JP7433220B2 - 月経随伴症状の処置のための組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、月経随伴症状の処置のための組成物に関する。
月経に伴う不快症状には、月経前と月経中の不快症状があり、これらは月経随伴症状と呼ばれている。月経随伴症状の中で、月経前の不快な症状は、月経前症候群(premenstrual syndrome; PMS)と呼ばれており、「月経前3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経の発来とともに減退ないし消失するもの」と定義される(社団法人日本産科婦人科学会 (1999) 産科婦人科用語解説集(第2版). vol. 34. 東京: 金原出版)。その頻度は全女性の50~80%、症状は200~300と多岐に渡るといわれている。PMSの発症メカニズムは明らかになっていないが、精神症状の発症要因として月経前における脳内でのセロトニン不足やセロトニンの受容体感受性の変化が示唆されており、セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の投与がPMSの一症状である不安症状に対して有用であるとの報告もある(非特許文献1)。
セロトニントランスポーターに関し、特許文献1には、ドーパミン、セロトニン、アドレナリン、ノルアドレナリン、グルタミン酸、アセチルコリンおよびガンマ-アミノ酪酸のような神経伝達物質に対する受容体感受性の改善に対し、 (1)DHAに代表される多価不飽和脂肪酸、(2)VB6またはVB12または葉酸に代表される総メチオニン代謝に有用な成分、(3)ウリジンまたはそれらのリン酸塩に代表されるヌクレオチドで構成される調製物の使用が開示されている。そして、当該調製物中にセロトニン前駆体であるトリプトファンを多く含むタンパク質を使用してもよく、その例としてα-ラクトアルブミンが挙げられている。
一方、α-ラクトアルブミンに関しては、いくつかの機能が知られている。例えば、特許文献2には、α-ラクトアルブミンを有効成分とする、COX-2を選択的に阻害することによる鎮痛剤が開示されている。また、ここでは、月経痛の痛みの程度と月経痛スコアに基づき選抜された女性を被験者とした実験に基づき、α-ラクトアルブミン300mgを一日3回(朝、昼、夕)摂取することによって、鎮痛剤の使用割合を大幅に減じるとともに、月経痛の緩和、QOLの改善効果が明らかになった旨が述べられている。また同様に、α-ラクトアルブミンのCOX-2選択的阻害作用について記載したものとして、非特許文献2および3がある。また非特許文献4は、α-ラクトアルブミンの摂取が月経前における認知機能の低下を抑制すること、そしてそのメカニズムとしてセロトニン神経系への活性化作用を介することを記載している。さらに非特許文献5は、トリプトファンを多く含むα-ラクトアルブミンと大型の中性アミノ酸を最適比率で混合した組成物を摂取することで、脳内へのトリプトファン輸送効率を高め、脳内でのセロトニン合成を促進することで、ストレスの指標となるコルチゾールを減少させ、リラックス効果を奏することを記載している。
さらに特許文献3は、脳内セロトニンレベルを上昇するためのタンパク質性製剤、食品組成物を提案する。そしてタンパク質の例として、α-ラクトアルブミンを挙げ、またそのような製剤・組成物が、過食症、不安、抑うつ状態、月経前症候群、過敏性および睡眠障害に対して有効である旨を述べている。特許文献4は、α-ラクトアルブミンを有効成分として含む、火照り抑制剤および更年期障害の改善剤、ならびに火照り抑制用の飲食品および医薬品を提案する。ここでは、卵巣摘出ラットに火照りのモデルとなる皮膚温の上昇を発生させるヨヒンビン投与の30分前にα-ラクトアルブミンを300mg/kg体重で投与したところ、ヨヒンビン投与による皮膚温の上昇が優位に抑制されたことを示している。また、このような火照り抑制作用が、α-ラクトアルブミンの有するCOX-2阻害とは別の作用機序に拠ることを示している。
特許第4290552号公報(特表2005-513010号) 特許第5083106号公報(WO2008/140041) 国際公開WO99/55174 国際公開WO2016/163400(特許第6038416号)
Marjoribanks J, Brown J, O'Brien PM et al. Selective serotonin reuptake inhibitors for premenstrual syndrome. Cochrane Database Syst Rev. 2013 Jun 7;(6):CD001396 山口真、内田勝幸、紀光助 (2008) 健常成人女性における牛乳由来α-ラクトアルブミンによる月経痛緩和とQOL改善効果:ランダム化二重盲検プラセポ対照クロスオーバー試験 薬理と治療 6, 623-627. Yamaguchi M, Yoshida K, Uchida M (2009) Novel functions of bovine milk-derived alpha-lactalbumin: anti-nociceptive and anti-inflammatory activity caused by inhibiting cyclooxygenase-2 and phospholipase A2. Biological & pharmaceutical bulletin 32, 366-371. Schmitt, J. A. et al. (2005) Memory function in women with premenstrual complaints and the effect of serotonergic stimulation by acute administration of an alpha-lactalbumin protein. J Psychopharmacol 19(4) 375-84 Markus CR et al. (2000) The bovine protein alpha-lactalbumin increases the plasma ratio of tryptophan to the other large neutral amino acids, and in vulnerable subjects raises brain serotonin activity, reduces cortisol concentration, and improves mood under stress. The American journal of clinical nutrition 71, 1536-1544.
本発明者らは、食経験が豊富な乳タンパク質の一種であるα-ラクトアルブミンが、セロトニントランスポーターと結合する作用、およびα-ラクトアルブミンの分解物がエストロゲン受容体と結合する作用を見出した。またこのような作用により、α-ラクトアルブミンが月経前や月経中の不快症状を軽減することを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下を提供する。
[1] α-ラクトアルブミンを含む、月経随伴症状の処置用組成物。
[2] 月経随伴症状が、身体的不快症状および精神的不快症状のいずれかである、1に記載の組成物。
[3] 身体的不快症状が、月経前および月経中の自律神経に関する症状、水分貯留に関する症状、およびコントロールに関する症状のいずれかである、2に記載の組成物。
[4] 精神的不快症状が、月経前および月経中の行動変化に関する症状、否定的感情に関する症状、および気分高揚に関する症状のいずれかである、2に記載の組成物。
[5] α-ラクトアルブミンおよび乳酸菌を含む、1~4のいずれか1項に記載の組成物。
[6] 月経随伴症状が、月経前症候群(Premenstrual syndrome; PMS)である、1~5のいずれか1項に記載の組成物。
[7] α-ラクトアルブミンを含む、セロトニントランスポーター結合用組成物。
[8] α-ラクトアルブミンを含む、エストロゲン結合用組成物。
[9] α-ラクトアルブミンを含む、セロトニントランスポーター結合用、かつエストロゲン結合用組成物。
[10] 食品組成物である、1~9のいずれか1項に記載の組成物。
[11] 医薬組成物である、1~9のいずれか1項に記載の組成物。
[12] 顆粒状形態または粉末形態である、10または11に記載の組成物。
[13] 発酵乳の形態である、10または11に記載の組成物。
[14] 月経随伴症状を処置するための非医療的方法であって、
有効量のα-ラクトアルブミンを含む組成物を対象に摂取させ、
摂取させたα-ラクトアルブミンを対象におけるセロトニントランスポーターに結合させる
工程を含む、方法。
[15] α-ラクトアルブミンから生じた分解物を対象におけるエストロゲンに結合させる工程をさらに含む、14に記載の方法。
[16] セロトニンの再取り込みの阻害方法であって、
α-ラクトアルブミンをセロトニントランスポーターに結合させることによる、方法(ヒトに対する医療行為を除く)。
[17] α-ラクトアルブミンおよびLactobacillus gasseriを含む、医薬または食品組成物。
本発明はまた、以下を提供する。
[1]α-ラクトアルブミンを含む、月経随伴症状の処置用組成物。
[2]月経前の下腹部痛、易怒性、月経中の疲れやすさを緩和するためのものである、1に記載の組成物。
[3]月経随伴症状が、月経前症候群(Premenstrual syndrome; PMS)である、1に記載の組成物。
[4]月経前の感情の変化を安定させるためのものである、3に記載の組成物。
[5]月経前の、集中力の低下、眠気、憂鬱になる感情、および気分の変調を緩和するためのものである、3に記載の組成物。
[6]α-ラクトアルブミンおよび乳酸菌を含む、1~5のいずれか1項に記載の組成物。
[7]食品組成物である、1~6のいずれか1項に記載の組成物。
[8]発酵乳の形態である、7に記載の組成物。
[9]月経随伴症状を処置するための非医療的方法であって、
有効量のα-ラクトアルブミンを含む組成物を対象に摂取させ、
摂取させたα-ラクトアルブミンを対象におけるセロトニントランスポーターに結合させる
工程を含む、方法。
[10]α-ラクトアルブミンから生じた分解物を対象におけるエストロゲンに結合させる工程をさらに含む、9に記載の方法。
[11]セロトニンの再取り込みの阻害方法であって、
α-ラクトアルブミンをセロトニントランスポーターに結合させることによる、方法(ヒトに対する医療行為を除く)。
[12] α-ラクトアルブミンおよびLactobacillus gasseriを含む、医薬または食品組成物。
また、本発明は以下も提供する。
[13]α-ラクトアルブミン、またはこれを含む組成物を対象に(経口)投与する(摂取させる)工程を含む、月経随伴症状の処置方法。
[14]月経随伴症状の処置用の組成物の製造における、α-ラクトアルブミンの使用。
[15]月経随伴症状を処置する方法において使用するための、α-ラクトアルブミンを含む組成物の使用。
[16]α-ラクトアルブミンと医薬として許容可能な添加物を配合する工程を含む、月経随伴症状の処置用の組成物の製造方法。
[17]α-ラクトアルブミン、またはそれを含む組成物を対象に(経口)投与する(摂取させる)工程を含む、対象において月経随伴症状が現れるのを抑制、予防、または低減する非治療的方法。
[18]対象におけるセロトニンの再取り込みの阻害方法において使用するための、α-ラクトアルブミン、またはそれを含む組成物。
[19]方法が、α-ラクトアルブミンから生じた分解物を対象におけるエストロゲンに結合させる工程をさらに含む、[17]に記載のα-ラクトアルブミンまたは組成物。
[20]α-ラクトアルブミン、またはそれを含む組成物を用いる、セロトニンの再取り込みのin vitro阻害方法。
[21]α-ラクトアルブミンの分解物、またはそれを含む組成物を用いる、エストロゲン結合のin vitro方法。
本発明によれば、月経随伴症状を効果的に処置できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、α-ラクトアルブミンを有効成分とする月経随伴症状の処置剤に関する。
[成分]
(α-ラクトアルブミン)
本発明の月経随伴症状の処置用組成物は、α-ラクトアルブミンを有効成分とする。α-ラクトアルブミンは、カゼイン、β-ラクトグロブリン、ラクトフェリン等と共に、牛乳などの獣乳(哺乳動物乳)におけるタンパク質の主要な構成成分である。α-ラクトアルブミンは、約14kDaの酸性タンパク質であり、乳製品やホエイ(乳清)に高濃度で含まれている。
本発明で用いるα-ラクトアルブミンは、哺乳動物(ヒト、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ等)由来の任意のα-ラクトアルブミンであってよいが、ウシの乳(牛乳)由来のα-ラクトアルブミン(ウシα-ラクトアルブミン)が好ましい。ウシα-ラクトアルブミンの前駆体のアミノ酸配列はNCBIデータベースにより、アクセッション番号J05147およびAAA30367にて公開されており、その全長のアミノ酸配列(142アミノ酸長)のうち、1位から19位までがシグナルペプチドであり、20位から142位までが成熟タンパク質のアミノ酸配列である。なお、ウシα-ラクトアルブミンの変異体として、そのアミノ酸配列の29位のアルギニン(R)がグルタミン(Q)に置き換わったものの存在も知られている(「ミルク総合辞典」p.35、朝倉書店)。乳中に分泌されるα-ラクトアルブミンは、その前駆体からシグナルペプチドの部分が切断された成熟型である。本発明において、α-ラクトアルブミンは、通常は、シグナルペプチドを含まない成熟型のα-ラクトアルブミンを意味する。
α-ラクトアルブミンは、哺乳動物の乳、特に獣乳やその加工物から硫酸アンモニウム沈殿法、限外ろ過法、イオン交換法等の公知技術によって調製することができる。牛乳中のα-ラクトアルブミンの含有量は、産地、飼料等によって多少の差異が認められるが、国内産の牛乳中のα-ラクトアルブミンの含有量は、通常でおよそ1.2 g/kgであり、牛乳を原料として用いれば、多量のα-ラクトアルブミンを容易に調製することができる。α-ラクトアルブミンは、アミノ酸配列と塩基配列を基に、化学的方法によって合成することもできるし、当業者に周知の遺伝子工学的方法によって作製することもできる。また、α-ラクトアルブミンは、市販のα-ラクトアルブミンを含む原材料(例えば、Sigma-Aldrich社製、ダビスコ・フーズ・インターナショナル社製(例えば、商品名BioZzz Alpha-lactalbumin)等)を使用することもできる。
有効成分であるα-ラクトアルブミンは、対象の体内において、そのままで、およびトリプシン等の酵素により分解された酵素分解物として、作用している可能性がある。
(乳酸菌)
本発明の組成物には、有効成分であるα-ラクトアルブミンとともに、乳酸菌を含有させてもよい。あるいは、本発明の組成物は、乳酸菌と併用することができる。
乳酸菌は、食品として許容されるものであれば特に制限されない。例として、ブルガリア菌、サーモフィラス菌、ラクチス菌、クレモリス菌、カゼイ菌、ビフィズス菌、ガセリ菌を挙げることができ、これらのうち、特に好ましい例は、ガセリ菌(Lactobacillus gasseri)である。
ガセリ菌の具体例として、Lactobacillus gasseri OLL2809菌株(特許第5457349号)を挙げることができる。この菌株は、ヒト成人の糞便より分離したLactobacillus属乳酸菌273菌株から、(1)胃酸・胆汁酸耐性試験、(2)マウス由来の脾臓細胞に対するIL-12産生促進効果、およびTh1/Th2バランス改善効果評価試験、(3)BALB/cマウスに卵白アルブミンを腹腔内投与することで誘導される抗原特異的IgE産生抑制効果評価試験、(4)C57BL/6Nマウスに食物抗原(カゼイン)を経口的に投与することで誘導される抗原特異的IgE産生抑制効果評価試験、(5)ナチュラルキラー細胞の活性化能評価試験、(6)卵白アルブミンで免疫したマウス由来の脾臓細胞および腸間膜リンパ節細胞に対するIL-12産生促進効果評価試験およびTh1/Th2バランス改善効果評価試験、(7)スギ花粉で誘発される好酸球増多抑制能評価試験を用いて検討し、いずれの項目においても高い活性を示すことを特徴とするアレルギー予防および/または治療効果を有する乳酸菌として選抜されたものである。この菌株は、受託番号:NITE BP-72として、2006年1月18日付で独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託されている。またLactobacillus gasseri OLL2809菌株は、子宮内膜症の予防または治療のための有効成分としても知られている(国際公開WO2012/073924)。
[用途]
α-ラクトアルブミンを含む本発明の組成物は、月経随伴症状の処置のために用いることができる。処置は、対象となる疾患または状態が発症・現れること(発現)を、抑制、阻害、または低減すること、その発症・発現リスクを低減すること;対象となる疾患または状態の発症・発現を治療すること;対象となる疾患または状態の進行を抑制、阻害、または遅延することを含む。処置には、医師および医師の指示を受けた看護師、助産師などが行う医療行為と、医師以外の者、例えば薬剤師、栄養士(管理栄養士、スポーツ栄養士を含む)、保健師、助産師、看護師、臨床検査技師、スポーツ指導員、医薬品製造者、医薬品販売者、食品製造者、食品販売者等が行う、非治療的行為が含まれる。さらに処置には、特定の食品の摂取の推奨、栄養指導(傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導、および健康の保持増進のための栄養の指導を含む)が含まれる。
月経随伴症状とは、月経に伴う不快症状の総称であり、月経前と月経中の不快症状がある。月経随伴症状には、月経前症候群(Premenstrual syndrome; PMS)が含まれる。PMSは「月経前3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経の発来とともに減退ないし消失するもの」と定義される(社団法人日本産科婦人科学会 (1999) 産科婦人科用語解説集(第2版). vol. 34. 東京: 金原出版)。
ある成分が月経随伴症状の処置に有用であるかの評価は、Moos が開発したMenstrual distress questionnaire(MDQ) (Moos, R. H, Journal of Psychosomatic Medicine, 30:853-867, 1968)に拠ることができる。
より詳細には、月経随伴症状を自覚する被験者を対象とし、試験成分を1日1~数回、1~3回分の月経期を経る期間にわたり、摂取させ、摂取前から摂取後1回目、2回目等の月経時において、月経前(例えば、月経開始7日前から月経開始前日まで、または月経開始4日前から月経開始前日まで)と月経中(例えば、月経開始日から月経終了日まで、または月経開始日から月経第4日目まで)の不定愁訴に関する評価を上述のMDQを用いて行う。その結果、摂取させた群において、少なくとも一つの症状の改善が見られた場合に、その成分が有効であると評価することができる。評価は、プラセボ摂取群との比較により行ってもよく、また摂取前との比較により行ってもよい。
なお、月経随伴症状のための評価因子は、痛み因子(首や肩がこる、筋肉が痛くなる、頭が痛い、下腹部が痛い、腰が痛い、疲れやすい、体が痛い)、自律神経因子(めまいがする、ボーっとなる、冷や汗が出る、吐き気がする、顔がほてる)、水分貯留因子(体重が増加する、肌が荒れる、吹き出物が出る、乳房が張る、腹部、乳房、足のいずれかに浮腫がある)、およびコントロール因子(息苦しい、胸が締め付けられている感じがする、耳鳴りがする、手足がしびれる、ぼやけて見えたり、目がかすむ)を含む、身体的症状に関するものと、集中力因子(眠れない、物忘れしやすい、考えがまとまらない、判断力が鈍る、集中力が低下する、気が散る、失敗が多くなる、動作がぎこちなくなる)、行動変化因子(業務への根気がなくなる、居眠りをしてしまう、布団から起きだせなくなる、人との付き合いを避けたくなる、出不精になる、業務の能率が低下する)、否定的感情因子(ちょっとしたことで泣きたくなる、寂しくなる、不安になる、落ち着かない、イライラしたり、怒りっぽくなる、気分が変わりやすく、動揺しがちになる、憂うつになる、緊張しやすくなる)、および気分高揚因子(優しい気持ちになる、素直になる、興奮する、満たされた気持ちになる、活動的になる)を含む、精神的症状に関するものとに分類することができる。
本発明の組成物は、月経随伴症状のうち、身体的症状を緩和でき、より特定すると自律神経に関する症状、水分貯留に関する症状、およびコントロールに関する症状のうち、一または複数の症状緩和することができる、また精神的症状を緩和でき、より特定すると、行動変化に関する症状、否定的感情に関する症状、および気分高揚に関する症状のうち、一または複数の症状を緩和することができる。また本発明の組成物は、月経随伴症状である、痛み(下腹部が痛い、疲れやすい、肩がこる、頭が痛い、腰が痛い・重い)、集中力(集中力が低下する、眠れない、失敗が多くなる)、行動変化(家に閉じこもりがちになる、眠気がひどい、業務への根気がなくなる)、水分貯留(肌が荒れる、吹き出物が出る、むくみがある、体重が増加する、乳房が張る)、感情(寂しくなる・不安になる、憂鬱になる、気分が変わりやすくなる、落ち着かない、イライラしたり怒りっぽくなる)のうち、一または複数の症状に効果がある。特に、本発明者らの検討によると、本発明の組成物は、月経前の、下腹部痛、イライラしたり怒りっぽくなる、集中力が低下する、眠気がひどい、憂鬱になる、および気分が変わりやすくなるという症状からなる群より選択されるいずれかに対する高い効果が期待できる。また月経中の、疲れやすい、憂鬱になる、および気分が変わりやすくなるという症状からなる群より選択されるいずれかに対する高い効果が期待できる。
好ましい態様においては、本発明の組成物はPMSの処置のためのものである。別の好ましい態様においては、本発明の組成物は、月経前の下腹部痛、易怒性を緩和するためのものである。別の好ましい態様においては、本発明の組成物は月経前の感情の変化を安定させるためのものである。別の好ましい態様においては、本発明の組成物は、月経前の、集中力の低下、眠気、憂鬱になる感情、および気分の変調を緩和するためのものである。
別の好ましい態様においては、本発明の組成物は、月経中の疲れやすさを緩和するためのものである。
本発明の組成物は、月経随伴症状の処置のために特に有用であるが、月経随伴症状の中のPMSに関しては、多岐にわたる要因が相互に密接に関与し複雑であると考えられている。近年ではセロトニンの関与が注目されており、セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の投与がPMSの不安症状に対して有用であったこと(前掲非特許文献1)等が報告されている。
本発明者らの検討によると、α-ラクトアルブミンは、セロトニントランスポーターに結合することができる。したがって、セロトニンの再取り込みを阻害しうる。従来、α-ラクトアルブミンはトリプトファンを多く含むことから、α-ラクトアルブミンを体内に取り込むことで、体内でα-ラクトアルブミンが分解し、トリプトファンが遊離し、これが脳内へ送られ、脳内でトリプトファンからセロトニンへ変換されることで、脳内へのセロトニン神経系の活性化作用が発揮されることを期待して、薬剤等に配合することが提案されてきた(前掲特許文献1~3、および前掲非特許文献2~5)。しかしながら、本発明のように、α-ラクトアルブミンが未分解のままで直接的にセロトニントランスポーターに結合することは一切知られていなかった。
また本発明者らの検討によると、α-ラクトアルブミンは、それ自身にはエストロゲン受容体への結合能はないが、トリプシンによる分解物がエストロゲン受容体に結合することができる。PMSに代表される月経随伴症状の原因は明らかではないが、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられている。排卵のリズムがある女性の場合、排卵から月経までの期間(黄体期)にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌される。この黄体期の後半に卵胞ホルモンと黄体ホルモンが急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことが一因と考えられている。α-ラクトアルブミンの分解物がエストロゲン受容体に結合し、エストロゲン様作用を示すことで、エストロゲンの急激な低下を防ぎ、月経随伴症状が緩和することが期待できる。
α-ラクトアルブミンがセロトニントランスポーターに結合する性質、またα-ラクトアルブミンの分解物がエストロゲン受容体に結合する性質を有することから、対象の体内においては、α-ラクトアルブミンはセロトニントランスポーターへ直接的に作用し、精神安定作用を発揮するとともに、α-ラクトアルブミンの分解物がエストロゲン受容体へ作用し、月経前や月経中の不快症状を緩和しているものと推測される。さらに、前述のSSRIはエストロゲンと併用することで不安症状の改善効果が高いとの報告がある(非特許文献6:McAllister CE, Creech RD, Kimball PA, Muma NA, Li Q. GPR30 is necessary for estradiol-induced desensitization of 5-HT1A receptor signaling in the paraventricular nucleus of the rat hypothalamus. Psychoneuroendocrinology. 2012;37(8):1248-60.)。このことから、α-ラクトアルブミンがセロトニントランスポーターへ結合するとともに、その分解物がセロトニントランスポーターへ結合することは、月経前や月経中の不快症状を一挙に緩和するものと推測できる。
本発明の組成物は、月経周期に伴って症状の増悪することが知られている疾患、例えば、月経困難症(機能的,器質的)、うつ病と片頭痛、不安障害(anxiety disorder):パニック障害(panic disorder)を含む、周期性乳房痛(cyclic mastalgia)、けいれん性疾患、気管支喘息、慢性疲労性症候群、アレルギー、甲状腺機能異常、副腎機能異常、閉経への移行時期等の処置のためにも有用であることが期待できる。
[組成物]
本発明の組成物は、有効成分としてα-ラクトアルブミンを含む。本発明の組成物は、α-ラクトアルブミンの精製物(混合物である場合がある)、または市販のα-ラクトアルブミン含有素材(α-ラクトアルブミンのほか、例えばデキストリン等の添加剤を含む)を原材料として用いることにより、α-ラクトアルブミンを含んでいてもよく、またそのような精製物、または原材料とともに、後述するように、他の成分や添加剤をさらに含んでいてもよい。
(対象)
本発明の組成物を摂取させる・投与する対象(被験体)としては、ヒトである。
(投与経路)
本発明の組成物は、それを非経口的に、例えば経腸的に投与してもよいし、経口的に投与してもよいが、経口的に投与することが好ましい。
(有効成分の含有量・用量)
本発明の組成物における、α-ラクトアルブミンの含有量は、目的の効果が発揮される量であればよい。組成物は、その被験体の年齢、体重、症状等の種々の要因を考慮して、その投与量または摂取量を適宜設定することができるが、一日あたりのα-ラクトアルブミンの量は、例えば90 mg以上とすることができ、100 mg以上とすることが好ましく、110 mg以上とすることがより好ましい。一回量または一日量当たりの含有量の上限値は、下限値がいずれの場合であっても、20 g未満とすることができ、19 g未満とすることが好ましく、18 g未満とすることがより好ましい。
1投与または1食あたりのα-ラクトアルブミンの量は、例えば30 mg以上とすることができ、33 mg以上とすることが好ましく、36 mg以上とすることがより好ましい。一回量または一日量当たりの含有量の上限値は、下限値がいずれの場合であっても、20 g未満とすることができ、19 g未満とすることが好ましく、18 g未満とすることがより好ましい。
α-ラクトアルブミンと乳酸菌を併用する場合、併用される乳酸菌の量は、被験体の年齢、体重、症状等の種々の要因を考慮して、適宜設定することができるが、一日あたりの量(乾燥菌体量)としては、例えば9 mg以上とすることができ、15 mg以上とすることが好ましく、30 mg以上とすることがより好ましい。一回量または一日量当たりの含有量の上限値は、下限値がいずれの場合であっても、3000 mg以下とすることができ、1500 mg以下とすることが好ましく、600 mg以下とすることがより好ましい。
1投与または1食あたりの乳酸菌の量は、例えば3 mg以上とすることができ、5 mg以上とすることが好ましく、10 mg以上とすることがより好ましい。一回量または一日量当たりの含有量の上限値は、下限値がいずれの場合であっても、1000 mg以下とすることができ、500 mg以下とすることが好ましく、200 mg以下とすることがより好ましい。
本発明の組成物は、一日1回の投与・摂取としてもよいし、一日複数回、例えば食事毎の3回の投与・摂取としてもよい。組成物は、食経験豊富なα-ラクトアルブミンを有効成分としている。そのため、本発明の組成物は、繰り返し、または長期間にわたって摂取してもよく、例えば1週間以上、好ましくは4週間以上、続けて投与・摂取することができる。本発明の組成物は、また月経1~3周期分の期間、毎日投与・摂取することができる。月経1期分の期間、毎日投与・摂取することにより、月経随伴症状のうち、特に水分貯留、自律神経、コントロールに関する症状、集中力、行動変化、否定的感情、気分高揚に関する症状の緩和が期待できる。また月経2周期分の期間、毎日摂取・投与することにより、月経中のみならず月経前における、身体的不快症状および精神的不快症状のうち、一方または双方の緩和が期待できる。
(食品組成物等)
本発明の月経随伴症状の処置用組成物は、食品組成物または医薬組成物とすることができる。食品は、特に記載した場合を除き、一般食品、機能性食品、栄養組成物を含み、また治療食(治療の目的を果たすもの。医師が食事箋を出し、それに従い栄養士等が作成した献立に基づいて調理されたもの)、食事療法食、成分調整食、介護食、治療支援用食品、病者用食品を含む。機能性食品とは、生体に所定の機能性を付与できる食品をいい、例えば、特定保健用食品(条件付きトクホ[特定保健用食品]を含む)、機能性表示食品、栄養機能食品を含む保健機能食品、特別用途食品、栄養補助食品、健康補助食品、サプリメント(例えば、錠剤、被覆錠、糖衣錠、カプセル、顆粒、液剤等の各種の剤形のもの)、美容食品(例えば、ダイエット食品)等の、健康食品の全般を包含している。また、本発明において「機能性食品」とは、コーデックス(FAO/WHO合同食品規格委員会)の食品規格に基づく健康強調表示(Health claim)が適用される健康食品を包含している。
本発明の食品組成物は、例えば、飲料、ドリンク剤、スープ、ヨーグルトなどの乳製品、ゼリー状製品、アイスクリーム類、氷菓、クッキー、ガム状などの製品、粉末状製品、顆粒状製品、シート状製品、カプセル状製品、タブレット状製品、菓子の固形状の加工食品などとすることができる。
本発明の食品組成物とは、医薬組成物以外のものであって、溶液、懸濁液、乳濁液、粉末、固体成形物など、経口摂取可能な形態であればよく、特に限定されない。具体的には、例えば、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料、発酵乳、アイスクリーム類、クリーム類、チーズ類、調製粉乳などの乳製品;清涼飲料、果汁飲料、野菜飲料、豆乳飲料、コーヒー飲料、茶飲料、ゼリー飲料、ココア、スムージーなどの粉末飲料やスポーツ粉末飲料、栄養強化の粉末飲料、粉末食品、粉末スープ、蒸しパンのもと、濃縮飲料、アルコール飲料などの飲料類;パン、パスタ、麺、ケーキミックス、唐揚げ粉、パン粉などの小麦粉製品;チョコレート、ガム、飴、クッキー、グミ、スナック、和菓子、ゼリー、プリンなどのデザート菓子などの菓子類;加工調味料、風味調味料、調理ミックスなどの調味料;カレー、バスタソース、ポトフ、シチュー、和風食品のレトルト食品;加工油脂、バター、マーガリン、スプレッド、マヨネーズなどの油脂類;フリーズドライ食品などの即席食品類;農産缶詰、ジャム・マーマレード類、煮豆、シリアル、雑炊などの農産加工品;水産加工品;畜産加工品;ピッツア、ドリア、グラタン、惣菜、フライなど冷凍食品;流動食、とろみ調整食品、スープなどが挙げられる。
(他の成分、添加剤)
本発明の組成物は、食品または医薬品として許容可能な他の有効成分や栄養成分を含んでいてもよい。そのような成分の例は、アミノ酸類(例えば、リジン、アルギニン、グリシン、アラニン、グルタミン酸、ロイシン、イソロイシン、バリン)、ペプチド類、タンパク質、糖質、脂質、電解質(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム)、ビタミン類、ミネラル類、有機酸類、ハーブ、ハーブ抽出物、抗生物質、本発明の有効成分以外の月経随伴症状緩和成分(例えば、ロキソプロフェン、イブプロフェン、アセトアミノフェン、イソプロピルアンチピリン、アスピリン、エテンザミド等の鎮痛成分、トラセミド、フロセミド、アゾセミド、スピロノラクトン等の利尿成分、精神安定成分および食品または医薬として許容されるその塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩や、カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩等)である。
本発明において、ペプチド類およびタンパク質の原料(素材)には、例えば、全脂粉乳、脱脂粉乳、部分脱脂粉乳、全脂濃縮乳、脱脂濃縮乳、部分脱脂濃縮乳、カゼイン(α-カゼイン、β-カゼイン、κ-カゼイン)、ホエイ、脱塩ホエイ、ホエイ粉、脱塩ホエイ粉、ホエイタンパク質、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)、ホエイタンパク質分離物(WPI)、β-ラクトグロブリン、ラクトフェリン、鶏卵タンパク質、肉タンパク質等の動物性タンパク質、大豆タンパク質等の植物性タンパク質、これらの分解物、カゼインホスホペプチド、アルギニン、リジン等のペプチドやアミノ酸等を挙げることができる。本発明において、糖質の原料には、例えば、グルコース、ショ糖、果糖、麦芽糖、トレハロース、エリスリトール、マルチトール、パラチノース、キシリトール、加工澱粉(デキストリンのほか、可溶性澱粉、ブリティッシュスターチ、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル等)、食物繊維等を挙げることができる。本発明において、脂質の原料には、例えば、バター、クリーム、リン脂質、ラード、魚油等、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の動物性油脂;パーム油、サフラワー油、コーン油、ナタネ油、ヤシ油、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の植物性油脂等を挙げることができる。そして、これらの物質や成分を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの物質や成分は合成物であってもよいし、天然物であってもよい。
本発明において、ビタミン類の原料には、例えば、非タンパク態窒素、シアル酸、ビタミンA、カロチン類、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD群、ビタミンE、ビタミンK群、ビタミンP、ビタミンQ、ナイアシン、ニコチン酸類、パントテン酸、ビオチン、イノシトール、コリン、葉酸等を挙げることができる。本発明において、ミネラル類の原料には、例えば、乳清ミネラル、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、セレン等を挙げることができる。本発明において、有機酸類の原料には、例えば、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、エリソルビン酸等および食品または医薬として許容されるその塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩や、カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩等)を挙げることができる。そして、これらの物質や成分を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの物質や成分は合成物であってもよいし、天然物であってもよい。
また組成物は、食品または医薬として許容される添加物をさらに含んでいてもよい。そのような添加物の例は、不活性担体(固体や液体担体)、賦形剤、界面活性剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、溶解補助剤、懸濁化剤、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、保存剤、緩衝剤、pH調整剤、乳化剤、安定剤、甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、天然物である。より具体的には、水、他の水性溶媒、製薬上で許容される有機溶媒、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、水溶性デキストリン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、スクラロース、ステビア、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、クエン酸、乳酸、りんご酸、酒石酸、リン酸、酢酸、果汁、野菜汁等である。
(剤型・形態)
本発明の医薬組成物は、経口投与に適した、錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤、カプセル剤等の固形製剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤等の液体製剤、ジェル剤、エアロゾル剤等の任意の剤形にすることができる。
本発明の食品組成物は、固体、液体、混合物、懸濁液、濃厚液、粉末、顆粒、ペースト、ゾル、ゲル、カプセル等の任意の形態に調製されたものであってよい。また飲料や食品に添加あるいは混合して摂取するための、顆粒、粉末、ペースト、ゾル、ゲル、濃厚液等の形態とすることができる。
(その他)
組成物は、その投与(摂取)時の衛生面や、その輸送時・保管時の取り扱いやすさの観点から、単位量で包装されている、単位包装形態とすることができる。本発明は、単位包装形態の複数を含む、月経随伴症状の処置のための製品も提供する。本発明において「単位包装形態」は、1投与または1食あたりの単位量毎や14日分、30日分などの単位量に包装された形態であってもよい。
1投与または1食あたりの単位量は、組成物として、例えば30 mg~500 g(または0.1mL~500 mL)、好ましくは33 mg~300 g(または1 mL~300 mL)、より好ましくは36 mg~200 g(または5 mL~200 mL)である。また、1食あたりの単位量は、日用量であってもよいし、その日用量を分割し、日用量の1/2~1/10の量であってもよい。
組成物中のα-ラクトアルブミンの含有量はα-ラクトアルブミンの摂取が可能である限り特に限定されるものではないが、α-ラクトアルブミンの効率的な投与(摂取)の観点から、例えば、0.1~99質量%とすることができ、0.5~95%とすることが好ましく、1~90%とすることがより好ましく、15~85%とすることが更に好ましい。
液状の組成物とする場合は、α-ラクトアルブミンの濃度を、0.03~10質量%とすることができ、0.04~9質量%とすることが好ましく、0.05~8質量%とすることがより好ましい。あるいは、0.05~7重量%とすることが好ましく、0.5~3重量%とすることがより好ましい。
本発明の組成物の製造において、α-ラクトアルブミンまたはα-ラクトアルブミンを含む原材料の配合の段階は、適宜選択することができる。α-ラクトアルブミンの特性を著しく損なわない限り配合の段階は特に制限されない。例えば、製造の初期の段階に、原材料に混合して配合することができる。
本発明の組成物には、上述したような症状の処置のために用いることができる旨を表示することができ、また上述の対象に対して摂取を薦める旨を表示することができる。表示は、直接的にまたは間接的にすることができ、直接的な表示の例は、製品自体、パッケージ、容器、ラベル、タグ等の有体物への記載であり、間接的な表示の例は、ウェブサイト、店頭、展示会、書籍、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、郵送物、電子メール、音声等の、場所または手段による、広告・宣伝活動を含む。
本発明の組成物は、他の医薬品または飲食品に配合(添加)することができるし、医薬品または飲食品と組み合わせて用いることもできる。したがって、例えば、本発明は、本発明に係る月経随伴症状の処置用の組成物と組み合わせた医薬品または飲食品のセットも提供する。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲は、これら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]α-ラクトアルブミン(α-LA)およびそのトリプシン分解物の各種受容体結合能
α-LAおよびそのトリプシン分解物のセロトニントランスポーターおよびエストロゲンに対する親和性を明らかにするために、受容体に特異的なリガンドの結合に対する阻害率を算出した。
[方法]
被験物質は10mg/mLの濃度になるように10%DMSO溶液で溶解して使用し、陽性対照は最終濃度が1×10-5 mol/Lとなるように溶解して使用した。測定系は以下の条件に従い測定した。
<セロトニントランスポーター>
緩衝液 :120 mmol/L NaClおよび5 mmol/L KClを含む50 mmol/L Tris-HCl (pH7.4)
置換物質:Imipramine hydrochloride, Sigma, Cat No. I-7379
陽性物質:Imipramine hydrochloride, Sigma, Cat No. I-7379
トレーサー:Imipramine hydrochloride [benzene ring-3H(N)]-, PKI, Cat No. NET576
レセプター:Human recombinant, PKI, Cat No. RBHSTM
反応条件 :25℃, 30min
<エストロゲン受容体>
緩衝液 :TEDG buffer
置換物質:β-Estradiol, Sigma, Cat No. E-8875
陽性物質:β-Estradiol, Sigma, Cat No. E-8875
トレーサー:Estradiol, [2,4,6,7,16,17-3H(N)]-, PKI, Cat. No. NET517
レセプター:ラット子宮
反応条件 :4℃, 18hr
結合性の検討は、各種受容体へのトレーサーの結合に対する被験物質の阻害率を算出した。阻害率は100-結合率より算出した。結合率は、次の式で計算した。[(B-N)/(B0-N)]×100(%) B:被験物質あるいは陽性物質存在下での測定値、B0:被験物質あるいは陽性物質非存在下での測定値、N:非特異的結合測定値
Figure 0007433220000001
表1より、α-LAはセロトニントランスポーターに対して67.81%と高い結合能を示した。またα-LA自身にはエストロゲン受容体への結合能はないが、そのトリプシン分解物は72.06%と高い結合能を示した。
[実施例2]月経随伴症状に対するα-ラクトアルブミンの効果検討
α-LAの摂取が月経随伴症状に対して有用であるかを検討した。
(方法)
20歳以上50歳未満で、月経を有し、月経に関連して出現する心身の不快症状(月経随伴症状)を自覚する、社内ボランティアの健康な成人女性を対象とし、α-ラクトアルブミンを含有する食品(5カプセルで900mgとなるように配合したカプセル)を、月経3回分を経る期間に摂取させた時の月経随伴症状に対する効果を、プラセボ(α-ラクトアルブミンを含まず、代替でデキストリンを配合したカプセル)を対照とした二重盲検並行群間試験にて検討した。α-ラクトアルブミン含有食品またはプラセボ食品(これらを合わせて試験食品と称する)は、カプセルを1日5粒、水または白湯で噛まずに毎日摂取させた。月経随伴症状はMDQ(Menstrual Distress Questionnaires)を用い、日々の心身の変化を8項目の因子に対して毎日回答させた。各因子の中にはそれぞれの個別症状が含まれており(表2参照)、各因子に関する症状の程度は、「まったくない」を0点、「少しある」を1点、「かなりある」を2点、「とても強くある」を3点とした4段階で回答させた。
試験スケジュールは、摂取前として何も摂取しない状態で月経周期1周期分(25~38日間)、MDQに毎日回答させた。その後、評価期間として試験食品を月経2周期分の期間、毎日摂取させるとともに、MDQに毎日回答させた。試験食品を摂取している間に到来した月経を確認し、月経周期1周期分摂取した時点を「1周期経過後」、月経周期2周期分摂取した時点を「2周期経過後」と称した。それぞれの月経に対し、月経開始4日前から月経開始前日までの4日間を「月経前」とし、月経開始日から月経4日を「月経中」、月経前と月経中を合わせた8日間を「月経前+月経中」と称した。
評価方法は次の通りである。摂取前の月経前、月経中、月経前+月経中に該当する期間、1周期経過後の月経前、月経中、月経前+月経中に該当する期間、2周期経過後の月経前、月経中、月経前+月経中に該当する期間に被験者が回答したMDQを用い、各被験者の8項目の因子について該当する期間のスコアを合計した。また、8項目の因子のスコアをすべて合計したスコアを「MDQ総合スコア」、8項目の因子の中の痛み因子、自律神経因子、水分貯留因子、コントロール因子の合計を「身体的症状スコア」、集中力因子、行動変化因子、否定的感情因子、気分高揚因子の合計を「精神的症状スコア」として算出した(表2参照)。
(結果)
月経前と月経中を合わせた8日間について、摂取前、試験食品の摂取開始から1周期経過後、2周期経過後のMDQ各種スコアの推移を表3に示した。
プラセボ摂取群と比較して、α-ラクトアルブミンを月経周期2周期分摂取することで、MDQ総合スコアで緩和傾向を認めた。身体的な不快症状では、自律神経因子スコア、水分貯留因子スコア、コントロール因子スコアで有意な緩和を認め、精神的な不快症状では、行動変化因子スコア、否定的感情因子スコア、気分高揚因子スコアで有意な緩和を認めた。
α-ラクトアルブミン摂取群における摂取前との比較では、月経周期1周期分の摂取の時点から、コントロール因子スコア、精神的症状スコア、否定的感情因子スコアは緩和傾向あるいは有意な緩和が認められている。よって、α-ラクトアルブミンの摂取は、月経前と月経中に発生する不快症状(月経随伴症状)を緩和することが明らかとなった。
月経随伴症状がおこる月経前と月経中のうち、月経前のみで集計した結果を表4に示した。
プラセボ摂取群と比較して、α-ラクトアルブミンを月経周期2周期分摂取することで、水分貯留因子スコア、行動変化因子スコア、否定的感情スコア、気分高揚因子スコアは有意な緩和を認めた。また、α-ラクトアルブミン摂取群における摂取前との比較では、MDQ総合スコア、自律神経因子スコア、水分貯留因子スコア、コントロール因子スコア、精神的症状スコア、行動変化因子スコア、否定的感情因子スコア、気分高揚因子スコアで緩和傾向あるいは有意な緩和が認められた。よってα-ラクトアルブミンは月経前に生じる不快症状を緩和することが明らかとなった。
月経随伴症状がおこる月経前と月経中のうち、月経中のみで集計した結果を表5に示した。
プラセボ摂取群と比較して、α-ラクトアルブミンを月経周期2周期分摂取することで、MDQ総合スコアが緩和傾向を認め、自律神経スコア、水分貯留因子スコア、精神的症状スコア、行動変化因子スコア、否定的感情因子スコアで有意な緩和を認めた。α-ラクトアルブミン摂取群における摂取前との比較では、MDQ総合スコア、自律神経因子スコア、コントロール因子スコア、精神的症状スコア、否定的感情因子スコア、気分高揚因子スコアで緩和傾向あるいは有意な緩和が認められた。よってα-ラクトアルブミンは月経中に生じる不快症状を緩和することが明らかとなった。
以上より、α-ラクトアルブミンの摂取によって月経随伴症状を緩和させる効果が明らかとなった。摂取開始から1周期経過後では月経中の不快症状、特に体重増加や肌荒れ、むくみといった水分貯留因子や、考えがまとまらない、気が散るといった集中力因子の緩和が期待できる。そして、摂取開始から2周期経過後では、月経中のみならず月経前における不快症状も緩和できることが明らかになった。MDQ総合スコアは摂取前と比較して有意な緩和を認め、プラセボ群と比較しても緩和傾向が認められたことから、α-ラクトアルブミンは月経随伴症状を改善することが明らかである。個別具体的な症状を挙げれば、α-ラクトアルブミンの摂取は、めまいがする、ボーっとなるといった自律神経に関する症状、体重増加や肌荒れ、むくみといった水分貯留に関する症状、息苦しい、目がかすむといったコントロールに関する症状、業務への根気がなくなる、人との付き合いを避けたくなるといった行動変化に関する症状、イライラする、不安になるといった否定的感情に関する症状、興奮するといった気分高揚に関する症状を緩和することが明らかとなった。
[実施例3]月経周期に伴う不快症状に対するα-LAとOLL2809の効果検討
α-LAおよびOLL2809の摂取が月経周期に伴う不快症状に対して有用であるかを検討した。
月経中に軽度の月経痛を自覚する20~40歳代の女性12名を被験者とし、α-LA(Davisco Foods International Inc.)900mgとL.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)の乾燥粉末100mgを発酵乳(明治北海道十勝まろやかヨーグルト(株式会社明治)(78g)に摂取直前に混合したものを1日1回、3回分の月経期を経る約3カ月間に摂取させた。試験食品開始前から摂取後1回目、2回目、3回目の月経時において、月経前(月経開始7日前から月経開始前日まで)と月経中の不定愁訴に関する評価をMDQ(Menstrual Distress Questionnaire)を用いて評価した。
Figure 0007433220000008
表6の結果から、α-LAとOLL2809を含む発酵乳を約1ヶ月間摂取することで、月経前に発生する下腹部痛および易怒性(表6)、月経中の疲れやすさ(表7)を緩和できることが示された。また、当該発酵乳を約2ヶ月摂取することで、月経前の集中力の低下、眠気、憂鬱になる感情、気分の変調が緩和できることが示された。当該発酵乳は特に月経前の感情の変化を安定させる効果があることが示された。
このことは、実施例1で示されたα-LAのセロトニントランスポーターやエストロゲンの結合能の結果も考え合わせると、摂取したα-LAはセロトニントランスポーターへ直接的に作用し、精神安定作用を発揮するとともに、α-LAの分解物がエストロゲン受容体へ作用し、月経前や月経中の不快症状を緩和する作用機序が考えられた。
[製造例1:実施例2に使用した試験食品(カプセル)]
α-LAは商品名BioZzz Alpha-lactalbumin(Davisco Foods International, Inc.製)を使用して、賦形剤として二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウムを用い、これらをハードカプセルに充填してαLA含有カプセルを製造した。プラセボとして、α-LAの代わりにデキストリンを配合したカプセルを製造した。各々の配合比は下記の通りである。
Figure 0007433220000009
[製造例2:α-LA含有粉末顆粒の製造]
下表に示す成分を各配合例1~3の配合比で各々を混合し、α-LA含有粉末顆粒食品を調製した。α-LAは商品名BioZzz Alpha-lactalbumin(Davisco Foods International, Inc.製)を使用した。仕込み量300~500gの原料をフードプロセッサーにて攪拌混合し、99%のアルコールを少量ずつ添加しながら3分程度混錬した。混錬後、押し出し造粒機にて攪拌速度25~30rpmで造粒を行った。その後、顆粒を70℃20分乾燥させ、12Mのストレーナーにて篩過し、製造した。いずれの配合例の顆粒も、物性や品質に問題はなく適切に製造できた。
Figure 0007433220000010
本発明は、月経随伴症状の処置に有用な飲食品や医薬品の製造に利用できる。

Claims (15)

  1. α-ラクトアルブミンを含む、月経随伴症状の処置用組成物であって、月経随伴症状が、身体的不快症状である、組成物。
  2. 身体的不快症状および精神的不快症状の処置用である、請求項1に記載の組成物。
  3. 身体的不快症状が、月経前および月経中の自律神経に関する症状、水分貯留に関する症状、およびコントロールに関する症状のいずれかである、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 精神的不快症状が、月経前および月経中の行動変化に関する症状、否定的感情に関する症状、および気分高揚に関する症状のいずれかである、請求項2に記載の組成物。
  5. α-ラクトアルブミンおよび乳酸菌を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 月経随伴症状が、月経前症候群(Premenstrual syndrome; PMS)である、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. α-ラクトアルブミンを含む、経口摂取用組成物であって、α-ラクトアルブミンのトリプシン分解物をエストロゲン受容体に結合させるための、組成物。
  8. α-ラクトアルブミンを含む、経口摂取用の組成物であって、セロトニントランスポーター結合用であり、かつα-ラクトアルブミンのトリプシン分解物をエストロゲン受容体に結合させるための、組成物。
  9. 食品組成物である、請求項1~のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 医薬組成物である、請求項1~のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 顆粒状形態または粉末形態である、請求項または10に記載の組成物。
  12. 発酵乳の形態である、請求項または10に記載の組成物。
  13. 月経随伴症状の身体的不快症状を処置するための非医療的方法であって、
    有効量のα-ラクトアルブミンを含む組成物を対象に摂取させ、
    摂取させたα-ラクトアルブミンを対象におけるセロトニントランスポーターに結合させる
    工程を含む、方法。
  14. α-ラクトアルブミンから生じたトリプシン分解物を対象におけるエストロゲン受容体に結合させる工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  15. 1回量あたり、α-ラクトアルブミンを900mg以上、およびLactobacillus gasseriを乾燥菌体として100mg以上含む、月経に随伴する身体的不快症状の処置用の医薬または食品組成物。
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