JP7429582B2 - 斜め穴抜きプレートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、斜め穴抜きプレートの製造方法、およびオリフィスプレートに関する。
特許文献1の〔0031〕段落には、「オリフィスを成形するためのプレート材料からなるオリフィスプレート60を、図8(a)に示すようにダイ孔64aを有するダイ64の上にセットする。オリフィスプレートの上にストリッパ63をセットし、ダイ64とストリッパ63によってオリフィスプレート60を挟む。ダイ孔64aの径は、オリフィス61とほぼ同径のパンチ62より打抜きクリアランス分大きくする。円筒状のパンチ62の下降によりオリフィス61が穿孔される。」とある。
特開2007-51573号公報
例えば、燃料噴射弁に用いられるオリフィスプレートには、燃料通路である所謂オリフィスとよばれる穴が設けられている。このオリフィスプレートなどの各種プレートに対して穴を開ける場合に、円筒形状のパンチが用いられることが多い。また、このオリフィスプレートなどの各種プレートでは、中心軸線に対して斜め方向に開いた穴の形成が要求される場合がある。ここで、従来、この中心軸線に対して斜め方向に穴抜きを行う際に、先端が円形の円筒形状のパンチをプレートに対して斜めに傾け、このパンチをプレートに対して斜め方向に移動させて穴抜きを行っていた。
図8(8A),(8B)は、従来技術の問題点を説明するための図である。図8(8A)に示す(8A-1)~(8A-3)では、中心軸線に対して斜め方向に穴抜きを行う際の、穴抜き処理の過程を示している。また、図8(8B)は、図8(8A)の(8A-1)の部分拡大図である。ここでは、水平に配置されたプレート92に対し、鉛直方向から傾き角γだけパンチ91の軸方向を傾け、プレート92に対してパンチ91を斜め方向から進行させている。図8(8B)に示すように、パンチ91は、パンチ91の軸方向に直交する先端面91aと、先端面91aを囲むエッジ91bと、パンチ91の周囲である側面91cとを有する。パンチ91を、例えば断面が円形である円筒状とする場合には、先端面91aは円形となり、エッジ91bは、円形からなる先端面91aの周囲の円となる。
図8(8B)に示すように、プレート92に対してパンチ91の軸方向に加わる荷重Wは、水平方向成分である荷重Whと、鉛直方向成分である荷重Wvとに分解される。パンチ91を斜め方向から移動させて穴抜きを開始すると、まず、プレート92の表面に、パンチ91のエッジ91bが当接する。そして、更にパンチ91を移動させ、エッジ91bをプレート92に食い込ませると、パンチ91の先端面91aとプレート92との間に、プレート92の材料が盛り上がった肉部95が生じる。図8(8A)の(8A-1)の状態からパンチ91が更に移動してプレート92に更に食い込み、(8A-2)の状態に移行すると、水平方向成分の荷重Whにより肉部95の盛り上がりが進行方向に移動するとともに、横方向へ広がりながら成長する。ここで、この「横方向」は、プレート92上にて進行方向とは交差する方向である。肉部95の盛り上がりは、この「横方向」に広がりながら、プレート92上にてパンチ91の側面91cに沿った位置に形成される。図8(8A)の(8A-2)の状態から(8A-3)の状態に移行すると、パンチ91が更に移動してプレート92を突き抜け、パンチ91による穴開け箇所を囲うように、プレート92上に肉部95の盛り上がりが形成される(後述する図4(4A)参照。)。
このような肉部95の盛り上がりは、その後の製造工程で潰される場合があるが、この肉部95の盛り上がりが潰されると、穴の内部にバリ状の構造が生じてしまう。例えばプレート92を燃料などの噴射孔として利用する場合に、この穴の内部に生じたバリ状の構造は、噴射孔の一部を塞いだ状態となり、その結果として好ましい噴射性能を得ることができなくなる。
本発明は、パンチをプレートに対して斜めに傾け、斜め方向からパンチを移動させてプレートに穴を開ける際、パンチの先端面が軸方向に直交するパンチを用いこの先端面を囲うエッジをプレートにまず押し当てて穴開けを行う場合に比べて、プレートに形成した穴開け部の性能を向上させることにある。
請求項1に記載された発明は、ダイにプレートを配置し、配置した当該プレートに対してパンチを斜めに傾け当該パンチを斜め方向から進行させて穴抜きを行い、斜め穴抜きプレートを製造する斜め穴抜きプレートの製造方法であって、前記パンチの進行方向の後端側に形成された第1面の外形形状により、前記斜め穴の当該進行方向の後端側の全ての外形を形成して穴抜きを行い、前記パンチの前記進行方向の先端側にて前記第1面から切り上がる第2面の外形形状により、前記斜め穴の当該進行方向の先端側の外形を形成して穴抜きを行い、前記パンチは、前記第1面が円筒形状を削って構成され、前記第2面が当該円筒形状の削られていない残り部分で構成されることを特徴とする斜め穴抜きプレートの製造方法である。
請求項2に記載された発明は、ダイにプレートを配置し、配置した当該プレートに対してパンチを斜めに傾け当該パンチを斜め方向から進行させて穴抜きを行い、斜め穴抜きプレートを製造する斜め穴抜きプレートの製造方法であって、前記パンチの進行方向の後端側に形成された第1面の外形形状により、前記斜め穴の当該進行方向の後端側の全ての外形を形成して穴抜きを行い、前記パンチの前記進行方向の先端側にて前記第1面から切り上がり、パンチ移動軸線と直交している第2面の外形形状により、前記斜め穴の当該進行方向の先端側の外形を形成して穴抜きを行う、ことを特徴とする斜め穴抜きプレートの製造方法である。
請求項に記載された発明は、前記パンチの前記第1面は、当該パンチを前記ダイに配置された前記プレートに向けて前記斜め方向から進行させた際、当該プレートに沿うように構成されることを特徴とする請求項1または2記載の斜め穴抜きプレートの製造方法である。
請求項に記載された発明は、前記パンチは、前記第2面の内側が凹形状となっていることを特徴とする請求項1または2記載の斜め穴抜きプレートの製造方法である。
本発明による斜め穴抜きプレートの製造方法によれば、パンチをプレートに対して斜めに傾け、斜め方向からパンチを移動させてプレートに穴を開ける際に、パンチの先端面が軸方向に直交するパンチを用いこの先端面を囲うエッジをプレートにまず押し当てて穴開けを行う場合に比べて、プレートに形成した穴開け部の性能を向上させることができる。
また、本発明によるオリフィスプレートによれば、傾斜して設けられるオリフィスの燃料噴射性能を向上させることができる。
本実施の形態が適用される斜め穴抜きプレートの製造方法を説明するための図である。 (2A),(2B)は、本実施の形態にて用いられるパンチの構造を説明するための図である。 (3A),(3B),(3C),(3D)は、本実施の形態が適用される斜め穴抜きプレートの製造の過程を説明するための図である。 (4A),(4B),(4C),(4D)は、従来技術で製造された斜め穴抜きプレートと、本実施の形態で製造された斜め穴抜きプレートと、の違いを説明するための図である。 (5A),(5B)は、本実施の形態が適用されるオリフィスプレートを説明するための図である。 (6A),(6B)は、本実施の形態が適用されるパンチの第1面の変形例と、プレートに開けられた穴からパンチの構造を説明するための図である。 (7A),(7B),(7C)は、本実施の形態が適用されるパンチの第2面の変形例を比較説明するための図である。 (8A),(8B)は、従来技術の問題点を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔斜め穴抜きプレートの製造方法の説明〕
図1は、本実施の形態が適用される斜め穴抜きプレートの製造方法を説明するための図である。この図1では、例えば、燃料噴射弁に用いられるオリフィスプレートなどの材料となるプレート70が、ダイ孔51を有するダイ50に配置されている。このプレート70の上にパンチガイド60が配置される。そして、このパンチガイド60にガイドされプレート70に対して穴を開けるパンチ10が、移動可能に配置される。
一般に行われる穴開け作業では、プレート70に対して鉛直方向から穴開けが行われる。プレート70の表面をx軸とすると、鉛直方向であるy軸の方向にて、穴抜き作業が行われることが一般的である。しかしながら、本実施の形態では、プレート70の使用要求に伴い、パンチ10が移動するパンチ移動軸線fを、鉛直方向であるy軸から角度αだけ傾ける。パンチガイド60は、このパンチ移動軸線fに沿ってパンチ10が移動できるように構成されている。
本実施の形態にて、パンチ10は、プレート70に対して進行する進行方向の後端側に第1面11と、進行方向の先端側に第2面12とを有している。第1面11は、プレート70に形成される斜め穴の、進行方向の後端側の外形を形成する。また、第2面12は、プレート70に形成される斜め穴の、進行方向の先端側の外形を形成する。第1面11および第2面12に、その角が取られた「面取り」が施されていない場合には、第1面11は進行方向の後端側の外形を全て形成することとなり、また、第2面12は進行方向の先端側の外形を全て形成することとなる。第1面11は、パンチ10をダイ50に配置されたプレート70に向けて斜め方向から進行させた際、プレート70に対峙し、プレート70に沿うように構成されている。図1に示すように、パンチ移動軸線fに対して角度αだけパンチ10を傾けた場合に、プレート70に対して略平行となるように、第1面11が形成されている。
図2(2A),(2B)は、本実施の形態にて用いられるパンチ10の構造を説明するための図である。図2(2A)は、パンチ10のプレート70に当接する先端部を上面とした斜視図、図2(2B)は、図2(2A)に示すIIB-IIB方向(第1面11に平行な方向)からパンチ10の先端部を見た図である。第2面12は、円筒形状を有するパンチ10の底面の一部で形成され、パンチ10の側面13と略直交する面である。第1面11は円筒形状の底面(図2(2A)の破線部分)を削って構成され、第2面12は円筒形状の削られていない残りの部分で構成される。但し、円筒部材から第1面11を先に形成し、この第1面11を削って、側面13と略直交する第2面12を形成しても構わない。第1面11と第2面12とは、基点16aと基点16bとを結ぶ直線によって仕切られている。
図2(2A),(2B)では、中央基点16、基点15、基点17が示されている。中央基点16は、基点16aと基点16bとを結ぶ線分の中央の点である。基点15は、削られた楕円形状の一部である第1面11の長軸が側面13と交わる点である。基点17は、第2面12にて、基点15と中央基点16とを通るパンチ軸に対して平行な面が側面13と交わる点である。第1面11は、基点16b、基点15、および基点16aを通る楕円の弧と、基点16aと基点16bとを結ぶ線分と、によって、その外形形状を形成する。また、第2面12は、基点16b、基点17、および基点16aを通る円弧と、基点16aと基点16bとを結ぶ線分と、によって、その外形形状を形成する。
図3(3A),(3B),(3C),(3D)は、本実施の形態が適用される斜め穴抜きプレートの製造の過程を説明するための図である。図3(3A)は、斜めから進行するパンチ10がプレート70に当接する前の状態を示し、図3(3B)は、パンチ10の第1面11がプレート70の表面に当接した状態を示している。また、図3(3C)は、パンチ10の第2面12がプレート70の表面から穴抜きを行っている途中の状態を示し、図3(3D)は、パンチ10がプレート70から突き抜けた状態を示している。
パンチ10は、図3(3A)の状態から斜め方向(進行方向P)に移動し、図3(3B)に示すように、パンチ10の第1面11がプレート70の表面に当接する。図3(3B)の状態からパンチ10が更に進行方向Pに移動するに伴い、第1面11に当接する部分から面単位で一気に抜かれる。より詳しくは、パンチ10の、図2(2B)に示す基点16b、基点15、および基点16aを通る楕円の弧と、基点16aと基点16bとを結ぶ線分と、によって形成される外形形状が、一度に抜かれる。
パンチ10によるプレート70の抜きは、第1面11により面で一気に抜かれるのに対し、第2面12により徐々に抜かれる。第2面12は、図2(2B)に示す基点16b、基点17、および基点16aを通る円弧と、この円弧の弦である基点16aと基点16bとを結ぶ線分(弦16a-16b)と、によって形成されているが、図3(3B)の状態では、まず弦16a-16bがプレート70の表面に接触する。その後、パンチ10が進行方向Pに移動するに伴い、弦16a-16bと平行な円弧の弦が順次、プレート70の表面に接触し、第2面12が徐々にプレート70に食い込む。図3(3C)では、プレート70が第2面12により徐々に抜かれていく途中の状態が示されている。この状態では、図2(2B)に示す弦16a-16bと基点17との間の、弦16a-16bと平行な弦がプレート70の表面に接触している。その後、パンチ10が進行方向Pに移動するに伴い、基点17がプレート70の表面に接触し、更にその後、図3(3D)に示すように、パンチ10の第1面11および第2面12がプレート70から突き抜けた状態となる。また更にその後、進行方向Pと逆方向にパンチ10が移動してプレート70から抜き取られ、パンチ10による穴あけ作用が終わる。
このように、パンチ10によるプレート70の抜きは、プレート70に沿う第1面11をプレート70に押し当てて穴抜きが開始される一方で、パンチ10の進行方向Pへの移動に伴い、第1面11から切り上がる第2面12を用いて進行方向Pの先端側に向けて徐々に行われていく。言い換えると、プレート70にてパンチ10の第1面11により形成される進行方向Pの後端側の外形形状は、パンチ10の進行によってほぼ同時に形成される一方で、進行方向Pの先端側の外形は、パンチ10の進行に伴い第2面12の外形形状に沿って第1面11による外形形状の形成に比べて徐々に形成される。
〔穴の形状の説明〕
次に、パンチ10を用いた穴抜きによる穴の形状を、従来技術と比較して説明する。
図4(4A),(4B),(4C),(4D)は、従来技術で製造された斜め穴抜きプレートと、本実施の形態で製造された斜め穴抜きプレートと、の違いを説明するための図である。 図4(4A)は、図8(8A),(8B)に示す従来技術にて、断面が円形である円筒状のパンチ91をプレート92に対して斜め方向に傾けて穴抜きを行った場合を示しており、穴94が開けられたプレート92を上面から見た図である。また、図4(4B)は、図4(4A)のIVB-IVB断面である。また、図4(4C)は、本実施の形態におけるパンチ10をプレート70に対して斜め方向に傾けて穴抜きを行った場合を示しており、穴72が開けられたプレート70を上面から見た図である。また、図4(4D)は、図4(4C)IVD-IVD断面である。
従来技術では、図4(4A)に示すように、パンチ91が進行方向Pである斜め方向から穴開け作業を行うことにより、プレート92の表面が楕円状となる穴94がプレート92に開けられる。また、穴94は、図4(4B)に示すように、斜め方向からのパンチ91の移動に伴い、深さ方向にて傾斜した穴となっている。プレート92の表面にて、この穴94のパンチ91の横方向の略中央部には、肉部95の盛り上がりが発生する。また、図4(4B)に示すように、穴94におけるプレート92の表面側、かつパンチ91の移動方向先端側にて、肉の引き込みによるダレ96が発生する。
一方、本実施の形態では、図4(4C)に示すように、パンチ10が進行方向Pである斜め方向から穴開け作業を行うことにより、プレート70の表面が楕円状となる穴72がプレート70に開けられる。また、穴72は、図4(4D)に示すように、斜め方向からのパンチ10の移動に伴い、深さ方向にて傾斜した穴となっている。また、穴72におけるプレート70の表面側、かつパンチ10の移動方向先端側にて、肉の引き込みによるダレ79が発生する。これらの点は、穴72と、従来技術で開けられた穴94と、は同様である。しかしながら、本実施の形態では、パンチ10の移動方向後端側にて、パンチ10の第1面11により面単位で打ち抜かれることから、従来技術で見られた肉部95の盛り上がりが殆どなくなっている点が大きく異なる。なお、肉の引き込みによるダレ79は、パンチ10の第2面12の大きさに関係する。パンチ10の第2面12が小さくなることにより、肉が引き込まれる領域も小さくなる。
〔オリフィスプレートの説明〕
次に、本実施の形態が適用されるオリフィスプレートについて、図5(5A),(5B)を用いて説明する。
図5(5A),(5B)は、本実施の形態が適用されるオリフィスプレートを説明するための図である。図5(5A)は、オリフィスプレートの上面図であり、例えば燃料の流入側から見た図である。また、図5(5B)は、図5(5A)のVB-VB断面である。
本実施の形態が適用されるオリフィスプレートは、穴72が開けられたプレート70に絞り工程や抜き工程などの後処理が施されて形成されるが、ここでは、プレート70をオリフィスプレートとして説明している。また、穴72は、オリフィスプレートのオリフィスである。各々のオリフィスは、パンチ10によって傾斜して抜かれたオリフィスの抜き方向上流側にてパンチ10の第1面11である平面によってほぼ一度に抜かれた上流側抜き部と、オリフィスの抜き方向下流側にてパンチ10の移動に伴いパンチ10の第2面12の外形に沿って徐々に抜かれた下流側抜き部とを有している。
図5(5A),(5B)に示す例では、4つのオリフィス(穴72)が、それぞれ予め定められた角度の間隔を持って配置され、それぞれ内側(中央側)から外側に向けて傾斜している。これにより、オリフィスプレート(プレート70)の上方(図5(5B)の上方)から流入される燃料は、オリフィスプレートの下方(図5(5B)の下方)に向けて、それぞれのオリフィスにより斜め方向に燃料を噴射する。オリフィスプレートとしては燃料が放射状に噴射される。
穴72が開けられたプレート70に対する後処理としては、例えば絞り工程でカップ状にするものが挙げられる。また他の後処理としては、外形抜きパンチで抜いて丸い平板形状(メンコ形状)にするものが挙げられる。これらの後処理では、ダイの中に入った製品を排出するためのノックアウトと外形抜きパンチとにプレート70が挟まれる。ここで、前述のように、図4(4A),(4B)に示すような従来技術のパンチ91によって穴が開けられたプレート92では、肉部95の盛り上がりが発生している。そのため、従来技術の肉部95の盛り上がり(膨らみ部分)がノックアウトと外形抜きパンチとに挟まれると、膨らみ部分が押しつぶされ、膨らみ部分の肉が穴94の外縁より内径側に移動し、穴94の内径が狭まってしまう。しかしながら、本実施の形態では、穴72にて、穴94に存在する肉部95の盛り上がりの発生が軽減されているために、穴の内径が狭まることが抑制され、オリフィスプレートに形成した穴開け部の性能を向上させている。
〔パンチ10の第1面の変形例〕
次に、図6を用いて、パンチ10の第1面の変形例について説明する。
図6(6A)は、本実施の形態が適用されるパンチ10の第1面11の変形例を示している。また、図6(6B)は、プレート70に開けられた穴からパンチ10の構造を説明するための図である。
図6(6A)では、ワークであるプレート70の表面をx軸として示している。また、プレート70から鉛直方向をy軸としている。そして、ここでは、パンチ10のパンチ移動軸線fは、鉛直方向であるy軸から角度αだけ傾いている。また、図6(6A)では、パンチ10の第1面11について、プレート70の表面に対峙する際の違いが示されている。ここでは、図2(2B)に示す基点16aと基点16bとの中央基点16と、各基点(15,152,153)とを結んだ線分(11-1,11-2,11-3)によって、プレート70に対する第1面11の平行度の違いの例を示している。以下、線分ごとに分けて説明する。
(i)基点15(線分11-1)の場合
第1面11の輪郭線が基点15を通る線分11-1の場合は、線分11-1がx軸と略平行であり、図6(6A)に示す基点15と、図2(2B)に示す基点16aと基点16bとを含む輪郭線の内側の面で構成される第1面11が、ワークであるプレート70の表面と略平行である。この輪郭線の内側の面は平面であるが、パンチ10の内側に向かって凹形状とすることもできる。基点15を通る線分11-1の場合は、基点16a、基点16bおよび基点15を通る輪郭線は、ほぼ同時に、プレート70の表面に当接する。第1面11の形状が平面である場合には、第1面11の全面がほぼ同時に当接する。第1面11の輪郭線、または全面が同時にプレート70の表面に当接することで、パンチ10の進行に伴い、同時に穴開けが進行する。そのために、横方向の肉移動が最も軽減され、図4(4C)の態様となり、図4(4A)に示す肉部95の盛り上がりが生じ難い。
図6(6B)は、パンチ10によりプレート70に開けられた穴72を示している。パンチ10の基点16a、基点15、および基点16bを通る第1面11の外形形状にて、穴72の点76a、点75、および点76bからなる上流側抜き部72aが形成される。また、図2(2B)に示すパンチ10の基点16a、基点17、および基点16bを通る第2面12の外形形状にて、穴72の点76a、点77、および点76bからなる下流側抜き部72bが形成される。
パンチ10の基点16a、16bが基点17に近くなるほど、すなわち、抜かれた穴72にて、上流側抜き部72aの領域が広くなり下流側抜き部72bの領域が狭くなるほど、以下の二つの傾向がある。まず一つ目は、横方向へ肉を移動させる面が減り、横方向への肉の移動が減る。次いで二つ目は、第1面11の抜けるタイミングと第2面12の基点17の抜けるタイミングが近くなるため、抜きバリに対する効果が高くなる。しかしながら、パンチ10の基点16a、16bが基点17に近づくほど、基点17周辺のパンチ10の形状が鋭角形状に近づくため、パンチ10の先端が破損し易くなる。そこで、パンチ10における基点16a、16bの基点17との距離は、加工された穴72の長径方向において、穴72の長径の1/5程度は離れていることが好ましい。例えば、図6(6B)に示す、上流側抜き部72aが長径の4/5、下流側抜き部72bが長径の1/5の位置となるように、パンチ10の基点16a、16bの位置が決定される。
なお、図6(6B)に示すプレート70に開けられた穴72は、図5(5A)に示すオリフィスプレートのオリフィスである。このオリフィスは、円筒形状から第1面11が形成されたパンチ10を、プレート70から傾斜させて抜かれたことによる楕円形状にてプレート70に形成されている。そして、上流側抜き部72aは、楕円形状の長軸の中心を超えて下流側に向けて形成されており、下流側抜き部72bよりも大きい。
(ii)基点152(線分11-2)の場合
第1面11の輪郭線が基点152を通る線分11-2の場合は、x軸と平行である線分11-1よりもパンチ10の進行方向後端側(基点152側)がx軸と交差する方向に傾いている。パンチ10の第1面11による穴開けの進行は、まず、基点152がプレート70の表面に当接し、その後、基点16a、16bに到達する。但し、線分11-2が平行である線分11-1よりも傾いているといっても、第2面12のプレート70への対峙よりも平行に近いので、依然、第2面12による斜め穴の形成は、第1面11による斜め穴の形成に比べて、徐々に形成されることとなる。
この基点152(線分11-2)の場合は、上記(i)の基点15(線分11-1)の場合に比べると穴抜きの改善効果は限られる。これは、パンチ10の移動方向への肉移動が生じ、肉部95の盛り上がりが若干、生じるためである。しかしながら、図4(4A)に示す従来の円筒形状のパンチ91に比べると、肉部95の盛り上がりは小さくなり、また、パンチ10の先端側(基点17)との抜けるタイミングが近くなることから抜け側のバリが軽減され、従来技術に比べて穴抜きの改善効果は優れている。
(iii)基点153(線分11-3)の場合
第1面11の輪郭線が基点153を通る線分11-3の場合は、x軸と平行である線分11-1よりもパンチ10の進行方向先端側(基点16a、16b側)がx軸と交差する方向に傾いている。パンチ10の第1面11による穴開けの進行は、まず、基点16a、16bがプレート70の表面に当接し、その後、基点153に到達する。第2面12による穴抜きも同時に進行を開始する。第1面11によって起こるパンチ10の進行方向後端側(図の右方向)への肉の移動と、第2面12によって起こるパンチ10の進行方向先端側(図の左方向)への肉の移動とが共に進行する。基点153部分での角度が基点15よりも大きな鈍角となるため、基点15よりも抜き性は悪くなる。また第1面11による加工に際して肉移動が生じる。そのために、上記(i)の基点15(線分11-1)の場合に比べると改善効果は限られる。但し、線分11-3が、x軸に平行である線分11-1よりも傾いているといっても、第2面12のプレート70への対峙よりも平行に近く、また、第1面11による穴抜きが早く終了するので、第2面12による斜め穴の形成は、第1面11による斜め穴の形成に比べて、徐々に形成されることとなる。
なお、この基点153と中央基点16とのy軸方向の距離(プレート70の板厚方向の距離)は、ワークであるプレート70の板厚よりも小さくすることが好ましい。板厚よりも中央基点16と基点153との間の距離が大きいと、中央基点16の部分でバリが生じる可能性があるためである。
以上の考察から、第1面11は、被加工面であるプレート70の表面に対して略平行であることが好ましい。また、第1面11の抜けるタイミングと、第2面12の先端側である基点17の抜けるタイミングとを近くすることで抜きバリを軽減できることから、第1面11の面と基点17とのy軸方向の距離が近いことが好ましい。
なお、パンチ移動軸線fの傾き角度αは、y軸に対して0°よりも大きいが、50°以下の場合に、より好ましいことが発明者等により確認されている。特に、20°~45°程度が更に好ましい。
〔パンチ10の第2面の変形例〕
次に、図7を用いて、パンチ10の第2面12の変形例について説明する。
図7(7A),(7B),(7C)は、本実施の形態が適用されるパンチ10の第2面12の変形例を比較説明するための図である。図7(7A)は、第2面12がパンチ移動軸線fと直交(γ=90°)している。図7(7B)では、第2面12の内側が凹形状となっている。図7(7C)では、第2面12がパンチ移動軸線fに対して鈍角(γ>90°)となっている。
図7(7A)に示す例では、パンチ10の第2面12がパンチ移動軸線fと直交する面であり、抜き性が良い。
図7(7B)に示す例では、第2面12の内部が鋭角となり、輪郭線はパンチ移動軸線fと直交している。そのため、抜き性は良好である。
図7(7C)に示す例では、鈍角が大きくなるにつれて抜き性が悪くなる。また、第1面11に対する基点17の抜けるタイミングも離れる方向になるため、図7(7A),(7B)に比べると穴抜きの改善効果は低減する。
以上、詳述したように、本実施の形態によれば、被加工面であるプレート70の表面に略平行な第1面11を有するパンチ10を用いて穴抜きを行っている。この第1面11による加工部分では、穴抜きの際に横方向(プレート70の表面と平行な方向)へ肉(材料)を移動させずに加工できる。これにより、肉部95の盛り上がりの発生を抑制できる。また、パンチ10にて第1面11から切り上がる第2面12を有することで、パンチ10の先端部分の強度の低下を抑制している。
10…パンチ、11…第1面、12…第2面、50…ダイ、60…パンチガイド、70…プレート、72…穴

Claims (4)

  1. ダイにプレートを配置し、配置した当該プレートに対してパンチを斜めに傾け当該パンチを斜め方向から進行させて穴抜きを行い、斜め穴抜きプレートを製造する斜め穴抜きプレートの製造方法であって、
    前記パンチの進行方向の後端側に形成された第1面の外形形状により、前記斜め穴の当該進行方向の後端側の全ての外形を形成して穴抜きを行い、
    前記パンチの前記進行方向の先端側にて前記第1面から切り上がる第2面の外形形状により、前記斜め穴の当該進行方向の先端側の外形を形成して穴抜きを行い、
    前記パンチは、前記第1面が円筒形状を削って構成され、前記第2面が当該円筒形状の削られていない残り部分で構成される
    ことを特徴とする斜め穴抜きプレートの製造方法。
  2. ダイにプレートを配置し、配置した当該プレートに対してパンチを斜めに傾け当該パンチを斜め方向から進行させて穴抜きを行い、斜め穴抜きプレートを製造する斜め穴抜きプレートの製造方法であって、
    前記パンチの進行方向の後端側に形成された第1面の外形形状により、前記斜め穴の当該進行方向の後端側の全ての外形を形成して穴抜きを行い、
    前記パンチの前記進行方向の先端側にて前記第1面から切り上がり、パンチ移動軸線と直交している第2面の外形形状により、前記斜め穴の当該進行方向の先端側の外形を形成して穴抜きを行う、
    ことを特徴とする斜め穴抜きプレートの製造方法。
  3. 前記パンチの前記第1面は、当該パンチを前記ダイに配置された前記プレートに向けて前記斜め方向から進行させた際、当該プレートに沿うように構成されることを特徴とする請求項1または2記載の斜め穴抜きプレートの製造方法。
  4. 前記パンチは、前記第2面の内側が凹形状となっていることを特徴とする請求項1または2記載の斜め穴抜きプレートの製造方法。
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