JP7422476B2 - 車両用灯具 - Google Patents

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Description

本発明は、光源と導光体とを備える車両用灯具に関する。
LED光源からの光を導光体によって線状に発光させる技術が知られている。特許文献1は、自動車のサイドターンシグナルランプにおいて、車両後方へ湾曲する導光レンズを備え、導光レンズの基端にLED光源を装着した車両用灯具を開示する。この導光レンズは、その先端に設けられる機能配向部と、LED光源と機能配向部との間の領域に設けられる意匠配向部とを有する。機能配向部は、LED光源からの光を車両側方へ拡散させる。意匠配向部は、LED光源から機能配向部に向かう光の一部を車両前方へ反射させる。
特開2010-282880号公報
導光レンズといった導光体を用いて、複数の配光パターンを形成したい要求がある。
複数の配光パターンを形成する手段としては、複数の導光体を組み合わせて構成することが考えられる。この場合、複数の導光体を個々に組み付ける必要がある。また、複数の導光体を精度よく配置するためには、導光体同士の位置合わせが必要である。そのため、導光体の組み付け作業に手間がかかる等、組み付け作業性が悪い。
本発明の目的の一つは、簡易な構成で、一つの導光体によって複数の配光パターンを形成できる車両用灯具を提供することにある。
本発明の一態様に係る車両用灯具は、
少なくとも一つの第一の光源と、導光体とを備え、
前記導光体は、
前記第一の光源からの光が入射される入射面と、
前記光を所定の方向に導光する複数のガイド部と、
前記複数のガイド部の各々の内部から前記光を車両の外方に出射する出射面と、
前記複数のガイド部同士をつなぐ連結部と、を有し、
前記複数のガイド部は、互いに間隔をあけて配置される第一のガイド部と第二のガイド部とを含み、
前記連結部は、前記第一のガイド部と前記第二のガイド部の少なくとも一方に対して交差する方向につながる交差部を有する。
上記の車両用灯具では、複数のガイド部の各出射面から光を出射することで、一つの導光体によって複数の配光パターンを形成できる。特に、各ガイド部が線状であれば、線状の配向パターンを形成できる。
上記の導光体は、ガイド部同士が連結部によって連結されていることで、一体物として取り扱うことができる。そのため、導光体を組み付けることによって、複数のガイド部を所定の位置に配置できる。また、連結部によってガイド部同士の間隔が保たれるので、ガイド部同士の位置合わせを省略できる。そのため、上記の車両用灯具は、導光体の組み付け作業の手間を軽減できる等、組み付け作業性が良好である。
また、連結部が第一のガイド部と第二のガイド部の少なくとも一方に対して交差する交差部を有することで、導光体の剛性を確保し易い。交差部によって両ガイド部が連結部と同一平面上に存在しないことで、導光体自体の剛性が向上するからである。導光体の剛性が向上することにより、導光体が撓んだり、ねじれたりし難くなる。そのため、上記の車両用灯具は、車両走行時の振動による導光体の破損や騒音の発生を抑制できる。
図1は、実施形態1に係る車両用灯具を車両後方から見た概略正面図である。 図2は、実施形態1に係る車両用灯具の構成を示す概略分解斜視図である。 図3は、図2に示す(III)-(III)線で切断した概略断面図である。 図4は、図2に示す(IV)-(IV)線で切断した概略断面図である。
本発明の実施形態に係る車両用灯具の具体例を、図面を参照して説明する。各図において、同一又は相当する部分には同じ符号を付している。図中、矢印FRは車両の前側、矢印RRは車両の後側、矢印LHは車両の左側、矢印RHは車両の右側、矢印UPは車両の上側、矢印LWRは車両の下側を示す。前後方向は車長方向に相当する。左右方向は車幅方向に相当する。上下方向は車高方向に相当する。また、車幅方向において、車両の中心側を内側とし、車外側を外側とする。
[実施形態1]
実施形態1に係る車両用灯具を図1~図4に基づいて説明する。実施形態1は、車両用灯具を自動車のリアコンビネーションランプにおけるテールランプに適用した例である。リアコンビネーションランプは車両の後部の左右両側に設けられる。テールランプは、赤色の灯火で車両の後方を照射する。
<概要>
実施形態1に係る車両用灯具1は、図1、図2に示すように、第一の光源11と、導光体2とを備える。実施形態1の車両用灯具1における特徴の一つは、導光体2は、入射面20aと、複数のガイド部20と、出射面20bと、連結部30とを有することにある。複数のガイド部20は、互いに間隔をあけて配置される第一のガイド部21と第二のガイド部22とを含む。連結部30は、図3、図4に示すように、第一のガイド部21と第二のガイド部22の少なくとも一方に対して交差する方向につながる交差部31を有する。車両用灯具1は、図2に示すように、その他の構成要素として、第二の光源12と、ベース4と、プリント基板5と、カバー6と、ボディ7と、レンズ8とを備える。
以下、車両用灯具1の構成を詳細に説明する。本実施形態では、車両の後部の左右両側に取り付けられる車両用灯具のうち、右側の車両用灯具1の構成を代表して説明する。左側の車両用灯具については、右側の車両用灯具1と実質的に左右対称構造であるので、その説明を省略する。
(第一の光源)
本実施形態において、第一の光源11はテールランプの光源である。第一の光源11は、図1に示すように、後述する導光体2の基端部に設けられる入射面20aに向かい合うように配置される。第一の光源11は、導光体2の入射面20aに向けて光を出射する。第一の光源11から出射された光は、入射面20aから導光体2に入射される。第一の光源11は、少なくとも一つあればよい。本例では、第一のガイド部21と第二のガイド部22の各々における入射面21a,22aに対して、第一の光源11がそれぞれ二個ずつ配置されている。第一の光源11は、車両の上下方向に縦並びに配置されている。第一の光源11は、図2に示すように、後述するプリント基板5に実装されている。
本例の第一の光源11は発光ダイオード(LED)である。第一の光源11の光の色は赤色である。第一の光源11の数は、適宜選択することができる。第一の光源11として、点光源ではなく、線状の光を出射する線光源を用いることで、第一の光源11の数を一つとすることも可能である。つまり、第一の光源11は、本例のように複数の点光源で構成する他、一つの線光源で構成することができる。この場合、第一の光源11である線光源の長さは、導光体2の入射面20aに対応した長さとすることが好適である。
(導光体)
導光体2は、第一の光源11からの光を導光させつつ、車両の外方に向けて出射する部材である。本実施形態では、後述する出射面20bから光を車両の後方に出射する。ここでは、導光体2が光を出射する側、即ち車両の後側に向く側を正面側とし、正面側とは反対側を背面側とする。導光体2は、例えば、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂(PC)などの透明樹脂やガラスからなる棒状体で構成されている。
導光体2の形状、つまり導光経路は、後述するガイド部20と連結部30とを備える限り、導光体2を備える車両用灯具1の用途や機能に応じて任意に選択できる。本例の導光体2は、図1に示すように、後述する入射面20aが設けられる基端部から車幅方向の外側、即ち右側に向かって延びつつ、上側に略直角に曲がる湾曲部2cと、湾曲部2cから車両の上側に向かって直線的に延びる縦直線部2vとを有する。つまり、導光体2は、平面視において、左右を逆にしたL字状の形状をしている。導光体2の平面形状は、用途に応じて適宜変更することができる。導光体2の色は無色透明である。
〈ガイド部〉
導光体2は複数のガイド部20を有する。ガイド部20は、第一の光源11からの光を所定の方向に導光する部分である。ガイド部20は、導光体2の両側縁部に全長にわたって設けられている。各ガイド部20は線状に連続している。ガイド部20の導光方向は、導光体2が延びる方向、即ち導光体2の長手方向に沿った方向である。
本例の導光体2は、第一のガイド部21と第二のガイド部22との二本のガイド部20を有する。第一のガイド部21と第二のガイド部22とは、導光体2の幅方向に互いに間隔をあけて配置される。導光体2の幅方向とは、上記の導光方向と交差する方向である。本例では、導光体2の基端部において、第一のガイド部21と第二のガイド部22とが上下に並び、縦直線部2vにおいて、第一のガイド部21と第二のガイド部22とが左右に並ぶように並列に配置されている。つまり、第一のガイド部21は導光体2における内側に位置し、第二のガイド部22は導光体2における外側に位置する。
〈入射面〉
入射面20aは、第一の光源11からの光が入射される面である。入射面20aは、導光体2の基端部の端面に形成されている。本例では、入射面20aとして、第一のガイド部21と第二のガイド部22の各々の基端部に入射面21a,22aを有する。
〈出射面〉
出射面20bは、複数のガイド部20の各々の内部から上記光を車両の外方に出射する面である。出射面20bは、ガイド部20の正面側の面に形成されている。本例では、出射面20bとして、第一のガイド部21と第二のガイド部22の各々に出射面21b,22bを有する。各出射面21b,22bは、第一のガイド部21及び第二のガイド部22の全長にわたってそれぞれ設けられている。両出射面21b,22bは、同一平面上に位置する。
出射面20bとは反対側の背面には、ガイド部20内に導光する光を車両の外方、即ち後方へ反射させる反射加工が施されている。反射加工としては、例えば、凹凸加工や溝加工などが挙げられる。
〈連結部〉
連結部30は、複数のガイド部20同士をつなぐ部分である。連結部30によってガイド部20同士が連結されていることで、導光体2を一体物として取り扱うことができる。連結部30は、隣り合うガイド部20の側縁部同士をつなぐように形成される。連結部30は、第一のガイド部21と第二のガイド部22との間に全長にわたって設けられている。この連結部30は、第一のガイド部21と第二のガイド部22の少なくとも一方に対して交差する方向につながる交差部31を有する。本例では、第一のガイド部21及び第二のガイド部22のそれぞれに対して交差する二つの交差部31を有する。図3、図4に示すように、各交差部31は、第一のガイド部21及び第二のガイド部22の各々における側縁部から車両の前方、即ち背面側に向かって延びるように形成されている。本例の連結部30は、交差部31の端縁同士をつなぐ平面部33を有する。平面部33の正面及び背面は平面で構成されている。
交差部31は、第一のガイド部21と第二のガイド部22の少なくとも一方に対して交差していればよく、少なくとも一つあればよい。これにより、両ガイド部21,22が連結部30と同一平面上に位置しないように構成することで、交差部31によって導光体2の長手方向の剛性を向上する。
本例では、図3、図4に示すように、第一のガイド部21及び第二のガイド部22に対して連結部30が車両の前方、即ち導光体2の背面側に突出する。本例の連結部30の断面形状はU字状である。断面形状とは、導光体2の長手方向と直交する断面の形状である。連結部30の断面形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円弧状やV字状などでもよい。導光体2の断面形状はハット形状である。
ガイド部20と連結部30とが一体に形成されていることで、第一のガイド部21と第二のガイド部22との間で、連結部30を介して両ガイド部21,22内に導光する光を行き来させることができる。本例のように、導光体2に湾曲部2cが設けられていると、湾曲部2cを光が通過するとき、一部の光が曲がり切らずに湾曲部2cの外側に抜けてしまうことがある。特に、湾曲部2cの曲率半径Rが30mm程度以下と小さい場合は、導光されずに外側に抜ける光が多くなる。そのため、光のロスが生じることになる。本例では、導光体2の湾曲部2cにおいて、第一のガイド部21の基端部から導光してきた光の一部を、連結部30を通して第二のガイド部22に導光させる。更に、第二のガイド部22の基端部から導光してきた光の一部を第一のガイド部21に向けて内部反射させることにより、連結部30を通して第一のガイド部21に導光させる。このように、第一のガイド部21と第二のガイド部22との間で、各ガイド部21,22内に導光するそれぞれの光が連結部30を通して入れ替わるように構成する。これにより、光のロスを最小限に抑え、かつ第一の光源11からの光を各ガイド部21,22にバランスよく配分することができる。
<その他の構成要素>
以下、図2に示すその他の構成要素について説明する。
(第二の光源)
本実施形態において、第二の光源12はストップランプの光源である。第二の光源12は、後述するボディ7の内周面に設けられるリフレクタ部71に向けて光を出射する(図3参照)。図3に示すように、第二の光源12から出射された光は、リフレクタ部71によって車両の後方に向けて反射される。図3中、点線矢印は、第二の光源12の光を示している。第二の光源12は、少なくとも一つあればよい。本例では、後述するベース4の開口部43に対応する位置に第二の光源12が六個配置されている(図1参照)。第二の光源12は、車両の上下方向に縦並びに配置されている。第二の光源12は、後述するプリント基板5に実装されている。
本例の第二の光源12はLEDである。第二の光源12の光の色は赤色である。第二の光源12の数は、適宜選択することができる。第二の光源12として、LEDといった点光源ではなく、線状の光を出射する線光源を用いることで、第二の光源12の数を一つとすることも可能である。この場合、第二の光源12である線光源の長さは、ベース4の開口部43に対応した長さとすることが好適である。
(ベース)
ベース4は、導光体2を保持する部材である。ベース4は、第一の支持面41及び第二の支持面42と、開口部43とを有する。ベース4は、導光体2の背面側に取り付けられる。つまり、ベース4は、導光体2に対して車両の前側に配置される(図3、図4参照)。そのため、車両用灯具1を車両後方から見た正面視では、ベース4を覆うように導光体2が配置される(図1参照)。ベース4は、例えば、不透明な樹脂で形成されている。ベース4の開口部43を除く箇所は、リフレクタ部71によって車両の後方に出射される第二の光源12からの光(図3参照)を遮光する。つまり、第一の支持面41及び第二の支持面42、並びに、後述する連結部40では、第二の光源12からの光が車両の後方に対して遮光される。
本例のベース4は、平面視において、導光体2の形状と略同形状である。ベース4は、導光体2の長手方向の全長にわたって設けられる。本例では、導光体2の下端部と上端部とがベース4に対して固定される。
〈第一の支持面・第二の支持面〉
第一の支持面41及び第二の支持面42は、図3、図4に示すように、第一のガイド部21及び第二のガイド部22を出射面21b,22bとは反対側から支持する。第一の支持面41及び第二の支持面42は、ベース4の両側縁部に全長にわたって設けられており、第一のガイド部21及び第二のガイド部22の背面側を全長にわたって支持する。
〈開口部〉
開口部43は、図3に示すように、第二の光源12の光を車両の外方に出射させるためのものである。この開口部43は、導光体2の連結部30の少なくとも一部に面している。本例では、開口部43が、導光体2の縦直線部2vにおける上下方向の中間部分に対応する領域に設けられている(図1参照)。図1において、開口部43はクロスハッチングで示している。上述したように、第二の光源12の出射光は、後述するリフレクタ部71によって車両の後方に向けて反射される。ベース4が開口部43を有することで、開口部43を通してリフレクタ部71からの反射光の一部を車両の後方に出射することができる。このとき、開口部43を通った光は、図3中、点線矢印αで示すように、導光体2の連結部30を透過して、縦直線部2vにおける第一のガイド部21と第二のガイド部22との間から車両の後方に出射される。なお、本実施形態では、リフレクタ部71からの反射光の一部が、点線矢印βで示すように、後述するカバー6と導光体2の縦直線部2vとの間の内側の隙間からも車両の後方に出射される。これにより、第二の光源12からの光を、カバー6と導光体2の縦直線部2vとの間だけでなく、開口部43に面する連結部30を透過して第一のガイド部21と第二のガイド部22との間からも車両の後方に出射することが可能である。
ベース4において、導光体2の連結部30に面する部分のうち、開口部43が形成されていない残りの部分には、第一の支持面41及び第二の支持面42同士をつなぐ連結部40が設けられている。連結部40は、第一の支持面41及び第二の支持面42の側縁部同士をつなぐように形成される。本例では、開口部43よりも上側と下側の領域に連結部40を有する。連結部40によって第一の支持面41と第二の支持面42とが連結されていることで、ベース4を一体物として取り扱うことができる。連結部40は、図4に示すように、導光体2における連結部30の背面側を支持する。連結部40の断面形状は、連結部30の断面形状に対応した形状である。本例の連結部40の断面形状はU字状である。
本例では、ベース4における導光体2の背面と向かい合う面、具体的には、第一のガイド部21及び第二のガイド部22と向かい合う第一の支持面41及び第二の支持面42、並びに、連結部30と向かい合う連結部40の正面に、光を反射する表面処理が施されている。表面処理としては、光の反射率を高めるため、例えば、白色塗装や銀色塗装、光沢のある金属メッキや金属蒸着などが挙げられる。ベース4の上記の面に表面処理が施されていることで、導光体2の背面から漏れる光を反射して導光体2に戻すことができる。そのため、光の利用効率を高めることができる。本例では、ベース4に白色塗装が施されている。
(プリント基板)
プリント基板5は、第一の光源11及び第二の光源12が実装される部材である。プリント基板5は導光体2の基端部側に配置される。本例では、プリント基板5が導光体2に対して車幅方向の内側、即ち左側に配置される(図3、図4参照)。プリント基板5は、導光体2の縦直線部2vと車幅方向に間隔をあけて設けられる。また、車両用灯具1を上下方向から見た断面視で、プリント基板5は車両の前後方向に沿って配置される。
本例のプリント基板5は、第一の光源11及び第二の光源12が実装される実装面が車幅方向の外側、即ち右側に向くように取り付けられる。図2に示すように、プリント基板5の下端部に第一の光源11が実装される。プリント基板5の後縁部に第二の光源12が実装される。プリント基板5は、図示しないが、第一の光源11及び第二の光源12の点灯を制御する制御回路を有する。プリント基板5には、車両のバッテリーから第一の光源11及び第二の光源12に電流を供給したり、車両の電子制御ユニット(ECU)から第一の光源11及び第二の光源12を点灯する信号を送信したりする図示しないケーブルが接続される。
(カバー)
カバー6は、プリント基板5の実装面側を覆う部材である。カバー6は、車両用灯具1の正面側からプリント基板5が見えないように目隠しする(図1参照)。本例では、カバー6がプリント基板5の右側に配置される(図3、図4参照)。カバー6は、導光体2の縦直線部2vと車幅方向に間隔をあけて設けられる。また、車両用灯具1を上下方向から見た断面視で、カバー6は、プリント基板5と同様に、車両の前後方向に沿って配置される。カバー6の下端部には、第一の光源11の出射光を遮らないように切欠きが設けられている。また、カバー6における車両の前後方向に沿った長さは、第二の光源12の出射光を遮らないように、プリント基板5の後縁部を覆わない長さに設定されている(図3参照)。カバー6は、例えば、樹脂で形成されている。
本例のカバー6は黒色である。そのため、カバー6の車幅方向の外側、即ち右側に向く面が黒色になっている。
(ボディ)
ボディ7は、第一の光源11及び第二の光源12が実装されたプリント基板5、導光体2、ベース4、カバー6を収納する部材である。ボディ7は正面側が開口している。ボディ7は、例えば、樹脂で形成されている。
ボディ7の内周面には、リフレクタ部71が設けられている。図2において、リフレクタ部71はクロスハッチングで示している。リフレクタ部71は、図3に示すように、第二の光源12の光を車両の後方に向けて反射する。リフレクタ部71によって第二の光源12の光を反射させることで、第二の光源12からの光を車両の後方に出射することが可能である。本実施形態では、上述したように、第二の光源12からの光は、カバー6と導光体2の縦直線部2vとの間、並びに、縦直線部2vにおけるベース4の開口部43に面する連結部30を透過して第一のガイド部21と第二のガイド部22との間から車両の後方に出射される。
リフレクタ部71は、ボディ7の内周面に対し、例えば、反射塗装やアルミ蒸着などの表面処理を施すことによって形成することができる。本例のリフレクタ部71は、アルミ蒸着によって形成されている。
(レンズ)
レンズ8は、ボディ7の正面側の開口を塞ぐ部材である。レンズ8は、導光体2の正面側に配置される。第一の光源11から導光体2の出射面20bを通して出射された光、第二の光源12からリフレクタ部71を反射した光は、レンズ8を透過して車両の後方に照射される。レンズ8は、例えば、PMMA、PCなどの透明樹脂やガラスで形成されている。レンズ8の色は無色透明である。
<車両用灯具の動作>
実施形態1の車両用灯具1は次のように動作する。
テールランプを点灯すると、第一の光源11が点灯する。第一の光源11からの光は、導光体2の入射面21a,22aから第一のガイド部21及び第二のガイド部22に入射される。入射された光は、各ガイド部21,22内を導光して、各ガイド部21,22の各々の出射面21b,22bから車両の後方に出射される。本実施形態では、二本のガイド部21,22が互いに間隔をあけて並列されている。そのため、車両用灯具1は、ガイド部21,22の各出射面21b,22bから光を出射することで、二本並列に並んだ線状の配光パターンが形成される。
ストップランプを点灯すると、第一の光源11と第二の光源12とが点灯する。第二の光源12からの光は、リフレクタ部71に反射されて、車両の後方に出射される(図3参照)。本実施形態では、上述したように、第二の光源12からの光は、カバー6と導光体2の縦直線部2vとの間、並びに、縦直線部2vにおけるベース4の開口部43に面する連結部30を透過して第一のガイド部21と第二のガイド部22との間から車両の後方に出射される。そのため、ストップランプを点灯した状態では、上述した配光パターンに加えて、カバー6と導光体2の縦直線部2vとの間と、縦直線部2vにおけるガイド部21,22の間からも光が出射される配向パターンが形成される。
<作用効果>
実施形態1の車両用灯具1は、次の効果を奏する。
(主要な効果)
車両用灯具1は、第一のガイド部21及び第二のガイド部22の各々の出射面21b,22bから光を出射して、各ガイド部21,22が発光することで、一つの導光体2によって二本並列に並んだ線状の配光パターンを形成できる。このような配光パターンは斬新な意匠性を有する。
第一のガイド部21及び第二のガイド部22同士が連結部30によって連結されていることで、導光体2を一体物として取り扱うことができる。そのため、導光体2を組み付けることによって、ガイド部21,22を所定の位置に配置できる。また、連結部30によってガイド部21,22同士の間隔が保たれるので、ガイド部21,22同士の位置合わせを省略できる。そのため、車両用灯具1は、導光体2の組み付け作業の手間を軽減できる等、組み付け作業性が良好である。
連結部30が第一のガイド部21と第二のガイド部22に対して交差する交差部31を有することで、交差部31によって導光体2の剛性が向上する。そのため、導光体2の剛性を確保し易い。導光体2の剛性が向上することにより、導光体2が撓んだり、ねじれたりし難くなる。そのため、車両用灯具1は、車両走行時の振動による導光体2の破損や騒音の発生を抑制できる。本実施形態では、連結部30が第一のガイド部21と第二のガイド部22との間に全長にわたって設けられているため、導光体2の剛性をより確保し易い。
導光体2の平面形状は湾曲部2cを有する形状である。本実施形態では、湾曲部2cにおいて、第一のガイド部21内に導光する光の一部が外側に抜けても、連結部30を通して第二のガイド部22に導光させることができる。よって、光のロスを低減できる。また、第二のガイド部22内に導光する光の一部を第一のガイド部21に向けて内部反射させて、連結部30を通して第一のガイド部21に導光させる。そのため、各ガイド部21,22内に導光するそれぞれの光が連結部30を通して入れ替わるように構成されている。これにより、第一の光源11からの光を各ガイド部21,22にバランスよく配分することができる。したがって、車両用灯具1は、各ガイド部21,22の先端部側、即ち縦直線部2vにおける上端部まで十分かつ均一に発光させることができる。
(その他の効果)
実施形態1の車両用灯具1は、導光体2を保持するベース4と、第二の光源12とを備える。ベース4は、第一のガイド部21及び第二のガイド部22を出射面21b,22bとは反対側から支持する第一の支持面41及び第二の支持面42と、第二の光源12の光を車両の外方に出射させる開口部43とを有する。開口部43は、導光体2の連結部30の少なくとも一部に面している。
上記の構成によれば、第二の光源12からの光が、ベース4の開口部43を通り、開口部43に面する導光体2の連結部30を透過して第一のガイド部21と第二のガイド部22との間から車両の後方に出射することできる。本実施形態では、図3に示すように、第二の光源12からの光を、カバー6と導光体2の縦直線部2vとの間だけでなく、縦直線部2vにおける第一のガイド部21と第二のガイド部22との間からも車両の後方に出射することが可能である。したがって、ストップランプの配光に必要な光を確保し易い。
連結部30の断面形状は平面部33を有するU字状である。図3に示すように、第二の光源12からの光が連結部40を透過するとき、平面部33を透過することになる。平面部33の正面及び背面は平面で構成されていることで、連結部40を透過した光の拡散を低減できる。
導光体2がベース4に支持されることで、導光体2の剛性が向上する。また、ベース4において、開口部43が導光体2の連結部30の一部に面しており、開口部43が形成されていない残りの部分に、第一の支持面41及び第二の支持面42同士をつなぐ連結部40を有する。連結部40によって第一の支持面41と第二の支持面42とが連結されていることで、ベース4を一体物として取り扱うことができる。
ベース4の第一の支持面41及び第二の支持面42に白色塗装といった表面処理が施されていることで、導光体2から漏れる光を反射して導光体2に戻すことができる。よって、光の利用効率を高めることができる。
プリント基板5を覆うカバー6を備えることで、車両用灯具1の正面側からプリント基板5が見えないように目隠しすることができる。また、カバー6の色が黒色である。車両用灯具1を正面視したとき、開口部43を介して導光体2の奥側を見ると、リフレクタ部71にカバー6の色が映り込む。そのため、リフレクタ部71全体を黒く見せることができる。これにより、第二の光源12を点灯していない状態では導光体2が浮いているように見え、各ガイド部21,22を発光させたときに立体的な光を表現できる。
[試験例1]
上述した実施形態1の車両用灯具1について、第一の光源11のみを点灯させて、導光体2における第一のガイド部21と第二のガイド部22とを発光させたときのそれぞれの輝度分布を調べた。試験例1では、図1に示すように、導光体2の縦直線部2vを上下方向に略三等分し、第一のガイド部21及び第二のガイド部22において、A~Cの各測定点におけるそれぞれの最高輝度を求めた。その結果を表1に示す。測定点Aは、導光体2の先端側であり、縦直線部2vの上端部に位置する。測定点Cは、導光体2の基端部側であり、縦直線部2vの下端部に位置する。測定点Bは、測定点AとCとの間の略中間点であり、縦直線部2vの中間部に位置する。
Figure 0007422476000001
表1の結果から、A~Cのいずれの測定点でも、第一のガイド部21及び第二のガイド部22の輝度は少なくとも2000cd/m以上である。そのため、第一のガイド部21及び第二のガイド部22の先端部側まで十分に発光しており、テールランプとして必要な配光が得られることを確認した。
また、各測定点における連結部30の最高輝度も調べたところ、いずれの測定点でも連結部30の輝度は実質的に0であった。つまり、連結部30からは光が照射されず、連結部30では発光が認められないことを確認した。
[変形例]
以下、実施形態1の変形例について説明する。
導光体2の平面形状は、湾曲部を有しない直線形状でもよいし、直線部を有しない湾曲形状でもよい。
導光体2におけるガイド部20の数は三本以上でもよい。この場合、並列される複数のガイド部20のうち、隣り合うガイド部20同士を連結部30でつないで、複数の連結部30を有する構成とする。複数の連結部30の少なくとも一つが交差部31を有していればよく、全ての連結部30が交差部31を有していてもよい。三本のガイド部20を有する構成では、三本並列に並んだ線状の配光パターンが形成される。
導光体2における連結部30が導光体2の正面側に突出するように形成されていてもよい。
導光体2を二個以上備えてもよい。
本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。本発明の車両用灯具は、テールランプの他に、例えば、ストップランプ、ターンランプ、クリアランスランプなどにも適用することが可能である。
1 車両用灯具
11 第一の光源、12 第二の光源
2 導光体
2c 湾曲部、2v 縦直線部
20 ガイド部
21 第一のガイド部、22 第二のガイド部
20a,21a,22a 入射面
20b,21b,22b 出射面
30 連結部
31 交差部、33 平面部
4 ベース
40 連結部
41 第一の支持面、42 第二の支持面
43 開口部
5 プリント基板
6 カバー
7 ボディ
71 リフレクタ部
8 レンズ

Claims (1)

  1. 少なくとも一つの第一の光源と、導光体とを備え、
    前記導光体は、
    前記第一の光源からの光が入射される入射面と、
    前記光を所定の方向に導光する複数のガイド部と、
    前記複数のガイド部の各々の内部から前記光を車両の外方に出射する出射面と、
    前記複数のガイド部同士をつなぐ連結部と、を有し、
    前記複数のガイド部は、互いに間隔をあけて配置される第一のガイド部と第二のガイド部とを含み、
    前記連結部は、前記第一のガイド部と前記第二のガイド部のそれぞれに対して交差する方向につながる二つの交差部を有し、
    前記二つの交差部は、前記第一のガイド部と前記第二のガイド部の各々における側縁部から車両の前方又は後方に向かって延びている、
    車両用灯具。
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