JP7428262B2 - イオン分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、質量分析装置やイオン移動度分析装置などのイオン分析装置に関し、さらに詳しくは、イオンを解離させるためのセルを備えるイオン分析装置に関する。
トリプル四重極型質量分析装置(非特許文献1参照)や四重極-飛行時間型質量分析装置などのタンデム型質量分析装置では、前段の質量分離部と後段の質量分離部との間に、イオンを解離させるコリジョンセル(衝突室)が設けられている。一般的なタンデム型質量分析装置では、コリジョンセル内にアルゴンなどのコリジョンガスが供給され、該コリジョンセル内に導入されたイオンをコリジョンガスに衝突させることにより、つまり衝突誘起解離(Collision-Induced Dissociation:CID)により、イオンを解離させる。
ペプチドや脂質などの有機化合物の構造解析を行う場合、CIDでは、必ずしも構造解析に有用なプロダクトイオンが生成されない場合がある。これに対し、近年、目的とする化合物由来のイオンに、水素ラジカル、酸素ラジカル、窒素ラジカルなどのラジカル種を照射することで該イオンを解離させる手法が開発されている(特許文献1、非特許文献2など参照)。例えばペプチド由来のイオンに対して、こうしたラジカル種を用いた解離操作を行うことで、ペプチドのアミノ酸配列等の構造を反映した様々な種類のプロダクトイオンを生成することができる。それらプロダクトイオンが観測されるマススペクトルを解析することにより、ペプチドの構造を推定することができる。
なお、非特許文献2等では、上記のようなラジカル種を利用した解離手法は、Hydrogen Attachment/Abstraction Dissociation(HAD)と呼ばれており、本明細書でもこの用語を用いる場合がある。また、コリジョンセルは、本来、その内部でCIDを行うものであるが、本明細書では、その内部でHADを行うものもコリジョンセルということとする。
特開2019-191081号公報
「LCMSTM-8040 超高速トリプル四重極型LC/MS/MSシステム」、[online]、[2020年4月6日検索]、株式会社島津製作所、インターネット<URL: https://www.an.shimadzu.co.jp/lcms/lcms8040/8040-2.htm> Yuji Shimabukuro、ほか4名、「タンデム・マス・スペクトロメトリー・オブ・ペプタイド・イオンズ・バイ・マイクロウェイブ・エキサイテッド・ハイドロジェン・アンド・ウォーター・プラズマズ(Tandem Mass Spectrometry of Peptide Ions by Microwave Excited Hydrogen and Water Plasmas)」、Analytical Chemistry、2018年、Vol.90、No.12、pp.7239-7245
HADでは、その目的の化合物の種類等に応じて、水素ラジカル、酸素ラジカル、窒素ラジカルなど、様々な種類のラジカル種が利用されるが、酸素ラジカルを利用する場合に次のような問題がある。
コリジョンセル内には、導入されたイオン及び生成されたプロダクトイオンを収束させつつ輸送するための電場を形成するイオンガイドが配置されている。一般に、このイオンガイドは四重極、八重極などの多重極型の構成であり、イオンガイドを構成する複数の電極は金属(通常はステンレス)製である。コリジョンセルの内部に酸素ラジカルが供給されると、酸素ラジカルの一部は電極の表面に付着し該電極を酸化(腐食)させる。電極の表面が酸化すると、該電極により形成される電場に乱れが生じ、イオン収束性などの性能が低下してしまう。その結果、コリジョンセルから取り出されるプロダクトイオンの量が減少し、分析の精度や感度が低下する。また、上記イオンガイドを構成する電極を交換する等の煩雑なメンテナンス作業が必要となる。
本発明はこうした課題を解決するものであり、HADを利用する質量分析装置において、コリジョンセルに供給するラジカル種による電極の酸化を防止し、高い信頼性を長期間に亘り確保することを、その主たる目的としている。
上記課題を解決するために成された本発明に係るイオン分析装置の一態様は、試料成分由来のイオンとラジカル種とを反応させることで該イオンを解離させる反応室を具備するイオン分析装置において、
前記反応室の一部を構成し、両端に開口部を有する筒状部と、
前記筒状部の内部に、該筒状部の延伸方向に沿った直線状の軸を取り囲むように配置され、該軸に沿った方向に延在する複数の電極と、
前記複数の電極を加熱する加熱部と、
前記筒状部の両端の開口部にそれぞれ設けられ、後記電極支持ピンがそれぞれ挿入される穴を有する一対の電極保持部と、
前記複数の電極のそれぞれにおいて、前記一対の電極保持部に向いた面にそれぞれ設けられ、前記軸に平行に延伸する棒状の電極支持ピンと、
を備える。
上述したような酸素ラジカルによる電極の腐食を回避するには、金、白金などの腐食しにくい金属から電極自体を形成するか、或いは、メッキなどにより、それら腐食しにくい金属の層を他の金属(例えばステンレス)製の基材の表面に形成すればよい。ところが、本発明者の検討によれば、酸素ラジカルの腐食力は強いため、例えば金メッキを施したステンレス製の電極の表面にも容易に酸化物が形成されてしまう。金の表面に形成された酸化物を除去するには、真空雰囲気中で100~150℃程度に加熱することが有効であることが半導体分野等において知られているものの、CIDを利用したコリジョンセルでは、通常、そうした温度まで電極を加熱する必要がないため、当然のことながら耐熱性は考慮されていない。そのため、通常のコリジョンセルにおいて電極を高温に加熱すると、電極を保持する樹脂製のホルダーが溶けてしまうおそれがある。また、そこまで至らなくても、ホルダーの熱膨張等のために電極の位置ずれが生じ、イオンを適切に収束及び輸送することができなくなる。
これに対し、本発明に係るイオン分析装置の上記態様において、反応室(例えばコリジョンセル)内の複数の電極は、その電極の延伸方向と同じ方向に延伸する軸に平行である棒状の電極支持ピンを介して、一対の電極保持部に対して保持される。加熱部によって各電極が加熱されたとき、その電極が持つ熱は主として電極支持ピンを通して電極保持部に伝わる。したがって、電極支持ピンを熱伝導率が低い材料から成るものとしておくことで、電極から電極保持部への熱伝導を抑えることができる。また、電極支持ピンの断面積を小さくし熱抵抗を大きくしておくことによって、電極支持ピンを介した電極保持部への熱伝導をより一層抑えることができる。また、電極に設けられた電極支持ピンを電極保持部の穴に挿入することで、電極の位置決めが行える。即ち、電極支持ピンに、断熱と電極の位置決めの両方の機能を持たせることができる。
本発明に係るイオン分析装置の上記態様によれば、反応室内に配置したイオン収束及び輸送用の電極を真空雰囲気中で適度に加熱することができるので、ラジカル種の作用によって電極の表面に形成された酸化物を除去することができる。それにより、電極の酸化や腐食を防止し、高い信頼性を長期間に亘り確保することができる。
本発明の一実施形態であるトリプル四重極型質量分析装置の概略構成図。 本実施形態の質量分析装置におけるコリジョンセルの外観斜視図。 本実施形態の質量分析装置におけるコリジョンセルの分解斜視図。 本実施形態の質量分析装置におけるコリジョンセルの略縦断面図。 本実施形態の質量分析装置におけるコリジョンセルにおける部品の取付構造の説明図。 本実施形態の質量分析装置におけるコリジョンセルにおける部品の取付構造の説明図。
以下、本発明に係るイオン分析装置の一実施形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の質量分析装置の概略構成図である。この質量分析装置は、大気圧イオン源を備えたトリプル四重極型質量分析装置である。この質量分析装置は、しばしば、その前段に液体クロマトグラフ(LC)が接続され、液体クロマトグラフ質量分析装置として利用される。説明の便宜上、図1中に、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を示している。
図1に示すように、この質量分析装置は、イオン化室11と真空チャンバー10とを有する。イオン化室11内は略大気圧雰囲気である。真空チャンバー10の内部は複数に区切られ、各室はそれぞれ図示しない真空ポンプ(ロータリーポンプ及び/又はターボ分子ポンプ)により真空排気され、第1中間真空室12、第2中間真空室13、及び分析室14となっている。即ち、この質量分析装置は、略大気圧雰囲気であるイオン化室11から高真空雰囲気である分析室14まで順に真空度が高まる、多段差動排気系の構成となっている。
イオン化室11にはエレクトロスプレーイオン化(ESI)プローブ20が設置されており、ESIプローブ20には例えばLCのカラムから溶出する溶出液(試料液)が導入される。イオン化室11と第1中間真空室12との間は、細径の脱溶媒管21を通して連通している。第1中間真空室12の内部には、Qアレイと呼ばれる一種のイオンガイド22が配置されている。第1中間真空室12と第2中間真空室13とは、スキマー23の頂部に形成された小孔を介して連通している。第2中間真空室13の内部には、多重極型のイオンガイド24が配置されている。
高い真空度に維持される分析室14内には、直線状のイオン光軸Cに沿って、前段四重極マスフィルター25、コリジョンセル26、後段四重極マスフィルター28、及び、イオン検出器29が配置されている。ここではイオン光軸CはZ軸に平行である。前段四重極マスフィルター25及び後段四重極マスフィルター28はいずれも、イオン光軸Cを取り囲むように該イオン光軸Cに平行に配置された4本のロッド電極を有し、質量電荷比(厳密には斜体字の「m/z」)に応じてイオンを選択する機能を有する。コリジョンセル26には酸素ラジカル発生部30が接続されており、コリジョンセル26は、酸素ラジカル発生部30から供給される酸素ラジカルによってイオンを解離する機能を有する。コリジョンセル26の内部には、イオン光軸Cを取り囲むように多重極型のイオンガイド27が配置されている。イオン検出器29による検出信号は、その実体がコンピューターであるデータ処理部31に入力される。
本実施形態の質量分析装置における、典型的なMS/MS分析動作を概略的に説明する。
ESIプローブ20は、供給される試料液に電荷を付与しながらイオン化室11内に噴霧する。噴霧された帯電液滴中の試料成分は、液滴が微細化されるとともに溶媒が気化する過程でイオン化される。生成された試料成分由来のイオンは、脱溶媒管21の両端の圧力差によって形成されるガス流に乗って脱溶媒管21中に吸い込まれ、第1中間真空室12へ送られる。このイオンは概ねZ軸方向に進行し、イオンガイド22、スキマー23のオリフィス、イオンガイド24を経て、分析室14にまで送られ、前段四重極マスフィルター25に導入される。
前段四重極マスフィルター25を構成するロッド電極には、図示しない電源から直流電圧と高周波電圧とを加算した電圧が印加され、この電圧に応じた特定の質量電荷比を有するイオンのみが選択的に前段四重極マスフィルター25を通過し、コリジョンセル26に導入される。コリジョンセル26内には酸素ラジカル発生部30から酸素ラジカルが供給され、コリジョンセル26に導入されたイオン(一般的にプリカーサーイオンという)は酸素ラジカルと反応して解離する。解離により生成された各種のプロダクトイオンは、イオンガイド27により形成される電場の作用によって収束され、コリジョンセル26から出て後段四重極マスフィルター28に導入される。
後段四重極マスフィルター28を構成するロッド電極には、前段四重極マスフィルター25と同様に、直流電圧と高周波電圧とを加算した電圧が印加され、この電圧に応じた特定の質量電荷比を有するプロダクトイオンのみが選択的に後段四重極マスフィルター28を通過し、イオン検出器29に到達する。イオン検出器29は、入射したイオンの量に応じた検出信号をデータ処理部31へと出力する。
例えば、プリカーサーイオン及びプロダクトイオンの質量電荷比がいずれも既知であるような試料成分の定量分析を行いたい場合には、前段四重極マスフィルター25及び後段四重極マスフィルター28でそれぞれ選択するイオンの質量電荷比を固定し、特定のプリカーサーイオンから生成される特定のプロダクトイオンを繰り返し検出する。即ち、特定の質量電荷比の組合せを対象とする多重反応モニタリング(Multiple Reaction Monitoring:MRM)測定を繰り返す。データ処理部31は、そのMRM測定の繰り返しにより得られる検出信号に基いてクロマトグラム(抽出イオンクロマトグラム)を作成し、該クロマトグラムにおいて観測されるピークの面積から目的の試料成分の濃度(含有量)を算出する。
なお、酸素ラジカル発生部30は、例えば特許文献1、非特許文献1などに開示されているような様々な方式のものを用いることができる。また、酸素ラジカルとイオンとの反応を利用したイオンの解離のメカニズム(つまりHADのメカニズム)については本明細書の趣旨ではなく、上記文献のほか、様々な文献に説明されているので、ここでは省略する。
上述したように、この質量分析装置においてコリジョンセル26は、試料成分由来のイオンを酸素ラジカルの作用によって解離し、それによって生成されたプロダクトイオンを後段四重極マスフィルター28へと輸送する機能を有する。
次に、本実施形態の質量分析装置におけるコリジョンセル26の構造について、図2~図6を参照して詳細に説明する。
図2はコリジョンセルユニット100の外観斜視図である。図3はコリジョンセルユニット100の分解斜視図である。図4はコリジョンセルユニット100の略縦断面図である。図5及び図6は、コリジョンセルユニット100における部品の取付構造図である。なお、コリジョンセルユニット100は、図1におけるコリジョンセル26とイオンガイド27とを含むユニットを指す。
上述したように、コリジョンセル26の内部にはイオンガイド27を構成する複数の電極が配置される。この複数の電極は、図3及び図5では8枚の電極板102で示されている。CIDを行うコリジョンセルでは、この電極板は一般にステンレス製である。しかしながら、ラジカル種、特に酸素ラジカルはきわめて反応性に富むため、ステンレスを腐食させる。そこで、ここでは、ステンレス製の基材の表面に金メッキを施すことにより、電極板102の表面に金の膜層102aを形成している。しかしながら、酸素ラジカルは金の膜層102aの表面にも酸化物を形成する。そこで、本実施形態の質量分析装置では、この酸化物を除去するために、イオン光学系の構成自体を変更することなく、電極板102を150℃程度まで加熱するための機構を追加するとともに、電極板102を150℃程度まで加熱可能であるような耐熱構造を採用している。
図2に示すように、コリジョンセルユニット100は全体として概ね円柱状のユニットであり、図2中に矢印で示すように、手前側からプリカーサーイオンがコリジョンセル26内に導入され、向こう側からプロダクトイオンが出射する。
図3に示すように、コリジョンセルユニット100を構成する主要な部材は、略円筒状である円筒ケース101、8枚の電極板102、4個のヒーターユニット114、略円盤状である前方内側ホルダー103、前方外側ホルダー104、前方外側ホルダー104の前に取り付けられる複数の電極板と絶縁スペーサーとを含む入口電極ユニット105、略円盤状である後方内側ホルダー108、後方外側ホルダー109、その後方外側ホルダー109の後ろに取り付けられる板ばね110、及び、出口電極ユニット111、を含む。
円筒ケース101はアルミニウムから成る。前方内側ホルダー103及び後方内側ホルダー108はセラミックから成り、その融点は2000℃以上である。前方外側ホルダー104及び後方外側ホルダー109は樹脂の中では耐熱性の高いポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂から成り、その融点は約360℃である。
8枚の電極板102は、イオン光軸C(Z軸)を中心に、周方向に同一角度間隔を有して放射状に配置される。1枚の電極板102の形状は、図4に示すように、略Z軸方向に延伸する平面略矩形状であり、その両端が略Z軸方向にさらに延出している。また、電極板102は、それぞれ外周側に凹状の切欠部102bを有する。なお、上述したように、各電極板102は、ステンレス製である基材の表面に、金メッキによる金の膜層102aが形成されたものである。
1個のヒーターユニット114は、ポリイミド面状ヒーターを、2枚の金属板で挟み込んだ構成である。ポリイミド面状ヒーターは、発熱体である金属箔を絶縁体であるポリイミド(PI)フィルムで挟みこんだ構造のごく薄いヒーターである。上記2枚の金属板は熱伝導性の高い金属、例えば銅製であり、間にポリイミド面状ヒーターを挟み込んだ状態でその2枚の金属板はネジとナットにより互いに固定される。
1個のヒーターユニット114は、周方向に隣接する2枚の電極板102の切欠部102bに架設するように取り付けられる。ヒーターユニット114のポリイミド面状ヒーターに外部から通電されて発熱体が発熱すると、その熱は該ヒーターユニット114に接している2枚の電極板102に伝導し、それら電極板102を加熱する。ヒーターユニット114は薄く、電極板102の切欠部102bの深さに十分に収まる。したがって、図4に示すように、ヒーターユニット114は電極板102と円筒ケース101の内周面との間の間隙に収まり、従来のタンデム型質量分析装置に搭載されているコリジョンセルにも用いられている円筒ケース101の形状や電極板102において電場形成に関係する部分の形状には何らの変更も要しない。
略円盤状である前方内側ホルダー103及び後方内側ホルダー108はそれぞれ、円筒ケース101の前方開口部及び後方開口部の内周に、それら開口部を閉塞するように嵌設される。前方外側ホルダー104は円筒ケース101の外径よりも一回り大きな外径を有する部材であり、前方内側ホルダー103の外方にあって、円筒ケース101の前方開口部の外周側に嵌るように装着される。後方外側ホルダー109も同様に、円筒ケース101の外径よりも一回り大きな外径を有する部材であり、後方内側ホルダー108の外方にあって、円筒ケース101の後方開口部の外周側に嵌るように装着される。
前方外側ホルダー104はその外周側に偏平円筒状のフランジを有し、そのフランジの内側に入口電極ユニット105が取り付けられる。具体的には、入口電極ユニット105に含まれる電極やスペーサー、前方外側ホルダー104、及び前方内側ホルダー103には、Z軸方向に沿って一直線上にネジ穴が穿設されている。そして、図4に示すように、絶縁体(本例ではPEEK樹脂)から成る4本のネジ106がそのネジ穴に挿通され、円筒ケース101のネジ穴に螺入されることで、入口電極ユニット105、前方外側ホルダー104、及び前方内側ホルダー103が円筒ケース101に対し固定される。
一方、出口電極ユニット111は後方外側ホルダー109とほぼ同じ外径を有し、出口電極ユニット111、板ばね110、後方外側ホルダー109、及び後方内側ホルダー108には、Z軸方向に沿って一直線上にネジ穴が穿設されている。そして、図4に示すように、絶縁体(本例ではPEEK樹脂)から成る4本のネジ112がそのネジ穴に挿通され、円筒ケース101のネジ穴に螺入されることで、出口電極ユニット111、板ばね110、後方外側ホルダー109、及び後方内側ホルダー108が円筒ケース101に対し固定される。
各電極板102にあって前方内側ホルダー103及び後方内側ホルダー108にそれぞれ向く面(電極板102の板厚の幅を有する面)には、2本の細径の棒状の電極支持ピン120がイオン光軸C(Z軸)に平行に延伸するように圧入されている。即ち、1枚の電極板102には、前方側と後方側とにそれぞれ2本の電極支持ピン120が突設されている。この電極支持ピン120はステンレス製である。前方内側ホルダー103及び後方内側ホルダー108の所定位置にはそれぞれ、各電極板102から突出する電極支持ピン120が挿通される内径のピン穴103a、108aが形成されている。即ち、前方内側ホルダー103及び後方内側ホルダー108にはそれぞれ16個のピン穴103a、108aが形成されている。各電極板102は、それぞれ反対方向に突出する電極支持ピン120が前方内側ホルダー103のピン穴103aと後方内側ホルダー108のピン穴108aとに挿入されることで、周方向における位置が決められている。
また、円筒状のスペーサー107は、前方外側ホルダー104及び前方内側ホルダー103に形成された穴に挿通される。そして、そのスペーサー107の前縁端は前方外側ホルダー104の前面と略面一で入口電極ユニット105に当接し、後縁端は前方内側ホルダー103の後面から僅かに後方に突出する。同じく円筒状のスペーサー113は、後方外側ホルダー109及び後方内側ホルダー108に形成された穴に挿通される。そして、そのスペーサー113の後縁端は後方外側ホルダー109の後面から僅かに後方に突出して板ばね110に当接し、前縁端は後方内側ホルダー108の前面から僅かに前方に突出する。
なお、スペーサー107、113は、セラミックから成るものと、ステンレスから成るものとの2種類があり、セラミック製のスペーサーは純粋にスペーサーとして機能するのに対し、ステンレス製のスペーサーは電極板102に外部から電圧を印加する配線としての機能も有する。こうしたステンレス製のスペーサーは、電気的な接触を得られる1~2N程度の弱い力で電極板102等に接触しているため、その熱抵抗は十分に大きく、スペーサーを通した熱伝導は殆ど無視できる程度である。
後方外側ホルダー109と出口電極ユニット111との間に挟まれる板ばね110は、前方からスペーサー113による押圧力を受け、これに抗して前方にスペーサー113を付勢する。各スペーサー113の前端は電極板102に当接しているから、スペーサー113は電極板102を前方に押す。一方、電極板102の前縁側に当接しているスペーサー107の前端は入口電極ユニット105によって位置が規制されている。そのため、電極板102は板ばね110の付勢力によってZ軸方向に位置決めされる。このとき、電極板102と前方内側ホルダー103との間、及び、電極板102と後方内側ホルダー108との間には、それぞれ僅かな間隙が形成され、電極板102と前方内側ホルダー103、及び、電極板102と後方内側ホルダー108とはそれぞれ接触しない。
したがって、電極板102は、電極支持ピン120を介して前方内側ホルダー103及び後方内側ホルダー108により、周方向に位置決めされた状態で保持される。また、その状態において電極板102は前方内側ホルダー103及び後方内側ホルダー108のいずれとも直接接触せず、電極支持ピン120及びスペーサー113を介してのみ前方内側ホルダー103及び後方内側ホルダー108と接する。
上述したように、コリジョンセルユニット100には、異なる材料からなる複数の部品が用いられている。使用されている材料は耐熱温度が異なるとともに、熱膨張率もそれぞれ相違する。例えば、前方内側ホルダー103及び後方内側ホルダー108に使用されている高い耐熱性を有するセラミックは、熱膨張率が約7[PPM/℃]である。電極108の基材であるステンレスは熱膨張率が約16[PPM/℃]であり、円筒ケース101に使用されているアルミニウムは熱膨張率が約23[PPM/℃]である。前方外側ホルダー104及び後方外側ホルダー109に使用されているPEEKは樹脂としては高い耐熱性を有し、熱膨張率が約50[PPM/℃]である。
ヒーターユニット114により電極板102は最大で150℃程度まで加熱されるが、電極支持ピン120は熱伝導性が比較的低いステンレス製であり、且つその断面積は小さいので、熱抵抗が大きい。そのため、電極板102の熱は前方内側ホルダー103及び後方内側ホルダー108に伝わりにくい。また、電極支持ピン120を保持している前方内側ホルダー103及び後方内側ホルダー108は、セラミック製であって耐熱性が高いのみならず、熱膨張率が低い。また、上述したようにスペーサーを介した熱伝導も無視できる程度である。そのため、前方内側ホルダー103及び後方内側ホルダー108の温度が上昇したとしても、ピン穴103a(108a)同士の間隔(相対位置)は変わりにくく、イオン光軸Cを取り囲む8枚の電極板102の位置の変化は生じにくい。一方で、セラミックは樹脂と異なり成型しにくく、製作できる部品の形状に制約が大きい。それに対し、本実施形態の装置では、電極ホルダーを外側の部品と内側の部品とに分け、前方外側ホルダー104及び後方外側ホルダー109にはPEEKを使用しているので、耐熱性を持たせながら、入口電極ユニット105や出口電極ユニット111を装着するのに適した形状とすることができる。
また、上述したように異なる材料から成る部品を組み合わせた場合、異なる部品の熱膨張率の相違のためにそれらの部品同士が接触する箇所で熱応力が発生し、各部品が塑性変形してしまうおそれがある。これを回避するために、異なる材料の部品が接する箇所において、熱膨張を吸収する間隙を設け、その間隙の大きさを最大限の熱膨張を想定した状態で現行の装置(非特許文献1に記載の装置)と同程度になるように決めている。
さらにまた、熱膨張率が異なる部品が接する(上記間隙を有しながら接する)場合には、熱膨張率が大きいほうの部品を外側又は外方、つまりは逃げる空間がより大きく確保されているほうに配置することによって、熱応力の発生を軽減している。即ち、熱膨張率が最も低いセラミック製の前方内側ホルダー103及び後方内側ホルダー108の外方に、熱膨張率がより大きいPEEK製の前方外側ホルダー104及び後方外側ホルダー109と、アルミニウム製の円筒ケース101が配置されている。
具体的に、本実施形態の質量分析装置では、異なる材料の部品同士が接する箇所の間隙は次のようになっている。
(1)セラミック製である前方内側ホルダー103及び後方内側ホルダー108の外周面と円筒ケース101の内周面との間隙(図4中のA及び図5中のAA)の設定値は、0.10~0.17mm(現行の装置では0~0.2mm)である。これにより、最大限の熱膨張が生じたときの間隙の想定値は0.06mmであり、熱応力を回避することができる。
(2)電極板102から突出している電極支持ピン120の外周面と前方内側ホルダー103及び後方内側ホルダー108に形成されているピン穴103a、108aの内周面との間隙(図4中のB及び図5中のBB)の設定値は、0.012~0.068mm(現行の装置では0.005~0.08mm)である。これにより、最大限の熱膨張が生じたときの間隙の想定値は0.01mmである。
(3)円筒ケース101の外周面と前方外側ホルダー104及び後方外側ホルダー109の内周面との間隙(図4中のC及び図6中のCC)の設定値は、0.007~0.07mm(現行の装置では0.005~0.089mm)である。この場合、熱膨張が生じたときに間隙は設定値よりもさらに大きくなる。
上述したような構成によって、電極板102が150℃程度まで加熱された場合においても、各部品に熱応力が発生して塑性変形を生じることを回避することができる。また、8枚の電極板102の相対的な位置やイオン光軸Cに対する各電極板102の位置は殆ど変化しないので、該電極板102に印加される電圧によって形成される電場の形状に大きな変化は生じない。それにより、イオンの挙動に対する熱の影響を抑えることができる。また、入口電極ユニット105や出口電極ユニット111は現行の装置のそれと全く同じであり、電極板102の実質的な形状も現行の装置と同じである。したがって、イオン光学系自体は現行の装置と何ら変わらず、電極板102を加熱可能な構成としたことによるイオン収束効率の低下等は生じない。また、コリジョンセルユニット100のサイズも現行の装置のそれと同等である。
なお、上述したコリジョンセルユニット100を構成する部品の材料は一例であり、必ずしも例示したものに限らない。また、各部品の形状についても同様に、必ずしも例示したものに限らない。
また、ヒーターユニットは電極板を直接的に加熱するものでなくてもよく、例えば円筒ケースに取り付けられたヒーターの放射熱によって電極板を加熱してもよい。
また、上記実施形態の質量分析装置はトリプル四重極型質量分析装置であるが、四重極-飛行時間型質量分析装置にも上述した構成のコリジョンセルユニット100を利用可能であることは当然である。
さらにまた、コリジョンセルにおける解離により生成されたイオンをイオン移動度に応じて分離して検出するイオン移動度分析装置や、イオン移動度に応じて選択された特定のイオンをコリジョンセルで解離させ、それにより生成されたイオンを質量分析するようなイオン移動度-質量分析装置にも、上述した構成のコリジョンセルユニット100を利用可能であることは当然である。即ち、ラジカル種を用いてイオンを解離させるコリジョンセルを備える分析装置全般に本発明を適用することができる。
[種々の態様]
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)本発明に係る質量分析装置の一態様は、試料成分由来のイオンとラジカル種とを反応させることで該イオンを解離させる反応室を具備するイオン分析装置において、
前記反応室の一部を構成し、両端に開口部を有する筒状部と、
前記筒状部の内部に、該筒状部の延伸方向に沿った直線状の軸を取り囲むように配置され、該軸に沿った方向に延在する複数の電極と、
前記複数の電極を加熱する加熱部と、
前記筒状部の両端の開口部にそれぞれ設けられ、後記電極支持ピンがそれぞれ挿入される穴を有する一対の電極保持部と、
前記複数の電極のそれぞれにおいて、前記一対の電極保持部に向いた面にそれぞれ設けられ、前記軸に平行に延伸する棒状の電極支持ピンと、
を備える。
第1項に記載のイオン分析装置において、電極保持部と電極とを繋ぐ電極支持ピンは、断熱と電極の位置決めとの両方の機能を有する。したがって、第1項に記載のイオン分析装置によれば、反応室内に配置したイオン収束及び輸送用の電極を真空雰囲気中で適度に加熱することができるので、ラジカル種の作用によって電極の表面に形成された酸化物を除去することができる。それにより、電極の酸化や腐食を防止し、高い信頼性を長期間に亘り確保することができる。
(第2項)第1項に記載のイオン分析装置において、前記複数の電極は、基材である金属の表面に金又は白金の層を有するものとすることができる。
第2項に記載のイオン分析装置によれば、電極板を例えば150℃程度の比較的低い温度まで加熱するだけで、その表面に形成された酸化物を除去することができる。
(第3項)第2項に記載のイオン分析装置において、前記基材の金属はステンレスであるものとすることができる。
ステンレスは比較的安価な金属である。そのため、第3項に記載のイオン分析装置によれば、電極板のコストを抑えることができる。
(第4項)第1項~第3項のいずれか1項に記載のイオン分析装置において、前記電極支持ピンはステンレスから成るものとすることができる。
ステンレスは、安価であるのみならず熱伝導率が低い金属である。また、一般に市販されているステンレス製のピンは、その外径が±10μm程度以内に仕上げられている等、非常に高い寸法精度でありながら、量産品であるためにかなり安価である。第4項に記載のイオン分析装置では、こうしたステンレス製のピンを電極支持ピンとして使用することができ、電極支持ピンのコストを抑えながら、高い断熱性を持たせることができる。
(第5項)第1項~第4項のいずれか1項に記載のイオン分析装置において、前記一対の電極保持部は、耐熱性を有し且つ熱膨張率の低い材料から成るものとすることができる。
(第6項)第5項に記載のイオン分析装置において、前記一対の電極保持部はセラミックから成るものとすることができる。
第5項及び第6項に記載のイオン分析装置によれば、電極支持ピン等を介した熱の伝播によって電極保持部の温度が或る程度上昇した場合でも、ピン穴の間隔等の寸法の変化を抑えることができ、電極板の位置ずれを防止することができる。それにより、分析時に電極板に印加される電圧によって形成される電場の乱れを回避し、高いイオン収束性などの高い性能を維持することができる。
(第7項)第1項~第6項のいずれか1項に記載のイオン分析装置において、前記一対の電極保持部はそれぞれ、前記筒状部の両端の開口部の内側に嵌合され、
該一対の電極保持部の外側に、該電極保持部に比べて耐熱性の低い樹脂から成り、前記筒状部の両端縁部にそれぞれ嵌合する一対の蓋部、をさらに備えるものとすることができる。
(第8項)第7項に記載のイオン分析装置において、前記一対の蓋部はポリエーテルエーテルケトンから成るものとすることができる。
セラミックは高い耐熱性を有する反面、加工性が悪く部品の形状に制約が大きい。これに対し、ポリエーテルエーテルケトン等の高耐熱性の樹脂は、セラミックに比べれば耐熱性が劣るものの、加工性が良好で部品の形状の制約が小さい。したがって、第7項及び第8項に記載のイオン分析装置によれば、例えば入口電極ユニットや出口電極ユニットなどを組み込むのに適切な形状の蓋部を容易に製造することができる。
(第9項)第7項又は第8項に記載のイオン分析装置において、前記筒状部及び前記一対の蓋部を構成する材料は、前記一対の電極保持部を構成する材料に比べて熱膨張率が大きいものとすることができる。
第9項に記載のイオン分析装置によれば、筒状部、蓋部、電極保持部等の各部品の温度が上昇した場合であっても、相対的に外側に位置する部品のほうが熱膨張率が大きいので、各部品の間の間隙を確保し易く熱応力の発生を防止することができる。
10…真空チャンバー
11…イオン化室
12…第1中間真空室
13…第2中間真空室
14…分析室
20…ESIプローブ
21…脱溶媒管
22、24、27…イオンガイド
23…スキマー
25…前段四重極マスフィルター
26…コリジョンセル
28…後段四重極マスフィルター
29…イオン検出器
30…酸素ラジカル発生部
31…データ処理部
C…イオン光軸
100…コリジョンセルユニット
101…円筒ケース
102…電極板
102a…金の膜層
102b…切欠部
103…前方内側ホルダー
103a…ピン穴
104…前方外側ホルダー
105…入口電極ユニット
106、112…ネジ
107、113…スペーサー
108…後方内側ホルダー
109…後方外側ホルダー
111…出口電極ユニット
114…ヒーターユニット
120…電極支持ピン

Claims (8)

  1. 試料成分由来のイオンとラジカル種とを反応させることで該イオンを解離させる反応室を具備するイオン分析装置において、
    前記反応室の一部を構成し、両端に開口部を有する筒状部と、
    前記筒状部の内部に、該筒状部の延伸方向に沿った直線状の軸を取り囲むように配置され、該軸に沿った方向に延在する複数の電極と、
    前記複数の電極を加熱する加熱部と、
    前記筒状部の両端の開口部にそれぞれ設けられ、後記電極支持ピンがそれぞれ挿入される穴を有する一対の電極保持部と、
    前記複数の電極のそれぞれにおいて、前記一対の電極保持部に向いた面にそれぞれ設けられ、前記軸に平行に延伸する棒状の電極支持ピンと、
    を備え、前記複数の電極は、基材である金属の表面に金又は白金の層を有するイオン分析装置。
  2. 試料成分由来のイオンとラジカル種とを反応させることで該イオンを解離させる反応室を具備するイオン分析装置において、
    前記反応室の一部を構成し、両端に開口部を有する筒状部と、
    前記筒状部の内部に、該筒状部の延伸方向に沿った直線状の軸を取り囲むように配置され、該軸に沿った方向に延在する複数の電極と、
    前記複数の電極を加熱する加熱部と、
    前記筒状部の両端の開口部にそれぞれ設けられ、後記電極支持ピンがそれぞれ挿入される穴を有する一対の電極保持部と、
    前記複数の電極のそれぞれにおいて、前記一対の電極保持部に向いた面にそれぞれ設けられ、前記軸に平行に延伸する棒状の電極支持ピンと、
    を備え、前記一対の電極保持部はそれぞれ、前記筒状部の両端の開口部の内側に嵌合され、該一対の電極保持部の外側に、該電極保持部に比べて耐熱性の低い樹脂から成り、前記筒状部の両端縁部にそれぞれ嵌合する一対の蓋部、をさらに備えるイオン分析装置。
  3. 前記基材の金属はステンレスである、請求項1に記載のイオン分析装置。
  4. 前記電極支持ピンはステンレスから成る、請求項1又は2に記載のイオン分析装置。
  5. 前記一対の電極保持部は、耐熱性を有し且つ熱膨張率の低い材料から成る、請求項1又は2に記載のイオン分析装置。
  6. 前記一対の電極保持部はセラミックから成る、請求項5に記載のイオン分析装置。
  7. 前記一対の蓋部はポリエーテルエーテルケトンから成る、請求項に記載のイオン分析装置。
  8. 前記筒状部及び前記一対の蓋部を構成する材料は、前記一対の電極保持部を構成する材料に比べて熱膨張率が大きい、請求項に記載のイオン分析装置。
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