JP7417501B2 - 酸化物単結晶ウエハの製造方法 - Google Patents

酸化物単結晶ウエハの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、チョクラルスキー法により作製される酸化物単結晶からの酸化物単結晶ウエハの製造方法に関する。
酸化物単結晶を製造する方法としてチョクラルスキー法(CZ法)がある(例えば、特許文献1参照)。CZ法は、原料融液に種結晶を接触させ、所定の速度で引き上げていくことで単結晶を育成する方法であり、工業的に広く用いられている方法である。
特開2020-1937号公報
種結晶を融液に接触させると、融液は表面張力により種結晶を侵食するため、使用を重ねると種結晶は短くなる。そのため1本の種結晶から製造される単結晶インゴットの本数は3~4本程度であり、種結晶1本当りの単結晶インゴットの生産性が悪かった。このため、製造現場では大量の種結晶を用意しておく必要があった。そして、種結晶1本当りの単結晶インゴットの生産性を向上させることが望まれていた。
そこで、本発明は、1本の種結晶から製造可能な単結晶インゴットの本数を増やし、種結晶1本あたりの単結晶ウエハの生産性を向上できる酸化物単結晶ウエハの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するため、下記の酸化物単結晶ウエハの製造方法を提供する。すなわち、
[1]種結晶を原料融液に接触させた後、前記種結晶を引上げながらネック部を形成する工程、前記ネック部の下に単結晶インゴットを育成する工程、前記種結晶と前記単結晶インゴットとを、前記ネック部の途中で切断分離し、前記ネック部の一部が長さ4mm以上残った種結晶を作製する工程、及び前記単結晶インゴットをスライスして単結晶ウエハを作製する工程を含む酸化物単結晶ウエハの製造方法。
[2]前記ネック部の一部が残った種結晶を作製する工程は、前記種結晶にネック部の少なくとも長さ6mm以上残した状態で切断分離する上記[1]に記載の酸化物単結晶ウエハの製造方法。
[3]前記ネック部を形成する工程は、前記ネック部を長さ10mm以上形成する上記[1]又は[2]に記載の酸化物単結晶ウエハの製造方法。
[4]前記種結晶に残ったネック部を原料融液に接触させた後、前記種結晶を引上げながらネック部を育成する工程、前記ネック部の下に単結晶インゴットを育成する工程、前記種結晶と前記単結晶インゴットとを、前記ネック部の途中で切断分離し、前記ネック部の一部が残った種結晶を作製する工程、及び
前記単結晶インゴットをスライスして単結晶ウエハを作製する工程をさらに含む上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の酸化物単結晶ウエハの製造方法。
[5]前記酸化物単結晶が、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムである上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の酸化物単結晶ウエハの製造方法。
本発明によれば、1本の種結晶から製造可能な単結晶インゴットの本数を増やし、種結晶1本あたりの単結晶ウエハの生産性を向上できる酸化物単結晶ウエハの製造方法を提供することができる。
図1は、単結晶製造装置の一例を示す図である。 図2(a)及び(b)は、種結晶の引き下げを説明するための図である。 図3は、種結晶の融液による侵食を説明するための図である。 図4は、種結晶の先端部分の溶融を説明するための図である。 図5は、ネック部の形成を説明するための図である。 図6は、直胴部の形成を説明するための図である。 図7は、液面から切り離した単結晶インゴットを説明するための図である。 図8は、単結晶インゴット及び種結晶の切り離しを説明するための図である。 図9は、単結晶インゴットのスライスを説明するための図である。 図10は、ネック部の一部が一体化された種結晶の再利用を説明するための図である。
[単結晶インゴットの製造方法]
以下、本発明の一実施形態に係る酸化物単結晶の製造方法を説明する。本発明の一実施形態に係る酸化物単結晶の製造方法は、種結晶を原料融液に接触させた後、種結晶を引上げながらネック部を形成する工程、ネック部の下に単結晶インゴットを育成する工程、種結晶と単結晶インゴットとを、ネック部の途中で切断分離し、ネック部の一部が長さ4mm以上残った種結晶を作製する工程、及び単結晶インゴットをスライスして単結晶ウエハを作製する工程を含む。ネック部を形成する工程及び単結晶インゴットを育成する工程では、例えば図1に示す単結晶製造装置を用いてCZ法によりネック部を形成し、単結晶インゴットを育成することができる。
[単結晶製造装置]
単結晶製造装置100は、高周波誘導加熱方式の装置であり、チャンバー10内に坩堝1を配置する。坩堝1は、耐火物製の坩堝台4上に載置される。チャンバー10内には、坩堝1を囲むように、断熱材5が配置される。また、坩堝1を囲むようにワークコイル2が配置され、ワークコイル2により発生する高周波磁場によって、坩堝1に渦電流が流れ、坩堝1が発熱する。すなわち、坩堝1自体が発熱体となる。チャンバー10の上部には、シード棒3が回転可能かつ上下方向に移動可能に設けられる。
チョクラルスキー法(CZ法)では、坩堝1内の原料融液8の融液表面に、シード棒3の先端に取り付けた種結晶7を接触させ、その後、種結晶7をシード棒3の軸を中心として水平方向に回転させながら上方に引き上げることにより、ネック部9a、コーン部9b、及び直胴部9cを形成し、種結晶7と同一方位の円筒状単結晶インゴット9を育成することができる。なお、ネック部9aを形成することにより、種結晶7からの転位を除去することができる。また、単結晶の育成に伴って、単結晶は種結晶7に吊り下げて保持することができる。
所望の大きさまで単結晶を育成した後は、引上速度の変更や融液温度を徐々に高くする等の操作を行うことで、育成した単結晶を原料融液8から切り離す。
その後、ワークコイル2の出力を所定の速度で低下させることで、育成した単結晶を徐冷し、チャンバー10内の温度が室温近傍となった後に、チャンバー10内から育成した単結晶を取り出す。
また、単結晶製造装置100においては、シード棒3の上下移動および回転を行うため、例えば、不図示のモータを備えた引き上げ軸駆動手段を設けてもよい。なお、シード棒3の回転速度および引き上げ速度は、形成する単結晶の径の大きさや、直胴部の長さ等により、適宜設定することができる。
また、ワークコイル2による高周波誘導加熱方式に替えて、抵抗加熱ヒーターによる抵抗加熱方式により、坩堝1を加熱してもよい。抵抗加熱ヒーターとしては、電気抵抗により発熱するカーボン、ニクロム(ニッケルとクロムの合金)、または二珪化モリブデン等を発熱体とするものを適宜用いることができる。
坩堝台4は、例えば坩堝1の底部の温度を測定する熱電対6と接触できるよう、中心部に穴を設けることができる。坩堝台4の材質は、例えばジルコニアやアルミナ等の耐熱性セラミックスである。
次に、CZ法による酸化物単結晶の製造方法について、一例として単結晶製造装置100を用いた製造方法を説明する。
[種結晶]
種結晶の品質は単結晶インゴットの品質及び製造歩留り、さらにはウエハにした際のデバイス特性にまで影響する。このため、品質の優れた種結晶を用いて単結晶を育成することは重要である。予め選別した品質の優れた種結晶を用意して単結晶の育成を行うのが好ましい。例えば、特許第4000772号公報(XRTによるリネージを含まない種の選別)、及び特開平8-310899号公報(鏡面を顕微鏡観察し欠陥ないものを選別)には、品質の優れた種結晶を得る方法が記載されている。
[単結晶の製造方法]
(種付け)
用意した種結晶7をシード棒3の先端に取付け、坩堝1の中にコングルエント組成に調合した原料の焼成粉末を所定量充填し、加熱して融液8にする。例えば、タンタル酸リチウム(LT)の場合は、約1700℃で融解させるとよい。ニオブ酸リチウム(LN)の場合は、LTよりも400℃低い約1300℃で融解させるとよい。その後融液8の温度を融点付近(LTの場合は1650℃付近、LNの場合は1250℃付近)に調整後、種結晶7を10rpmで回転させながら引下げ(図2)、その下端を融液8の表面に接触させ(種付け)、単結晶の育成の開始を準備する。このとき、融液8の表面は表面張力により種結晶7に引き寄せられ種結晶7の下端を3mm程度侵食する(図3)。この状態を暫く保持し、融液表面を観察する。これは融液温度が結晶育成を行うのに適した温度であるか判別するためであり、種結晶が融液から離れてしまったり(融液温度が適温より高い)、急激に結晶化が進行してしまったり(融液温度が適温より低い)した場合は、種結晶をいったん融液8から切離し、再度、融液8の温度を調整してから種付けを行う。
(種結晶の溶かし込み)
融液温度が適温と判断された場合、シード棒3を下げ種結晶7の下端をさらに融液8内にA[mm]挿入し、種結晶7の先端部分を溶かす(図4)。こうすると、種結晶7の先端を完全に融液に接触させることができる。これにより、種結晶7を切出す際に生じた先端部分の残留歪や、種結晶7と融液8とを接触させた際に両者間の温度差によって生じるヒートショック歪等が低減し、品質のよい単結晶を引き上げることができる。
種結晶7への歪低減効果が高まるので、この時の挿入長さA[mm]は、1mm以上とするのが好ましく、2mm以上とするのがより好ましい。ただし、Aが3mmを超えても歪み低減効果は殆ど変わらないため、種結晶の消費が少ないA=3mm程度にするのが特に好ましい。これらの作業を行うと、表面張力による浸食と溶かし込みのための挿入によって、1本の単結晶を育成するたびに種結晶は少なくとも(3+A)mm程短くなることとなる。すなわちAを3mmとした場合には6mm短くなる。
続いて、単結晶の育成を開始する。
(ネック部の形成)
種結晶7を7rpm程度の回転速度で回転させながら8mm/時程度以下の速度で上方に引き上げることにより、ネック部9aを形成する(図5)。ネック部9aの直径は、形成する単結晶を保持するのに耐えうる太さであり、5mm以上の太さが好ましい。形成するネック部9aの長さB[mm]は、B≧(3+A)[mm]とするのが好ましい。こうすると、後工程で種結晶先端にネック部の一部が残るように切断して、再利用できる種結晶の長さが短くなるのを防ぐことができる(図6)。すなわち、A=3mmとした場合にはB≧6mmとするのが好ましい。
後工程でネック部を切り離すときに、コーン部もしくはコーン部の直近にマイクログラインダー等の切断工具の刃が当たると、直胴部に向かって割れが生じる可能性がある。このため、ネック部の途中を切断するのが好ましい。そして、形成するネック部9aの長さBにはさらに4mm程度余裕を持たせるのがより好ましい。すなわち、B≧(3+4+A)[mm]とするのがより好ましい。A=3mmとした場合にはB≧10mmとするのがより好ましい。また、直胴部の割れをさらに防ぐという観点から、B≧12mmとするのがさらに好ましい。また、生産性の観点から、B≦20mmとするのが好ましい。
(単結晶インゴットの育成)
ネック部を形成した後、所望の結晶径になるまで徐々に結晶径を太くしていきコーン部を形成する。続いて直胴部を形成する(図6)。コーン部及び直胴部を形成する際には10mm/h以下の育成速度で単結晶を育成すると、欠陥の少ない単結晶が得られやすく望ましい。直胴部が所望の長さになったところで液面から切り離す。その後、室温まで徐冷することにより単結晶インゴットを得ることができる(図7)。
(種結晶の作製)
次に、得られた単結晶インゴットと種結晶とを切り離す(図8)。切断は、例えばマイクログラインダーを用いる。切断はネック部9aの途中で切断し、種結晶にネック部の一部9a’が一体化されて残るようにする。このようにすると、このネック部の一部9a’が一体化された種結晶を作製することができる。そして、このネック部の一部9a’が一体化された種結晶全体を次バッチの種結晶7’として再利用できる上、製造バッチ毎に種結晶の長さが短くなっていくのを抑制することができる。こうして、1本の種結晶から作製可能な単結晶インゴット数を増やすことが可能となる。種結晶に一体化されて残されたネック部9a’の長さC[mm]は、C≧4[mm]とするのが好ましく、C≧(3+A)[mm]とするのがより好ましい。こうすると、実質的に1本の種結晶を半永久的に製造に使い続けることが可能となる。すなわち、A=3mmとした場合にはC≧6mmとするのがより好ましい。また、製造バッチ毎に種結晶の長さが短くなっていくのを抑制する観点から、C≧8[mm]とするのがさらに好ましく、C≧10[mm]とするのがよりさらに好ましい。また、生産性の観点からC≦18[mm]とするのが好ましい。
(単結晶ウエハの作製)
作製した単結晶インゴットは所望の厚みにスライスし、研磨を行って単結晶ウエハ11とする(図9)。
(種結晶の再利用)
上記のインゴット切断分離工程で得られたネック部の一部が一体化された種結晶7’をそのまま種結晶として用いて、上記の種付け~単結晶インゴットの育成~種結晶の作製~単結晶ウエハの作製の工程を行って単結晶ウエハを作製することができる(図10)。すなわち、本発明の一実施形態に係る酸化物単結晶の製造方法は、種結晶7’に残ったネック部9a’を原料融液8に接触させた後、種結晶7’を引上げながらネック部を育成する工程、ネック部の下に単結晶インゴットを育成する工程、種結晶と単結晶インゴットとを、ネック部の途中で切断分離し、ネック部の一部が残った種結晶を作製する工程、及び単結晶インゴットをスライスして単結晶ウエハを作製する工程をさらに含むことが好ましい。具体的には、このとき、種結晶先端にはネック部の一部が一体化して残っており、シード棒の先端にはネック部の一部が下方になるように種結晶を取付ける。種付けの操作を行うと、種結晶を融液に接触時に生じる表面張力及び歪除去を目的とした種結晶の溶かしこみにより種結晶が短くなるものの、一体化して残っていたネック部があるので、種結晶本体の短縮化を抑制することができる。特に、ネック部長さCを4mm以上、好ましくは6mm以上残しておくと、種結晶本体の短縮化を防ぐことができ、好ましい。
ここで種結晶に対して、前バッチと同様に再度ネック部の長さを10mm以上形成してから単結晶を育成することが好ましい。同様に、例えばマイクログラインダーを用いて種結晶の先端にネック部の一部が残った状態で切断し、単結晶インゴットを切り離すことが好ましい。単結晶インゴットをスライスして単結晶ウエハを作製することが好ましい。
このように、上記工程を繰り返すことにより、1本の種結晶を何度も繰り返し利用して単結晶インゴットを製造し、単結晶ウエハを製造することができる。
本発明の一実施形態に係る酸化物単結晶ウエハの製造方法で作製される酸化物単結晶は、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムであることが好ましい。
[変形例]
本発明の一実施形態に係る酸化物単結晶ウエハの製造方法は、種結晶を原料融液に接触させた後、種結晶を引上げながらネック部を形成する工程、ネック部の下に単結晶インゴットを育成する工程、種結晶と単結晶インゴットとを、ネック部の途中で切断分離し、ネック部の一部が長さ4mm以上残った種結晶を作製する工程、及び単結晶インゴットをスライスして単結晶ウエハを作製する工程を含んでいれば、特に限定されない。
本発明の一実施形態に係る酸化物単結晶ウエハの製造方法は、本発明の酸化物単結晶ウエハの製造方法のあくまで一例であり、本発明の酸化物単結晶ウエハの製造方法を限定しない。
以下、上記にて説明した本発明について、実施例及び比較例を挙げるが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
[実施例及び比較例]
実施例及び比較例では、単結晶製造装置100を用いてCZ法により結晶方位が42°RYで、直胴部長が約90mm、直径が4インチのLiTaO(LT)単結晶の育成を行った。
(LT単結晶インゴットの作製)
LiO-Taのコングルエント組成に調整した原料粉末をイリジウム製の坩堝に充填し、高周波加熱により原料粉末を融解させた。用意した種結晶の先端を融液に接触させ、融液が種付け温度として適温と判断されたところで種結晶を融液に3mm挿入し種結晶先端の歪を除去した。そして、再度融液が適温であることを確認してから徐々に種結晶を引上げることで上記形状のLT単結晶インゴットを得た。窒素と酸素の混合ガス中、引上げ速度1~5mm/h、回転数5~20rpmの条件下で種結晶の引上げを行った。
用意した種結晶は断面が1cm×1cmの正方形で長さ8cmのサイズであり、この様な種結晶を複数本用意して実施例ならびに比較例を行った。
以下、実施例及び比較例におけるLT単結晶インゴットの作製を詳細に説明する。
(実施例)
引上げを実施するに当たり、実施例では種結晶の先端を融液に接触させ、融液が適温と判断されたところで種結晶を3mm融液に挿入し、再度、融液が適温であることを確認してから、まずネック部を15mm形成した。ネック部は種結晶の回転速度7rpm、引上げ速度3mm/hで育成し、ネック部の直径は10mmとした。
上記ネック部を形成した後、結晶径が105mmになるまで徐々に結晶径を太くしていきコーン部を形成し、続いて直胴部を形成した。そして、直胴部の長さが90mmまで引き上がったところで単結晶を融液から引き離し結晶育成を終了した。なお、コーン部及び直胴部は、回転数5~20rpm、引上げ速度1~5mm/hの範囲で調整しながら形成した。
その後、得られた単結晶を室温まで冷却し、マイクログラインダーを用いてネック部の途中を切離し、ネック部の一部が一体化されて残った種結晶と1本目の単結晶インゴットとを得た。種結晶に残ったネック部の長さは6mmであった。
単結晶インゴットの直胴部をスライスして、単結晶ウエハを作製した。
ネック部を6mm残した種結晶は次の単結晶インゴットを育成する際に再利用した。すなわち、再び上記手順で、融液が適温であることを確認した後、種結晶に残したネック部が成長して少なくとも10mm以上の長さになってから、LT単結晶を育成した。そして、種結晶にネック部を6mm以上残した状態で、種結晶と単結晶インゴットとを切り離した。このような作業を繰り返し、単結晶インゴットの育成を合計142回実施し、育成した単結晶インゴットについて、それぞれ単結晶ウエハを作製した。
なお、単結晶インゴットの育成後、単結晶インゴットと種結晶とを切り離す時に種結晶にクラックが入ったり、単結晶インゴットの育成前の融液温度が高すぎて種結晶が溶けて短くなったりすることがあった。この場合、種結晶は再利用不可能になり、再利用不可能になった種結晶の代わりに新しい種結晶を使用した。そして、142回の単結晶インゴット育成するに当たり3本の種結晶を使用した。
実施した142回の単結晶育成で得られた単結晶インゴットのうち、11本は、単結晶インゴットの一部が多結晶化してしまったり、単結晶インゴットにクラックが生じたりしたが、残りの131本の単結晶インゴットは良品であった。平均して1本の種結晶から43.6本の良品単結晶インゴットを得ることができた。
(比較例)
比較例では、種結晶の先端を融液に接触させ、融液が適温と判断されたところで種結晶を融液に3mm挿入した。再度、融液が適温であることを確認してから、まずネック部を5mm形成してから単結晶育成を開始した。ネック部は回転速度7rpm、引上げ速度3mm/hで育成し、ネック部の直径は10mmとした。
上記ネック部を形成した後、結晶径が105mmになるまで徐々に結晶径を太くしていきコーン部を形成し、続いて直胴部を形成した。そして、直胴部の長さが90mmまで引き上がったところで結晶を融液から引き離し単結晶育成を終了した。なお、コーン部及び直胴部は、回転数5~20rpm、引上げ速度1~5mm/hの範囲で調整しながら形成した。
その後、得られた単結晶を室温まで冷却し、マイクログラインダーを用いてネック部の途中を切離し、ネック部のごく一部が一体化されて残った種結晶と1本目の単結晶インゴットを得た。種結晶に残ったネック部の長さは約1mmであった。
単結晶インゴットの直胴部をスライスして、単結晶ウエハを作製した。
ネック部を1mm残した種結晶は次の単結晶インゴットを育成する際に再利用した。すなわち、再び上記手順で、融液が適温であることを確認した後、種結晶に残したネック部が成長して、5mmの長さになってから、LT単結晶を育成した。そして、種結晶にネック部を1~3mm残した状態で、種結晶と単結晶インゴットとを切り離した。このような作業を繰り返し、単結晶インゴットの育成を合計112回実施し、育成した単結晶インゴットについて、それぞれ単結晶ウエハを作製した。
なお、同じ種結晶を使用し続けていると、初期の状態に比べ種結晶は数mmずつ短くなっていき、種結晶は再利用不可能となった。このため、再利用不可能になった種結晶の代わりに新しい種結晶を使用した。そして、112回の単結晶インゴット育成に対して30本の種結晶を使用した。
実施した112回の単結晶インゴット育成で得られた単結晶インゴットのうち、87本の単結晶インゴットが良品であった。平均して1本の種結晶から2.9本の良品単結晶インゴットを得ることができた。
上記実施例及び比較例から、本発明の酸化物単結晶ウエハの製造方法では、種結晶を従来よりも多く繰り返し利用することができ、品質の優れた単結晶インゴットを効率的に製造することができることがわかった。そして、その結果、品質の優れた単結晶ウエハを効率的に製造することができることがわかる。
1 坩堝
2 ワークコイル
3 シード棒
4 坩堝台
5 断熱材
6 熱電対
7 種結晶
7’ 次バッチの種結晶
8 原料融液
9 円筒状単結晶インゴット
9a ネック部
9a’ 種結晶に一体化されて残されたネック部
9a” 単結晶インゴットに一体化されて残ったネック部
9b コーン部
9c 直胴部
10 チャンバー
100 単結晶製造装置

Claims (5)

  1. 種結晶を原料融液に接触させ、前記原料融液に挿入させた後、前記種結晶を引上げながらネック部を形成する工程、
    前記ネック部の下に単結晶インゴットを育成する工程、
    前記種結晶と前記単結晶インゴットとを、前記ネック部の途中で切断分離し、前記ネック部の一部が長さ4mm以上残った種結晶を作製する工程、及び
    前記単結晶インゴットをスライスして単結晶ウエハを作製する工程、
    を含み、
    前記ネック部の径は5mm以上であり、
    前記種結晶を前記原料融液に挿入したときの挿入長さが1~3mmである酸化物単結晶ウエハの製造方法。
  2. 前記ネック部の一部が残った種結晶を作製する工程は、前記種結晶にネック部の少なくとも長さ6mm以上残した状態で切断分離する請求項1に記載の酸化物単結晶ウエハの製造方法。
  3. 前記ネック部を形成する工程は、前記ネック部を長さ10mm以上形成する請求項1又は2に記載の酸化物単結晶ウエハの製造方法。
  4. 前記種結晶に残ったネック部を原料融液に接触させた後、前記種結晶を引上げながらネック部を育成する工程、
    前記ネック部の下に単結晶インゴットを育成する工程、
    前記種結晶と前記単結晶インゴットとを、前記ネック部の途中で切断分離し、前記ネック部の一部が残った種結晶を作製する工程、及び
    前記単結晶インゴットをスライスして単結晶ウエハを作製する工程、
    をさらに含む請求項1~3のいずれか1項に記載の酸化物単結晶ウエハの製造方法。
  5. 前記酸化物単結晶が、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムである請求項1~4のいずれか1項に記載の酸化物単結晶ウエハの製造方法。
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