JP7429694B2 - Tnf活性のモジュレータとしての縮合五環式イミダゾール誘導体 - Google Patents

Tnf活性のモジュレータとしての縮合五環式イミダゾール誘導体 Download PDF

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Description

本発明は、縮合五環式イミダゾール誘導体の個別のクラス、及び治療におけるその使用に関する。より詳細には、本発明は、薬理学的に活発な置換縮合五環式ベンゾイミダゾール誘導体に関する。これらの化合物は、TNFαのシグナル伝達のモジュレータとして作用し、したがって、とりわけ、有害な炎症性障害及び自己免疫障害、神経学的障害及び神経変性障害、疼痛及び侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害、並びに腫瘍学的障害の処置における、医薬剤として有益である。
TNFαは、細胞生存及び細胞死を調整する一次機能を共有するタンパク質の腫瘍壊死因子(TNF)スーパーファミリーのプロトタイプメンバーである。TNFスーパーファミリーのすべての公知のメンバーに共通した構造的特徴の1つは、特定のTNFスーパーファミリー受容体に結合してこれを活性化する、三量体複合体の形成である。例として、TNFαは、可溶性の膜貫通形態で存在し、個別の機能的エンドポイントを有するTNFR1及びTNFR2として知られている2つの受容体を介してシグナルを伝達する。
TNFα活性をモジュレートすることが可能な様々な製品が、既に市販されている。すべてが、関節リウマチ及びクローン病などの炎症性障害及び自己免疫障害の処置に承認されている。現在承認されている製品はすべて、マクロ分子であり、ヒトTNFαのその受容体への結合を阻害することによって作用する。典型的なマクロ分子であるTNFα阻害剤は、抗TNFα抗体;及び可溶性TNFα受容体融合タンパク質を含む。市販の抗TNFα抗体の例には、アダリムマブ(Humira(登録商標))及びゴリムマブ(Simponi(登録商標))などの完全ヒト抗体、インフリキシマブ(Remicade(登録商標))などのキメラ抗体、及びセルトリズマブペゴル(Cimzia(登録商標))などのペグ化されているFab’断片が含まれる。市販の可溶性TNFα受容体融合タンパク質の一例は、エタネルセプト(Enbrel(登録商標))である。
TNFαそれ自体を含めたTNFスーパーファミリーメンバーは、大きな医療的重要性の条件の範囲において、ある役割を果たすと考えられている、様々な生理的及び病理的機能に関与している(例えば、M.G.Tansey&D.E.Szymkowski、Drug Discovery Today、2009年、14巻、1082~1088頁;及びF.S.Carneiroら、J.Sexual Medicine、2010年、7巻、3823~3834頁を参照されたい)。
したがって、ヒトTNFα活性の強力なモジュレータである本発明による化合物は、様々なヒトの病気の処置及び/又は予防に有益である。これらには、自己免疫障害及び炎症性障害;神経学的障害及び神経変性障害;疼痛及び侵害受容性障害;心血管障害;代謝障害;眼障害;並びに腫瘍学的障害が含まれる。
本発明による化合物は、本明細書に記載されているヒト全血液アッセイにおいて、遊離化合物の低いIC50値(「遊離IC50」)によって実証される通り、ヒト細胞において、強力なTNFαモジュレータとして作用する能力を裏付ける、ヒト血液細胞における顆粒球表面に発現するCD11bの強力な阻害剤でもある。
さらに、本発明による化合物は、新規な生物学的試験の開発及び新規な薬理学的薬剤の研究において使用するための薬理学的標準品として有益となり得る。したがって、一実施形態では、本発明の化合物は、薬理学的活性化合物を検出するためのアッセイにおける放射リガンドとして有用なことがある。代替的な実施形態では、本発明のある種の化合物は、薬理学的活性化合物を検出するためのアッセイ(例えば、蛍光偏光アッセイ)に利用することができる蛍光コンジュゲートをもたらす、フルオロフォアへのカップリングに有用となり得る。
WO2013/186229は、TNFαのシグナル伝達のモジュレータである、置換ベンゾイミダゾール誘導体に関するものである。
WO2015/086525は、TNFαのシグナル伝達のモジュレータである、縮合三環式イミダゾール誘導体に関するものである。
WO2016/050975は、TNFαのシグナル伝達のモジュレータである、縮合五環式イミダゾール誘導体に関するものである。
同時係属国際特許出願PCT/EP2018/060489は、TNFαのシグナル伝達のモジュレータである、縮合五環式イミダゾール誘導体の個別のクラスに関するものである。
本発明は、式(I)の化合物、又は薬学的に許容されるその塩:

(式中、
Xは、N又はC-Fを表し、
は、水素又はメチル(-CDを含む)を表し、
は、ヒドロキシ又はシアノを表し、
は、ヒドロキシ又はシアノを表し、
は、Rとは異なる)
を提供する。
本発明による化合物は、WO2016/050975の一般範囲内に包含される。しかし、上で定義されている式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩の具体的な開示はその中に存在しない。
本発明はまた、治療に使用するための、上で定義されている式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
本発明はまた、TNFα機能のモジュレータの投与が適応となる障害の処置及び/又は予防に使用するための、上で定義されている式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
別の態様では、本発明は、炎症性又は自己免疫障害、神経学的又は神経変性障害、疼痛又は侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害又は腫瘍学的障害の処置及び/又は予防に使用するための、上で定義されている式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
本発明はまた、TNFα機能のモジュレータの投与が適応となる障害を処置及び/又は予防する医薬を製造するための、上で定義されている式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、炎症性又は自己免疫障害、神経学的又は神経変性障害、疼痛又は侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害又は腫瘍学的障害を処置及び/又は予防する医薬を製造するための、上で定義されている式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
本発明はまた、TNFα機能のモジュレータの投与が適応となる障害の処置及び/又は予防に使用するための方法であって、このような処置を必要とする患者に有効量の上で定義されている式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、炎症性又は自己免疫障害、神経学的又は神経変性障害、疼痛又は侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害又は腫瘍学的障害を処置及び/又は予防する方法であって、このような処置を必要とする患者に有効量の上で定義されている式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。
医薬物における使用の場合、式(I)の化合物の塩は、薬学的に許容される塩となろう。しかし、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の調製に他の塩が有用となることがある。薬学的に許容される塩の選択及び調製の基礎となる標準原理は、例えば、医薬塩のハンドブック:特性、選択及び使用(Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties、Selection and Use)、P.H.Stahl&C.G.Wermuth(編)、Wiley-VCH、2002年に記載されている。
したがって、式(I)の化合物が1つ又は複数の不斉中心を有する場合、それらの化合物は、鏡像異性体として存在することがある。本発明による化合物が、2個以上の不斉中心を有する場合、それらの化合物は、ジアステレオマーとしてさらに存在することがある。本発明は、このような鏡像異性体及びジアステレオマーのすべての使用、並びにラセミ体を含めた任意の割合のそれらの混合物に拡張されることを理解すべきである。式(I)及び本明細書のこれ以降に図示されている式は、特に明記又は示されていない限り、すべての個々の立体異性体及びすべての可能なそれらの混合物を表すことが意図されている。
好適には、式(I)の化合物のR及びR基は、互いに関してシス配置となる。
式(I)中、又は本明細書のこれ以降に図示されている式中に存在する個々の原子はそれぞれ、実際に、その天然同位体のいずれかの形態で存在することがあり、最も多量に存在する同位体(単数又は複数)が好ましいことを理解されたい。したがって、例として、式(I)中、又は本明細書のこれ以降に図示されている式中に存在する個々の水素原子はそれぞれ、H、H(重水素;D)又はH(トリチウム;T)原子、好ましくはHとして存在することができる。同様に、例として、式(I)中、又は本明細書のこれ以降に図示されている式中に存在する個々の炭素原子はそれぞれ、12C、13C又は14C原子、好ましくは12Cとして存在してもよい。
第1の実施形態では、Xは、Nを表す。第2の実施形態では、Xは、C-Fを表す。
第1の実施形態では、Rは、水素を表す。第2の実施形態では、Rは、メチルを表す。第2の実施形態の第1の態様では、Rは-CDを表す。第2の実施形態の第2の態様では、Rは-CHを表す。
第1の実施形態では、Rは、ヒドロキシを表す。第2の実施形態では、Rは、シアノを表す。
第1の実施形態では、Rは、ヒドロキシを表す。第2の実施形態では、Rは、シアノを表す。
好適には、Rは、ヒドロキシを表し、Rは、シアノを表す。
好適には、Rは、シアノを表し、Rは、ヒドロキシを表す。
本発明による化合物の特定の部分クラスには、式(IIA)及び(IIB)の化合物、並びに薬学的に許容されるその塩:

(X及びRは、上で定義されている通りである)
が含まれる。
本発明による具体的な新規化合物には、その調製が添付の実施例に記載されている各化合物、及び薬学的に許容されるその塩が含まれる。
本発明による化合物は、様々なヒトの病気の処置及び/又は予防に有益である。これらには、自己免疫障害及び炎症性障害;神経学的障害及び神経変性障害;疼痛及び侵害受容性障害;心血管障害;代謝障害;眼障害;並びに腫瘍学的障害が含まれる。
炎症性障害及び自己免疫障害には、全身性自己免疫障害、自己免疫性内分泌障害及び臓器特異的自己免疫障害が含まれる。全身性自己免疫障害には、全身性エリトマトーデス(SLE)、乾癬、乾癬性関節炎、脈管炎、炎症性ミオパチー(多発筋炎、皮膚筋炎及び封入体筋炎を含む)、強皮症、多発性硬化症、全身性硬化症、強直性脊椎炎、関節リウマチ、非特異的炎症性関節炎、若年性炎症性関節炎、若年性特発性関節炎(その少関節炎型及び多関節炎型を含む)、慢性疾患の貧血(ACD)、スティル病(若年者及び/又は成人の発病)、ベーチェット病及びシェーグレン症候群が含まれる。自己免疫性内分泌障害には、甲状腺炎が含まれる。臓器特異的自己免疫障害には、アジソン病、溶血性又は悪性貧血、急性腎臓損傷(AKI;シスプラチン誘発性AKIを含む)、糖尿病性腎症(DN)、閉塞性尿路疾患(シスプラチン誘発性閉塞性尿路疾患を含む)、糸球体腎炎(グッドパスチャー症候群、免疫複合体媒介性糸球体腎炎及び抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連性糸球体腎炎を含む)、ループス腎炎(LN)、微小変化型疾患、グレーブス病、特発性血小板減少性紫斑病、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎、不確定性大腸炎及び回腸嚢炎を含む)、天疱瘡、アトピー性皮膚炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変症、自己免疫性肺臓炎、自己免疫性心臓炎、重症筋無力症、自発不妊、骨粗鬆症、オステオペニア、びらん性骨疾患、軟骨炎、軟骨退化及び/又は破壊、線維形成性障害(肝臓線維症及び肺線維症の様々な形態を含む)、喘息、鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、呼吸窮迫症候群、敗血症、発熱、筋ジストロフィー(デュシェンヌ型筋ジストロフィーを含む)、臓器移植拒絶(腎臓同種移植片拒絶を含む)、強膜炎(巨細胞性動脈炎強膜炎を含む)、高安動脈炎、化膿性汗腺炎、壊疽性膿皮症、サルコイドーシス、リウマチ性多発筋痛症及び体軸性脊椎関節炎が含まれる。
神経学的障害及び神経変性障害には、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、虚血、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症、脊髄損傷、頭部外傷、発作及びてんかんが含まれる。
心血管障害には、血栓症、心臓肥大、高血圧症、心臓の不規則な収縮(例えば、心不全の間)及び性障害(勃起機能不全及び女性の性機能不全を含む)が含まれる。TNFα機能のモジュレータはまた、心筋梗塞の処置及び/又は予防に有用となり得る(J.J.Wuら、JAMA、2013年、309巻、2043~2044頁を参照されたい)。
代謝障害には、糖尿病(インスリン依存性糖尿病及び若年性糖尿病を含む)、脂質代謝異常及びメタボリックシンドロームが含まれる。
眼障害には、網膜症(糖尿病性網膜症、増殖性網膜症、非増殖性網膜症及び未熟児網膜症を含む)、黄斑浮腫(糖尿病性黄斑浮腫を含む)、加齢黄斑変性(ARMD)、血管新生(角膜の血管新生及び新血管形成を含む)、網膜静脈閉塞症及びぶどう膜炎の様々な形態(虹彩炎を含む)及び角膜炎が含まれる。
急性又は慢性となり得る腫瘍学的障害には、増殖性障害、とりわけがん及びがん関連合併症(骨格合併症、悪液質及び貧血症を含む)が含まれる。がんの特定の分類には、血液悪性疾患(白血病及びリンパ腫を含む)及び非血液悪性疾患(固形腫瘍がん、肉腫、髄膜腫、多形膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、黒色腫、胃癌及び腎細胞癌を含む)が含まれる。慢性の白血病は、骨髄性又はリンパ性とすることができる。白血病の種類には、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ球性/リンパ性白血病(CLL)、有毛細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群、慢性好中球性白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞白血病、マントル細胞白血病、多発性骨髄腫、急性巨核芽球性白血病、急性巨核球性白血病、前骨髄球性白血病及び赤白血病が含まれる。リンパ腫の種類には、悪性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、MALT1リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫が含まれる。非血液悪性疾患の種類には、前立腺、肺、乳房、直腸、結腸、リンパ節、膀胱、腎臓、膵臓、肝臓、卵巣、子宮、子宮頸部、脳、皮膚、骨、胃及び筋肉のがんが含まれる。TNFα機能のモジュレータはまた、TNFの強力な抗がん作用の安全性を増大するために使用されてもよい(F.V.Hauwermeirenら、J.Clin.Invest.、2013年、123巻、2590~2603頁を参照されたい)。
本発明はまた、上で定義されている式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を、1つ又は複数の薬学的に許容される担体と一緒に含む医薬組成物を提供する。
本発明による医薬組成物は、経口、口内、非経口、鼻腔、局所、眼若しくは直腸投与に好適な形態、又は吸入若しくは吹送による投与に好適な形態をとることができる。
経口投与の場合、本医薬組成物は、例えば、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース、マイクロクリスタリンセルロース又はリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク又はシリカ);崩壊剤(例えば、バレイショデンプン又はグリコール酸ナトリウム);又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容される賦形剤と共に従来の手段によって調製される錠剤、ロゼンジ剤又はカプセル剤の形態をとることができる。錠剤は、当分野で周知の方法によりコーティングされてもよい。経口投与向け液体調製物は、例えば、溶液剤、シロップ剤又は懸濁液剤の形態をとってもよく、或いは液体調製物は、使用前に水若しくは他の好適なビヒクルにより構成するための乾燥製品として提供されてもよい。このような液体調製物は、懸濁化剤、乳化剤、非水性ビヒクル又は保存剤などの薬学的に許容される添加物と共に、従来の手段によって調製されてもよい。調製物はまた、適宜、緩衝塩、香味剤、着色剤又は甘味剤を含有してもよい。
経口投与向け調製物は、活性化合物の制御放出をもたらすよう、適宜製剤化され得る。
口内投与に関すると、本組成物は、慣用的に製剤化された錠剤又はロゼンジ剤の形態をとることができる。
式(I)の化合物は、注射による、例えばボーラス注射又は注入による非経口投与向けに製剤化されてもよい。注射用製剤は、単位剤形で、例えば、ガラス製アンプルで、又は多回用量容器、例えばガラス製バイアルで提供され得る。注射向け組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液剤、溶液剤又はエマルション剤などの形態をとってもよく、懸濁化剤、安定化剤、保存剤及び/又は分散剤などの製剤用作用剤を含有してもよい。代替的に、活性成分は、使用前に、好適なビヒクル、例えば滅菌発熱物質不含水を用いて構成するための粉末形態にあってもよい。
上に記載されている製剤に加えて、式(I)の化合物はまた、デポ調製物として製剤化されてもよい。このような長期間作用型製剤は、埋め込みによって又は筋肉内注射によって投与されてもよい。
鼻腔投与又は吸入による投与の場合、本発明による化合物は、好適な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、フルオロトリクロロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素若しくは他の好適なガス、又はガスの混合物の使用を伴う、加圧パック又はネブライザー用のエアゾールスプレー供給物の形態で都合よく送達され得る。
組成物は、所望の場合、活性成分を含有する1つ又は複数の単位剤形を含有することができる、パック又はディスペンサデバイス中で提供されてもよい。パック又は分注用デバイスは、投与に関する指示書を伴うことがある。
局所投与の場合、本発明において使用する化合物は、1つ又は複数の薬学的に許容される担体に懸濁又は溶解された活性構成成分を含有する、好適な軟膏剤中で都合よく製剤化され得る。特定の担体には、例えば、鉱物油、液化石油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、乳化ワックス及び水が含まれる。代替的に、本発明において使用する化合物は、1つ又は複数の薬学的に許容される担体に懸濁又は溶解された活性構成成分を含有する、好適なローション剤中で製剤化され得る。特定の担体には、例えば、鉱物油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、ベンジルアルコール、2-オクチルドデカノール及び水が含まれる。
眼投与の場合、本発明において使用する化合物は、殺菌剤又は殺真菌剤、例えば、硝酸フェニル水銀、塩化ベンジルアルコニウム又は酢酸クロルヘキシジンなどの保存剤を含む又は含まない、等張性のpHが調節された滅菌生理食塩水中の微細化懸濁液剤として好都合に製剤化され得る。代替的に、眼投与の場合、化合物は、ワセリンなどの軟膏剤中で製剤化されてもよい。
直腸投与の場合、本発明に使用する化合物は、坐剤として好都合に製剤化されてもよい。これらは、活性構成成分を、室温において固体であるが、直腸温度では液体となる好適な非刺激性賦形剤と混合することにより調製することができ、その結果、直腸で溶融して活性構成成分を放出する。このような物質には、例えば、カカオ脂、ビーワックス及びポリエチレングリコールが含まれる。
特定の状態の予防又は処置に必要な本発明において使用する化合物の量は、選択される化合物及び処置される患者の状態に応じて様々となろう。しかし、一般に、1日あたりの投与量は、経口投与又は口内投与の場合、体重1kgあたり、約10ng~1000mg、通常、100ng~100mg、例えば約0.01mg~40mgの範囲、非経口投与の場合、体重1kgあたり約10ng~50mgの範囲、及び鼻腔投与又は吸入若しくは吹送による投与の場合、約0.05mg~約1000mg、例えば約0.5mg~約1000mgの範囲とすることができる。
所望の場合、本発明による化合物は、別の医薬活性剤、例えば抗炎症分子と共に共投与されてもよい。
上の式(I)の化合物は、遷移金属触媒の存在下で、式(III)の化合物を式(IV)の化合物:

(式中、X、R、R及びRは、上で定義されている通りであり、Lは、好適な脱離基を表し、Mは、ボロン酸部分-B(OH)、又は有機ジオール、例えばピナコール、1,3-プロパン-ジオール若しくはネオペンチルグリコールと形成されるその環式エステルを表す)と反応させることを含む方法によって調製することができる。
脱離基Lは、通常、ハロゲン原子、例えばブロモである。
化合物(III)と化合物(IV)との間の反応に使用される遷移金属触媒は、好適には、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)又は[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、又はクロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(XPhos Pd G2)である。遷移金属触媒は、通常、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(XPhos)又はトリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラートと共に利用されることがある。この反応は、リン酸カリウム又は炭酸カリウムの存在下で好適に行われる。この反応は、好適な溶媒中、例えば1,4-ジオキサンなどの環式エーテル中、場合により水との混合物中、高温で都合よく行われる。
が、ピナコールと共に形成されたボロン酸部分-B(OH)の環式エステルを表す、式(IV)の中間体は、遷移金属触媒の存在下、ビス-(ピナコラト)ジボロンを、式(V)の化合物:

(式中、Lは、好適な脱離基を表す)と反応させることにより調製することができる。
脱離基Lは、通常、ハロゲン原子、例えばクロロである。
ビス(ピナコラト)ジボロンと化合物(V)との間の反応に使用される遷移金属触媒は、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(XPhos)又はトリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラートと共に利用することができる、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)が好適である。この反応は、酢酸カリウムの存在下で好適には行われる。この反応は、好適な溶媒中、例えば1,4-ジオキサンなどの環式エーテル中、高温で都合よく行われる。
がメチルである、上の式(V)の中間体は、Rが水素である対応する式(V)の化合物から、ハロゲン化メチル、例えばヨードメタンとの反応によって調製することができる。メチル化反応は、一般に、塩基、例えば、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどのシリルアミド塩基の存在下で一般に行われる。この反応は、好適な溶媒中、例えばテトラヒドロフランなどの環式エーテル溶媒中で都合よく行うことができる。
が水素であり、Lがクロロを表す上の式(V)の中間体は、Rがそれぞれ、水素又は-CDを表し、Mが4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサ-ボロラン-2-イルを表す上の式(IV)の中間体とやはり同様に、WO2016/050975に具体的に開示されている。
がヒドロキシである式(III)の中間体は、n-BuLiの存在下、式(VI)の中間体を式(VII)の中間体:

(式中、X、L及びRは、上で定義されている通りであり、Lは、好適な脱離基である)と反応させることにより調製することができる。
脱離基Lは、通常、ハロゲン原子、例えば、クロロ又はヨードである。
この反応(reation)は、当業者に周知の方法により、ジクロロメタン中、低温で都合よく行われる。
がシアノである式(III)の中間体は、式(VIII)の中間体

(式中、X及びLは、上で定義されている通りである)から、高温でのテトラフルオロホウ酸との反応によって、調製することができる。
代替的に、XがC-Fを表す場合、式(VIII)の中間体は、好適な溶媒、例えば、ジクロロメタン中、3-クロロ過安息香酸の存在下で、対応するエポキシドにまず酸化し、次いで、好適な溶媒、例えば、エタノール若しくはメタノール又はその混合物中での水素化ホウ素ナトリウムと反応させることができる。
式(VIII)の中間体は、添付の実施例に記載されている方法に類似した方法によって、又は当分野で周知の標準法によって調製することができる。
生成物の混合物が、本発明による化合物の調製に関して上で記載されている方法のいずれかから得られる場合、所望の生成物は、その混合物から、例えば、適切な溶媒系と共にシリカ及び/又はアルミナを利用する分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーなどの従来の方法によって適切な段階で分離することができる。
上記の方法により立体異性体の混合物が生じる場合、これらの異性体は、従来の技法により分離することができる。特に、特定の鏡像異性体を得ることが望ましい場合、これは、鏡像異性体を分割するための好適な慣用的手順のいずれかを使用して、鏡像異性体の対応する混合物から生成することができる。したがって、例えば、ジアステレオマー誘導体、例えば塩は、鏡像異性体の混合物、例えばラセミ体と適切なキラル化合物、例えばキラルな酸又は塩基との反応によって生成することができる。次に、ジアステレオマーは、例えば、結晶化による任意の従来の手段によって分離し、所望の鏡像異性体を、例えば、ジアステレオマーが塩である場合には、酸との処理によって回収することができる。別の分割法では、ラセミ体は、キラルHPLCを使用して分離されることがある。さらに、所望の場合、特定の鏡像異性体は、上に記載した方法の1つにおける、適切なキラル中間体を使用することによって得ることができる。代替的に、特定の鏡像異性体は、鏡像異性体に特異的な酵素による生物変換、例えば、エステラーゼを使用するエステル加水分解を行い、次に、未反応エステル対掌体から鏡像異性体として純粋な加水分解された酸だけを精製することによって得ることができる。特定の幾何異性体を得ることが望ましい場合、クロマトグラフィー、再結晶及び他の従来の分離手順が使用されてもよい。代替として、望ましくない鏡像異性体は、当業者に公知の方法に従って、又は添付の実施例に記載されている方法に従って、酸又は塩基の存在下で所望の鏡像異性体にラセミ化させることができる。
上の合成順序のいずれかの間に、関与する分子のいずれかの感受性基又は反応性基を保護する必要がある且つ/又は望ましいことがある。これは、有機化学における保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)、J.F.W.McOmie(編)、Plenum Press、1973年;及びT.W.Greene&P.G.M.Wuts、有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)、John Wiley&Sons、第3版、1999年に記載されているものなどの、従来の保護基によって実現することができる。保護基は、当分野で公知の方法を利用して、都合のよい後の段階のいずれかで除去することができる。
本発明による化合物は、HEK-Blue(商標)CD40Lとして知られている、市販のHEK-293由来のレポーター細胞系における、TNFαの活性を強力に中和する。これは、5つのNF-κB結合部位に融合したIFNβ最小限プロモータの制御下での、SEAP(分泌型胚性アルカリホスファターゼ)を発現する安定なHEK-293トランスフェクト細胞系である。これらの細胞によるSEAPの分泌は、TNFαによって、濃度依存的に刺激される。本明細書において、レポーター遺伝子アッセイとも称されるHEK-293バイオアッセイにおいて試験する場合、本発明の化合物は、10nM又はそれより良好なIC50値を示す(当業者は、より低いIC50の数値は、一層活性な化合物であることを表すことを理解しているであろう)。
さらに、本発明による化合物は、本明細書に記載されているヒト全血液アッセイにおいて試験する場合、ヒト血液細胞において顆粒球表面に発現するCD11bの強力な阻害剤である。本発明の化合物は、このアッセイにおいて試験される場合、遊離化合物の場合、15nM以下となるIC50(本明細書のこれ以降において、「遊離IC50」と称される)を示す(当業者は、このようなアッセイでは、より低いIC50の値は、優れた化合物、すなわち顆粒球表面においてCD11bの発現のより強い阻害を示し、その結果、TNFαの優れたモジュレータとなる化合物であることを表すことを理解しているであろう)。
レポーター遺伝子アッセイ
TNFα誘発性NF-κB活性化の阻害
TNFαによるHEK-293細胞の刺激により、NF-κB経路の活性化がもたらされる。TNFα活性を判定するために使用されるレポーター細胞系は、InvivoGenから購入した。HEK-Blue(商標)CD40Lは、5つのNF-κB結合部位に融合したIFNβ最小限プロモータの制御下での、SEAP(分泌型胚性アルカリホスファターゼ)を発現する安定なHEK-293トランスフェクト細胞系である。これらの細胞によるSEAPの分泌は、TNFαによって、用量依存的に刺激され、ヒトTNFαの場合、EC50は0.5ng/mLとなる。10mM DMSO保存溶液(最終アッセイ濃度は0.3%DMSO)から化合物を希釈して、10点の3倍段階希釈液の曲線(例えば、30,000nM~2nMの最終濃度)を生成した。希釈した化合物をTNFαと共に60分間、事前インキュベートした後、384ウェルのマイクロタイタープレートに加え、18時間、インキュベートした。アッセイ用プレート中の最終TNFα濃度は、0.5ng/mLとした。SEAP活性は、発色基質、例えば、QUANTI-Blue(商標)又はHEK-Blue(商標)検出培地(InvivoGen)を使用して上清で求めた。化合物の阻害百分率は、DMSO単独(対照)を含有するTNFα、及び過剰のブロッキング用抗TNFαモノクローナル抗体を用いて生じた最大阻害に対して算出した。阻害曲線は、4パラメータロジスティックモデル(XLfit(商標))を使用する、ActivityBaseで構築した。阻害剤の一致した最小作用と最大作用との間の変曲点により、IC50値が得られる。
添付の実施例の化合物は、レポーター遺伝子アッセイで試験すると、すべて、10nM又はそれより良好なIC50値を示すことがわかった。
添付の実施例の化合物は、レポーター遺伝子アッセイで試験すると、一般に、0.01nM~10nMの範囲のIC50値を示す。
TNFヒト全血液スクリーニングアッセイ
実施例による化合物は、ザイモサンをチャレンジしたヒト全血液中の顆粒球表面のCD11bの発現を測定することによって、内因的に発現したTNFαによって推進されるヒト全血液アッセイで評価した。ザイモサンは、TLR2及び他の受容体に結合して、NF-κBシグナル伝達をもたらし、ひいては、TNFαを含めた炎症誘発性メディエータの産生を誘導する。次に、TNFαは、顆粒球表面にCD11bの発現を刺激することができる。
10mM DMSO保存溶液(最終アッセイ濃度は0.2%DMSO)から化合物を希釈して、10点の2.5倍段階希釈液の曲線(例えば、20,000nM~5.3nMの最終アッセイ濃度)を生成した。希釈した化合物を、EDTAにより抗凝固させたヒト全血液と共に60分間、37℃で事前インキュベートした後、1ug/mlのザイモサンを用いて刺激した。ザイモサンによる3時間刺激の後、全血液を蛍光標識した抗CD45及び抗CD11b抗体により染色した。試料を固定し、FACS CANTO IIによる分析前に、赤血球を溶解した。
FACS(蛍光(Fluoresceence)により活性化された細胞選別)分析は、FloJoソフトウェアを用いて行った。SSC-A(ピークの側方散乱領域)及びCD45シグナルを使用して顆粒球を特定し、次いでSSC-A及びSSC-W(ピークの側方散乱幅)を使用して単一細胞を選別した。MESF(等価な可溶性蛍光色素の分子)ビーズを使用して、単一細胞顆粒球表面のCD11bシグナルを較正した。CD11bの活性化は、TNFα阻害剤によって、用量依存的に阻害された。
化合物の阻害百分率は、DMSO単独(対照)を含有するTNFα、及び過剰のブロッキング用抗TNFαモノクローナル抗体を用いて生じた最大阻害に対して算出した。阻害曲線は、4パラメータロジスティックモデル(XLfit(商標))を使用する、ActivityBaseで構築した。阻害剤の一致した最小作用と最大作用との間の変曲点により、IC50値が得られる。
添付の実施例の化合物は、試験した場合、約50nM~約300nMの間の範囲のIC50値を示す。
ヒト血液結合アッセイ
このアッセイの目的は、本発明による化合物の血液において結合されていない割合を求めることである。
本発明による化合物は、種に特異的な血液中で調製される。血液溶液を平衡透析システムにおける膜の一方の側に添加すると同時に、緩衝液(100mMリン酸緩衝液(pH7.4))をそのもう一方の側に加える。このシステムを37℃で平衡に到達させる。膜の両側にある化合物をLC-MS/MSにより測定し、結合していない化合物の割合を算出する。
リチウムヘパリンを抗血液凝固剤として使用して血液をサンプリングし、24時間以内にアッセイに使用する。試験化合物(1μM;0.5%の最終DMSO濃度)の溶液を、100mMリン酸緩衝液中、1:1(v:v)希釈で希釈したヒト血液中で調製する。この実験は、半透膜により分離されている2つのコンパートメントを用いる平衡透析を使用して行う。緩衝液(100mMリン酸緩衝液;pH7.4)を膜の一方の側に加え、試験化合物を含有する血液溶液を他方の側に加える。オービタルシェーカー上の5%COを含むインキュベータ中、37℃、300rpmの撹拌で4時間、平衡にした後、試料を膜の両側から採取する。緩衝液又は血液のどちらか一方を関連試料(すなわち、血液試料に加えた緩衝液及び血液を緩衝液試料に加える)に添加することによって試料のマトリックスを一致させる。次に、内部標準を含有するメタノール(100μLの試料に対してISを含む200μLのメタノール)を添加し、次いで、2500rpm、4℃で30分間、遠心分離することによって、マトリックスに一致した試料からタンパク質を沈殿させる。次に、上清を水で希釈した後、分析する。試験化合物のインキュベートは、二連で行う。対照化合物であるハロペリドールが、各実験に含まれている。
血液(Fu)中の結合されていないものの割合及び回収率を測定する。すべての試料に関するピーク面積比データも測定する。
添付の実施例の化合物は、試験した場合、百分率として表される、約1%~約7%の間の範囲の血液中の結合されていない割合を示す。
血液中に結合されていない割合の程度を考慮する、遊離化合物に関する算出されたIC50(本明細書において、「遊離IC50」と称される)は、第1のアッセイ(ヒト全血液スクリーニングアッセイ)から生成したIC50に、第2のアッセイ(ヒト血液結合アッセイ)から生じた結合していない割合(Fu)を乗算することによって求まった。
添付の実施例の化合物は、試験した場合、ヒト全血液アッセイにおいて、15nM又はそれより優れた遊離IC50の値を示す。IC50の「優れた」値とは、より低い値のIC50であることが当業者によって理解されよう。
具体的には、例2の化合物は、約12nMの遊離IC50値を示す。例1及び例3の化合物は、約6nMの遊離IC50値を示す。例5の化合物は、約5nMの遊離IC50値を示す。例4、6及び7はすべて、4nMより優れた遊離IC50値を示す。
以下の実施例は、本発明による化合物の調製を例示する。
略称
DCM:ジクロロメタン EtOAc:酢酸エチル
MeOH:メタノール THF:テトラヒドロフラン
DMSO:ジメチルスルホキシド
MeCN:アセトニトリル EtOH:エタノール
TBME:メチルtert-ブチルエーテル
XPhos:2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル
r.t.:室温 h:時間
M:質量 RT:保持時間
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
LCMS:液体クロマトグラフィー質量分析法
ES+:エレクトロスプレー陽イオン化
命名
本明細書に記載されている中間体及び実施例のすべてのIUPAC名称は、OpenEye Scientificによって提供されている、OEMMetachem softawareバージョン1.4.5.を使用する、PipelIne Pilot(バージョン2018)を使用して生成した。
分析条件
NMRスペクトルはすべて、250MHz、300MHz、400MHz又は500MHzで得た。
空気又は水分に敏感な試薬を含む反応はすべて、乾燥溶媒及びガラス器具を使用して、窒素雰囲気下で行った。
LCMSデータの決定
方法1
方法1:Agilentバイナリーポンプ及びAgilent DAD(230~400nm)モジュールを備える、Agilent1200RR-6140 LC-MSシステムを使用して実施。6140質量検出(ES)100~1000m/z。
カラム:XBridge C18、2.1×20mm、2.5μm
移動相A:水中の10mMのギ酸アンモニウム+0.1%アンモニア
溶液
移動相B:アセトニトリル+5%水+0.1%アンモニア溶液
グラジエント:時間 A% B%
0.00 95.10 5.00
4.00 5.00 95.00
5.00 5.00 95.00
5.10 95.00 5.00
流速:1mL/分
稼働時間:6分間
方法2
方法2:クルードシステム2(基本) - Agilentバイナリーポンプ及びAgilent DAD(240~400nm)モジュールを備える、Agilent1260-6120LC-MSシステムを使用して実施。6120質量検出(ES)120~1000m/z。
カラム:XBridge C18、2.1×20mm、2.5μm
移動相A:水中、10mMのギ酸アンモニウム+0.1%アンモニア溶液
移動相B:アセトニトリル+5%水+0.1%アンモニア溶液
グラジエント:時間 A% B%
0.00 95.00 5.00
1.50 5.00 95.00
2.25 5.00 95.00
2.50 95.00 5.00
流速:1mL/分
稼働時間:3.5分間
方法3
方法3:クルードシステム2(基本) - Agilentバイナリーポンプ及びAgilent DAD(240~400nm)モジュールを備えるAgilent1260-6120LC-MSシステムを使用して実施。6120質量検出(ES)120~1000m/z。
カラム:XBridge C18、2.1×20mm、2.5μm
移動相A:水中、10mMのギ酸アンモニウム+0.1%アンモニア溶液
移動相B:アセトニトリル+5%水+0.1%アンモニア溶液
グラジエント:
時間 A% B%
0.00 95.00 5.00
4.00 5.00 95.00
5.00 5.00 95.00
5.00 95.00 5.00
流速:1mL/分
稼働時間:6分間
方法4
Waters UPLC-SQD装置、イオン化:ポジティブ及び/又はネガティブモード(ES+/-)でのエレクトロスプレー、クロマトグラフィー条件:カラム:Acquity CSH C18 1.7μm-2.1×50mm、溶媒:A:H2O(0.1%ギ酸)B:CH3CN(0.1%ギ酸)、カラム温度:45℃、流速:1.0ml/分、グラジエント(2.5分):5~100%のB。
中間体1
(1R,11R)-5-クロロ-18-(ジフルオロメトキシ)-12-メチル-2,9,12-トリアザペンタシクロ[9.8.1.02,10.03,8.014,19]イコサ-3(8),4,6,9,14(19),15,17-ヘプタエン-13-オン

窒素下、-78℃に冷却した、(7R,14R)-11-クロロ-1-(ジフルオロメトキシ)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンゾイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン(WO2016/050975、実施例11)(10g、26.6mmol)の乾燥THF(135mL)溶液に、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中1M、30mL、30mmol)を15分間かけて滴下して加えた。得られた混合物を-78℃で1時間、撹拌した後、ヨードメタン(2.5mL、40mmol)を5分間かけて滴下して加えた。この反応混合物を-78℃で1時間、撹拌し、次に、周囲温度まで一晩、ゆっくりと温めた。この反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(600mL)に注ぎ入れ、EtOAc(2×800mL)により抽出した。有機抽出物を乾燥(NaSO)し、ろ過して真空で濃縮した。シリカ上のフラッシュクロマトグラフィー(5%MeOH/DCMによる溶出)により精製すると、表題化合物(9.12g、88%)がベージュ色固体として得られた。
中間体2
(1R,11R)-18-(ジフルオロメトキシ)-12-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,9,12-トリアザペンタシクロ[9.8.1.02,10.03,8.014,19]イコサ-3(8),4,6,9,14(19),15,17-ヘプタエン-13-オン

1,4-ジオキサン(42mL)中の中間体1(4g、10.3mmol)を、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.9g、15mmol)及び酢酸カリウム(3g、30.6mmol)により処理した。この反応混合物を脱気し、窒素を勢いよく流した。トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(484mg、0.51mmol)及びトリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート(390mg、1.03mmol)を加え、この反応混合物を脱気して、窒素を勢いよく流した後、140℃で一晩、加熱した。さらに、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.6g、10.3mmol)を加えて、この反応混合物を140℃で24時間、加熱した。この反応混合物をEtOAcとブラインとの間に分配し、有機相を分離して真空で濃縮し、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/MeOH0~10%によるグラジエント溶出)によって精製すると、表題化合物(2.5g、50%)が白色固体として得られた。
中間体3
3-(5-ブロモピリミジン-2-イル)-3-ヒドロキシ-1-メチルシクロブタン-1-カルボニトリル

1-メチル-3-オキソ-シクロブタンカルボニトリル(2.0g、18.3mmol)及び5-ブロモ-2-ヨード-ピリミジン(6g、21.0mmol)(どちらも市販されている)をDCM(100mL)に溶解した。この混合物を-78℃まで冷却した後に、n-ブチルリチウム(8.4mL、21mmol、2.5mol/L)を滴下して加えた。この混合物を-78℃において1時間、撹拌した後、室温までゆっくりと温め、さらに1時間、撹拌した。この混合物を相分離器によりろ過し、DCMにより洗浄して真空で濃縮した。シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~10%EtOAc/ヘキサンによるグラジエント溶出)によって粗生成物を精製すると、望ましくない主要異性体700mg、及びほぼ1:1の比で両方の異性体を含む混合フラクション(1.7g)が得られた。混合フラクションを一緒にして、分取LCによって精製すると、表題化合物が黄色固体(700mg、10%)として得られた。
中間体4
(1R,11R)-18-(ジフルオロメトキシ)-6-フルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,9,12-トリアザペンタシクロ[9.8.1.02,10.03,8.014,19]イコサ-3(8),4,6,9,14(19),15,17-ヘプタエン-13-オン

1,4-ジオキサン(1.3mL、15mmol)中の(7R,14R)-11-クロロ-1-(ジフルオロメトキシ)-10-フルオロ-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンゾイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン(WO2016/050975の実施例10)(150mg、0.38mmol)をビス(ピナコラト)ジボロン(145.1mg、0.57mmol)及び酢酸カリウム(112mg、1.14mmol)に加え、トリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート(14mg、0.038mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(18mg、0.019mmol)を加えた。この反応混合物を10分間、脱気した後、封入管中で、マイクロ波中、140℃まで3時間、加熱した。この時間の後、この反応混合物に水及びEtOAcを加えた。2つの相を分離して、水層をEtOAcにより抽出した。合わせた有機層を相分離器によりろ過して、溶媒を蒸発させた。シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/イソヘキサン0~100%、次にDCM/MeOH0~15%によるグラジエント溶出)によって残留物を精製した。生成物を含有するフラクションを一緒にして、溶媒を蒸発させると、表題化合物が灰色固体(145mg、79%)として得られた。
中間体5
3-(5-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)-3-ヒドロキシ-1-メチルシクロブタン-1-カルボニトリル

2,5-ジブロモ-3-フルオロピリジン(7.99g、31.3mmol)のトルエン(200mL)溶液に、-70℃でn-ブチルリチウム溶液(ヘキサン中の2.5M、12.54mL、31.3mmol)を滴下して加え、添加後、この反応混合物を-70℃で1時間かけて撹拌した。この反応混合物に、-70℃で1-メチル-3-オキソシクロブタンカルボニトリル(3.00g、26.1mmol)のトルエン(50mL)溶液を滴下して加え、次に、得られた溶液を-70℃で2時間かけて撹拌した。
次に、この反応混合物を0℃まで温め、塩化アンモニウム(50mL)の飽和溶液を0℃で加えた。得られた混合物をEtOAc(2×100mL)により抽出し、合わせた有機相をブラインにより洗浄してMgSO4で乾燥し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をシリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(MeOH/DCM0~2%によるグラジエント溶出)によって精製すると、表題化合物(857mg、11.5%)が得られた。
中間体6
3-メチリデン-1-(モルホリン-4-カルボキシイミドイル)シクロブタン-1-カルボニトリル

3-メチレンシクロブタンカルボニトリル(8g、83.3mmol)をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解し、リチウムジイソプロピルアミド(46mL、92mmol、2.0mol/L)を-78℃で滴下して加えた。この混合物を-78℃で1時間、撹拌した後、モルホリン-4-カルボニトリル(9.4mL、92mmol)のTHF(20mL)溶液を滴下して加えた。この混合物を、-78℃でさらに1時間、撹拌した。この反応物を飽和NHCl溶液でクエンチし、TBMEにより2回、抽出した。有機物を合わせて濃縮した。粗製物質をシリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~20%MeOH/DCMによるグラジエント溶出)によって精製すると、表題化合物(8.0g、47%)が得られた。
中間体7
1-(5-ブロモピリミジン-2-イル)-3-メチリデンシクロブタン-1-カルボニトリル

市販の5-ブロモ-1,2,3-トリアジン(1.30g、8.13mmol)をMeCN(5mL)に懸濁させて、氷浴中で冷却した。次に、中間体6(1.83g、8.92mmol)のMeCN(10mL)溶液を滴下して加えた。10分間の撹拌後、氷浴を取り除いて、この反応物を一晩、45℃まで加熱した。この混合物を真空下で減量し、残留物をシリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~25%EtOAc/イソヘキサンによるグラジエント溶出)によって精製した。適切なフラクションを合わせて濃縮すると、表題化合物が黄色油状物として得られ、これを放置すると固化した(375mg、18.5%)。
中間体8
1-(5-ブロモピリミジン-2-イル)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブタン-1-カルボニトリル

テトラフルオロホウ酸(2.5mL、19mmol)中の中間体7(375mg、1.50mmol)を6時間、70℃まで加熱した後、冷却した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加することにより、この反応物をクエンチした。次に、EtOAcを添加して層を分離し、水層をEtOAcにより再度、抽出した。合わせた有機相を乾燥してろ過し、真空下で減量した。残留物をシリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(20~50%EtOAc/イソヘキサンによるグラジエント溶出)によって精製した。適切なフラクションを合わせて、真空下で濃縮すると、生成物が異性体の混合物として得られた。次に、これらを分取HPLCにより分離すると、表題化合物が白色固体(110mg、27%)として得られた。
中間体9
1-(5-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)-3-メチリデンシクロブタン-1-カルボニトリル

1リットルの3つ口丸底フラスコ中、窒素下で、無水トルエン(250mL)中で、5-ブロモ-2,3-ジフルオロピリジン(25.0g、126mmol)及び3-メチレンシクロブタンカルボニトリル(16mL、152mmol)を一緒にした。この溶液を0℃まで冷却した(氷/塩浴)。次に、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(242mL、145mmol)を滴下漏斗により加えた。添加の間に、温度は12℃まで短い期間、上昇した。添加が完了すると、この反応物を0℃で45分間、撹拌した。この反応混合物を1Mクエン酸(200mL)に注ぎ入れ、層を分離して、水層をEtOAc(2×250mL)により抽出した。合わせた有機物を相分離器に通し、ろ過して真空で濃縮すると、褐色油状物が得られた。これをシリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~20%EtOAc/イソヘキサンによるグラジエント溶出)により精製すると、表題化合物が白色固体(25.2g、75%)として得られた。
中間体10
5-(5-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)-1-オキサスピロ[2.3]ヘキサン-5-カルボニトリル

中間体9(1.50g、5.62mmol)のDCM(60mL)溶液に、3-クロロ過安息香酸(2.69g、12.0mmol)を加え、室温で一晩、撹拌した。反応物を飽和Na水溶液によりクエンチし、DCMで希釈して層を分離した。有機層を飽和炭酸水素塩(bicarb)により2回、次に、水により洗浄した後、真空下で濃縮した。この残留物をシリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(10~30%EtOAc/イソヘキサンによるグラジエント溶出)によって精製した。適切なフラクションを合わせて、真空下で濃縮すると、オフホワイト色の固体(1.10g、69%)が得られた。
中間体11
1-(5-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブタン-1-カルボニトリル

中間体10(900mg、3.18mmol)を無水EtOH(30mL)に溶解し、10分間、撹拌した。次に、無水MeOH(5mL)を加えて溶解を助け、次いで、水素化ホウ素ナトリウム(425mg、11.1mmol)を加えた。6.5時間後、この反応物を飽和水性塩化アンモニウムとEtOAcとの間に分配することによってクエンチした。層を分離して、水層をEtOAcによりさらに抽出した。合わせた有機相をブラインにより洗浄し、次に、乾燥してろ過し、真空下で減量した。この粗製残留物をシリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(30~45%EtOAc/イソヘキサンによるグラジエント溶出)によって精製した。適切なフラクションを合わせて、真空下で濃縮すると、生成物が異性体の混合物として得られた。これらを分取HPLCにより分離すると、中間体11が白色固体(52mg、6%)として得られた。
(例1)
3-[5-[(1R,11R)-18-(ジフルオロメトキシ)-13-オキソ-12-(トリジュウテリオメチル)-2,9,12-トリアザペンタシクロ[9.8.1.02,10.03,8.014,19]イコサ-3(8),4,6,9,14(19),15,17-ヘプタエン-5-イル]ピリミジン-2-イル]-3-ヒドロキシ-1-メチルシクロブタン-1-カルボニトリル

(7R,14R)-11-クロロ-1-(ジフルオロメトキシ)-6-(トリジュウテリオ)メチル-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンゾイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン(WO2016/050975の中間体159)(700mg、1.44mmol)、中間体3(461mg、1.72mmol)、第三リン酸カリウム(1252mg、5.78mmol)及びトリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート(66mg、0.174mmol)を1,4-ジオキサン(15mL、175mmol)と水(2mL)との混合物中に懸濁した。この混合物を脱気/窒素のパージを3回、行った後、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(70mg、0.074mmol)を加えた。この混合物をさらなる脱気/窒素のパージを行い、マイクロ波中、110℃で2.5時間、加熱した。次に、この混合物を水により希釈し、EtOAcにより2回抽出した。有機物を合わせて乾燥し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~100%EtOAc/イソヘキサン及び0~10%MeOH/DCMによるグラジエント溶出)によって精製すると、表題化合物(343mg、31%)が得られた。
(例2)
3-[5-[(1R,11R)-18-(ジフルオロメトキシ)-13-オキソ-2,9,12-トリアザペンタシクロ[9.8.1.02,10.03,8.014,19]イコサ-3(8),4,6,9,14(19),15,17-ヘプタエン-5-イル]ピリミジン-2-イル]-3-ヒドロキシ-1-メチルシクロブタン-1-カルボニトリル

フレーム乾燥した3つ口フラスコに、窒素下、(6R,12R)-2-クロロ-11-(ジフルオロメトキシ)-7,12-ジヒドロ-6H-6,12-メタノベンゾイミダゾ[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン(WO2016/050975の実施例11(750mg、1.996mmol))、XPhos(パイアリル)プレ触媒(67mg、0.099mmol)、酢酸カリウム(494mg、4.98mmol)及びビス(ピナコラト)ジボロン(532mg、2.10mmol)を投入した後、排気し、窒素を3回、逆充填した。次に、1,4-ジオキサン(4mL)を加え、この混合物を100℃で撹拌した。3.5時間後、乾燥1,4-ジオキサン(2mL)中の中間体3(589mg、2.20mmol)の溶液、次いで、第三リン酸カリウム(1.5mL、3.0mmol)の水溶液を加えた。100℃での撹拌を19時間、継続した後、この混合物を室温まで冷却し、ブライン(100mL)に注ぎ入れて、EtOAc(100mL)により希釈して分配した。水洗液をEtOAc(100mL)により再抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥し、ろ過して真空で濃縮した。シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中のMeOH(0~5%)によるグラジエント溶出)によって精製し、次いで、生成物をEt2O中で粉末化すると、表題化合物が黄褐色固体(511mg、49%)として得られた。
(例3)
3-[5-[(1R,11R)-18-(ジフルオロメトキシ)-6-フルオロ-13-オキソ-2,9,12-トリアザペンタシクロ[9.8.1.02,10.03,8.014,19]イコサ-3(8),4,6,9,14(19),15,17-ヘプタエン-5-イル]ピリミジン-2-イル]-3-ヒドロキシ-1-メチルシクロブタン-1-カルボニトリル

中間体4(910mg、1.69mmol)、中間体3(500mg、1.87mmol)、第三リン酸カリウム(1.10g、5.08mmol)及びトリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート(65mg、0.171mmol)を1,4-ジオキサン(20mL)に懸濁し、水(5mL)を加えた。この反応物を真空及び窒素からなるサイクルを3回で脱気した後、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(80mg、0.085mmol)を加えた。この反応物を再度、脱気/再充填を行い、100℃まで4.5時間、加熱した後に、室温まで一晩、冷却した。この反応物をブラインとEtOAcとの間に分配し、層を分離した。有機層を除去して、水相をEtOAcによりさらに抽出した。合わせた有機相を乾燥して、ろ過し、真空下で減量した。残留物をDCM中で粉末にし、ろ過した。シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~20%MeOH/DCMによるグラジエント溶出)によって物質を精製し、適切なフラクションを合わせて濃縮すると、表題化合物が淡黄色固体(465mg、50%)として得られた。
(例4)
3-[5-[(1R,11R)-18-(ジフルオロメトキシ)-12-メチル-13-オキソ-2,9,12-トリアザペンタシクロ[9.8.1.02,10.03,8.014,19]イコサ-3,5,7,9,14(19),15,17-ヘプタエン-5-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル]-3-ヒドロキシ-1-メチルシクロブタン-1-カルボニトリル

1,4-ジオキサン(15mL)中の中間体5(226mg、794μmol)及び中間体2(382mg、793μmol)からなる混合物に、KPO(521mg、2.38mmol)の水溶液(3.75mL)を加えた。アルゴンをこの溶液に一旦、通気させると、[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)(30mg、40μmol)を加えた。得られた反応混合物を4時間、加熱して還流し、次に、室温まで冷却し、水(50mL)に注ぎ入れた。この溶液をEtOAc(3×50mL)により抽出した。合わせた有機相を水(2×50mL)により洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をシリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(MeOH/DCM0~5%によるグラジエント溶出)によって精製すると、表題化合物(192mg、43%)がベージュ色固体として得られた。
(例5)
3-[5-[(1R,11R)-18-(ジフルオロメトキシ)-13-オキソ-2,9,12-トリアザペンタシクロ[9.8.1.02,10.03,8.014,19]イコサ-3,5,7,9,14(19),15,17-ヘプタエン-5-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル]-3-ヒドロキシ-1-メチルシクロブタン-1-カルボニトリル

1,4-ジオキサン(10mL)中の中間体5(232.5mg、815.4μmol)及び(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-11-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンゾイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン(WO2016/050975の中間体171)(381mg、815.4μmol)からなる混合物に、KPO(535mg、2.45mmol)の水溶液(2.5mL)を加えた。アルゴンをこの溶液に一旦、通気させると、[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)(31.4mg、40.8μmol)を加えた。得られた反応混合物を4時間、加熱して還流し、次に、室温まで冷却し、水(50mL)に注ぎ入れた。この溶液をEtOAc(3×50mL)により抽出した。合わせた有機相を水(2×50mL)により洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCM0~5%)によって精製すると、表題化合物(67mg、15%)がベージュ色固体として得られた。
(例6)
1-[5-[(1R,11R)-18-(ジフルオロメトキシ)-12-メチル-13-オキソ-2,9,12-トリアザペンタシクロ[9.8.1.02,10.03,8.014,19]イコサ-3(8),4,6,9,14(19),15,17-ヘプタエン-5-イル]ピリミジン-2-イル]-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブタン-1-カルボニトリル

中間体2(140mg、0.29mmol)、中間体8(85mg、0.32mmol)、第三リン酸カリウム(185mg、0.85mmol)及びトリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート(11mg、0.029mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)に溶解し、水(1mL)を加えた。この反応物を真空及び窒素からなるサイクルを3回で脱気した後、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(14mg、0.015mmol)を加えた。この反応物を再度、脱気/窒素による再充填を行い、100℃まで5時間、加熱した後に、室温まで一晩、冷却した。この反応混合物をDCM及び水により希釈し、相分離器に通して、有機相を真空下で減量した。シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(50~100%EtOAc/イソヘキサン、次に0~10%MeOH/DCMによるグラジエント溶出)により精製した。所望のフラクションを合わせて真空下で濃縮すると、表題化合物が白色固体(56mg、36%)として得られた。
(例7)
1-[5-[(1R,11R)-18-(ジフルオロメトキシ)-12-メチル-13-オキソ-2,9,12-トリアザペンタシクロ[9.8.1.02,10.03,8.014,19]イコサ-3(8),4,6,9,14(19),15,17-ヘプタエン-5-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル]-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブタン-1-カルボニトリル

中間体2(95mg、0.16mmol)、中間体11(50mg、0.18mmol)、第三リン酸カリウム(100mg、0.46mmol)及びトリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート(10mg、0.026mmol)を1,4-ジオキサン(2.0mL)に溶解し、水(0.5mL)を加えた。この反応物を真空及び窒素からなるサイクルを3回で脱気した後、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(10mg、0.011mmol)を加えた。この反応物を再度、脱気/窒素による再充填を行い、100℃まで5時間、加熱した後に、室温まで冷却した。反応物をDCM及び水により希釈し、相分離器に通して、有機相を真空下で減量した。シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(50~100%EtOAc/イソヘキサン、次に0~15%MeOH/DCMによるグラジエント溶出)により精製した。約10%MeOH/DCMで溶出した所望のフラクションを一緒にして、真空下で濃縮すると、淡黄色発泡体が得られ、分取HPLCによってさらに精製し、一晩、凍結乾燥すると、表題化合物が白色粉末(20mg、23%)として得られた。

Claims (20)

  1. 式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩:

    (式中、
    Xは、N又はC-Fを表し、
    は、水素又はメチル(-CDを含む)を表し、
    は、ヒドロキシ又はシアノを表し、
    は、ヒドロキシ又はシアノを表し、及び
    は、Rとは異なる)。
  2. 式(IIA)より表される請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩:

    (式中、X及びRは、請求項1に定義されている通りである)。
  3. 式(IIB)より表される請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩:

    (式中、X及びRは、請求項1に定義されている通りである)。
  4. 3-[5-[(1R,11R)-18-(ジフルオロメトキシ)-13-オキソ-12-(トリジュウテリオメチル)-2,9,12-トリアザペンタシクロ[9.8.1.02,10.03,8.014,19]イコサ-3(8),4,6,9,14(19),15,17-ヘプタエン-5-イル]ピリミジン-2-イル]-3-ヒドロキシ-1-メチルシクロブタン-1-カルボニトリル;
    3-[5-[(1R,11R)-18-(ジフルオロメトキシ)-13-オキソ-2,9,12-トリアザペンタシクロ[9.8.1.02,10.03,8.014,19]イコサ-3(8),4,6,9,14(19),15,17-ヘプタエン-5-イル]ピリミジン-2-イル]-3-ヒドロキシ-1-メチルシクロブタン-1-カルボニトリル;
    3-[5-[(1R,11R)-18-(ジフルオロメトキシ)-12-メチル-13-オキソ-2,9,12-トリアザペンタシクロ[9.8.1.02,10.03,8.014,19]イコサ-3,5,7,9,14(19),15,17-ヘプタエン-5-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル]-3-ヒドロキシ-1-メチルシクロブタン-1-カルボニトリル;
    3-[5-[(1R,11R)-18-(ジフルオロメトキシ)-13-オキソ-2,9,12-トリアザペンタシクロ[9.8.1.02,10.03,8.014,19]イコサ-3,5,7,9,14(19),15,17-ヘプタエン-5-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル]-3-ヒドロキシ-1-メチルシクロブタン-1-カルボニトリル;
    1-[5-[(1R,11R)-18-(ジフルオロメトキシ)-12-メチル-13-オキソ-2,9,12-トリアザペンタシクロ[9.8.1.02,10.03,8.014,19]イコサ-3(8),4,6,9,14(19),15,17-ヘプタエン-5-イル]ピリミジン-2-イル]-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブタン-1-カルボニトリル;又は
    1-[5-[(1R,11R)-18-(ジフルオロメトキシ)-12-メチル-13-オキソ-2,9,12-トリアザペンタシクロ[9.8.1.02,10.03,8.014,19]イコサ-3(8),4,6,9,14(19),15,17-ヘプタエン-5-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル]-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブタン-1-カルボニトリル;
    或いは薬学的に許容されるその塩である、
    請求項1に記載の化合物。
  5. 3-[5-[(1R,11R)-18-(ジフルオロメトキシ)-6-フルオロ-13-オキソ-2,9,12-トリアザペンタシクロ[9.8.1.02,10.03,8.014,19]イコサ-3(8),4,6,9,14(19),15,17-ヘプタエン-5-イル]ピリミジン-2-イル]-3-ヒドロキシ-1-メチルシクロブタン-1-カルボニトリル又は薬学的に許容されるその塩である化合物。
  6. 治療に使用するための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩を含むTNFα機能モジュレータ。
  7. TNFα機能のモジュレータの適応症である障害の処置及び/又は予防に使用するための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩を含むTNFα機能のモジュレータ。
  8. 炎症性疾患若しくは自己免疫疾患、神経学的障害若しくは神経変性障害、疼痛若しくは侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害、又は腫瘍学的障害の処置及び/又は予防に使用するための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩を含むTNFα機能のモジュレータ。
  9. 薬学的に許容される担体とともに、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物。
  10. 追加の薬学的活性成分をさらに含む、請求項9に記載の医薬組成物。
  11. TNFα機能のモジュレータの適応症である障害の処置及び/又は予防に使用するための、請求項9又は10に記載の医薬組成物。
  12. 炎症性疾患若しくは自己免疫疾患、神経学的障害若しくは神経変性障害、疼痛若しくは侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害、又は腫瘍学的障害の処置及び/又は予防に使用するための、請求項9又は10に記載の医薬組成物。
  13. TNFα機能のモジュレータの適応症である障害を処置及び/又は予防するのに有用な医薬を製造するための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物若しくはそのN-オキシド、又は薬学的に許容されるその塩の使用。
  14. 炎症性疾患若しくは自己免疫疾患、神経学的障害若しくは神経変性障害、疼痛若しくは侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害、又は腫瘍学的障害の処置に有用な医薬の製造のための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物若しくはそのN-オキシド、又は薬学的に許容されるその塩の使用。
  15. 前記自己免疫疾患が、乾癬、強直性脊椎炎、乾癬性関節症、関節リウマチ、若年性特発性関節炎、体軸性脊椎関節炎、化膿性汗腺炎、炎症性腸疾患、ベーチェット病、強皮症、全身性硬化症、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、線維性疾患、及び糖尿病性腎症からなる群から選択され、前記神経学的障害若しくは神経変性障害が、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び脊髄損傷からなる群から選択され、前記心血管障害は、心肥大及び心筋梗塞からなる群から選択され、前記代謝障害は、糖尿病及びメタボリックシンドロームからなる群から選択され、前記眼障害は、網膜症であり、並びに腫瘍学的障害は、血液悪性疾患、並びに固形腫瘍がん、肉腫、髄膜腫、多形性膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、黒色腫、胃がん及び腎細胞がんを含む非血液悪性疾患からなる群から選択される、請求項8に記載のTNFα機能のモジュレータ又は請求項12に記載の医薬組成物。
  16. 前記炎症性腸疾患が、クローン病、潰瘍性大腸炎、不確定性大腸炎及び回腸嚢炎からなる群から選択される、請求項15に記載のTNFα機能のモジュレータ又は医薬組成物。
  17. 前記線維性疾患が、肝線維症及び肺線維症からなる群から選択される、請求項15に記載のTNFα機能のモジュレータ又は医薬組成物。
  18. 前記糖尿病が、インスリン依存性糖尿病及び若年性糖尿病からなる群から選択され、前記網膜症が糖尿病性網膜症、増殖性網膜症、非増殖性網膜症及び未熟児網膜症からなる群から選択される、請求項15に記載のTNFα機能のモジュレータ又は医薬組成物。
  19. 前記血液悪性疾患が、白血病及びリンパ腫からなる群から選択され、非血液悪性疾患が、固形腫瘍がん、肉腫、髄膜腫、多形膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、黒色腫、胃がん及び腎細胞がんからなる群から選択される、請求項15に記載のTNFα機能のモジュレータ又は医薬組成物。
  20. 請求項1に記載の式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を調製する方法であって、
    該方法が、遷移金属触媒の存在下で、式(III)の化合物を式(IV)の化合物:

    (式中、X、R、R及びRは、請求項1で定義されている通りであり、Lは、好適な脱離基を表し、及びMは、ボロン酸部分-B(OH)、又は有機ジオールと形成されるその環式エステルを表す)と反応させることを含む、
    上記方法。
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