JP7433062B2 - 感知器 - Google Patents
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Description
流れ落ちた水は、感知器構成部品(特に端子部や筐体を構成するケースやカバーの嵌合部等)の隙間を通って、感知器内部に侵入してしまう。そして、時間の経過により感知器内部に溜まり続け、やがて電子部品に触れて電子機器の誤動作や故障という不具合を招いてしまうおそれがある。
また、感知器カバーにリング状の光透過部材からなる作動表示灯を設けた感知器において、リング状の光透過部材と感知器カバーとの隙間から積極的に水抜きを行う構造を設けるようにした発明もある(特許文献3)。なお、従来、火災感知器の作動表示灯には、点発光タイプのものもあるが、特許文献3に記載されているようなリング状の表示灯は、あらゆる方向から見えるため、視認性に優れ、取付方向性の考慮が不要となるので感知器の設置作業や施工も容易になるという利点がある。
また、近年、特に共同住宅向けの熱感知型火災感知器(いわゆる熱感知器)においては小型化への要求があるが、リング状の光透過部材からなる作動表示灯は感知器の小型化の妨げとなる。そこで、感知器の小型化のためにリング状の作動表示灯を省略して、点発光の作動表示灯にすることも考えられるが、特許文献3に記載されているような、外観を損なわない水抜き構造を採用することができないとともに、感知器の設置時に取付方向性の考慮が必要になるという課題がある。
本発明の他の目的は、感知器の取付方向性の課題を解決し、水抜きを行なえしかも小型化を図ることができる熱感知型の火災感知器を提供することにある。
本体ケースと該本体ケースの開口側を覆う本体カバーとからなる筐体の内部に、熱、煙、有害ガスなどの事象を検出するための検出素子および検出回路を構成する部品が実装された回路基板が収納され、前記本体カバーには前記検出素子に対応した位置に開口が形成されているとともに、外側の空気が流入可能な流入口を形成する複数の整流フィンが設けられている感知器において、
前記複数の整流フィンの少なくとも一つには、一方の口が前記筐体の内部空間に臨み他方の口が前記本体カバーの外側空間に臨む水抜き穴が設けられているように構成したものである。
上記のような構成によれば、水抜き穴の出口が、検出素子(感熱素子)の先端が臨む検知空間への空気の流入経路の下部に近い部位に位置することとなるため、水抜き穴の出口に形成される水滴が整流フィン間の気流に与える影響を小さくすることができる。その結果、検知感度が低下するのを回避することができる。
かかる構成によれば、水抜き穴の全長が短くなり、流出抵抗が小さくなって筐体内部に溜まった水を排出し易くすることができる。
前記本体カバーには、当該本体カバーの前記開口を囲むように前記複数の整流フィンが放射状に配設されたプロテクタ部が設けられており、
上部に前記感熱素子の径よりも内径の大きな挿通穴を有し該挿通穴の下端から下方へ向かって外側へ広がるすり鉢状のテーパ部と該テーパ部の下端から水平方向外側へ延びる鍔部とを備えた素子サポート部材が、前記挿通穴に前記感熱素子が挿通された状態で前記回路基板に装着され、
前記素子サポート部材は光透過材料で形成され、前記鍔部には光導入部が設けられ、
前記回路基板の前記光導入部に対向する部位に発光素子が実装され、
前記水抜き穴の前記一方の口は、前記本体カバーと前記素子サポート部材とに囲まれた空間に臨む位置に形成されているように構成する。
かかる構成によれば、素子サポート部材の円筒部に充填された樹脂によって感熱素子の基部を支えることができるとともに、検出素子(感熱素子)の先端が臨む検知空間から前記挿通穴を通って回路基板の収容空間内に埃や湿気が入りこむのを防止することができ、外部からの埃や湿気が検出回路の動作に悪影響を及ぼすのを抑止することができる。
(第1実施例)
図1(A)および(B)には本発明を熱感知型の火災感知器(熱感知器)に適用した場合の実施例の正面断面説明図および下方から見た図(底面図)が示されている。なお、図1(A)は、図1(B)におけるA-A線に沿った断面を示している。
本実施例の熱感知器10は、感熱素子としてサーミスタ11を用い火災に伴い発生した熱によって熱せられた空気がサーミスタ11に接触することで生じる電気抵抗の変化を検出して火災を検知可能な感知器であり、サーミスタ11の先端が下向きとなる姿勢で建造物の天井面などに設置されて使用されるように構成されている。
上記のような構成の場合、天井裏に敷設されている電線を伝わって来た水は、この挿入穴18aより端子台18内に侵入し、さらに端子および該端子や回路基板14を本体ケース12に結合するボルトの挿通穴等を伝わって本体ケース12内へ侵入するおそれがあるが、本実施例の熱感知器は、後述するように、本体カバー13に設けられている水抜き穴から、筐体内部に侵入した水を外部へ排出させることができるように構成されている。
上記回路基板14は、上面や下面に熱感知(火災検出)のための電子回路を構成する抵抗や容量、IC(半導体集積回路)などの電子部品が実装されたプリント配線基板により構成され、図1(A)に示すように、回路基板14のほぼ中央にサーミスタ11の2本のリード端子の先端が回路基板14を貫通して上面より突出し、半田付け等によって回路基板14に接続されている。
また、回路基板14の所定部位には、LED(発光ダイオード)のような発光素子17が実装されている。
そして、回路基板14の対応する部位には、前記係止片15dの爪が挿通可能な係合穴が、係止片15dの数に対応した数だけ形成されおり、係止片15dによって素子サポート部材15が回路基板14に装着されるようになっている。なお、図1(A)においては、図示の都合で、複数本(3本)の係止片15dのうち1本のみを示し、他の係止片の図示を省略している。ただし、係止片15dは1本のみでも良い。また、係止片15dの形成位置は鍔部15cの上面でなくテーパ部15bの周面であっても良い。
また、素子サポート部材15の鍔部15cの上面には、回路基板14に実装された前記発光素子17の位置に対応して、凹面状をなす導光部15eが設けられている。なお、導光部15eに対応する表面部(図では下面部)に、アルミなどの光反射率の良い膜もしくは層からなる光反射部を設け、導光部15eに入射された光を反射するように構成しても良い。
図2~図5には、上記実施例の熱感知器の変形例が示されている。
このうち図2は第1の変形例を示す。上記実施例の熱感知器では整流フィン13cに設けた水抜き穴13eを鉛直方向に真っ直ぐに形成しているのに対し、この変形例の熱感知器においては、入り口は上記実施例と同じ位置(素子サポート部材15の鍔部15cの外側)であるが、出口はヘッドカバー13dに近づくように内側へ傾斜して形成されている。
上記のように、水抜き穴13eを斜めに形成することによって、水抜き穴13eの出口が、感熱素子11の先端が臨む空間への空気の流入口の下部に近い部位に位置することとなるため、水抜き穴13eの出口に形成される水滴やバックプレッシャーによる気流が整流フィン13c間の熱気流に与える影響を小さくすることができる。
このように、水抜き穴13eの出口が整流フィン13cの基部に近い位置に来るように形成することによって、水抜き穴の全長が短くなり、水の流出抵抗が小さくなって筐体内部に溜まった水を排出し易くすることができる。
このように、整流フィン13cの尾根に沿って導水溝13fを形成することによって、水抜き穴13eから出た水が導水溝13fを伝わって下方すなわちヘッドカバー13dの近傍まで流れ、水滴となってしたたり落ちるようになり、内部に溜まった水を排出し易くするとともに、整流フィン13cの下部に形成される水滴やバックプレッシャーによる気流が整流フィン13c間の熱気流に与える影響を小さくすることができる。
図5は第4の変形例を示す。この変形例においては、水抜き穴13eの入り口は上記変形例と同じであるが、出口側は貫通穴ではなく整流フィン13cの側面に溝13hとして形成したものである。溝13hは、鉛直方向でなく、第1変形例(図2)や第2変形例(図3)と同様、斜め方向に傾斜するように形成しても良い。また、第3変形例(図4)のように、溝13hの下端に下方へ向かって突出する突起を形成しても良い。
また、上記実施形態においては、本発明を熱感知器に適用した場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものでなく、煙検知タイプの火災感知器さらには一酸化炭素などの有害なガスを検知するガス検知器にも適用することができる。
11 サーミスタ(感熱素子)
12 本体ケース
13 本体カバー
13A プロテクタ部
13b リブ
13c 整流フィン
13d ヘッドカバー
13e 水抜き穴
13f 水抜き用の溝
14 回路基板
15 素子サポート部材
15a 円筒部
15b テーパ部
15c 鍔部
15d 係止片
15e 導光部
16 絶縁性樹脂(充填材)
17 発光素子
18 端子台
18a 電線端部の挿入穴
Claims (5)
- 本体ケースと該本体ケースの開口側を覆う本体カバーとからなる筐体の内部に、熱、煙、有害ガスなどの事象を検出するための検出素子および検出回路を構成する部品が実装された回路基板が収納され、前記本体カバーには前記検出素子に対応した位置に開口が形成されているとともに、外側の空気が流入可能な流入口を形成する複数の整流フィンが設けられている感知器であって、
前記複数の整流フィンの少なくとも一つには、一方の口が前記筐体の内部空間に臨み他方の口が前記本体カバーの外側空間に臨む水抜き穴が設けられていることを特徴とする感知器。 - 前記水抜き穴は、鉛直方向に対して斜めに形成され、前記他方の口は前記一方の口よりも前記筐体の中心に近い部位に位置していることを特徴とする請求項1に記載の感知器。
- 前記水抜き穴は、鉛直方向に対して斜めに形成され、前記他方の口は前記一方の口よりも前記筐体の前記開口から遠い部位に位置していることを特徴とする請求項1に記載の感知器。
- 前記検出素子は感熱素子であり、
前記本体カバーには、当該本体カバーの前記開口を囲むように前記複数の整流フィンが放射状に配設されたプロテクタ部が設けられており、
上部に前記感熱素子の径よりも内径の大きな挿通穴を有し該挿通穴の下端から下方へ向かって外側へ広がるすり鉢状のテーパ部と該テーパ部の下端から水平方向外側へ延びる鍔部とを備えた素子サポート部材が、前記挿通穴に前記感熱素子が挿通された状態で前記回路基板に装着され、
前記素子サポート部材は光透過材料で形成され、前記鍔部には光導入部が設けられ、
前記回路基板の前記光導入部に対向する部位に発光素子が実装され、
前記水抜き穴の前記一方の口は、前記本体カバーと前記素子サポート部材とに囲まれた空間に臨む位置に形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の感知器。 - 前記素子サポート部材は、上部に前記挿通穴を有する円筒部が形成され、
前記円筒部の内側には樹脂が充填されていることを特徴とする請求項4に記載の感知器。
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