JP7422573B2 - 災害発生時における水処理施設の運転管理方法及び運転管理システム - Google Patents
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Description
(1)水処理施設は、配管などが複雑に入り組んだ構造のため、作業員が巡回・点検できる場所が限られており、人の目が行き届かない部分も多かった。
シミュレーションソフトウェアとしては、例えば、下記するASM(活性汚泥モデル)、河川流量モデル、地点別浸水シミュレーションなどがある。自走可能手段としては、無人航空機(ドローン)、水中ドローン、ラジコンカー、自動運転可能な車両、歩行型ロボットなどがある。
作業指示用工程における作業指示の出力は、例えば、実際に水処理施設を点検などする作業員の所持する携帯端末に対して行う。作業員や携帯端末は複数であっても良い。また自走可能手段も複数であっても良い。自走可能手段は作業員が操作しても良いし、自動運転を行っても良い。複数の作業員や自走可能手段を用いれば、水処理施設を手分けして点検などできる。
本発明によれば、水処理施設のシミュレーションソフトウェアと、自走可能手段を使って取得した現在情報とを3次元画像に用いて運転管理用3次元画像を生成するので、生成された運転管理用3次元画像に表示される情報、案内が、視覚的に直感的に把握し易く、従って施設の点検、運転調整を容易且つ確実に行うことが可能になる。また当該点検・運転調整の現場教育に活用することもできる。さらに、自走可能手段によって、点検又は運転調整後の状態確認を行うので、従来人の経験に頼って行っていた運転管理を安全に実施することが可能になる。
また、運転管理用3次元画像に、過去に得た情報、リアルタイム情報、将来予測情報を表示することで、作業員の点検作業を過去から将来予測情報に向けて誘導し、点検作業の効率化を図ることもできる。また、危険を予知して誘導することで作業員の安全を確保することもできる。
特に、洪水や津波などの災害があった際には、作業員による安全確認ができない場合もあり、自走可能手段で現在情報を把握すること、その情報を3次元画像に反映して活用することで、事態に対して安全且つ迅速に対応していくことが可能になる。
また本発明は、上記特徴に加え、前記水処理施設用のシミュレーションソフトウェアは、河川流量モデルまたは地点別浸水シミュレーションの少なくとも何れかを含むシミュレーションソフトウェアであることを特徴としている。
また本発明にかかる災害発生時における水処理施設の運転管理方法は、3DCAD(Computer Aided Design)、MR(Mixed Reality/複合現実)、VR(Virtual Reality/仮想現実)の少なくとも何れかを用いて作成した水処理施設の3次元画像に、当該水処理施設用のシミュレーションソフトウェアと、ハザードマップとGIS(Geographic Information System/地理情報システム)のデータと、現在情報とを用いることで、運転管理用の情報又は案内と施設が浸水した際の影響や被害範囲を表示した運転管理用3次元画像を生成する画像生成工程と、前記運転管理用3次元画像に表示される情報又は案内に従って水処理施設の点検又は運転調整を行わせる指示を出力する作業指示用出力工程と、自走可能手段によって前記点検又は運転調整後の状態確認を行わせる指示を出力する自走可能手段指示用出力工程と、を具備することを特徴としている。
また本発明は、上記特徴に加え、前記作業指示用出力工程における指示は、作業員の携帯端末に出力されることを特徴としている。
本発明によれば、更新されていく運転管理用3次元画像を用いることで、最新の情報に基づく指示が行え、運転管理の精度が増す。
データ取得部は、例えば映像データを取得する撮像部、音データを取得する音検知部、ガスデータを取得するガス検知部などがある。また試料取得部としては、例えば、水槽内の水を採取する水採取部などがある。採取した試料は、例えば作業員や管理棟に待機する技術者などが検査する。
本発明によれば、自走可能手段によって有用な現在情報を入手することができる。
本発明によれば、人が行動できない場所の現在情報も取得できるため、より運転管理の精度を上げることができ、対応の幅を広げることができる。
さらに、人の目が届かないと予測された箇所として、作業員自身では気付き難い作業員自身の行動や作業員の周囲の情報を取得することで、速やかに異常を予知、検知、そして周知することができ、安全性の向上がはかれる。
本発明によれば、限られた人員でも、人員同士が運転管理用3次元画像を共有して各種作業や点検などを協力して行うことができ、誤診断や誤操作なく、広範な施設をくまなく、安全に運転管理することができる。
危険な場所が多く、限られた人員で幅広い運転管理を要求される下水処理施設では、特に作業の効率化、安全性の確保の面で効果が高い。
また本発明にかかる災害発生時における水処理施設の運転管理システムは、3DCAD(Computer Aided Design)、MR(Mixed Reality/複合現実)、VR(Virtual Reality/仮想現実)の少なくとも何れかを用いて作成した水処理施設の3次元画像に、当該水処理施設用のシミュレーションソフトウェアと、ハザードマップとGIS(Geographic Information System/地理情報システム)のデータと、現在情報とを用いることで、運転管理用の情報又は案内と施設が浸水した際の影響や被害範囲を表示した運転管理用3次元画像を生成する画像生成手段と、前記運転管理用3次元画像に表示される情報又は案内に従って水処理施設の点検又は運転調整を行わせる指示を出力する作業指示用出力手段と、自走可能手段によって前記点検又は運転調整後の状態確認を行わせる指示を出力する自走可能手段指示用出力手段と、を具備することを特徴としている。
図1は本発明の一実施形態にかかる水処理施設用運転管理システム1の概略構成図である。同図に示すように、当該運転管理システム1は、例えば下記する管理棟230に設置される管理装置10と、下記する水処理施設100の点検や運転調整を行う作業員が所持する携帯端末30と、管理装置10又は携帯端末30によって操作される自走可能手段(以下「無人航空機」又は「ドローン」という)50とを具備して構成されている。
3Dスキャナにより、下水処理施設100の立地データ、設備データを詳細に形成する。次に上記で取得した3Dスキャナデータをもとに3DCADを作成する。その際、3DCADに現在の運転状況が反映されるようにする。次に、3DCADをVRデータに加工する。次に、3DCADデータをもとにMRデータに加工する。次に、ASMなどのシミュレーションを導入し、3DCAD、MR、VRに連携させる。
上記定常時の場合と同様に、3DCAD、VR,MRを作成しておく。そして、例えば洪水が発生し、下水処理施設100が浸水したとする。このとき、3DCADの施設内高低差などをもとに浸水状況を予測する(浸水シミュレーション)。次に、無人航空機50を用いて危険と想定された箇所の現在情報を取得する。次に、確認された危険箇所を3DCAD、MR、VRに反映する。3DCADとVRを用いて、下水処理施設100の点検に実際に入る前に、危険箇所を確認する。次に、作業員が実際に下水処理施設100の点検に赴き、MRが示した案内(点検・処置手順・立ち入り禁止箇所など)を参考にして処置を行う。このとき無人航空機50を作業員に同行させ、前記危険と想定された箇所などを、当該無人航空機50によって、現在情報を取得させる。作業員が取得した現在情報と、無人航空機50が取得した現在情報を3DCAD、VR,MRなどに反映させ表示させる。必要に応じて、MRの通信機能を用いて、遠隔地の技術者の助言を乞うこともできる。
10 管理装置
30 携帯端末
39 通信部(データ通信部)
50 無人航空機(自走可能手段、ドローン)
57 通信部(データ通信部)
59 撮像部(データ取得部)
61 ガス検知部(データ取得部)
63 音検知部(データ取得部)
65 試料採取部
100 下水処理施設(水処理施設)
110 沈砂池
130 最初沈殿池
150 反応槽
170 最終沈殿池
190 消毒施設
210 汚泥処理施設
230 管理棟
Claims (11)
- 3DCAD(Computer Aided Design)、MR(Mixed Reality/複合現実)、VR(Virtual Reality/仮想現実)の少なくとも何れかを用いて水処理施設の3次元画像を作成し、当該水処理施設用のシミュレーションソフトウェアと現在情報とを用いて災害状況を予測し、前記予測した災害状況を基に、自走可能手段を使って新たな現在情報を取得し、前記水処理施設の3次元画像に前記水処理施設用のシミュレーションソフトウェアと前記自走可能手段を使って取得した前記新たな現在情報を用いることで、運転管理用の情報又は案内を表示した運転管理用3次元画像を生成する画像生成工程と、
前記運転管理用3次元画像に表示される情報又は案内に従って水処理施設の点検又は運転調整を行わせる指示を出力する作業指示用出力工程と、
前記自走可能手段によって前記点検又は運転調整後の状態確認を行わせる指示を出力する自走可能手段指示用出力工程と、
を具備することを特徴とする災害発生時における水処理施設の運転管理方法。 - 請求項1に記載の災害発生時における水処理施設の運転管理方法であって、
前記水処理施設用のシミュレーションソフトウェアは、河川流量モデルまたは地点別浸水シミュレーションの少なくとも何れかを含むシミュレーションソフトウェアである
ことを特徴とする災害発生時における水処理施設の運転管理方法。 - 3DCAD(Computer Aided Design)、MR(Mixed Reality/複合現実)、VR(Virtual Reality/仮想現実)の少なくとも何れかを用いて作成した水処理施設の3次元画像に、当該水処理施設用のシミュレーションソフトウェアと、ハザードマップとGIS(Geographic Information System/地理情報システム)のデータと、現在情報とを用いることで、運転管理用の情報又は案内と施設が浸水した際の影響や被害範囲を表示した運転管理用3次元画像を生成する画像生成工程と、
前記運転管理用3次元画像に表示される情報又は案内に従って水処理施設の点検又は運転調整を行わせる指示を出力する作業指示用出力工程と、
自走可能手段によって前記点検又は運転調整後の状態確認を行わせる指示を出力する自走可能手段指示用出力工程と、
を具備することを特徴とする災害発生時における水処理施設の運転管理方法。 - 請求項1乃至3の内の何れかに記載の災害発生時における水処理施設の運転管理方法であって、
前記作業指示用出力工程における指示は、作業員の携帯端末に出力される
ことを特徴とする災害発生時における水処理施設の運転管理方法。 - 請求項1乃至4の内の何れかに記載の災害発生時における水処理施設の運転管理方法であって、
前記作業指示用出力工程で指示した点検又は運転調整内容を新たな現在情報として、前記画像生成工程に用いることで、新たな運転管理用3次元画像を生成することを特徴とする災害発生時における水処理施設の運転管理方法。 - 請求項1乃至5の内の何れかに記載の災害発生時における水処理施設の運転管理方法であって、
前記自走可能手段は、データ取得部と、試料採取部と、データ通信部と、を備えていることを特徴とする災害発生時における水処理施設の運転管理方法。 - 請求項1乃至6の内の何れかに記載の災害発生時における水処理施設の運転管理方法であって、
前記自走可能手段は、危険度が高くて人が入れないと予測された箇所や、人の目が届かないと予測された箇所の現在情報を取得することを特徴とする災害発生時における水処理施設の運転管理方法。 - 請求項1乃至7の内の何れかに記載の災害発生時における水処理施設の運転管理方法であって、
前記MRを用いて作成した運転管理用3次元画像を、作業員同士または遠隔地にいる者同士で、共有するように通信を行うことを特徴とする災害発生時における水処理施設の運転管理方法。 - 請求項1乃至8の内の何れかに記載の災害発生時における水処理施設の運転管理方法であって、
前記水処理施設が下水処理施設であることを特徴とする災害発生時における水処理施設の運転管理方法。 - 3DCAD(Computer Aided Design)、MR(Mixed Reality/複合現実)、VR(Virtual Reality/仮想現実)の少なくとも何れかを用いて水処理施設の3次元画像を作成し、当該水処理施設用のシミュレーションソフトウェアと現在情報とを用いて災害状況を予測し、前記予測した災害状況を基に、自走可能手段を使って新たな現在情報を取得し、前記水処理施設の3次元画像に前記水処理施設用のシミュレーションソフトウェアと前記自走可能手段を使って取得した前記新たな現在情報を用いることで、運転管理用の情報又は案内を表示した運転管理用3次元画像を生成する画像生成手段と、
前記運転管理用3次元画像に表示される情報又は案内に従って水処理施設の点検又は運転調整を行わせる指示を出力する作業指示用出力手段と、
前記自走可能手段によって前記点検又は運転調整後の状態確認を行わせる指示を出力する自走可能手段指示用出力手段と、
を具備することを特徴とする災害発生時における水処理施設の運転管理システム。 - 3DCAD(Computer Aided Design)、MR(Mixed Reality/複合現実)、VR(Virtual Reality/仮想現実)の少なくとも何れかを用いて作成した水処理施設の3次元画像に、当該水処理施設用のシミュレーションソフトウェアと、ハザードマップとGIS(Geographic Information System/地理情報システム)のデータと、現在情報とを用いることで、運転管理用の情報又は案内と施設が浸水した際の影響や被害範囲を表示した運転管理用3次元画像を生成する画像生成手段と、
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を具備することを特徴とする災害発生時における水処理施設の運転管理システム。
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