JP7428023B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

この発明は、半導体装置に関する。
従来、高電圧や大電流を制御するパワー半導体装置には、例えば、バイポーラトランジスタやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属-酸化膜-半導体の3層構造からなる絶縁ゲートを備えたMOS型電界効果トランジスタ)、SBD(Schottky Barrier Diode:ショットキーバリアダイオード)など複数種類あり、これらは用途に合わせて使い分けられている。
例えば、バイポーラトランジスタやIGBTは、MOSFETと比べて電流密度が高く大電流化が可能であるが、高速にスイッチングさせることができない。具体的には、バイポーラトランジスタは数kHz程度のスイッチング周波数での使用が限界であり、IGBTは数十kHz程度のスイッチング周波数での使用が限界である。一方、MOSFETは、バイポーラトランジスタやIGBTに比べて電流密度が低く大電流化が難しいが、数MHz程度までの高速スイッチング動作が可能である。
パワー半導体装置の構成材料として、シリコン(Si)が用いられている。市場では大電流と高速性とを兼ね備えたパワー半導体装置への要求が強く、IGBTやMOSFETはその改良に力が注がれ、現在ではほぼ材料限界に近いところまで開発が進んでいる。このため、パワー半導体装置の観点からシリコンに代わる半導体材料が検討されており、低オン電圧、高速特性、高温特性に優れた次世代のパワー半導体装置を作製(製造)可能な半導体材料として炭化珪素(SiC)が注目を集めている。
炭化珪素は、化学的に非常に安定した半導体材料であり、バンドギャップが3eVと広く、高温でも半導体として極めて安定的に使用することができる。また、炭化珪素は、最大電界強度もシリコンより1桁以上大きいため、オン抵抗を十分に小さくすることができる半導体材料として期待される。このような炭化珪素の特長は、炭化珪素だけでなく、シリコンよりもバンドギャップの広いすべての半導体(以下、ワイドバンドギャップ半導体とする)も同様に有する。
また、MOSFETでは、大電流化に伴い、半導体チップのおもて面に沿ってチャネル(反転層)が形成されるプレーナゲート構造とする場合と比べて、ゲートトレンチの側壁に沿って半導体チップのおもて面と直交する方向にチャネルが形成されるトレンチゲート構造とすることはコスト面で有利である。その理由は、トレンチゲート構造が単位面積当たりの単位セル(素子の構成単位)密度を増やすことができるため、単位面積当たりの電流密度を増やすことができるからである。
単位面積当たりの電流密度を増加させた分、単位セルの占有体積に応じた温度上昇率が高くなるため、放電効率の向上と信頼性の安定化とを図るために両面冷却構造が必要になる。さらに、パワー半導体装置の主動作を行うメイン半導体素子と同一の半導体基板(半導体チップ)に、当該メイン半導体素子を保護・制御するための回路部として電流センス部、温度センス部および過電圧保護部等の高機能部を配置した高機能構造とすることで信頼性を向上させたパワー半導体装置が提案されている。
従来の半導体装置の構造について説明する。図16は、従来の半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。図16に示す従来の半導体装置220は、炭化珪素からなる同一の半導体基板210の活性領域201に、メイン半導体素子211と、当該メイン半導体素子211を保護・制御するための1つ以上の回路部を有する。メイン半導体素子211は縦型MOSFETであり、活性領域201の有効領域(以下、メイン有効領域とする)201aに配置されている。
メイン半導体素子211のソースパッド221aは、メイン有効領域201aにおいて半導体基板210のおもて面上に設けられている。活性領域201のうち、メイン有効領域201aを除く領域(以下、メイン無効領域とする)201bに、メイン半導体素子211と離れて、メイン半導体素子211を保護・制御するための回路部として、例えば、電流センス部212、温度センス部213、過電圧保護部(不図示)および演算回路部(不図示)等の高機能部が配置されている。
ソースパッド221a以外の電極パッドは、メイン無効領域201bにおいて半導体基板210のおもて面上に設けられている。図16には、メイン半導体素子211の電極パッド(ソースパッド221aおよびゲートパッド221b)、電流センス部212の電極パッド(以下、OCパッドとする)、および温度センス部213の電極パッド(アノードパッド223aおよびカソードパッド223b)を、それぞれS、G、OC、AおよびKと付す。符号202はエッジ終端領域である。
従来の半導体装置として、p型不純物として中性子吸収捕獲断面積の小さい質量数11のボロン(11B)を用いることで、放射線耐性を強化した装置が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。また、放射線検出装置として、質量数10のボロン(10B)がドーピングされたp型層を有するpin(p-intrinsic-n)接合ダイオードを逆方向バイアスさせてi層内に生じる空乏層で、当該p型層への中性子の入射で生成されるα線を検出する装置が提案されている(例えば、下記特許文献2参照。)。
特開昭和60-183768号公報 特開昭和63-279192号公報
従来、宇宙空間(地球の大気外の空間)を飛び交う陽子や重粒子等の極めて小さな粒子の流れ(宇宙線)は、宇宙空間で使用される半導体装置に大きな悪影響を及ぼすことが知られているが、近年になり地球の大気中で使用される半導体装置にも悪影響を及ぼすことが判明した。宇宙線が地球の大気中に入射すると、宇宙線と地球の大気中の元素との衝突により陽子や中性子、中間子等の多数の二次粒子の流れ(二次宇宙線)が発生する。
この多数の二次粒子のうち、特に電荷を持たない中性子(以下、二次宇宙線中性子とする)は、地球の大気中の元素の原子核との衝突でしか減速されない。このため、毎時間(1hour)あたり10個/cm2程度の二次宇宙線中性子が10MeV以上の高エネルギーで地表に到達している。この高エネルギーの二次宇宙線中性子が電子機器の構成材料である半導体に入射されると、所定の割合で半導体中の元素と核反応を起こす。
具体的には、機能素子はボロン(B)ドープの半導体で形成されることが多い。ボロンの同位元素である質量数10のボロン(10B)は中性子吸収捕獲断面積が大きく、中性子と核反応を起こす。10Bと中性子との核反応では、10Bが中性子を吸収してリチウム(Li)に核変換し、かつHe(α線:放射線)が生成され放出される。この10Bと中性子(n)との核反応式は、次の(1)式および(2)式となる。
10B+n→Li+α(2.792MeV) ・・・(1)
10B+n→Li+α(2.31MeV) ・・・(2)
10Bと中性子とが上記(1)式で核反応を起こす割合は6%であり、上記(2)式で核反応を起こす割合は94%である。このため、二次宇宙線中性子の入射による半導体装置への悪影響は、上記(2)式の核反応で決まる。天然には質量数10のボロン(10B)と質量数11のボロン(11B)とが存在し、天然のボロン全体のうちの20%程度が10Bである。そして、11Bの中性子吸収捕獲断面積が0.005バーン(barn)であるのに対し、10Bの中性子吸収捕獲断面積は3832バーンと約7桁~8桁高い。
また、リン(P)の中性子吸収捕獲断面積は0.182バーンであり、砒素(As)の中性子吸収捕獲断面積は4.42バーンであり、アルミニウム(Al)の中性子吸収捕獲断面積は0.231バーンである。炭化珪素は、上述したようにシリコンよりもバンドギャップが広いため、炭化珪素を構成材料とする半導体装置は例えば200℃以上の高温動作時であってもリーク電流が小さい。一方、シリコンを構成材料とする半導体装置には、200℃以上の高温動作になるとリーク電流による悪影響が及ぶ。
例えば、シリコンを構成材料とした場合、200℃以上の高温動作になるとリーク電流がトリガーとなって、IGBTでは、寄生サイリスタがオンして破壊に至る。MOSFETでは、寄生バイポーラトランジスタがオンしやすくなり、高温動作時の電気的特性へのα線によるダメージが大きい。また、シリコンを構成材料とした場合、半導体基板にp型領域を形成するためにボロンを導入することも原因の一つとなり、中性子の悪影響を受けやすく、炭化珪素を構成材料とする場合と比べて放射線耐性が劣る。
したがって、中性子による核反応が、半導体基板の、CMOS(Complementary MOS:相補型MOS)構造の半導体メモリ等の半導体装置を構成する半導体素子が配置される領域(以下、素子領域とする)、パワー半導体装置を構成するMOSFETやIGBT、ダイオードなどの半導体素子の素子領域、またはこれらの素子領域近傍で発生すると、当該核反応で生成されるα線によるエネルギーによって発生するキャリア(電荷)が原因となり、半導体素子の劣化や破壊が生じる。
特に近年、半導体装置の信頼性が向上して故障率が低減していることから、二次宇宙線による破壊が地球の大気中で使用される半導体装置においても顕著になってきている。さらに、半導体装置の微細化により、中性子による核反応で生成されるα線を原因として、ゲート絶縁破壊や、アバランシェ破壊、寄生バイポーラトランジスタ動作による破壊、寄生サイリスタによる破壊が増加している。
地球の大気中で使用されているパワー半導体装置を部品として適用し組み合わせたパワー半導体装置ユニットも地球から宇宙空間への移動手段となる乗り物の構成部品として使用されるようになっており、その使用頻度は増えている。このため、地球の大気中で使用されているパワー半導体装置についても宇宙線や二次宇宙線に対する信頼性(以下、まとめて宇宙線に対する信頼性とする)を向上させることが望まれる。
この発明は、上述した従来技術による課題を解消するため、宇宙線に対する信頼性を向上させることができる半導体装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置は、次の特徴を有する。シリコンよりもバンドギャップの広い半導体からなる半導体基板に、複数の半導体素子が設けられている。前記半導体基板の第1主面に、複数の前記半導体素子ごとに、対応する前記半導体素子に電気的に接続された複数の電極パッドが設けられている。層間絶縁膜は、前記半導体基板の第1主面と複数の前記電極パッドとの間に設けられ、すべての前記半導体素子を覆う。複数の前記半導体素子は、主動作を行うメイン半導体素子と、前記メイン半導体素子を保護または制御する1つ以上の回路部と、である。前記回路部の1つは、前記半導体基板に入射された中性子の核反応により生成されるα線を検出する中性子センス部である。前記中性子センス部は、前記層間絶縁膜の、前記中性子センス部を覆う部分の表面に、質量数10のボロンを含む絶縁膜を有する。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記中性子センス部は、オフ状態に維持されており、前記α線が入射されたときに電流量が変動することを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記中性子センス部は、横型のpチャネル型の絶縁ゲート型電界効果トランジスタであり、前記α線が入射されたときに順方向に導通してオン状態となることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、横型のnチャネル型の絶縁ゲート型電界効果トランジスタであり、前記α線が入射されたときに順方向に導通してオン状態となることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記中性子センス部は、前記α線の入射により発生する電荷がゲート絶縁膜に蓄積されることでオン状態となることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記中性子センス部は、第1導電型領域、第1,2の第2導電型領域、ゲート電極、前記層間絶縁膜、前記絶縁膜および第1,2電極を有する。前記第1導電型領域は、前記半導体基板の内部に設けられている。前記第1の第2導電型領域は、前記半導体基板の第1主面と前記第1導電型領域との間に選択的に設けられている。前記第2の第2導電型領域は、前記半導体基板の第1主面と前記第1導電型領域との間に、前記第1の第2導電型領域と離れて選択的に設けられている。前記ゲート電極は、前記半導体基板の第1主面において、前記第1導電型領域の、前記第1の第2導電型領域と前記第2の第2導電型領域とに挟まれた部分の表面上にゲート絶縁膜を介して設けられている。前記層間絶縁膜は、前記半導体基板の第1主面に設けられ、前記ゲート電極を覆う。前記絶縁膜は、前記層間絶縁膜の表面の、少なくとも前記ゲート電極を覆う部分に設けられている。前記第1電極は、前記層間絶縁膜のコンタクトホールを介して前記第1の第2導電型領域に電気的に接続されている。前記第2電極は、前記層間絶縁膜のコンタクトホールを介して前記第2の第2導電型領域に電気的に接続されていることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記中性子センス部は、逆方向電圧が印加された横型のダイオードであることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記中性子センス部は、第1導電型領域、第2導電型領域、前記層間絶縁膜、前記絶縁膜および第1,2電極を有する。前記第1導電型領域は、前記半導体基板の内部に設けられている。前記第2導電型領域は、前記半導体基板の第1主面と前記第1導電型領域との間に選択的に設けられている。前記層間絶縁膜は、前記半導体基板の第1主面に設けられ、前記第1導電型領域および前記第2導電型領域を覆う。前記絶縁膜は、前記層間絶縁膜の表面の、少なくとも前記第1導電型領域と前記第2導電型領域とのpn接合を覆う部分に設けられている。前記第1電極は、前記層間絶縁膜のコンタクトホールを介して前記第1導電型領域に電気的に接続されている。前記第2電極は、前記層間絶縁膜のコンタクトホールを介して前記第2導電型領域に電気的に接続されていることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記中性子センス部は、前記α線の入射により発生する電荷によって電流量が変化することを特徴とする。
上述した発明によれば、半導体基板に中性子が入射されたときに、10Bからなる絶縁膜(10B膜)において高い頻度でα線が生成されるため、α線の入射により変化した中性子センス部の電流量や電圧値を取得して、予め取得した基準値と比較することで、中性子センス部にα線が入射されたか否かを検知することができる。中性子センス部によってα線の入射を検知した場合に、外部回路によってメイン半導体素子の動作を停止させることで、α線を原因として破壊が生じることを防止することができる。
本発明にかかる半導体装置によれば、宇宙線に対する信頼性を向上させることができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。 図1の活性領域の断面構造を示す断面図である。 図1の活性領域の断面構造を示す断面図である。 図1の活性領域の断面構造を示す断面図である。 図1の活性領域の断面構造を示す断面図である。 実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。 実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。 実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。 実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。 実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。 実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。 実施の形態2にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。 実施の形態3にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。 実施の形態4にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。 実施の形態4にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。 従来の半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および-は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる半導体装置は、シリコン(Si)よりもバンドギャップが広い半導体(ワイドバンドギャップ半導体)を半導体材料として用いて構成される。実施の形態1にかかる半導体装置の構造について、ワイドバンドギャップ半導体として例えば炭化珪素(SiC)を用いた場合を例に説明する。図1は、実施の形態1にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。
図1に示す実施の形態1にかかる半導体装置20は、炭化珪素からなる同一の半導体基板(半導体チップ)10の活性領域1に、メイン半導体素子11と、当該メイン半導体素子11を保護・制御するための1つ以上の回路部と、を有する。活性領域1は、半導体基板10の略中央(チップ中央)に設けられている。メイン半導体素子11は、半導体装置20の主動作を行う縦型MOSFETであり、後述するソースパッド21aにより互いに並列接続された複数の単位セル(素子の機能単位)で構成される。
メイン半導体素子11は、活性領域1の有効領域(以下、メイン有効領域とする)1aに配置されている。メイン有効領域1aは、メイン半導体素子11のオン時に、半導体基板10の裏面からおもて面に向かう方向(深さ方向Zに対して反対方向)にメイン半導体素子11の主電流(ドリフト電流)が流れる領域である。メイン有効領域1aは、例えば略矩形状の平面形状を有し、活性領域1の大半の表面積を占める。略矩形状の平面形状のメイン有効領域1aの3辺が後述するエッジ終端領域2に隣接する。
メイン半導体素子11を保護・制御するための回路部は、例えば、電流センス部12、温度センス部13、中性子センス部15、過電圧保護部(不図示)および演算回路部(不図示)等の高機能部であり、活性領域1のメイン無効領域1bに配置される。メイン無効領域1bは、メイン半導体素子11の単位セルが配置されていない領域であり、メイン半導体素子11として機能しない。メイン無効領域1bは例えば略矩形状の平面形状を有し、略矩形状の平面形状のメイン有効領域1aの残りの1辺とエッジ終端領域2との間に配置される。
エッジ終端領域2は、活性領域1と半導体基板10の端部(チップ端部)との間の領域であり、活性領域1に隣接して設けられ、活性領域1の周囲を囲み、半導体基板10のおもて面側の電界を緩和して耐圧を保持する。エッジ終端領域2には、例えばフィールドリミッティングリング(FLR:Field Limiting Ring)や接合終端(JTE:Junction Termination Extension)構造等の耐圧構造(不図示)が配置される。耐圧とは、半導体装置が誤動作や破壊を起こさない限界の電圧である。
メイン半導体素子11のソースパッド(電極パッド)21aは、メイン有効領域1aにおいて半導体基板10のおもて面上に配置される。メイン半導体素子11は、他の回路部に比べて電流能力が大きい。このため、メイン半導体素子11のソースパッド21aは、メイン有効領域1aと略同じ平面形状を有し、メイン有効領域1aのほぼ全面を覆う。メイン半導体素子11のソースパッド21aは、当該ソースパッド21a以外の電極パッドと離れて配置されている。
ソースパッド21a以外の電極パッドは、メイン無効領域1bにおいて半導体基板10のおもて面上に互いに離れて配置される。ソースパッド21a以外の電極パッドとは、メイン半導体素子11のゲートパッド21b、電流センス部12の電極パッド(OCパッド)22、温度センス部13の電極パッド(アノードパッドおよびカソードパッド)23a,23b、中性子センス部15の電極パッド(ソースパッドおよびドレインパッド)24a,24b、過電圧保護部の電極パッド(以下、OVパッドとする:不図示)、および演算回路部の電極パッド(不図示)等である。
ソースパッド21a以外の電極パッドは、例えば略矩形状の平面形状を有し、後述する端子ピン48b~48gやワイヤー(不図示)の接合に必要な表面積を有する。図1には、ソースパッド21a以外の電極パッドがメイン無効領域1bとエッジ終端領域2との境界に沿って一列に配置された場合を示す。また、図1には、ソースパッド21a、ゲートパッド21b、OCパッド22、アノードパッド23aおよびカソードパッド23bを、それぞれS、G、OC、AおよびKと付した矩形状に図示する(図14,15においても同様)。
電流センス部12は、メイン半導体素子11に並列接続され、メイン半導体素子11と同じ条件で動作して、メイン半導体素子11に流れる過電流(OC:Over Current)を検出する機能を有する。電流センス部12は、メイン半導体素子11と離れて配置されている。電流センス部12は、メイン半導体素子11と同一構成の単位セルを、メイン半導体素子11の単位セルの個数(例えば1千個以上程度)よりも少ない個数(例えば10個程度)で備えた縦型MOSFETであり、メイン半導体素子11よりも表面積が小さい。
電流センス部12の単位セルは、半導体基板10の、OCパッド22で覆われた領域の一部の領域(以下、センス有効領域とする:ハッチング部分)12aに配置されている。電流センス部12の単位セルは、半導体基板10のおもて面に平行な方向に互いに隣接して配置される。電流センス部12の単位セルが互いに隣接する方向は、例えば、メイン半導体素子11の単位セルが互いに隣接する方向と同じである。電流センス部12の単位セルは、OCパッド22により互いに並列接続されている。
また、半導体基板10の、OCパッド22で覆われた領域のうち、センス有効領域12aを除く領域は、電流センス部12として機能しないセンス無効領域12bである。センス無効領域12bには、電流センス部12の単位セルが配置されていない。メイン無効領域1bの、センス有効領域12aおよび中性子センス部15を除く領域のほぼ全域において、半導体基板10のおもて面の表面領域に、センス有効領域12aから後述するp型ベース領域34b(図2参照)が延在している。
温度センス部13は、ダイオードの温度特性を利用してメイン半導体素子11の温度を検出する機能を有する。温度センス部13は、アノードパッド23aおよびカソードパッド23bの直下に配置されている。温度センス部13は、例えば、半導体基板10のおもて面の層間絶縁膜40上に設けられたポリシリコン(poly-Si)層で構成されたポリシリコンダイオードであってもよいし、半導体基板10の内部に形成されたp型領域とn型領域とのpn接合で形成された拡散ダイオードであってもよい。
中性子センス部15は、半導体基板10に入射された中性子を検出する機能を有する。中性子センス部15は、後述する10B膜98(斜線のハッチング部)を有する横型のpチャネル型MOSFETであり、中性子センス部15のソースパッド24aおよびドレインパッド24bの直下に配置されている。中性子センス部15は、例えば、半導体基板10に中性子が入射されたときに問題が生じやすい箇所付近に配置される。中性子センス部15は、メイン無効領域1bの複数個所(図1では2箇所)に配置されていてもよい。
半導体基板10に中性子が入射されたときに生じる問題とは、例えば中性子による核反応で生成されるHe(α線:放射線)が半導体基板10に入射されることにより発生する電荷(ホール・エレクトロンペア(e+-))によって生じる問題である。具体的には、例えば、半導体基板10に中性子が入射されたときに生じる問題とは、メイン半導体素子11および電流センス部12等のMOSFETのゲート絶縁破壊や、アバランシェ破壊、寄生バイポーラトランジスタ動作による破壊である。
過電圧保護部(不図示)は、例えばサージ等の過電圧(OV:Over Voltage)からメイン半導体素子11を保護するダイオードである。電流センス部12、温度センス部13、中性子センス部15および過電圧保護部は、演算回路部により制御される。演算回路部は、電流センス部12、温度センス部13、中性子センス部15および過電圧保護部の出力信号に基づいてメイン半導体素子11を制御する。演算回路部は、CMOS回路など複数の半導体素子で構成される。
次に、実施の形態1にかかる半導体装置20の断面構造について説明する。図2~5は、図1の活性領域の断面構造を示す断面図である。図2~5のメイン有効領域1aおよびセンス有効領域12aには、それぞれ単位セルの一部のみを示す。図2には、メイン有効領域1aおよび電流センス部12の断面構造(図1の切断線X1-X2-X3-X4における断面構造)を示す。図3には、メイン有効領域1a、センス有効領域12aおよび温度センス部13の断面構造(図1の切断線X1-X2、切断線X3-X4および切断線Y1-Y2における断面構造)を示す。
図4には、メイン有効領域1a、センス無効領域12bおよびゲートパッド部14の断面構造(図1の切断線X1-X2-X3および切断線Y2-Y3における断面構造)を示す。図5には、温度センス部13、メイン有効領域1aおよび中性子センス部15の断面構造(切断線Y1-Y2、図1の切断線X1’-X2’および切断線Y3-Y4における断面構造)を示す。メイン有効領域1aの各単位セルは同じ構造を有するため、図1の切断線X1’-X2’における断面構造は図1の切断線X1-X2における断面構造と同じである。
メイン半導体素子11は、メイン有効領域1aにおいて半導体基板10のおもて面側に、p型ベース領域34a、n+型ソース領域35a、トレンチ37a、ゲート絶縁膜38aおよびゲート電極39aで構成された一般的なトレンチゲート構造のMOSゲート(金属-酸化膜-半導体の3層構造からなる絶縁ゲート)を有する。半導体基板10は、炭化珪素からなるn+型出発基板71のおもて面上にn-型ドリフト領域32およびp型ベース領域34aとなる各炭化珪素層72,73を順にエピタキシャル成長させてなる。
+型出発基板71は、メイン半導体素子11および電流センス部12のn+型ドレイン領域31となる。半導体基板10の、p型炭化珪素層73側の主面をおもて面とし、n+型出発基板71側の主面(n+型出発基板71の裏面)を裏面とする。ここでは、メイン半導体素子11、および、メイン半導体素子11を保護・制御する回路部がピン状の配線部材(後述する端子ピン48a~48g)を用いた同一構成の配線構造を有する場合を例に説明するが、ピン状の配線部材に代えて、ワイヤーを用いた配線構造としてもよい。
トレンチ37aは、半導体基板10のおもて面(p型炭化珪素層73の表面)から深さ方向Zにp型炭化珪素層73を貫通してn-型炭化珪素層72に達する。トレンチ37aは、例えば、半導体基板10のおもて面に平行な方向に延びるストライプ状に配置されていてもよいし、半導体基板10のおもて面側から見てマトリクス状に配置されていてもよい。図2~5には、例えば電極パッド24a,24b,21b,23a,23b,22,24a,24b(図1参照)が並ぶ第1方向Xにストライプ状に延びるトレンチ37aを示す。
トレンチ37aの内部には、ゲート絶縁膜38aを介してゲート電極39aが設けられている。互いに隣り合うトレンチ37a間において、半導体基板10のおもて面の表面領域に、p型ベース領域34a、n+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aがそれぞれ選択的に設けられている。p型ベース領域34a、n+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aは、半導体基板10のおもて面側から見て、トレンチ37aと同じ第1方向Xに直線状に延在する。
+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aは、半導体基板10のおもて面とp型ベース領域34aとの間に、p型ベース領域34aに接してそれぞれ選択的に設けられている。n+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aは、半導体基板10のおもて面に露出されている。メイン半導体素子11において半導体基板10のおもて面に露出とは、後述する層間絶縁膜40の第1コンタクトホール40aの内部で後述するNiSi膜41aに接することである。
+型ソース領域35aは、トレンチ37aの側壁においてゲート絶縁膜38aに接する。n+型ソース領域35aは、第2方向Yに最も外側(チップ端部側)のトレンチ37aよりも外側には設けられていない。p++型コンタクト領域36aは、n+型ソース領域35aよりもトレンチ37aから離れて設けられている。p++型コンタクト領域36aは設けられていなくてもよい。この場合、p++型コンタクト領域36aに代えて、p型ベース領域34aが半導体基板10のおもて面まで達する。
半導体基板10の内部において、p型ベース領域34aとn+型ドレイン領域31(n+型出発基板71)との間に、p型ベース領域34aおよびn+型ドレイン領域31に接して、n-型ドリフト領域32が設けられている。p型ベース領域34aとn-型ドリフト領域32との間に、これらの領域に接して、n型電流拡散領域33aが設けられていてもよい。n型電流拡散領域33aは、キャリアの広がり抵抗を低減させる、いわゆる電流拡散層(Current Spreading Layer:CSL)である。
また、半導体基板10の内部において、p型ベース領域34aよりもn+型ドレイン領域31に近い位置に、トレンチ37aの底面にかかる電界を緩和させる第1,2p+型領域61a,62aが設けられていてもよい。第1p+型領域61aは、p型ベース領域34aと離れて設けられ、深さ方向Zにトレンチ37aの底面に対向する。第2p+型領域62aは、互いに隣り合うトレンチ37a間に、第1p+型領域61aおよびトレンチ37aと離れて設けられ、かつp型ベース領域34aに接する。
層間絶縁膜40は、半導体基板10のおもて面のほぼ全面に設けられ、ゲート電極39aを覆う。メイン半導体素子11のすべてのゲート電極39aは、図示省略する部分で、ゲートランナー(不図示)を介してゲートパッド21b(図1参照)に電気的に接続されている。層間絶縁膜40を深さ方向Zに貫通して半導体基板10に達する第1コンタクトホール40aには、メイン半導体素子11のn+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aが露出されている。
ニッケルシリサイド(NiSi、Ni2Siまたは熱的に安定なNiSi2:以下、まとめてNiSiとする)膜41aは、第1コンタクトホール40aの内部において半導体基板10にオーミック接触し、n+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aに電気的に接続されている。p++型コンタクト領域36aが設けられていない場合、p++型コンタクト領域36aに代えて、p型ベース領域34aが第1コンタクトホール40aに露出され、NiSi膜41aに電気的に接続される。
メイン有効領域1aにおける層間絶縁膜40およびNiSi膜41aの表面全体に、層間絶縁膜40およびNiSi膜41aの表面に沿ってバリアメタル46aが設けられている。バリアメタル46aは、バリアメタル46aの各金属膜間またはバリアメタル46aを挟んで対向する領域間での相互反応を防止する機能を有する。バリアメタル46aは、例えば、第1窒化チタン(TiN)膜42a、第1チタン(Ti)膜43a、第2TiN膜44aおよび第2Ti膜45aを順に積層した積層構造を有していてもよい。
第1TiN膜42aは、層間絶縁膜40の表面全体を覆う。第1TiN膜42aは、NiSi膜41aが形成された部分における半導体基板10のおもて面上には設けられていない。第1Ti膜43aは、第1TiN膜42aおよびNiSi膜41aの表面に設けられている。第2TiN膜44aは、第1Ti膜43aの表面に設けられている。第2Ti膜45aは、第2TiN膜44aの表面に設けられている。バリアメタル46aは、例えば、温度センス部13には設けられていない。
ソースパッド21aは、第2Ti膜45aの表面全面に設けられ、バリアメタル46aおよびNiSi膜41aを介してn+型ソース領域35aおよびp型ベース領域34aに電気的に接続されている。ソースパッド21aは、例えば、5μm程度の厚さのアルミニウム(Al)膜、アルミニウム-シリコン(Al-Si)膜またはアルミニウム-シリコン-銅(Al-Si-Cu)膜であってもよい。ソースパッド21a、バリアメタル46aおよびNiSi膜41aは、メイン半導体素子11のソース電極として機能する。
ソースパッド21aの上には、めっき膜47aおよびはんだ層(不図示)を介して、端子ピン48aの一方の端部が接合されている。端子ピン48aの他方の端部は、半導体基板10のおもて面に対向するように配置された金属バー(不図示)に接合されている。また、端子ピン48aの他方の端部は、半導体基板10を実装したケース(不図示)の外側に露出し、外部装置(不図示)と電気的に接続される。端子ピン48aは、所定直径を有する丸棒状(円柱状)の配線部材である。
端子ピン48aは、半導体基板10のおもて面に対して略垂直に立てた状態でめっき膜47aにはんだ接合されている。端子ピン48aは、ソースパッド21aの電位を外部に取り出す外部接続用端子であり、外部の接地電位(最低電位)に接続されている。ソースパッド21aの表面のめっき膜47a以外の部分は第1保護膜49aで覆われている。めっき膜47aと第1保護膜49aとの境界は第2保護膜50aで覆われている。第1,2保護膜49a,50aは例えばポリイミド膜である。
ドレイン電極51は、半導体基板10の裏面(n+型出発基板71の裏面)全面にオーミック接触している。ドレイン電極51上には、例えば、Ti膜、ニッケル(Ni)膜および金(Au)膜を順に積層した積層構造でドレインパッド(電極パッド:不図示)が設けられている。ドレインパッドは、絶縁基板の例えば銅箔等で形成された金属ベース板(不図示)にはんだ接合され、当該金属ベース板を介して冷却フィン(不図示)のベース部に少なくとも一部が接触している。
このように半導体基板10のおもて面のソースパッド21aに端子ピン48aを接合し、かつ裏面のドレインパッドを絶縁基板の金属ベース板に接合することで、半導体基板10は両主面それぞれに冷却構造を備えた両面冷却構造となっている。半導体基板10で発生した熱は、半導体基板10の裏面のドレインパッドに接合された金属ベース板を介して冷却フィンのフィン部から放熱され、かつ半導体基板10のおもて面の端子ピン48aを接合した金属バーから放熱される。
電流センス部12は、メイン半導体素子11の対応する各部と同じ構成のp型ベース領域34b、n+型ソース領域35b、p++型コンタクト領域36b、トレンチ37b、ゲート絶縁膜38b、ゲート電極39bおよび層間絶縁膜40を備える。電流センス部12のMOSゲートの各部は、メイン無効領域1bのセンス有効領域12aに設けられている。p型ベース領域34bは、半導体基板10のおもて面の表面領域のn-型領域32aにより、メイン半導体素子11のp型ベース領域34aと分離されている。
p型ベース領域34bは、例えばセンス有効領域12aからメイン無効領域1bのほぼ全域に延在している。電流センス部12は、メイン半導体素子11と同様に、n型電流拡散領域33bおよび第1,2p+型領域61b,62bを有していてもよい。p++型コンタクト領域36bは、メイン半導体素子11と同様に、設けられていなくてもよい。ゲート電極39bは、ゲートランナーを介してゲートパッド21b(図1参照)に電気的に接続されている。ゲート電極39bは、層間絶縁膜40に覆われている。
センス有効領域12aにおいて層間絶縁膜40には、深さ方向Zに貫通して半導体基板10に達する第2コンタクトホール40bが設けられ、n+型ソース領域35bおよびp++型コンタクト領域36bが露出されている。センス有効領域12aにおいて半導体基板10のおもて面には、メイン半導体素子11と同様に、NiSi膜41bおよびバリアメタル46bが設けられている。符号42b~45bは、それぞれバリアメタル46bを構成する第1TiN膜、第1Ti膜、第2TiN膜および第2Ti膜である。
NiSi膜41bは、第2コンタクトホール40bの内部において半導体基板10にオーミック接触し、n+型ソース領域35bおよびp++型コンタクト領域36bに電気的に接続されている。p++型コンタクト領域36bが設けられていない場合、p++型コンタクト領域36bに代えて、p型ベース領域34bが第2コンタクトホール40bに露出され、NiSi膜41bに電気的に接続される。バリアメタル46bは、センス無効領域12bにおける層間絶縁膜40上に延在している。
バリアメタル46bの表面全面に、ソースパッド21aと離れて、OCパッド22が設けられている。OCパッド22は、バリアメタル46bおよびNiSi膜41bを介してn+型ソース領域35bおよびp型ベース領域34bに電気的に接続されている。OCパッド22は、例えば、ソースパッド21aと同じ材料で、ソースパッド21aと同時に形成される。OCパッド22、バリアメタル46bおよびNiSi膜41bは、電流センス部12のソース電極として機能する。
OCパッド22上に、ソースパッド21a上の配線構造と同じ配線構造で、端子ピン48bが接合される。端子ピン48bは、端子ピン48aよりも小さい直径を有する丸棒状(円柱状)の配線部材である。端子ピン48bは、例えばOCパッド22の電位を外部に取り出す外部接続用端子であり、外部の抵抗体(不図示)を介してOCパッド22を接地電位に接続する。符号47b,49b,50bは、それぞれOCパッド22上の配線構造を構成するめっき膜および第1,2保護膜である。
メイン有効領域1aのp型ベース領域34aおよびセンス有効領域12aのp型ベース領域34bは、半導体基板10の表面領域の図示省略するn-型領域により、素子分離のためのp型領域(不図示)と分離されている。素子分離のためのp型領域とは、エッジ終端領域2に活性領域1の周囲を囲む略矩形状に設けられ、活性領域1とエッジ終端領域2とを電気的に分離する寄生ダイオードをn-型ドリフト領域32とのpn接合で形成するフローティングのp型領域である。
温度センス部13は、例えば、p型アノード領域であるp型ポリシリコン層81とn型カソード領域であるn型ポリシリコン層82とのpn接合で形成されたポリシリコンダイオードである(図3)。p型ポリシリコン層81およびn型ポリシリコン層82は、メイン無効領域1bにおいて、層間絶縁膜40上に設けられている。温度センス部13は、層間絶縁膜40により、半導体基板10、メイン半導体素子11および電流センス部12と電気的に絶縁されている。
アノードパッド23aおよびカソードパッド23bは、それぞれ、これらを覆う層間絶縁膜83の第3,4コンタクトホール83a,83bにおいてp型ポリシリコン層81およびn型ポリシリコン層82に接する。アノードパッド23aおよびカソードパッド23bは、例えば、ソースパッド21aと同じ材料で、ソースパッド21aと同時に形成される。アノードパッド23a上およびカソードパッド23b上には、それぞれ、ソースパッド21a上の配線構造と同じ配線構造で端子ピン48c,48dが接合されている。
端子ピン48c,48dは、それぞれアノードパッド23aおよびカソードパッド23bの電位を外部に取り出す外部接続用端子である。端子ピン48c,48dは、温度センス部13の電流能力に応じた所定の直径を有する丸棒状の配線部材である。符号47c,47dは、それぞれアノードパッド23a上の配線構造およびカソードパッド23b上の配線構造を構成するめっき膜である。符号49c,50cは、それぞれ温度センス部13上の配線構造を構成する第1,2保護膜である。
メイン無効領域1bには、電流センス部12、温度センス部13および後述する中性子センス部15の他に、ゲートパッド部14が設けられている。ゲートパッド部14は、メイン半導体素子11のゲートパッド21b(図1参照)が設けられた領域である(図4)。ゲートパッド部14に、メイン有効領域1aからメイン半導体素子11のMOSゲートが延在していてもよい。ゲートパッド部14における半導体基板10のおもて面全面が層間絶縁膜40で覆われている。
ゲートパッド21bは、メイン無効領域1bにおける層間絶縁膜40上に、他の電極パッドと離れて設けられている。ゲートパッド21bは、例えば、ソースパッド21aと同じ材料で、ソースパッド21aと同時に形成される。ゲートパッド21bと層間絶縁膜40との間にバリアメタル46eが設けられていてもよい。符号42e~45eは、それぞれバリアメタル46eを構成する第1TiN膜、第1Ti膜、第2TiN膜および第2Ti膜である。
ゲートパッド21b上には、ソースパッド21a上の配線構造と同じ配線構造で、端子ピン48eが接合されている。端子ピン48eは、ゲートパッド21bの電位を外部に取り出す外部接続用端子である。端子ピン48eは、ゲートパッド21bの電流能力に応じた所定の直径を有する丸棒状の配線部材である。符号47e,49e,50eは、それぞれゲートパッド21b上の配線構造を構成するめっき膜および第1,2保護膜である。
中性子センス部15は、メイン無効領域1bにおいて半導体基板10のおもて面側に、p+型領域91、n型領域92、p+型ソース領域93、p+型ドレイン領域94、ゲート絶縁膜95およびゲート電極96で構成された一般的な横型のプレーナゲート構造のMOSゲートを有する。また、中性子センス部15は、層間絶縁膜97上に、質量数10のボロン(10B)を含む絶縁膜(以下、10B膜とする)98を有することで、同一の半導体基板10に作製される他の半導体素子よりも中性子に対する反応感度が高くなっている。
例えば10B膜98は、10Bを含んだ、BSG(Boron-10 doped Silicate Glass:以下、10BSGとする)膜もしくはBPSG(Boron-10 doped Phospho Silicate Glass:以下、10BPSGとする)膜であってもよい。また、10BSG膜もしくは10BPSG膜などの10Bを含む絶縁膜を層間絶縁膜97として用いることで、層間絶縁膜97が10B膜98を兼ねてもよい。
中性子センス部15は、p+型領域91とn-型ドリフト領域32とのpn接合分離により、半導体基板10に作製されるすべての半導体素子と分離されている。p+型領域91は、メイン無効領域1bにおいて半導体基板10のおもて面の表面領域に島状に設けられている。p+型領域91は、半導体基板10のおもて面の表面領域のn-型領域32aにより、メイン半導体素子11のp型ベース領域34aおよび電流センス部12のp型ベース領域34bと分離されている。
n型領域92は、半導体基板10のおもて面とp+型領域91との間に、p+型領域91に接して選択的に設けられている。n型領域92は、中性子センス部15のオン時にチャネル(p型の反転層)が形成されるゲート領域であり、n+型出発基板71と同電位になっている。p+型ソース領域93およびp+型ドレイン領域94は、半導体基板10のおもて面とn型領域92との間に、n型領域92に接して、かつ互いに離れて選択的に設けられている。
+型ソース領域93およびp+型ドレイン領域94は、それぞれ後述する第5,6コンタクトホール97a,97bにおいて半導体基板10のおもて面に露出されている。中性子センス部15において半導体基板10のおもて面に露出とは、第5,6コンタクトホール97a,97bの内部の後述するNiSi膜41f,41gに接することである。n型領域92の、p+型ソース領域93とp+型ドレイン領域94とに挟まれた部分の表面上に、ゲート絶縁膜95を介してゲート電極96が設けられている。
層間絶縁膜97は、半導体基板10のおもて面に設けられ、ゲート電極96を覆う。中性子センス部15の形成領域において層間絶縁膜97の上面(層間絶縁膜97の表面の、半導体基板10のおもて面に平行な部分)に、10B膜98が設けられている。10B膜98は層間絶縁膜97の上面の、少なくともゲート電極96を覆う部分に設けられていればよいが、10B膜98が層間絶縁膜97の上面に広範囲に設けられているほど、中性子センス部15の中性子に対する反応感度を向上させることができる。
10B膜98に含まれる10Bは、中性子吸収捕獲断面積が大きく、中性子と核反応を起こしやすい。このため、10B膜98においてα線が生成されやすい。具体的には、10B膜98中の10Bが中性子を吸収してリチウム(Li)に核変換し、かつHe(α線)が生成され放出される(上記(1)式および上記(2)式参照)。このα線を後述するように中性子センス部15によって検知することで、半導体基板10に中性子(二次宇宙線中性子も含む:以下、まとめて「中性子」とする)が入射されたと判定される。
10B膜98の厚さや、中性子センス部15の形成領域において10B膜98を設ける範囲(表面積)は、実施の形態1にかかる半導体装置20の設計条件に応じて種々変更可能である。例えば、中性子センス部15の層間絶縁膜97の上面に10B膜98が設けられている場合、10B膜98の厚さは2μm程度であってもよい。ソースパッド24aおよびドレインパッド24b等のアルミニウムを含む金属膜上に10B膜98が設けられている場合、10B膜98の厚さは数μm以上であってもよい。
10B膜98をソースパッド24aおよびドレインパッド24b等のアルミニウムを含む金属膜上に設ける場合、半導体基板10(半導体チップ)を実装する前に、半導体基板10のおもて面の最表面の10B膜98が大気に曝される。このため、10B膜98が大気中の酸素による悪影響を受けないように、10B膜98を窒化シリコン(SiN)膜か酸化シリコン(SiO2)膜等の絶縁膜で覆って保護することが好ましい。層間絶縁膜97自体が10B膜98であってもよい。例えば10B膜98は、10Bを含む10BPSG膜や、B源として10Bをメインに用いた10BPSG膜であってもよい。また、層間絶縁膜97と10B膜98とを兼ねた絶縁膜として、10Bを含む10BPSG膜を用いてもよい。
層間絶縁膜97を深さ方向Zに貫通して半導体基板10に達する第5,6コンタクトホール97a,97bには、それぞれ中性子センス部15のp+型ソース領域93およびp+型ドレイン領域94が露出されている。第5コンタクトホール97aの内部において半導体基板10のおもて面には、メイン半導体素子11の第1コンタクトホール40a内と同様に、NiSi膜41fおよびバリアメタル46fが設けられている。符号42f~45fは、それぞれバリアメタル46fを構成する第1TiN膜、第1Ti膜、第2TiN膜および第2Ti膜である。
第6コンタクトホール97bの内部において半導体基板10のおもて面には、メイン半導体素子11の第1コンタクトホール40a内と同様に、NiSi膜41gおよびバリアメタル46gが設けられている。符号42g~45gは、それぞれバリアメタル46gを構成する第1TiN膜、第1Ti膜、第2TiN膜および第2Ti膜である。バリアメタル46f,46gは、10B膜98を介して層間絶縁膜97を覆う。バリアメタル46f,46gは、互いに離れて配置されており、10B膜98の、ゲート電極96を覆う部分の表面上には設けられていない。
バリアメタル46fの表面全面にソースパッド24aが設けられ、バリアメタル46gの表面全面にドレインパッド24bが設けられている。ソースパッド24aは、バリアメタル46fおよびNiSi膜41fを介してn+型ソース領域93に電気的に接続されている。ソースパッド24a、バリアメタル46fおよびNiSi膜41fは、中性子センス部15のソース電極として機能する。ドレインパッド24bは、バリアメタル46gおよびNiSi膜41gを介してp+型ドレイン領域94に電気的に接続されている。
ドレインパッド24b、バリアメタル46gおよびNiSi膜41gは、中性子センス部15のドレイン電極として機能する。ソースパッド24aおよびドレインパッド24bは、例えば、メイン半導体素子11のソースパッド21aと同じ材料で、ソースパッド21aと同時に形成される。ソースパッド24aおよびドレインパッド24bの上に、メイン半導体素子11のソースパッド21a上の配線構造と同じ配線構造で、それぞれ端子ピン48f,48gが接合される。
端子ピン48f,48gは、それぞれ、例えばソースパッド24aおよびドレインパッド24bの電位を外部に取り出す外部接続用端子である。端子ピン48f,48gは、中性子センス部15の電流能力に応じた所定の直径を有する丸棒状の配線部材である。符号47f,47gは、それぞれソースパッド24aおよびドレインパッド24b上の配線構造を構成するめっき膜である。符号49f,50fは、それぞれ、ソースパッド24aおよびドレインパッド24b上の配線構造を構成する第1,2保護膜である。
実施の形態1にかかる半導体装置20の動作について説明する。メイン半導体素子11のソース電極(ソースパッド21a)に対して正の電圧(順方向電圧)がドレイン電極51に印加された状態で、メイン半導体素子11のゲート電極39aにゲート閾値電圧以上の電圧が印加されると、メイン半導体素子11のp型ベース領域34aのトレンチ37aに沿った部分にチャネル(n型の反転層)が形成される。それによって、メイン半導体素子11のn+型ドレイン領域31からn+型ソース領域35aへ向かって電流が流れ、メイン半導体素子11がオンする。
メイン半導体素子11と同じ条件で、電流センス部12のソース電極(OCパッド22)に対して正の電圧(順方向電圧)がドレイン電極51に印加された状態で、電流センス部12のゲート電極39bにゲート閾値電圧以上の電圧が印加されると、電流センス部12のp型ベース領域34bのトレンチ37bに沿った部分にチャネル(n型の反転層)が形成される。それによって、電流センス部12のn+型ドレイン領域31からn+型ソース領域35bへ向かって電流(以下、センス電流とする)が流れ、電流センス部12がオンする。
メイン半導体素子11のオン時に、電流センス部12をオンさせた状態とする。電流センス部12にセンス電流が流れることで、電流センス部12のn+型ソース領域35bと接地点との間に接続された抵抗体(不図示)で電圧降下が生じる。メイン半導体素子11に流れる電流の大きさに応じて電流センス部12のセンス電流が大きくなるため、当該抵抗体での電圧降下も大きくなる。したがって、この抵抗体での電圧降下の大きさを監視することで、メイン半導体素子11での過電流を検知可能である。
一方、メイン半導体素子11は、ゲート電極39aにゲート閾値電圧未満の電圧が印加されたときに、第1,2p+型領域61a,62aとn型電流拡散領域33aおよびn-型ドリフト領域32とのpn接合が逆バイアスされることで、オフ状態を維持する。電流センス部12のゲート電極39bにもゲート閾値電圧未満の電圧が印加され、電流センス部12は、第1,2p+型領域61b,62bとn型電流拡散領域33bおよびn-型ドリフト領域32とのpn接合が逆バイアスされることで、オフ状態を維持する。
中性子センス部15は、次の2つのいずれかの条件で動作させる。1つ目の条件においては、例えば外部電源による図示省略するIC(Integrated Circuit:集積回路)を用いて、中性子センス部15のソース電極(ソースパッド24a)に対して負の電圧(順方向電圧)がドレイン電極(ドレインパッド24b)に印加される。また、中性子センス部15は、オフ状態を維持するように、ゲート電極96をオープン(開放)状態とするか、またはゲート電極96に正の電圧を印加した状態とする。
半導体基板10に中性子が入射されたときに、半導体基板10の内部のp型領域に中性子が入射されると、当該p型領域中に含まれるボロンと中性子との核反応が所定の割合で起こり、α線が生成され、当該α線の入射箇所で半導体素子の劣化や破壊が生じる。また、半導体基板10に中性子が入射されたとき、中性子センス部15の10B膜98にも中性子が入射され、10B膜98中の10Bと中性子との核反応によりα線が生成される。このα線が中性子センス部15の形成領域において半導体基板10に入射される。
p型領域の形成に用いる一般的な原料ガスに含まれるボロンの大半(例えば8割程度)は、10Bよりも中性子吸収捕獲断面積の小さい11B(質量数11のボロン)である。このため、10Bを積極的に含ませた10B膜98は、半導体基板10内に11Bで形成されるいずれのp型領域よりも中性子に対する反応感度が高い。このため、半導体基板10に中性子が入射されたときに、10B膜98において高い頻度でα線を生成することができ、中性子センス部15にα線が入射される。
半導体基板10にα線が入射されると、α線の入射箇所において半導体基板10の内部に、電荷(ホール・エレクトロンペア(e+-))が発生する。10B膜98中の10Bと中性子との核反応により生成されたα線は中性子センス部15の形成領域において半導体基板10に入射されるため、中性子センス部15の形成領域において半導体基板10の内部に電荷が発生する。このとき、上述したように中性子センス部15はソース・ドレイン間に順方向電圧を印加した状態でオフ状態を維持している。
中性子センス部15においては、例えば10Bと中性子との核反応で起こる割合の高い上記(2)式に基づいて生成されるα線の半導体基板10への入射に起因して発生する電荷によってアバランシェ降伏が起きるような設計条件で不純物濃度等が設定されており、当該電荷の電子(エレクトロン(e-))により、アバランシェ降伏の発生箇所から中性子センス部15のソースパッド24aへ向かって流れ込む電子電流(以下、アバランシェ電流とする)が増加する。このアバランシェ電流量と、予め取得したα線の悪影響のない通常のアバランシェ電流量(基準値)と、の差分(変化量)により、中性子の入射の有無を検知することができる。
また、上記(2)式に基づいて生成されるα線に起因して発生する電荷の正孔(ホール(e+))が中性子センス部15のゲート絶縁膜95もしくはゲート電極96に蓄積されることで、中性子センス部15は、リーク電流が増加したり、n型領域92のゲート絶縁膜95に沿った部分にチャネルが形成されて順方向に導通してオン状態となるような設計条件で不純物濃度等が設定されている。このときの中性子センス部15のリーク電流と予め取得したリーク電流の基準値との差分や、ゲート電極96へのゲート印加電圧とゲート閾値電圧(基準値)との差分(変化量)により、中性子の入射の有無を検知することができる。
2つ目の条件が1つ目の条件と異なる点は、中性子センス部15のソース電極(ソースパッド24a)に対して正の電圧(逆方向電圧)がドレイン電極(ドレインパッド24b)に印加される点である。中性子センス部15のソース・ドレイン間に逆方向電圧を印加し、中性子センス部15のp+型ソース領域93とn型領域92とのpn接合からn型領域92内に空乏層を広げた状態としておく。ゲート電極96への印加電圧の条件は1つ目の条件と同様であり、中性子センス部15はオフ状態を維持している。
中性子センス部15は、2つ目の条件で動作させた場合においても、1つ目の条件と同様に動作する。また、中性子センス部15を2つ目の条件で動作させると、n型領域92内に空乏層が広がっていることで、中性子センス部15を1つ目の条件で動作させた場合よりもアバランシェ電流やゲート印加電圧の基準値からの変化量が大きくなる。このため、1つ目の条件で中性子センス部15を動作させた場合と比べて、中性子センス部15の中性子に対する反応感度を高くすることができる。
上記1,2つ目のいずれの条件で中性子センス部15をオフ状態に維持した場合においても、中性子センス部15の通常のアバランシェ電流量およびゲート閾値電圧(基準値)を予め取得して記憶手段(不図示)に記憶させておく。そして、中性子センス部15のアバランシェ電流量、または中性子センス部15がオン状態になったときのゲート印加電圧を外部回路(不図示)に読み込んで、記憶手段に予め記憶させた基準値と比較することで、中性子の入射の有無を判断すればよい。
そして、例えば、中性子センス部15がオン状態になった場合や、中性子センス部15によって得られた比較データから中性子が入射されたことを検知した場合に、外部回路によってメイン半導体素子11の動作を停止させる。これによって、半導体基板10に作製されたすべての半導体素子や、当該半導体基板10を実装した半導体装置ユニットを中性子から保護することができる。または、上述したように他の半導体素子よりも中性子に対する反応感度が高い中性子センス部15が破壊に至った場合に、メイン半導体素子11の破壊の原因がメイン半導体素子11の構造上の問題によるものではなく、中性子によるものと瞬時に判断することができる。
次に、実施の形態1にかかる半導体装置20の製造方法について説明する。図6~11は、実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。図6~11には、メイン半導体素子11のみを示すが、同一の半導体基板10に作製されるすべての半導体素子(図1~5を参照)の各部はメイン半導体素子11の各部と同じ不純物濃度および深さの各部と同時に形成される。
まず、図6に示すように、炭化珪素からなるn+型出発基板(半導体ウエハ)71として、例えば窒素(N)ドープの炭化珪素単結晶基板を用意する。次に、n+型出発基板71のおもて面に、n+型出発基板71よりも低濃度に窒素がドープされたn-型炭化珪素層72をエピタキシャル成長させる。メイン半導体素子11が耐圧3300Vクラスである場合、n-型炭化珪素層72の厚さt1は、例えば30μm程度であってもよい。
次に、図7に示すように、フォトリソグラフィおよび例えばAl等のp型不純物のイオン注入により、メイン有効領域1aにおいてn-型炭化珪素層72の表面領域に、第1p+型領域61aおよびp+型領域101をそれぞれ選択的に形成する。第1p+型領域61aおよびp+型領域101は、例えば、第1方向X(奥行き方向:図2~5参照)に交互に繰り返し配置され、第2方向Y(横方向:図2~5参照)にストライプ状に延在する。
次に、フォトリソグラフィおよび例えば窒素等のn型不純物のイオン注入により、メイン有効領域1aの全域にわたってn-型炭化珪素層72の表面領域にn型領域102を形成する。n型領域102は、第1p+型領域61aとp+型領域101との間に、これらp+型領域61a,101に接して形成される。n型領域102と、p+型領域61a,101と、の形成順序を入れ替えてもよい。
互いに隣り合うp+型領域61a,101間の距離d2は例えば1.5μm程度である。p+型領域61a,101は、例えば深さd1および不純物濃度がそれぞれ0.5μm程度および5.0×1018/cm3程度である。n型領域102の深さd3および不純物濃度は、例えば、それぞれ0.4μm程度および1.0×1017/cm3程度である。n-型炭化珪素層72の、イオン注入されていない部分がn-型ドリフト領域32となる。
次に、図8に示すように、n-型炭化珪素層72上にさらに例えば窒素等のn型不純物をドープしたn-型炭化珪素層を例えば0.5μm程度の厚さt2でエピタキシャル成長させて、n-型炭化珪素層72の厚さを厚くする。これによって、n-型炭化珪素層72の厚さが所定厚さになる。n-型炭化珪素層72の厚さを増した部分72aの不純物濃度は、例えば3×1015/cm3であってもよい。
次に、フォトリソグラフィおよびAl等のp型不純物のイオン注入により、n-型炭化珪素層72の厚さを増した部分72aに、p+型領域101に達するp+型領域103を選択的に形成する。次に、フォトリソグラフィおよび例えば窒素などのn型不純物のイオン注入により、n-型炭化珪素層72の厚さを増した部分72aに、n型領域102に達するn型領域104を選択的に形成する。
これによって、深さ方向Zに隣接するp+型領域101,103同士が連結されて第2p+型領域62aが形成される。深さ方向Zに隣接するn型領域102,104同士が連結されてn型電流拡散領域33aが形成される。p+型領域103およびn型領域104の不純物濃度等の条件は、例えばそれぞれp+型領域101およびn型領域102と同様である。p+型領域103とn型領域104との形成順序を入れ替えてもよい。
次に、図9に示すように、n-型炭化珪素層72上に、例えばAl等のp型不純物をドープしたp型炭化珪素層73をエピタキシャル成長させる。p型炭化珪素層73の厚さt3および不純物濃度は、例えば、それぞれ1.3μm程度および4.0×1017/cm3程度である。ここまでの工程により、n+型出発基板71上にn-型炭化珪素層72およびp型炭化珪素層73を順に積層した半導体基板10(半導体ウエハ)が作製される。
次に、フォトリソグラフィおよびイオン注入を1組とする工程を異なる条件で繰り返し行い、メイン有効領域1aにおいてp型炭化珪素層73の表面領域に、n+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aをそれぞれ選択的に形成する。メイン有効領域1aのp型炭化珪素層73の、n+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aと、n-型炭化珪素層72と、の間の部分がp型ベース領域34aとなる。
次に、イオン注入で形成した拡散領域(第1,2p+型領域61a,62a、n型電流拡散領域33a、n+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36a)について、例えば1700℃程度の温度で2分間程度の熱処理(活性化アニール)により不純物活性化を行う。活性化アニールは、すべての拡散領域の形成後にまとめて1回行ってもよいし、イオン注入により拡散領域を形成するごとに行ってもよい。
次に、図10に示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、半導体基板10のおもて面からn+型ソース領域35aおよびp型ベース領域34aを貫通してn型電流拡散領域33aに達し、深さ方向Z(縦方向:図2~5参照)に第1p+型領域61aに対向するトレンチ37aを形成する。トレンチ37aは、例えば、第1p+型領域61aに達して、第1p+型領域61aの内部で終端してもよい。
次に、図11に示すように、半導体基板10のおもて面およびトレンチ37aの内壁に沿ってゲート絶縁膜38aを形成する。ゲート絶縁膜38aは、例えば、酸素(O2)雰囲気中において1000℃程度の温度で半導体表面を熱酸化することで形成した熱酸化膜であってもよいし、高温酸化(HTO:High Temperature Oxide)による堆積膜であってもよい。
次に、トレンチ37aの内部に埋め込むように、半導体基板10のおもて面に例えばリンドープのポリシリコン層を堆積する。次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、当該ポリシリコン層を選択的に除去して、ポリシリコン層の、ゲート電極39aとなる部分のみをトレンチ37aの内部に残す。
また、上述したようにメイン半導体素子11のMOSゲートの各部を形成する際に、同一の半導体基板10に作製されるすべての半導体素子(電流センス部12、中性子センス部15、過電圧保護部(不図示)および演算回路部(不図示)等の高機能部:図2~5参照)の各部について、メイン半導体素子11の各部と同じ不純物濃度や深さの各部と同時に形成すればよい。
メイン半導体素子11は、半導体基板10のおもて面の表面領域に形成された島状のp型ベース領域34a内に配置することで、p型ベース領域34aとn-型ドリフト領域32とのpn接合分離により、同一の半導体基板10に作製される他の半導体素子と分離される。電流センス部12は、メイン半導体素子11と同じ構造で、半導体基板10のおもて面の表面領域に形成された島状のp型ベース領域34b内に配置すればよい。
中性子センス部15は、半導体基板10のおもて面上に、メイン半導体素子11のゲート絶縁膜38aおよびゲート電極39aそれぞれと同時にゲート絶縁膜95およびゲート電極96を形成すればよい。次に、半導体基板10のおもて面全面を層間絶縁膜40,97で覆う。温度センス部13は、層間絶縁膜40上にp型ポリシリコン層81およびn型ポリシリコン層82(図3参照)を形成し、層間絶縁膜83で覆えばよい。
次に、深さ方向Zに層間絶縁膜40,97およびゲート絶縁膜38aを貫通する第1~6コンタクトホール40a,40b,83a,83b,97a,97bを形成する。第1コンタクトホール40aには、メイン半導体素子11のn+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aを露出させる。第2コンタクトホール40bには、電流センス部12のn+型ソース領域35bおよびp++型コンタクト領域36bを露出させる。
第3,4コンタクトホール83a,83bには、それぞれ、温度センス部13のp型ポリシリコン層81およびn型ポリシリコン層82を露出させる。第5,6コンタクトホール97a,97bには、それぞれ、中性子センス部15のp+型ソース領域93およびp+型ドレイン領域94を露出させる。次に、熱処理により層間絶縁膜40,83,97を平坦化(リフロー)する。
次に、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)装置のチャンバー内をベースとなる例えばジボラン(B26)ガスに10Bのみを充填したガス雰囲気(例えば10Bの含有率90%)として、層間絶縁膜97の上面に10B膜98を形成する。このガス雰囲気のベースは、ジボランガスに代えて、例えば、水素(H2)ガス、アルゴン(Ar)ガスおよびキセノン(Xe)ガスであってもよい。
例えば、CVD装置のチャンバー内の基板側電極(カソード)と対向電極(アノード)との間の直流(DC:、Direct Current)電圧を例えば100V~700V程度とし、チャンバー内の真空度を例えば0.1Torr~2Torr程度とし、半導体基板10への電圧印加によるバイアス温度(自己発熱)を常温(例えば25℃程度)~400℃程度にして数分間程度で10B膜98を堆積する。あるいは、10Bをメインに含むジボランを用いて10BPSG膜あるいは10BSG膜を形成し、パターニングすることで10B膜98としてもよい。
次に、層間絶縁膜40のみを覆う第1TiN膜42aを形成する。次に、半導体基板10のおもて面の、第1コンタクトホール40aに露出される部分にNiSi膜41aを形成する。次に、NiSi膜41aおよび第1TiN膜42aを覆うように、第1Ti膜43a、第2TiN膜44aおよび第2Ti膜45aを順に積層してバリアメタル46aを形成する。次に、第2Ti膜45a上にソースパッド21aを堆積する。
また、第2コンタクトホール40b内にも、NiSi膜41aおよびバリアメタル46aと同時にそれぞれと同じ構成でNiSi膜41bおよびバリアメタル46bを形成する。第5,6コンタクトホール97a,97b内それぞれにも、NiSi膜41aおよびバリアメタル46aと同時にそれぞれと同じ構成でNiSi膜41f,41gおよびバリアメタル46f,46gを形成する。
また、第2~6コンタクトホール40b,83a,83b,97a,97b内のそれぞれにも、ソースパッド21aと同時に、ソースパッド21aと同じ構成で、OCパッド22、アノードパッド23a、カソードパッド23b、ソースパッド24aおよびドレインパッド24bを形成する。また、半導体基板10の裏面にオーミック接触するドレイン電極51を形成し、ドレイン電極51の表面に例えばTi膜、Ni膜および金(Au)膜を順に積層してドレインパッド(不図示)を形成する。
次に、半導体基板10のおもて面にポリイミドからなる第1保護膜49a~49fを選択的に形成し、これら第1保護膜49a~49fの開口部にそれぞれ異なる各電極パッド21a,21b,22,23a,23b,24a,24bを露出させる。次に、一般的なめっき前処理の後、一般的なめっき処理により、電極パッド21a,21b,22,23a,23b,24a,24bの、第1保護膜49a~49fの開口部に露出する部分にめっき膜47a~47gを形成する。
次に、めっき膜47a~47gを乾燥させるための熱処理(ベーク)を行う。次に、ポリイミドからなる第2保護膜50a~50fを形成し、めっき膜47a~47gと第1保護膜49a~49fとの各境界を覆う。次に、ポリイミド膜(第1保護膜49a~49fおよび第2保護膜50a~50f)の強度を向上させるための熱処理(キュア)を行う。次に、めっき膜47a~47g上に、それぞれはんだ層により端子ピン48a~48gを接合する。
その後、半導体基板10(半導体ウエハ)をダイシング(切断)して個々のチップ状に個片化することで、図1~5に示す半導体装置20が完成する。
以上、説明したように、実施の形態1によれば、順方向電圧または逆方向電圧が印加され、かつオフ状態を維持している中性子センス部を覆う層間絶縁膜の表面または層間絶縁膜上の電極パッドの表面に、10B(質量数10のボロン)を含む10B膜が配置されている。10B膜は、10Bよりも中性子吸収捕獲断面積の小さい11B(質量数11のボロン)で形成されるp型領域よりも中性子に対する反応感度が高い。このため、半導体基板に中性子が入射されたときに、10B膜において高い頻度でα線が生成される。
そして、α線の入射によってオン状態になった中性子センス部のアバランシェ電流量、リーク電流量やゲート印加電圧値を、予め取得した基準値と比較することで、中性子センス部にα線が入射されたか否かを検知することができる。中性子センス部によってα線の入射を検知した場合に、外部回路によってメイン半導体素子の動作を停止させることで、α線を原因としてメイン半導体素子の破壊が生じることを防止することができる。このため、宇宙線や二次宇宙線に対する信頼性を向上させることができる。
また、中性子センス部は、同一の半導体基板に作製された他の半導体素子よりも中性子に対する反応感度が高い。このため、中性子センス部の破壊により、中性子センス部以外の半導体素子の破壊の原因が当該半導体素子の構造上の問題によるものではなく、中性子によるものであると瞬時に判断することができる。これにより、半導体素子の破壊の原因を調査するための時間やコストを削減することができる。また、従来の製造工程に、10B膜を蒸着する工程を追加するだけで、中性子センス部を備えた半導体装置を簡易に作製可能である。
(実施の形態2)
実施の形態2にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。図12は、実施の形態2にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。実施の形態2にかかる半導体装置110が実施の形態1にかかる半導体装置20(図5参照)と異なる点は、中性子センス部15’を横型のnチャネル型MOSFETとした点である。実施の形態2にかかる半導体装置110の中性子センス部15’のMOSゲート以外の構成は実施の形態1(図1~4参照)と同様である。
中性子センス部15’は、メイン無効領域1bにおいて半導体基板10のおもて面側に、p+型領域111、n型領域112、p型領域113、n+型ソース領域114、n+型ドレイン領域115、ゲート絶縁膜95およびゲート電極96で構成された一般的な横型のプレーナゲート構造のMOSゲートを有する。また、中性子センス部15’は、実施の形態1と同様に、層間絶縁膜97の上面に10B膜98を有することで、同一の半導体基板10に作製される他の半導体素子よりも中性子に対する反応感度が高くなっている。
中性子センス部15’は、p+型領域111とn-型ドリフト領域32とのpn接合分離により、半導体基板10のおもて面の表面領域に島状に形成されたp型領域に配置される半導体素子と分離されている。また、中性子センス部15’は、p+型領域111とn型領域112とのpn接合分離により、p+型領域111に配置されるすべての半導体素子(不図示)と分離される。p+型領域111は、メイン無効領域1bにおいて半導体基板10のおもて面の表面領域に島状に設けられている。
+型領域111は、半導体基板10のおもて面の表面領域のn-型領域32aにより、メイン半導体素子11のp型ベース領域34aおよび電流センス部12のp型ベース領域34bと分離されている。n型領域112は、半導体基板10のおもて面とp+型領域111との間に、p+型領域111に接して島状に設けられている。p型領域113は、半導体基板10のおもて面とn型領域112との間に、n型領域112に接して島状に設けられている。
p型領域113は、中性子センス部15’のオン時にチャネル(n型の反転層)が形成されるゲート領域であり、n+型出発基板71と同電位になっている。n+型ソース領域114およびn+型ドレイン領域115は、半導体基板10のおもて面とp型領域113との間に、p型領域113に接して、かつ互いに離れて選択的に設けられている。n+型ソース領域114およびn+型ドレイン領域115は、実施の形態1と同様に、それぞれ第5,6コンタクトホール97a,97bにおいて半導体基板10のおもて面に露出されている。
p型領域113の、n+型ソース領域114とn+型ドレイン領域115とに挟まれた部分の表面上に、ゲート絶縁膜95を介してゲート電極96が設けられている。中性子センス部15’の形成領域において半導体基板10のおもて面上には、実施の形態1と同様に、層間絶縁膜97、10B膜98、NiSi膜41f,41g、バリアメタル46f,46g、ソースパッド24a、ドレインパッド24b、および、端子ピン48f,48gの配線構造が設けられている。
実施の形態2にかかる半導体装置110の動作は、実施の形態1にかかる半導体装置20の動作と同様である。中性子センス部15’を動作させる条件は、実施の形態1と同様である。中性子センス部15’は、実施の形態1の中性子センス部15’の導電型(n型、p型)を反転させた構成を有するため、順方向電圧印加時にソース電極(ソースパッド24a)に対して正の電圧がドレイン電極(ドレインパッド24b)に印加され、逆方向電圧印加時にソース電極に対して負の電圧がドレイン電極に印加される。
中性子センス部15’は、オフ状態を維持するように、ゲート電極96をオープン状態とするか、またはゲート電極96に負の電圧を印加した状態とする。また、中性子センス部15’において、半導体基板10に入射されたα線に起因して発生する電荷によってアバランシェ降伏が起きるように設定されており、当該電荷の正孔(ホール(e+))により、アバランシェ降伏の発生箇所から中性子センス部15’のソースパッド24aへ向かって流れ込む正孔電流(以下、アバランシェ電流とする)が増加する。
また、α線に起因して発生する電荷の電子(エレクトロン(e-))が中性子センス部15’のゲート絶縁膜95に蓄積されることで、中性子センス部15’は、リーク電流が増加したり、p型領域113のゲート絶縁膜95に沿った部分にチャネルが形成されて順方向に導通してオン状態となるように設定されている。したがって、実施の形態1と同様に、中性子センス部15’のアバランシェ電流、リーク電流およびゲート印加電圧の基準値からの変化量に基づいて、中性子の入射の有無を判断することができる。
実施の形態2にかかる半導体装置110の製造方法は、実施の形態1にかかる半導体装置20の製造方法において、メイン半導体素子11のMOSゲートの各部を形成する際に、中性子センス部15’となる横型のnチャネル型MOSFETの各部について、メイン半導体素子11の各部と同じ不純物濃度や深さの各部と同時に形成すればよい。
以上、説明したように、実施の形態2によれば、中性子センス部を横型のnチャネル型MOSFETとした場合においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
実施の形態3にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。図13は、実施の形態3にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。実施の形態3にかかる半導体装置120が実施の形態1にかかる半導体装置20(図5参照)と異なる点は、中性子センス部125を、半導体基板10のおもて面の表面領域に形成された横型のpn接合ダイオードとした点である。実施の形態3にかかる半導体装置120の中性子センス部125以外の構成は実施の形態1(図1~4参照)と同様である。
中性子センス部125は、メイン無効領域1bにおいて半導体基板10のおもて面の表面領域にそれぞれ選択的に設けられたp型アノード領域123とn+型カソード領域124とのpn接合で形成された一般的な横型の拡散ダイオードである。また、中性子センス部125は、実施の形態1と同様に、層間絶縁膜126の上面に10B膜127(斜線のハッチング部)を有することで、同一の半導体基板10に作製される他の半導体素子よりも中性子に対する反応感度が高くなっている。
中性子センス部125は、p+型領域121とn-型ドリフト領域32とのpn接合分離により、半導体基板10のおもて面の表面領域に島状に形成されたp型領域に配置される半導体素子と分離されている。また、中性子センス部125は、p+型領域121とn型領域122とのpn接合分離により、p+型領域121に配置されるすべての半導体素子(不図示)と分離される。p+型領域121は、メイン無効領域1bにおいて半導体基板10のおもて面の表面領域に島状に設けられている。
+型領域121は、半導体基板10のおもて面の表面領域のn-型領域32aにより、メイン半導体素子11のp型ベース領域34aおよび電流センス部12のp型ベース領域34bと分離されている。n型領域122は、半導体基板10のおもて面とp+型領域121との間に、p+型領域121に接して島状に設けられている。p型アノード領域123は、半導体基板10のおもて面とn型領域122との間に、n型領域122に接して島状に設けられている。
+型カソード領域124は、半導体基板10のおもて面とp型アノード領域123との間に、p型アノード領域123に接して選択的に設けられている。p型アノード領域123およびn+型カソード領域124は、それぞれ後述する第7,8コンタクトホール126a,126bにおいて半導体基板10のおもて面に露出されている。中性子センス部125において半導体基板10のおもて面に露出とは、第7,8コンタクトホール126a,126bの内部の後述するNiSi膜41h,41iに接することである。
層間絶縁膜126は、中性子センス部125の形成領域において半導体基板10のおもて面に設けられている。層間絶縁膜126の上面に、10B膜127が設けられている。10B膜127は層間絶縁膜126の上面の、少なくともp型アノード領域123とn+型カソード領域124とのpn接合を覆う部分に設けられていればよいが、10B膜127が層間絶縁膜126の上面に広範囲に設けられているほど、中性子センス部125の中性子に対する反応感度を向上させることができる。
10B膜127の構成は、実施の形態1と同様である。層間絶縁膜126を深さ方向Zに貫通して半導体基板10に達する第7,8コンタクトホール126a,126bには、それぞれ中性子センス部125のp型アノード領域123およびn+型カソード領域124が露出されている。第7コンタクトホール126aの内部において半導体基板10のおもて面には、メイン半導体素子11の第1コンタクトホール40a内と同様に、NiSi膜41hおよびバリアメタル46hが設けられている。
第8コンタクトホール126bの内部において半導体基板10のおもて面には、メイン半導体素子11の第1コンタクトホール40a内と同様に、NiSi膜41iおよびバリアメタル46iが設けられている。符号42h~45hは、それぞれバリアメタル46hを構成する第1TiN膜、第1Ti膜、第2TiN膜および第2Ti膜である。符号42i~45iは、それぞれバリアメタル46iを構成する第1TiN膜、第1Ti膜、第2TiN膜および第2Ti膜である。
バリアメタル46h,46iは、10B膜127を介して層間絶縁膜126を覆う。バリアメタル46h,46iは、互いに離れて配置されており、10B膜127の、p型アノード領域123とn+型カソード領域124とのpn接合を覆う部分の表面上には設けられていない。バリアメタル46hの表面全面にアノードパッド25aが設けられている。アノードパッド25aは、バリアメタル46hおよびNiSi膜41hを介してp型アノード領域123に電気的に接続されている。
アノードパッド25a、バリアメタル46hおよびNiSi膜41hは、中性子センス部125のアノード電極として機能する。バリアメタル46iの表面全面にカソードパッド25bが設けられている。カソードパッド25bは、バリアメタル46iおよびNiSi膜41iを介してn+型カソード領域124に電気的に接続されている。カソードパッド25b、バリアメタル46iおよびNiSi膜41iは、中性子センス部125のカソード電極として機能する。
アノードパッド25aおよびカソードパッド25bは、例えば、メイン半導体素子11のソースパッド21aと同じ材料で、ソースパッド21aと同時に形成される。アノードパッド25aおよびカソードパッド25bの上に、メイン半導体素子11のソースパッド21a上の配線構造と同じ配線構造で、それぞれ端子ピン48h,48iが接合される。端子ピン48h,48iは、それぞれ、例えばアノードパッド25aおよびカソードパッド25bの電位を外部に取り出す外部接続用端子である。
端子ピン48h,48iは、中性子センス部125の電流能力に応じた所定の直径を有する丸棒状の配線部材である。符号47h,47iは、それぞれアノードパッド25aおよびカソードパッド25b上の配線構造を構成するめっき膜である。符号49h,50iは、それぞれ、アノードパッド25aおよびカソードパッド25b上の配線構造を構成する第1,2保護膜である。中性子センス部125は、半導体基板10のおもて面上に設けられたポリシリコン層で構成されたポリシリコンダイオードであってもよい。
実施の形態3にかかる半導体装置120の、中性子センス部125以外の半導体素子の動作は、実施の形態1にかかる半導体装置20と同様である。中性子センス部125は、外部電源による図示省略するICを用いて、カソード電極(カソードパッド25b)に対して負の電圧(逆方向電圧)をアノード電極(アノードパッド25a)に印加し、p型アノード領域123とn+型カソード領域124とのpn接合から両領域内にそれぞれ空乏層を広げた状態としておくことで、オフ状態を維持している。
中性子センス部125は、半導体基板10に入射されたα線に起因して発生する電荷によるアバランシェ降伏が起きるように設定されており、p型アノード領域123からn+型カソード領域124へ向かって正孔電流(アバランシェ電流)が流れるアバランシェダイオードとなる。このアバランシェ電流量と、予め取得した中性子センス部125の順方向電圧印加時の電流量(基準値)と、の差分(変化量)により、中性子の入射の有無を検知することができる。そして、中性子センス部125の電流量の変動により中性子の入射を検知し、メイン半導体素子11のゲート電圧をオフすることで、メイン半導体素子11を中性子線から保護することができる。
実施の形態3にかかる半導体装置120の製造方法は、実施の形態1にかかる半導体装置20の製造方法において、メイン半導体素子11のMOSゲートの各部を形成する際に、中性子センス部125となる横型のpn接合ダイオードの各部について、メイン半導体素子11の各部と同じ不純物濃度や深さの各部と同時に形成すればよい。
以上、説明したように、実施の形態3によれば、中性子センス部を横型のpn接合ダイオードとした場合においても、実施の形態1,2と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4にかかる半導体装置について説明する。図14,15は、実施の形態4にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトの一例を示す平面図である。図14,15に示す実施の形態4にかかる半導体装置20’が実施の形態1にかかる半導体装置20(図1参照)と異なる点は、同一の半導体基板10の活性領域1に、メイン半導体素子11、電流センス部12および中性子センス部15のみを備える点である。
実施の形態4においては、メイン無効領域1b’にゲートパッド21b、OCパッド22および中性子センス部15の電極パッド(ソースパッド24aおよびドレインパッド24b)のみが配置されている。このため、メイン半導体素子11と同一の半導体基板10に、メイン半導体素子11を保護・制御するための回路部として、電流センス部12および中性子センス部15とともに、電流センス部12および中性子センス部15以外の高機能部も配置されている場合と比べて、メイン無効領域1b’の表面積が小さくなっている。
メイン有効領域1a’の平面形状は、例えば略矩形状の平面形状のメイン無効領域1b’の2辺を囲むL字状であってもよい。ゲートパッド21bおよび中性子センス部15の電極パッドが配置されるメイン無効領域1b’と、OCパッド22が配置されるメイン無効領域1b’と、が互いに離れて配置されていてもよい(図15)。この場合、互いに隣り合うメイン無効領域1b’の間の部分1cに、メイン半導体素子11の単位セルが配置されてもよい。
実施の形態4にかかる半導体装置20’に実施の形態2(図12参照)を適用して、中性子センス部を横型のnチャネル型MOSFETとしてもよい。実施の形態4にかかる半導体装置20’に実施の形態3(図13参照)を適用して、中性子センス部を横型のpn接合ダイオードとしてもよい。
以上、説明したように、実施の形態4によれば、同一の半導体基板の活性領域にメイン半導体素子、電流センス部および中性子センス部のみを備える場合においても、実施の形態1~3と同様の効果を得ることができる。
以上において本発明は、上述した各実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。また、炭化珪素を半導体材料にすることに代えて、炭化珪素以外のワイドバンドギャップ半導体やシリコンを半導体材料とした場合においても本発明を適用可能である。また、本発明は、導電型(n型、p型)を反転させても同様に成り立つ。
以上のように、本発明にかかる半導体装置は、高電圧や大電流を制御するパワー半導体装置に有用である。
1 活性領域
1a,1a’ メイン有効領域
1b,1b’ メイン無効領域
1c 互いに隣り合うメイン無効領域の間の部分
2 エッジ終端領域
10 半導体基板
11 メイン半導体素子
12 電流センス部
12a センス有効領域
12b センス無効領域
13 温度センス部
14 ゲートパッド部
15,15',125 中性子センス部
20,20’,110,120 半導体装置
21a,24a ソースパッド(電極パッド)
21b ゲートパッド(電極パッド)
22 OCパッド(電極パッド)
23a,25a アノードパッド(電極パッド)
23b,25b カソードパッド(電極パッド)
24b ドレインパッド(電極パッド)
31,115 n+型ドレイン領域
32 n-型ドリフト領域
32a n-型領域
33a,33b n型電流拡散領域
34a,34b p型ベース領域
35a,35b,114 n+型ソース領域
36a,36b p++型コンタクト領域
37a,37b トレンチ
38a,38b,95 ゲート絶縁膜
39a,39b,96 ゲート電極
40,83,97,126 層間絶縁膜
40a,40b,40f,40g,83a,83b,97a,97b,126a,126b コンタクトホール
41a,41b,41f~41i NiSi膜
42a,42b,42e~42i 第1TiN膜
43a,43b,43e~43i 第1Ti膜
44a,44b,44e~44i 第2TiN膜
45a,45b,45e~45i 第2Ti膜
46a,46b,46e~46i バリアメタル
47a~47i めっき膜
48a~48i 端子ピン
49a~49c,49e~49f,49h 第1保護膜
50a~50c,50e~50f,50h 第2保護膜
51 ドレイン電極
61a,61b,62a,62b,101,103,111,121 p+型領域
71 n+型出発基板
72 n-型炭化珪素層
72a n-型炭化珪素層の厚さを増した部分
73 p型炭化珪素層
81 p型ポリシリコン層
82 n型ポリシリコン層
91 p+型領域
92,112,122 n型領域
93 p+型ソース領域
94 p+型ドレイン領域
98,127 10B膜
102,104 n型領域
113 p型領域
123 p型アノード領域
124 n+型カソード領域
d1 p+型領域の深さ
d2 互いに隣り合うp+型領域間の距離
d3 n型領域の深さ
t1 n-型炭化珪素層の、n+型出発基板上に最初に積層する厚さ
t2 n-型炭化珪素層の、厚さを増した部分の厚さ
t3 p型炭化珪素層の厚さ
X 半導体基板のおもて面に平行な方向(第1方向)
Y 半導体基板のおもて面に平行でかつ第1方向と直交する方向(第2方向)
Z 深さ方向

Claims (9)

  1. シリコンよりもバンドギャップの広い半導体からなる半導体基板と、
    前記半導体基板に設けられた複数の半導体素子と、
    前記半導体基板の第1主面に、複数の前記半導体素子ごとに設けられ、対応する前記半導体素子に電気的に接続された複数の電極パッドと、
    前記半導体基板の第1主面と複数の前記電極パッドとの間に設けられ、すべての前記半導体素子を覆う層間絶縁膜と、
    を備え、
    複数の前記半導体素子は、
    主動作を行うメイン半導体素子と、
    前記メイン半導体素子を保護または制御する1つ以上の回路部と、であり、
    前記回路部の1つは、前記半導体基板に入射された中性子の核反応により生成されるα線を検出する中性子センス部であり、
    前記中性子センス部は、前記層間絶縁膜の、前記中性子センス部を覆う部分の表面に、質量数10のボロンを含む絶縁膜を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記中性子センス部は、オフ状態に維持されており、前記α線が入射されたときに電流量が変動することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記中性子センス部は、横型のpチャネル型の絶縁ゲート型電界効果トランジスタであり、前記α線が入射されたときに順方向に導通してオン状態となることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記中性子センス部は、横型のnチャネル型の絶縁ゲート型電界効果トランジスタであり、前記α線が入射されたときに順方向に導通してオン状態となることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  5. 前記中性子センス部は、前記α線の入射により発生する電荷がゲート絶縁膜に蓄積されることでオン状態となることを特徴とする請求項3または4に記載の半導体装置。
  6. 前記中性子センス部は、
    前記半導体基板の内部に設けられた第1導電型領域と、
    前記半導体基板の第1主面と前記第1導電型領域との間に選択的に設けられた第1の第2導電型領域と、
    前記半導体基板の第1主面と前記第1導電型領域との間に、前記第1の第2導電型領域と離れて選択的に設けられた第2の第2導電型領域と、
    前記半導体基板の第1主面において、前記第1導電型領域の、前記第1の第2導電型領域と前記第2の第2導電型領域とに挟まれた部分の表面上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
    前記半導体基板の第1主面に設けられ、前記ゲート電極を覆う前記層間絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜の表面の、少なくとも前記ゲート電極を覆う部分に設けられた前記絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜のコンタクトホールを介して前記第1の第2導電型領域に電気的に接続された第1電極と、
    前記層間絶縁膜のコンタクトホールを介して前記第2の第2導電型領域に電気的に接続された第2電極と、を有することを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の半導体装置。
  7. 前記中性子センス部は、逆方向電圧が印加された横型のダイオードであることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  8. 前記中性子センス部は、
    前記半導体基板の内部に設けられた第1導電型領域と、
    前記半導体基板の第1主面と前記第1導電型領域との間に選択的に設けられた第2導電型領域と、
    前記半導体基板の第1主面に設けられ、前記第1導電型領域および前記第2導電型領域を覆う前記層間絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜の表面の、少なくとも前記第1導電型領域と前記第2導電型領域とのpn接合を覆う部分に設けられた前記絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜のコンタクトホールを介して前記第1導電型領域に電気的に接続された第1電極と、
    前記層間絶縁膜のコンタクトホールを介して前記第2導電型領域に電気的に接続された第2電極と、を有することを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
  9. 前記中性子センス部は、前記α線の入射により発生する電荷によって電流量が変化することを特徴とする請求項2~8のいずれか一つに記載の半導体装置。
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