以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.情報処理方法の概要〕
まず、図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理方法の概要について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。なお、図1では、決済アプリ内の電子マネー口座として、通常口座と、用途及び受益者を任意に指定可能な用途限定口座とを管理する場合を例に挙げて説明する。
図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置10とサーバ装置100と提供者端末200とを含む。端末装置10とサーバ装置100と提供者端末200とは、ネットワークN(図2参照)を介して有線又は無線で互いに通信可能に接続される。本実施形態では、端末装置10は、サーバ装置100と連携する。
端末装置10は、利用者U(ユーザ)により使用されるスマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイスであり、4G(Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。また、端末装置10は、液晶ディスプレイ等の画面であって、タッチパネルの機能を有する画面を有し、利用者Uから指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、コンテンツ等の表示データに対する各種の操作を受付ける。なお、画面のうち、コンテンツが表示されている領域上で行われた操作を、コンテンツに対する操作としてもよい。また、端末装置10は、スマートデバイスのみならず、デスクトップPC(Personal Computer)やノートPC等の情報処理装置であってもよい。
サーバ装置100は、各利用者Uの端末装置10と連携し、各利用者Uの端末装置10に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する情報処理装置であり、コンピュータやクラウドシステム等により実現される。
また、サーバ装置100は、各利用者Uの端末装置10に対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、サーバ装置100は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子商取引(EC:Electronic Commerce)、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報等のサービスを提供してもよい。実際には、サーバ装置100は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
なお、サーバ装置100は、利用者Uに関する利用者情報を取得可能である。例えば、サーバ装置100は、利用者Uの性別、年代、居住地域といった利用者Uの属性に関する情報を取得する。そして、サーバ装置100は、利用者Uを示す識別情報(利用者ID等)とともに利用者Uの属性に関する情報を記憶して管理する。
また、サーバ装置100は、利用者Uの端末装置10から、あるいは利用者ID等に基づいて各種サーバ等から、利用者Uの行動を示す各種の履歴情報(ログデータ)を取得する。例えば、サーバ装置100は、利用者Uの位置や日時の履歴である位置履歴を端末装置10から取得する。また、サーバ装置100は、利用者Uが入力した検索クエリの履歴である検索履歴を検索サーバ(検索エンジン)から取得する。また、サーバ装置100は、利用者Uが閲覧したコンテンツの履歴である閲覧履歴をコンテンツサーバから取得する。また、サーバ装置100は、利用者Uの商品購入や決済処理の履歴である購入履歴(決済履歴)を電子商取引サーバや決済処理サーバから取得する。また、サーバ装置100は、利用者Uのマーケットプレイスへの出品の履歴である出品履歴や販売履歴を電子商取引サーバや決済処理サーバから取得してもよい。また、サーバ装置100は、利用者Uの投稿の履歴である投稿履歴を口コミの投稿サービスを提供する投稿サーバやSNSサーバから取得する。なお、上記の各種サーバ等は、サーバ装置100自体であってもよい。すなわち、サーバ装置100が上記の各種サーバ等として機能してもよい。
また、サーバ装置100は、決済サーバとして、端末装置10を用いた決済(電子決済)に関する電子決済サービスを提供する。例えば、サーバ装置100は、利用者Uの端末装置10に表示された利用者Uの識別情報である利用者識別情報を読み取らせた店舗端末から当該利用者識別情報と店舗を識別する店舗識別情報と決済内容とを取得した場合、もしくは、店舗識別情報を読み取らせた端末装置10から、利用者識別情報と店舗識別情報と決済内容とを取得した場合に、当該決済内容に基づいて、当該利用者識別情報が示す利用者Uの口座から当該店舗識別情報が示す口座へと決済内容に応じた電子マネーを移動させる決済処理機能を有する。
〔1-1.端末装置10を用いた決済〕
ここで、実施形態に係る情報処理に先立ち、端末装置10を用いた決済(電子決済)の一例について説明する。なお、以下の説明では、店舗Aに配置された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、店舗Aを識別する店舗識別情報を示す2次元コードを用いて、利用者Uが端末装置10を用いた決済を行う例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。以下に説明する決済の一例は、任意の利用者が任意の端末装置10を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報は、QRコード(登録商標)のみならず、バーコードや所定のマーク、番号等であってもよい。
例えば、利用者Uが店舗Aにて各種の商品やサービスといった決済対象(取引対象)の利用や購入に伴う決済を行う場合、利用者Uは、端末装置10にインストールされた決済用のアプリケーション(決済アプリ)を起動する。そして、利用者Uは、決済アプリを介して、店舗Aに設置された店舗識別情報を撮影する。このような場合、端末装置10は、決済対象の価格を入力するための画面を表示し、利用者U或いは店舗Aの店員Mから決済金額の入力を受け付ける。そして、端末装置10は、利用者Uを識別する利用者識別情報と、店舗識別情報(若しくは、店舗識別情報が示す情報、すなわち、店舗Aを示す情報(例えば、店舗ID))と、決済金額とを示す決済情報をサーバ装置100へと送信する。
このような場合、サーバ装置100は、利用者識別情報が示す利用者Uの口座から、店舗識別情報が示す店舗Aの口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移動させる。そして、サーバ装置100は、決済が完了した旨の通知を端末装置10へと送信する。このような場合、端末装置10は、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる決済が行われた旨を通知する。
なお、端末装置10を用いた決済は、上述した処理に限定されるものではない。例えば、端末装置10を用いた決済は、店舗Aに設置された店舗端末を用いたものであってもよい。例えば、端末装置10は、利用者Uを識別するための利用者識別情報を画面上に表示させる。このような場合、店舗Aに設置された店舗端末は、端末装置10に表示された利用者識別情報を読み取り、利用者識別情報(若しくは、利用者識別情報が示す情報、すなわち、利用者Uを示す情報(例えば、利用者ID))と、決済金額と、店舗Aを識別する情報とを示す決済情報をサーバ装置100へと送信する。このような場合、サーバ装置100は、利用者識別情報が示す利用者Uの口座から、店舗Aの口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移動させ、店舗Aの店舗端末或いは端末装置10に対し、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、決済が行われた旨を通知してもよい。
また、端末装置10を用いた決済は、利用者Uが予め電子マネーをチャージした口座から店舗Aの口座へと電子マネーを移動させる処理のみならず、例えば、利用者Uが予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、例えば、端末装置10は、店舗Aの口座に対して決済金額の電子マネーを移動させるとともに、利用者Uのクレジットカードの運用会社に対し、決済金額を請求してもよい。
このように、端末装置10を用いた決済では、決済アプリが利用者口座から決済額分の電子マネーを引き出して、加盟店の売上情報として管理する(加盟店口座への入金とは異なる)。また、所定のタイミングで、売上情報をもとに、加盟店の銀行口座に、売上から管理手数料を減算した額の現金を入金する。なお、加盟店が管理する加盟店の電子マネー口座に、利用者口座から電子マネーを入金してもよく、入金時あるいは所定のタイミングで、手数料を加盟店が管理する加盟店口座から取得してもよい。さらに、決済アプリに関して利用者Uに提供されるクーポンの原資が加盟店負担であれば、銀行口座に現金を入金する際、もしくは、加盟店の口座に電子マネーを入金する際等に、負担分の現金若しくは電子マネーを減算して提供する。
上述した決済手段や決済サービスでは、加盟店は電子マネー残高を扱うことはなく、上述した決済手段や決済サービスでの加盟店ごとの売上は決済サーバ上で管理している。このとき、売上を電子マネー残高で加盟店口座に送金しておらず、現金にして銀行口座に入金している。入金の際に、クーポンの原資が加盟店負担なら、売上からクーポンの原資の分を差し引いた額を振り込む。
本実施形態では、決済アプリに関して利用者Uに提供されるクーポンは、決済に連動して自動適用される。そのため、利用者Uがレジでクーポンを提示する必要がない。例えば、利用者Uが店舗側の提示した2次元コードをスキャン(ユーザスキャン)する場合には、サーバ側で利用者IDに関連付けられたクーポンIDを取得する。また、店舗側が利用者Uの提示した2次元コードをスキャン(ストアスキャン)する場合には、店舗側が利用者Uの提示した2次元コードに対応したワンタイムコードを取得し、サーバ側でワンタイムコードに関連付けられた利用者IDとクーポンIDとを取得する。この場合、ワンタイムコードが利用者Uを示す情報となる。
なお、上述した決済手段や決済サービスは、商品の購入や役務の提供に対する対価の提供(債務の精算)のためのものに限定されるものではない。例えば、上述した決済手段や決済サービスは、複数の利用者が有する口座間の送金に関する機能を有していてもよい。すなわち、上述した決済手段や決済サービスは、利用者や店舗等、電子マネーの所有者と紐づく任意の所有者の口座間における電子マネーの送受信を制御するサービスであればよい。すなわち、実施形態に係る決済手段や決済サービスは、電子マネーのやり取りを実現するための各種制御(電子マネーを介した各種の口座間送金制御のみならず、電子マネー口座と銀行口座間のやり取りに関する制御や、分割、ボーナス払いに伴う処理といった各種債権処理、その他電子マネーを含む財産のやり取りに関する各種制御)を実行する取引手段や取引サービスであれば、任意の態様で提供されるものであってもよい。また、このような取引手段や取引サービスが実現する各種の制御には、決済に関する制御と送金に関する制御の両方が含まれていてもよく、いずれか一方のみが含まれていてもよい。すなわち、「取引」とは、電子マネーに関する「決済」のみならず、電子マネーの「送金」やその他各種の処理をも含む概念である。すなわち、サーバ装置100は、任意の所有者間における電子マネーのやり取りを制御する取引手段を実現する情報処理装置であってもよい。
例えば、サーバ装置100は、決済や送金等といった電子マネーの取引に関する取引情報が生じると、取引情報に基づいて利益を受け取るか否かの選択を利用者から受け付け、利用者が利益を受け取る場合は、利用者に対して取引を行ったことによる利益を付与する。また、サーバ装置100は、利益を受け取らない場合は、取引サービスにおける利用者の行動に基づき、より有利な利益を利用者に付与することとなる。
〔1-2.用途限定口座〕
本実施形態では、サーバ装置100は、対象となる利用者ごとに、決済アプリでの電子決済に使用できる電子マネー口座として、使用目的を限定しない通常の電子決済用の口座(通常口座)と、指定された使用目的に限定した電子決済用の口座(用途限定口座)とを別々に管理する。また、サーバ装置100は、目的別に用途限定口座を管理する。そのため、指定された目的の数だけ用途限定口座が存在する。すなわち、サーバ装置100は、個々の利用者について、通常口座を管理するとともに、使用目的ごとに用意された複数の用途限定口座を管理する。
なお、用途限定口座は、指定された店舗・施設でのみ支払い可能な電子マネー口座であってもよいし、指定された商品・サービスに対してのみ支払い可能な電子マネー口座であってもよい。反対に、用途限定口座は、指定された店舗・施設では支払い不可な電子マネー口座であってもよいし、指定された商品・サービスへの支払い不可な電子マネー口座であってもよい。
例えば、地方自治体が地域住民の端末装置10の決済アプリに用途限定口座を設定(開設)し、地域通貨や地域振興を目的とした交付金・給付金として用途限定口座に入金(チャージ)するようにしてもよい。また、親が子供の端末装置10の決済アプリに用途限定口座を設定し、子供の決済アプリに電子マネーを入金(チャージ)する際に、支払い対象の許可/不許可を設定した用途限定口座に入金するようにしてもよい。また、企業等の組織が従業員の端末装置10の決済アプリに用途限定口座を設定し、業務に関連した支払い(交通費、備品・書籍購入等)に限定した用途限定口座に入金するようにしてもよい。また、店舗が顧客や見込み客の端末装置10の決済アプリに用途限定口座を設定し、当該店舗での支払いに限定した用途限定口座に入金するようにしてもよい。なお、上記は一例であり、実際にはこれらの例に限定されない。
すなわち、サーバ装置100は、用途限定口座に関して、用途を指定する機能と、受益者を指定する機能とを有する。例えば、用途は、対象となる加盟店の店舗・施設や、対象となる加盟店が提供する商品・サービス等に対する決済である。受益者は、用途限定口座に入金(チャージ)された電子マネーを利用可能な利用者Uである。なお、受益者である利用者Uの指定は、利用者Uのユーザ属性や各種履歴に基づくセグメント(segment)等で指定してもよい。また、決済により電子マネーを受け取る加盟店等も受益者と言えなくもない。
用途限定口座には、受益者である利用者U自身も入金(チャージ)可能である。また、用途限定口座には、通常口座から入金(チャージ)することもできる。ただし、用途限定口座の残高は、基本的に出金できないものとする。そのため、利用者Uによる用途限定口座から通常口座への入金(チャージ)は制限される。なお、用途限定口座に入金(チャージ)する電子マネーの提供者X(入金者)が許可した場合又は提供者X自身が行う場合には、用途限定口座から通常口座への入金(チャージ)も可能としてもよい。利用者Uは、用途限定口座からの出金や通常口座への入金(チャージ)を許可する設定がある場合にのみ、用途限定口座からの出金や通常口座への入金(チャージ)を行うことができる。
〔1-3.共通プリペイドカード〕
本実施形態では、用途限定口座の残高は、決済アプリ内の仮想プリペイドカードのような形態で使用される。すなわち、サーバ装置100は、仮想プリペイドカードと用途限定口座とを紐づけて管理する。利用者Uは、決済アプリでの支払い時に、決済アプリ内の仮想プリペイドカードを起動して店舗等に提示することで、用途限定口座の残高から支払いを行う。あるいは、利用者Uは、用途限定口座での支払いが可能な店舗での決済アプリでの支払い時に、又は支払い対象の中に用途限定口座での支払いが可能な商品が含まれている時に、決済アプリから、通常の支払いか、仮想プリペイドカードでの支払いかを問われた際に、仮想プリペイドカードでの支払いを選択した場合に、用途限定口座の残高から支払いを行う。
なお、実際には、サーバ装置100は、店舗での決済アプリでの支払い時に利用者Uが利用した2次元コードに基づいて、通常の支払いか、仮想プリペイドカードでの支払いかを判断してもよい。例えば、ユーザスキャンの場合、利用者Uが端末装置10の決済アプリを用いて店舗に設置された仮想プリペイドカードでの支払い用の2次元コードを読み取った場合に、仮想プリペイドカードでの支払いと判断してもよい。また、ストアスキャンの場合、利用者Uが端末装置10の決済アプリを用いて仮想プリペイドカードを起動し、仮想プリペイドカードに表示された2次元コードを店舗側(レジ等)に提示し、店舗側(レジ等)がその2次元コードを読み取った場合に、仮想プリペイドカードでの支払いと判断してもよい。
これにより、本実施形態では、1枚の仮想プリペイドカードで指定された複数の加盟店の利用が可能な共通プリペイドカードを実現する。表示される共通プリペイドカードの画像やデザインは、提供者X又は利用者Uが任意に選択・設定可能としてもよい。なお、加盟店の利用は、加盟店での支払い(決済)であってもよいし、加盟店が提供する商品・サービスに対する支払いであってもよい。複数の加盟店はそれぞれ事業者が異なる。用途限定口座を設定する者は、加盟店の指定として、共通プリペイドカードの対象店舗(利用可能な店舗)を示した店舗リストを作成してもよい。また、利用者Uが決済アプリ内でこの店舗リストを確認してもよい。例えば、カード画面タップで対象店舗を確認できるようにしてもよい。
また、同一の決済に対して、支払い対象が複数の異なる共通プリペイドカードの用途に適合し、いずれの共通プリペイドカードからでも支払い可能な場合には、いずれの共通プリペイドカードから支払うかを利用者Uがその場で選択できるようにしてもよい。あるいは、対象となる共通プリペイドカードのうち、所定の条件を満たす共通プリペイドカード(残高が最も多い、ポイント付与率・還元率が高い等)を自動的に選択し、その共通プリペイドカードの残高から支払うようにしてもよい。また、決済金額に対して個々の共通プリペイドカードの残高が不足していても、全ての共通プリペイドカードの残高を合計すれば足りる場合には、対象となる全ての共通プリペイドカードの残高を合算して支払うようにしてもよい。すなわち、共通プリペイドカードの残高の不足時には、同一用途に対応した他の共通プリペイドカードの残高を用いて決済を行うようにしてもよい。
但し、仮想プリペイドカードは用途限定口座の利用形態の1つに過ぎない。実際には、仮想プリペイドカードに限定されない。例えば、プリペイドカードではなく、決済アプリ内で、指定された用途に限定した専用のミニ決済アプリを立ち上げる形態であってもよい。また、決済アプリでの支払い時に、指定された用途に適合し、用途限定口座の残高から支払い可能な場合、通常口座の残高と、用途限定口座の残高のいずれで支払うかを利用者Uがその場で選択できるようにしてもよい。あるいは、通常口座よりも用途限定口座の残高からの支払いを優先し、自動的に用途限定口座の残高から支払うようにしてもよい。
なお、決済金額に対して用途限定口座の残高が不足している場合には、全額又は不足分を通常口座の残高から支払うようにしてもよい。あるいは、不足分の金額を通常口座から用途限定口座に移動させてから支払うようにしてもよい。このとき、通常口座の残高から全額又は不足分を支払うこと、あるいは不足分の金額を通常口座から用途限定口座に移動させてから支払うことについて、利用者Uに通知を行う(又はその場で選択させる)ようにしてもよい。すなわち、用途限定口座の残高の不足時には、通常口座の残高を用いて決済を行うようにしてもよい。また、不足分の金額を利用者Uがその場で用途限定口座に入金(チャージ)することも選択可能にしてもよい。
〔1-4.全体概要〕
本実施形態では、用途限定口座に入金(チャージ)する電子マネーの提供者X(入金者)が使用する情報処理装置を、便宜上、提供者端末200と称する。なお、提供者端末200は、端末装置10の1つ(他の端末装置10)であってもよいし、サーバ装置100の1つ(他のサーバ装置100)であってもよい。
提供者Xは提供者端末200を用いて、電子決済サービスを提供するサーバ装置100にアクセスし、利用者Uの端末装置10の決済アプリ用に用途限定口座を設定し、用途限定口座に入金(チャージ)するように要求する。
このとき、提供者Xは、複数の利用者を対象として一括設定及び一括入金することも可能である。例えば、提供者Xがサーバ装置100に対して入金対象となる利用者を指定し、又は入金対象となる利用者のリストを送付し、各利用者に対して同一内容の用途限定口座を設定し、同一金額を用途限定口座に入金(チャージ)するように要求してもよい。また、提供者Xは、サーバ装置100に対して、各利用者が満たしている条件に応じて異なる内容の用途限定口座を設定し、当該条件に応じて異なる金額を用途限定口座に入金するように要求してもよい。
なお、用途限定口座は、提供者X自身が設定したものに限らず、店舗等の事業者や他の提供者X等が設定したものであってもよい。すなわち、提供者Xは提供者端末200を用いて、サーバ装置100に既に設定みの用途限定口座(既存の用途限定口座)に入金(チャージ)するように要求してもよい。
サーバ装置100は、端末装置10に決済アプリをインストールした利用者Uが端末装置10の決済アプリを用いた決済(電子決済)を行う際に、端末装置10と連携し、電子決済サービスを提供する。また、サーバ装置100は、利用者ごとに、提供者端末200からの用途限定口座の設定と入金を受け付け、通常口座の残高とともに、用途限定口座の残高を管理する。このとき、サーバ装置100は、利用者Uからの許可(許可設定を含む)又は要求があった場合にのみ、提供者端末200からの用途限定口座の設定と入金を受け付けるようにしてもよい。これにより、利用者Uの意図しない相手からの用途限定口座の設定と入金を制限することができる。
なお、サーバ装置100は、提供者Xからの要求に応じて、管理している用途限定口座に設定された用途(使用目的等)を変更可能にしてもよい。例えば、サーバ装置100は、用途限定口座を設定した提供者Xからの要求に応じて、当該用途限定口座に設定された支払い許可対象/不許可対象を追加又は削除できるようにしてもよいし、新たな用途(使用目的等)を追加設定できるようにしてもよい。時間の経過とともに、流行り廃りに応じて、用途限定口座の残高からの支払い対象となる事業者や商品の増減が発生することが予想される。また、例えば親が子供の決済アプリに用途限定口座を設定した場合、子供の年齢が上がるにつれて、用途限定口座の残高での支払いを許可する対象の追加(条件緩和)が行われることも予想される。このような場合、用途限定口座に当初設定された用途(使用目的等)を変更する必要が生じる。
このとき、用途変更の一形態として、サーバ装置100は、新たに用途の異なる用途限定口座を設定(新規開設)して、その新たな用途限定口座に既存の用途限定口座の残高を移動させた後、既存の用途限定口座を削除してもよい。利用者Uからは、新たな用途限定口座と既存の用途限定口座とは同一の用途限定口座のように見えるようにしてもよい。例えば、同一のプリペイドカード及び残高のまま、プリペイドカードに紐づけられた用途限定口座が新調されるようにしてもよい。すなわち、サーバ装置100は、プリペイドカードに紐づけられた用途限定口座を、既存のものから新たに設定されたものに変更し、残高を移動させてもよい。
利用者Uは、電子決済サービスの加盟店である店舗Aにおいて、端末装置10を用いた決済(電子決済)を行う。このとき、利用者Uは、店舗Aでの支払いに使用可能な用途限定口座の残高を用いて決済を行う。例えば、利用者Uは、端末装置10において、店舗Aでの支払いに対応した決済アプリ内の仮想プリペイドカードを表示して2次元コードを提示し、店舗側に2次元コードを読み取らせることで、用途限定口座の残高を用いて決済を行う。あるいは、利用者Uが端末装置10を用いた通常の決済を行うことで、用途限定口座の残高での支払いが可能と判断された場合には、用途限定口座の残高を自動的に選択して決済を行うようにしてもよい。
なお、店舗Aでの支払いにおいて、用途限定口座の残高を用いて決済を行うことができない場合、端末装置10は、用途限定口座の残高から支払うことができない旨を利用者Uに提示してもよい。この場合、利用者Uが通常残高から支払うことを選択できるようにしてもよいし、自動的に通常残高から支払うようにしてもよい。また、用途限定口座の残高不足のため決済を行うことができない場合、利用者Uが、通常残高の残高から不足分又は所定金額を用途限定口座に移動させることを選択できるようにしてもよい。また、用途限定口座の残高を用いて決済を行うことができるか否かの判断は、端末装置10の決済アプリ内で行うようにしてもよいし、サーバ装置100と連携してサーバ装置100上で行うようにしてもよい。
店舗Aの店舗端末(レジ等)は、利用者Uが端末装置10を用いた決済(電子決済)を行った際に、利用者Uを示す利用者識別情報と、店舗Aを示す店舗識別情報と、決済金額とを示す決済情報をサーバ装置100に送信する。なお、利用者Uが端末装置10を用いて店舗側の提示した2次元コードをスキャン(ユーザスキャン)する場合には、端末装置10が、店舗Aを示す店舗識別情報と、決済金額とを示す決済情報をサーバ装置100に送信してもよい。
サーバ装置100は、決済情報に基づいて決済処理を実施する。このとき、サーバ装置100は、用途限定口座の残高から決済金額に相当する金額を使用して決済処理を行う。すなわち、サーバ装置100は、用途限定口座の残高から決済金額に相当する金額を店舗側の口座に移動させる。
また、サーバ装置100は、利用者Uの用途限定口座の残高の利用履歴を、用途限定口座に入金した提供者Xの提供者端末200に通知するようにしてもよい。すなわち、サーバ装置100は、提供者Xが利用者Uの用途限定口座に入金した電子マネーがどのように使用されたかを示す情報を提供者Xの提供者端末200に通知してもよい。例えば、サーバ装置100は、利用者Uが用途限定口座の残高から支払いを行った店舗・施設、支払いを行った商品・サービス、及び支払いを行った日時・時間帯等に関する情報を提供者Xの提供者端末200に通知してもよい。また、サーバ装置100は、利用者ごとに、又はユーザ属性や各種履歴に基づく利用者のセグメントごとに、これらの情報を集計してもよい。これにより、用途限定口座やそれに入金した電子マネーの利用の実態把握や、入金による効果測定を行うことが可能になる。
〔1-5.その他〕
なお、サーバ装置100は、端末装置10を用いた決済(電子決済)に対して付与される特典(ポイント、ボーナス、プレミアム等)については、口座ごとに個別に付与するものとする。すなわち、サーバ装置100は、通常口座の残高を用いた決済に対して付与される特典(ポイント、ボーナス、プレミアム等)については当該通常口座に付与し、用途限定口座の残高を用いた決済に対して付与される特典(ポイント、ボーナス、プレミアム等)については当該用途限定口座に付与する。このとき、サーバ装置100は、用途限定口座の残高から支払った場合には、通常口座の残高から支払う場合よりも特典(ポイント、ボーナス、プレミアム等)の付与率を上げて有利にしてもよい。また、受益者である利用者Uによる用途限定口座へのチャージ時又は用途限定口座からの決済時に、特別な特典(ポイント、ボーナス、プレミアム等)を付与してもよい。すなわち、用途限定口座を対象としたプレミアムがあってもよい。
あるいは、サーバ装置100は、選択又は設定に基づき、用途限定口座への入金(チャージ)時特典を、(1)即座に通常口座に付与、(2)即座に用途限定口座に付与、(3)後日に通常口座に付与、(4)後日に用途限定口座に付与するようにしてもよい。また、サーバ装置100は、用途限定口座の決済時特典を、用途限定口座に付与(還元)する。これにより、加盟店又は自治体が共通プリペイドカードを発行する動機づけになる。また、サーバ装置100は、用途限定口座その1(××マート)と、用途限定口座その2(自治体)とを管理していた場合、かつ、どちらの用途限定口座でも決済できる場合、優先度に応じていずれの用途限定口座で決済を行うかを決定する。優先度については、例えば期限までの期間が短い方が「優先度が高い」と判断する。一般的に、加盟店のプリペイドカードよりも地域振興券のほうが、有効期間が短いと考えられる。
また、サーバ装置100は、用途限定口座に入金された電子マネーの有効期限を設定可能にしてもよい。例えば、サーバ装置100は、地方自治体から用途限定口座に入金された電子マネーの用途として対象地域内で1年間(所定期間)利用可能と設定することで、決済アプリ内で地域振興券を実現することもできる。自治体の予算は単年度予算であるため、年度内で使用されるように吸うことが好ましい。有効期限を設定した場合、期限内に使用されなかった電子マネー(残高)は利用者Uの用途限定口座から提供者Xの口座に移動させてもよい。
また、サーバ装置100は、入金(チャージ)に限らず、用途限定口座から支払い可能な上限金額(例えば2,000円)を設定し、上限金額の範囲内で実際に用途限定口座から支払いが行われた場合に、その支払代金に相当する金額の電子マネーを提供者Xの口座から支払先の店舗等の口座に移動させるようにしてもよい。あるいは、支払代金を立て替え、その支払代金に相当する金額の電子マネーを提供者Xの口座から自身の口座に移動させるようにしてもよい。すなわち、サーバ装置100は、利用者Uにより用途限定口座から実際に使用された金額(実費)を提供者Xに請求する形態としてもよい。
また、サーバ装置100は、同一の用途限定口座を複数の利用者に紐づけ、用途限定口座に入金された残高(例えば百万円)を個々の利用者の対象となる支払いに充てるようにしてもよい。すなわち、同一の用途限定口座の残高を複数の利用者で分け合う形となる。このとき、人数制限してもよい。また、1回当たりの利用可能額や、1人当たりの利用可能額を制限してもよい。
〔2.情報処理システムの構成例〕
次に、図2を用いて、実施形態に係るサーバ装置100が含まれる情報処理システム1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10とサーバ装置100とを含む。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネット等のWAN(Wide Area Network)である。
また、図2に示す情報処理システム1に含まれる各装置の数は図示したものに限られない。例えば、図2では、図示の簡略化のため、端末装置10を1台のみ示したが、これはあくまでも例示であって限定されるものではなく、2台以上であってもよい。
端末装置10は、利用者Uによって使用される情報処理装置である。例えば、端末装置10は、スマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイス、フィーチャーフォン、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、通信機能を備えたゲーム機やAV機器、カーナビゲーションシステム、スマートウォッチやヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブルデバイス(Wearable Device)、スマートグラス等である。
また、かかる端末装置10は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)等の無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)等の近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、サーバ装置100と通信することができる。
サーバ装置100は、例えばPCやブレードサーバ(blade server)等のコンピュータ、あるいはメインフレーム又はワークステーション等である。なお、サーバ装置100は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
〔3.端末装置の構成例〕
次に、図3を用いて、端末装置10の構成について説明する。図3は、端末装置10の構成例を示す図である。図3に示すように、端末装置10は、通信部11と、表示部12と、入力部13と、測位部14と、センサ部20と、制御部30(コントローラ)と、記憶部40とを備える。
(通信部11)
通信部11は、ネットワークN(図2参照)と有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、サーバ装置100との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)やアンテナ等によって実現される。
(表示部12)
表示部12は、位置情報等の各種情報を表示する表示デバイスである。例えば、表示部12は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescent Display)である。また、表示部12は、タッチパネル式のディスプレイであるが、これに限定されるものではない。
(入力部13)
入力部13は、利用者Uから各種操作を受け付ける入力デバイスである。例えば、入力部13は、文字や数字等を入力するためのボタン等を有する。なお、入力部13は、入出力ポート(I/O port)やUSB(Universal Serial Bus)ポート等であってもよい。また、表示部12がタッチパネル式のディスプレイである場合、表示部12の一部が入力部13として機能する。また、入力部13は、利用者Uから音声入力を受け付けるマイク等であってもよい。マイクはワイヤレスであってもよい。
(測位部14)
測位部14は、GPS(Global Positioning System)の衛星から送出される信号(電波)を受信し、受信した信号に基づいて、自装置である端末装置10の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)を取得する。すなわち、測位部14は、端末装置10の位置を測位する。なお、GPSは、GNSS(Global Navigation Satellite System)の一例に過ぎない。
また、測位部14は、GPS以外にも、種々の手法により位置を測位することができる。例えば、測位部14は、位置補正等のための補助的な測位手段として、下記のように、端末装置10の様々な通信機能を利用して位置を測位してもよい。
(Wi-Fi測位)
例えば、測位部14は、端末装置10のWi-Fi(登録商標)通信機能や、各通信会社が備える通信網を利用して、端末装置10の位置を測位する。具体的には、測位部14は、Wi-Fi通信等を行い、付近の基地局やアクセスポイントとの距離を測位することにより、端末装置10の位置を測位する。
(ビーコン測位)
また、測位部14は、端末装置10のBluetooth(登録商標)機能を利用して位置を測位してもよい。例えば、測位部14は、Bluetooth(登録商標)機能によって接続されるビーコン(beacon)発信機と接続することにより、端末装置10の位置を測位する。
(地磁気測位)
また、測位部14は、予め測定された構造物の地磁気のパターンと、端末装置10が備える地磁気センサとに基づいて、端末装置10の位置を測位する。
(RFID測位)
また、例えば、端末装置10が駅改札や店舗等で使用される非接触型ICカードと同等のRFID(Radio Frequency Identification)タグの機能を備えている場合、もしくはRFIDタグを読み取る機能を備えている場合、端末装置10によって決済等が行われた情報とともに、使用された位置が記録される。測位部14は、かかる情報を取得することで、端末装置10の位置を測位してもよい。また、位置は、端末装置10が備える光学式センサや、赤外線センサ等によって測位されてもよい。
測位部14は、必要に応じて、上述した測位手段の一つ又は組合せを用いて、端末装置10の位置を測位してもよい。
(センサ部20)
センサ部20は、端末装置10に搭載又は接続される各種のセンサを含む。なお、接続は、有線接続、無線接続を問わない。例えば、センサ類は、ウェアラブルデバイスやワイヤレスデバイス等、端末装置10以外の検知装置であってもよい。図3に示す例では、センサ部20は、加速度センサ21と、ジャイロセンサ22と、気圧センサ23と、気温センサ24と、音センサ25と、光センサ26と、磁気センサ27と、画像センサ(カメラ)28とを備える。
なお、上記した各センサ21~28は、あくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、センサ部20は、各センサ21~28のうちの一部を備える構成であってもよいし、各センサ21~28に加えてあるいは代えて、湿度センサ等その他のセンサを備えてもよい。
加速度センサ21は、例えば、3軸加速度センサであり、端末装置10の移動方向、速度、及び、加速度等の端末装置10の物理的な動きを検知する。ジャイロセンサ22は、端末装置10の角速度等に基づいて3軸方向の傾き等の端末装置10の物理的な動きを検知する。気圧センサ23は、例えば端末装置10の周囲の気圧を検知する。
端末装置10は、上記した加速度センサ21やジャイロセンサ22、気圧センサ23等を備えることから、これらの各センサ21~23等を利用した歩行者自律航法(PDR:Pedestrian Dead-Reckoning)等の技術を用いて端末装置10の位置を測位することが可能になる。これにより、GPS等の測位システムでは取得することが困難な屋内での位置情報を取得することが可能になる。
例えば、加速度センサ21を利用した歩数計により、歩数や歩くスピード、歩いた距離を算出することができる。また、ジャイロセンサ22を利用して、利用者Uの進行方向や視線の方向、体の傾きを知ることができる。また、気圧センサ23で検知した気圧から、利用者Uの端末装置10が存在する高度やフロアの階数を知ることもできる。
気温センサ24は、例えば端末装置10の周囲の気温を検知する。音センサ25は、例えば端末装置10の周囲の音を検知する。光センサ26は、端末装置10の周囲の照度を検知する。磁気センサ27は、例えば端末装置10の周囲の地磁気を検知する。画像センサ28は、端末装置10の周囲の画像を撮像する。
上記した気圧センサ23、気温センサ24、音センサ25、光センサ26及び画像センサ28は、それぞれ気圧、気温、音、照度を検知したり、周囲の画像を撮像したりすることで、端末装置10の周囲の環境や状況等を検知することができる。また、端末装置10の周囲の環境や状況等から、端末装置10の位置情報の精度を向上させることが可能になる。
(制御部30)
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポート等を有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。また、制御部30は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等のハードウェアで構成されてもよい。制御部30は、送信部31と、受信部32と、処理部33とを有する。
(送信部31)
送信部31は、例えば入力部13を用いて利用者Uにより入力された各種情報や、端末装置10に搭載又は接続された各センサ21~28によって検知された各種情報、測位部14によって測位された端末装置10の位置情報等を、通信部11を介してサーバ装置100へ送信することができる。
(受信部32)
受信部32は、通信部11を介して、サーバ装置100から提供される各種情報や、サーバ装置100からの各種情報の要求を受信することができる。
(処理部33)
処理部33は、表示部12等を含め、端末装置10全体を制御する。例えば、処理部33は、送信部31によって送信される各種情報や、受信部32によって受信されたサーバ装置100からの各種情報を表示部12へ出力して表示させることができる。
(記憶部40)
記憶部40は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部40には、各種プログラムや各種データ等が記憶される。
〔4.サーバ装置の構成例〕
次に、図4を用いて、実施形態に係るサーバ装置100の構成について説明する。図4は、実施形態に係るサーバ装置100の構成例を示す図である。図4に示すように、サーバ装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。また、通信部110は、ネットワークN(図2参照)と有線又は無線で接続される。
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、HDD、SSD、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図4に示すように、記憶部120は、利用者情報データベース121と、履歴情報データベース122と、口座情報データベース123と、決済情報データベース124とを有する。
(利用者情報データベース121)
利用者情報データベース121は、利用者Uに関する利用者情報を記憶する。例えば、利用者情報データベース121は、利用者Uの属性等の種々の情報を記憶する。図5は、利用者情報データベース121の一例を示す図である。図5に示した例では、利用者情報データベース121は、「利用者ID(Identifier)」、「年齢」、「性別」、「自宅」、「勤務地」、「興味」といった項目を有する。
「利用者ID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。なお、「利用者ID」は、利用者Uの連絡先(電話番号、メールアドレス等)であってもよいし、利用者Uの端末装置10を識別するための識別情報であってもよい。
また、「年齢」は、利用者IDにより識別される利用者Uの年齢を示す。なお、「年齢」は、利用者Uの具体的な年齢(例えば35歳など)を示す情報であってもよいし、利用者Uの年代(例えば30代など)を示す情報であってもよい。あるいは、「年齢」は、利用者Uの生年月日を示す情報であってもよいし、利用者Uの世代(例えば80年代生まれなど)を示す情報であってもよい。また、「性別」は、利用者IDにより識別される利用者Uの性別を示す。
また、「自宅」は、利用者IDにより識別される利用者Uの自宅の位置情報を示す。なお、図5に示す例では、「自宅」は、「LC11」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「自宅」は、地域名や住所であってもよい。
また、「勤務地」は、利用者IDにより識別される利用者Uの勤務地(学生の場合は学校)の位置情報を示す。なお、図5に示す例では、「勤務地」は、「LC12」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「勤務地」は、地域名や住所であってもよい。
また、「興味」は、利用者IDにより識別される利用者Uの興味を示す。すなわち、「興味」は、利用者IDにより識別される利用者Uが関心の高い対象を示す。例えば、「興味」は、利用者Uが検索エンジンに入力して検索した検索クエリ(キーワード)等であってもよい。なお、図5に示す例では、「興味」は、各利用者Uに1つずつ図示するが、複数であってもよい。
例えば、図5に示す例において、利用者ID「U1」により識別される利用者Uの年齢は、「20代」であり、性別は、「男性」であることを示す。また、例えば、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、自宅が「LC11」であることを示す。また、例えば、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、勤務地が「LC12」であることを示す。また、例えば、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、「スポーツ」に興味があることを示す。
ここで、図5に示す例では、「U1」、「LC11」及び「LC12」といった抽象的な値を用いて図示するが、「U1」、「LC11」及び「LC12」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。以下、他の情報に関する図においても、抽象的な値を図示する場合がある。
なお、利用者情報データベース121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、利用者情報データベース121は、利用者Uの端末装置10に関する各種情報を記憶してもよい。また、利用者情報データベース121は、利用者Uのデモグラフィック(人口統計学的属性)、サイコグラフィック(心理学的属性)、ジオグラフィック(地理学的属性)、ベヘイビオラル(行動学的属性)等の属性に関する情報を記憶してもよい。例えば、利用者情報データベース121は、氏名、家族構成、出身地(地元)、職業、職位、収入、資格、居住形態(戸建、マンション等)、車の有無、通学・通勤時間、通学・通勤経路、定期券区間(駅、路線等)、利用頻度の高い駅(自宅・勤務地の最寄駅以外)、習い事(場所、時間帯等)、趣味、興味、ライフスタイル等の情報を記憶してもよい。
(履歴情報データベース122)
履歴情報データベース122は、利用者Uの行動を示す履歴情報(ログデータ)に関する各種情報を記憶する。図6は、履歴情報データベース122の一例を示す図である。図6に示した例では、履歴情報データベース122は、「利用者ID」、「位置履歴」、「検索履歴」、「閲覧履歴」、「購入履歴」、「投稿履歴」といった項目を有する。
「利用者ID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。また、「位置履歴」は、利用者Uの位置や移動の履歴である位置履歴を示す。また、「検索履歴」は、利用者Uが入力した検索クエリの履歴である検索履歴を示す。また、「閲覧履歴」は、利用者Uが閲覧したコンテンツの履歴である閲覧履歴を示す。また、「購入履歴」は、利用者Uによる購入の履歴である購入履歴を示す。また、「投稿履歴」は、利用者Uによる投稿の履歴である投稿履歴を示す。なお、「投稿履歴」は、利用者Uの所有物に関する質問を含んでいてもよい。
例えば、図6に示す例において、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、「位置履歴#1」の通りに移動し、「検索履歴#1」の通りに検索し、「閲覧履歴#1」の通りにコンテンツを閲覧し、「購入履歴#1」の通りに所定の店舗等で所定の商品等を購入し、「投稿履歴」の通りに投稿したことを示す。
ここで、図6に示す例では、「U1」、「位置履歴#1」、「検索履歴#1」、「閲覧履歴#1」、「購入履歴#1」及び「投稿履歴#1」といった抽象的な値を用いて図示するが、「U1」、「位置履歴#1」、「検索履歴#1」、「閲覧履歴#1」、「購入履歴#1」及び「投稿履歴#1」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。
なお、履歴情報データベース122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、履歴情報データベース122は、利用者Uの所定のサービスの利用履歴等を記憶してもよい。また、履歴情報データベース122は、利用者Uの実店舗の来店履歴又は施設の訪問履歴等を記憶してもよい。また、履歴情報データベース122は、利用者Uの端末装置10を用いた決済(電子決済)での決済履歴等を記憶してもよい。
(口座情報データベース123)
口座情報データベース123は、電子マネーの提供者Xが用途及び受益者を任意に指定可能な用途限定口座に関する各種情報を記憶する。図7は、口座情報データベース123の一例を示す図である。図7に示した例では、口座情報データベース123は、「利用者ID」、「提供者ID」、「用途」、「カードID」、「口座ID」、「残高」、「上限金額」、「有効期限」といった項目を有する。
「利用者ID」は、提供者Xから受益者として指定された利用者Uであって、共通プリペイドカード(用途限定口座)を利用可能な利用者Uを識別するための識別情報を示す。「提供者ID」は、共通プリペイドカード(用途限定口座)の用途及び受益者を指定し、共通プリペイドカード(用途限定口座)に入金(チャージ)する提供者Xを識別するための識別情報を示す。また、「用途」は、提供者Xから指定された共通プリペイドカード(用途限定口座)の用途を示す。なお、「用途」は、提供者Xから用途として指定された加盟店であって、共通プリペイドカード(用途限定口座)で決済可能な加盟店を識別するための識別情報であってもよい。
また、「カードID」は、利用者Uが保有する共通プリペイドカードを識別するための識別情報(共通プリペイドカードID)を示す。なお、「カードID」は、共通プリペイドカードに表示される2次元コードに関する情報を含んでいてもよい。また、「口座ID」は、共通プリペイドカードに紐づけられた用途限定口座を識別するための識別情報を示す。なお、「口座ID」は、複数の共通プリペイドカードに共通の用途限定口座を識別するための識別情報であってもよい。
また、「残高」は、共通プリペイドカード(用途限定口座)の残高を示す。用途限定口座の残高は、指定された用途(指定された加盟店での決済、指定された商品の購入又はサービスの利用)にのみ利用可能である。なお、「残高」は、用途限定口座から支払い可能な上限金額であってもよい。上限金額の場合は、利用者Uにより用途限定口座から実際に使用された金額(実費)を提供者Xに請求する形態としてもよい。また、「有効期限」は、用途限定口座に入金された電子マネーの有効期限を示す。例えば、有効期限は、年月日で示される。なお、有効期限は必須ではない。有効期限を設定した場合、期限内に使用されなかった電子マネー(残高)は利用者Uの用途限定口座から提供者Xの口座に移動させてもよい。
例えば、図7に示す例において、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、提供者ID「提供者#A」により識別される提供者Xが用途「用途#A」として指定した加盟店で利用可能なカードID「カード#A」により識別される共通プリペイドカードを保有し、当該共通プリペイドカードは口座ID「口座#A」に紐づけられており、入金(チャージ)された金額又は使用可能な上限金額は残高「2,000」円であり、有効期限「2022/4/21」まで使用可能であることを示す。
ここで、図7に示す例では、「U1」、「用途#A」、「カード#A」及び「口座#A」といった抽象的な値を用いて図示するが、「U1」、「用途#A」、「カード#A」及び「口座#A」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。
なお、口座情報データベース123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、口座情報データベース123は、用途限定口座とともに、通常の電子決済用の口座(通常口座)に関する情報を記憶してもよい。また、口座情報データベース123は、利用者Uのセグメントに関する情報を記憶してもよい。また、口座情報データベース123は、提供者X又は利用者Uにより選択・設定され、画面表示される共通プリペイドカードの画像やデザインに関する情報を記憶してもよい。また、口座情報データベース123は、利用者Uの共通プリペイドカード(用途限定口座)の残高の使用履歴等を記憶してもよい。また、口座情報データベース123は、利用者Uの共通プリペイドカード(用途限定口座)の残高の使用頻度等に応じた特典(ポイント、ボーナス、プレミアム等)に関する情報を記憶してもよい。
(決済情報データベース124)
決済情報データベース124は、端末装置10を用いた決済(電子決済)に関する各種情報を記憶する。図8は、決済情報データベース124の一例を示す図である。図8に示した例では、決済情報データベース124は、「利用者ID」、「店舗ID」、「取引対象ID」、「単価」、「数量」、「カードID」、「決済金額」といった項目を有する。
「利用者ID」は、端末装置10を用いた決済(電子決済)において共通プリペイドカードを利用した利用者Uを識別するための識別情報を示す。また、「店舗ID」は、端末装置10を用いた決済(電子決済)において共通プリペイドカードが利用された加盟店(店舗)を識別するための識別情報を示す。また、「取引対象ID」は、端末装置10を用いた決済(電子決済)において共通プリペイドカードの対象となる商品やサービス等の取引対象を識別するための識別情報を示す。また、「単価」は、共通プリペイドカードの対象となる商品やサービス等の取引対象の単価を示す。また、「数量」は、共通プリペイドカードの対象となる商品やサービス等の取引対象の数量を示す。すなわち、数量は、共通プリペイドカードの対象となる商品の個数(購入数)やサービスの利用回数等を示す。
また、「カードID」は、利用者Uが利用した共通プリペイドカードを識別するための識別情報を示す。また、「決済金額」は、端末装置10を用いた決済(電子決済)における決済金額であり、共通プリペイドカード(用途限定口座)の残高からの支払い金額を示す。なお、支払い金額に対する残高の不足分については、共通プリペイドカード(用途限定口座)への再チャージか、通常の電子決済での支払いかを選択できるようにしてもよい。
例えば、図8に示す例において、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、店舗ID「店舗#A」により識別される店舗で、取引対象ID「取引対象#A1」により識別される取引対象を、単価「1,200」円で数量「1」個だけ購入したことを示す。また、上記の利用者Uは、上記の取引対象に対して、カードID「カード#A」により識別される共通プリペイドカードの残高を決済金額「1,200」円だけ使用したことを示す。
ここで、図8に示す例では、「U1」、「店舗#A」、「取引対象#A1」及び「カード#A」といった抽象的な値を用いて図示するが、「U1」、「店舗#A」、「取引対象#A1」及び「カード#A」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。
なお、決済情報データベース124は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、決済情報データベース124は、利用者Uのセグメントに関する情報を記憶してもよい。また、決済情報データベース124は、端末装置10を用いた決済(電子決済)等の決済手段や決済事業者を識別するための識別情報等を記憶してもよい。また、決済情報データベース124は、端末装置10を用いた決済(電子決済)が行われた際の位置情報や時刻情報等を記憶してもよい。また、決済情報データベース124は、端末装置10を用いた決済(電子決済)に対して付与される特典(ポイント、ボーナス、プレミアム等)に関する情報を記憶してもよい。
さらに、履歴情報データベース122、口座情報データベース123及び決済情報データベース124は、利用者情報データベース121と連携していてもよいし、一体化していてもよい。例えば、利用者情報データベース121、履歴情報データベース122、口座情報データベース123及び決済情報データベース124は、リレーショナルデータベース(RDB:Relational Database)であってもよい。
(制御部130)
図4に戻り、説明を続ける。制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、サーバ装置100の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。図4に示す例では、制御部130は、取得部131と、管理部132と、決済処理部133と、推定部134と、提供部135とを有する。
(取得部131)
取得部131は、利用者Uにより入力された検索クエリを取得する。例えば、取得部131は、利用者Uが検索エンジン等に検索クエリを入力してキーワード検索を行った際に、通信部110を介して、当該検索クエリを取得する。すなわち、取得部131は、通信部110を介して、利用者Uにより検索エンジンやサイト又はアプリの検索窓に入力されたキーワードを取得する。
また、取得部131は、通信部110を介して、利用者Uに関する利用者情報を取得する。例えば、取得部131は、利用者Uの端末装置10から、利用者Uを示す識別情報(利用者ID等)や、利用者Uの位置情報、利用者Uの属性情報等を取得する。また、取得部131は、利用者Uのユーザ登録時に、利用者Uを示す識別情報や、利用者Uの属性情報等を取得してもよい。そして、取得部131は、利用者情報を、記憶部120の利用者情報データベース121に登録する。
また、取得部131は、通信部110を介して、利用者Uの行動を示す各種の履歴情報(ログデータ)を取得する。例えば、取得部131は、利用者Uの端末装置10から、あるいは利用者ID等に基づいて各種サーバ等から、利用者Uの行動を示す各種の履歴情報を取得する。そして、取得部131は、各種の履歴情報を、記憶部120の履歴情報データベース122に登録する。
また、取得部131は、通信部110を介して、提供者Xの提供者端末200から、利用者Uの端末装置10の決済アプリ内への共通プリペイドカードの発行要求、用途限定口座の設定要求(用途及び受益者の指定)、及びチャージ要求を受け付ける。すなわち、取得部131は、共通プリペイドカードの発行要求、用途限定口座の設定要求、及びチャージ要求を受け付ける受付部としても機能する。
(管理部132)
管理部132は、提供者Xの提供者端末200からの用途限定口座の設定要求に応じて、端末装置を用いた決済(電子決済)に利用可能な電子マネー口座として、用途を限定しない通常口座とは別に、用途を限定した用途限定口座を設定する。このとき、管理部132は、用途別に用途限定口座を設定する。例えば、管理部132は、指定された加盟店を決済対象とする用途限定口座を設定する。また、管理部132は、受益者である利用者ごとに用途限定口座を設定する。すなわち、管理部132は、用途限定口座を設定する設定部としても機能する。
本実施形態では、管理部132は、用途限定口座に関して、用途を指定する機能と、受益者を指定する機能とを有する。例えば、用途は、対象となる加盟店の店舗・施設や、対象となる加盟店が提供する商品・サービス等に対する決済である。受益者は、用途限定口座に入金(チャージ)された電子マネーを利用可能な利用者Uである。なお、受益者である利用者Uの指定は、利用者Uのユーザ属性や各種履歴に基づくセグメント等で指定してもよい。また、決済により電子マネーを受け取る加盟店等も受益者と言えなくもない。
また、管理部132は、提供者Xの提供者端末200からの共通プリペイドカードの発行要求に応じて、受益者である利用者Uの端末装置10の決済アプリ内に共通プリペイドカードを発行する。なお、実際には、管理部132は、提供者Xの提供者端末200からの共通プリペイドカードの発行要求を受けた後、受益者である利用者Uの端末装置10からの共通プリペイドカードの発行要求(又は発行希望等の明示の意思表示)があった場合に、要求元の利用者Uの端末装置10の決済アプリ内に共通プリペイドカードを発行するようにしてもよい。すなわち、管理部132は、決済アプリ内に共通プリペイドカードを発行する発行部としても機能する。
本実施形態では、管理部132は、端末装置10を用いた決済(電子決済)と連動する共通プリペイドカードを発行する。別の観点では、管理部132は、端末装置10を用いた決済(電子決済)において利用可能な共通プリペイドカードを発行する。例えば、管理部132は、対象となる加盟店を指定した共通プリペイドカードを発行する。なお、管理部132は、共通プリペイドカードを発行する際に、共通プリペイドカードと用途限定口座とを紐づける。
そして、管理部132は、端末装置10を用いた電子決済における通常の決済のための通常口座と、電子マネーの提供者Xが用途及び受益者を指定した用途限定口座とを個別に管理する。
本実施形態では、管理部132は、提供者Xからの用途及び受益者の指定に基づいて用途限定口座を開設し、提供者Xから用途限定口座への入金(チャージ)を受け付ける。
また、管理部132は、指定された受益者ごとに、提供者Xからの用途変更の指示に応じて、用途限定口座に設定された用途を変更する。
あるいは、管理部132は、提供者Xから受益者に対する用途限定口座から決済可能な上限金額の設定を受け付ける。
例えば、管理部132は、提供者Xである自治体が、用途として地域の加盟店の利用を指定し、受益者として地域住民を指定した用途限定口座を管理する。
また、管理部132は、電子マネーの提供者Xが複数の用途を指定した用途限定口座を、受益者が複数の用途に利用可能な共通プリペイドカードに紐づけて管理する。
また、管理部132は、選択又は設定に基づき、用途限定口座へのチャージ時に付与される特典について、即座に通常口座に付与、即座に用途限定口座に付与、後日に通常口座に付与、又は後日に用途限定口座に付与のいずれかを行う。
(決済処理部133)
決済処理部133は、指定された受益者が指定された用途での決済を行う際に、用途限定口座の残高を用いた決済を行う。
例えば、決済処理部133は、指定された受益者が指定された用途での決済を行う際に、通常口座の残高と、用途限定口座の残高とのいずれを用いた決済を行うかを受益者に選択させ、受益者により選択された口座の残高を用いた決済を行う。
あるいは、決済処理部133は、指定された受益者が指定された用途での決済を行う際に、通常口座よりも用途限定口座を優先し、自動的に用途限定口座の残高を用いた決済を行う。
また、決済処理部133は、用途限定口座の残高を用いた決済を行う際に、用途限定口座の残高が不足している場合、全額又は不足分について通常口座の残高を用いた決済を行う。
このとき、決済処理部133は、用途限定口座の残高を用いた決済を行う際に、用途限定口座の残高が不足している場合、不足分の電子マネーを通常口座の残高から用途限定口座に移動させ、用途限定口座の残高を用いた決済を行うようにしてもよい。
また、決済処理部133は、指定された受益者が指定された用途での決済を行う際に、該用途に対応した用途限定口座が複数ある場合、いずれの用途限定口座の残高を用いた決済を行うかを受益者に選択させ、受益者により選択された用途限定口座の残高を用いた決済を行う。
あるいは、決済処理部133は、指定された受益者が指定された用途での決済を行う際に、該用途に対応した用途限定口座が複数ある場合、複数の用途限定口座のうち所定の条件を満たす用途限定口座を自動的に選択し、選択された用途限定口座の残高を用いた決済を行う。
このとき、決済処理部133は、指定された受益者が指定された用途での決済を行う際に、該用途に対応した用途限定口座が複数あり、かつ、受益者により選択された用途限定口座の残高が不足している場合、全額又は不足分について該用途に対応した他の用途限定口座の残高を用いた決済を行うようにしてもよい。
あるいは、決済処理部133は、設定された上限金額の範囲内で受益者が用途限定口座から実際に決済に用いた金額を提供者Xに請求する。
また、決済処理部133は、複数の受益者が指定された用途での決済を行う際に、該用途に対応した同一の用途限定口座の残高を用いた決済を行う。
例えば、決済処理部133は、地域通貨又は地域振興券として、受益者である地域住民が用途である地域の加盟店の利用による決済を行う際に、用途限定口座の残高を用いた決済を行う。
また、決済処理部133は、受益者が複数の用途のいずれかの決済を行う際に共通プリペイドカードの利用の意思表示をした場合に、用途限定口座の残高を用いた決済を行う。
あるいは、決済処理部133は、管理部132が複数の用途限定口座を管理している場合、かつ、いずれの用途限定口座でも決済できる場合、優先度に応じていずれの用途限定口座で決済を行うかを決定する。
(推定部134)
推定部134は、利用者Uの属性情報や各種の履歴情報に基づいて、利用者Uに適した共通プリペイドカードを推定する。例えば、推定部134は、利用者Uの属性情報や履歴情報を入力すると利用者Uに適した共通プリペイドカードを示す情報を出力する共通プリペイドカード推定モデル(学習済モデル)を作成する。そして、推定部134は、利用者Uの属性情報や各種の履歴情報を共通プリペイドカード推定モデルに入力し、出力された情報に基づいて、利用者Uに適した共通プリペイドカードを推定する。
また、推定部134は、利用者Uの用途限定口座の残高の利用履歴に基づいて、利用者Uと共通プリペイドカード(用途限定口座)の残高の用途とについて学習し、利用者Uによる共通プリペイドカード(用途限定口座)の残高の主な用途を推定してもよい。なお、推定部134は、利用者ごと(個々の利用者U)に限らず、ユーザ属性や各種履歴に基づく利用者のセグメントと共通プリペイドカード(用途限定口座)の残高の用途とについて学習し、セグメントごとの共通プリペイドカード(用途限定口座)の残高の主な用途を推定してもよい。例えば、推定部134は、利用者Uと、共通プリペイドカード(用途限定口座)の残高が使用された曜日・時間帯及び支払先(加盟店)とについて学習し、利用者Uによる共通プリペイドカード(用途限定口座)の残高の使用頻度が高い曜日・時間帯及び支払先(加盟店)を推定してもよい。
例えば、推定部134は、RNN(Recurrent Neural Network)やLSTM(Long short-term memory)等を用いた機械学習により、利用者Uに適した共通プリペイドカード又は主な用途を推定する学習済モデルを作成する。なお、モデルは、任意の種別及び任意の形式のモデルが採用可能である。例えば、推定部134は、SVM(Support Vector Machine)やDNN(Deep Neural Network)をモデルとして採用してもよい。ここで、DNNは、CNN(Convolutional Neural Network)やRNNであってもよい。また、モデルは、例えば、CNNとRNNとを組み合わせたモデル等、複数のモデルを組み合わせることで実現されるモデルであってもよい。
なお、RNNやLSTMは、アテンション(Attention)の仕組みに基づくニューラルネットワークであってもよい。また、推定部134は、同様の自然言語処理モデルを用いてもよい。また、データマイニングやその他の機械学習アルゴリズムを利用してもよい。推定部134は、上述した各種の学習手法により、モデルの学習を行うことができる。
(提供部135)
提供部135は、通信部110を介して、提供者Xの提供者端末200に対して、推定部134により推定された利用者Uに適した共通プリペイドカードに関する情報を提供する。例えば、提供部135は、推定部134により推定された利用者Uに適した利用者Uに適した共通プリペイドカードの発行を、提供者Xに対してレコメンドする。あるいは、提供部135は、提供者Xの提供者端末200に対して、提供者Xが指定を希望する用途ごとに、使用頻度が高いと予想される受益者である利用者U(又はそのセグメント)に関する情報を提供する。
また、提供部135は、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10に対して、利用者Uに適した共通プリペイドカードに関する情報を提供する。例えば、提供部135は、推定部134により推定された利用者Uに適した共通プリペイドカードの取得を、利用者Uに対してレコメンドする。
なお、提供部135が利用者Uの端末装置10に対して利用者Uに適した共通プリペイドカードに関する情報を提供するタイミングは、利用者Uが共通プリペイドカードを利用可能な店舗に入店又はその店舗で決済したタイミングであってもよいし、利用者Uが共通プリペイドカードを利用可能な加盟店において所望の取引対象(商品、サービス)を所定の回数購入・利用したタイミングであってもよい。所定の回数は、1回でもよいし、複数回でもよい。
また、提供部135は、共通プリペイドカードの利用忘れ防止のために、所定のタイミングで、利用者Uが保有している共通プリペイドカードに関する情報を通知する。すなわち、提供部135は、共通プリペイドカードの利用を推奨するため、共通プリペイドカードの存在を通知する通知部としても機能する。
例えば、提供部135は、利用者Uの位置情報に基づいて、利用者Uの所在地の近隣の店舗や移動圏内の店舗等で利用可能な共通プリペイドカードを端末装置10に通知する。また、提供部135は、利用者Uが共通プリペイドカードを利用可能な店舗に入店した際に、その店舗で利用可能な共通プリペイドカードを端末装置10に通知する。
なお、実際には、提供部135は、端末装置10からの要求に応じて、利用者Uが保有している共通プリペイドカードに関する情報を通知するようにしてもよい。例えば、端末装置10は、利用者Uの加盟店への接近や入店、決済等を検知したときに、位置情報をサーバ装置100に通知する。そして、サーバ装置100の提供部135は、端末装置10からの位置情報に応じて当該加盟店を特定し、当該加盟店で利用可能な共通プリペイドカードに関する情報を端末装置10に通知する。
また、提供部135は、通信部110を介して、利用者Uの共通プリペイドカード(用途限定口座)の残高の利用履歴を、共通プリペイドカード(用途限定口座)に入金した提供者Xの提供者端末200に通知するようにしてもよい。すなわち、提供部135は、提供者Xが利用者Uの共通プリペイドカード(用途限定口座)に入金した電子マネーがどのように使用されたかを示す情報を提供者Xの提供者端末200に通知してもよい。例えば、提供部135は、利用者Uが共通プリペイドカード(用途限定口座)の残高から支払いを行った店舗・施設、支払いを行った商品・サービス、及び支払いを行った日時・時間帯等に関する情報を提供者Xの提供者端末200に通知してもよい。また、提供部135は、利用者ごとに、又はユーザ属性や各種履歴に基づく利用者のセグメントごとに、これらの情報を集計してもよい。これにより、共通プリペイドカード(用途限定口座)やそれに入金した電子マネーの利用の実態把握や、入金による効果測定を行うことが可能になる。
〔5.処理手順〕
次に、図9を用いて実施形態に係るサーバ装置100による処理手順について説明する。図9は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、サーバ装置100の制御部130によって繰り返し実行される。
例えば、サーバ装置100の取得部131は、通信部110を介して、提供者Xの提供者端末200から、提供予定の電子マネーの用途及び受益者の指定を受け付ける(ステップS101)。
続いて、サーバ装置100の管理部132は、提供者Xの提供者端末200からの用途及び受益者の指定に応じて、受益者である利用者Uの端末装置10の決済アプリ用の電子マネー口座として、通常口座とは別に、用途を限定した用途限定口座を設定する(ステップS102)。
続いて、サーバ装置100の管理部132は、用途限定口座に紐づけた多目的の共通プリペイドカードを発行する(ステップS103)。
続いて、サーバ装置100の取得部131は、通信部110を介して、提供者Xの提供者端末200から、用途限定口座への入金(チャージ)の指示を受け付ける(ステップS104)。
なお、実際には、取得部131は、上記ステップS101の用途及び受益者の指定と同時に、用途限定口座への入金(チャージ)の指示を受け付けてもよい。また、用途限定口座の開設後は、自由に用途限定口座への入金(チャージ)を行うことが可能である。また、提供者Xに限らず、受益者である利用者Uも用途限定口座への入金(チャージ)を行うことが可能である。
続いて、サーバ装置100の取得部131は、通信部110を介して、用途として指定された加盟店の店舗端末(レジ等)から、受益者である利用者Uが端末装置10の決済アプリを用いて行った決済に関する決済情報の送付を受け付ける(ステップS105)。
続いて、サーバ装置100の決済処理部133は、受け付けた決済情報に基づいて、用途として指定された加盟店での決済と判断した場合には、用途限定口座の残高を用いて決済処理を行う(ステップS106)。
なお、用途限定口座の残高を用いた決済処理の実施は、受益者である利用者Uが用途として指定された店舗での決済時に共通プリペイドカードを提示した場合であってもよいし、対象となる決済について自動適用してもよい。
続いて、サーバ装置100の提供部135は、用途限定口座の残高の利用履歴(決済履歴)や、決済情報の集計及び分析の結果を、通信部110を介して、提供者Xの提供者端末200に通知する(ステップS107)。
続いて、サーバ装置100の取得部131は、通信部110を介して、提供者Xの提供者端末200から、用途限定口座の用途変更の要求を受け付ける(ステップS108)。
続いて、サーバ装置100の管理部132は、提供者Xの提供者端末200からの用途限定口座の用途変更の要求に応じて、用途限定口座の用途を変更する(ステップS109)。
〔6.変形例〕
上述した端末装置10及びサーバ装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、実施形態の変形例について説明する。
上記の実施形態において、サーバ装置100が実行している処理の一部又は全部は、実際には、端末装置10が実行してもよい。例えば、スタンドアローン(Stand-alone)で(端末装置10単体で)処理が完結してもよい。この場合、端末装置10に、上記の実施形態におけるサーバ装置100の機能が備わっているものとする。また、上記の実施形態では、端末装置10はサーバ装置100と連携しているため、利用者Uから見れば、サーバ装置100の処理も端末装置10が実行しているように見える。すなわち、他の観点では、端末装置10は、サーバ装置100を備えているともいえる。
また、上記の実施形態において、端末装置10(又はサーバ装置100)は、利用者Uが保有するプリペイドカードの一覧を表示する際に、随時、自動的に、利用者Uが保有するプリペイドカードを、使用頻度の高い順や、入金された電子マネーの有効期限の近い順にソート(並び替え)してもよい。あるいは、端末装置10は、利用者Uの操作に応じて、利用者Uが保有するプリペイドカードをソート(並び替え)してもよい。
また、上記の実施形態において、端末装置10(又はサーバ装置100)は、最後に利用された時から入金(チャージ)も使用もされないまま所定期間が経過した共通プリペイドカード(用途限定口座)が存在する場合、その共通プリペイドカード(用途限定口座)の存在を保有者である利用者Uに通知してもよい。
また、上記の実施形態において、端末装置10(又はサーバ装置100)は、共通プリペイドカード(用途限定口座)の残高が所定金額未満(又は0)であり、最後に利用された時から入金(チャージ)も使用もされないまま所定期間が経過した場合、その共通プリペイドカード(用途限定口座)を自動的に削除するようにしてもよい。
また、上記の実施形態において、端末装置10(又はサーバ装置100)は、利用者Uが共通プリペイドカード(用途限定口座)を選択又は表示した際に、その共通プリペイドカード(用途限定口座)を利用可能な加盟店の位置を地図上に表示してもよい。
また、上記の実施形態において、サーバ装置100は、利用者Uが共通プリペイドカードの発行を要求した際に、共通プリペイドカードを発行するようにしてもよい。あるいは、サーバ装置100は、利用者Uが共通プリペイドカードを購入/取得した際に、利用者Uが受益者になったと判断し、共通プリペイドカードを発行してもよい。
また、上記の実施形態において、共通プリペイドカード(又はその残高)は、個人間送金でギフトとしてプレゼントできるようにしてもよい。この場合、利用者Uは、端末装置10を用いて、共通プリペイドカードをギフト(プレゼント)として他人に贈ることができる。なお、贈り先となる他人は、利用者Uと同じく、共通プリペイドカードに入金(チャージ)した電子マネーの提供者Xにより指定された受益者に限定してもよい。また、サーバ装置100は、利用者Uの共通プリペイドカードが他人に贈られた場合、その旨を提供者Xの提供者端末200に通知してもよい。あるいは、サーバ装置100は、利用者Uの共通プリペイドカードが他人に贈られる際に、提供者Xの提供者端末200に対して、利用者Uから他人への共通プリペイドカードの贈与の許可を求める(問い合わせる)ようにして、提供者Xから許可された場合にのみ、利用者Uから他人への共通プリペイドカードの贈与を行うようにしてもよい。
例えば、利用者Uが、端末装置10を操作し、自身が保有する共通プリペイドカードの一覧を表示する画面において、共通プリペイドカードごとに表示された「ギフト」のボタンを押すことで、決済アプリの個人間送金機能を利用して、他の利用者に共通プリペイドカードをギフトとしてプレゼントできる。なお、共通プリペイドカードをプレゼントされた際に、既に当該共通プリペイドカードを保有している場合には、プレゼントされた共通プリペイドカードのチャージ分の金額が、既に保有している共通プリペイドカードにチャージされる。このとき、共通プリペイドカードをプレゼントされた側の端末装置10には、共通プリペイドカードがプレゼントされた旨と、贈り主に関する情報が表示される。例えば、プレゼントされた側の端末装置10は、「〇〇さんから、□□の共通プリペイドカード××円分がプレゼントされました。」のようなメッセージを表示する。
〔7.効果〕
上述してきたように、本願に係る情報処理装置(端末装置10及びサーバ装置100)は、端末装置10を用いた電子決済における通常の決済のための通常口座と、電子マネーの提供者Xが用途及び受益者を指定した用途限定口座とを管理する管理部132と、指定された受益者が指定された用途での決済を行う際に、用途限定口座の残高を用いた決済を行う決済処理部133と、を備えることを特徴とする。
管理部132は、提供者Xからの用途及び受益者の指定に基づいて用途限定口座を開設し、提供者Xから用途限定口座へのチャージを受け付ける。
管理部132は、指定された受益者ごとに、提供者Xからの用途変更の指示に応じて、用途限定口座に設定された用途を変更する。
管理部132は、提供者Xから受益者に対する用途限定口座から決済可能な上限金額の設定を受け付ける。決済処理部133は、上限金額の範囲内で受益者が用途限定口座から実際に決済に用いた金額を提供者Xに請求する。
決済処理部133は、指定された受益者が指定された用途での決済を行う際に、通常口座の残高と、用途限定口座の残高とのいずれを用いた決済を行うかを受益者に選択させ、受益者により選択された口座の残高を用いた決済を行う。
決済処理部133は、指定された受益者が指定された用途での決済を行う際に、通常口座よりも用途限定口座を優先し、自動的に用途限定口座の残高を用いた決済を行う。
決済処理部133は、用途限定口座の残高を用いた決済を行う際に、用途限定口座の残高が不足している場合、全額又は不足分について通常口座の残高を用いた決済を行う。
決済処理部133は、用途限定口座の残高を用いた決済を行う際に、用途限定口座の残高が不足している場合、不足分の電子マネーを通常口座の残高から用途限定口座に移動させ、用途限定口座の残高を用いた決済を行う。
決済処理部133は、指定された受益者が指定された用途での決済を行う際に、該用途に対応した用途限定口座が複数ある場合、いずれの用途限定口座の残高を用いた決済を行うかを受益者に選択させ、受益者により選択された用途限定口座の残高を用いた決済を行う。
決済処理部133は、指定された受益者が指定された用途での決済を行う際に、該用途に対応した用途限定口座が複数ある場合、複数の用途限定口座のうち所定の条件を満たす用途限定口座を自動的に選択し、選択された用途限定口座の残高を用いた決済を行う。
決済処理部133は、指定された受益者が指定された用途での決済を行う際に、該用途に対応した用途限定口座が複数あり、かつ、受益者により選択された用途限定口座の残高が不足している場合、全額又は不足分について該用途に対応した他の用途限定口座の残高を用いた決済を行う。
決済処理部133は、複数の受益者が指定された用途での決済を行う際に、該用途に対応した同一の用途限定口座の残高を用いた決済を行う。
管理部132は、提供者Xである自治体が、用途として地域の加盟店の利用を指定し、受益者として地域住民を指定した用途限定口座を管理する。決済処理部133は、地域通貨又は地域振興券として、受益者である地域住民が用途である地域の加盟店の利用による決済を行う際に、用途限定口座の残高を用いた決済を行う。
管理部132は、電子マネーの提供者Xが複数の用途を指定した用途限定口座を、受益者が複数の用途に利用可能な共通プリペイドカードに紐づけて管理する。決済処理部133は、受益者が複数の用途のいずれかの決済を行う際に共通プリペイドカードの利用の意思表示をした場合に、用途限定口座の残高を用いた決済を行う。
管理部132は、選択又は設定に基づき、用途限定口座へのチャージ時に付与される特典について、即座に通常口座に付与、即座に用途限定口座に付与、後日に通常口座に付与、又は後日に用途限定口座に付与のいずれかを行う。
決済処理部133は、管理部132が複数の用途限定口座を管理している場合、かつ、いずれの用途限定口座でも決済できる場合、優先度に応じていずれの用途限定口座で決済を行うかを決定する。
上述した各処理のいずれかもしくは組合せにより、本願に係る情報処理装置は、決済アプリ内で利用可能なプリペイドカードとして、用途及び受益者を任意に指定可能な多目的の共通プリペイドカードを実現することができる。
〔8.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る端末装置10やサーバ装置100は、例えば図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、サーバ装置100を例に挙げて説明する。図10は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力I/F(Interface)1060、入力I/F1070、ネットワークI/F1080がバス1090により接続された形態を有する。
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。演算装置1030は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等により実現される。
一次記憶装置1040は、RAM(Random Access Memory)等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。二次記憶装置1050は、内蔵ストレージであってもよいし、外付けストレージであってもよい。また、二次記憶装置1050は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)メモリカード等の取り外し可能な記憶媒体であってもよい。また、二次記憶装置1050は、クラウドストレージ(オンラインストレージ)やNAS(Network Attached Storage)、ファイルサーバ等であってもよい。
出力I/F1060は、ディスプレイ、プロジェクタ、及びプリンタ等といった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力I/F1070は、マウス、キーボード、キーパッド、ボタン、及びスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェースであり、例えば、USB等により実現される。
また、出力I/F1060及び入力I/F1070はそれぞれ出力装置1010及び入力装置1020と無線で接続してもよい。すなわち、出力装置1010及び入力装置1020は、ワイヤレス機器であってもよい。
また、出力装置1010及び入力装置1020は、タッチパネルのように一体化していてもよい。この場合、出力I/F1060及び入力I/F1070も、入出力I/Fとして一体化していてもよい。
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、又は半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。
ネットワークI/F1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
演算装置1030は、出力I/F1060や入力I/F1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
例えば、コンピュータ1000がサーバ装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器から取得したプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行してもよい。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器と連携し、プログラムの機能やデータ等を他の機器の他のプログラムから呼び出して利用してもよい。
〔9.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
例えば、上述したサーバ装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。