JP7428433B2 - メタルコンタクトによるシール構造 - Google Patents

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Description

本発明は、流体(気体或いは液体)或いは粉体などのシール対象をメタルコンタクトによりシール(密封、封止)するシール構造に関する。
流体(気体或いは液体)或いは粉体の少なくとも一方をシール対象とするメタルコンタクトによるシール構造としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。
このものは、図6(A)に示すように、締結ナット74をオスねじ75に対して締め付けていくことで、締結ナット74がパイプ71のフレア部分72の接触面をテーパ部73の接触面に押し付け、金属同士を接触させてシール対象である流体をシールするシール部1が形成されるようになっている。
特開2008-309295号公報
このような従来のメタルコンタクトによるシール構造において流体の漏れが生じる場合があるが、漏れが発生している部位を観察すると、表面の平面度や表面粗さから生ずるアタリ抜け部位から漏れていることが確認された。
アタリ抜けが確認された部位を、図5(A)に示す。図において上下方向の中央がシール部1で、シール部1の上方がシール部上流(ガス上流)2、シール部1の下方がシール部下流(ガス下流)3である。なお、ここでは、シール対象の漏れがない場合において、シール部上流(ガス上流)2がシール対象存在側に相当し、シール部下流(ガス下流)3がシール対象非存在側に相当する。
図5(A)から、対面する接合部10、20(図5(B)参照)のシール部1の接触面(アタリ面)5にアタリがついておらず接触面同士が離れわずかな隙間(シール部上流2とシール部下流3とを連通している通路、すなわち、アタリ抜け部)4が発生していることが確認できる。
図5(B)は、対面する接合部10、20の密着面(アタリ面)5と隙間(アタリ抜け部)4を図5(A)のA-A方向から見た図である。
ここで、このようなミクロな隙間からの流体の漏れをシールする方法としては、例えば表面に柔らかいラバーや樹脂など(液状ガスケットなど)を塗布し、それがつぶれることにより隙間を塞いでシール性を高める方法がある。
しかし、当該方法は、使用環境が高圧環境、高温環境、腐食性環境等では使えないといった実情がある。また、接触面が微振動などにより動くと剥離し機能しなくなるといった実情もある。
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、比較的厳しい使用環境下においても良好にシール対象をシールすることができるメタルコンタクトによるシール構造を提供することを目的とする。
このため、本発明に係るメタルコンタクトによるシール構造は、
螺合による締め付けによって金属同士を接触させてシール対象をシール対象存在側とシール対象非存在側との間を仕切り方向に沿ってシールするメタルコンタクトによるシール構造であって、
金属同士が接触するシール部の少なくとも一方の表面に、レーザを照射することで、仕切り方向に延在する溝を仕切り方向と交差する方向に複数列形成し、当該隣接する溝の間の凸部であってシール部の表面側の辺を上底とし溝の底部側の辺をこれより長い下底とした断面台形形状の凸部を、仕切り方向と交差する方向に複数列形成し
前記断面台形形状の凸部のピッチが45μm~600μmの範囲、前記凸部の溝の底部からの高さが400~50μmの範囲、前記凸部の断面台形形状の上底が10μm~100μmの範囲、下底が15μm~500μm範囲であることを特徴とする。
本発明において、金属同士を螺合による締め付けによって締結した際に、前記凸部の溝の底部からの高さが所定高さまでつぶれ締結荷重が一定になる範囲で使用することを特徴とすることができる。
本発明によれば、比較的厳しい使用環境下においても良好にシール対象をシールすることができるメタルコンタクトによるシール構造を提供することができる。
(A)は本実施の形態に係るメタルコンタクトによる継手(接合部)のシール部(接触面)をレーザにより軟化させた場合の断面図(図5(A)のB方向から見た断面図)であり、(B)は同上実施の形態に係るメタルコンタクトによる継手(接合部)のシール部(接触面)をレーザにより実際に軟化させた場合の断面を撮影した画像の一例であり、(C)は横軸に表面からの深さXをとり縦軸に硬度Hvをとったグラフである。 (A)は同上実施の形態に係るメタルコンタクトによる継手(接合部)のシール部(接触面)を脱炭後にレーザにより軟化させた場合の断面図であり、(B)は同上実施の形態に係るメタルコンタクトによる継手(接合部)のシール部(接触面)全面を軟化させず筋状に軟化させた場合の断面図である。 (A)は同上実施の形態に係るメタルコンタクトによる継手(接合部)のシール部(接触面)に複数列の溝(周溝)を掘り断面台形形状の山を複数列形成した場合の断面図であり、(B)は(A)の台形形状の凹凸形状を有するシール部(接触面)1の表面の一例を外部から撮影した画像であり、(C)は締め付け時(締結時)に締め付け荷重が大きくなり変形が進むと接触面積が増えるため山の頭がつぶれにくくなり所定以上はつぶれなくなる現象を説明する図である。 (A)は所定程度(例えば約50%程度)の高さまで山がつぶれると荷重が一定になることを説明する図であり、(B)は実際のあたり幅Z内に山が少なくとも2つ以上存在するように形成した場合のシール部(接触面)の表面の一例を外部から撮影した画像である。 (A)はアタリ抜けが確認された部位を示す図であり、(B)は対面する接合部のアタリ抜け部を(A)のA-A方向から見た図である。 (A)は同上実施の形態に係る接合部のシール部(接触面)の構造が適用可能な金属継手の一例を示す断面図であり、(B)は同金属継手の他の一例を示す断面図である。
以下、本発明に係る一実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
本発明の一実施の形態に係るメタルコンタクトのシール構造は、気体や液体などの流体或いは粉体の少なくとも一方のシール対象(以下、単に流体とも称する)をシールするために利用可能であるが、例えば、水や燃料やオイルやエアコンの冷媒その他の流体等の通路(配管等)の金属継手、CNG、LPG、水素などの高圧ガス系の配管のメタルコンタクトによるシール部など様々なものに適用可能である。
既述したように、ミクロな隙間からの流体等の漏れをシールする方法の一例として、接触面に柔らかいラバーや樹脂などを塗布し、それがつぶれることにより隙間を密着させる方法がある。
しかしながら、このようなラバーや樹脂を用いる方法は、使用環境が高圧環境、高温環境、腐食性環境等では使うことができなかったり、また接触面が微振動などにより動くと剥離し機能しなくなってしまうといった実情がある。
また、別の方法としては、銅やアルミのワッシャ(ガスケット)(板厚1~0.5mm)を間に挟んで接合部を締結し、その締結の際に、このワッシャがつぶれることで隙間を作らないようにする方法がある。
かかる方法は、締結した直後は隙間を埋めシールできるが、その後、接合部に大きな荷重がかかると柔らかいワッシャが塑性変形し(へたり)て締結が緩み(接触面の面圧が下がり)、接合部(シール部)に隙間が生じて漏れが発生してしまうという問題がある。
このため、本発明者等は、種々の検討及び実験研究を行い、その結果、樹脂製のガスケットや柔らかい金属製ガスケットを用いることなく、上述した従来の方法では解決できなかった比較的厳しい使用環境下であっても流体の漏れを効果的に抑制することができるメタルコンタクトにおける新たなシール構造を見い出した。
本発明におけるメタルコンタクトによるシール構造は、シール部(接触面)の実接触面積をアップさせることでシール性を高めるとの考え方に基づいている。
より具体的には、本発明に係るメタルコンタクトにおけるシール構造は、接合部の接触面の極表面のみを軟化させてつぶれ易くして隙間ができないようにする、或いは接合部の接触面の極表面の形状をつぶれ易い形状にして隙間ができないようにする、といった思想に基づいている。
詳細には、
<方法1>としては、図1(A)に示すように、材料(金属継手の接合部10のシール部(接触面)1の付近)の表面から深さ(X)、例えば、400~50μmをレーザを使って軟化させる(焼き鈍し処理を施す)。なお、図1(A)はシール部(接触面)1付近の図5(A)のB方向から見た断面図である。
ここで、本発明に係る仕切り方向は、シール対象存在側とシール対象非存在側とを仕切っているシール部1の延在方向と略一致する方向であり、図1(A)の平面と略直交する方向に延在し、この仕切り方向に延在するようにシール部1は線状或いは帯状に形成されている(図2(A)、図2(B)、図3(A)においても同様)。
図1(B)に、メタルコンタクトによる継手(接合部)10のシール部(接触面)1をレーザにより実際に軟化させた場合の断面を撮影した画像の一例を示す。材質は、ステンレス(SUS304、SUS316など)とすることができるが、低炭素系のステンレス(SUS304L、SUS316Lなど)は焼きが入り難く軟化させ易い材料であるためより好適である。
また、図1(C)に、横軸に表面からの深さXをとり、縦軸に硬度Hvをとった図を示す。軟化前の母材の硬度は350Hv程度であり、軟化後はHv=250以下を目標とする。実際には、表面から深さ(X)、例えば、400~50μmの範囲で、Hv=150から230程度であった。かかる範囲とすることで、例えば、数千barの高圧液体燃料(軽油やガソリンなど)の金属継手のメタルコンタクトによるシール部に本構造を用いた場合に漏れを発生させることがなかった。
但し、上記は一例であり、「表面からの深さ(X)、例えば、400~50μmの範囲で、Hv=150から200程度」以外でも、母材の材質やレーザ加工の仕様変更などによって、表面からの深さを変更したり硬度を変更(例えばより柔らかくしたり、硬くしたり)することは可能であり、例えば、「表面からの深さ(X)、例えば、500μm以下の範囲で、Hv=250以下」、若しくは、「表面からの深さ(X)、例えば、300μm以下の範囲で、Hv=190以下」、若しくは、「表面からの深さ(X)、例えば、250μm以下の範囲で、Hv=170以下」などとすることも可能である。更には、「表面からの深さ(X)、例えば、500μm以下の範囲で、Hv=150以下或いは170以下」などとすることも可能である。
当該軟化処理を施すことにより、メタルコンタクトによる継手(接合部)10(或いは20)などにおいて、接合部のシール部(接触面)1同士を対面させて締め付ける時(締結時)に、柔らかい部分が200~50μm変形し隙間を埋めてシール性を向上させることができる。
また、締め付け後(締結後)、柔らかい部分が残らないためこれ以上の変形はなく締結が緩むことはない。すなわち、接合部に大きな荷重がかかっても、それ以上塑性変形することがないため、長期に亘って、へたり(接触面の面圧の低下)などを抑制できるため、長時間経過後に接合部(シール部)に隙間が生じて漏れが発生してしまうという問題を解決することができる。
なお、締結は螺合などにより締め付ける場合に限らず、クランプなどにより締結する場合も含まれる。
また、軟化させる深さや硬度は継手の接合部の材質、使用環境などに応じて適宜に調整することができる。
ここで、本実施の形態における軟化処理(焼き鈍し処理)は、例えば、レーザ装置を用いて、以下のようにして行うことができる。
<レーザによる軟化処理(焼き鈍し処理)方法>
加工対象物である継手のメタルコンタクトのシール部(接触面)1に対して、レーザを照射することで表面のみ軟化させる(図1(A))。
具体的には、例えば、回転治具等を用いてワークを回転させて、1~複数周にわたってシール部1の幅方向Yに沿って徐々にレーザを移動させつつ照射することで、シール部1の幅方向Yの全域或いは所定領域に焼き鈍しを行う。
なお、加工対象物としては、メタルコンタクトシールによる金属継手などに適用可能である。
また、対象材料としては、母材硬度=250~400HV程度のSUS材(ステンレス材)、スチール材などが一例として想定されるが、これらに限らず、焼き鈍し可能な金属材料であれば適用可能である。
焼き鈍しにより軟化させる幅(軟化幅)Y(シール部1に形成する軟化層の幅)は、数十μm~数mm程度とすることができる。また、軟化深さXは、50~700μm程度とすることができる。
なお、軟化幅Yは、シール部1と同じ幅とすることができるし、シール部1の幅より狭い幅、或いはシール部1の幅より広い幅とすることもできる。
レーザ加工設備(装置)の仕様例としては、例えば、以下のようなものがあげられる。
レーザの種類は、炭酸ガスレーザ、半導体レーザ、ファイバーレーザ、ディスクレーザ、YAGレーザなどとすることができる。
発振方法:連続発振(CW)、パルス発振など
レーザ波長:300~1500nm程度
レーザ出力:数百ワット
パワー密度:10~300W/mm
加工速度:数百mm/min
集光形状:円形、矩形など
などとすることができる。
具体的なレーザ加工設備の型式としては、例えば、LASERLINE社製LDFシリーズなどを用いることができる。
なお、軟化させることが難しい中炭素鋼(例えば、S53Cなど)や高炭素鋼(例えば、S55C・SK材など)の場合、短時間で空気雰囲気でレーザ加熱することで金属中に含有するカーボンを酸化し脱炭処理を行う。これはカーボンの酸化速度が鉄の酸化速度より速いことを利用して行う。
この場合、若干の鉄の酸化物ができるためレーザで除去する。
その後、上記(1)の軟化処理を行う(図2(A)参照)。
但し、軟化処理前に行う脱炭処理は、上述したレーザ加熱による場合に限らず、電気炉などを用いて行うこともできる。
<方法2>としては、締め付け荷重(締結荷重)が大きくかつ実働時の荷重が大きい場合は、接触面全面を軟化させず仕切り方向に筋状に(接触面の外周が円形の場合は円環状の筋状に或いは螺旋状の筋状に)、かつ、仕切り方向と交差する方向に複数並ぶように軟化させる。すなわち、図2(B)に示すように、シール部1の表面に軟化部30(幅a=0.2mm~1mm程度)と非軟化部40(幅b=0.5mm~3mm程度)とを交互に存在させる。また、軟化部30の表面からの深さは、図1(A)の深さXと同等とすることができる。
当該処理は、エネルギーを集中させることができるレーザで加熱する。
当該処理は、上記(1)で使用するレーザ加工装置の出力等を調整することなどによって実施可能である。
なお、シール部(接触面)1の外周が円形の場合に円環状の(エンドレスに)筋状に軟化させる場合は、回転治具等を用いてワークを回転させて始点と終点が一致するようにレーザを照射して一つの円環状の筋を形成した後、レーザの照射位置をY方向に沿って移動させて別の円環状の筋を順に形成することで、複数列(或いは条)の筋状の軟化部を形成することができる。また、シール部(接触面)1の外周が円形の場合に螺旋状の筋状に軟化させる場合は、回転治具等を用いてワークを回転させつつ、レーザの照射位置をY方向に沿って徐々に移動させることで、シール部(接触面)1の外周に連続的な螺旋状の筋(オスねじ状の筋)を形成することができる。
<方法3>としては、継手の接合部のシール部(接触面)の形状をつぶれ易くして隙間ができないようにする。
具体的には、図3(A)に示すように、シール部(接触面)1に複数列(或いは条)の溝(仕切り方向に延在する溝)50を掘り断面台形形状の山(凸部)60を溝50が延在する方向(仕切り方向)と交差する方向に複数列形成する、すなわち、シール部(接触面)1の表面を断面台形形状の凸部を有する凹凸形状にする。図3(B)は断面台形形状の凸部を有する凹凸形状を有するシール部(接触面)1の表面の一例を撮影した画像である。ここでの断面は、溝50或いは山(凸部)60の延在方向と略直交する平面で切断した断面である。
なお、溝50(山60)のピッチPは45μm~600μm程度、溝50の表面からの深さは、図1(A)の深さXと同等とすることができる。また、山60の断面台形形状の上底dが10μm~100μm程度、下底Dが15μm~500μm程度、傾斜角θは10~85°程度とすることができる。なお、山60の断面台形形状は、上底dが下底Dより短い形状とする。すなわち、本実施の形態では、シール部1の表面側の辺を上底とし溝50の底部側の辺をこれより長い下底とした断面台形形状が連続する山(凸部)60を仕切り方向と交差する方向に複数列(或いは条)形成した。
この台形形状により締め付け時(締結時)は山の頭がつぶれ易くなる。締め付け荷重(締結荷重)が大きくなり変形が進むと接触面積が増えるため山の頭がつぶれにくくなり、所定以上はつぶれなくなる(図3(C))。
すなわち、図4(A)に示すように、例えば、山の高さで所定程度(例えば約50%程度)の高さまでつぶれると、荷重が一定になるため、この範囲で使用するように溝50延いては山60を形成することが好ましい。
このため、接合部のシール部(接触面)1に大きな荷重がかかっても、シール部(接触面)1はそれ以上塑性変形することがないため、長期に亘って、へたり(接触面の面圧の低下)などを抑制できるため、長時間経過後に接合部(シール部)に隙間が生じて漏れが発生してしまうという問題を解決することができる。
また、当該方法3によれば、締め付けによるつぶれでシール部(接触面)の隙間がなくなることでシール性を高めることができると共に、シール部(接触面)を形成する山60の間に溝50が存在するため、この溝50が流体を収容してせき止め、所謂、多段のラビリンスシールとして機能することになるため、以ってより高いレベルまでシール性を高めることができる。
なお、溝50の形成方法としては、前述の軟化部30と同様、シール部(接触面)1の外周が円形の場合に円環状(エンドレス状)の溝50を形成する場合は、回転治具等を用いてワークを回転させて始点と終点が一致するようにレーザを照射して一つの円環状の溝50を形成した後、レーザの照射位置をY方向に沿って移動(走査)させて別の円環状の溝50を順に形成することで、複数列(条)の溝50を形成することができる。また、シール部(接触面)1の外周が円形の場合に螺旋状の溝50を形成する場合は、回転治具等を用いてワークを回転させつつ、レーザの照射位置をY方向に沿って徐々に移動(走査)させることで、シール部(接触面)1の外周に連続的な螺旋状の溝(オスねじ状の溝)50を形成することができる。
また、実際の製品バラツキや使用時(締め付け力など)のバラツキなどを考慮して、図4(B)に示すように、実際のあたり幅Z内に山60が少なくとも2つ以上存在するように、すなわち、実際のあたり幅Zより小さい間隔(Zの半分より小さいピッチ)の山60を形成するようにすることができる。
ここで、本実施の形態に係る溝加工について説明する。
<溝加工>
レーザを用いた加工方法としては、上述したように、加工対象物のメタルコンタクトによる継手のシール部1に対して、レーザを照射することで微細な溝加工を行う。例えば、回転治具等を用いてワークを回転させる、又はスキャナ光学系にてレーザを走査させてレーザを照射し、溝加工を行う。
なお、加工対象物としては、メタルコンタクトシールによる金属継手などに適用可能である。
また、対象材料としては、母材硬度=250~400HV程度のSUS材(ステンレス材)、スチール材などが一例として想定されるが、これらに限らず、レーザによる溝加工が可能な金属材料であれば適用可能である。
なお、本実施の形態において形成する溝50としては、溝幅は数十μm程度であり、溝ピッチは数十μm程度であり、溝深さは数十μm程度とすることができる。
溝加工に用いるレーザ加工設備(装置)の仕様の一例としては、以下のようなものがあげられる。
レーザの種類は、超短パルスレーザを利用することができる。
パルス幅は「50fs[フェムト秒]~950ps[ピコ秒]」程度とすることができ、レーザ波長は「200~1600nm[ナノメートル]」程度とすることができる。
パルスエネルギーは「1μJ[マイクロジュール]~1mJ[ミリジュール]」とすることができる。
使用可能なレーザ加工設備(装置)の具体例としては、例えば、COHERENT社製のMonacoシリーズなどがある。
なお、本実施の形態に係る接合部10のシール部(接触面)1の構造が適用される金属継手としては、例えば、図6(A)、(B)に示すようなものが例として想定される。
図6(A)は、接合部10(20)のシール部(接触面)1の構造が適用可能な金属継手70の断面図を示している。金属継手70は、流体が流れるパイプ(配管)71の先端がテーバ状に広げられたフレア部分72を有し、当該フレア部分72(接合部10相当)の内面のシール部(1)と、これに接触する先端が狭められたテーパ部73(接合部20相当)のシール部(1)と、が備えられている。
フレア部72の外側にはパイプ(配管)71を挿通する締結ナット74が係合され、締結ナット74の内側に形成されている雌ねじ部74Aが、テーパ部73を有するオスねじ75の外周ねじ部75Aに螺合される。従って、締結ナット74をオスねじ75に対して締め付けていくと、締結ナット74がパイプ(配管)71のフレア部分72の接触面をテーパ部73の接触面に押し付けることとなって、シール部1が形成される。
そして、図6(A)のシール部1には上述した各種のシール構造を採用することができる。
図6(B)は、接合部10(20)のシール部(接触面)1の構造が適用可能な金属継手80の断面図を示している。金属継手80は、流体が流れるパイプ(配管)81の先端がテーバ状に狭められた先端テーパ部82を有し、当該先端テーパ部82(接合部10相当)の外面のシール部(1)と、これに接触する内側テーパ部83(接合部20相当)のシール部(1)と、が備えられている。
先端テーパ部82の外側にはパイプ(配管)81を挿通する締結ナット84が係合され、締結ナット84の内側に形成されている雌ねじ部84Aが、内側テーパ部83を有するオスねじ85の外周ねじ部85Aに螺合される。従って、締結ナット84をオスねじ85に対して締め付けていくと、締結ナット84がパイプ(配管)81の先端テーパ部82の接触面を内側テーパ部83の接触面に押し付けることとなって、シール部1が形成される。
そして、図6(B)のシール部1には上述した各種のシール構造を採用することができる。
但し、本実施の形態に係るメタルコンタクトによるシール構造は、上述したものに限定されるものではなく、フランジ継手などを含め他のあらゆる金属継手などのメタルコンタクトによるシール部に適用可能である。
以上で説明したように、本実施の形態に係るメタルコンタクトにおけるシール構造によれば、接合部の接触面の極表面のみを軟化させてつぶれ易くして隙間ができないようにする、或いは接合部の接触面の極表面の形状をつぶれ易い形状にして隙間ができないようにする、といった思想に基づいているため、樹脂製のガスケットや柔らかい金属製ガスケットなどを用いることなく、従来の方法では解決できなかった比較的厳しい使用環境下であっても流体の漏れを効果的に抑制することができる。
すなわち、本実施の形態によれば、比較的厳しい使用環境下においても良好に流体をシールすることができるメタルコンタクトによるシール構造を提供することができる。
なお、本実施の形態では、接合部10(20)の一方のシール部1に本実施の形態に係るシール構造を適用する場合に限らず、双方のシール部1に本実施の形態に係るシール構造を適用することができる。その場合には、双方が、上記方法1、上記方法2、上記方法3から同じ1つを選択して双方同じシール構造とすることができると共に、双方が異なる方法を選択して双方が異なるシール構造とすることも可能である。
なお、本実施の形態では、加工対象側を回転させてレーザ加工を行う場合を例示したが、これに限らずレーザ照射側を回転させたり任意の形状に移動させて加工することも可能である。
また、本実施の形態に係るレーザ加工設備(装置)(超短パルスレーザ)によれば、複雑で微細な溝などをバリなどを生じさせずに高精度に形成することができるため、従来の切削加工やプレス加工などでは形成することができないサイズや複雑な形状、さらには切削加工やプレス加工などでは形成し難いテーパ面などの加工し難い表面形状に対しても高精度で微細な加工が可能である。
以上で説明した本実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
1 シール部(接触面)
2 シール部上流(ガス上流)
3 シール部下流(ガス下流)
4 隙間(アタリ抜け部)
5 接触面(アタリ面)
10、20 接合部(金属継手のメタルコンタクト部分)

Claims (2)

  1. 螺合による締め付けによって金属同士を接触させてシール対象をシール対象存在側とシール対象非存在側との間を仕切り方向に沿ってシールするメタルコンタクトによるシール構造であって、
    金属同士が接触するシール部の少なくとも一方の表面に、レーザを照射することで、仕切り方向に延在する溝を仕切り方向と交差する方向に複数列形成し、当該隣接する溝の間の凸部であってシール部の表面側の辺を上底とし溝の底部側の辺をこれより長い下底とした断面台形形状の凸部を、仕切り方向と交差する方向に複数列形成し
    前記断面台形形状の凸部のピッチが45μm~600μmの範囲、前記凸部の溝の底部からの高さが400~50μmの範囲、前記凸部の断面台形形状の上底が10μm~100μmの範囲、下底が15μm~500μm範囲であること
    を特徴とするメタルコンタクトによるシール構造。
  2. 金属同士を螺合による締め付けによって締結した際に、前記凸部の溝の底部からの高さが所定高さまでつぶれ締結荷重が一定になる範囲で使用することを特徴とする請求項1に記載のメタルコンタクトによるシール構造。
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