ユーザが全く知らない目的地に行く場合は、電子機器によって提示されるルートに不満を覚えることは少ないが、何回か行ったことがあり、ある程度道は知っているが、自分の記憶に少し不安があるようなところへ車で遠出するケースなどでは、提示されるルートとは別のルートを走行したいと感じることも多い。ルートは費用や最短距離等の実際的な観点から設定されるものであり、ユーザが観光等を目的としている場合は、物足りないと感じることも多い。
また、例えばドライバーではなく同乗者が抜け道などを知っている場合、ドライバーに道を教えたいが、抜け道は入り組んでいることも多く、簡単に道を説明できないことも良くあり、不便を感じることがあった。
そこで、ユーザが例えば自宅のPC等で独自にルートを作成し、電子機器へ作成したルートを転送する技術や、電子機器に記憶されている経路の履歴をPCを使って編集する技術が提案されている。(例えば、特許文献1,2及び3参照。)
上述した技術により、ユーザが作成したルートで走行することは可能である。しかし、ユーザが作成したルートであっても、電子機器が設定したルートと同じように機械的に案内するに留まる。しかしながら、実際の旅行は、そのような事前に設定したルートに留まらないことが多い。実際に走行してみると、見える景色によってルートを外れてみたりすることもある。また、道程において観光地に立ち寄り、寺社仏閣を参拝したりお土産を購入したり食事をしたりと、様々な思い出が形成される。そして、旅行後には、そのような思い出を楽しみたいと考えるものである。従来の電子機器には、そのような事前の計画立てから旅行中の思い出作り、旅行後の思い出を楽しむといった旅行の醍醐味をサポートするホスピタリティには欠けている。
本発明は、上記のような従来技術の問題を解決するために提案されたものであり、利便性が高く、かつエンターテイメント性に優れたシステム等を提供することにある。
(1)本発明に係るシステムは、ユーザの走行経路に関する情報を取得し、ユーザの走行前に設定された設定経路に関する情報と共に表示手段に表示させる制御手段を有するものとした。
例えば自動車で旅行する場合、目当ての観光地を効率良く回れるように、事前に走行する経路を計画しておくことがある。しかしながら、実際に旅行に出かけると、走行予定の道が渋滞していたり、目についたものに心惹かれたりして、その場で走行する経路を変更することも多い。そういった計画の臨機応変な変更も旅の醍醐味の一つであり、後から振り返れば楽しい旅のイベントのひとつとして思い出されるものである。
例えば、旅が終わった後に、旅行で走行した経路を表示してその経路を辿ることで、ユーザはリアルな旅の思い出を楽しむことができるが、その際に事前に走行予定としていた経路を共に表示させることで、計画変更にまつわるイベントを鮮明に思い出すことができる。すなわち、ユーザが旅の思い出を楽しむことをサポートする利便性に高いシステムを提供することができる。
また、計画変更が成功だったか、計画変更によって通らなかった道を次に通るべきか、などを検討したり、同行者と話し合ったりすることができ、次の旅行の計画にも役立てることができる。
走行経路に関する情報とは、例えば、ユーザが実際に走行した経路である走行経路と、それに関する情報とすると良い。走行経路そのものだけではなく、例えば、走行経路で撮影した画像や記録した音声に関する情報も含むと良い。走行経路は、例えば、ユーザが自動車、バイク又は自転車等の車両を運転して走行した経路であると良い。あるいは、例えば、ジョギング、ハイキング又はトレッキング等でユーザ自身の足で走行した又は歩行した経路でも良い。例えば、システムにナビゲーション装置やスマートフォン等のGPSが備えられた電子機器を備えるようにして、電子機器がユーザ又は車両の位置及び進行方向を測定した情報を取得して走行経路情報を作成すると良い。表示手段における走行経路の
表示は、例えば、地図上の道路を着色して表示し、目立つようにすると良い。
設定経路に関する情報とは、例えば、ユーザの走行前に走行予定として設定された設定経路と、それに関連する情報である。設定経路そのものだけでなく、例えば、設定経路上にある観光地や交通情報の情報も含むと良い。設定経路の作成は、例えば、出発点、終点、経由地、所要時間等の諸条件の入力に応じて推奨経路を算出するアプリケーションを用いて行うと、手軽に作成できるので良い。例えば、このアプリケーションがインストールされた電子機器をシステムに備え、電子機器がユーザの入力に基いて推奨経路を算出し、ユーザの選択に応じて設定経路を作成すると良い。表示手段における設定経路の表示は、例えば、地図上の道路を目立つ色で着色して表示すると良く、走行経路とは異なる色で着色して判別しやすいようにするとなお良い。
制御手段は、例えば、電子機器に備えられるものであって、電子機器は、例えば、自宅でゆっくり思い出を楽しめるように、PCとすると良い。また、例えば、ユーザが持ち運び可能な小型の電子機器、例えば携帯電話、スマートフォン、又はポータブルナビゲーション装置等とすることによって、外出先でも気軽に旅の思い出を楽しむことができるので良い。さらに、例えば、カーナビゲーション装置又はレーダー探知機等の車載用電子機器とすることによって、自動車で旅行した場合は、車内ですぐに思い出を楽しむことができるので良い。
表示手段は、例えば、ユーザが情報を視覚的に認識できる表示画面とすると良い。例えば、制御手段を備える電子機器自体の表示画面とすると良い。あるいは、例えば、電子機器に接続されたTVの画面であると良い。これによって、大画面で旅の思い出を楽しむことができる。あるいは、電子機器に接続されたプロジェクターによってスクリーンや壁に投影される画面であっても良い。プロジェクターを用いることによって、例えば、旅の途中でも宿泊施設の壁に画像を投影して気軽に思い出を楽しむことができるので良い。
システムがタッチパネル式の電子機器を備える場合は、例えば、タッチパネルに地図を表示すると共に、ユーザが各種の入力操作を行うためのボタンを設けると良い。例えば、マウスによるカーソル移動、右ボタン及び左ボタンの代わりとなるようなボタンを表示すると良い。
また、例えば、タッチパネル式の電子機器にプロジェクターを接続して用いる場合は、スクリーンや壁に地図を投影し、タッチパネルにユーザが各種の入力操作を行うボタンを表示することによって、旅の思い出を大画面で楽しみつつ、手元の電子機器をリモコンのように使用して容易に操作を行うことができるので良い。
(2)制御手段は、例えば、走行経路上に設定されたポイントと、ポイントに関連する情報を取得して表示手段に表示させると良い。走行経路上に設定された任意のポイントと、そのポイントに関連する情報、例えば旅行中に撮った写真等を共に表示することで、旅の再現性を高めることができ、旅行をしたユーザは旅の思い出をより楽しむことができ、さらに旅行に同行しなかった者が見ても、旅を疑似体験するような感覚を味わうことができる。
ポイントとは、例えば、観光や食事に立ち寄った場所等の、ユーザによって選択された場所の位置情報とすると良い。ユーザは、例えば、旅行前の設定経路の作成時に、行く予定の観光地や食事処等の場所を予め選択しておいても良く、また、例えば、旅行中に選択しても良い。例えば、上述した走行経路を作成する電子機器が、ユーザが選択した場所に基づいてポイントを走行経路上に設定すると良い。
システムがタッチパネル式の電子機器を備える場合は、例えば、タッチパネルに地図を表示すると共に、ユーザが各種の入力操作を行うためのボタンを設けると良い。ユーザは、例えば、地図上の選択した場所をタッチし、あるいは住所を直接入力すると良い。電子機器は位置情報の入力を受け付け、走行経路上にその場所をポイントとして設定すると良い。表示手段におけるポイントの表示は、例えば、地図上のポイントの位置を目につきやすい形で指示するものであると良い。具体的には、例えば、走行経路とは異なる色で着色された、円形や四角形のマークで表示すると良い。
ポイントに関連する情報は、例えば、ポイントにおいてユーザが観光した場所や食べた料理の画像又は動画であると良い。また、例えば、ポイントである観光地についてのユーザのコメントであると良い。あるいは、ポイントにおいてシステムが記録した動画や音声であっても良い。具体的には、例えば、システムに車載用ドライブレコーダーを備えるようにし、そのドライブレコーダーで動画や音声を記録すると良い。
表示手段におけるポイントに関連する情報の表示は、例えば、ポイントとの関連がわかるような形で表示すると良い。例えば地図上において、ポイントを示すマークから吹き出しを延ばし、その吹き出し内に情報又はそのサムネイルを表示すると良い。
(3)制御手段は、表示手段に、走行経路の出発点から終点に向かって移動するアイコンを表示させ、アイコンがポイントに到達すると、ポイントに関連する情報を表示させると良い。
走行経路の出発点から終点に向かって移動するアイコンを表示させ、さらにアイコンが走行経路上に設定されたポイントに到達したときに、ポイントに関連する情報を表示させることで、旅行におけるユーザの移動を疑似的に表現し、さらに旅行で発生したイベントをその道程に沿って再現することができるため、よりリアルな旅の思い出を楽しむことができる。
アイコンは、例えば丸や三角形のような単純な図形にすると良い。あるいは、車や人物を描いたイラストにすると良い。あるいは、走行経路上とは異なる色で着色され、出発点から終点に向かって徐々に延びていく線とすると良い。
アイコンは、例えば、走行経路上のポイントが存在しないところは比較的早い速度で移動し、ポイント付近を移動するときに減速するようにすると良い。また、ユーザの操作により、適宜早送りや巻き戻しができるようにすると良い。
アイコンがポイントに到達する前は、例えば、ポイントに関連する情報は隠れた状態にしておくと良い。あるいは、例えば、情報である画像や動画のサムネイルを表示すると良い。又は、画像、動画、コメント等の情報の種別を示すイラストを表示すると良い。
アイコンがポイントに到達するときに、そのポイントに関連する情報を所定時間、例えば画像であれば10秒程度、コメントであれば20秒程度表示すると良い。動画であればその動画の再生時間に応じて表示すると良い。情報を表示している間は、例えば、アイコンの移動は停止しておくと良い。
(4)制御手段は、ユーザによって入力された出発点と終点に応じて算出した推奨経路に関する情報を表示手段に表示させ、推奨経路に対するユーザの変更を受け付け、変更後の経路をユーザの走行予定の設定経路として設定すると良い。
ユーザによって入力された出発点と終点に応じた推奨経路が表示手段に表示され、その
推奨経路に対して変更を行うことで設定経路を作成することができるため、ユーザは旅行前に手軽に計画作成をすることができ、旅行後に思い出を楽しむことに加えて、ユーザの思い出作りの準備をサポートするシステムとして、より高い利便性を提供することができる。さらに、推奨経路をユーザが変更して設定経路とすることができるため、ユーザの経験、知識、嗜好に応じた柔軟な計画作成を可能にする。
システムは、例えば設定経路作成用のアプリケーションがインストールされた電子機器を備えるようにすると良い。例えば、電子機器をPCとすることで、ユーザは、旅行出発前に自宅等で、余裕をもって、入念な計画作成が可能である。あるいは、電子機器をポータブルカーナビゲーション装置やスマートフォン等の持ち運び可能な電子機器としても良い。例えば、通勤中の電車等、場所を選ばずに計画作成ができる。あるいは、例えば、電子機器をカーナビゲーション装置等の車載用電子機器とすると良い。例えば、旅行の当日の走行開始前に、車内において手軽に計画作成を行うことができる。
推奨経路は、ユーザが入力した出発点と終点の位置情報に応じて、予め記憶されたアルゴリズムに従って計算すると良い。これによって、基本となるルートを手軽に作成することができる。あるいは、メジャーな観光ルートとして予め記録されたものを用いても良い。出発点や終点だけでなく、経由地やポイントとなる観光地、ユーザが食べたいと希望するグルメ情報の選択を受け付けてルート作成を行っても良い。推奨経路に関する情報は、推奨経路そのものの情報に限られず、例えば、推奨経路上にある観光地の名称や特徴等といった情報を含むようにすると良い。
また、例えば、出発点と終点に応じた推奨経路として、以前に作成して記憶したルートを呼び出し、そのルートに編集をして、設定経路とすると良い。推奨経路は、例えば地図上において、推奨されるルートを着色された太い線でなぞった形で表示すると良い。
ユーザからの経路の変更の受け付けは、例えば、PCであれば、ユーザがマウスで推奨経路の一部を通りたいと希望する道に合わせてドラッグすることに応じて、経由ポイントを変更し、推奨経路のリルートを行うと良い。あるいは、例えば、タッチパネルを採用したスマートフォンやカーナビゲーション装置であれば、ユーザが指で推奨経路の一部をドラッグすることに応じて変更すると良い。
(5)制御手段は、推奨経路に関する情報と共に、ユーザによって作成された迂回経路に関する情報を取得して表示手段に表示させ、ユーザの入力に応じて迂回経路を通過するように推奨経路を変更すると良い。
推奨経路の変更は、例えば、ユーザが作成した迂回経路を用いて行うことができる。すなわち、推奨経路と共に、ユーザによって作成された迂回経路を表示手段に表示させ、ユーザの入力により迂回経路を通過するように推奨経路を変更することで、ユーザの知識や経験をより確実に活用し、しかも手軽に設定経路の作成を行うことができる。
迂回経路とは、他の道から迂回して通るべき道としてユーザが設定した経路とすると良い。迂回経路は、例えば、周辺道路の混雑状況や道の通りやすさ等のユーザ個人の経験や知識に基づいて、一般的に通る道から迂回して通るべき道として設定すると良い。なお、例えば、推奨経路を通る場合より近道となる道も、迂回経路に含まれる。また、迂回経路に関する情報には、迂回経路そのものだけではなく、例えばユーザのコメント等の、迂回経路に関する情報を含めると良い。
迂回経路の作成は、例えば、設定経路の作成を行うアプリケーションに迂回経路作成モードを設けて行うと良い。PCを用いる場合は、例えばユーザが地図上の任意の道をマウ
ス等でなぞることによって作成すると良い。あるいは、例えば、タッチパネルを採用したスマートフォンやカーナビゲーション装置を用いる場合は、ユーザが地図上の任意の道を指でなぞることによって迂回経路を作成すると良い。
作成した迂回経路については、例えば、「迂回経路1」等の名前とその迂回経路に関するユーザのコメントを付けて登録できるようにすると良い。迂回経路は、表示画面の地図上では、推奨経路と判別がつくように、推奨経路とは異なる色で着色すると良い。
また、迂回経路を地図上に表示しているときには、例えば、迂回経路の名前とユーザのコメントも地図上に表示されるようにすると良い。あるいは、例えば、ユーザがその迂回経路にカーソルを合わせると名前とコメントが表示されるようにすると良い。
(6)制御手段は、迂回経路を通過するように変更された推奨経路を、変更前の推奨経路と共に表示手段に表示させると良い。
迂回経路を通過するように変更された推奨経路を、変更前の推奨経路と共に表示手段に表示させることで、経路の変化が視認でき、変更が適切だったかどうか検討しやすい。変更前の推奨経路は、例えば、変更後の推奨経路より薄い色や異なる色で着色して、変更前のものであるとユーザが把握しやすくすると良い。
(7)制御手段は、推奨経路に関する情報と共に、ユーザによって作成された回避地点又は回避経路に関する情報を表示手段に表示させると良い。
推奨経路と共に、ユーザによって作成された回避地点又は回避経路を表示手段に表示させることで、ユーザの知識や経験をより確実に反映して設定経路の作成を行うことができる。
回避地点又は回避経路は、例えば、混雑状況や事故状況、道幅の狭さ等のユーザ個人の経験や知識に基づいた、通ることを回避すべき地点又は道として設定すると良い。
回避地点又は回避経路の作成のために、例えば、設定経路の作成を行うアプリケーションに回避経路作成モードを設けても良い。システムは、ユーザの入力を受け付けて回避経路を作成すると良い。例えば、システムが表示手段に地図を表示し、ユーザは地図上の任意の地点をマウスでクリックし、又は道をマウス等でなぞることによって入力を行い、システムはその入力を受け付けて回避経路を作成すると良い。作成した回避地点又は経路については、例えば、自動的にあるいはユーザの入力に基いて「回避地点1」、「回避経路2」等の名前を付けて登録すると良い。また、回避経路に関する情報は回避経路そのものだけでなく、例えばその経路に対するユーザのコメント等の、関連情報も含めると良い。
回避地点又は経路は、表示画面の地図上では、推奨経路及び迂回経路と判別がつくように、推奨経路及び迂回経路とは異なる色で着色すると良い。回避地点は、例えば、旗等のイラストで表示しても良い。
また、回避地点又は経路を地図上に表示しているときには、例えば、回避地点又は経路の名前とユーザのコメントも地図上に表示されるようにすると良い。あるいは、例えば、ユーザがその回避地点又は経路にカーソルを合わせると名前とコメントが表示されるようにすると良い。
(8)本発明のシステムは、ユーザによって入力された出発点と終点に応じて算出した推奨経路に関する情報を表示手段に表示させ、推奨経路に対するユーザの変更を受け付け、
変更後の経路をユーザの走行予定の設定経路として設定する第2の制御手段を更に有するようにすると良い。
ユーザによって入力された出発点と終点に応じた推奨経路が表示手段に表示され、その推奨経路に対して変更を行うことで設定経路を作成することができるため、ユーザは旅行前に手軽に計画作成をすることができ、旅行後に思い出を楽しむことに加えて、ユーザの思い出作りの準備をサポートするシステムとして、より高い利便性を提供することができる。さらに、推奨経路をユーザが変更して設定経路とすることができるため、ユーザの経験、知識、嗜好に応じた柔軟な計画作成を可能にする。
推奨経路は、ユーザが入力した出発点と終点の位置情報に応じて、予め記憶されたアルゴリズムに従って計算すると良い。あるいは、メジャーな観光ルートとして予め記録されたものを用いても良い。出発点や終点だけでなく、経由地やポイントとなる観光地、ユーザが食べたいと希望するグルメ情報の選択を受け付けてルート作成を行っても良い。推奨経路に関する情報は、推奨経路そのものの情報に限られず、例えば、推奨経路上にある観光地の名称や特徴等といった情報を含むようにすると良い。
また、例えば、出発点と終点に応じた推奨経路として、以前に作成して記憶したルートを呼び出し、そのルートに編集をして設定経路とすると良い。推奨経路は、例えば地図上に推奨されるルートを、着色された太い線でなぞった形で表示すると良い。
ユーザからの経路の変更の受け付けは、例えば、PCであれば、ユーザがマウスで推奨経路の一部を通りたいと希望する道に合わせてドラッグすることに応じて、経由ポイントを変更し、推奨経路のリルートを行うと良い。あるいは、例えば、タッチパネルを採用したスマートフォンやカーナビゲーション装置であれば、ユーザが指で推奨経路の一部をドラッグすることに応じて変更すると良い。
設定経路の作成は、走行経路と設定経路の表示を行う機器とは別の電子機器を用いて行うことができ、柔軟性が高い。例えば、自宅のPC等の電子機器で設定経路の作成を行い、旅先でスマートフォンやポータブルカーナビゲーション装置等の持ち運び可能な電子機器で走行経路と設定経路の表示を行うことができる。
設定経路の作成のために、システムは、思い出を楽しむための走行経路と設定経路に関する情報を表示する制御手段とは別の、第2の制御手段を備えても良い。ユーザは状況に応じて異なる電子機器を使用することができるので、簡便で柔軟性の高いシステムを提供することができる。
例えば、ユーザの自宅に備えられたPCで設定経路の作成を行い、車中で、カーナビゲーション装置等の車載用電子機器を用いて走行経路と設定経路に関する情報表示すると良い。あるいは、例えば、旅先の宿泊施設でスマートフォンやポータブルカーナビゲーション装置等の持ち運び可能な電子機器で走行経路と設定経路に関する情報を表示すると良い。
あるいは、例えば、通勤中にスマートフォンやポータブルカーナビゲーション装置等の持ち運び可能な電子機器で設定経路の作成を行い、旅行後にユーザの自宅のPCで走行経路と設定経路に関する情報を表示すると良い。
2つの電子機器の間における、データのやり取りは、例えば、SDカードやUSBメモリ等の記憶媒体を用いて行うと良い。あるいは、例えば、いわゆるクラウドコンピューティングを用いても良い。すなわち、一方の電子機器で作成したデータをネットワーク上の
サーバーに送信し、サーバーが送信されたデータを他方の電子機器に送信すると良い。
(9)本発明のシステムは、ユーザの走行中に、設定経路に関する情報を経路案内のために表示手段に表示させ、当該設定経路とユーザが走行している経路との差分を表示し、かつユーザが走行した経路を走行経路に関する情報として記憶手段に記憶させる第3の制御手段を有するようにすると良い。
ユーザの走行中に、ユーザが走行前に設定した設定経路を案内経路として表示手段に表示させることで、ユーザは事前計画の通りにスムーズに旅を進めることができる。ただし、道の渋滞や目についたものに心惹かれたりして、その場で走行する経路を変更することも多く、それも旅の醍醐味である。そのような場合に、設定経路とユーザが走行する経路との差分を表示することで、予定をあえて外れて冒険しているというスリルを味わうことができる。同時に、いつもで設定経路に戻れるという安心感を与えることができる。さらに、実際にユーザが走行する経路を走行経路として記録することで、旅行後に思い出を楽しむための準備をすることができる。
設定経路とユーザが走行する経路との差分の表示態様として、例えば、ユーザが設定経路通りに走行している間は、一般的なナビゲーションの表示と同様に、設定経路上をアイコンが移動する形で表示しておき、ユーザが設定経路から外れたときは、外れた地点から、設定経路とは異なる色でユーザの移動する道を着色すると良い。ユーザが再び設定経路に戻ったときは、例えば、再び設定経路上をアイコンが移動する表示に戻し、設定経路から外れた部分が強調されるような表示にすると良い。
設定経路の表示及び走行経路の記録は、走行前に設定経路を作成する制御手段や、走行後に思い出を楽しむために走行経路と設定経路に関する情報を表示する制御手段とは別の、第3の制御手段が行っても良い。状況に応じて異なる電子機器を使用することができるので、簡便で柔軟性の高いシステムを提供することができる。
例えば、設定経路の作成を自宅のPCで行い、カーナビゲーション装置等の車載用電子機器を用いて、設定経路を表示し、かつ走行経路の記録を行うと良い。さらに、記録された走行経路と設定経路とを、再び自宅のPCで表示して思い出を楽しむと良い。
また、例えば、設定経路の作成を自宅のPCで行い、カーナビゲーション装置等の車載用電子機器で設定経路を表示し、かつ走行経路の記録を行うと良い。さらに、スマートフォン等の持ち運び可能な電子機器とプロジェクターで宿泊施設等で走行経路と設定経路とを表示すると良い。ユーザは旅の途中でその日の思い出を楽しむことができる。
2つ又は3つの電子機器の間における、データのやり取りは、例えば、SDカードやUSBメモリ等の記憶媒体を用いて行うと良い。あるいは、例えば、いわゆるクラウドコンピューティングを用いても良い。すなわち、一方の電子機器で作成したデータをネットワーク上のサーバーに送信し、サーバーが送信されたデータを他方の電子機器に送信すると良い。
(10)第3の制御手段は、ユーザの走行中に、前記設定経路に関する情報と共に、ユーザによって作成された迂回経路に関する情報を表示手段に表示させると良い。
設定経路に関する情報と共に迂回経路に関する情報を表示手段に表示させることで、現地で急な渋滞があった場合には、迂回経路を参照して臨機応変に走行経路を変更することができる。ユーザが作成した迂回経路は、例えば、事前計画において設定経路の一部として採用されなかったものでも、現地の状況によって第二、第三の候補となりうるものもあ
る。そのため、走行中に設定経路と共にそのような迂回経路を表示することで、例えば道路の渋滞に遭遇したときに、迂回経路を参照することで、容易に計画を変更することができる。
(11)第3の制御手段は、走行経路上の任意の位置にポイントを作成し、当該ポイントに関連する情報を登録するようにすると良い。
走行経路上の任意の位置にポイントを作成し、当該ポイントに関連する情報を登録することで、走行経路において発生する旅の様々な思い出を簡単に記録することができ、旅を楽しむツールとして利便性が高い。
ポイントの作成は、例えば、ユーザの入力に応じて行うと良く、あるいは、例えば10kmごとといった所定距離ごとに、あるいは、例えば1時間ごとといった所定時間ごとに自動で設定するようにすると良い。また、例えば設定経路から道を外れたとき、といった所定条件に応じて自動で設定するようにすると良い。
ユーザの入力によりポイントの作成を行った場合は、そのポイントに関連する情報として、例えばユーザが撮影した観光地や食べた料理の写真や、ユーザのコメントを登録すると良い。また、所定距離ごと、所定時間ごと、あるいは所定条件に応じてポイントを自動的に設定するようにした場合は、例えば、車両に取り付けられているドライブレコーダーが記録している動画や音声をポイントごとに抽出して、そのポイントに関連する情報として登録すると良い。例えば、設定経路から道を外れたときの車内の会話が登録されることによって、ユーザは、どのような原因で設定経路から外れたのかを鮮明に思い出して、旅の思い出を楽しむことができる。
例えば、システムがタッチパネルにより操作するカーナビゲーション装置を備えている場合には、表示されている走行経路の所望の箇所をユーザがタッチすることによって、その箇所にポイントを作成すると良い。また、ポイントが作成されると、そのポイントに関連する情報を登録する画面を表示させると良い。情報が、例えば、ユーザのコメントである場合には、コメント入力画面を表示させると良い。ポイントに関連する情報が、例えば、画像又は動画である場合は、アップロードする画像又は動画を指定する画面を表示させると良い。ポイントに関連する情報が、例えば、ドライブレコーダーで記録された動画や音声である場合は、動画又は音声の抽出範囲を指定する画面を表示させると良い。
(12)第3の制御手段は、情報に含まれる位置情報に対応する走行経路上の位置にポイントを作成し、情報を当該ポイントに関連する情報として登録すると良い。
例えば、GPS機能を備えたスマートフォンで画像を撮影した場合に、その画像にはいわゆるジオタグと呼ばれる位置情報が付されている。登録しようとする情報にこのような位置情報が含まれている場合は、その位置情報に対応する走行経路上の位置にポイントを作成し、そのポイントに関連する情報として登録することによって、ユーザはポイントの指定を行う必要がなく、簡単に思い出を登録することができる。
例えば、ユーザがスマートフォンで画像を撮影した場合は、ジオタグが付された画像を、走行経路の記録を行っているカーナビゲーション装置等の電子機器に送信し、電子機器は画像に含まれる位置情報を読み取り、走行経路上の対応する位置にポイントを設定し、さらにその画像データをポイントに関連する情報として登録すると良い。
(13)第3の制御手段は、走行経路上の所定間隔ごとにポイントを作成し、当該ポイントにおいて取得した画像又は音声を当該ポイントに関連する情報として登録すると良い。
所定間隔ごとにポイントを作成し、そのポイントにおいて取得される画像又は音声を当該ポイントに関連付けて記憶手段に記憶させることで、ユーザが特別な労力を払うことなく、簡単に思い出を記録することができる。
所定間隔は、例えば1時間といった所定時間間隔としても良く、10kmといった所定距離間隔でも良い。
画像又は音声は、例えば、走行経路を記録するカーナビゲーション装置等の電子機器を車両に搭載されるドライブレコーダーに接続しておき、ポイントに到達するごとに、ドライブレコーダーが連続的に記録している車窓の映像や車内の音声を抽出してポイントに関連する情報として記憶すると良い。
映像を抽出する場合は、例えば、静止画として抽出しても良いし、例えば3分間程度の動画として抽出しても良い。音声を抽出する場合は、例えば、車内でどのような会話が交わされていたかわかるように、1~2分間程度抽出すると良い。
このように、近年交通事故等のトラブルに備えて車両に搭載されることが多いドライブレコーダーを活用することで、ユーザが写真を撮る時間が無かったような急ぎの旅でも、ドライブレコーダーから取得した車窓の画像や車内の話し声を聞いて旅の思い出を楽しむことができる。
(14)制御手段は、ユーザの走行中に、ユーザの走行前に設定された設定経路に関する情報を経路案内のために表示手段に表示させ、当該設定経路とユーザが走行している経路との差分を表示し、かつユーザが走行した走行経路に関する情報を記憶手段に記憶させると良い。
ユーザの走行中に、ユーザが走行前に設定した設定経路を表示手段に表示させることで、ユーザは事前計画の通りにスムーズに旅を進めることができる。ただし、道の渋滞や目についたものに心惹かれたりして、その場で走行する経路を変更することも多く、それも旅の醍醐味である。そのような場合に、設定経路とユーザが走行する経路との差分を表示することで、予定をあえて外れて冒険しているというスリルを味わうことができる。同時に、いつもで設定経路に戻れるという安心感を与えることができる。さらに、実際にユーザが走行する経路を走行経路として記録することで、旅行後に思い出を楽しむための準備をすることができる。
当該設定経路とユーザが走行する経路との差分の表示態様として、例えば、ユーザが設定経路通りに走行している間は、一般的なナビゲーションの表示と同様に、設定経路上をアイコンが移動する形で表示しておき、ユーザが設定経路から外れたときは、外れた地点から、設定経路とは異なる色でユーザの移動する道を着色すると良い。ユーザが再び設定経路に戻ったときは、例えば、再び設定経路上をアイコンが移動する表示に戻し、設定経路から外れた部分が強調されるような表示にすると良い。
事前準備としての設定経路の作成、走行中の設定経路の表示及び走行経路の記録、及び走行経路と設定経路の表示は、同じ制御手段が行うと良い。これによって、旅行後に思い出を楽しむことと、旅行前及び旅行中にその準備をすることを1つの電子機器で容易にこなすことができ、ユーザへのホスピタリティに優れた電子機器を提供することができる。
例えば、システムに持ち運び可能なポータブルナビゲーション装置やナビゲーション機能を備えたスマートフォンを備え、事前に自宅や通勤電車のなかで設定経路の作成を行い、旅行中にその機器をそのまま車内に持ち込んで設定経路の表示及び走行経路の記録を行
い、旅行終了後にその機器を自宅に持ち帰って設定経路と走行経路の表示を行い、思い出を楽しむと良い。あるいは、旅の途中でも宿泊施設にポータブルナビゲーション装置やスマートフォンを持ち込み、プロジェクターに接続して上映会をすることで、思い出を楽しむことができる。
あるいは、例えば、カーナビゲーション装置等の車載用電子機器を備えることで、旅行当日に自動車で走行を開始する前に、設定経路の作成を行い、そのまま作成した設定経路を表示し、同時に走行経路の記録を行うと良い。そして、例えばパーキングエリア等で休憩中に設定経路及びそこまでの走行経路を表示して、思い出を楽しんだりその先どのようなルートを通るべきかの検討を行うと良い。
(15)本発明のプログラムは、上記(1)~(14)のいずれかに記載のシステムにおける制御手段、第2の制御手段又は第3の制御手段としての機能を実現させるためのプログラムである。
本発明によれば、走行経路と共に走行前に設定した設定経路が表示されることで、例えば、旅が終わった後に、走行経路を辿るだけでなく、事前の計画からの変更にまつわるイベントも思い出して楽しむことができる。これによって、単なる利便性に留まらずにユーザが旅の思い出を楽しむことができるエンターテイメント性に優れたシステムを提供することができる。
[電子機器の構成]
[基本構成]
[ポータブルカーナビゲーション装置]
図1は、本発明のシステムを構成する電子機器として好適なポータブルカーナビゲーション装置(以下、単に「ナビゲーション装置」という)1の一実施形態の外観を示しており、図2は、その機能ブロック図である。
図1に示すように、ナビゲーション装置1は、持ち運び可能な携帯型の装置本体2と、それを保持する取付部材たるクレードル3とを備える。装置本体2をクレードル3に装着することで、車載用のナビゲーション装置として機能し、クレードル3から取り外すことで携帯型のナビゲーション装置(PND)として機能する。本実施形態は、装置本体2をクレードル3に着脱可能とし、クレードル3と共に車両のダッシュボード上に設置して利用したり、クレードル3から装置本体2を取り外して携帯型(PND)として利用したりすることができるタイプである。
装置本体2は、クレードル3に対して着脱自在に取り付けられる。装置本体2は、扁平な矩形状のケース本体4を備えている。そのケース本体4の前面には、表示部5が配置され、その表示部5上には表示部5のどの部分がタッチされたかを検出するタッチパネル8を備え、前面の両サイドには警報ランプ9を備えている。クレードル3は、装置本体2を保持するクレードル本体6と、車室内の所定の位置(ダッシュボード等)において、クレードル本体6を任意の姿勢で指示する台座部7と、を備えている。台座部7は、底面に設けた吸盤にて、ダッシュボードなどの上に吸着して固定される。台座部7とクレードル本体6とは、ボールジョイント等の連結機構を介して所定の角度範囲内で回転可能に連結される。ボールジョイントであるため、台座部7とクレードル本体6は、相対的に三次元方向の任意の角度範囲内で回転移動し、ジョイント部分における摩擦抵抗により任意の角度位置でその位置をとどめる。よって、クレードル本体6に取り付けられた装置本体2も、ダッシュボード上において任意の姿勢で配置することができる。
さらにケース本体4の一方の側面には、SDメモリカード用スロット部21を備え、そのSDメモリカード用スロット部21に地図データなどが記録されたSDメモリカード22を挿入可能としている。このSDメモリカード用スロット部21は、挿入されたSDメモリカード22に対して情報の読み書きを行うメモリカードリーダライタを含む。また、ケース本体4のSDメモリカード用スロット部21を設けた側面には、DCジャック10を設けている。DCジャック10は、図示省略のシガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにする。
一方、SDメモリカード用スロット部21とは反対側の側面には、電源スイッチや、USB端子23を設けている。このUSB端子23を介してパソコンと接続し、ソフトウェアアプリケーションのバージョンアップなどを行なうことができる。また、このUSB端子23を介してナビゲーション装置1を図11に示すモバイルプロジェクター80と接続することで、出力した画像をスクリーンや壁等に投影することができる。
ケース本体4の内部には、以下の各機器・部品を配置している。すなわち、ケース本体4の背面側内部には、マイクロ波受信機11を配置する。マイクロ波受信機11は、所定周波数帯のマイクロ波を受信するもので、その設定された周波数帯のマイクロ波を受信した場合に、その受信したマイクロ波の信号レベルを検出する。具体的には、その信号レベルであり電界強度に対応するRSSI電圧を利用する。上記の所定周波数帯は、たとえば車両速度測定装置から出射されるマイクロ波の周波数が含まれる周波数帯としている。
また、ケース本体4の上面側内部には、GPS信号を受信し現在位置を求めるGPS受信機12を配置している。ケース本体4の前面側内部には、赤外線通信機14を配置する。赤外線通信機14はスマートフォン15等の赤外線通信機を内蔵した通信装置との間でデータの送受を行なう。さらに、ケース本体4内には、スピーカ20も内蔵されている。
更に、本実施形態の装置は、無線受信機13とリモコン受信器16を備えている。無線受信機13は、飛来する所定周波数の無線を受信する。リモコン受信器16は、リモコン(携帯機:子機)17とデータ通信をし、装置に対する各種の設定を行なう。無線受信機13は、飛来する所定周波数帯の無線を受信する。この所定周波数は、例えば、緊急車両が基地局に対して自車位置を通知する際に使用する無線の周波数帯とすることができる。
本実施形態のナビゲーション装置1は、ナビゲーション機能、後述する設定ルート再現機能及び走行ルート記録機能に加え、周囲に存在する車両速度測定装置その他の交通監視ポイント等の目標物を報知する目標物報知装置としての目標物報知機能も備えている。これらの機能は、制御部18に有するコンピュータが実行するプログラムとして制御部18のEEPROM上に格納され、これを制御部18に有するコンピュータが実行することで実現される。
すなわち、制御部18は、上記の各種の入力機器(GPS受信機12、マイクロ波受信機11、無線受信機13、タッチパネル8、赤外線通信機14、リモコン受信器16、SDメモリカードスロット部21、USB端子23等)から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、出力機器(表示部5、警報ランプ9、スピーカ20、赤外線通信機14、SDメモリカードスロット部21、USB端子23等)を利用して所定の情報・警報・メッセージを出力する。この所定の処理が、上記の各機能を実行するためのものであり、必要に応じてデータベース19や、SDメモリカード22にアクセスする。
ここでデータベース19は、制御部18のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)により実現できる。なお、データベース19には、出荷時に一定の目標物や地図その他の各機能を実施するために必要な情報が登録されており、その後に追加された目標物についてのデータ等は、所定の処理を経て更新することができる。この更新のための処理は、例えば、追加データが格納されたSDメモリカード22をSDメモリカード用スロット部21に装着すると共に、そのSDメモリカード22からデータベース19に転送することで行うことがある。また、このデータ更新は、赤外線通信機14を用いたり、USB端子23を介して接続されるパソコンその他の外部機器を用いたりすることで行うことができる。
目標物報知機能を実現するための制御部18は、以下のような動作をする。すなわち、制御部18は、マイクロ波受信機11が所望のマイクロ波を受信した場合、予め定めた警報を出力する。この警報としては、スピーカ20を用いたブザーやマイクロ波の受信(車両速度測定装置の検出等)を知らせるための音声の出力や、表示部5を用いた文字或いはイメージによるメッセージの出力などがある。
また、制御部18は、無線受信機13が所望の無線を受信した場合、予め定めた警報を出力する。この警報としては、スピーカ20を用いたブザーやマイクロ波の受信(緊急車両の接近等)を知らせるための音声の出力や、表示部5を用いた文字或いはイメージによるメッセージの出力などがある。この無線の受信に伴う警報と、上記のマイクロ波の受信に伴う警報の形態は、異なるようにすると良い。
さらに、制御部18は、GPS受信機12によって検出した現在位置と、データベース19に記憶している交通監視ポイント等の目標物の位置が、所定の位置関係にあるとき、所定の警報を出力する。そのため、データベース19には、検出対象の目標物に関する情報(経度・緯度を含む目標物の位置情報や目標物の種別情報等)や、事故多発地帯や交通取締り情報などのより注意を持って安全に運転するための交通安全情報や、ランドマークや運転に有益な各種の情報がある。各情報は、具体的な情報の種類(目標物の種類、交通
取り締まりの種類、事故多発地帯、ランドマークの名称等)と位置情報とを関連づけて登録されている。
警報を発する際の目標物までの距離は、目標物の種類ごとに変えることができる。警報の態様としては、上記と同様に、スピーカ20を用いた音声等による警報と、表示部5を用いた警報等がある。図3は、表示部5による警報の一例を示している。本実施形態では、装置がナビゲーション装置であるので、後述するように地図データを有していることから、基本画面として、制御部18は、現在位置周辺の道路ネットワーク情報を読み出し、現在位置周辺の地図を表示部5に表示する機能を有する。そして、表示部5に、現在表示中の画面(ここでは現在位置周辺の地図)に重ねて警告画面70を表示する。図3は、地図50を表示している際に、現在位置と交通監視ポイントの一つである速度測定装置の一種であるLHシステムとの距離が500mになった場合の警告画面70の表示例を示している。さらに、「500m先LHシステムです」といった警報種類と距離を示す警告音声をスピーカ20から出力する処理を行う。
一方、ナビゲーション機能を実現するための制御部18は、以下のような動作をする。まず、データベース19は、ナビゲーション用の道路ネットワーク情報を記憶している。このデータベース19に格納するナビゲーションのための情報は、出荷時において全国についてのすべての情報を格納しておいても良いし、地図データ等は、地方毎にSDメモリカード22に格納したものを提供するようにし、ユーザは必要な地図データ等が格納されたSDメモリカード22を用意し、それをSDメモリカード用スロット部21に装着して使用するようにしても良い。なお、SDメモリカード22に格納された地図データ等は、データベース19に転送して格納しても良いし、制御部18がSDメモリカード22にアクセスし、そこから読み出して使用するようにしても良い。
制御部18は、データベース19から現在位置周辺の道路ネットワーク情報を読み出し、現在位置周辺の地図を表示部5に表示する機能を有する。この制御部18は、この道路ネットワーク情報を利用してある位置から別の位置に至るルート(経路)を検索することができる。また、データベース19は、電話番号とその電話番号の住宅・会社・施設等の位置情報及び名称とを対応づけて記憶した電話番号データベースと、住所とその住所の位置情報とを対応づけて記憶した住所データベースを備える。またデータベース19には、速度測定装置等の交通監視ポイントの位置情報がその種類とともに記憶されている。
また、制御部18は、一般的なナビゲーション装置の処理を行う機能を有する。すなわち、表示部5に現在位置周辺の地図を随時表示し、目的地設定ボタンを表示する。制御部18は、タッチパネル8によって、目的地設定ボタンの表示位置に対応する位置のタッチを検出した場合に、目的地設定処理を行う。目的地設定処理では、目的地設定メニューを表示部5に表示し、目的地の設定方法の選択をユーザに促す。目的地設定メニューは、目的地の設定方法の選択をユーザに促す電話番号検索ボタンと住所検索ボタンとを有する。電話番号検索ボタンがタッチされたことを検出した場合には、電話番号の入力画面を表示し、入力された電話番号に対応する位置情報をデータベース19から取得する。住所検索ボタンがタッチされたことを検出した場合には、住所の選択入力画面を表示し、入力された住所に対応する位置情報をデータベース19から取得する。そして、取得した位置情報を目的地の位置情報として設定し、現在位置から目的地までの推奨経路を、データベース19に記憶している道路ネットワーク情報に基づいて求める。この推奨経路の算出方法としては例えばダイクストラ法など公知の手法を用いることができる。
そして、制御部18は、算出した推奨経路を、周辺の地図とともに表示する。例えば、図4に示すように、現在位置51から目的地52にいたるルート53を推奨経路として、所定の色(例えば赤色)で表示する。これは、一般的なナビゲーションシステムと同様で
ある。そして本実施形態では、制御部18は、ルート53上の位置情報とデータベース19に記憶された交通監視ポイント等の目標物の位置情報とを比較し、ルート53上に位置する交通監視ポイント等の位置を表示する。なお、ルート53を安全運転で走行するための情報提供としては、データベース19に格納された各種の目標物の内、交通監視ポイントに限るようにしても良い。
これにより、例えば、図4に示すように、道路上の位置から吹き出しを表示し、データベース19に記憶されたその位置の交通監視ポイントの種類を吹き出しの中に表示する。例えば、図4(a)は、警告ポイント検索画面の表示例であり、交通監視ポイント55aから55fを表示した例を示している。交通監視ポイント55aは、Nシステムを示す「N」の文字を吹き出しの中に表示している。交通監視ポイント55b、55c、55eは、LHシステムを示す「LH」の文字を吹き出しの中に表示している。交通監視ポイント55dは、ループコイルを示す「ループ」の文字を吹き出しの中に表示している。交通監視ポイント55fは、Hシステムを示す「H」の文字を吹き出しの中に表示している。このように、吹き出しの中に文字を表示する簡略表示状態の吹き出し位置へのタッチをタッチパネル8が検知した場合には、図4(b)に示すように、簡易表示を詳細表示へと切り替える。詳細表示は、図3に示した警告画面を吹き出しの中に表示するものである。
また、図4(a)に示すように表示部5内の右下側には、交通監視ポイント種別指定部56を表示する。交通監視ポイント種別指定部56は、ルート53上に存在する交通監視ポイントの種別を列挙したボタン表示を行う部分である。図4(a)の例では、交通監視ポイント55aのNシステムを示す「N」の種別ボタン57aと、交通監視ポイント55b、55c、55eのLHシステムを示す「LH」の種別ボタン57bと、交通監視ポイント55dのループコイルを示す「ループ」の種別ボタン57cと、交通監視ポイント55fのHシステムを示す「H」の種別ボタン57dを表示している。制御部18は、この種別ボタンの表示部へのタッチをタッチパネル8から検出した場合、タッチされた種別ボタンを反転表示するとともに、タッチされた種別ボタンに対応する交通監視ポイントの表示態様を、簡易表示中であれば詳細表示に切り替え、詳細表示中であれば簡易表示中に切り替える。
また、図5は、本発明のシステムを構成する別の電子機器として好適なパーソナルコンピュータ(以下PCと称する)30の外観を示しており、図6はその機能ブロック図である。ここでは、PC30の一例として、デスクトップ型PCを示している。PC30は、少なくとも、制御部31、記憶部32、表示部33、音声出力部34、入力部35を備えている。
制御部31は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成されるCPUを備えている。記憶部32は、ROM,RAM及びHDD等を備えている。記憶部32には、OS(Operating System)や各種アプリケーションプログラムがインストールされている。制御部31のCPUが、記憶部32にインストールされているOSや各アプリケーションプログラムを実行することによって、PC30全体を制御する。CPU,ROM,RAM及びHDDは、筐体40内に設置されている。
表示部33は、液晶パネル又は有機ELパネル等の表示デバイス36を備えており、画像情報を表示する。音声出力部34は、スピーカまたはイヤホンジャック等を備えており、音声情報を出力する。入力部35は、キーボード37又はマウス38等の入力デバイスを備えており、ユーザの入力操作を受け付ける。
PC30はまた、SDメモリカード用スロット部39を備え、設定ルートや迂回ルートのデータから構成されるルート情報ファイルが記録されたSDメモリカード22を挿入可
能としている。このSDメモリカード用スロット部39は、挿入されたSDメモリカード22に対して情報の読み書きを行うメモリカードリーダライタを含む。
本実施形態では、記憶部32にルート設定編集用アプリケーションプログラムが予めインストールされている。また、記憶部32は地図情報、施設情報や入力履歴等のルート編集に必要な情報を記憶している。制御部31のCPUがルート設定編集用アプリケーションプログラムを実行し、記憶部32が格納している情報の読み出し及び書き込みを行うことで、ルート設定編集機能を実現する。
なお、デスクトップ型PCはあくまで一例であり、ノート型、タブレット型等種々のPCを用いることができる。
図7に示すように、上述した2つの電子機器の間でルート情報ファイルをやり取りすることで、本実施形態のシステムの機能を実現することができる。例えば、いずれかの電子機器でルート情報ファイルの作成及び編集を行い、そのルート情報ファイルを、例えば、SDメモリカード22に格納して他の電子機器で読み込む。また、例えば、いずれかの電子機器からルート情報ファイルを無線通信を使ってスマートフォン60に送信し、スマートフォン60から他の電子機器に送信する。本実施形態のシステムは、ルート設定編集機能、設定ルート再現機能、迂回ルート検索機能、走行ルート記録機能、走行ルート再現機能を実行する。各電子機器には、各機能を実現するためのアプリケーションプログラムがインストールされており、各電子機器の制御部がアプリケーションプログラムを実行することで、各機能を実現させる。
例えば、ユーザは旅行前に、自宅のPC30で、車両での予定の移動経路(ルート)を思いのままに設定又は編集し、ルート情報ファイルとして保存する。このルート情報ファイルをSDメモリカード22に保存して、ナビゲーション装置1で読み込む。あるいは、スマートフォン60に送信して、スマートフォン60からナビゲーション装置1に送信する。ナビゲーション装置1でルート情報ファイルから設定ルートを読み込むことで、車両走行の際に、ユーザが設定したルートでのルート案内を行うことができる。
また、ナビゲーション装置1は車両で実際に走行したルートを記録し、設定ルートとともにルート情報ファイルとして保存する。また、旅行中のドライブレコーダーの撮像画像やユーザがスマートフォンのカメラで撮った写真等も走行ルートに関連する情報として記録することができる。旅行の後に、ルート情報ファイルを再び自宅のPC30で読み込むことで、走行ルートと設定ルートを再現し、旅の思い出を楽しむことができる。以下、上述した本実施形態のシステムの各機能について、詳細に説明する。
[ルート設定編集機能]
PC30でのルート設定編集は、制御部31がルート設定編集用のアプリケーションを起動し、表示部33にルート設定編集画面71を表示させ、入力部35を介してユーザの入力を受け付けて行う。図8~図11に、ルート設定編集画面71の表示例を示している。ルート設定編集機能では、新規ルート作成操作と、作成済みのルート情報ファイルのルート変更操作の少なくとも二つの操作を行う。
(新規ルート作成)
ユーザから新規ルート作成の選択入力を受け付けると、制御部31は、出発地点、目的地及び検索条件の入力欄を表示部33に表示させる。検索条件の入力欄として、たとえば、経由地、観光目的地や所要時間の入力欄や、無料の一般道あるいは有料の高速道の選択欄を設けると良い。入力部35を介してユーザの入力を受け付けると、制御部31はアプリケーションプログラムのアルゴリズムに従って自動でルート検索を行い、検索結果を推
奨ルートR1としてルート設定編集画面71に表示する。図8に示すように、推奨ルートR1は、着色された太い線で、出発地点と目的地を含む地図上における移動経路をなぞる形で表示する。
ユーザがこの推奨ルートR1に納得した場合は、作成したルートを保存する操作を行う。制御部は、推奨ルートR1をそのまま設定ルートとしてルート情報ファイルに保存する。制御部31は、ルート情報ファイルをPC30の記憶部32に保存する。
ユーザが、初めから手動で任意のルートを作成することも可能である。その場合は、新規ルート作成の選択入力の際に「手動ルート作成モード」を選択する。手動ルート作成モードでは、まず出発地と目的地を入力して検索し、二つのポイントを含んだ地図画面を表示させ、その間でユーザがマウスのカーソルで地図上の移動経路をなぞることによって、ルートを設定する。あるいは、出発地と目的地の検索は行わずに、ユーザがマウスのカーソルを置いてクリックした地点を出発地とし、クリックを解除した地点を目的地として設定しても良い。このモードは、抜け道のような、あまりナビゲーションが案内しないようなルートを作成する場合に良い。
(ルート編集)
システムには、ルート設定編集画面71に表示された推奨ルートR1を変更してユーザ独自のルートに編集するルート編集機能が備えられている。
ルート編集操作は、地図上に表示された推奨ルートR1の移動経路ラインを、マウスのカーソルでドラッグして、通過したい道の上にドロップする。制御部31は、指定された道を通るように、目的地までのルートを再検索する。
編集を終了したルートの情報を保存するときには、制御部31は編集前のルート情報と比較を行い、変更ルートの差分を取り、ルート情報とユーザが設定した検索条件をファイルに保存する。これによって、次回、同様の検索条件でユーザがルート検索を行ったときは、ユーザが編集したルートを推奨ルートR1として表示させることができる。
ルート設定編集画面71には、推奨ルートR1の他に、ユーザのルート編集作業に役立つ情報を表示することができる。一例として、図8に示すように、予め登録しておいた迂回ルートR2,R3や経由ポイントP1を表示することができる。迂回ルート情報ファイルは、同じ地図上で複数読み込み、同時に表示することが可能である。推奨ルートR1と、迂回ルートR2,R3の移動経路ラインとは色を変えて表示する。
ルート設定編集画面71において住所や電話番号等をユーザが入力すると、地図上の該当する位置を経由ポイントP1として表示する。経由ポイントP1は、例えば旗を模したアイコンで示す。経由ポイントP1は、名前を付けて登録することが可能である。
推奨ルートR1と、迂回ルートR2,R3や経由ポイントP1とを共に表示することで、目的地までの移動経路上で、経由したいところや抜け道などがひと目でわかり、編集もしやすくなる。
ユーザが、推奨ルートR1をドラッグして経由ポイントP1又は迂回ルートR2,R3にドロップすると、制御部31は、経由ポイントP1又は迂回ルートR2,R3を通過するようにルートを再検索する。
推奨ルートR1を、例えば、地図上に表示された迂回ルートR2を通るように変更する場合、ユーザは、図9に示すように、推奨ルートR1のルート変更を行いたいポイントで
カーソルをドラッグして、迂回ルートR2の開始位置にカーソルを移動してドロップする。制御部31は、推奨ルートR1のドラッグしたポイントから、迂回ルートR2の開始位置に移動するようにルートを再検索する。さらに、迂回ルートR2の終端は、目的地まで到達していないので、迂回ルートR2の終了位置から目的地まで、自動ルート検索を行い、残りの移動経路を作成する。
結果として、図10に示すように、変更後の推奨ルートR1がルート設定編集画面71に表示される。ユーザが変更後のルートに納得できなければ場合は、再度ドラックして、変更前のルートに戻す。あるいは、推奨ルートR1を迂回ルートR2の途中からさらに別の道を通るように変更したい場合は、変更したいポイントでドラッグしてドロップする。
このような迂回ルートR2,R3の登録は、新規ルート作成画面において、「迂回経路作成モード」を選択して行う。迂回経路作成モードでは、ユーザが地図上の移動経路ラインをマウス等でなぞることによって作成する。
作成した迂回ルートR2,R3には、「迂回ルート1」等の任意の名前を付けて登録する。また、迂回ルートR2,R3に関して「平日推奨」といったようなユーザのコメントも登録することができる。ユーザのコメントが登録されている場合は、迂回ルート情報ファイルを読み込んだ場合、地図上にユーザのコメントも表示される。
作成した迂回ルートR2,R3は、設定ルートR1とともに一つのルート情報ファイルとして保存することができる。これによって、後述するナビゲーション装置1での設定ルート再現時に、迂回ルートR2,R3も表示させて渋滞時の回避手段とすることができる。
あるいは、迂回ルートR2,R3を個別のルート情報ファイルとして保存することもできる。作成した迂回ルートR2,R3のルート情報ファイルを、SDカード22に保存してスマートフォン60で読み込むことで、ユーザ同士で、迂回ルートR2,R3を教えることが簡単にできる。また、専用のアプリケーションを使用することにより、例えば、スマートフォン60上でルート情報ファイルの内容を地図情報に再現して、確認することができる。
ルート編集は、同様のアプリケーションをインストールすることで、ポータブルナビゲーション装置1でも行うことができる。ポータブルナビゲーション装置1は持ち運べるため、例えば、図11に示すように、モバイルプロジェクター(以下、単に「プロジェクター」ともいう)80に接続する。プロジェクター80を介して壁やスクリーンにルート設定編集画面71を表示し、ユーザはナビゲーション装置1上で、ノートPCで操作を行うのと同じような感覚で、思い通りのルート編集を行うことができる。プロジェクター80で地図を表示することにより、ナビゲーション装置1の小さい画面より、さらに大きく見やすくなり、旅先などでも家族や友人など、複数で旅の移動ルートを相談しながら決めることができる。単なるマップではなく、ルートを3Dで表示して、出発地点から目的地までを仮想的に移動して、作成ルートを確認することができるようにしてもよい。
ルート設定編集画面71はプロジェクター80を介してスクリーンや壁に表示するため、ナビゲーション装置1の画面には、設定操作のためのリモコンボタンを表示して、ユーザがタッチパネルを介して操作できるようにしても良い。例えば、画面上部に、マウスパッドに対応するカーソル移動のためのボタン72を表示する。画面下部左側にマウスの左ボタン73、画面下部右側にマウスの右ボタン74、画面下部中央に、プロジェクター80を介して表示される地図の表示位置移動ボタン75を表示する。
[設定ルート再現機能]
本実施形態のナビゲーション装置1は、通常の目的地の入力により自動でルート検索を行うモードと、ユーザがPC30で編集した設定ルートを読み込んでルート案内を行うモードとを有している。便宜的に、前者のモードをナビモードと呼び、後者のモードをユーザモードと呼ぶ。ここでは、ナビゲーション装置1がユーザモードで動作した場合の設定ルート再現機能について説明する。
ナビゲーション装置1とPC30でのルート検索のアルゴリズムは、ほぼ同等のものとする。そのため、PC30で編集された設定ルートR4は、図12に示すように、ナビゲーション装置1のルート再現画面77上でほぼ同じような移動経路ラインで再現することができる。ユーザは、ナビゲーション装置1で再現された設定ルートR4に従って走行することができる。
[迂回ルート検索機能]
設定ルートR4での走行中に、道路の渋滞に遭遇してしまった場合の回避手段として、迂回ルートをナビゲーション装置1のルート再現画面77上で表示させることができる。迂回ルートは、上述したPC30でのルート編集の際に、設定ルートR4と同じルート情報ファイルとして保存しておくこともできるし、個別のルート情報ファイルとして保存しておくこともできる。この迂回ルートをナビゲーション装置1で読み込むと、ナビゲーション装置1はデータベースに迂回ルートを登録する。ユーザが登録された迂回ルートの呼び出し操作を行うと、ナビゲーション装置1の制御部は現在位置の近傍にある迂回ルートを表示し、さらにその迂回ルートを利用した場合のルート変更例を表示する。迂回ルートが複数ある場合は、現在位置に最も近い迂回ルートを通るルート変更例を示す。
例えば、図12に示すように、ユーザが設定ルートR4を走行中に、設定ルートR4の途中に渋滞情報Jが表示されている場合、渋滞を回避するために迂回操作を行う。制御部18は、迂回操作入力を受け付けると、走行中の現在位置に近い、迂回ルートR2及び迂回ルートR3の2本の迂回ルートを読み出して表示する。図13に示すように、制御部18は、2本の迂回ルートR2,R3のうち、設定ルートR4により近い迂回ルートR2を通って目的地に至るようにリルートする。
もう一つの迂回ルートR3を選択したければ、ユーザは迂回ルートの変更操作を行う。ナビゲーション装置1は、2番目に近い迂回ルートR3を通って目的地に至るように、リルートする。
[走行ルート記録機能]
ユーザモードにおいて、設定ルートR4を再現すると同時に、ユーザが車両を運転して実際に走行しているルートを記録する。走行ルートは、GPS受信機12からの位置情報を取得して作成する。例えば車両がトンネルの中を走行していて、GPS受信機12が衛星から位置情報を取得できないときは、車両に設置された方位センサ、距離センサ又はジャイロセンサ等のセンサから車両の位置を計算して走行ルートの作成を行う。走行ルートは、設定ルートR4と共にルート情報ファイルとして保存することができる。
図14に示すように、制御部18は、走行ルートR5を記録すると同時に表示部5に表示することができる。渋滞回避やユーザの思いつきによるルート変更で、走行ルートR5は事前に作成した設定ルートR4と異なることもある。走行ルートR5と設定ルートR4の差分が明確になるように、走行ルートR5は、設定ルートR4とは異なる色で表示すると良い。ユーザが設定ルートR4に従って走行しているときは、走行ルートR5は設定ルートR4と重なっている。一方、ユーザが途中から設定ルートR4を外れて迂回ルートR2を通るようにルート変更した場合は、ルート変更した地点から、走行ルートR5が設定
ルートR4から分岐する。
[関連情報記録機能]
ユーザモードにおいては、走行ルートR5に様々な情報を関連付ける機能も設けている。情報は、例えば画像、音声又は動画とすると良い。例えば、車両に設置したドライブレコーダで記録されている画像や音声を関連付けることができる。また、例えば、ユーザがスマートフォン60等で撮像した画像を関連付けることができる。情報の関連付けは、情報が含んでいる位置情報を読み出し、位置情報の示す位置と同じ又は近傍の走行ルートR5上の位置にポイントP2~P6を作成し、そのポイントと情報を関連付ける。このような情報の関連付けの処理は、予めプログラムとして作成しておき、自動的に行っても良い。あるいは、ユーザの入力を受け付けて手動で行っても良い。
自動で情報の関連付けを行う場合の一例として、制御部18は、車両に設置したドライブレコーダーから画像と音声の情報を例えば30分毎に定期的に取得して保存する。制御部18は、情報に含まれている位置情報を読み出し、位置情報が示す位置に対応する走行ルートR5上の位置にポイントを作成する。制御部18は、作成したポイントに、取得した画像及び音声情報のファイル名を関連情報として書き込み、ルート情報ファイルとして保存する。
手動で情報の関連付けを行う場合の一例として、制御部18は、例えばユーザがスマートフォン60等で撮像した画像を取得して保存する。例えば、ユーザが車両の走行中に、観光地に立ち寄ってスマートフォン60のカメラを用いて風景を撮像する。GPSセンサを備えたスマートフォン60であれば、撮像した画像の情報にいわゆるジオタグと呼ばれる位置情報を付加することができる。ユーザは画像情報をSDカード22に保存して、ナビゲーション装置1で読み込んだり、あるいは無線通信でナビゲーション装置1に送信する。制御部18は画像情報を保存し、さらにジオタグを読み出し、走行ルートR5上においてジオタグと最も近い位置にポイントを作成する。制御部18は、作成したポイントに、読み込んだ画像情報のファイル名を書き込み、ルート情報ファイルとして保存する。
[走行ルート再現機能]
PC30は、記録した走行ルートR5とその関連情報を、設定ルートR4と共に地図上に表示させる。記憶部32には、走行ルート再現用アプリケーションプログラムが予めインストールされている。例えば、旅行後に、ユーザがSDメモリカード22にルート情報ファイルを保存して自宅に持ち帰り、SDメモリカード22をPC30で読み込むことで、実際に走行した走行ルートR5を地図上で再現して、旅の思い出を楽しむことができる。
図15に、ルート再現画面77の一例を示している。走行ルートR5は、事前に作成した設定ルートR4と共に表示させる。走行ルートR5と設定ルートR4は、異なる色で表示する。走行ルートR5上には、関連情報が記録されたポイントP2~P6が星形のアイコンで表示されている。
走行ルート再現操作を行うと、走行ルートR5の出発点から終点に向かって移動する三角形のアイコンiが表示される。三角形のアイコンiは各ポイントP2~P6に到達すると、移動を停止する。制御部18は、そのポイントに関連付けられていた情報を読み出して、画像情報の場合は表示部5に表示し、音声情報はスピーカ20から出力する。画像情報は、例えば、10秒間表示する。表示後は、再び地図画面に戻し、アイコンを再び終点に向かって移動させる。
なお、ルート設定編集と同様に、走行ルートR5の再現もポータブルナビゲーション装
置1で行うことができる。図11で示すようにポータブルナビゲーション装置1をプロジェクター80に接続し、壁やスクリーンにルート再現画面77を表示することで、臨場感のある大きな画面で旅の思い出を楽しむことができる。ルート再現画面77はプロジェクター80を介してスクリーンや壁に表示するため、ナビゲーション装置1の画面には、図11で示すようなリモコンボタンを表示して、ユーザがタッチパネルを介して操作できるようにしても良い。例えば、画面上部に、マウスパッドに対応するカーソル移動のためのボタン72を表示する。画面下部左側にマウスの左ボタン73、画面下部右側にマウスの右ボタン74、画面下部中央に、プロジェクター80を介して表示される地図の表示位置移動ボタン75を表示する。
[効果]
上述した本実施の形態は、次のような効果を有する。
(A)PC30の制御部31が、ユーザの走行ルートR5に関する情報を取得し、ユーザの走行前に設定された設定ルートR4に関する情報と共に表示部5に表示させる。例えば自動車で旅行する場合、目当ての観光地を効率良く回れるように、事前に走行する経路を計画しておくことがある。しかしながら、実際に旅行に出かけると、走行予定の道が渋滞していたり、目についたものに心惹かれたりして、その場で走行する経路を変更することも多い。そういった計画の臨機応変な変更も旅の醍醐味の一つであり、後から振り返れば楽しい旅のイベントのひとつとして思い出されるものである。例えば、旅が終わった後に、旅行で走行した経路を表示してその経路を辿ることで、ユーザはリアルな旅の思い出を楽しむことができるが、その際に事前に走行予定としていた経路を共に表示させることで、計画変更にまつわるイベントを鮮明に思い出すことができる。すなわち、ユーザが旅の思い出を楽しむことをサポートする利便性に高いシステムを提供することができる。
また、計画変更が成功だったか、計画変更によって通らなかった道を次に通るべきか、などを検討したり、同行者と話し合ったりすることができ、次の旅行の計画にも役立てることができる。
走行ルートR5に関する情報としては、ユーザが自動車で走行した走行ルートR5そのものに加えて、例えば、走行ルートR5で撮影した画像や記録した音声に関する情報も含むと良い。走行経路は、例えば、ユーザが自動車、バイク又は自転車等の車両を運転して走行した経路であると良い。あるいは、ジョギング、ハイキング又はトレッキング等でユーザ自身の足で走行した又は歩行した経路でも良い。走行ルートR4は、例えば、ナビゲーション装置1のGPS受信機12で車両の位置及び進行方向を測定した情報を取得して、作成すると良い。表示部5は、作成した走行ルートR5を、地図上の道路を着色して表示し、目立つようにすると良い。スマートフォン60等のGPSが備えられた電子機器を備えるようにして、電子機器がユーザ又は車両の位置及び進行方向を測定した情報を取得して走行経路情報を作成すると良い。
設定ルートR4に関する情報とは、例えば、ユーザの走行前に走行予定として設定された設定経路と、それに関連する情報である。設定経路そのものだけでなく、例えば、設定経路上にある観光地や交通情報の情報も含むと良い。設定ルートR4の作成は、例えば、出発点、終点、経由地、所要時間等の諸条件の入力に応じて推奨ルートR1を算出するアプリケーションを用いて行うことで、手軽に作成できる。例えば、このアプリケーションを、PC30又はナビゲーション装置1にインストールすると良い。アプリケーションはユーザの入力に基いて推奨ルートR1を算出し、ユーザの選択に応じて設定ルートR4を作成すると良い。設定ルートR4は、例えば、地図上の道路を目立つ色で着色して表示すると良く、走行ルートR5とは異なる色で着色して判別しやすいようにするとなお良い。
(B)制御部31は、例えば、走行ルートR5上に設定されたポイントP2,P3,P4
,P5,P6とその関連情報を表示部33に表示させることで、旅の再現性を高めることができ、旅行をしたユーザは旅の思い出をより楽しむことができ、さらに旅行に同行しなかった者が見ても、旅を疑似体験するような感覚を味わうことができる。
ポイントP2,P3,P4,P5,P6は、例えば、観光や食事に立ち寄った場所等の、ユーザによって選択された場所の位置情報とすると良い。ユーザは、例えば、旅行前の設定ルートR4の作成時に、行く予定の観光地や食事処等の場所を予め選択しておいても良く、また、例えば、旅行中に選択しても良い。例えば、ナビゲーション装置1が、ユーザが選択した場所に基づいてポイントを走行ルートR5上に設定すると良い。
システムがタッチパネル式の電子機器を備える場合は、例えば、タッチパネルに地図を表示すると共に、ユーザが各種の入力操作を行うためのボタンを設けると良い。ユーザは、例えば、地図上の選択した場所をタッチし、あるいは住所を直接入力すると良い。電子機器は位置情報の入力を受け付け、走行経路上にその場所をポイントとして設定すると良い。ポイントP2,P3,P4,P5,P6の表示は、例えば、地図上のポイントP2,P3,P4,P5,P6の位置を星形等の目につきやすい形で指示するものであると良い。具体的には、例えば、走行ルートR5とは異なる色で着色された、円形や四角形のマークで表示すると良い。
ポイントP2,P3,P4,P5,P6の関連情報は、例えば、ポイントP2,P3,P4,P5,P6においてユーザが観光した場所や食べた料理の画像又は動画であると良い。また、例えば、ポイントである観光地についてのユーザのコメントであると良い。あるいは、ポイントP2,P3,P4,P5,P6においてシステムが記録した動画や音声であっても良い。具体的には、例えば、システムに車載用ドライブレコーダーを備えるようにし、そのドライブレコーダーで動画や音声を記録すると良い。
表示部33におけるポイントP2,P3,P4,P5,P6に関連する情報の表示は、ポイントP2,P3,P4,P5,P6との関連がわかるような形で表示すると良い。例えば地図上において、ポイントP2,P3,P4,P5,P6を示すマークから吹き出しを延ばし、その吹き出し内に情報又はそのサムネイルを表示すると良い。
(C)制御部31は、表示部33に、走行ルートR5の出発点から終点に向かって移動するアイコンiを表示させ、アイコンiが走行ルートR5上の各ポイントP2~P6に到達したときに、ポイントP2,P3,P4,P5,P6の関連情報を表示させることで、旅行におけるユーザの移動を疑似的に表現し、さらに旅行で発生したイベントをその道程に沿って再現することができるため、よりリアルな旅の思い出を楽しむことができる。
アイコンiは、例えば丸や三角形のような単純な図形でも良い。あるいは、車や人物を描いたイラストでもよい。あるいは、走行経路上とは異なる色で着色され、出発点から終点に向かって徐々に延びていく線としても良い。
アイコンiは、走行R5上のポイントが存在しないところは比較的早い速度で移動し、ポイント付近を移動するときに減速するようにしても良い。また、ユーザの操作により、適宜早送りや巻き戻しができるようにすると良い。
アイコンiがポイントP2,P3,P4,P5,P6に到達する前は、ポイントP2,P3,P4,P5,P6に関連する情報は隠れた状態にしておくと良い。あるいは、情報である画像や動画のサムネイルを表示しても良い。又は、画像、動画、コメント等の情報の種別を示すイラストを表示しても良い。
アイコンiがポイントP2,P3,P4,P5,P6に到達するときに、そのポイントP2,P3,P4,P5,P6に関連する情報を所定時間、例えば画像であれば10秒程度、コメントであれば20秒程度表示すると良い。動画であればその動画の再生時間に応じて表示すると良い。情報を表示している間は、例えば、アイコンiの移動は停止しておくと良い。
(D)PC30の制御部31は、ユーザによって入力された出発点と終点に応じて算出した推奨ルートR1に関する情報を表示部33に表示させ、推奨ルートR1に対するユーザの変更を受け付け、変更後のルートをユーザの走行予定の設定ルートR4として設定すると良い。
ユーザは旅行前に手軽に計画作成をすることができ、旅行後に思い出を楽しむことに加えて、ユーザの思い出作りの準備をサポートするシステムとして、より高い利便性を提供することができる。さらに、推奨ルートR1をユーザが変更して設定ルートR4とすることができるため、ユーザの経験、知識、嗜好に応じた柔軟な計画作成を可能にする。
ユーザの自宅にあるPC30に設定ルートR4作成用のアプリケーションをインストールすることで、ユーザは、旅行出発前に自宅等で、余裕をもって、入念な計画作成が可能である。
推奨ルートR1は、ユーザが入力した出発点と終点の位置情報に応じて、予め記憶されたアルゴリズムに従って計算すると良い。これによって、基本となるルートを手軽に作成することができる。あるいは、メジャーな観光ルートとして予め記録されたものを用いても良い。出発点や終点だけでなく、経由地やポイントとなる観光地、ユーザが食べたいと希望するグルメ情報の選択を受け付けてルート作成を行っても良い。推奨ルートR1に関する情報は、推奨ルートR1そのものの情報に限られず、例えば、推奨ルートR1上にある観光地の名称や特徴等といった情報を含むようにすると良い。
また、例えば、出発点と終点に応じた推奨ルートR1として、以前に作成して記憶したルートを呼び出し、そのルートに編集をして設定ルートR4としても良い。推奨ルートR1は、例えば地図上に推奨されるルートを着色された太い線でなぞった形で表示すると良い。
ユーザからの経路の変更の受け付けは、例えば、ユーザがPC30のマウスで推奨ルートR1の一部を通りたいと希望する道に合わせてドラッグすることに応じて、経由ポイントを変更し、推奨ルートR1のリルートを行うと良い。
(E)PC30の制御部31は、推奨ルートR1に関する情報と共に、ユーザによって作成された迂回ルートR2,R3に関する情報を取得して表示部33に表示させ、ユーザの入力に応じて迂回ルートR2又はR3を通過するように推奨ルートR1を変更すると良い。ユーザの知識や経験をより確実に活用し、しかも手軽に設定ルートR4の作成を行うことができる。
迂回ルートR2,R3は、他の道から迂回して通るべき道としてユーザが設定した経路とすると良い。迂回ルートR2,R3は、例えば、周辺道路の混雑状況や道の通りやすさ等のユーザ個人の経験や知識に基づいて、一般的に通る道から迂回して通るべき道として設定すると良い。なお、例えば、推奨ルートR1を通る場合より近道となる道も、迂回ルートR2,R3に含まれる。また、迂回ルートR2,R3に関する情報には、迂回ルートR2,R3そのものだけではなく、例えばユーザのコメント等の、迂回ルートR2,R3に関する情報を含めると良い。
迂回ルートR2,R3の作成は、例えば、設定ルートR1の作成を行うアプリケーションに迂回ルート作成モードを設けて行うと良い。例えばユーザが、地図上の任意の道をPC30のマウス等でなぞることによって作成すると良い。
作成した迂回ルートR2,R3については、例えば、「迂回経路1」等の名前とその迂回ルートに関するユーザのコメントを付けて登録できるようにすると良い。迂回ルートR2,R3は、表示画面の地図上では、推奨ルートR1と判別がつくように、推奨ルートR1とは異なる色で着色すると良い。
また、迂回ルートR2,R3を地図上に表示しているときには、例えば、迂回経路の名前とユーザのコメントも地図上に表示されるようにすると良い。あるいは、例えば、ユーザがその迂回経路にカーソルを合わせると名前とコメントが表示されるようにすると良い。
(F)PC30の制御部31は、迂回ルートR2,R3を通過するように変更された推奨ルートR1を、変更前の推奨ルートR1と共に表示部33に表示させると良い。経路の変化が視認でき、変更が適切だったかどうか検討しやすい。変更前の推奨ルートは、例えば、薄い色や異なる色で着色して、変更前のものであるとユーザが把握しやすくすると良い。
(G)ナビゲーション装置1の制御部18は、ユーザの走行中に、設定ルートR4に関する情報を経路案内のために表示部5に表示させることで、ユーザは事前計画の通りにスムーズに旅を進めることができる。ただし、道の渋滞や目についたものに心惹かれたりして、その場で走行する経路を変更することも多く、それも旅の醍醐味である。その場合は、制御部18は設定ルートR4とユーザが走行している経路である走行ルートR5との差分を表示する。ユーザは、予定をあえて外れて冒険しているというスリルを味わうことができる。制御部18はまた、ユーザが実際に走行した経路を走行ルートR5に関する情報として記憶部19に記憶させる。これによって旅行後に思い出を楽しむための準備をすることができる。
設定ルートR4と走行ルートR5の差分の表示態様として、例えば、ユーザが設定ルートR4通りに走行している間は、一般的なナビゲーションの表示と同様に、設定ルートR4上をアイコンが移動する形で表示しておき、ユーザが設定ルートR4から外れたときは、外れた地点から、設定ルートR4とは異なる色でユーザの移動する道を着色すると良い。ユーザが再び設定ルートR4に戻ったときは、例えば、再び設定ルートR4上をアイコンが移動する表示に戻し、設定ルートR4から外れた部分が強調されるような表示にすると良い。
設定ルートR4の表示及び走行ルートR5の記録は、走行前に設定ルートR4を作成するPC30とは異なる電子機器であるポータブルナビゲーション装置1の制御部18が行う。状況に応じて異なる電子機器を使用することができるので、簡便で柔軟性の高いシステムを提供することができる。
設定ルートR4の作成を自宅のPC30で行い、ポータブルナビゲーション装置1で設定ルートR4を表示し、かつ走行ルートR5の記録を行うと良い。
PC30とナビゲーション装置1の間における、データのやり取りは、例えば、SDカードやUSBメモリ等の記憶媒体を用いて行うと良い。あるいは、例えば、いわゆるクラウドコンピューティングを用いても良い。すなわち、一方の電子機器で作成したデータを
ネットワーク上のサーバーに送信し、サーバーが送信されたデータを他方の電子機器に送信すると良い。
(H)ナビゲーション装置1の制御部18は、ユーザの走行中に、設定ルートR4と共に、ユーザによって作成された迂回ルートR2,R3を表示部5に表示させると良い。現地で急な渋滞があった場合には、迂回ルートR2,R3を参照して臨機応変に走行ルートR5を変更することができる。ユーザが作成した迂回ルートR2,R3は、例えば、事前計画において設定ルートR4の一部として採用されなかったものでも、現地の状況によって第二、第三の候補となりうるものもある。そのため、走行中に設定ルートR1と共にそのような迂回ルートR2,R3を表示することで、例えば道路の渋滞に遭遇したときに、迂回ルートR2,R3を参照することで、容易に計画を変更することができる。
(I)PC30の制御部31は、走行ルートR5上の任意の位置にポイントP2~P6を作成し、当該ポイントP2~P6に関連する情報を登録するようにすると良い。
走行ルートR5上の任意の位置にポイントP2~P6を作成し、当該ポイントP2~P6に関連する情報を登録することで、走行ルートR5において発生する旅の様々な思い出を簡単に記録することができ、旅を楽しむツールとして利便性が高い。
ポイントP2~P6の作成は、例えば、ユーザの入力に応じて行うと良く、あるいは、例えば10kmごとといった所定距離ごとに、あるいは、例えば1時間ごとといった所定時間ごとに自動で設定するようにすると良い。また、例えば設定経路から道を外れたとき、といった所定条件に応じて自動で設定するようにすると良い。
ユーザの入力によりポイントP2~P6の作成を行った場合は、そのポイントP2~P6に関連する情報として、例えばユーザが撮影した観光地や食べた料理の写真や、ユーザのコメントを登録すると良い。また、所定距離ごと、所定時間ごと、あるいは所定条件に応じてポイントを自動的に設定するようにした場合は、例えば、車両に取り付けられているドライブレコーダーが記録している動画や音声をポイントごとに抽出して、そのポイントP2~P6に関連する情報として登録すると良い。例えば、設定ルートR4から道を外れたときの車内の会話が登録されることによって、ユーザは、どのような原因で設定ルートR4から外れたのかを鮮明に思い出して、旅の思い出を楽しむことができる。
例えば、システムがタッチパネルにより操作するカーナビゲーション装置を備えている場合には、表示されている走行ルートの所望の箇所をユーザがタッチすることによって、その箇所にポイントP2~P6を作成すると良い。また、ポイントP2~P6が作成されると、そのポイントP2~P6に関連する情報を登録する画面を表示させると良い。情報が、例えば、ユーザのコメントである場合には、コメント入力画面を表示させると良い。ポイントP2~P6に関連する情報が、例えば、画像又は動画である場合は、アップロードする画像又は動画を指定する画面を表示させると良い。ポイントP2~P6に関連する情報が、例えば、ドライブレコーダーで記録された動画や音声である場合は、動画又は音声の抽出範囲を指定する画面を表示させると良い。
(J)制御部18は、関連情報に含まれる位置情報に対応する走行ルートR5上の位置にポイントP2~P6を作成し、情報をポイントP2~P6に関連する情報として登録すると良い。
例えば、GPS機能を備えたスマートフォン60で画像を撮影した場合に、その画像にはいわゆるジオタグと呼ばれる位置情報が付されている。登録しようとする情報にこのような位置情報が含まれている場合は、その位置情報に対応する走行ルートR5上の位置に
ポイントP2~P6を作成し、そのポイントP2~P6に関連する情報として登録することによって、ユーザはポイントP2~P6の指定を行う必要がなく、簡単に思い出を登録することができる。
例えば、ユーザがスマートフォン60で画像を撮影した場合は、ジオタグが付された画像を、走行ルートR5の記録を行っているナビゲーション装置1に送信すると良い。ナビゲーション装置1は受信した画像に含まれる位置情報を読み取り、走行ルートR5上の対応する位置にポイントP2~P6を設定し、さらにその画像データをポイントP2~P6に関連する情報として登録すると良い。
(K)制御部18は、走行ルート上の所定間隔ごとにポイントP2~P6を作成し、それらのポイントP2~P6において取得した画像又は音声を当該ポイントに関連する情報として登録すると良い。ユーザが特別な労力を払うことなく、簡単に思い出を記録することができる。所定間隔は、例えば1時間といった所定時間間隔としても良く、10kmといった所定距離間隔でも良い。
画像又は音声は、例えば、走行ルートR5を記録するナビゲーション装置1を、車両に搭載されるドライブレコーダーに接続しておき、ポイントP2~P6に到達するごとに、ドライブレコーダーが連続的に記録している車窓の映像や車内の音声を抽出してポイントP2~P6に関連する情報として記憶すると良い。
映像を抽出する場合は、例えば、静止画として抽出しても良いし、例えば3分間程度の動画として抽出しても良い。音声を抽出する場合は、例えば、車内でどのような会話が交わされていたかわかるように、1~2分間程度抽出すると良い。
このように、近年交通事故等のトラブルに備えて車両に搭載されることが多いドライブレコーダーを活用することで、ユーザが写真を撮る時間が無かったような急ぎの旅でも、ドライブレコーダーから取得した車窓の画像や車内の話し声を聞いて旅の思い出を楽しむことができる。
(L)事前準備としての設定ルートR4の作成と、走行中のルート案内としての設定ルートR4の表示及び走行ルートR5の記録、及び走行ルートR5と設定ルートR4の表示を、全てナビゲーション装置1の制御部18で行うと良い。これによって、旅行後に思い出を楽しむことと、旅行前及び旅行中にその準備をすることを1つの電子機器で容易にこなすことができ、ユーザへのホスピタリティに優れたナビゲーション装置1を提供することができる。
例えば、ポータブルナビゲーション装置1で、事前に自宅や通勤電車のなかで設定経路の作成を行い、旅行中にナビゲーション装置1をそのまま車内に持ち込んで設定経路の表示及び走行経路の記録を行い、旅行終了後にナビゲーション装置1を自宅に持ち帰って設定ルートR4と走行ルートR5の表示を行い、思い出を楽しむと良い。あるいは、旅の途中でも宿泊施設にポータブルナビゲーション装置1を持ち込み、プロジェクター80やTVに接続して上映会をすることで、大画面で旅の思い出を楽しむことができる。
ポータブルナビゲーション装置1がタッチパネル式である場合には、タッチパネルに地図を表示すると共に、ユーザが各種の入力操作を行うためのボタンを設けると良い。例えば、マウスによるカーソル移動、右ボタン及び左ボタンの代わりとなるようなボタンを表示すると良い。
また、例えば、ポータブルナビゲーション装置1にプロジェクター80を接続して用い
る場合は、スクリーンや壁に地図を投影し、タッチパネルにユーザが各種の入力操作を行うボタンを表示することによって、旅の思い出を大画面で楽しみつつ、ポータブルナビゲーション装置1をリモコンのように使用して容易に操作を行うことができる。
また、例えば、ナビゲーション装置1でルート設定編集を行う場合は、タッチパネルをユーザが指で推奨ルートR1の一部をドラッグすることに応じてルートを変更すると良い。あるいは、例えば、ユーザが地図上の任意の道を指でなぞることによって迂回経路R2,R3を作成すると良い。
[その他の実施形態]
(1)上述の実施形態では、システムを構成する電子機器として、PC30及びポータブルナビゲーション装置1を使用する例を説明したが、これに限られない。
たとえば、携帯端末装置に専用のアプリケーションをインストールすることによって、上述の実施形態で説明した機能を実施させることができる。図16は、本発明のシステムを構成する別の電子機器として好適な携帯端末装置の外観を示しており、図17はその機能ブロック図である。
ここでは、携帯端末装置の一例として、カメラ付きスマートフォン60を示している。スマートフォン60は、少なくとも、制御部61、通信部62、記憶部63、表示部64、音声出力部65、入力部66、撮像部67及びセンサ部68を備えている。制御部61は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成されるCPUを備えている。
記憶部63は、ROM,RAM等から構成される。記憶部63には、OS(Operating System)や各種アプリケーションプログラムがインストールされている。制御部61のCPUが、記憶部63にインストールされているOSや各アプリケーションプログラムを実行することによって、スマートフォン60を制御する。
入力部66は、物理ボタン又はタッチパネル等の入力デバイスを備えている。物理ボタン又はタッチパネルを介してユーザの入力を受け付けて、制御部61は各種制御を行う。
表示部64は、液晶パネルや有機ELパネル等の表示デバイスを備えている。表示部64は、各種メニューやデータなどを表示する。
撮像部67はカメラを備えており、筐体の片面あるいは両面に設けたレンズを介して被写体を撮影する。表示部は64、カメラ起動時には電子ファインダとしてスルー画像をモニタ表示すると共に撮影画像を表示する。
センサ部68は、加速度センサ、地磁気センサ、GPS(Global Positioning System)受信機等の各種センサを備える。特に、カメラでの撮像時にGPS受信機を用いて位置情報を取得することで、撮像部67が撮像した画像に、いわゆるジオタグと呼ばれる位置情報を付加することができる。
通信部62はアンテナを備え、2G、3G、4G等のセルラーフォンの無線通信規格に従って外部機器との通信を行う。特に、撮像部67で撮像した画像データを、ナビゲーション装置1に送信する。
スマートフォン60はまた、SDメモリカード用スロット部69を備え、設定ルートや迂回ルートのデータから構成されるルート情報ファイルが記録されたSDメモリカードを挿入可能としている。このSDメモリカード用スロット部69は、挿入されたSDメモリ
カードに対して情報の読み書きを行うメモリカードリーダライタを含む。
スマートフォン60の記憶部63には、必要に応じて、ルート設定編集用のアプリケーションプログラム、ナビゲーション機能、設定ルート再現機能及び走行ルート記録機能を実現するためのアプリケーションプログラムを予めインストールすると良い。また、記憶部63は地図情報、施設情報や入力履歴等のルート編集に必要な情報を記憶している。制御部61のCPUがルート編集用アプリケーションプログラムを実行し、記憶部63が格納している情報の読み出し及び書き込みを行うことで、機能を実現する。
例えば、スマートフォン60で、事前に自宅や通勤電車のなかで設定経路の作成を行い、旅行中にスマートフォン60をそのまま車内に持ち込んで設定ルートR4の表示及び走行ルートR5の記録を行うと良い。また、旅行終了後にスマートフォン60を自宅に持ち帰って設定ルートR4と走行ルートR5の表示を行い、思い出を楽しむと良い。あるいは、旅の途中でも宿泊施設にスマートフォン60を持ち込み、プロジェクター80やTVに接続して上映会をすることで、大画面で旅の思い出を楽しむことができる。
スマートフォン60のタッチパネルに地図を表示すると共に、ユーザが各種の入力操作を行うためのボタンを設けると良い。例えば、マウスによるカーソル移動、右ボタン及び左ボタンの代わりとなるようなボタンを表示すると良い。
また、例えば、スマートフォン60にプロジェクター80を接続して用いる場合は、スクリーンや壁に地図を投影し、タッチパネルにユーザが各種の入力操作を行うボタンを表示することによって、旅の思い出を大画面で楽しみつつ、手元のスマートフォン60をリモコンのように使用して容易に操作を行うことができる。
また、例えば、スマートフォン60でルート設定編集を行う場合は、タッチパネルをユーザが指で推奨ルートR1の一部をドラッグすることに応じてルートを変更すると良い。あるいは、例えば、ユーザが地図上の任意の道を指でなぞることによって迂回経路R2,R3を作成すると良い。
(2)上述の実施形態では、ナビゲーション装置1の装置本体2がクレードル3に対して簡単に着脱できるタイプのものを説明したが、車載固定タイプのナビゲーション装置であっても、本発明のシステムの機能を実現することができる。例えば、旅行当日に自動車で走行を開始する前に設定ルートR4を作成し、そのまま設定ルートR4でルート案内を開始し、同時に走行ルートR5の記録を行うと良い。そして、例えばパーキングエリア等で休憩中に設定ルートR4及び走行ルートR5を表示して、すぐに思い出を楽しんだりその先どのようなルートを通るべきかの検討を行うと良い。あるいは、ナビゲーション装置で走行ルートR5の記録まで行い、ルート情報ファイルをSDメモリカード22を用いて取出し、スマートフォン60やノートPC30で読み込み、これらの装置にプロジェクター80を接続して、走行ルートR5の再現を行うと良い。
(3)ルート設定編集機能において、迂回ルートR2,R3のような迂回のための情報だけでなく、回避地点や回避経路の情報を表示すると良い。PC30の制御部31は、推奨ルートR1に関する情報と共に、ユーザによって作成された回避地点又は回避経路に関する情報を表示部33に表示させると良い。
推奨ルートR1と共に、ユーザによって作成された回避地点又は回避経路を表示部33に表示させることで、ユーザの知識や経験をより確実に反映して設定ルートR4の作成を行うことができる。
回避地点又は経路は、例えば、混雑状況や事故状況、道幅の狭さ等のユーザ個人の経験や知識に基づいた、通ることを回避すべき地点又は道として設定すると良い。
回避地点又は経路の作成のために、例えば、ルート設定編集用アプリケーションに回避経路作成モードを設けても良い。システムは、ユーザの入力を受け付けて回避経路を作成すると良い。例えば、制御部31は表示部33に地図を表示し、ユーザは地図上の任意の地点をマウスでクリックし、又は道をマウス等でなぞることによって入力を行い、システムはその入力を受け付けて回避経路を作成すると良い。作成した回避地点又は経路については、例えば、自動的にあるいはユーザの入力に基いて回避地点1、回避経路2等の名前を付けて登録すると良い。また、回避経路に関する情報は回避経路そのものだけでなく、例えばその経路に対するユーザのコメント等の、関連情報も含めると良い。
回避地点又は経路は、表示画面の地図上では、推奨ルートR1及び迂回経路と判別がつくように、推奨ルートR1及び迂回経路とは異なる色で着色すると良い。回避地点は、例えば、旗等のイラストで表示しても良い。
また、回避地点又は経路を地図上に表示しているときには、例えば、回避地点又は経路の名前とユーザのコメントも地図上に表示されるようにすると良い。あるいは、例えば、ユーザがその回避地点又は経路にカーソルを合わせると名前とコメントが表示されるようにすると良い。