JP7419835B2 - 歯車及び歯車機構 - Google Patents

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本発明は、歯車及び歯車機構に関する。
特許文献1には、歯の形状を所定のトロコイド曲線のループ形状に基づき形成した内歯歯車及び外歯歯車が記載されている。この内歯歯車及び外歯歯車の歯の形状は、以下のようにして形成されている。まず、第1の固定円に対して、転がるように内接する回転円を設定する。そして、回転円の内部に基点を設定し、当該回転円を回転させた際に当該基点の描く軌跡が第1のトロコイド曲線である。この第1のトロコイド曲線は、第1のループ形状を有する。更に、第1の固定円の内側に接するよう第2の固定円を設定する。この第2の固定円に対して、回転円を内接して転がしたときに基点が描く軌跡が第2のトロコイド曲線である。第2のトロコイド曲線は、同様に第2のループ形状を有する。これら第1のループ形状と第2のループ形状とを基にして、内歯歯車と外歯歯車との歯形を形成する。内歯歯車の歯形は、第1のループ形状の外側に一定距離だけ離れた(オフセットさせた)形状に設定される。外歯歯車の歯形は、第2のループ形状の外側に一定距離だけ離れた形状に設定される。
特開2005-230116号公報
特許文献1に記載した歯車では、歯厚を調整する場合、ループ形状から一定距離だけ離して歯形を設定するため、ループ形状の外形に対して、歯末から歯元までが一様にオフセットされる。この調整の際、内歯歯車と外歯歯車とのかみ合いを成立させるためには、他方の歯形も同様にオフセットする必要がある。例えば外歯の歯厚を厚くする場合は、内歯の歯厚は薄くすることを要する。したがって、一方の歯車の強度を向上させるため当該歯車における歯の歯元の歯厚を厚くする場合、当該歯の歯元から歯先まで一様に厚くする一方、対応する他方の歯車における歯の歯元の歯厚は薄くすることを要する。これにより他方の歯車の強度が低下してしまうことがある。そのため、例えば歯車同士がかみ合う場合に、かみ合う歯の何れもが高強度となる歯車、及び歯車機構の提案が望まれる。
本発明は、かかる実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、強度の高い歯車、及び歯車機構を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る歯車の特徴構成は、円形状に形成された基部から径方向の一方に延出し、かつ、周方向に等間隔で配置された複数の歯を備え、前記歯における軸心方向に交差する断面の外縁は、仮想の固定円に内接して転がる仮想の回転円の中心から所定距離だけ離間した描画点が当該回転円の転がりに伴って描くトロコイド曲線における環形状の曲線部分の形状に基づいて形成されており、前記描画点は、前記回転円の内側に配置されており、前記所定距離は、所定の基準位置から前記回転円が転がった場合の、当該基準位置における接点、前記固定円の中心、及び転がり後における接点が前記固定円の中心を頂点として成す角度の関数として動的に規定される点にある。
上記構成によれば、回転円の中心と描画点との距離(所定距離)が、基準位置における接点、固定円の中心、及び回転後における接点が当該固定円の中心を頂点として成す角度の関数として動的に規定される。これにより、この角度の関数を変更することで、歯の歯元から歯先までの歯厚を任意の厚みに設定できる。たとえば、歯の歯元の歯厚を厚くしつつ、歯先の歯厚は厚くせず、もしくは薄くすることができる。これにより、例えば歯車同士がかみ合う場合に、かみ合う歯の何れもが高強度となる歯車を提供できる。
また、上記構成によれば、歯の歯元の歯厚を薄くしつつ、歯先の歯厚は厚くしたりすることもできるので、所望する箇所の歯の強度を高めることができる。
本発明に係る歯車の更なる特徴構成は、前記所定距離が、前記角度の絶対値の増加ないし減少に対応して増加ないし減少する点にある。
上記構成によれば、歯の歯元の歯厚を厚くしつつ、歯先の歯厚は厚くせず、もしくは歯先の歯厚を薄くすることができる。
本発明に係る歯車の更なる特徴構成は、前記所定距離が、前記角度の絶対値の増加ないし減少に対応して減少ないし増加する点にある。
上記構成によれば、歯の歯元の歯厚は厚くせず、もしくは歯の歯元の歯厚を薄くしつつ、歯先の歯厚は厚くすることができる。
本発明に係る歯車の更なる特徴構成は、前記周方向において対向する前記歯の前記外縁の一方は、前記所定距離が、前記角度の増加ないし減少に対応して増加ないし減少する関数として動的に規定される場合の前記曲線部分の形状に基づき形成されており、前記歯の前記外縁の他方は、前記所定距離が、前記角度の増加ないし減少に対応して減少ないし増加する関数として動的に規定される場合の前記曲線部分の形状に基づき形成されている点にある。
上記構成によれば、歯車の周方向における歯の一方の外縁を、歯の歯元の歯厚を厚くしつつ、歯先の歯厚は厚くせず、もしくは薄くなる形状とし、他方の外縁を、歯の歯元の歯厚を薄くしつつ、歯先の歯厚を厚くする形状とすることができる。
本発明に係る歯車の更なる特徴構成は、前記回転円の周方向における前記描画点の位置が、前記角度の関数として動的に規定される点にある。
上記構成によれば、回転円の周方向における描画点の位置が、基準位置における接点、固定円の中心、及び回転後における接点が当該固定円の中心を頂点として成す角度の関数として動的に規定される。これにより、この角度の関数を変更することで、歯の歯元から歯先までの歯厚を任意の厚みに設定する場合に、当該設定の自由度が高まるため、所望する箇所の歯の強度向上が容易になる。
上記目的を達成するための本発明に係る歯車の特徴構成は、円形状に形成された基部から径方向の一方に延出し、かつ、周方向に等間隔で配置された複数の歯を備え、前記歯における軸心方向に交差する断面の外縁は、仮想の固定円に内接して転がる仮想の回転円の中心から所定距離だけ離間した描画点が当該回転円の転がりに伴って描くトロコイド曲線における環形状の曲線部分の形状に基づいて形成されており、前記描画点は、前記回転円の内側に配置されており、前記回転円の周方向における前記描画点の位置が、所定の基準位置から前記回転円が転がった場合の、当該基準位置における接点、前記固定円の中心、及び転がり後における接点が前記固定円の中心を頂点として成す角度の関数として動的に規定される点にある。
上記構成によれば、回転円の周方向における描画点の位置が、基準位置における接点、固定円の中心、及び回転後における接点が当該固定円の中心を頂点として成す角度の関数として動的に規定される。これにより、この角度の関数を変更することで、歯の歯元から歯先までの歯厚を任意の厚みに設定できる。たとえば、歯の歯元の歯厚を厚くしつつ、歯先の歯厚は厚くせず、もしくは薄くすることができる。これにより、例えば歯車同士がかみ合う場合に、かみ合う歯の何れもが高強度となる歯車を提供できる。
また、上記構成によれば、歯の歯元の歯厚を薄くしつつ、歯先の歯厚は厚くしたりすることもできるので、所望する箇所の歯の強度を高めることができる。
上記目的を達成するための本発明に係る歯車機構の特徴構成は、上述の歯車をかみ合わせた点にある。
上記構成によれば、上述の歯車と同様の作用効果を享受できる。これにより、歯車機構における一方の歯車の強度を向上させるため当該歯車における歯の歯元の歯厚を厚くする場合、当該歯元の歯厚を厚くしつつも、対応する他方の歯車における歯の歯元の歯厚を維持できる。もしくは、一方の歯車における歯の歯元を厚くすることに加えて、他方の歯車における歯の歯元の歯厚を厚くすることができる。これにより歯車同士がかみ合う場合に、かみ合う歯の何れもが高強度となる歯車、及び歯車機構を提供可能である。
強度の高い歯車、及び歯車機構を提供することができる。
歯車機構及びこれを構成する内歯歯車と外歯歯車の説明図 内歯及び外歯の断面図 トロコイド曲線及びその環形状の曲線部分の説明図 外歯における外縁形状の定め方の説明図 外歯及び内歯における外縁の形状の説明図
図面に基づいて、本発明の実施形態に係る歯車及び歯車機構について説明する。本発明の歯車機構は、例えば、走行車両の動力伝達装置における減速装置や、車両用シートのシートバック角度位置やシートクッションの高さ位置を調整する角度位置調整機構を含む、二つ以上の歯車をかみ合わせて用いるものに利用可能である。
(歯車機構)
図1には、回転軸心2aを中心に回転する内歯歯車2(歯車の一例)と、回転軸心2aと平行、かつ、回転軸心2aから変位した回転軸心3aを中心に回転し、回転軸心2aを中心として公転する外歯歯車3(歯車の一例)とを備えた歯車機構1を図示している。以下では、歯車機構1が動力伝達機構に用いられる内接歯車式の減速機である場合を例示して説明する。
(内歯歯車)
内歯歯車2は、図1に示すように、環状(円形状の一例)に形成された基部20の内周面からその径方向内側に向けて延出するように形成された複数の内歯21(歯の一例)を有している。内歯歯車2において、隣接する内歯21,21の間は相対的に凹部25となっている。複数の内歯21は、内歯歯車2の周方向に沿って等間隔で配置されている。
(外歯歯車)
図1では、外歯歯車3の径方向βにおける外向きを外方β1、その逆を内方β2として示している。外歯歯車3は、図1に示すように、環状(円形状の一例)に形成された基部30の外周面からその外方β1に向けて延出するように形成された複数の外歯31(歯の一例)を有している。外歯歯車3が有する外歯31の個数は、内歯歯車2が有する内歯21よりも少なく、本実施形態では一つ少ない。外歯歯車3において、隣接する外歯31,31の間は相対的に凹部35となっている。凹部35の底部の外縁は、後述するように基部30の環と同軸心の円弧に沿う曲線状に形成されている。内歯歯車2と外歯歯車3とは、内歯21と外歯31とをかみ合わせつつ回転する。複数の外歯31は、周方向αに沿って等間隔で配置されている。
図2には、回転軸心3aに沿う方向(以下、軸心方向と記載する)で見た、内歯歯車2と外歯歯車3との断面の一部(内歯21及び外歯31の断面)を図示している。外歯歯車3と内歯歯車2とは、外歯歯車3の外歯31を内歯歯車2の凹部25に嵌まり込ませた状態で外歯31を内歯21にかみ合わせて回転する。
図1、図2では、外歯歯車3の周方向αにおける、回転方向前方を前方α1、その逆を後方α2として示している。すなわち、図1、図2においては、内歯歯車2と外歯歯車3とは、時計周りに回転する。
図2では、外歯31における軸心方向で見た断面の外縁のうち、前方α1側の外縁を縁部32、後方α2側の外縁を縁部33、縁部32と縁部33との間であって、外方β1側の外縁を外周縁34として示している。
縁部32,33は、滑らかな、外側に凸の曲線状に形成されている。外周縁34は、後述するように基部30の環と同軸心の円弧に沿う曲線状に形成されている。外周縁34と縁部32,33との接続部分は、その外縁が外に凸の滑らかな曲線を描くように形成されている。縁部32,33と凹部35との接続部分は、その外縁が内に凸の滑らかな曲線を描くように形成されている。
(外歯の外縁の形状についての説明)
外歯31の外縁のうち、縁部32,33の形状は、図3に示すx-y座標中に描いたような、仮想の固定円Aに内接して転がる仮想の回転円Bの中心Qから所定距離rだけ離間した描画点Dが回転円Bの転がりに伴って描くトロコイド曲線Tにおける環形状の曲線部分Cの形状に基づいて定められる。なお、固定円Aの中心は、中心Pである。固定円Aの半径rcは回転円Bの半径rmよりも大きい。
描画点Dは、回転円Bの内側に配置され、かつ、回転円Bの周方向における位置が固定されている。
所定距離rは、所定の基準位置から回転円Bが転がった場合の、当該基準位置における接点R0、固定円Aの中心P、及び回転円Bの転がり後における回転円Bが固定円Aに接する接点R1が固定円Aの中心Pを頂点として成す角度θの関数F(θ)(下記数式1参照)として動的に規定される。図3では、固定円Aの中心Pと回転円Bが固定円Aに接する接点Rとを結ぶ直線上に描画点Dが重複する状態を基準位置とした場合を例示して図示している。
なお、図3における、描画点D0は、回転円Bが基準位置に位置している場合(回転円B0)の描画点Dの位置であり、描画点D1は、回転円Bの転がりにより固定円Aと回転円Bとが接点R1で接する場合(回転円B1)の描画点Dの位置(以下、転がり後の位置と記載する)である。また、中心Q0は、回転円Bが基準位置に位置している場合(回転円B0)の中心Qの位置であり、中心Q1は、転がり後(回転円B1)の中心Qの位置である。また、距離r0は、回転円Bが基準位置にある場合の所定距離rの値(中心Q0と描画点D0と間の距離)であって、定数である。距離r1は、転がり後の所定距離rの値(中心Q1と描画点D1と間の距離)である。
Figure 0007419835000001
図3に示す描画点Dが描くトロコイド曲線Tは、下記数式2及び数式3で示される。曲線部分Cは、角度θが角度ゼロを中心としてその前後に変化した場合に描かれるトロコイド曲線Tが交点Sで交わる閉じた曲線(環)である。
Figure 0007419835000002
Figure 0007419835000003
トロコイド曲線Tやその曲線部分Cの形状や大きさは、数式1、数式2、及び数式3により決定される。そのため、半径rc、半径rm、距離r0、及び関数F(θ)は、後述する外歯31(図4、図5参照)の周方向αにおける幅(歯厚)が、所望の幅になるように選択もしくは決定する。上記数式1における関数F(θ)は、角度θの変化に対応してその値が変化するものである。関数F(θ)には定数は含まれない。関数F(θ)は、その値が角度θの絶対値の増加ないし減少に対応して増加ないし減少するものであればよく、縁部32,33に必要な特性に応じて選択もしくは決定できる。なお、関数F(θ)は、図2に示す外歯31と内歯21とのかみ合わせにおいて、かみ合い圧力角がゼロ度に近づくように設定することが好ましい。これにより、径方向βにおける外歯31と内歯21との間に生ずる圧力を低下させて外歯歯車3や内歯歯車2がその回転軸(図示せず)との間で生ずる摩擦を軽減し、外歯歯車3から内歯歯車2への動力の伝達効率を向上させることができる。
図4に示すように、外歯31の外縁の形状は、曲線部分C、歯底円E1、及び歯先円E2により定められる。ここで、歯底円E1及び歯先円E2は、基部30の環と同軸心の仮想の円であり、歯先円E2の径は歯底円E1の径よりも大きい。
外周縁34は、歯先円E2に沿わせて形成する。縁部32,33は、曲線部分Cに沿わせて形成する。外周縁34と縁部32,33との接続部分は、その外縁が外に凸の滑らかな曲線を描くように形成する。ここで、縁部32,33における内方β2側の端部は、当該端部が歯底円E1に滑らかに沿うように形成する。なお、凹部35の外縁は、歯底円E1に沿わせて形成する。
図5には、本実施形態にかかる外歯31の外縁と、従来技術における外歯31aの外縁(二点破線)とを示している。外歯31aの外縁の形状は、上述の数式1におけるF(θ)を定数に置き換え、更に固定円Aの半径rc及び回転円Bの半径rmを適宜調整して描いたトロコイド曲線の曲線部分の形状に基づいて定めている点で外歯31とは異なり、その他は外歯31の場合と同様に定めている。
図5に示されるように、外歯31の外縁の形状は従来技術における外歯31aの形状に対して、周方向αにおける幅(歯厚)が内方β2側(歯元側)において厚く、外方β1側(歯先側)において薄く形成されている。そのため、外歯歯車3における外歯31の歯元の強度は、従来技術における外歯31aの歯元の強度に比べて高くなる。
(内歯の外縁の形状についての説明)
内歯21の外縁の定め方は、外歯31の場合と同様であるため説明を省略する。図4に示すように、内歯21の外縁の形状は従来技術における内歯21aの形状(二点破線)に対して、周方向αにおける幅(歯厚)が外方β1側(歯元側)において厚く形成されている。そのため、内歯歯車2における内歯21aの歯元の強度は、従来のものに比べて高くなる。
上記の説明のごとく、歯車機構1における外歯歯車3の強度を向上させるため外歯31の歯厚(歯元の周方向αにおける幅)を厚くする場合、外歯31の歯元の歯厚を厚くしつつも歯先の歯厚を薄くして(少なくとも歯厚を増加させず)、内歯歯車2における内歯21の歯元の歯厚を維持できる。もしくは、外歯歯車3の外歯31の歯元を厚くすることに加えて、内歯歯車2における内歯21の歯元の歯厚を厚くすることができる。これにより、内歯歯車2と外歯歯車3とがかみ合う場合に、かみ合う歯の何れも(内歯21と外歯31)の歯元側が高強度となる歯車機構1を提供可能である。
以上のようにして、強度の高い歯車、及び歯車機構を提供することができる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、関数F(θ)は、その値が角度θの絶対値の増加ないし減少に対応して増加ないし減少するものである場合を例示したが、角度θの絶対値の増加ないし減少に対応して減少ないし増加するものである場合もある。
この場合、歯車機構1における外歯歯車3の強度を向上させるため外歯31の歯先の歯厚を厚くする場合、外歯31の歯先の歯厚を厚くしつつも歯元の歯厚を薄くして(少なくとも歯厚を増加させず)、内歯歯車2における内歯21の歯先の歯厚を維持できる。もしくは、外歯歯車3の外歯31の歯先を厚くすることに加えて、内歯歯車2における内歯21の歯先の歯厚を厚くすることができる。これにより、所望する箇所の歯の強度を高めることができる。また、内歯歯車2と外歯歯車3とがかみ合う場合に、かみ合う歯の何れも(内歯21と外歯31)の歯先が高強度となる歯車機構1を提供可能である。
(2)上記実施形態では、縁部32,33の形状が、仮想の固定円Aに内接して転がる仮想の回転円Bの中心Qから所定距離rだけ離間した描画点Dが回転円Bの転がりに伴って描くトロコイド曲線Tにおける環形状の曲線部分Cの形状に基づいて定められる場合を説明した。しかしながら、縁部32の形状と縁部33の形状とを別々のトロコイド曲線Tにおける環形状の曲線部分Cの形状に基づいて定めてもよい。
この場合、その値が角度θの絶対値の増加ないし減少に対応して増加ないし減少する関数F(θ)に基づいて所定距離rが定められる描画点Dが描く曲線部分Cの形状に基づいて縁部32(縁部33)の形状を定め、他方、その値が角度θの絶対値の増加ないし減少に対応して減少ないし増加する関数F(θ)に基づいて所定距離rが定められる描画点Dが描く曲線部分Cの形状に基づいて縁部33(縁部32)の形状を定めてもよい。
(3)上記実施形態では、描画点Dが、回転円Bの内側に配置され、かつ、回転円Bの周方向における位置が固定されている場合を例示して説明した。しかし、回転円Bの周方向における描画点Dの位置が固定されていない場合もある。例えば、上記実施形態で説明した所定距離rの場合と同様に、回転円Bの周方向における描画点Dの位置を、角度θの関数として動的に規定してもよい。すなわち、所定距離rと回転円Bの周方向における描画点Dの位置との両方を角度θの関数として動的に規定する場合もある。
(4)上記実施形態では、描画点Dが、回転円Bの内側に配置され、かつ、回転円Bの周方向における位置が固定されており、また、所定距離rは、所定の基準位置から回転円Bが転がった場合の、当該基準位置における接点R0、固定円Aの中心P、及び回転円Bの転がり後における回転円Bが固定円Aに接する接点R1が固定円Aの中心Pを頂点として成す角度θの関数F(θ)として動的に規定される場合を説明した。しかし、回転円Bの周方向における描画点Dの位置が固定する場合に代えて、回転円Bの周方向における描画点Dの位置を、角度θの関数として動的に規定し、かつ、所定距離rを固定値とする場合もある。
この場合のトロコイド曲線Tは、下記数式4及び数式5で示される。なお、下記数式4及び数式5の関数f(θ)は、角度θの変化に対応してその値が変化するものである。関数F(θ)には定数は含まれない。また関数f(θ)は、式1の関数F(θ)とは別の関数である。
Figure 0007419835000004
Figure 0007419835000005
このようにしても上記実施形態の場合と同様に、歯車機構1における外歯歯車3の強度を向上させるため外歯31の歯厚を厚くする場合、外歯31の歯元の歯厚を厚くしつつも歯先の歯厚を薄くして、内歯歯車2における内歯21の歯元の歯厚を維持できる。もしくは、外歯歯車3の外歯31の歯元を厚くすることに加えて、内歯歯車2における内歯21の歯元の歯厚を厚くすることができる。これにより、内歯歯車2と外歯歯車3とがかみ合う場合に、かみ合う歯の何れも(内歯21と外歯31)の歯元側が高強度となる歯車機構1を提供可能である。
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、歯車及び歯車機構に適用できる。
1 :歯車機構
2 :内歯歯車(歯車)
3 :外歯歯車(歯車)
20 :基部
21 :内歯(歯)
30 :基部
31 :外歯(歯)
32 :縁部
33 :縁部
34 :外周縁
A :固定円
B :回転円
C :曲線部分
D :描画点
P :中心(固定円の中心)
Q :中心(回転円の中心)
R :接点
T :トロコイド曲線
r :所定距離
rc :半径
rm :半径
α :周方向
β :径方向
θ :角度

Claims (7)

  1. 円形状に形成された基部から径方向の一方に延出し、かつ、周方向に等間隔で配置された複数の歯を備え、
    前記歯における軸心方向に交差する断面の外縁は、仮想の固定円に内接して転がる仮想の回転円の中心から所定距離だけ離間した描画点が当該回転円の転がりに伴って描くトロコイド曲線における環形状の曲線部分の形状に基づいて形成されており、
    前記描画点は、前記回転円の内側に配置されており、
    前記所定距離は、所定の基準位置から前記回転円が転がった場合の、当該基準位置における接点、前記固定円の中心、及び転がり後における接点が前記固定円の中心を頂点として成す角度の関数として動的に規定される歯車。
  2. 前記所定距離が、前記角度の絶対値の増加ないし減少に対応して増加ないし減少する請求項1に記載の歯車。
  3. 前記所定距離が、前記角度の絶対値の増加ないし減少に対応して減少ないし増加する請求項1に記載の歯車。
  4. 前記周方向において対向する前記歯の前記外縁の一方は、前記所定距離が、前記角度の増加ないし減少に対応して増加ないし減少する関数として動的に規定される場合の前記曲線部分の形状に基づき形成されており、
    前記歯の前記外縁の他方は、前記所定距離が、前記角度の増加ないし減少に対応して減少ないし増加する関数として動的に規定される場合の前記曲線部分の形状に基づき形成されている請求項1に記載の歯車。
  5. 前記回転円の周方向における前記描画点の位置が、前記角度の関数として動的に規定される請求項1から4の何れか一項に記載の歯車。
  6. 円形状に形成された基部から径方向の一方に延出し、かつ、周方向に等間隔で配置された複数の歯を備え、
    前記歯における軸心方向に交差する断面の外縁は、仮想の固定円に内接して転がる仮想の回転円の中心から所定距離だけ離間した描画点が当該回転円の転がりに伴って描くトロコイド曲線における環形状の曲線部分の形状に基づいて形成されており、
    前記描画点は、前記回転円の内側に配置されており、
    前記回転円の周方向における前記描画点の位置が、所定の基準位置から前記回転円が転がった場合の、当該基準位置における接点、前記固定円の中心、及び転がり後における接点が前記固定円の中心を頂点として成す角度の関数として動的に規定される歯車。
  7. 請求項1から6の何れか一項に記載の歯車をかみ合わせた歯車機構。
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JP2005230116A (ja) 2004-02-17 2005-09-02 Aisin Seiki Co Ltd 角度位置調整機構
JP2014035030A (ja) 2012-08-08 2014-02-24 Syvec Corporation:Kk サイクロイド歯車および歯車機構

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