JP7430858B1 - 加飾シート用粘着剤組成物、加飾シート、加飾構造体およびその製造方法 - Google Patents

加飾シート用粘着剤組成物、加飾シート、加飾構造体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加熱前の貼り直し性や高温または高温高湿下での耐久性、凹凸追従性、成形品に優れた外観を付与できる、真空成形法または真空圧空成形法による被着体への貼り付けに用いる加飾シート用粘着剤組成物、加飾シート、加飾構造体およびその製造方法の提供。【解決手段】アルキル基の炭素数が8である(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)およびカルボキシ基を有するモノマー(b)をそれぞれ特定量含有するモノマー混合物の共重合体である(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と硬化剤(B)を含む、真空成形法または真空圧空成形法による被着体への貼り付けに用いる加飾シート用粘着剤組成物により解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、真空成形法または真空圧空成形法による被着体への貼り付けに用いる加飾シート用粘着剤組成物、加飾シート、加飾構造体およびその製造方法に関する。
自動車内装・外装部品、キーボード、家電製品、スマートフォン、住宅建材、家具、楽器、新幹線窓枠壁などの成形品の外観品位を向上させる手段として、成形品の外観表面を意匠性のあるフィルム(加飾シート)によって装飾することが行われている。三次元形状を有する成形品を、加飾シートを用いて装飾する方法としては、インサート成形法、インモールド成形法、真空成形法および真空圧空成形法などが知られている。
インサート成形法は、予め加飾シートを所定形状に賦形して金型に挿入した後、加熱溶融樹脂を加圧して金型へ流し込み射出成形し、冷却固化させて、加飾シートと成形品を一体化させた加飾成形品を作製する方法である。
また、インモールド成形法は、離型層を介して意匠印刷のあるフィルムを金型内にセットし、加熱溶融樹脂を射出成形して冷却固化させた後、このフィルムを剥がすことによって意匠を転写させて、加飾成形品を作製する方法である。
このように、インサート成形法およびインモールド成形法は、成形品の成形と同時に成形品が加飾され、成形品の外観表面に意匠が形成される。
一方、真空成形法は、加飾シートに熱をかけて軟化させ、加飾シートと成形品の間の空気を成形品側から引き抜くことで真空に近い状態を作り、成形品に加飾シートを密着させる方法である。
また、真空圧空成形法は、同様に真空に近い状態を作り、さらに、成形品の上部の加飾シート側から空気圧をかけて、成形品に加飾シートを密着させる方法である。
このように、真空成形法および真空圧空成形法は、成形品の完成後、常温で加飾シートを貼り合わせ、加熱することによって、成形品を加飾する方法である。すなわち、成形品の成形とは別途の作業で、成形品の外観表面へ加飾シートが貼り付けられるため、一台の装置で、様々な形状の成形品に対して加飾シートを貼り付けることができる。また、真空成形法および真空圧空成形法では、インモールド成形法などでは困難である、成形品端部において表面から裏面にかけての連続的な被覆、すなわち巻き込み被覆も可能であるため、多用されている。
特許文献1には、カルボキシ基を特定の割合で含有し、かつガラス転移温度が25℃以下である(メタ)アクリルポリマー、及び、アミノ基を特定の割合で含有し、かつガラス転移温度が75℃以上である(メタ)アクリルポリマーを含む接着層を有する接着フィルムを加熱圧着により接着した成形体が開示されている。
特許文献2には、特定の範囲のガラス転移温度を有する(メタ)アクリル重合体2種類を特定の割合で含有する粘着剤組成物が開示されている。
特許文献3には、アクリル酸メチルと炭素数が4のアルコキシ基を含むアクリル酸アルキルエステルとの共重合体、及び、ガラス転移温度が115℃以下であり、かつ重量平均分子量が5千~10万である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを前記共重合体100重量部に対して1~40重量部含有することを特徴とする粘着層を含む加飾成形用フィルムが開示されている。
特開2009-035588号公報 国際公開第2021/049480号 特開2017-132205号公報
通常、真空成形法または真空圧空成形法で加飾シートを成形品に貼り付ける場合、加熱成形後に貼り直しができないため、成形前に貼り直しを行うことが多い。このため容易に貼り直しが可能であることが必須である。また、三次元形状を有する加飾成形品は様々な環境下で使用されることが想定されるため、曲面や凹凸部を有する複雑な形状に追従するとともに、高温または高温高湿環境下でも粘着層との接着界面で浮きや剥がれといった外観不良を生じない耐久性も重要であり、このような各性能をバランス良く満足し得る加飾シート用粘着剤組成物が求められている。
特許文献1に記載の接着層は、高温での接着性に優れるものの、ガラス転移温度が高く、真空成形又は真空圧空成形前に、加飾シートを基材に仮接着できないという課題があった。
特許文献2の粘着剤組成物は、張り直し性や塗膜外観に優れる一方、高温環境下での耐久性等に言及されておらず、実用性能の点において十分ではない。
特許文献3の加飾成形用フィルムは、接着性や寸法安定性、曲面部への追従性が80℃環境下までは達成されているものの、100℃以上の高温環境下や、より複雑な凹凸部へ貼着した試料に浮きや剥がれが発生し、外観不良となる場合があった。
すなわち、加熱前の貼り直し性や高温または高温高湿下での耐久性、凹凸追従性、成形品に優れた外観を付与できる、加飾シート用粘着剤組成物はこれまで開発されていなかった。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と硬化剤(B)を含み、前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)はモノマー混合物の共重合体であり、モノマー混合物は、アルキル基の炭素数が8である(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)および少なくとも一種のカルボキシ基を有するモノマー(b)を含有し、アルキル基の炭素数が8である(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)の含有率が、モノマー混合物100質量%中50~98質量%であり、カルボキシ基を有するモノマー(b)の含有率が、モノマー混合物100質量%中0質量%を超えて12質量%未満である真空成形法または真空圧空成形法による被着体への貼り付けに用いる加飾シート用粘着剤組成物であることを特徴とする。
本発明により、成形品の加飾において、加熱前の貼り直し性や凹凸追従性、高温または高温高湿下での耐久性、成形品に優れた外観を付与でき、かつ凹凸追従性に優れる、加飾シート用粘着剤組成物、加飾シート、加飾構造体およびその製造方法の提供をすることが可能となる。
所定の(メタ)アクリレートを含む(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と硬化剤(B)を含有する粘着剤組成物で粘着剤層を形成するとき、加熱前の貼り直し性や高温または高温高湿環境下での耐久性、優れた外観、凹凸追従性といった各性能を高度に両立させることができることを知得した。
本開示に係る加飾シート用粘着剤組成物、加飾シート、加飾構造体および加飾構造体の製造方法は、下記[1]~[7]の構成を有する。
[1](メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と硬化剤(B)を含み、
前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)はモノマー混合物の共重合体であり、
モノマー混合物は、アルキル基の炭素数が8である(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)および少なくとも一種のカルボキシ基を有するモノマー(b)を含有し、アルキル基の炭素数が8である(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)の含有率が、モノマー混合物100質量%中50~98質量%であり、カルボキシ基を有するモノマー(b)の含有率が、モノマー混合物100質量%中0質量%を超えて12質量%未満であることを特徴とする、
真空成形法または真空圧空成形法による被着体への貼り付けに用いる加飾シート用粘着剤組成物。
[2]前記硬化剤(B)は、エポキシ系硬化剤であることを特徴とする[1]に記載の加飾シート用粘着剤組成物。
[3]モノマー混合物が、さらにアルキルの炭素数が1~3である(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(c)およびホモポリマーのガラス転移温度が-30℃以上であり、アルキルの炭素数が4である(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(d)のうち少なくともいずれか1種を含有し、その合計含有率がモノマー混合物100質量%中1~45質量%であることを特徴とする[1]または[2]に記載の加飾シート用粘着剤組成物。
[4]基材と、[1]~[3]いずれかに記載の加飾シート用粘着剤組成物からなる粘着層を備える、加飾シート。
[5]被着体と、[4]に記載の加飾シートとを備えることを特徴とする加飾構造体。
[6]加飾シートを真空成形法または真空圧空成形法により被着体と一体化した加飾構造体を形成することを特徴とする、[5]に記載の加飾構造体の製造方法。
以下、本開示について詳細に説明する。なお、本開示の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本開示の範疇に含まれることは言うまでもない。
なお、本開示において、「シート」とは、可撓性を有する積層体を意味し、「フィルム」と呼ばれる薄い積層体も包含するものである。
本開示において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および「メタクリル」のいずれか一方または両方を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」および「メタクリレート」のいずれか一方または両方を意味する。
本開示において「~」を用いて特定される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値の範囲として含むものとする。
本開示において、「Mw」はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって求めたポリスチレン換算の重量平均分子量である。「Mn」はGPC測定によって求めたポリスチレン換算の数平均分子量である。
これら重量平均分子量、数平均分子量は、[実施例]の項に記載の方法にて測定することができる。
本開示において「アルキル基の炭素数が8である(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)」を「モノマー(a)」、「カルボキシ基を有するモノマー(b)」を「モノマー(b)」、「アルキルの炭素数が1~3である(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(c)」を「モノマー(c)」、「ホモポリマーのガラス転移温度が-30℃以上であり、アルキルの炭素数が4である(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(d)」を「モノマー(d)」とそれぞれ略記する場合がある。
また、以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
<粘着剤組成物>
本粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と硬化剤(B)を含み、前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)はモノマー混合物の共重合体であり、モノマー混合物は、モノマー混合物は、アルキル基の炭素数が8である(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)およびカルボキシ基を有するモノマー(b)を含有し、アルキル基の炭素数が8である(メタ)アクリル酸エステルモノマー(a)の含有率が、モノマー混合物100質量%中50~98質量%であり、カルボキシ基を有するモノマー(b)の含有率が、モノマー混合物100質量%中0質量%を超えて12質量%未満であることを特徴とする。
<(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)>
本粘着剤組成物が含む(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)(以降、共重合体(A)とも記す)は、(メタ)アクリル酸エステルを含むモノマーの混合物の全部または一部を重合して得られる共重合体である。
モノマー混合物100質量%中、アルキル基の炭素数が8である(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)の含有率は、50~98質量%であり、55~80質量%がより好ましく、60質量%以上70質量%未満が特に好ましい。上記の範囲内とすることで、優れた凹凸追従性、高温高湿下での耐久性や貼り直し性を付与することができる。
モノマー(a)としては、例えば、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノルマルオクチルなどが挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を併用しても良い。中でも分岐構造のアルキル基を持つものが好ましく、凹凸追従性の観点から(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルが特に好ましい。
モノマー混合物100質量%中、カルボキシ基を有するモノマー(b)の含有率は、0質量%を超えて12質量%未満であり、10質量%未満がより好ましく、6質量%以下がさらに好ましく、5質量%未満が特に好ましい。また下限値としては1質量%以上が好ましい。上記の範囲内とすることで粘着力、高温または高温高湿環境下での耐久性および貼り直し性を高度に両立することができる。
モノマー(b)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、アクリル酸2-カルボキシエチル、イタコン酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-コハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-フタル酸、2-アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を併用しても良い。中でも(メタ)アクリル酸、2-カルボキシエチルアクリレートが重合性の観点から好ましい。
他成分との相溶性、他成分の分散性、基材および被着体に対する接着性、及び架橋性等の調整の目的に応じて、共重合体(A)の合成には、モノマー(a)およびモノマー(b)以外のその他のモノマーも用いることができる。
より具体的には、本発明において、共重合体(A)を構成するモノマー混合物は、さらにアルキル基の炭素数が1~3である(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(c)およびホモポリマーのガラス転移温度が-30℃以上であり、アルキルの炭素数が4である(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(d)のうち少なくともいずれか1種を含有することが好ましい。
モノマー(c)としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピルなどが挙げられ、モノマー(d)としては、メタクリル酸n-ブチル(Tg:20℃)、アクリル酸イソブチル(Tg:-26℃)、メタクリル酸イソブチル(Tg:48℃)、アクリル酸tert-ブチル(Tg:14℃)、メタクリル酸tert-ブチル(Tg:107℃)などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても2種以上を併用しても良い。中でも曲面性や貼り直し性、凹凸追従性などの観点からモノマー(c)が好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルが特に好ましい。
モノマー混合物100質量%中、モノマー(c)およびモノマー(d)の合計含有率は、1~45質量%が好ましく、11~40質量%がより好ましく、15~35質量%が特に好ましい。上記の範囲内とすることで高温および高温高湿環境下における耐久性を高めることができる。
なお、本発明において共重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、下記式(1)(Fox式)に基づいて計算された値である。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn (式1)
[式(1)中、Tgはアクリル重合体(A)のTg(単位:K)、Tgi(i=1、2、・・・n)はラジカル重合性モノマーiがホモポリマーを形成した際のTg(単位:K)、Wi(i=1、2、・・・n)はラジカル重合性モノマーiの全モノマー成分中の質量分率を表す。なお、ホモポリマーのTgは文献値やカタログ値などの公表値を使用する。]
上記式(1)は、共重合体(A)が、モノマー1、モノマー2、・・・、モノマーnのn種類のモノマー成分から構成される場合の計算式である。
さらに、共重合体(A)を構成するモノマー混合物に含むことができるその他モノマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、ラウリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ノナン酸ビニル等のビニル系モノマー;
アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸2-メチルブチル、(メタ)アクリル酸4-メチル-2-ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシエル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸エイコサニル、(メタ)アクリル酸ヘキサコサニル等の炭素数4~26のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(ただし、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(a)および(d)を除く);
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸-4-t-ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、及び(メタ)アクリル酸3,3,5-トリメチルシクロヘキシル等の脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;
(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2-フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸2-(o-フェニルフェノキシ)エチル、及び(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール等の芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;
(メタ)アクリル酸2-メトキシメチル、(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-エトキシメチル、(メタ)アクリル酸2-エトキシエチ、(メタ)アクリル酸3-メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-メトキシブチル、及び(メタ)アクリル酸4-エトキシブチル等のアルコキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;
(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸エトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸エトキシポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸フェノキシポリエチレングリコール、及び(メタ)アクリル酸フェノキシポリプロピレングリコール等のポリエーテル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;
N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピペリドン、N-ビニル-3-モルホリノン、N-ビニル-2-カプロラクタム、N-ビニル-1,3-オキサジン-2-オン、及びN-ビニル-3,5-モルホリンジオン等のN-ビニル環状アミド系モノマー;
(メタ)アクリルアミド、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、及びN-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系モノマー;
N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(n-ブチル)(メタ)アクリルアミド、及びN,N-ジ(t-ブチル)(メタ)アクリルアミド等のN,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー;
N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-(2)-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(1-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(3-ヒドロキプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N-(3-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N-(4-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、及びN-メチル-N-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー;
N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、及びN-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド;
2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、及び2-メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート等のカルボキシ基を除く酸性基を有するモノマー;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロシキブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、及びポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル系モノマー並びに、ポリアルキレングリコールアリルエーテル等の水酸基を有するアリルエーテル系モノマー等が挙げられる。
これらは必要に応じて、共重合体(A)を構成するモノマー混合物に含んでも含まなくても良い。
その他モノマーの含有率は特に限定されないが粘着力の観点から0質量%以上30質量%以下が好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)は、その重合形態は特に限定されない。すなわち、共重合体(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む各モノマーの交互共重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体およびグラフト共重合体などのいずれであってもよい。たとえば、ブロック共重合体は、ジブロックであってもよいし、トリブロックであってもよい。
共重合体(A)の合成には、従来公知の手法を用いることができ、例えば、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法など公知の重合方法で製造することができる。また、共重合体(A)の合成には、リビングラジカル重合法や活性エネルギー線重合法などの公知の重合法を適宜使用できる。その際、共重合体(A)合成用のモノマー混合物には、光重合開始剤や従来公知の添加剤を含むことができる。活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、X線、ガンマ線、又は電子線等を用いることができる。また、紫外線の照射には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、無電極ランプ、LED等の光源を使うことができる。
共重合体(A)の各構成単位(モノマー成分)の配合率は、核磁気共鳴分析(NMR)、ガスクロマトグラフィー(GC)などの種々の機器を用いて特定できる。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、60万~200万であることが好ましく、80万~160万であることがより好ましく、100万を超えて150万以下であることがさらに好ましい。共重合体(A)のMwが上記範囲であることにより十分な耐久性を得ることができる。
<硬化剤(B)>
本組成は、硬化剤(B)を含む。(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)に架橋基を持たせて硬化剤(B)で架橋させることで、粘着層の凝集力や粘着力、高温または高温高湿下での耐久性を高めることができる。
本粘着剤組成物が含有する硬化剤としては、例えば、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤、アジリジン系硬化剤、金属キレート系硬化剤、アミン系硬化剤、アクリレート系硬化剤等が挙げられる。これらの中でも、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤、金属キレート系硬化剤が好ましく、貼り直し性の観点からエポキシ系硬化剤、金属キレート系硬化剤がより好ましく、高温環境下における耐久性の観点からエポキシ系硬化剤が特に好ましい。
硬化剤は1種単独で用いることが好ましい。
イソシアネート系硬化剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、及びポリメチレンポリフェニルイソシアネート等のジイソシアネートとトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、ならびにそのビュレット体、ならびにそのイソシアヌレート体、ならびに前記ジイソシアネートと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、及びポリイソプレンポリオール等のうちのいずれかのポリオールとのアダクト体などの分子内に3個以上のイソシアネート基を有する化合物;トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、及びポリメチレンポリフェニルイソシアネート等のジイソシアネート、ならびにヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体等の分子内に2個のイソシアネート基を有する化合物;等が挙げられる。これらの中でも、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体が、粘着物性を容易に調整できるため好ましい。なお、イソシアネート基の個数は平均個数である。
エポキシ系硬化剤としては、例えばビスフェノールA-エピクロロヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン、1,3-ビス(N、N'-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、及びN,N,N',N'-テトラグリシジルアミノフェニルメタン等が挙げられる。硬化性、耐久性の観点からN,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン、1,3-ビス(N、N'-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンが特に好ましい。
アジリジン系硬化剤としては、例えば、β-アジリジニルプロピオナト)、トリメチロールプロパントリス(β-アジリジニルプロピオナト)等が挙げられる。また、市販品でいうと、例えば、「TAZO」、「TAZM」相互薬工社製、「ケミタイトPZ-33」日本触媒社製等が挙げられる。
金属キレート系硬化剤としては、例えばアルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロムおよびジルコニウムなどの多価金属と、アセチルアセトンまたはアセト酢酸エチルとの配位化合物等が挙げられる。
アミン系硬化剤としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチルテトラミン、イソホロンジアミン、アミノ樹脂およびメチレン樹脂などが挙げられる。
アクリレート系硬化剤としては、例えば、1,6-ヘキサンジオールアクリレート等の多官能アクリレートなどが挙げられる。
硬化剤(B)の含有量は、共重合体(A)の種類や架橋度など所望する物性などに応じて適宜変更すればよいが、粘着力や張り直し性、高温下での耐久性の観点から、共重合体(A)100質量部に対して、0.01~3質量部が好ましく、0.015~1質量部がより好ましく、0.018~0.5質量部以下がさらに好ましく、0.02~0.06質量部が特に好ましい。中でも硬化剤としてのエポキシ化合物の含有量を上記範囲内とすることで、高温環境下における密着性と耐熱性を高度に両立することができる。
本発明の粘着剤組成物の架橋度は、ゲル分率で示され、その測定方法は実施例に示す通りである。ゲル分率は特に限定はないが40~70%が好ましく、50~60%が特に好ましい。上記範囲にすることで張り直し性、高温環境下での耐久性を高度に両立することができる。
<有機溶剤(C)>
本粘着剤組成物は、有機溶剤(C)を含んでも良い。有機溶剤(C)を含むことで本粘着剤組成物を被貼付物に塗工するために好適な粘度に容易にしやすく塗工性を向上させることができる。また、一般に粘着剤組成物を無溶剤で塗工・硬化させる紫外線硬化系は酸素阻害や紫外線ランプ距離などの影響で塗膜架橋度が不均一になりやすいのに対して、有機溶剤(C)を含む熱硬化系は、塗膜中で均一に架橋反応が起きるため凹凸追従性などの性能を容易に発現することが可能である。
有機溶剤(C)は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の重合時の溶剤をそのまま利用してもよく、また、更に溶剤を追加してもよく、任意の溶剤を適宜使用できる。
有機溶剤(C)としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、n-プロパノール、及びイソプロパノール等が挙げられる。これらは単独で用いても2種で以上を併用してもよい。これら有機溶剤を添加して、粘着剤組成物の粘度を調整することもできるし、粘着剤組成物を加温して粘度を低下させることもできる。
溶解性、乾燥性の観点ではSP値が9以上の有機溶剤を用いることが好ましい。SP値が9以上の有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、イソプロパノールなどが挙げられる。これらの中でも酢酸エチルを用いることがより好ましい。
一方、粘着剤組成物の粘度を下げる観点では、SP値が9未満の有機溶剤を用いることが好ましい。SP値が9未満の有機溶剤としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどが挙げられる。
本粘着剤組成物は、共重合体(A)、硬化剤(B)の他に、必要に応じて、粘着付与剤、共重合体(A)以外の樹脂、可塑剤、シランカップリング剤、レベリング剤、無機及び又は有機微粒子、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等の任意の添加剤を含んでもよい。これら添加剤の添加量は、本開示の効果が得られる範囲で適宜選択でき、例えば、上記共重合体(A)の含有量が上記範囲内を満たす範囲で適宜設定することが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)以外の樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂が挙げられ、例えば、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、低結晶(アモルファス)ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メタ)アクリ酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル-無水マレイン酸共重合体、エチレン-メタクリル酸グリシジル共重合体等のエチレン共重合体、並びに、ポリオレフィン変性ポリマー等のオレフィン系共重合体、並びに、ブタジエン系エラストマー、エステル系エラストマー、スチレン系エラストマー、スチレン-ブタジエン系エラストマー、スチレン-イソプレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー、並びに、熱可塑性ポリエステル、並びに、ポリアミド系共重合体等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン、ポリスチレン系樹脂、セロファン、ポリアクリロニトリル、並びに、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体等のポリ塩ビニル系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いてもよい。これらのその他の樹脂の含有率は、本組成物の固形分中、10質量%未満であることが好ましい。これらの樹脂の含有率が10質量%未満であれば、良好な相溶性が得やすく、適度な粘着力を容易に得ることができる。
本粘着剤組成物には、粘着力を調整する目的で、粘着付与剤(粘着付与樹脂)を使用できる。粘着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、合成炭化水素系樹脂等が挙げられる。
ロジン系樹脂としては、例えば、ロジンエステル、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン、ロジンフェノール樹脂、天然ロジン等が挙げられる。
テルペン系樹脂としては、例えば、α-ピネン樹脂、β-ピネン樹脂、ジペンテン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、酸変性テルペン樹脂、スチレン化テルペン樹脂、及びスチレン-脂肪族炭化水素系共重合体樹脂等が挙げられる。
合成炭化水素系樹脂は、例えば、クマロン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。
被貼付物に対する良好な粘着力を得る観点から、粘着付与剤としては中でもロジン系樹脂、テルペン系樹脂を用いることが好ましい。粘着付与剤は、1種単独で、または2種以上混合して用いてもよい。
粘着付与剤の含有量は、アクリル酸エステル共重合体(A)100質量部に対して、30質量部未満であることが好ましく、25質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましい。粘着付与剤の含有量が30質量部未満とすることで、良好な相溶性を得やすく、適度な張り直し性、優れた成形品外観を得やすい。
本粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)を主成分として含有することが好ましい。なお、主成分とは、対象物(ここでは、本組成物)が含む全ての成分のうち、最も配合量の多い成分のことを言う。
具体的には、本粘着剤組成物の固形分100質量%中の(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の含有率は、好ましくは70~100質量%、より好ましくは80~100質量%、さらに好ましくは90~99質量%である。本粘着剤組成物の固形分100質量%中に(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)が70質量%以上含まれていれば、常温で貼り直し可能で、且つ気泡巻き込み及び異物混入がない、適度な粘着力を容易に得ることができる。
<加飾シート>
以上説明した本粘着剤組成物は、加飾シート用として好ましく用いることができる。本発明に係る加飾シート(以降、本加飾シートとも記す)は、基材と、本粘着剤組成物の硬化物からなる粘着層とを備える。必要に応じて、粘着層の露出面は、剥離シートで被覆することができる。なお、剥離シートは、粘着シートを被着体に貼着する際に剥離される。
基材としては、特に制限されず、樹脂シート、紙、および金属箔等が挙げられる。基材は、これら基材の少なくとも一方の面に任意の1つ以上の層が積層された積層シートであってもよい。基材の任意の粘着層を形成する側の面には、必要に応じて、コロナ放電処理およびアンカーコート剤塗布等の易接着処理が施されていてもよい。
剥離シートとしては、特に制限されず、樹脂シートまたは紙等の基材シートの表面に剥離剤塗布等の公知の剥離処理が施された公知の剥離シートを用いることができる。
粘着剤層を有する本加飾シートの製造方法については、従来公知の方法を適宜使用でき、特に限定されない。例えば、表面層と加飾層とが形成されたシート上に、必要に応じて溶剤で希釈した本組成物を、ナイフコート、バーコート、ブレードコート、ドクターコート、ロールコート、キャストコートなどによってコーティングし、塗膜を形成する。次いで、必要に応じて加熱して乾燥又は硬化することにより、当該シート上に粘着剤層(固化物)を形成することができる。
なお、本組成物に含まれる共重合体(A)が活性エネルギー線による架橋が必要な場合には、シート上に本組成物を塗工した後、活性エネルギー線を照射することにより、当該シート上に粘着剤層(架橋物)を形成することができる。その際、例えば、ベルトコンベア式の紫外線照射装置を用いて、シート上に塗工した粘着剤組成物に、紫外線照射を行って粘着剤層を得ることができる。紫外線照射量は、例えば、500mJ/cm以上、5000mJ/cm以下とすることができる。
本加飾シートは、常温(例えば、25℃)において適度な粘着力を有するとともに、高温(例えば、100~130℃)での接着時には優れた接着性を有し、さらに高温において長期間(例えば100℃7日間)性質を維持できる。したがって、本加飾シートは、例えば、真空圧空成形の一種である3次元表面加飾(Three dimension Overlay Method:TOM成形)による、航空機、自動車、建材の内外装、介護および医療分野、電化製品、電子部品、スマートフォン、家具、楽器、新幹線窓枠壁などの加飾に適用できる。
<加飾構造体およびその製造方法>
本開示に係る加飾構造体(以下、本構造体とも記す)は、被着体に本粘着剤組成物を用いて加飾シートを貼り付けることで形成できる。被着体としては、特に限定されず、様々な形状の被貼付物(例えば、三次元形状の成形品)を用いることができる。本粘着剤組成物を用いた加飾シートは真空成形法および真空圧空成形法による被着体への貼り付けに用いられる。真空成形法および真空圧空成形法は従来公知の手法を適宜適用できる。
本加飾構造体は、より具体的には、例えば、表面層、加飾層および粘着剤層をこの順で備えることができる。
表面層は、加飾成形品の表面となる層であり、加飾シートの分野で従来公知のものを適宜使用できる。表面層としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン、フッ素樹脂およびポリ塩化ビニルなど、様々な樹脂から構成されることができる。また、表面層の露出面にエンボス加工を施してもよい。
加飾層は、加飾対象物を加飾するためのものであり、使用用途に応じて、様々な材料を用いることができる。加飾層は、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂および塩化ビニル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を含むことができる。また、加飾層は、任意の要素として、意匠層、バルク層、接合層等の他の層を更に含んでいてもよい。加飾シートの層数、各層の種類、配置、厚み等は、適宜選択でき、特に限定されない。
粘着剤層は、被着体(例えば、三次元形状に成形された成形品)に加飾シートを貼り付けるための層であり、粘着剤組成物を(例えば、基材上に塗布した後に)乾燥したり、紫外線を照射等して架橋したりすること形成できる。
次に、実施例を示して更に詳細を説明するが、本開示は、これらの例によって限定されるものではない。例中、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示す。また、表中の配合量は、質量部である。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)のMwは、以下の方法により測定した。テトラヒドロフラン(THF)に溶解した共重合体(A)をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーに供し、Mwを特定した。測定装置は島津製作所製GPCのLC-GPCシステム「Prominence」(商品名)を用いた。重量平均分子量の決定はポリスチレン換算で行った。カラムは、東ソー社製、商品名:GMHXL4本、東ソー社製、商品名:HXL-H1本を直列に連結し、流量は1.0ml/minとし、カラム温度は40℃で測定を行った。
[(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の製造例]
<合成例1>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸エチル14部、アクリル酸2部、アセトン63部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸エチル14部、アクリル酸2部、アセトン17部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は142万であった。
<合成例2>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸エチル14部、アクリル酸2部、酢酸エチル63部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸エチル14部、アクリル酸2部、酢酸エチル27部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は95万であった。
<合成例3>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸エチル14部、アクリル酸2部、酢酸エチル53部、メチルエチルケトン10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸エチル14部、アクリル酸2部、酢酸エチル27部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は78万であった。
<合成例4>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸エチル14部、アクリル酸2部、アセトン63部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸エチル12.5部、アクリル酸3.5部、アセトン17部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は142万であった。
<合成例5>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸エチル14部、アクリル酸2部、アセトン63部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸エチル10部、アクリル酸6部、アセトン17部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は138万であった。
<合成例6>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸エチル14部、アクリル酸2部、アセトン63部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸エチル6.5部、アクリル酸9.5部、アセトン17部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は135万であった。
<合成例7>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸エチル14部、アクリル酸2部、アセトン63部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸エチル13.5部、アクリル酸2-カルボキシエチル2.5部、アセトン17部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は140万であった。
<合成例8>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル26部、アクリル酸n-ブチル4部、アクリル酸エチル17部、アクリル酸2部、アセトン30部、酢酸エチル30部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル27部、アクリル酸n-ブチル4部、アクリル酸エチル18部、アクリル酸2部、アセトン10部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は122万であった。
<合成例9>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル30部、アクリル酸エチル17部、アクリル酸2部、アセトン30部、酢酸エチル30部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル30部、アクリル酸n-ブチル1部、アクリル酸エチル18部、アクリル酸2部、アセトン10部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は120万であった。
<合成例10>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル31部、アクリル酸エチル17部、アクリル酸2部、アセトン30部、酢酸エチル30部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル31部、アクリル酸エチル17部、アクリル酸2部、アセトン10部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は120万であった。
<合成例11>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル37部、アクリル酸エチル10部、アクリル酸2部、アセトン30部、酢酸エチル30部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル38部、アクリル酸エチル11部、アクリル酸2部、アセトン10部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は110万であった。
<合成例12>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル40部、アクリル酸エチル8部、アクリル酸1.5部、アセトン30部、酢酸エチル30部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル41部、アクリル酸エチル8部、アクリル酸1.5部、アセトン10部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は105万であった。
<合成例13>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル35部、アクリル酸n-ブチル13.5部、アクリル酸エチル0.25部、アクリル酸2部、アセトン60部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸n-ブチル13部、アクリル酸2部、アクリル酸エチル0.25部、アセトン10部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は118万であった。
<合成例14>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル35部、アクリル酸n-ブチル9部、アクリル酸エチル4部、アクリル酸2部、アセトン60部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸n-ブチル10部、アクリル酸エチル4部、アクリル酸2部、アセトン10部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は125万であった。
<合成例15>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル35部、アクリル酸n-ブチル8部、アクリル酸エチル6部、アクリル酸1.5部、アセトン60部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸n-ブチル8部、アクリル酸エチル6部、アクリル酸1.5部、アセトン10部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は128万であった。
<合成例16>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル28部、アクリル酸エチル20部、アクリル酸1.5部、アセトン60部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル22部、アクリル酸ブチル2部、アクリル酸エチル20部、アクリル酸1.5部、アセトン10部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は136万であった。
<合成例17>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル27部、アクリル酸エチル22部、アクリル酸1部、アセトン60部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル26部、アクリル酸エチル23部、アクリル酸1部、アセトン10部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は137万であった。
<合成例18>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸メチル9部、アクリル酸エチル4部、アクリル酸2部、アセトン60部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル35部、アクリル酸メチル9部、アクリル酸エチル5部、アクリル酸2部、アセトン10部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は138万であった。
<合成例19>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸イソブチル4部、アクリル酸n-ブチル9部、アクリル酸2部、アセトン60部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル35部、アクリル酸イソブチル4部、アクリル酸n-ブチル10部、アクリル酸2部、アセトン10部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は121万であった。
<合成例20>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸tert-ブチル4部、アクリル酸n-ブチル9部、アクリル酸2部、アセトン60部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル35部、アクリル酸tert-ブチル4部、アクリル酸n-ブチル10部、アクリル酸2部、アセトン10部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は120万であった。
<合成例21>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル44部、アクリル酸6部、アセトン60部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル45部、アクリル酸5部、アセトン10部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は110万であった。
<合成例22>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル25部アクリル酸エチル25部、アクリル酸1.5部、アセトン30部、酢酸エチル30部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル25部、アクリル酸エチル22部、アクリル酸1.5部、酢酸エチル20部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は122万であった。
<合成例23>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸n-オクチル34部、アクリル酸エチル14部、アクリル酸2部、アセトン63部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸n-オクチル34部、アクリル酸エチル14部、アクリル酸2部、アセトン17部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は149万であった。
<合成例24>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸エチル14部、アクリル酸0.4部、アセトン63部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸ブチル3.2部、アクリル酸エチル14部、アクリル酸0.4部、アセトン17部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は148万であった。
<合成例25>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸エチル14部、アクリル酸0.5部、アセトン63部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル34部、アクリル酸ブチル3部、アクリル酸エチル14部、アクリル酸0.5部、アセトン17部、酢酸エチル10部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は148万であった。
<比較合成例1>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル20部、アクリル酸n-ブチル25部、アクリル酸4部、アセトン30部、酢酸エチル30部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル20部、アクリル酸n-ブチル26部、アクリル酸5部、酢酸エチル20部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は110万であった。
<比較合成例2>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル42部、アクリル酸7部、アセトン60部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル43部、アクリル酸8部、酢酸エチル20部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は107万であった。
<比較合成例3>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル42部、アクリル酸n-ブチル5部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル2部、アセトン60部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル43部、アクリル酸n-ブチル6部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル2部、酢酸エチル20部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は105万であった。
<比較合成例4>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と称することがある)に、アクリル酸2-エチルヘキシル49部、アクリル酸エチル0.25部、アクリル酸0.25部、アセトン60部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。更に、滴下漏斗に、アクリル酸2-エチルヘキシル50部、アクリル酸エチル0.25部、アクリル酸0.25部、酢酸エチル20部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005部を仕込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した後、滴下漏斗内容物を1.5時間かけて滴下しながら、窒素雰囲気下にて還流温度で5時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分30%のアクリル重合体溶液を得た。また、アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は113万であった。
例示化合物は以下の表1に具体的に示すが、これらに限られるものではない。
表1の略号を以下に記載する。
[モノマー(a)]
2EHA:アクリル酸2-エチルヘキシル
NOA:アクリル酸n-オクチル
[モノマー(b)]
AA:アクリル酸
BCEA:アクリル酸2-カルボキシエチル
[モノマー(c)]
MA:アクリル酸メチル
EA:アクリル酸エチル
[モノマー(d)]
IBA:アクリル酸イソブチル(Tg:48℃)
TBA:アクリル酸tert-ブチル(Tg:14℃)
[その他モノマー]
BA:アクリル酸n-ブチル
HEA:アクリル酸2-ヒドロキシエチル
(実施例1)
前記製造例で得られた共重合体(合成例1)100部に対し、硬化剤(B)としてTETRAD-X(三菱ガス化学株式会社製)0.05部(不揮発分換算)を配合し、更に溶剤として酢酸エチルを加えて不揮発分25%に調整して、実施例1の粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物を以下に示す測定方法および評価方法に従い、評価した。
<加飾シートの作製>
得られた粘着剤組成物を、片面に剥離処理が施されているポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)の離型処理面状に乾燥後の厚さが25μmになるよう塗布した。続いて、105℃で2分間乾燥させた後、当該塗膜を市販の塩化ビニルフィルムに貼り合わせ、23℃、相対湿度50%(以下50%RH)の雰囲気下で7日間養生し、加飾シートを作製した。
<ゲル分率>
前記で得られた加飾シートから幅3mm長さ100mmの試験片を切り出して重量を測定した。試験片から剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層を300メッシュのステンレススチール製金網に貼り付け、試験片が剥がれないように金網を折りたたみ、試験片を包んだ状態で抽出液として酢酸エチルンに浸漬し、50℃ で24 時間静置した。浸漬後、金網を取り出し、少量の酢酸エチルで洗浄し、100 ℃ で30分間乾燥した後、重量を測定した。ゲル分率は下記式(2)により算出した。
(ゲル分率)={(W2-W0-W3)/(W1-W0-W3)}×100 (式2)
W0:金網の重量
W1:金網+試験片の重量
W2;金網+試験片の乾燥後の重量
W3:試験片の基材の重量
(SUS粘着力)
23℃-50%RHの雰囲気下で5時間養生した後の加飾シートから幅25mm長さ150mmの試験片を切り出した。切り出した加飾シートから剥離性シートを剥がして露出した粘着剤層を、ステンレス板(SUS304)の表面に貼着し、2kgロールを1往復して圧着した。その後、23℃-50%RHの雰囲気下に24時間放置した。次いで、JISZ0237に準拠し、引張試験機(テンシロン:オリエンテック社製)を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で粘着力(加熱前の粘着力)を測定した。評価基準は以下の通りである。
[評価基準]
◎:13N/25mm以上、優良。
○:8N/25mm以上13N/25mm未満、良好。
△:1N/25mm以上8N/25mm未満、実用可。
×:1N/25mm未満、実用不可。
(PP粘着力)
23℃-50%RHの雰囲気下で5時間養生した後の加飾シートから幅25mm長さ150mmの試験片を切り出した。切り出した加飾シートから剥離性シートを剥がして露出した粘着剤層を、ポリプロピレン板の表面に貼着し、2kgロールを1往復して圧着した。その後、23℃-50%RHの雰囲気下に24時間放置した。次いで、JISZ0237に準拠し、引張試験機(テンシロン:オリエンテック社製)を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で粘着力(加熱前の粘着力)を測定した。評価基準は以下の通りである。
[評価基準]
◎:8N/25mm以上、優良。
○:5N/25mm以上8N/25mm未満、良好。
△:1N/25mm以上5N/25mm未満、実用可。
×:1N/25mm未満、実用不可。
(SUS曲面貼り付け性)
23℃-50%RHの雰囲気下で5時間養生した後の加飾シートから幅25mm長さ150mmの試験片を切り出した。切り出した加飾シートから剥離性シートを剥がして露出した粘着剤層を、ステンレス製(SUS304)の直径10mmの円柱の表面に貼着し、十分に圧着した。その後、23℃-50%RHの雰囲気下に24時間放置し、端部の剥がれの長さを測定した。評価基準は以下の通りである。端部の剥がれは両端部の剥がれの長さの合計であり、片方の端部の剥がれの長さは左右それぞれの剥がれの長さの平均である。
[評価基準]
◎:2mm未満、優良。
○:2mm以上3mm未満、良好。
△:3mm以上5mm未満、実用可。
×:5mm以上、実用不可。
(PP曲面貼り付け性)
23℃-50%RHの雰囲気下で5時間養生した後の加飾シートから幅25mm長さ150mmの試験片を切り出した。切り出した加飾シートから剥離性シートを剥がして露出した粘着剤層を、ポリプロピレン製の直径10mmの円柱の表面に貼着し、十分に圧着した。その後、23℃-50%RHの雰囲気下に24時間放置し、端部の剥がれの長さを測定した。評価基準は以下の通りである。端部の剥がれは両端部の剥がれの長さの合計であり、片方の端部の剥がれの長さは左右それぞれの剥がれの長さの平均である。
[評価基準]
◎:3mm未満、優良。
○:3mm以上5mm未満、良好。
△:5mm以上7mm未満、実用可。
×:7mm以上、実用不可。
<貼り直し性>
前記で得られた加飾シートを、TOM成形機(布施真空株式会社製、NGF成形機)の型枠に取り付ける際のアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(以下ABS)樹脂板への貼り直し性を以下の評価基準に基づき、評価した。
(評価基準)
◎:試料面に剥離跡が残らず、剥離音も無かった。非常に良好。
○:試料面に剥離跡は残っていないが、剥離音があった。良好。
△:試料面に剥離跡が部分的に残った。実用可。
×:試料面に剥離跡が全面残った。実用不可。
<凹凸追従性>
前記で得られた加飾シートを、TOM成形機(布施真空株式会社製、NGF成型機)の型枠に取り付けた後、枠内に幅7cm×長さ15cmのメラミン板をセットし、その上に上辺20mm×底辺40mm×高さ20mmの正四角錐台のABS樹脂をセットした。その後、メラミン板およびABS樹脂を加飾シートで覆うように成形し、加飾構造体を得た。この成型後の表面状態について以下の評価基準に基づき、評価した。
(評価基準)
◎: 全ての面で浮き、剥がれが見られない。非常に良好。
○:凹凸面で浮きは見られないが、端部で一部剥がれ発生。良好。
△:一部凹凸面で浮きが見られ、端部も剥がれ発生。実用可。
×:全ての凹凸面で浮きが発生し、全面で剥がれが発生。実用不可。
<成形後の耐久性>
前記で得られた加飾シートを、TOM成形機(布施真空株式会社製、NGF成形機)の型枠に取り付けた後、枠内に10cm×7cm×厚み5mmのABS樹脂板をセットした。その後、130℃でABS樹脂版を加飾シートで覆うように成形し、加飾構造体を得た。その後、得られた成形物を23℃-50RH%雰囲気下で24時間放置後、成形物表面に5cm長さの切り込みを十字に入れ、高温または高温高湿環境下(80℃/90℃/80℃-95%RH)でそれぞれ168時間放置した後、浮きやズレについて以下の評価基準に基づき、評価した。
(評価基準)
◎:浮きや剥がれはなかったものの、1mm未満のズレが発生。非常に良好。
○:浮きや剥がれはなかったものの、1mm以上3mm未満のズレが発生。良好。
△:浮きや剥がれはなかったものの、3mm以上10mm未満のズレが発生。実用可。
×:浮きや剥がれが発生。実用不可。
(実施例2~34、比較例1~4)
粘着剤組成物中に含有させる(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)ならびに硬化剤(B)および添加剤の種類や配合量を表2に記載する内容に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~34、比較例1~4の粘着剤組成物および加飾シートを得た。
なお、例示化合物は表2に具体的に示すが、これらに限られるものではない。得られた実施例2~34、比較例1~4の加飾シートの評価結果を表3に示す。
ただし、実施例13、17~18、21~22、26~28、31~32は参考例である。
表2の略号を以下に記載する。
[硬化剤(B)]
TETRAD-X:エポキシ系硬化剤(三菱ガス化学株式会社製、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン)
AL:金属キレート系硬化剤(川研ファインケミカル社製、アルミニウムトリスアセチルアセトネート)
TDI-TMP:イソシアネート系硬化剤、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
[添加剤]
AcAc:アセチルアセトン
本発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、適宜設計変更が可能である。
本発明の加飾シート用粘着剤組成物は、表3の実施例1~34に示すように、粘着力、曲面貼り付け性、貼り直し性、凹凸追従性、高温または高温高湿環境下での耐久性に優れていた。これに対して表3の比較例1~4は上述の物性が劣ることが分かった。
以上のように優れた性質を有する本組成物は、例えば、航空機、自動車、鉄道、建材内外装、介護および医療分野、電化製品などの加飾にも好適に使用でき、その使用用途は特に限定されないが、自動車内装・外装部品、家電製品、スマートフォン、住宅建材への使用が好ましく、自動車内装・外装部品、住宅建材への使用がさらに好ましく、自動車内装・外装部品への使用が特に好ましい。また加飾シートを用いて装飾する方法としては、インサート成形法、インモールド成形法、真空成形法および真空圧空成形法などが知られており、特に限定はされないが、真空成形法および真空圧空成形法での方法が特に好ましい。

Claims (4)

  1. (メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)とエポキシ系硬化剤(B)を含み、
    前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)はモノマー混合物の共重合体であり、
    モノマー混合物は、炭素数が8である分岐構造のアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)およびカルボキシ基を有するモノマー(b)を含有し、 さらにアルキルの炭素数が1~3である(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(c)およびホモポリマーのガラス転移温度が-30℃以上であり、アルキルの炭素数が4である(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(d)のうち少なくともいずれか1種を含有し、
    炭素数が8である分岐構造のアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)の含有率が、モノマー混合物100質量%中60~75質量%であり、
    カルボキシ基を有するモノマー(b)の含有率が、モノマー混合物100質量%中0質量%を超えて12質量%未満であり、
    アルキルの炭素数が1~3である(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(c)およびホモポリマーのガラス転移温度が-30℃以上であり、アルキルの炭素数が4である(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(d)の合計含有率がモノマー混合物100質量%中8~35質量%であり、
    粘着付与剤の含有量が、アクリル酸エステル共重合体(A)100質量部に対して、30質量部未満であることを特徴とする、
    真空成形法または真空圧空成形法による被着体への貼り付けに用いる加飾シート用粘着剤組成物。
  2. 基材と、請求項1記載の加飾シート用粘着剤組成物からなる粘着層を備える、加飾シート。
  3. 被着体と、請求項1または2に記載の加飾シートとを備えることを特徴とする加飾構造体。
  4. 加飾シートを真空成形法または真空圧空成形法により被着体と一体化して加飾構造体を形成することを特徴とする、請求項に記載の加飾構造体の製造方法。
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