JP7428569B2 - 成膜装置および成膜方法 - Google Patents

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Description

本開示は、被処理物に成膜する装置および方法に関する。
例えばプラスチック製の飲料用容器等の被処理物の表面に薄膜を形成してガスバリア性を付与することが行われている。気体の透過を防ぐガスバリア性を有する薄膜(ガスバリア膜)として、典型的には、DLC(Diamond-like Carbon)の薄膜が、プラズマ化学気相成長(PECVD;Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition)法、所謂プラズマCVD法により容器の内面に形成されている(特許文献1)。
特許文献1に記載されているように、容器を収容する成膜チャンバから排気させつつ、ボトル状の容器の内側に原料ガスを導入し、容器の内側に挿入された内部電極と、容器を外側から包囲するように配置された外部電極との間に高周波電界を印加する。放電による原料ガスのプラズマ状態の雰囲気下で、電界により電子およびイオンが加速される。加速した電子との衝突により原料ガスの分子を分解しつつ、加速したイオンを容器の内面に衝突、堆積させることで、容器の内面にDLC膜が形成される。
ボトル状の容器のガスバリア膜は、特許文献1に記載されているように、専ら、容器の内側に挿入される電極と、容器の外側に配置される電極とを用いて形成される。
一方、円筒形の複数の被処理物に対して、被処理物の外面に薄膜を形成する例も知られている(特許文献2)。
特許文献2における円筒形の被処理物は、少なくとも外周部がアルミニウム等の導体である。この特許文献2では、反応室において同心円状に配置される第1電極および第2電極の間に複数の被処理物を配置し、減圧下、ヒーターにより被処理物を内側から加熱しつつ、反応室に原料ガスを導入し、第1電極および第2電極と被処理物との間に高周波電界を印加してプラズマを励起させる。成膜処理中、複数の被処理物は、それらを支持するターンテーブルの回転軸の周りに公転するとともに、各々が自転機構により自転する。公転かつ自転する被処理物の外面には、電界により加速したイオンの堆積により、アモルファスシリコンの薄膜が形成される。
特開2018-135594号公報 特開昭62-127474号公報 国際公開2012/091095号公報 特許第5260050号公報
近年、プラズマCVDに対して生産効率を向上させることが可能な成膜技術として、触媒化学気相成長(Cat-CVD;Catalytic Chemical Vapor Deposition)法の実用化が検討されている。以下、触媒化学気相成長法のことを熱触媒CVD法と称する。
熱触媒CVD法は、例えば2000℃に加熱される触媒線を使用する。触媒線は、タンタル基合金や炭化タンタル等の通電により発熱する抵抗体である。
熱触媒CVD法では、発熱した触媒体に原料ガスを接触させ、触媒体の表面で接触分解反応により原料ガスを分解し、原料ガスの分解により得られた活性種を被処理物に堆積させる。
プラズマCVD法では、原料ガスが導入された減圧空間で原料ガスをプラズマ化して分解し、ガスの原子や分子を励起し、活性種を作る。それに対し、熱触媒CVDでは、固体である触媒体の表面で原料ガスを分解するので、プラズマCVD法と比べて原料ガスの利用効率が高い。その分、成膜に要する時間を短縮して生産の能力増大を図ることができる。
上述のプラズマCVD法と同様に、ボトル状の容器の内側に触媒線を挿入し、熱触媒CVD法により容器の内面に薄膜を形成する例は存在する(特許文献3)。
しかし、容器を個別に収容する複数のチャンバが使用され、各容器に触媒線が挿入されるため、容器のサイズが変わると、成膜装置におけるチャンバの配置および触媒線の配置を変更する必要があるので、型換え作業に手間が掛かる。
また、容器の外側に触媒線を配置し、容器の外面に薄膜を形成する例も存在するが(特許文献4)、触媒線の表面における原料ガスの分解により得られた活性種は、容器の外面だけでなく、チャンバの内壁にも付着する。こうした公知例に対して、容器への成膜効率を向上させたい。
飲料製品をはじめ、成膜処理を要する製品の生産にあたっては、処理時間や原料コスト、電力コスト、作業コスト等を含めた種々の観点から、生産性の向上が常に要求されている。
以上より、本開示は、生産性を向上させることが可能な成膜装置および成膜方法を提供することを目的とする。
本開示に係る成膜装置は、大気圧に対して減圧された雰囲気下、通電により発熱して原料ガスの接触分解反応の触媒として機能する触媒体を用いて被処理物に成膜する装置であって、触媒体と、接触分解反応による活性種が触媒体から到達可能な領域(以降、成膜可能領域と言う)内に被処理物の外表面の少なくとも一部が配置された状態に複数の被処理物を収容可能なチャンバと、チャンバから外部へと吸引により気体が流出する排気経路と、供給源から供給される原料ガスをチャンバに導入するガス導入経路と、被処理物をそれぞれ自転させる自転機構と、を備え、触媒体の少なくとも一部は、被処理物の自転軸に沿った方向に延在し、複数の被処理物は、触媒体の周りに配置される。
また、本開示に係る成膜装置は、大気圧に対して減圧された雰囲気下、通電により発熱して原料ガスの接触分解反応の触媒として機能する触媒体を用いて被処理物に成膜する装置であって、触媒体と、接触分解反応による活性種が触媒体から到達可能な領域内に被処理物の外表面の少なくとも一部が配置された状態に複数の被処理物を収容可能なチャンバと、チャンバから外部へと吸引により気体が流出する排気経路と、供給源から供給される原料ガスをチャンバに導入するガス導入経路と、被処理物をそれぞれ自転させる自転機構と、を備え、触媒体は、被処理物の自転軸に対して交差した第1方向に延出する延出部を含み、自転軸の方向および第1方向の両方に対して交差した方向が第2方向であり、複数の被処理物は、延出部の第2方向における両側にそれぞれ分布して配置される。
本開示に係る成膜方法は、大気圧に対して減圧された雰囲気下、通電により発熱して原料ガスの接触分解反応の触媒として機能する触媒体を用いて被処理物に成膜する方法であって、接触分解反応による活性種が触媒体から到達可能な領域内に被処理物の外表面の少なくとも一部が配置された状態に複数の被処理物をチャンバに収容する第1ステップと、チャンバから吸引により排気しつつ、原料ガスをチャンバに導入する第2ステップと、触媒体に通電しつつ、複数の被処理物をそれぞれ自転させながら、活性種を被処理物の外表面に堆積させる第3ステップと、を備え、第1ステップでは、触媒体の少なくとも一部を被処理物の自転軸に沿った方向に延在させ、複数の被処理物を触媒体の周りに配置する。
また、本開示に係る成膜方法は、大気圧に対して減圧された雰囲気下、通電により発熱して原料ガスの接触分解反応の触媒として機能する触媒体を用いて被処理物に成膜する方法であって、接触分解反応による活性種が触媒体から到達可能な領域内に被処理物の外表面の少なくとも一部が配置された状態に複数の被処理物をチャンバに収容する第1ステップと、チャンバから吸引により排気しつつ、原料ガスをチャンバに導入する第2ステップと、触媒体に通電しつつ、複数の被処理物をそれぞれ自転させながら、活性種を被処理物の外表面に堆積させる第3ステップと、を備え、自転軸の方向、および被処理物の自転軸に対して交差した第1方向の両方に対して交差した方向が第2方向であり、第1ステップでは、複数の被処理物は、第1方向に延出する延出部の第2方向における両側にそれぞれ分布して配置される。
本開示によると、自転機構により被処理物を自転させながら被処理物の外表面に成膜するので、被処理物の大きさにかかわらず、成膜可能領域に容器の外表面の一部でも配置されていれば、外表面において成膜可能領域内に位置する箇所を周方向に変化させつつ、被処理物の外表面に均一に成膜することができる。
本開示の成膜装置および成膜方法によれば、チャンバに収容されて一度に成膜処理が行われる複数の被処理物の外表面に対し、成膜可能領域において活性種により、プラズマCVD法と比べて効率よく成膜を行うことができる。
本開示によれば、プラズマCVD法により複数の被処理物の外表面に成膜する場合に対し、原料ガスの使用量や電力消費の観点から成膜の効率が高い。
また、本開示によれば、被処理物の内側に挿入される触媒線を用いて行われる熱触媒CVD法により、被処理物の内表面に成膜する場合に対し、同一のチャンバに複数の被処理物を密に配置可能であり、それらの被処理物に対して一度に効率よく成膜できるため、生産性が高い。
さらに、本開示によれば、被処理物の外表面に成膜されるため、ガスバリア膜が被処理物の内表面に形成される場合とは異なり、被処理物への充填および密封の処理が行われた後でも成膜処理を行うことができる。つまり、内表面に成膜する場合と比べて、生産工程の自由度が高い。
本開示によれば、詳しくは後述するように、触媒体からほぼ一定の距離の範囲に相当する成膜可能領域に到達する原料ガスの活性種によって、厚さや緻密さが均一な品質の高い薄膜を被処理物に効率よく形成することができる。
しかも、触媒体の軸周りに配置される被処理物が、成膜時にチャンバの内壁と触媒体との間に配置されるから、減圧雰囲気において触媒体から飛散する活性種を被処理物には到達させ、チャンバの内壁への活性種の到達を避けることができる。したがって、成膜効率をより向上させることができる。
本開示の第1実施形態に係る容器成膜装置を示す縦断面図である。 図1に示す容器成膜装置に備わる容器自転機構およびロボットアームを示す斜視図である。 本開示の実施形態における成膜可能領域を示す模式図である。 比較例における成膜可能領域を示す模式図である。 成膜処理のステップを示す図である。 図1に示す容器成膜装置の横断面を模式的に示す図である。 矩形状の断面を呈する容器への適用例を示す図である。 径が異なる複数の容器への適用例を示す図である。 図1に示す容器よりも小さい容器への適用例を示す図である。 チャンバにモータが配置される例を示す図である。 本開示の第2実施形態に係る容器成膜装置に備わる容器保持部および回転駆動部を示す斜視図である。 図10に示す容器保持部を示す縦断面図である。一部の部材にのみハッチングを施している。 本開示の第1変形例を示す図である。 本開示の第2変形例を示す斜視図である。 本開示の第2変形例を示す側面図である。
以下、添付図面を参照しながら、実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示す成膜装置1は、被処理物としての容器2の外表面2Aに、容器2に入れられる内容物の品質を保持するため、ガスバリア性を有する薄膜を原料ガスから形成する。
容器2は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂材料から形成されたボトルである。容器2は、底部21から筒状に立ち上がる胴部22と、胴部22に対して径が小さい口部23とを備えている。
容器2の横断面の形状は、円形、矩形状、多角形状等、適宜に定められていてよい。
成膜装置1によれば、ボトル状の容器2以外にも、例えば、食品や薬を包装する容器や包装体等の種々の被処理物に対して薄膜を形成することができる。
成膜装置1から取り出された容器2は、口部23から内側に内容物としての飲料が充填された後、口部23に図示しない蓋が装着されることで、密封される。
成膜装置1により容器2の外表面2Aに形成される薄膜は、酸素ガスや炭酸ガス、水蒸気等の気体の通過を防ぐガスバリア性を有する。
(成膜装置の構成)
成膜装置1は、加熱される触媒線3を用いる熱触媒CVD(Cat-CVD;Catalytic Chemical Vapor Deposition)法により、原料ガスからガスバリア膜を容器2の外表面2Aに形成する。
成膜装置1は、通電により発熱する触媒線3と、触媒線3の周りに複数の容器2を収容するチャンバ4と、ガス導入管5と、排気経路6と、複数の容器2をそれぞれ自転させるために用いられる駆動機構7および複数の従動機構8と、モータ9と、容器2の口部23をそれぞれ保持する容器保持部10とを備えている。駆動機構7および複数の従動機構8は、容器2をそれぞれ自転させる自転機構に相当する。
(触媒線)
触媒線3は、原料ガスの接触分解反応の触媒として機能する。触媒線3は、例えば、金属タンタル(Ta)、タンタル基合金または炭化タンタル(TaC)等を用いて形成されている。
触媒線3は、折り曲げ部3Cにおいて折り曲げられた一本のワイヤである。触媒線3は、平行な区間3A,3Bを有している。
触媒線3がタンタルを主たる構成元素として含む場合、原料ガスとしては、例えば、有機シラン系化合物等を用いることができる。その場合、原料ガスに酸素ガスが添加されることが好ましい。有機シラン系化合物の一例として、ビニルシラン(CH=CH-SiH)を例示できる。
触媒線3は、端部3D,3Eから、下端に相当する折り曲げ部3Cまで上下方向(鉛直方向)に沿って延在している。この触媒線3は、容器保持部10により保持された容器2の高さ方向のほぼ全体に亘り配置されることが好ましい。
なお、触媒線3と、触媒線3を支持する図示しない支持部等とが一体に組み付けられてユニットとして構成されていてもよい。そうすると、触媒線3の劣化による交換が容易に行える。
触媒線3は、上壁41に設けられた絶縁ソケット35により下方に向けて支持されている。触媒線3の端部3D,3Eは、上壁41を厚さ方向に貫通する絶縁ソケット35に設けられている一対の端子36,37に接続されている。それらの端子36,37に接続された電線38を通じて、触媒線3は電源装置39に接続されている。電源装置39により触媒線3に直流電流が印加されると、触媒線3は、例えば約2000℃に発熱する。
触媒線3は、容器2の内側ではなく外側に配置される。本実施形態では触媒線3を用いて、容器2の外表面2Aに成膜する。そのため本実施形態は、容器2の内側に触媒線を挿入して容器2の内表面2Bに成膜する場合とは相違する。
なお、触媒線3が容器2の内側に挿入される場合、チャンバに収容した単一の容器2に対して成膜処理が行われる。
それに対し、本実施形態では、同一のチャンバ4に収容した複数の容器2に対して一度に成膜処理が行われる。
(チャンバおよび成膜可能領域)
チャンバ4は、上壁41、下壁42、および側壁43からなるチャンバ部材40により、全体として円筒状に区画されている。上述の触媒線3は、チャンバ4の軸心4Xに対応する位置に配置されることが好ましい。
チャンバ部材40は、容器2を出し入れするため、上部40Uと下部40Lとに分割されている。例えば、図示しない昇降機構により上部40Uに対して下部40Lが上下方向に昇降されることにより、上部40Uと下部40Lとの間が開閉される。上部40Uの端面と下部40Lの端面との間は、環状シール44により封止される。成膜時に、チャンバ部材40の内部が減圧されることで、チャンバ4は大気圧に対して減圧された雰囲気となる。
容器2への成膜にプラズマCVD(PECVD;Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition)法が採用される場合、チャンバ部材は、容器を包囲する電極、誘電体、および電磁シールドを積層して構成される。プラズマCVD法に使用されるチャンバ部材と比べ、チャンバ部材40は、電磁シールド等が必要ない分、薄く、簡易に構成することができる。また、プラズマCVD法では高周波電源や整合器を必要とするのに対し、本実施形態では、直流電源で足りるので、電源装置39を簡略に構成することができる。
触媒線3および複数の容器2を収容するチャンバ4において、発熱した触媒線3と接触した原料ガスの分解により活性種が発生し、容器2に到達した活性種が容器2の外表面2Aに堆積することで、ガスバリア膜が形成される。外表面2Aに形成されたガスバリア膜の厚さは、例えば、最大で0.1×10-6mである。
本実施形態では、固体である触媒線3の表面と原料ガスの分子との接触による反応を利用して原料ガスを分解するため、原料ガスの分解の効率が高い。
一方、大気圧に対して減圧された雰囲気下、触媒線3との接触により原料ガスが分解されることで発生した活性種が到達可能な範囲は、触媒線3から所定の範囲に留まる。活性種が到達可能な範囲において成膜が可能である。チャンバ全体に亘り活性種を発生させるプラズマCVD法とは異なり、熱触媒CVD法は、活性種の到達可能範囲が限られるものの、当該到達可能範囲における成膜効率が良い。
図1に、触媒線3から活性種が到達可能な領域3R(成膜可能領域)を二点鎖線で囲んで示している。チャンバ4には、成膜可能領域3R内に外表面2Aの少なくとも一部が配置された状態に、複数の容器2が収納されている。成膜可能領域3Rは、触媒線3から、触媒線3に対して直交する方向に所定距離だけ離れた位置までのほぼ円筒状の空間に相当する。成膜可能領域3Rの中でも特に触媒線3に近い位置で活性種が容器2に到達したときに、薄膜の品質が高い。触媒線3から容器2までの距離が短いほど、チャンバ4に存在する気体分子等によって容器2への活性種の到達が妨げられる機会が少なく、また、活性種の活性度合が高いことによる。活性種が活性化されているうちに容器2に到達することが成膜の必要条件である。減圧空間を活性種は拡散するが、容器2等の固体に到達する前に活性が失われると、ダストが発生する。
成膜を妨げる空気中のガスを極力チャンバ4から排出させ、かつ、活性種が触媒線3からより遠くまで到達するように、チャンバ4は十分に低い圧力にまで減圧されることが好ましい。
容器2の外表面2Aの全体を成膜可能領域3Rに配置することは、触媒線3に流せる電流、加工可能な触媒線3の径や形状等の制約から、実現可能な成膜可能領域3Rの径に限りがあるため、難しい。例えば、成膜可能領域3Rの半径の上限は、50~100mmである。
しかし、本実施形態では、後述する駆動系Dにより容器2を自転させるので、成膜可能領域3Rに外表面2Aの一部でも配置されていれば、外表面2Aにおいて成膜可能領域3R内に位置する箇所が周方向に変化することとなる。そのため、成膜可能領域3R内に外表面2Aが全体に亘り配置されていなくとも、外表面2Aの周方向全体に亘り活性種を到達させて堆積させることができる。
図3Bに示す比較例のように、触媒線3が容器2の内側に、容器2の軸線上に挿入されており、内表面2Bに成膜する場合を想定する。この場合、容器2の径d2が成膜可能領域3Rの径d3以下であるため、触媒線3から到達した活性種により、内表面2Bの全体に亘り薄膜が形成される。
それに対し、図3Aに示す本実施形態では、触媒線3が容器2の外側に配置されており、触媒線3と容器2の外表面2Aとは接触していない。触媒線3と容器2の外表面2Aとの間には、少なくとも、容器2と触媒線3との干渉を避け、触媒線3から放射される熱による容器2への影響を避けるためのクリアランス分の距離Lが確保されている。触媒線3の軸周りに複数の容器2を並べるため、距離Lをクリアランス分以上に確保することができる。
通電時における触媒線3の周囲の雰囲気は、所定の真空度まで減圧されるため、基本的には触媒線3からの放射熱のみを考慮して、少なくともクリアランス分の距離Lを確保することにより、成膜時の熱による樹脂製の容器2の変形を避けることができる。
図3Aに示す容器2の径d2は、比較例(図3B)における径d2と同一であって、図3Aに示す成膜可能領域3Rの径d3も比較例(図3B)における径d3と同一である。これらの図3Aおよび図3Bには、径d2および径d3のそれぞれの典型例を示している。
図3Bに示す比較例のように、容器2の内側に触媒線3が配置される場合は、成膜可能領域3Rの径d3よりも大きな径d2-1を有する容器2-1の内表面2Bには成膜されない。
一方、図3Aに示す本実施形態は、径が大きな容器2-1の成膜にも適用できる。比較例とは異なり、触媒線3を口部23から挿入しないので、本実施形態は、口部23の径にも制限がない。
つまり、本実施形態によると、容器2の径や口部23の径の大小にかかわらず、成膜可能領域3R内に外表面2Aが一部でも配置されていれば、容器2を自転させながら外表面2Aの周方向全体に亘り成膜することができる。
なお、径d2の容器2と径d2-1の容器2とが混在する場合の成膜処理条件については、図7を参照して後述する。
本実施形態では、図1に示すように、複数の容器2が、口部23を下方に向けた倒立の姿勢で、触媒線3の周りに配列される。容器2の軸線(自転軸2X)に対して触媒線3は平行に配置されている。触媒線3の位置から発生して触媒線3の周囲に到達する活性種をできる限り無駄なく成膜に寄与させるように、触媒線3の軸線周りの全周に亘り容器2が並べられることが好ましい。
自転軸2Xと触媒線3とは厳密に平行である必要はなく、概ね平行、つまり自転軸2Xに沿った方向に触媒線3が延在していれば足りる。
図1および図2に示す容器2は、触媒線3の位置を中心として、周方向に等間隔に配置されるが、必ずしもこの限りではない。触媒線3の周りに容器2が不均等な間隔で配置されていてもよく、隣り合う容器2間には隙間があいていれば足りる。
成膜可能領域3R内の触媒線3に近い箇所であるほど、活性種がより十分に到達するので外表面2Aに堆積し易い。つまり、触媒線3に近いほど、単位時間あたりに堆積した活性種による膜の厚さ、すなわち成膜レートが高い。そのため、複数の容器2間における膜厚のばらつきを抑えるため、チャンバ4に収容される複数の容器2の径が同一である場合は、触媒線3から触媒線3の径方向に等しい距離だけ離れた位置に各容器2が配置されることが好ましい。
チャンバ4に収容する容器2の数は、それぞれの容器2が他の容器2やチャンバ部材40の内壁に干渉しないで自転可能であるならば、適宜に定めることができる。
図1および図2には、チャンバ4に4つの容器2が収容される例を示し、図5には、チャンバ4に6つの容器2が収容される例を示している。
チャンバ4の半径および高さは、生産する製品の容器の大きさを考慮して設定される。半径や高さの異なる複数のチャンバ部材40のうち、生産する容器2に適切な径および高さのチャンバ部材40を選定することが好ましい。
なお、図8に示すライナ45の使用によれば、成膜対象の容器2のサイズが変わる際にチャンバ部材40を必ずしも交換する必要がない。
チャンバ4の減圧に要する時間の短縮、および成膜のためチャンバ4に必要な原料ガスの使用量を抑える観点から、図8に示すように、容器2のサイズに対してチャンバ部材40が大き過ぎる場合は、チャンバ部材40の内側の容積を減らすために、チャンバ部材40の内壁にライナ45を配置することが好ましい。そうすることで、ライナ45の内側に、適切な容積のチャンバ4を得ることができる。
同様の観点から、チャンバ4に収容する容器2の数を増やし、容器2を密に配置することでチャンバ4の実質的な容積を減らすことにより、成膜処理を効率よく行うことができる。この場合、一度の成膜処理による処理本数が多いことから、生産能力の増大にも寄与できる。
ライナ45が、筒状の第1ライナ451と、円形状の第2ライナ452とに分割して構成されていると、これらライナ451,452の組み合わせにより、容器2の種々の径および高さへの対応が容易である。
(ガス導入管)
図1に示すガス導入管5(ガス導入経路)は、絶縁ソケット35を軸心に対応する位置で貫通して、上壁41に支持されている。ガス導入管5によりチャンバ4に導入された原料ガスが、触媒線3に確実に接触するように、ガス導入管5は、触媒線3の近傍の位置から、触媒線3の延びている方向に原料ガスを吐出することが好ましい。
ガス導入管5の長さは適宜に定めることができる。図1に示すように、ガス導入管5が、触媒線3の平行な区間3A,3Bの間を下方に向けて延びていてもよい。ガス導入管5は、供給源5Sから供給される原料ガスをチャンバ4に導入する。
(排気経路)
チャンバ部材40の側壁43には、排気装置6Sに接続された排気経路6が設けられている。排気装置6Sは、真空ポンプ、真空タンク、真空バルブ、および圧力計等を含んで構成されている。この排気装置6Sの作動により、排気経路6を通じてチャンバ4から外部へと気体が吸引されることで、チャンバ4が所定の真空度まで減圧される。
ガス導入管5から下方に吐出した原料ガスが触媒線3に十分に接触した後、側方に転向して排気経路6に向かうように、排気経路6は、側壁43におけるガス導入管5から下方に十分に離れた位置に設けられることが好ましい。図1に示す例において、排気経路6は、触媒線3の下端(3C)と同等の高さに位置している。
次に、駆動機構7、従動機構8、およびモータ9について説明する。これら駆動機構7、従動機構8、およびモータ9は、容器2を駆動する駆動系Dを構成する。
本実施形態では、成膜中に駆動系Dにより容器2を自転させる。
本実施形態において、上述のガス導入管5、および触媒線3への給電に用いられる電線38は、チャンバ4の軸方向の一方側(上側)に位置している。それに対し、駆動系Dはチャンバ4の軸方向の他方側(下側)に位置している。
(駆動機構)
駆動機構7は、回転軸71と、軸受72と、回転軸71を中心に回転する駆動車としての駆動ギヤ73とを備えている。
回転軸71は、カップリング74を介してモータ9の出力軸に結合している。回転軸71は、チャンバ4の軸心4Xに対応する位置で軸受72により支持され、下壁42を上下方向に貫通している。下壁42の内側に突出した回転軸71の上端部に、駆動ギヤ73が結合している。
軸受72およびカップリング74は、下壁42に設けられたカバー75により覆われている。
モータ9によりトルクがカップリング74を介して回転軸71に入力されると、駆動ギヤ73が軸回りに回転する。
(従動機構)
各従動機構8は、駆動ギヤ73に連動する1以上の従動ギヤ83を備えている。従動ギヤ83は、下壁42に設置された回転軸81に設けられている。回転軸81は、駆動機構7の回転軸71に対して平行に、上下方向に沿って設定されている。なお、従動機構8が2以上の従動ギヤ801,802を備える例を図7に示している。
本実施形態の従動機構8は、容器保持部10を支持する一つの従動ギヤ83を備え、この従動ギヤ83が駆動ギヤ73と噛み合っている。従動ギヤ83は、軸受82を介して回転軸81に支持されている。
各従動機構8の従動ギヤ83が、駆動ギヤ73の回転に連動して回転軸81を中心に回転することにより、容器保持部10に保持された容器2が回転軸81の周りに自転する。容器2の自転軸2Xは、回転軸81に一致する。
モータ9の回転速度、カップリング74の減速比、および駆動ギヤ73と従動ギヤ83とのギヤ比に応じて、各容器2に適宜な自転速度を与えることができる。
(容器保持部)
本実施形態の容器保持部10は、倒立姿勢の容器2の口部23を保持する。容器保持部10によれば、容器2の胴部22および底部21の外表面2A全体の成膜が可能になることに加えて、口部23の内側に挿入される保持具101(図2)により口部23を内側から保持していることから、口部23の外周部を含む容器2の外表面2A全体に亘りガスバリア膜を施すことができる。
容器保持部10(図1および図2)は、口部23の内側に挿入される保持具101と、保持具101を従動ギヤ83に支持する支持具102とを含む。従動ギヤ83の回転に伴い、容器保持部10および容器2が自転する。
保持具101は、支持具102から上方に略円柱状に突出している。保持具101により口部23を内側から確実に保持するため、保持具101の外周には、弾性材料から形成されたシールリング103(Oリング)が設けられていることが好ましい。シールリング103が保持具101に1つだけ設けられていてもよい。
また、チャンバ4の減圧時における容器2の内側と外側との圧力差により容器2が変形するのを避けるため、保持具101には、容器2の内側とチャンバ4とを連通させる通気経路104が形成されていることが好ましい。
チャンバ4に容器2を供給する際には、例えば図2に示す多自由度ロボットアーム11により容器2を把持し、容器2の口部23を保持具101に装着することができる。このとき、シールリング103により、保持具101の上端から所定位置までが口部23の内側に挿入された状態に容器2が位置決めされ、容器2は触媒線3に対して平行な姿勢に維持される。
口部23の内周部と保持具101の外周部との間にシールリング103が介在するため、成膜時に原料ガスから発生した微粉末(ダスト)が容器2の内側に入るのを防ぐことができる。また、保持具101に対する容器2の脱着時に容器2内にダストが自重で入るのを防ぐ観点から、口部23が下方に向いた倒立姿勢で容器2をチャンバ4に配置することが好ましい。
保持具101を備えた容器保持部10を用いることにより、容器2の外表面2A全体が雰囲気に露出した状態で、外表面2A全体に亘り成膜することができる。
容器保持部10を用いる他、例えば、口部23に装着された図示しない蓋を外側から包み込むように保持する保持具を使用して容器2を保持することもできる。その場合、容器2に内容物を充填し、蓋を装着して容器2を密封した後に、減圧雰囲気下で成膜処理を行うことが可能となる。
(型換用ユニット)
異なる製品への製造切換等に伴い、成膜対象の容器2の寸法形状や配列ピッチ等が変わる際に行われる型換え作業の便宜のため、従動機構8および容器保持部10は、図1および図2に示すように型換用ユニットUとして、一体に組み付けられていることが好ましい。型換用ユニットUは、駆動機構7に対して分離可能であり、チャンバ部材40の下壁42に着脱自在に設置される。型換え作業時に、駆動機構7の交換は必ずしも必要ない。
型換用ユニットUの回転軸81と触媒線3との距離は、容器保持部10に保持された容器2の外表面2Aの少なくとも一部が成膜可能領域3Rに配置されるように、適切に設定される。
型換用ユニットUは、複数の従動機構8と、従動機構8のそれぞれに設けられた容器保持部10と、各従動機構8の回転軸81を支持する支持部材12とを備えている。全数の従動機構8が、同一の支持部材12に組み付けられることで一体化されている。
支持部材12は、円環状に形成され、例えばボルト等の締結部材を用いて下壁42に着脱自在に設置される。支持部材12の内周の孔12Aには、駆動機構7の回転軸71が通される。
型換えは、回転軸71や駆動ギヤ73を下壁42に残して支持部材12を下壁42から取り外し、別の型換用ユニットUの従動ギヤ83を駆動ギヤ73の周りに配置して駆動ギヤ73の歯と噛み合わせることで、容易に実施することができる。
(モータの配置)
本実施形態では、駆動ギヤ73がチャンバ4に配置され、モータ9はチャンバ4の外部に配置されている。但し、図9に示すように、駆動ギヤ73、軸受72、カップリング74、およびモータ9の全体が、チャンバ4-9に配置されていてもよい。
ここで、容器2へのガスバリア膜の成膜にプラズマCVD法を採用する場合は、チャンバ内における高周波電界、放電等からモータ9を保護するため、モータ9をチャンバの外部に配置する必要がある。それに対し、本実施形態が採用する熱触媒CVD法によれば、モータ9の作動への影響が大きい電磁的要素がチャンバ4に存在しないので、モータ9の配置に関する制限がない。図9に示すように、モータ9、軸受72、およびカップリング74がチャンバ4-9に配置される場合、カバー75は必要ない。
(成膜処理)
本実施形態の成膜装置1を用いた容器2の成膜処理は、図4に示すように、チャンバ4に複数の容器2を収容する収容ステップS1と、チャンバ4から吸引により排気する排気ステップS2と、原料ガスをチャンバ4に導入するガス導入ステップS3と、容器2の外表面2Aにガスバリア膜を形成する成膜ステップS4とを含んでいる。
収容ステップS1では、チャンバ部材40を分割位置から上下方向に開いて、下部40Lに複数の容器2を配置した後、チャンバ部材40を閉じて、チャンバ部材40によりチャンバ4を区画するとともにチャンバ4に複数の容器2を収容する。
このとき、例えば、図2に示すロボットアーム11を用いて、複数の容器保持部10にそれぞれ容器2を装着することができる。
チャンバ4に収容された複数の容器2の外表面2Aの周方向の一部は、触媒線3を中心とする成膜可能領域3R内に配置されている。
次に、排気装置6Sにより排気経路6を通じてチャンバ4からの排気を開始し、さらに、供給源5Sから供給される原料ガスをチャンバ4にガス導入管5を通じて導入する。
排気ステップS2およびガス導入ステップS3は、原料ガスの流量を調整可能な流量弁5V(図1)や、排気装置6Sに備わる圧力計を用いて、チャンバ4に導入される原料ガスの流量およびチャンバ4の圧力を所定の値に制御しながら行われることが好ましい。
成膜のステップS4は、電源装置39により電線38を通じて触媒線3に通電しつつ、駆動機構7および従動機構8により複数の容器2をそれぞれ自転させながら、発熱した触媒線3との接触による原料ガスの接触分解反応により発生した活性種を容器2の外表面2Aに堆積させる。
このとき、図5に示すように、容器2のそれぞれの外表面2Aの周方向における一部しか成膜可能領域3Rに配置されていないとしても、従動機構8により容器2がそれぞれ自転することで、外表面2Aの一部ずつ、繰り返し成膜可能領域3Rに移動することにより、触媒線3から活性種が外表面2Aの周方向の全体に到達して堆積する。成膜のステップS4は、所定の膜厚に必要な時間、例えば、1~10秒に亘り行われる。
各容器2を自転させることで、外表面2Aの周方向全体に亘り成膜することができる。
なお、自転に加え、遊星歯車機構を用いて各容器2を公転させることも許容される。
また、成膜時に触媒線3の軸周りに複数の容器2が配置されており、換言すると、チャンバ4の内壁と触媒線3との間に容器2が配置されているから、減圧雰囲気において触媒線3から飛散する活性種を容器2には到達させ、チャンバ4の内壁への活性種の到達を避けることができる。そのため、成膜効率を向上させることができる。
以上のステップS1~S4を経て、外表面2Aの全体に亘りガスバリア膜が形成された複数の容器2を得ることができる。
以上に開示した本実施形態の成膜装置1および成膜方法によれば、チャンバ4に収容されて一度に成膜処理が行われる複数の容器2の外表面2Aに対し、成膜可能領域3Rにおいて活性種により、ダストの発生し易いプラズマCVD法と比べて効率よく成膜を行うことができる。
また、上述した通り、成膜可能領域3R内に容器2の外表面2Aの一部しか配置されていなくとも、容器2を自転させながら成膜するため、容器2の径にかかわらず、容器2の外表面2Aに均一に成膜することができる。
本実施形態によれば、プラズマCVD法により複数の容器2の外表面2Aに成膜する場合に対し、原料ガスの使用量や電力消費の観点から成膜の効率が高い。
また、本実施形態によれば、容器2の内側に挿入される触媒線3を用いて行われる熱触媒CVD法により、容器2の内表面2Bに成膜する場合に対し、同一のチャンバ4に複数の容器2を密に配置可能であり、それらの容器2に対して一度に効率よく成膜できるため、生産性が高い。
さらに、本実施形態によれば、容器2の外表面2Aに成膜されるため、ガスバリア膜が容器2の内表面2Bに形成される場合とは異なり、容器2への充填および密封の処理が行われた後でも、その容器2が真空状態に耐える強度を有する場合、つまり容器2の変形等が発生しないのならば、成膜処理を行うことができる。そのため、内表面2Bに成膜する場合と比べて、生産工程の自由度が高い。
成膜可能領域3R内の触媒線3に近い箇所であるほど、活性種がより十分に到達するので堆積し易い。つまり、触媒線3に近いほど、単位時間あたりに堆積した活性種による膜の厚さ、すなわち成膜レートが高い。そのため、複数の容器2間における膜厚のばらつきを抑えるため、触媒線3から触媒線3の径方向に等しい距離だけ離れた位置に各容器2が配置されることが好ましい。
本実施形態の成膜装置1は、図6に示すように矩形状の横断面を呈する容器2-6や、多角形状の横断面を呈する容器(図示しない)の成膜にも適用することができる。
ここで、触媒線3に近いほど成膜レートが高いことから、容器2-6の周方向全体に亘り成膜レートが均一になるように、容器2-6の自転速度を制御するとよい。
具体的には、図6に、触媒線3の位置から容器2-6の角部までの距離L1と、触媒線3の位置から容器2-6の平坦部までの距離L2とを示すように、L1<L2である。つまり、触媒線3の位置から外表面2Aまでの距離が容器2-6の周方向において一定ではない。この場合には、触媒線3から外表面2Aまでの距離が小さいほど容器2-6の自転の速度を減少させる制御を行うことで、容器2-6の周方向全体に亘り均一な厚さのガスバリア膜を形成することができる。
図7に示す例では、容器2a~2dのそれぞれの径が異なるため、容器2a~2d相互の間で、触媒線3の位置から外表面2Aまでの距離が不定である。
図7に示す従動機構8は、駆動ギヤ73に噛み合う第1従動車801と、第2従動車802と、減速機構803とを含んでいる。各容器2a~2dは第2従動車802に支持され、第2従動車802の回転軸(容器2a~2dの自転軸)を中心に自転する。図7に示す例では、複数の第2従動車802の回転軸のそれぞれと、触媒線3との距離は同等である。なお、図7では、容器保持部10の図示を省略している。
チャンバ4に収容され同一の処理時間に亘り自転しながら成膜処理が行われる容器2a~2dの成膜レートを均一化し、各容器2a~2dに厚さの均一な膜を施すためには、成膜可能領域3Rにおける容器2a~2d毎の処理時間に亘る容器表面の単位面積当たりの活性種被爆時間が同一になる条件で成膜処理を行うことが好ましい。当該条件に基づいて、触媒線3および成膜可能領域3Rに対する異径の各容器2a~2dの位置、および各容器2a~2dの自転速度を定めることができる。各容器2a~2dの自転速度を異ならせる場合は、減速機構803により、触媒線3および成膜可能領域3Rに対する各容器2a~2dの位置を考慮した適切な減速比を第2従動車802に与えることができる。
〔第2実施形態〕
次に、図10および図11を参照し、本開示の第2実施形態を説明する。第1実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付している。
第2実施形態の成膜装置1-2は、正立姿勢の容器2を容器保持部50(図11)により吊り下げた状態に保持する。図10では容器保持部50の図示が省略されている。
成膜装置1-2は、主に、チャンバ4に収容される容器2の姿勢と、容器保持部50の構成を除いて、第1実施形態の成膜装置1と同様に構成されている。
第2実施形態において、駆動系Dは上壁41に設けられ、触媒線3の給電系およびガス導入管5は下壁42に設けられている。図示を省略するが、チャンバ4から排気させる排気経路は、側壁43(図1)における上壁41の近傍に設けることができる。
以下、第1実施形態と相違する事項を中心に、簡単に説明する。
図10には、チャンバ4に収容される複数の容器2のうちの1つの容器2と、その容器2に対応する容器保持部50および従動機構8と、駆動機構7の駆動ギヤ73とを示している。他の容器2と、対応する容器保持部50および従動機構8の図示は省略する。
また、図10には、チャンバ部材40のうち、上壁41および下壁42のみを模式的に示している。
容器保持部50は、ロボットアーム11(図2)等により下壁42に正立の状態で供給された容器2の口部23を保持し、容器2を吊り下げられた状態に保持する。
図11には、容器保持部50の構成の一例を示している。
図11の上段には、容器2を自転させて行われる成膜時の容器保持部50の状態が示され、図11の下段には、容器2の自転を停止させて容器2が取り外される際の容器保持部50の状態が示されている。
容器保持部50は、図11に示すように、容器2の口部23を内側から保持するマンドレル51と、マンドレル51および容器2を従動車83に支持する回転支持部52と、上壁41に上下動可能に支持された固定ロッド531により回転支持部52の回転ロッド521を押し下げることが可能な固定部53とを備えている。
マンドレル51は、周方向に複数の部材に分割されている。それらの部材の間隙が、成膜中に容器2の内側とチャンバ4とを連通させる通気経路に相当する。
成膜中は、図11の上段に示すように、回転ロッド521が圧縮ばね522により支持部材523に対して上方へ加圧されることで、回転ロッド521の下端部に固定されたテーパ部524とマンドレル51との係合によりマンドレル51が圧縮ばね525の弾性力に抗して支持部材526に対して径方向外側に加圧される。そのため、マンドレル51は、容器2の口部23の内部を摩擦力により保持する。容器2を保持するマンドレル51、支持部材523,526、回転ロッド521、およびテーパ部524は従動車83の一点鎖線で示す軸線(自転軸2X)を中心に回転する。
容器2の自転の停止中に、マンドレル51から容器2を取り外す際には、図11の下段に示すように、固定ロッド531に装着されたキャップ532を圧縮ばね533の弾性力に抗して押す。すると、固定ロッド531が滑り軸受534により支持されつつ下方へ移動し、固定ロッド531の下端と係合した回転ロッド521も滑り軸受527により支持されつつ押し下げられてテーパ部524が下方へ移動する。これに伴い、マンドレル51が圧縮ばね525の弾性力に従って径方向内側へと移動するので、マンドレル51から容器2を取り外すことが可能となる。
第2実施形態においても、チャンバ4に複数の容器2を収容した後、チャンバ4から排気するとともに原料ガスをチャンバ4に導入し、触媒線3に通電しつつ、駆動機構7および従動機構8により複数の容器2を自転させながら成膜処理を行うことにより、各容器2の外表面2Aに均一なガスバリア膜を形成することができる。
〔第1変形例〕
図12に示す触媒線3-1は、容器2の口部23および底部21に対して効率よく成膜できるように、口部23および底部21に対応する位置で、胴部22に対応する部位に対して折り曲げて形成されている。
具体的に、触媒線3-1は、胴部22に対応する第1部分31と、底部21に対応する第2部分32と、口部23に対応する第3部分33とを含んでいる。
第1部分31は、胴部22の外表面2Aの近傍に配置される。第2部分32は、底部21の外表面2Aの近傍に配置される。第3部分33は、口部23の外表面2Aの近傍に配置される。
上述したように、容器2の外表面2Aにおいて触媒線3-1に近いほど成膜レートが大きい。口部23、胴部22、および底部21に亘りガスバリア膜を均一に形成するため、第2部分32から底部21までの距離L4および第3部分33から口部23までの距離L5を第1部分31から胴部22までの距離L3と同等に設定することが好ましい。
図12に示す例では、上下方向に隣り合う容器2,2のそれぞれの底部21が対向しているため、対向する底部21と底部との間において、触媒線3-1に、上側の容器2の底部21と、下側の容器2の底部21との両方に対応する第2部分32を与えれば足りる。
図12に示す複数の容器2の配置は一例であり、上下方向に隣り合う容器2,2のそれぞれの口部23が対向するように複数の容器2が配置されていてもよい。
なお、複数の容器2が必ずしも上下方向に並べられる必要はなく、図12に示す下側の容器2が存在しない場合は、図12における下側の第3部分33は必要ない。
容器2の外表面2Aにおいて要求される成膜範囲によっては、触媒線3-1が、第1部分31および第2部分32のみを含んでいたり、第1部分31および第3部分33のみを含んでいたりしてもよい。
〔第2変形例〕
図13Aおよび図13Bに示す成膜装置1-2では、触媒線3-2の延出部Eの両側にそれぞれ被処理物2-2が分布して配置される。加えて、触媒線3-2の複数の延出部Eが、被処理物2-2の自転軸2Xの方向に、被処理物2-2の高さの方向に亘り分布している。
以下、円筒状の被処理物2-2の自転軸2Xの方向をz方向、z方向に対して直交した方向をx方向(第2方向)およびy方向(第1方向)と称する。
触媒線3-2は、折り曲げ部3Cにおいて折り曲げられた一本のワイヤであり、いずれもy方向に沿って平行に延出した2つの延出部Eを含んでいる。これらの延出部Eは、x方向に対して直交するyz面内に間隔をおいて配置されており、被処理物2-2からx方向に等しい距離にある。被処理物2-2の形状等によっては、x方向における2つの延出部Eのそれぞれの位置が相違していてもよい。
触媒線3-2の延出部Eのx方向における両側にそれぞれ、被処理物2-2が分布して配置される。図13Aおよび図13Bに示す例では、x方向における一方の側に4つの被処理物2-2が配置され、他方の側にも4つの被処理物2-2が配置されている。このようにx方向における延出部Eの両側に被処理物2-2が配置されると、上記実施形態において触媒線3の軸周りに複数の容器2が配置されるのと同様、成膜時において二点鎖線で示すチャンバ4の内壁と触媒線3-2との間に被処理物2-2が配置されるから、減圧雰囲気において触媒線3-2から飛散する活性種がチャンバ4の内壁に到達することを避けることができる。つまり、活性種を無駄なく成膜に寄与させることができるから、成膜効率を向上させることができる。
加えて、複数の延出部Eが被処理物2-2の高さ方向(z方向)に配置されることで、触媒線3-2の太さに対してz方向の寸法が大きい被処理物2-2の成膜に対応できる。被処理物2-2の高さに応じて折り曲げ回数を増やし、触媒線3-2に任意の数の延出部Eを形成することが可能である。
本開示の成膜装置および成膜方法に用いられる触媒線は、直線状に延びるものには限らず、他の形状、例えば円形状に延びていてもよい。その場合は、円形状の触媒線の内周側に複数の被処理物を配置し、円形状の触媒線の外周側に複数の被処理物を配置することにより、やはり、触媒線の位置から発生して触媒線の周囲に到達する活性種を無駄なく複数の被処理物の成膜に寄与させることができる。
以上で説明した以外にも、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
本開示の成膜装置および成膜方法は、樹脂材料から形成された被処理物に限らず、他の材料、例えば、金属材料から形成された被処理物であってもよく、例えば、金属製のボトル状の缶にも適用可能である。使用する原料ガスに応じて、例えば、耐摩耗性を有する薄膜を被処理物に与えることも実現可能である。
〔付記〕
以上で説明した成膜装置および成膜方法は、以下のように把握される。
(1)成膜装置1は、大気圧に対して減圧された雰囲気下、通電により発熱して原料ガスの接触分解反応の触媒として機能する触媒体3を用いて被処理物2に成膜する装置であって、触媒体3と、接触分解反応による活性種が触媒体3から到達可能な領域3R内に被処理物2の外表面の少なくとも一部が配置された状態に複数の被処理物2を収容可能なチャンバ4と、チャンバ4から外部へと吸引により気体が流出する排気経路6と、供給源5Sから供給される原料ガスをチャンバ4に導入するガス導入経路(5)と、被処理物2をそれぞれ自転させる自転機構(7,8)と、を備える。
触媒体3の少なくとも一部は、被処理物2の自転軸2Xに沿った方向に延在し、複数の被処理物2は、触媒体3の周りに配置される。
(2)被処理物は、ボトル状の容器2であり、触媒体3の少なくとも一部は、容器2の外側に容器2の軸線に沿った方向に延在する。
(3)触媒体3は、容器2の胴部22の外表面の近傍に配置される第1部分31と、容器2の底部21の外表面の近傍に配置される第2部分32、および、容器2の口部23の外表面の近傍に配置される第3部分33の少なくとも一方と、を含む。
(4)複数の容器2の口部23をそれぞれ保持する容器保持部10,50を備え、自転機構(7,8)は、容器2および容器保持部10,50を一体に自転させる。
(5)容器保持部10,50は、容器を正立の姿勢または倒立の姿勢に保持する。
(6)容器保持部10,50は、口部23の内側に挿入されて口部23を内側から保持し、容器保持部10,50には、容器2の内側とチャンバ4とを連通させる通気経路104が形成されている。
(7)容器保持部50は、正立の姿勢の容器2を吊り下げられた状態に保持する。
(8)チャンバ4は、円筒形状に形成され、触媒体3は、チャンバ4の軸心4Xに対応する位置に軸線に沿った方向に延在し、チャンバ4の軸方向の一方側に位置する端子36,37を通じて給電され、複数の被処理物2は、触媒体3の周りに配列され、ガス導入経路(5)は、前記一方側に位置し、自転機構(7,8)は、チャンバ4の軸方向の他方側に位置する。
(9)大気圧に対して減圧された雰囲気下、通電により発熱して原料ガスの接触分解反応の触媒として機能する触媒体3を用いて被処理物2に成膜する装置1-2であって、触媒体3と、接触分解反応による活性種が触媒体3から到達可能な領域3R内に被処理物2の外表面の少なくとも一部が配置された状態に複数の被処理物2を収容可能なチャンバ4と、チャンバ4から外部へと吸引により気体が流出する排気経路6と、供給源5Sから供給される原料ガスをチャンバに導入するガス導入経路(5)と、被処理物2をそれぞれ自転させる自転機構(7,8)と、を備える。
触媒体3は、被処理物2の自転軸2Xに対して交差した第1方向(y方向)に延出する延出部Eを含む。自転軸2Xの方向(z方向)および第1方向(y方向)の両方に対して交差した方向が第2方向(x方向)である。複数の被処理物2は、延出部Eの第2方向(x方向)における両側にそれぞれ分布して配置される。
(10)触媒体3は、複数の延出部Eを含み、複数の延出部Eが、自転軸2Xの方向に分布している。
(11)大気圧に対して減圧された雰囲気下、通電により発熱して原料ガスの接触分解反応の触媒として機能する触媒体3を用いて被処理物2に成膜する方法であって、接触分解反応による活性種が触媒体3から到達可能な領域3R内に被処理物2の外表面の少なくとも一部が配置された状態に複数の被処理物2をチャンバ4に収容する第1ステップと、チャンバ4から吸引により排気しつつ、原料ガスをチャンバ4に導入する第2ステップと、触媒体3に通電しつつ、複数の被処理物2をそれぞれ自転させながら、活性種を被処理物2の外表面に堆積させる第3ステップと、を備える。
第1ステップでは、触媒体3の少なくとも一部を被処理物2の自転軸2Xに沿った方向に延在させ、複数の被処理物2を触媒体3の周りに配置する。
(12)大気圧に対して減圧された雰囲気下、通電により発熱して原料ガスの接触分解反応の触媒として機能する触媒体3を用いて被処理物2に成膜する方法であって、接触分解反応による活性種が触媒体3から到達可能な領域内に被処理物2の外表面の少なくとも一部が配置された状態に複数の被処理物2をチャンバ4に収容する第1ステップと、チャンバ4から吸引により排気しつつ、原料ガスをチャンバ4に導入する第2ステップと、触媒体3に通電しつつ、複数の被処理物2をそれぞれ自転させながら、活性種を被処理物2の外表面に堆積させる第3ステップと、を備える。被処理物2の自転軸2Xの方向(z方向)、および自転軸2Xに対して交差した第1方向(y方向)の両方に対して交差した方向が第2方向(x方向)である。第1ステップでは、複数の被処理物2は、第1方向(y方向)に延出する延出部Eの第2方向(x方向)における両側にそれぞれ分布して配置される。
1,1-2 成膜装置
2 容器(被処理物)
2A 外表面
2X 自転軸
3 触媒線(触媒体)
3R 成膜可能領域
4 チャンバ
4X 軸心
5 ガス導入管(ガス導入経路)
5S 供給源
5V 流量弁
6 排気経路
6S 排気装置
7 駆動機構(自転機構)
8 従動機構(自転機構)
9 モータ
10 容器保持部
11 ロボットアーム
12 支持部材
12A 孔
21 底部
22 胴部
23 口部
3A,3B 区間
3C 折り曲げ部
3D,3E 端部
35 絶縁ソケット
36,37 端子
38 電線
39 電源装置
40 チャンバ部材
40L 下部
40U 上部
41 上壁
42 下壁
43 側壁
44 環状シール
45 ライナ
50 容器保持部
51 マンドレル
52 回転支持部
53 固定部
71 回転軸
72 軸受
73 駆動ギヤ(駆動車)
74 カップリング
75 カバー
81 回転軸
82 軸受
83 従動ギヤ(従動車)
101 保持具
102 支持具
103 シールリング
104 通気経路
D 駆動系
d2,d3 径
L 距離
S1 収容ステップ
S2 排気ステップ
S3 ガス導入ステップ
S4 成膜ステップ
U 型換用ユニット

Claims (10)

  1. 大気圧に対して減圧された雰囲気下、通電により発熱して原料ガスの接触分解反応の触媒として機能する触媒体を用いて被処理物としてのボトル状の容器に成膜する装置であって、
    前記触媒体と、
    前記接触分解反応による活性種が前記触媒体から到達可能な領域内に前記被処理物の外表面の少なくとも一部が配置された状態に複数の前記被処理物を収容可能なチャンバと、
    前記チャンバから外部へと吸引により気体が流出する排気経路と、
    供給源から供給される前記原料ガスを前記チャンバに導入するガス導入経路と、
    前記被処理物をそれぞれ自転させる自転機構と、を備え、
    前記触媒体の少なくとも一部は、前記被処理物の自転軸に沿った方向に延在し、
    前記複数の被処理物は、前記触媒体の周りに配置され、
    前記触媒体の少なくとも一部は、前記容器の外側に前記容器の軸線に沿った方向に延在し、
    複数の前記容器の口部をそれぞれ保持する容器保持部を備え、
    前記自転機構は、前記容器および前記容器保持部を一体に自転させる、
    成膜装置。
  2. 大気圧に対して減圧された雰囲気下、通電により発熱して原料ガスの接触分解反応の触媒として機能する触媒体を用いて被処理物としてのボトル状の容器に成膜する装置であって、
    前記触媒体と、
    前記接触分解反応による活性種が前記触媒体から到達可能な領域内に前記被処理物の外表面の少なくとも一部が配置された状態に複数の前記被処理物を収容可能なチャンバと、
    前記チャンバから外部へと吸引により気体が流出する排気経路と、
    供給源から供給される前記原料ガスを前記チャンバに導入するガス導入経路と、
    前記被処理物をそれぞれ自転させる自転機構と、を備え、
    前記触媒体の少なくとも一部は、前記被処理物の自転軸に沿った方向に延在し、
    前記複数の被処理物は、前記触媒体の周りに配置され、
    前記触媒体は、
    鉛直方向に沿って延在し、互いに間隔を隔てて配置される第1区間および第2区間と、
    鉛直方向の下側において前記第1区間および前記第2区間を繋ぐ折り曲げ部と、を備える、
    成膜装置。
  3. 前記触媒体は、
    前記容器の胴部の外表面の近傍に配置される第1部分と、
    前記容器の底部の外表面の近傍に配置される第2部分、および、前記容器の口部の外表面の近傍に配置される第3部分の少なくとも一方と、を含む、
    請求項1に記載の成膜装置。
  4. 前記容器保持部は、前記容器を正立の姿勢または倒立の姿勢に保持する、
    請求項1に記載の成膜装置。
  5. 前記容器保持部は、前記口部の内側に挿入されて前記口部を内側から保持し、
    前記容器保持部には、前記容器の内側と前記チャンバとを連通させる通気経路が形成されている、
    請求項1または請求項4に記載の成膜装置。
  6. 前記容器保持部は、正立の姿勢の前記容器を吊り下げられた状態に保持する、
    請求項1、4および5のいずれか一項に記載の成膜装置。
  7. 前記チャンバは、円筒形状に形成され、
    前記触媒体は、前記チャンバの軸心に対応する位置に前記軸線に沿った方向に延在し、
    前記チャンバの軸方向の一方側に位置する端子を通じて給電され、
    前記複数の被処理物は、前記触媒体の周りに配列され、
    前記ガス導入経路は、前記一方側に位置し、
    前記自転機構は、前記チャンバの軸方向の他方側に位置する、
    請求項1に記載の成膜装置。
  8. 大気圧に対して減圧された雰囲気下、通電により発熱して原料ガスの接触分解反応の触媒として機能する触媒体を用いて被処理物に成膜する装置であって、
    前記触媒体と、
    前記接触分解反応による活性種が前記触媒体から到達可能な領域内に前記被処理物の外表面の少なくとも一部が配置された状態に複数の前記被処理物を収容可能なチャンバと、
    前記チャンバから外部へと吸引により気体が流出する排気経路と、
    供給源から供給される前記原料ガスを前記チャンバに導入するガス導入経路と、
    前記被処理物をそれぞれ自転させる自転機構と、を備え、
    前記触媒体は、前記被処理物の自転軸に対して交差した第1方向に延出する延出部を含み、
    前記自転軸の方向および前記第1方向の両方に対して交差した方向が第2方向であり、
    前記複数の被処理物は、前記延出部の前記第2方向における両側にそれぞれ分布して配置される、
    成膜装置。
  9. 前記触媒体は、複数の前記延出部を含み、
    複数の前記延出部が、前記自転軸の方向に分布している、
    請求項8に記載の成膜装置。
  10. 大気圧に対して減圧された雰囲気下、通電により発熱して原料ガスの接触分解反応の触媒として機能する触媒体を用いて被処理物に成膜する方法であって、
    前記接触分解反応による活性種が前記触媒体から到達可能な領域内に前記被処理物の外表面の少なくとも一部が配置された状態に複数の前記被処理物をチャンバに収容する第1ステップと、
    前記チャンバから吸引により排気しつつ、前記原料ガスを前記チャンバに導入する第2ステップと、
    前記触媒体に通電しつつ、前記複数の被処理物をそれぞれ自転させながら、前記活性種を前記被処理物の前記外表面に堆積させる第3ステップと、を備え、
    前記被処理物の自転軸の方向、および前記自転軸に対して交差した第1方向の両方に対して交差した方向が第2方向であり、
    前記第1ステップでは、
    前記複数の被処理物は、前記第1方向に延出する延出部の前記第2方向における両側にそれぞれ分布して配置される、
    成膜方法。
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