は、例えば、アルミ材料で形成される。複数の第2取付枠74は、互いの間隔を調整して取り付けることが可能である。例えば、隙間塞ぎユニット7を設置する現場において、他の部材と干渉する場合に、複数の第2取付枠74を移動して設置することができるため、第2取付枠74の配置の自由度が向上して、現場での対応力を向上できる。本実施形態においては、複数の第2取付枠74は、梁3が配置された部分を避けた位置に配置されていると共に、梁3に接続された舌状部材34の板状突出部341が配置された部分も避けた位置に配置されている。
第2取付枠74は、図11に示すように、隙間塞ぎ材71の基端側の端部の下方に取り付けられた第1取付枠73に取り付けられると共に、隙間塞ぎ材71の下面に配置される隙間塞ぎ材71のL字状係合部713に取り付けられる。
第2取付枠74は、図11に示すように、底面板741と、L字状立ち上がり片742と、戻り引っ掛け片744と、を有する。
底面板741は、隙間塞ぎ材71の基端側において、屋根体4の上面に沿って配置され、T字状嵌合部714よりも先端側から、水切突片712よりも基端側まで延びる。延出片733の基端側の端部は、ネジ部材741aにより、屋根体4の上面に固定される。
底面板741の上面には、屈曲係止部741bが形成される。屈曲係止部741bは、屋根体4の上面から上方に立ち上がり、上端において基端側に屈曲し、基端側に延びる。屈曲係止部741bには、第1取付枠73の下方開放枠732の突出片732bが係止される。
L字状立ち上がり片742は、底面板741の先端に接続され、上方に立ち上がり、上端において先端側に屈曲し、先端側に延びる。L字状立ち上がり片742の上板は、ネジ部材742aにより第1取付枠73の延出片733に固定される。ネジ部材742aは、下方側から上方側に移動されることで、L字状立ち上がり片742の下側からねじ込まれる。このように、第1取付枠73と複数の第2取付枠74とは、第1取付枠73及び複数の第2取付枠74を上下方向に貫通するネジ部材742aにより、ネジ頭部742bが下部に配置された状態で固定される。ネジ部材742aのネジ頭部742bは、第1取付枠73と複数の第2取付枠74とで隙間塞ぎ材71を固定した状態において、屋根体4の上方側に配置される。これにより、ネジ部材742aは、外部に露出せずに、外部から視認されにくく、意匠性を向上できる。
L字状立ち上がり片742の立ち上がり部分の下方側の先端側の側面には、先端側に突出する係止突起743(係止部)が形成される。係止突起743は、基端側に開放する先端側形材42の引っ掛け片423に係止される。これにより、取付枠体72を屋根体4の上面に固定する際に、引っ掛け片423に係止突起743を係止させることで、先端側形材42に対して上下方向の位置決めを行うことができると共に、ガタツキを防止することができる。
戻り引っ掛け片744は、L字状立ち上がり片742の先端から基端側に戻るフック状に形成される。戻り引っ掛け片744は、L字状立ち上がり片742の先端から先端側に上り傾斜で延び、上端において基端側に屈曲し、基端側に延びる。戻り引っ掛け片744には、隙間塞ぎ材71のL字状係合部713が係合する。
以上のように構成される取付枠体72は、第1取付枠73と複数の第2取付枠74とが隙間塞ぎ材71の基端側の部分を挟み込んだ状態で、隙間塞ぎ材71を固定する。
次に、本実施形態のテラス1の施工方法について、図13~図17、図9、図12を参照しながら説明する。図13は、梁3に複数の長尺形材41及び隙間塞ぎユニット7を取り付ける状態を示す斜視図である。図14は、屋根体4を構成する先端側形材42を、梁3に取り付ける状態を示す断面図である。図15は、隙間塞ぎユニット7を先端側形材42に取り付ける状態を示す断面図である。図16は、屋根体4を構成する中間形材43を、梁3に取り付ける状態を示す断面図である。図17は、屋根体4を構成する樋構成形材44を、梁3に取り付ける状態を示す断面図である。
ここでは、支柱2に梁3を接続した状態で、梁3の下部に屋根体4を取り付ける場合について主に説明する。具体的には、図13に示すように、梁3の延出板部32の下面に、複数の長尺形材41を、梁3の先端側から基端側に向けて順に設置する。
詳細には、まず、図14に示すように、作業者は、屋根体4の最も先端側において、梁3の延出板部32の下面に、先端側形材42を取り付ける。
図14に示すように、先端側形材42を梁3に取り付ける場合には、作業者は、先端側形材42の引っ掛け片423を梁3の先端側に設けられた舌状部材34の板状突出部341に引っ掛けることで、先端側形材42の先端側の端部(支柱2から遠位の端部)を、舌状部材34の板状突出部341に仮支持させて保持させる(仮支持させる工程、保持段階)。
これにより、作業者は先端側形材42から手を一旦離すことができるため、一人の作業者でも作業を行うことができ、先端側形材42を梁3に取り付ける際の作業性を向上できる。先端側形材42の先端側の端部(支柱2から遠位の端部)を舌状部材34の板状突出部341に仮支持させて保持させた状態で、作業者は、先端側形材42の基端側の端部(支柱2に近位の端部)を梁3側に移動させる(移動させる工程、移動段階)。そして、この状態で、先端側形材42の基端側の端部(支柱2に近位の端部)を、ネジ部材102、105により、梁3の延出板部32に固定する(固定する工程、固定段階)。
先端側形材42の基端側上部延出片427においては、上方側から移動されたネジ部材102により、梁3の延出板部32と先端側形材42の基端側上部延出片427とを貫通されたネジ部材102が、先端側形材42の基端側上部延出片427の下方に配置された裏板部材108に螺合されることで、先端側形材42は、梁3に固定される。
従来、屋根体の先端を建物壁面(躯体)に対向させて施工する場合には、梁の基端側から先端側に向けて複数の長尺材を順次固定する施工方法を用いると、梁の先端側において、既に施工した長尺材と躯体との間に作業者が入る隙間がなく、屋根体を施工することが困難であった。
これに対して、本発明では、屋根体4の施工時に、先端側形材42を仮支持できるため、複数の長尺形材41を梁3の先端側から基端側に向けて取り付けることができる。これにより、梁3の先端側に躯体10があっても躯体10が邪魔になりにくく、屋根体4を容易に施工できる。また、舌状部材34に引っ掛け片423を引っ掛けることで、先端側形材42を仮支持できるため、作業者は一人で容易にテラス1を組み立てることができる。
続けて、作業者は、先端側形材42と取り付けた後であって隣接する中間形材43を取り付ける前に、隙間塞ぎユニット7を屋根体4の先端側の先端側形材42の上面に取り付ける。中間形材43を取り付けた後に隙間塞ぎユニット7を取り付けようとすると、取り付けた中間形材43が隙間塞ぎユニット7を取り付ける作業の邪魔になって、隙間塞ぎユニット7を屋根体4に取り付けにくいためである。
なお、本実施形態においては、隙間塞ぎユニット7を、先端側形材42を取り付けた後であって隣接する中間形材43を取り付ける前に設置したが、これに限定されず、隙間塞ぎユニット7を取り付ける作業の邪魔にならない範囲の枚数の中間形材43を取り付けた後に、隙間塞ぎユニット7を設置してもよい。
隙間塞ぎユニット7を屋根体4に取り付ける場合に、図12に示すように、隙間塞ぎ材71と、取付枠体72(第1取付枠73と、複数の第2取付枠74)とを接続して予め組み立てて(接続する工程)、隙間塞ぎユニット7を予めユニット化させて組み立てておく。そして、図15に示すように、組み立てておいた隙間塞ぎユニット7を、係止突起743を先端側形材42の引っ掛け片423に係止させた状態で、屋根体4の上面に配置する。この状態で、複数のネジ部材741aにより、複数の第2取付枠74を屋根体4の上面に固定する(固定する工程)ことで、隙間塞ぎユニット7を屋根体4の上面に取り付けることができる。ここで、隙間塞ぎ材71及び取付枠体72(第1取付枠73と、複数の第2取付枠74)を組み立てる際に使用したネジ部材715及びネジ部材742aは、下側から取り付けられており、隙間塞ぎユニット7を屋根体4の上面に配置する場合に、下方側から視認されにくい。
続けて、作業者は、図16に示すように、先端側に取り付けた先端側形材42の基端側の隣りに中間形材43を取り付ける。
図16に示すように、先端側形材42の基端側の隣りに、中間形材43を梁3に取り付ける場合には、作業者は、梁3に取り付けられた先端側形材42の引っ掛け係合部428aに、中間形材43の引っ掛け延出片435の戻り引っ掛け片435bを引っ掛けることで、梁3の下方において、中間形材43を仮置きする。これにより、作業者は中間形材43から手を一旦離すことができるため、一人の作業者でも作業を行うことができ、中間形材43を梁3に取り付ける際の作業性を向上できる。
その後、先端側形材42の引っ掛け係合部428aに中間形材43の引っ掛け延出片435を引っ掛けた状態で、引っ掛け延出片435の戻り引っ掛け片435b(及び引っ掛け係合部428a)を中心に中間形材43を回転することで、中間形材43を取り付け位置に配置する(配置工程)。これにより、中間形材43を仮置きの状態から取り付け位置に容易に移動できるため、中間形材43を梁3に取り付ける際の作業性を向上できる。また、引っ掛け係合部428aに戻り引っ掛け片435bを引っ掛けて回転するだけで、長尺形材41を、梁3への取り付け位置に配置できる。これにより、屋根体4を施工する施工性を向上できる。
次に、作業者は、中間形材43を、梁3の延出板部32に、ネジ部材102で固定する。中間形材43の基端側上部延出片437においては、上方側から移動されたネジ部材102により、梁3の延出板部32と中間形材43の基端側上部延出片437とを貫通されたネジ部材102が、中間形材43の基端側上部延出片437の下方に配置された裏板部材108に螺合されることで、先端側形材42は、梁3に固定される。
ここで、中間形材43の基端側は、ネジ部材で固定しなくても、先端側形材42の引っ掛け係合部428aに中間形材43の引っ掛け延出片435が引っ掛けた状態で係合している。そのため、中間形材43の基端側のみを、ネジ部材102で固定すれば、中間形材43を梁3に固定できる。これにより、先端側形材42を梁3に取り付ける際の作業性を向上できる。
続けて、梁3に取り付けた中間形材43の基端側の隣りにおいて、複数の中間形材43を、屋根体4の先端側から、基端側に向けて順に連続して取り付ける。具体的には、複数の中間形材43を、それぞれ、屋根体4の基端側から順に、仮置きして、回転させ、ネジ部材101による固定することを繰り返す。これらの方法は、上述した先端側形材42の隣りに中間形材43を取り付ける場合と同様であるため、説明を省略する。
次に、複数の中間形材43を梁3に取り付けた後に、図17に示すように、屋根体4の基端側において、中間形材43の隣りに樋構成形材44を取り付ける。樋構成形材44を取り付ける場合には、中間形材43の引っ掛け係合部438aに樋構成形材44の引っ掛け延出片445を引っ掛けた状態で、引っ掛け延出片445の戻り引っ掛け片445b(及び引っ掛け係合部428a)を中心に樋構成形材44を回転することで、樋構成形材44を取り付け位置に配置する(配置工程)。
樋構成形材44を取り付け位置に配置した後に、図9に示すように、クリップ部材5を用いて、梁3の延出板部32に樋構成形材44を固定する。クリップ部材5を用いて、梁3に樋構成形材44を固定する場合には、クリップ部材5の角部に形成される開放空間Kに、梁3の延出板部32が挿入されるように、かつ、受け板52の支柱2側の部分を、樋構成形材44の基端側上部内方延出片451と梁3の延出板部32との重なった部分の下方に挿入するように、クリップ部材5を移動させる。
この状態においては、クリップ部材5は、受け板52と上側板51との間に、樋構成形材44の基端側上部内方延出片451と梁3の延出板部32とを挟み込んで保持する(保持する工程)。そして、ネジ部材54を上下方向に貫通させて、梁3の延出板部32、樋構成形材44の基端側上部内方延出片451及びクリップ部材5の受け板52を共締めすることで、樋構成形材44の基端側を梁3に固定する(固定する工程)。
ここで、樋構成形材44は、中空部を有さないソリッド材により形成され、上部側が開口しているため、施工時に、長尺形材41や長尺形材41のパッキン等の圧力により開いてしまい、ネジ孔の孔位置を合わせるのが難しかった。これに対して、クリップ部材5を使用して仮留めすることで、ネジ孔の孔位置を合わせやすいため、樋構成形材44を梁3に取り付ける際の作業性を向上できる。
また、クリップ部材5を使用することにより、作業者は樋構成形材44から手を離すことができるため、一人の作業者でも作業を行うことができ、樋構成形材44を梁3に取り付ける際の作業性を向上できる。また、ネジ部材54により、梁3の延出板部32、樋構成形材44の基端側上部内方延出片451及びクリップ部材5の受け板52を共締めして固定しているため、取り付け強度を向上できる。
以上説明した本実施形態のテラス1によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態のテラス1は、先端が躯体10に対向して配置される屋根体4と、屋根体4の先端と躯体10との隙間を塞ぐ隙間塞ぎ材71と、屋根体4の先端と隙間塞ぎ材71とを接続する取付枠体72と、を備え、取付枠体72は、屋根体4の上部に配置される。そのため、取付枠体72は、屋根体4の下方側から視認されにくい。これにより、隙間塞ぎ材71を備えるテラス1において、意匠性を向上させることができる。
また、本実施形態においては、隙間塞ぎ材71の基端側には、取付枠体72が接続され、取付枠体72は、屋根体4の上面に固定される。これにより、取付枠体72を屋根体4の上面に固定する簡易な構成で、取付枠体72が屋根体4の下方側から視認されにくいという効果を実現できる。
また、本実施形態においては、取付枠体72は、屋根体4の上面の先端側に設けられた引っ掛け片423に係止可能な係止突起743を有する。これにより、取付枠体72を屋根体4の上面に固定する際に、引っ掛け片423に係止突起743が係止することで、先端側形材42に対して上下方向の位置決めを行うことができると共に、ガタツキを防止することができる。
また、本実施形態においては、取付枠体72は、屋根体4の先端縁が延びる方向に沿って長尺状に形成される第1取付枠73と、屋根体4の先端縁が延びる方向に沿って第1取付枠73の長手方向に間隔をおいて複数並んで配置される複数の第2取付枠74と、を有し、取付枠体72材は、第1取付枠73と複数の第2取付枠74とが隙間塞ぎ材71の基端側の部分を挟み込んだ状態で、隙間塞ぎ材71を固定する。これにより、取付枠体72が第1取付枠73と第2取付枠74との2つの枠を含んで構成されることで、隙間塞ぎ材71の基端側の部分を挟み込むことができるため、隙間塞ぎ材71を強固に保持することができる。また、複数の第2取付枠74は、互いの間隔を調整して取り付けることが可能である。例えば、隙間塞ぎユニット7を設置する現場において、他の部材と干渉する場合に、複数の第2取付枠74を移動して設置することができるため、第2取付枠74の配置の自由度が向上して、現場での対応力を向上できる。
また、本実施形態においては、第1取付枠73と第2取付枠74とは、第1取付枠73及び第2取付枠74を上下方向に貫通すると共にネジ頭部742bが下部に配置されるネジ部材742aにより固定され、ネジ部材742aのネジ頭部742bは、第1取付枠73と第2取付枠74とで隙間塞ぎ材71を固定した状態において、屋根体4の上方側に配置される。そのため、ネジ部材742aのネジ頭部742bは、第1取付枠73と複数の第2取付枠74とで隙間塞ぎ材71を固定した状態において、屋根体4の上方側に配置される。これにより、ネジ部材742aは、外部に露出せずに、外部から視認されにくく、意匠性を向上できる。
また、本実施形態においては、支柱2と、支柱2に接続され支柱2側に基端側が配置されると共に基端側から先端側に延びる梁3と、を更に備え、第2取付枠74は、梁3を避けた位置に配置される。そのため、特に梁3が屋根体4の上部に配置さえる吊構造のテラス1の場合には、第2取付枠74を、梁3を避けた位置に固定することで、第2取付枠74により隙間塞ぎ材71を安全に保持できる。
また、本実施形態のテラス1の施工方法は、取付枠体72と隙間塞ぎ材71とを接続する工程と、接続された取付枠体72及び隙間塞ぎ材71を屋根体4の上面に固定する工程と、を含む。これにより、取付枠体72及び隙間塞ぎ材71を一体化させて、一体化させた取付枠体72及び隙間塞ぎ材71を屋根体4の上面に固定できるため、取り付け作業が容易である。
以上、本発明のテラス(屋根構造体)の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、複数の長尺形材41を、それぞれ、ネジ部材101により、梁3に直接固定して接続するように構成したが、これに限定されない。例えば、複数の長尺形材41を、支持部材などを介して、梁3に接続するように構成してもよい。
また、前記実施形態では、長尺形材41を、中空部を有するホロー構造としたが、これに、限定されず、中空部を有さないソリッド材や複数のソリッド材を組み合わせた構造の形材を用いてもよい。また、長尺形材41にけるホロー構造の中空部の数は限定されない。
また、前記実施形態においては、クリップ部材5を、複数の長尺形材41を屋根体4の先端側から基端側に向けて順次固定する場合に、最後に固定する樋構成形材44に対して用いたが、これに限定されない。ここで、複数の長尺形材を屋根体の基端側から先端側に向けて順次固定する技術が知られている(例えば、特開2018-123647号公報を参照)。クリップ部材5を、複数の長尺形材を屋根体の基端側から先端側に向けて順次固定する場合に、最初に固定する樋構成形材に対して用いてもよい。この場合には、樋構成形材における幅方向において、クリップ部材5により挟み込む側の端部とは反対側の端部において、引っ掛け構造を有することが好ましい(例えば、特開2018-123647号公報[図12]等を参照)。
また、前記実施形態においては、屋根構造体を、梁の下部に屋根体が吊られた吊構造で構成したが、隙間塞ぎ材71を設ける場合には、吊構造に限定されない。梁の上部に屋根体を配置する置き構造の屋根構造体に、隙間塞ぎ部材を設けてもよい。