JP7431323B2 - スクロールケーシングおよび遠心圧縮機 - Google Patents

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Description

本開示は、スクロールケーシング、および該スクロールケーシングを備える遠心圧縮機に関する。
車両用又は舶用のターボチャージャのコンプレッサ部などに用いられる遠心圧縮機は、インペラの回転によって流体に運動エネルギを与えて径方向の外側に流体を吐出し、遠心力を利用して流体の圧力上昇を得るものである。かかる遠心圧縮機には、広い運転範囲において高圧力比と高効率化が求められており、種々の工夫が施されている。
一般的には、遠心圧縮機は、インペラを回転可能に収容するスクロールケーシングを備える。このスクロールケーシングは、渦巻状のスクロール流路を形成するスクロール部と、インペラを通過した流体をスクロール流路に導くためのディフューザ流路を形成するディフューザ部と、を備える(例えば、特許文献1)。
国際公開第2018/179112号
図14および図15の夫々は、比較例にかかる遠心圧縮機のスクロールケーシング03のディフューザ部04およびスクロール部05の形状を説明するための説明図である。図14および図15に示されるように、スクロール部05は、スクロール流路050を画定する内周面051を有する。内周面051は、ディフューザ流路040のハブ側流路面042との接続位置である始端位置P01から一方向UD側に延び、始端位置P01とは反対側の端位置である終端位置P02までに亘り延在する円弧状に形成されている。スクロールケーシング03は、終端位置P02を含む内周面051と、ディフューザ流路040のシュラウド側流路面041と、を含むディフューザ出口顎部054を有する。ディフューザ流路040の出口からスクロール流路050内に流れ込んだ流体は、旋回速度成分を有するので、内周面051に沿って一方向UD側に向かって流れる旋回流SFを形成する。このようなスクロール流路050では、内周面051に沿って流れた旋回流SFと、ディフューザ流路040の出口からスクロール流路050内に流れ込むディフューザ流路の出口流れDFと、がディフューザ出口顎部054の下流側で合流する。
本発明者の知見では、図14に示されるように、ディフューザ出口顎部054の厚さT、すなわち、ディフューザ流路040のシュラウド側流路面041の下流端043と終端位置P02との間の軸方向に沿った長さT、が大きいと、ディフューザ出口顎部054の直ぐ下流の位置にディフューザ出口顎部054の厚さTに対応してウェークと呼ばれる低流速の領域WAが発生する虞がある。ウェークが大きいと、旋回流SFのウェーク損失が増大するため、遠心圧縮機の効率低下を招く虞がある。
ウェーク損失を抑制するために、図15に示されるように、ディフューザ出口顎部054の厚さTを小さなものにすると、旋回流SFのディフューザ流路040の出口流れDFに対する流れ角度の差が大きくなるため、旋回流SFと出口流れDFとの干渉により、出口流れDFの少なくとも一部が閉塞される。出口流れDFの少なくとも一部が閉塞されると、ディフューザ流路040内を通過する流体の抵抗が増大し、ディフューザ失速が誘起される虞がある。ディフューザ失速が誘起されると、遠心圧縮機の効率が極端に低下するとともに、ディフューザ失速に起因したサージが誘起され、遠心圧縮機の作動レンジが縮小する虞がある。また、ディフューザ出口顎部054の厚さTが小さすぎると、ディフューザ出口顎部054の欠けが生じる虞があるため好ましくない。
上述した事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態の目的は、遠心圧縮機の効率低下や作動レンジの縮小化を抑制できるスクロールケーシングおよび遠心圧縮機を提供することにある。
本開示にかかるスクロールケーシングは、
遠心圧縮機のスクロールケーシングであって、
前記遠心圧縮機のディフューザ流路を形成するディフューザ部と、
前記遠心圧縮機のスクロール流路を形成するスクロール部と、を備え、
前記遠心圧縮機の軸方向に沿った前記ディフューザ流路の流路幅をTa、
前記スクロール部の内周面における前記ディフューザ流路のハブ側流路面との接続位置である始端位置から、前記内周面における前記始端位置とは反対側の端位置である終端位置に接する仮想円弧までの最短距離をTb、と定義し、
前記スクロール流路におけるスクロール中心周りの角度位置について、前記スクロール流路の巻き始めと巻き終わりの合流位置を60度とし、前記合流位置から前記スクロール流路の下流側に向かって徐々に角度が大きくなるように角度位置を定義した場合に、
前記角度位置が180度から360度に亘る範囲において、Tb/Ta≧1.0の関係を満たす。
本開示にかかる遠心圧縮機は、前記スクロールケーシングを備える。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、遠心圧縮機の効率低下や作動レンジの縮小化を抑制できるスクロールケーシングおよび遠心圧縮機が提供される。
一実施形態にかかる遠心圧縮機を備えるターボチャージャの構成を説明するための説明図である。 一実施形態にかかる遠心圧縮機を備えるターボチャージャのコンプレッサ側を概略的に示す概略断面図であって、遠心圧縮機の軸線を含む概略断面図である。 一実施形態にかかるスクロールケーシングのディフューザ部およびスクロール部の形状を説明するための説明図である。 一実施形態にかかるスクロールケーシングのディフューザ部およびスクロール部の形状を説明するための説明図である。 一実施形態にかかるスクロールケーシングのディフューザ部およびスクロール部の形状を説明するための説明図である。 一実施形態にかかるスクロールケーシングのディフューザ部およびスクロール部の形状を説明するための説明図である。 一実施形態にかかる遠心圧縮機の軸方向視におけるスクロール流路の概略図である。 一実施形態にかかるスクロールケーシングを説明するための説明図であって、スクロール流路における角度位置と距離比Tb/Taとの関係を示した説明図である。 一実施形態にかかるスクロールケーシングのディフューザ部およびスクロール部の形状を説明するための説明図である。 一実施形態にかかるスクロールケーシングを説明するための説明図であって、スクロール流路における角度位置と交差角αとの関係を示した説明図である。 一実施形態にかかる遠心圧縮機の軸方向視におけるスクロール流路の概略図である。 一実施形態にかかるスクロールケーシングの角度位置θ1、θ2におけるディフューザ部およびスクロール部の形状を説明するための説明図である。 一実施形態にかかるスクロールケーシングの角度位置θ3、θ4におけるディフューザ部およびスクロール部の形状を説明するための説明図である。 比較例にかかるスクロールケーシングのディフューザ部およびスクロール部の形状を説明するための説明図である。 比較例にかかるスクロールケーシングのディフューザ部およびスクロール部の形状を説明するための説明図である。
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、同様の構成については同じ符号を付し説明を省略することがある。
(遠心圧縮機、ターボチャージャ)
図1は、一実施形態にかかる遠心圧縮機を備えるターボチャージャの構成を説明するための説明図である。図2は、一実施形態にかかる遠心圧縮機を備えるターボチャージャのコンプレッサ側を概略的に示す概略断面図であって、遠心圧縮機の軸線を含む概略断面図である。
本開示の幾つかの実施形態にかかる遠心圧縮機1は、図1、2に示されるように、インペラ2と、インペラ2を回転可能に収容するように構成されたスクロールケーシング3と、を備える。スクロールケーシング3は、図2に示されるように、遠心圧縮機1のディフューザ流路40を形成するディフューザ部4と、遠心圧縮機1のスクロール流路50を形成するスクロール部5と、を少なくとも備える。ディフューザ流路40は、インペラ2を通過した流体を、インペラ2の周囲に設けられた渦巻状のスクロール流路50に導くための流路である。
遠心圧縮機1は、例えば、自動車用、舶用又は発電用のターボチャージャ10や、その他産業用遠心圧縮機、送風機などに適用可能である。図示される実施形態では、遠心圧縮機1は、ターボチャージャ10に搭載される。ターボチャージャ10は、図1に示されるように、遠心圧縮機1と、タービン11と、回転シャフト12と、を備える。タービン11は、回転シャフト12を介してインペラ2に機械的に連結されたタービンロータ13と、タービンロータ13を回転可能に収容するタービンケーシング14と、を備える。
図示される実施形態では、ターボチャージャ10は、図1に示されるように、回転シャフト12を回転可能に支持する軸受15と、軸受15を収容するように構成された軸受ケーシング16と、をさらに備える。軸受ケーシング16は、スクロールケーシング3とタービンケーシング14との間に配置され、例えば締結ボルトなどの締結部材により、スクロールケーシング3やタービンケーシング14に機械的に連結されている。
以下、例えば図1に示されるように、遠心圧縮機1の軸線CA、すなわち、インペラ2の軸線が延在する方向を軸方向Xとし、軸線CAに直交する方向を径方向Yとする。軸方向Xのうち、遠心圧縮機1の吸入方向における上流側、すなわち、インペラ2に対して流体導入口31が位置する側(図中左側)を前側XFとする。また、軸方向Xのうち、遠心圧縮機1の吸入方向における下流側、すなわち、流体導入口31に対してインペラ2が位置する側(図中右側)を後側XRとする。
図示される実施形態では、図1に示されるように、スクロールケーシング3は、スクロールケーシング3の外部から流体(例えば、空気)を導入するための流体導入口31と、インペラ2およびスクロール流路50を通過した流体をスクロールケーシング3の外部に排出するための流体排出口32と、が形成されている。タービンケーシング14は、タービンケーシング14の内部に排ガスを導入する排ガス導入口141と、タービンロータ13を通過した排ガスをタービンケーシング14の外部に排出するための排ガス排出口142と、が形成されている。
回転シャフト12は、図1に示されるように、軸方向Xに沿って長手方向を有する。回転シャフト12は、その長手方向の一方側(前側XF)にインペラ2が機械的に連結されており、その長手方向の他方側(後側XR)にタービンロータ13が機械的に連結されている。なお、本開示における「或る方向に沿って」とは、或る方向だけでなく、或る方向に対して傾斜する方向をも含むものである。
ターボチャージャ10は、不図示の排ガス発生装置(例えば、エンジンなどの内燃機関)から排ガス導入口141を通って、タービンケーシング14の内部に導入された排ガスにより、タービンロータ13を回転させる。インペラ2は、回転シャフト12を介してタービンロータ13に機械的に連結されているので、タービンロータ13の回転に連動して回転する。ターボチャージャ10は、インペラ2を回転させることにより、流体導入口31を通って、スクロールケーシング3の内部に導入された流体を圧縮し、流体排出口32を通じて流体の供給先(例えば、エンジンなどの内燃機関)に送るようになっている。
(インペラ)
インペラ2は、図2に示されるように、ハブ21と、ハブ21の外面22に設けられた複数のインペラ翼23と、を含む。ハブ21は、回転シャフト12の一方側に機械的に固定されているため、ハブ21や複数のインペラ翼23は、インペラ2の軸線CAを中心として回転シャフト12と一体的に回転可能に設けられている。インペラ2は、軸方向Xの前側XFから導入される流体を径方向Yにおける外側に導くように構成されている。図示される実施形態では、複数のインペラ翼23の夫々は、軸線CA周りの周方向に互いに間隔を開けて配置されている。複数のインペラ翼23の先端24は、先端24に対向するように凸状に湾曲するシュラウド面61との間に隙間(クリアランス)が形成されている。
(スクロールケーシング)
図示される実施形態では、スクロールケーシング3は、図2に示されるように、スクロールケーシング3の外部からインペラ2に流体を導くための吸気流路70を形成する吸気流路部7と、シュラウド面61を有するシュラウド部6と、インペラ2を通過した流体をスクロールケーシング3の外部へ導くための上述したスクロール流路50を形成するスクロール部5と、を有する。
吸気流路70およびディフューザ流路40、スクロール流路50の夫々は、スクロールケーシング3の内部に形成されている。スクロール流路50は、インペラ2に対して径方向における外側に位置している。吸気流路部7は、吸気流路70を形成する内壁面71であって、軸方向Xに沿って延在する内壁面71を有する。内壁面71の前側XF端には、上述した流体導入口31が形成されている。スクロール部5は、スクロール流路50を形成する内周面51を有する。
ディフューザ部4は、ディフューザ流路40の前側XF部分を形成するシュラウド側流路面41と、シュラウド側流路面41よりも後側XRにシュラウド側流路面41に対向して設けられるハブ側流路面42であって、ディフューザ流路40の後側XR部分を形成するハブ側流路面42と、を有する。図2に示されるような軸線CAに沿った断面において、シュラウド側流路面41およびハブ側流路面42の夫々は、軸線CAに交差(図示例では直交)する方向に沿って延在している。
上述したディフューザ部4は、シュラウド部6とスクロール部5との間に設けられる。図示される実施形態では、スクロールケーシング3は、その内部にインペラ2を収容するインペラ室60が形成されている。シュラウド面61は、インペラ室60の前側XF部分を形成している。スクロールケーシング3は、シュラウド面61に対して後側XRに位置し、且つインペラ室60の後側XR部分を形成するインペラ室形成面33を有する。
ディフューザ流路40の入口は、インペラ室60に連通し、ディフューザ流路40の出口は、スクロール流路50に連通している。図示される実施形態では、シュラウド側流路面41の上流端は、シュラウド面61の下流端に滑らかに接続している。ハブ側流路面42の上流端は、インペラ室形成面33の外周端に段差面34を介して接続され、ハブ側流路面42の下流端は、スクロール部5の内周面51の一端に滑らかに接続している。
流体導入口31からスクロールケーシング3の内部に導入された流体は、吸気流路70を後側XRに向かって流れた後に、インペラ2(インペラ室60)に導かれる。インペラ2を通過した流体は、ディフューザ流路40およびスクロール流路50をこの順に流れた後に、流体排出口32からスクロールケーシング3の外部に排出される。
(距離比Tb/Ta)
図3~図6の夫々は、一実施形態にかかるスクロールケーシングのディフューザ部およびスクロール部の形状を説明するための説明図である。図3~図6では、遠心圧縮機1の軸線CAに沿った断面を概略的に示している。
図3~図6に示されるように、遠心圧縮機1の軸方向Xに沿ったディフューザ流路40の流路幅をTa、スクロール部5の内周面51におけるディフューザ流路40のハブ側流路面42との接続位置である始端位置P1から、内周面51における始端位置P1とは反対側の端位置である終端位置P2に接する仮想円弧VCまでの最短距離をTb、と定義する。なお、最短距離Tbは、始端位置P1から前側XFに向かう向きを正とし、始端位置P1から後側XRに向かう向きを負とする。
始端位置P1は、内周面51において、軸方向Xにおける後側XR端であって、曲率半径が無限大(直線)から有限のものに変化する位置である。また、終端位置P2は、始端位置P1よりも一方向UD側に位置している。ここで、一方向UDは、遠心圧縮機1の軸線CAに沿って断面における、スクロール流路50の中心SCを中心とする反時計回り方向(中心SCよりも径方向Yにおける外側では、中心SC回りの周方向において後側XRから前側XFに向かい、中心SCよりも径方向Yにおける内側では、中心SC回りの周方向において前側XFから後側XRに向かう方向)であり、一方向UD側は、その下流側である。
図3~図6に示される実施形態では、遠心圧縮機1の軸線CAに沿った断面において、内周面51は、始端位置P1から一方向UD側に延在する第1円弧部52と、第1円弧部52よりも一方向UD側に形成された第2円弧部53であって、少なくとも終端位置P2を含む第2円弧部53と、を含む。図3~図6では、第1円弧部52を一点鎖線で示している。第1円弧部52は、一方向UDにおける上流端から下流端までに亘りその曲率半径R1が一定になるように形成されている。また、第2円弧部53は、一方向UDにおける上流端から下流端までに亘りその曲率半径R2が一定になるように形成されている。仮想円弧VCは、終端位置P2を含む第2円弧部53に接しており、その曲率半径R0が曲率半径R2と同じになっている。第2円弧部53は、第1円弧部52の下流端との接続位置P3において、第1円弧部52の下流端にその上流端が滑らかに接続するように形成されている。
なお、内周面51の形状は、図示される実施形態に限定されない。例えば、内周面51は、一方向UD側に向かうに連れてその曲率が連続的に減少するように形成されていてもよい。
図3~図6に示されるように、スクロールケーシング3には、終端位置P2を含む第2円弧部53(内周面51)と、ディフューザ流路40のシュラウド側流路面41と、を含むディフューザ出口顎部54が形成されている。図示される実施形態では、ディフューザ出口顎部54は、軸方向Xに沿った長さTを有する内壁面55をさらに含む。内壁面55は、終端位置P2において第2円弧部53の下流端にその一端が接続され、その他端がシュラウド側流路面41の下流端43に接続されている。なお、図示される実施形態では、内壁面55は、遠心圧縮機1の軸線CAに沿った断面において、軸方向に沿って直線状に延在しているが、内壁面55はこの形状に限定されない。内壁面55は、例えば、径方向における外側に向かって凸状に湾曲したりしてもよい。また、ディフューザ流路40の流路幅が一定でない場合には、ディフューザ流路40の流路幅Taとして、シュラウド側流路面41の下流端43を含むディフューザ流路40の出口(スクロール流路50との連通口)44における流路幅を採用してもよい。
図3~図6に示されるように、ディフューザ流路40の出口からスクロール流路50内に流れ込んだ流体は、旋回速度成分を有するので、内周面51に沿って一方向UD側に向かって流れる旋回流SFを形成する。このような旋回流SFは、第1円弧部52および第2円弧部53に沿って流れた後に、ディフューザ出口顎部54の下流側において、ディフューザ流路40の出口からスクロール流路50内に流れ込むディフューザ流路40の出口流れDFに合流する。
旋回流SFは、ディフューザ出口顎部54の下流側において、仮想円弧VCに沿って流れる。図3に示されるスクロールケーシング3の断面形状は、Tb/Ta=1.0の条件を満たす。図4に示されるスクロールケーシング3の断面形状は、Tb/Ta=1.5の条件を満たす。図3、図4に示されるように、Tb/Ta≧1.0の場合には、ディフューザ出口顎部54の下流側における旋回流SFは、出口流れDFに対する傾斜角度を緩やかにできるため、出口流れDFとの合流部における旋回流SFと出口流れDFとの干渉を効果的に抑制できる。なお、Tb/Taの値が1.0よりも大きくなるにつれて、ディフューザ出口顎部の厚さTが大きくなるので、スクロール流路50におけるディフューザ出口顎部54の直ぐ下流側の位置にウェークと呼ばれる低流速の領域WAが発生する可能性が高まる。ウェークが大きいと、旋回流SFのウェーク損失が増大するため、遠心圧縮機1の効率低下を招く虞がある。このため、旋回流SFのウェーク損失を抑制するためには、Tb/Taの値を1.0よりも大きくし過ぎないことが好ましい。スクロールケーシング3は、Tb/Ta≦1.75の関係を満たすことが好ましく、Tb/Ta≦1.60の関係を満たすことがさらに好ましい。
図5に示されるスクロールケーシング3の断面形状は、Tb/Ta=0.5の条件を満たす。図6に示されるスクロールケーシング3の断面形状は、Tb/Ta<0の条件を満たす。図5および図6に示されるように、Tb/Taの値が1.0よりも小さくなるにつれて、ディフューザ出口顎部54の下流側における旋回流SFと、スクロール流路50内に流れ込むディフューザ流路40の出口流れDFと、が干渉する度合いが大きくなり、ディフューザ流路40の出口流れDFが閉塞する度合いが大きくなる。図5では、ディフューザ出口顎部54の下流側における旋回流SFによって、出口流れDFのシュラウド側(前側XF)が閉塞されるのに対して、図6では、ディフューザ出口顎部54の下流側における旋回流SFによって、出口流れDFがシュラウド側からハブ側(後側XR)までに亘り閉塞される。出口流れDFの少なくともシュラウド側が閉塞されると、ディフューザ流路40内を通過する流体の抵抗が増大し、ディフューザ失速が誘起される虞がある。ディフューザ失速が誘起されると、遠心圧縮機1の効率が極端に低下するとともに、ディフューザ失速に起因したサージが誘起され、遠心圧縮機1の作動レンジが縮小する虞がある。また、Tb/Taの値が小さくなるにつれて、ディフューザ出口顎部54の厚さTが小さくなるが、厚さTが小さすぎると、ディフューザ出口顎部54の欠けが生じる虞があるため好ましくない。なお、旋回流SFのウェーク損失による遠心圧縮機1の効率に対する悪影響は、出口流れDFの閉塞による遠心圧縮機1の効率に対する悪影響よりも小さなものである。このため、Tb/Taの値は1.0よりも小さくするよりも1.0よりも大きくする方が好ましい。
図7は、一実施形態にかかる遠心圧縮機の軸方向視におけるスクロール流路の概略図である。図7に示されるように、上述したスクロール流路50におけるスクロール中心O周りの角度位置θについて、スクロール流路50の巻き始め501と巻き終わり502の合流位置Pを60度とし、合流位置Pからスクロール流路50の下流側(図中スクロール中心O周りの時計回り方向)に向かって徐々に角度が大きくなるように角度位置θを定義する。また、角度位置θが60度から180度に亘る範囲を上流側範囲RUとし、角度位置θが180度から360度に亘る範囲を下流側範囲RDと定義する。また、図7に示されるように、角度位置がθである周方向位置において遠心圧縮機1の軸線CAを含む平面によってスクロール流路50を切断した場合の断面に対して、スクロール流路50の断面積をAとし、スクロール中心Oからスクロール流路50の断面における中心SCまでの距離をRとする。スクロール流路50は、角度位置θが大きくなるにつれて、A/Rが大きくなるように形成されている。或る実施形態では、スクロール流路50は、上流側範囲RUおよび下流側範囲RDの少なくとも一方の範囲において、A/Rの値が一定の傾きで増加するように形成されている。
図8は、一実施形態にかかるスクロールケーシングを説明するための説明図であって、スクロール流路における角度位置と距離比Tb/Taとの関係を示した説明図である。図8では、上述した角度位置θを横軸にし、上述した距離比Tb/Taを縦軸にしている。なお、図8に示される実施形態では、スクロールケーシング3は、角度位置θが大きくなるにつれて、A/Rが大きくなるのに対応し、Tb/Taが大きくなっている。
幾つかの実施形態にかかるスクロールケーシング3は、図8に示されるように、上述した角度位置θが180度から360度に亘る範囲、すなわち下流側範囲RDにおいて、Tb/Ta≧1.0の関係を満たす。
仮にTb/Taの値が小さすぎる場合(Tb/Ta<1.0の関係を満たす場合)には、ディフューザ流路40の出口流れDFとスクロール流路50内の旋回流SFとが干渉し、これによりディフューザ流路40内を通過する流体の抵抗が増大し、ディフューザ失速が誘起される虞がある。ディフューザ失速が誘起されると、遠心圧縮機1の効率が極端に低下するとともに、ディフューザ失速に起因したサージが誘起され、遠心圧縮機1の作動レンジが縮小する虞がある。これを回避するために、Tb/Ta≧1.0の関係を満たすようにすることが好ましい。上記の構成によれば、スクロールケーシング3は、角度位置θが180度から360度に亘る範囲(下流側範囲RD)において、Tb/Ta≧1.0の関係を満たすので、上記下流側範囲RDにおいて、ディフューザ流路40の出口流れDFとスクロール流路50内の旋回流SFとが干渉することを抑制できる。これにより、ディフューザ流路40の閉塞を抑制できるため、遠心圧縮機1の効率低下や作動レンジの縮小化を抑制できる。
幾つかの実施形態では、上述したスクロールケーシング3は、図8に示されるように、上述した角度位置θが60度から180度に亘る範囲、すなわち上流側範囲RUにおいて、Tb/Ta≧0.5の関係を満たす。
ディフューザ流路40の出口流れDFとスクロール流路50内の旋回流SFとの干渉を抑制するためには、スクロールケーシング3の角度位置θが60度から180度に亘る範囲(上流側範囲RU)においても、Tb/Ta≧1.0であることが好ましい。ただし、スクロール流路50の巻き始め501側になるほど、スクロール流路50の断面積Aが小さくなるので、上流側範囲RUでは、Tb/Ta≧1.0の関係を満たすことが困難になることがある。上記の構成によれば、角度位置θが60度から180度に亘る範囲(上流側範囲RU)において、Tb/Ta≧0.5の関係を満たす。この場合には、上流側範囲RUにおいて、ディフューザ流路40の出口流れDFとスクロール流路50内の旋回流SFとが干渉することを抑制できる。これにより、ディフューザ流路40の閉塞を抑制できるため、遠心圧縮機1の効率低下や作動レンジの縮小化を抑制できる。なお、幾つかの実施形態では、上述したスクロールケーシング3は、上流側範囲RUおよび下流側範囲RDにおいて、Tb/Ta≧1.0の関係を満たすように形成されていてもよい。この場合には、出口流れDFと旋回流SFとが干渉することを効果的に抑制できる。
幾つかの実施形態では、上述したスクロールケーシング3は、図8に示されるように、上述した角度位置θが180度から360度に亘る範囲、すなわち下流側範囲RDにおいて、Tb/Ta≦1.75の関係を満たす。
仮にTb/Taの値が大きすぎる場合(Tb/Ta>1.75の関係を満たす場合)には、ディフューザ出口顎部54の厚みTが増大することに伴い、上述した領域WAが拡大してウェーク損失が増大するため、遠心圧縮機1の効率低下を招く虞がある。上記の構成によれば、角度位置θが180度から360度に亘る範囲(下流側範囲RD)において、Tb/Ta≦1.75の関係を満たす。この場合には、下流側範囲RDにおいて、ウェーク損失による遠心圧縮機1の効率低下を抑制できる。なお、幾つかの実施形態では、上述したスクロールケーシング3は、上流側範囲RUおよび下流側範囲RDにおいて、Tb/Ta≦1.75の関係を満たす。この場合には、上流側範囲RUおよび下流側範囲RDにおいて、ウェーク損失による遠心圧縮機1の効率低下を抑制できる。
(交差角α)
図9は、一実施形態にかかるスクロールケーシングのディフューザ部およびスクロール部の形状を説明するための説明図である。図9に示されるように、スクロール部5の内周面51における終端位置P2に接する仮想接線VTと、遠心圧縮機1の径方向Yとの交差角をαと定義する。なお、仮想接線VTと径方向Yとにより二つの交差角が生じるが、二つの交差角のうち角度の小さい方を交差角αとする。
上述した幾つかの実施形態では、距離比Tb/Taをスクロールケーシング3の形状に関するパラメータ値としていたが、他の幾つかの実施形態では、交差角αを上記パラメータ値としてもよい。交差角αが大きくなると、交差角αに対応してディフューザ出口顎部54の下流側における旋回流SFの、出口流れDFに対する傾斜角度が大きくなる。上記傾斜角度が大きくなると、旋回流SFと、ディフューザ流路40の出口流れDFと、が干渉する度合いが大きくなり、ディフューザ流路40の出口流れDFが閉塞する度合いが大きくなる。このため、出口流れDFの閉塞を抑制するためには、交差角αを小さなものにすることが好ましい。スクロールケーシング3は、交差角α≦70°の関係を満たすことが好ましく、交差角α≦50°の関係を満たすことがさらに好ましい。
図10は、一実施形態にかかるスクロールケーシングを説明するための説明図であって、スクロール流路における角度位置と交差角αとの関係を示した説明図である。図10では、上述した角度位置θを横軸にし、上述した交差角αを縦軸にしている。なお、図10に示される実施形態では、スクロールケーシング3は、角度位置θが大きくなるにつれて、交差角αが小さくなっている。
幾つかの実施形態にかかるスクロールケーシング3は、図10に示されるように、上述した角度位置θが180度から360度に亘る範囲、すなわち下流側範囲RDにおいて、α≦50°の関係を満たす。
仮に交差角αが大きすぎる場合には、ディフューザ流路40の出口流れDFとスクロール流路50内の旋回流SFとが干渉し、これによりディフューザ流路40内を通過する流体の抵抗が増大し、ディフューザ失速が誘起される虞がある。ディフューザ失速が誘起されると、遠心圧縮機1の効率が極端に低下するとともに、ディフューザ失速に起因したサージが誘起され、遠心圧縮機1の作動レンジが縮小する虞がある。これを回避するために、α≦50°の関係を満たすことが好ましい。上記の構成によれば、スクロールケーシング3は、角度位置θが180度から360度に亘る範囲(下流側範囲RD)において、α≦50°の関係を満たすので、下流側範囲RDにおいて、ディフューザ流路40の出口流れDFとスクロール流路40内の旋回流SFとが干渉することを抑制できる。これにより、ディフューザ流路40の閉塞を抑制できるため、遠心圧縮機1の効率低下や作動レンジの縮小化を抑制できる。なお、本実施形態は、独立して実施可能である。
幾つかの実施形態では、上述したスクロールケーシング3は、図10に示されるように、上述した角度位置θが60度から180度に亘る範囲、すなわち上流側範囲RUにおいて、α≦70°の関係を満たす。
ディフューザ流路40の出口流れDFとスクロール流路50内の旋回流SFとの干渉を抑制するためには、スクロールケーシング3の角度位置θが60度から180度に亘る範囲(上流側範囲RU)においても、α≦50°の関係を満たすことが好ましい。ただし、スクロール流路50の巻き始め501側になるほど、スクロール流路50の断面積Aが小さくなるので、上流側範囲RUでは、α≦50°の関係を満たすことが困難になることがある。上記の構成によれば、角度位置θが60度から180度に亘る範囲(上流側範囲RU)において、α≦70°の関係を満たす。この場合には、上流側範囲RUにおいて、ディフューザ流路40の出口流れDFとスクロール流路50内の旋回流SFとが干渉することを抑制できる。これにより、ディフューザ流路40の閉塞を抑制できるため、遠心圧縮機1の効率低下や作動レンジの縮小化を抑制できる。なお、幾つかの実施形態では、上述したスクロールケーシング3は、上流側範囲RUおよび下流側範囲RDにおいて、α≦50°の関係を満たすように形成されていてもよい。この場合には、出口流れDFと旋回流SFとが干渉することを効果的に抑制できる。
上述した幾つかの実施形態では、距離比Tb/Ta又は交差角αの何れか一方をスクロールケーシング3の形状に関するパラメータ値としていたが、他の幾つかの実施形態では、距離比Tb/Taおよび交差角αの両方を上記パラメータ値としてもよい。
幾つかの実施形態では、上述したスクロールケーシング3は、上述した角度位置θが180度から360度に亘る範囲、すなわち下流側範囲RDにおいて、Tb/Ta≧1.0、且つα≦50°の関係を満たす。
上記の構成によれば、スクロールケーシング3は、角度位置θが180度から360度に亘る範囲(下流側範囲RD)において、Tb/Ta≧1.0の関係だけでなく、α≦50°の関係を満たすので、Tb/Ta≧1.0の関係のみを満たす場合に比べて、下流側範囲RDにおいて、ディフューザ流路40の出口流れDFとスクロール流路50内の旋回流SFとが干渉することをより効果的に抑制できる。これにより、ディフューザ流路40の閉塞を効果的に抑制できるため、遠心圧縮機1の効率低下や作動レンジの縮小化を効果的に抑制できる。
幾つかの実施形態では、上述したスクロールケーシング3は、上述した角度位置θが60度から180度に亘る範囲、すなわち上流側範囲RUにおいて、Tb/Ta≧0.5、且つα≦70°の関係を満たす。
上記の構成によれば、スクロールケーシング3は、角度位置θが60度から180度に亘る範囲(上流側範囲RU)において、Tb/Ta≧0.5の関係だけでなく、α≦70°の関係を満たすので、Tb/Ta≧0.5の関係のみを満たす場合に比べて、上流側範囲RUにおいて、ディフューザ流路40の出口流れDFとスクロール流路50内の旋回流SFとが干渉することをより効果的に抑制できる。これにより、ディフューザ流路40の閉塞を効果的に抑制できるため、遠心圧縮機1の効率低下や作動レンジの縮小化を効果的に抑制できる。
(スクロール流路の周方向における形状変化)
図11は、一実施形態にかかる遠心圧縮機の軸方向視におけるスクロール流路の概略図である。図11に示されるように、上述した角度位置θは、角度位置θ1と、角度位置θ1よりも大きい角度位置θ2と、を含む。図12は、一実施形態にかかるスクロールケーシングの角度位置θ1、θ2におけるディフューザ部およびスクロール部の形状を説明するための説明図である。図12では、角度位置θ1およびθ2におけるスクロールケーシング3を概略的に示している。図12では、角度位置θ1におけるスクロール部5の内周面51および内壁面55を実線で示し、角度位置θ2におけるスクロール部5の内周面51および内壁面55を二点鎖線で示している。
幾つかの実施形態では、上述したスクロールケーシング3は、図12に示されるように、角度位置がθ1の位置における、終端位置P2とディフューザ流路40のシュラウド側流路面41の下流端43との前記遠心圧縮機の軸方向に沿った長さをT1、角度位置θがθ1よりも大きいθ2の位置における、終端位置P2とシュラウド側流路面41の下流端43との軸方向に沿った長さをT2、と定義した場合に、T1<T2の関係を満たす。図示される実施形態では、スクロール流路50は、巻き始め501側から巻き終わり502側に向かうに連れて上述した長さTが連続的に又は段階的に大きくなるように形成されている。
通常、終端位置P2とディフューザ流路40のシュラウド側流路面41の下流端43との遠心圧縮機1の軸方向に沿った長さTは、遠心圧縮機1の周方向に一様に設定されるが、この場合には、角度位置θ毎にTb/Taや交差角αを上述した関係を満たす形状にすると、スクロール流路50の巻き終わり502側における形状が不適切なものになり、遠心圧縮機1の効率低下を招く虞がある。上記の構成によれば、スクロールケーシング3は、角度位置θ2における上記長さT2が、角度位置θ1における上記長さT1よりも大きいので、角度位置θ毎にTb/Taや交差角αを上述した関係を維持させつつ、角度位置θ毎にスクロール流路50を適切な形状にすることができる。これにより、遠心圧縮機1の効率低下を抑制できる。
図11に示されるように、上述した角度位置θは、角度位置θ3と、角度位置θ3よりも大きい角度位置θ4と、を含む。図13は、一実施形態にかかるスクロールケーシングの角度位置θ3、θ4におけるディフューザ部およびスクロール部の形状を説明するための説明図である。図13では、角度位置θ3およびθ4におけるスクロールケーシング3を概略的に示している。図13では、角度位置θ3におけるスクロール部5の内周面51や内壁面55、シュラウド側流路面41を一点鎖線で示し、角度位置θ4におけるスクロール部5の内周面51や内壁面55、シュラウド側流路面41を実線で示している。
幾つかの実施形態では、上述したスクロールケーシング3は、図13に示されるように、角度位置θがθ3の位置における、遠心圧縮機1の軸線CAからディフューザ流路40のシュラウド側流路面41の下流端43までの遠心圧縮機1の径方向に沿った長さをd1、角度位置θがθ3よりも大きいθ4の位置における、軸線CAからシュラウド側流路面41の下流端43までの径方向に沿った長さをd2、と定義した場合に、d1>d2の関係を満たす。図示される実施形態では、ディフューザ流路40は、巻き始め501側から巻き終わり502側に向かうに連れて、遠心圧縮機1の軸線CAからディフューザ流路40のシュラウド側流路面41の下流端43までの遠心圧縮機1の径方向に沿った長さdが連続的に又は段階的に大きくなるように形成されている。
通常、遠心圧縮機1の軸線CAからディフューザ流路40のシュラウド側流路面41の下流端43までの遠心圧縮機1の径方向に沿った長さdは、遠心圧縮機1の周方向に一様に設定されるが、この場合には、角度位置θ毎にTb/Taや交差角αを上述した関係を満たす形状にすると、スクロール流路50の巻き終わり側における形状が不適切なものになり、遠心圧縮機1の効率低下を招く虞がある。上記の構成によれば、スクロールケーシング3は、角度位置θ4における上記長さd2が、角度位置θ3における上記長さd1よりも大きいので、角度位置θ毎にTb/Taや交差角αを上述した関係を維持させつつ、角度位置θ毎にスクロール流路50を適切な形状にすることができる。これにより、遠心圧縮機1の効率低下を抑制できる。
なお、図13に示される実施形態では、角度位置θ3およびθ4において、上述した長さTは同じであるが、上述した幾つかの実施形態と同様に、角度位置θ4における長さTを、角度位置θ3における長さTよりも大きくしてもよい。
幾つかの実施形態にかかる遠心圧縮機1は、上述したスクロールケーシング3を備える。この場合には、スクロールケーシング3により、ディフューザ流路40の出口流れDFとスクロール流路50内の旋回流SFとが干渉することを抑制できる。これにより、ディフューザ流路40の閉塞を抑制できるため、遠心圧縮機1の効率低下や作動レンジの縮小化を抑制できる。
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
上述した幾つかの実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握されるものである。
1)本開示の少なくとも一実施形態にかかるスクロールケーシング(3)は、
遠心圧縮機(1)のスクロールケーシング(3)であって、
前記遠心圧縮機(1)のディフューザ流路(40)を形成するディフューザ部(4)と、
前記遠心圧縮機(1)のスクロール流路(50)を形成するスクロール部(5)と、を備え、
前記遠心圧縮機(1)の軸方向に沿った前記ディフューザ流路(40)の流路幅をTa、
前記スクロール部(5)の内周面(51)における前記ディフューザ流路(40)のハブ側流路面(42)との接続位置である始端位置(P1)から、前記内周面(51)における前記始端位置(P1)とは反対側の端位置である終端位置(P2)に接する仮想円弧(VC)までの最短距離をTb、と定義し、
前記スクロール流路(50)におけるスクロール中心(O)周りの角度位置(θ)について、前記スクロール流路(50)の巻き始め(501)と巻き終わり(502)の合流位置(P)を60度とし、前記合流位置(P)から前記スクロール流路(50)の下流側に向かって徐々に角度が大きくなるように角度位置(θ)を定義した場合に、
前記角度位置(θ)が180度から360度に亘る範囲(下流側範囲RD)において、Tb/Ta≧1.0の関係を満たす。
仮にTb/Taの値が小さすぎる場合(Tb/Ta<1.0の関係を満たす場合)には、ディフューザ流路の出口流れ(DF)とスクロール流路内の旋回流(SF)とが干渉し、これによりディフューザ流路(40)内を通過する流体の抵抗が増大し、ディフューザ失速が誘起される虞がある。ディフューザ失速が誘起されると、遠心圧縮機(1)の効率が極端に低下するとともに、ディフューザ失速に起因したサージが誘起され、遠心圧縮機(1)の作動レンジが縮小する虞がある。これを回避するために、Tb/Ta≧1.0の関係を満たすようにすることが好ましい。上記1)の構成によれば、スクロールケーシング(3)は、角度位置(θ)が180度から360度に亘る範囲(下流側範囲RD)において、Tb/Ta≧1.0の関係を満たすので、上記下流側範囲において、ディフューザ流路の出口流れ(DF)とスクロール流路内の旋回流(SF)とが干渉することを抑制できる。これにより、ディフューザ流路(40)の閉塞を抑制できるため、遠心圧縮機(1)の効率低下や作動レンジの縮小化を抑制できる。
2)幾つかの実施形態では、上記1)に記載のスクロールケーシング(3)であって、
前記角度位置(θ)が60度から180度に亘る範囲(上流側範囲RU)において、Tb/Ta≧0.5の関係を満たす。
上記2)の構成によれば、角度位置(θ)が60度から180度に亘る範囲(上流側範囲RU)において、Tb/Ta≧0.5の関係を満たす。この場合には、上流側範囲(RU)において、ディフューザ流路の出口流れ(DF)とスクロール流路内の旋回流(SF)とが干渉することを抑制できる。これにより、ディフューザ流路(40)の閉塞を抑制できるため、遠心圧縮機(1)の効率低下や作動レンジの縮小化を抑制できる。
3)幾つかの実施形態では、上記1)又は2)に記載のスクロールケーシング(3)であって、
前記角度位置(θ)が180度から360度に亘る範囲(下流側範囲RD)において、Tb/Ta≦1.75の関係を満たす。
仮にTb/Taの値が大きすぎる場合(Tb/Ta>1.75の関係を満たす場合)には、ディフューザ出口顎部(54)の厚み(T)が増大することに伴い、ウェーク損失が増大するため、遠心圧縮機(1)の効率低下を招く虞がある。上記3)の構成によれば、角度位置(θ)が180度から360度に亘る範囲(下流側範囲RD)において、Tb/Ta≦1.75の関係を満たす。この場合には、下流側範囲(RD)において、ウェーク損失による遠心圧縮機(1)の効率低下を抑制できる。
4)幾つかの実施形態では、上記1)~3)の何れかに記載のスクロールケーシング(3)であって、
前記スクロール部(5)の前記内周面(51)における前記終端位置(P2)に接する仮想接線(VT)と、前記遠心圧縮機(1)の径方向(Y)との交差角をαと定義した場合に、
前記角度位置(θ)が180度から360度に亘る範囲(下流側範囲RD)において、α≦50°の関係を満たす。
上記4)の構成によれば、スクロールケーシング(3)は、角度位置(θ)が180度から360度に亘る範囲(下流側範囲RD)において、Tb/Ta≧1.0の関係だけでなく、α≦50°の関係を満たすので、Tb/Ta≧1.0の関係のみを満たす場合に比べて、下流側範囲(RD)において、ディフューザ流路の出口流れ(DF)とスクロール流路内の旋回流(SF)とが干渉することをより効果的に抑制できる。これにより、ディフューザ流路(40)の閉塞を効果的に抑制できるため、遠心圧縮機(1)の効率低下や作動レンジの縮小化を効果的に抑制できる。
5)幾つかの実施形態では、上記4)に記載のスクロールケーシング(3)であって、
前記角度位置(θ)が60度から180度に亘る範囲(上流側範囲RU)において、α≦70°の関係を満たす。
上記5)の構成によれば、角度位置(θ)が60度から180度に亘る範囲(上流側範囲RU)において、α≦70°の関係を満たす。この場合には、上流側範囲(RU)において、ディフューザ流路の出口流れ(DF)とスクロール流路内の旋回流(SF)とが干渉することを抑制できる。これにより、ディフューザ流路(40)の閉塞を抑制できるため、遠心圧縮機(1)の効率低下や作動レンジの縮小化を抑制できる。
6)本開示の少なくとも一実施形態にかかるスクロールケーシング(3)は、
遠心圧縮機(1)のスクロールケーシング(3)であって、
前記遠心圧縮機(1)のディフューザ流路(40)を形成するディフューザ部(4)と、
前記遠心圧縮機(1)のスクロール流路(50)を形成するスクロール部(5)と、を備え、
前記スクロール部(5)の内周面(51)における前記ディフューザ流路(40)のハブ側流路面(42)との接続位置である始端位置(P1)とは反対側の端位置である終端位置(P2)に接する仮想接線(VT)と、前記遠心圧縮機(1)の径方向(Y)との交差角をαと定義し、
前記スクロール流路(50)におけるスクロール中心(O)周りの角度位置(θ)について、前記スクロール流路(50)の巻き始め(501)と巻き終わり(502)の合流位置(P)を60度とし、前記合流位置(P)から前記スクロール流路(50)の下流側に向かって徐々に角度が大きくなるように角度位置(θ)を定義した場合に、
前記角度位置(θ)が180度から360度に亘る範囲(下流側範囲RD)において、α≦50°の関係を満たす。
仮に交差角αが大きすぎる場合には、ディフューザ流路の出口流れ(DF)とスクロール流路内の旋回流(SF)とが干渉し、これによりディフューザ流路(40)内を通過する流体の抵抗が増大し、ディフューザ失速が誘起される虞がある。ディフューザ失速が誘起されると、遠心圧縮機(1)の効率が極端に低下するとともに、ディフューザ失速に起因したサージが誘起され、遠心圧縮機(1)の作動レンジが縮小する虞がある。上記6)の構成によれば、スクロールケーシング(3)は、角度位置(θ)が180度から360度に亘る範囲(下流側範囲RD)において、α≦50°の関係を満たすので、下流側範囲(RD)において、ディフューザ流路の出口流れ(DF)とスクロール流路内の旋回流(SF)とが干渉することを抑制できる。これにより、ディフューザ流路(40)の閉塞を抑制できるため、遠心圧縮機(1)の効率低下や作動レンジの縮小化を抑制できる。
7)幾つかの実施形態では、上記6)に記載のスクロールケーシング(3)であって、
前記角度位置(θ)が60度から180度に亘る範囲(上流側範囲RU)において、α≦70°の関係を満たす。
上記7)の構成によれば、角度位置(θ)が60度から180度に亘る範囲(上流側範囲RU)において、α≦70°の関係を満たす。この場合には、上流側範囲(RU)において、ディフューザ流路の出口流れ(DF)とスクロール流路内の旋回流(SF)とが干渉することを抑制できる。これにより、ディフューザ流路(40)の閉塞を抑制できるため、遠心圧縮機(1)の効率低下や作動レンジの縮小化を抑制できる。
8)幾つかの実施形態では、上記1)~7)の何れかに記載のスクロールケーシング(3)であって、
前記角度位置(θ)がθ1の位置における、前記終端位置(P2)と前記ディフューザ流路(40)のシュラウド側流路面(41)の下流端(43)との前記遠心圧縮機(1)の軸方向に沿った長さをT1、
前記角度位置(θ)がθ1よりも大きいθ2の位置における、前記終端位置(P2)と前記シュラウド側流路面(41)の前記下流端(43)との前記軸方向に沿った長さをT2、と定義した場合に、
T1<T2の関係を満たす。
通常、終端位置(P2)とディフューザ流路(40)のシュラウド側流路面(41)の下流端(43)との遠心圧縮機(1)の軸方向に沿った長さ(T)は、遠心圧縮機(1)の周方向に一様に設定されるが、この場合には、角度位置(θ)毎にTb/Taや交差角αを上述した関係を満たす形状にすると、スクロール流路(50)の巻き終わり(502)側における形状が不適切なものになり、遠心圧縮機(1)の効率低下を招く虞がある。上記8)の構成によれば、スクロールケーシング(3)は、角度位置θ2における上記長さT2が、角度位置θ1における上記長さT1よりも大きいので、角度位置(θ)毎にTb/Taや交差角αを上述した関係を維持させつつ、角度位置(θ)毎にスクロール流路(50)を適切な形状にすることができる。これにより、遠心圧縮機(1)の効率低下を抑制できる。
9)幾つかの実施形態では、上記1)~8)の何れかに記載のスクロールケーシング(3)であって、
前記角度位置(θ)がθ3の位置における、前記遠心圧縮機(1)の軸線(CA)から前記ディフューザ流路(40)のシュラウド側流路面(41)の下流端(43)までの前記遠心圧縮機(1)の径方向(Y)に沿った長さをd1、
前記角度位置(θ)がθ3よりも大きいθ4の位置における、前記軸線(CA)から前記シュラウド側流路面(41)の前記下流端(43)までの前記径方向(Y)に沿った長さをd2、と定義した場合に、
d1>d2の関係を満たす。
通常、遠心圧縮機(1)の軸線(CA)からディフューザ流路(40)のシュラウド側流路面(41)の下流端(43)までの遠心圧縮機(1)の径方向(Y)に沿った長さ(d)は、遠心圧縮機(1)の周方向に一様に設定されるが、この場合には、角度位置(θ)毎にTb/Taや交差角αを上述した関係を満たす形状にすると、スクロール流路(50)の巻き終わり(502)側における形状が不適切なものになり、遠心圧縮機(1)の効率低下を招く虞がある。上記9)の構成によれば、スクロールケーシング(3)は、角度位置θ4における上記長さd2が、角度位置θ3における上記長さd1よりも大きいので、角度位置(θ)毎にTb/Taや交差角αを上述した関係を維持させつつ、角度位置(θ)毎にスクロール流路(50)を適切な形状にすることができる。これにより、遠心圧縮機(1)の効率低下を抑制できる。
10)本開示の少なくとも一実施形態にかかる遠心圧縮機(1)は、
上記1)~9)の何れかに記載のスクロールケーシング(3)を備える。
上記10)の構成によれば、上記スクロールケーシング(3)により、ディフューザ流路の出口流れ(DF)とスクロール流路内の旋回流(SF)とが干渉することを抑制できる。これにより、ディフューザ流路(40)の閉塞を抑制できるため、遠心圧縮機(1)の効率低下や作動レンジの縮小化を抑制できる。
1 遠心圧縮機
2 インペラ
21 ハブ
22 外面
23 インペラ翼
24 先端
3,03 スクロールケーシング
31 流体導入口
32 流体排出口
33 インペラ室形成面
34 段差面
4,04 ディフューザ部
40,040 ディフューザ流路
41,041 シュラウド側流路面
42,042 ハブ側流路面
43,043 下流端
5,05 スクロール部
50,050 スクロール流路
51,051 内周面
52 第1円弧部
53 第2円弧部
54,054 ディフューザ出口顎部
55 内壁面
6 シュラウド部
60 インペラ室
61 シュラウド面
7 吸気流路部
70 吸気流路
71 内壁面
10 ターボチャージャ
11 タービン
12 回転シャフト
13 タービンロータ
14 タービンケーシング
141 排ガス導入口
142 排ガス排出口
15 軸受
16 軸受ケーシング
A 断面積
CA 軸線
DF 出口流れ
O スクロール中心
P 合流位置
P1,P01 始端位置
P2,P02 終端位置
P3 接続位置
R0,R1,R2 曲率半径
RD 下流側範囲
RU 上流側範囲
SF 旋回流
Ta ディフューザ流路の流路幅
Tb 最短距離
UD 一方向
VC 仮想円弧
VT 仮想接線
WA 領域
X 軸方向
XF 前側
XR 後側
Y 径方向

Claims (9)

  1. 遠心圧縮機のスクロールケーシングであって、
    前記遠心圧縮機のディフューザ流路を形成するディフューザ部と、
    前記遠心圧縮機のスクロール流路を形成するスクロール部と、を備え、
    前記遠心圧縮機の軸方向に沿った前記ディフューザ流路の流路幅をTa、
    前記スクロール部の内周面における前記ディフューザ流路のハブ側流路面との接続位置である始端位置から、前記内周面における前記始端位置とは反対側の端位置である終端位置に接する仮想円弧までの最短距離をTb、と定義し、
    前記スクロール流路におけるスクロール中心周りの角度位置について、前記スクロール流路の巻き始めと巻き終わりの合流位置を60度とし、前記合流位置から前記スクロール流路の下流側に向かって徐々に角度が大きくなるように角度位置を定義した場合に、
    前記角度位置が180度から360度に亘る範囲において、Tb/Ta≧1.0の関係を満たし、
    前記角度位置がθ3の位置における、前記遠心圧縮機の軸線から前記ディフューザ流路のシュラウド側流路面の下流端までの前記遠心圧縮機の径方向に沿った長さをd1、
    前記角度位置がθ3よりも大きいθ4の位置における、前記軸線から前記シュラウド側流路面の前記下流端までの前記径方向に沿った長さをd2、と定義した場合に、
    d1>d2の関係を満たす、
    スクロールケーシング。
  2. 前記角度位置が60度から180度に亘る範囲において、Tb/Ta≧0.5の関係を満たす、
    請求項1に記載のスクロールケーシング。
  3. 前記角度位置が180度から360度に亘る範囲において、Tb/Ta≦1.75の関係を満たす、
    請求項1又は2に記載のスクロールケーシング。
  4. 前記スクロール部の前記内周面における前記終端位置に接する仮想接線と、前記遠心圧縮機の径方向との交差角をαと定義した場合に、
    前記角度位置が180度から360度に亘る範囲において、α≦50°の関係を満たす、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載のスクロールケーシング。
  5. 前記角度位置が60度から180度に亘る範囲において、α≦70°の関係を満たす、
    請求項4に記載のスクロールケーシング。
  6. 遠心圧縮機のスクロールケーシングであって、
    前記遠心圧縮機のディフューザ流路を形成するディフューザ部と、
    前記遠心圧縮機のスクロール流路を形成するスクロール部と、を備え、
    前記スクロール部の内周面における前記ディフューザ流路のハブ側流路面との接続位置である始端位置とは反対側の端位置である終端位置に接する仮想接線と、前記遠心圧縮機の径方向との交差角をαと定義し、
    前記スクロール流路におけるスクロール中心周りの角度位置について、前記スクロール流路の巻き始めと巻き終わりの合流位置を60度とし、前記合流位置から前記スクロール流路の下流側に向かって徐々に角度が大きくなるように角度位置を定義した場合に、
    前記角度位置が180度から360度に亘る範囲において、α≦50°の関係を満たす、
    スクロールケーシング。
  7. 前記角度位置が60度から180度に亘る範囲において、α≦70°の関係を満たす、
    請求項6に記載のスクロールケーシング。
  8. 遠心圧縮機のスクロールケーシングであって、
    前記遠心圧縮機のディフューザ流路を形成するディフューザ部と、
    前記遠心圧縮機のスクロール流路を形成するスクロール部と、を備え、
    前記遠心圧縮機の軸方向に沿った前記ディフューザ流路の流路幅をTa、
    前記スクロール部の内周面における前記ディフューザ流路のハブ側流路面との接続位置である始端位置から、前記内周面における前記始端位置とは反対側の端位置である終端位置に接する仮想円弧までの最短距離をTb、と定義し、
    前記スクロール流路におけるスクロール中心周りの角度位置について、前記スクロール流路の巻き始めと巻き終わりの合流位置を60度とし、前記合流位置から前記スクロール流路の下流側に向かって徐々に角度が大きくなるように角度位置を定義した場合に、
    前記角度位置が180度から360度に亘る範囲において、Tb/Ta≧1.0の関係を満たし、
    前記角度位置がθ1の位置における、前記終端位置と前記ディフューザ流路のシュラウド側流路面の下流端との前記遠心圧縮機の軸方向に沿った長さをT1、
    前記角度位置がθ1よりも大きいθ2の位置における、前記終端位置と前記シュラウド側流路面の前記下流端との前記軸方向に沿った長さをT2、と定義した場合に、
    T1<T2の関係を満たす
    スクロールケーシング。
  9. 請求項1乃至の何れか1項に記載のスクロールケーシングを備える遠心圧縮機。
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