以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、本開示の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数などを、実際の構造における縮尺および数などと異ならせる場合がある。
また、図面には、適宜、X軸、Y軸、およびZ軸を示している。X軸は、以下の実施の形態の空気調和機100における室内機20の前後方向を示している。Y軸は、室内機20の左右方向を示している。Z軸は、鉛直方向を示している。前後方向、左右方向、および鉛直方向は、互いに直交する方向である。前後方向のうちX軸の矢印が向く側(+X側)は前側であり、前後方向のうちX軸の矢印が向く側と逆側(-X側)は後側である。左右方向のうちY軸の矢印が向く側(+Y側)は左側であり、左右方向のうちY軸の矢印が向く側と逆側(-Y側)は右側である。鉛直方向のうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)は上側であり、鉛直方向のうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)は下側である。なお、以下の実施の形態において左側は、“左右方向の一方側”に相当する。
図1は、実施の形態における空気調和機100の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、空気調和機100は、室外機10と、室内機20と、循環経路部18と、を備える。室外機10は、室外に配置されている。室内機20は、室内に配置されている。室外機10と室内機20とは、冷媒19が循環する循環経路部18によって互いに接続されている。
空気調和機100は、循環経路部18内を流れる冷媒19と室内機20が配置された室内の空気との間で熱交換を行うことによって、室内の空気の温度を調整可能である。冷媒19としては、例えば、地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)が低いフッ素系冷媒、または炭化水素系冷媒などが挙げられる。
室外機10は、室外機筐体11と、圧縮機12と、熱交換器13と、流量調整弁14と、送風機15と、四方弁16と、制御部17と、を有する。室外機筐体11の内部には、圧縮機12、熱交換器13、流量調整弁14、送風機15、四方弁16、および制御部17が収容されている。
圧縮機12と熱交換器13と流量調整弁14と四方弁16とは、循環経路部18のうち室外機筐体11の内部に位置する部分に設けられている。圧縮機12と熱交換器13と流量調整弁14と四方弁16とは、循環経路部18のうち室外機筐体11の内部に位置する部分によって接続されている。
四方弁16は、循環経路部18のうち圧縮機12の吐出側に繋がる部分に設けられている。四方弁16は、循環経路部18の一部の経路を切り替えることで、循環経路部18内を流れる冷媒19の向きを反転させることができる。四方弁16によって繋がれる経路が図1の四方弁16に実線で示す経路である場合、冷媒19は、循環経路部18内を図1に実線の矢印で示す向きに流れる。一方、四方弁16によって繋がれる経路が図1の四方弁16に破線で示す経路である場合、冷媒19は、循環経路部18内を図1に破線の矢印で示す向きに流れる。
図2は、室内機20および後述する放電ユニット30を前方から見た図である。図3は、室内機20および放電ユニット30を示す断面図であって、図2におけるIII-III断面図である。図4は、室内機20および放電ユニット30の一部を示す分解斜視図である。
図2から図4に示すように、室内機20は、室内の壁面Wsに固定される壁掛け型の室内機である。壁面Wsは、前方(+X方)を向いている。室内機20は、左右方向に長い略直方体状である。図2に示すように、室内機20は、室内機筐体(筐体)21と、熱交換器22と、送風機23と、第1制御部24と、を有する。また、図3に示すように、室内機20は、風向可変ベーン25と、ドレンパン26a,26bと、空気調和機用フィルタ27と、を有する。
室内機筐体21は、熱交換器22、送風機23、第1制御部24、ドレンパン26a,26b、および空気調和機用フィルタ27を内部に収容する筐体である。室内機筐体21は、前方(+X方)に開口する箱状の本体部21aと、本体部21aの前方に取り付けられた前面パネル21bと、を有する。前面パネル21bは、本体部21aの前方に開閉自在に取り付けられている。前面パネル21bを開くと、第1制御部24および空気調和機用フィルタ27が室内機20の外部に露出する。
室内機筐体21は、上方に開口する吸込み口21eと、下方に開口する吹出し口21fと、を有する。吸込み口21eは、本体部21aのうち上側に位置する天壁部21cに形成されている。天壁部21cの上面は、室内機20の上面である。本実施の形態において天壁部21cの上面は、前方に向かうに従って下方に位置する傾斜面である。図4に示すように、吸込み口21eは、前後方向および左右方向に沿ってマトリクス状に複数配置されている。これにより、天壁部21cのうち複数の吸込み口21eが設けられた部分は、格子状となっている。
図3に示すように、吹出し口21fは、本体部21aの下端部における前方(+X方)の部分に設けられている。吹出し口21fには、風向可変ベーン25が回転自在に取り付けられる。風向可変ベーン25は、吹出し口21fから吹き出される空気の向きを鉛直方向に変えることが可能である。なお、図示は省略するが、吹出し口21fの奥には、吹出し口21fから吹き出される空気の向きを左右方向に変えることが可能な風向可変ベーンも設けられている。
送風機23は、吸込み口21eから室内の空気AFを吸い込むとともに、吸い込んだ空気AFを吹出し口21fから吹き出す。本実施の形態において送風機23は、クロスフローファンである。図2に示すように、送風機23は、左右方向に延びている。なお、送風機23は、どのような種類の送風機であってもよい。
熱交換器22は、循環経路部18に設けられ、循環経路部18の内部を流れる冷媒19と室内機筐体21の内部に吸い込まれた室内の空気AFとの間で熱交換を行う。熱交換器22は、送風機23が形成する風路内に配置される。図3に示すように、本実施の形態において熱交換器22は、第1熱交換器22aと、第2熱交換器22bと、第3熱交換器22cと、を有する。
第1熱交換器22aは、送風機23の前方(+X方)に位置する。第2熱交換器22bは、第1熱交換器22aの上方に繋がっている。左右方向に見て、第2熱交換器22bは、第1熱交換器22aの上端部から上方かつ斜め後方(-X方)に延びている。第3熱交換器22cは、第2熱交換器22bの後方に位置する。左右方向に見て、第3熱交換器22cは、第2熱交換器22bの上端部から下方かつ斜め後方に延びている。第2熱交換器22bおよび第3熱交換器22cは、送風機23の上方に位置する。第1熱交換器22aと第2熱交換器22bと第3熱交換器22cとは、吸込み口21eから吹出し口21fに至る風路において送風機23を取り囲んで配置されている。
送風機23によって吸込み口21eから室内機筐体21内に吸い込まれた空気AFは、熱交換器22を通過し、その際に冷媒19と熱交換する。熱交換後の空気AFは、吹出し口21fから室内機20の外部に吹き出される。これにより、熱交換器22によって冷媒19との間で熱交換が行われた空気AFが、吹出し口21fから室内に吹き出される。
なお、熱交換器22は、冷媒19と室内の空気AFとの間で熱交換できるならば、どのような構造であってもよい。例えば、熱交換器22は、第3熱交換器22cを含まずに、第1熱交換器22aおよび第2熱交換器22bのみによって構成されてもよい。
ドレンパン26aは、第1熱交換器22aの下方に配置されている。ドレンパン26bは、第3熱交換器22cの下方に配置されている。ドレンパン26a,26bは、結露水を回収するための部材である。
空気調和機用フィルタ27は、吸込み口21eと第2熱交換器22bおよび第3熱交換器22cとの間で、吸込み口21eの全体を覆うように配置されている。吸込み口21eから室内機筐体21の内部に吸い込まれた空気AFは、空気調和機用フィルタ27を通過した後に熱交換器22を通過する。空気調和機用フィルタ27は、空気AF中に混入した繊維などの比較的大きな塵埃を捕らえることが可能なプレフィルタである。空気調和機用フィルタ27が設けられることで、空気AF中に混入した繊維などの比較的大きな塵埃が熱交換器22のフィン同士の間に引っ掛かることを抑制できる。図示は省略するが、本実施の形態において空気調和機用フィルタ27は、左右方向に並んで2つ配置されている。なお、空気AF中に混入した繊維は、例えば、布団から出る比較的長い繊維などを含む。
第1制御部24は、室内機20を制御する制御部である。第1制御部24は、例えば、送風機23および風向可変ベーン25などを制御する。図2に示すように、第1制御部24は、室内機筐体21の内部において熱交換器22および送風機23に対して左側(+Y側)に位置する。第1制御部24の左側の部分には、後述する信号配線81が接続された接続部24aが設けられている。図示は省略するが、第1制御部24は、制御基板を含む。
本実施の形態において室内機20は、室内機20が配置された室内の空気を冷やす冷房運転と、室内機20が配置された室内の空気を暖める暖房運転とが可能である。
室内機20が冷房運転される場合、循環経路部18内を流れる冷媒19は、図1に実線の矢印で示す向きに流れる。つまり、室内機20が冷房運転される場合、循環経路部18内を流れる冷媒19は、圧縮機12、室外機10の熱交換器13、流量調整弁14、および室内機20の熱交換器22をこの順に通って圧縮機12に戻るように循環する。冷房運転において、室外機10内の熱交換器13は凝縮器として機能し、室内機20内の熱交換器22は蒸発器として機能する。
一方、室内機20が暖房運転される場合、循環経路部18内を流れる冷媒19は、図1に破線で示す向きに流れる。つまり、室内機20が暖房運転される場合、循環経路部18内を流れる冷媒19は、圧縮機12、室内機20の熱交換器22、流量調整弁14、および室外機10の熱交換器13をこの順に通って圧縮機12に戻るように循環する。暖房運転において、室外機10内の熱交換器13は蒸発器として機能し、室内機20内の熱交換器22は凝縮器として機能する。
図2から図4に示すように、空気調和機100は、室内機20の外部において室内機20の上方に配置される放電ユニット30を備える。本実施の形態において放電ユニット30は、室内の空気AFを清浄化する機能を有する機器である。放電ユニット30は、室内機20の上方に所定の隙間Gを空けて離れて配置されている。隙間Gの鉛直方向の寸法Hは、例えば、5mm以上、50mm以下である。隙間Gの鉛直方向の寸法Hは、例えば、5mmが好ましい。本実施の形態において隙間Gは、前方に向かうに従って鉛直方向に大きくなっている。寸法Hは、隙間Gのうち後側(-X側)の端部における鉛直方向の寸法であり、隙間Gの鉛直方向の最小寸法である。
図5は、放電ユニット30を示す斜視図である。図6は、放電ユニット30を示す分解斜視図である。図7は、放電ユニット30を示す断面図であって、図5におけるVII-VII断面図である。図8は、放電ユニット30の一部を示す断面図であって、図5におけるVIII-VIII断面図である。
図5に示すように、放電ユニット30は、左右方向に延び鉛直方向に扁平な略直方体状である。図2に示すように、室内機20の左右方向において、放電ユニット30の中心は、室内機20の中心に対して左右方向の左側(+Y側)にずれて配置されている。放電ユニット30の左右方向の寸法は、室内機20の左右方向の寸法よりも小さい。本実施の形態において放電ユニット30の左右方向の寸法は、室内機20の左右方向の寸法の半分以上である。放電ユニット30の左側の端部は、室内機20の左側の端部と同じ左右方向の位置に配置されている。なお、「放電ユニット30の左側の端部が室内機20の左側の端部と同じ左右方向の位置に配置されている」とは、放電ユニット30の左側の端部における左右方向の位置が、寸法公差、組立公差などにより、室内機20の左側の端部における左右方向の位置に対して僅かにずれている場合も含む。
図6に示すように、放電ユニット30は、ケース31と、プレフィルタ35と、第2制御部40と、放電装置50と、信号配線81と、給電配線82と、を有する。
ケース31は、第2制御部40および放電装置50を内部に収容している。ケース31は、左右方向に延びている。ケース31は、例えば、樹脂製である。ケース31は、ベース部材32と、ベース部材32の上方に取り付けられた制御部カバー33および放電装置カバー34と、を有する。ベース部材32は、左右方向に長い略長方形状の底壁部32aと、底壁部32aの後側(-X側)の縁部から上方に突出する後壁部32bと、底壁部32aの右側(-Y側)の縁部から上方に突出する右壁部32cと、底壁部32aの左側(+Y側)の縁部から上方に突出する左壁部32dと、を有する。
底壁部32aは、板面が鉛直方向を向く板状である。底壁部32aは、第2制御部40が固定された第1被固定部32gと、放電装置50が固定された第2被固定部32hと、を有する。第1被固定部32gは、第2制御部40を下方から支持している。第2被固定部32hは、放電装置50を下方から支持している。
第1被固定部32gは、底壁部32aの左側(+Y側)の部分である。第1被固定部32gには、貫通孔が設けられていない。そのため、第1被固定部32gは、空気AFが鉛直方向に通過できなくなっている。
第2被固定部32hは、底壁部32aの右側(-Y側)の部分のうち前側(+X側)の部分である。第2被固定部32hには、第2被固定部32hを鉛直方向に貫通する通風孔32fが設けられている。通風孔32fは、前後方向および左右方向に沿ってマトリクス状に複数設けられている。これにより、第2被固定部32hのうち複数の通風孔32fが設けられた部分は、格子状となっている。第2被固定部32hは、複数の通風孔32fを介して空気AFが鉛直方向に通過可能となっている。
底壁部32aの右側(-Y側)の部分のうち第2被固定部32hよりも後側(-X側)に位置する部分には、通風孔32eが設けられている。通風孔32eは、前後方向および左右方向に沿ってマトリクス状に複数設けられている。これにより、底壁部32aのうち複数の通風孔32eが設けられた部分は、格子状となっている。各通風孔32eの開口面積は、第2被固定部32hに設けられた各通風孔32fの開口面積よりも大きい。つまり、第2被固定部32hに設けられた各通風孔32fの開口面積は、各通風孔32eの開口面積よりも小さい。そのため、使用者等の手指が底壁部32aの下方から通風孔32fを介してケース31内に入り込むことを抑制できる。これにより、使用者等の手指が、第2被固定部32hに支持された放電装置50に接触することを抑制できる。
制御部カバー33は、底壁部32aのうち第1被固定部32gの上方に位置する。制御部カバー33は、第2制御部40の上方に位置し、第2制御部40を上方から覆っている。制御部カバー33は、例えば、ねじ止めによりベース部材32に固定されている。制御部カバー33は、鉛直方向に見て略正方形状の天壁部33aと、天壁部33aの前側(+X側)の縁部から下方に突出する前壁部33bと、天壁部33aの左側(+Y側)の縁部から下方に突出する左壁部33cと、を有する。天壁部33aには、貫通孔が設けられていない。そのため、天壁部33aは、空気AFが鉛直方向に通過できなくなっている。左壁部33cは、ベース部材32の左壁部32dと鉛直方向に接触して配置されている。前壁部33bの前側の面は、ケース31の前側の面のうち左側の部分を構成している。前壁部33bの前側の面は、意匠面である。
放電装置カバー34は、底壁部32aのうち第2被固定部32hを含む右側(-Y側)の部分の上方に位置する。放電装置カバー34は、放電装置50の上方に位置する。図5に示すように、放電装置カバー34は、制御部カバー33の右側(-Y側)に隣接している。放電装置カバー34の左右方向の寸法は、制御部カバー33の左右方向の寸法よりも大きい。放電装置カバー34は、鉛直方向に見て略長方形状の天壁部34aと、天壁部34aの前側(+X側)の縁部から下方に突出する前壁部34bと、天壁部34aの上面における前側の縁部に設けられた指掛け部34gと、を有する。
天壁部34aには、天壁部34aを鉛直方向に貫通する通風孔34cが設けられている。通風孔34cは、前後方向および左右方向に沿ってマトリクス状に複数設けられている。これにより、天壁部34aのうち複数の通風孔34cが設けられた部分は、格子状となっている。天壁部34aは、複数の通風孔34cを介して空気AFが鉛直方向に通過可能となっている。前壁部34bの前側の面は、ケース31の前側の面のうち右側(-Y側)の部分を構成している。前壁部34bの前側の面は、意匠面である。
放電装置カバー34は、ベース部材32に対して着脱可能に取り付けられている。本実施の形態において放電装置カバー34は、前方(+X方)にスライド移動させられることで、ベース部材32から取り外される。使用者等は、例えば指掛け部34gを掴んで放電装置カバー34を前方に引っ張ることで、放電装置カバー34を容易に取り外すことができる。
ケース31の左側(+Y側)の端部には、引出孔32pが設けられている。本実施の形態において引出孔32pは、ケース31の左側の端部のうち後側(-X側)の端部に設けられている。引出孔32pは、ベース部材32に設けられている。引出孔32pは、ケース31の内部とケース31の外部とを繋いでいる。
図6に示すように、プレフィルタ35は、略長方形板状の部材である。プレフィルタ35は、放電装置50の上方に位置する。プレフィルタ35は、放電装置50と放電装置カバー34との鉛直方向の間に位置する。図7に示すように、プレフィルタ35は、放電装置カバー34における天壁部34aの下面に取り付けられている。
放電ユニット30の上方から天壁部34aの通風孔34cを通ってケース31の内部に流入する空気AFは、プレフィルタ35を通過してから放電装置50に流れる。プレフィルタ35は、空気AF中に混入した繊維などの比較的大きな塵埃を捕らえることが可能なフィルタである。
図示は省略するが、天壁部34aの下面における左右方向両側の縁部には、プレフィルタ35を前後方向に移動可能に支持するレールが設けられている。使用者等は、プレフィルタ35を後方(-X方)から天壁部34aの下方に挿し込んで、プレフィルタ35を放電装置カバー34に取り付けることができる。
放電ユニット30は、整流フィルタ37a,37bを有する。整流フィルタ37aは、プレフィルタ35と放電装置50との鉛直方向の間に位置する。整流フィルタ37bは、底壁部32aと放電装置50との鉛直方向の間に位置する。整流フィルタ37a,37bは、例えば、ハニカム状の通風孔を有するフィルタである。整流フィルタ37a,37bに設けられた各通風孔は、例えば、互いに向かい合う辺の距離が6mmほどの正六角形である。整流フィルタ37a,37bは、当該通風孔を介して、空気AFを鉛直方向に好適に通す。
ハニカム状の整流フィルタ37a,37bは、例えば、シート状のアルミニウム合金で形成されている。整流フィルタ37a,37bは、金属製のため火に強い性質を有する。ここで、例えば、放電装置50を構成する部品はすべて難燃剤や金属で構成されている。放電装置50を金属製のハニカム状の整流フィルタ37a,37bで挟み込むことで、仮に放電装置50が発火した場合などであっても火が周囲部材に到達しにくくでき、放電装置50で自己消化できる時間を確保することができる。放電装置50の下方、つまり空気AFの流れの下流側に配置された整流フィルタ37bは、室内機20の送風機23が吸込み口21eから空気AFを吸い込んでいる場合に、上述した効果をより有用に奏する。放電装置50の上方、つまり空気AFの流れの上流側に配置された整流フィルタ37aは、送風機23が停止している場合に、上述した効果をより有用に奏する。
図6に示すように、放電ユニット30は、複数の引掛け部(取付部)36を有する。本実施の形態において引掛け部36は、左右方向に間隔を空けて一対設けられている。引掛け部36は、ベース部材32の後側(-X側)に取り付けられている。一方の引掛け部36は、第1被固定部32gと後壁部32bとに跨って取り付けられている。他方の引掛け部36は、底壁部32aのうち第2被固定部32hの後方に位置する部分と後壁部32bとに跨って取り付けられている。
本実施の形態において引掛け部36は、L字状の板金部材である。図7に示すように、引掛け部36は、前後方向に延びる支持部36aと、支持部36aの後側(-X側)の端部から上方に延びる延伸部36bと、延伸部36bから後方に突出する爪部36cと、を有する。
支持部36aは、底壁部32aの下面にねじ止めされている。支持部36aは、後述する係合部62よりも前方に突出してケース31を下方から支持している。底壁部32aのうち支持部36aが固定された部分は、上方に窪んでいる。支持部36aは、ケース31の下端面よりも上方に位置する。
延伸部36bの上側部分は、ベース部材32の後壁部32bに設けられたスリット部32iに下方から挿し込まれ、ケース31の内部に挿入されている。延伸部36bの上側部分は、後壁部32bの前面に前方(+X方)から接触している。延伸部36bのうち爪部36cよりも下方に位置する部分には、後方(-X方)に突出する突出部36fが設けられている。突出部36fは、延伸部36bの一部が後方に折り曲げられて作られている。突出部36fの後側の端部は、後述する係合部62の前側の面に接触している。
爪部36cは、延伸部36bから後方(-X方)に突出する基部36dと、基部36dの後側の端部から下方に突出する爪本体部36eと、を有する。基部36dは、延伸部36bのうちケース31内に挿入された部分よりも下方に位置する部分から後方に突出している。爪本体部36eは、後述する孔部64に上方から挿入されて、係合部62に後方から引っ掛けられている。本実施の形態において爪部36cは、延伸部36bの一部が後方に切り起こされて作られている。
引掛け部36の上端部は、ケース31の上端部よりも下方に位置する。引掛け部36の下端部は、ケース31の下端部よりも上方に位置する。つまり、引掛け部36は、鉛直方向において、ケース31の寸法内に収まるように配置されている。
第2制御部40は、放電装置50を制御する制御部である。図2に示すように、第2制御部40は、放電装置50の左側(+Y側)に位置する。第2制御部40の少なくとも一部は、第1制御部24の上方に重なって配置されている。本実施の形態では、第2制御部40の左側の部分が第1制御部24の上方に位置する。
図9は、第2制御部40を示す分解斜視図である。図10は、第2制御部40の一部を上方から見た図である。図11は、第2制御部40の一部を示す斜視図である。図9に示すように、第2制御部40は、基板ケース40aと、基板ケース40aの内部に収容された制御基板45および昇圧基板46と、端子部47と、を有する。
基板ケース40aは、上方に開口する箱状の下側樹脂カバー41と、下側樹脂カバー41の上方に固定された上側樹脂カバー42と、下側樹脂カバー41の下方に位置する下側板金カバー43と、上側樹脂カバー42の上方に位置する上側板金カバー44と、を有する。下側板金カバー43は、上方に開口する箱状であり、下側樹脂カバー41を覆っている。上側板金カバー44は、下側板金カバー43の上側に固定され、上側樹脂カバー42を覆っている。
下側樹脂カバー41は、制御基板45が固定された制御基板固定部41aと、昇圧基板46が固定された昇圧基板固定部41bと、を有する。昇圧基板固定部41bは、制御基板固定部41aの前側(+X側)の部分における右側(-Y側)に繋がっている。
図10および図11に示すように、制御基板45には、端子台45a,45bが実装されている。端子台45aには、信号配線81が接続されている。端子台45bには、給電配線82が接続されている。端子台45bは、端子台45aよりも右方(-Y方)かつ後方(-X方)に位置する。
図11に示すように、信号配線81は、基板ケース40aの内部において突起部41cに引っ掛けられている。突起部41cは、下側樹脂カバー41の底部から上方に突出している。突起部41cは、端子台45aよりも右方(-Y方)かつ後方(-X方)に位置する。信号配線81は、端子台45aから右方に延び、右方から突起部41cに引っ掛けられて左方(+Y方)に折り返されている。左方に折り返された信号配線81は、左方に延びて、基板ケース40aの左側の壁部に設けられた貫通部40bから、基板ケース40aの外部に引き出されている。
このように、信号配線81は、貫通部40bを介して第2制御部40に左側(+Y側)から接続されている。貫通部40bは、下側樹脂カバー41の左側の壁部および下側板金カバー43の左側の壁部を左右方向に貫通している。貫通部40bは、上方に開口している。信号配線81の一部は、基板ケース40aの内部においてクランプ部材83aによって上方から固定されている。
基板ケース40aの外部に引き出された信号配線81は、基板ケース40aとケース31との左右方向の隙間を後方(-X方)に延びて、引出孔32pから放電ユニット30の外部に引き出されている。図2に示すように、放電ユニット30の外部に引き出された信号配線81は、室内機20と壁面Wsとの間を通って、室内機筐体21の内部に挿入され、第1制御部24の接続部24aに左方(+Y方)から電気的に接続されている。これにより、信号配線81は、放電装置50と第1制御部24とを電気的に接続している。
図示は省略するが、給電配線82は、電源線と、接地線と、を含む。図11に示すように、給電配線82は、端子台45bから左方(+Y方)に延びて、基板ケース40aの左側の壁部に設けられた貫通部40cから、基板ケース40aの外部に引き出されている。このように、給電配線82は、貫通部40cを介して第2制御部40に左側から接続されている。貫通部40cは、下側樹脂カバー41の左側の壁部および下側板金カバー43の左側の壁部を左右方向に貫通している。貫通部40cは、上方に開口している。貫通部40cは、貫通部40bの後方(-X方)に離れて位置する。給電配線82の一部は、基板ケース40aの内部においてクランプ部材83bによって上方から固定されている。
基板ケース40aの外部に引き出された給電配線82は、基板ケース40aとケース31との左右方向の隙間を後方(-X方)に延びて、引出孔32pから放電ユニット30の外部に引き出されている。図2に示すように、放電ユニット30の外部に引き出された給電配線82の一部は、室内機20と壁面Wsとの間を通っている。給電配線82は、例えば、壁面Wsに設けられた図示しないコンセントなどを介して、室内機20とは別の電源に接続される。
制御基板45と昇圧基板46とは、配線を介して電気的に接続されている。制御基板45は、例えば、給電配線82の電源線から印加された200V(ボルト)以上、240V(ボルト)以下の交流電圧を、12V(ボルト)程度の比較的低い直流電圧に変換する。昇圧基板46は、例えば、制御基板45によって変換された直流電圧を6000V(ボルト)程度の比較的高い直流電圧に変換する。図示は省略するが、昇圧基板46には、端子部47に備えられた一対の端子48c,48dのそれぞれに電気的に接続される一対の配線が接続されている。
図9に示すように、端子部47は、昇圧基板46の後方(-X方)から右方(-Y方)に延びる第1延伸部47aと、第1延伸部47aの右側の端部から前方(+X方)に延びる第2延伸部47bと、を有する略L字形状である。端子部47は、一対の配線部材48a,48bと、一対の配線部材48a,48bのそれぞれに電気的に接続された一対の端子48c,48dと、一対の配線部材48a,48bを保持する保持部材47cと、を有する。保持部材47cは、一対の配線部材48a,48bを鉛直方向に挟む一対の樹脂部材によって構成されている。
端子48cは、配線部材48aを介して昇圧基板46と電気的に接続されている。端子48dは、配線部材48bを介して昇圧基板46と電気的に接続されている。一対の端子48c,48dの一方は高電圧端子であり、他方は低電圧端子である。低電圧端子は、接地されている。一対の端子48c,48dは、例えば、バネ鋼で形成されている。一対の端子48c,48dは、第2延伸部47bの前側(+X側)の端部に配置されている。
図3に示すように、放電装置50は、室内機20に設けられた吸込み口21eの上方に配置されている。図6に示すように、放電装置50は、左右方向に延び、鉛直方向に扁平な略直方体状である。図8に示すように、本実施の形態において放電装置50は、放電部50aと集塵部50bとを有する電気集塵機である。
放電部50aは、放電電極56と、対向電極55とを有する。放電電極56は、金属製のワイヤである。対向電極55は、複数の平板状電極55aによって構成されている。複数の平板状電極55aは、互いに前後方向に間隔を空けて並んでいる。隣り合う平板状電極55aの間には、ワイヤである放電電極56が通されている。本実施の形態において、平板状電極55aの枚数は、3枚である。放電電極56は、最も前方に位置する平板状電極55aと中間に位置する平板状電極55aとの間を通ってから折り返し、中間に位置する平板状電極55aと最も後方に位置する平板状電極55aとの間を通っている。なお、平板状電極55aの枚数は、適宜変更することができる。放電電極56の折り返し回数は、平板状電極55aの枚数に応じて変更することができる。
放電部50aにおいては、放電電極56と対向電極55とに異なる電圧が印加されることで放電および電界が発生する。この放電および電解によって、放電部50aを通過する空気AF中の粒子を帯電させることができる。空気AF中の粒子は、例えば、ホコリ、細菌、カビ、ウイルス、およびアレルゲンなどを含む。また、放電部50aにおいて生じる放電および電解が放電部50aを通過する空気AF中の細菌やカビやウイルスなどに作用することで、細菌やカビやウイルスなどを不活化できる。
放電電極56に印加される電圧は、比較的高圧である。具体的には、例えば、4000V(ボルト)以上、6000V(ボルト)以下の直流電圧が放電電極56に印加される。対向電極55に印加される電圧は、比較的低圧である。具体的には、例えば、0V(ボルト)の電圧が対向電極55に印加される。つまり、本実施の形態において対向電極55は、接地されている。
集塵部50bは、放電部50aの下方、すなわち空気AFの流れ方向において放電部50aの下流側に配置されている。集塵部50bは、第1電極57aと、第2電極57bと、を有する。第1電極57aは、複数の第1板状電極57cが図示しない連結部材によって連結されて構成されている。第2電極57bは、複数の第2板状電極57dが図示しない連結部材によって連結されて構成されている。複数の第1板状電極57cと複数の第2板状電極57dとは、それぞれ前後方向に間隔を空けて並んでいる。第1板状電極57cと第2板状電極57dとは、前後方向に沿って交互に並んでいる。
集塵部50bは、図示しない一対の端子を介して第2制御部40から第1電極57aと第2電極57bとに異なる電圧が印加されることで、静電気力を発生させる。集塵部50bは、この静電気力によって、放電部50aで帯電した粒子を集めることができる。
第1電極57aに印加される電圧は、比較的高圧である。具体的には、例えば、4000V(ボルト)以上、6000V(ボルト)以下の直流電圧が第1電極57aに印加される。第2電極57bに印加される電圧は、比較的低圧である。具体的には、例えば、0V(ボルト)の電圧が第2電極57bに印加される。つまり、本実施の形態において第2電極57bは、接地されている。
第1電極57aは、通電性を有するとともに抵抗値が1012Ω/cm2(オーム毎平方センチメートル)以下の帯電防止樹脂で形成されている。第2電極57bは、樹脂に金属メッキを施して形成されている。なお、第2電極57bは、ステンレスなどの金属板で形成されてもよいし、カーボンを練り込んだ抵抗値が104Ω/cm2(オーム毎平方センチメートル)以下の導電樹脂で形成されてもよい。
放電装置50は、放電部50aおよび集塵部50bを内部に収容する放電装置ケース51を有する。放電装置ケース51は、上側ケース52と、上側ケース52の下方に位置する下側ケース53と、を有する。上側ケース52と下側ケース53とは、互いに固定されている。
上側ケース52は、上方に位置する天壁部52aと、天壁部52aの前側(+X側)の縁部から前方かつ斜め下方に延びる傾斜壁部52bと、傾斜壁部52bの前側の縁部から下方に延びる前壁部52cと、を有する。天壁部52aには、開口部52dが設けられている。図6に示すように、開口部52dは、前後方向および左右方向に沿ってマトリクス状に複数設けられている。これにより、天壁部52aのうち複数の開口部52dが設けられた部分は、格子状となっている。天壁部52aの上面には、プレフィルタ58が取り付けられている。プレフィルタ58は、開口部52dを上方から覆っている。上側ケース52の前側(+X側)の部分における左右方向の中央部には、前方に突出する取手部54が設けられている。
図8に示すように、下側ケース53には、開口部53aが設けられている。上側ケース52の開口部52dから放電装置ケース51内に流入した空気AFは、放電部50aおよび集塵部50bをこの順に通過して、開口部53aから放電装置ケース51の外部に流出する。これにより、集塵部50bによって塵埃が捕捉されて清浄化した空気AFが放電装置50の下方から排出される。放電装置50の下方から排出された清浄化した空気AFは、ケース31の通風孔32fを介して放電ユニット30の下方に排出され、吸込み口21eから室内機20の内部に吸い込まれる。
本実施の形態において放電装置50は、放電ユニット30のケース31におけるベース部材32に設けられた支持凸部32kによって下方から支持されている。支持凸部32kは、底壁部32aから上方に突出している。支持凸部32kは、放電装置50の前側(+X側)の端部を下方から支持している。
放電装置50は、放電装置カバー34に設けられた突起部34dによって上方かつ前方(+X方)から押さえられている。突起部34dは、放電装置カバー34の天壁部34aから下方に突出している。突起部34dは、放電装置50の前側部分の上方かつ前方に位置する。突起部34dは、左右方向に見て、略三角形状である。
突起部34dは、傾斜面34eと、後面34fと、を有する。傾斜面34eは、下方かつ斜め後方(-X方)を向いており、傾斜壁部52bの上方に対向して配置されている。傾斜面34eは、傾斜壁部52bの外面に沿っており、傾斜壁部52bの外面に接触している。後面34fは、傾斜面34eの前側の端部から下方に延びている。後面34fは、後方を向いており、前壁部52cにおける上側部分の前方に対向して配置されている。後面34fは、前壁部52cの外面に沿っており、前壁部52cの外面に接触している。
図10に示すように、放電装置50の左側(+Y側)の端部は、第2制御部40の端子部47のうち第2延伸部47bの前側(+X側)の端部の上方に重なって配置されている。図示は省略するが、放電装置50の左側の端部における下面には、一対の端子が設けられている。一対の端子は、放電装置50がケース31内に配置されることで、端子部47に設けられた一対の端子48c,48dと電気的に接続される。これにより、端子部47を介して、第2制御部40から放電装置50に高電圧が印加可能となる。
本実施の形態において放電装置50は、放電装置カバー34を外した状態で取り外し可能にケース31内に収容されている。図示は省略するが、放電装置50の左右方向の両端部は、ケース31内において左右方向に離れて設けられた一対のレールによって、前後方向にスライド移動可能に支持されている。放電装置カバー34を外した状態で、放電装置50は、放電ユニット30の外部に露出した状態となる。放電装置50は、ケース31のうち放電装置カバー34が取り外された状態において、前方にスライド移動可能となっている。使用者等は、放電装置カバー34を取り外してから、取手部54を掴んで放電装置50を前方(+X方)に引っ張ることで、放電装置50をケース31内から取り外すことができる。また、ケース31内に設けられたレールに沿って、放電装置50を前方から後方にスライド移動させて挿し込むことで、放電装置50をケース31内に取り付けることができる。放電装置50を奥まで挿し込むことによって、放電装置50の図示しない一対の端子が、第2制御部40の一対の端子48c,48dと電気的に接続される。
このように、放電装置50が取り外し可能なことで、使用者等は水などにより放電装置50を洗浄して、集塵部50bに集められた塵埃を容易に取り除くことができる。放電装置50は、空気洗浄フィルタなどと異なり交換する必要もなく、上述したように洗浄することで繰り返し使用し続けることができる。集塵部50bを洗浄することで、放電装置50の電圧と電流による電気特性を悪化させることなく、放電装置50の性能を初期性能に維持することができる。
放電装置50は、第1制御部24からの信号に基づいて駆動される。放電装置50は、室内機20の送風機23と連動して駆動される。第1制御部24は、送風機23を駆動する信号とともに、放電ユニット30の第2制御部40に放電装置50を駆動する信号を送る。これにより、送風機23によって室内機20内に空気AFが取り込まれ始めると、放電装置50にも第2制御部40から電力が供給される。
図3に示すように送風機23が駆動することによって吸込み口21eに吸い込まれる空気AFの少なくとも一部は、放電装置50を通過してから吸込み口21eに吸い込まれる。本実施の形態では、吸込み口21eに吸い込まれる空気AFの一部が放電装置50を通過してから吸込み口21eに吸い込まれ、空気AFの他の一部は放電装置50を通過せずに吸込み口21eに吸い込まれる。放電装置50を通過することで上述したように空気AFを清浄化できる。したがって、室内機20を運転し続けることで、室内の空気AFを清浄化していくことができる。
空気調和機100は、第1据付部材28と、第2据付部材60と、を備える。第1据付部材28および第2据付部材60は、壁面Wsに固定されている。第1据付部材28と第2据付部材60とは、互いに別部材である。第1据付部材28は、室内機20が取り付けられる背板である。第2据付部材60は、放電ユニット30が取り付けられる背板である。第1据付部材28は、例えば、壁面Wsにねじ止めされている。室内機20は、第1据付部材28を介して壁面Wsに取り付けられている。
第2据付部材60は、壁面Wsにおいて第1据付部材28の上方に固定されている。図4に示すように、第2据付部材60は、左右方向に延びる略長方形板状である。第2据付部材60は、左右方向に延びる略長方形板状の背板部61と、背板部61から前方(+X方)に突出する複数の係合部62と、背板部61の左右方向の中央部から下方に突出し左右方向に延びる位置決め凸部63と、を有する。
背板部61の板面は、前後方向を向いている。背板部61の後側(-X側)の面は、壁面Wsに接触している。本実施の形態において背板部61は、左右方向の両端部と左右方向の中央部とがねじ70によって壁面Wsに固定されている。背板部61は、背板部61を前後方向に貫通する長孔61aを有する。長孔61aは、左右方向に延びている。長孔61aは、左右方向に間隔を空けて一対配置されている。一対の長孔61aは、背板部61の右側(-Y側)の部分に設けられている。長孔61aのそれぞれには、放電ユニット30のケース31における後壁部32bを壁面Wsに固定するねじ72が通されている。
ねじ72は、後壁部32bに設けられた貫通孔32jに前方から通されて、長孔61aを通って壁面Wsに締め込まれている。貫通孔32jは、左右方向に間隔を空けて一対設けられた円形状の孔である。一対の貫通孔32jは、後壁部32bの右側の部分に設けられている。ねじ72によってケース31は、背板部61に固定されている。このように後壁部32bのうち貫通孔32jの周縁部は、第2据付部材60にねじ止めされるねじ止め部(取付部)32rである。貫通孔32jおよびねじ止め部32rは、放電装置カバー34および放電装置50がベース部材32から取り外された状態において、前方に露出した状態となる。そのため、放電装置カバー34および放電装置50がベース部材32から取り外された状態において、作業者等は、ねじ72によってねじ止め部32rを容易に第2据付部材60に固定できる。
なお、背板部61には、長孔61aの代わりに、後壁部32bに設けられた貫通孔32jと同様の貫通孔が設けられてもよい。この場合、後壁部32bには、貫通孔32jの代わりに長孔61aと同様の長孔が設けられてもよい。
複数の係合部62は、左右方向に間隔を空けて設けられている。本実施の形態において係合部62は、背板部61の左右方向の両端部に1つずつ設けられている。係合部62は、例えば、背板部61の一部が前方(+X方)に切り起こされて作られている。このように作られることで、係合部62の後方(-X方)には、上方に開口する孔部64が設けられている。孔部64は、下方にも開口している。孔部64内に上方から引掛け部36の爪本体部36eが挿入されることで、係合部62には、爪部36cが引っ掛けられる。係合部62の上端部は、背板部61の上端部よりも下方に位置する。係合部62の下端部は、背板部61の下端部と鉛直方向において同じ位置に位置する。つまり、係合部62は、鉛直方向において、背板部61の寸法内に収まるように配置されている。
本実施の形態では、2つの引掛け部36が2つの係合部62にそれぞれ引っ掛けられ、かつ、ねじ止め部32rがねじ72によって背板部61に固定されることで、放電ユニット30が第2据付部材60に取り付けられている。つまり、本実施の形態において放電ユニット30は、壁面Wsに取り付けられる取付部としてのねじ止め部32rおよび引掛け部36を介して第2据付部材60に取り付けられている。
図12は、第2据付部材60を壁面Wsに固定する際の状態を前方から見た図である。図13は、第2据付部材60を壁面Wsに固定する際の状態を示す斜視図である。図14は、第2据付部材60を壁面Wsに固定する際の状態を示す断面図である。
図12から図14に示すように、空気調和機100は、第2据付部材60を鉛直方向に位置決めするためのスペーサ部材90を備える。スペーサ部材90は、左右方向に延び、板面が鉛直方向を向く略長方形板状の部材である。スペーサ部材90を構成する材料は、例えば、発泡スチロールなどである。スペーサ部材90は、左右方向に延びる略長方形板状のスペーサ本体部91と、スペーサ本体部91から下方に突出する突出部92と、を有する。
スペーサ本体部91の後側(-X側)の縁部における左右方向の中央部には、前方(+X方)に窪む位置決め凹部91aが設けられている。位置決め凹部91aは、鉛直方向両側に開口している。位置決め凹部91aは、左右方向に延びている。位置決め凹部91aの左右方向の寸法は、第2据付部材60の位置決め凸部63の左右方向の寸法とほぼ同じである。スペーサ本体部91の上面には、下方に窪む略矩形状の凹部91cが設けられている。凹部91cは、位置決め凹部91aを左右方向に挟んで一対設けられている。一対の凹部91cは、例えば第2据付部材60と共にスペーサ部材90を梱包する際に、一対の係合部62をそれぞれ内部に収容可能である。
スペーサ本体部91は、載置部91bを有する。載置部91bは、スペーサ本体部91の後側(-X側)の縁部のうち位置決め凹部91aを左右方向に挟んだそれぞれの部分である。載置部91bは、スペーサ本体部91のうち載置部91bより前方に位置する部分よりも下方に窪んでいる。載置部91bは、それぞれ左右方向に延びている。載置部91bには、第2据付部材60が上方から載置される。突出部92は、スペーサ本体部91の左側(+Y側)の端部における後側の部分から下方に突出している。
空気調和機100を設置する作業者等は、室内機20を壁面Wsに固定した後に、図12に示すようにして室内機20の上面にスペーサ部材90を配置する。作業者等は、スペーサ部材90のスペーサ本体部91を室内機20の上面のうち後側(-X側)の縁部に載せてスペーサ本体部91の後側の面を壁面Wsに接触させる。これにより、スペーサ部材90を室内機20に対して鉛直方向および前後方向に位置決めできる。また、作業者等は、突出部92を室内機20の室内機筐体21における左側(+Y側)の壁部に左側から引っ掛ける。これにより、スペーサ部材90を室内機20に対して左右方向に位置決めできる。
作業者等は、スペーサ部材90の載置部91bに第2据付部材60を上方から載置させる。これにより、スペーサ部材90に対して第2据付部材60を鉛直方向に位置決めできる。図13に示すように、このとき作業者等は、第2据付部材60の位置決め凸部63を位置決め凹部91a内に嵌め合わせる。これにより、スペーサ部材90に対して第2据付部材60を左右方向に位置決めできる。したがって、上述したようにしてスペーサ部材90を室内機20に対して位置決めした状態で、スペーサ部材90に対して第2据付部材60を載せることで、第2据付部材60を室内機20に対して鉛直方向および左右方向に位置決めできる。この状態で、作業者等は、第2据付部材60を壁面Wsに固定する。作業者等は、第2据付部材60を壁面Wsに固定した後に、スペーサ部材90を室内機20の上面から取り外す。
本実施の形態によれば、放電装置50を有する放電ユニット30を室内機20とは別ユニットとして室内機20の外部に設けて、放電ユニット30を室内機20の上方に配置する構成とした。そのため、既存の室内機20の内部の構造を変更することなく、室内機20に対して放電ユニット30を取り付けることができる。これにより、上方に開口する吸込み口21eを有する室内機20であれば、どのような内部構造の室内機20に対してであっても、放電ユニット30を容易に取り付けることができる。したがって、本実施の形態によれば、室内機20に対して容易に放電装置50を取り付けることができる。
また、放電装置50は、室内機20の吸込み口21eの上方に配置され、放電装置50には、吸込み口21eに吸い込まれる空気AFの少なくとも一部が通過する。そのため、室内機20の送風機23を利用して、放電装置50に空気AFを通過させることができる。これにより、放電装置50に送風機23を設ける必要がない。したがって、放電装置50の鉛直方向の寸法を小さくできる。また、放電装置50の部品点数を少なくでき、放電装置50の製造コストを低減できる。
また、本実施の形態によれば、放電装置50は、室内機20の第1制御部24からの信号に基づいて駆動される。そのため、送風機23の駆動状況に合わせて放電装置50を好適に駆動できる。これにより、放電装置50を効率的に駆動できる。また、例えば、送風機23によって生じる空気AFの流れを検知して放電装置50を駆動する場合と異なり、放電ユニット30に空気AFの流れを検知するセンサを設ける必要がない。そのため、放電ユニット30の部品点数が増加することを抑制できる。また、センサの故障などによって放電装置50が駆動しないなどの不具合が生じることも抑制できる。
また、本実施の形態によれば、放電ユニット30は、放電装置50と第1制御部24とを電気的に接続する信号配線81を有する。そのため、第1制御部24の信号を無線で放電ユニット30に送信する場合に比べて、無線通信のための送信部および受信部などを設ける必要がなく、放電ユニット30の部品点数が増加することを抑制できる。
また、室内機20の上面の形状は、室内機20の機種によって異なる。そのため、例えば、放電ユニット30を室内機20の上面に載せて取り付ける構造の場合、室内機20の上面の形状によっては、放電ユニット30を取り付けにくい場合がある。また、室内機20の送風機23を回転させるモータの振動が放電ユニット30に直接伝わり、放電ユニット30から異音が生じる恐れ、および放電ユニット30内の部品同士が共鳴する恐れがある。
これに対して、本実施の形態によれば、放電ユニット30は、室内機20の上方に所定の隙間Gを空けて離れて配置されている。そのため、室内機20の上面の形状によらず、室内機20に対して放電ユニット30を容易に取り付けることができる。また、放電ユニット30が室内機20に直接接触しないため、送風機23を回転させるモータの振動が放電ユニット30に伝わることが抑制される。これにより、放電ユニット30から異音が生じることおよび放電ユニット30内の部品同士が共鳴することを抑制できる。したがって、室内機20と放電ユニット30との振動伝達音評価を省略することができ、品質懸念なく安全に放電ユニット30を取り付けやすい。
また、本実施の形態によれば、放電ユニット30は、壁面Wsに取り付けられる取付部として引掛け部36およびねじ止め部32rを有する。そのため、放電ユニット30を壁面Wsに固定することができる。これにより、室内機20から上方に離れた位置に放電ユニット30を容易に配置できる。また、放電ユニット30を室内機20に固定する場合に比べて、放電ユニット30を安定して固定しやすい。そのため、放電ユニット30を室内機20に固定する場合に比べて、放電ユニット30が落下することを好適に抑制できる。これにより、放電ユニット30の固定評価や落下評価を省略しやすく、より品質懸念なく安全に放電ユニット30を取り付けやすい。
また、本実施の形態によれば、空気調和機100は、壁面Wsに固定され、室内機20が取り付けられる第1据付部材28と、壁面Wsに固定され、取付部としての引掛け部36およびねじ止め部32rを介して放電ユニット30が取り付けられる第2据付部材60と、を備える。第1据付部材28と第2据付部材60とは、互いに別部材である。そのため、すでに壁面Wsに対して取り付けられている室内機20に対しても、第2据付部材60を用いることで放電ユニット30を壁面Wsに固定して取り付けることができる。これにより、すでに設置された室内機20に対して、あとから放電ユニット30を安定して取り付けることが容易である。
また、本実施の形態によれば、第2据付部材60は、室内機20の左右方向に間隔を空けて設けられる複数の係合部62を有する。放電ユニット30の取付部は、複数の係合部62にそれぞれ引っ掛けられる複数の引掛け部36を含む。そのため、引掛け部36を係合部62に引っ掛けることで、放電ユニット30を第2据付部材60に容易に取り付けることができる。これにより、放電ユニット30を壁面Wsに容易に固定できる。また、引掛け部36が係合部62に引っ掛かることで、放電ユニット30の姿勢が下方に傾くことなどを抑制できる。そのため、放電ユニット30が室内機20の上面に接触することを抑制できる。これにより、放電ユニット30から異音が生じることおよび放電ユニット30内の部品同士が共鳴することをより抑制できる。
また、本実施の形態によれば、引掛け部36は、係合部62よりも室内機20の前方に突出して放電ユニット30のケース31を下方から支持する支持部36aを有する。そのため、支持部36aによって、放電ユニット30のケース31を好適に下方から支持できる。したがって、放電ユニット30の取付位置が下方にずれることを好適に抑制できる。
また、本実施の形態によれば、放電ユニット30の取付部は、第2据付部材60にねじ止めされるねじ止め部32rを含む。そのため、放電ユニット30を第2据付部材60に対して、より強固に固定することができる。これにより、放電ユニット30を壁面Wsに対して、より安定して固定することができる。本実施の形態では、貫通孔32jおよびねじ止め部32rは、放電装置カバー34および放電装置50がベース部材32から取り外された状態において、前方に露出した状態となる。そのため、引掛け部36によってベース部材32が第2据付部材60に取り付けられた状態で、ドライバなどの工具をケース31内に前方から挿入して、ねじ止め部32rをねじ止めすることが容易である。
また、本実施の形態のように放電ユニット30を室内機20の上方に離して配置する場合、放電ユニット30を室内機20の上方に離すほど、送風機23から空気AFが受ける吸引力が低下して、放電ユニット30を通過する空気AFの流速が低下する。そのため、放電装置50を通過して清浄化される空気AFの単位時間当たりの量が低下する。つまり、放電ユニット30による空気AFの清浄能力が低下する。したがって、室内機20と放電ユニット30との隙間Gは、放電ユニット30と室内機20とが互いに接触しない範囲内において、なるべく小さくすることが好ましい。
これに対して、本実施の形態によれば、空気調和機100は、第2据付部材60を鉛直方向に位置決めするためのスペーサ部材90を備える。スペーサ部材90は、第2据付部材60が上方から載置される載置部91bを有する。第2据付部材60は、室内機20の上面に配置されたスペーサ部材90の載置部91bに載置されることで鉛直方向に位置決めされる。そのため、第2据付部材60を、室内機20の上面からスペーサ部材90の鉛直方向の寸法分だけ離れた位置に好適に位置決めできる。これにより、スペーサ部材90を鉛直方向の寸法を調整することで、室内機20と第2据付部材60に取り付けられる放電ユニット30との隙間Gを調整できる。したがって、隙間Gを好適な大きさに調整することが容易であり、放電ユニット30を室内機20から十分に離しつつ、放電装置50を通過する空気AFの流速が低下することを抑制できる。そのため、放電ユニット30による空気AFの清浄能力が低下することを抑制できる。
具体的には、室内機20と放電ユニット30との隙間Gの鉛直方向の寸法Hは、例えば、5mm以上、50mm以下である。寸法Hが5mm以上であれば、取り付けた放電ユニット30が自重によって僅かに下方に傾いた場合であっても、放電ユニット30が室内機20に接触することを好適に抑制できる。また、寸法Hが50mm以下であれば、放電ユニット30による空気AFの清浄能力が大きく低下することを抑制できる。寸法Hが50mm以下であれば、寸法Hが5mmの場合に比べて、放電ユニット30による空気AFの清浄能力の低下を50%以内に抑えられる。寸法Hを5mmとすることによって、放電ユニット30が室内機20に接触することを好適に抑制しつつ、放電ユニット30による空気AFの清浄能力が低下することを好適に抑制できる。
また、本実施の形態によれば、ケース31は、第2制御部40の上方に位置する制御部カバー33と、放電装置50の上方に位置する放電装置カバー34と、を有する。放電装置カバー34は、着脱可能に取り付けられている。放電装置50は、放電装置カバー34を外した状態で取り外し可能にケース31内に収容されている。そのため、使用者等は、放電装置50を洗浄するなどの場合に、放電装置カバー34を外すことで放電ユニット30から放電装置50を取り外すことができる。これにより、放電ユニット30の制御部カバー33および放電装置カバー34の両方を外す必要がある場合に比べて、使用者等が放電装置50を洗浄するなどの作業を容易に行うことができる。また、制御部カバー33を付けたまま放電装置50を取り外すことができる。そのため、使用者等が放電装置50を取り外す際に、使用者等が第2制御部40に接触することを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、放電装置カバー34は、上方かつ前方(+X方)から放電装置50を押さえる突起部34dを有する。そのため、例えば図15に示すように放電装置50がベース部材32に対して傾いて配置された状態で放電装置カバー34を前方から後方(-X方)に挿し込む際に、突起部34dによって放電装置50に対して後方向きの力と下方向きの力とを加えることができる。これにより、突起部34dによって放電装置50のベース部材32に対する姿勢を正しい姿勢に矯正しやすい。図15の例では、傾斜壁部52bと前壁部52cとが接続された角部が突起部34dの傾斜面34eによって後方かつ下方に押されることで、放電装置50の姿勢が正しい姿勢に矯正される。
したがって、使用者等は、放電装置50をベース部材32に配置する際に放電装置50を多少傾いた状態で配置しても、放電装置カバー34を取り付けることで、放電装置50を正しくケース31内に取り付けることができる。そのため、放電装置50のケース31内への取り付け作業を容易かつ好適に行うことができる。これにより、放電装置50が第2制御部40と電気的に接続されないことを抑制できる。したがって、放電装置50と第2制御部40とが電気的に接続されないことに起因する漏電やノイズや短ギャップ放電による異音が発生することを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、放電装置50は、放電部50aと集塵部50bとを有する電気集塵機である。そのため、使用者等は、既存の室内機20に対して、あとから放電ユニット30を取り付けることで、放電装置50によって室内の空気AFを清浄化できる。
また、本実施の形態によれば、放電ユニット30は、放電装置50の上方に位置するプレフィルタ35を有する。そのため、プレフィルタ35によって、放電装置50に通過する前の空気AF中から混入した繊維などの比較的大きな塵埃を捕らえることが可能である。これにより、放電装置50に塵埃が詰まることを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、室内機20の左右方向において、放電ユニット30の中心は、室内機20の中心に対して左右方向の一方側、すなわち本実施の形態では左側(+Y側)にずれて配置されている。そのため、例えば、放電ユニット30のうち空気AFが通過できない部分を、室内機20のうち空気AFが通過できない部分の上方に配置するなどすることで、放電ユニット30が吸込み口21eの一部を塞ぐことを抑制できる。これにより、室内機20内に吸い込まれる空気AFの量が低下することを抑制しつつ、放電ユニット30に効率的に空気AFを通過させることができる。また、本実施の形態のように信号配線81で室内機20と放電ユニット30とを接続する場合に、室内機20と放電ユニット30との電気的な接続を左右方向の同じ側の端部で行いやすくできる。これにより、室内機20と放電ユニット30との信号配線81を介した接続作業を容易にできる。また、信号配線81を短くしやすいため、信号配線81が邪魔になることを抑制できる。また、放電ユニット30の左右方向の寸法を室内機20の左右方向の寸法に揃える必要がないため、左右方向の寸法が異なる複数種類の室内機20に対して、放電ユニット30を容易に取り付けることができる。
また、本実施の形態によれば、放電ユニット30の左右方向の寸法は、室内機20の左右方向の寸法よりも小さい。そのため、放電ユニット30が室内機20に対して左右方向に突出しない状態で、放電ユニット30を室内機20に対して左右方向にずらして配置できる。これにより、放電ユニット30が室内の壁などに対して干渉することを抑制できる。また、例えば放電ユニット30の左右方向の寸法を既存の室内機20のいずれの左右方向の寸法よりも小さくすることで、どのような種類の既存の室内機20に対して放電ユニット30を取り付けても、放電ユニット30が室内機20よりも左右方向に突出することを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、放電ユニット30の左側(+Y側)の端部は、室内機20の左側の端部と同じ左右方向の位置に配置されている。そのため、放電ユニット30が室内機20に対して左右方向に突出することがなく、放電ユニット30が室内の壁などに対して干渉することを好適に抑制できる。また、例えば、放電ユニット30の左側の端部が室内機20の左側の端部よりも右側(-Y側)に位置する場合に比べて、放電ユニット30のうち空気AFが通過できない部分を室内機20のうち空気AFが通過できない部分の上方に重ねて配置しやすくできる。
また、本実施の形態によれば、室内機20の第1制御部24は、室内機筐体21の内部において熱交換器22および送風機23に対して左側(+Y側)に位置する。放電ユニット30の第2制御部40は、放電装置50の左側に位置する。つまり、室内機20と放電ユニット30とにおいて各制御部が、放電ユニット30が室内機20に対してずれている側に配置されている。そのため、放電ユニット30の第2制御部40を室内機20の第1制御部24の上方に配置しやすい。本実施の形態では、第2制御部40の少なくとも一部は、第1制御部24の上方に重なって配置されている。各制御部においては、空気AFが鉛直方向に通過できなくされている。そのため、第2制御部40の少なくとも一部を第1制御部24の上方に重ねて配置することで、放電ユニット30のうち空気AFが通過できない部分を室内機20のうち空気AFが通過できない部分の上方に好適に配置できる。また、第1制御部24と第2制御部40とを左右方向において互いに近い位置に配置でき、第1制御部24と第2制御部40とを信号配線81によって互いに接続しやすくできる。
また、本実施の形態によれば、ケース31の左側(+Y側)の端部には、信号配線81が引き出される引出孔32pが設けられている。第1制御部24の左側の部分には、信号配線81が接続された接続部24aが設けられている。そのため、放電ユニット30から引き出された信号配線81をより第1制御部24に接続しやすくできる。
また、本実施の形態によれば、放電ユニット30は、室内機20とは別の電源に接続される給電配線82を有する。そのため、放電ユニット30を室内機20に対して取り付けた場合に、室内機20に供給される電力の一部を放電ユニット30に供給する必要がない。これにより、放電ユニット30を取り付ける場合に、室内機20内の電源の供給系統などに変更を加える必要がない。したがって、室内機20に対して、より容易に放電装置50を取り付けることができる。
また、本実施の形態によれば、給電配線82は、信号配線81が引き出される引出孔32pから引き出されている。そのため、給電配線82を放電ユニット30の外部に引き出す場合に、別途引出孔を設ける必要がなく、放電ユニット30のケース31に設けられる孔の数を少なくできる。また、放電ユニット30から引き出される配線をまとめて管理しやすい。
また、本実施の形態によれば、給電配線82は、第2制御部40に左側(+Y側)から接続されている。そのため、給電配線82を第2制御部40に後側(-X側)から接続する場合に比べて、給電配線82が壁面Wsに干渉しにくく、給電配線82を第2制御部40に接続する作業を行いやすくできる。
また、本実施の形態によれば、信号配線81の一部および給電配線82の一部は、室内機20と壁面Wsとの間を通っている。そのため、信号配線81の一部および給電配線82の一部を前方から見えないように室内機20によって覆うことができる。これにより、室内機20の側面に沿って信号配線81および給電配線82が露出している場合に比べて、使用者等から見た見栄えを良くできる。
また、本実施の形態によれば、引掛け部36は、鉛直方向において、ケース31の寸法内に収まるように配置されている。そのため、引掛け部36を設けても放電ユニット30が大型化することを抑制できる。これにより、室内機20に取り付けられる前の放電ユニット30を梱包等しやすい。また、引掛け部36が引っ掛けられる係合部62は、鉛直方向において、背板部61の寸法内に収まるように配置されている。そのため、引掛け部36が引っ掛けられる鉛直方向の位置を、背板部61の鉛直方向の中央付近にしやすい。これにより、第2据付部材60が鉛直方向に大型化することを抑制できる。したがって、放電ユニット30を壁面Wsに取り付けるために必要な鉛直方向の寸法を小さくできる。そのため、室内機20と天井との間の距離が比較的小さい場合であっても、放電ユニット30を室内機20の上方に配置しやすい。
以上に本開示における実施の形態について説明したが、本開示は上述した実施の形態の構成のみに限定されず、以下の構成および方法を採用することもできる。
放電ユニットは、室内機の上面に固定されてもよい。放電ユニットの左右方向の寸法は、特に限定されない。放電ユニットの左右方向の寸法は、室内機の左右方向の寸法より大きくてもよいし、室内機の左右方向の寸法と同じであってもよい。放電装置は、放電が発生する装置であれば、どのような装置であってもよい。放電装置は、オゾン発生器であってもよい。
放電装置は、室内機の第1制御部からの信号に基づいて駆動されるならば、室内機とどのように接続されていてもよい。放電装置は、室内機の第1制御部から無線によって信号を受信して、当該受信した信号に基づいて駆動されてもよい。この場合、放電ユニットは、無線アダプタが接続される端子を有する。この構成によれば、信号配線を接続する作業を行う必要がない。そのため、放電ユニットをより容易に室内機に対して取り付けることができる。放電装置は、室内機の第1制御部からの信号によらず、駆動されてもよい。この場合、放電装置は、例えば、吸込み口に吸い込まれる空気を検知する検知器に基づいて駆動されてもよい。
放電ユニットの取付部が取り付けられる据付部材、つまり上述した実施の形態における第2据付部材60は、放電ユニットに備えられていてもよい。例えば、室内機と放電ユニットとは、1つの据付部材によって壁面に固定されてもよいし、壁面に直接固定されてもよい。
以上、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。