JP7421103B2 - 連続鋳造におけるブレークアウト予知方法 - Google Patents

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本発明は、連続鋳造におけるブレークアウト予知方法に関し、詳細には、凝固シェルの再溶解に起因するブレークアウトの発生を予知する方法に関する。
鋳片の連続鋳造において、タンディッシュから浸漬ノズルを介して鋳型に注入された溶鋼は、鋳型内で冷却されて鋳型と接する部分が凝固し、凝固シェルを形成する。凝固シェルが形成された鋳片は、鋳型の下方から引き抜かれて二次冷却帯で冷却される。しかし、鋳造速度が速く浸漬ノズルから吐出される吐出流の流速が速い場合や、溶鋼の加熱度が高く熱量の高い溶鋼が鋳型内に供給される場合は、凝固シェルが再溶解し凝固シェル厚が薄くなる。凝固シェル厚の薄い部位が鋳型出口に至ると、凝固シェルが破れて溶鋼が吹き出る、いわゆるブレークアウトが発生する危険がある。
ブレークアウトが発生すると、操業停止とならざるを得ず、ブレークアウトが発生しないような操業条件、例えば鋳造速度を遅くすること等を選択する必要がある。しかし、ブレークアウトの発生を恐れて鋳造速度を必要以上に遅くすることは操業効率の悪化となり好ましくない。
このような背景から、ブレークアウトの発生を的確に予知できる手法の開発が望まれており、様々な方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、鋳型の外表面に配置した薄板型の表面熱流束計により、鋳型の抜熱量に応じた熱流束を測定して、連続鋳造におけるブレークアウトの発生を防止する技術が開示されている。この技術では、多数の熱流束計により鋳型各部の局所的な熱流束を測定し、熱流束の時間的変化を表した熱流束波形の波高が急激に所定値を上まわった時に鋳込み速度を低下させ、前記波高が元に戻るまで低速鋳込みを行うことによりブレークアウトの発生を防止する。
特許文献2には、鋳型壁内に鋳型壁温度を測定する熱電対を複数個埋め込み、熱電対により測定された鋳型壁温度を基に鋳型出口における凝固シェル厚みを推定し、推定した凝固シェル厚みが閾値以下となった場合に、鋳造速度や溶鋼流速を低下させる制御を行うことによりブレークアウトの発生を防止する技術が開示されている。
特許文献3には、鋳込み寸法、鋳造速度等の鋳込み条件、及び鋼の物性値から鋳型内で形成される平均凝固シェル厚さを演算によって求め、さらに凝固シェル厚さの不均一度(最小凝固シェル厚/平均凝固シェル厚)を0.6~0.7と仮定することで最小凝固シェル厚を求め、最小凝固シェル厚がブレークアウト発生限界凝固シェル厚以下となるとブレークアウト発生の危険性増大の警報を出す技術が開示されている。
特公昭63-53903号公報 特開2010-194548号公報 特開平9-29407号公報
特許文献1記載の技術は、鋳型に設置された熱流束計を用いて局所的な熱流束を測定し、熱流束の変化を検出することによりブレークアウトの発生を防止する方法であるが、局所的な熱流束の変化を監視することによってブレークアウトの危険性を把握することができるかというと必ずしもそうとは言い切れない。なぜなら、鋳型内における凝固シェル形成過程の初期段階において熱流束の異常があったとしても、その後の凝固シェル形成過程において凝固シェルが形成され、鋳型出口において所定の厚みを有する凝固シェルが形成されておれば、ブレークアウトの危険は無いと判断できる場合もあるからである。
特許文献2記載の技術は、熱電対の設置された位置のみの温度測定結果から凝固シェル厚みを推定する。そのため、熱電対の設置された位置以外の凝固シェル厚み情報が不明であり、ブレークアウト予知精度に欠ける。また、ブレークアウト予知精度向上のために熱電対を増設することは、鋳型壁全面に敷設された冷却水流路を変更することになるため、鋳型壁構造の大幅な改造が必要となる。
特許文献3記載の技術は、大幅な鋳型壁構造の改造を必要とせず、鋳型内の局所的熱流束変化によらず、鋳型直下における最小凝固シェル厚を監視してブレークアウトの発生を予知することが可能なため、一応合理的ではあるが、本来、鋳造条件によって異なる凝固シェル厚さの不均一度を0.6~0.7と仮定しているためブレークアウト予知精度に欠ける。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、鋳片の連続鋳造において、凝固シェルの再溶解に起因するブレークアウトの発生を従来方法に比べて高精度で予知することが可能な方法を提供することを目的とする。
本発明は、鋳片の連続鋳造において、凝固シェルの再溶解に起因するブレークアウトの発生を予知する方法であって、以下のステップを備えることを特徴としている(図1参照)。
(1)鋳片の幅と鋳型下端における内法幅との差を短辺バルジング量とし、前記ブレークアウトが発生するときの前記短辺バルジング量を限界短辺バルジング量として、鋳片の炭素当量と前記限界短辺バルジング量との間の関係式を求めるステップ
(2)鋳型直下における鋳片の幅を測定して前記短辺バルジング量を算出するステップ
(3)算出した前記短辺バルジング量が、前記関係式に該鋳片の炭素当量を代入して算出した前記限界短辺バルジング量以上となった場合、前記ブレークアウトが発生すると判断するステップ
鋳片の連続鋳造では、図1に示す鋳型短辺側のバルジング(以下、「短辺バルジング」と呼ぶ。)によって、バルジング位置の上流側である鋳型内においても、鋳型の長辺内壁面に形成される長辺凝固シェルに鋳型から剥離する方向の曲げモーメントが作用する(図2(A)参照)。これにより、鋳片コーナー部の長辺側に凝固遅れが生じる。さらに、浸漬ノズルから吐出される吐出流が短辺凝固シェルに衝突して鋳片コーナー部へ流れることにより、鋳片コーナー部長辺側の凝固シェルが再溶解して凝固遅れが拡大し、長辺凝固シェル最小厚は小さくなる。
特に、鋳造速度が速い場合や、溶鋼の加熱度が高く熱量の高い溶鋼が鋳型内に供給される場合には、浸漬ノズルから吐出される吐出流が短辺凝固シェルに衝突することによる短辺凝固シェルの再溶解量が多くなる。そのため、鋳型下端における短辺凝固シェル厚は薄くなる(図2(B)参照)と同時に、鋳片コーナー部長辺側にも熱量の高い溶鋼がより供給されることによって凝固シェルが再溶解して凝固遅れがより助長され、長辺凝固シェル最小厚はさらに小さくなる。
本発明者らは、上記事象から、鋳型下端位置における短辺平均凝固シェル厚と鋳型下端位置における長辺凝固シェル最小厚との間に相関性があることを見出した。
鋳型下端位置における短辺平均凝固シェル厚は、鋳型下端位置における短辺バルジング量と凝固シェル強度によって推定可能であると考えられる。また、凝固シェル強度は、鋳造する鋳片の炭素当量によって決まる。従って、鋳型下端位置における短辺バルジング量と鋳造する鋳片の炭素当量から鋳型下端位置における長辺凝固シェル最小厚を推定することが可能である。鋳型下端位置における長辺凝固シェル最小厚が小さくなり過ぎると、ブレークアウトが発生することから、鋳型下端位置における短辺バルジング量と鋳造する鋳片の炭素当量から、凝固シェルの再溶解に起因するブレークアウトの発生を予知することができる。
また、本発明に係る連続鋳造におけるブレークアウト予知方法では、前記関係式を次式で表してもよい。
W=a×Ceq+b
ただし、
W:限界短辺バルジング量(mm)
Ceq:鋳造する鋳片の炭素当量(質量%)
a、b:実操業データ等に基づいて、鋳片の炭素当量Ceqと限界短辺バルジング量との間の関係から求めた係数
本発明に係る連続鋳造におけるブレークアウト予知方法では、鋳型下端位置における短辺平均凝固シェル厚と鋳型下端位置における長辺凝固シェル最小厚との間の相関性を利用することにより、鋳型下端位置における短辺バルジング量と鋳造する鋳片の炭素当量から、凝固シェルの再溶解に起因するブレークアウトの発生を従来方法に比べて高精度で予知することができる。
鋳型出口における鋳片のイメージ図である。 鋳型コーナー部における凝固シェルのイメージ図であり、(A)は短辺凝固シェル厚が厚い場合、(B)は短辺凝固シェル厚が薄い場合である。 ブレークアウトが発生したケースと発生しなかったケースについて、鋳型下端位置における短辺平均凝固シェル厚と鋳型下端位置における長辺凝固シェル最小厚の関係を示したグラフである。 鋳型下端位置における短辺平均凝固シェル厚をパラメータとして炭素当量Ceqと短辺バルジング量の関係を示したグラフである。 ブレークアウトが発生したケース、鋳片コーナー部長辺側近傍に縦割れが発生したケース、ブレークアウト並びに鋳片コーナー部長辺側近傍に縦割れが発生しなかったケースについて炭素当量Ceqと短辺バルジング量の関係を示したグラフである。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。
鋳型コーナー部の長辺側に形成される長辺凝固シェルは、溶鋼静圧によって生じる短辺バルジングによる曲げモーメントによって鋳型銅板から剥離し、長辺凝固シェルと鋳型銅板との間にエアーギャップが生じる(図2(A)参照)。これにより、鋳型からの抜熱が阻害されて長辺凝固シェルの成長が遅れ、鋳片コーナー部の長辺側に凝固遅れ部が発生する。
前述したように、浸漬ノズルから吐出される吐出流が短辺凝固シェルに衝突して鋳片コーナー部へ流れることにより、鋳片コーナー部の長辺側凝固遅れ部の凝固シェルが再溶解して凝固遅れが拡大し、長辺凝固シェル最小厚は小さくなる。鋳造速度が速い場合や、溶鋼の加熱度が高く熱量の高い溶鋼が鋳型内に供給される場合には、浸漬ノズルから吐出される吐出流が短辺凝固シェルへ衝突することによる短辺凝固シェルの再溶解量が多くなる。そのため、鋳型下端での短辺凝固シェル厚は小さくなる(図2(B)参照)と同時に、鋳片コーナー部にも熱量の高い溶鋼がより供給されることによって凝固シェルが再溶解して長辺凝固シェル最小厚はさらに小さくなる。
鋳型下端から鋳片スプレーによって冷却されるまでの間に凝固シェル内側の溶鋼から受ける復熱によって凝固シェルの温度が上昇する。凝固遅れによって鋳型直下における凝固シェル厚が不十分であると、凝固シェルの復熱によって、凝固シェル厚が最小となっている部分において凝固シェル強度が著しく低下する温度域まで凝固シェル温度が上昇し、鋳型からの拘束が無くなる鋳型直下において、溶鋼静圧に凝固シェルが耐え切れずブレークアウトが発生する。
図3は、ブレークアウトが発生したケースと発生しなかったケースについて、鋳型下端位置における短辺平均凝固シェル厚と鋳型下端位置における長辺凝固シェル最小厚の関係を示したグラフである。同図のデータは、同一の連鋳機を使用し、鋳造中の鋳型内の湯面から鋳型下端までの長さが900mmの条件で鋳造した、炭素当量が0.01~0.50質量%である鋼種について採取したものである。
鋳型下端位置における短辺平均凝固シェル厚は、鋳型下端位置における短辺凝固シェルについて、一方の長辺面と他方の長辺面からそれぞれ20mmの位置、短辺中央位置、長辺面から20mmの位置と短辺中央位置の中間位置2カ所の計5か所で測定した凝固シェル厚の平均値とした。
凝固シェル厚の測定は、鋳造中に鋳型内溶鋼にSを添加し、Sを投入したタイミングにおいて鋳型下端位置となっている鋳片断面をエッチングさせることで、S投入時における鋳型内での固液界面を現出させる手法(S添加法)を用いた。
また、鋳型下端位置における長辺凝固シェル最小厚は、鋳型下端位置における長辺凝固シェル厚が最小となっている部分の凝固シェル厚をS添加法を用いて測定した。
短辺平均凝固シェル厚が小さくなるにつれて長辺凝固シェル最小厚も小さくなり、長辺凝固シェル最小厚が約5mm未満になると、ブレークアウトが発生していることが同図よりわかる。
従って、鋳型下端位置における長辺凝固シェル最小厚若しくは鋳型下端位置における短辺平均凝固シェル厚が一定値以上となるよう監視すればブレークアウトの抑制が可能であると考えられるが、長辺凝固シェル最小厚及び短辺平均凝固シェル厚を鋳造中に監視することは困難である。
そこで、鋳型下端位置における短辺バルジング量と、凝固シェル強度を決定する溶鋼炭素当量を用いて、鋳型下端位置における短辺平均凝固シェル厚を推定することとした。
なお、短辺バルジング量は、鋳型直下において溶鋼静圧によって鋳片の短辺が幅方向に拡大した量であり、鋳型下端から100mm下方位置において、接触式の変位計を用いて鋳片の幅を測定し、測定した鋳片の幅から鋳型下端における内法幅を差し引いて算出した(図1参照)。
鋳型下端において凝固シェルは溶鋼静圧による外力を受けて変形するため、凝固シェル強度が一定であれば、短辺平均凝固シェル厚が小さいほど短辺バルジング量は大きくなる。従って、短辺バルジング量から短辺平均凝固シェル厚を推定することができる。一方、短辺バルジング量が一定であれば、凝固シェル強度が大きいほど短辺平均凝固シェル厚は小さくなる。従って、凝固シェル強度から短辺平均凝固シェル厚を推定することができる。
凝固シェル強度は、凝固シェルの温度が一定であれば、一般に溶鋼炭素当量と比例関係にあるため、凝固シェル強度の指標として鋳造する鋳片の炭素当量Ceqを用いることとした。炭素当量Ceq(質量%)は(1)式により算定した。
Ceq=[C]+[Mn]/6+[Si]/24+[Ni]/40+[Cr]/5
+[Mo]/4+[V]/4 (1)
ただし、[元素]:元素濃度(質量%)
なお、鋳片幅測定位置において鋳型で鋳片を冷却した後、復熱後の鋳片短辺の表面温度を放射温度計を用いて測定したところ、鋳造条件によらず、1200~1230℃で概ね一定であった。
図4は、鋳型下端位置における短辺平均凝固シェル厚をパラメータとして炭素当量Ceqと短辺バルジング量の関係を示したグラフである。同図のデータは、同一の連鋳機を使用し、鋳造中の鋳型内の湯面から鋳型下端までの長さが900mmの条件で鋳造した、鋳造厚280mm、炭素当量が0.01~0.50質量%である鋼種について採取したものである。なお、短辺平均凝固シェル厚は前述したS添加法によって評価した。
炭素当量Ceqと短辺バルジング量から鋳型下端位置における短辺平均凝固シェル厚を推定できることが同図よりわかる。図3に示したように鋳型下端位置における短辺平均凝固シェル厚と鋳型下端位置における長辺凝固シェル最小厚との間には相関性があるので、炭素当量Ceqと短辺バルジング量がわかればブレークアウトの発生を予知することができる。しかし、ブレークアウトが発生する条件は鋳型直下での溶鋼静圧、即ち、鋳造中の鋳型内の湯面から鋳型下端までの長さによって変化するため、予めブレークアウトの発生と炭素当量Ceq及び短辺バルジング量の関係を求めておく必要がある。
そこで、同一連鋳機での過去のデータを整理して、ブレークアウトの発生と炭素当量Ceq及び短辺バルジング量の関係を求めることとした。その際、過去のブレークアウト発生データだけでは事例が少なく、予測精度が低下するため、ブレークアウトの予兆として発生する鋳片コーナー部長辺側近傍の縦割れについてもブレークアウトの発生が懸念される事例であると判断した。
図5は、ブレークアウトが発生したケース、鋳片コーナー部長辺側近傍に縦割れが発生したケース、ブレークアウト並びに鋳片コーナー部長辺側近傍に縦割れが発生しなかったケースにおける炭素当量Ceqと短辺バルジング量の関係の一例を示したグラフである。同図のデータは、鋳造中の鋳型内の湯面から鋳型下端までの長さが900mmの条件で鋳造した、鋳造厚280mm、炭素当量が0.01~0.50質量%である鋼種について採取したものである。
ブレークアウト若しくは鋳片コーナー部長辺側近傍の縦割れは炭素当量Ceqが高いか、短辺バルジング量が大きい領域で発生していることが同図よりわかる。
図内の直線は、ブレークアウトが発生する懸念がある領域とブレークアウトの懸念が無い領域を区切る閾線であり、(2)式で表すことができる。
W=a×Ceq+b (2)
ただし、
W:限界短辺バルジング量(mm)
Ceq:鋳造する鋳片の炭素当量(質量%)
a、b:実操業データ等に基づいて、鋳片の炭素当量Ceqと限界短辺バルジング量との間の関係から求めた係数
次に、本発明の一実施の形態に係る連続鋳造におけるブレークアウト予知方法の手順について説明する。
[STEP-1]
過去の実操業データ等に基づいて、鋳片の炭素当量Ceqと限界短辺バルジング量との間の関係式を求める。
限界短辺バルジング量は、凝固シェルの再溶解に起因するブレークアウトが発生するときの短辺バルジング量、短辺バルジング量は、鋳片の幅と鋳型下端における内法幅との差である。
鋳片の炭素当量Ceqは前述した(1)式、鋳片の炭素当量Ceqと限界短辺バルジング量との間の関係式は前述した(2)式などを使用することができる。
[STEP-2]
鋳型直下における鋳片の幅を接触式変位計又は非接触式変位計により測定する。そして、鋳片の幅から鋳型下端における内法幅を差し引いて短辺バルジング量を算出する。
[STEP-3]
算出した短辺バルジング量が、STEP-1で得た関係式に当該鋳片の炭素当量Ceqを代入して算出した限界短辺バルジング量以上となった場合、ブレークアウトが発生すると判断し警報を発する。
以上、本発明の一実施の形態について説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、上記実施の形態では、鋳造する鋳片の炭素当量と限界短辺バルジング量との間の関係式を一次式で表しているが、これに限定されるものではなく、二次式等で表してもよい。また、上記実施の形態では、鋳片の炭素当量を(1)式で算出しているが、これに限定されるものではなく、他の算出式を使用してもよい。
本発明の効果について検証するために実施した検証試験について説明する。
ブレークアウト予知精度を検証するためには、ブレークアウトの発生を確実に予知し防止すること、並びにブレークアウトの危険が無い場合にブレークアウト予知を過剰に発報していないことを確認する必要がある。
同一の連続鋳造設備を用いて、実施例では4180チャージ、従来例では4253チャージの操業を実施し、その間に発生した、凝固シェルの再溶解に起因するブレークアウトの発生件数及びブレークアウト予知発報総件数について調査した。
実施例では、前述した(2)式を使用し、係数a=-45、b=32とした。一方、従来例では特許文献3記載の技術を使用した。
試験結果の一覧を表1に示す。
Figure 0007421103000001
ブレークアウト発生件数は、従来例では2件、実施例では0件であった。このことから、本実施の形態に係るブレークアウト予知方法によってブレークアウトの発生を確実に予知できていることがわかる。一方、ブレークアウト予知発報総件数は、従来例では182件、実施例では101件であった。このことから、本実施の形態に係るブレークアウト予知方法では、ブレークアウトの発生を過剰に発報していないことがわかる。
上記結果より、本実施の形態に係るブレークアウト予知方法によれば、従来技術と比べてブレークアウトの発生を精度良く予知できることが確認できた。

Claims (2)

  1. 鋳片の連続鋳造において、凝固シェルの再溶解に起因するブレークアウトの発生を予知する方法であって、
    鋳片の幅と鋳型下端における内法幅との差を短辺バルジング量とし、前記ブレークアウトが発生するときの前記短辺バルジング量を限界短辺バルジング量として、鋳片の炭素当量と前記限界短辺バルジング量との間の関係式を求めるステップと、
    鋳型直下における鋳片の幅を測定して前記短辺バルジング量を算出するステップと、
    算出した前記短辺バルジング量が、前記関係式に該鋳片の炭素当量を代入して算出した前記限界短辺バルジング量以上となった場合、前記ブレークアウトが発生すると判断するステップとを備えることを特徴とする連続鋳造におけるブレークアウト予知方法。
  2. 請求項1記載の連続鋳造におけるブレークアウト予知方法において、前記関係式が次式で表されることを特徴とする連続鋳造におけるブレークアウト予知方法。
    W=a×Ceq+b
    ただし、
    W:限界短辺バルジング量(mm)
    Ceq:鋳造する鋳片の炭素当量(質量%)
    a、b:実操業データ等に基づいて、鋳片の炭素当量Ceqと限界短辺バルジング量との間の関係から求めた係数
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