JP7423564B2 - 台車走行路およびコンクリート打設方法 - Google Patents
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Description
覆工コンクリートに鉄筋を配筋する場合には、型枠を組み立てる前に鉄筋を組み立てる必要があるが、移動式型枠を組立済の鉄筋上を走行させると、鉄筋が変形してしまうおそれがある。また、鉄筋上では、軌道の支持力を確保することができない。そのため、トンネル底部(インバート部)の配筋後に移動式型枠を使用することは困難であった。
また、トンネルのインバート(底部)の施工を先行して行い、インバート上において移動式型枠を走行させて他の部分のコンクリート打設を行う場合があるが、複数回に分けて配筋およびコンクリート打設を行う必要があり、工期短縮化の妨げとなる。また、トンネルの断面形状が小さい場合には、インバートの施工後に移動式型枠を使用するための作業スペースを確保できない場合がある。
かかる台車走行路によれば、鉄筋よりも高い位置にあるブロック体の上面を台車が走行するため、台車走行時に鉄筋に荷重が作用することがなく、鉄筋の配筋後に台車を移動させても、鉄筋が変形することがない。そのため、本発明の台車走行路をトンネル施工用の移動式型枠等の走行路として使用すれば、インバート(トンネル底部)を先行して施工する必要がなく、覆工コンクリート(二次覆工)の施工の手間を低減することができる。
なお、前記ブロック体の上面に、隣接する他のブロック体に向けて張り出す板材が固定されていれば、台車走行路の上面(台車の走行面)を連続させることができ、台車の走行性が向上する。
また、前記ブロック体が上下一対のフランジと前記フランジ同士を接続するウェブとを備える鋼材である場合には、上下の前記フランジを連結する補強板材が固定されているのが望ましい。
かかるコンクリート打設方法によれば、鉄筋を配筋した後でも、鉄筋を変形させずに型枠を所定の位置に配置して、コンクリートを打設することができる。そのため、鉄筋が配筋されたトンネルの覆工コンクリート(二次覆工)の施工であっても、インバートとその他の部分とを分割する必要がなく、施工の手間を低減できる。
なお、前記走行路形成工程は、後側に配設された前記ブロック体を、前記鉄筋の上に設置したローラーコンベア上を移動させることにより前記台車の前方に移動させる作業を備えていれば、ブロック体の転用によりコスト低減化を図ることができる。
配筋工程S1は、補強鉄筋3を組み立てる工程である。図3に補強鉄筋3と台車走行路5を示す。補強鉄筋3は、図3(a)および(b)に示すように、横筋(主筋)31および縦筋(配力筋)32を組み合わせることにより格子状に組み立てる。横筋31は、トンネル断面周方向に沿って環状に配筋されており、トンネル軸方向に所定の間隔をあけて配筋する。縦筋32は、トンネル軸方向に延設されており、トンネル断面周方向に間隔をあけて、複数本配筋する。すなわち、本実施形態では、格子状の補強鉄筋3が筒状に配筋されている。補強鉄筋3は、セグメント1から所定の間隔をあけて配筋する。
また、図4(a)に示すように、ブロック体6の両端には、上下のフランジ62,62を連結する補強板材65が固定されている。補強板材65は、フランジ62の先端部に移動式型枠4の荷重が作用した際にフランジ62が変形することを抑制する。
ブロック体6は、所定の位置に設置した状態で上面が鉄筋よりも高い位置となる高さを有している。本実施形態では、ブロック体6の設置箇所に予め均しコンクリートを打設しておくことで、セグメント1の内面に形成された凹部を平坦にする。すなわち、ブロック体6の高さは、均しコンクリートの上面(鋼製セグメントのリブの上面)から補強鉄筋3の上面までの距離以上とする。
図6に移動式型枠4の側面図、図7に移動式型枠4の断面図を示す。移動式型枠4は、図6に示すように、折り畳み可能な型枠本体7と、型枠本体7を支持する台車8とを備えている。
拡幅(展開)した状態の型枠本体7は、図7(a)に示すように、外面が覆工コンクリート2の内面と同形状となるように断面円形を呈している。また、型枠本体7は、図7(b)に示すように、複数の型枠部材71,71,…を回動可能に連結することにより形成されていて、内方に折り畳み可能である。すなわち、型枠本体7は、縮径可能であり、移動式型枠4は、型枠本体7を縮径した状態で移動させる。
コンクリートに所定の強度が発現されたら、型枠本体7を折り畳むことで脱型する。
このように、配筋工程S1走行路形成工程S2、型枠組立工程S3および打設工程S4を繰り返すことにより、トンネル延長方向に連続する覆工コンクリート2を形成する。
移動式型枠4の台車走行路5は、上面が補強鉄筋3よりも高い位置にあるブロック体6により形成されているため、移動式型枠4の移動時に補強鉄筋3に荷重が作用することがない。そのため、本発明の台車走行路5を使用すれば、インバート(トンネル底部)を先行して施工する必要がなく、覆工コンクリート(二次覆工)2の施工の手間を低減することができる。
ブロック体6には、上下のフランジ62を連結する補強板材65が固定されているため、移動式型枠4の荷重により変形することが防止されている。
ブロック体6は、鉄筋の上に設置したローラーコンベア9を利用して、移動式型枠4の後方から前方へ移動させるため、狭い作業空間内において、効率よく輸送することができる。また、ブロック体6を転用することで、コスト低減化を図ることができる。
前記実施形態では、シールドトンネルの二次覆工の施工について説明したが、本発明の台車走行路5およびコンクリート打設方法の適用対象は、シールドトンネルの施工に限定されるものではなく、例えば山岳トンネルやその他のコンクリート構造物の施工などに採用してもよい。
ブロック体6を構成するブロック構成材61は、H形鋼に限定されるものではなく、例えば、溝形鋼や角鋼管等であってもよい。
ブロック体6の設置箇所に打設する均しコンクリートは、必要に応じて打設するものとし、例えば、セグメント1がプレキャストコンクリート部材により形成されている場合など、セグメント1の内面が平らな場合等には、均しコンクリートは省略してもよい。
台車8の構成は限定されるものではなく、例えば、支柱84および脚柱85の数および配置は適宜決定すればよい。
トンネルTの底部に設ける台車走行路5の数および配置は限定されるものではなく、台車8の構成等に応じて適宜決定すればよい。
2 覆工コンクリート(二次覆工)
3 補強鉄筋(鉄筋)
4 移動式型枠
5 台車走行路
6 ブロック体
7 型枠本体
8 台車
9 ローラーコンベア
Claims (5)
- 格子状に組み立てられた鉄筋の上方を走行する台車の台車走行路であって、
前記台車の進行方向に沿って列状に配設された複数のブロック体を備えており、
前記ブロック体は、鉄筋同士の間に設けられていて、
前記ブロック体の上面は、前記鉄筋よりも高い位置にあることを特徴とする、台車走行路。 - 格子状に組み立てられた鉄筋の上方を走行する台車の台車走行路であって、
前記台車の進行方向に沿って列状に配設された複数のブロック体を備えており、
前記ブロック体は、前記台車の進行方向と交差する前記鉄筋の前後に設けられていて、
前記ブロック体の上面は、前記鉄筋よりも高い位置にあり、
前記ブロック体の上面に、隣接する他の前記ブロック体に向かって張り出す板材が固定されており、
前記板材の先端部は、隣接する他の前記ブロック体の上面に上載されていることを特徴とする、台車走行路。 - 格子状に組み立てられた鉄筋の上方を走行する台車の台車走行路であって、
前記台車の進行方向に沿って列状に配設された複数のブロック体を備えており、
前記ブロック体は、前記台車の進行方向と交差する前記鉄筋の前後に設けられていて、
前記ブロック体の上面は、前記鉄筋よりも高い位置にあり、
前記ブロック体が、上下一対のフランジと、前記フランジ同士を接続するウェブとを備える鋼材からなり、
前記ブロック体には、上下の前記フランジ同士を連結する補強板材が固定されていることを特徴とする、台車走行路。 - 格子状の鉄筋を組み立てる配筋工程と、
複数のブロック体を列状に配設して台車走行路を形成する走行路形成工程と、
所定の位置に型枠を組み立てる型枠組立工程と、
コンクリートを打設する打設工程と、を備えるコンクリート打設方法であって、
前記ブロック体の上面は、前記鉄筋よりも高い位置にあり、
前記型枠は、前記台車走行路を走行する台車と、前記台車に支持された折り畳み可能な型枠本体とを備えていて、
前記走行路形成工程では、前記ブロック体を前記鉄筋同士の間に設置し、
前記型枠組立工程では、前記型枠本体を折り畳んだ状態で前記台車により前記型枠本体を所定の位置まで移動させる作業と、前記型枠本体を拡幅させる作業と、を行うことを特徴とする、コンクリート打設方法。 - 前記走行路形成工程は、後側に配設された前記ブロック体を、前記鉄筋の上に設置したローラーコンベア上を移動させることにより前記台車の前方に移動させる作業を備えていることを特徴とする、請求項4に記載のコンクリート打設方法。
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JP2525756Y2 (ja) | 1991-10-23 | 1997-02-12 | 株式会社小野田 | 湧水処理用パネルを用いた上部スラブ施工配筋用スペーサー兼踏台 |
JP2013241794A (ja) | 2012-05-22 | 2013-12-05 | Maeda Corp | テレスコピック式型枠装置 |
JP2019039174A (ja) | 2017-08-23 | 2019-03-14 | 学校法人千葉工業大学 | 自走型鉄筋作業用ロボット、自走型鉄筋結束ロボット |
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2021
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