JP7430624B2 - タイヤ組立体 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ組立体に関する。
従来から、リムの外周面に、内筒、外筒、および連結部材を有する非空気入りタイヤが装着されたタイヤ組立体が知られている。
この種のタイヤ組立体として、例えば下記特許文献1に示されるような、リムの外周面と内筒の内周面との間に、キー溝およびキーからなる嵌合構造を設け、リムおよび非空気入りタイヤのタイヤ周方向の相対回転を規制する構成が知られている。
特許第5879089号公報
しかしながら、前記従来の非空気入りタイヤでは、コストを抑えること、並びに、リムおよび非空気入りタイヤのタイヤ周方向の相対回転を規制する回り止め機構を破損しにくくすることが困難であるという問題があった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、コストを抑えることができ、リムおよび非空気入りタイヤのタイヤ周方向の相対回転を規制する回り止め機構を破損しにくくすることができる非空気入りタイヤ、およびタイヤ組立体を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る非空気入りタイヤは、金属製のリムの外周面をタイヤ径方向の外側から囲う内筒、前記内筒をタイヤ径方向の外側から囲う外筒、および前記内筒の外周面と前記外筒の内周面とを連結する弾性変形可能な複数の連結部材を有するとともに、前記内筒は、合成樹脂材料で形成され、前記リムの外周面には、タイヤ径方向の外側に向けて突出し、タイヤ周方向の全長にわたって連続して延び、前記内筒をタイヤ幅方向に挟み込んで前記リムに固定する一対の挟持フランジ部が形成され、前記リムは、タイヤ幅方向に分割され、かつ前記挟持フランジ部を各別に有する第1分割体および第2分割体を備え、前記内筒におけるタイヤ幅方向の大きさは、一対の前記挟持フランジ部におけるタイヤ幅方向で互いに対向する内面同士の距離よりも大きく、前記内筒は、タイヤ幅方向に弾性変形可能に形成されている。
本発明に係るタイヤ組立体は、リムと、前記リムに固定された本発明の非空気入りタイヤと、を備え、前記内筒は、タイヤ幅方向に圧縮変形され、前記内筒におけるタイヤ幅方向の大きさ、および一対の前記挟持フランジ部における各内面同士の距離は、互いに同じになっている。
この発明では、内筒におけるタイヤ幅方向の大きさが、一対の挟持フランジ部におけるタイヤ幅方向で互いに対向する内面同士の距離よりも大きく、内筒が、タイヤ幅方向に弾性変形可能に形成されているので、リムに非空気入りタイヤを組み付ける際、内筒におけるタイヤ幅方向の大きさが、一対の挟持フランジ部における各内面同士の距離と同じになるまで、内筒を、一対の挟持フランジ部によりタイヤ幅方向に挟み込んで弾性域内で圧縮変形させることが可能になり、挟持フランジ部と内筒との間に大きな摩擦力を生じさせることができる。これにより、路面とトレッド部材との間に生ずる摩擦力では、リムおよび非空気入りタイヤがタイヤ周方向に相対回転しない摩擦力を、挟持フランジ部と内筒との間に容易に生じさせることができる。したがって、リムおよび非空気入りタイヤのタイヤ周方向の相対回転を規制する回り止め機構として、リムの外周面と内筒の内周面との間に、キー溝およびキーからなる嵌合構造を設ける必要が無く、例えば、低コスト化を図ることができるとともに、回り止め機構を破損しにくくすることができる。
ここで、リムに非空気入りタイヤを組み付けるには、まず、リムにおける第1分割体および第2分割体を分離して、一対の挟持フランジ部のうちのいずれか一方の挟持フランジ部から他方の挟持フランジ部を離反させた状態で、一方の挟持フランジ部の内面に、内筒をタイヤ幅方向に当接させつつ、他方の挟持フランジ部の内面により、内筒を、一方の挟持フランジ部に向けてタイヤ幅方向に押込んで弾性域内で圧縮変形させ、第1分割体および第2分割体を、タイヤ幅方向に突き当てて一体に組み付ける。
前記外筒の外周面にトレッド部材が設けられ、前記内筒におけるタイヤ幅方向の大きさをWa、一対の前記挟持フランジ部におけるタイヤ幅方向で互いに対向する内面同士の距離をWr、前記リムを形成する材質のヤング率をEr、前記内筒を形成する材質のヤング率をE、前記トレッド部材の外周面の半径をR、前記リムの外周面の半径をr、前記内筒の板厚をt、前記非空気入りタイヤに加えられる路面からの押付力をFz、路面と前記トレッド部材との間の静止摩擦係数をμ、前記内筒と前記挟持フランジ部との間の静止摩擦係数をμrとしたときに、(1)式および(2)式を満たしてもよい。
Figure 0007430624000001
この場合、上記(1)式および(2)式を満たすので、路面とトレッド部材との間に生ずる摩擦力では、リムおよび非空気入りタイヤがタイヤ周方向に相対回転しない摩擦力を、挟持フランジ部と内筒との間に確実に生じさせることができる。
前記第1分割体、および前記第2分割体のうちのいずれか一方には、いずれか他方に向けてタイヤ幅方向に突出し、いずれか他方に形成された芯出し凹部に嵌合された芯出し突部が形成されてもよい。
この場合、第1分割体、および第2分割体のうちのいずれか一方に、いずれか他方に向けてタイヤ幅方向に突出し、いずれか他方に形成された芯出し凹部に嵌合された芯出し突部が形成されているので、リムに非空気入りタイヤを組み付ける際に、芯出し凹部に芯出し突部を嵌合することで、互いに分離されていた第1分割体および第2分割体を、容易かつ精度よく一体に組み付けることができる。
この発明によれば、コストを抑えることができ、リムおよび非空気入りタイヤのタイヤ周方向の相対回転を規制する回り止め機構を破損しにくくすることができる。
一実施形態に係るタイヤ組立体の側面図である。 図1のII-II線矢視断面図である。
以下、本実施形態に係るタイヤ組立体1を、図1および図2を参照しながら説明する。
タイヤ組立体1は、リム12を有するホイール2、非空気入りタイヤ3、およびトレッド部材4を備えている。タイヤ組立体1は、例えば自転車、車いす、二輪車、および自動車等に装着されて用いられる。
リム12、非空気入りタイヤ3、およびトレッド部材4はそれぞれ、円環状に形成され、各中心軸は共通軸上に位置している。以下、この共通軸を中心軸Oといい、中心軸Oに沿う方向をタイヤ幅方向という。また、タイヤ幅方向から見て、中心軸O回りに周回する方向をタイヤ周方向といい、この中心軸Oに交差する方向をタイヤ径方向という。
ホイール2、非空気入りタイヤ3、およびトレッド部材4それぞれにおけるタイヤ幅方向の中央部は、互いに一致している。
ホイール2は、車軸に取り付けられるハブ11と、ハブ11をタイヤ径方向の外側から囲うリム12と、ハブ11の外周面とリム12の内周面とを連結した複数のスポーク13と、を備えている。ハブ11、リム12、およびスポーク13は、例えばアルミニウム合金等の金属材料で形成されている。
ハブ11は、筒状に形成され、中心軸Oと同軸に配設されている。スポーク13は、ハブ11の外周面とリム12の内周面とを連結している。複数のスポーク13は、ハブ11の外周面とリム12の内周面との間におけるタイヤ周方向の全域にわたって設けられている。
リム12は、タイヤ周方向の全長にわたって連続して延びる環状に形成されている。リム12は、中心軸Oと同軸に配設されている。タイヤ幅方向およびタイヤ径方向の双方に沿う縦断面視で、リム12の外周面は、タイヤ幅方向に真直ぐ延びている。リム12の外周面には、タイヤ径方向の外側に向けて突出し、タイヤ周方向の全長にわたって連続して延びる一対の挟持フランジ部15が形成されている。挟持フランジ部15は、リム12の外周面におけるタイヤ幅方向の両端部に設けられている。
リム12は、タイヤ幅方向に分割され、かつ挟持フランジ部15を各別に有する第1分割体16および第2分割体17を備えている。第1分割体16および第2分割体17は同じ材質で形成されている。
図示の例では、第1分割体16のタイヤ幅方向の大きさは、第2分割体17のタイヤ幅方向の大きさより大きくなっている。なお、第1分割体16および第2分割体17それぞれのタイヤ幅方向の大きさを互いに同じにしてもよい。第2分割体17の内周面は、第1分割体16の内周面より径方向の内側に位置している。なお、第1分割体16および第2分割体17それぞれの内周面は、タイヤ幅方向に段差なく連なってもよい。第1分割体16および第2分割体17はそれぞれ、挟持フランジ部15、リム12の内周面、およびリム12の外周面を有している。なお、第1分割体16および第2分割体17として、リム12の内周面、およびリム12の外周面のうちの少なくとも一方を有しない構成を採用してもよい。第1分割体16の内周面に、タイヤ径方向の内側に向けて突出し、タイヤ周方向の全長にわたって延びるフランジ部16aが形成されている。
第1分割体16および第2分割体17のうちのいずれか一方には、いずれか他方に向けてタイヤ幅方向に突出し、いずれか他方に形成された芯出し凹部18に嵌合された芯出し突部19が形成されている。
図示の例では、芯出し突部19は、第1分割体16のタイヤ幅方向に沿う第2分割体17側の端部におけるタイヤ径方向およびタイヤ周方向の双方の全長にわたって形成されている。つまり、芯出し突部19は、第1分割体16におけるタイヤ幅方向に沿う第2分割体17側の端部の全体となっている。
なお、芯出し突部19は、第1分割体16のタイヤ幅方向に沿う第2分割体17側の端部におけるタイヤ径方向の一部、若しくはタイヤ周方向の一部に形成されてもよい。
芯出し凹部18は、第2分割体17におけるタイヤ幅方向に沿う第1分割体16側を向く端面のうち、内周縁部を除く全域にわたって形成されている。
なお、芯出し凹部18は、第2分割体17におけるタイヤ幅方向に沿う第1分割体16側を向く端面のうち、外周縁部を除く全域にわたって形成されてもよいし、タイヤ径方向の中間部に形成されてもよい。
第1分割体16の芯出し突部19における、タイヤ幅方向に沿う第2分割体17側を向く端面19aが、第2分割体17の芯出し凹部18を画成する内面のうち、タイヤ幅方向に沿う第1分割体16側を向く底面18aに当接している。
芯出し凹部18を画成する内面のうち、タイヤ径方向の外側を向く面18bは、タイヤ幅方向に第1分割体16側に向かうに従いタイヤ径方向の内側に向けて延びている。芯出し突部19の表面のうち、タイヤ径方向の内側を向く面19bは、タイヤ幅方向に第2分割体17側に向かうに従いタイヤ径方向の外側に向けて延びている。なお、芯出し凹部18の前記面18b、および芯出し突部19の前記面19bは、タイヤ幅方向に真直ぐ延びてもよい。
第2分割体17には、タイヤ幅方向に貫き、芯出し凹部18の底面18aに開口したザグリ穴が形成されている。第1分割体16の芯出し突部19には、ザグリ穴に連通する雌ねじ部が形成されている。ボトルBがザグリ穴に挿通されて雌ねじ部に締結されることにより、第1分割体16および第2分割体17がタイヤ幅方向に互いに固定されている。ザグリ穴、雌ねじ部、およびボトルBは、タイヤ周方向に等間隔をあけて複数設けられている。
第2分割体17が車両の外側に位置し、第1分割体16が車両の内側に位置するようにタイヤ組立体1が車両に装着された場合、車両に装着されたリム12に非空気りタイヤ3を容易に組み付けることができる。
なお、第2分割体17が車両の内側に位置し、第1分割体16が車両の外側に位置するようにタイヤ組立体1を車両に装着してもよい。
非空気入りタイヤ3は、リム12に固定されている。非空気入りタイヤ3は、リム12の外周面をタイヤ径方向の外側から囲う内筒21、内筒21をタイヤ径方向の外側から囲う外筒22、および内筒21の外周面と外筒22の内周面とを連結する弾性変形可能な複数の連結部材23を有している。非空気入りタイヤ3を形成する材質のヤング率は、例えば30MPa以上1500MPa以下となっている。
内筒21および外筒22は、中心軸Oと同軸に配設されている。内筒21、外筒22、および連結部材23は、それぞれのタイヤ幅方向の中央部が互いに一致した状態で設けられている。
内筒21におけるタイヤ幅方向の両端開口縁の全域にわたって、一対の挟持フランジ部15におけるタイヤ幅方向で互いに対向する内面15aが各別に当接している。内筒21は、弾性域内でタイヤ幅方向に圧縮変形している。
複数の連結部材23は、内筒21の外周面と外筒22の内周面との間に、タイヤ周方向に間隔をあけて設けられている。複数の連結部材23は、タイヤ周方向に等間隔をあけて設けられている。図1に示されるように、複数の連結部材23は、タイヤ幅方向から見て、タイヤ径方向に対して同じ向きに傾斜して延びている。連結部材23は、板状に形成され、表裏面がタイヤ周方向、若しくはタイヤ径方向を向き、かつ側面がタイヤ幅方向を向く姿勢で設けられている。
内筒21、外筒22、および連結部材23は、熱可塑性樹脂により一体に形成されている。熱可塑性樹脂としては、例えば1種だけの樹脂、2種以上の樹脂を含む混合物、または1種以上の樹脂と1種以上のエラストマーとを含む混合物であってもよく、さらに、例えば老化防止剤、可塑剤、充填剤、若しくは顔料等の添加物を含んでいてもよい。
なお、内筒21、外筒22、および連結部材23はそれぞれ、別体に形成されていてもよい。内筒21、外筒22、および連結部材23は、熱可塑性樹脂以外の合成樹脂材料で形成されていてもよい。
トレッド部材4は、弾性変形可能に形成され、非空気入りタイヤ3の外筒22の外周面に設けられている。トレッド部材4を形成する材質のヤング率は、非空気入りタイヤ3を形成する材質のヤング率よりも小さい。図2に示されるように、トレッド部材4の外周面は、タイヤ幅方向およびタイヤ径方向の双方に沿う縦断面視において、タイヤ径方向の外側に向けて突となる曲線状を呈する。
トレッド部材4は、例えば、天然ゴム又は/及びゴム組成物が加硫された加硫ゴム、或いは熱可塑性材料等で形成されている。耐摩耗性の観点ではトレッド部材4を加硫ゴムで形成するのが好ましい。熱可塑性材料として、例えば熱可塑性エラストマー若しくは熱可塑性樹脂等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えばJIS K6418に規定されるアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、熱可塑性ゴム架橋体(TPV)、若しくはその他の熱可塑性エラストマー(TPZ)等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えばウレタン樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、若しくはポリアミド樹脂等が挙げられる。
以下、リム12に固定される前の非空気入りタイヤ3について説明する。
図2に2点鎖線で示されるように、内筒21におけるタイヤ幅方向の大きさWaは、一対の挟持フランジ部15におけるタイヤ幅方向で互いに対向する内面15a同士の距離Wrよりも大きく、内筒21は、タイヤ幅方向に弾性変形可能に形成されている。内筒21におけるタイヤ幅方向の両端部は、連結部材23よりタイヤ幅方向に突出している。
そして、内筒21は、一対の挟持フランジ部15によりタイヤ幅方向に挟み込まれて、タイヤ幅方向に弾性域内で圧縮変形し、内筒21におけるタイヤ幅方向の大きさが、一対の挟持フランジ部15における各内面15a同士の距離Wrと同じになった状態でリム12に固定される。すなわち、タイヤ組立体1において、内筒21のタイヤ幅方向の圧縮変形量は、内筒21におけるタイヤ幅方向の大きさWaと、一対の挟持フランジ部15における各内面15a同士の距離Wrと、の差となる。この際、芯出し突部19の端面19a、および芯出し凹部18の底面18aが互いに当接し、第1分割体16および第2分割体17がタイヤ幅方向に突き当たっている。
ここで、リム12を形成する材質のヤング率をEr、内筒21を形成する材質のヤング率をE、トレッド部材4の外周面の半径をR、リム12の外周面の半径をr、内筒21の板厚をt、非空気入りタイヤ3に加えられる路面からの押付力をFz、路面とトレッド部材4との間の静止摩擦係数をμ、内筒21と挟持フランジ部15との間の静止摩擦係数をμrとしたときに、(1)式および(2)式を満たす。
Figure 0007430624000002
これにより、路面とトレッド部材4との間に生ずる摩擦力では、リム12および非空気入りタイヤ3がタイヤ周方向に相対回転しない摩擦力が、挟持フランジ部15と内筒21との間に生ずる。すなわち、挟持フランジ部15と内筒21との間に生ずる摩擦力に起因したトルクTrが、路面とトレッド部材4との間に生ずる摩擦力に起因したトルクT以上となる。
ここで、路面とトレッド部材4との間に生ずる摩擦力に起因したトルクTは、(3)式から算出され、挟持フランジ部15と内筒21との間に生ずる摩擦力に起因したトルクTrは、式(4)から算出される。式(4)に含まれるPは、式(5)にある通り、内筒21をタイヤ幅方向に(Wa-Wr)だけ圧縮変形させるのに要する応力を表している。
Figure 0007430624000003
次に、以上のように構成されたタイヤ組立体1の製造方法について説明する。
まず、ボルトBをリム12から外し、第1分割体16および第2分割体17を互いに分離して、第1分割体16および第2分割体17それぞれの挟持フランジ部15を互いに離反させる。
次に、第1分割体16の挟持フランジ部15の内面15aに、内筒21をタイヤ幅方向に当接させつつ、第2分割体17の芯出し凹部18内に、第1分割体16の芯出し突部19を嵌合し、第2分割体17を第1分割体16に仮固定した状態で、ボルトBを、第2分割体17のザグリ穴に挿入し、第1分割体16の雌ねじ部に締結することで、第2分割体17の挟持フランジ部15の内面15aにより、内筒21を、タイヤ幅方向に沿う第1分割体16側に向けて押込んでタイヤ幅方向に弾性域内で圧縮変形させる。
この際、芯出し突部19の端面19a、および芯出し凹部18の底面18aが互いに当接し、第1分割体16および第2分割体17が、タイヤ幅方向に突き当たることで一体に組み付けられるとともに、リム12に非空気入りタイヤ3が組み付けられ、タイヤ組立体1が得られる。
以上説明したように、本実施形態に係る非空気入りタイヤ3およびタイヤ組立体1によれば、内筒21におけるタイヤ幅方向の大きさWaが、一対の挟持フランジ部15におけるタイヤ幅方向で互いに対向する内面15a同士の距離Wrよりも大きく、内筒21が、タイヤ幅方向に弾性変形可能に形成されているので、リム12に非空気入りタイヤ3を組み付ける際、内筒21におけるタイヤ幅方向の大きさWaが、一対の挟持フランジ部15における各内面15a同士の距離Wrと同じになるまで、内筒21を、一対の挟持フランジ部15によりタイヤ幅方向に挟み込んで弾性域内で圧縮変形させることが可能になり、挟持フランジ部15と内筒21との間に大きな摩擦力を生じさせることができる。
これにより、路面とトレッド部材4との間に生ずる摩擦力では、リム12および非空気入りタイヤ3がタイヤ周方向に相対回転しない摩擦力を、挟持フランジ部15と内筒21との間に容易に生じさせることができる。したがって、リム12および非空気入りタイヤ3のタイヤ周方向の相対回転を規制する回り止め機構として、リム12の外周面と内筒21の内周面との間に、キー溝およびキーからなる嵌合構造を設ける必要が無く、例えば、低コスト化を図ることができるとともに、回り止め機構を破損しにくくすることができる。
上記(1)式および(2)式を満たすので、路面とトレッド部材4との間に生ずる摩擦力では、リム12および非空気入りタイヤ3がタイヤ周方向に相対回転しない摩擦力を、挟持フランジ部15と内筒21との間に確実に生じさせることができる。
第1分割体16、および第2分割体17のうちのいずれか一方に、いずれか他方に向けてタイヤ幅方向に突出し、いずれか他方に形成された芯出し凹部18に嵌合された芯出し突部19が形成されているので、リム12に非空気入りタイヤ3を組み付ける際に、芯出し凹部18に芯出し突部19を嵌合することで、互いに分離されていた第1分割体16および第2分割体17を、容易かつ精度よく一体に組み付けることができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第1分割体16および第2分割体17に、芯出し凹部18および芯出し突部19を形成しなくてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した各実施形態および変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 タイヤ組立体
2 ホイール
3 非空気入りタイヤ
4 トレッド部材
12 リム
15 挟持フランジ部
15a 内面
16 第1分割体
17 第2分割体
21 内筒
22 外筒
23 連結部材

Claims (3)

  1. 金属製のリムと、
    前記リムに固定された非空気入りタイヤと、を備え、
    前記内筒は、タイヤ幅方向に圧縮変形され、
    前記内筒におけるタイヤ幅方向の大きさ、および一対の前記挟持フランジ部における各内面同士の距離は、互いに同じになっており、
    前記非空気入りタイヤは、
    前記リムの外周面をタイヤ径方向の外側から囲う内筒、前記内筒をタイヤ径方向の外側から囲う外筒、および前記内筒の外周面と前記外筒の内周面とを連結する弾性変形可能な複数の連結部材を有するとともに、前記内筒は、合成樹脂材料で形成され、
    前記リムの外周面には、タイヤ径方向の外側に向けて突出し、タイヤ周方向の全長にわたって連続して延び、前記内筒をタイヤ幅方向に挟み込んで前記リムに固定する一対の挟持フランジ部が形成され、
    前記リムは、タイヤ幅方向に分割され、かつ前記挟持フランジ部を各別に有する第1分割体および第2分割体を備え、
    前記内筒におけるタイヤ幅方向の大きさは、一対の前記挟持フランジ部におけるタイヤ幅方向で互いに対向する内面同士の距離よりも大きく、
    前記内筒は、タイヤ幅方向に弾性変形可能に形成されている、タイヤ組立体。
  2. 前記外筒の外周面にトレッド部材が設けられ、
    前記内筒におけるタイヤ幅方向の大きさをWa、
    一対の前記挟持フランジ部におけるタイヤ幅方向で互いに対向する内面同士の距離をWr、
    前記リムを形成する材質のヤング率をEr、
    前記内筒を形成する材質のヤング率をE、
    前記トレッド部材の外周面の半径をR、
    前記リムの外周面の半径をr、
    前記内筒の板厚をt、
    前記非空気入りタイヤに加えられる路面からの押付力をFz、
    路面と前記トレッド部材との間の静止摩擦係数をμ、
    前記内筒と前記挟持フランジ部との間の静止摩擦係数をμrとしたときに、(1)式および(2)式を満たす、請求項1に記載のタイヤ組立体
    Figure 0007430624000004
  3. 前記第1分割体、および前記第2分割体のうちのいずれか一方には、いずれか他方に向けてタイヤ幅方向に突出し、いずれか他方に形成された芯出し凹部に嵌合された芯出し突部が形成されている、請求項1または2に記載のタイヤ組立体。
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