JP7428648B2 - 面発光レーザ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、面発光レーザ装置に関する。
特許文献1は、面発光レーザ装置の一例としての面発光レーザアレイを開示している。この面発光レーザアレイは、主面を有する半導体層と、半導体層を切り欠いて半導体層の主面に形成されたメサ構造をそれぞれ有し、主面の法線方向に光を放出する複数の発光部と、を含む。
特開2007-73585号公報
特許文献1に記載の面発光レーザ装置では、複数の発光部を均等な行列状の配列で遍在させるという制限が課されている。このような構造では、半導体層の温度分布および複数の発光部の出力を調整できない。
本発明の一実施形態は、半導体層の温度分布および複数の発光部の出力を調整できる面発光レーザ装置を提供する。
本発明の一実施形態は、主面を有する半導体層と、前記主面に形成された溝によってそれぞれ区画され、平面視において前記主面の周縁部に偏在するように配列され、前記主面の法線方向に向けて光を放出する複数の発光部と、を含む、面発光レーザ装置を提供する。
この面発光レーザ装置によれば、熱が集中しやすい半導体層の中央部の温度上昇を抑制できる。これにより、半導体層の温度分布を調整できるから、複数の発光部の出力を調整できる。
本発明の一実施形態は、主面を有する半導体層と、前記主面の上に形成され、前記半導体層の熱伝導率を超える熱伝導率を有する外部端子と、前記主面に形成された溝によってそれぞれ区画され、平面視において前記外部端子の周囲に偏在するように配列され、前記主面の法線方向に向けて光を放出する複数の発光部と、を含む、面発光レーザ装置を提供する。
この面発光レーザ装置によれば、外部端子の周囲に配列された複数の発光部で生じた熱を外部端子に効率的に伝達させることができる。これにより、半導体層の温度分布を調整できるから、複数の発光部の出力を調整できる。
本発明における上述の、またはさらに他の目的、特徴および効果は、添付図面を参照して次に述べる実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図である。 図2は、図1に示す領域IIの拡大図である。 図3は、図1に示す領域IIIの拡大図である。 図4は、図1に示すIV-IV線に沿う断面図である。 図5は、図1に示すV-V線に沿う断面図である。 図6は、図4に示す領域VIの拡大図である。 図7は、図6に示す領域VIIの拡大図である。 図8Aは、図6の対応図であって、図1に示す面発光レーザ装置の製造方法の一例を説明するための図である。 図8Bは、図8Aの後の工程を示す図である。 図8Cは、図8Bの後の工程を示す図である。 図8Dは、図8Cの後の工程を示す図である。 図8Eは、図8Dの後の工程を示す図である。 図8Fは、図8Eの後の工程を示す図である。 図8Gは、図8Fの後の工程を示す図である。 図8Hは、図8Gの後の工程を示す図である。 図8Iは、図8Hの後の工程を示す図である。 図9、本発明の第2実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図である。 図10は、本発明の第3実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図である。 図11は、本発明の第4実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図である。 図12は、本発明の第5実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図である。 図13は、本発明の第6実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図である。 図14は、図13に示すXIV-XIV線に沿う断面図である。 図15は、本発明の第7実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図である。 図16は、本発明の第8実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図である。 図17は、本発明の第9実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図である。 図18は、本発明の第10実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図であって、第1主面電極層の第1形態例を示す平面図である。 図19は、図18に示す領域XIXの拡大図である。 図20は、図18に示すXX-XX線に沿う断面図である。 図21は、図18に示すXXI-XXI線に沿う断面図である。 図22は、図18に示すXXII-XXII線に沿う断面図である。 図23は、図22に示す領域XXIIIの拡大図である。 図24は、図23に示す領域XXIVの拡大図である。 図25Aは、図19の対応図であって、第1主面電極層の第2形態例を示す拡大図である。 図25Bは、図19の対応図であって、第1主面電極層の第3形態例を示す拡大図である。 図25Cは、図19の対応図であって、第1主面電極層の第4形態例を示す拡大図である。 図25Dは、図19の対応図であって、第1主面電極層の第5形態例を示す拡大図である。 図25Eは、図19の対応図であって、第1主面電極層の第6形態例を示す拡大図である。 図25Fは、図19の対応図であって、第1主面電極層の第7形態例を示す拡大図である。 図25Gは、図19の対応図であって、第1主面電極層の第8形態例を示す拡大図である。 図25Hは、図19の対応図であって、第1主面電極層の第9形態例を示す拡大図である。 図25Iは、図19の対応図であって、第1主面電極層の第10形態例を示す拡大図である。 図25Jは、図19の対応図であって、第1主面電極層の第11形態例を示す拡大図である。 図25Kは、図23の対応図であって、第1主面電極層の第12形態例を示す拡大図である。 図25Lは、図23の対応図であって、第1主面電極層の第13形態例を示す拡大図である。 図26Aは、図22の対応図であって、図18に示す面発光レーザ装置の製造方法の一例を説明するための図である。 図26Bは、図26Aの後の工程を示す図である。 図26Cは、図26Bの後の工程を示す図である。 図26Dは、図26Cの後の工程を示す図である。 図26Eは、図26Dの後の工程を示す図である。 図26Fは、図26Eの後の工程を示す図である。 図26Gは、図26Fの後の工程を示す図である。 図26Hは、図26Gの後の工程を示す図である。 図26Iは、図26Hの後の工程を示す図である。 図26Jは、図26Iの後の工程を示す図である。 図26Kは、図26Jの後の工程を示す図である。 図26Lは、図26Kの後の工程を示す図である。 図26Mは、図26Lの後の工程を示す図である。 図27は、図22の対応図であって、本発明の第11実施形態に係る面発光レーザ装置を示す断面図である。 図28Aは、図27の対応図であって、図27に示す面発光レーザ装置の製造方法の一例を説明するための図である。 図28Bは、図28Aの後の工程を示す図である。 図28Cは、図28Bの後の工程を示す図である。 図28Dは、図28Cの後の工程を示す図である。 図29は、本発明の第12実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図である。 図30は、本発明の第13実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図である。 図31は、本発明の第14実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図である。 図32は、本発明の第15実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図である。 図33は、図32に示す領域XXXIIIの拡大図である。 図34は、本発明の第16実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図であって、第1主面電極層の第1形態例を示す平面図である。 図35は、図34に示す領域XXXVの拡大図である。 図36は、図35の対応図であって、第1主面電極層の第2形態例を示す拡大図である。 図37は、本発明の第17実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図である。 図38は、図37に示す領域XXXVIIIの拡大図である。 図39は、本発明の第18実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図である。 図40は、図39に示す領域XLの拡大図である。 図41は、本発明の第19実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図である。 図42は、図41に示す領域XLIIの拡大図である。 図43は、図41に示すXLIII-XLIII線に沿う断面図である。 図44は、図41に示すXLIV-XLIV線に沿う断面図である。 図45は、図43に示す領域XLVの拡大図である。 図46は、図45に示す領域XLVIの拡大図である。 図47は、図45に示す領域XLVIIの拡大図である。 図48は、図45に示す領域XLVIIIの拡大図である。 図49Aは、図45の対応図であって、図41に示す面発光レーザ装置の製造方法の一例を説明するための図である。 図49Bは、図49Aの後の工程を示す図である。 図49Cは、図49Bの後の工程を示す図である。 図49Dは、図49Cの後の工程を示す図である。 図49Eは、図49Dの後の工程を示す図である。 図49Fは、図49Eの後の工程を示す図である。 図49Gは、図49Fの後の工程を示す図である。 図49Hは、図49Gの後の工程を示す図である。 図49Iは、図49Hの後の工程を示す図である。 図50は、第1~第9実施形態に係るトレンチの第1変形例を示す断面図である。 図51は、第1~第9実施形態に係るトレンチの第2変形例を示す平面図である。 図52は、第10~第18実施形態に係るトレンチの第1変形例を示す断面図である。 図53は、第10~第18実施形態に係るトレンチの第2変形例を示す平面図である。 図54は、第19実施形態に係るトレンチの第1変形例を示す断面図である。 図55は、第19実施形態に係るトレンチの第2変形例を示す平面図である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る面発光レーザ装置1を示す平面図である。図2は、図1に示す領域IIの拡大図である。図3は、図1に示す領域IIIの拡大図である。図4は、図1に示すIV-IV線に沿う断面図である。図5は、図1に示すV-V線に沿う断面図である。図6は、図4に示す領域VIの拡大図である。図7は、図6に示す領域VIIの拡大図である。
図1~図7を参照して、面発光レーザ装置1は、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)と称される半導体レーザ装置である。面発光レーザ装置1は、直方体形状のチップ本体2を含む。
チップ本体2は、一方側の第1主面3、他方側の第2主面4、ならびに、第1主面3および第2主面4を接続する側面5A,5B,5C,5Dを含む。第1主面3および第2主面4は、それらの法線方向Zから見た平面視(以下、単に「平面視」という。)において四角形状(この形態では長方形状)に形成されている。
側面5A~5Dは、より具体的には、第1側面5A、第2側面5B、第3側面5Cおよび第4側面5Dを含む。第1側面5Aおよび第3側面5Cは、第1方向Xに沿って延び、第1方向Xに交差する第2方向Yに対向している。第2方向Yは、より具体的には、第1方向Xに直交している。第1側面5Aおよび第3側面5Cは、チップ本体2の長辺を形成している。第2側面5Bおよび第4側面5Dは、第2方向Yに沿って延び、第1方向Xに対向している。第2側面5Bおよび第4側面5Dは、チップ本体2の短辺を形成している。側面5A~5Dは、法線方向Zに沿って平面的に延びている。
平面視において第1側面5A(第3側面5C)の幅W1は、200μm以上2000μm以下であってもよい。幅W1は、200μm以上400μm以下、400μm以上600μm以下、600μm以上800μm以下、800μm以上1000μm以下、1000μm以上1200μm以下、1200μm以上1400μm以下、1400μm以上1600μm以下、1600μm以上1800μm以下、または、1800μm以上2000μm以下であってもよい。幅W1は、500μm±5μmであってもよい。
平面視において第2側面5B(第4側面5D)の幅W2は、200μm以上1000μm以下であってもよい。幅W2は、200μm以上300μm以下、300μm以上400μm以下、400μm以上500μm以下、500μm以上600μm以下、600μm以上700μm以下、700μm以上800μm以下、800μm以上900μm以下、または、900μm以上1000μm以下であってもよい。幅W2は、340μm±5μmであってもよい。
図1~図3を参照して、面発光レーザ装置1は、第1主面3に形成され、法線方向Zに向けてレーザ光を放出する発光部6(半導体発光層)を含む。この形態では、複数の発光部6が、平面視において第1方向Xおよび第2方向Yに間隔を空けて形成されている。複数の発光部6は、規則的に配列されていてもよいし、不規則に配列されていてもよい。複数の発光部6は、平面視において千鳥状、行列状または放射状(同心円状)に配列されていることが好ましい。
複数の発光部6は、この形態では、平面視において互いに間隔を空けて千鳥状に配列されている。つまり、複数の発光部6は、平面視において三角形(この形態では正三角形)の3つの頂点に1つの発光部6がそれぞれ位置する態様で配列されている。複数の発光部6は、より具体的に、平面視において六角形(この形態では正六角形)の6つの頂点に1つの発光部6がそれぞれ位置する態様で配列されている。
複数の発光部6は、さらに具体的には、平面視において六角形(この形態では正六角形)の6つの頂点に1つの発光部6がそれぞれ位置し、かつ、六角形の中央部に1つの発光部6が位置する態様で配列されている。
複数の発光部6は、この形態では、平面視において円形状にそれぞれ形成されている。発光部6の平面形状は任意である。発光部6は、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。
複数の発光部6は、トレンチ7(溝)によってそれぞれ区画されている。トレンチ7は、第1主面3を第2主面4に向けて掘り下げることによって形成されている。トレンチ7は、平面視において発光部6を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。発光部6およびトレンチ7の具体的な構造は、後述される。
隣り合う2つの発光部6の最短距離L1は、10μm以上150μm以下であってもよい。最短距離L1は、最近接する2つの発光部6の間の距離である。最短距離L1は、10μm以上25μm以下、25μm以上50μm以下、50μm以上75μm以下、75μm以上100μm以下、100μm以上125μm以下、または、125μm以上150μm以下であってもよい。
複数の発光部6の第1最遠距離L2は、第1側面5A(第3側面5C)の幅W1に応じて設定される。第1最遠距離L2は、第1方向Xの両端部に位置する最も離れた2つの発光部6の間の距離である。
第1最遠距離L2は、200μm以上2000μm以下であってもよい。第1最遠距離L2は、200μm以上400μm以下、400μm以上600μm以下、600μm以上800μm以下、800μm以上1000μm以下、1000μm以上1200μm以下、1200μm以上1400μm以下、1400μm以上1600μm以下、1600μm以上1800μm以下、または、1800μm以上2000μm以下であってもよい。
複数の発光部6の第2最遠距離L3は、第2側面5B(第4側面5D)の幅W2に応じて設定される。第2最遠距離L3は、第2方向Yの両端部に位置する最も離れた2つの発光部6の間の距離である。
第2最遠距離L3は、200μm以上1000μm以下であってもよい。第2最遠距離L3は、200μm以上300μm以下、300μm以上400μm以下、400μm以上500μm以下、500μm以上600μm以下、600μm以上700μm以下、700μm以上800μm以下、800μm以上900μm以下、または、900μm以上1000μm以下であってもよい。
複数の発光部6は、この形態では、平面視において第1主面3の周縁部に偏在している。面発光レーザ装置1は、より具体的には、複数の発光部6の配列密度が互いに異なる疎領域15および密領域16を含む。疎領域15は、第1主面3において複数の発光部6が疎に配列された領域である。密領域16は、複数の発光部6が疎領域15に比べて密に配列された領域である。
疎領域15は、平面視において第1主面3の中央部に形成されている。密領域16は、平面視において第1主面3の周縁部に形成されている。密領域16は、この形態では、第1密領域17および第2密領域18を含む。第1密領域17は、第1方向Xに関して、疎領域15に対して第1主面3の一端部側(第2側面5B側)の周縁部に形成されている。第2密領域18は、第1方向Xに関して、疎領域15に対して第1主面3の他端部側(第4側面5D側)の周縁部に形成されている。第2密領域18は、疎領域15を挟んで第1密領域17に対向している。
疎領域15を取り囲む1つの密領域16が形成されてもよい。この場合、1つの密領域16は、疎領域15を取り囲む環状に形成される。第1密領域17および第2密領域18のいずれか一方が、疎領域15に変更されてもよい。
密領域16における単位面積当たりの複数の発光部6の個数P1は、疎領域15における単位面積当たりの複数の発光部6の個数P2を超えている。単位面積当たりの個数P1に対する単位面積当たりの個数P2の比P1/P2は、1.0を超えて4.0以下であってもよい。比P1/P2は、1.0を超えて1.5以下、1.5以上2.0以下、2.0以上2.5以下、2.5以上3.0以下、3.0以上3.5以下、または、3.5以上4.0以下であってもよい。
密領域16における2つの発光部6の第1最短距離LA1は、疎領域15における2つの発光部6の第2最短距離LB1未満である。第1最短距離LA1に対する第2最短距離LB1の比LA1/LB1は、0.1以上1.0未満であってもよい。比LA1/LB1は、0.1以上0.2以下、0.2以上0.3以下、0.3以上0.4以下、0.4以上0.5以下、0.5以上0.6以下、0.6以上0.7以下、0.7以上0.8以下、0.8以上0.9以下、または、0.9以上1.0未満であってもよい。
第1最短距離LA1は、50μm以上150μm以下であってもよい。第1最短距離LA1は、50μm以上75μm以下、75μm以上100μm以下、100μm以上125μm以下、または、125μm以上150μm以下であってもよい。第2最短距離LB1は、10μm以上100μm以下であってもよい。第2最短距離LB1は、10μm以上25μm以下、25μm以上50μm以下、50μm以上75μm以下、または、75μm以上100μm以下であってもよい。
疎領域15における複数の発光部6は、平面視において千鳥状に配列されている。また、密領域16における複数の発光部6は、平面視において千鳥状に配列されている。疎領域15における複数の発光部6が千鳥状に配列されている一方で、密領域16における複数の発光部6が行列状または放射状(同心円状)に配列されていてもよい。また、疎領域15における複数の発光部6が行列状または放射状(同心円状)に配列されている一方で、密領域16における複数の発光部6が千鳥状に配列されていてもよい。
複数の発光部6が均等な配列で第1主面3に遍在するチップ本体2では、複数の発光部6で生じた熱がチップ本体2の中央部に集中する。そのため、チップ本体2には、周縁部から中央部に向けて温度が漸増する温度分布が形成される。その結果、チップ本体2の温度分布に起因して、複数の発光部6の出力がばらつく。
これに対して、面発光レーザ装置1によれば、第1主面3の周縁部に複数の発光部6が偏在している。これにより、チップ本体2の中央部を起点とするチップ本体2の温度上昇を抑制できる。その結果、チップ本体2の温度分布の偏りを抑制できると同時に、当該温度分布を調整できるから、複数の発光部6の出力を調整できる。
また、面発光レーザ装置1によれば、チップ本体2において温度上昇率の高い領域に疎領域15が形成され、チップ本体2において温度上昇率の低い領域に密領域16が形成されている。温度上昇率の高い領域は、この形態では、チップ本体2の中央部である。温度上昇率の低い領域は、この形態では、チップ本体2の周縁部である。
これにより、チップ本体2の中央部および周縁部の間において温度分布の偏りを抑制できる。その結果、チップ本体2の中央部および周縁部の間(つまり、疎領域15および密領域16の間)において複数の発光部6の出力ばらつきを抑制できる。
図1~図7を参照して、面発光レーザ装置1は、第1主面3の上に形成された絶縁層8を含む。絶縁層8は、複数の発光部6を一括して被覆している。絶縁層8は、第1主面3の上から各トレンチ7に入り込んでいる。絶縁層8は、各トレンチ7内において発光部6を被覆している。
絶縁層8は、側面5A~5Dから内方に間隔を空けて形成され、第1主面3の周縁部を露出させている。絶縁層8の周縁は、側面5A~5Dとの間でダイシングストリートDSを区画している。ダイシングストリートDSは、第1主面3の周縁部(側面5A~5D)に沿って帯状に延びている。ダイシングストリートDSは、平面視において絶縁層8を取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成されている。
ダイシングストリートDSの幅WDは、1μm以上25μm以下であってもよい。幅WDは、1μm以上5μm以下、5μm以上10μm以下、10μm以上15μm以下、15μm以上20μm以下、または、20μm以上25μm以下であってもよい。幅WDは、平面視においてダイシングストリートDSが延びる方向に直交する方向の幅である。
ダイシングストリートDSによれば、絶縁層8を物理的に切断しなくて済む。これにより、絶縁層8の切断に起因するチップ本体2や絶縁層8等のクラックを抑制できる。また、ダイシングブレード等の摩耗を抑制できると同時に切断時間を短縮できる。
面発光レーザ装置1は、第1主面3の上に形成され、発光部6に電気的に接続された第1主面電極層9を含む。第1主面電極層9は、より具体的には、絶縁層8の上に形成されている。第1主面電極層9は、複数の発光部6を一括して被覆している。第1主面電極層9は、絶縁層8の上から各トレンチ7に入り込んでいる。第1主面電極層9は、各トレンチ7内において各発光部6に電気的に接続されている。
第1主面電極層9は、側面5A~5Dから内方に間隔を空けて形成され、第1主面3の周縁部を露出させている。第1主面電極層9は、さらに、絶縁層8の周縁から内方に間隔を空けて形成され、絶縁層8の周縁部を露出させている。このような構造によれば、第1主面電極層9を物理的に切断しなくて済む。これにより、第1主面電極層9の切断に起因するチップ本体2や第1主面電極層9等のクラックを抑制できる。また、ダイシングブレード等の摩耗を抑制できると同時に切断時間を短縮できる。
面発光レーザ装置1は、第1主面電極層9の上に形成された外部端子11を含む。図1では、外部端子11がハッチングによって示されている。外部端子11には、ボンディングワイヤ等の導線が外部接続される。外部端子11は、第1主面電極層9の周縁部に配置されている。外部端子11は、この形態では、第1主面電極層9の周縁部において第1側面5Aに沿う領域に配置されている。これにより、導線が発光部6の上を横切ることを防止できるから、第1主面3から光を適切に取り出すことができる。
図4~図7を参照して、チップ本体2は、基板20、および、基板20の上に積層された半導体積層構造21(半導体層)を含む。第1主面3は、半導体積層構造21によって形成されている。第2主面4は、基板20によって形成されている。側面5A~5Dは、基板20および半導体積層構造21によって形成されている。
基板20は、化合物半導体材料を含む。基板20は、より具体的には、正方晶を形成する化合物半導体材料の単結晶を含む。化合物半導体材料は、III-V族半導体材料であってもよい。基板20は、この形態では、n型不純物を含むGaAs単結晶からなる。基板20のn型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。基板20のn型不純物は、シリコンであってもよい。
基板20は、一方側の第1基板主面22および他方側の第2基板主面23を含む。第2基板主面23は、第2主面4を形成している。第1基板主面22は、GaAs単結晶の(100)面に面している。第1基板主面22は、GaAs単結晶の(100)面に対して0°以上5°以下の角度で傾斜したオフ角を有している。オフ角が0°の場合、第1基板主面22はGaAs単結晶の(100)面によって形成される。オフ角は、典型的には2°(より具体的には2°±0.2°の範囲)に設定される。
基板20の厚さTSは、50μm以上300μm以下であってもよい。厚さTSは、50μm以上100μm以下、100μm以上150μm以下、150μm以上200μm、200μm以上250μm以下、または、250μm以上300μm以下であってもよい。
半導体積層構造21は、第1基板主面22の上に化合物半導体(より具体的には、III-V族半導体)を結晶成長させることにより形成されている。半導体積層構造21は、第1基板主面22と同じ結晶面を有する複数の化合物半導体層を含む積層構造を有している。
半導体積層構造21は、より具体的には、第1基板主面22側からこの順に積層されたn型半導体層24、活性層25およびp型半導体層26を含む。n型半導体層24、活性層25およびp型半導体層26は、ダブルヘテロ構造を形成している。n型半導体層24は、活性層25に電子を供給する。p型半導体層26は、活性層25に正孔を供給する。活性層25は、電子および正孔の再結合によって光を生成する。
活性層25において赤外光が生成されてもよい。活性層25は、800nm以上1000nm以下の範囲に発光波長を有する光を生成してもよい。活性層25の発光波長は、900nm以上950nm以下であってもよい。
n型半導体層24は、第1基板主面22側からこの順に積層されたn型バッファ層27、n型光反射層28およびn型クラッド層29を含む。n型バッファ層27は、この形態では、n型のGaAsを含む。n型バッファ層27のn型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。n型バッファ層27のn型不純物は、シリコンであってもよい。
n型バッファ層27の厚さは、0.05μm以上0.2μm以下であってもよい。n型バッファ層27の厚さは、0.05μm以上0.1μm以下、0.1μm以上0.15μm以下、または、0.15μm以上0.2μm以下であってもよい。
n型光反射層28は、この形態では、n型DBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ反射)層を含む。n型DBR層は、法線方向Zに沿って周期的に変化する屈折率を有し、特定の波長成分を共振反射させる。特定の波長成分は、活性層25で生成された光の波長成分である。
n型光反射層28は、Al(アルミニウム)組成を含む複数のAl組成層が積層された積層構造を有している。複数のAl組成層は、互いに異なる屈折率をそれぞれ有している。n型光反射層28は、この形態では、Al組成αを有するn型高Al組成層30、および、Al組成α未満のAl組成β(β<α)を有するn型低Al組成層31が任意の周期で交互に積層された積層構造を有している。n型低Al組成層31の屈折率は、n型高Al組成層30の屈折率よりも大きい。
n型高Al組成層30およびn型低Al組成層31は、1以上60以下の周期で交互に積層されていてもよい。n型高Al組成層30およびn型低Al組成層31の積層周期は、1以上10以下、10以上20以下、20以上30以下、30以上40以下、40以上50以下、または、50以上60以下であってもよい。
n型高Al組成層30は、n型のAlαGa(1-α)Asを含んでいてもよい。n型高Al組成層30のn型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。n型高Al組成層30のn型不純物は、シリコンであってもよい。
Al組成αは、0.5以上0.95以下であってもよい。Al組成αは、0.5以上0.55以下、0.55以上0.6以下、0.6以上0.65以下、0.65以上0.7以下、0.7以上0.75以下、0.75以上0.8以下、0.8以上0.85以下、0.85以上0.9以下、または、0.9以上0.95以下であってもよい。
n型低Al組成層31は、n型のAlβGa(1-β)Asを含んでいてもよい。n型低Al組成層31のn型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。n型低Al組成層31のn型不純物は、シリコンであってもよい。
Al組成βは、0.05以上0.25以下であってもよい。Al組成βは、0.05以上0.1以下、0.1以上0.15以下、0.15以上0.2以下、または、0.2以上0.25以下であってもよい。
n型高Al組成層30の厚さは、λ/(4×n1)Åであってもよい。n型低Al組成層31の厚さは、λ/(4×n2)Åであってもよい。λは、活性層25で生成される光の波長である。n1は、n型高Al組成層30の屈折率である。n2は、n型低Al組成層31の屈折率である。
n型高Al組成層30の厚さは、500Å以上900Å以下であってもよい。n型高Al組成層30の厚さは、500Å以上600Å以下、600Å以上700Å以下、700Å以上800Å以下、または、800Å以上900Å以下であってもよい。
n型低Al組成層31の厚さは、400Å以上800Å以下であってもよい。n型低Al組成層31の厚さは、400Å以上500Å以下、500Å以上600Å以下、600Å以上700Å以下、または、700Å以上800Å以下であってもよい。n型低Al組成層31の厚さは、n型高Al組成層30の厚さ以下であってもよい。n型低Al組成層31の厚さは、n型高Al組成層30の厚さ未満であってもよい。
n型クラッド層29は、この形態では、n型のAlγGa(1-γ)Asを含む。n型クラッド層29のn型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。n型クラッド層29のn型不純物は、シリコンであってもよい。n型クラッド層29は、不純物無添加(アンドープ)であってもよい。
n型クラッド層29のAl組成γは、n型低Al組成層31のAl組成βを超えて、n型高Al組成層30のAl組成α未満(β<γ<α)であってもよい。n型クラッド層29のAl組成γは、0.2以上0.7以下であってもよい。
Al組成γは、0.2以上0.25以下、0.25以上0.3以下、0.3以上0.35以下、0.35以上0.4以下、0.4以上0.45以下、0.45以上0.5以下、0.5以上0.55以下、0.55以上0.6以下、0.6以上0.65以下、または、0.65以上0.7以下であってもよい。
n型クラッド層29の厚さは、0.05μm以上0.5μm以下であってもよい。n型クラッド層29の厚さは、0.05μm以上0.1μm以下、0.1μm以上0.2μm以下、0.2μm以上0.3μm以下、0.3μm以上0.4μm以下、または、0.4μm以上0.5μm以下であってもよい。
活性層25は、量子井戸層および障壁層を含むQW(Quantum Well:量子井戸構造)を有していてもよい。活性層25は、この形態では、量子井戸層および障壁層が任意の周期で交互に積層されたMQW(Multi Quantum Well:多重量子井戸)構造を有している。量子井戸層および障壁層は、1以上50以下の周期で交互に積層されていてもよい。量子井戸層および障壁層の積層周期は、1以上10以下、10以上20以下、20以上30以下、30以上40以下、または、40以上50以下であってもよい。
量子井戸層は、GaAsを含んでいてもよい。量子井戸層は、不純物無添加であってもよい。量子井戸層の厚さは、10Å以上200Å以下であってもよい。量子井戸層の厚さは、10Å以上50Å以下、50Å以上100Å以下、100Å以上150Å以下、または、150Å以上200Å以下であってもよい。
障壁層は、量子井戸層のバンドギャップよりも大きいバンドギャップを有している。障壁層は、AlδGa(1-δ)Asを含んでいてもよい。Al組成δは、0.15以上0.5以下であってもよい。Al組成δは、0.15以上0.2以下、0.2以上0.25以下、0.25以上0.3以下、0.3以上0.35以下、0.35以上0.4以下、0.4以上0.45以下、または、0.45以上0.5以下であってもよい。
障壁層の厚さは、10Å以上200Å以下であってもよい。障壁層の厚さは、10Å以上50Å以下、50Å以上100Å以下、100Å以上150Å以下、または、150Å以上200Å以下であってもよい。
活性層25の総厚さTAは200Å以上1600Å以下であってもよい。総厚さTAは、200Å以上400Å以下、400Å以上600Å以下、600Å以上800Å以下、800Å以上1000Å以下、1000Å以上1200Å以下、1200Å以上1400Å以下、または、1400Å以上1600Å以下であってもよい。
活性層25の最下層および最上層は、障壁層によってそれぞれ形成されていてもよい。活性層25の最下層および最上層を形成する2つ障壁層の厚さは、活性層25において中間層を形成する1つまたは複数の障壁層の厚さを超えていてもよい。
p型半導体層26は、活性層25側からこの順に積層されたp型クラッド層32、p型光反射層33およびp型コンタクト層34を含む。p型クラッド層32は、この形態では、p型のAlεGa(1-ε)Asを含む。p型クラッド層32のp型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。p型クラッド層32のp型不純物は、炭素であってもよい。
Al組成εは、0.2以上0.7以下であってもよい。Al組成εは、0.2以上0.25以下、0.25以上0.3以下、0.3以上0.35以下、0.35以上0.4以下、0.4以上0.45以下、0.5以上0.55以下、0.55以上0.6以下、0.6以上0.65以下、または、0.65以上0.7以下であってもよい。
p型クラッド層32の厚さは、0.05μm以上0.5μm以下であってもよい。p型クラッド層32の厚さは、0.05μm以上0.1μm以下、0.1μm以上0.2μm以下、0.2μm以上0.3μm以下、0.3μm以上0.4μm以下、または、0.4μm以上0.5μm以下であってもよい。
p型光反射層33は、この形態では、p型DBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ反射)層を含む。p型DBR層は、法線方向Zに周期的に変化する屈折率を有し、特定の波長成分を共振反射させる。特定の波長成分は、活性層25で生成された光の波長成分である。
p型光反射層33は、Al(アルミニウム)組成を含む複数のAl組成層が積層された積層構造を有している。複数のAl組成層は、互いに異なる屈折率をそれぞれ有している。p型光反射層33は、この形態では、Al組成ζを有するp型高Al組成層35、および、Al組成ζ未満のAl組成η(η<ζ)を有するp型低Al組成層36が任意の周期で交互に積層された積層構造を有している。p型低Al組成層36の屈折率は、p型高Al組成層35の屈折率よりも大きい。
p型高Al組成層35およびp型低Al組成層36は、1以上60以下の周期で交互に積層されていてもよい。p型高Al組成層35およびp型低Al組成層36の積層周期は、1以上10以下、10以上20以下、20以上30以下、30以上40以下、40以上50以下、または、50以上60以下であってもよい。
p型高Al組成層35は、p型のAlζGa(1-ζ)Asを含んでいてもよい。p型高Al組成層35のp型不純物濃度は、1×1018cm-3以上1×1019cm-3以下であってもよい。p型高Al組成層35のp型不純物は、炭素であってもよい。
Al組成ζは、p型クラッド層32のAl組成εを超えていてもよい(ε<ζ)。Al組成ζは、0.5以上0.95以下であってもよい。Al組成ζは、0.5以上0.55以下、0.55以上0.6以下、0.6以上0.65以下、0.65以上0.7以下、0.7以上0.75以下、0.75以上0.8以下、0.8以上0.85以下、0.85以上0.9以下、または、0.9以上0.95以下であってもよい。
p型低Al組成層36は、p型のAlηGa(1-η)Asを含んでいてもよい。p型低Al組成層36のp型不純物濃度は、1×1018cm-3以上1×1019cm-3以下であってもよい。p型低Al組成層36のp型不純物は、炭素であってもよい。
Al組成ηは、p型クラッド層32のAl組成ε未満(η<ε<ζ)であってもよい。Al組成ηは、0.05以上0.25以下であってもよい。Al組成ηは、0.05以上0.1以下、0.1以上0.15以下、0.15以上0.2以下、または、0.2以上0.25以下であってもよい。
p型高Al組成層35の厚さは、λ/(4×n3)Åであってもよい。p型低Al組成層36の厚さは、λ/(4×n4)Åであってもよい。λは、活性層25で生成される光の波長である。n3は、p型高Al組成層35の屈折率である。n4は、p型低Al組成層36の屈折率である。
p型高Al組成層35の厚さは、500Å以上900Å以下であってもよい。p型高Al組成層35の厚さは、500Å以上600Å以下、600Å以上700Å以下、700Å以上800Å以下、または、800Å以上900Å以下であってもよい。
p型低Al組成層36の厚さは、400Å以上800Å以下であってもよい。p型低Al組成層36の厚さは、400Å以上500Å以下、500Å以上600Å以下、600Å以上700Å以下、または、700Å以上800Å以下であってもよい。p型低Al組成層36の厚さは、p型高Al組成層35の厚さ以下であってもよい。p型低Al組成層36の厚さは、p型高Al組成層35の厚さ未満であってもよい。
p型コンタクト層34は、チップ本体2の第1主面3を形成している。p型コンタクト層34は、この形態では、p型のGaAsを含む。p型コンタクト層34のp型不純物濃度は、p型光反射層33のp型不純物濃度を超えていることが好ましい。p型コンタクト層34のp型不純物濃度は、1×1019cm-3以上1×1020cm-3以下であってもよい。p型コンタクト層34のp型不純物は、炭素であってもよい。
p型コンタクト層34の厚さは、0.02μm以上0.2μm以下であってもよい。p型コンタクト層34の厚さは、0.02μm以上0.05μm以下、0.05μm以上0.1μm以下、0.1μm以上0.15μm以下、または、0.15μm以上0.2μm以下であってもよい。
図4および図5を参照して、複数の発光部6は、半導体積層構造21に形成されている。各発光部6は、トレンチ7によって区画された台地状のメサ構造41を有している。トレンチ7は、半導体積層構造21の主面(チップ本体2の第1主面3)に形成されている。トレンチ7は、p型コンタクト層34、p型光反射層33および活性層25を貫通し、n型半導体層24を露出させている。トレンチ7は、n型半導体層24においてn型クラッド層29を貫通し、n型光反射層28を露出させている。
トレンチ7は、平面視において発光部6を取り囲む環状に形成されている。トレンチ7は、この形態では、断面視において第1主面3側の開口面積が底壁側の開口面積よりも大きい先細り形状(テーパ形状)に形成されている。
トレンチ7は、内周壁42、外周壁43、ならびに、内周壁42および外周壁43を接続する底壁44を有している。内周壁42および外周壁43は、n型半導体層24の一部およびp型半導体層26を露出させている。n型半導体層24の一部は、n型光反射層28の一部およびn型クラッド層29である。底壁44は、n型光反射層28を露出させている。
内周壁42は、メサ構造41(発光部6)を区画している。つまり、内周壁42は、この形態では、平面視において円形状に形成されている。内周壁42の平面形状は任意であり、メサ構造41(発光部6)の平面形状に応じて調整される。内周壁42は、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。
外周壁43は、内周壁42から間隔を空けて内周壁42(発光部6)を取り囲んでいる。外周壁43は、この形態では、平面視において円形状に形成されている。外周壁43の平面形状は任意である。外周壁43は、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。
底壁44は、第1主面3に対して平行に形成されていてもよい。底壁44は、平面視において発光部6(メサ構造41)を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。底壁44の平面形状は、内周壁42の平面形状および外周壁43の平面形状に応じて、三角環状、四角環状もしくは六角環状等の多角環状、または、楕円環状に形成されていてもよい。
各メサ構造41は、頂部45、基部46、ならびに、頂部45および基部46を接続する側壁47を含む。頂部45は、第1主面3に対して平行に延びている。頂部45は、この形態では、第1主面3の一部によって形成されている。つまり、頂部45は、p型半導体層26によって形成されている。頂部45は、より具体的には、p型コンタクト層34によって形成されている。
頂部45は、トレンチ7の内周壁42によって区画されている。頂部45は、平面視において円形状に形成されている。頂部45の平面形状は任意である。頂部45は、内周壁42の平面形状に応じて、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。
頂部45の幅WMは、10μm以上40μm以下であってもよい。幅WMは、10μm以上15μm以下、15μm以上20μm以下、20μm以上25μm以下、25μm以上30μm以下、30μm以上35μm以下、または、35μm以上40μm以下であってもよい。
基部46は、n型半導体層24によって形成されている。基部46は、この形態では、n型光反射層28によって形成されている。基部46は、トレンチ7の内周壁42によって区画されている。基部46は、トレンチ7の底壁44およびメサ構造41の側壁47を接続する接続部である。
基部46は、平面視において円形状に形成されている。基部46の平面形状は任意である。基部46は、頂部45の平面形状に応じて、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。基部46の平面積は、頂部45の平面積を超えている。
側壁47は、トレンチ7の内周壁42によって形成されている。側壁47は、頂部45から基部46に向けて下り傾斜している。これにより、各メサ構造41は、錐台形状に形成されている。各メサ構造41は、この形態では、円錐台形状に形成されている。各メサ構造41は、頂部45および基部46の平面形状に応じて、三角錐台形状、四角錐台形状もしくは六角錐台形状等の多角錐台形状、または、楕円錐台形状に形成されていてもよい。
側壁47が頂部45との間で成す角度θM(絶対値)は、90°以上170°以下であってもよい。角度θMは、断面視において頂部45の周縁点および基部46の周縁点を結ぶラインが、メサ構造41内において頂部45との間で成す角度である。
角度θMは、90°以上100°以下、100°以上110°以下、110°以上120°以下、120°以上130°以下、130°以上140°以下、140°以上150°以下、150°以上160°以下、または、160°以上170°以下であってもよい。
メサ構造41の厚さTMは、1μm以上10μm以下であってもよい。厚さTMは、1μm以上2μm以下、2μm以上4μm以下、4μm以上6μm以下、6μm以上8μm以下、または、8μm以上10μm以下であってもよい。厚さTMは、頂部45および基部46の間の法線方向Zに沿う距離である。
図4~図6を参照して、面発光レーザ装置1は、各メサ構造41に係るp型半導体層26において頂部45および活性層25の間の任意の領域に介在された電流狭窄層51を含む。電流狭窄層51は、活性層25に供給される電流を狭窄する。
電流狭窄層51は、活性層25およびp型光反射層33の間の領域に介在されていることが好ましい。電流狭窄層51は、この形態では、p型クラッド層32およびp型光反射層33の間の領域に介在されている。電流狭窄層51は、メサ構造41の側壁47から露出している。
電流狭窄層51は、p型クラッド層32の内部に介在されていてもよい。この場合、電流狭窄層51は、複数(たとえば2つ)のp型クラッド層32の間の領域に介在されていてもよい。つまり、電流狭窄層51およびp型光反射層33の間の領域に別のp型クラッド層32が形成されていてもよい。別のp型クラッド層32の構造は、活性層25および電流狭窄層51の間の領域に形成されたp型クラッド層32と同様であるので、具体的に説明は省略する。
電流狭窄層51の厚さTCは、0.01μm以上0.1μm以下であってもよい。厚さTCは、0.01μm以上0.02μm以下、0.02μm以上0.04μm以下、0.04μm以上0.06μm以下、0.06μm以上0.08μm以下、または、0.08μm以上0.1μm以下であってもよい。
電流狭窄層51は、p型電流通過層52および電流狭窄絶縁層53を含む。p型電流通過層52は、メサ構造41の内方領域に形成されている。p型電流通過層52は、より具体的には、平面視においてメサ構造41の中央部に形成されている。p型電流通過層52は、この形態では、p型のAlσGa(1-σ)Asを含む。p型電流通過層52のp型不純物濃度は、1×1018cm-3以上1×1020cm-3以下であってもよい。p型電流通過層52のp型不純物は、炭素であってもよい。
Al組成σは、p型クラッド層32のAl組成εを超えている(ε<σ)。Al組成σは、p型光反射層33のp型高Al組成層35のAl組成ζを超えている(ζ<σ)。Al組成σは、0.9以上1.0以下であってもよい。Al組成σは、0.9以上0.95以下、または、0.95以上1.0以下であってもよい。Al組成σは、1.0未満であってもよい。
平面視におけるp型電流通過層52の最大幅TPは、1μm以上15μm以下であってもよい。最大幅TPは、1μm以上3μm以下、3μm以上5μm以下、5μm以上7μm以下、7μm以上9μm以下、9μm以上11μm以下、11μm以上13μm以下、または、13μm以上15μm以下であってもよい。
電流狭窄絶縁層53は、p型電流通過層52に対してメサ構造41の側壁47側に形成されている。電流狭窄絶縁層53は、平面視においてp型電流通過層52を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
電流狭窄絶縁層53は、Al(アルミニウム)を含むAl酸化物層によって形成されている。電流狭窄絶縁層53は、より具体的には、p型電流通過層52の一部をメサ構造41の側壁47側から酸化させることによって形成されている。つまり、電流狭窄絶縁層53は、Al酸化物中にGa(ガリウム)およびAs(砒素)を含む。
各メサ構造41は、外部端子11から半導体積層構造21に供給される電流を狭窄する。したがって、メサ構造41の内部においてn型半導体層24、活性層25およびp型半導体層26には比較的高い電流密度を有する電流が流れる。これにより、活性層25において生成される光の発光効率が高められている。
メサ構造41の電流密度は、メサ構造41のサイズに反比例する。つまり、メサ構造41のサイズが小さい程、電流狭窄効果が高まるので、メサ構造41の電流密度は増加する。一方、メサ構造41のサイズが大きい程、電流狭窄効果が低減するので、メサ構造41の電流密度は減少する。
各メサ構造41の内部を流れる電流は、さらに、電流狭窄絶縁層53を迂回してp型電流通過層52に流れ込む。これにより、p型電流通過層52を介して活性層25に供給される電流の密度が高められる。活性層25において法線方向Zにp型電流通過層52に対向する領域が、発光領域54となる。
各活性層25において生成された光は、メサ構造41内においてn型光反射層28およびp型光反射層33の間を法線方向Zに沿って往復しながら、共振によって増幅される。増幅された光は、各メサ構造41の頂部45からレーザ光として取り出される。
トレンチ7の外周壁43から露出するメサ構造41外の半導体積層構造21にも電流狭窄層51に対応した層が形成されている。メサ構造41外の電流狭窄層51に対応した層は、電流狭窄の機能を生じさせない点を除いて、メサ構造41内の電流狭窄層51と略同様の構造を有している。
メサ構造41外の電流狭窄層51に対応した層については、電流狭窄の機能を生じさせない点を除いて、電流狭窄層51の説明が準用される。メサ構造41外の電流狭窄層51に対応した層については、電流狭窄層51と同一符号を付して説明を省略する。
図6を参照して、面発光レーザ装置1は、各メサ構造41の側壁47の表層部に形成された側壁絶縁層80を含む。側壁絶縁層80は、側壁47から露出している。側壁絶縁層80は、頂部45および基部46の間の領域を側壁47に沿って延びている。つまり、各メサ構造41の側壁47は、側壁絶縁層80によって形成された部分を含む。
側壁絶縁層80は、平面視において電流狭窄絶縁層53に対向している。側壁絶縁層80は、平面視においてp型電流通過層52を露出させている。側壁絶縁層80は、より具体的には、頂部45の接線方向に関して、電流狭窄絶縁層53の一端部および他端部の間の領域に対向している。接線方向は、メサ構造41の頂部45に平行な方向であり、第1方向Xおよび第2方向Yを含む。
側壁絶縁層80は、断面視において接線方向に沿う長さが互いに異なる第1部分81および第2部分82を含む。側壁絶縁層80の第1部分81は、メサ構造41の側壁47から内方領域に向かって接線方向に延びている。第1部分81は、メサ構造41の側壁47から露出する外端部、および、メサ構造41内に位置する内端部を有している。
側壁絶縁層80の第2部分82は、メサ構造41の側壁47から内方領域に向かって接線方向に延びている。第2部分82は、メサ構造41の側壁47から露出する外端部、および、メサ構造41内に位置する内端部を有している。第2部分82の内端部は、第1部分81の内端部よりもメサ構造41の側壁47側に位置している。
第1部分81は、接線方向に関して、第1長さLP1を有している。第2部分82は、接線方向に関して、第2長さLP2を有している。第2長さLP2は、第1長さLP1未満(LP2<LP1)である。
第1長さLP1は、0.5μm以上5.0μm以下であってもよい。第1長さLP1は、0.5μm以上1.0μm以下、1.0μm以上2.0μm以下、2.0μm以上3.0μm以下、3.0μm以上4.0μm以下、または、4.0μm以上5.0μm以下であってもよい。
第2長さLP2は、0μmを超えて1.0μm以下であってもよい。第2長さLP2は、0μmを超えて0.02μm以下、0.02μm以上0.04μm以下、0.04μm以上0.06μm以下、0.06μm以上0.08μm以下、または、0.08μm以上1μm以下であってもよい。第2長さLP2は、0μmであってもよい。つまり、複数の第2部分82の一部または全部を有さない側壁絶縁層80が形成されていてもよい。
第1部分81および第2部分82は、法線方向Zに沿って交互に形成されている。これにより、側壁絶縁層80は、断面視において櫛歯形状に形成されている。側壁絶縁層80は、n型半導体層24に形成された領域、および、p型半導体層26に形成された領域を含む。
n型半導体層24においてn型光反射層28のn型高Al組成層30は、メサ構造41の側壁47から露出する第1露出部83を含む。また、n型光反射層28のn型低Al組成層31は、メサ構造41の側壁47から露出する第2露出部84を含む。また、n型クラッド層29は、メサ構造41の側壁47から露出する第3露出部85を含む。
n型高Al組成層30の第1露出部83は、第1Al酸化物層86を含む。第1Al酸化物層86は、第1露出部83の酸化物を含む。第1Al酸化物層86は、接線方向に沿って延びている。第1Al酸化物層86は、n型高Al組成層30の内方領域を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
n型低Al組成層31の第2露出部84は、第2Al酸化物層87を含む。第2Al酸化物層87は、第2露出部84の酸化物を含む。第2Al酸化物層87は、接線方向に沿って延びている。第2Al酸化物層87は、n型低Al組成層31の内方領域を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
n型クラッド層29の第3露出部85は、第3Al酸化物層88を含む。第3Al酸化物層88は、第3露出部85の酸化物を含む。第3Al酸化物層88は、接線方向に沿って延びている。第3Al酸化物層88は、n型クラッド層29の内方領域を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
接線方向に関して、第1Al酸化物層86の長さは、第2Al酸化物層87の長さ、および、第3Al酸化物層88の長さを超えている。これは、n型高Al組成層30のAl組成αが、n型低Al組成層31のAl組成βおよびn型クラッド層29のAl組成γを超えているためである(β<γ<α)。
接線方向に関して、第3Al酸化物層88の長さは、第2Al酸化物層87の長さを超えている。これは、n型クラッド層29のAl組成γが、n型低Al組成層31のAl組成βを超えているためである(β<γ)。
第1Al酸化物層86および第2Al酸化物層87は、法線方向Zに沿って交互に形成されている。第1Al酸化物層86は、側壁絶縁層80の第1部分81を形成している。第2Al酸化物層87は、側壁絶縁層80の第2部分82を形成している。第3Al酸化物層88は、側壁絶縁層80の第2部分82を形成している。側壁絶縁層80においてn型半導体層24に位置する領域は、第1Al酸化物層86、第2Al酸化物層87および第3Al酸化物層88によって形成されている。
p型半導体層26においてp型光反射層33のp型高Al組成層35は、メサ構造41の側壁47から露出する第1露出部93を含む。また、p型光反射層33のp型低Al組成層36は、メサ構造41の側壁47から露出する第2露出部94を含む。また、p型クラッド層32は、メサ構造41の側壁47から露出する第3露出部95を含む。
p型高Al組成層35の第1露出部93は、第1Al酸化物層96を含む。第1Al酸化物層96は、第1露出部93の酸化物を含む。第1Al酸化物層96は、接線方向に沿って延びている。第1Al酸化物層96は、p型高Al組成層35の内方領域を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
p型低Al組成層36の第2露出部94は、第2Al酸化物層97を含む。第2Al酸化物層97は、第2露出部94の酸化物を含む。第2Al酸化物層97は、接線方向に沿って延びている。第2Al酸化物層97は、p型低Al組成層36の内方領域を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
p型クラッド層32の第3露出部95は、第3Al酸化物層98を含む。第3Al酸化物層98は、第3露出部95の酸化物を含む。第3Al酸化物層98は、接線方向に沿って延びている。第3Al酸化物層98は、p型クラッド層32の内方領域を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
接線方向に関して、第1Al酸化物層96の長さは、第2Al酸化物層97の長さ、および、第3Al酸化物層98の長さを超えている。これは、p型高Al組成層35のAl組成ζが、p型低Al組成層36のAl組成η、および、p型クラッド層32のAl組成εを超えているためである(η<ε<ζ)。
接線方向に関して、第3Al酸化物層98の長さは、第2Al酸化物層97の長さを超えている。これは、p型クラッド層32のAl組成εが、p型低Al組成層36のAl組成ηを超えているためである(η<ε)。
第1Al酸化物層96および第2Al酸化物層97は、法線方向Zに沿って交互に形成されている。第1Al酸化物層96は、側壁絶縁層80の第1部分81を形成している。第2Al酸化物層97は、側壁絶縁層80の第2部分82を形成している。第3Al酸化物層98は、側壁絶縁層80の第2部分82を形成している。側壁絶縁層80においてp型半導体層26に位置する領域は、第1Al酸化物層96、第2Al酸化物層97および第3Al酸化物層98によって形成されている。
側壁絶縁層80(第1Al酸化物層86、第2Al酸化物層87、第1Al酸化物層96および第2Al酸化物層97)は、半導体積層構造21においてトレンチ7の外周壁43から露出する領域にも形成されている。トレンチ7の外周壁43に形成された側壁絶縁層80は、トレンチ7の内周壁42(メサ構造41の側壁47)に形成された側壁絶縁層80と略同様の構造を有している。トレンチ7の外周壁43に形成された側壁絶縁層80については、トレンチ7の内周壁42(メサ構造41の側壁47)に形成された側壁絶縁層80の説明が準用されるものとして、説明を省略する。
図4~図7を参照して、絶縁層8は、半導体積層構造21の主面(第1主面3)の上に形成されている。絶縁層8は、活性層25の発光波長λに対して透明な絶縁材料または透光性を有する絶縁材料を含む。絶縁層8は、窒化シリコン(SiN)層および酸化シリコン(SiO)層のうちの少なくとも1つを含む。
絶縁層8は、窒化シリコン層または酸化シリコン層からなる単層構造を有していてもよい。絶縁層8は、第1主面3側から任意の順序で積層された窒化シリコン層および酸化シリコン層を含む積層構造を有していてもよい。絶縁層8は、この形態では、窒化シリコン層からなる単層構造を有している。
絶縁層8は、第1主面3の上からトレンチ7に入り込み、メサ構造41を被覆している。絶縁層8は、主面被覆部101、内壁被覆部102および頂部被覆部103を含む。主面被覆部101は、第1主面3を被覆している。内壁被覆部102は、トレンチ7の内壁(内周壁42、外周壁43および底壁44)を被覆している。頂部被覆部103は、メサ構造41の頂部45を被覆している。
内壁被覆部102は、より具体的には、トレンチ7の内壁に沿って膜状に延び、トレンチ7内においてリセス空間を区画している。つまり、内壁被覆部102は、メサ構造41の側壁47を被覆している。内壁被覆部102においてメサ構造41の側壁47を被覆する部分は、側壁絶縁層80に接している。
頂部被覆部103は、メサ構造41の頂部45を選択的に露出させるコンタクト孔104を有している。コンタクト孔104は、より具体的には、p型コンタクト層34を露出させている。コンタクト孔104は、平面視において環状(この形態では円環状)に形成されている。
図7を参照して、頂部被覆部103は、コンタクト孔104よりも内方に位置する領域にレリーフ部103aを有している。レリーフ部103aは、この形態では、コンタクト孔104によって取り囲まれている。レリーフ部103aは、リセス部105、第1突出部106および第2突出部107を含む。リセス部105は、メサ構造41の頂部45側に向けて窪んでいる。リセス部105は、平面視において環状(この形態では円環状)に形成されている。
第1突出部106は、リセス部105によって区画されている。第1突出部106は、リセス部105によって取り囲まれ、島状または点状に区画されている。第1突出部106は、この形態では、平面視において円形状に形成されている。第1突出部106は、法線方向Zに活性層25の発光領域54に対向している。第1突出部106は、法線方向Zにp型電流通過層52に対向している。
第2突出部107は、リセス部105に起因して形成されている。第2突出部107は、より具体的には、リセス部105およびコンタクト孔104の間の領域に区画されている。第2突出部107は、リセス部105およびコンタクト孔104によって環状(この形態では円環状)に区画されている。
リセス部105は、第1突出部106を区画する第1側壁108、第2突出部107を区画する第2側壁109、ならびに、第1側壁108および第2側壁109を接続する底壁110を有している。第1側壁108は、頂部被覆部103の主面から底壁110に向けて下り傾斜した傾斜面を有している。第2側壁109は、頂部被覆部103の主面から底壁110に向けて下り傾斜した傾斜面を有している。リセス部105は、断面視において底壁110側の開口幅が開口側の開口幅よりも小さいテーパ形状に形成されている。
第1突出部106の厚さは、(n+1)λ/2に設定される。第2突出部107の厚さは、(n+1)λ/2に設定される。リセス部105の厚さは、(2n+1)λ/4に設定される。nは、整数である。λは、活性層25で生成される光の波長である。
頂部45から放出されたレーザ光は、スネルの法則によって、第1側壁108および第2側壁109によって屈折させられ、第1突出部106側に集光される。これにより、第1側壁108および第2側壁109が法線方向Zに延びる垂直面である場合に比べて、レーザ光の指向性が高められる。
図4~図7を参照して、第1主面電極層9は、絶縁層8に沿って膜状に形成されている。第1主面電極層9は、各トレンチ7内においてリセス空間が区画されるように各メサ構造41を選択的に被覆している。第1主面電極層9は、メサ構造41の頂部45の上からコンタクト孔104に入り込んでいる。第1主面電極層9は、コンタクト孔104内においてp型コンタクト層34に電気的に接続されている。
第1主面電極層9においてメサ構造41の頂部45を被覆する部分は、絶縁層8の頂部被覆部103を露出させるレリーフ開口111を含む。レリーフ開口111は、絶縁層8のレリーフ部103aを露出させている。レリーフ開口111は、より具体的には、第2突出部107の一部、リセス部105および第1突出部106を露出させている。
レリーフ開口111は、この形態では、平面視において円形状に形成されている。レリーフ開口111の平面形状は任意である。レリーフ開口111は、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。レリーフ開口111は、法線方向Zにp型電流通過層52に対向している。レリーフ開口111は、法線方向Zに活性層25の発光領域54に対向している。
レリーフ開口111の開口幅WOは、5μm以上20μm以下であってもよい。開口幅WOは、5μm以上10μm以下、10μm以上15μm以下、または、15μm以上20μm以下であってもよい。
第1主面電極層9の厚さTE1は、0.05μm以上0.5μm以下であってもよい。厚さTE1は、0.05μm以上0.1μm以下、0.1μm以上0.2μm以下、0.2μm以上0.3μm以下、0.3μm以上0.4μm以下、または、0.4μm以上0.5μm以下であってもよい。
第1主面電極層9は、この形態では、複数の電極膜が積層された積層構造を有している。第1主面電極層9は、より具体的には、絶縁層8側からこの順に積層された第1電極膜112および第2電極膜113を含む。第1電極膜112は、チタンを含んでいてもよい。第2電極膜113は、金を含んでいてもよい。
図5を参照して、外部端子11は、第1主面電極層9の上に形成されている。外部端子11は、半導体積層構造21の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有している。外部端子11は、第1主面電極層9の厚さTE1以上の厚さTE2(TE1≦TE2)を有している。厚さTE2は、より具体的には、厚さTE1を超えている(TE1<TE2)。外部端子11は、金を含んでいてもよい。
厚さTE2は、1.0μm以上5.0μm以下であってもよい。厚さTE2は、1.0μm以上2.0μm以下、2.0μm以上3.0μm以下、3.0μm以上4.0μm以下、または、4.0μm以上5.0μm以下であってもよい。
図4および図5を参照して、面発光レーザ装置1は、チップ本体2の第2主面4(基板20の第2基板主面23)の上に形成された第2主面電極層115を含む。第2主面電極層115は、第2基板主面23の全域を被覆している。第2主面電極層115は、第2基板主面23との間でオーミック接触を形成している。
第2主面電極層115は、この形態では、複数の電極膜が積層された積層構造を有している。第2主面電極層115は、より具体的には、第2基板主面23側からこの順に積層された第1電極膜116、第2電極膜117および第3電極膜118を含む。第1電極膜116は、金ゲルマニウム合金を含んでいてもよい。第2電極膜117は、ニッケルを含んでいてもよい。第3電極膜118は、金を含んでいてもよい。
以上、面発光レーザ装置1によれば、チップ本体2(半導体積層構造21)の第1主面3の周縁部に複数の発光部6が偏在している。これにより、チップ本体2の中央部を起点とするチップ本体2の温度上昇を抑制できる。その結果、チップ本体2の温度分布を調整できるから、複数の発光部6の出力を調整できる。
また、面発光レーザ装置1によれば、チップ本体2において温度上昇率の高い領域に疎領域15が形成され、チップ本体2において温度上昇率の低い領域に密領域16が形成されている。温度上昇率の高い領域は、この形態では、チップ本体2の中央部である。温度上昇率の低い領域は、この形態では、チップ本体2の周縁部である。
これにより、チップ本体2の中央部および周縁部の間において温度分布の偏りを抑制できる。その結果、チップ本体2の中央部および周縁部の間(つまり、疎領域15および密領域16の間)において複数の発光部6の出力低下や出力ばらつきを抑制できる。また、面発光レーザ装置1によれば、発光部6の配列や単位面積当たりの発光部6の個数を疎領域15および密領域16ごとに調整できる。よって、チップ本体2の温度分布や複数の発光部6の出力を適切に調整できる。
図8A~図8Iは、図6の対応図であって、図1に示す面発光レーザ装置1の製造方法の一例を説明するための図である。
図8Aを参照して、まず、基板20が用意される。次に、n型バッファ層27が、基板20の第1基板主面22の上に形成される。n型バッファ層27は、n型のGaAsを含む。n型バッファ層27は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、n型光反射層28が、n型バッファ層27の上に形成される。n型光反射層28は、n型高Al組成層30およびn型低Al組成層31を任意の周期で交互に積層させることにより形成される。
n型高Al組成層30は、n型のAlαGa(1-α)Asを含む。Al組成αは、0.5以上0.95以下であってもよい。n型低Al組成層31は、n型のAlβGa(1-β)Asを含む。Al組成βは、0.05以上0.25以下であってもよい。n型高Al組成層30およびn型低Al組成層31は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、n型クラッド層29が、n型光反射層28の上に形成される。n型クラッド層29は、n型のAlγGa(1-γ)Asを含む。n型クラッド層29のAl組成γは、0.2以上0.7以下であってもよい。n型クラッド層29は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、図8Bを参照して、活性層25が、n型クラッド層29の上に形成される。活性層25は、量子井戸層および障壁層を任意の周期で交互に積層させることにより形成される。量子井戸層は、GaAsを含む。障壁層は、AlδGa(1-δ)Asを含む。Al組成δは、0.15以上0.5以下であってもよい。量子井戸層および障壁層は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、図8Cを参照して、p型クラッド層32が、活性層25の上に形成される。p型クラッド層32は、p型のAlεGa(1-ε)Asを含む。Al組成εは、0.2以上0.7以下であってもよい。p型クラッド層32は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、p型電流通過層52および電流狭窄絶縁層53のベースとなるp型ベース層122が、p型クラッド層32の上に形成される。p型ベース層122は、p型のAlσGa(1-σ)Asを含む。Al組成σは、0.9以上1.0以下であってもよい。p型ベース層122は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、p型光反射層33が、p型ベース層122の上に形成される。p型光反射層33は、p型高Al組成層35およびp型低Al組成層36を任意の周期で交互に積層させることにより形成される。
p型高Al組成層35は、p型のAlζGa(1-ζ)Asを含む。Al組成ζは、0.5以上0.95以下であってもよい。p型低Al組成層36は、p型のAlηGa(1-η)Asを含む。Al組成ηは、0.05以上0.25以下であってもよい。p型高Al組成層35およびp型低Al組成層36は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、p型コンタクト層34が、p型光反射層33の上に形成される。p型コンタクト層34は、p型のGaAsを含む。p型コンタクト層34は、エピタキシャル成長法によって形成される。これにより、第1基板主面22側からこの順に積層されたn型半導体層24、活性層25およびp型半導体層26を含む半導体積層構造21が形成される。
次に、図8Dを参照して、所定パターンを有するマスク123が、半導体積層構造21の上に形成される。マスク123は、複数の開口124を有している。複数の開口124は、トレンチ7を形成すべき領域をそれぞれ露出させている。
次に、半導体積層構造21の不要な部分が、マスク123を介するエッチング法によって除去される。半導体積層構造21の不要な部分は、ウエットエッチング法またはドライエッチング法によって除去されてもよい。この工程では、p型コンタクト層34、p型光反射層33、p型ベース層122、p型クラッド層32、活性層25、n型クラッド層29およびn型光反射層28の不要な部分がそれぞれ除去される。
これにより、複数のトレンチ7が半導体積層構造21に形成される。複数のトレンチ7は、p型コンタクト層34、p型光反射層33、p型クラッド層32、活性層25およびn型クラッド層29を貫通し、n型光反射層28の一部を露出させている。また、これにより、半導体積層構造21に複数のメサ構造41が形成される。その後、マスク123は除去される。
n型高Al組成層30は、n型低Al組成層31のエッチング選択比とは異なるエッチング選択比を有している。したがって、エッチング液およびエッチング時間を適切に選択することにより、n型低Al組成層31を残存させながら、n型高Al組成層30を除去できる。また、エッチング液およびエッチング時間を適切に選択することにより、n型高Al組成層30を残存させながら、n型低Al組成層31を除去できる。
また、n型クラッド層29は、n型高Al組成層30およびn型低Al組成層31のエッチング選択比とは異なるエッチング選択比を有している。したがって、エッチング液およびエッチング時間を適切に選択することにより、n型高Al組成層30およびn型低Al組成層31を残存させながら、n型クラッド層29を除去できる。
また、p型高Al組成層35は、p型低Al組成層36のエッチング選択比とは異なるエッチング選択比を有している。したがって、エッチング液およびエッチング時間を適切に選択することにより、p型低Al組成層36を残存させながら、p型高Al組成層35を除去できる。また、エッチング液を適切に選択することにより、p型高Al組成層35を残存させながら、p型低Al組成層36を除去できる。
また、p型クラッド層32は、p型高Al組成層35およびp型低Al組成層36のエッチング選択比とは異なるエッチング選択比を有している。したがって、エッチング液およびエッチング時間を適切に選択することにより、p型高Al組成層35およびp型低Al組成層36を残存させながら、p型クラッド層32を除去できる。
次に、図8Eを参照して、側壁絶縁層80が、トレンチ7に形成される。側壁絶縁層80は、半導体積層構造21に対する酸化処理法によって形成される。酸化処理法は、熱酸化処理法であってもよい。
この工程では、p型光反射層33においてトレンチ7から露出する部分が酸化される。また、p型ベース層122においてトレンチ7から露出する部分が酸化される。また、p型クラッド層32においてトレンチ7から露出する部分が酸化される。また、n型クラッド層29においてトレンチ7から露出する部分が酸化される。また、n型光反射層28においてトレンチ7から露出する部分が酸化される。
比較的高いAl組成ζを有するp型ベース層122では、メサ構造41の側壁47からメサ構造41の内方領域に向けて酸化が大きく進行する。これにより、p型ベース層122の酸化部が電流狭窄絶縁層53として形成される。また、p型ベース層122の非酸化部がp型電流通過層52として形成される。
次に、図8Fを参照して、絶縁層8が、半導体積層構造21の上に形成される。この工程では、窒化シリコン層からなる絶縁層8が形成される。絶縁層8は、窒化シリコン層に代えてまたはこれに加えて、酸化シリコン層を含んでいてもよい。絶縁層8は、CVD法によって形成されてもよい。
次に、図8Gを参照して、所定パターンを有するマスク125が、半導体積層構造21の上に形成される。マスク125は、絶縁層8においてリセス部105を形成すべき領域をそれぞれ露出させる複数の開口126を有している。次に、絶縁層8の不要な部分が、マスク125を介するエッチング法(たとえばドライエッチング法)によって除去される。これにより、絶縁層8にリセス部105が形成される。その後、マスク125は除去される。
次に、図8Hを参照して、所定パターンを有するマスク127が、半導体積層構造21の上に形成される。マスク127は、絶縁層8においてコンタクト孔104を形成すべき領域をそれぞれ露出させる複数の開口128を有している。次に、絶縁層8の不要な部分が、マスク127を介するエッチング法(たとえばウエットエッチング法)によって除去される。これにより、コンタクト孔104が、絶縁層8に形成される。その後、マスク127は除去される。
次に、図8Iを参照して、第1主面電極層9が、半導体積層構造21の上に形成される。第1主面電極層9は、第1電極膜112および第2電極膜113を含む。第1電極膜112は、チタンを含んでいてもよい。第2電極膜113は、金を含んでいてもよい。第1電極膜112および第2電極膜113は、蒸着法またはスパッタ法によってそれぞれ形成されてもよい。
次に、レリーフ開口111が、第1主面電極層9に形成される。レリーフ開口111は、第1主面電極層9においてメサ構造41の頂部45を被覆する部分を選択的に除去することによって形成される。第1主面電極層9の不要な部分は、マスク(図示せず)を介するエッチング法によって除去されてもよい。これにより、第1主面電極層9に、絶縁層8の頂部被覆部103を選択的に露出させるレリーフ開口111が形成される。
次に、外部端子11が、第1主面電極層9の上に形成される。外部端子11は、金を含んでいてもよい。外部端子11は、めっき法によって形成されてもよい。また、第2主面電極層115が、第2基板主面23の上に形成される。第2主面電極層115は、第1電極膜116、第2電極膜117および第3電極膜118を含む。
第1電極膜116は、金ゲルマニウム合金を含んでいてもよい。第2電極膜117は、ニッケルを含んでいてもよい。第3電極膜118は、金を含んでいてもよい。第1電極膜116、第2電極膜117および第3電極膜118は、蒸着法またはスパッタ法によってそれぞれ形成されてもよい。第2主面電極層115は、第1主面電極層9の形成工程に先立って形成されてもよい。以上を含む工程を経て、面発光レーザ装置1が製造される。
図9は、本発明の第2実施形態に係る面発光レーザ装置131を示す平面図である。以下では、面発光レーザ装置1に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図9を参照して、複数の発光部6は、平面視において第1主面3の周縁部に偏在している。複数の発光部6は、より具体的には、第1主面3の中央部から周縁部に向けて最短距離L1が漸減する態様で配列されている。最短距離L1は、第1主面3の中央部から、第1主面3の一端部側(第2側面5B側)および他端部側(第4側面5D側)に向けて漸減している。つまり、複数の発光部6は、この形態では、第1方向Xに沿う最短距離L1が、第1主面3の中央部から周縁部に向けて漸減する態様で配列されていてもよい。
これにより、複数の発光部6が疎に配列された疎領域15が、第1主面3の中央部に形成されている。また、複数の発光部6が密に配列された密領域16(第1密領域17および第2密領域18)が、第1主面3の周縁部に形成されている。
複数の発光部6は、第1方向Xおよび第2方向Yに沿う最短距離L1が、第1主面3の中央部から周縁部に向けて漸減する態様で配列されていてもよい。この場合、疎領域15は、第1主面3の周縁部に沿って形成された1つの密領域16によって取り囲まれていてもよい。
以上、面発光レーザ装置131によれば、面発光レーザ装置1に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
図10は、本発明の第3実施形態に係る面発光レーザ装置141を示す平面図である。以下では、面発光レーザ装置1に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図10を参照して、面発光レーザ装置141は、疎領域15および密領域16を備えていない。複数の発光部6は、この形態では、平面視において半導体積層構造21の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する外部端子11の周囲に偏在している。
面発光レーザ装置141は、より具体的には、第1主面3に形成された疎領域142および密領域143を含む。疎領域142は、第1主面3において複数の発光部6が疎に配列された領域であり、平面視において外部端子11の周囲外の領域に形成されている。密領域143は、複数の発光部6が疎領域142に対して密に配列された領域であり、平面視において外部端子11の周囲に形成されている。
疎領域142に形成された複数の発光部6の説明は、第1実施形態に係る疎領域15に形成された複数の発光部6の説明が準用される。密領域143に形成された複数の発光部6の説明は、第1実施形態に係る密領域16に形成された複数の発光部6の説明が準用される。
以上、面発光レーザ装置141によれば、外部端子11の周囲に偏在する複数の発光部6が形成されている。これにより、外部端子11の周囲に配列された複数の発光部6で生じた熱を外部端子11に効率的に伝達させることができる。その結果、チップ本体2(半導体積層構造21)の温度分布を調整できるから、複数の発光部6の出力を調整できる。
また、面発光レーザ装置141によれば、チップ本体2において温度上昇率の高い領域に疎領域142が形成され、チップ本体2において温度上昇率の低い領域に密領域143が形成されている。温度上昇率の高い領域は、この形態では、チップ本体2の中央部である。温度上昇率の低い領域は、この形態では、チップ本体2において外部端子11の周囲の領域である。
これにより、チップ本体2において外部端子11の周囲の領域およびそれ以外の領域において温度分布の偏りを抑制できる。その結果、疎領域142および密領域143の間において複数の発光部6の出力低下や出力ばらつきを抑制できる。また、面発光レーザ装置141によれば、発光部6の配列や単位面積当たりの発光部6の個数を疎領域142および密領域143ごとに調整できる。よって、チップ本体2の温度分布や複数の発光部6の出力を適切に調整できる。
図11は、本発明の第4実施形態に係る面発光レーザ装置151を示す平面図である。以下では、面発光レーザ装置1に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図11を参照して、面発光レーザ装置151は、この形態では、平面視において第1主面3の周縁部に偏在する複数の発光部6を含む。面発光レーザ装置151は、この形態では、疎領域15および密領域16を含む。面発光レーザ装置151は、さらに、半導体積層構造21の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する外部端子11の周囲に偏在する複数の発光部6を含む。つまり、密領域16は、この形態では、第1密領域17および第2密領域18に加えて、外部端子11の周囲に形成された第3密領域152を含む。
第3密領域152は、複数の発光部6が疎領域15に対して密に配列された領域である。第3密領域152に形成された複数の発光部6の説明は、第1密領域17および第2密領域18に形成された複数の発光部6の説明が準用される。
以上、面発光レーザ装置151によれば、面発光レーザ装置1に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。また、面発光レーザ装置151によれば、外部端子11の周囲に偏在する複数の発光部6が形成されている。これにより、外部端子11の周囲に配列された複数の発光部6で生じた熱を外部端子11に効率的に伝達させることができる。その結果、チップ本体2(半導体積層構造21)の温度分布を調整できるから、複数の発光部6の出力を調整できる。
また、面発光レーザ装置151によれば、チップ本体2において温度上昇率の高い領域に疎領域15が形成され、チップ本体2において温度上昇率の低い領域に密領域16が形成されている。温度上昇率の高い領域は、この形態では、チップ本体2の中央部である。温度上昇率の低い領域は、この形態では、チップ本体2の周縁部およびチップ本体2において外部端子11の周囲の領域である。これにより、チップ本体2における温度分布の偏りを抑制できる。その結果、疎領域15および密領域16の間において複数の発光部6の出力低下や出力ばらつきを抑制できる。
また、面発光レーザ装置151によれば、発光部6の配列や単位面積当たりの発光部6の個数を疎領域15および密領域16ごとに調整できる。よって、チップ本体2の温度分布や複数の発光部6の出力を適切に調整できる。
面発光レーザ装置151では、密領域16が第1密領域17および第2密領域18を含む例について説明した。しかし、第1密領域17および第2密領域18のいずれか一方が疎領域15とされてもよい。
図12は、本発明の第5実施形態に係る面発光レーザ装置161を示す平面図である。以下では、面発光レーザ装置1に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図12を参照して、面発光レーザ装置161は、第1方向Xに関して第1主面3の一端部側(第2側面5B側)の領域に形成された外部端子11を含む。外部端子11は、この形態では、平面視において第2方向Yに沿って延びる長方形状に形成されている。
面発光レーザ装置161は、疎領域15および密領域16を含む。密領域16は、第1方向Xに関して第1主面3の一端部側(第2側面5B側)の周縁部に形成された第1密領域17を含む。第1密領域17に係る複数の発光部6は、外部端子11の周囲に偏在している。
以上、面発光レーザ装置161によれば、面発光レーザ装置1に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。また、面発光レーザ装置161によれば、外部端子11の周囲に偏在する複数の発光部6が形成されている。面発光レーザ装置161は、より具体的には、第1方向Xに関して第1主面3の一端部側に形成された外部端子11の周囲に偏在する第1密領域17を含む。
これにより、外部端子11の周囲に配列された複数の発光部6で生じた熱を外部端子11に効率的に伝達させることができる。その結果、チップ本体2(半導体積層構造21)の温度分布を調整できるから、複数の発光部6の出力を調整できる。
また、面発光レーザ装置161によれば、チップ本体2において温度上昇率の高い領域に疎領域15が形成され、チップ本体2において温度上昇率の低い領域に密領域16が形成されている。温度上昇率の高い領域は、この形態では、チップ本体2の中央部である。温度上昇率の低い領域は、この形態では、チップ本体2の周縁部およびチップ本体2において外部端子11の周囲の領域である。これにより、チップ本体2における温度分布の偏りを抑制できる。その結果、疎領域15および密領域16の間において複数の発光部6の出力低下や出力ばらつきを抑制できる。
また、面発光レーザ装置161によれば、発光部6の配列や単位面積当たりの発光部6の個数を疎領域15および密領域16ごとに調整できる。よって、チップ本体2の温度分布や複数の発光部6の出力を適切に調整できる。面発光レーザ装置161では、密領域16が第1密領域17および第2密領域18を含む例について説明した。しかし、第2密領域18が疎領域15とされてもよい。
図13は、本発明の第6実施形態に係る面発光レーザ装置171を示す平面図である。図14は、図13に示すXIV-XIV線に沿う断面図である。以下では、面発光レーザ装置1に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図13および図14を参照して、面発光レーザ装置171は、疎領域15および密領域16を備えていない。つまり、複数の発光部6は、平面視において等しい最短距離L1で配列されている。複数の発光部6は、この形態では、平面視において千鳥状に配列されている。
面発光レーザ装置171は、第1主面3の上に形成された電極層172を含む。電極層172は、より具体的には、第1主面電極層9の上に形成されている。電極層172は、平面視において第1主面3の中央部に偏在している。電極層172は、この形態では、平面視において第1主面3の周縁部を露出させ、第1主面3の中央部を被覆している。電極層172は、複数の発光部6をそれぞれ露出させる複数の開口173を含む。これにより、複数の発光部6からの光が、複数の開口173から取り出される。
電極層172は、平面視において円形状に形成されている。電極層172の平面形状は任意である。電極層172は、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。
電極層172は、半導体積層構造21の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有している。電極層172は、第1主面電極層9の厚さTE1以上の厚さTE3(TE1≦TE3)を有している。厚さTE3は、より具体的には、厚さTE1を超えている(TE1<TE3)。
厚さTE3は、厚さTE2と等しくてもよい(TE2=TE3)。電極層172は、外部端子11と同一の材料によって形成されていてもよい。つまり、電極層172は、金を含んでいてもよい。このような構造によれば、外部端子11の形成工程を利用して電極層172を形成できる。
以上、面発光レーザ装置171によれば、第1主面3の中央部に偏在する電極層172が形成されている。電極層172は、より具体的には、平面視において第1主面3の周縁部を露出させ、第1主面3の中央部を被覆している。電極層172は、半導体積層構造21の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有している。
これにより、第1主面3の中央部に配列された複数の発光部6で生じた熱を電極層172に効率的に伝達させることができる。その結果、チップ本体2の中央部を起点とするチップ本体2の温度上昇を抑制できる。よって、チップ本体2(半導体積層構造21)の温度分布を調整できるから、複数の発光部6の出力を調整できる。
また、面発光レーザ装置171によれば、チップ本体2において温度上昇率の高い領域が電極層172によって被覆され、チップ本体2において温度上昇率の低い領域が電極層172から露出している。温度上昇率の高い領域は、この形態では、チップ本体2の中央部である。温度上昇率の低い領域は、この形態では、チップ本体2の周縁部である。
これにより、チップ本体2における温度分布の偏りを抑制できる。その結果、電極層172によって被覆された領域、および、電極層172から露出する領域の間において複数の発光部6の出力低下や出力ばらつきを抑制できる。
面発光レーザ装置171の構造は、第1~第5実施形態に係る面発光レーザ装置1,131,141,151,161に組み合わされてもよい。つまり、面発光レーザ装置1,131,141,151,161において電極層172が形成されていてもよい。
図15は、本発明の第7実施形態に係る面発光レーザ装置181を示す平面図である。以下では、面発光レーザ装置1に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図15を参照して、面発光レーザ装置181は、疎領域15および密領域16を備えていない。つまり、複数の発光部6は、平面視において等しい最短距離L1で配列されている。複数の発光部6は、この形態では、平面視において千鳥状に配列されている。
面発光レーザ装置181は、第1主面3の上に形成された複数の電極層182を含む。複数の電極層182は、第1主面電極層9の上に形成されている。複数の電極層182は、平面視において第1主面3の中央部に偏在している。
面発光レーザ装置181は、より具体的には、複数の電極層182の配列密度が互いに異なる密領域183および疎領域184を含む。密領域183は、複数の電極層182が密に配列された領域である。疎領域184は、複数の電極層182が密領域183に対して疎に配列された領域である。
密領域183は、平面視において第1主面3の中央部に形成されている。疎領域184は、平面視において第1主面3の周縁部に形成されている。疎領域184は、この形態では、第1疎領域185および第2疎領域186を含む。第1疎領域185は、第1方向Xに関して、密領域183に対して第1主面3の一端部側(第2側面5B側)の周縁部に形成されている。第2疎領域186は、第1方向Xに関して、疎領域15に対して第1主面3の他端部側(第4側面5D側)の周縁部に形成されている。第2疎領域186は、疎領域15を挟んで第1疎領域185に対向している。
密領域183を取り囲む1つの疎領域184が形成されてもよい。この場合、1つの疎領域184は、密領域183を取り囲む環状に形成される。第1疎領域185および第2疎領域186のいずれか一方が、密領域183に変更されてもよい。
複数の電極層182は、密領域183に形成された複数の第1電極層187、および、疎領域184に形成された複数の第2電極層188を含む。
複数の第1電極層187は、密領域183において複数の発光部6の周囲に形成されている。複数の第1電極層187は、この形態では、1つの発光部6を6つの第1電極層187で取り囲む態様で配列されている。6つの第1電極層187は、1つの発光部6の周囲に等間隔に配列されている。複数の第1電極層187は、それらの間の領域から第1主面電極層9を露出させている。
各第1電極層187は、最近接する3つのトレンチ7の間の領域に形成されている。各第1電極層187は、この形態では、平面視において三角形状に形成されている。各第1電極層187は、より具体的には、平面視において最近接する3つのトレンチ7によって3つの頂点が切り欠かれた三角形状に形成されている。
各第1電極層187は、トレンチ7から間隔を空けて形成されていてもよい。各第1電極層187は、平面視において凸湾曲状に膨出した1つまたは複数の辺を有していてもよい。各第1電極層187は、平面視において凹湾曲状に窪んだ1つまたは複数の辺を有していてもよい。各第1電極層187の平面形状は任意である。各第1電極層187は、平面視において四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、円形状もしくは楕円形状に形成されていてもよい。
各第1電極層187は、半導体積層構造21の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有している。各第1電極層187は、第1主面電極層9の厚さTE1以上の厚さTE4(TE1≦TE4)を有している。厚さTE4は、より具体的には、厚さTE1を超えている(TE1<TE4)。
厚さTE4は、外部端子11の厚さTE2と等しくてもよい(TE2=TE4)。各第1電極層187は、外部端子11と同一の材料によって形成されていてもよい。つまり、各第1電極層187は、金を含んでいてもよい。このような構造によれば、外部端子11の形成工程を利用して各第1電極層187を形成できる。
複数の第2電極層188は、疎領域184において第1電極層187の配列密度未満の配列密度で形成されている。つまり、1つの発光部6に対する第2電極層188の個数は、1つの発光部6に対する第1電極層187の個数未満である。各第2電極層188の平面積は、この形態では、各第1電極層187の平面積と等しい。
複数の第2電極層188は、疎領域184において複数の発光部6の周囲に形成されている。複数の第2電極層188は、この形態では、1つの発光部6の周囲を6つ未満(この形態では3つ)の第2電極層188で取り囲む態様で配列されている。3つの第2電極層188は、1つの発光部6の周囲に等間隔に配列されている。隣り合う複数の第2電極層188は、それらの間の領域から第1主面電極層9を露出させている。
各第2電極層188は、最近接する3つのトレンチ7の間の領域に形成されている。各第2電極層188は、この形態では、平面視において三角形状に形成されている。各第2電極層188は、より具体的には、平面視において最近接する3つのトレンチ7によって3つの頂点が切り欠かれた三角形状に形成されている。
各第2電極層188は、トレンチ7から間隔を空けて形成されていてもよい。各第2電極層188は、平面視において凸湾曲状に膨出した1つまたは複数の辺を有していてもよい。各第2電極層188は、平面視において凹湾曲状に窪んだ1つまたは複数の辺を有していてもよい。各第2電極層188の平面形状は任意である。各第2電極層188は、三角形状に代えて、平面視において四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、円形状もしくは楕円形状に形成されていてもよい。
各第2電極層188は、半導体積層構造21の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有している。各第2電極層188は、第1主面電極層9の厚さTE1以上の厚さTE5(TE1≦TE5)を有している。厚さTE5は、より具体的には、厚さTE1を超えている(TE1<TE5)。
厚さTE5は、外部端子11の厚さTE2と等しくてもよい(TE2=TE5)。各第2電極層188は、外部端子11と同一の材料によって形成されていてもよい。つまり、各第2電極層188は、金を含んでいてもよい。このような構造によれば、外部端子11の形成工程を利用して各第2電極層188を形成できる。
以上、面発光レーザ装置181によれば、チップ本体2の第1主面3の中央部に偏在する複数の電極層182が形成されている。複数の電極層182は、半導体積層構造21の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有している。
これにより、第1主面3の中央部に配列された複数の発光部6で生じた熱を複数の電極層182に効率的に伝達させることができる。その結果、チップ本体2の中央部を起点とするチップ本体2の温度上昇を抑制できる。よって、チップ本体2(半導体積層構造21)の温度分布を調整できるから、複数の発光部6の出力を調整できる。
また、面発光レーザ装置181によれば、複数の電極層182の配列密度が互いに異なる密領域183および疎領域184が形成されている。密領域183は、複数の電極層182が密に配列された領域である。疎領域184は、複数の電極層182が密領域183に対して疎に配列された領域である。
密領域183は、平面視において第1主面3の中央部に形成されている。疎領域184は、平面視において第1主面3の周縁部に形成されている。つまり、面発光レーザ装置181によれば、チップ本体2において温度上昇率の高い領域に密領域183が形成され、チップ本体2において温度上昇率の低い領域に疎領域184が形成されている。温度上昇率の高い領域は、この形態では、チップ本体2の中央部である。温度上昇率の低い領域は、この形態では、チップ本体2の周縁部である。
これにより、チップ本体2における温度分布の偏りを抑制できる。その結果、密領域183および疎領域184の間において複数の発光部6の出力低下や出力ばらつきを抑制できる。
また、面発光レーザ装置181によれば、複数の電極層182(第1電極層187および第2電極層188)の配列や単位面積当たりの個数を密領域183および疎領域184ごとに調整できる。よって、チップ本体2の温度分布や複数の発光部6の出力を適切に調整できる。
面発光レーザ装置181の構造は、第1~第6実施形態に係る面発光レーザ装置1,131,141,151,161,171に組み合わされてもよい。つまり、面発光レーザ装置1,131,141,151,161,171において複数の電極層182が形成されていてもよい。
図16は、本発明の第8実施形態に係る面発光レーザ装置191を示す平面図である。以下では、面発光レーザ装置1に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図16を参照して、面発光レーザ装置191は、疎領域15および密領域16を備えていない。つまり、複数の発光部6は、平面視において等しい最短距離L1で配列されている。複数の発光部6は、この形態では、平面視において千鳥状に配列されている。
面発光レーザ装置191は、第1主面3の上に形成された複数の電極層192を含む。複数の電極層192は、より具体的には、第1主面電極層9の上に形成されている。複数の電極層192は、平面視において第1主面3の中央部に偏在している。
面発光レーザ装置191は、第1主面3に対する複数の電極層192の占有密度が互いに異なる密領域193および疎領域194を含む。密領域193は、複数の電極層192が密に配列された領域である。疎領域194は、第1主面3において複数の電極層192が密領域193に対して疎に配列された領域である。
密領域193は、平面視において第1主面3の中央部に形成されている。疎領域194は、平面視において第1主面3の周縁部に形成されている。疎領域194は、この形態では、第1疎領域195および第2疎領域196を含む。第1疎領域195は、第1方向Xに関して、密領域193に対して第1主面3の一端部側(第2側面5B側)の周縁部に形成されている。第2疎領域196は、第1方向Xに関して、密領域193に対して第1主面3の他端部側(第4側面5D側)の周縁部に形成されている。第2疎領域196は、第1疎領域195を挟んで第1疎領域195に対向している。
密領域193を取り囲む1つの疎領域194が形成されてもよい。この場合、1つの疎領域194は、密領域193を取り囲む環状に形成される。第1疎領域195および第2疎領域196のいずれか一方が、密領域193に変更されてもよい。
複数の電極層192は、密領域193に形成された複数の第1電極層197、および、疎領域194に形成された複数の第2電極層198を含む。
複数の第1電極層197は、密領域193において複数の発光部6の周囲に形成されている。複数の第1電極層197は、この形態では、1つの発光部6を6つの第1電極層197で取り囲む態様で配列されている。6つの第1電極層197は、1つの発光部6の周囲に等間隔に配列されている。隣り合う複数の第1電極層197は、それらの間の領域から第1主面電極層9を露出させている。
各第1電極層197は、最近接する3つのトレンチ7の間の領域に形成されている。各第1電極層197は、この形態では、平面視において三角形状に形成されている。各第1電極層197は、より具体的には、平面視において最近接する3つのトレンチ7によって3つの頂点が切り欠かれた三角形状に形成されている。
各第1電極層197は、トレンチ7から間隔を空けて形成されていてもよい。各第1電極層197は、平面視において凸湾曲状に膨出した1つまたは複数の辺を有していてもよい。各第1電極層197は、平面視において凹湾曲状に窪んだ1つまたは複数の辺を有していてもよい。各第1電極層197の平面形状は任意である。各第1電極層197は、平面視において四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、円形状もしくは楕円形状に形成されていてもよい。
各第1電極層197は、半導体積層構造21の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有している。各第1電極層197は、第1主面電極層9の厚さTE1以上の厚さTE4(TE1≦TE4)を有している。厚さTE4は、より具体的には、厚さTE1を超えている(TE1<TE4)。
厚さTE4は、外部端子11の厚さTE2と等しくてもよい(TE2=TE4)。各第1電極層197は、外部端子11と同一の材料によって形成されていてもよい。つまり、各第1電極層197は、金を含んでいてもよい。このような構造によれば、外部端子11の形成工程を利用して各第1電極層197を形成できる。
複数の第2電極層198は、疎領域194において、第1主面3に対する占有密度が第1主面3に対する複数の第1電極層197の占有密度未満になるように形成されている。各第2電極層198の平面積は、各第1電極層197の平面積未満である。
複数の第2電極層198は、疎領域194において複数の発光部6の周囲に形成されている。複数の第2電極層198は、この形態では、1つの発光部6の周囲を6つの第2電極層198で取り囲む態様で配列されている。6つの第2電極層198は、1つの発光部6の周囲に等間隔に配列されている。隣り合う複数の第2電極層198は、それらの間の領域から第1主面電極層9を露出させている。
各第2電極層198は、最近接する3つのトレンチ7の間の領域に形成されている。各第2電極層198は、トレンチ7から間隔を空けて形成されている。各第2電極層198は、平面視において各第1電極層197とは異なる形状に形成されている。各第2電極層198は、この形態では、平面視において多角形状に形成されている。
各第2電極層198は、平面視において凸湾曲状に膨出した1つまたは複数の辺を有していてもよい。各第2電極層198は、平面視において凹湾曲状に窪んだ1つまたは複数の辺を有していてもよい。各第2電極層198の平面形状は任意である。各第2電極層198は、三角形状に代えて、平面視において四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、円形状もしくは楕円形状に形成されていてもよい。
各第2電極層198は、半導体積層構造21の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有している。各第2電極層198は、第1主面電極層9の厚さTE1以上の厚さTE5(TE1≦TE5)を有している。厚さTE5は、より具体的には、厚さTE1を超えている(TE1<TE5)。
厚さTE5は、外部端子11の厚さTE2と等しくてもよい(TE2=TE5)。各第2電極層198は、外部端子11と同一の材料によって形成されていてもよい。つまり、各第2電極層198は、金を含んでいてもよい。このような構造によれば、外部端子11の形成工程を利用して各第2電極層198を形成できる。
以上、面発光レーザ装置191によれば、チップ本体2の第1主面3の中央部に偏在する複数の電極層192が形成されている。複数の電極層192は、半導体積層構造21の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有している。
これにより、第1主面3の中央部に配列された複数の発光部6で生じた熱を複数の電極層192に伝達させることができる。その結果、チップ本体2の中央部を起点とするチップ本体2の温度上昇を抑制できる。よって、チップ本体2(半導体積層構造21)の温度分布を調整できるから、複数の発光部6の出力を調整できる。
また、面発光レーザ装置191によれば、第1主面3に対する複数の電極層192の占有密度が互いに異なる密領域193および疎領域194が形成されている。密領域193は、複数の電極層192が密に配列された領域である。疎領域194は、複数の電極層192が密領域193に対して疎に配列された領域である。
密領域193は、平面視において第1主面3の中央部に形成されている。疎領域194は、平面視において第1主面3の周縁部に形成されている。つまり、面発光レーザ装置191によれば、チップ本体2において温度上昇率の高い領域に密領域193が形成され、チップ本体2において温度上昇率の低い領域に疎領域194が形成されている。温度上昇率の高い領域は、この形態では、チップ本体2の中央部である。温度上昇率の低い領域は、この形態では、チップ本体2の周縁部である。
これにより、チップ本体2における温度分布の偏りを抑制できる。その結果、密領域193および疎領域194の間において複数の発光部6の出力低下や出力ばらつきを抑制できる。
また、面発光レーザ装置191によれば、複数の電極層192(第1電極層197および第2電極層198)の平面積を密領域183および疎領域184ごとに調整できる。よって、チップ本体2の温度分布や複数の発光部6の出力を適切に調整できる。
面発光レーザ装置191の構造は、第1~第7実施形態に係る面発光レーザ装置1,131,141,151,161,171,181に組み合わされてもよい。つまり、面発光レーザ装置1,131,141,151,161,171,181において複数の電極層192が形成されていてもよい。
図17は、本発明の第9実施形態に係る面発光レーザ装置201を示す平面図である。以下では、面発光レーザ装置1に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図17を参照して、面発光レーザ装置201は、疎領域15および密領域16を備えていない。つまり、複数の発光部6は、平面視において互いに等しいまたは互いに異なる最短距離L1で配列されている。複数の発光部6は、この形態では、平面視において千鳥状に配列されている。
複数の発光部6は、この形態では、複数の第1発光部202および複数の第2発光部203を含む。各第1発光部202は、第1サイズを有している。各第2発光部203は、第1サイズとは異なる第2サイズを有している。各第2発光部203の第2サイズは、各第1発光部202の第1サイズ未満である。各第2発光部203は、各第1発光部202の平面積未満の平面積を有している。
つまり、各第2発光部203を形成するメサ構造41の平面積は、各第1発光部202を形成するメサ構造41の平面積未満である。また、各第2発光部203の電流密度は、各第1発光部202の電流密度を超えている。また、各第2発光部203の設計上の出力は、各第1発光部202の設計上の出力を超えている。
複数の第1発光部202は、この形態では、平面視において第1主面3の中央部に偏在している。複数の第2発光部203は、この形態では、平面視において第1主面3の周縁部に偏在している。面発光レーザ装置201は、より具体的には、低電流密度領域204および高電流密度領域205を含む。低電流密度領域204は、複数の第1発光部202を含む。高電流密度領域205は、複数の第2発光部203を含む。
低電流密度領域204は、平面視において第1主面3の中央部に形成されている。高電流密度領域205は、平面視において第1主面3の周縁部に形成されている。高電流密度領域205は、この形態では、第1高電流密度領域206および第2高電流密度領域207を含む。
第1高電流密度領域206は、第1方向Xに関して、低電流密度領域204に対して第1主面3の一端部側(第2側面5B側)の周縁部に形成されている。第2高電流密度領域207は、第1方向Xに関して、低電流密度領域204に対して第1主面3の他端部側(第4側面5D側)の周縁部に形成されている。第2高電流密度領域207は、低電流密度領域204を挟んで第1高電流密度領域206に対向している。
低電流密度領域204を取り囲む1つの高電流密度領域205が形成されてもよい。この場合、1つの高電流密度領域205は、低電流密度領域204を取り囲む環状に形成される。第1高電流密度領域206および第2高電流密度領域207のいずれか一方が、低電流密度領域204に変更されてもよい。
以上、面発光レーザ装置201によれば、複数の発光部6が、互いに異なるサイズを有する複数の第1発光部202および複数の第2発光部203を含む。各第1発光部202は、第1サイズを有している。各第2発光部203は、第2サイズを有している。各第2発光部203の第2サイズは、各第1発光部202の第1サイズ未満である。各第2発光部203は、より具体的には、各第1発光部202の平面積未満の平面積を有している。
各第1発光部202の発熱量は、各第2発光部203の発熱量よりも小さい。これにより、チップ本体2の温度分布を調整できるから、複数の発光部6の出力を調整できる。特に、面発光レーザ装置201によれば、比較的大きいサイズを有する複数の第1発光部202が、第1主面3の中央部に偏在している。これにより、チップ本体2の中央部を起点とするチップ本体2の温度上昇を抑制できる。
また、面発光レーザ装置201によれば、チップ本体2において温度上昇率の高い領域に低電流密度領域204が形成され、チップ本体2において温度上昇率の低い領域に第1高電流密度領域206が形成されている。温度上昇率の高い領域は、この形態では、チップ本体2の中央部である。温度上昇率の低い領域は、この形態では、チップ本体2の周縁部である。
これにより、チップ本体2の中央部および周縁部の間において温度分布の偏りを抑制できる。その結果、チップ本体2の中央部および周縁部の間(つまり、低電流密度領域204および高電流密度領域205の間)において複数の発光部6の出力低下や出力ばらつきを抑制できる。
また、面発光レーザ装置201によれば、発光部6の配列や単位面積当たりの発光部6の個数を低電流密度領域204および高電流密度領域205ごとに調整できる。よって、チップ本体2の温度分布や複数の発光部6の出力を適切に調整できる。
面発光レーザ装置201の構造は、第1~第8実施形態に係る面発光レーザ装置1,131,141,151,161,171,181,191に組み合わされてもよい。つまり、面発光レーザ装置1,131,141,151,161,171,181,191において複数の第1発光部202および複数の第2発光部203を含む複数の発光部6が形成されていてもよい。
図18は、本発明の第10実施形態に係る面発光レーザ装置301を示す平面図であって、第1主面電極層309の第1形態例を示す平面図である。図19は、図18に示す領域XXXVIIIの拡大図である。図20は、図18に示すXX-XX線に沿う断面図である。図21は、図18に示すXXI-XXI線に沿う断面図である。図22は、図18に示すXXII-XXII線に沿う断面図である。図23は、図22に示す領域XXIIIの拡大図である。図24は、図22に示す領域XXIVの拡大図である。
図18~図24を参照して、面発光レーザ装置301は、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)と称される半導体レーザ装置である。面発光レーザ装置301は、直方体形状のチップ本体302を含む。
チップ本体302は、一方側の第1主面303、他方側の第2主面304、ならびに、第1主面303および第2主面304を接続する側面305A,305B,305C,305Dを含む。第1主面303および第2主面304は、それらの法線方向Zから見た平面視(以下、単に「平面視」という。)において四角形状(この形態では長方形状)に形成されている。
側面305A~305Dは、より具体的には、第1側面305A、第2側面305B、第3側面305Cおよび第4側面305Dを含む。第1側面305Aおよび第3側面305Cは、第1方向Xに沿って延び、第1方向Xに交差する第2方向Yに対向している。第2方向Yは、より具体的には、第1方向Xに直交している。第1側面305Aおよび第3側面305Cは、チップ本体302の長辺を形成している。第2側面305Bおよび第4側面305Dは、第2方向Yに沿って延び、第1方向Xに対向している。第2側面305Bおよび第4側面305Dは、チップ本体302の短辺を形成している。側面305A~305Dは、法線方向Zに沿って平面的に延びている。
平面視において第1側面305A(第3側面305C)の幅W1は、200μm以上2000μm以下であってもよい。幅W1は、200μm以上400μm以下、400μm以上600μm以下、600μm以上800μm以下、800μm以上1000μm以下、1000μm以上1200μm以下、1200μm以上1400μm以下、1400μm以上1600μm以下、1600μm以上1800μm以下、または、1800μm以上2000μm以下であってもよい。幅W1は、500μm±5μmであってもよい。
平面視において第2側面305B(第4側面305D)の幅W2は、200μm以上1000μm以下であってもよい。幅W2は、200μm以上300μm以下、300μm以上400μm以下、400μm以上500μm以下、500μm以上600μm以下、600μm以上700μm以下、700μm以上800μm以下、800μm以上900μm以下、または、900μm以上1000μm以下であってもよい。幅W2は、340μm±5μmであってもよい。
面発光レーザ装置301は、第1主面303に形成され、法線方向Zに向けてレーザ光を放出する発光部306(半導体発光層)を含む。この形態では、複数の発光部306が、平面視において第1方向Xおよび第2方向Yに間隔を空けて形成されている。複数の発光部306は、規則的に配列されていてもよいし、不規則に配列されていてもよい。複数の発光部306は、平面視において千鳥状、行列状または放射状(同心円状)に配列されていることが好ましい。
複数の発光部306は、この形態では、平面視において互いに間隔を空けて千鳥状に配列されている。つまり、複数の発光部306は、平面視において三角形(この形態では正三角形)の3つの頂点に1つの発光部306がそれぞれ位置する態様で配列されている。複数の発光部306は、より具体的に、平面視において六角形(この形態では正六角形)の6つの頂点に1つの発光部306がそれぞれ位置する態様で配列されている。
複数の発光部306は、さらに具体的には、平面視において六角形(この形態では正六角形)の6つの頂点に1つの発光部306がそれぞれ位置し、かつ、六角形の中央部に1つの発光部306が位置する態様で配列されている。
複数の発光部306は、この形態では、平面視において円形状にそれぞれ形成されている。発光部306の平面形状は任意である。発光部306は、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。
複数の発光部306は、トレンチ307(溝)によってそれぞれ区画されている。トレンチ307は、第1主面303を第2主面304に向けて掘り下げることによって形成されている。トレンチ307は、平面視において発光部306を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。発光部306およびトレンチ307の具体的な構造は、後述される。
隣り合う2つの発光部306の最短距離L1は、10μm以上150μm以下であってもよい。最短距離L1は、最近接する2つの発光部306の間の距離である。最短距離L1は、10μm以上25μm以下、25μm以上50μm以下、50μm以上75μm以下、75μm以上100μm以下、100μm以上125μm以下、または、125μm以上150μm以下であってもよい。
複数の発光部306の第1最遠距離L2は、第1側面305A(第3側面305C)の幅W1に応じて設定される。第1最遠距離L2は、第1方向Xの両端部に位置する最も離れた2つの発光部306の間の距離である。
第1最遠距離L2は、200μm以上2000μm以下であってもよい。第1最遠距離L2は、200μm以上400μm以下、400μm以上600μm以下、600μm以上800μm以下、800μm以上1000μm以下、1000μm以上1200μm以下、1200μm以上1400μm以下、1400μm以上1600μm以下、1600μm以上1800μm以下、または、1800μm以上2000μm以下であってもよい。
複数の発光部306の第2最遠距離L3は、第2側面305B(第4側面305D)の幅W2に応じて設定される。第2最遠距離L3は、第2方向Yの両端部に位置する最も離れた2つの発光部306の間の距離である。
第2最遠距離L3は、200μm以上1000μm以下であってもよい。第2最遠距離L3は、200μm以上300μm以下、300μm以上400μm以下、400μm以上500μm以下、500μm以上600μm以下、600μm以上700μm以下、700μm以上800μm以下、800μm以上900μm以下、または、900μm以上1000μm以下であってもよい。
面発光レーザ装置301は、第1主面303の上に形成された絶縁層308を含む。図19では、絶縁層308がハッチングによって示されている。絶縁層308は、複数の発光部306を一括して被覆している。絶縁層308は、第1主面303の上から各トレンチ307に入り込んでいる。絶縁層308は、各トレンチ307内において発光部306を被覆している。
絶縁層308は、側面305A~305Dから内方に間隔を空けて形成され、第1主面303の周縁部を露出させている。絶縁層308の周縁は、側面305A~305Dとの間でダイシングストリートDSを区画している。ダイシングストリートDSは、第1主面303の周縁部(側面305A~305D)に沿って帯状に延びている。ダイシングストリートDSは、平面視において絶縁層308を取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成されている。
ダイシングストリートDSの幅WDは、1μm以上25μm以下であってもよい。幅WDは、1μm以上5μm以下、5μm以上10μm以下、10μm以上15μm以下、15μm以上20μm以下、または、20μm以上25μm以下であってもよい。幅WDは、平面視においてダイシングストリートDSが延びる方向に直交する方向の幅である。
ダイシングストリートDSによれば、絶縁層308を物理的に切断しなくて済む。これにより、絶縁層308の切断に起因するチップ本体302や絶縁層308等のクラックを抑制できる。また、ダイシングブレード等の摩耗を抑制できると同時に切断時間を短縮できる。
面発光レーザ装置301は、第1主面303の上に形成され、発光部306に電気的に接続された第1主面電極層309を含む。第1主面電極層309は、より具体的には、絶縁層308の上に形成されている。第1主面電極層309は、複数の発光部306を一括して被覆している。第1主面電極層309は、絶縁層308の上から各トレンチ307に入り込んでいる。第1主面電極層309は、各トレンチ307内において各発光部306に電気的に接続されている。
第1主面電極層309は、側面305A~305Dから内方に間隔を空けて形成され、第1主面303の周縁部を露出させている。第1主面電極層309は、さらに、絶縁層308の周縁から内方に間隔を空けて形成され、絶縁層308の周縁部を露出させている。このような構造によれば、第1主面電極層309を物理的に切断しなくて済む。これにより、第1主面電極層309の切断に起因するチップ本体302や第1主面電極層309等のクラックを抑制できる。また、ダイシングブレード等の摩耗を抑制できると同時に切断時間を短縮できる。
面発光レーザ装置301は、第1主面電極層309の上に形成された外部端子311を含む。図18では、外部端子311がハッチングによって示されている。外部端子311には、ボンディングワイヤ等の導線が外部接続される。外部端子311は、第1主面電極層309の周縁部に配置されている。これにより、導線が発光部306の上を横切ることを防止できるから、第1主面303から光を適切に取り出すことができる。
外部端子311は、この形態では、チップ本体302の角部(第1側面305Aおよび第2側面305Bを接続する角部)に配置されている。外部端子311は、より具体的には、第1主面電極層309の周縁部においてチップ本体302の角部に沿う領域に配置されている。外部端子311は、第2方向Yに第1側面305Aに対向し、第1方向Xに第2側面305Bに対向している。外部端子311は、側面305A~305Dのうちの1つ(たとえば第1側面305A)だけに沿う領域に形成されていてもよい。
外部端子311の厚さTEは、0.5μm以上5.0μm以下であってもよい。厚さTEは、0.5μm以上1.0μm以下、1.0μm以上2.0μm以下、2.0μm以上3.0μm以下、3.0μm以上4.0μm以下、または、4.0μm以上5.0μm以下であってもよい。
面発光レーザ装置301は、第1主面電極層309の上に形成され、外部端子311に接続された配線312をさらに含む。配線312は、第1主面電極層309の周縁に沿って帯状に延びている。配線312は、この形態では、平面視において環状に形成され、全ての発光部306を一括して取り囲んでいる。
外部端子311に入力された電気信号は、第1主面電極層309に伝達されると同時に、配線312を介して第1主面電極層309に伝達される。第1主面電極層309に伝達された電気信号は、複数の発光部306に伝達される。これにより、複数の発光部306に供給される電流のばらつきが抑制される。
図19を参照して、第1主面電極層309は、外側電極層313および複数の内側電極層314を含む。外側電極層313は、第1主面電極層309においてトレンチ307外の領域に形成された部分である。内側電極層314は、第1主面電極層309においてトレンチ307内に形成された部分である。外部端子311は、外側電極層313の上に形成されている。
外側電極層313は、内側電極層314の厚さTinを超える厚さToutを有している(Tin<Tout)。外側電極層313は、複数のトレンチ307を露出させるように絶縁層308の上に形成されている。外側電極層313は、第1主面電極層309の周縁を区画している。
外側電極層313は、厚膜部315および薄膜部316を含む。図18および図19では、厚膜部315がハッチングによって示されている。厚膜部315は、内側電極層314の厚さTinを超える厚さTLを有している(Tin<TL)。薄膜部316は、厚膜部315の厚さTL未満の厚さTTを有している(TT<TL)。
法線方向Zに関して、薄膜部316の上面および厚膜部315の上面の間の厚さTBは、外部端子311の厚さTEと等しくてもよい(TB=TE)。薄膜部316の厚さTTは、内側電極層314の厚さTinと等しくてもよい(TT=Tin)。
薄膜部316の厚さTTに対する厚膜部315の厚さTLの比TL/TTは、1を超えて50以下であってもよい。比TL/TTは、1を超えて5以下、5以上10以下、10以上15以下、15以上20以下、20以上25以下、25以上30以下、30以上35以下、35以上40以下、40以上45以下、または、45以上50以下であってもよい。比TL/TTは、5以上20以下であることが好ましい。
厚膜部315の厚さTLは、0.5μm以上5μm以下であってもよい。厚さTLは、0.5μm以上1.0μm以下、1.0μm以上2.0μm以下、2.0μm以上3.0μm以下、3.0μm以上4.0μm以下、または、4.0μm以上5.0μm以下であってもよい。
薄膜部316の厚さTTは、0.05μm以上0.5μm以下であってもよい。厚さTTは、0.05μm以上0.1μm以下、0.1μm以上0.2μm以下、0.2μm以上0.3μm以下、0.3μm以上0.4μm以下、または、0.4μm以上0.5μm以下であってもよい。
外側電極層313は、この形態では、互いに間隔を空けて形成された複数の厚膜部315を含む。また、外側電極層313は、隣り合う複数の厚膜部315の間の領域に形成された複数の薄膜部316を含む。外側電極層313は、複数の厚膜部315および複数の薄膜部316が交互に形成された部分を含む。
各発光部306の周囲には、1個、2個、3個、4個、5個もしくは6個、または、それ以上の厚膜部315が形成されていてもよい。この形態では、複数(より具体的には6個)の厚膜部315が、各発光部306の周囲に間隔を空けて形成されている。
複数の厚膜部315は、この形態では、各発光部306を複数の方向(この形態では6方向)から取り囲んでいる。1つの発光部306に着目すると、複数の厚膜部315は、平面視において当該1つの発光部306を基準に線対称および/または点対称に配列されていることが好ましい。
複数の厚膜部315は、この形態では、平面視において1つの発光部306の中心を基準に点対称となる態様で各発光部306の周囲に配列されている。また、複数の厚膜部315は、平面視において発光部306の中心を通る発光部ラインLL(図19の二点鎖線参照)を基準に線対称となる態様で各発光部306の周囲に配列されている。発光部ラインLLは、平面視において最近接する2つの発光部306の中央部を結ぶラインである。
複数の厚膜部315は、この形態では、各発光部306の周囲に等間隔に配列されている。複数の厚膜部315は、平面視において発光部ラインLLを露出させている。各厚膜部315は、発光部ラインLLによって区画される三角形状の領域内に形成されている。各厚膜部315は、最近接する3つのトレンチ307に挟まれた領域に配列されている。
各厚膜部315は、平坦な上面を有している。各厚膜部315は、平面視において多角形状に形成されていてもよい。各厚膜部315は、平面視において三角形状に形成されている。各厚膜部315は、この形態では、最近接する3つのトレンチ307によって3つの頂点が切り欠かれた三角形状に形成されている。各厚膜部315は、平面視において凸湾曲状に膨出した辺を含んでいてもよい。各厚膜部315は、平面視において凹湾曲状に窪んだ辺を含んでいてもよい。
各厚膜部315の複数の辺のうちトレンチ307に面しない辺は、平面視において凸湾曲状に膨出していていてもよい。最近接する2つの厚膜部315について見たとき、一方側の厚膜部315において他方側の厚膜部315に対向する辺は、当該他方側の厚膜部315に向けて凸湾曲状に膨出していてもよい。
同様に、他方側の厚膜部315において一方側の厚膜部315に対向する辺は、当該一方側の厚膜部315に向けて凸湾曲状に膨出していてもよい。むろん、各厚膜部315の複数の辺のうちトレンチ307に面しない辺は、直線状に形成されていてもよい。
各厚膜部315の複数の辺のうちトレンチ307に面する辺は、平面視において凹湾曲状に窪んでいてもよい。各厚膜部315の複数の辺のうちトレンチ307に面する辺は、トレンチ307の内壁に沿って凹湾曲状に窪んでいてもよい。むろん、各厚膜部315の複数の辺のうちトレンチ307に面する辺は、直線状に形成されていてもよい。
複数の薄膜部316は、最近接する2つの厚膜部315の間の領域に区画されている。これにより、各発光部306は、複数(この形態では6個)の厚膜部315および複数(この形態では6個)の薄膜部316が交互に配列されたパターンによって取り囲まれている。
複数の薄膜部316は、この形態では、発光部ラインLL上に位置している。各薄膜部316は、発光部ラインLLに沿って延びる帯状に形成されている。各薄膜部316は、平面視において最近接する2つの厚膜部315の辺に倣って括れた部分を有していてもよい。各厚膜部315の複数の辺のうちトレンチ307に面しない辺が直線状に形成されている場合、各薄膜部316は、平面視において一様な幅で延びていてもよい。
各薄膜部316は、平坦な上面を有している。各薄膜部316は、平面視において各厚膜部315の面積SL以下の面積SSを有している(SS≦SL)。面積SSは、より具体的には、面積SL未満である(SS<SL)。
複数の厚膜部315および複数の薄膜部316の配列は、入れ換えられてもよい。つまり、複数の厚膜部315は、発光部ラインLL上に位置していてもよい。
一方、複数の内側電極層314は、対応するトレンチ307の内壁の一部をそれぞれ露出させるように当該トレンチ307内に形成されている。各内側電極層314は、対応するトレンチ307内において対応する発光部306を被覆している。各内側電極層314は、対応するトレンチ307内において、対応する発光部306および外側電極層313に電気的に接続されている。各内側電極層314は、各トレンチ307内において当該トレンチ307の内壁の一部を露出させる露出部317を区画している。各内側電極層314は、より具体的には、露出部317から絶縁層308を露出させている。
各内側電極層314は、露出部317の平面積以下の平面積を有している。各内側電極層314の平面積は、露出部317の平面積未満であることが好ましい。つまり、各内側電極層314の平面積は各トレンチ307の平面積の1/2以下であり、各露出部317の平面積は各トレンチ307の面積の1/2以上である。また、各内側電極層314の平面積は各トレンチ307の平面積の1/2未満であり、各露出部317の面積は各トレンチ307の面積の1/2を超えることが好ましい。
各内側電極層314は、厚膜部315に連なっていてもよい。各内側電極層314は、薄膜部316に連なっていてもよい。各内側電極層314は、厚膜部315および薄膜部316に連なっていてもよい。各内側電極層314は、この形態では、1つの厚膜部315および2つの薄膜部316に連なっている。
各内側電極層314は、平面視において対応する発光部306および外側電極層313の間の領域を帯状に延びている。各内側電極層314は、一端部314aおよび他端部314bを有している。各内側電極層314の一端部314aは、外側電極層313に接続されている。各内側電極層314の他端部314bは、対応する発光部306の上に位置し、当該発光部306に接続されている。
各内側電極層314は、一端部314aおよび他端部314bの間の領域を直線状(帯状)に延びている。各内側電極層314は、この形態では、平面視において一端部314aから他端部314bに向けて幅が狭まる先細り形状に形成されている。各内側電極層314の幅は、各内側電極層314が延びる方向に直交する方向の幅である。
各内側電極層314は、平面視において一端部314aから他端部314bに向けて一様な幅で延びる直線状(帯状)に形成されていてもよい。各内側電極層314は、平面視において一端部314aから他端部314bに向けて幅が拡がる先太り形状に形成されていてもよい。
複数の内側電極層314は、共通の方向にそれぞれ延びている。各内側電極層314は、より具体的には、対応する発光部306から第1側面305Aに向けて延びている。第1側面305Aは、側面305A~305Dのうちの外部端子311に沿う側面である。
このように、第1主面電極層309は、内側電極層314の厚さTinを超える厚さToutを有する外側電極層313を含む。これにより、チップ本体302の第1主面303側に外力が加えられた場合、当該外力を外側電極層313によって受け止めることができる。
その結果、発光部306に対する応力を緩和できるから、応力に起因する発光部306の劣化を抑制できる。チップ本体302の第1主面303に加えられる外力としては、外部端子311に導線を接続する際に加えられる力、チップ本体302のハンドリング時に加えられる力、第1主面電極層309の伸縮に起因する応力(たとえば熱応力)等が例示される。
また、外側電極層313は、厚膜部315および薄膜部316を含む。これにより、厚膜部315だけを含む場合に比べて、外側電極層313の伸縮に起因する応力(たとえば熱応力)を低減できる。よって、外側電極層313から発光部306に加えられる応力を適切に低減できる。
複数の厚膜部315を不規則に配列させた場合、外側電極層313に生じる応力も不規則になる。この場合、発光部306において不所望な応力集中が引き起こされる可能性がある。したがって、1つの発光部306に対して複数の厚膜部315が規則的に配列されていることが好ましい。これにより、発光部306に対する不所望な応力集中を抑制できる。
複数の厚膜部315は、1つの発光部306の周囲に等間隔に配列されていることが好ましい。また、複数の厚膜部315は、1つの発光部306の中央部に対して線対称および/または点対称に配列されていることが好ましい。また、複数の厚膜部315は、等しい平面形状でそれぞれ形成されていることが好ましい。これらの構造は、発光部306に対する不所望な応力集中を抑制する上で有効である。
一方、内側電極層314は、外側電極層313の厚さTout未満の厚さTinを有している。これにより、内側電極層314から発光部306に加えられる応力を低減できる。その結果、応力に起因する発光部306の劣化を効果的に抑制できる。特に、トレンチ307の内壁を露出させる内側電極層314によれば、発光部306に加えられる応力を適切に緩和できる。
また、複数の内側電極層314は、対応する発光部306および外側電極層313の間の領域において共通の方向にそれぞれ延びている。このような構造によれば、各内側電極層314の伸縮に起因して各発光部306に加えられる応力(たとえば熱応力)の方向を一定方向に制限できる。これにより、各発光部306に対する応力のばらつきを抑制できるから、各発光部306に対する不所望な応力集中を抑制できる。
また、複数の内側電極層314は、対応する発光部306から外部端子311に沿う第1側面305Aに向けて延びている。このような構造によれば、各発光部306および外部端子311を結ぶ電流経路において電流の回り込みを抑制できる。よって、各発光部306に対する不所望な応力集中を抑制しながら、抵抗値の増加を抑制できる。
図21~図23を参照して、チップ本体302は、基板320、および、基板320の上に積層された半導体積層構造321(半導体層)を含む。第1主面303は、半導体積層構造321によって形成されている。第2主面304は、基板320によって形成されている。側面305A~305Dは、基板320および半導体積層構造321によって形成されている。
基板320は、化合物半導体材料を含む。基板320は、より具体的には、正方晶を形成する化合物半導体材料の単結晶を含む。化合物半導体材料は、III-V族半導体材料であってもよい。基板320は、この形態では、n型不純物を含むGaAs単結晶からなる。基板320のn型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。基板320のn型不純物は、シリコンであってもよい。
基板320は、一方側の第1基板主面322および他方側の第2基板主面323を含む。第2基板主面323は、第2主面304を形成している。第1基板主面322は、GaAs単結晶の(100)面に面している。第1基板主面322は、GaAs単結晶の(100)面に対して0°以上5°以下の角度で傾斜したオフ角を有している。オフ角が0°の場合、第1基板主面322はGaAs単結晶の(100)面によって形成される。オフ角は、典型的には2°(より具体的には2°±0.2°の範囲)に設定される。
基板320の厚さTSは、50μm以上300μm以下であってもよい。厚さTSは、50μm以上100μm以下、100μm以上150μm以下、150μm以上200μm、200μm以上250μm以下、または、250μm以上300μm以下であってもよい。
半導体積層構造321は、第1基板主面322の上に化合物半導体(より具体的には、III-V族半導体)を結晶成長させることにより形成されている。半導体積層構造321は、第1基板主面322と同じ結晶面を有する複数の化合物半導体層を含む積層構造を有している。
半導体積層構造321は、より具体的には、第1基板主面322側からこの順に積層されたn型半導体層324、活性層325およびp型半導体層326を含む。n型半導体層324、活性層325およびp型半導体層326は、ダブルヘテロ構造を形成している。n型半導体層324は、活性層325に電子を供給する。p型半導体層326は、活性層325に正孔を供給する。活性層325は、電子および正孔の再結合によって光を生成する。
活性層325において赤外光が生成されてもよい。活性層325は、800nm以上1000nm以下の範囲に発光波長を有する光を生成してもよい。活性層325の発光波長は、900nm以上950nm以下であってもよい。
n型半導体層324は、第1基板主面322側からこの順に積層されたn型バッファ層327、n型光反射層328およびn型クラッド層329を含む。n型バッファ層327は、この形態では、n型のGaAsを含む。n型バッファ層327のn型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。n型バッファ層327のn型不純物は、シリコンであってもよい。
n型バッファ層327の厚さは、0.05μm以上0.2μm以下であってもよい。n型バッファ層327の厚さは、0.05μm以上0.1μm以下、0.1μm以上0.15μm以下、または、0.15μm以上0.2μm以下であってもよい。
n型光反射層328は、この形態では、n型DBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ反射)層を含む。n型DBR層は、法線方向Zに沿って周期的に変化する屈折率を有し、特定の波長成分を共振反射させる。特定の波長成分は、活性層325で生成された光の波長成分である。
n型光反射層328は、Al(アルミニウム)組成を含む複数のAl組成層が積層された積層構造を有している。複数のAl組成層は、互いに異なる屈折率をそれぞれ有している。n型光反射層328は、この形態では、Al組成αを有するn型高Al組成層330、および、Al組成α未満のAl組成β(β<α)を有するn型低Al組成層331が任意の周期で交互に積層された積層構造を有している。n型低Al組成層331の屈折率は、n型高Al組成層330の屈折率よりも大きい。
n型高Al組成層330およびn型低Al組成層331は、1以上60以下の周期で交互に積層されていてもよい。n型高Al組成層330およびn型低Al組成層331の積層周期は、1以上10以下、10以上20以下、20以上30以下、30以上40以下、40以上50以下、または、50以上60以下であってもよい。
n型高Al組成層330は、n型のAlαGa(1-α)Asを含んでいてもよい。n型高Al組成層330のn型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。n型高Al組成層330のn型不純物は、シリコンであってもよい。
Al組成αは、0.5以上0.95以下であってもよい。Al組成αは、0.5以上0.55以下、0.55以上0.6以下、0.6以上0.65以下、0.65以上0.7以下、0.7以上0.75以下、0.75以上0.8以下、0.8以上0.85以下、0.85以上0.9以下、または、0.9以上0.95以下であってもよい。
n型低Al組成層331は、n型のAlβGa(1-β)Asを含んでいてもよい。n型低Al組成層331のn型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。n型低Al組成層331のn型不純物は、シリコンであってもよい。
Al組成βは、0.05以上0.25以下であってもよい。Al組成βは、0.05以上0.1以下、0.1以上0.15以下、0.15以上0.2以下、または、0.2以上0.25以下であってもよい。
n型高Al組成層330の厚さは、λ/(4×n1)Åであってもよい。n型低Al組成層331の厚さは、λ/(4×n2)Åであってもよい。λは、活性層325で生成される光の波長である。n1は、n型高Al組成層330の屈折率である。n2は、n型低Al組成層331の屈折率である。
n型高Al組成層330の厚さは、500Å以上900Å以下であってもよい。n型高Al組成層330の厚さは、500Å以上600Å以下、600Å以上700Å以下、700Å以上800Å以下、または、800Å以上900Å以下であってもよい。
n型低Al組成層331の厚さは、400Å以上800Å以下であってもよい。n型低Al組成層331の厚さは、400Å以上500Å以下、500Å以上600Å以下、600Å以上700Å以下、または、700Å以上800Å以下であってもよい。n型低Al組成層331の厚さは、n型高Al組成層330の厚さ以下であってもよい。n型低Al組成層331の厚さは、n型高Al組成層330の厚さ未満であってもよい。
n型クラッド層329は、この形態では、n型のAlγGa(1-γ)Asを含む。n型クラッド層329のn型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。n型クラッド層329のn型不純物は、シリコンであってもよい。n型クラッド層329は、不純物無添加(アンドープ)であってもよい。
n型クラッド層329のAl組成γは、n型低Al組成層331のAl組成βを超えて、n型高Al組成層330のAl組成α未満(β<γ<α)であってもよい。n型クラッド層329のAl組成γは、0.2以上0.7以下であってもよい。
Al組成γは、0.2以上0.25以下、0.25以上0.3以下、0.3以上0.35以下、0.35以上0.4以下、0.4以上0.45以下、0.45以上0.5以下、0.5以上0.55以下、0.55以上0.6以下、0.6以上0.65以下、または、0.65以上0.7以下であってもよい。
n型クラッド層329の厚さは、0.05μm以上0.5μm以下であってもよい。n型クラッド層329の厚さは、0.05μm以上0.1μm以下、0.1μm以上0.2μm以下、0.2μm以上0.3μm以下、0.3μm以上0.4μm以下、または、0.4μm以上0.5μm以下であってもよい。
活性層325は、量子井戸層および障壁層を含むQW(Quantum Well:量子井戸構造)を有していてもよい。活性層325は、この形態では、量子井戸層および障壁層が任意の周期で交互に積層されたMQW(Multi Quantum Well:多重量子井戸)構造を有している。量子井戸層および障壁層は、1以上50以下の周期で交互に積層されていてもよい。量子井戸層および障壁層の積層周期は、1以上10以下、10以上20以下、20以上30以下、30以上40以下、または、40以上50以下であってもよい。
量子井戸層は、GaAsを含んでいてもよい。量子井戸層は、不純物無添加であってもよい。量子井戸層の厚さは、10Å以上200Å以下であってもよい。量子井戸層の厚さは、10Å以上50Å以下、50Å以上100Å以下、100Å以上150Å以下、または、150Å以上200Å以下であってもよい。
障壁層は、量子井戸層のバンドギャップよりも大きいバンドギャップを有している。障壁層は、AlδGa(1-δ)Asを含んでいてもよい。Al組成δは、0.15以上0.5以下であってもよい。
Al組成δは、0.15以上0.2以下、0.2以上0.25以下、0.25以上0.3以下、0.3以上0.35以下、0.35以上0.4以下、0.4以上0.45以下、または、0.45以上0.5以下であってもよい。
障壁層の厚さは、10Å以上200Å以下であってもよい。障壁層の厚さは、10Å以上50Å以下、50Å以上100Å以下、100Å以上150Å以下、または、150Å以上200Å以下であってもよい。
活性層325の総厚さTAは200Å以上1600Å以下であってもよい。総厚さTAは、200Å以上400Å以下、400Å以上600Å以下、600Å以上800Å以下、800Å以上1000Å以下、1000Å以上1200Å以下、1200Å以上1400Å以下、または、1400Å以上1600Å以下であってもよい。
活性層325の最下層および最上層は、障壁層によってそれぞれ形成されていてもよい。活性層325の最下層および最上層を形成する2つ障壁層の厚さは、活性層325において中間層を形成する1つまたは複数の障壁層の厚さを超えていてもよい。
p型半導体層326は、活性層325側からこの順に積層されたp型クラッド層332、p型光反射層333およびp型コンタクト層334を含む。p型クラッド層332は、この形態では、p型のAlεGa(1-ε)Asを含む。p型クラッド層332のp型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。p型クラッド層332のp型不純物は、炭素であってもよい。
Al組成εは、0.2以上0.7以下であってもよい。Al組成εは、0.2以上0.25以下、0.25以上0.3以下、0.3以上0.35以下、0.35以上0.4以下、0.4以上0.45以下、0.5以上0.55以下、0.55以上0.6以下、0.6以上0.65以下、または、0.65以上0.7以下であってもよい。
p型クラッド層332の厚さは、0.05μm以上0.5μm以下であってもよい。p型クラッド層332の厚さは、0.05μm以上0.1μm以下、0.1μm以上0.2μm以下、0.2μm以上0.3μm以下、0.3μm以上0.4μm以下、または、0.4μm以上0.5μm以下であってもよい。
p型光反射層333は、この形態では、p型DBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ反射)層を含む。p型DBR層は、法線方向Zに周期的に変化する屈折率を有し、特定の波長成分を共振反射させる。特定の波長成分は、活性層325で生成された光の波長成分である。
p型光反射層333は、Al(アルミニウム)組成を含む複数のAl組成層が積層された積層構造を有している。複数のAl組成層は、互いに異なる屈折率をそれぞれ有している。p型光反射層333は、この形態では、Al組成ζを有するp型高Al組成層335、および、Al組成ζ未満のAl組成η(η<ζ)を有するp型低Al組成層336が任意の周期で交互に積層された積層構造を有している。p型低Al組成層336の屈折率は、p型高Al組成層335の屈折率よりも大きい。
p型高Al組成層335およびp型低Al組成層336は、1以上60以下の周期で交互に積層されていてもよい。p型高Al組成層335およびp型低Al組成層336の積層周期は、1以上10以下、10以上20以下、20以上30以下、30以上40以下、40以上50以下、または、50以上60以下であってもよい。
p型高Al組成層335は、p型のAlζGa(1-ζ)Asを含んでいてもよい。p型高Al組成層335のp型不純物濃度は、1×1018cm-3以上1×1019cm-3以下であってもよい。p型高Al組成層335のp型不純物は、炭素であってもよい。
Al組成ζは、p型クラッド層332のAl組成εを超えていてもよい(ε<ζ)。Al組成ζは、0.5以上0.95以下であってもよい。Al組成ζは、0.5以上0.55以下、0.55以上0.6以下、0.6以上0.65以下、0.65以上0.7以下、0.7以上0.75以下、0.75以上0.8以下、0.8以上0.85以下、0.85以上0.9以下、または、0.9以上0.95以下であってもよい。
p型低Al組成層336は、p型のAlηGa(1-η)Asを含んでいてもよい。p型低Al組成層336のp型不純物濃度は、1×1018cm-3以上1×1019cm-3以下であってもよい。p型低Al組成層336のp型不純物は、炭素であってもよい。
Al組成ηは、p型クラッド層332のAl組成ε未満(η<ε<ζ)であってもよい。Al組成ηは、0.05以上0.25以下であってもよい。Al組成ηは、0.05以上0.1以下、0.1以上0.15以下、0.15以上0.2以下、または、0.2以上0.25以下であってもよい。
p型高Al組成層335の厚さは、λ/(4×n3)Åであってもよい。p型低Al組成層336の厚さは、λ/(4×n4)Åであってもよい。λは、活性層325で生成される光の波長である。n3は、p型高Al組成層335の屈折率である。n4は、p型低Al組成層336の屈折率である。
p型高Al組成層335の厚さは、500Å以上900Å以下であってもよい。p型高Al組成層335の厚さは、500Å以上600Å以下、600Å以上700Å以下、700Å以上800Å以下、または、800Å以上900Å以下であってもよい。
p型低Al組成層336の厚さは、400Å以上800Å以下であってもよい。p型低Al組成層336の厚さは、400Å以上500Å以下、500Å以上600Å以下、600Å以上700Å以下、または、700Å以上800Å以下であってもよい。p型低Al組成層336の厚さは、p型高Al組成層335の厚さ以下であってもよい。p型低Al組成層336の厚さは、p型高Al組成層335の厚さ未満であってもよい。
p型コンタクト層334は、チップ本体302の第1主面303を形成している。p型コンタクト層334は、この形態では、p型のGaAsを含む。p型コンタクト層334のp型不純物濃度は、p型光反射層333のp型不純物濃度を超えていることが好ましい。p型コンタクト層334のp型不純物濃度は、1×1019cm-3以上1×1020cm-3以下であってもよい。p型コンタクト層334のp型不純物は、炭素であってもよい。
p型コンタクト層334の厚さは、0.02μm以上0.2μm以下であってもよい。p型コンタクト層334の厚さは、0.02μm以上0.05μm以下、0.05μm以上0.1μm以下、0.1μm以上0.15μm以下、または、0.15μm以上0.2μm以下であってもよい。
図21~図23を参照して、複数の発光部306は、半導体積層構造321に形成されている(図18および図19も併せて参照)。各発光部306は、トレンチ307によって区画された台地状のメサ構造341を有している。トレンチ307は、半導体積層構造321の主面(チップ本体302の第1主面303)に形成されている。トレンチ307は、p型コンタクト層334、p型光反射層333および活性層325を貫通し、n型半導体層324を露出させている。トレンチ307は、n型半導体層324においてn型クラッド層329を貫通し、n型光反射層328を露出させている。
トレンチ307は、平面視において発光部306を取り囲む環状に形成されている。トレンチ307は、この形態では、断面視において第1主面303側の開口面積が底壁側の開口面積よりも大きい先細り形状(テーパ形状)に形成されている。
トレンチ307は、内周壁342、外周壁343、ならびに、内周壁342および外周壁343を接続する底壁344を有している。内周壁342および外周壁343は、n型半導体層324の一部およびp型半導体層326を露出させている。n型半導体層324の一部は、n型光反射層328の一部およびn型クラッド層329である。底壁344は、n型光反射層328を露出させている。
内周壁342は、メサ構造341(発光部306)を区画している。つまり、内周壁342は、この形態では、平面視において円形状に形成されている。内周壁342の平面形状は任意であり、メサ構造341(発光部306)の平面形状に応じて調整される。内周壁342は、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。
外周壁343は、内周壁342から間隔を空けて内周壁342(発光部306)を取り囲んでいる。外周壁343は、この形態では、平面視において円形状に形成されている。外周壁343の平面形状は任意である。外周壁343は、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。
底壁344は、第1主面303に対して平行に形成されていてもよい。底壁344は、平面視において発光部306(メサ構造341)を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。底壁344の平面形状は、内周壁342の平面形状および外周壁343の平面形状に応じて、三角環状、四角環状もしくは六角環状等の多角環状、または、楕円環状に形成されていてもよい。
各メサ構造341は、頂部345、基部346、ならびに、頂部345および基部346を接続する側壁347を含む。頂部345は、第1主面303に対して平行に延びている。頂部345は、この形態では、第1主面303の一部によって形成されている。つまり、頂部345は、p型半導体層326によって形成されている。頂部345は、より具体的には、p型コンタクト層334によって形成されている。
頂部345は、トレンチ307の内周壁342によって区画されている。頂部345は、平面視において円形状に形成されている。頂部345の平面形状は任意である。頂部345は、内周壁342の平面形状に応じて、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。
頂部345の幅WMは、10μm以上40μm以下であってもよい。幅WMは、10μm以上15μm以下、15μm以上20μm以下、20μm以上25μm以下、25μm以上30μm以下、30μm以上35μm以下、または、35μm以上40μm以下であってもよい。
基部346は、n型半導体層324によって形成されている。基部346は、この形態では、n型光反射層328によって形成されている。基部346は、トレンチ307の内周壁342によって区画されている。基部346は、トレンチ307の底壁344およびメサ構造341の側壁347を接続する接続部である。
基部346は、平面視において円形状に形成されている。基部346の平面形状は任意である。基部346は、頂部345の平面形状に応じて、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。基部346の平面積は、頂部345の平面積を超えている。
側壁347は、トレンチ307の内周壁342によって形成されている。側壁347は、頂部345から基部346に向けて下り傾斜している。これにより、各メサ構造341は、錐台形状に形成されている。各メサ構造341は、この形態では、円錐台形状に形成されている。各メサ構造341は、頂部345および基部346の平面形状に応じて、三角錐台形状、四角錐台形状もしくは六角錐台形状等の多角錐台形状、または、楕円錐台形状に形成されていてもよい。
側壁347が頂部345との間で成す角度θM(絶対値)は、90°以上170°以下であってもよい。角度θMは、断面視において頂部345の周縁点および基部346の周縁点を結ぶラインが、メサ構造341内において頂部345との間で成す角度である。
角度θMは、90°以上100°以下、100°以上110°以下、110°以上120°以下、120°以上130°以下、130°以上140°以下、140°以上150°以下、150°以上160°以下、または、160°以上170°以下であってもよい。
メサ構造341の厚さTMは、1μm以上10μm以下であってもよい。厚さTMは、1μm以上2μm以下、2μm以上4μm以下、4μm以上6μm以下、6μm以上8μm以下、または、8μm以上10μm以下であってもよい。厚さTMは、頂部345および基部346の間の法線方向Zに沿う距離である。
図20~図23を参照して、面発光レーザ装置301は、各メサ構造341に係るp型半導体層326において頂部345および活性層325の間の任意の領域に介在された電流狭窄層351を含む。電流狭窄層351は、活性層325に供給される電流を狭窄する。
電流狭窄層351は、活性層325およびp型光反射層333の間の領域に介在されていることが好ましい。電流狭窄層351は、この形態では、p型クラッド層332およびp型光反射層333の間の領域に介在されている。電流狭窄層351は、メサ構造341の側壁347から露出している。
電流狭窄層351は、p型クラッド層332の内部に介在されていてもよい。この場合、電流狭窄層351は、複数(たとえば2つ)のp型クラッド層332の間の領域に介在されていてもよい。つまり、電流狭窄層351およびp型光反射層333の間の領域に別のp型クラッド層332が形成されていてもよい。別のp型クラッド層332の構造は、活性層325および電流狭窄層351の間の領域に形成されたp型クラッド層332と同様であるので、具体的に説明は省略する。
電流狭窄層351の厚さTCは、0.01μm以上0.1μm以下であってもよい。厚さTCは、0.01μm以上0.02μm以下、0.02μm以上0.04μm以下、0.04μm以上0.06μm以下、0.06μm以上0.08μm以下、または、0.08μm以上0.1μm以下であってもよい。
電流狭窄層351は、p型電流通過層352および電流狭窄絶縁層353を含む。p型電流通過層352は、メサ構造341の内方領域に形成されている。p型電流通過層352は、より具体的には、平面視においてメサ構造341の中央部に形成されている。p型電流通過層352は、この形態では、p型のAlσGa(1-σ)Asを含む。p型電流通過層352のp型不純物濃度は、1×1018cm-3以上1×1020cm-3以下であってもよい。p型電流通過層352のp型不純物は、炭素であってもよい。
Al組成σは、p型クラッド層332のAl組成εを超えている(ε<σ)。Al組成σは、p型光反射層333のp型高Al組成層335のAl組成ζを超えている(ζ<σ)。Al組成σは、0.9以上1.0以下であってもよい。Al組成σは、0.9以上0.95以下、または、0.95以上1.0以下であってもよい。Al組成σは、1.0未満であってもよい。
平面視におけるp型電流通過層352の最大幅TPは、1μm以上15μm以下であってもよい。最大幅TPは、1μm以上3μm以下、3μm以上5μm以下、5μm以上7μm以下、7μm以上9μm以下、9μm以上11μm以下、11μm以上13μm以下、または、13μm以上15μm以下であってもよい。
電流狭窄絶縁層353は、p型電流通過層352に対してメサ構造341の側壁347側に形成されている。電流狭窄絶縁層353は、平面視においてp型電流通過層352を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
電流狭窄絶縁層353は、Al(アルミニウム)を含むAl酸化物層によって形成されている。電流狭窄絶縁層353は、より具体的には、p型電流通過層352の一部をメサ構造341の側壁347側から酸化させることによって形成されている。つまり、電流狭窄絶縁層353は、Al酸化物中にGa(ガリウム)およびAs(砒素)を含む。
各メサ構造341は、外部端子311から半導体積層構造321に供給される電流を狭窄する。したがって、メサ構造341の内部においてn型半導体層324、活性層325およびp型半導体層326には比較的高い電流密度を有する電流が流れる。これにより、活性層325において生成される光の発光効率が高められている。
メサ構造341の電流密度は、メサ構造341のサイズに反比例する。つまり、メサ構造341のサイズが小さい程、電流狭窄効果が高まるので、メサ構造341の電流密度は増加する。一方、メサ構造341のサイズが大きい程、電流狭窄効果が低減するので、メサ構造341の電流密度は減少する。
各メサ構造341の内部を流れる電流は、さらに、電流狭窄絶縁層353を迂回してp型電流通過層352に流れ込む。これにより、p型電流通過層352を介して活性層325に供給される電流の密度が高められる。活性層325において法線方向Zにp型電流通過層352に対向する領域が、発光領域354となる。
各活性層325において生成された光は、メサ構造341内においてn型光反射層328およびp型光反射層333の間を法線方向Zに沿って往復しながら、共振によって増幅される。増幅された光は、各メサ構造341の頂部345からレーザ光として取り出される。
トレンチ307の外周壁343から露出するメサ構造341外の半導体積層構造321にも電流狭窄層351に対応した層が形成されている。メサ構造341外の電流狭窄層351に対応した層は、電流狭窄の機能を生じさせない点を除いて、メサ構造341内の電流狭窄層351と略同様の構造を有している。
メサ構造341外の電流狭窄層351に対応した層については、電流狭窄の機能を生じさせない点を除いて、電流狭窄層351の説明が準用される。メサ構造341外の電流狭窄層351に対応した層については、電流狭窄層351と同一符号を付して説明を省略する。
図23を参照して、面発光レーザ装置301は、各メサ構造341の側壁347の表層部に形成された側壁絶縁層380を含む。側壁絶縁層380は、側壁347から露出している。側壁絶縁層380は、頂部345および基部346の間の領域を側壁347に沿って延びている。つまり、各メサ構造341の側壁347は、側壁絶縁層380によって形成された部分を含む。
側壁絶縁層380は、平面視において電流狭窄絶縁層353に対向している。側壁絶縁層380は、平面視においてp型電流通過層352を露出させている。側壁絶縁層380は、より具体的には、頂部345の接線方向に関して、電流狭窄絶縁層353の一端部および他端部の間の領域に対向している。接線方向は、メサ構造341の頂部345に平行な方向であり、第1方向Xおよび第2方向Yを含む。
側壁絶縁層380は、断面視において接線方向の長さが互いに異なる第1部分381および第2部分382を含む。側壁絶縁層380の第1部分381は、メサ構造341の側壁347から内方領域に向かって接線方向に延びている。第1部分381は、メサ構造341の側壁347から露出する外端部、および、メサ構造341内に位置する内端部を有している。
側壁絶縁層380の第2部分382は、メサ構造341の側壁347から内方領域に向かって接線方向に延びている。第2部分382は、メサ構造341の側壁347から露出する外端部、および、メサ構造341内に位置する内端部を有している。第2部分382の内端部は、第1部分381の内端部よりもメサ構造341の側壁347側に位置している。
第1部分381は、接線方向に関して、第1長さLP1を有している。第2部分382は、接線方向に関して、第2長さLP2を有している。第2長さLP2は、第1長さLP1未満(LP2<LP1)である。
第1長さLP1は、0.5μm以上5.0μm以下であってもよい。第1長さLP1は、0.5μm以上1.0μm以下、1.0μm以上2.0μm以下、2.0μm以上3.0μm以下、3.0μm以上4.0μm以下、または、4.0μm以上5.0μm以下であってもよい。
第2長さLP2は、0μmを超えて1.0μm以下であってもよい。第2長さLP2は、0μmを超えて0.02μm以下、0.02μm以上0.04μm以下、0.04μm以上0.06μm以下、0.06μm以上0.08μm以下、または、0.08μm以上1μm以下であってもよい。第2長さLP2は、0μmであってもよい。つまり、複数の第2部分382の一部または全部を有さない側壁絶縁層380が形成されていてもよい。
第1部分381および第2部分382は、法線方向Zに沿って交互に形成されている。これにより、側壁絶縁層380は、断面視において櫛歯形状に形成されている。側壁絶縁層380は、n型半導体層324に形成された領域、および、p型半導体層326に形成された領域を含む。
n型半導体層324においてn型光反射層328のn型高Al組成層330は、メサ構造341の側壁347から露出する第1露出部383を含む。また、n型光反射層328のn型低Al組成層331は、メサ構造341の側壁347から露出する第2露出部384を含む。また、n型クラッド層329は、メサ構造341の側壁347から露出する第3露出部385を含む。
n型高Al組成層330の第1露出部383は、第1Al酸化物層386を含む。第1Al酸化物層386は、第1露出部383の酸化物を含む。第1Al酸化物層386は、接線方向に沿って延びている。第1Al酸化物層386は、n型高Al組成層330の内方領域を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
n型低Al組成層331の第2露出部384は、第2Al酸化物層387を含む。第2Al酸化物層387は、第2露出部384の酸化物を含む。第2Al酸化物層387は、接線方向に沿って延びている。第2Al酸化物層387は、n型低Al組成層331の内方領域を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
n型クラッド層329の第3露出部385は、第3Al酸化物層388を含む。第3Al酸化物層388は、第3露出部385の酸化物を含む。第3Al酸化物層388は、接線方向に沿って延びている。第3Al酸化物層388は、n型クラッド層329の内方領域を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
接線方向に関して、第1Al酸化物層386の長さは、第2Al酸化物層387の長さ、および、第3Al酸化物層388の長さを超えている。これは、n型高Al組成層330のAl組成αが、n型低Al組成層331のAl組成βおよびn型クラッド層329のAl組成γを超えているためである(β<γ<α)。
接線方向に関して、第3Al酸化物層388の長さは、第2Al酸化物層387の長さを超えている。これは、n型クラッド層329のAl組成γが、n型低Al組成層331のAl組成βを超えているためである(β<γ)。
第1Al酸化物層386および第2Al酸化物層387は、法線方向Zに沿って交互に形成されている。第1Al酸化物層386は、側壁絶縁層380の第1部分381を形成している。第2Al酸化物層387は、側壁絶縁層380の第2部分382を形成している。第3Al酸化物層388は、側壁絶縁層380の第2部分382を形成している。側壁絶縁層380においてn型半導体層324に位置する領域は、第1Al酸化物層386、第2Al酸化物層387および第3Al酸化物層388によって形成されている。
p型半導体層326においてp型光反射層333のp型高Al組成層335は、メサ構造341の側壁347から露出する第1露出部393を含む。また、p型光反射層333のp型低Al組成層336は、メサ構造341の側壁347から露出する第2露出部394を含む。また、p型クラッド層332は、メサ構造341の側壁347から露出する第3露出部395を含む。
p型高Al組成層335の第1露出部393は、第1Al酸化物層396を含む。第1Al酸化物層396は、第1露出部393の酸化物を含む。第1Al酸化物層396は、接線方向に沿って延びている。第1Al酸化物層396は、p型高Al組成層335の内方領域を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
p型低Al組成層336の第2露出部394は、第2Al酸化物層397を含む。第2Al酸化物層397は、第2露出部394の酸化物を含む。第2Al酸化物層397は、接線方向に沿って延びている。第2Al酸化物層397は、p型低Al組成層336の内方領域を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
p型クラッド層332の第3露出部395は、第3Al酸化物層398を含む。第3Al酸化物層398は、第3露出部395の酸化物を含む。第3Al酸化物層398は、接線方向に沿って延びている。第3Al酸化物層398は、p型クラッド層332の内方領域を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
接線方向に関して、第1Al酸化物層396の長さは、第2Al酸化物層397の長さ、および、第3Al酸化物層398の長さを超えている。これは、p型高Al組成層335のAl組成ζが、p型低Al組成層336のAl組成η、および、p型クラッド層332のAl組成εを超えているためである(η<ε<ζ)。
接線方向に関して、第3Al酸化物層398の長さは、第2Al酸化物層397の長さを超えている。これは、p型クラッド層332のAl組成εが、p型低Al組成層336のAl組成ηを超えているためである(η<ε)。
第1Al酸化物層396および第2Al酸化物層397は、法線方向Zに沿って交互に形成されている。第1Al酸化物層396は、側壁絶縁層380の第1部分381を形成している。第2Al酸化物層397は、側壁絶縁層380の第2部分382を形成している。第3Al酸化物層398は、側壁絶縁層380の第2部分382を形成している。側壁絶縁層380においてp型半導体層326に位置する領域は、第1Al酸化物層396、第2Al酸化物層397および第3Al酸化物層398によって形成されている。
側壁絶縁層380(第1Al酸化物層386、第2Al酸化物層387、第1Al酸化物層396および第2Al酸化物層397)は、半導体積層構造321においてトレンチ307の外周壁343から露出する領域にも形成されている。トレンチ307の外周壁343に形成された側壁絶縁層380は、トレンチ307の内周壁342(メサ構造341の側壁347)に形成された側壁絶縁層380と略同様の構造を有している。トレンチ307の外周壁343に形成された側壁絶縁層380については、トレンチ307の内周壁342(メサ構造341の側壁347)に形成された側壁絶縁層380の説明が準用されるものとして、説明を省略する。
図20~図24を参照して、絶縁層308は、半導体積層構造321の主面(第1主面303)の上に形成されている。絶縁層308は、活性層325の発光波長λに対して透明な絶縁材料または透光性を有する絶縁材料を含む。絶縁層308は、窒化シリコン(SiN)層および酸化シリコン(SiO)層のうちの少なくとも1つを含む。
絶縁層308は、窒化シリコン層または酸化シリコン層からなる単層構造を有していてもよい。絶縁層308は、第1主面303側から任意の順序で積層された窒化シリコン層および酸化シリコン層を含む積層構造を有していてもよい。絶縁層308は、この形態では、窒化シリコン層からなる単層構造を有している。
絶縁層308は、第1主面303の上からトレンチ307に入り込み、メサ構造341を被覆している。絶縁層308は、主面被覆部401、内壁被覆部402および頂部被覆部403を含む。主面被覆部401は、第1主面303を被覆している。内壁被覆部402は、トレンチ307の内壁(内周壁342、外周壁343および底壁344)を被覆している。頂部被覆部403は、メサ構造341の頂部345を被覆している。
内壁被覆部402は、より具体的には、トレンチ307の内壁に沿って膜状に延び、トレンチ307内においてリセス空間を区画している。つまり、内壁被覆部402は、メサ構造341の側壁347を被覆している。内壁被覆部402においてメサ構造341の側壁347を被覆する部分は、側壁絶縁層380に接している。
頂部被覆部403は、メサ構造341の頂部345を選択的に露出させるコンタクト孔404を有している。コンタクト孔404は、より具体的には、p型コンタクト層334を露出させている。コンタクト孔404は、平面視において環状(この形態では円環状)に形成されている。
図24を参照して、頂部被覆部403は、コンタクト孔404よりも内方に位置する領域にレリーフ部403aを有している。レリーフ部403aは、この形態では、コンタクト孔404によって取り囲まれている。レリーフ部403aは、リセス部405、第1突出部406および第2突出部407を含む。リセス部405は、メサ構造341の頂部345側に向けて窪んでいる。リセス部405は、平面視において環状(この形態では円環状)に形成されている。
第1突出部406は、リセス部405によって区画されている。第1突出部406は、リセス部405によって取り囲まれ、島状または点状に区画されている。第1突出部406は、この形態では、平面視において円形状に形成されている。第1突出部406は、法線方向Zに活性層325の発光領域354に対向している。第1突出部406は、法線方向Zにp型電流通過層352に対向している。
第2突出部407は、リセス部405に起因して形成されている。第2突出部407は、より具体的には、リセス部405およびコンタクト孔404の間の領域に区画されている。第2突出部407は、リセス部405およびコンタクト孔404によって環状(この形態では円環状)に区画されている。
リセス部405は、第1突出部406を区画する第1側壁408、第2突出部407を区画する第2側壁409、ならびに、第1側壁408および第2側壁409を接続する底壁410を有している。第1側壁408は、頂部被覆部403の主面から底壁410に向けて下り傾斜した傾斜面を有している。第2側壁409は、頂部被覆部403の主面から底壁410に向けて下り傾斜した傾斜面を有している。リセス部405は、断面視において底壁410側の開口幅が開口側の開口幅よりも小さいテーパ形状に形成されている。
第1突出部406の厚さは、(n+1)λ/2に設定される。第2突出部407の厚さは、(n+1)λ/2に設定される。リセス部405の厚さは、(2n+1)λ/4に設定される。nは、整数である。λは、活性層325で生成される光の波長である。
頂部345から放出されたレーザ光は、スネルの法則によって、第1側壁408および第2側壁409によって屈折させられ、第1突出部406側に集光される。これにより、第1側壁408および第2側壁409が法線方向Zに延びる垂直面である場合に比べて、レーザ光の指向性が高められる。
図20~図24を参照して、第1主面電極層309は、絶縁層308に沿って膜状に形成されている。第1主面電極層309の外側電極層313は、絶縁層308の主面被覆部401に沿って膜状に延びている。外側電極層313の各厚膜部315は、断面視において第1主面303から離れる方向に向かって幅が狭まるテーパ部を含む。
第1主面電極層309の各内側電極層314は、外側電極層313から絶縁層308(内壁被覆部402)に沿って膜状に延び、対応するトレンチ307内においてリセス空間を区画している。各内側電極層314は、対応する発光部306(メサ構造341)の基部346から側壁347を介して頂部345に向けて延び、頂部345を被覆している。
各内側電極層314の他端部314bは、各発光部306の頂部345を被覆している。他端部314bは、絶縁層308(頂部被覆部403)の上からコンタクト孔404に入り込んでいる。これにより、各内側電極層314は、コンタクト孔404内においてp型コンタクト層334に電気的に接続されている。
各内側電極層314の他端部314bは、絶縁層308の頂部被覆部403を露出させるレリーフ開口411を含む。レリーフ開口411は、絶縁層308のレリーフ部403aを露出させている。レリーフ開口411は、より具体的には、第2突出部407の一部、リセス部405および第1突出部406を露出させている。
レリーフ開口411は、この形態では、平面視において円形状に形成されている。レリーフ開口411の平面形状は任意である。レリーフ開口411は、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。レリーフ開口411は、法線方向Zにp型電流通過層352に対向している。レリーフ開口411は、法線方向Zに活性層325の発光領域354に対向している。
レリーフ開口411の開口幅WOは、5μm以上20μm以下であってもよい。開口幅WOは、5μm以上10μm以下、10μm以上15μm以下、または、15μm以上20μm以下であってもよい。
第1主面電極層309は、この形態では、複数の電極膜が積層された積層構造を有している。第1主面電極層309は、より具体的には、絶縁層308側からこの順に積層された第1電極膜412、第2電極膜413および第3電極膜414を含む。
第1電極膜412および第2電極膜413は、第3電極膜414に対する下地電極膜を形成している。第1電極膜412は、チタンを含んでいてもよい。第2電極膜413は、金を含んでいてもよい。第3電極膜414は、金を含んでいてもよい。
第3電極膜414の厚さは、第1電極膜412の厚さ以上である。第3電極膜414の厚さは、より具体的には、第1電極膜412の厚さを超えている。第3電極膜414の厚さは、第2電極膜413の厚さ以上である。第3電極膜414の厚さは、より具体的には、第2電極膜413の厚さを超えている。
外側電極層313は、第1電極膜412、第2電極膜413および第3電極膜414を含む。より具体的には、外側電極層313の厚膜部315は、第1電極膜412、第2電極膜413および第3電極膜414を含む。第3電極膜414は、厚膜部315のテーパ部を形成している。外側電極層313の薄膜部316は、第1電極膜412および第2電極膜413を含む。内側電極層314は、第1電極膜412および第2電極膜413を含む。
図21を参照して、外部端子311は、外側電極層313の薄膜部316の上に形成されている。外部端子311は、第3電極膜414と共通の工程を経て形成された電極膜である。したがって、外部端子311は、第3電極膜414と等しい厚さを有している。また、外部端子311は、第3電極膜414と同じ導電材料(つまり金)を含む。
図20を参照して、配線312は、外側電極層313の薄膜部316の上に形成されている。配線312は、第3電極膜414と共通の工程を経て形成された電極膜である。したがって、配線312は、第3電極膜414と等しい厚さを有している。また、配線312は、第3電極膜414と同じ導電材料(つまり金)を含む。
図20~図22を参照して、面発光レーザ装置301は、チップ本体302の第2主面304(基板320の第2基板主面323)の上に形成された第2主面電極層415を含む。第2主面電極層415は、第2基板主面323の全域を被覆している。第2主面電極層415は、第2基板主面323との間でオーミック接触を形成している。
第2主面電極層415は、この形態では、複数の電極膜が積層された積層構造を有している。第2主面電極層415は、より具体的には、第2基板主面323側からこの順に積層された第1電極膜416、第2電極膜417および第3電極膜418を含む。第1電極膜416は、金ゲルマニウム合金を含んでいてもよい。第2電極膜417は、ニッケルを含んでいてもよい。第3電極膜418は、金を含んでいてもよい。
以上、面発光レーザ装置301によれば、第1主面電極層309が内側電極層314の厚さTinを超える厚さToutを有する外側電極層313を含む。これにより、チップ本体302の第1主面303側に外力が加えられた場合、当該外力を外側電極層313によって受け止めることができる。その結果、発光部306に対する応力を緩和できるから、応力に起因する発光部306の劣化を抑制できる。
また、外側電極層313は、厚膜部315および薄膜部316を含む。これにより、厚膜部315だけを含む場合に比べて、外側電極層313の伸縮に起因する応力(たとえば熱応力)を低減できる。よって、外側電極層313から発光部306に加えられる応力を適切に低減できる。
複数の厚膜部315を不規則に配列させた場合、外側電極層313に生じる応力も不規則になる。この場合、発光部306において不所望な応力集中が引き起こされる可能性がある。したがって、1つの発光部306に対して複数の厚膜部315が規則的に配列されていることが好ましい。これにより、発光部306に対する不所望な応力集中を抑制できる。
一方、内側電極層314は、外側電極層313の厚さTout未満の厚さTinを有している。これにより、内側電極層314から発光部306に加えられる応力を低減できる。その結果、応力に起因する発光部306の劣化を効果的に抑制できる。特に、トレンチ307の内壁を露出させる内側電極層314によれば、発光部306に加えられる応力を適切に緩和できる。
また、複数の内側電極層314は、対応する発光部306および外側電極層313の間の領域において共通の方向にそれぞれ延びている。このような構造によれば、各内側電極層314の伸縮に起因して各発光部306に加えられる応力(たとえば熱応力)の方向を一定方向に制限できる。これにより、各発光部306に対する応力のばらつきを抑制できるから、各発光部306に対する不所望な応力集中を抑制できる。
また、複数の内側電極層314は、対応する発光部306から外部端子311に沿う第1側面305Aに向けて延びている。このような構造によれば、各発光部306および外部端子311を結ぶ電流経路において電流の回り込みを抑制できる。よって、各発光部306に対する不所望な応力集中を抑制しながら、抵抗値の増加を抑制できる。
以下、第1主面電極層309の他の形態例について説明する。第1主面電極層309は、図25A~図25Lに示される種々の形態を取り得る。図25A~図25Lに示される第2~第13形態例に係る第1主面電極層309は、第1主面電極層309の形成工程に用いる各種マスクのレイアウト等を変更することによって得られる。
図25Aは、図19の対応図であって、第1主面電極層309の第2形態例を示す拡大図である。以下では、図18~図24において述べた構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。図25Aを参照して、複数の内側電極層314は、対応する発光部306および外側電極層313の間の領域において、発光部306から第2側面305Bに向けて延びていてもよい。第2側面305Bは、チップ本体302の側面305A~305Dのうちの外部端子311に沿う側面である。
図25Bは、図19の対応図であって、第1主面電極層309の第3形態例を示す拡大図である。以下では、図18~図24において述べた構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。図25Bを参照して、複数の内側電極層314は、対応する発光部306および外側電極層313の間の領域において、発光部306から外部端子311に向けて延びていてもよい。
図25Cは、図19の対応図であって、第1主面電極層309の第4形態例を示す拡大図である。以下では、図18~図24において述べた構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。図25Cを参照して、各厚膜部315の複数の辺は、平面視において凹湾曲状に窪んでいてもよい。各厚膜部315の複数の辺のうちトレンチ307に面しない辺は、平面視において凹湾曲状に窪んでいてもよい。各薄膜部316は、平面視において最近接する2つの厚膜部315の辺に倣って膨出した凸湾曲状の部分を有していてもよい。
図25Dは、図19の対応図であって、第1主面電極層309の第5形態例を示す拡大図である。以下では、図18~図24において述べた構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。図25Dを参照して、複数の厚膜部315は、平面視において三角形状にそれぞれ形成されていてもよい。複数の厚膜部315は、3つの頂点が最近接する3つの発光部306に対向する態様でそれぞれ形成されていてもよい。複数の厚膜部315は、3つの辺が最近接する3つの発光部306に対向する態様でそれぞれ形成されていてもよい。
図25Eは、図19の対応図であって、第1主面電極層309の第6形態例を示す拡大図である。以下では、図18~図24において述べた構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。図25Eを参照して、複数の厚膜部315は、平面視において四角形状にそれぞれ形成されていてもよい。複数の厚膜部315は、平面視において正方形状にそれぞれ形成されていてもよい。
図25Fは、図19の対応図であって、第1主面電極層309の第7形態例を示す拡大図である。以下では、図18~図24において述べた構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。図25Fを参照して、複数の厚膜部315は、平面視において四角形状にそれぞれ形成されていてもよい。複数の厚膜部315は、平面視において長方形状にそれぞれ形成されていてもよい。各厚膜部315は、最近接する2つの発光部306の間の領域において最近接方向に交差する方向に延びる長方形状に形成されていてもよい。最近接方向は、最近接する2つの発光部306が互いに対向する方向である。
図25Gは、図19の対応図であって、第1主面電極層309の第8形態例を示す拡大図である。以下では、図18~図24において述べた構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。図25Gを参照して、複数の厚膜部315は、平面視において六角形状にそれぞれ形成されていてもよい。
図25Hは、図23の対応図であって、第1主面電極層309の第9形態例を示す拡大図である。以下では、図18~図24において述べた構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。図25Hを参照して、複数の厚膜部315は、平面視において円形状にそれぞれ形成されていてもよい。複数の厚膜部315は、平面視において楕円形状にそれぞれ形成されていてもよい。
図25Iは、図23の対応図であって、第1主面電極層309の第10形態例を示す拡大図である。以下では、図18~図24において述べた構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。図25Iを参照して、第1主面電極層309は、1つの厚膜部315および複数の薄膜部316を含む。厚膜部315は、平面視において複数のトレンチ307を1対1対応の関係で取り囲む複数の環状部419を含む。複数の環状部419は、平面視において1つのトレンチ307を取り囲む円環状にそれぞれ形成されている。
各環状部419は、各トレンチ307から間隔を空けて形成されている。複数の環状部419は、この形態例では、外側電極層313の上において一体的に形成されている。これにより、平面視において複数のトレンチ307を1つずつ露出させる多孔状の1つの厚膜部315が形成されている。
複数の薄膜部316は、対応するトレンチ307および厚膜部315の間の領域にそれぞれ形成されている。各薄膜部316は、平面視において対応するトレンチ307を取り囲む円環状に形成されている。
複数の環状部419は、互いに間隔を空けて形成されていてもよい。この場合、平面視において円環状の複数の厚膜部315が形成される。環状部419は、複数(2以上)のトレンチ307を取り囲んでいてもよい。この場合、複数のトレンチ307および当該複数のトレンチ307を取り囲む環状部419の間の領域に薄膜部316が形成されていてもよい。
図25Jは、図23の対応図であって、第1主面電極層309の第11形態例を示す拡大図である。以下では、図18~図24において述べた構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。図25Jを参照して、第1主面電極層309は、1つの厚膜部315および複数の薄膜部316を含む。厚膜部315は、平面視において複数のトレンチ307を1対1対応の関係で取り囲む複数の環状部420を含む。複数の環状部420は、平面視において1つのトレンチ307を取り囲む六角環状にそれぞれ形成されている。
各環状部420は、各トレンチ307から間隔を空けて形成されている。複数の環状部420は、この形態例では、外側電極層313の上において一体的に形成されている。これにより、平面視において複数のトレンチ307を1つずつ露出させるハニカム状の1つの厚膜部315が形成されている。
複数の薄膜部316は、対応するトレンチ307および厚膜部315の間の領域にそれぞれ形成されている。各薄膜部316は、平面視において対応するトレンチ307を取り囲む環状に形成されている。
各薄膜部316の内周縁は、トレンチ307の周縁によって区画されている。これにより、各薄膜部316の内周縁は、平面視においてトレンチ307の周縁に応じた形状(この形態例では円形状)に形成されている。一方、各薄膜部316の外周縁は、環状部420によって区画されている。これにより、各薄膜部316の外周縁は、平面視において六角形状に形成されている。
複数の環状部420は、互いに間隔を空けて形成されていてもよい。この場合、平面視において六角環状の複数の厚膜部315が形成される。環状部420は、複数(2以上)のトレンチ307を取り囲んでいてもよい。この場合、複数のトレンチ307および当該複数のトレンチ307を取り囲む環状部420の間の領域に薄膜部316が形成されていてもよい。
図25Kは、図23の対応図であって、第1主面電極層309の第12形態例を示す拡大図である。以下では、図18~図24において述べた構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。図25Kを参照して、複数の厚膜部315のうちの少なくとも1つまたは全部は、トレンチ307の内壁(外周壁343)にオーバラップしたオーバラップ部421を有していてもよい。
この場合、厚膜部315の第1電極膜412および第2電極膜413を含む積層膜がトレンチ307の外周壁343を被覆していてもよい。また、厚膜部315の第1電極膜412、第2電極膜413および第3電極膜414を含む積層膜がトレンチ307の外周壁343を被覆していてもよい。
図25Lは、図23の対応図であって、第1主面電極層309の第13形態例を示す拡大図である。以下では、図18~図24において述べた構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。図25Lを参照して、第1電極膜412および第2電極膜413を含む積層膜は、トレンチ307から間隔を空けて形成されていてもよい。第3電極膜414は、第1電極膜412および第2電極膜413を含む積層膜の側壁を被覆していてもよい。第3電極膜414は、トレンチ307の内壁を被覆していてもよいし、トレンチ307から間隔を空けて形成されていてもよい。
前述の第1~第13形態例に係る第1主面電極層309のうちの少なくとも2種を同時に含む面発光レーザ装置301が形成されてもよい。また、第1~第13形態例に係る第1主面電極層309の特徴は、それらの間で任意の態様および任意の形態で組み合わされることができる。つまり、第1~第13形態例に係る第1主面電極層309の特徴のうちの少なくとも2つの特徴が組み合わされた形態を有する第1主面電極層309が採用されてもよい。
図26A~26Mは、図22の対応図であって、図18に示す面発光レーザ装置301の製造方法の一例を説明するための図である。
図26Aを参照して、まず、基板320が用意される。次に、n型バッファ層327が、基板320の第1基板主面322の上に形成される。n型バッファ層327は、n型のGaAsを含む。n型バッファ層327は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、図26Bを参照して、n型光反射層328が、n型バッファ層327の上に形成される。n型光反射層328は、n型高Al組成層330およびn型低Al組成層331を任意の周期で交互に積層させることにより形成される。
n型高Al組成層330は、n型のAlαGa(1-α)Asを含む。Al組成αは、0.5以上0.95以下であってもよい。n型低Al組成層331は、n型のAlβGa(1-β)Asを含む。Al組成βは、0.05以上0.25以下であってもよい。n型高Al組成層330およびn型低Al組成層331は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、n型クラッド層329が、n型光反射層328の上に形成される。n型クラッド層329は、n型のAlγGa(1-γ)Asを含む。n型クラッド層329のAl組成γは、0.2以上0.7以下であってもよい。n型クラッド層329は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、図26Cを参照して、活性層325が、n型クラッド層329の上に形成される。活性層325は、量子井戸層および障壁層を任意の周期で交互に積層させることにより形成される。量子井戸層は、GaAsを含む。障壁層は、AlδGa(1-δ)Asを含む。Al組成δは、0.15以上0.5以下であってもよい。量子井戸層および障壁層は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、図26Dを参照して、p型クラッド層332が、活性層325の上に形成される。p型クラッド層332は、p型のAlεGa(1-ε)Asを含む。Al組成εは、0.2以上0.7以下であってもよい。p型クラッド層332は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、p型電流通過層352および電流狭窄絶縁層353のベースとなるp型ベース層422が、p型クラッド層332の上に形成される。p型ベース層422は、p型のAlσGa(1-σ)Asを含む。Al組成σは、0.9以上1.0以下であってもよい。p型ベース層422は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、p型光反射層333が、p型ベース層422の上に形成される。p型光反射層333は、p型高Al組成層335およびp型低Al組成層336を任意の周期で交互に積層させることにより形成される。
p型高Al組成層335は、p型のAlζGa(1-ζ)Asを含む。Al組成ζは、0.5以上0.95以下であってもよい。p型低Al組成層336は、p型のAlηGa(1-η)Asを含む。Al組成ηは、0.05以上0.25以下であってもよい。p型高Al組成層335およびp型低Al組成層336は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、p型コンタクト層334が、p型光反射層333の上に形成される。p型コンタクト層334は、p型のGaAsを含む。p型コンタクト層334は、エピタキシャル成長法によって形成される。これにより、第1基板主面322側からこの順に積層されたn型半導体層324、活性層325およびp型半導体層326を含む半導体積層構造321が形成される。
次に、図26Eを参照して、所定パターンを有するマスク423が、半導体積層構造321の上に形成される。マスク423は、複数の開口424を有している。複数の開口424は、トレンチ307を形成すべき領域をそれぞれ露出させている。
次に、半導体積層構造321の不要な部分が、マスク423を介するエッチング法によって除去される。半導体積層構造321の不要な部分は、ウエットエッチング法またはドライエッチング法によって除去されてもよい。この工程では、p型コンタクト層334、p型光反射層333、p型ベース層422、p型クラッド層332、活性層325、n型クラッド層329およびn型光反射層328の不要な部分がそれぞれ除去される。
これにより、複数のトレンチ307が半導体積層構造321に形成される。複数のトレンチ307は、p型コンタクト層334、p型光反射層333、p型クラッド層332、活性層325およびn型クラッド層329を貫通し、n型光反射層328の一部を露出させている。また、これにより、半導体積層構造321に複数のメサ構造341が形成される。その後、マスク423は除去される。
n型高Al組成層330は、n型低Al組成層331のエッチング選択比とは異なるエッチング選択比を有している。したがって、エッチング液およびエッチング時間を適切に選択することにより、n型低Al組成層331を残存させながら、n型高Al組成層330を除去できる。また、エッチング液およびエッチング時間を適切に選択することにより、n型高Al組成層330を残存させながら、n型低Al組成層331を除去できる。
また、n型クラッド層329は、n型高Al組成層330およびn型低Al組成層331のエッチング選択比とは異なるエッチング選択比を有している。したがって、エッチング液およびエッチング時間を適切に選択することにより、n型高Al組成層330およびn型低Al組成層331を残存させながら、n型クラッド層329を除去できる。
また、p型高Al組成層335は、p型低Al組成層336のエッチング選択比とは異なるエッチング選択比を有している。したがって、エッチング液およびエッチング時間を適切に選択することにより、p型低Al組成層336を残存させながら、p型高Al組成層335を除去できる。また、エッチング液を適切に選択することにより、p型高Al組成層335を残存させながら、p型低Al組成層336を除去できる。
また、p型クラッド層332は、p型高Al組成層335およびp型低Al組成層336のエッチング選択比とは異なるエッチング選択比を有している。したがって、エッチング液およびエッチング時間を適切に選択することにより、p型高Al組成層335およびp型低Al組成層336を残存させながら、p型クラッド層332を除去できる。
次に、図26Fを参照して、側壁絶縁層380が、トレンチ307に形成される。側壁絶縁層380は、半導体積層構造321に対する酸化処理法によって形成される。酸化処理法は、熱酸化処理法であってもよい。
この工程では、p型光反射層333においてトレンチ307から露出する部分が酸化される。また、p型ベース層422においてトレンチ307から露出する部分が酸化される。また、p型クラッド層332においてトレンチ307から露出する部分が酸化される。また、n型クラッド層329においてトレンチ307から露出する部分が酸化される。また、n型光反射層328においてトレンチ307から露出する部分が酸化される。
比較的高いAl組成ζを有するp型ベース層422では、メサ構造341の側壁347からメサ構造341の内方領域に向けて酸化が大きく進行する。これにより、p型ベース層422の酸化部が電流狭窄絶縁層353として形成される。また、p型ベース層422の非酸化部がp型電流通過層352として形成される。
次に、図26Gを参照して、絶縁層308が、半導体積層構造321の上に形成される。この工程では、窒化シリコン層からなる絶縁層308が形成される。絶縁層308は、窒化シリコン層に代えてまたはこれに加えて、酸化シリコン層を含んでいてもよい。絶縁層308は、CVD法によって形成されてもよい。
次に、図26Hを参照して、所定パターンを有するマスク425が、半導体積層構造321の上に形成される。マスク425は、絶縁層308においてリセス部405を形成すべき領域をそれぞれ露出させる複数の開口426を有している。次に、絶縁層308の不要な部分が、マスク425を介するエッチング法(たとえばドライエッチング法)によって除去される。これにより、絶縁層308にリセス部405が形成される。その後、マスク425は除去される。
次に、図26Iを参照して、所定パターンを有するマスク427が、半導体積層構造321の上に形成される。マスク427は、絶縁層308においてコンタクト孔404を形成すべき領域をそれぞれ露出させる複数の開口428を有している。次に、絶縁層308の不要な部分が、マスク427を介するエッチング法(たとえばウエットエッチング法)によって除去される。これにより、コンタクト孔404が、絶縁層308に形成される。その後、マスク427は除去される。
次に、図26Jを参照して、第1主面電極層309のベースとなる第1電極膜412および第2電極膜413を含む積層膜429が、半導体積層構造321の上に形成される。第1電極膜412は、チタンを含んでいてもよい。第2電極膜413は、金を含んでいてもよい。第1電極膜412および第2電極膜413は、蒸着法またはスパッタ法によってそれぞれ形成されてもよい。
次に、図26Kを参照して、所定パターンを有するマスク430が、積層膜429の上に形成される。マスク430は、積層膜429において外側電極層313および複数の内側電極層314を形成すべき領域を被覆し、それら以外の領域を露出させる開口431を有している。
次に、積層膜429の不要な部分が、マスク430を介するエッチング法(たとえばウエットエッチング法)によって除去される。これにより、外側電極層313および複数の内側電極層314が形成される。また、これにより、第1主面電極層309に、絶縁層308の頂部被覆部403を選択的に露出させるレリーフ開口411が形成される。その後、マスク430は除去される。
次に、図26Lを参照して、第3電極膜414が、積層膜429の上に形成される。第3電極膜414は、金を含んでいてもよい。第3電極膜414は、この工程では、リフトオフ法によって形成される。
この工程では、まず、所定パターンを有するマスク432が、積層膜429の上に形成される。マスク432は、積層膜429において外部端子311、配線312および厚膜部315を形成すべき領域をそれぞれ露出させる複数の開口433を有している。次に、第3電極膜414が、半導体積層構造321の上に形成される。第3電極膜414は、蒸着法によって形成されてもよい。この工程では、マスク432の上、および、積層膜429において複数の開口433から露出する部分の上に第3電極膜414が形成される。
次に、図26Mを参照して、マスク432が除去される。この工程では、第3電極膜414においてマスク432の上に形成された部分が、マスク432と同時に除去される。一方、第3電極膜414において複数の開口433内の部分が残存する。これにより、外部端子311および配線312が形成される。また、第1電極膜412、第2電極膜413および第3電極膜414を含む厚膜部315が形成される。また、第1電極膜412および第2電極膜413を含む薄膜部316が形成される。
次に、第2主面電極層415が、基板320の第2基板主面323の上に形成される。第2主面電極層415は、第1電極膜416、第2電極膜417および第3電極膜418を含む。第1電極膜416は、金ゲルマニウム合金を含んでいてもよい。第2電極膜417は、ニッケルを含んでいてもよい。第3電極膜418は、金を含んでいてもよい。
第1電極膜416、第2電極膜417および第3電極膜418は、蒸着法またはスパッタ法によってそれぞれ形成されてもよい。第2主面電極層415は、第1主面電極層309の形成工程に先立って形成されてもよい。以上を含む工程を経て、面発光レーザ装置301が製造される。
図27は、図22の対応図であって、本発明の第11実施形態に係る面発光レーザ装置441を示す断面図である。以下では、面発光レーザ装置301に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
面発光レーザ装置301に係る各厚膜部315は、断面視においてチップ本体302の第1主面303から離れる方向に向かって幅が狭まるテーパ部を含む。これに対して、図27を参照して、面発光レーザ装置441に係る各厚膜部315は、断面視においてチップ本体302の第1主面303から離れる方向に向かって幅が拡がるテーパ部を含む。
各厚膜部315のテーパ部は、第3電極膜414によって形成されている。各厚膜部315のテーパ部は、平面視において第1主面303に重なっていてもよい。各厚膜部315のテーパ部は、平面視においてトレンチ307(外周壁343)に重なっていてもよい。
図28A~図28Dは、図27の対応図であって、図27に示す面発光レーザ装置441の製造方法の一例を説明するための図である。
図28Aを参照して、前述の図26A~図26Kの工程を経て積層膜429がパターニングされた中間体が用意される。
次に、図28Bを参照して、所定パターンを有するマスク442が、積層膜429の上に形成される。マスク442は、積層膜429において外部端子311、配線312および厚膜部315を形成すべき領域をそれぞれ露出させる複数の開口443を有している。
次に、図28Cを参照して、第3電極膜414が、積層膜429において複数の開口433から露出する部分の上に形成される。第3電極膜414は、金めっき法によって形成されてもよい。金めっき法は、電解金めっき法であってもよいし、無電解金めっき法であってもよい。
次に、図28Dを参照して、マスク442が除去される。これにより、外部端子311および配線312が形成される。また、第1電極膜412、第2電極膜413および第3電極膜414を含む厚膜部315が形成される。また、第1電極膜412および第2電極膜413を含む薄膜部316が形成される。その後、第2主面電極層415が第2基板主面323の上に形成される。第2主面電極層415は、第1主面電極層309の形成工程に先立って形成されてもよい。以上を含む工程を経て、面発光レーザ装置441が製造される。
以上、面発光レーザ装置441によっても面発光レーザ装置301に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
図29は、本発明の第12実施形態に係る面発光レーザ装置451を示す平面図である。以下では、面発光レーザ装置301に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図29を参照して、面発光レーザ装置451は、外部端子311に加えて第2外部端子452を含む。第2外部端子452には、ボンディングワイヤ等の導線が外部接続される。第2外部端子452は、外部端子311から間隔を空けて第1主面電極層309の周縁部において形成されている。これにより、導線が発光部306の上を横切ることを防止できるから、第1主面303から光を適切に取り出すことができる。
第2外部端子452は、この形態では、チップ本体302の角部(第1側面305Aおよび第4側面305Dを接続する角部)に配置されている。第2外部端子452は、より具体的には、第1主面電極層309の周縁部においてチップ本体302の角部に沿う領域に配置されている。これにより、第2外部端子452は、第1側面305Aに沿って外部端子311に対向している。また、第2外部端子452は、第2方向Yに第1側面305Aに対向し、第1方向Xに第4側面305Dに対向している。
配線312は、第1主面電極層309の周縁に沿って帯状に延び、外部端子311および第2外部端子452に接続されている。つまり、第2外部端子452は、配線312を介して外部端子311と同電位に固定される。配線312は、この形態では、平面視において環状に形成され、全ての発光部306を一括して取り囲んでいる。
以上、面発光レーザ装置451によっても面発光レーザ装置301に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。面発光レーザ装置451は、面発光レーザ装置301の製造工程に使用される各種マスクのレイアウトを変更するだけで製造できる。
図30は、本発明の第13実施形態に係る面発光レーザ装置461を示す平面図である。以下では、面発光レーザ装置301に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図30を参照して、面発光レーザ装置461は、外部端子311に加えて第2外部端子462を含む。第2外部端子462には、ボンディングワイヤ等の導線が外部接続される。第2外部端子462は、外部端子311から間隔を空けて第1主面電極層309の周縁部において形成されている。これにより、導線が発光部306の上を横切ることを防止できるから、第1主面303から光を適切に取り出すことができる。
第2外部端子462は、この形態では、チップ本体302の角部(第3側面305Cおよび第4側面305Dを接続する角部)に配置されている。第2外部端子462は、より具体的には、第1主面電極層309の周縁部においてチップ本体302の角部に沿う領域に配置されている。これにより、第2外部端子462は、チップ本体302の対角方向に外部端子311に対向している。また、第2外部端子452は、第2方向Yに第3側面305Cに対向し、第1方向Xに第4側面305Dに対向している。
配線312は、第1主面電極層309の周縁に沿って帯状に延び、外部端子311および第2外部端子462に接続されている。つまり、第2外部端子462は、配線312を介して外部端子311と同電位に固定される。配線312は、この形態では、平面視において環状に形成され、全ての発光部306を一括して取り囲んでいる。
以上、面発光レーザ装置461によっても面発光レーザ装置301に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。面発光レーザ装置461は、面発光レーザ装置301の製造工程に使用される各種マスクのレイアウトを変更するだけで製造できる。
図31は、本発明の第14実施形態に係る面発光レーザ装置471を示す平面図である。以下では、面発光レーザ装置301に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図31を参照して、面発光レーザ装置471は、第1方向Xに関して第1主面303の一端部側(第2側面305B側)の領域に形成された外部端子311を含む。外部端子311は、この形態では、平面視において第2方向Yに沿って延びる長方形状に形成されている。外部端子311は、より具体的には、第1側面305Aおよび第2側面305Bを接続する角部から、第2側面305Bおよび第3側面305Cを接続する角部に向けて延びている。
配線312は、第1主面電極層309の周縁に沿って帯状に延び、外部端子311に接続されている。つまり、配線312は、平面視において外部端子311と一体となった環状に形成され、外部端子311と共に全ての発光部306を一括して取り囲んでいる。
以上、面発光レーザ装置471によっても面発光レーザ装置301に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。面発光レーザ装置471は、面発光レーザ装置301の製造工程に使用される各種マスクのレイアウトを変更するだけで製造できる。
図32は、本発明の第15実施形態に係る面発光レーザ装置481を示す平面図である。図33は、図32に示す領域XXXIIIの拡大図である。以下では、面発光レーザ装置301に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図32および図33を参照して、面発光レーザ装置481は、第1方向Xに関して第1主面303の一端部側(第2側面305B側)の領域に形成された外部端子311を含む。外部端子311は、この形態では、平面視において第2方向Yに沿って延びる長方形状に形成されている。外部端子311は、より具体的には、第1側面305Aおよび第2側面305Bを接続する角部から、第2側面305Bおよび第3側面305Cを接続する角部に向けて延びている。
配線312は、第1主面電極層309の周縁に沿って帯状に延び、外部端子311に接続されている。つまり、配線312は、平面視において外部端子311と一体となった環状に形成され、外部端子311と共に全ての発光部306を一括して取り囲んでいる。
複数の内側電極層314は、対応する発光部306および外側電極層313の間の領域において共通の方向にそれぞれ延びている。各内側電極層314は、この形態では、発光部306から第2側面305Bに向けて延びている。つまり、各内側電極層314は、外部端子311に向けて延びている。
以上、面発光レーザ装置481によっても面発光レーザ装置301に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。面発光レーザ装置481は、面発光レーザ装置301の製造工程に使用される各種マスクのレイアウトを変更するだけで製造できる。
図34は、本発明の第16実施形態に係る面発光レーザ装置491を示す平面図であって、第1主面電極層309の第1形態例を示す平面図である。図35は、図34に示す領域XXXVの拡大図である。以下では、面発光レーザ装置301に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
面発光レーザ装置301は、1対1対応の関係で複数のトレンチ307によって区画された複数の発光部306を含む。これに対して、図34および図35を参照して、面発光レーザ装置491は、1つのトレンチ307によって一括して区画された複数の発光部306を含む。
面発光レーザ装置491は、より具体的には、第1主面303に形成された複数(この形態では8個)の発光部群492を含む。複数の発光部群492は、第1方向Xに沿って一列に間隔を空けて配列された複数の発光部306をそれぞれ含み、第2方向Yに間隔を空けて形成されている。
各発光部群492は、チップ本体302の第1方向Xに沿って延びる1つの帯状のトレンチ307によって区画されている。各発光部群492は、必ずしも1つのトレンチ307によって区画されている必要はない。各発光部群492は、2つ以上のトレンチ307によって区画されていてもよい。
外側電極層313は、この形態では、複数の厚膜部315を含む。複数の厚膜部315は、第2方向Yに関して、外側電極層313において各トレンチ307の両端部側の領域にそれぞれ形成されている。つまり、複数の厚膜部315は、外側電極層313において各トレンチ307の第1側面305A側の領域および第3側面305C側の領域にそれぞれ形成されている。
複数の厚膜部315は、隣り合う2つのトレンチ307の間の領域において第1方向X(トレンチ307)に沿って間隔を空けて形成されている。複数の厚膜部315の配列形態は任意である。複数の厚膜部315は、この形態では、隣り合う2つのトレンチ307の間の領域において、一方側(第1側面305A側)のトレンチ307内に形成された発光部306にそれぞれ対向している。つまり、複数の薄膜部316は、隣り合う2つのトレンチ307の間の領域において、他方側(第3側面305C側)のトレンチ307内に形成された発光部306に対向している。
複数の内側電極層314は、対応する発光部306および外側電極層313の間の領域において共通の方向にそれぞれ延びている。各内側電極層314は、この形態では、対応する発光部306から第1側面305Aに向けて延びている。第1側面305Aは、側面305A~305Dのうちの外部端子311に沿う側面である。各内側電極層314は、この形態では、各薄膜部316に接続されている。
複数の厚膜部315および複数の薄膜部316の配列が入れ換えられてもよい。つまり、複数の厚膜部315は、隣り合う2つのトレンチ307の間の領域において、他方側(第3側面305C側)のトレンチ307内に形成された発光部306に対向してもよい。また、複数の薄膜部316は、隣り合う2つのトレンチ307の間の領域において、一方側(第1側面305A側)のトレンチ307内に形成された発光部306に対向してもよい。この場合、各内側電極層314は、各厚膜部315に接続されてもよい。
図36は、図35の対応図であって、第1主面電極層309の第2形態例を示す拡大図である。以下では、図34および図35において述べた構造に対応する構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
図36を参照して、各厚膜部315は、隣り合う2つのトレンチ307の間の領域において、平面視において第1方向X(トレンチ307)に沿って延びる帯状に形成されていてもよい。各厚膜部315は、各トレンチ307から間隔を空けて形成されていてもよい。
隣り合う2つのトレンチ307の間の領域には、2つの薄膜部316が形成されていてもよい。2つの薄膜部316は、隣り合う2つのトレンチ307の間の領域において厚膜部315を挟み込んでいる。一方側(第1側面305A側)の薄膜部316は、平面視において第1方向X(トレンチ307)に沿って延びる帯状に形成されている。他方側(第3側面305C側)の薄膜部316は、平面視において第1方向X(トレンチ307)に沿って延びる帯状に形成されている。
以上、面発光レーザ装置491によっても面発光レーザ装置301に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。面発光レーザ装置491は、面発光レーザ装置301の製造工程に使用される各種マスクのレイアウトを変更するだけで製造できる。
図37は、本発明の第17実施形態に係る面発光レーザ装置501を示す平面図である。図38は、図37に示す領域XXXVIIIの拡大図である。以下では、面発光レーザ装置301に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図37および図38を参照して、面発光レーザ装置501は、対応するトレンチ307の内壁の全域をそれぞれ被覆する複数の内側電極層314を含む。面発光レーザ装置501の他の構造は、面発光レーザ装置301の構造と同様である。
以上、面発光レーザ装置501によれば、内側電極層314による効果以外については、面発光レーザ装置301に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。面発光レーザ装置501は、面発光レーザ装置301の製造工程に使用される各種マスクのレイアウトを変更するだけで製造できる。
図39は、本発明の第18実施形態に係る面発光レーザ装置511を示す平面図である。図40は、図39に示す領域XLの拡大図である。以下では、面発光レーザ装置301に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図39および図40を参照して、面発光レーザ装置511は、厚膜部315を有さない外側電極層313を含む。つまり、第1主面電極層309は、薄膜部316からなる。薄膜部316は、第1電極膜412および第2電極膜413を含む。面発光レーザ装置511の他の構造は、面発光レーザ装置301の構造と同様である。
以上、面発光レーザ装置511によれば、厚膜部315による効果以外については、面発光レーザ装置301に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。面発光レーザ装置511は、面発光レーザ装置301の製造工程に使用される各種マスクのレイアウトを変更するだけで製造できる。
図41は、本発明の第19実施形態に係る面発光レーザ装置601を示す平面図である。図42は、図41に示す領域XLIIの拡大図である。図43は、図41に示すXLIII-XLIII線に沿う断面図である。図44は、図41に示すXLIV-XLIV線に沿う断面図である。図45は、図43に示す領域XLVの拡大図である。図46は、図45に示す領域XLVIの拡大図である。図47は、図45に示す領域XLVIIの拡大図である。図48は、図45に示す領域XLVIIIの拡大図である。
図41~図48を参照して、面発光レーザ装置601は、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)と称される半導体レーザ装置である。面発光レーザ装置601は、直方体形状のチップ本体602を含む。
チップ本体602は、一方側の第1主面603、他方側の第2主面604、ならびに、第1主面603および第2主面604を接続する側面605A,605B,605C,605Dを含む。第1主面603および第2主面604は、それらの法線方向Zから見た平面視(以下、単に「平面視」という。)において四角形状(この形態では長方形状)に形成されている。
側面605A~605Dは、より具体的には、第1側面605A、第2側面605B、第3側面605Cおよび第4側面605Dを含む。第1側面605Aおよび第3側面605Cは、第1方向Xに沿って延び、第1方向Xに交差する第2方向Yに対向している。第2方向Yは、より具体的には、第1方向Xに直交している。第1側面605Aおよび第3側面605Cは、チップ本体602の長辺を形成している。第2側面605Bおよび第4側面605Dは、第2方向Yに沿って延び、第1方向Xに対向している。第2側面605Bおよび第4側面605Dは、チップ本体602の短辺を形成している。側面605A~605Dは、法線方向Zに沿って平面的に延びている。
平面視において第1側面605A(第3側面605C)の幅W1は、200μm以上2000μm以下であってもよい。幅W1は、200μm以上400μm以下、400μm以上600μm以下、600μm以上800μm以下、800μm以上1000μm以下、1000μm以上1200μm以下、1200μm以上1400μm以下、1400μm以上1600μm以下、1600μm以上1800μm以下、または、1800μm以上2000μm以下であってもよい。幅W1は、500μm±5μmであってもよい。
平面視において第2側面605B(第4側面605D)の幅W2は、200μm以上1000μm以下であってもよい。幅W2は、200μm以上300μm以下、300μm以上400μm以下、400μm以上500μm以下、500μm以上600μm以下、600μm以上700μm以下、700μm以上800μm以下、800μm以上900μm以下、または、900μm以上1000μm以下であってもよい。幅W2は、340μm±5μmであってもよい。
図41および図42を参照して、面発光レーザ装置601は、第1主面603に形成され、法線方向Zに向けてレーザ光を放出する発光部606(半導体発光層)を含む。この形態では、複数の発光部606が、平面視において第1方向Xおよび第2方向Yに間隔を空けて形成されている。複数の発光部606は、規則的に配列されていてもよいし、不規則に配列されていてもよい。複数の発光部606は、平面視において千鳥状、行列状または放射状(同心円状)に配列されていることが好ましい。
複数の発光部606は、この形態では、平面視において互いに間隔を空けて千鳥状に配列されている。つまり、複数の発光部606は、平面視において三角形(この形態では正三角形)の3つの頂点に1つの発光部606がそれぞれ位置する態様で配列されている。複数の発光部606は、より具体的に、平面視において六角形(この形態では正六角形)の6つの頂点に1つの発光部606がそれぞれ位置する態様で配列されている。
複数の発光部606は、さらに具体的には、平面視において六角形(この形態では正六角形)の6つの頂点に1つの発光部606がそれぞれ位置し、かつ、六角形の中央部に1つの発光部606が位置する態様で配列されている。
複数の発光部606は、この形態では、平面視において円形状にそれぞれ形成されている。発光部606の平面形状は任意である。発光部606は、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。
複数の発光部606は、トレンチ607(溝)によってそれぞれ区画されている。トレンチ607は、第1主面603を第2主面604に向けて掘り下げることによって形成されている。トレンチ607は、平面視において発光部606を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。発光部606およびトレンチ607の具体的な構造は、後述される。
隣り合う2つの発光部606の最短距離L1は、10μm以上150μm以下であってもよい。最短距離L1は、最近接する2つの発光部606の間の距離である。最短距離L1は、10μm以上25μm以下、25μm以上50μm以下、50μm以上75μm以下、75μm以上100μm以下、100μm以上125μm以下、または、125μm以上150μm以下であってもよい。
複数の発光部606の第1最遠距離L2は、第1側面605A(第3側面605C)の幅W1に応じて設定される。第1最遠距離L2は、第1方向Xの両端部に位置する最も離れた2つの発光部606の間の距離である。
第1最遠距離L2は、200μm以上2000μm以下であってもよい。第1最遠距離L2は、200μm以上400μm以下、400μm以上600μm以下、600μm以上800μm以下、800μm以上1000μm以下、1000μm以上1200μm以下、1200μm以上1400μm以下、1400μm以上1600μm以下、1600μm以上1800μm以下、または、1800μm以上2000μm以下であってもよい。
複数の発光部606の第2最遠距離L3は、第2側面605B(第4側面605D)の幅W2に応じて設定される。第2最遠距離L3は、第2方向Yの両端部に位置する最も離れた2つの発光部606の間の距離である。
第2最遠距離L3は、200μm以上1000μm以下であってもよい。第2最遠距離L3は、200μm以上300μm以下、300μm以上400μm以下、400μm以上500μm以下、500μm以上600μm以下、600μm以上700μm以下、700μm以上800μm以下、800μm以上900μm以下、または、900μm以上1000μm以下であってもよい。
図41~図44を参照して、面発光レーザ装置601は、第1主面603の上に形成された絶縁層608を含む。絶縁層608は、複数の発光部606を一括して被覆している。絶縁層608は、第1主面603の上から各トレンチ607に入り込んでいる。絶縁層608は、各トレンチ607内において発光部606を被覆している。
絶縁層608は、側面605A~605Dから内方に間隔を空けて形成され、第1主面603の周縁部を露出させている。絶縁層608の周縁は、側面605A~605Dとの間でダイシングストリートDSを区画している。ダイシングストリートDSは、第1主面603の周縁部(側面605A~605D)に沿って帯状に延びている。ダイシングストリートDSは、平面視において絶縁層608を取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成されている。
ダイシングストリートDSの幅WDは、1μm以上25μm以下であってもよい。幅WDは、1μm以上5μm以下、5μm以上10μm以下、10μm以上15μm以下、15μm以上20μm以下、または、20μm以上25μm以下であってもよい。幅WDは、平面視においてダイシングストリートDSが延びる方向に直交する方向の幅である。
ダイシングストリートDSの幅WDは、1μm以上25μm以下であってもよい。幅WDは、1μm以上5μm以下、5μm以上10μm以下、10μm以上15μm以下、15μm以上20μm以下、または、20μm以上25μm以下であってもよい。幅WDは、平面視においてダイシングストリートDSが延びる方向に直交する方向の幅である。
面発光レーザ装置601は、第1主面603の上に形成され、発光部606に電気的に接続された第1主面電極層609を含む。第1主面電極層609は、より具体的には、絶縁層608の上に形成されている。第1主面電極層609は、複数の発光部606を一括して被覆している。第1主面電極層609は、絶縁層608の上から各トレンチ607に入り込んでいる。第1主面電極層609は、各トレンチ607内において各発光部606に電気的に接続されている。
第1主面電極層609は、側面605A~605Dから内方に間隔を空けて形成され、第1主面603の周縁部を露出させている。第1主面電極層609は、さらに、絶縁層608の周縁から内方に間隔を空けて形成され、絶縁層608の周縁部を露出させている。このような構造によれば、第1主面電極層609を物理的に切断しなくて済む。これにより、第1主面電極層609の切断に起因するチップ本体602や第1主面電極層609等のクラックを抑制できる。また、ダイシングブレード等の摩耗を抑制できると同時に切断時間を短縮できる。
面発光レーザ装置601は、第1主面電極層609の上に形成された外部端子611を含む。図41では、外部端子611がハッチングによって示されている。外部端子611には、ボンディングワイヤ等の導線が外部接続される。外部端子611は、第1主面電極層609の周縁部に配置されている。外部端子611は、この形態では、第1主面電極層609の周縁部において第1側面605Aに沿う領域に配置されている。これにより、導線が発光部606の上を横切ることを防止できるから、第1主面603から光を適切に取り出すことができる。
図43~図45を参照して、チップ本体602は、基板620、および、基板620の上に積層された半導体積層構造621(半導体層)を含む。第1主面603は、半導体積層構造621によって形成されている。第2主面604は、基板620によって形成されている。側面605A~605Dは、基板620および半導体積層構造621によって形成されている。
基板620は、化合物半導体材料を含む。基板620は、より具体的には、正方晶を形成する化合物半導体材料の単結晶を含む。化合物半導体材料は、III-V族半導体材料であってもよい。基板620は、この形態では、n型不純物を含むGaAs単結晶からなる。基板620のn型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。基板620のn型不純物は、シリコンであってもよい。
基板620は、一方側の第1基板主面622および他方側の第2基板主面623を含む。第2基板主面623は、第2主面604を形成している。第1基板主面622は、GaAs単結晶の(100)面に面している。第1基板主面622は、GaAs単結晶の(100)面に対して0°以上5°以下の角度で傾斜したオフ角を有している。オフ角が0°の場合、第1基板主面622はGaAs単結晶の(100)面によって形成される。オフ角は、典型的には2°(より具体的には2°±0.2°の範囲)に設定される。
基板620の厚さTSは、50μm以上300μm以下であってもよい。厚さTSは、50μm以上100μm以下、100μm以上150μm以下、150μm以上200μm、200μm以上250μm以下、または、250μm以上300μm以下であってもよい。
半導体積層構造621は、第1基板主面622の上に化合物半導体(より具体的には、III-V族半導体)を結晶成長させることにより形成されている。半導体積層構造621は、第1基板主面622と同じ結晶面を有する複数の化合物半導体層を含む積層構造を有している。
半導体積層構造621は、より具体的には、第1基板主面622側からこの順に積層されたn型半導体層624、活性層625およびp型半導体層626を含む。n型半導体層624、活性層625およびp型半導体層626は、ダブルヘテロ構造を形成している。n型半導体層624は、活性層625に電子を供給する。p型半導体層626は、活性層625に正孔を供給する。活性層625は、電子および正孔の再結合によって光を生成する。
活性層625において赤外光が生成されてもよい。活性層625は、800nm以上1000nm以下の範囲に発光波長を有する光を生成してもよい。活性層625の発光波長は、900nm以上950nm以下であってもよい。
n型半導体層624は、第1基板主面622側からこの順に積層されたn型バッファ層627、n型光反射層628およびn型クラッド層629を含む。n型バッファ層627は、この形態では、n型のGaAsを含む。n型バッファ層627のn型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。n型バッファ層627のn型不純物は、シリコンであってもよい。
n型バッファ層627の厚さは、0.05μm以上0.2μm以下であってもよい。n型バッファ層627の厚さは、0.05μm以上0.1μm以下、0.1μm以上0.15μm以下、または、0.15μm以上0.2μm以下であってもよい。
n型光反射層628は、この形態では、n型DBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ反射)層を含む。n型DBR層は、法線方向Zに沿って周期的に変化する屈折率を有し、特定の波長成分を共振反射させる。特定の波長成分は、活性層625で生成された光の波長成分である。
n型光反射層628は、Al(アルミニウム)組成を含む複数のAl組成層が積層された積層構造を有している。複数のAl組成層は、互いに異なる屈折率をそれぞれ有している。n型光反射層628は、この形態では、Al組成αを有するn型高Al組成層630、および、Al組成α未満のAl組成β(β<α)を有するn型低Al組成層631が任意の周期で交互に積層された積層構造を有している。n型低Al組成層631の屈折率は、n型高Al組成層630の屈折率よりも大きい。
n型高Al組成層630およびn型低Al組成層631は、1以上60以下の周期で交互に積層されていてもよい。n型高Al組成層630およびn型低Al組成層631の積層周期は、1以上10以下、10以上20以下、20以上30以下、30以上40以下、40以上50以下、または、50以上60以下であってもよい。
n型高Al組成層630は、n型のAlαGa(1-α)Asを含んでいてもよい。n型高Al組成層630のn型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。n型高Al組成層630のn型不純物は、シリコンであってもよい。
Al組成αは、0.5以上0.95以下であってもよい。Al組成αは、0.5以上0.55以下、0.55以上0.6以下、0.6以上0.65以下、0.65以上0.7以下、0.7以上0.75以下、0.75以上0.8以下、0.8以上0.85以下、0.85以上0.9以下、または、0.9以上0.95以下であってもよい。
n型低Al組成層631は、n型のAlβGa(1-β)Asを含んでいてもよい。n型低Al組成層631のn型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。n型低Al組成層631のn型不純物は、シリコンであってもよい。
Al組成βは、0.05以上0.25以下であってもよい。Al組成βは、0.05以上0.1以下、0.1以上0.15以下、0.15以上0.2以下、または、0.2以上0.25以下であってもよい。
n型高Al組成層630の厚さは、λ/(4×n1)Åであってもよい。n型低Al組成層631の厚さは、λ/(4×n2)Åであってもよい。λは、活性層625で生成される光の波長である。n1は、n型高Al組成層630の屈折率である。n2は、n型低Al組成層631の屈折率である。
n型高Al組成層630の厚さは、500Å以上900Å以下であってもよい。n型高Al組成層630の厚さは、500Å以上600Å以下、600Å以上700Å以下、700Å以上800Å以下、または、800Å以上900Å以下であってもよい。
n型低Al組成層631の厚さは、400Å以上800Å以下であってもよい。n型低Al組成層631の厚さは、400Å以上500Å以下、500Å以上600Å以下、600Å以上700Å以下、または、700Å以上800Å以下であってもよい。n型低Al組成層631の厚さは、n型高Al組成層630の厚さ以下であってもよい。n型低Al組成層631の厚さは、n型高Al組成層630の厚さ未満であってもよい。
n型クラッド層629は、この形態では、n型のAlγGa(1-γ)Asを含む。n型クラッド層629のn型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。n型クラッド層629のn型不純物は、シリコンであってもよい。n型クラッド層629は、不純物無添加(アンドープ)であってもよい。
n型クラッド層629のAl組成γは、n型低Al組成層631のAl組成βを超えて、n型高Al組成層630のAl組成α未満(β<γ<α)であってもよい。n型クラッド層629のAl組成γは、0.2以上0.7以下であってもよい。
Al組成γは、0.2以上0.25以下、0.25以上0.3以下、0.3以上0.35以下、0.35以上0.4以下、0.4以上0.45以下、0.45以上0.5以下、0.5以上0.55以下、0.55以上0.6以下、0.6以上0.65以下、または、0.65以上0.7以下であってもよい。
n型クラッド層629の厚さは、0.05μm以上0.5μm以下であってもよい。n型クラッド層629の厚さは、0.05μm以上0.1μm以下、0.1μm以上0.2μm以下、0.2μm以上0.3μm以下、0.3μm以上0.4μm以下、または、0.4μm以上0.5μm以下であってもよい。
活性層625は、量子井戸層および障壁層を含むQW(Quantum Well:量子井戸構造)を有していてもよい。活性層625は、この形態では、量子井戸層および障壁層が任意の周期で交互に積層されたMQW(Multi Quantum Well:多重量子井戸)構造を有している。量子井戸層および障壁層は、1以上50以下の周期で交互に積層されていてもよい。量子井戸層および障壁層の積層周期は、1以上10以下、10以上20以下、20以上30以下、30以上40以下、または、40以上50以下であってもよい。
量子井戸層は、GaAsを含んでいてもよい。量子井戸層は、不純物無添加であってもよい。量子井戸層の厚さは、10Å以上200Å以下であってもよい。量子井戸層の厚さは、10Å以上50Å以下、50Å以上100Å以下、100Å以上150Å以下、または、150Å以上200Å以下であってもよい。
障壁層は、量子井戸層のバンドギャップよりも大きいバンドギャップを有している。障壁層は、AlδGa(1-δ)Asを含んでいてもよい。Al組成δは、0.15以上0.5以下であってもよい。Al組成δは、0.15以上0.2以下、0.2以上0.25以下、0.25以上0.3以下、0.3以上0.35以下、0.35以上0.4以下、0.4以上0.45以下、または、0.45以上0.5以下であってもよい。
障壁層の厚さは、10Å以上200Å以下であってもよい。障壁層の厚さは、10Å以上50Å以下、50Å以上100Å以下、100Å以上150Å以下、または、150Å以上200Å以下であってもよい。
活性層625の総厚さTAは200Å以上1600Å以下であってもよい。総厚さTAは、200Å以上400Å以下、400Å以上600Å以下、600Å以上800Å以下、800Å以上1000Å以下、1000Å以上1200Å以下、1200Å以上1400Å以下、または、1400Å以上1600Å以下であってもよい。
活性層625の最下層および最上層は、障壁層によってそれぞれ形成されていてもよい。活性層625の最下層および最上層を形成する2つ障壁層の厚さは、活性層625において中間層を形成する1つまたは複数の障壁層の厚さを超えていてもよい。
p型半導体層626は、活性層625側からこの順に積層されたp型クラッド層632、p型光反射層633およびp型コンタクト層634を含む。p型クラッド層632は、この形態では、p型のAlεGa(1-ε)Asを含む。p型クラッド層632のp型不純物濃度は、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。p型クラッド層632のp型不純物は、炭素であってもよい。
Al組成εは、0.2以上0.7以下であってもよい。Al組成εは、0.2以上0.25以下、0.25以上0.3以下、0.3以上0.35以下、0.35以上0.4以下、0.4以上0.45以下、0.5以上0.55以下、0.55以上0.6以下、0.6以上0.65以下、または、0.65以上0.7以下であってもよい。
p型クラッド層632の厚さは、0.05μm以上0.5μm以下であってもよい。p型クラッド層632の厚さは、0.05μm以上0.1μm以下、0.1μm以上0.2μm以下、0.2μm以上0.3μm以下、0.3μm以上0.4μm以下、または、0.4μm以上0.5μm以下であってもよい。
p型光反射層633は、この形態では、p型DBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ反射)層を含む。p型DBR層は、法線方向Zに周期的に変化する屈折率を有し、特定の波長成分を共振反射させる。特定の波長成分は、活性層625で生成された光の波長成分である。
p型光反射層633は、Al(アルミニウム)組成を含む複数のAl組成層が積層された積層構造を有している。複数のAl組成層は、互いに異なる屈折率をそれぞれ有している。p型光反射層633は、この形態では、Al組成ζを有するp型高Al組成層635、および、Al組成ζ未満のAl組成η(η<ζ)を有するp型低Al組成層636が任意の周期で交互に積層された積層構造を有している。p型低Al組成層636の屈折率は、p型高Al組成層635の屈折率よりも大きい。
p型高Al組成層635およびp型低Al組成層636は、1以上60以下の周期で交互に積層されていてもよい。p型高Al組成層635およびp型低Al組成層636の積層周期は、1以上10以下、10以上20以下、20以上30以下、30以上40以下、40以上50以下、または、50以上60以下であってもよい。
p型高Al組成層635は、p型のAlζGa(1-ζ)Asを含んでいてもよい。p型高Al組成層635のp型不純物濃度は、1×1018cm-3以上1×1019cm-3以下であってもよい。p型高Al組成層635のp型不純物は、炭素であってもよい。
Al組成ζは、p型クラッド層632のAl組成εを超えていてもよい(ε<ζ)。Al組成ζは、0.5以上0.95以下であってもよい。Al組成ζは、0.5以上0.55以下、0.55以上0.6以下、0.6以上0.65以下、0.65以上0.7以下、0.7以上0.75以下、0.75以上0.8以下、0.8以上0.85以下、0.85以上0.9以下、または、0.9以上0.95以下であってもよい。
p型低Al組成層636は、p型のAlηGa(1-η)Asを含んでいてもよい。p型低Al組成層636のp型不純物濃度は、1×1018cm-3以上1×1019cm-3以下であってもよい。p型低Al組成層636のp型不純物は、炭素であってもよい。
Al組成ηは、p型クラッド層632のAl組成ε未満(η<ε<ζ)であってもよい。Al組成ηは、0.05以上0.25以下であってもよい。Al組成ηは、0.05以上0.1以下、0.1以上0.15以下、0.15以上0.2以下、または、0.2以上0.25以下であってもよい。
p型高Al組成層635の厚さは、λ/(4×n3)Åであってもよい。p型低Al組成層636の厚さは、λ/(4×n4)Åであってもよい。λは、活性層625で生成される光の波長である。n3は、p型高Al組成層635の屈折率である。n4は、p型低Al組成層636の屈折率である。
p型高Al組成層635の厚さは、500Å以上900Å以下であってもよい。p型高Al組成層635の厚さは、500Å以上600Å以下、600Å以上700Å以下、700Å以上800Å以下、または、800Å以上900Å以下であってもよい。
p型低Al組成層636の厚さは、400Å以上800Å以下であってもよい。p型低Al組成層636の厚さは、400Å以上500Å以下、500Å以上600Å以下、600Å以上700Å以下、または、700Å以上800Å以下であってもよい。p型低Al組成層636の厚さは、p型高Al組成層635の厚さ以下であってもよい。p型低Al組成層636の厚さは、p型高Al組成層635の厚さ未満であってもよい。
p型コンタクト層634は、チップ本体602の第1主面603を形成している。p型コンタクト層634は、この形態では、p型のGaAsを含む。p型コンタクト層634のp型不純物濃度は、p型光反射層633のp型不純物濃度を超えていることが好ましい。p型コンタクト層634のp型不純物濃度は、1×1019cm-3以上1×1020cm-3以下であってもよい。p型コンタクト層634のp型不純物は、炭素であってもよい。
p型コンタクト層634の厚さは、0.02μm以上0.2μm以下であってもよい。p型コンタクト層634の厚さは、0.02μm以上0.05μm以下、0.05μm以上0.1μm以下、0.1μm以上0.15μm以下、または、0.15μm以上0.2μm以下であってもよい。
図43~図45を参照して、複数の発光部606は、半導体積層構造621に形成されている。各発光部606は、トレンチ607によって区画された台地状のメサ構造641を有している。トレンチ607は、半導体積層構造621の主面(チップ本体602の第1主面603)に形成されている。トレンチ607は、p型コンタクト層634、p型光反射層633および活性層625を貫通し、n型半導体層624を露出させている。トレンチ607は、n型半導体層624においてn型クラッド層629を貫通し、n型光反射層628を露出させている。
トレンチ607は、平面視において発光部606を取り囲む環状に形成されている。トレンチ607は、この形態では、断面視において第1主面603側の開口面積が底壁側の開口面積よりも大きい先細り形状(テーパ形状)に形成されている。
トレンチ607は、内周壁642、外周壁643、ならびに、内周壁642および外周壁643を接続する底壁644を有している。内周壁642および外周壁643は、n型半導体層624の一部およびp型半導体層626を露出させている。n型半導体層624の一部は、n型光反射層628の一部およびn型クラッド層629である。底壁644は、n型光反射層628を露出させている。
内周壁642は、メサ構造641(発光部606)を区画している。つまり、内周壁642は、この形態では、平面視において円形状に形成されている。内周壁642の平面形状は任意であり、メサ構造641(発光部606)の平面形状に応じて調整される。内周壁642は、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。
外周壁643は、内周壁642から間隔を空けて内周壁642(発光部606)を取り囲んでいる。外周壁643は、この形態では、平面視において円形状に形成されている。外周壁643の平面形状は任意である。外周壁643は、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。
底壁644は、第1主面603に対して平行に形成されていてもよい。底壁644は、平面視において発光部606(メサ構造641)を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。底壁644の平面形状は、内周壁642の平面形状および外周壁643の平面形状に応じて、三角環状、四角環状もしくは六角環状等の多角環状、または、楕円環状に形成されていてもよい。
各メサ構造641は、頂部645、基部646、ならびに、頂部645および基部646を接続する側壁647を含む。頂部645は、第1主面603に対して平行に延びている。頂部645は、この形態では、第1主面603の一部によって形成されている。つまり、頂部645は、p型半導体層626によって形成されている。頂部645は、より具体的には、p型コンタクト層634によって形成されている。
頂部645は、トレンチ607の内周壁642によって区画されている。頂部645は、平面視において円形状に形成されている。頂部645の平面形状は任意である。頂部645は、内周壁642の平面形状に応じて、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。
頂部645の幅WMは、10μm以上40μm以下であってもよい。幅WMは、10μm以上15μm以下、15μm以上20μm以下、20μm以上25μm以下、25μm以上30μm以下、30μm以上35μm以下、または、35μm以上40μm以下であってもよい。
基部646は、n型半導体層624によって形成されている。基部646は、この形態では、n型光反射層628によって形成されている。基部646は、トレンチ607の内周壁642によって区画されている。基部646は、トレンチ607の底壁644およびメサ構造641の側壁647を接続する接続部である。
基部646は、平面視において円形状に形成されている。基部646の平面形状は任意である。基部646は、頂部645の平面形状に応じて、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。基部646の平面積は、頂部645の平面積を超えている。
側壁647は、トレンチ607の内周壁642によって形成されている。側壁647は、頂部645から基部646に向けて下り傾斜している。これにより、各メサ構造641は、錐台形状に形成されている。各メサ構造641は、この形態では、円錐台形状に形成されている。各メサ構造641は、頂部645および基部646の平面形状に応じて、三角錐台形状、四角錐台形状もしくは六角錐台形状等の多角錐台形状、または、楕円錐台形状に形成されていてもよい。
側壁647が頂部645との間で成す角度θM(絶対値)は、90°以上170°以下であってもよい。角度θMは、断面視において頂部645の周縁点および基部646の周縁点を結ぶラインが、メサ構造641内において頂部645との間で成す角度である。
角度θMは、90°以上100°以下、100°以上110°以下、110°以上120°以下、120°以上130°以下、130°以上140°以下、140°以上150°以下、150°以上160°以下、または、160°以上170°以下であってもよい。
メサ構造641の厚さTMは、1μm以上10μm以下であってもよい。厚さTMは、1μm以上2μm以下、2μm以上4μm以下、4μm以上6μm以下、6μm以上8μm以下、または、8μm以上10μm以下であってもよい。厚さTMは、頂部645および基部646の間の法線方向Zに沿う距離である。
図43~図45を参照して、面発光レーザ装置601は、各メサ構造641に係るp型半導体層626において頂部645および活性層625の間の任意の領域に介在された電流狭窄層651を含む。電流狭窄層651は、活性層625に供給される電流を狭窄する。
電流狭窄層651は、活性層625およびp型光反射層633の間の領域に介在されていることが好ましい。電流狭窄層651は、この形態では、p型クラッド層632およびp型光反射層633の間の領域に介在されている。電流狭窄層651は、メサ構造641の側壁647から露出している。
電流狭窄層651は、p型クラッド層632の内部に介在されていてもよい。この場合、電流狭窄層651は、複数(たとえば2つ)のp型クラッド層632の間の領域に介在されていてもよい。つまり、電流狭窄層651およびp型光反射層633の間の領域に別のp型クラッド層632が形成されていてもよい。別のp型クラッド層632の構造は、活性層625および電流狭窄層651の間の領域に形成されたp型クラッド層632と同様であるので、具体的に説明は省略する。
電流狭窄層651の厚さTCは、0.01μm以上0.1μm以下であってもよい。厚さTCは、0.01μm以上0.02μm以下、0.02μm以上0.04μm以下、0.04μm以上0.06μm以下、0.06μm以上0.08μm以下、または、0.08μm以上0.1μm以下であってもよい。
電流狭窄層651は、p型電流通過層652および電流狭窄絶縁層653を含む。p型電流通過層652は、メサ構造641の内方領域に形成されている。p型電流通過層652は、より具体的には、平面視においてメサ構造641の中央部に形成されている。p型電流通過層652は、この形態では、p型のAlσGa(1-σ)Asを含む。p型電流通過層652のp型不純物濃度は、1×1018cm-3以上1×1020cm-3以下であってもよい。p型電流通過層652のp型不純物は、炭素であってもよい。
Al組成σは、p型クラッド層632のAl組成εを超えている(ε<σ)。Al組成σは、p型光反射層633のp型高Al組成層635のAl組成ζを超えている(ζ<σ)。Al組成σは、0.9以上1.0以下であってもよい。Al組成σは、0.9以上0.95以下、または、0.95以上1.0以下であってもよい。Al組成σは、1.0未満であってもよい。
平面視におけるp型電流通過層652の最大幅TPは、1μm以上15μm以下であってもよい。最大幅TPは、1μm以上3μm以下、3μm以上5μm以下、5μm以上7μm以下、7μm以上9μm以下、9μm以上11μm以下、11μm以上13μm以下、または、13μm以上15μm以下であってもよい。
電流狭窄絶縁層653は、p型電流通過層652に対してメサ構造641の側壁647側に形成されている。電流狭窄絶縁層653は、平面視においてp型電流通過層652を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
電流狭窄絶縁層653は、Al(アルミニウム)を含むAl酸化物層によって形成されている。電流狭窄絶縁層653は、より具体的には、p型電流通過層652の一部をメサ構造641の側壁647側から酸化させることによって形成されている。つまり、電流狭窄絶縁層653は、Al酸化物中にGa(ガリウム)およびAs(砒素)を含む。
各メサ構造641は、外部端子611から半導体積層構造621に供給される電流を狭窄する。したがって、メサ構造641の内部においてn型半導体層624、活性層625およびp型半導体層626には比較的高い電流密度を有する電流が流れる。これにより、活性層625において生成される光の発光効率が高められている。
メサ構造641の電流密度は、メサ構造641のサイズに反比例する。つまり、メサ構造641のサイズが小さい程、電流狭窄効果が高まるので、メサ構造641の電流密度は増加する。一方、メサ構造641のサイズが大きい程、電流狭窄効果が低減するので、メサ構造641の電流密度は減少する。
各メサ構造641の内部を流れる電流は、さらに、電流狭窄絶縁層653を迂回してp型電流通過層652に流れ込む。これにより、p型電流通過層652を介して活性層625に供給される電流の密度が高められる。活性層625において法線方向Zにp型電流通過層652に対向する領域が、発光領域654となる。
各活性層625において生成された光は、メサ構造641内においてn型光反射層628およびp型光反射層633の間を法線方向Zに沿って往復しながら、共振によって増幅される。増幅された光は、各メサ構造641の頂部645からレーザ光として取り出される。
トレンチ607の外周壁643から露出するメサ構造641外の半導体積層構造621にも電流狭窄層651に対応した層が形成されている。メサ構造641外の電流狭窄層651に対応した層は、電流狭窄の機能を生じさせない点を除いて、メサ構造641内の電流狭窄層651と略同様の構造を有している。
メサ構造641外の電流狭窄層651に対応した層については、電流狭窄の機能を生じさせない点を除いて、電流狭窄層651の説明が準用される。メサ構造641外の電流狭窄層651に対応した層については、電流狭窄層651と同一符号を付して説明を省略する。
図45~図47を参照して、各メサ構造641の側壁647は、凹凸構造(Uneven Structure)661を含む。凹凸構造661は、頂部645の接線方向に隆起した凹凸を含む。接線方向は、メサ構造641の頂部645に平行な方向であり、第1方向Xおよび第2方向Yを含む。凹凸構造661の凹凸は、頂部645の法線方向Zに沿って連続的に形成されている。
凹凸構造661は、メサ構造641の基部646側の基部側領域662、および、メサ構造641の頂部645側の頂部側領域663を含む。基部側領域662は、n型半導体層624の露出部に形成されている。頂部側領域663は、p型半導体層626の露出部に形成されている。
側壁647から露出するp型半導体層626の表面積SPは、側壁647から露出するn型半導体層624の表面積SN以上であることが好ましい(SN≦SP)。表面積SPは、表面積SNを超えていることがさらに好ましい(SN<SP)。つまり、頂部側領域663の表面積STは、基部側領域662の表面積SB以上であることが好ましい(SB≦ST)。また、表面積STは、表面積SBを超えていることがさらに好ましい(SB<ST)。
基部側領域662は、メサ構造641の側壁647から露出するn型光反射層628の露出部によって区画されている。この形態では、メサ構造641の側壁647から露出するn型クラッド層629の露出部も、基部側領域662の一部を区画している。
頂部側領域663は、メサ構造641の側壁647から露出するp型光反射層633の露出部によって区画されている。この形態では、メサ構造641の側壁647から露出するp型コンタクト層634の露出部も、頂部側領域663の一部を区画している。また、この形態では、メサ構造641の側壁647から露出する電流狭窄層651(電流狭窄絶縁層653)の露出部も、頂部側領域663の一部を区画している。
基部側領域662は、複数のリセス部664および複数の突出部665を含む。基部側領域662は、複数のリセス部664および複数の突出部665が頂部645側から基部646側に向けて交互に形成された部分を含む。頂部側領域663は、基部側領域662と同様に、複数のリセス部664および複数の突出部665を含む。頂部側領域663は、複数のリセス部664および複数の突出部665が頂部645側から基部646側に向けて交互に形成された部分を含む。
リセス部664は、頂部645の接線方向に関して、突出部665に対してメサ構造641の内側に向けて窪んだ部分である。つまり、突出部665は、頂部645の接線方向に関して、リセス部664に対してメサ構造641の外側に向けて突出した部分である。
各リセス部664は、法線方向Zに隣り合う複数の突出部665の間の領域に区画されている。各リセス部664は、より具体的には、法線方向Zに隣り合う2つの突出部665の頂点に対してメサ構造641の内方領域に形成されている。
各リセス部664は、さらに具体的には、法線方向Zに隣り合う複数の突出部665の頂点を結ぶ突出部ラインLPを設定すると、突出部ラインLPよりもメサ構造641の内方に位置する部分を含む。図46および図47では、突出部ラインLPが二点鎖線によって示されている。各リセス部664の全体が、突出部ラインLPよりもメサ構造641の内方に位置していてもよい。
1つまたは複数のリセス部664は、メサ構造641の内側に向かって窪んだ湾曲面を有していてもよい。1つまたは複数のリセス部664は、メサ構造641の角度θMとは異なるまたは等しい角度θRCで傾斜した傾斜面を有していてもよい。図46および図47では、凹湾曲面を有する複数のリセス部664、および、傾斜面を有する1つのリセス部664が一例として示されている。
リセス部664が傾斜面を有する場合、リセス部664の角度θRC(絶対値)は、60°以上170°以下であってもよい。角度θRCは、メサ構造641の頂部645を基準としたき、メサ構造641内においてリセス部664の傾斜面が頂部645に対して成す角度である。
角度θRCは、60°以上70°以下、70°以上80°以下、80°以上90°以下、90°以上100°以下、100°以上110°以下、110°以上120°以下、120°以上130°以下、130°以上140°以下、140°以上150°以下、150°以上160°以下、または、160°以上170°以下であってもよい。
各リセス部664は、頂部645に平行な方向に沿って側壁647にライン状に形成されている。各リセス部664は、この形態では、側壁647においてメサ構造641を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。複数のリセス部664は、この形態では、平面視において側壁647の傾斜に倣って頂部645から離れる方向に間隔を空けて形成されている。これにより、複数のリセス部664は、頂部645を基準とする放射状(同心円状)に形成されている。各リセス部664は、メサ構造641の平面形状に応じて、三角環状、四角環状もしくは六角環状等の多角環状、または、楕円環状に形成されていてもよい。
法線方向Zに隣り合う2つのリセス部664の間のピッチは、500Å以上900Å以下であってもよい。隣り合う2つのリセス部664の間のピッチは、500Å以上600Å以下、600Å以上700Å以下、700Å以上800Å以下、または、800Å以上900Å以下であってもよい。
1つまたは複数の突出部665は、メサ構造641の外側に向かって突出した湾曲面を有していてもよい。1つまたは複数の突出部665は、メサ構造641の角度θMとは異なるまたは等しい角度θPRで傾斜した傾斜面を有していてもよい。1つまたは複数の突出部665は、リセス部664の角度θRCとは異なるまたは等しい角度θPRで傾斜した傾斜面を有していてもよい。図46および図47では、凸湾曲面を有する複数の突出部665、および、傾斜面を有する1つの突出部665が一例として示されている。
突出部665が傾斜面を有する場合、突出部665の角度θPR(絶対値)は、60°以上170°以下であってもよい。角度θPRは、メサ構造641の頂部645を基準としたき、突出部665の傾斜面がメサ構造641内において頂部645に対して成す角度である。
角度θPRは、60°以上70°以下、70°以上80°以下、80°以上90°以下、90°以上100°以下、100°以上110°以下、110°以上120°以下、120°以上130°以下、130°以上140°以下、140°以上150°以下、150°以上160°以下、または、160°以上170°以下であってもよい。
各突出部665は、頂部645に平行な方向に沿って側壁647にライン状に形成されている。各突出部665は、この形態では、側壁647においてメサ構造641を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。複数の突出部665は、この形態では、平面視において側壁647の傾斜に倣って頂部645から離れる方向に間隔を空けて形成されている。これにより、複数の突出部665は、頂部645を基準とする放射状(同心円状)に形成されている。各突出部665は、メサ構造641の平面形状に応じて、三角環状、四角環状もしくは六角環状等の多角環状、または、楕円環状に形成されていてもよい。
法線方向Zに隣り合う2つの突出部665の間のピッチは、500Å以上900Å以下であってもよい。隣り合う2つの突出部665の間のピッチは、500Å以上600Å以下、600Å以上700Å以下、700Å以上800Å以下、または、800Å以上900Å以下であってもよい。
図45~図47を参照して、面発光レーザ装置601は、各メサ構造641の側壁647の表層部に形成された側壁絶縁層680を含む。側壁絶縁層680は、側壁647から露出している。側壁絶縁層680は、頂部645および基部646の間の領域を側壁647に沿って延びている。つまり、各メサ構造641の側壁647は、側壁絶縁層680によって形成された部分を含む。
側壁絶縁層680は、平面視において電流狭窄絶縁層653に対向している。側壁絶縁層680は、平面視においてp型電流通過層652を露出させている。側壁絶縁層680は、より具体的には、頂部645の接線方向に関して、電流狭窄絶縁層653の一端部および他端部の間の領域に対向している。
側壁絶縁層680は、側壁647の凹凸構造661を区画している。側壁絶縁層680は、より具体的には、断面視において接線方向の長さが互いに異なる第1部分681および第2部分682を含む。側壁絶縁層680の第1部分681は、メサ構造641の側壁647から内方領域に向かって接線方向に延びている。第1部分681は、メサ構造641の側壁647から露出する外端部、および、メサ構造641内に位置する内端部を有している。
側壁絶縁層680の第2部分682は、メサ構造641の側壁647から内方領域に向かって接線方向に延びている。第2部分682は、メサ構造641の側壁647から露出する外端部、および、メサ構造641内に位置する内端部を有している。第2部分682の内端部は、第1部分681の内端部よりもメサ構造641の側壁647側に位置している。
第1部分681は、接線方向に関して、第1長さLP1を有している。第2部分682は、接線方向に関して、第2長さLP2を有している。第2長さLP2は、第1長さLP1未満(LP2<LP1)である。
第1長さLP1は、0.5μm以上5.0μm以下であってもよい。第1長さLP1は、0.5μm以上1.0μm以下、1.0μm以上2.0μm以下、2.0μm以上3.0μm以下、3.0μm以上4.0μm以下、または、4.0μm以上5.0μm以下であってもよい。
第2長さLP2は、0μmを超えて1.0μm以下であってもよい。第2長さLP2は、0μmを超えて0.02μm以下、0.02μm以上0.04μm以下、0.04μm以上0.06μm以下、0.06μm以上0.08μm以下、または、0.08μm以上1μm以下であってもよい。第2長さLP2は、0μmであってもよい。つまり、複数の第2部分682の一部または全部を有さない側壁絶縁層680が形成されていてもよい。
第1部分681および第2部分682は、法線方向Zに沿って交互に形成されている。これにより、側壁絶縁層680は、断面視において櫛歯形状に形成されている。
凹凸構造661は、側壁絶縁層680の第1部分681および第2部分682によって区画されている。より具体的には、凹凸構造661の各リセス部664は、第1部分681によって区画されている。また、凹凸構造661の各突出部665は、第2部分682によって区画されている。凹凸構造661の基部側領域662は、n型半導体層624によって区画されている。凹凸構造661の頂部側領域663は、p型半導体層626によって区画されている。
n型半導体層624においてn型光反射層628のn型高Al組成層630は、メサ構造641の側壁647から露出する第1露出部683を含む。また、n型光反射層628のn型低Al組成層631は、メサ構造641の側壁647から露出する第2露出部684を含む。また、n型クラッド層629は、メサ構造641の側壁647から露出する第3露出部685を含む。
n型高Al組成層630の第1露出部683は、第1Al酸化物層686を含む。第1Al酸化物層686は、第1露出部683の酸化物を含む。第1Al酸化物層686は、接線方向に沿って延びている。第1Al酸化物層686は、n型高Al組成層630の内方領域を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
n型低Al組成層631の第2露出部684は、第2Al酸化物層687を含む。第2Al酸化物層687は、第2露出部684の酸化物を含む。第2Al酸化物層687は、接線方向に沿って延びている。第2Al酸化物層687は、n型低Al組成層631の内方領域を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
n型クラッド層629の第3露出部685は、第3Al酸化物層688を含む。第3Al酸化物層688は、第3露出部685の酸化物を含む。第3Al酸化物層688は、接線方向に沿って延びている。第3Al酸化物層688は、n型クラッド層629の内方領域を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
接線方向に関して、第1Al酸化物層686の長さは、第2Al酸化物層687の長さ、および、第3Al酸化物層688の長さを超えている。これは、n型高Al組成層630のAl組成αが、n型低Al組成層631のAl組成βおよびn型クラッド層629のAl組成γを超えているためである(β<γ<α)。
接線方向に関して、第3Al酸化物層688の長さは、第2Al酸化物層687の長さを超えている。これは、n型クラッド層629のAl組成γが、n型低Al組成層631のAl組成βを超えているためである(β<γ)。
第1Al酸化物層686および第2Al酸化物層687は、法線方向Zに沿って交互に形成されている。第1Al酸化物層686は、側壁絶縁層680の第1部分681を形成している。第2Al酸化物層687は、側壁絶縁層680の第2部分682を形成している。第3Al酸化物層688は、側壁絶縁層680の第2部分682を形成している。側壁絶縁層680においてn型半導体層624に位置する領域は、第1Al酸化物層686、第2Al酸化物層687および第3Al酸化物層688によって形成されている。
p型半導体層626においてp型光反射層633のp型高Al組成層635は、メサ構造641の側壁647から露出する第1露出部693を含む。また、p型光反射層633のp型低Al組成層636は、メサ構造641の側壁647から露出する第2露出部694を含む。また、p型クラッド層632は、メサ構造641の側壁647から露出する第3露出部695を含む。
p型高Al組成層635の第1露出部693は、第1Al酸化物層696を含む。第1Al酸化物層696は、第1露出部693の酸化物を含む。第1Al酸化物層696は、接線方向に沿って延びている。第1Al酸化物層696は、p型高Al組成層635の内方領域を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
p型低Al組成層636の第2露出部694は、第2Al酸化物層697を含む。第2Al酸化物層697は、第2露出部694の酸化物を含む。第2Al酸化物層697は、接線方向に沿って延びている。第2Al酸化物層697は、p型低Al組成層636の内方領域を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
p型クラッド層632の第3露出部695は、第3Al酸化物層698を含む。第3Al酸化物層698は、第3露出部695の酸化物を含む。第3Al酸化物層698は、接線方向に沿って延びている。第3Al酸化物層698は、p型クラッド層632の内方領域を取り囲む環状(この形態では円環状)に形成されている。
接線方向に関して、第1Al酸化物層696の長さは、第2Al酸化物層697の長さ、および、第3Al酸化物層698の長さを超えている。これは、p型高Al組成層635のAl組成ζが、p型低Al組成層636のAl組成η、および、p型クラッド層632のAl組成εを超えているためである(η<ε<ζ)。
接線方向に関して、第3Al酸化物層698の長さは、第2Al酸化物層697の長さを超えている。これは、p型クラッド層632のAl組成εが、p型低Al組成層636のAl組成ηを超えているためである(η<ε)。
第1Al酸化物層696および第2Al酸化物層697は、法線方向Zに沿って交互に形成されている。第1Al酸化物層696は、側壁絶縁層680の第1部分681を形成している。第2Al酸化物層697は、側壁絶縁層680の第2部分682を形成している。第3Al酸化物層698は、側壁絶縁層680の第2部分682を形成している。側壁絶縁層680においてp型半導体層626に位置する領域は、第1Al酸化物層696、第2Al酸化物層697および第3Al酸化物層698によって形成されている。
このように、凹凸構造661の基部側領域662は、メサ構造641の側壁647から露出するn型半導体層624の露出部によって区画されている。基部側領域662は、より具体的には、n型高Al組成層630の第1露出部683、n型低Al組成層631の第2露出部684、および、n型クラッド層629の第3露出部685によって区画されている。基部側領域662は、さらに具体的には、n型高Al組成層630の第1Al酸化物層686、n型低Al組成層631の第2Al酸化物層687、および、n型クラッド層629の第3Al酸化物層688によって区画されている。
一方、凹凸構造661の頂部側領域663は、メサ構造641の側壁647から露出するp型半導体層626の露出部によって区画されている。頂部側領域663は、より具体的には、p型高Al組成層635の第1露出部693、p型低Al組成層636の第2露出部694、および、p型クラッド層632の第3露出部695によって区画されている。頂部側領域663は、さらに具体的には、p型高Al組成層635の第1Al酸化物層696、p型低Al組成層636の第2Al酸化物層697、および、p型クラッド層632の第3Al酸化物層698によって区画されている。
凹凸構造661および側壁絶縁層680(第1Al酸化物層686、第2Al酸化物層687、第1Al酸化物層696および第2Al酸化物層697)は、トレンチ607の外周壁643にも形成されている。トレンチ607の外周壁643に形成された凹凸構造661および側壁絶縁層680は、メサ構造641の側壁647(トレンチ607の内周壁642)に形成された凹凸構造661および側壁絶縁層680と略同様の構造を有している。
トレンチ607の外周壁643に形成された凹凸構造661および側壁絶縁層680については、メサ構造641の側壁647(トレンチ607の内周壁642)に形成された凹凸構造661および側壁絶縁層680の説明が準用されるものとして、説明を省略する。
図43~図48を参照して、絶縁層608は、半導体積層構造621の主面(第1主面603)の上に形成されている。絶縁層608は、活性層625の発光波長λに対して透明な絶縁材料または透光性を有する絶縁材料を含む。絶縁層608は、窒化シリコン(SiN)層および酸化シリコン(SiO)層のうちの少なくとも1つを含む。
絶縁層608は、窒化シリコン層または酸化シリコン層からなる単層構造を有していてもよい。絶縁層608は、第1主面603側から任意の順序で積層された窒化シリコン層および酸化シリコン層を含む積層構造を有していてもよい。絶縁層608は、この形態では、窒化シリコン層からなる単層構造を有している。
絶縁層608は、第1主面603の上からトレンチ607に入り込み、メサ構造641を被覆している。絶縁層608は、凹凸構造661を埋めてメサ構造641の側壁647および頂部645を被覆している。絶縁層608は、主面被覆部701、内壁被覆部702および頂部被覆部703を含む。主面被覆部701は、第1主面603を被覆している。内壁被覆部702は、トレンチ607の内壁(内周壁642、外周壁643および底壁644)を被覆している。頂部被覆部703は、メサ構造641の頂部645を被覆している。
内壁被覆部702は、より具体的には、トレンチ607の内壁に沿って膜状に延び、トレンチ607内においてリセス空間を区画している。つまり、内壁被覆部702は、メサ構造641の側壁647を被覆している。内壁被覆部702は、メサ構造641の側壁647において側壁絶縁層680に接している。
内壁被覆部702は、凹凸構造661を埋めてメサ構造641の側壁647を被覆している。内壁被覆部702は、より具体的には、凹凸構造661を埋めてn型高Al組成層630の第1露出部683(第1Al酸化物層686)、n型低Al組成層631の第2露出部684(第2Al酸化物層687)、および、n型クラッド層629の第3露出部685(第3Al酸化物層688)を被覆している。
また、内壁被覆部702は、凹凸構造661を埋めて、p型高Al組成層635の第1露出部693(第1Al酸化物層696)、p型低Al組成層636の第2露出部694(第2Al酸化物層697)、および、p型クラッド層632の第3露出部695(第3Al酸化物層698)を被覆している。
内壁被覆部702は、メサ構造641の側壁647において、凹凸構造661のリセス部664に入り込んだ埋設部702aを含む。埋設部702aは、凹凸構造661において側壁絶縁層680に接している。埋設部702aは、側壁647の凹凸構造661に係合したアンカー構造を形成している。
トレンチ607の内周壁642に対する絶縁層608の接続面積および密着力は、凹凸構造661によって増加される。これにより、トレンチ607の内周壁642を起点とする絶縁層608の剥離が抑制されるから、絶縁層608によって、メサ構造641(発光部606)を適切に保護できる。
また、メサ構造641の側壁647の表層部には側壁絶縁層680が形成されている。したがって、外部(たとえば第1主面電極層609)に対するメサ構造641の絶縁性は、絶縁層608および側壁絶縁層680の積層構造によって高められる。よって、メサ構造641による電流狭窄効果を適切に保つことができる。
具体的な図示は省略するが、内壁被覆部702は、トレンチ607の内周壁642を被覆する部分と同様に、トレンチ607の外周壁643において凹凸構造661を埋めてメサ構造641の側壁647を被覆している。内壁被覆部702は、トレンチ607の外周壁643において凹凸構造661を埋めて、n型高Al組成層630の第1露出部683(第1Al酸化物層686)、n型低Al組成層631の第2露出部684(第2Al酸化物層687)、および、n型クラッド層629の第3露出部685(第3Al酸化物層688)を被覆している。
また、内壁被覆部702は、トレンチ607の外周壁643において凹凸構造661を埋めて、p型高Al組成層635の第1露出部693(第1Al酸化物層696)、p型低Al組成層636の第2露出部694(第2Al酸化物層697)、および、p型クラッド層632の第3露出部695(第3Al酸化物層698)を被覆している。
内壁被覆部702は、トレンチ607の外周壁643において凹凸構造661のリセス部664に入り込んだ埋設部702aを含む。埋設部702aは、凹凸構造661において側壁絶縁層680に接している。埋設部702aは、トレンチ607の外周壁643において側壁647の凹凸構造661に噛合うアンカー構造を形成している。
トレンチ607の外周壁643に対する絶縁層608の接続面積および密着力は、凹凸構造661によって増加される。これにより、トレンチ607の外周壁643を起点とする絶縁層608の剥離が抑制されるから、メサ構造641(発光部606)を適切に保護できる。
また、トレンチ607の外周壁643の表層部には側壁絶縁層680が形成されている。したがって、外部(たとえば第1主面電極層609)に対するトレンチ607の外周壁643の絶縁性は、絶縁層608および側壁絶縁層680の積層構造によって高められる。よって、トレンチ607の外周壁643にリーク電流パスが形成されることを適切に抑制できる。
図45および図48を参照して、頂部被覆部703は、メサ構造641の頂部645を選択的に露出させるコンタクト孔704を有している。コンタクト孔704は、より具体的には、p型コンタクト層634を露出させている。コンタクト孔704は、平面視において環状(この形態では円環状)に形成されている。
頂部被覆部703は、コンタクト孔704よりも内方に位置する領域にレリーフ部703aを有している。レリーフ部703aは、この形態では、コンタクト孔704によって取り囲まれている。レリーフ部703aは、リセス部705、第1突出部706および第2突出部707を含む。リセス部705は、メサ構造641の頂部645側に向けて窪んでいる。リセス部705は、平面視において環状(この形態では円環状)に形成されている。
第1突出部706は、リセス部705によって区画されている。第1突出部706は、リセス部705によって取り囲まれ、島状または点状に区画されている。第1突出部706は、この形態では、平面視において円形状に形成されている。第1突出部706は、法線方向Zに活性層625の発光領域654に対向している。第1突出部706は、法線方向Zにp型電流通過層652に対向している。
第2突出部707は、リセス部705に起因して形成されている。第2突出部707は、より具体的には、リセス部705およびコンタクト孔704の間の領域に区画されている。第2突出部707は、リセス部705およびコンタクト孔704によって環状(この形態では円環状)に区画されている。
リセス部705は、第1突出部706を区画する第1側壁708、第2突出部707を区画する第2側壁709、ならびに、第1側壁708および第2側壁709を接続する底壁710を有している。第1側壁708は、頂部被覆部703の主面から底壁710に向けて下り傾斜した傾斜面を有している。第2側壁709は、頂部被覆部703の主面から底壁710に向けて下り傾斜した傾斜面を有している。リセス部705は、断面視において底壁710側の開口幅が開口側の開口幅よりも小さいテーパ形状に形成されている。
第1突出部706の厚さは、(n+1)λ/2に設定される。第2突出部707の厚さは、(n+1)λ/2に設定される。リセス部705の厚さは、(2n+1)λ/4に設定される。nは、整数である。λは、活性層625で生成される光の波長である。
頂部645から放出されたレーザ光は、スネルの法則によって、第1側壁708および第2側壁709によって屈折させられ、第1突出部706側に集光される。これにより、第1側壁708および第2側壁709が法線方向Zに延びる垂直面である場合に比べて、レーザ光の指向性が高められる。
図43~図45を参照して、第1主面電極層609は、絶縁層608に沿って膜状に形成され、各トレンチ607内においてリセス空間を区画している。第1主面電極層609は、メサ構造641の頂部645の上からコンタクト孔704に入り込んでいる。第1主面電極層609は、コンタクト孔704内においてp型コンタクト層634に電気的に接続されている。第1主面電極層609は、絶縁層608を挟んで凹凸構造661に対向している。第1主面電極層609は、より具体的には、絶縁層608を挟んで凹凸構造661の基部側領域662および頂部側領域663に対向している。
第1主面電極層609においてメサ構造641の頂部645を被覆する部分は、絶縁層608の頂部被覆部703を露出させるレリーフ開口711を含む。レリーフ開口711は、絶縁層608のレリーフ部703aを露出させている。レリーフ開口711は、より具体的には、第2突出部707の一部、リセス部705および第1突出部706を露出させている。
レリーフ開口711は、この形態では、平面視において円形状に形成されている。レリーフ開口711の平面形状は任意である。レリーフ開口711は、平面視において三角形状、四角形状もしくは六角形状等の多角形状、または、楕円形状に形成されていてもよい。レリーフ開口711は、法線方向Zにp型電流通過層652に対向している。レリーフ開口711は、法線方向Zに活性層625の発光領域654に対向している。
レリーフ開口711の開口幅WOは、5μm以上20μm以下であってもよい。開口幅WOは、5μm以上10μm以下、10μm以上15μm以下、または、15μm以上20μm以下であってもよい。
第1主面電極層609の厚さTE1は、0.05μm以上0.5μm以下であってもよい。厚さTE1は、0.05μm以上0.1μm以下、0.1μm以上0.2μm以下、0.2μm以上0.3μm以下、0.3μm以上0.4μm以下、または、0.4μm以上0.5μm以下であってもよい。
第1主面電極層609は、この形態では、複数の電極膜が積層された積層構造を有している。第1主面電極層609は、より具体的には、絶縁層608側からこの順に積層された第1電極膜712および第2電極膜713を含む。第1電極膜712は、チタンを含んでいてもよい。第2電極膜713は、金を含んでいてもよい。
図44を参照して、外部端子611は、第1主面電極層609の上に形成されている。外部端子611は、半導体積層構造621の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有している。外部端子611は、第1主面電極層609の厚さTE1以上の厚さTE2(TE1≦TE2)を有している。厚さTE2は、より具体的には、厚さTE1を超えている(TE1<TE2)。外部端子611は、金を含んでいてもよい。
厚さTE2は、1.0μm以上5.0μm以下であってもよい。厚さTE2は、1.0μm以上2.0μm以下、2.0μm以上3.0μm以下、3.0μm以上4.0μm以下、または、4.0μm以上5.0μm以下であってもよい。
図43および図44を参照して、面発光レーザ装置601は、チップ本体602の第2主面604(基板620の第2基板主面623)の上に形成された第2主面電極層715を含む。第2主面電極層715は、第2基板主面623の全域を被覆している。第2主面電極層715は、第2基板主面623との間でオーミック接触を形成している。
第2主面電極層715は、この形態では、複数の電極膜が積層された積層構造を有している。第2主面電極層715は、より具体的には、第2基板主面623側からこの順に積層された第1電極膜716、第2電極膜717および第3電極膜718を含む。第1電極膜716は、金ゲルマニウム合金を含んでいてもよい。第2電極膜717は、ニッケルを含んでいてもよい。第3電極膜718は、金を含んでいてもよい。
以上、面発光レーザ装置601によれば、メサ構造641の側壁647に凹凸構造661が形成されている。これにより、接続面積の増加によって、メサ構造641の側壁647に対する絶縁層608の密着力を向上できる。その結果、メサ構造641の側壁647を起点とする絶縁層608の剥離を抑制できるから、絶縁層608によってメサ構造641(発光部606)を適切に保護できる。
また、面発光レーザ装置601によれば、絶縁層608の上に第1主面電極層609が形成されている。絶縁層608の上に第1主面電極層609が形成された構造では、第1主面電極層609に生じた応力に起因して、絶縁層608に応力が生じる場合がある。この点、面発光レーザ装置601では、メサ構造641に対する絶縁層608の密着力が高められているので、第1主面電極層609の応力に起因する絶縁層608の剥離を抑制できる。
特に、面発光レーザ装置601では、凹凸構造661が基部側領域662および頂部側領域663を含む。これにより、メサ構造641の側壁647を横切ってメサ構造641の頂部645および基部646を被覆する第1主面電極層609が形成されている場合であっても、第1主面電極層609の応力に起因する絶縁層608の剥離を適切に抑制できる。よって、第1主面電極層609に対するメサ構造641の絶縁性を適切に向上できる。
また、面発光レーザ装置601によれば、メサ構造641の側壁647の表層部に、側壁絶縁層680が形成されている。側壁絶縁層680は、メサ構造641の側壁647において凹凸構造661を区画している。絶縁層608は、凹凸構造661を埋めて側壁絶縁層680を被覆している。これにより、絶縁層608および側壁絶縁層680の積層構造によって、第1主面電極層609に対するメサ構造641の絶縁性を高めることができる。よって、メサ構造641による電流狭窄効果を適切に保つことができる。
図49A~図49Iは、図45の対応図であって、図41に示す面発光レーザ装置601の製造方法の一例を説明するための図である。
図49Aを参照して、まず、基板620が用意される。次に、n型バッファ層627が、基板620の第1基板主面622の上に形成される。n型バッファ層627は、n型のGaAsを含む。n型バッファ層627は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、n型光反射層628が、n型バッファ層627の上に形成される。n型光反射層628は、n型高Al組成層630およびn型低Al組成層631を任意の周期で交互に積層させることにより形成される。
n型高Al組成層630は、n型のAlαGa(1-α)Asを含む。Al組成αは、0.5以上0.95以下であってもよい。n型低Al組成層631は、n型のAlβGa(1-β)Asを含む。Al組成βは、0.05以上0.25以下であってもよい。n型高Al組成層630およびn型低Al組成層631は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、n型クラッド層629が、n型光反射層628の上に形成される。n型クラッド層629は、n型のAlγGa(1-γ)Asを含む。n型クラッド層629のAl組成γは、0.2以上0.7以下であってもよい。n型クラッド層629は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、図49Bを参照して、活性層625が、n型クラッド層629の上に形成される。活性層625は、量子井戸層および障壁層を任意の周期で交互に積層させることにより形成される。量子井戸層は、GaAsを含む。障壁層は、AlδGa(1-δ)Asを含む。Al組成δは、0.15以上0.5以下であってもよい。量子井戸層および障壁層は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、図49Cを参照して、活性層625の上に、p型クラッド層632が、活性層625の上に形成される。p型クラッド層632は、p型のAlεGa(1-ε)Asを含む。Al組成εは、0.2以上0.7以下であってもよい。p型クラッド層632は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、p型電流通過層652および電流狭窄絶縁層653のベースとなるp型ベース層722が、p型クラッド層632の上に形成される。p型ベース層722は、p型のAlσGa(1-σ)Asを含む。Al組成σは、0.9以上1.0以下であってもよい。p型ベース層722は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、p型光反射層633が、p型ベース層722の上に形成される。p型光反射層633は、p型高Al組成層635およびp型低Al組成層636を任意の周期で交互に積層させることにより形成される。
p型高Al組成層635は、p型のAlζGa(1-ζ)Asを含む。Al組成ζは、0.5以上0.95以下であってもよい。p型低Al組成層636は、p型のAlηGa(1-η)Asを含む。Al組成ηは、0.05以上0.25以下であってもよい。p型高Al組成層635およびp型低Al組成層636は、エピタキシャル成長法によって形成される。
次に、p型コンタクト層634が、p型光反射層633の上に形成される。p型コンタクト層634は、p型のGaAsを含む。p型コンタクト層634は、エピタキシャル成長法によって形成される。これにより、第1基板主面622側からこの順に積層されたn型半導体層624、活性層625およびp型半導体層626を含む半導体積層構造621が形成される。
次に、図49Dを参照して、所定パターンを有するマスク723が、半導体積層構造621の上に形成される。マスク723は、複数の開口724を有している。複数の開口724は、トレンチ607を形成すべき領域をそれぞれ露出させている。
次に、半導体積層構造621の不要な部分が、マスク723を介するエッチング法によって除去される。半導体積層構造621の不要な部分は、ウエットエッチング法またはドライエッチング法によって除去されてもよい。この工程では、p型コンタクト層634、p型光反射層633、p型ベース層722、p型クラッド層632、活性層625、n型クラッド層629およびn型光反射層628の不要な部分がそれぞれ除去される。
これにより、複数のトレンチ607が半導体積層構造621に形成される。複数のトレンチ607は、p型コンタクト層634、p型光反射層633、p型クラッド層632、活性層625およびn型クラッド層629を貫通し、n型光反射層628の一部を露出させている。また、これにより、半導体積層構造621に複数のメサ構造641が形成される。その後、マスク723は除去される。
n型高Al組成層630は、n型低Al組成層631のエッチング選択比とは異なるエッチング選択比を有している。したがって、エッチング液およびエッチング時間を適切に選択することにより、n型低Al組成層631を残存させながら、n型高Al組成層630を除去できる。また、エッチング液およびエッチング時間を適切に選択することにより、n型高Al組成層630を残存させながら、n型低Al組成層631を除去できる。
また、n型クラッド層629は、n型高Al組成層630およびn型低Al組成層631のエッチング選択比とは異なるエッチング選択比を有している。したがって、エッチング液およびエッチング時間を適切に選択することにより、n型高Al組成層630およびn型低Al組成層631を残存させながら、n型クラッド層629を除去できる。
また、p型高Al組成層635は、p型低Al組成層636のエッチング選択比とは異なるエッチング選択比を有している。したがって、エッチング液およびエッチング時間を適切に選択することにより、p型低Al組成層636を残存させながら、p型高Al組成層635を除去できる。また、エッチング液を適切に選択することにより、p型高Al組成層635を残存させながら、p型低Al組成層636を除去できる。
また、p型クラッド層632は、p型高Al組成層635およびp型低Al組成層636のエッチング選択比とは異なるエッチング選択比を有している。したがって、エッチング液およびエッチング時間を適切に選択することにより、p型高Al組成層635およびp型低Al組成層636を残存させながら、p型クラッド層632を除去できる。
したがって、この工程では、エッチング法の処理条件を調節することによって、メサ構造641の側壁647に凹凸構造661を形成できる。メサ構造641(トレンチ607)の形成工程の後、マスク723は除去される。
次に、図49Eを参照して、側壁絶縁層680が、トレンチ607に形成される。側壁絶縁層680は、半導体積層構造621に対する酸化処理法によって形成される。酸化処理法は、熱酸化処理法であってもよい。
この工程では、p型光反射層633においてトレンチ607から露出する部分が酸化される。また、p型ベース層722においてトレンチ607から露出する部分が酸化される。また、p型クラッド層632においてトレンチ607から露出する部分が酸化される。また、n型クラッド層629においてトレンチ607から露出する部分が酸化される。また、n型光反射層628においてトレンチ607から露出する部分が酸化される。これにより、凹凸構造661が、側壁絶縁層680によって区画される。
比較的高いAl組成ζを有するp型ベース層722では、メサ構造641の側壁647からメサ構造641の内方領域に向けて酸化が大きく進行する。これにより、p型ベース層722の酸化部が電流狭窄絶縁層653として形成される。また、p型ベース層722の非酸化部がp型電流通過層652として形成される。
次に、図49Fを参照して、絶縁層608が、半導体積層構造621の上に形成される。この工程では、窒化シリコン層からなる絶縁層608が形成される。絶縁層608は、窒化シリコン層に代えてまたはこれに加えて、酸化シリコン層を含んでいてもよい。絶縁層608は、CVD法によって形成されてもよい。
次に、図49Gを参照して、所定パターンを有するマスク725が、半導体積層構造621の上に形成される。マスク725は、絶縁層608においてリセス部705を形成すべき領域をそれぞれ露出させる複数の開口726を有している。次に、絶縁層608の不要な部分が、マスク725を介するエッチング法(たとえばドライエッチング法)によって除去される。これにより、絶縁層608にリセス部705が形成される。その後、マスク725は除去される。
次に、図49Hを参照して、所定パターンを有するマスク727が、半導体積層構造621の上に形成される。マスク727は、絶縁層608においてコンタクト孔704を形成すべき領域をそれぞれ露出させる複数の開口728を有している。次に、絶縁層608の不要な部分が、マスク727を介するエッチング法(たとえばウエットエッチング法)によって除去される。これにより、コンタクト孔704が、絶縁層608に形成される。その後、マスク727は除去される。
次に、図49Iを参照して、第1主面電極層609が、半導体積層構造621の上に形成される。第1主面電極層609は、第1電極膜712および第2電極膜713を含む。第1電極膜712は、チタンを含んでいてもよい。第2電極膜713は、金を含んでいてもよい。第1電極膜712および第2電極膜713は、蒸着法またはスパッタ法によってそれぞれ形成されてもよい。
次に、レリーフ開口711が、第1主面電極層609に形成される。レリーフ開口711は、第1主面電極層609においてメサ構造641の頂部645を被覆する部分を選択的に除去することによって形成される。第1主面電極層609の不要な部分は、マスク(図示せず)を介するエッチング法によって除去されてもよい。これにより、第1主面電極層609に、絶縁層608の頂部被覆部703を選択的に露出させるレリーフ開口711が形成される。
次に、外部端子611が、第1主面電極層609の上に形成される。外部端子611は、金を含んでいてもよい。外部端子611は、めっき法によって形成されてもよい。また、第2主面電極層715が、第2基板主面623の上に形成される。第2主面電極層715は、第1電極膜716、第2電極膜717および第3電極膜718を含む。
第1電極膜716は、金ゲルマニウム合金を含んでいてもよい。第2電極膜717は、ニッケルを含んでいてもよい。第3電極膜718は、金を含んでいてもよい。第1電極膜716、第2電極膜717および第3電極膜718は、蒸着法またはスパッタ法によってそれぞれ形成されてもよい。第2主面電極層715は、第1主面電極層609の形成工程に先立って形成されてもよい。以上を含む工程を経て、面発光レーザ装置601が製造される。
本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
前述の第1~第9実施形態において、柱状のメサ構造41が形成されてもよい。つまり、頂部45の平面積および基部46の平面積が等しく形成され、かつ、頂部45および基部46の間を法線方向Zに沿って延びる側壁47を有するメサ構造41が形成されてもよい。この場合、メサ構造41は、三角柱形状、四角柱形状もしくは六角柱形状等の多角柱形状、または、円柱形状もしくは楕円柱形状に形成されていてもよい。
前述の第1~第9実施形態において、図50に示されるトレンチ7が形成されてもよい。図50は、第1~第9実施形態に係るトレンチ7の第1変形例を示す断面図である。以下では、面発光レーザ装置1に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図50を参照して、トレンチ7の底壁44は、チップ本体2の第2主面4に向かう凸湾曲状に形成されていてもよい。トレンチ7の底壁44は、n型光反射層28を露出させていてもよい。トレンチ7の底壁44は、n型高Al組成層30およびn型低Al組成層31を含む積層膜を露出させていてもよい。
メサ構造41の基部46は、トレンチ7の内周壁42(メサ構造41の側壁47)およびトレンチ7の底壁44を接続する接続部によって形成される。トレンチ7の底壁44の最深部は、メサ構造41の基部46よりも下方側に位置していてもよい。つまり、底壁44の最深部は、基部46に対して第2主面4側に形成されていてもよい。
前述の第1~第9実施形態において、図51に示されるトレンチ7が形成されてもよい。図51は、第1~第9実施形態に係るトレンチ7の第2変形例を示す平面図である。以下では、面発光レーザ装置1に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図51を参照して、トレンチ7の内周壁42の平面形状およびトレンチ7の外周壁43の平面形状は、一致していなくてもよい。トレンチ7の内周壁42が円形状に形成されている一方で、トレンチ7の外周壁43が多角形状(たとえば六角形状)に形成されていてもよい。むろん、トレンチ7の内周壁42が多角形状(たとえば六角形状)に形成されている一方で、トレンチ7の外周壁43が円形状に形成されていてもよい。
前述の第10~第18実施形態において、第1~第13形態例に係る第1主面電極層309は、第10~第18実施形態にそれぞれ採用されてもよい。また、第1~第13形態例に係る第1主面電極層309のうちの少なくとも2種を同時に含む第1主面電極層309が、第10~第18実施形態に採用されてもよい。また、第1~第13形態例に係る第1主面電極層309の特徴のうちの少なくとも2つの特徴が組み合わされた形態を有する第1主面電極層309が、第10~第18実施形態に採用されてもよい。
前述の第10~第18実施形態において、柱状のメサ構造341が形成されてもよい。つまり、頂部345の平面積および基部346の平面積が等しく形成され、かつ、頂部345および基部346の間を法線方向Zに沿って延びる側壁347を有するメサ構造341が形成されてもよい。この場合、メサ構造341は、三角柱形状、四角柱形状もしくは六角柱形状等の多角柱形状、または、円柱形状もしくは楕円柱形状に形成されていてもよい。
前述の第10~第18実施形態において、図52に示されるトレンチ307が形成されてもよい。図52は、第10~第18実施形態に係るトレンチ307の第1変形例を示す断面図である。以下では、面発光レーザ装置301に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図52を参照して、トレンチ307の底壁344は、チップ本体302の第2主面304に向かう凸湾曲状に形成されていてもよい。トレンチ307の底壁344は、n型光反射層328を露出させていてもよい。トレンチ307の底壁344は、n型高Al組成層330およびn型低Al組成層331を含む積層膜を露出させていてもよい。
メサ構造341の基部346は、トレンチ307の内周壁342(メサ構造341の側壁347)およびトレンチ307の底壁344を接続する接続部によって形成される。トレンチ307の底壁344の最深部は、メサ構造341の基部346よりも下方側に位置していてもよい。つまり、底壁344の最深部は、基部346に対して第2主面304側に形成されていてもよい。
前述の第10~第18実施形態において、図53に示されるトレンチ307が形成されてもよい。図53は、第10~第18実施形態に係るトレンチ307の第2変形例を示す平面図である。以下では、面発光レーザ装置301に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図53を参照して、トレンチ307の内周壁342の平面形状およびトレンチ307の外周壁343の平面形状は、一致していなくてもよい。トレンチ307の内周壁342が円形状に形成されている一方で、トレンチ307の外周壁343が多角形状(たとえば六角形状)に形成されていてもよい。むろん、トレンチ307の内周壁342が多角形状(たとえば六角形状)に形成されている一方で、トレンチ307の外周壁343が円形状に形成されていてもよい。
前述の第19実施形態において、柱状のメサ構造641が形成されてもよい。つまり、頂部645の平面積および基部646の平面積が等しく形成され、かつ、頂部645および基部646の間を法線方向Zに沿って延びる側壁647を有するメサ構造641が形成されてもよい。この場合、メサ構造641は、三角柱形状、四角柱形状もしくは六角柱形状等の多角柱形状、または、円柱形状もしくは楕円柱形状に形成されていてもよい。
前述の第19実施形態において、図54に示されるトレンチ607が形成されてもよい。図54は、第19実施形態に係るトレンチ607の第1変形例を示す断面図である。以下では、面発光レーザ装置601に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図54を参照して、トレンチ607の底壁644は、チップ本体602の第2主面604に向かう凸湾曲状に形成されていてもよい。トレンチ607の底壁644は、n型光反射層628を露出させていてもよい。トレンチ607の底壁644は、n型高Al組成層630およびn型低Al組成層631を含む積層膜を露出させていてもよい。
メサ構造641の基部646は、トレンチ607の内周壁642(メサ構造641の側壁647)およびトレンチ607の底壁644を接続する接続部によって形成される。トレンチ607の底壁644の最深部は、メサ構造641の基部646よりも下方側に位置していてもよい。つまり、底壁644の最深部は、基部646に対して第2主面604側に形成されていてもよい。
前述の第19実施形態において、図55に示されるトレンチ607が形成されてもよい。図55は、第19実施形態に係るトレンチ607の第2変形例を示す平面図である。以下では、面発光レーザ装置601に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図55を参照して、トレンチ607の内周壁642の平面形状およびトレンチ607の外周壁643の平面形状は、一致していなくてもよい。トレンチ607の内周壁642が円形状に形成されている一方で、トレンチ607の外周壁643が多角形状(たとえば六角形状)に形成されていてもよい。むろん、トレンチ607の内周壁642が多角形状(たとえば六角形状)に形成されている一方で、トレンチ607の外周壁643が円形状に形成されていてもよい。
前述の各実施形態において各半導体部分の導電型が反転された構造が採用されてもよい。つまり、p型の部分がn型に形成され、n型の部分がp型に形成されてもよい。
この明細書は、第1~第9実施形態に示された特徴の如何なる組み合わせ形態をも制限しない。第1~第9実施形態は、それらの間で任意の態様および任意の形態において組み合わせられることができる。つまり、第1~第9実施形態に示された特徴が任意の態様および任意の形態で組み合わされた面発光レーザ装置が採用されてもよい。
この明細書は、第10~第18実施形態に示された特徴の如何なる組み合わせ形態をも制限しない。第10~第18実施形態は、それらの間で任意の態様および任意の形態において組み合わせられることができる。つまり、第10~第18実施形態に示された特徴が任意の態様および任意の形態で組み合わされた面発光レーザ装置が採用されてもよい。
この明細書および図面から抽出される特徴の例を以下に示す。
特許文献(特開2007-73585号公報)に係る面発光レーザ装置では、複数の発光部を均等な行列状の配列で遍在させるという制限が課されている。このような構造では、半導体層の温度分布および複数の発光部の出力を調整できない。以下の[A1]~[A23]は、半導体層の温度分布および複数の発光部の出力を調整できる面発光レーザ装置を提供する(図1~図17等も併せて参照)。
[A1]主面を有する半導体層と、前記主面に形成された溝によってそれぞれ区画され、前記主面の法線方向に向けて光を放出する複数の発光部と、前記主面の中央部に偏在し、複数の前記発光部を露出させるように前記主面の上に形成された電極層と、を含む、面発光レーザ装置。
この面発光レーザ装置によれば、主面の中央部に配列された複数の発光部で生じた熱を電極層に効率的に伝達させることができる。これにより、熱が集中しやすい半導体層の中央部の温度上昇を抑制できる。よって、半導体層の温度分布を調整できるから、複数の発光部の出力を調整できる。
[A2]前記電極層は、平面視において前記主面の周縁部を露出させ、前記主面の中央部を被覆している、A1に記載の面発光レーザ装置。
[A3]前記主面の中央部に偏在し、複数の前記発光部を露出させるように前記主面の上に形成された複数の前記電極層を含む、A1に記載の面発光レーザ装置。
[A4]複数の前記電極層は、前記主面の周縁部において疎に配列され、前記主面の中央部において密に配列されている、A3に記載の面発光レーザ装置。
[A5]複数の前記電極層は、前記主面の周縁部における単位面積当たりの個数が前記主面の中央部における単位面積当たりの個数未満となるように配列されている、A4に記載の面発光レーザ装置。
[A6]複数の前記電極層は、前記主面の周縁部における複数の前記電極層の占有密度が前記主面の中央部における複数の前記電極層の占有密度未満となるように配列されている、A4に記載の面発光レーザ装置。
[A7]複数の前記電極層は、1つの前記発光部の周囲を複数の前記電極層で取り囲む態様で配列されている、A3~A6のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[A8]複数の前記電極層は、複数の前記発光部の間の領域に形成されている、A3~A7のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[A9]前記主面の上に形成され、複数の前記発光部を被覆する絶縁層と、前記絶縁層の上に形成され、複数の前記発光部に電気的に接続された主面電極層と、をさらに含み、前記電極層は、前記主面電極層の上に形成されている、A1~A8のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[A10]前記電極層は、前記主面電極層の厚さを超える厚さを有している、A9に記載の面発光レーザ装置。
[A11]複数の前記発光部は、平面視において前記主面の周縁部に偏在するように配列されている、A1~A10のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[A12]複数の前記発光部は、平面視において千鳥状、行列状または放射状に配列されている、A1~A11のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[A13]複数の前記発光部は、平面視において三角形状、四角形状、六角形状、円形状または楕円形状に形成されている、A1~A12のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[A14]主面を有する半導体層と、前記主面に形成された溝によって第1サイズに区画され、前記主面の法線方向に向けて光を放出する第1発光部と、前記主面に形成された溝によって前記第1サイズ未満の第2サイズに区画され、前記主面の法線方向に向けて光を放出する第2発光部と、を含む、面発光レーザ装置。
この面発光レーザ装置によれば、第1発光部の発熱量よりも小さい発熱量を有する第2発光部によって半導体層の温度分布を調整できる。よって、複数の発光部の出力を調整できる。
[A15]複数の前記第1発光部を含む、A14に記載の面発光レーザ装置。
[A16]複数の前記第2発光部を含む、A14またはA15に記載の面発光レーザ装置。
[A17]平面視において前記主面の中央部に偏在する複数の前記第1発光部を含む、A14~A16のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[A18]平面視において前記主面の中央部に偏在する複数の前記第2発光部を含む、A14~A17のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[A19]複数の前記第1発光部、および、前記第1発光部の個数未満の前記第2発光部を含む、A14~A18のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[A20]平面視において千鳥状、行列状または放射状に配列された複数の前記第1発光部を含む、A14~A19のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[A21]平面視において千鳥状、行列状または放射状に配列された複数の前記第2発光部を含む、A14~A20のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[A22]平面視において三角形状、四角形状、六角形状、円形状または楕円形状に形成された前記第1発光部を含む、A14~A21のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[A23]平面視において三角形状、四角形状、六角形状、円形状または楕円形状に形成された前記第2発光部を含む、A14~A22のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
特許文献(特開2007-73585号公報)に係る面発光レーザ装置は、応力に起因する発光部の劣化の問題を有している。発光部に対する応力としては、半導体層に加えられた外力に起因する応力や、発光部を被覆する電極層の伸縮に起因する応力等を例示できる。以下の[B1]~[B20]および[C1]~[C33]は、応力に起因する発光部の劣化を抑制できる面発光レーザ装置を提供する(図18~図40等も併せて参照)。
[B1]主面を有する半導体層と、前記主面に形成された溝によって区画され、前記主面の法線方向に向けて光を放出する発光部と、前記溝内で前記発光部を被覆し、前記発光部に電気的に接続された内側電極層と、前記溝外で前記主面を被覆し、前記内側電極層に電気的に接続され、前記内側電極層の厚さを超える厚さを有する外側電極層と、を含む、面発光レーザ装置。
この面発光レーザ装置によれば、半導体層の主面側に外力が加えられた場合、当該外力を外側電極層によって受け止めることができる。これにより、発光部に対する応力を緩和できる。一方、内側電極層は比較的小さい厚さを有しているので、内側電極層から発光部に加えられる応力を緩和できる。その結果、応力に起因する発光部の劣化を抑制できる。
[B2]前記外側電極層は、前記内側電極層の厚さを超える厚さを有する厚膜部、および、前記厚膜部の厚さ未満の厚さを有する薄膜部を有している、B1に記載の面発光レーザ装置。
[B3]前記薄膜部は、前記厚膜部の面積以下の面積を有している、B2に記載の面発光レーザ装置。
[B4]前記外側電極層は、前記内側電極層の厚さを超える厚さを有する複数の厚膜部、および、各前記厚膜部の厚さ未満の厚さを有する薄膜部を有している、B1に記載の面発光レーザ装置。
[B5]複数の前記厚膜部は、前記発光部を取り囲むように前記発光部の周囲に間隔を空けて形成されている、B4に記載の面発光レーザ装置。
[B6]前記薄膜部は、各前記厚膜部の面積以下の面積を有している、B4またはB5に記載の面発光レーザ装置。
[B7]前記内側電極層は、前記溝の内壁の一部を露出させている、B1~B6のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[B8]前記内側電極層は、前記溝の露出部の面積以下の面積を有している、B7に記載の面発光レーザ装置。
[B9]前記主面の上に形成され、前記発光部を選択的に被覆する絶縁層をさらに含み、前記内側電極層は、前記絶縁層の上に形成されており、前記外側電極層は、前記絶縁層の上に形成されている、B1~B8のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[B10]前記半導体層は、第1導電型の第1半導体層、前記第1半導体層の上に形成された活性層、および、前記活性層の上に形成された第2導電型の第2半導体層を有し、前記発光部は、前記第2半導体層および前記活性層を貫通するように前記主面に形成された前記溝によって区画されている、B1~B9のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[B11]主面を有する半導体層と、前記主面に形成された溝によって区画され、前記主面の法線方向に向けて光を放出する発光部と、前記溝外で前記主面を被覆する外側電極層と、前記溝の内壁の一部を露出させるように前記溝内で前記発光部を被覆し、前記発光部および前記外側電極層に電気的に接続された内側電極層と、を含む、面発光レーザ装置。
この面発光レーザ装置によれば、内側電極層から発光部に加えられる応力を緩和できる。よって、応力に起因する発光部の劣化を抑制できる。
[B12]前記内側電極層は、前記溝の露出部の面積以下の面積を有している、B11に記載の面発光レーザ装置。
[B13]前記内側電極層は、直線状に延びている、B11またはB12に記載の面発光レーザ装置。
[B14]前記内側電極層は、前記外側電極層に接続された一端部、および、前記発光部に接続された他端部を有している、B11~B13のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[B15]前記外側電極層の上に形成された外部端子をさらに含む、B11~B14のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[B16]前記外部端子は、前記主面の周縁部に配置されており、前記内側電極層は、前記発光部から前記主面の周縁部のうち前記外部端子に沿う周縁部に向けて延びている、B15に記載の面発光レーザ装置。
[B17]前記外部端子は、前記主面の角部に配置されており、前記内側電極層は、前記発光部から前記主面の角部を形成する2つの周縁部のうちのいずれか一方に向けて延びている、B15に記載の面発光レーザ装置。
[B18]前記内側電極層は、前記発光部から前記外部端子に向けて延びている、B15に記載の面発光レーザ装置。
[B19]前記主面の上に形成され、前記発光部を選択的に被覆する絶縁層をさらに含み、前記外側電極層は、前記絶縁層の上に形成されており、前記内側電極層は、前記絶縁層の上に形成されている、B11~B18のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[B20]前記半導体層は、第1導電型の第1半導体層、前記第1半導体層の上に形成された活性層、および、前記活性層の上に形成された第2導電型の第2半導体層を有し、前記溝は、前記第2半導体層および前記活性層を貫通するように前記主面に形成されている、B11~B19のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C1]主面を有する半導体層と、前記主面に形成された溝によってそれぞれ区画され、前記主面の法線方向に向けて光を放出する複数の発光部と、対応する前記溝内において対応する前記発光部にそれぞれ電気的に接続された複数の内側電極層と、前記溝外で前記主面を被覆し、各前記内側電極層に電気的に接続され、各前記内側電極層の厚さを超える厚さを有する外側電極層と、を含む、面発光レーザ装置。
この面発光レーザ装置によれば、半導体層の主面側に外力が加えられた場合、当該外力を外側電極層によって受け止めることができる。これにより、複数の発光部に対する応力を緩和できる。一方、複数の内側電極層は比較的小さい厚さを有しているので、複数の内側電極層から複数の発光部に加えられる応力を緩和できる。その結果、応力に起因する複数の発光部の劣化を抑制できる。
[C2]前記外側電極層は、各前記内側電極層の厚さを超える厚さを有する厚膜部、および、前記厚膜部の厚さ未満の厚さを有する薄膜部を有している、C1に記載の面発光レーザ装置。
[C3]前記薄膜部は、前記厚膜部の面積以下の面積を有している、C2に記載の面発光レーザ装置。
[C4]前記外側電極層は、各前記内側電極層の厚さを超える厚さを有する複数の厚膜部、および、各前記厚膜部の厚さ未満の厚さを有する薄膜部を有している、C1に記載の面発光レーザ装置。
[C5]複数の前記厚膜部は、各前記発光部を取り囲むように各前記発光部の周囲に間隔を空けて形成されている、C4に記載の面発光レーザ装置。
[C6]前記薄膜部は、各前記厚膜部の面積以下の面積を有している、C4またはC5に記載の面発光レーザ装置。
[C7]2つ、3つ、4つ、5つまたは6つの前記厚膜部が、各前記発光部の周囲の領域に形成されている、C4~C6のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C8]各前記厚膜部は、平面視において三角形状、四角形状、五角形状、六角形状、円形状または楕円形状に形成されている、C4~C7のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C9]各前記厚膜部は、平面視において外側に向かう凸湾曲状の周縁部、または、平面視において内側に向かう凹湾曲状の周縁部を有している、C4~C8のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C10]各前記内側電極層は、各前記溝の内壁の一部を露出させている、C1~C9のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C11]各前記内側電極層は、各前記溝の露出部の面積以下の面積を有している、C10に記載の面発光レーザ装置。
[C12]前記主面の上に形成され、前記発光部を選択的に被覆する絶縁層をさらに含み、各前記内側電極層は、前記絶縁層の上に形成されており、前記外側電極層は、前記絶縁層の上に形成されている、C1~C11のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C13]前記半導体層は、第1導電型の第1半導体層、前記第1半導体層の上に形成された活性層、および、前記活性層の上に形成された第2導電型の第2半導体層を有し、前記溝は、前記第2半導体層および前記活性層を貫通するように前記主面に形成されている、C1~C12のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C14]各前記発光部は、平面視において三角形状、四角形状、六角形状、円形状または楕円形状に形成されている、C1~C13のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C15]複数の前記発光部は、平面視において千鳥状、行列状または放射状に配列されている、C1~C14のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C16]各前記発光部は、頂部、基部、ならびに、前記頂部および前記基部を接続し、前記頂部から前記基部に向けて下り傾斜した側部を含む、C1~C15のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C17]前記溝の外周壁は、平面視において三角形状、四角形状、六角形状、円形状または楕円形状に形成されている、C1~C16のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C18]主面を有する半導体層と、前記主面に形成された溝によってそれぞれ区画され、前記主面の法線方向に向けて光を放出する複数の発光部と、前記溝外で前記主面を被覆する外側電極層と、前記溝の内壁の一部を露出させるように対応する前記溝内にそれぞれ形成され、対応する前記発光部および前記外側電極層にそれぞれ電気的に接続された複数の内側電極層と、を含む、面発光レーザ装置。
この面発光レーザ装置によれば、複数の内側電極層から複数の発光部に加えられる応力を緩和できる。その結果、応力に起因する複数の発光部の劣化を抑制できる。
[C19]各前記内側電極層は、各前記溝の露出部の面積以下の面積を有している、C18に記載の面発光レーザ装置。
[C20]各前記内側電極層は、各前記溝の露出部の面積の2分の1以下の面積を有している、C18またはC19に記載の面発光レーザ装置。
[C21]各前記内側電極層は、直線状に延びている、C18~C20のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C22]各前記内側電極層は、前記外側電極層に接続された一端部、および、前記発光部に接続された他端部を有している、C18~C21いずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C23]複数の前記内側電極層は、共通の方向に延びている、C18~C22のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C24]前記外側電極層の上に形成された外部端子をさらに含む、C18~C23のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C25]前記外部端子は、前記主面の周縁部に配置されており、各前記内側電極層は、各前記発光部から前記外部端子が配置された前記周縁部に向けて延びている、C24に記載の面発光レーザ装置。
[C26]前記外部端子は、前記半導体層の角部に配置されており、各前記内側電極層は、前記発光部から前記主面の角部を形成する2つの周縁部のうちのいずれか一方に向けて延びている、C24に記載の面発光レーザ装置。
[C27]各前記内側電極層は、各前記発光部から前記外部端子に向けて延びている、C24に記載の面発光レーザ装置。
[C28]前記主面の上に形成され、前記発光部を選択的に被覆する絶縁層をさらに含み、前記外側電極層は、前記絶縁層の上に形成されており、各前記内側電極層は、前記絶縁層の上に形成されている、C18~C27のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C29]前記半導体層は、第1導電型の第1半導体層、前記第1半導体層の上に形成された活性層、および、前記活性層の上に形成された第2導電型の第2半導体層を有し、前記溝は、前記第2半導体層および前記活性層を貫通するように前記主面に形成されている、C18~C28のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C30]各前記発光部は、平面視において三角形状、四角形状、六角形状、円形状または楕円形状に形成されている、C18~CC29のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C31]複数の前記発光部は、平面視において千鳥状、行列状または放射状に配列されている、C18~C30のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C32]各前記発光部は、頂部、基部、ならびに、前記頂部および前記基部を接続し、前記頂部から前記基部に向けて下り傾斜した側部を含む、C18~C31のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[C33]前記溝の外周壁は、平面視において三角形状、四角形状、六角形状、円形状または楕円形状に形成されている、C18~C32のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
特許文献(特開2007-73585号公報)に係る面発光レーザ装置は、メサ構造を有し、メサ構造の頂部の法線方向に光を放出する半導体発光層と、メサ構造の側壁を被覆する絶縁層と、を含む。以下の[D1]~[D21]および[E1]~[E25]は、絶縁層によって半導体発光層を適切に保護できる面発光レーザ装置を提供する(図41~図49等も併せて参照)。
[D1]頂部、基部、ならびに、前記頂部および前記基部を接続し、凹凸(unevenness)を有する側壁を含むメサ構造を有し、前記頂部の法線方向に光を放出する半導体発光層と、前記凹凸を埋めて前記半導体発光層の前記側壁を被覆する絶縁層と、を含む、面発光レーザ装置。
この面発光レーザ装置によれば、メサ構造の側壁に対する絶縁層の密着力を高めることができる。これにより、メサ構造の側壁を起点とする絶縁層の剥離を抑制できるから、絶縁層によって半導体発光層を適切に保護できる。
[D2]前記凹凸は、前記法線方向の直交方向に向けて突出した複数の突出部、および、複数の前記突出部に対して前記半導体発光層の内方に向けて窪んだ複数のリセス部を含む、D1に記載の面発光レーザ装置。
[D3]前記凹凸は、前記法線方向に隣り合う2つの前記突出部の間の領域に区画された前記リセス部を含む、D2に記載の面発光レーザ装置。
[D4]前記凹凸は、複数の前記突出部および複数の前記リセス部が交互に形成された領域を含む、D2またはD3に記載の面発光レーザ装置。
[D5]前記半導体発光層は、前記基部側から前記頂部側に向けてこの順に積層された第1導電型の第1半導体層、活性層、および、第2導電型の第2半導体層を含む、D1~D4のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[D6]前記半導体発光層の前記側壁から露出する前記第2半導体層の表面積は、前記半導体発光層の前記側壁から露出する前記第1半導体層の表面積以上である、D5に記載の面発光レーザ装置。
[D7]前記凹凸は、前記半導体発光層の前記基部側において前記第1半導体層に形成された基部側領域、および、前記半導体発光層の前記頂部側において前記第2半導体層に形成された頂部側領域を含む、D5またはD6に記載の面発光レーザ装置。
[D8]前記頂部側領域の表面積は、前記基部側領域の表面積以上である、D7に記載の面発光レーザ装置。
[D9]前記側壁の表層部に形成され、前記半導体発光層の前記側壁の露出部において前記凹凸を区画する絶縁体をさらに含み、前記絶縁層は、前記凹凸を埋めて前記絶縁体を被覆している、D1~D8のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[D10]前記絶縁体は、前記凹凸の凸を形成する第1部分、および、前記凹凸の凹を形成し、前記頂部の接線方向に関して前記第1部分の長さ以下の長さを有する第2部分を含む、D9に記載の面発光レーザ装置。
[D11]前記絶縁体は、酸化物を含む、D9またはD10に記載の面発光レーザ装置。
[D12]前記半導体発光層は、アルミニウム組成を有する化合物半導体を含み、前記絶縁体は、アルミニウム酸化物を含む、D9~D11のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[D13]前記半導体発光層は、第1アルミニウム組成を有する第1層、および、前記第1アルミニウム組成未満の第2アルミニウム組成を有する第2層が交互に積層され、前記凹凸の一部を区画する積層部を含む、D1~D4のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[D14]前記第1層は、前記側壁の露出部において前記凹凸の一部を区画する第1アルミニウム酸化物層を含み、前記第2層は、前記側壁の露出部において前記凹凸の一部を区画する第2アルミニウム酸化物層を含み、前記絶縁層は、前記凹凸を埋めて前記第1アルミニウム酸化物層および前記第2アルミニウム酸化物層を被覆している、D13に記載の面発光レーザ装置。
[D15]前記第2アルミニウム酸化物層は、前記頂部の接線方向に関して前記第1アルミニウム酸化物層の長さ以下の長さを有している、D14に記載の面発光レーザ装置。
[D16]前記半導体発光層内において前記側壁が前記頂部との間で成す角度は、90°以上170°以下である、D1~D15のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[D17]凹凸を有する内周壁、前記内周壁を取り囲む外周壁、ならびに、前記内周壁および前記外周壁を接続する底壁を含む溝によって頂部を有する台地状に区画され、前記頂部の法線方向に光を放出する半導体発光層を含む半導体層と、前記凹凸を埋めて前記内周壁を被覆する絶縁層と、を含む、面発光レーザ装置。
この面発光レーザ装置によれば、溝の内周壁に対する絶縁層の密着力を高めることができる。これにより、溝の内周壁を起点とする絶縁層の剥離を抑制できるから、絶縁層によって半導体発光層を適切に保護できる。
[D18]前記外周壁は、凹凸を有し、前記絶縁層は、前記凹凸を埋めて前記外周壁を被覆している、D17に記載の面発光レーザ装置。
[D19]内周壁、凹凸を有し、前記内周壁を取り囲む外周壁、ならびに、前記内周壁および前記外周壁を接続する底壁を含む溝によって頂部を有する台地状に区画され、前記頂部の法線方向に光を放出する半導体発光層を含む半導体層と、前記凹凸を埋めて前記外周壁を被覆する絶縁層と、を含む、面発光レーザ装置。
この面発光レーザ装置によれば、溝の外周壁に対する絶縁層の密着力を高めることができる。これにより、溝の外周壁を起点とする絶縁層の剥離を抑制できるから、絶縁層によって半導体発光層を適切に保護できる。
[D20]前記底壁は、前記頂部の接線方向に沿って延びている、D17~D19のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[D21]前記底壁は、前記半導体層の厚さ方向に向かって窪んだ湾曲状に形成されている、D17~D19のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[E1]頂部、基部、ならびに、前記頂部および前記基部を接続し、凹凸を有する側壁を含むメサ構造と、前記メサ構造内で前記基部を形成する第1導電型の第1半導体層と、前記メサ構造内で前記頂部を形成する第2導電型の第2半導体層と、前記メサ構造内で前記第1半導体層および前記第2半導体層の間に介在する活性層と、前記凹凸を埋めて前記メサ構造の前記側壁を被覆する絶縁層と、を含む、面発光レーザ装置。
この面発光レーザ装置によれば、メサ構造の側壁に対する絶縁層の密着力を高めることができる。これにより、メサ構造の側壁を起点とする絶縁層の剥離を抑制できるから、メサ構造を適切に保護できる。
[E2]前記凹凸は、前記頂部の接線方向に向けて突出した複数の突出部、および、複数の前記突出部に対して前記メサ構造の内方に向けて窪んだ複数のリセス部を含む、E1に記載の面発光レーザ装置。
[E3]前記凹凸は、前記頂部の法線方向に隣り合う2つの前記突出部の間の領域に区画された前記リセス部を含む、E2に記載の面発光レーザ装置。
[E4]前記凹凸は、複数の前記突出部および複数の前記リセス部が交互に形成された領域を含む、E2またはE3に記載の面発光レーザ装置。
[E5]前記側壁から露出する前記第2半導体層の表面積は、前記側壁から露出する前記第1半導体層の表面積以上である、E1~E4のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[E6]前記凹凸は、前記基部側において前記第1半導体層に形成された基部側領域、および、前記頂部側において前記第2半導体層に形成された頂部側領域を含む、E1~E5のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[E7]前記頂部側領域の表面積は、前記基部側領域の表面積以上である、E6に記載の面発光レーザ装置。
[E8]前記側壁の表層部に形成され、前記側壁の露出部において前記凹凸を区画する絶縁体をさらに含み、前記絶縁層は、前記凹凸を埋めて前記絶縁体を被覆している、E1~E7のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[E9]前記絶縁体は、前記凹凸の凸を形成する第1部分、および、前記凹凸の凹を形成し、前記頂部の接線方向に関して前記絶縁体の前記第1部分の長さ以下の長さを有する第2部分を含む、E8に記載の面発光レーザ装置。
[E10]前記絶縁体は、酸化物を含む、E8またはE9に記載の面発光レーザ装置。
[E11]前記絶縁体は、アルミニウム酸化物を含む、E8~E10のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[E12]前記第1半導体層は、第1導電型の第1光反射層を含み、前記第2半導体層は、第2導電型の第2光反射層を含む、E1~E11のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[E13]前記第2光反射層は、前記側壁から露出し、前記凹凸の一部を区画している、E12に記載の面発光レーザ装置。
[E14]前記第2光反射層は、第1アルミニウム組成を有する第1層、および、前記第1アルミニウム組成未満の第2アルミニウム組成を有する第2層が交互に積層された積層構造を有している、E12またはE13に記載の面発光レーザ装置。
[E15]前記第1層は、前記側壁の露出部において前記凹凸の一部を区画する第1アルミニウム酸化物層を含み、前記第2層は、前記側壁の露出部において前記凹凸の一部を区画する第2アルミニウム酸化物層を含み、前記絶縁層は、前記凹凸を埋めて前記第1アルミニウム酸化物層および前記第2アルミニウム酸化物層を被覆している、E14に記載の面発光レーザ装置。
[E16]前記第2アルミニウム酸化物層は、前記頂部の接線方向に関して前記第1アルミニウム酸化物層の長さ以下の長さを有している、E15に記載の面発光レーザ装置。
[E17]前記メサ構造内において前記側壁が前記頂部との間で成す角度は、90°以上170°以下である、E1~E16のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[E18]前記メサ構造内で前記頂部および前記活性層の間に介在する電流狭窄絶縁層をさらに含む、E1~E17のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[E19]前記電流狭窄絶縁層は、前記凹凸の一部を区画している、E18に記載の面発光レーザ装置。
[E20]前記電流狭窄絶縁層は、アルミニウム酸化物を含む、E18またはE19に記載の面発光レーザ装置。
[E20]第1導電型の第1光反射層、前記第1光反射層の上に形成された活性層、および、前記活性層の上に形成された第2導電型の第2光反射層を含み、主面を有する半導体層と、凹凸を有する内周壁、前記内周壁を取り囲む外周壁、ならびに、前記内周壁および前記外周壁を接続する底壁を含み、前記第2光反射層および前記活性層を貫通するように前記主面に形成された溝と、前記溝の前記内周壁によって区画されたメサ構造を有する半導体発光層と、前記凹凸を埋めて前記溝の前記内周壁を被覆する絶縁層と、を含む、面発光レーザ装置。
この面発光レーザ装置によれば、溝の内周壁に対する絶縁層の密着力を高めることができる。これにより、溝の内周壁を起点とする絶縁層の剥離を抑制できるから、メサ構造を適切に保護できる。
[E21]前記外周壁は、凹凸を有し、前記絶縁層は、前記凹凸を埋めて前記外周壁を被覆している、E20に記載の面発光レーザ装置。
[E22]第1導電型の第1光反射層、前記第1光反射層の上に形成された活性層、および、前記活性層の上に形成された第2導電型の第2光反射層を含み、主面を有する半導体層と、内周壁、凹凸を有し、前記内周壁を取り囲む外周壁、ならびに、前記内周壁および前記外周壁を接続する底壁を含み、前記第2光反射層および前記活性層を貫通するように前記主面に形成された溝と、前記溝の前記内周壁によって区画されたメサ構造を有する半導体発光層と、前記凹凸を埋めて前記外周壁を被覆する絶縁層と、を含む、面発光レーザ装置。
この面発光レーザ装置によれば、溝の外周壁に対する絶縁層の密着力を高めることができる。これにより、溝の外周壁を起点とする絶縁層の剥離を抑制できるから、メサ構造を適切に保護できる。
[E23]複数の前記メサ構造を含む、E20~E22のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[E24]前記底壁は、前記主面に対して平行に延びている、E20~E23のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
[E25]前記底壁は、前記底壁は、前記半導体層の厚さ方向に向かって窪んだ湾曲状に形成されている、E20~E23のいずれか一つに記載の面発光レーザ装置。
この出願は、2018年8月2日に日本国特許庁に提出された特願2018-146113号、2018年8月2日に日本国特許庁に提出された特願2018-146114号、および、2018年8月2日に日本国特許庁に提出された特願2018-146116号に対応しており、これらの出願の全開示はここに引用により組み込まれるものとする。
本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、これらは本発明の技術的内容を明らかにするために用いられた具体例に過ぎず、本発明はこれらの具体例に限定して解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲によってのみ限定される。
1 面発光レーザ装置
3 第1主面
6 発光部
7 トレンチ
8 絶縁層
9 第1主面電極層
11 外部端子
21 半導体積層構造
41 メサ構造
131 面発光レーザ装置
141 面発光レーザ装置
151 面発光レーザ装置
161 面発光レーザ装置
171 面発光レーザ装置
172 電極層
181 面発光レーザ装置
182 電極層
186 第1電極層
187 第2電極層
191 面発光レーザ装置
192 電極層
197 第1電極層
198 第2電極層
201 面発光レーザ装置

Claims (17)

  1. 主面を有する半導体層と、
    前記主面に形成された溝によってそれぞれ区画され、平面視において前記主面の周縁部に偏在するように配列され、前記主面の法線方向に向けて光を放出する複数の発光部と、を含み、
    複数の前記発光部は、複数の前記発光部の間の距離が前記主面の中央部から前記主面の周縁部に向けて漸減する態様で配列されている、面発光レーザ装置。
  2. 前記主面の上に形成され、複数の前記発光部を被覆する絶縁層と、
    前記絶縁層の上に形成され、複数の前記発光部に電気的に接続された主面電極層と、をさらに含む、請求項1に記載の面発光レーザ装置。
  3. 前記主面電極層の上において複数の前記発光部の間の領域に形成された電極層をさらに含む、請求項に記載の面発光レーザ装置。
  4. 主面を有する半導体層と、
    前記主面に形成された溝によってそれぞれ区画され、平面視において前記主面の周縁部に偏在するように配列され、前記主面の法線方向に向けて光を放出する複数の発光部と、
    前記主面の上に形成され、複数の前記発光部を被覆する絶縁層と、
    前記絶縁層の上に形成され、複数の前記発光部に電気的に接続された主面電極層と、
    前記主面電極層の上において複数の前記発光部の間の領域に形成され、前記主面電極層の厚さを超える厚さを有する電極層と、を含む、面発光レーザ装置。
  5. 複数の前記発光部は、前記主面の周縁部における単位面積当たりの個数が前記主面の中央部における単位面積当たりの個数を超えるように配列されている、請求項1~のいずれか一項に記載の面発光レーザ装置。
  6. 複数の前記発光部は、平面視において三角形状、四角形状、六角形状、円形状または楕円形状に形成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の面発光レーザ装置。
  7. 主面を有する半導体層と、
    前記主面の上に形成され、前記半導体層の熱伝導率を超える熱伝導率を有する外部端子と、
    前記主面に形成された溝によってそれぞれ区画され、平面視において前記外部端子の周囲に偏在するように配列され、前記主面の法線方向に向けて光を放出する複数の発光部と、を含む、面発光レーザ装置。
  8. 複数の前記発光部は、平面視において前記外部端子の周囲および前記主面の周縁部に偏在している、請求項に記載の面発光レーザ装置。
  9. 前記外部端子は、平面視において前記主面の周縁部の上に形成されており、
    複数の前記発光部は、平面視において前記主面の周縁部において前記外部端子の周囲に偏在している、請求項またはに記載の面発光レーザ装置。
  10. 複数の前記発光部は、前記主面の周縁部において密に配列され、前記主面の中央部において疎に配列されている、請求項のいずれか一項に記載の面発光レーザ装置。
  11. 複数の前記発光部は、前記外部端子の周囲における単位面積当たりの個数が前記主面の中央部における単位面積当たりの個数を超えるように配列されている、請求項10のいずれか一項に記載の面発光レーザ装置。
  12. 複数の前記発光部は、前記外部端子の周囲に位置する複数の前記発光部の間の距離が前記外部端子の周囲外の領域に位置する複数の前記発光部の間の距離未満となるように配列されている、請求項11のいずれか一項に記載の面発光レーザ装置。
  13. 複数の前記発光部は、平面視において千鳥状、行列状または放射状に配列されている、請求項12のいずれか一項に記載の面発光レーザ装置。
  14. 複数の前記発光部は、平面視において三角形状、四角形状、六角形状、円形状または楕円形状に形成されている、請求項13のいずれか一項に記載の面発光レーザ装置。
  15. 前記主面の上に形成され、複数の前記発光部を被覆する絶縁層と、
    前記絶縁層の上に形成され、複数の前記発光部に電気的に接続された主面電極層と、をさらに含み、
    前記外部端子は、前記主面電極層の上に形成されている、請求項14のいずれか一項に記載の面発光レーザ装置。
  16. 前記主面電極層の上において複数の前記発光部の間の領域に形成され、前記主面電極層の厚さを超える厚さを有する電極層をさらに含む、請求項15に記載の面発光レーザ装置。
  17. 前記外部端子に接続された導線をさらに含む、請求項16のいずれか一項に記載の面発光レーザ装置。
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