JP7422396B2 - 生体物質の検査装置および生体物質の検査用の容器 - Google Patents

生体物質の検査装置および生体物質の検査用の容器 Download PDF

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本発明は、タンパク質、ポリペプチド、核酸及びこれらの混合物から成る生体物質を検査する検査装置および前記生体物質が固定される生体物質の検査用の容器に関し、特に、試薬や洗浄液等の液体が供給・排出される検査装置および容器に関する。
本発明は、特に、所要の抗原抗体反応を高品質に発現させ、この抗原抗体反応を検査分析する方法に好適に使用可能である。
基体表面に小スポット状にDNAやタンパク質などの生体物質を被固定化物質として配したマイクロアレイ型計測法では、基体上に被固定化物質をスポットして固定する方法がある。その基体を含む容器(以下、「バイオチップ」または単に「チップ」ともいう)において、検査すべき検体をバイオチップに注入した後、検査のため数種類の試薬やそれらを洗い流す洗浄液をバイオチップに所定量注入する。特に、次工程の試薬へのコンタミネーション(混合による汚染)を防止するために、洗浄液によって前工程の試薬を確実に洗浄して排液する必要がある。現状では、排液のために、洗浄液を吸引するためのノズルを当該バイオチップ表面に限りなく近づけて吸引する方法が採用されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、若干の洗浄液がチップ表面に残り、次工程の試薬反応に影響を及ぼしている。特に、発光反応等の検査最終工程の反応品質を低下させる状態が生じている。
特許文献2(特開2013-24605号公報)は、生化学反応チップからの液体吸引の効率化を目指した技術例であり、その中に生化学反応チップ(10)から液体を吸引する際に、吸引を補助するために、液体吸引ノズル(31)が下方になるように、生化学反応チップ(10)を機械的に傾ける、または、液体を液体吸引ノズル(31)側にブローすることも記載されている。機械的とは、モータなどの能動的な動力機構を伴って動かすことをいう。以降、機械的と略す。特許文献2に記載の構成では、生化学反応チップ(10)を機械的に傾斜させることで、残液を減らしている。
特開2011-13000号公報(「0034」-「0041」、図3) 特開2013-24605号公報(「0081」)
特許文献2に記載の構成では、液体吸引ノズル(31)が生化学反応チップ(10)に非接触な状態で吸引を行っている。液体吸引ノズル(31)が生化学反応チップ(10)に接触すると、液体吸引ノズル(31)の下端が生化学反応チップ(10)の上面でいわば蓋をされた状態となって、吸引ができなくなるため、従来の構成では、0.1~0.2mm程度の隙間をあけて吸引していた。したがって、特許文献2に記載の構成において、生化学反応チップ(10)を機械的に傾斜させるためには、モータや圧電素子等の構成を導入する必要がある。
生化学反応チップ(10)を機械的に傾けるためにモータや圧電素子等の構成を導入しようとすると、傾斜角の制御や傾斜させるタイミングの制御等が必要となる。傾斜角が大きすぎたり、傾斜させるタイミングがずれたりすると、チップ内の液体がこぼれる恐れがある。液体がこぼれると、次にセットされる生化学反応チップ(10)が汚染される恐れがあり、測定結果への悪影響(コンタミネーション、以降、コンタミと略す)の恐れもある。
本発明は、チップを機械的に傾ける構成を導入する場合に比べて、簡素な構成でコンタミの恐れが少なく排液を行うことを技術的課題とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明の生体物質の検査装置は、
生体物質が収容される容器と、
前記容器の底部に対応して配置され、前記容器を下方から支持し且つ重力方向に伸縮可能な伸縮部と、
前記容器に液体を供給する給液装置と、
前記容器の内側の底面に接触しながら前記底面を下方に押して前記伸縮部を縮めて、前記容器を水平方向に対して傾斜させながら前記容器の液体を吸引して、前記容器から液体を排出する排液装置と、
を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の生体物質の検査装置において、
前記容器の外側の底面の外縁部に接触して、前記容器を支持し、重力方向に伸縮不能な支持部と、
前記支持部とは異なる位置で前記容器の外側の底面の外縁部に接触する前記伸縮部と、
を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の生体物質の検査装置において、
前記容器の底面の全体を支持する前記伸縮部、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項4に記載の発明の生体物質の検査用の容器は、
生体物質および液体が収容可能な生体物質の検査用の容器であって、
前記容器の底部の外側に配置され、重力方向に伸縮可能な伸縮部であって、液体を排出する排液装置に前記容器の内側の底面が押された場合に縮んで、前記容器本体を水平方向に対して傾斜させる前記伸縮部と、
を備えたことを特徴とする。
請求項1,4に記載の発明によれば、チップを機械的に傾ける構成を導入する場合に比べて、簡素な構成でコンタミの恐れが少なく排液を行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、排液装置で伸縮部側が押された場合に、伸縮部が縮んで支持部との間で容器を傾斜させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、容器底面の全体に配置された伸縮部において、中央からズレた位置に排液装置が接触した場合に、接触した位置に対応する部分が縮んで容器を傾斜させることができる。
図1は本発明の実施例1の生体物質の検査装置の概略説明図である。 図2は実施例1の生体物質の検査用の容器の説明図であり、図2Aは平面図、図2Bは排液ノズルが非接触の状態の側面図、図2Cは排液ノズルが接触した状態の側面図である。 図3は液体の吸引不良の説明図である。 図4は実施例1の変形例の説明図であり、図4Aは変形例1の説明図、図4Bは変形例2の説明図、図4Cは変形例3の説明図である。 図5は実施例1の変形例4の説明図であり、図5Aは排液ノズルが非接触な状態の側面図、図5Bは排液ノズルが接触した状態の説明図である。 図6は実施例1の変形例5の説明図である。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
図1は本発明の実施例1の生体物質の検査装置の概略説明図である。
図1において、実施例1の生体物質の検査装置1は、生体物質の検査用の容器の一例としてのバイオチップ11を支持するホルダ12を有する。ホルダ12の上方には、給液装置13や排液装置14が配置されている。給液装置13は、バイオチップ11に対して、液体状の試薬を供給するノズルや、洗浄液(液体)を供給するノズル等、複数のノズルを有する。排液装置14は、バイオチップ11に供給された液体を排出する。
給液装置13や排液装置14は、制御装置(制御部)の一例としてのコンピュータ16で制御される。コンピュータ16は、給液装置13のいずれかのノズルをバイオチップ11の底面に近接させてバイオチップ11へ試薬や洗浄液を予め定められた量供給させたり、排液装置14をバイオチップ11に近接させてバイオチップ11から反応後の試薬や洗浄液を排液したりする。
なお、生体物質の検査装置1や、後述する傾斜機構を除くバイオチップ11の基本的な構成については、従来公知であり、例えば、特許文献2等に記載されているので詳細な説明は省略する。
(バイオチップ11の説明)
図2は実施例1の生体物質の検査用の容器の説明図であり、図2Aは平面図、図2Bは排液ノズルが非接触の状態の側面図、図2Cは排液ノズルが接触した状態の側面図である。
図2において、実施例1のホルダ12は、バイオチップ11が収容される収容部21を有する。収容部21は、底部21aとバイオチップ11の側方を囲む側壁21bとを有する。底部21aには、バイオチップ11の底部11aの下面の一方の縁に対応して、支持台(支持部)22が配置されている。図2Aにおいて、実施例1では、一例として、支持台22は、四角形状のバイオチップ11の左上と左下の2つの角の位置に対応して配置されている。支持台22は、上面が底部21aよりも一段高い位置となるように形成されている。
また、収容部21の底部21aには、バイオチップ11の底部11aの下面の他方の縁(支持台22とは異なる位置)に対応して、伸縮部の一例としてのバネ23が支持されている。バネ23は、上下方向に伸縮可能に構成されている。図2Aにおいて、実施例1では、一例として、バネ23は、四角形状のバイオチップ11の右上と右下の2つの角の位置に対応して配置されている。
図2Bにおいて、バイオチップ11は、底部11aの下面が支持台22の上面とバネ23の上端とで支持された状態で収容部21に収容される。なお、実施例1のバネ23は、支持台22とバネ23とでバイオチップ11を支持し且つ他の外力が作用していない状態で、バイオチップ11の底部11aが水平な状態となるようにバネ23の自然長やバネ定数が設定されている。
図2B、図2Cにおいて、ホルダ12にバイオチップ11が支持された状態において、排液が行われる場合は、排液装置14の排液ノズル14aが、バイオチップ11の中央に対してバネ23側の底面に接触し、バイオチップ11の底部11aの底面(上面)を下方に押す。したがって、排液ノズル14aがバイオチップ11を下方に押す外力が作用し、バネ23が縮む。よって、バイオチップ11が、図2Cに示すように傾斜する。よって、バイオチップ11内の液体26が排液ノズル14a側に片寄った状態で吸引、排液が可能である。
なお、支持台22は、伸縮不能な材料で構成されているが、バネ23よりもバネ定数が大きな材料でも構成可能である。すなわち、外力が加わった場合にバネ23の方が支持台22よりも先に縮む構成であれば採用可能である。
また、図2Cに示すようにバネ23が最大まで縮んだ状態において、バイオチップ11の水平に対する傾斜角が、バイオチップ11内の液体26が溢れたり、こぼれたりしない傾斜角となるように、支持台22の高さが設定されている。
前記支持台22およびバネ23により実施例1の傾斜機構22+23が構成されている。
図3は液体の吸引不良の説明図である。
前記構成を備えた実施例1のバイオチップ11では、バイオチップ11内の液体26が排液される場合、排液ノズル14aがバイオチップ11の底面に接触してバイオチップ11のバネ23側が下方に押されて、図2Cに示すように傾斜する。したがって、液体26が排液ノズル14a側に片寄る。
バイオチップ11が傾斜しない場合は、図3右図に示すように、液体01の一部が吸引しきれず残る恐れがある。これに対して、実施例1では、バイオチップ11を傾斜させたときに液体26が重力で排液ノズル14a側に集まり、吸引される。よって、図3に示す場合に比べて、残液の発生が抑制される。
特に、実施例1では、排液ノズル14aがバイオチップ11に接触してバイオチップ11が傾斜すると、排液ノズル14aの先端面とバイオチップ11の上面とが傾斜するため、楔状の隙間が形成される。したがって、排液ノズル14aがバイオチップ11に接触しても、特許文献2の構成の場合と異なり、蓋がされた状態とならず、液体26の吸引が継続して可能である。
なお、蓋状態となることを避けるために、排液ノズル14aの先端部に傾斜をつけたり、切込みを形成することも可能である。
また、特許文献2に記載の構成において、モータや圧電素子等で機械的に傾斜させる場合、モータや圧電素子等の駆動部品、制御部品が必要となる。よって、製造費用が高くなると共に、構成も複雑化する問題がある。さらに、傾斜角や傾斜タイミングの制御が必要となり、液体がこぼれる恐れもある。
これに対して、実施例1では、支持台22とバネ23という簡素な構成でバイオチップ11を傾斜させることが可能である。また、排液ノズル14aを下降させるだけでバイオチップ11を傾斜させることが可能である。そして、支持台22の高さが、傾斜角が最大でも液体26がこぼれ出ない高さとなっており、排液ノズル14aが最大まで下降させても、液体26がこぼれることが抑制される。したがって、こぼれ出た液体26が次にセットされたバイオチップに付着して、検査対象に混ざってしてしまう現象(コンタミ)の発生が抑制され、検査結果への悪影響が抑制される。
そして、排液ノズル14aがバイオチップ11から離間するとバネ23の弾性復元に伴ってバイオチップ11が水平な状態に復帰する。よって、実施例1では、排液ノズル14aの昇降に伴って、バイオチップ11が傾斜または水平復帰する構成である。よって、駆動部品が必要ない。すなわち、実施例1のバイオチップ11は、排液ノズル14aに押されたときに傾斜する受動型(パッシブ型)であり、排液ノズル14aとは関係なくモータ等の駆動部品で動作する特許文献2のような能動型(アクティブ型)ではない。
排液ノズル14aは、バイオチップ11の底面に接触した位置で停止させて吸引を行うことも可能であるが、これに限定されない。排液ノズル14aがバイオチップ11の底面に接触した状態で、図2Aにおける前後方向(X軸方向)に排液ノズル14aを走査させるように移動させることも可能である。走査させた場合は、走査させない場合に比べて、液体26が吸引される位置、範囲が多くなり、さらに残液の発生が抑制される。また、排液ノズル14aの走査時には、バイオチップ11と排液ノズル14aとの接触位置が変化していき、接触位置の変化に応じて、バイオチップ11の傾斜姿勢も変化する。バイオチップ11の傾斜姿勢が変化すると、バイオチップ11の表面上に残留している液体26も揺らされることとなり、排液ノズル14aに向けて流動しやすくなる。よって、走査させない場合に比べて、残液の発生が抑制される。
排液ノズル14aを走査する方向は、図2Aにおける前後方向(X軸方向)に限定されず、図2Aにおける左右方向(Y軸方向)とすることも可能である。図2Aにおける左側に排液ノズル14aが移動していくとバイオチップ11の傾斜角はゼロ(水平)に近づき、排液ノズル14aが右側に移動するにつれて傾斜角が大きくなっていく。このように、バイオチップ11の傾斜角を変化させることで液体26を揺さぶって流動させることで、残液の発生が抑制される。また、X軸方向とY軸方向の2軸方向(2次元、平面方向)に排液ノズル14aを走査することも可能である。
また、排液ノズル14aでバイオチップ11を傾斜させた後に、排液ノズル14aを上下させてバイオチップ11に振動を与えることにより、傾斜したバイオチップ11の高さが低い側の排液ノズル14a先端方向に液の移動を加速することもできる。
(変形例)
前記実施例1において、支持台22およびバネ23をホルダ12側に設ける構成を例示したが、これに限定されない。支持台22およびバネ23をバイオチップ11の底面に配置する構成とすることも可能である。このように構成することで、ホルダ12側には変更なく既存の検査装置をそのまま利用して、バイオチップ11側のみを変更することでバイオチップ11の傾斜機構22+23を追加することが可能である。
特に、特許文献2に記載のアクティブな傾斜機構では、バイオチップ11のサイズと傾斜機構との間の寸法が厳密である必要があるため、バイオチップ11のサイズが変更になると、傾斜機構も変更せざるを得ない問題がある。また、バイオチップ11のサイズが変更になると、傾斜角や傾斜速度、傾斜のために必要な力(モータの駆動力等)も変わるため、傾斜機構を変更せざるを得ない場合もある。すなわち、特許文献2に記載の構成は、バイオチップ11のサイズに対して傾斜機構に柔軟性、汎用性がほとんどない問題もある。
これに対して、支持台22やバネ23をバイオチップ11側に設置する構成では、支持台22やバネ23の位置を、バイオチップ11のサイズに応じて変更することが容易であり、排液ノズル14aが接触する位置も、コンピュータ16で容易に微調整可能である。よって、特許文献2に記載の構成に比べて、柔軟性、汎用性が高くなっている。
なお、支持台22やバネ23をホルダ12側に設置する構成でも、支持台22やバネ23の位置をバイオチップ11のサイズに応じて適宜調整することが容易である。よって、特許文献2に記載の構成に比べれば、柔軟性、汎用性が高い。
図4は実施例1の変形例の説明図であり、図4Aは変形例1の説明図、図4Bは変形例2の説明図、図4Cは変形例3の説明図である。
実施例1では、図2Aに示すように、バイオチップ11の四隅に合わせて、左側の2か所に支持台22を配置し、右側の2か所にバネ23を配置したがこれに限定されない。例えば、図4Aに示すように、バネ23は1つとすることも可能である。この時、バネ23の位置は、バイオチップ11の保持の安定性から、前後方向の中央部に設置することが好ましいが中央部以外とすることも可能である。なお、バネ23の数は3つ以上とすることも可能である。
また、図4Bに示すように、支持台22の数も1つとすることも可能である。なお、支持台22の数も3つ以上とすることも可能である。
図4Cにおいて、バイオチップ11の角に対応して支持台22とバネ23を設置する構成に限定されず、図4Cに示すように、一方の縁(左側)に対応して前後方向に延びる支持台22′を設置し、他方の縁(右側)に対応して前後方向に延びる伸縮部の一例としての弾性体23′を設置することも可能である。弾性体23′としては、弾性材料の一例としてのゴムや、発泡材料の一例としてのスポンジ等、弾性を有する任意の材料を使用可能である。
図5は実施例1の変形例4の説明図であり、図5Aは排液ノズルが非接触な状態の側面図、図5Bは排液ノズルが接触した状態の説明図である。
図5において、図4Cに示す弾性体23′で、バイオチップ11の底面の全域を支持する構成とすることも可能である。このような構成でも、図5Bに示すように、排液ノズル14aの下降時にバイオチップ11を傾斜させることが可能である。なお、弾性体23′は、バイオチップ11の全域を支持する構成に限定されない。バイオチップ11の中央部を中心とする一部のみを支持する構成等、バイオチップ11を傾斜させることが可能且つ非傾斜時にバイオチップ11の姿勢が安定する任意の形態、範囲に弾性体23′を設置可能である。なお、弾性体23′のみで構成したほうが、支持台22とバネ23の2種類の部品を有する構成に比べて、部品点数をさらに削減可能である。
図6は実施例1の変形例5の説明図である。
図6において、バイオチップ11は、1つずつの場合に限定されず、4つのバイオチップ11が1つとなったチップセット11′に対して、傾斜機構22+23を個別に設けることも可能である。なお、チップセット11′におけるバイオチップ11の数は4つに限定されず、設計や仕様等に応じて任意に変更可能である。
バイオチップ11の個数が複数になると、特許文献2に記載の構成では、バイオチップの1つずつにそれぞれ傾斜機構が必要となり、コストが上昇する問題がある。特許文献2に記載の構成において複数個のバイオチップを1つのフレームに乗せて傾けると、バイオチップの重心位置が変わるので、非接触で吸い込む位置の高さが異なるチップが出てくる問題もある。特に、非接触で吸引を行う場合は、吸引ノズルの先端が離れすぎても近すぎても吸引能力が変化する問題がある。
これに対して、実施例1では、排液ノズル14aがそれぞれバイオチップ11に個別に接触する形であり、バイオチップ11の高さが変わっても、非接触で吸引する形態に比べて制御が容易であるとともに、制御の精度も非接触の場合に比べて精密でなくても十分に傾斜させつつ吸引が可能である。また、変形例として4本の排液ノズル14aを設けて同時に接触吸引しても良い。
なお、図1~図6において、バイオチップ11の右側が下方に傾斜する場合を例示したがこれに限定されない。左側や前側、後側に傾斜する構成とすることも可能であることは言うまでもない。
また、実施例1および各変更例において、バイオチップ11が一定の角度以上傾かない構造にすることができる。即ち、所定の角度以上傾けたくない場合、支持台22とバネ23の高さと間隔により傾斜角を制限することが可能である。また、バネ23に代わり、弾性体23′スポンジを用いる場合、その厚みで傾斜角を制限することが可能である。なお、ストッパのようなものを設置して傾斜角を規制する構成とすることも可能である。
1…生体物質の検査装置、
11…容器、
11a…容器の底部、
13…給液装置、
14…排液装置、
22…支持部、
23,23′…伸縮部。

Claims (4)

  1. 生体物質が収容される容器と、
    前記容器の底部に対応して配置され、前記容器を下方から支持し且つ重力方向に伸縮可能な伸縮部と、
    前記容器に液体を供給する給液装置と、
    前記容器の内側の底面に接触しながら前記底面を下方に押して前記伸縮部を縮めて、前記容器を水平方向に対して傾斜させながら前記容器の液体を吸引して、前記容器から液体を排出する排液装置と、
    を備えたことを特徴とする生体物質の検査装置。
  2. 前記容器の外側の底面の外縁部に接触して、前記容器を支持し、重力方向に伸縮不能な支持部と、
    前記支持部とは異なる位置で前記容器の外側の底面の外縁部に接触する前記伸縮部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の生体物質の検査装置。
  3. 前記容器の底面の全体を支持する前記伸縮部、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の生体物質の検査装置。
  4. 生体物質および液体が収容可能な生体物質の検査用の容器であって、
    前記容器の底部の外側に配置され、重力方向に伸縮可能な伸縮部であって、液体を排出する排液装置に前記容器の内側の底面が押された場合に縮んで、前記容器本体を水平方向に対して傾斜させる前記伸縮部、
    を備えたことを特徴とする生体物質の検査用の容器。
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