JP7427475B2 - 基板処理方法 - Google Patents

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Description

本願明細書に開示される技術は、基板処理方法に関するものである。
従来から、基板処理に際し、当該基板処理に用いられる処理液にプラズマ処理を行うことによって当該処理液の酸化力などを高め、これによって基板処理の効率を高める技術があった(たとえば、特許文献1を参照)。
特開平11-345797号公報
特許文献1などに示される構成によれば、ガスにプラズマ状態を形成して、イオンまたはラジカルなどの活性種を生じさせることができる。しかしながら、特許文献1などに示される構成においては、上記のような活性種を含むガス、または、当該ガスを含む液体などを基板に供給するまでに、活性種の多くが大気中に拡散してしまう、または、活性種が外気に触れることによって活性種が大気中の分子と反応し消滅してしまうなどの問題がある。
本願明細書に開示される技術は、以上に記載されたような問題を鑑みてなされたものであり、プラズマ処理後のガスが大気に曝されることを抑制しつつ、基板の上面に処理液を供給するための技術である。
本願明細書に開示される基板処理方法に関する技術の第1の態様は、基板を保持する工程と、第1のノズルから前記基板の上面に処理液を供給することによって、前記基板の上面に前記処理液の液膜を形成する工程と、第2のノズルの先端を前記液膜に接触させる状態で配置する工程と、前記第2のノズルにガスを供給する工程と、前記第2のノズルに供給されたガスにプラズマ処理を施す工程と、前記プラズマ処理が施された前記ガスを前記第2のノズルの先端から前記液膜中に供給するガス供給工程とを備える。
本願明細書に開示される技術の第2の態様は、基板を保持する工程と、処理液ノズルから前記基板の上面に処理液を供給することによって、前記基板の上面に前記処理液の液膜を形成する工程と、前記処理液ノズルの先端を前記液膜に接触させる状態で配置する工程と、前記処理液を供給している前記処理液ノズルにプラズマ処理が施されたガスを供給して、前記処理液ノズル中を流れる前記処理液に前記ガスを混入させる工程と、前記処理液ノズルの先端から前記処理液とともに前記処理液に混入した前記ガスを前記液膜中に供給する混入ガス供給工程とを備える
本願明細書に開示される技術の第3の態様は、基板を保持する工程と、処理液ノズルから前記基板の上面に処理液を供給することによって、前記基板の上面に前記処理液の液膜を形成する工程と、前記処理液ノズルの先端を前記液膜に接触させる状態で配置する工程と、前記処理液ノズルにガスを供給して、前記処理液ノズル内を流れる前記処理液に前記ガスを混入させる工程と、前記処理液に混入した前記ガスにプラズマ処理を施す工程と、前記処理液ノズルの先端から前記処理液とともに前記処理液に混入した前記ガスを前記液膜中に供給する混入ガス供給工程とを備える
本願明細書に開示される技術の第4の態様は、第1の態様に関連し、前記ガス供給工程は、前記第2のノズルが、前記液膜に接触している状態で前記基板の上面に沿って移動しつつ、前記プラズマ処理が施された前記ガスを前記液膜中に供給する工程である
本願明細書に開示される技術の第5の態様は、第2または3の態様に関連し、前記混入ガス供給工程は、前記処理液ノズルが、前記液膜に接触している状態で前記基板の上面に沿って移動しつつ、前記プラズマ処理が施された前記ガスを前記液膜に供給する工程である。
本願明細書に開示される技術の第6の態様は、第1からのうちのいずれか1つの態様に関連し、前記処理液は、脱イオン水である。
本願明細書に開示される技術の第7の態様は、第1の態様に関連し、前記ガスに施される前記プラズマ処理は、前記第2のノズルの端部近傍において行われる
本願明細書に開示される技術の第8の態様は、第2または3の態様に関連し、前記ガスに施される前記プラズマ処理は、前記処理液ノズルの端部近傍において行われる。
本願明細書に開示される技術の第の態様は、第1の態様に関連し、前記ガス供給工程は、前記第2のノズルが、前記第2のノズルの側面に設けられる開口から前記基板の上面に沿う方向に不活性ガスを吐出しつつ、前記プラズマ処理が施された前記ガスを前記液膜に供給する工程である。
本願明細書に開示される技術の第10の態様は、第2または3の態様に関連し、前記混入ガス供給工程は、前記処理液ノズルが、前記処理液ノズルの側面に設けられる開口から前記基板の上面に沿う方向に不活性ガスを吐出しつつ、前記プラズマ処理が施された前記ガスを前記液膜中に供給する工程である。
本願明細書に開示される技術の第11の態様は、第1から3のうちのいずれか1つの態様に関連し、前記液膜の厚みは0.3mm以上、かつ、2.0mm以下である。
本願明細書に開示される技術の第1から11の態様によれば、プラズマ処理後のガスが大気に曝されることを抑制することができる。そのため、プラズマ処理によって高められた処理液の酸化力などが低下することを抑制しつつ、基板の上面に処理液を供給することができる。
また、本願明細書に開示される技術に関連する目的と、特徴と、局面と、利点とは、以下に示される詳細な説明と添付図面とによって、さらに明白となる。
実施の形態に関する、基板処理システムの構成の例を概略的に示す平面図である。 図1に示された制御部の構成の例を概念的に示す図である。 実施の形態における基板処理装置の構成の例を概略的に示す側面図である。 基板の上面に対向して配置される処理液ノズルおよびプラズマ処理ノズルの構成の例を示す断面図である。 基板処理装置の動作の例を示すフローチャートである。 実施の形態に関する基板処理システムにおける基板処理装置の、基板の上面に対向して配置される処理液ノズルの構成の例を示す断面図である。 基板処理装置の動作の例を示すフローチャートである。 基板の上面に対向して配置される処理液ノズルの構成の変形例を示す断面図である。 基板の上面に対向して配置される処理液ノズルおよびプラズマ処理ノズルの構成の変形例を示す断面図である。 基板の上面に対向して配置される処理液ノズルおよびプラズマ処理部の構成の変形例を示す断面図である。
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。以下の実施の形態では、技術の説明のために詳細な特徴なども示されるが、それらは例示であり、実施の形態が実施可能となるためにそれらすべてが必ずしも必須の特徴ではない。
また、以下の実施の形態における「基板」としては、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板などの各種基板を適用可能である。以下では、主として円盤状の半導体ウエハの処理に用いられる基板処理装置が例として説明されるが、上記の各種の基板の処理にも同様に適用可能である。また、基板の形状についても各種のものを適用可能である。
なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化が図面においてなされるものである。また、異なる図面にそれぞれ示される構成などの大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。
また、以下に記載される説明において、ある構成要素を「備える」、「含む」または「有する」などと記載される場合、特に断らない限りは、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
また、以下に記載される説明において、「第1の」または「第2の」などの序数が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、これらの序数によって生じ得る順序などに限定されるものではない。
また、以下に記載される説明において、等しい状態であることを示す表現、たとえば、「同一」、「等しい」、「均一」または「均質」などは、特に断らない限りは、厳密に等しい状態であることを示す場合、および、公差または同程度の機能が得られる範囲において差が生じている場合を含むものとする。
また、以下に記載される説明における、「対象物を特定の方向に移動させる」などの表現は、特に断らない限りは、対象物を当該特定の方向と平行に移動させる場合、および、対象物を当該特定の方向の成分を有する方向に移動させる場合を含むものとする。
また、以下に記載される説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「側」、「底」、「表」または「裏」などの特定の位置または方向を意味する用語が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、実際に実施される際の位置または方向とは関係しないものである。
また、以下に記載される説明において、「…の上面」または「…の下面」などと記載される場合、対象となる構成要素の上面自体または下面自体に加えて、対象となる構成要素の上面または下面に他の構成要素が形成された状態も含むものとする。すなわち、たとえば、「甲の上面に設けられる乙」と記載される場合、甲と乙との間に別の構成要素「丙」が介在することを妨げるものではない。
<第1の実施の形態>
以下、本実施の形態に関する基板処理システムにおける基板処理装置、および、基板処理方法について説明する。
<基板処理システムの構成について>
図1は、本実施の形態に関する基板処理システム1の構成の例を概略的に示す平面図である。基板処理システム1は、ロードポートLPと、インデクサロボットIRと、センターロボットCRと、制御部90と、少なくとも1つの処理ユニットUT(図1においては4つの処理ユニット)とを備える。
それぞれの処理ユニットUTは、基板W(ウエハ)を処理するためのものであり、そのうちの少なくとも1つが、基板処理装置100に対応する。基板処理装置100は、基板Wを一枚ずつ処理するいわゆる枚葉式の装置であり、基板Wの洗浄またはエッチング処理などを行う。
基板処理装置100においては、基板Wに供給する処理液の種類などの各種条件を設定することによって、多様な処理を行うことが可能である。枚葉式の基板処理装置100では、たとえば、基板Wに付着している使用済みのレジスト膜を除去する処理を行う。当該レジスト膜は、たとえば、イオン注入工程用の注入マスクとして用いられたものである。
なお、基板処理装置100は、チャンバ80を有することができる。その場合、チャンバ80内の雰囲気を制御部90によって制御することで、基板処理装置100は、所望の雰囲気中における基板処理を行うことができる。
制御部90は、基板処理システム1におけるそれぞれの構成(後述のスピンチャック10のスピンモータ10D、ノズルアーム22のアクチュエータ22C、ノズルアーム32のアクチュエータ32C、処理液供給源29、バルブ25、ガス供給源39または交流電源40など)の動作を制御することができる。キャリアCは、基板Wを収容する収容器である。また、ロードポートLPは、複数のキャリアCを保持する収容器保持機構である。インデクサロボットIRは、ロードポートLPと基板載置部PSとの間で基板Wを搬送することができる。センターロボットCRは、基板載置部PSおよび処理ユニットUT間で基板Wを搬送することができる。
インデクサロボットIR、基板載置部PSおよびセンターロボットCRの動作を説明する。
未処理の基板WはキャリアCからインデクサロボットIRによって取り出される。そして、未処理の基板Wは、基板載置部PSを介してセンターロボットCRに受け渡される。
センターロボットCRは、当該未処理の基板Wを処理ユニットUTに搬入する。そして、処理ユニットUTは基板Wに対して処理を行う。
処理ユニットUTにおいて処理済みの基板Wは、センターロボットCRによって処理ユニットUTから取り出される。そして、処理済みの基板Wは、必要に応じて他の処理ユニットUTを経由した後、基板載置部PSを介してインデクサロボットIRに受け渡される。インデクサロボットIRは、処理済みの基板WをキャリアCに搬入する。以上によって、基板Wに対する処理が行われる。
図2は、図1に示された制御部90の構成の例を概念的に示す図である。制御部90は、電気回路を有する一般的なコンピュータによって構成されていてよい。具体的には、制御部90は、中央演算処理装置(central processing unit、すなわち、CPU)91、リードオンリーメモリー(read only memory、すなわち、ROM)92、ランダムアクセスメモリー(random access memory、すなわち、RAM)93、記憶装置94、入力部96、表示部97および通信部98と、これらを相互に接続するバスライン95とを備える。
ROM92は基本プログラムを格納している。RAM93は、CPU91が所定の処理を行う際の作業領域として用いられる。記憶装置94は、フラッシュメモリまたはハードディスク装置などの不揮発性記憶装置によって構成されている。入力部96は、各種スイッチまたはタッチパネルなどによって構成されており、オペレータから処理レシピなどの入力設定指示を受ける。表示部97は、たとえば、液晶表示装置およびランプなどによって構成されており、CPU91の制御の下、各種の情報を表示する。通信部98は、local area network(LAN)などを介してのデータ通信機能を有する。
記憶装置94には、図1の基板処理システム1におけるそれぞれの構成の制御についての複数のモードがあらかじめ設定されている。CPU91が処理プログラム94Pを実行することによって、上記の複数のモードのうちの1つのモードが選択され、当該モードでそれぞれの構成が制御される。なお、処理プログラム94Pは、記録媒体に記憶されていてもよい。この記録媒体を用いれば、制御部90に処理プログラム94Pをインストールすることができる。また、制御部90が実行する機能の一部または全部は、必ずしもソフトウェアによって実現される必要はなく、専用の論理回路などのハードウェアによって実現されてもよい。
図3は、本実施の形態における基板処理装置100の構成の例を概略的に示す側面図である。
なお、図3に示される構成は、図1におけるチャンバ80に囲まれていてよい。また、チャンバ80内の圧力は、およそ大気圧(たとえば、0.5気圧以上、かつ、2気圧以下)であってよい。言い換えれば、後述するプラズマ処理は、大気圧で行われる大気圧プラズマ処理であってよい。
基板処理装置100は、1枚の基板Wを略水平姿勢で保持しつつ、基板Wの中央部を通る鉛直な回転軸線Z1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック10と、基板Wに処理液を吐出する処理液ノズル20と、処理液ノズル20に処理液を供給する処理液供給源29と、処理液供給源29から処理液ノズル20への処理液の供給および供給停止を切り替えるバルブ25と、処理液ノズル20が端部に取り付けられたノズルアーム22と、内部を流れるガスにプラズマを生じさせるプラズマ処理ノズル30と、プラズマ処理ノズル30にガスを供給するガス供給源39と、プラズマ処理ノズル30に交流電圧を印加する交流電源40と、プラズマ処理ノズル30が端部に取り付けられたノズルアーム32と、基板Wの回転軸線Z1まわりにスピンチャック10を取り囲む筒状の処理カップ12とを備える。
処理液には、基板処理装置100における基板処理の用途に応じて様々な液を用いることができる。たとえば、エッチング液として、塩酸、硫酸、フッ酸、リン酸、硝酸、硫酸、硫酸塩、ペルオキソ硫酸、ペルオキソ硫酸塩、過酸化水素水または水酸化テトラメチルアンモニウムなどを含む液を用いることができる。また、洗浄液として、SC1(Standard clean1:脱イオン水、水酸化アンモニウム、過酸化水素の混合液)、SC2(Standard clean2:脱イオン水、塩化水素、過酸化水素の混合液)を含む液を用いることができる。また、洗浄/リンス液として脱イオン水(DIW)を用いることができる。
本実施の形態においては、基板W上のレジスト膜除去の処理を例として説明する。この場合には、処理液として、硫酸、硫酸塩、ペルオキソ硫酸、およびペルオキソ硫酸円のうちの少なくともいずれかを含む液、または、過酸化水素を含む液などが想定される。
処理液ノズル20は、複数種の処理液が想定される場合には、それぞれの処理液に対応して複数設けられていてもよい。処理液ノズル20は、基板Wの上面に処理液の液膜が形成されるように、基板Wに処理液を供給する。
ガス供給源39は、プラズマ処理ノズル30へ、たとえば、O(オゾンガス)、Ne、CO、空気、不活性ガスまたはそれらの組み合わせであるガスを供給する。不活性ガスは、たとえば、Nまたは希ガスである。希ガスは、たとえば、HeまたはArなどである。たとえば、プラズマ処理ノズル30へ供給されるガスがOを含む場合は、プラズマ処理ノズル30において活性種である酸素ラジカルを生じさせることができる。
スピンチャック10は、略水平姿勢の基板Wの下面を真空吸着する円板状のスピンベース10Aと、スピンベース10Aの中央部から下方に延びる回転軸10Cと、回転軸10Cを回転させることによって、スピンベース10Aに吸着されている基板Wを回転させるスピンモータ10Dとを備える。なお、スピンチャック10の代わりに、スピンベースの上面外周部から上方に突出する複数のチャックピンを備え、当該チャックピンによって基板Wの周縁部を挟持する挟持式のチャックが用いられてもよい。
ノズルアーム22は、アーム部22Aと、軸体22Bと、アクチュエータ22Cとを備える。アクチュエータ22Cは、軸体22Bの軸周りの角度を調整する。アーム部22Aの一方の端部は軸体22Bに固定されており、アーム部22Aの他方の端部は軸体22Bの軸から離れて配置される。また、アーム部22Aの他方の端部には、処理液ノズル20が取り付けられている。そうすることによって、処理液ノズル20は、基板Wの半径方向に揺動可能に構成される。なお、揺動による処理液ノズル20の移動方向は、基板Wの半径方向の成分を有していればよく、基板Wの半径方向に厳密に平行である必要はない。ここで、ノズルアーム22は、図示しないモータなどによって、鉛直方向に昇降可能であってもよい。その場合、ノズルアーム22の端部に取り付けられた処理液ノズル20と基板Wの上面との間の距離を、ノズルアーム22の昇降によって調整可能である。
ノズルアーム32は、アーム部32Aと、軸体32Bと、アクチュエータ32Cとを備える。アクチュエータ32Cは、軸体32Bの軸周りの角度を調整する。アーム部32Aの一方の端部は軸体32Bに固定されており、アーム部32Aの他方の端部は軸体32Bの軸から離れて配置される。また、アーム部32Aの他方の端部には、プラズマ処理ノズル30が取り付けられている。そうすることによって、プラズマ処理ノズル30は、基板Wの半径方向に揺動可能に構成される。なお、揺動によるプラズマ処理ノズル30の移動方向は、基板Wの半径方向の成分を有していればよく、基板Wの半径方向に厳密に平行である必要はない。ここで、ノズルアーム32は、図示しないモータなどによって、鉛直方向に昇降可能であってもよい。その場合、ノズルアーム32の端部に取り付けられたプラズマ処理ノズル30と基板Wの上面との間の距離を、ノズルアーム32の昇降によって調整可能である。
また、図3においては、処理液ノズル20とプラズマ処理ノズル30とが別々のノズルアームに取り付けられているが、処理液ノズル20とプラズマ処理ノズル30とが共通のノズルアームに取り付けられていてもよい。
<基板処理装置の動作について>
次に、基板処理装置の動作について説明する。本実施の形態に関する基板処理装置による基板処理方法は、処理ユニットUTへ搬送された基板Wに対し薬液処理を行う工程と、薬液処理が行われた基板Wに対し洗浄処理を行う工程と、洗浄処理が行われた基板Wに対し乾燥処理を行う工程と、乾燥処理が行われた基板Wを処理ユニットUTから搬出する工程とを備える。
以下では、基板処理装置の動作に含まれる、薬液処理中または薬液処理後に基板Wに付着している有機物(たとえば、使用済みのレジスト膜)を除去する工程(上記の工程のうち、薬液処理を行う工程、または、洗浄処理を行う工程に属する工程)について、図4および図5を参照しつつ説明する。ここで、図4は、基板Wの上面に対向して配置される処理液ノズル20およびプラズマ処理ノズル30の構成の例を示す断面図である。また、図5は、基板処理装置の動作の例を示すフローチャートである。
図4に例が示されるように、樹脂などからなる処理液ノズル20には処理液101が流れ、スピンチャック10に保持された基板Wの上面において処理液101の液膜101Aが形成される。ここで、液膜101Aの液面と基板Wの上面との間の距離(すなわち、液膜101Aの膜厚)を距離D1とする。
一方で、プラズマ処理ノズル30は、絶縁体などからなる配管30Aと、一対の電極30Bとを備える。一対の電極30Bは配管30Aの外側面に取り付けられており、配管30Aを介して互いに対向して配置されている。
交流電源40は、2つの電極30B間に交流電圧を印加する。なお、変形例として、交流電源40に代わって直流パルス電源が用いられてもよい。その場合、たとえば、一方の電極30Bが陽極とされ、他方の電極30Bが陰極とされる。
次に、基板Wに付着している有機物を除去する工程について説明する。まず、スピンチャック10が基板Wを保持する(図5におけるステップST01)。そして、スピンチャック10の回転によって、基板Wが回転する。
次に、処理液供給源29から処理液ノズル20へ処理液101が供給され、基板Wが回転している状態で、処理液ノズル20から基板Wの上面へ処理液101が吐出される(図5におけるステップST02)。この際、ノズルアーム22の水平方向および鉛直方向における移動によってノズルアーム22の端部に取り付けられている処理液ノズル20の基板Wの上面における位置が調整される。なお、本実施の形態においては、基板Wが回転している状態で処理液101が吐出される場合が示されるが、基板Wは回転していなくともよいし、基板Wが低速回転するパドリング状態であってもよい。
処理液ノズル20から処理液101が吐出されることによって、基板Wの上面に処理液101の液膜101Aが形成される(図5におけるステップST03)。液膜が厚すぎると、基板W上の処理液の量が多くなる。そのため、後のステップST04においてガス導入した際に、基板W上の処理液の活性化の効果が抑制されてしまう。そのため、液膜の厚みは、基板W上の処理対象(本実施の形態においては、基板W上の使用済みのレジスト膜)を覆う最低限の厚みであることが望ましい。液膜101Aの膜厚(すなわち、距離D1)は、たとえば、0.3mm以上、かつ、2.0mm以下であり、好ましくは1mm程度である。
一方で、ガス供給源39からプラズマ処理ノズル30へガスが供給される(図5におけるステップST04)。そして、一対の電極30Bに所定の交流電圧が印加されることによって、一対の電極30Bに挟まれる配管30A内の空間の近傍においてプラズマPLが生じる(図5におけるステップST05)。プラズマPLの作用により、プラズマPLを通過するガスから活性種が生じる。活性種には、電荷を有するイオン、または、電気的に中性であるラジカルなどがある。たとえば、ガスにOを含む場合は、プラズマ処理ノズル30におけるプラズマPLの作用により、活性種の一種である酸素ラジカルが生じる。
プラズマ処理ノズル30において発生した活性種は、配管30Aから液膜101Aへと、ガス供給源39から供給されるガスの流れに沿って移動する。このようにして、プラズマPLによって生じた活性種が、配管30A内のガスとともに液膜101Aに供給される(図5におけるステップST06)。
この際、ノズルアーム32の水平方向および鉛直方向における移動によってノズルアーム32の端部に取り付けられているプラズマ処理ノズル30の基板Wの上面における位置が調整される。特に、プラズマ処理ノズル30の下端と基板Wの上面との間の距離D2が、距離D1よりも小さくなるように(すなわち、プラズマ処理ノズル30の下端が、液膜101Aの液面よりも下に位置することによって、プラズマ処理ノズル30の下端が液膜101Aに接触するように)、プラズマ処理ノズル30の鉛直方向の位置が調整される。このようにプラズマ処理ノズル30の鉛直方向の位置が調整されることによって、プラズマ処理後のガスが大気に曝されることを抑制することができる。
活性種が液膜101Aへと供給されることによって、液膜101A中で活性種が処理液を活性化する。たとえば、活性種が酸素ラジカルを含む場合、酸素ラジカルの酸化力によって基板W上のレジスト膜の除去が促進される。
また、一対の電極30Bを配管30Aの端部に配置することによってプラズマPLが生じる位置を配管30Aの端部近傍(たとえば、配管30Aの基板Wに対向する端部から1mm程度)とすれば、プラズマPLにおける活性種が大幅に失活する前に、プラズマPLを液膜101Aへ供給することができる。当該事情は、以降の実施の形態に示される他の構成においても同様である。たとえば、活性種がOHラジカルの場合を考えると、OHラジカルの寿命は数百μ秒程度であり、液滴速度が数十m/sである場合、OHラジカルの活性は10mm程度は十分に維持されるものと考えられる。
本実施の形態では、処理液としては、硫酸、硫酸塩、ペルオキソ硫酸およびペルオキソ硫酸塩の少なくともいずれかを含む液、脱イオン水(DIW)、または、過酸化水素を含む液が想定されるが、処理液として脱イオン水(DIW)を用いれば、プラズマ処理によって酸化力などを高めつつ、排液の困難性の低減(安全性の向上)および低温処理(たとえば、100℃以下)が可能となる。
なお、上記の説明では、処理液ノズル20の動作の後にプラズマ処理ノズル30の動作が行われているが、動作順序はこれに限られるものではなく、たとえば、処理液ノズル20の動作とプラズマ処理ノズル30の動作とがほぼ同時に行われてもよい。
また、プラズマPLを供給するプラズマ処理ノズル30の基板Wの上面における位置は、基板Wの回転に伴って基板Wの上面に沿って基板Wの回転方向に移動する。これに加えて、ノズルアーム32を駆動させてプラズマ処理ノズル30を揺動させることによって、プラズマPLを供給するプラズマ処理ノズル30の基板Wの上面における位置を、基板Wの上面に沿って基板Wの径方向にも移動させてもよい。プラズマ処理ノズル30の基板Wの上面における位置が回転方向および径方向のうちの少なくとも一方に移動することによって、液膜101Aに対してプラズマPLにより生じた活性種を均一に拡散させることができる。当該事情は、以降の実施の形態に示される他の構成においても同様である。
また、液膜101Aの形成は、基板Wの上面への処理液101の供給を開始することによって開始され、基板Wの上面への処理液101の供給を停止することによって停止されるが、処理液ノズル20からの処理液101の供給を停止した後も、基板Wが高速回転していなければ(たとえば、基板Wが低速回転するパドリング、または、基板Wが回転していない状態など)、液膜101Aは維持され得る。プラズマPLにより生じた活性種の液膜101Aへの供給は、処理液101の供給を開始した後、かつ、処理液101の供給を停止する前に行われるが、液膜101Aが維持されている場合には、処理液101の供給が停止された後にプラズマPLにより生じた活性種の液膜101Aへの供給が行われてもよい。
なお、上記の除去処理の後、通常は、基板Wのリンス工程(洗浄工程)および乾燥工程が行われる。たとえば、リンス工程は、基板Wへ脱イオン水(DIW)を吐出することによって行われ、乾燥工程は、イソプロピルアルコール(IPA)乾燥によって行われる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態に関する基板処理システムにおける基板処理装置、および、基板処理方法について説明する。なお、以下の説明においては、以上に記載された実施の形態で説明された構成要素と同様の構成要素については同じ符号を付して図示し、その詳細な説明については適宜省略するものとする。
<基板処理装置の構成について>
図6は、本実施の形態に関する基板処理システムにおける基板処理装置の、基板Wの上面に対向して配置される処理液ノズル200の構成の例を示す断面図である。
図6に例が示されるように、処理液ノズル200は、樹脂などからなるノズル部20Aに処理液101が流れ、スピンチャック10に保持された基板Wの上面において処理液101の液膜101Aが形成される。なお、処理液ノズル200は、ノズルアーム22の端部に取り付けられているものとする。
また、処理液ノズル200は、ノズル部20Aの側面に接続されるプラズマ処理部300を備える。プラズマ処理部300は、絶縁体などからなる配管30Cと、一対の電極30Bとを備える。一対の電極30Bは配管30Cの外側面に取り付けられており、配管30Cを介して互いに対向して配置されている。
配管30Cの一端は、ノズル部20Aの側面に接続され、当該箇所において、ノズル部20Aと配管30Cとは連通する。また、処理液ノズル200は、ノズル部20Aと配管30Cとが連通する箇所のノズル部20A内において、多孔質材料20Bを備える。なお、多孔質材料20Bは備えられていなくてもよい。
<基板処理装置の動作について>
次に、基板処理装置の動作に含まれる、基板Wに付着している有機物を除去する工程について、図7を参照しつつ説明する。ここで、図7は、基板処理装置の動作の例を示すフローチャートである。
まず、スピンチャック10が基板Wを保持する(図7におけるステップST01)。そして、スピンチャック10の回転によって、基板Wが回転する。
次に、処理液供給源29からノズル部20Aへ処理液101が供給され、基板Wが回転している状態で、ノズル部20Aから基板Wの上面へ処理液101が吐出される(図7におけるステップST02)。この際、ノズルアーム22の水平方向および鉛直方向における移動によってノズルアーム22の端部に取り付けられている処理液ノズル200の基板Wの上面における位置が調整される。特に、ノズル部20Aの下端と基板Wの上面との間の距離D2が、液膜101Aの膜厚に対応する距離D1よりも小さくなるように(すなわち、ノズル部20Aの下端が、液膜101Aの液面よりも下に位置することによって、ノズル部20Aの下端が液膜101Aに接触するように)、ノズル部20Aの鉛直方向の位置が調整される。このように処理液ノズル200の鉛直方向の位置が調整されることによって、プラズマ処理後のガスが大気に曝されることを抑制することができる。
そして、ノズル部20Aから処理液101が吐出されることによって、基板Wの上面に処理液101の液膜101Aが形成される(図7におけるステップST03)。
一方で、ガス供給源39からプラズマ処理部300へガスが供給される(図7におけるステップST04)。そして、一対の電極30Bに所定の交流電圧が印加されることによって、一対の電極30Bに挟まれる配管30C内の空間の近傍においてプラズマPLが生じる(図7におけるステップST05)。プラズマ処理部300において発生したプラズマPLにより生じた活性種は、配管30Cからノズル部20A内の多孔質材料20Bへと、ガス供給源39から供給されるガスの流れに沿って移動する。このようにして、プラズマPLにより生じた活性種は、配管30C内のガスとともに多孔質材料20Bへ供給される(図7におけるステップST07)。
そして、多孔質材料20Bを通過した処理液101には、気泡20C内の活性種が供給され、さらに、処理液101中の気泡20Cに含まれた状態の活性種が液膜101Aへ供給される(図7におけるステップST06)。こうして気泡20Cに包まれた活性種が、外気に触れずに、処理液とともに液膜101Aへと供給される。
活性種の液膜101Aへの供給によって、液膜101Aにおける処理液が活性化される。これにより、基板Wの処理が促進される。たとえば、基板Wからのレジスト膜(ここでは、図示しない)の除去が促進される。
<処理液ノズルの形状について>
以下、処理液ノズルの形状の変形例を示す。
図8は、基板Wの上面に対向して配置される処理液ノズル200Aの構成の変形例を示す断面図である。
図8に例が示されるように、処理液ノズル200Aは、絶縁体などからなるノズル部20Dに処理液101が流れ、スピンチャック10に保持された基板Wの上面において処理液101の液膜101Aが形成される。なお、処理液ノズル200Aは、ノズルアーム22の端部に取り付けられているものとする。
また、処理液ノズル200Aは、ノズル部20Dの曲がり角部分の側面に接続される絶縁体などからなる配管30Dと、ノズル部20Dの基板Wに対向する側の端部に設けられる一対の電極30Bとを備える。一対の電極30Bはノズル部20Dの外側面に取り付けられており、ノズル部20Dを介して互いに対向して配置されている。
配管30Dの一端は、ノズル部20Dの曲がり角部分の側面に接続され、当該箇所において、ノズル部20Dと配管30Dとは連通する。
基板Wに付着している有機物を除去する工程においては、処理液供給源29からノズル部20Dへ処理液101が供給され、ノズル部20Dから基板Wの上面へ処理液101が吐出される。この際、ノズルアーム22の水平方向および鉛直方向における移動によってノズルアーム22の端部に取り付けられている処理液ノズル200Aの基板Wの上面における位置が調整される。特に、ノズル部20Dの下端と基板Wの上面との間の距離D2が、液膜101Aの膜厚に対応する距離D1よりも小さくなるように(すなわち、ノズル部20Dの下端が、液膜101Aの液面よりも下に位置することによって、ノズル部20Dの下端が液膜101Aに接触するように)、ノズル部20Dの鉛直方向の位置が調整される。
ノズル部20Dから処理液101が吐出されることによって、基板Wの上面に処理液101の液膜101Aが形成される。
一方で、ガス供給源39から配管30Dへガスが供給され、気泡20Eとなってノズル部20D内の処理液101に供給される。さらに、気泡20Eが一対の電極30Bに挟まれるノズル部20D内の領域に到達すると、一対の電極30Bに所定の交流電圧が印加されることによって、気泡20E内の気体にプラズマPLが生じ、プラズマPLの作用により活性種が生じる。気泡20E内の活性種は処理液101に供給され、処理液とともに液膜101Aへ供給される。このようにして、気泡20E内の活性種が、外気に触れずに、処理液とともに液膜101Aへと供給される。
図9は、基板Wの上面に対向して配置される処理液ノズル20およびプラズマ処理ノズル300Aの構成の変形例を示す断面図である。
図9に例が示されるように、処理液ノズル20には処理液101が流れ、スピンチャック10に保持された基板Wの上面において処理液101の液膜101Aが形成される。
一方で、プラズマ処理ノズル300Aは、絶縁体などからなる配管30Aと、一対の電極30Bと、一対の電極30Bよりも基板Wに近い側の配管30Aの端部に設けられるガス吐出機構30Eとを備える。
ガス吐出機構30Eは、配管30Aの基板Wに対向する端部に設けられ、配管30Aの側面からガスを吐出するための開口30Fが基板Wの平面視において環状に形成されている。ガス吐出機構30Eの開口30Fから吐出されるガスは、平面視において配管30Aから放射状に、また、図9の断面視において液膜101Aの液面に略平行に吐出される。
ガス吐出機構30Eにはガス供給源38からガスが供給される。ガス供給源38から供給されるガスとしては、不活性ガス(たとえば、窒素ガスまたはアルゴンガス)などが想定される。なお、ガス供給源38からガス吐出機構30Eに供給されるガスは、ガス供給源39から配管30A内に供給されるガスと同じガスであってもよいし、異なるガスであってもよい。
なお、本実施の形態では、ガス吐出機構30Eが電極30Bよりも基板Wに対向する端部側に配置されたが、電極30Bがガス吐出機構30Eよりも基板Wに対向する端部側に配置されていてもよい。また、ガス吐出機構30Eは、図6に示されたノズル部20Aまたは図8に示されたノズル部20Dにも取り付け可能である。
基板Wに付着している有機物を除去する工程においては、処理液供給源29から処理液ノズル20へ処理液101が供給され、処理液ノズル20から基板Wの上面へ処理液101が吐出される。そして、処理液ノズル20から処理液101が吐出されることによって、基板Wの上面に処理液101の液膜101Aが形成される。
一方で、ガス供給源39からプラズマ処理ノズル300Aの配管30Aへガスが供給される。そして、一対の電極30Bに所定の交流電圧が印加されることによって、一対の電極30Bに挟まれる配管30A内の空間の近傍においてプラズマPLが生じる。プラズマPLの作用により、プラズマPLを通過するガスから活性種が生じる。そして、発生した活性種は、配管30A内のガスとともに液膜101Aに供給される。
この際、ノズルアーム32の水平方向および鉛直方向における移動によって、配管30Aの下端が、液膜101Aの液面よりも下に位置することによって、配管30Aの下端が液膜101Aに接触するように、プラズマ処理ノズル300Aの鉛直方向の位置が調整される。
また、配管30Aの端部に設けられたガス吐出機構30Eには、ガス供給源38からガスが供給される。そして、ガス吐出機構30Eの開口30Fから、供給された当該ガスが液膜101Aの液面に略平行に吐出される。
よって、基板Wの上面に沿って吐出される不活性ガスが液膜101Aの液面を覆う。そのため、大気中の意図しない物質が液膜101A内に溶け込むことを抑制することができる。また、処理液101の、液膜101A中における当該物質との意図しない反応も抑制することができる。
図10は、基板Wの上面に対向して配置される処理液ノズル200Bおよびプラズマ処理部300Bの構成の変形例を示す断面図である。
図10に例が示されるように、処理液ノズル200Bのノズル部20Gには処理液101が流れ、スピンチャック10に保持された基板Wの上面において処理液101の液膜101Aが形成される。
一方で、プラズマ処理部300Bは、外部から供給されるガスに対しプラズマ処理を行うプラズマチャンバ50と、プラズマチャンバ50と処理液ノズル200Bとを接続する配管51とを備える。
プラズマチャンバ50は、内部に一対の電極30Bと、一対の電極30Bに電圧を印加する交流電源40とを備える。プラズマチャンバ50は、外気と区画されたチャンバーであり、大気圧プラズマを発生させるチャンバーである。
プラズマチャンバ50は、外部から供給されたガスに対しプラズマ処理を行うことによって、当該ガスに活性種を生じさせる。プラズマチャンバ50において生じた活性種は、配管51を通ってノズル部20G内に移動する。そして、ノズル部20G内に供給された活性種は、気泡20Fに包まれた状態で、処理液101とともに液膜101Aに供給される。
ここで、プラズマチャンバ50の位置は移動可能であってもよいし、固定されていてもよい。プラズマチャンバ50の位置が固定されている場合には、配管51が曲折自在の部材で構成されるものとする。
また、活性種の活性が液膜101Aに供給されるまで可能な限り維持するため、プラズマチャンバ50から液膜101Aに至る経路は可能な限り短く設定されることが望ましい。当該経路の長さは、たとえば、数十cm以下である。
<以上に記載された実施の形態によって生じる効果について>
次に、以上に記載された実施の形態によって生じる効果の例を示す。なお、以下の説明においては、以上に記載された実施の形態に例が示された具体的な構成に基づいて当該効果が記載されるが、同様の効果が生じる範囲で、本願明細書に例が示される他の具体的な構成と置き換えられてもよい。
また、当該置き換えは、複数の実施の形態に跨ってなされてもよい。すなわち、異なる実施の形態において例が示されたそれぞれの構成が組み合わされて、同様の効果が生じる場合であってもよい。
以上に記載された実施の形態によれば、基板処理方法において、基板Wを保持する工程と、基板Wの上面に処理液101を供給することによって、基板Wの上面に処理液101の液膜101Aを形成する工程と、ノズルの端部を液膜101Aに接触させ、かつ、ノズルから液膜101Aに向けてガスを供給する工程と、ガスにプラズマを生じさせるプラズマ処理を行う工程と、プラズマ処理が行われた後のガスを液膜101Aに供給する工程とを備える。ここで、ノズルは、たとえば、プラズマ処理ノズル30、プラズマ処理ノズル300A、処理液ノズル200または処理液ノズル200Aなどに対応するものである。
このような構成によれば、プラズマ処理後のガスが大気に曝されることを抑制することができる。そのため、プラズマ処理によって高められた処理液101の酸化力などが低下することを抑制しつつ、基板Wの上面に処理液101を供給することができる。
なお、特段の制限がない場合には、それぞれの処理が行われる順序は変更することができる。
また、上記の構成に本願明細書に例が示された他の構成を適宜追加した場合、すなわち、上記の構成としては言及されなかった本願明細書中の他の構成が適宜追加された場合であっても、同様の効果を生じさせることができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、ノズルは、処理液101を供給する処理液ノズル200または処理液ノズル200Aである。そして、プラズマ処理を行う工程は、処理液101に供給されるガスに、ノズルの内部においてプラズマを生じさせる工程である。このような構成によれば、ノズル部20A内(またはノズル部20D内)の処理液101にプラズマPLが供給されるため、液膜101Aへ処理液101を供給するためのノズルを1つとすることができる。そのため、装置構成を簡略化することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、プラズマ処理を行う工程は、処理液101に供給される前のガスに、プラズマを生じさせる工程である。このような構成によれば、プラズマ処理によって処理液101の酸化力を高めつつ、基板Wの上面に処理液101を供給することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、プラズマ処理を行う工程は、処理液101に供給されて気泡20Eとなったガスに、処理液ノズル200Aの内部においてプラズマを生じさせる工程である。このような構成によれば、プラズマ処理によって処理液101の酸化力を高めつつ、基板Wの上面に処理液101を供給することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、プラズマ処理が行われた後のガスを液膜101Aに供給する工程は、ノズルが、液膜101Aに接触している状態で基板Wの上面に沿って(基板Wの回転方向および径方向のうちの少なくとも一方に)移動しつつ、プラズマ処理が行われた後のガスを液膜101Aに供給する工程である。このような構成によれば、プラズマ処理ノズル30の基板Wの上面における位置が回転方向および径方向のうちの少なくとも一方に移動することによって、液膜101Aに対してプラズマPLを均一に拡散させることができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、処理液101は、脱イオン水である。このような構成によれば、プラズマ処理によって酸化力などを高めつつ、排液の困難性の低減および低温処理が可能となる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、プラズマ処理を行う工程は、ノズルの端部近傍において、ガスにプラズマを生じさせる工程である。このような構成によれば、プラズマPLにより生じた活性種が大幅に失活する前に、活性種を液膜101Aへ供給することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、プラズマ処理が行われた後のガスを液膜101Aに供給する工程は、プラズマ処理ノズル300Aが、プラズマ処理ノズル300Aの側面に設けられる開口30Fから基板Wの上面に沿う方向に不活性ガスを吐出しつつ、プラズマ処理が行われた後のガスを液膜101Aに供給する工程である。このような構成によれば、基板Wの上面に沿って吐出される不活性ガスが液膜101Aの液面を覆うため、空気中の意図しない物質が液膜101A内に溶け込むことを抑制することができ、液膜101A中における当該物質との意図しない反応も抑制することができる。
<以上に記載された実施の形態の変形例について>
以上に記載された実施の形態における、プラズマ処理ノズルまたはノズル部の形状は、たとえば、平面視において丸型中空、角型中空、扇型中空、または、基板Wの全面を覆う全面型中空などである。
以上に記載された実施の形態では、それぞれの構成要素の材質、材料、寸法、形状、相対的配置関係または実施の条件などについても記載する場合があるが、これらはすべての局面においてひとつの例であって、本願明細書に記載されたものに限られることはないものとする。
したがって、例が示されていない無数の変形例、および、均等物が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。たとえば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの実施の形態における少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態における構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
また、以上に記載された実施の形態において、特に指定されずに材料名などが記載された場合は、矛盾が生じない限り、当該材料に他の添加物が含まれた、たとえば、合金などが含まれるものとする。
1 基板処理システム
10 スピンチャック
10A スピンベース
10C 回転軸
10D スピンモータ
12 処理カップ
20,200,200A,200B 処理液ノズル
20B 多孔質材料
20A,20D,20G ノズル部
20C,20E,20F 気泡
22,32 ノズルアーム
22A,32A アーム部
22B,32B 軸体
22C,32C アクチュエータ
25 バルブ
29 処理液供給源
30,300A プラズマ処理ノズル
30B 電極
30A,30C,30D,51 配管
30E ガス吐出機構
30F 開口
38,39 ガス供給源
40 交流電源
50 プラズマチャンバ
80 チャンバ
90 制御部
91 CPU
92 ROM
93 RAM
94 記憶装置
94P 処理プログラム
95 バスライン
96 入力部
97 表示部
98 通信部
100 基板処理装置
101 処理液
101A 液膜
300,300B プラズマ処理部

Claims (11)

  1. 基板を保持する工程と、
    第1のノズルから前記基板の上面に処理液を供給することによって、前記基板の上面に前記処理液の液膜を形成する工程と、
    第2のノズルの先端を前記液膜に接触させる状態で配置する工程と、
    前記第2のノズルにガスを供給する工程と、
    前記第2のノズルに供給されたガスにプラズマ処理を施す工程と、
    前記プラズマ処理が施された前記ガスを前記第2のノズルの先端から前記液膜中に供給するガス供給工程とを備える、
    基板処理方法。
  2. 基板を保持する工程と、
    処理液ノズルから前記基板の上面に処理液を供給することによって、前記基板の上面に前記処理液の液膜を形成する工程と、
    前記処理液ノズルの先端を前記液膜に接触させる状態で配置する工程と、
    前記処理液を供給している前記処理液ノズルにプラズマ処理が施されたガスを供給して、前記処理液ノズル中を流れる前記処理液に前記ガスを混入させる工程と、
    前記処理液ノズルの先端から前記処理液とともに前記処理液に混入した前記ガスを前記液膜中に供給する混入ガス供給工程とを備える、
    基板処理方法。
  3. 基板を保持する工程と、
    処理液ノズルから前記基板の上面に処理液を供給することによって、前記基板の上面に前記処理液の液膜を形成する工程と、
    前記処理液ノズルの先端を前記液膜に接触させる状態で配置する工程と、
    前記処理液ノズルにガスを供給して、前記処理液ノズル内を流れる前記処理液に前記ガスを混入させる工程と、
    前記処理液に混入した前記ガスにプラズマ処理を施す工程と、
    前記処理液ノズルの先端から前記処理液とともに前記処理液に混入した前記ガスを前記液膜中に供給する混入ガス供給工程とを備える、
    基板処理方法。
  4. 請求項1に記載の基板処理方法であり、
    前記ガス供給工程は、前記第2のノズルが、前記液膜に接触している状態で前記基板の上面に沿って移動しつつ、前記プラズマ処理が施された前記ガスを前記液膜に供給する工程である、
    基板処理方法。
  5. 請求項2または3に記載の基板処理方法であり、
    前記混入ガス供給工程は、前記処理液ノズルが、前記液膜に接触している状態で前記基板の上面に沿って移動しつつ、前記プラズマ処理が施された前記ガスを前記液膜に供給する工程である、
    基板処理方法。
  6. 請求項1からのうちのいずれか1つに記載の基板処理方法であり、
    前記処理液は、脱イオン水である、
    基板処理方法。
  7. 請求項1に記載の基板処理方法であり、
    前記ガスに施される前記プラズマ処理は、前記第2のノズルの端部近傍において行われる
    基板処理方法。
  8. 請求項2または3に記載の基板処理方法であり、
    前記ガスに施される前記プラズマ処理は、前記処理液ノズルの端部近傍において行われる
    基板処理方法。
  9. 請求項1に記載の基板処理方法であり、
    前記ガス供給工程は、前記第2のノズルが、前記第2のノズルの側面に設けられる開口から前記基板の上面に沿う方向に不活性ガスを吐出しつつ、前記プラズマ処理が施された前記ガスを前記液膜に供給する工程である、
    基板処理方法。
  10. 請求項2または3に記載の基板処理方法であり、
    前記混入ガス供給工程は、前記処理液ノズルが、前記処理液ノズルの側面に設けられる開口から前記基板の上面に沿う方向に不活性ガスを吐出しつつ、前記プラズマ処理が施された前記ガスを前記液膜に供給する工程である、
    基板処理方法。
  11. 請求項1から3のいずれかに記載の基板処理方法であり、
    前記液膜の厚みは0.3mm以上、かつ、2.0mm以下である、
    基板処理方法。
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