JP7426941B2 - 腎傷害を治療するための組成物および方法 - Google Patents

腎傷害を治療するための組成物および方法 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、2018年4月4日に出願された米国仮特許出願第62/652,769号の優先権を主張し、その主題は参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
急性腎傷害(AKI)は、高い罹患率および死亡率(年間170万人の死亡)と関連する重要な臨床的問題である。様々な薬剤および動物モデルを使用するAKIに関する予防戦略の開発にかなりの努力が向けられている。予防戦略における進歩にも関わらず、AKIのための特定の治療法はまだ開発されていない。
AKIの主な原因は、腎虚血再灌流傷害(IRI)に起因する低酸素症および酸化ストレスである。腎血流量(RBF)における一時的な減少の期間中、不十分な酸素供給は腎外側髄質におけるエネルギー障害(ATP枯渇)を引き起こし得、急性尿細管壊死(ATN)およびアポトーシスによる尿細管上皮細胞の傷害および死をもたらす。再灌流後の無酸素ラジカルによる炎症は、虚血性AKIの拡張期をもたらす。低酸素への耐性および酸化ストレスの低減は、虚血性AKIのための治療標的である。
本明細書で説明される実施形態は、腎虚血再灌流傷害(IRI)または急性腎傷害(AKI)を予防、治療、またはその重症度を低減する組成物および方法に関する。IRI前における対象への15-PGDH阻害剤の投与は、腎PGE2レベルを高め、腎血管拡張を誘発し、低酸素症に対する耐性を高めることができ、虚血性AKIに対する予防的および保護的効果をもたらすことが認められた。IRI前における15-PGDH阻害剤の投与はまた、腎血行動態を改善し、酸化ストレスの誘発を減少し、炎症の誘発を低減し、腎傷害の多数のマーカーを低下し、腎機能を維持した。したがって、いくつかの実施形態では、15-PDGH活性を阻害する組成物および方法を使用して、それを必要とする対象におけるIRIまたはIRIと関連するAKIを予防、治療、またはその重症度を低減することができる。
いくつかの実施形態では、15-PGDH阻害剤は、腎虚血再灌流傷害と関連する急性腎傷害を予防または治療することができる。
いくつかの実施形態では、対象に投与される15-PGDH阻害剤の量は、対象の内因性腎PGE2レベルを誘発するのに有効な量であり得る。
他の実施形態では、対象に投与される15-PGDH阻害剤の量は、腎血管拡張を誘発し、低酸素症に対する耐性を高め、腎血行動態を改善し、腎酸化ストレスを減少し、腎炎症を低減し、腎機能を維持するのに有効な量であり得る。
他の実施形態では、対象に投与される15-PGDH阻害剤の量は、マロンジアルデヒド(MDA)およびNGALレベルを低減し、髄質尿細管損傷を軽減し、髄質急性尿細管壊死(ATN)およびアポトーシスを低減し、高移動度群ボックス1(HMGB1)および炎症性サイトカインの誘発の低減し、腎細動脈を調節する血管平滑筋細胞における腎EP4 PGE2受容体およびA2Aアデノシン受容体を誘発し、腎cAMP、AMP、およびアデノシンレベルを増加し、かつ/またはクレアチニンおよびKIM-1の誘発を阻害するのに有効な量である。
他の実施形態では、15-PGDH阻害剤は虚血再灌流傷害の前に対象に投与することができる。例えば、15-PGDH阻害剤は、虚血再灌流傷害の約1分~約72時間前、虚血再灌流傷害の約10分~約48時間前、または虚血再灌流傷害の約30分~約36時間前の範囲で投与される。
他の実施形態では、15-PGDH阻害剤は、虚血再灌流傷害の2時間前、8時間前、24時間前、および26時間前からなる群から選択される時間に投与され得る。
いくつかの実施形態では、虚血再灌流傷害は対象における腎臓移植などの臓器移植と関連する。
他の実施形態では、虚血再灌流傷害は心臓血管手術または敗血症と関連する。
いくつかの実施形態では、15-PGDH阻害剤は以下の式(V)を有する化合物を含むことができ、
Figure 0007426941000001
式中、nは0~2であり、
は独立してNまたはCRであり、
、R、R、およびRは、各々独立して水素、置換または非置換C~C24アルキル、C~C24アルケニル、C~C24アルキニル、C~C20アリール、ヘテロアリール、5~6個の環原子を含むヘテロシクロアルケニル(環原子のうちの1~3個は独立してN、NH、N(C~Cアルキル)、NC(O)(C1~アルキル)、O、およびSから選択される)、C~C24アルカリール、C~C24アラルキル、ハロ、-Si(C~Cアルキル)、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C~C24アルコキシ、C~C24アルケニルオキシ、C~C24アルキニルオキシ、C~C20アリールオキシ、アシル(C~C24アルキルカルボニル(-CO-アルキル)およびC~C20アリールカルボニル(-CO-アリール)を含む)、アシルオキシ(-O-アシル)、C~C24アルコキシカルボニル(-(CO)-O-アルキル)、C~C20アリールオキシカルボニル(-(CO)-O-アリール)、C~C24アルキルカルボナト(-O-(CO)-O-アルキル)、C~C20アリールカルボナト(-O-(CO)-O-アリール)、カルボキシ(-COOH)、カルボキシラト(-COO)、カルバモイル(-(CO)-NH)、C~C24アルキル-カルバモイル(-(CO)-NH(C~C24アルキル))、アリールカルバモイル(-(CO)-NH-アリール)、チオカルバモイル(-(CS)-NH)、カルバミド(-NH-(CO)-NH)、シアノ(-CN)、イソシアノ(-N)、シアナト(-O-CN)、イソシアナト(-O-N=C)、イソチオシアナト(-S-CN)、アジド(-N=N=N)、ホルミル(-(CO)-H)、チオホルミル(-(CS)-H)、アミノ(-NH)、C~C24アルキルアミノ、C~C20アリールアミノ、C~C24アルキルアミド(-NH-(CO)-アルキル)、C~C20アリールアミド(-NH-(CO)-アリール)、イミノ(-CR=NHでRは水素、C~C24アルキル、C~C20アリール、C~C24アルカリール、C~C24アラルキルなど)、アルキルイミノ(-CR=N(アルキル)でR=水素、アルキル、アリール、アルカリール、アラルキルなど)、アリールイミノ(-CR=N(アリール)でR=水素、アルキル、アリール、アルカリールなど)、ニトロ(-NO)、ニトロソ(-NO)、スルホ(-SO-OH)、スルホナト(-SO-O)、C~C24アルキルスルファニル(-S-アルキル、「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(-S-アリール、「アリールチオ」とも呼ばれる)、C~C24アルキルスルフィニル(-(SO)-アルキル)、C~C20アリールスルフィニル(-(SO)-アリール)、C~C24アルキルスルホニル(-SO-アルキル)、C~C20アリールスルホニル(-SO-アリール)、スルホンアミド(-SO-NH2、-SONY(Yは独立してH、アリール、またはアルキルである)、ホスホノ(-P(O)(OH))、ホスホナト(-P(O)(O)、ホスフィナト(-P(O)(O))、ホスホ(-PO)、ホスフィノ(-PH)、ポリアルキルエーテル、リン酸塩、リン酸エステル、生理的pHで正または負の電荷を有すると予想されるアミノ酸または他の部分を組み込んだ基、それらの組み合わせからなる群から選択され、RとRが結合して単環式または多環式環を形成し得、環は置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換シクロアルキル、および置換または非置換ヘテロシクリルであり、
はN、C-R、またはC-NRであり、式中、RはH、低級アルキル基、O、(CHn1OR’(n1=1、2、または3)、CF、CH-CHX、O-CH-CHX、CH-CH-CHX、O-CH-CHX、X、(X=H、F、Cl、Br、またはI)、CN、(C=O)-R’、(C=O)N(R’)、O(CO)R’、COOR’(R’はHまたは低級アルキル基である)からなる群から選択され、RとRは結合して単環式または多環式環を形成し得、RとRは同一または異なり、各々がH、低級アルキル基、O、(CHn1OR’(n1=1、2、または3)、CF、CH-CHX、CH-CH-CHX、(X=H、F、Cl、Br、またはI)、CN、(C=O)-R’、(C=O)N(R’)、COOR’(R’はHまたは低級アルキル基である)からなる群から選択され、RまたはRは不在であり得、あるいはその薬学的に許容される塩、互変異性体、または溶媒和物である。
いくつかの実施形態では、15-PGDH阻害剤は、約5nM~約10nMの組換え15-PGDH濃度において、組換え15-PGDHの酵素活性を1μM未満のIC50で、または好ましくは250nM未満のIC50で、またはより好ましくは50nM未満のIC50で、またはより好ましくは10nM未満のIC50で、またはより好ましくは5nM未満のIC50で阻害することができる。
腎IRIにおける15-PGDH阻害が腎傷害バイオマーカーのレベルを減少させることを表すプロットを示す。(A)アラキドン酸プロスタグランジン生合成経路および15-PGDH阻害剤の生物学的活性。(B)15-PGDHノックアウト(KO)および野生型(WT)マウス(群あたりn=5)の腎臓組織における内因性PGE2レベル。(C)SW033291による15-PGDHの薬理学的阻害は、2.5または5mg/kgのSW033291またはビヒクル(群あたりn=5)の腹腔内注射後3時間での腎臓組織における内因性PGE2レベルによって確証された。(D)5mg/kgのSW033291またはビヒクル(群あたりn=5)の腹腔内注入後1および3時間での腎臓組織におけるPGE2レベル。(E~G)傷害時間による腎損傷。データは平均±SEMである。*P<0.05対応するWTまたはシャムとの比較、**P<0.01対応するWTまたはシャムとの比較、***P<0.001対応するWTまたはシャムとの比較。(H)実験設定。マウスに両側腎虚血/再灌流(I/R)を行い、ビヒクル、SW033291、インドメタシン、外因性PGE1、またはPGE2を腎IRIの1時間前、直後、および12時間後に注射した。血清を24時間の再灌流後に採取した。(I~K)NGAL、クレアチニン、およびKIM-1の血清レベル。腎機能は腎IRI後のPOD1で評価した。各群の数は8~11である。データは平均±SEMである。*P<0.05対応するIRI_ビヒクルとの比較、**P<0.01対応するIRI_ビヒクルとの比較、***P<0.001対応するIRI_ビヒクルとの比較、#P<0.05対応するシャムとの比較、##P<0.01対応するシャムとの比較、###P<0.001対応するシャムとの比較。 15-PGDH阻害が虚血性AKIを有するマウスにおける細胞死および炎症反応を改善することを表す画像およびプロットを示す。腎IRIの前後に、マウスにビヒクル、SW033291(5mg/kg)、またはインドメタシン(5mg/kg)を腹腔内に3回注射した。評価は腎IRI後のPOD1で行った。(A)腎IRIの前後にビヒクル(IRI-vehicle)、インドメタシン(IRI-インドメタシン)、またはSW033291(IRI-SW033291)を注射したマウスの左(Lt)および右(Rt)腎臓の代表的な肉眼的外観。外側髄質における腎組織のうっ血を白抜き矢印で示す。(B)腎髄質の外側領域における尿細管傷害の代表的な画像(H&E染色、倍率200倍)。スケールバー、500μm、拡大した画像のスケールバー、50μm。(C)尿細管傷害スコアの統計分析(群あたりn=20)。(D)腎髄質の外側領域におけるアポトーシスの代表的な画像(TUNEL染色、400倍)。スケールバー、500μm、拡大した画像のスケールバー、25μm。(E)アポトーシスの統計分析(群あたりn=20)。*P<0.05対応するIRI_ビヒクルとの比較、**P<0.01対応するIRI_ビヒクルとの比較、***P<0.001対応するIRI_ビヒクルとの比較、P<0.05対応するシャムとの比較、##P<0.01対応するシャムとの比較。 15-PGDH阻害が虚血性AKIを有するマウスにおける炎症反応を改善することを表すウエスタンブロットおよびプロットを示す。(A)腎臓組織におけるHMGB1(29kDa)のウエスタンブロット(3回の実験の代表)。(B)腎臓組織におけるHMGB1レベルの統計分析(群あたりn=9)。リアルタイムPCRによる炎症性サイトカインmRNA(C~E)およびELISAによるタンパク質レベル(F~G)。データは平均±SEMである。*P<0.05対応するIRI_ビヒクルとの比較、**P<0.01対応するIRI_ビヒクルとの比較、P<0.05対応するシャムとの比較、##P<0.01対応するシャムとの比較。 15-PGDH阻害がcAMP/AMPシグナル化経路を介する外側髄質における腎血管拡張を誘発することを表す画像およびプロットを示す。血管拡張を定量化するため、外側髄質における内側細動脈領域をα-平滑筋アクチン(α-SMA)染色により同定した。(A)腎髄質の外側領域における細動脈の代表的な画像(倍率400倍)。拡大画像は、枠内領域を拡大したものである。(B)外側髄質の内側細動脈領域の統計分析。(C、D)腎臓組織におけるcAMPおよびAMPレベルの統計分析。各群の数は12~18である。データは平均±SEMである。*P<0.05対応するIRI_ビヒクルとの比較、**P<0.01対応するIRI_ビヒクルとの比較、P<0.05対応するシャムとの比較、##P<0.01対応するシャムとの比較。スケールバー、500μm、拡大した画像のスケールバー、50μm。 15-PGDH阻害剤が外側髄質における腎細動脈中のEP4受容体の発現を促進したことを表すプロットおよび画像を示す。(A~D)リアルタイムPCRによる腎臓組織におけるEP受容体mRNAレベルの統計分析。各群の数は6~10である。(E)腎臓組織におけるEP4(73kDa)のウエスタンブロット(3回の実験の代表)。(F)腎臓組織におけるEP4レベルの統計分析(群あたりn=6)。データは平均±SEMである。*P<0.05対応するIRI_ビヒクルとの比較、**P<0.01対応するIRI_ビヒクルとの比較、P<0.05対応するシャムとの比較、##P<0.01対応するシャムとの比較。(G)EP4(緑)、α-SMA(赤)、およびDAPI(青)染色した腎臓切片の代表的な共焦点顕微鏡画像。EP4陽性細胞が、腎細動脈外側髄質(矢印)におけるα-平滑筋アクチン(α-SMA)陽性細胞に認められる。*は、外側髄質におけるα-SMA陽性腎細動脈を示す。スケールバー:25μm。 15-PGDH阻害剤がアデノシン産生を促進し、外側髄質における腎細動脈中のA2A受容体の発現を上方調節したことを表すプロットおよび画像を示す。(A)腎臓組織におけるアデノシンレベルの統計分析。(B)血清アデノシンレベルの統計分析。各群の数は6~10である。(c)腎臓組織におけるA2A(45kDa)のウエスタンブロット(3回の実験の代表)。(D)腎臓組織におけるA2Aレベルの統計分析(群あたりn=9)。データは平均±SEMである。*P<0.05対応するIRI_ビヒクルとの比較、**P<0.01対応するIRI_ビヒクルとの比較。(E)A2Aおよびα-平滑筋アクチン(α-SMA)染色した腎切片の代表的な共焦点顕微鏡画像。A2A陽性細胞は、腎細動脈外側髄質(矢印)におけるα-SMA陽性細胞中に認められる。*は、外側髄質におけるα-SMA陽性腎細動脈を示す。スケールバー:25μm。 15-PGDH阻害剤の前処理が腎IRI後の腎機能障害を軽減することを表す図式およびプロットを示す。(A)3つの異なる注入プロトコルにおける実験設定。マウスに、3つの異なる注入プロトコルに従って、ビヒクルまたはSW033291(5mg/kg)を注射した。腎機能は腎IRI後のPOD1で評価した。(B~D)NGAL、クレアチニン、およびKIM-1の血清レベル。各群の数は9~11である。データは平均±SEMである。*P<0.05対応するIRI_ビヒクルとの比較、**P<0.01対応するIRI_ビヒクルとの比較、##P<0.01対応するシャムとの比較。 虚血性AKIにおけるPGDH阻害剤による腎内血管拡張メカニズムを表す図式である。15-PGDH阻害剤は、虚血性AKIにおけるPGE2の分解を阻害することによって内因性PGE2を増加する。内因性PGE2はEP4受容体を活性化することによって血管拡張を誘発する。EP4の活性化は、血管平滑筋細胞における細胞内サイクリックAMPレベルを増加する。増加したcAMPは、アデノシン基質AMPに変換され、次に血管内アデノシンレベルを増加する。アデノシンは、A2Aを活性化して血管拡張を誘発する。結果として、15-PGDH阻害剤によって増加した内因性PGE2は、EP4受容体を活性化し、アデノシンを増加して、腎臓内動脈の血管拡張を引き起こす。アルファベットによる略称、15PGDH:15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ、A2A:アデノシンA2A受容体、AA:ラキドン酸、ADO:アデノシン、AMP:アデノシン一リン酸、cAMP:環状アデノシン一リン酸、CD73:エクト-5’-ヌクレオチダーゼ、COX2:シクロオキシゲナーゼ-2、EP4:プロスタグランジンE2受容体4、ePDE:細胞外ホスホジエステラーゼ、NSAID:非ステロイド性抗炎症薬、PGDH-i:15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ阻害剤、PGE2:プロスタグランジンE2、RBC:赤血球。 他の血管拡張剤が腎臓保護効果を及ぼさなかったことを表す画像およびプロットを示す。腎臓の病理学的評価は、腎IRI後のPOD1で実施した。マウスにビヒクル(IRI-ビヒクル)、SW033291(IRI-SW033291)、Eglandin(IRI-PGE1)、または外因性PGE2(IRI-PGE2)を腎IRIの前および後に注射した。(A)腎髄質の外側領域における尿細管傷害の代表的な画像(H&E染色、倍率200倍)。(B)尿細管傷害スコアの統計分析。各群の数は20である。データは平均±SEMである。**P<0.01対応するIRI-ビヒクルとの比較。スケールバー、50μm。 15-PGDH阻害剤の前処理が虚血性AKIを有するマウスに抗炎症効果を及ぼしたことを表すプロットを示す。腎IRIの前または後に、マウスにビヒクル、SW033291(5mg/kg)、またはインドメタシン(5mg/kg)を腹腔内に3回注射した。(A~C)リアルタイムPCRを腎IRI後にPOD1で実施した。IL-24、IL-10、およびIL-4のmRNAレベル。各群の数は9である。データは平均±SEMである。*P<0.05対応するIRIビヒクルとの比較。 15-PGDH阻害剤の前処理が腎IRI後にPGE2レベルの増加および腎障害を軽減することを表すプロットを示す。腎臓組織(A)および血清(B)におけるPGE2レベル。(C、D)腎臓組織におけるEP4およびA2AmRNAレベル。(E)腎臓組織におけるMDAレベル。(F~H)血清中のNGAL、KIM-1、およびクレアチニンレベル。各群の数は4~8である。データは平均±SEMである。*P<0.05対応するIRI_ビヒクルとの比較、**P<0.01対応するIRI_ビヒクルとの比較、P<0.05対応するベースラインとの比較、##P<0.01対応するベースラインとの比較 15-PGDH阻害剤による処置が非毒性であり腎IRI後に回復を促進することを表すプロットを示す。(A)毒性に関する実験設定。腎動脈を両側で30分間クランプすることによって誘発された虚血性AKI、それに続く再灌流。マウスにビヒクル、SW033291(5mg/kg)、またはインドメタシン(5mg/kg)を、7日間にわたって腎IRIの前および後に1日2回腹腔内注射した。(群あたりn=10)。(B、C)7日間にわたる生存曲線および体重。AKI段階によって層別化された生存のカプラン・マイヤー分析。データは平均±SEMである。*P<0.05対応するBI30_ビヒクルとの比較。
以下の用語は当業者によって十分に理解されると考えられるが、以下の定義は、ここに開示される主題の説明を容易にするために示される。
本明細書で使用されるとき、本説明および特許請求の範囲で使用される動詞「含む」およびその活用形は、その非限定的な意味で使用され、本単語に続く項目が含まれるが、特に言及されていない項目は除外されないことを意味する。本発明は、特許請求の範囲で説明されるステップ、要素、および/または試薬を好適に「含む」、「からなる」、または「本質的にからなる」ことができる。
さらに、特許請求の範囲はいかなる任意の要素も除外するように起草され得ることが留意される。そのため、本言明は特許請求要素の列挙、または「否定的な」制限の使用に関連して、「単独で」、「唯一の」などの排他的な用語の使用のための先行基準として機能することが意図されている。
「薬学的に許容される」という用語は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずにヒトおよび動物の組織と接触する使用に好適であり、妥当な利益/リスク比に見合い、健全な医学的判断の範囲内でこれらの意図された使用のために有効であることを意味する。
「薬学的に許容される塩」という用語は、塩基として機能する活性化合物を無機または有機の酸と反応させて塩を形成することによって得られるもの、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、ギ酸、臭化水素酸、安息香酸、酒石酸、フマル酸、サリチル酸、マンデル酸、炭酸などの塩を含む。当業者はさらに酸付加塩が多くの既知の方法のいずれかを介して、本化合物と適切な無機または有機の酸との反応によって調製され得ることを認識するであろう。「薬学的に許容される塩」という用語はまた、酸として機能する活性化合物を無機または有機の塩基と反応させて塩を形成することによって得られるもの、例えば、エチレンジアミン、N-メチル-グルカミン、リジン、アルギニン、オルニチン、コリン、N、N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス-(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、ジベンジルアミン、エフェナミン、デヒドロアビエチルアミン、N-エチルピペリジン、ベンジルアミン、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、塩基性アミノ酸などの塩を含む。無機塩または金属塩の非限定的な例には、リチウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム塩などが含まれる。
さらに、本明細書に記載される化合物の塩は、水和または非水和(無水)形態のいずれかで、または他の溶媒分子との溶媒和物として存在することができる。
水和物の非限定的な例には、一水和物、二水和物などが挙げられる。溶媒和物の非限定的な例には、エタノール溶媒和物、アセトン溶媒和物などが挙げられる。
「溶媒和物」という用語は、溶媒の化学量論的または非化学量論的な量のいずれかを含む溶媒付加形態を意味する。化合物の中には、結晶性固体状態で一定のモル比の溶媒分子を捕捉する傾向があり、したがって溶媒和物を形成する。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、1つ以上の水の分子と、水がHOとしてその分子状態を保持する物質の1つとの組み合わせによって形成され、そのような組み合わせは1つ以上の水和物を形成することができる。
本明細書で説明される化合物および塩はいくつかの互変異性型で存在することができ、エノール型とイミン型、およびケト型とエナミン型、ならびにこれらの幾何異性体および混合物を含む。互変異性体は、溶液中に互変異性体の集合の混合物として存在する。固体の形態では、通常、1つの互変異性体が優勢である。1つの互変異性体が記載されているとしても、本出願は、本化合物のすべての互変異性体を含む。互変異性体は、平衡状態で存在し、ある異性体から別の異性体に容易に変換される2つ以上の構造異性体のうちの1つである。この反応は、隣接する共役二重結合のスイッチを伴う水素原子の形式的な移行をもたらす。互変異性化が可能な溶液では、互変異性体の化学平衡に達する。互変異性体の正確な比率は、温度、溶媒、pHなどのいくつかの要因に依存する。互変異性化によって相互変換可能な互変異性体の概念は、互変異性と呼ばれる。
可能な様々なタイプの互変異性のうち、2つが一般的に観察される。ケト-エノール互変異性では、電子と水素原子の同時シフトが発生する。
互変異性化は、塩基:1.脱プロトン化、2.非局在化アニオン(例えば、エノラート)の形成、3.アニオンの異なる位置でのプロトン化、酸:1.プロトン化、2.非局在化カチオンの形成、3.カチオンに隣接する別の位置での脱プロトン化、によって触媒作用を及ぼされ得る。
本明細書で使用されるとき、以下の用語は、別段の指定がない限り、以下の意味を有する。
「アミノ」は、-NHラジカルを指す。
「シアノ」は、-CNラジカルを指す。
「ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、フルオロ、またはヨードラジカルを指す。
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、-OHラジカルを指す。
「イミノ」は、=NH置換基を指す。
「ニトロ」は、-NOラジカルを指す。
「オキソ」は、=O置換基を指す。
「チオキソ」は、=S置換基を指す。
「アルキル」または「アルキル基」は、1~12個の炭素原子を有する完全に飽和した、直鎖または分岐の炭化水素鎖ラジカルを指し、単結合によって分子の残余に結合されている。1~12個の任意の数の炭素原子を含むアルキルが含まれる。12個までの炭素原子を含むアルキルはC~C12アルキルであり、10個までの炭素原子を含むアルキルはC~C10アルキルであり、6個までの炭素原子を含むアルキルはC~Cアルキルであり、5個までの炭素原子を含むアルキル基はC~Cアルキルである。C~CアルキルはC5アルキル、C4アルキル、C3アルキル、C2アルキル、およびC1アルキル(すなわち、メチル)を含む。C~CアルキルはC~Cアルキルについて前述されたすべての部分を含むが、C6アルキルも含む。C~C10アルキルはC~CアルキルおよびC~Cアルキルについて前述されたすべての部分を含むが、C7、C8、C9、およびC10アルキルも含む。同様に、C~C12アルキルは前述の部分すべてを含むが、C11およびC12アルキルも含む。C~C12アルキルの非限定的な例には、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、sec-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、t-アミル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、およびn-ドデシルが含まれる。本明細書において別段の記載がない限り、アルキル基は任意に置換され得る。
「アルキレン」または「アルキレン鎖」は、完全に飽和した、直鎖または分岐鎖の二価炭化水素鎖ラジカルを指し、1~12個の炭素原子を有する。C~C12アルキレンの非限定的な例には、メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、エテニレン、プロペニレン、n-ブテニレン、プロピニレン、N-ブチニレンなどが含まれる。アルキレン鎖は、単結合を介して残余の分子に、そして単結合を介してラジカル基に結合されている。分子の残余およびラジカル基とのアルキレン鎖の結合点は、鎖内の1個の炭素または任意の2個の炭素を介したものであることができる。本明細書で別段の定めがない限り、アルキレン鎖は任意に置換され得る。
「アルケニル」または「アルケニル基」は、2~12個の炭素原子を有し、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する、直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカルを指す。各アルケニル基は単結合によって分子の残余に結合されている。2~12個の任意の炭素原子数を含むアルケニル基が含まれる。12個までの炭素原子を含むアルケニル基はC~C12アルケニルであり、10個までの炭素原子を含むアルケニルはC~C10アルケニルであり、6個までの炭素原子を含むアルケニル基はC~Cアルケニルであり、5個までの炭素原子を含むアルケニルはC~Cアルケニルである。C~Cアルケニルは、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、およびCアルケニルを含む。C~CアルケニルはC~Cアルケニルについて前述されたすべての部分を含むが、Cアルケニルも含む。C~C10アルケニルはC~CアルケニルおよびC~Cアルケニルについて前述されたすべての部分を含むが、C、C、C、およびC10アルケニルも含む。同様に、C~C12アルケニルは前述のすべての部分を含むが、C11およびC12アルケニルも含む。C~C12アルケニルの非限定的な例には、エテニル(ビニル)、1-プロペニル、2-プロペニル(アリル)、イソプロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-ヘプテニル、2-ヘプテニル、3-ヘプテニル、4-ヘプテニル、5-ヘプテニル、6-ヘプテニル、1-オクテニル、2-オクテニル、3-オクテニル、4-オクテニル、5-オクテニル、6-オクテニル、7-オクテニル、1-ノネニル、2-ノネニル、3-ノネニル、4-ノネニル、5-ノネニル、6-ノネニル、7-ノネニル、8-ノネニル、1-デセニル、2-デセニル、3-デセニル、4-デセニル、5-デセニル、6-デセニル、7-デセニル、8-デセニル、9-デセニル、1-ウンデセニル、2-ウンデセニル、3-ウンデセニル、4-ウンデセニル、5-ウンデセニル、6-ウンデセニル、7-ウンデセニル、8-ウンデセニル、9-ウンデセニル、10-ウンデセニル、1-ドデセニル、2-ドデセニル、3-ドデセニル、4-ドデセニル、5-ドデセニル、6-ドデセニル、7-ドデセニル、8-ドデセニル、9-ドデセニル、10-ドデセニル、および11-ドデセニルが挙げられる。本明細書において別段の記載がない限り、アルキル基は任意に置換され得る。
「アルケニレン」または「アルケニレン鎖」は、2~12個の炭素原子を有し、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する、直鎖または分岐鎖の二価炭化水素鎖ラジカルを指す。C~C12アルケニレンの非限定的な例には、エテン、プロペン、ブテンなどが含まれる。アルケニレン鎖は、単結合を介して分子の残余に、そして単結合を介してラジカル基に結合されている。分子の残余およびラジカル基とのアルケニレン鎖の結合点は、鎖内の1個の炭素または任意の2個の炭素を介したものであることができる。本明細書で別段の定めがない限り、アルケニレン鎖は任意に置換され得る。
「アルキニル」または「アルキニル基」は、2~12個の炭素原子を有し、1つ以上の炭素-炭素三重結合を有する、直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカルを指す。各アルキニル基は、単結合によって分子の残余に結合されている。2~12個の任意の炭素原子数を含むアルキニル基が含まれる。12個までの炭素原子を含むアルキニル基はC~C12アルキニルであり、10個までの炭素原子を含むアルキニルはC~C10アルキニルであり、6個までの炭素原子を含むアルキニル基はC~Cアルキニルであり、5個までの炭素原子を含むアルキニルはC~Cアルキニルである。C~Cアルキニルは、Cアルキニル、Cアルキニル、Cアルキニル、およびCアルキニルを含む。C~CアルキニルはC~Cアルキニルについて前述されたすべての部分を含むが、Cアルキニルも含む。C~C10アルキニルはCアルキニルおよびC~Cアルキニルについて前述されたすべての部分を含むが、C、C、C、およびC10アルキニルも含む。同様に、C~C12アルキニルは前述されたすべての部分を含むが、C11およびC12アルキニルも含む。C~C12アルケニルの非限定的な例には、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルなどが含まれる。本明細書において別段の記載がない限り、アルキル基は任意に置換され得る。
「アルキニレン」または「アルキニレン鎖」は、2~12個の炭素原子を有し、1つ以上の炭素-炭素三重結合を有する、直鎖または分岐鎖の二価炭化水素鎖ラジカルを指す。C~C12アルキニレンの非限定的な例には、エチニレン、プロパルギレンなどが含まれる。アルキニレン鎖は、単結合を介して分子の残余に、そして単結合を介してラジカル基に結合されている。分子の残余およびラジカル基とのアルキニレン鎖の結合点は、鎖内の1個の炭素または任意の2個の炭素を介したものであることができる。本明細書において別段の記載がない限り、アルキニレン鎖は任意に置換され得る。
「アルコキシ」は、式-ORのラジカルを指し、Rは1~12個の炭素原子を含む、上記で定義されたアルキル、アルケニル、またはアルケニルラジカルである。本明細書において別段の記載がない限り、アルコキシ基は任意に置換され得る。
「アルキルアミノ」は、式-NHRまたは-NRを指し、各Rは独立して1~12個の炭素原子を含む上記で定義されたアルキル、アルケニル、またはアルキニルラジカルである。本明細書において別段の記載がない限り、アルキルアミノ基は任意に置換され得る。
「アルキルカルボニル」は-C(=O)R部分を指し、Rは上記で定義されたアルキル、アルケニル、またはアルキニルラジカルである。アルキルカルボニルの非限定的な例は、メチルカルボニル(「アセタール」)部分である。アルキルカルボニル基は、「C~Cアシル」とも呼ばれ、wおよびzは上記で定義されるRにおける炭素数の範囲を示す。例えば、「C~C10アシル」は上記で定義されるアルキルカルボニル基を指し、RはC~C10アルキル、C~C10アルケニル、またはC~C10アルキニルラジカルである。本明細書において別段の記載がない限り、アルキルカルボニル基は任意に置換され得る。
「アリール」は、水素、6~18個の炭素原子および少なくとも1つの芳香環を含む炭化水素環系ラジカルを指す。本発明の目的のため、アリールラジカルは単環式、二環式、三環式または四環式環系であることができ、融合または架橋環系を含むことができる。アリールラジカルには限定されないが、フェニル(ベンゼン)、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレン、およびトリフェニレンから派生するアリールラジカルが含まれる。本明細書で別段の記載がない限り、用語「アリール」は、任意に置換されているアリールラジカルを含むことを意味する。
「アラルキル」または「アリールアルキル」は式-R-Rのラジカルを指し、Rは上記で定義されたアルキレン基であり、Rは上記で定義された1つ以上のアリールラジカルである。アラルキル基には、限定されないが、ベンジル、ジフェニルメチルなどが含まれる。本明細書において別段の記載がない限り、アラルキル基は任意に置換され得る。
「アラルケニル」または「アリールアルケニル」は、式-R-Rのラジカルを指し、Rは上記で定義されたアルケニレン基であり、Rは上記で定義された1つ以上のアリールラジカルである。本明細書において別段の記載がない限り、アラルケニル基は任意に置換され得る。
「アラルキニル」または「アリールアルキニル」は式-R-Rを指し、Rは上記で定義されたアルキニレン基であり、Rは上記定義された1つ以上のアリールラジカルである。本明細書において別段の記載がない限り、アラルキニル基は任意に置換され得る。
「カルボシクリル」、「炭素環式環」、または「炭素環」は環構造を指し、環を形成する原子は各々炭素である。炭素環式環は、環内に3~20個の炭素原子を含むことができる。炭素環式環には、アリールおよびシクロアルキルが含まれる。本明細書で定義されるシクロアルケニルおよびシクロアルキニル。本明細書において別段の記載がない限り、カルボシクリル基は任意に置換され得る。
「シクロアルキル」は炭素および水素原子のみからなる安定な非芳香族単環式または多環式完全飽和炭化水素ラジカルを指し、融合、架橋、またはらせん環系を含むことができ、3~20個の炭素原子を有し、好ましくは3~10個の炭素原子を有し、単結合によって分子の残余に結合されている。単環式シクロアルキルラジカルには、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが含まれる。多環式シクロアルキルラジカルには、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどが含まれる。本明細書で具体的に別段の記載がない限り、シクロアルキル基は任意に置換され得る。
「シクロアルケニル」は炭素および水素原子のみからなる安定な非芳香族単環式または多環式完全飽和炭化水素ラジカルを指し、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有し、融合、架橋、またはらせん環系を含むことができ、3~20個の炭素原子を有し、好ましくは3~10個の炭素原子を有し、単結合によって分子の残余に結合されている。単環式シクロアルケニルラジカルには、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロセテニルなどが含まれる。多環式シクロアルケニルラジカルには、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エニルなどが含まれる。本明細書で別段の記載がない限り、シクロアルケニル基は、任意に置換され得る。
「シクロアルキニル」は、炭素および水素原子のみからなる安定な非芳香族単環式または多環式完全飽和炭化水素ラジカルを指し、1つ以上の炭素-炭素三重結合を有し、融合、架橋、またはらせん環系を含むことができ、3~20個の炭素原子を有し、好ましくは3~10個の炭素原子を有し、単結合によって分子の残余に結合されている。単環式シクロアルキニル基には、例えば、シクロヘプチニル、シクロオクチニルなどが含まれる。本明細書で具体的に別段の記載がない限り、シクロアルキニル基は、任意に置換され得る。
「シクロアルキルアルキル」は、式-R-Rのラジカルを指し、Rは上記で定義されるアルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン基であり、Rは上記で定義されるシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニルラジカルである。本明細書において別段の記載がない限り、シクロアルキルアルキル基は任意に置換され得る。
「ハロアルキル」は、上記で定義される1つ以上のハロラジカルによって置換されている、上記で定義されるアルキルラジカルを指し、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,2-ジフルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1,2-ジブロモエチルなどが挙げられる。本明細書で別段の記載がない限り、ハロアルキル基は、任意に置換され得る。
「ハロアルケニル」は、上記で定義される1つ以上のハロラジカルによって置換されている、上記で定義されるアルケニルラジカルを指し、例えば、1-フルオロプロペニル、1,1-ジフルオロブテニルなどが挙げられる。本明細書において別段の記載がない限り、ハロアルケニル基は、任意に置換され得る。
「ハロアルキニル」は、上記で定義される1つ以上のハロラジカルによって置換されている、上記で定義されるアルキニルラジカルを指し、例えば、1-フルオロプロピニル、1-フルオロブチニルなどが挙げられる。本明細書において別段の記載がない限り、ハロアルキニル基は任意に置換され得る。
「ヘテロシクリル」、「複素環式環」、または「複素環」は、2~12個の炭素原子ならびに窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択される1~6個のヘテロ原子からなる安定な3~20員非芳香族、部分的に芳香族、または芳香族環ラジカルを指す。ヘテロシクリルまたは複素環式環には、以下で定義されるヘテロアリールが含まれる。本明細書において別段の記載がない限り、ヘテロシクリルラジカルは、単環式、二環式、三環式、または四環式環系であり得、融合、架橋、およびらせん環系を含み得、ヘテロシクリルラジカルにおける窒素、炭素、または硫黄原子は任意に酸化され得、窒素原子は任意に四級化され得、ヘテロシクリルラジカルは部分的にまたは完全に飽和され得る。そのようなヘテロシクリルラジカルの例には、限定されないが、アジリジニル、オエクスタニル、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリニル、ピリジン-オンなどが挙げられる。単結合による分子の残余とのヘテロシクリル、複素環式環、または複素環の結合点は、環員原子を介しており、炭素または窒素であることができる。本明細書において別段の記載がない限り、ヘテロシクリル基は任意に置換され得る。
「ヘテロシクリルアルキル」は、式-R-Rのラジカルを指し、Rは上記で定義されるアルキレン基であり、Rは上記で定義されるヘテロシクリルラジカルである。本明細書において別段の記載がない限り、ヘテロシクリルアルキル基は任意に置換され得る。
「ヘテロシクリルアルケニル」は式-R-Rのラジカルを指し、Rは上記で定義されるアルケニレン基であり、Rは上記で定義されるヘテロシクリルラジカルである。本明細書において別段の記載がない限り、ヘテロシクリルアルケニル基は、任意に置換され得る。
「ヘテロシクリルアルキニル」は式-R-Rのラジカルを指し、Rは上記で定義されるアルキニレン基であり、Rは上記で定義されるヘテロシクリルラジカルである。本明細書において別段の記載がない限り、ヘテロシクリルアルキニル基は任意に置換され得る。
「N-ヘテロシクリル」は少なくとも1個の窒素を含む上記で定義されるヘテロシクリルラジカルを指し、分子の残余とのヘテロシクリルラジカルの結合点がヘテロシクリルラジカル中の窒素原子を介している。本明細書において別段の記載がない限り、N-ヘテロシクリル基は任意に置換され得る。
「ヘテロアリール」は、環員として、1~13個の炭素原子および窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択される1~6個のヘテロ原子を含む5~20員環系ラジカルを指す。本発明の目的のため、ヘテロアリールラジカルは単環式、二環式、三環式、または四環式環系であることができ、融合または架橋環系を含むことができ、ヘテロ原子環員を含む少なくとも1つの環は芳香族である。ヘテロアリールラジカル中の窒素、炭素、または硫黄は、任意に酸化され得、窒素原子は任意に四級化され得る。例には、限定されないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1-オキシドピリジニル、1-オキシドピリミジニル、1-オキシドピラジニル、1-オキシドピリダジニル、1-フェニル-1H-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾロピリジン、キナゾリニル、キノキサリンイル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、およびチオフェニル(すなわち、チエニル)が挙げられる。本明細書において別段の記載がない限り、ヘテロアリール基は任意に置換され得る。
「N-ヘテロアリール」は少なくとも1個の窒素を含む上記で定義されるヘテロアリールラジカルを指し、分子の残余とのヘテロアリールラジカルの結合点がヘテロアリールラジカル中の窒素原子を介している。本明細書において別段の記載がない限り、N-ヘテロアリール基は任意に置換され得る。
「ヘテロアリールアルキル」は式-R-Rのラジカルを指し、Rは上記で定義されるアルキレン鎖であり、Rは上記で定義されるヘテロアリールラジカルである。本明細書において別段の記載がない限り、ヘテロアリールアルキル基は任意に置換され得る。
「ヘテロアリールアルケニル」は式-R-Rのラジカルを指し、Rは上記で定義されるアルケニレン鎖であり、Rは上記で定義されるヘテロアリールラジカルである。本明細書において別段の記載がない限り、ヘテロアリールアルケニル基は、任意に置換され得る。
「ヘテロアリールアルキニル」は式-R-Rのラジカルを指し、Rは上記で定義されるアルキニレン鎖であり、Rは上記で定義されるヘテロアリールラジカルである。本明細書において別段の記載がない限り、ヘテロアリールアルキニル基は任意に置換され得る。
「チオアルキル」は-SRのラジカルを指し、Rは1~12個の炭素原子を含む上記で定義されるアルキル、アルケニル、またはアルキニルラジカルを指す。本明細書において別段の記載がない限り、チオアルキル基は任意に置換され得る。
本明細書で使用される用語「置換された」は、上記の基(例えば、アルキル、アルキレン、アルケニル、アルケニレン、アルキニル、アルキニレン、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、チオアルキル、アリール、アラルキル、カルボシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N-ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N-ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニルなど)のいずれかを意味し、少なくとも1つの水素原子が非水素原子との結合によって置換されており、限定されないが、F、Cl、Br、およびIなどのハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、およびエステル基などの基における酸素原子、チオール基、チオアルキル基、スルホン基、スルホニル基、およびスルホキシド基などの基における硫黄原子、アミン、アミド、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N-オキシド、イミド、およびエナミンなどの基における窒素原子、トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、およびトリアリールシリル基などの基におけるケイ素原子、および様々な他の基における他のヘテロ原子が挙げられる。「置換された」はまた、1つ以上の水素原子が、オキソ、カルボニル、カルボキシル、およびエステル基における酸素、イミン、オキシム、ヒドラゾン、およびニトリルなどの基における窒素などのヘテロ原子と高次の結合(例えば、二重結合または三重結合)によって置換されている上記の基のいずれかを意味する。例えば、「置換された」は、1つ以上の水素原子が-NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)OR、-NRSO、-OC(=O)NR、-OR、-SR、-SOR、-SO、-OSO、-SOOR、=NSO、および-SONRによって置換されている上記の基のいずれかを含む。「置換された」はまた、1つ以上の水素原子が-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、-CHSO、-CHSONRによって置換されている上記の基のいずれかを意味する。前述において、RおよびRは、同一または異なり、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヘテロシクリル、N-ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N-ヘテロアリール、および/またはヘテロアリールアルキルである。「置換された」はさらに、1個以上の水素原子がアミノ、シアノ、ヒドロキシル、イミノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヘテロシクリル、N-ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N-ヘテロアリールおよび/またはヘテロアリールアルキル基との結合によって置換されている上記の基のいずれかを意味する。さらに、前述の置換基の各々はまた、任意に上記置換基のうちの1つ以上によって任意に置換され得る。
本明細書で使用されるとき、記号「
Figure 0007426941000002
」(以下、「付着結合点」と呼ぶことができる)は、2つの化学物質の間の付着点である結合を示し、そのうちの1つは付着結合点に付着しているように示され、他の1つは付着結合点に付着しているようには示されない。例えば、「
Figure 0007426941000003
」は、化学物質「A」が付着結合点を介して別の化学物質に結合されていることを示す。さらに、図示されていない化学物質との特定の付着点は、推論によって特定することができる。たとえば、化合物
Figure 0007426941000004
は、ここでXは「
Figure 0007426941000005
」であり、付着結合点は、Xがフッ素に対するオルト位置でフェニル環に結合していると示される結合であると推測される。
「非経口投与」および「非経口で投与される」という語句は、当該技術分野で認識されている用語であり、注射などの経腸および局所投与以外の投与方法が含まれ、静脈内、筋肉内、胸膜内、血管内、心膜内、動脈内、くも膜下腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、気管内、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内および胸骨内の注射および注入が含まれるが、これらに限定されない。
「治療する」という用語は、当該技術分野で認識されており、対象の疾患、障害または病態を阻害すること、例えば、その進行を妨げること、および、疾患、障害または病態を緩和すること、例えば、疾患、障害および/または病態の退行を引き起こすことを含む。疾患または病態の治療には、根底にある病態生理学が影響を受けていないとしても、特定の疾患または病態の少なくとも1つの症状を改善することが含まれる。
「予防する」という用語は、当該技術分野で認識されており、疾患、障害、および/または病態に罹患しやすい可能性があるが、それを有するとまだ診断されていない、疾患、障害、または病態が対象で起こるのを止めることを含む。疾患に関連する病態を予防することは、疾患が診断された後であるが病態が診断される前に、その病態の発生を止めることを含む。
主題の方法によって治療される「患者」、「対象」、または「宿主」は、哺乳動物、魚、鳥、爬虫類、または両生類などのヒトまたは非ヒト動物のいずれかを意味することがある。したがって、本明細書に開示される方法の対象は、ヒト、非ヒト霊長類、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ネコ、モルモットまたはげっ歯類であってもよい。この用語は、特定の年齢や性別を示すものではない。したがって、成人および新生児の対象、ならびに胎児は、男性または女性に関わらず、カバーされることが意図されている。一態様では、対象は哺乳動物である。患者は、疾患または障害に苦しんでいる対象を指す。
「予防的」または「治療的」治療という用語は当該技術分野で認識されており、1つ以上の対象組成物の宿主への投与を含む。それが望ましくない病態(例えば、宿主動物の疾患または他の望ましくない病態)の臨床症状の前に投与される場合、治療は予防的である、すなわちそれは望ましくない病態の発症から宿主を保護する。一方で、望ましくない病態の症状の後に投与される場合、治療は治療的である(すなわち、既存の望ましくない病態またはその副作用を軽減、改善、または安定させることを目的とする)。
「治療薬」、「薬物」、「薬剤」および「生物活性物質」という用語は、当該技術分野で認識されており、病気や病態を治療するために、患者または対象の局所的または全身的に作用する生物学的、生理学的、または薬理学的に活性な物質である分子および他の薬剤を含む。この用語には、その薬学的に許容される塩およびプロドラッグが含まれるがこれらに限定されない。このような薬剤は、酸性、塩基性、または塩であってもよく、それらは、中性分子、極性分子、または水素結合が可能な分子複合体であり得、それらは、患者または対象に投与されたときに生物学的に活性化されるエーテル、エステル、アミドなどの形態のプロドラッグであり得る。
「治療有効量」または「薬学的有効量」という句は、当該技術分野で認識されている用語である。特定の実施形態では、この用語は、任意の医学的治療に適用可能な合理的な利益/リスク比でいくつかの所望の効果をもたらす治療薬の量を指す。特定の実施形態では、この用語は、特定の治療レジメンの標的を排除、低減または維持するために必要なまたは十分な量を指す。有効量は、治療されている疾患または病態、投与されている特定の標的化構築体、対象のサイズ、または疾患または病態の重症度などの要因に応じて変動し得る。当業者は、過度の実験を必要とすることなく、特定の化合物の有効量を経験的に決定することができる。特定の実施形態では、インビボでの使用のための治療薬の治療的有効量はおそらく多くの要因に依存し、ポリマーの化学的および物理的特性に部分的に依存するポリマーマトリックスからの薬剤の放出速度、薬剤の独自性、投与の方式および方法、薬剤に加えてポリマーマトリックスに組み込まれる任意の他の材料が含まれる。
「ED50」という用語は当該技術分野で認められている。特定の実施形態では、ED50はその最大反応または効果の50%をもたらす薬剤の用量、あるいは、試験対象または調製物の50%で所定の反応をもたらす用量を意味する。「LD50」という用語は当該技術分野で認められている。特定の実施形態では、LD50は試験対象の50%に致死性である薬剤の用量を意味する。「治療指数」という用語は、LD50/ED50として定義される薬物の治療指数を指す当該技術分野で認識されている用語である。
用語「IC50」または「最大阻害濃度の半分」は、生物学的プロセス、またはタンパク質、サブユニット、オルガネラ、リボ核タンパク質などを含むプロセスの構成要素の50%阻害に必要な物質(例えば、化合物または薬剤)の濃度を指すことが意図されている。
「任意の」または「任意に」とは、後で説明する状況が発生する場合と発生しない場合があるため、説明には状況が発生する場合と発生しない場合が含まれることを意味する。例えば、「任意に置換された」という語句は、非水素置換基が所与の原子上に存在してもまたはしなくてもよいことを意味し、したがって、この記載は非水素置換基が存在する構造および非水素置換基が存在しない構造を含む。
本明細書全体を通じて、組成物が特定の構成要素を有する、含む、または含むと記載されている場合、組成物はまた、列挙された構成要素から本質的に構成されるか、または構成されることが企図される。同様に、方法またはプロセスが、特定のプロセス工程を有する、含む、または包含するものとして記載されている場合、プロセスはまた、列挙された処理工程から本質的に構成されるか、または構成される。さらに、本明細書に記載の組成物および方法が実施可能である限り、工程の順序または特定の操作を実行するための順序は重要ではないことを理解されたい。さらに、2つ以上の工程または操作を同時に実行することができる。
本明細書で使用されるすべてのパーセンテージおよび比率は、他に指示がない限り、重量による。
「遺伝子発現」または「タンパク質発現」という用語は、試料中に存在する遺伝子転写物またはタンパク質の量に関する任意の情報、ならびに遺伝子またはタンパク質が生成される、あるいは蓄積または分解されている割合に関する情報(例えば、レポーター遺伝子データ、核流出実験のデータ、パルス追跡データなど)を含む。特定の種類のデータは、遺伝子およびタンパク質発現の両方に関連するとみなされる得る。例えば、細胞におけるタンパク質レベルは、タンパク質のレベルならびに転写のレベルの反映であり、そのようなデータは「遺伝子またはタンパク質発現情報」という語句によって含まれることが意図されている。そのような情報は、単位のない測定において、細胞あたりの量、コントロール遺伝子またはタンパク質に対する量などの形態で与えられ得、「情報」という用語は、表現の任意の特定の手段に限定されるものではなく、関連情報を提供する任意の表現を意味することが意図されている。「発現レベル」という用語は、遺伝子またはタンパク質発現データに反映される、またはそれから導き出せる量を指し、データが遺伝子転写物蓄積またはタンパク質蓄積あるいはタンパク質合成率などに向けられているかに関わらない。
「健常な」および「正常な」という用語は、本明細書では互換的に使用され、(少なくとも検出の限界まで)疾患病態がない対象または特定の細胞または組織を指す。
「核酸」という用語は、デオキシリボ核酸(DNA)、および適切な場合にはリボ核酸(RNA)などのポリヌクレオチドを指す。本用語はまた、ヌクレオチドアナログから作製されるRNAまたはDNAのいずれかのアナログ、ならびに説明されている実施形態に適用可能な場合、一本鎖(センスまたはアンチセンスなど)および二本鎖ポリヌクレオチドを含むと理解されるべきである。いくつかの実施形態では、「核酸」は阻害性核酸を指す。阻害性核酸化合物のいくつかのカテゴリーには、アンチセンス核酸、RNAi構築体、および触媒性核酸構築体が含まれる。そのようなカテゴリーの核酸は、当該技術分野でよく知られている。
本明細書で説明される実施形態は、腎虚血再灌流傷害(IRI)または急性腎傷害(AKI)を予防、治療、またはその重症度を低減する組成物および方法に関する。虚血再灌流傷害前における対象への15-PGDH阻害剤の投与は、腎PGE2レベルを高め、腎血管拡張を誘発し、低酸素症に対する耐性を高めることができ、虚血性急性腎傷害に対する予防的および保護的効果をもたらすことが認められた。IRI前における15-PGDH阻害剤の投与は腎血行動態を改善し、酸化ストレスの誘発を減少し、炎症の誘発を低減し、腎傷害の多数のマーカーを低下し、腎機能を維持した。有利には、内因性腎PGE2を生成する15-PGDH阻害剤の対象への全身投与は、PGE1またはPGE2の全身投与よりも大きな有効性を示した。
したがって、いくつかの実施形態では、15-PDGH活性を阻害する組成物および方法を使用して、それを必要とする対象における虚血再灌流傷害または虚血再灌流傷害と関連する急性腎傷害を予防、治療、またはその重症度を低減することができる。
特定の実施形態では、対象は急性腎傷害ネットワーク(AKIN)基準またはリスク/傷害/不全/喪失/ESRD(RIFLE)基準に基づいてAKIを有するとして特定されている。
別の実施形態では、対象は健常なコントロール対象と比較して、血清クレアチニン、血漿クレアチニン、尿クレアチニン、または血中尿素窒素(BUN)の上昇したレベルを有するとして特定されている。
別の実施形態では、対象は健常なコントロール対象と比較して、血清または尿好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン、血清または尿インターロイキン-18、血清または尿シスタチンC、あるいは尿KIM-1の上昇したレベルを有するとして特定されている。
いくつかの実施形態では、急性腎傷害は虚血性急性腎傷害である。一実施形態では、対象は有効循環血液量が減少しているとして特定されているヒトである。一実施形態では、対象は血管内容量の減少(例えば、出血、胃腸損失、腎損失、皮膚および粘膜損失、ネフローゼ症候群、肝硬変、または毛細血管漏出に起因する)を有するとして特定されている。一実施形態では、対象は低下した心拍出量(例えば、心原性ショック、心膜疾患、うっ血性心不全、心臓弁膜症、肺疾患、または敗血症に起因する)を有するとして特定されている。一実施形態では、対象は全身性血管拡張(例えば、肝硬変、アナフィラキシー、または敗血症によって生じた)を有するとして特定されている。一実施形態では、対象は腎血管収縮(例えば、早期敗血症、肝腎症候群、急性高カルシウム血症、薬物、または放射線造影剤によって生じた)を有するとして特定されている。
いくつかの実施形態では、急性腎傷害は腎毒性急性腎傷害である。一実施形態では、ヒト対象は腎毒素に曝露されている。例えば、腎毒素は、抗生物質(例えば、アミノグリコシド)、化学療法剤(例えば、シスプラチナ)、カルシニューリン阻害剤、アンホテリシンB、および放射線造影剤からなる群から選択される腎毒性薬剤であり得る。別の例では、腎毒素は違法薬物または重金属であり得る。
特定の実施形態では、対象は外傷または挫傷を経験している。
特定の実施形態では、対象は臓器移植手術(例えば、腎臓移植手術または心臓移植手術)を受けることになっているか、または受けたことがある。
特定の実施形態では、対象は低灌流を伴う手術を受けることになっているか、または受けたことがある。
特定の実施形態では、対象は心臓胸部手術または血管手術を受けることになっているか、または受けたことがある。
特定の実施形態では、対象は膀胱の正常な排出を妨げる薬剤(例えば、抗コリン作用薬)を受けることになっているか、または受けたことがある。
特定の実施形態では、対象は良性前立腺肥大または癌(例えば、前立腺癌、卵巣癌、または結腸直腸癌)を有する。
特定の実施形態では、対象は腎臓結石を有する。
特定の実施形態では、対象は閉塞した尿道カテーテルを有する。
特定の実施形態では、対象は結晶尿を生じるまたはもたらす薬剤、ミオグロビン尿症を生じるまたはもたらす薬剤、あるいは膀胱炎を生じるまたはもたらす薬剤を服用したことがある。
本明細書で説明される他の実施形態は、対象における傷害から腎臓を保護するための方法に関する。本方法は、対象に15-PGDH阻害剤の有効量を投与して、対象の腎臓を傷害から保護することを含む。いくつかの実施形態では、対象は虚血性または腎毒性の損傷に曝されている、または曝されることになる。いくつかの実施形態では、ヒト対象は酸化的損傷(例えば、活性酸素または窒素種などのフリーラジカルによる)に曝されている。
なおさらなる実施形態は、ヒト対象の腎臓を移植の際に急性腎傷害から保護するための方法に関する。本方法は、対象に15-PGDH阻害剤の有効量を投与して、対象の腎臓を傷害から保護することを含む。特定の実施形態では、本方法はさらにヒト対象に15-PGDH阻害剤の1回以上の用量を臓器移植の前および/または後(例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、48、72、96、168時間、または1週間、2週間、3週間、または1か月)に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、腎虚血再灌流傷害(IRI)または急性腎傷害(AKI)を予防、治療、またはその重症度を低減するのに使用される可能性がある15-PGDH阻害剤は、推定的阻害剤化合物が15-PGDHを発現する細胞に適用されて、15-PGDH活性に対する機能的効果が決定されるアッセイを使用して特定することができる。可能性ある阻害剤によって処理された15-PGDHを含む試料またはアッセイは、阻害剤を伴わないコントロール試料を比較して効果の程度を試験する。コントロール試料(モジュレータで未処理)は、100%の相対的な15-PGDH活性値が割り当てられる。15-PGDHの阻害は、コントロールと比較して15-PGDH活性値が約80%、任意に50%または25%、10%、5%、もしくは1%であるときに達成される。
15-PGDH阻害剤として試験される薬剤は、任意の小さい化学分子または化合物であり得る。一般的に、試験化合物は小さい化学分子、天然産物、またはペプチドである。アッセイは、アッセイステップを自動化し、任意の都合の良い供給源から化合物をアッセイに用意することによって、大規模な化学ライブラリーをスクリーニングするように設計され、一般的には並行して実施される(例えば、ロボットアッセイにおけるマイクロタイタープレートでのマイクロタイターフォーマットにおいて)。
いくつかの実施形態では、15-PGDH阻害剤は、以下の式(I)を有する化合物を含むことができ、
Figure 0007426941000006
式中、nは0~2であり、
、Y、およびRは同一または異なり、各々、水素、置換または非置換のC~C24アルキル、C~C24アルケニル、C~C24アルキニル、C~C20アリール、5~6個の環原子を含むヘテロシクロアルケニル(環原子のうちの1~3個は独立してN、NH、N(C~Cアルキル)、NC(O)(C~Cアルキル)、O、およびSから選択される)、5~14の環原子を含むヘテロアリールまたはヘテロシクリル(環原子のうちの1~6個は独立して、N、NH、N(C~Cアルキル)、O、およびSから選択される)、C~C24アルカリル、C~C24アラルキル、ハロ、シリル、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C~C24アルコキシ、C~C24アルケニルオキシ、C~C24アルキニルオキシ、C~C20アリールオキシ、アシル(C~C24アルキルカルボニル(-CO-アルキル)およびC~C20アリールカルボニル(-CO-アリール)を含む)、アシルオキシ(-O-アシル)、C~C24アルコキシカルボニル(-(CO)-O-アルキル)、C~C20アリールオキシカルボニル(-(CO)-O-アリール)、C~C24アルキルカルボナト(-O-(CO)-O-アルキル)、C~C20アリールカルボナト(-O-(CO)-O-アリール)、カルボキシ(-COOH)、カルボキシラト(-COO)、カルバモイル(-(CO)-NH)、C~C24アルキル-カルバモイル(-(CO)-NH(C~C24アルキル))、アリールカルバモイル(-(CO)-NH-アリール)、チオカルバモイル(-(CS)-NH)、カルバミド(-NH-(CO)-NH)、シアノ(-CN)、イソシアノ(-N)、シアナト(-O-CN)、イソシアナト(-O-N=C)、イソチオシアナト(-S-CN)、アジド(-N=N=N)、ホルミル(-(CO)-H)、チオホルミル(-(CS)-H)、アミノ(-NH)、C~C24アルキルアミノ、ヒドロキシルによって置換されたC~C24アルキルアミノ、C~C20アリールアミノ、C~C24アルキルアミド(-NH-(CO)-アルキル)、C~C20アリールアミド(-NH-(CO)-アリール)、スルファナミド(-SON(R)でRは独立してH、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである)、イミノ(-CR=NHでRは水素、C~C24アルキル、C~C20アリール、C~C24アルカリール、C~C24アラルキルなどである)、アルキルイミノ(-CR=N(アルキル)でR=水素、アルキル、アリール、アルカリール、アラルキルなど)、アリールイミノ(-CR=N(アリール)でR=水素、アルキル、アリール、アルカリールなど)、ニトロ(-NO)、ニトロソ(-NO)、スルホ(-SO-OH)、スルホナト(-SO-O)、C~C24アルキルスルファニル(-S-アルキル、「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(-S-アリール、「アリールチオ」とも呼ばれる)、C~C24アルキルスルフィニル(-(SO)-アルキル)、C~C20アリールスルフィニル(-(SO)-アリール)、C~C24アルキルスルホニル(-SO-アルキル)、C~C20アリールスルホニル(-SO-アリール)、スルホンアミド(-SO-NH2、-SONY(Yは独立してH、アリール、またはアルキルである)、ホスホノ(-P(O)(OH))、ホスホナト(-P(O)(O)、ホスフィナト(-P(O)(O))、ホスホ(-PO)、ホスフィノ(-PH)、ポリアルキルエーテル(-[(CHO])、リン酸塩、リン酸エステル[-OP(O)(OR)でR=H、メチル、または他のアルキル]、生理的pHで正または負の電荷を有すると予想されるアミノ酸または他の部分を組み込んだ基、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、
とYが結合して単環式または多環式環を形成し得、環は置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換シクロアルキル、および置換または非置換ヘテロシクリルであり、
はN、C-R、またはC-NRであり、RはH、低級アルキル基、O、(CHn1OR’(n1=1、2、または3)、CF、CH-CHX、
O-CH-CHX、CH-CH-CHX、O-CH-CHX、X、(X=H、F、Cl、Br、またはI)、CN、(C=O)-R’、(C=O)N(R’)、O(CO)R’、COOR’(R’はHまたは低級アルキル基)からなる群から選択され、RとRは結合して単環式または多環式環を形成し得、RおよびRは同一または異なり、各々H、低級アルキル基、O、(CHn1OR’(n1=1、2、または3)、CF、CH-CHX、CH-CH-CHX、(X=H、F、Cl、Br、またはI)、CN、(C=O)-R’、(C=O)N(R’)、COOR’(R’はHまたは低級アルキル基)からなる群から選択され、RまたはRは不在であり得、
およびXは独立してNまたはCであり、Xおよび/またはXがNであるとき、Yおよび/またはYはそれぞれ存在せず、
はO、S、CRまたはNRであり、RおよびRは独立してHまたはC1~8アルキルであり、直鎖、分岐、または環状であり、非置換または置換であり、
あるいはその薬学的に許容される塩、互変異性体、または溶媒和物である。
他の実施形態では、15-PGDH阻害剤は、以下の式(II)を有する化合物を含むことができ、
Figure 0007426941000007
式中、nは0~2であり、
、X、X、およびXは独立してNまたはCRであり、
、R、R、およびRは独立して、水素、置換または非置換C1~24アルキル、C~C24アルケニル、C~C24アルキニル、C~C20アリール、5~6個の環原子を含むヘテロシクロアルケニル(環原子のうちの1~3個は独立してN、NH、N(C~Cアルキル)、NC(O)(C~Cアルキル)、O、およびSから選択される)、5~14の環原子を含むヘテロアリールまたはヘテロシクリル(環原子のうちの1~6個は独立して、N、NH、N(C~Cアルキル)、O、およびSから選択される)、C~C24アルカリル、C~C24アラルキル、ハロ、シリル、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C~C24アルコキシ、C~C24アルケニルオキシ、C~C24アルキニルオキシ、C~C20アリールオキシ、アシル(C~C24アルキルカルボニル(-CO-アルキル)およびC~C20アリールカルボニル(-CO-アリール)を含む)、アシルオキシ(-O-アシル)、C~C24アルコキシカルボニル(-(CO)-O-アルキル)、C~C20アリールオキシカルボニル(-(CO)-O-アリール)、C~C24アルキルカルボナト(-O-(CO)-O-アルキル)、C~C20アリールカルボナト(-O-(CO)-O-アリール)、カルボキシ(-COOH)、カルボキシラト(-COO)、カルバモイル(-(CO)-NH)、C~C24アルキル-カルバモイル(-(CO)-NH(C~C24アルキル))、アリールカルバモイル(-(CO)-NH-アリール)、チオカルバモイル(-(CS)-NH)、カルバミド(-NH-(CO)-NH)、シアノ(-CN)、イソシアノ(-N)、シアナト(-O-CN)、イソシアナト(-O-N=C)、イソチオシアナト(-S-CN)、アジド(-N=N=N)、ホルミル(-(CO)-H)、チオホルミル(-(CS)-H)、アミノ(-NH)、C~C24アルキルアミノ、ヒドロキシルによって置換されたC~C24アルキルアミノ、C~C20アリールアミノ、C~C24アルキルアミド(-NH-(CO)-アルキル)、C~C20アリールアミド(-NH-(CO)-アリール)、スルファナミド(-SON(R)でRは独立してH、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである)、イミノ(-CR=NHでRは水素、C~C24アルキル、C~C20アリール、C~C24アルカリール、C~C24アラルキルなどである)、アルキルイミノ(-CR=N(アルキル)でR=水素、アルキル、アリール、アルカリール、アラルキルなど)、アリールイミノ(-CR=N(アリール)でR=水素、アルキル、アリール、アルカリールなど)、ニトロ(-NO)、ニトロソ(-NO)、スルホ(-SO-OH)、スルホナト(-SO-O)、C~C24アルキルスルファニル(-S-アルキル、「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(-S-アリール、「アリールチオ」とも呼ばれる)、C~C24アルキルスルフィニル(-(SO)-アルキル)、C~C20アリールスルフィニル(-(SO)-アリール)、C~C24アルキルスルホニル(-SO-アルキル)、C~C20アリールスルホニル(-SO-アリール)、スルホンアミド(-SO-NH2、-SONY(Yは独立してH、アリール、またはアルキルである)、ホスホノ(-P(O)(OH))、ホスホナト(-P(O)(O)、ホスフィナト(-P(O)(O))、ホスホ(-PO)、ホスフィノ(-PH)、ポリアルキルエーテル(-[(CHO])、リン酸塩、リン酸エステル[-OP(O)(OR)でR=H、メチル、または他のアルキル]、生理的pHで正または負の電荷を有すると予想されるアミノ酸または他の部分を組み込んだ基、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、RとRが結合して単環式または多環式環を形成し得、環は置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換シクロアルキル、および置換または非置換ヘテロシクリルであり、
はN、C-R、またはC-NRであり、RはH、低級アルキル基、O、(CHn1OR’(n1=1、2、または3)、CF、CH-CHX、O-CH-CHX、CH-CH-CHX、O-CH-CHX、X、(X=H、F、Cl、Br、またはI)、CN、(C=O)-R’、(C=O)N(R’)、O(CO)R’、COOR’(R’はHまたは低級アルキル基)からなる群から選択され、RとRは結合して単環式または多環式環を形成し得、RおよびRは同一または異なり、各々H、低級アルキル基、O、(CHn1OR’(n1=1、2、または3)、CF、CH-CHX、CH-CH-CHX、(X=H、F、Cl、Br、またはI)、CN、(C=O)-R’、(C=O)N(R’)、COOR’(R’はHまたは低級アルキル基)からなる群から選択され、RまたはRは不在であり得、
はO、S、CRまたはNRであり、RおよびRは独立してHまたはC1~8アルキルであり、直鎖、分岐、または環状であり、非置換または置換であり、
あるいはその薬学的に許容される塩、互変異性体、または溶媒和物である。
さらに他の実施形態では、15-PGDH阻害剤は以下の式(III)または(IV)を有する化合物を含むことができ、
Figure 0007426941000008
式中、nは0~2であり、
は独立してNまたはCRであり、
各R、R、R、およびRは独立して、水素、置換または非置換のC1~24アルキル、C~C24アルケニル、C~C24アルキニル、C~C20アリール、5~6個の環原子を含むヘテロシクロアルケニル(環原子のうちの1~3個は独立してN、NH、N(C~Cアルキル)、NC(O)(C~Cアルキル)、O、およびSから選択される)、5~14の環原子を含むヘテロアリールまたはヘテロシクリル(環原子のうちの1~6個は独立して、N、NH、N(C~Cアルキル)、O、およびSから選択される)、C~C24アルカリル、C~C24アラルキル、ハロ、シリル、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C~C24アルコキシ、C~C24アルケニルオキシ、C~C24アルキニルオキシ、C~C20アリールオキシ、アシル(C~C24アルキルカルボニル(-CO-アルキル)およびC~C20アリールカルボニル(-CO-アリール)を含む)、アシルオキシ(-O-アシル)、C~C24アルコキシカルボニル(-(CO)-O-アルキル)、C~C20アリールオキシカルボニル(-(CO)-O-アリール)、C~C24アルキルカルボナト(-O-(CO)-O-アルキル)、C~C20アリールカルボナト(-O-(CO)-O-アリール)、カルボキシ(-COOH)、カルボキシラト(-COO)、カルバモイル(-(CO)-NH)、C~C24アルキル-カルバモイル(-(CO)-NH(C~C24アルキル))、アリールカルバモイル(-(CO)-NH-アリール)、チオカルバモイル(-(CS)-NH)、カルバミド(-NH-(CO)-NH)、シアノ(-CN)、イソシアノ(-N)、シアナト(-O-CN)、イソシアナト(-O-N=C)、イソチオシアナト(-S-CN)、アジド(-N=N=N)、ホルミル(-(CO)-H)、チオホルミル(-(CS)-H)、アミノ(-NH)、C~C24アルキルアミノ、ヒドロキシルによって置換されたC~C24アルキルアミノ、C~C20アリールアミノ、C~C24アルキルアミド(-NH-(CO)-アルキル)、C~C20アリールアミド(-NH-(CO)-アリール)、スルファナミド(-SON(R)でRは独立してH、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである)、イミノ(-CR=NHでRは水素、C~C24アルキル、C~C20アリール、C~C24アルカリール、C~C24アラルキルなどである)、アルキルイミノ(-CR=N(アルキル)でR=水素、アルキル、アリール、アルカリール、アラルキルなど)、アリールイミノ(-CR=N(アリール)でR=水素、アルキル、アリール、アルカリールなど)、ニトロ(-NO)、ニトロソ(-NO)、スルホ(-SO-OH)、スルホナト(-SO-O)、C~C24アルキルスルファニル(-S-アルキル、「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(-S-アリール、「アリールチオ」とも呼ばれる)、C~C24アルキルスルフィニル(-(SO)-アルキル)、C~C20アリールスルフィニル(-(SO)-アリール)、C~C24アルキルスルホニル(-SO-アルキル)、C~C20アリールスルホニル(-SO-アリール)、スルホンアミド(-SO-NH2、-SONY(Yは独立してH、アリール、またはアルキルである)、ホスホノ(-P(O)(OH))、ホスホナト(-P(O)(O)、ホスフィナト(-P(O)(O))、ホスホ(-PO)、ホスフィノ(-PH)、ポリアルキルエーテル(-[(CHO])、リン酸塩、リン酸エステル[-OP(O)(OR)でR=H、メチル、または他のアルキル]、生理的pHで正または負の電荷を有すると予想されるアミノ酸または他の部分を組み込んだ基、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、RとRが結合して単環式または多環式環を形成し得、環は置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換シクロアルキル、および置換または非置換ヘテロシクリルであり、
はN、C-R、またはC-NRであり、RはH、低級アルキル基、O、(CHn1OR’(n1=1、2、または3)、CF、CH-CHX、O-CH-CHX、CH-CH-CHX、O-CH-CHX、X、(X=H、F、Cl、Br、またはI)、CN、(C=O)-R’、(C=O)N(R’)、O(CO)R’、COOR’(R’はHまたは低級アルキル基)からなる群から選択され、RとRは結合して単環式または多環式環を形成し得、RおよびRは同一または異なり、各々H、低級アルキル基、O、(CHn1OR’(n1=1、2、または3)、CF、CH-CHX、CH-CH-CHX、(X=H、F、Cl、Br、またはI)、CN、(C=O)-R’、(C=O)N(R’)、COOR’(R’はHまたは低級アルキル基)からなる群から選択され、RまたはRは不在であり得、
はO、S、CRまたはNRであり、RおよびRは独立してHまたはC1~8アルキルであり、直鎖、分岐、または環状であり、非置換または置換であり、
あるいはその薬学的に許容される塩、互変異性体、または溶媒和物である。
いくつかの実施形態では、Rは、分岐、直鎖、または環状アルキルからなる群から選択され、
Figure 0007426941000009
=0~6であり、XはCF(y+z=3)、CCl(y+z=3)、OH、OAc、OMe、R71、OR72、CN、N(R73
Figure 0007426941000010
(n=0~5、m=1~5)、および
Figure 0007426941000011
(n=0~5)のいずれかである。
他の実施形態では、RおよびRは、各々独立して以下のうちの1つであり得、
Figure 0007426941000012
各 R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、R61、R62、R63、R64、R65、R66、R67、R68、R69、R70、R71、R72、R73、およびR74は同一または異なり、独立して、水素、置換または非置換のC~C24アルキル、C~C24アルケニル、C~C24アルキニル、C~C20アリール、5~6個の環原子を含むヘテロシクロアルケニル(環原子のうちの1~3個は独立してN、NH、N(C~Cアルキル)、NC(O)(C~Cアルキル)、O、およびSから選択される)、5~14の環原子を含むヘテロアリールまたはヘテロシクリル(環原子のうちの1~6個は独立して、N、NH、N(C~Cアルキル)、O、およびSから選択される)、C~C24アルカリル、C~C24アラルキル、ハロ、シリル、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C~C24アルコキシ、C~C24アルケニルオキシ、C~C24アルキニルオキシ、C~C20アリールオキシ、アシル(C~C24アルキルカルボニル(-CO-アルキル)およびC~C20アリールカルボニル(-CO-アリール)を含む)、アシルオキシ(-O-アシル)、C~C24アルコキシカルボニル(-(CO)-O-アルキル)、C~C20アリールオキシカルボニル(-(CO)-O-アリール)、C~C24アルキルカルボナト(-O-(CO)-O-アルキル)、C~C20アリールカルボナト(-O-(CO)-O-アリール)、カルボキシ(-COOH)、カルボキシラト(-COO)、カルバモイル(-(CO)-NH)、C~C24アルキル-カルバモイル(-(CO)-NH(C~C24アルキル))、アリールカルバモイル(-(CO)-NH-アリール)、チオカルバモイル(-(CS)-NH)、カルバミド(-NH-(CO)-NH)、シアノ(-CN)、イソシアノ(-N)、シアナト(-O-CN)、イソシアナト(-O-N=C)、イソチオシアナト(-S-CN)、アジド(-N=N=N)、ホルミル(-(CO)-H)、チオホルミル(-(CS)-H)、アミノ(-NH)、C~C24アルキルアミノ、ヒドロキシルによって置換されたC~C24アルキルアミノ、C~C20アリールアミノ、C~C24アルキルアミド(-NH-(CO)-アルキル)、C~C20アリールアミド(-NH-(CO)-アリール)、スルファナミド(-SON(R)でRは独立してH、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである)、イミノ(-CR=NHでRは水素、C~C24アルキル、C~C20アリール、C~C24アルカリール、C~C24アラルキルなどである)、アルキルイミノ(-CR=N(アルキル)でR=水素、アルキル、アリール、アルカリール、アラルキルなど)、アリールイミノ(-CR=N(アリール)でR=水素、アルキル、アリール、アルカリールなど)、ニトロ(-NO)、ニトロソ(-NO)、スルホ(-SO-OH)、スルホナト(-SO-O-)、C~C24アルキルスルファニル(-S-アルキル、「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(-S-アリール、「アリールチオ」とも呼ばれる)、C~C24アルキルスルフィニル(-(SO)-アルキル)、C~C20アリールスルフィニル(-(SO)-アリール)、C~C24アルキルスルホニル(-SO-アルキル)、C~C20アリールスルホニル(-SO-アリール)、スルホンアミド(-SO-NH、-SONY(Yは独立してH、アリール、またはアルキルである)、ホスホノ(-P(O)(OH))、ホスホナト(-P(O)(O-))、ホスフィナト(-P(O)(O-))、ホスホ(-PO)、ホスフィノ(-PH)、ポリアルキルエーテル(-[(CHO])、リン酸塩、リン酸エステル[-OP(O)(OR)でR=H、メチル、または他のアルキル]、生理的pHで正または負の電荷を有すると予想されるアミノ酸または他の部分を組み込んだ基、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、あるいはその薬学的に許容される塩、互変異性体、または溶媒和物である。
さらに他の実施形態では、RおよびRは、独立して、水溶性を改善する基、例えば、リン酸エステル(-OPO)、リン酸エステルに結合したフェニル環(-OPO)、1つ以上のメトキシエトキシ基で置換されたフェニル環、またはモルホリン、あるいはそのような基で置換されたアリールまたはヘテロアリール環であることができる。
他の実施形態では、15-PGDH阻害剤は、以下の式(V)を有する化合物を含むことができ、
Figure 0007426941000013
式中、nは0~2であり、
は独立してNまたはCRであり、
各R、R、R、およびRは各々独立して、水素、置換または非置換のC1~24アルキル、C~C24アルケニル、C~C24アルキニル、C~C20アリール、5~6個の環原子を含むヘテロシクロアルケニル(環原子のうちの1~3個は独立してN、NH、N(C~Cアルキル)、NC(O)(C~Cアルキル)、O、およびSから選択される)、5~14の環原子を含むヘテロアリールまたはヘテロシクリル(環原子のうちの1~6個は独立して、N、NH、N(C~Cアルキル)、O、およびSから選択される)、C~C24アルカリル、C~C24アラルキル、ハロ、シリル、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C~C24アルコキシ、C~C24アルケニルオキシ、C~C24アルキニルオキシ、C~C20アリールオキシ、アシル(C~C24アルキルカルボニル(-CO-アルキル)およびC~C20アリールカルボニル(-CO-アリール)を含む)、アシルオキシ(-O-アシル)、C~C24アルコキシカルボニル(-(CO)-O-アルキル)、C~C20アリールオキシカルボニル(-(CO)-O-アリール)、C~C24アルキルカルボナト(-O-(CO)-O-アルキル)、C~C20アリールカルボナト(-O-(CO)-O-アリール)、カルボキシ(-COOH)、カルボキシラト(-COO)、カルバモイル(-(CO)-NH)、C~C24アルキル-カルバモイル(-(CO)-NH(C~C24アルキル))、アリールカルバモイル(-(CO)-NH-アリール)、チオカルバモイル(-(CS)-NH)、カルバミド(-NH-(CO)-NH)、シアノ(-CN)、イソシアノ(-N)、シアナト(-O-CN)、イソシアナト(-O-N=C)、イソチオシアナト(-S-CN)、アジド(-N=N=N)、ホルミル(-(CO)-H)、チオホルミル(-(CS)-H)、アミノ(-NH)、C~C24アルキルアミノ、ヒドロキシルによって置換されたC~C24アルキルアミノ、C~C20アリールアミノ、C~C24アルキルアミド(-NH-(CO)-アルキル)、C~C20アリールアミド(-NH-(CO)-アリール)、スルファナミド(-SON(R)でRは独立してH、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである)、イミノ(-CR=NHでRは水素、C~C24アルキル、C~C20アリール、C~C24アルカリール、C~C24アラルキルなどである)、アルキルイミノ(-CR=N(アルキル)でR=水素、アルキル、アリール、アルカリール、アラルキルなど)、アリールイミノ(-CR=N(アリール)でR=水素、アルキル、アリール、アルカリールなど)、ニトロ(-NO)、ニトロソ(-NO)、スルホ(-SO-OH)、スルホナト(-SO-O)、C~C24アルキルスルファニル(-S-アルキル、「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(-S-アリール、「アリールチオ」とも呼ばれる)、C~C24アルキルスルフィニル(-(SO)-アルキル)、C~C20アリールスルフィニル(-(SO)-アリール)、C~C24アルキルスルホニル(-SO-アルキル)、C~C20アリールスルホニル(-SO-アリール)、スルホンアミド(-SO-NH2、-SONY(Yは独立してH、アリール、またはアルキルである)、ホスホノ(-P(O)(OH))、ホスホナト(-P(O)(O)、ホスフィナト(-P(O)(O))、ホスホ(-PO)、ホスフィノ(-PH)、ポリアルキルエーテル(-[(CHO])、リン酸塩、リン酸エステル[-OP(O)(OR)でR=H、メチル、または他のアルキル]、生理的pHで正または負の電荷を有すると予想されるアミノ酸または他の部分を組み込んだ基、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、RとRが結合して単環式または多環式環を形成し得、環は置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換シクロアルキル、および置換または非置換ヘテロシクリルであり、
はN、C-R、またはC-NRであり、RはH、低級アルキル基、O、(CHn1OR’(n1=1、2、または3)、CF、CH-CHX、O-CH-CHX、CH-CH-CHX、O-CH-CHX、X、(X=H、F、Cl、Br、またはI)、CN、(C=O)-R’、(C=O)N(R’)、O(CO)R’、COOR’(R’はHまたは低級アルキル基)からなる群から選択され、RとRは結合して単環式または多環式環を形成し得、RおよびRは同一または異なり、各々H、低級アルキル基、O、(CHn1OR’(n1=1、2、または3)、CF、CH-CHX、CH-CH-CHX、(X=H、F、Cl、Br、またはI)、CN、(C=O)-R’、(C=O)N(R’)、COOR’(R’はHまたは低級アルキル基)からなる群から選択され、RまたはRは不在であり得、
ならびにその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、Rは、分岐、直鎖、または環状アルキルからなる群から選択され、
Figure 0007426941000014
、n=0~6であり、XはCF(y+z=3)、CCl(y+z=3)、OH、OAc、OMe、R71、または72、CN、N(R73
Figure 0007426941000015
(n=0~5、m=1~5)、および
Figure 0007426941000016
(n=0~5)のいずれかである。
他の実施形態では、RおよびRは、各々独立して、以下のうちの1つであり得、
Figure 0007426941000017
各R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、R61、R62、R63、R64、R65、R66、R67、R68、R69、R70、R71、R72、R73、およびR74は同一または異なり、独立して、水素、置換または非置換C~C24アルキル、C~C24アルケニル、C~C24アルキニル、C~C20アリール、5~6個の環原子を含むヘテロシクロアルケニル(環原子のうちの1~3個は独立してN、NH、N(C~Cアルキル)、NC(O)(C~Cアルキル)、O、およびSから選択される)、5~14の環原子を含むヘテロアリールまたはヘテロシクリル(環原子のうちの1~6個は独立して、N、NH、N(C~Cアルキル)、O、およびSから選択される)、C~C24アルカリル、C~C24アラルキル、ハロ、シリル、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C~C24アルコキシ、C~C24アルケニルオキシ、C~C24アルキニルオキシ、C~C20アリールオキシ、アシル(C~C24アルキルカルボニル(-CO-アルキル)およびC~C20アリールカルボニル(-CO-アリール)を含む)、アシルオキシ(-O-アシル)、C~C24アルコキシカルボニル(-(CO)-O-アルキル)、C~C20アリールオキシカルボニル(-(CO)-O-アリール)、C~C24アルキルカルボナト(-O-(CO)-O-アルキル)、C~C20アリールカルボナト(-O-(CO)-O-アリール)、カルボキシ(-COOH)、カルボキシラト(-COO)、カルバモイル(-(CO)-NH)、C~C24アルキル-カルバモイル(-(CO)-NH(C~C24アルキル))、アリールカルバモイル(-(CO)-NH-アリール)、チオカルバモイル(-(CS)-NH)、カルバミド(-NH-(CO)-NH)、シアノ(-CN)、イソシアノ(-N)、シアナト(-O-CN)、イソシアナト(-O-N=C)、イソチオシアナト(-S-CN)、アジド(-N=N=N)、ホルミル(-(CO)-H)、チオホルミル(-(CS)-H)、アミノ(-NH)、C~C24アルキルアミノ、ヒドロキシルによって置換されたC~C24アルキルアミノ、C~C20アリールアミノ、C~C24アルキルアミド(-NH-(CO)-アルキル)、C~C20アリールアミド(-NH-(CO)-アリール)、スルファナミド(-SON(R)でRは独立してH、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである)、イミノ(-CR=NHでRは水素、C~C24アルキル、C~C20アリール、C~C24アルカリール、C~C24アラルキルなどである)、アルキルイミノ(-CR=N(アルキル)でR=水素、アルキル、アリール、アルカリール、アラルキルなど)、アリールイミノ(-CR=N(アリール)でR=水素、アルキル、アリール、アルカリールなど)、ニトロ(-NO)、ニトロソ(-NO)、スルホ(-SO-OH)、スルホナト(-SO-O)、C~C24アルキルスルファニル(-S-アルキル、「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(-S-アリール、「アリールチオ」とも呼ばれる)、C~C24アルキルスルフィニル(-(SO)-アルキル)、C~C20アリールスルフィニル(-(SO)-アリール)、C~C24アルキルスルホニル(-SO-アルキル)、C~C20アリールスルホニル(-SO-アリール)、スルホンアミド(-SO-NH、-SONY(Yは独立してH、アリール、またはアルキルである)、ホスホノ(-P(O)(OH))、ホスホナト(-P(O)(O-))、ホスフィナト(-P(O)(O))、ホスホ(-PO)、ホスフィノ(-PH)、ポリアルキルエーテル(-[(CHO])、リン酸塩、リン酸エステル[-OP(O)(OR)でR=H、メチル、または他のアルキル]、生理的pHで正または負の電荷を有すると予想されるアミノ酸または他の部分を組み込んだ基、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、あるいはその薬学的に許容される塩、互変異性体、または溶媒和物である。
さらに他の実施形態では、RおよびRは独立して、水溶性を改善する基、例えば、リン酸エステル(-OPO)、リン酸エステルに結合したフェニル環(-OPO)、1つ以上のメトキシエトキシ基で置換されたフェニル環、またはモルホリン、あるいはそのような基で置換されたアリールまたはヘテロアリール環であることができる。
式(I)、(II)、(III)、(IV)、および(V)を有する化合物の例は、米国特許出願公開第2015/0072998号、同第2017/0165241号、同第2017/0173028号、同第2018/0118756号、およびWO2018/218251に記載されるものから選択され、これらのすべては参照によってそれらの全体が組み込まれる。
特定の実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、および(V)を有する15-PGDH阻害剤は、ia)2.5μMの濃度で、15-PGDHルシフェラーゼ融合構築体を発現するVaco503レポーター細胞株を、70を超えるルシフェラーゼ出力レベルまで刺激することができる(100の値がベースラインを超えたレポーター出力の倍増を示すスケールを使用)、iia)2.5μM濃度で、15-PGDHルシフェラーゼ融合構築体を発現するV9mレポーター細胞株を、75を超えるルシフェラーゼ出力レベルまで刺激することができる、iiia)7.5μM濃度で、15-PGDHルシフェラーゼ融合構築体を発現するLS174Tレポーター細胞株を、70を超えるルシフェラーゼ出力レベルまで刺激することができる、およびiva)7.5μM濃度で、TK-レニラルシフェラーゼレポーターを発現する陰性コントロールV9m細胞株を、20を超えるレベルに活性化しない、およびva)組換え15-PGDHタンパク質の酵素活性を1μM未満のIC50で阻害することから選択することができる。
他の実施形態では、15-PGDH阻害剤は、ib)2.5μM濃度で、15-PGDHルシフェラーゼ融合構築体を発現するVaco503レポーター細胞株を刺激して、ルシフェラーゼ出力を増加させることができる、iib)2.5μMの濃度で、15-PGDHルシフェラーゼ融合構築体を発現するV9mレポーター細胞株を刺激して、ルシフェラーゼ出力を増加させることができる、iiib)7.5μM濃度で、15-PGDHルシフェラーゼ融合構築体を発現するLS174Tレポーター細胞株を刺激して、ルシフェラーゼ出力を増加させることができる、ivb)7.5μM濃度で、TK-レニラルシフェラーゼレポーターを発現する陰性コントロールV9m細胞株を、バックグラウンドを20%超えるルシフェラーゼレベルまで活性化しない、およびvb)組換え15-PGDHタンパク質の酵素活性を1μM未満のIC50で阻害する。
他の実施形態では、15-PGDH阻害剤は組換え15-PGDHの酵素活性を約5nM~約10nMの組換え15-PGDH濃度において、1μM未満のIC50で、または好ましくは250nM未満のIC50で、またはより好ましくは50nM未満のIC50で、またはより好ましくは10nM未満のIC50で、またはより好ましくは5nM未満のIC50で阻害することができる。
いくつかの実施形態では、15-PGDH阻害剤は対象の組織または血液に、短鎖デヒドロゲナーゼ酵素の活性を阻害するのに有効な量で投与することができる。15-PGDH阻害剤は対象の組織または血液に、組織または血液中のプロスタグランジンレベルを増加させるのに有効な量で投与することができる。
いくつかの実施形態では、式(V)を有する15-PGDH阻害剤は、以下の式(VI)を有する化合物を含むことができ、
Figure 0007426941000018

またはその薬学的に許容される塩、互変異性体、もしくは溶媒和物である。
効果的には、式(VI)を有する15-PDGH阻害剤(SW033291)は、i)組換え15-PGDHを1nM濃度で阻害する、ii)細胞株における15-PGDHを100nM濃度で阻害する、iii)細胞株によるPGE産生を増加させる、iv)幅広いpH範囲にわたって水溶液中で化学的に安定している、v)肝細胞抽出物とインキュベートしたとき化学的に安定している、vi)肝細胞株とインキュベートしたとき化学的に安定している、vii)マウスに腹腔内注入したとき、253分の血漿半減期を示す、かつviii)マウスに0.6μmole/マウスおよび1.2μmole/マウスで腹腔内注入したとき24時間にわたって即時毒性はなく、マウスに0.3μmole/マウスを毎日2回21日間腹腔内注入したときも毒性がないことを示すことが認められた。
他の実施形態では、式(VI)を有する15-PGDH阻害剤は、以下の式(VIa)を有する化合物を含むことができ、
Figure 0007426941000019
またはその薬学的に許容される塩、互変異性体、もしくは溶媒和物である。
さらに他の実施形態では、式(VI)を有する15-PGDH阻害剤は、以下の式(VIb)を有する化合物を含むことができ、
Figure 0007426941000020

またはその薬学的に許容される塩、互変異性体、もしくは溶媒和物である。
他の実施形態では、15-PDHG阻害剤は式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(+)または(-)光学異性体を含むことができる。さらに他の実施形態では、15-PDHG阻害剤は式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(+)または(-)光学異性体の少なくとも1つの混合物を含むことができる。例えば、15-PGDH阻害剤は、式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(-)光学異性体の約50重量%未満および式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(+)光学異性体の約50重量%超の混合物、式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(-)光学異性体の約25重量%未満および式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(+)光学異性体の約75重量%超の混合物、式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(-)光学異性体の約10重量%未満および式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(+)光学異性体の約90重量%超の混合物、式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(-)光学異性体の約1重量%未満および式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(+)光学異性体の約99重量%超の混合物、式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(-)光学異性体の約50重量%超および式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(+)光学異性体の約50重量%未満の混合、式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(-)光学異性体の約75重量%超および式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(+)光学異性体の約25重量%未満の混合物、式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(-)光学異性体の約90重量%超および式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(+)光学異性体の約10重量%未満の混合物、または式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(-)光学異性体の約99重量%超および式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(+)光学異性体の約1重量%未満の混合物を含むことができる。
なおさらなる実施形態では、15-PDGH阻害剤は、式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(+)光学異性体から本質的になる、またはそれからなることができる。さらに別の実施形態では、PDGH阻害剤は、式(VI)を有する15-PGDH阻害剤の(-)光学異性体から本質的になる、またはそれからなることができる。
他の実施形態では、式(V)を有する15-PGDH阻害剤は、以下の式(VII)を有する化合物を含むことができ、
Figure 0007426941000021

およびその薬学的に許容される塩である。
効果的には、式(VII)を有する15-PDGH阻害剤は、i)組換え15-PGDHを3nM濃度で阻害する、ii)細胞株によるPGE産生を20nMで増加させる、iii)幅広いpH範囲にわたって水溶液中で化学的に安定している、iv)マウス、ラット、およびヒトの肝臓抽出物とインキュベートしたとき、化学的に安定している、v)マウスに腹腔内注入したとき、33分の血漿半減期を示す、viii)50mg/kg体重でマウスに腹腔内注入したとき、24時間にわたって即時毒性を示さない、およびix)水(pH=3)に1mg/mLで溶解性であることが認められた。
他の実施形態では、式(VII)を有する15-PGDH阻害剤は、以下の式(VIIa)を有する化合物を含むことができ、
Figure 0007426941000022

およびその薬学的に許容される塩である。
さらに他の実施形態では、式(VII)を有する15-PGDH阻害剤は、以下の式(VIIb)を有する化合物を含むことができ、
Figure 0007426941000023

およびその薬学的に許容される塩である。
他の実施形態では、15-PDHG阻害剤は、式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(+)または(-)光学異性体を含むことができる。さらに他の実施形態では、15-PDHG阻害剤は、式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(+)または(-)光学異性体の少なくとも1つの混合物を含むことができる。例えば、15-PGDH阻害剤は、式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(-)光学異性体の約50重量%未満および式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(+)光学異性体の約50重量%超の混合物、式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(-)光学異性体の約25重量%未満および式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(+)光学異性体の約75重量%超の混合物、式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(-)光学異性体の約10重量%未満および式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(+)光学異性体の約90重量%超の混合物、式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(-)光学異性体の約1重量%未満および式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(+)光学異性体の約99重量%超の混合物、式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(-)光学異性体の約50重量%超および式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(+)光学異性体の約50重量%未満の混合、式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(-)光学異性体の約75重量%超および式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(+)光学異性体の約25重量%未満の混合物、式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(-)光学異性体の約90重量%超および式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(+)光学異性体の約10重量%未満の混合物、または式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(-)光学異性体の約99重量%超および式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(+)光学異性体の約1重量%未満の混合物を含むことができる。
なおさらなる実施形態では、15-PDGH阻害剤は、式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(+)光学異性体から本質的になる、またはそれからなることができる。さらに別の実施形態では、PDGH阻害剤は、式(VII)を有する15-PGDH阻害剤の(-)光学異性体から本質的になる、またはそれからなることができる。
他の15-PGDH阻害剤は、本明細書で説明される方法で使用され得ることが理解されよう。これらの他の15-PGDH阻害剤は既知の15-PGDH阻害剤を含むことができ、例えば、米国特許出願公開第2006/0034786号および米国特許第7,705,041号で説明されている式(I)および(II)のテトラゾール化合物、式(I)の2-アルキリデンアミノオキシアセトアミド化合物、式(VI)および(VII)の複素環式化合物、ならびに式(III)のピラゾール化合物、米国特許出願公開第2007/0071699号で説明されている式(I)のベンジリデン-1,3-チアゾリジン化合物、米国特許出願公開第2007/0078175号で説明されているフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオンおよびフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物、米国特許出願公開第2011/0269954号で説明されているチアゾリデンジオン誘導体、米国特許第7,294,641号で説明されているフェニルフラン、フェニルチオフェン、またはフェニルピラゾール化合物、米国特許第4,725,676号で説明されている5-(3,5-二置換フェニルアゾ)-2-ヒドロキシベンゼン-酢酸および塩ならびにラクトン、そして米国特許第4,889,846号で説明されているアゾ化合物が含まれる。
さらに他の例は以下の刊行物で説明されている。Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids.2015;97:35-41.doi:10.1016/j.plefa.2015.03.005.PubMed PMID:25899574、Piao YL et al.Wound healing effects of new 15-hydroxyprostaglandin dehydrogenase inhibitors.Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids.2014;91(6):325-32.doi:10.1016/j.plefa.2014.09.011.PubMed PMID:25458900、Choi D et al.Control of the intracellular levels of prostaglandin E(2) through inhibition of the 15-hydroxyprostaglandin dehydrogenase for wound healing. Bioorg Med Chem.2013;21(15):4477-84. doi: 10.1016/j.bmc.2013.05.049.PubMed PMID:23791868、Wu Y et al.Synthesis and biological evaluation of novel thiazolidinedione analogues as 15-hydroxyprostaglandin dehydrogenase inhibitors.J Med Chem.2011;54(14):5260-4.Epub 2011/06/10.doi:10.1021/jm200390u.PubMed PMID:21650226、Duveau DY et al.Structure-activity relationship studies and biological characterization of human NAD(+)-dependent 15-hydroxyprostaglandin dehydrogenase inhibitors.Bioorg Med Chem Lett.2014;24(2):630-5.doi:10.1016/j.bmcl.2013.11.081.PubMed PMID:24360556;PMCID:PMC3970110、Duveau DY et al.Discovery of two small molecule inhibitors,ML387 and ML388,of human NAD+-dependent 15-hydroxyprostaglandin dehydrogenase.Probe Reports from the NIH Molecular Libraries Program.Bethesda(MD)2010、Wu Y et al.Synthesis and SAR of thiazolidinedione derivatives as 15-PGDH inhibitors.Bioorg Med Chem.2010;18(4):1428-33.doi:10.1016/j.bmc.2010.01.016.PubMed PMID: 20122835、Wu Y et al.Synthesis and biological evaluation of novel thiazolidinedione analogues as 15-hydroxyprostaglandin dehydrogenase inhibitors.J Med Chem.2011;54(14):5260-4.Epub 2011/06/10.doi:10.1021/jm200390u.PubMed PMID:21650226、Jadhav A et al.Potent and selective inhibitors of NAD+-dependent 15-hydroxyprostaglandin dehydrogenase (HPGD).Probe Reports from the NIH Molecular Libraries Program.Bethesda (MD)2010、Niesen FH et al.High-affinity inhibitors of human NAD-dependent 15-hydroxyprostaglandin dehydrogenase:mechanisms of inhibition and structure-activity relationships.PLoS One.2010;5(11):e13719.Epub 2010/11/13.doi: 10.1371/journal.pone.0013719.PubMed PMID:21072165、PMCID:2970562;Michelet,J.et al.Composition comprising at least one 15-PGDH inhibitor.US2008/0206320A1,2008、およびRozot,R et al.Care/makeup compositions comprising a 2-alkylideneaminooxyacetamide compound for stimulating the growth of the hair or eyelashes and/or slowing loss thereof.US7396525B2,2008。
本明細書で説明される15-PGDH阻害剤は、それを必要とする対象(例えば、ヒト対象)における急性腎傷害を治療、予防、またはその症状もしくは重症度を低減するために使用することができる。15-PGDH阻害剤はまた、それを必要とする対象における慢性腎疾患の発症を予防するのに有用である。特定の実施形態では、15-PGDH阻害剤は、急性腎傷害を引き起こし得る、または引き起こす損傷後に、それを必要とする対象における慢性腎疾患の発症を予防するのに有用である。さらに、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤は、それを必要とする対象において急性または慢性腎傷害から腎臓を保護するための方法で使用することができる。さらに、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤は、薬剤または化学物質の使用に少なくとも部分的に起因する腎機能不全または腎不全を有する患者を治療するための方法で使用することができる。
急性腎傷害は、通常、損傷のタイプに基づいて2つの主要なカテゴリに分類される。第1のカテゴリーは、虚血性急性腎傷害(あるいは腎低灌流と呼ばれる)であり、第2のカテゴリーは腎毒性急性腎傷害である。前者は、損なわれた腎臓への血流(腎低灌流)および酸素送達に起因し、一方、後者は腎臓に対する毒性損傷から生じる。損傷のこれらのカテゴリーは共に、急性尿細管壊死(ATN)と呼ばれる二次的状態を引き起こし得る。
虚血性急性腎傷害の最も一般的な原因は、血管内容量の減少、心拍出量の低下、全身性血管拡張、および腎血管収縮である。血管内容量の減少は、出血(例えば、術後、産後、または外傷の後)、胃腸の低下(例えば、下痢、嘔吐、経鼻胃低下由来)、腎機能低下(例えば、利尿薬、浸透圧性利尿、尿崩症によって生じる)、皮膚および粘膜の喪失(例えば、火傷、高熱症)、ネフローゼ症候群、肝硬変、または毛細血管漏出によって生じ得る。心拍出量の低下は、心原性ショック、心膜疾患(例えば、限定的、収縮性、タンポナーデ)、うっ血性心不全、心臓弁膜症、肺疾患(例えば、肺高血圧症、肺塞栓症)、または敗血症に起因し得る。全身性血管拡張は、肝硬変、アナフィラキシー、または敗血症の結果であり得る。最後に、腎血管収縮は、初期敗血症、肝腎症候群、急性高カルシウム血症、薬剤関連(例えば、ノルエピネフリン、バソプレシン、非ステロイド性抗炎症剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、カルシニューリン阻害剤)、または放射性造影剤の使用によって生じ得る。本明細書で説明される15-PGDH阻害剤は、急性腎傷害または虚血性急性腎傷害の上記原因のいずれかによって引き起こされる他の任意の腎傷害を治療、またはその症状もしくは重症度を低減するために使用することができる。さらに、本明細書で説明されるこれらの15-PGDH阻害剤は、虚血性急性腎傷害の上記原因への曝露後の急性腎傷害または他の任意の腎傷害の発症を防ぐために使用することができる。
腎毒性急性腎傷害は、しばしば腎毒性剤などの腎毒素への暴露に関連している。腎毒性剤の例には、抗生物質(例えば、ゲンタマイシンなどのアミノグリコシド)、化学療法剤(例えば、シスプラチナ)、カルシニューリン阻害剤(例えば、タクロリムス、シクロスポリン)、セファロリジンなどのセファロスポリン、シクロスポリン、殺虫剤(例えば、パラコート)、環境汚染物質(例えば、トリクロロエチレン、ジクロロアセチレン)、アムホテリシンB、プロムシイン、アミノヌクレオシド(PAN)、X線造影剤(例えば、アセトリゾエート、ジアトリゾエート、ヨーダミド、イオグリケート、イオタラメート、イオキシタラメート、メトリゾエート、メトリザミド、イオヘキソール、イオパミドール、イオペントール、イオプロミド、およびイオベルソル)、非ステロイド性抗炎症薬、抗レトロウイルス薬、免疫抑制剤、腫瘍薬、またはACE阻害薬が含まれる。腎毒素は、例えば、外傷、挫傷、違法薬物、鎮痛剤乱用、銃創、または重金属であり得る。本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、急性腎傷害または腎毒性急性腎傷害の上記原因のいずれかによって引き起こされる他の任意の腎傷害を治療、またはその症状もしくは重症度を低減することができる。さらに、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、腎毒性急性腎傷害の上記原因への曝露後の急性腎傷害または他の任意の腎傷害の発症を防ぐことができる。
特定の実施形態では、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、虚血または腎毒素/腎毒性薬剤などの損傷への曝露後のATNの発症を防止することができる。特定の実施形態では、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、虚血または腎毒素/腎毒性薬剤への曝露後のATNを治療、またはその症状もしくは重症度を低減することができる。
特定の実施形態では、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、虚血または腎毒素/腎毒性薬剤への曝露後の糸球体ろ過の低下を防止することができる。いくつかの実施形態では、15-PGDH阻害剤を使用して、虚血または腎毒素/腎毒性薬への曝露後の尿細管上皮傷害および/または壊死を防止することができる。いくつかの実施形態では、15-PGDH阻害剤を使用して、微小血管透過性を減少させ、血管緊張を改善し、かつ/または内皮細胞の炎症を低減することができる。他の実施形態では、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、虚血または腎毒素/腎毒性薬剤への曝露後に腎臓における血流を回復することができる。さらなる実施形態では、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、慢性腎不全を予防することができる。
また、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、低灌流を合併した手術に起因する急性腎傷害を治療または予防することができる。ある特定の実施形態では、手術は心臓手術、大血管手術、大外傷、または銃創の治療に関連する手術のうちの1つである。一実施形態では、心臓手術は、冠動脈バイパス術(CABG)である。別の実施形態では、心臓手術は弁手術である。
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、腎臓移植または心臓移植などの臓器移植後の急性腎傷害を治療または予防することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、有効循環血液量の減少および腎低灌流後の急性腎傷害を治療または予防することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、膀胱の正常な排出を妨げる薬物療法(例えば、抗コリン薬)を受けている対象における急性腎傷害を治療または予防することができる。特定の実施形態では、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、閉塞した尿道カテーテルを有する対象における急性腎傷害を治療または予防することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、結晶尿症を引き起こす薬剤を受けている対象における急性腎傷害を治療または予防することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、ミオグロビン尿症を引き起こすまたはもたらす薬剤を受けている対象における急性腎傷害を治療または予防することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、膀胱炎を引き起こす、またはもたらす薬剤を受けている対象における急性腎傷害を治療または予防することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、良性前立腺肥大症または前立腺癌を有する対象における急性腎傷害を治療または予防することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、腎結石を有する対象における急性腎傷害を治療または予防することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、腹部悪性腫瘍(例えば、卵巣癌、結腸直腸癌)を有する対象における急性腎傷害を治療または予防することができる。
特定の実施形態では、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤を使用して、急性腎傷害を治療または予防することができ、敗血症は急性腎傷害を引き起こさない、またはもたらさない。
急性腎傷害は、一般的には最初の損傷(例えば、虚血または腎毒性損傷)後の数時間から数日以内に発生する。したがって、本明細書で説明される15-PGDH阻害剤は、損傷の前、または損傷(例えば、本明細書で説明される手術または腎毒素損傷)後1時間~30日以内(例えば、0.5時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、15日、20日、25日、28日、または30日)に投与することができる。
対象は、リスク傷害不全喪失ESRD(RIFLE)基準または急性腎傷害ネットワーク基準(Bagshaw et al.,Nephrol.Dial.Transplant.,23(5):1569-1574(2008)、Lopes et al.,Clin.Kidney J.,6(1):8-14(2013))に基づいて急性腎傷害を有する、または発症するリスクを有することが決定され得る。
特定の実施形態では、本開示の方法は、血清、血漿、または尿のクレアチニンまたは血液尿素窒素(BUN)のうちの1つ以上のレベルを測定し、血清または尿の好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)、血清または尿のインターロイキン-18(IL-18)、血清または尿のシスタチンC、あるいは尿KIM-1のレベルを測定して決定し、健常なコントロール対象と比較して、本対象が急性腎傷害を有する、または発症するリスクを有するか評価することを含む。
15-PGDH阻害剤の有効性は、様々な動物モデルで評価することができる。急性腎傷害の動物モデルには、例えば、Heyman et al.,Contrin.Nephrol.,169:286-296(2011)、Heyman et al.,Exp.Opin.Drug Disc.,4(6):629-641(2009)、Morishita et al.,Ren. Fail.,33(10):1013-1018 (2011)、Wei Q et al.,Am.J.Physiol.Renal Physiol.,303(11):F1487-94 (2012)で公表されているものが含まれる。
治療の有効性は多くの利用可能な診断ツールによって測定され得、身体検査、血液検査、全身および毛細血管の血圧測定、タンパク尿(例えば、アルブミン尿)、顕微鏡的および肉眼的血尿、血清クレアチニンレベルの評価、糸球体ろ過率の評価、腎生検の組織学的評価、尿中アルブミンクレアチニン比、アルブミン排泄率、クレアチニンクリアランス率、24時間尿中タンパク質分泌、および腎イメージング(例えば、MRI、超音波)が含まれる。
いくつかの実施形態では、対象に投与される15-PGDH阻害剤の量は、対象の内因性腎PGE2レベルを誘発するのに有効な量であり得る。
他の実施形態では、対象に投与される15-PGDH阻害剤の量は、腎血管拡張を誘発し、低酸素症に対する耐性を高め、腎血行動態を改善し、腎酸化ストレスを減少し、腎炎症を低減し、腎機能を維持するのに有効な量であり得る。
他の実施形態では、対象に投与される15-PGDH阻害剤の量は、マロンジアルデヒド(MDA)およびNGALレベルを低減し、髄質尿細管損傷を軽減し、髄質急性尿細管壊死(ATN)およびアポトーシスを低減し、高移動度群ボックス1(HMGB1)および炎症性サイトカインの誘発を低減し、腎細動脈を調節する血管平滑筋細胞における腎EP4 PGE2受容体およびA2Aアデノシン受容体を誘発し、腎cAMP、AMP、およびアデノシンレベルを増加し、かつ/またはクレアチニンおよびKIM-1の誘発を阻害するのに有効な量である。
いくつかの実施形態では、本医薬組成物は非経口または経口剤形に製剤化され得る。経口投与用の固体剤形は、15-PGDH阻害剤に賦形剤を、必要に応じて結合剤、崩壊剤、潤滑剤、着色剤、および/または香味剤と共に加え、得られる混合物を錠剤、糖衣錠、顆粒、粉末、またはカプセルの形態に成型することによって製造され得る。本組成物に加えることができる添加剤は、当該技術分野における通常のものであり得る。例えば、賦形剤の例には、ラクトース、スクロース、塩化ナトリウム、グルコース、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微細結晶セルロース、ケイ酸塩などが挙げられる。例示的な結合剤には、水、エタノール、プロパノール、スイートシロップ、スクロース溶液、デンプン溶液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、セラック、ホスホン酸カルシウム、およびポリピロリドンが挙げられる。崩壊剤の例には、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、寒天末、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、およびラクトースが挙げられる。さらに、精製されたタルク、ステアリン酸塩、ホウ酸ナトリウム、およびポリエチレングリコールを潤滑剤として使用し得、スクロース、トウヒ、クエン酸、酒石酸を香味剤として使用し得る。いくつかの実施形態では、本医薬組成物は、吸入を介して投与されるエアロゾル製剤(例えば、それらは噴霧することができる)にすることができる。
本明細書で説明される15-PGDH阻害剤は、香味剤、緩衝剤、安定剤などと組み合わせて、従来の方法に従って溶液、シロップ、またはエリキシルなどの経口液体剤形に組み込まれ得る。緩衝液の一例はクエン酸ナトリウムであり得る。安定剤の例には、トラガカント、アカシア、およびゼラチンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、15-PGDH阻害剤は、例えば、皮下、筋肉内、または静脈内経路のために、そこにpH調整剤、緩衝剤、安定剤、弛緩剤、局所麻酔剤を加えることによって、注入剤形に組み込まれ得る。pH調整剤および緩衝剤の例には、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびリン酸ナトリウムが挙げられる。安定剤の例には、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、およびチオ乳酸が挙げられる。局所麻酔剤は、プロカインHCl、リドカインHClなどであり得る。弛緩剤は、塩化ナトリウム、グルコースなどであり得る。
他の実施形態では、15-PGDH阻害剤は、当該技術分野で知られている薬学的に許容される担体、例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオバター、または脂肪酸トリグリセリドを、必要に応じて、Tweenなどの界面活性剤と共にそれらに加えることによって、従来の方法に従って坐薬に組み込まれ得る。
本医薬組成物は、上で考察されたような様々な剤形に製剤化され得、そして経口、吸入、経皮、皮下、静脈内、または筋肉内経路を含む様々な経路を通して投与され得る。投与量は、薬学的または治療的に有効な量であり得る。
15-PGDH阻害剤の治療有効投与量は、様々な実施形態において様々な量で存在し得る。例えば、いくつかの実施形態では、15-PGDH阻害剤の治療有効量は、約10~1000mgの範囲の量(例えば、約20mg~1,000mg、30mg~1,000mg、40mg~1,000mg、50mg~1,000mg、60mg~1,000mg、70mg~1,000mg、80mg~1,000mg、90mg~1,000mg、約10~900mg、10~800mg、10~700mg、10~600mg、10~500mg、100~1000mg、100~900mg、100~800mg、100~700mg、100~600mg、100~500mg、100~400mg、100~300mg、200~1000mg、200~900mg、200~800mg、200~700mg、200~600mg、200~500mg、200~400mg、300~1000mg、300~900mg、300~800mg、300~700mg、300~600mg、300~500mg、400mg~1,000mg、500mg~1,000mg、100mg~900mg、200mg~800mg、300mg~700mg、400mg~700mg、および500mg~600mg)であり得る。いくつかの実施形態では、15-PGDH阻害剤は、約10mg、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg以上の量で存在する。いくつかの実施形態では、15-PGDH阻害剤は、約1000mg、950mg、900mg、850mg、800mg、750mg、700mg、650mg、600mg、550mg、500mg、450mg、400mg、350mg、300mg、250mg、200mg、150mg、または100mg以下の量で存在する。
他の実施形態では、治療有効投与量は、例えば、約0.001mg/kg体重~500mg/kg体重、例えば、約0.001mg/kg体重~400mg/kg体重、約0.001mg/kg体重~300mg/kg体重、約0.001mg/kg体重~200mg/kg体重、約0.001mg/kg体重~100mg/kg体重、約0.001mg/kg体重~90mg/kg体重、約0.001mg/kg体重~80mg/kg体重、約0.001mg/kg体重~70mg/kg体重、約0.001mg/kg体重~60mg/kg体重、約0.001mg/kg体重~50mg/kg体重、約0.001mg/kg体重~40mg/kg体重、約0.001mg/kg体重~30mg/kg体重、約0.001mg/kg体重~25mg/kg体重、約0.001mg/kg体重~20mg/kg体重、約0.001mg/kg体重~15mg/kg体重、約0.001mg/kg体重~10mg/kg体重であり得る。
さらに他の実施形態では、治療有効投与量は、例えば、約0.0001mg/kg体重~0.1mg/kg体重、例えば、約0.0001mg/kg体重~0.09mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重~0.08mg/kg重量、約0.0001mg/kg体重~0.07mg/kg重量、約0.0001mg/kg体重~0.06mg/kg重量、約0.0001mg/kg体重~0.05mg/kg重量、約0.0001mg/kg体重~約0.04mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重~0.03mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重~0.02mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重~0.019mg/kg重量、約0.0001mg/kg体重~0.018mg/kg重量、約0.0001mg/kg体重~0.017mg/kg重量、約0.0001mg/kg体重~0.016mg/kg重量、約0.0001mg/kg体重~0.015mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重~0.014mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重~0.013mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重~0.012mg/kg重量、約0.0001mg/kg体重~0.011mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重~0.01mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重~0.009mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重~0.008mg/kg重量、約0.0001mg/kg体重~0.007mg/kg重量、約0.0001mg/kg体重~0.006mg/kg重量、約0.0001mg/kg体重~0.005mg/kg重量、約0.0001mg/kg体重~0.004mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重~0.003mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重~0.002mg/kg体重であり得る。いくつかの実施形態では、治療有効用量は、0.0001mg/kg体重、0.0002mg/kg体重、0.0003mg/kg体重、0.0004mg/kg体重、0.0005mg/kg体重、0.0006mg/kg体重、0.0007mg/kg体重、0.0008mg/kg体重、0.0009mg/kg体重、0.001mg/kg体重、0.002mg/kg体重、0.003mg/kg体重、0.004mg/kg体重、0.005mg/kg体重、0.006mg/kg体重、0.007mg/kg体重、0.008mg/kg体重、0.009mg/kg体重、0.01mg/kg体重、0.02mg/kg体重、0.03mg/kg体重、0.04mg/kg体重、0.05mg/kg体重、0.06mg/kg体重、0.07mg/kg体重、0.08mg/kg体重、0.09mg/kg体重、または0.1mg/kg体重であり得る。特定の個人のための有効用量は、個人の必要性に応じて経時的に変化(例えば、増加または減少)し得る。
いくつかの実施形態では、治療有効投与量は、10μg/kg/日、50μg/kg/日、100μg/kg/日、250μg/kg/日、500μg/kg/日、1000μg/kg/日以上の投与量であり得る。様々な実施形態では、15-PGDH阻害剤またはその薬学的塩の量は、患者に0.01μg/kg~10μg/kg、0.1μg/kg~5μg/kg、0.1μg/kg~1000μg/kg、0.1μg/kg~900μg/kg、0.1μg/kg~900μg/kg、0.1μg/kg~800μg/kg、0.1μg/kg~700μg/kg、0.1μg/kg~600μg/kg、0.1μg/kg~500μg/kg、または0.1μg/kg~400μg/kgの用量をもたらすのに十分のものである。
様々な実施形態は、異なる投与計画を含み得る。いくつかの実施形態では、15-PGDH阻害剤は、持続注入を介して投与することができる。いくつかの実施形態では、持続注入は静脈内である。他の実施形態では、持続注入は皮下である。単一対象のための投与計画は、一定の間隔である必要はなく、対象の必要性に応じて経時的に変化させることができる。
一態様では、15-PGDH阻害剤の有効量を含む医薬組成物は、少なくとも2回投与される。別の態様では、医薬組成物は少なくとも5回投与される。さらに別の態様では、医薬組成物は少なくとも10回投与される。当業者は、治療される特定の疾患または障害、または対象が前治療にどのように反応しているかに基づいて本組成物を投与する頻度を決定することができる。当業者はまた、虚血再灌流傷害事象が生じる時間に対して、前、後、またはその両方を含めていつ治療を投与するかを決定することができる。
一実施形態では、対象は虚血再灌流傷害事象の前に15-PGDH阻害剤によって治療される。一態様では、対象は本事象の少なくとも数日前から、または虚血再灌流傷害事象の数分前近くに開始して治療することができる。例えば、15-PGDH阻害剤療法は、虚血再灌流傷害の約2時間前、8時間前、24時間前、または26時間前に開始することができる。当業者は、15-PGDH阻害剤が様々な時点で投与され得、虚血再灌流傷害の約2、8、24、または26時間前だけではないことを理解するだろう。一態様では、虚血再灌流傷害事象の前に治療するための時間の範囲は、約1.0分~約72時間であり得る。別の態様では、虚血再灌流傷害事象の前に治療するための時間の範囲は、約10分~約48時間であり得る。別の態様では、虚血再灌流傷害事象の前に治療するための時間の範囲は、約30分~約24時間であり得る。
一実施形態では、対象は前述のように、IRI事象後、または前および後の両方で15-PGDH阻害剤によって治療される。一態様では、対象は虚血再灌流虚血再灌流傷害事象の数分後などの直後に開始して治療することができる。例えば、15-PGDH阻害剤療法は、虚血再灌流傷害の約30分後、2時間後、8時間後、24時間後、または48時間後に開始することができる。当業者は15-PGDH阻害剤がその上、様々な時間で投与され得ることを理解するであろう。
本発明の方法は、虚血再灌流傷害の治療に有用であるため、本方法はさらに虚血再灌流傷害に関連する他の疾患および障害を治療することを含み、限定されないが、心筋虚血再灌流傷害および脳虚血再灌流傷害が含まれる。
この実施例では、PGE2異化作用における律速段階を触媒することに関与している15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ(15-PGDH)の酵素機能を阻害する、15-PGDH阻害剤(SW033291)を使用して内因性PGE2レベルを増加させた。15-PGDHの阻害は、内因性PGE2およびcAMPレベルを増加させ、傷害および疾患のいくつかのマウスモデルにおける組織修復を増強することが示されている。本試験は、15-PGDH阻害によって内因性PGE2レベルを増加させることが腎血管拡張をもたらし、虚血性AKIに対する腎保護を付与することを示した。
材料および方法
動物
雄C57/BL6マウス(10週齢、体重20~25g)は、Orient Bio Inc.(Daejeon、韓国)から購入した。実験の前に、マウスはすべて標準ケージで個別に飼育し、College of Medicine of Inje Universityの動物管理施設で特定の病原体を含まない条件下で順応させた。動物の飼育および動物を含む実験手順は、Inje Universityの施設内動物管理使用委員会(プロトコル番号2016-010)によって承認された。
腎虚血再灌流傷害モデル
マウスは気化器を使用してイソフルランによって麻酔し、加熱パッド上に置いて体温を37℃に維持した。両方の腎動脈を背側の切開を通して識別し、20、30、35、または37分間クランプ固定した。再灌流をクランプの解放時に視覚的に確認した。外科的創傷を閉じ、マウスに生理食塩水1mLを腹腔内投与した。マウスは、意識が回復するまで加温インキュベーター内に維持し、餌と水の自由な利用によって回復させた。SW033291(18040、Cayman)、インドメタシン、eglandin(219、Mitsubishi chemical Holdings)、PGE2(P0409、Sigma-Aldrich)、各々5mg/kgまたはビヒクルをAKIの1時間前、直後、および12時間後に3回投与した。血清および腎臓組織は腎IRIの24時間後に収集した。
PGE2レベルの測定
24時間の再灌流後、腎臓組織を採取し、インドメタシン(10μg/mL)を含む氷冷PBSで洗浄し、液体窒素で瞬間凍結した。次に、腎臓組織(約20mg)を、組織ホモジナイザーを使用して、インドメタシン(10μg/mL)を含む冷PBS の500μL中でホモジナイズした。懸濁液を氷水浴中で、10秒間の冷却を伴う10秒間の超音波処理のサイクルを使用して1分間超音波処理し、次いでそれらを12,000rpmで10分間遠心分離した。上清をPGE2アッセイのために収集した。タンパク質濃度は、BCAアッセイによって決定した(23225、Thermo Scientific)。上清中のPGE2レベルは、PGE2 ELISAキット(SKGE004B、R&D Systems)を使用して三重測定した。PGE2レベルは、ng PGE2/mgタンパク質として表した。
腎機能の評価
腎機能は、24時間の再灌流後のクレアチニン(KB02-H1、Arbor Assays)、リポカリン-2(NGAL、MLCN20、R&D Systems)、および腎傷害分子-1(KIM-1、MKM100、R&D Systems)の血清レベルを決定することによって評価した。
壊死性およびアポトーシス性細胞死アッセイ
壊死を評価するため、厚さ5μmのパラフィン切片をH&Eで染色した。尿細管傷害は、虚血性傷害に最も敏感なゾーンである外側髄質における少なくとも20の別々の視野(400倍)を検査した病理学者によるスコアリングシステムに従って、半定量的にスコア化した。スコアリングシステムは以下の通りであった。0:損傷なし、1:斑状の孤立した単細胞壊死、2:尿細管壊死<25%、3:尿細管壊死25~50%、4:尿細管壊死>50%。セクションごとに少なくとも20の連続する高倍率視野(倍率、400倍)が、実験の詳細を知らされていない2人のオペレーターによってスコアー化された。アポトーシスの頻度を分析するために、厚さ5μmのパラフィン切片に、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ仲介dUTPニックエンド標識(TUNEL)アッセイ(APT110、Millipore)を製造業者のプロトコルに従って実施した。TUNEL陽性細胞を外側髄質における少なくとも5つの別々の視野(倍率640倍)でカウントし、アポトーシスインデックス(%、アポトーシス細胞数/全細胞数)をGENASISソフトウェアを使用して計算した。
外側髄質における腎血管拡張の評価
血管拡張を定量化するために、外側髄質の内側細動脈領域を、α-SMA染色切片を使用して決定した。メイヤーのヘマトキシリンで対比染色した後、外側髄質のα-SMA陽性血管の内側面積(25倍)を、ImageJを使用して測定した。結果は腎動脈外側髄質の平均面積として表される。抗体を表2に列挙する。
炎症性サイトカインレベルの測定
炎症性サイトカインmRNAおよびタンパク質のレベルは、それぞれリアルタイムPCRおよびELISAによって測定された。腎臓組織および血清は、24時間の再灌流後に採取された。総RNAは凍結した腎臓組織から、TRIzol試薬(15596018、Invitrogen)を製造業者のプロトコルに従って使用して抽出された。RNAはオリゴdTプライマーを使用してcDNAに変換された。IL-17、TNF-α、およびIL-1βのmRNAレベルは、SYBRグリーンPCRマスターミックスおよび表1に列挙されたプライマーを使用したリアルタイムPCRによって決定された。ELISAでは、凍結した腎臓組織をリン酸緩衝液中でホモジナイズした。血清IL-17(M1700、R&D Systems)、TNF-α(MTA00B、R&D Systems)、およびIL-1β(MLB00C、R&D Systems)は、市販のELISAキットを製造業者の取扱説明書に従って使用して測定された。
活性酸素種レベルの測定
活性酸素種(ROS)レベルは、脳溶解物中の脂質過酸化の最終産物であるマロンジアルデヒド(MDA)の測定によって決定された。遊離MDAはチオバルビツール酸(TBA)と95℃で反応させてMDA-TBA付加物を生成させ、532nmの波長で比色によって定量することができる。MDAレベルは脂質過酸化(MDA)アッセイキット(ab118970、Abcam)を使用して腎臓溶解物中で測定された。結果は総タンパク質レベルで補正し、μM MDA/gタンパク質として表す。
cAMPおよびアデノシンレベルの測定
24時間の再灌流後、腎臓組織を採取し、10倍容量の0.1M HCl中でホモジナイズし、12,000rpmで10分間遠心分離した。タンパク質濃度は、BCAアッセイによって決定された。腎臓組織中のcAMPレベルは、cAMP Complete ELISAキット(ADI-900-163、Enzo Life Science)アデノシンアッセイキット(KA4547、abnova)、および高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して測定された。
PGE2およびアデノシン受容体の評価
PGE2受容体(EP1、EP2、EP3、およびEP4)およびアデノシン受容体(A2A)のmRNAレベルは、SYBRグリーンPCRマスターミックスおよび表1に列挙されたプライマーを用いたリアルタイムPCRによって決定された。それらのタンパク質レベルはウエスタンブロッティングアッセイおよび免疫蛍光分析によって決定された。抗体を表2に列挙する。
統計分析
統計分析は、一元配置分散分析(ANOVA)によって実施し、その後、3例以上の実験群を比較したときにボンフェローニ事後検定を実施した。p<0.05の値は、統計的有意性を示すとみなした。カプランマイヤー積制限法を使用して生存曲線を作成した。生存データは、マンテルコックスのログランク検定によって分析した。
結果
15-PGDH阻害は虚血性AKIを有するマウスにおける腎機能障害を軽減する
内因性PGE2は、アラキドン酸からシクロオキシゲナーゼ(COX)および様々なシンターゼによって合成され、15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ(15-PGDH)によって分解される。内因性PGE2レベルはNSAID(COX-2の阻害に選択的なものを含む)によって低減され、内因性PGE2分解を阻害する15-PGDH阻害剤(SW033291)によって増加される(図1A)。15-PGDHが腎臓における内因性PGE2発現を調節することを確認するために、15-PGDHノックアウト(KO)および野生型(WT)マウスの内因性PGE2レベルを評価した。15-PGDH KOマウスは、腎臓組織における内因性PGE2レベルの有意な増加を示した(図1B)。SW033291による15-PGDHの薬理学的阻害は同様に、2.5または5mg/kgのSW033291の投与後3時間で腎臓組織における内因性PGE2レベルを用量依存的に上方調節した(図1C)。SW033291(5mg/kg)によって誘発されたPGE2のレベルは、薬剤注入後、1時間でベースラインのほぼ2倍でピークに達し、3時間で同様であった(図1D)。30分間の両側虚血傷害(IRI-30分、中程度の傷害)を受けているマウスは、NGAL、クレアチニン、およびKIM-1レベルの増加を指標としたとき、コントロールマウスと比較して有意に高い虚血性AKIを示し、IRI-20分(軽度の傷害)は示さなかった(図1E~G)。腎IRIからの保護において15-PGDHを阻害する効果を決定するため、マウスにIRI-30分を実施し、ビヒクル(IRI-ビヒクル)またはSW033291(IRI-SW033291)の3用量を腎IRIの1時間前、直後、および12時間後に投与した(図1H)。追加の比較として、マウスの並行群にインドメタシン、外因性PGE1、またはPGE2のいずれかを投与した(図1H)。血清NGAL、クレアチニン、およびKIM-1レベルが腎傷害のマーカーとして決定された。予想されたように、クレアチニン、NGAL、およびKIM-1の増加を指標としたとき、IRI-ビヒクルは有意な虚血性AKIを示した(図1I~K)。しかしながら、IRI-SW033291はIRIから腎臓を顕著に保護し、クレアチニン、NGAL、およびKIM-1をIRI-ビヒクル動物と比較して有意に低減させた(図1I~K)。SW033291によって腎臓内のその場でPGE2を生成することは、外因性PGE1またはPGE2のいずれかの全身投与よりも有効であった(図1I~K)。対照的に、インドメタシンの3用量によって内因性PGE2産生を阻害すると、IRIを有意に悪化させた。要約すると、これらの結果は、15-PGDH阻害剤を介して内因性PGE2レベルを増加することが、虚血性AKIにおける腎機能障害を改善するが、一方、腎機能障害はCOXの阻害によって悪化されることを示唆する。外因性PGE1またはPGE2を一般的な耐用量で投与することは、SW033291を投与することによって腎臓で直接的にPGE2を生成するよりも腎保護のために有効ではない。
15-PGDH阻害は、虚血性AKIを有するマウスの腎壊死およびアポトーシスを改善する
腎IRIの際、尿細管上皮細胞は、傷害、アポトーシス、および急性尿細管壊死(ATN、すなわち、尿細管に損傷をもたらすAKI)を受ける。結果として、虚血後のうっ血は外側髄質中で持続し、低酸素症を悪化させることによって腎傷害を激化させる。肉眼的病理学によって、IRI-ビヒクル群マウスは、シャム群マウスと比較して外側髄質における組織うっ血の増加を示し、SW033291で処置することによって改善し、インドメタシンで処置することによって悪化した(図2A)。IRI-ビヒクルマウスの組織病理学評価によって、尿細管拡張、広範な尿細管壊死、およびアポトーシスを伴う急性尿細管損傷の特徴が明らかにされた(図2BおよびD)。しかしながら、SW033291処置はIRIマウスにおける腎傷害を著しく緩和し、組織学的腎傷害スコアおよびTUNEL陽性アポトーシス細胞の数を低減させた(図2CおよびE)。対照的に、IRI-インドメタシン群マウスはさらに激化した腎傷害を示した。さらに、SW033291によってその場でPGE2を生成することは、外因性PGE1またはPGE2のいずれかの全身投与よりも再度有効であった(図9)。これらのデータは、腎虚血の直前に開始した、15-PGDH阻害剤の3用量によってマウスを処置することは、外側髄質における尿細管損傷を軽減し、ATNおよびアポトーシスの両方を低減することを示唆する。
15-PGDH阻害剤治療は、虚血性AKI後の炎症反応を抑制する
炎症反応は、虚血性AKIの病状に対して拡張段階の際に寄与する。高移動度グループボックス1(HMGB1)は、損傷関連分子パターン(DAMP)分子の一タイプであり、IRIの主要なメディエータおよび炎症性サイトカインのインデューサである。SW033291処置は、HMGB1タンパク質のレベルをIRI-ビヒクル群と比較して30%低減し、一方、インドメタシン処置はHMGB1を50%増加した(図3AおよびB)。腎炎症をさらに調査するために、腎組織における炎症性サイトカインIL-17、TNF-α、およびIL-1βのmRNAおよびタンパク質のレベルをリアルタイムPCRおよびELISAによって決定した(図3C~H)。IRI-ビヒクル群マウスは、シャム群と比較して、IL-17およびTNF-αの有意な増加を示した。IL-1βタンパク質も増加したが、統計的有意性に達しなかった(P=0.08)。しかしながら、IRI-SW033291群マウスは、IL-17およびTNF-αの誘発の遮断ならびにIL-1βタンパク質の減少を示した。対照的に、IRI-インドメタシン群マウスは、炎症性サイトカインの誘発の増加を示した。IRIマウスのSW033291処置は、さらに抗炎症性サイトカインIL-4、IL-10、およびその関連ファミリーメンバーIL-24を有意に誘発した(図10)。これらのデータは、15-PGDH阻害剤による処置が、腎細胞への損傷を防止することとと並行して、HMGB1および炎症性サイトカインの両方の誘発を低減することを示唆する。
15-PGDH阻害剤処置は、cAMP/AMP/アデノシンシグナル化経路の誘発と同等に外側髄質における腎血管拡張を誘発する
15-PGDH阻害剤処置は虚血性腎傷害の多数の測定値を低下させたため、外側髄質におけるα-平滑筋アクチン(α-SMA)陽性腎細動脈領域を定量化することによって決定される腎微小血管の形態へのその影響を直接的に評価した。IRI-ビヒクル群における腎細動脈面積の平均は、シャムマウスのそれと同様であった。しかしながら、IRIマウスの腎細動脈面積はSW033291による処置によって有意に増加したが、一方、それはインドメタシンによる処置によって有意に減少した(図4AおよびB)。興味深いことに、正常なマウスの腎細動脈面積の平均は、SW033291の投与によっても増加した(図4AおよびB)。内因性PGE2の血管拡張効果は、腎輸入細動脈におけるcAMP依存性メカニズムによって媒介されることが知られている。さらに、アデノシンは腎血管拡張の認められたメディエータである。アデノシンの誘導体であるcAMPおよびAMPのレベルはシャム群と比較してIRI-ビヒクル群マウスにおいてすべて有意に減少したが、これらの変化は、IRIマウスをSW033291で処置することによって大幅に逆転した(図4CおよびD)。同様に、腎臓におけるアデノシンのレベルはIRIマウスでは29%減少したが、同様にSW033291によって増加した(図6A)。SW033291はさらに、血清アデノシンのレベルを有意に増加させた(図6B)。これらのシグナル化経路に対するSW033291の影響をさらに調査するため、PGE2およびアデノシン受容体に対する本薬剤の影響をさらに特徴付けした。シャムおよびIRIマウスと比較して、SW033291はEP4受容体mRNAおよびタンパク質のレベルを有意に増加させた(2.3倍まで)(図5D~F)が、EP1、2、または3には影響しなかった。対照的に、インドメタシンはEP4 mRNAを低減させたが、血管収縮に関与することが知られている受容体であるEP1のmRNAレベルを40%増加させた。さらに、シャムおよびIRIマウスと比較して、SW0332391はアデノシンA2A受容体タンパク質のレベルも誘発した(図6CおよびD)。免疫組織化学検査は、EP4およびA2A受容体の両方のSW033291誘発が、腎細動脈の収縮または拡張を直接的に調節するα-SMA陽性血管平滑筋細胞(VSMC)に局在化されたことを示した(図5G、図6E)。したがって、15-PGDH阻害による腎血管拡張の誘発は、EP4、cAMP(EP4のPGE2刺激の既知産物である)、アデノシン、およびA2Aアデノシン受容体を含む下流メディエータの誘発と良く相関しており、VSMCに標的化されるEP4 PGE2受容体およびアデノシンA2A受容体の両方の誘発を伴う。
15-PGDH阻害剤の単回用量による前処理は腎機能障害を軽減する
SW033291を投与する3用量計画における個々の用量の寄与についてさらに洞察を得るために、IRIの24時間前に投与されたSW033291の単回用量のみ(前)、対IRIの直後に投与された単回投与(後)、対IRIの24時間前、直後、および12時間後に与えられる本発明者らの標準3用量(両方)の効果を比較した(図7A)。驚くべきことに、SW033291のIRI前単回投与は、全3回用量投与計画と同じようにAKIの改善に有効であった(図7B~D)。これらの調査結果は、IRIの前に投与されたSW033291の単回用量はAKIを誘発することに対する予防法を提供することができることを示唆する。1用量のみのSW033291によるIRI後短期間の治療は、併用の前治療剤がない場合、AKIを改善するには不十分であった(図7B~D)。
15-PGDH阻害剤の単回用量による前治療は、AKI誘発された酸化ストレスを軽減し、腎PGE2における傷害誘発性増加を阻止する
単回用量の15-PGDH阻害剤前治療による虚血性AKIの予防のメカニズムに関するさらなる洞察を得るために、AKIの様々なマーカーの誘発の時間経過に対する本薬剤の効果を試験した。IRIマウスでは、酸化ストレスのマーカーであるマロンジアルデヒド(MDA)が腎IRI直後に増加し始め、2時間でベースラインを48%上回るピークに達したが、SW033291のIRI前の単回用量はこの増加を鈍化させ、わずか14%に低減した(図11E)。NGALはIRIマウスにおいて3時間で増加し始め、12時間でベースラインを17.28倍上回ってピークに達し、SW033291による前処置はこのピーク誘発を20%低減した(図3F)。さらに、IRI-SW033291群マウスは、KIM-1およびクレアチニンの誘発の極めて有効な遮断を示した(図3GおよびH)。興味深いことに、腎PGE2も腎傷害による誘発を示し、IRIマウスにおける2つのピークである、ベースラインを8.41倍超えるIRI直後のピークおよびベースラインを9.83倍超えるIRIの14時間後のピークを示した(図11A)。SW033291のIRI前単回用量は、IRI前のベースラインを5.12倍超えるPGE2ピークを誘発し、PGE2の0.5および14時間での2つのIRI後ピークをほとんどブロックするのに十分であった(図11A)。さらに、SW033291による予防は、BI30マウスの血清PGE2レベルを24時間で有意に減少させた(図11B)。さらに、SW033291による前処置はEP4およびA2A受容体の増加を、0.5時間でベースラインを2.4倍および1.6倍超えて促進した(図11CおよびD)。したがって、IRIが血管拡張を誘発する前における15-PGDH阻害剤による内因性PGE2の予防的誘発は、PGE2 EP4受容体およびアデノシンA2A受容体を誘発し、IRI後の酸化ストレスを有意に軽減し、これによって腎傷害の多数のマーカーを低減した。さらに、内因性PGE2の5倍の予防的誘発は、PGE2傷害修復シグナルの実質的に8~10倍高いIRI損傷後に誘発された「追い上げ」誘発をブロックした。
15-PGDH阻害剤処置は非毒性であり、腎IRI後の回復を促進する
AKIの設定におけるSW033291の毒性の可能性を評価するため、マウスにおいて腎動脈を30分間両側クランプし、その後再灌流することによって誘発された虚血性AKI後の7日間にわたる生存および毎日の体重を試験し、SW033291処置期間は、本薬剤をIRI前に1回、続いてAKI後の7日間の間1日に2回投与することによって延長した(図12A)。すべてのBI30-ビヒクル群およびBI30-SW033291群マウスは7日目に生存した。しかしながら、SW033291処置マウスは、ビヒクル処置マウスよりもPOD7で体重を回復した(図12BおよびC)。したがって、毒性の証拠はSW033291の長期投与で認められなかった。SW033291の有益な効果が腎PGE2の調節に起因することを裏付けることとして、BI30-インドメタシン群は、ビヒクルコントロールを注入されたマウスよりもPOD7で25%の生存率の低下および6%低い体重を示した(図12BおよびC)。
本発明の上記の説明から、当業者は、改善、変更および修正を認識するであろう。当業者の範囲内のそのような改善、変更および修正は、添付の特許請求の範囲によってカバーされることが意図されている。本出願で引用されるすべての参考文献、刊行物、および特許は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。

Claims (8)

  1. 腎虚血再灌流傷害または腎虚血再灌流傷害と関連する急性腎傷害の予防または治療に使用するための、15-PGDH阻害剤を含む医薬組成物であって、前記15-PGDH阻害剤が前記虚血再灌流傷害の前に投与され、前記15-PGDH阻害剤が以下の式を有する化合物、
    またはその薬学的に許容される塩、互変異性体、もしくは溶媒和物である、医薬組成物
  2. 象に投与される前記15-PGDH阻害剤の量が、前記対象の内因性腎PGE2レベルを誘発するのに有効な量である、請求項1に記載の医薬組成物
  3. 象に投与される前記15-PGDH阻害剤の量が、腎血管拡張を誘発し、低酸素症に対する耐性を高め、腎血行動態を改善し、腎酸化ストレスを減少し、腎炎症を低減し、かつ/または腎機能を維持するのに有効な量である、請求項1に記載の医薬組成物
  4. 象に投与される前記15-PGDH阻害剤の量が、マロンジアルデヒド(MDA)およびNGALレベルを低減し、髄質尿細管損傷を軽減し、髄質急性尿細管壊死(ATN)およびアポトーシスを低減し、高移動度群ボックス1(HMGB1)および炎症性サイトカインの誘発を低減し、腎細動脈を調節する血管平滑筋細胞における腎EP4 PGE2受容体およびA2Aアデノシン受容体を誘発し、腎cAMP、AMP、およびアデノシンレベルを増加し、かつ/またはクレアチニンおよびKIM-1の誘発を阻害するのに有効な量である、請求項1に記載の医薬組成物
  5. 前記15-PGDH阻害剤が前記虚血再灌流傷害の約1分~約72時間前の範囲で投与される、請求項に記載の医薬組成物
  6. 前記虚血再灌流傷害が対象における移植と関連する、請求項1に記載の医薬組成物
  7. 前記移植が腎臓移植である、請求項に記載の医薬組成物
  8. 前記虚血再灌流傷害が心臓血管手術または敗血症と関連する、請求項1に記載の医薬組成物
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