本開示の対象を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。なお、本開示の対象は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態の任意の構成要素の変形、または実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るセキュリティシステム1の構成図である。
セキュリティシステム1は、複数の階床を有する建物などに適用される。建物において、いずれかの階床は建物の外部に通じる玄関階である。この例において、玄関階は最下階である。建物は、例えば複数の住戸を有する集合住宅などである。このとき、建物において、少なくともいずれかの階床は、住戸が設けられる居住階である。
セキュリティシステム1は、電気錠2と、読取装置3と、錠制御装置4と、を備える。
電気錠2は、建物の玄関ドア5に設けられる。玄関ドア5は、玄関階において、建物の内部および外部を区画するドアである。電気錠2は、通常時において施錠されている。
読取装置3は、玄関階において玄関ドア5より建物の外側に配置される。読取装置3は、建物の利用者を特定する情報などを読み取る装置である。建物の利用者は、例えば居住者または訪問者などである。利用者を特定する情報は、例えば当該利用者が所持するハードウェアキーもしくはカードキーなどのキー、無線タグ、または携帯端末などから読み取られる。読取装置3は、例えば短距離無線通信などによって利用者を特定する情報の読み取りを非接触で行う。あるいは、利用者を特定する情報は、当該利用者の生体情報であってもよい。生体情報は、例えば虹彩、指紋、もしくは静脈などのパターン、または顔画像などの情報を含む。読取装置3は、利用者を特定する情報を読み取るときに、当該情報および予め登録されている認証可能な情報を照合する。読取装置3は、読み取った情報が予め登録されている認証可能な情報に含まれるかを判定する。読取装置3は、読み取った利用者の情報が認証可能な情報に含まれると判定する場合に、当該利用者を認証する。読取装置3は、利用者を認証するときに、当該利用者の認証の情報を出力する。
錠制御装置4は、電気錠2の施錠および解錠を制御する装置である。錠制御装置4は、例えば、読取装置3が出力する利用者の認証の情報を受け付ける。錠制御装置4は、利用者の認証の情報を受け付けるときに、電気錠2を解錠させる。これにより、建物の利用者は、建物に入館できるようになる。
セキュリティシステム1は、玄関インターホン6と、認証操作盤7と、を備える。玄関インターホン6および認証操作盤7は、例えばセキュリティインターホンの装置である。玄関インターホン6は、玄関階において玄関ドア5より建物の外側に配置される。玄関インターホン6は、建物の住戸を例えば部屋番号などによって指定することで、当該住戸にいる居住者などとの音声通話を可能にする装置である。玄関インターホン6は、受付装置の例である。玄関インターホン6における建物の住戸の指定は、認証要求の例である。認証操作盤7は、各々の住戸に設けられる。認証操作盤7は、住戸インターホン8と、解錠ボタン9と、を備える。住戸インターホン8は、玄関インターホン6から指定されるときに、玄関にいる訪問者などとの音声通話を可能にする装置である。解錠ボタン9は、錠制御装置4に電気錠2の解錠を指示するボタンである。解錠ボタン9は、音声通話をした訪問者を建物に入館できる訪問者として居住者が認証するときに操作される。住戸にいる居住者が解錠ボタン9を操作するときに、認証操作盤7は、玄関にいる訪問者の建物の利用者としての認証の情報を出力する。解錠ボタン9の操作は、居住者による認証者としての認証操作の例である。
錠制御装置4は、例えば、認証操作盤7が出力する利用者の認証の情報を受け付ける。錠制御装置4は、利用者の認証の情報を受け付けるときに、電気錠2を解錠させる。これにより、建物の利用者は、建物に入館できるようになる。
セキュリティシステム1は、エレベーター10を備える。建物において、エレベーター10の昇降路11が設けられる。昇降路11は、複数の階床にわたる空間である。建物の各々の階床において、乗場12が設けられる。乗場12は、昇降路11に隣接する場所である。エレベーター10は、1つまたは複数のエレベーターユニット13を備える。各々のエレベーターユニット13は、建物の利用者などを建物の複数の階床の間で輸送する装置である。各々のエレベーターユニット13は、かご14と、ユニット制御盤15と、を備える。
かご14において、建物の利用者などが乗車する空間が内部に設けられる。かご14は、建物において昇降路11を上下方向に走行することで、内部の空間に乗車している利用者などを輸送する装置である。
ユニット制御盤15は、エレベーターユニット13の動作を制御する装置である。ユニット制御盤15によって制御されるエレベーターユニット13の動作は、例えば上下方向に走行するかご14の発進、加速、定速走行、減速、および停止などを含む。
エレベーター10において、制御システム16が適用される。制御システム16は、エレベーター10の動作を制御するシステムである。制御システム16は、各々のエレベーターユニット13のユニット制御盤15を含む。
各々の階床の乗場12において、制御システム16のインジケータ17が設けられる。インジケータ17は、乗場12にいる建物の利用者に情報を表示する装置である。インジケータ17は、例えば各々のエレベーターユニット13に対応するように複数設けられていてもよい。通常時において、インジケータ17は、対応するかご14が現在いる階床、および対応するかご14の走行方向などを表示する。インジケータ17は、例えばランプなどの発光体、または液晶ディスプレイなどによって情報を表示する。
各々の階床の乗場12において、制御システム16の乗場操作盤18が設けられる。乗場操作盤18は、乗場呼びの登録の操作を受け付ける装置である。ここで、乗場呼びは、エレベーター10の利用者の出発階に、いずれかのエレベーター10のかご14を走行させる呼びである。乗場呼びは、乗場操作盤18の他の乗場12に設けられない装置などを通じて登録される呼びであってもよい。この例において、乗場呼びは、出発階から走行する方向を上方または下方のいずれかの方向から選択して登録される。乗場操作盤18において、乗場呼びの方向に対応する方向ボタン19が設けられる。方向ボタン19は、利用者によって操作されるときに、対応する方向の乗場呼びを登録するボタンである。方向ボタン19は、ランプを内蔵する。方向ボタン19は、対応する方向の乗場呼びが登録されているときに、内蔵されるランプの発光によって乗場呼びが登録されていることを表示する。なお、通常時において、玄関階などに設けられる乗場操作盤18による乗場呼びの登録は、無効化などの制限を受けている。
各々のエレベーターユニット13のかご14において、制御システム16のかご操作盤20が設けられる。かご操作盤20は、かご呼びの登録の操作を受け付ける装置である。ここで、かご呼びは、建物の利用者の目的階に、当該利用者が乗車しているかご14を走行させる呼びである。かご呼びは、かご操作盤20の他のかご14に設けられない装置などを通じて登録される呼びであってもよい。この例において、かご呼びは、目的階を指定して登録される。かご操作盤20において、目的階を指定する階床ボタン21が設けられる。階床ボタン21は、利用者によって操作されるときに、対応する階床を目的階とするかご呼びを登録するボタンである。階床ボタン21は、ランプを内蔵する。階床ボタン21は、対応する階床を目的階とするかご呼びが登録されているときに、内蔵されるランプの発光によってかご呼びが登録されていることを表示する。なお、通常時において、かご操作盤20によるかご呼びの登録は、無効化などの制限を受けている。
各々のエレベーターユニット13のかご14において、制御システム16の乗車検出部22が設けられる。かご14に設けられる乗車検出部22は、当該かご14への利用者の乗車を検出する部分である。乗車検出部22は、例えばかご14の外部から内部に通じる開口に設けられた光電センサなどを含む。乗車検出部22は、例えば利用者が当該開口をかご14の内部に向けて通過するときに、当該利用者の乗車を検出する。なお、乗車検出部22は、例えばかご14に設けられた秤、カメラ、またはその他のセンサなどによって利用者の乗車を検出してもよい。
エレベーター10の制御システム16は、群管理盤23を備える。群管理盤23は、エレベーター10の運行を制御する装置である。群管理盤23は、例えばエレベーター10の呼びの管理などを行う。エレベーター10の呼びは、例えば乗場呼びおよびかご呼びなどを含む。群管理盤23は、乗場呼び登録部24と、割当部25と、かご呼び登録部26と、を備える。乗場呼び登録部24は、乗場呼びの登録の処理を行う部分である。割当部25は、登録された乗場呼びをいずれかのかご14に割り当てる部分である。かご呼び登録部26は、かご呼びの登録の処理を行う部分である。通常時において、乗場呼び登録部24は、乗場操作盤18による乗場呼びの登録を無効にしている。通常時において、かご呼び登録部26は、かご操作盤20によるかご呼びの登録を無効にしている。
エレベーター10の制御システム16は、セキュリティシステム1の読取装置3などと連携して、例えば次のように動作する。
居住者などの建物の利用者は、建物の外部から住戸に帰るときに、読取装置3において当該利用者を特定する情報を読み取らせる。このとき、読取装置3は、読み取った情報に基づいて、当該利用者を認証する。読取装置3は、当該利用者の認証の情報を錠制御装置4およびエレベーター10の群管理盤23に出力する。ここで出力される利用者の認証の情報は、例えば利用者を特定する情報、および当該利用者が認証された時刻などを含む。
錠制御装置4は、利用者の認証の情報を受け付けるときに、玄関ドア5に設けられた電気錠2を解錠させる。利用者は、開いた玄関ドア5を通じて建物に入館する。
群管理盤23の乗場呼び登録部24は、利用者の認証の情報を受け付けるときに、玄関階を当該利用者の出発階とする乗場呼びを登録する。割当部25は、乗場呼び登録部24が登録した乗場呼びを、エレベーター10の運行効率の評価値などに基づいていずれかのかご14に割り当てる。このとき、登録された乗場呼びは、最下階である玄関階からかご14を上方に走行させる呼びである。群管理盤23は、玄関階に設けられた乗場操作盤18の上方に対応する方向ボタン19に、内蔵されるランプの発光の指令を出力する。
乗場呼びが割り当てられたかご14に対応するユニット制御盤15は、当該乗場呼びに応答させるように当該かご14を出発階である玄関階に走行させる。このとき、インジケータ17は、当該かご14が現在いる階床、および当該かご14の走行方向などを表示する。この間に、利用者は、玄関階の乗場12まで建物の内部を移動する。
その後、利用者は、乗場呼びに応答して玄関階に到着したかご14に乗車する。このとき、当該かご14に設けられた乗車検出部22は、利用者の乗車を検出する。乗車検出部22は、検出結果の情報を群管理盤23に出力する。
群管理盤23のかご呼び登録部26は、乗車検出部22から利用者の乗車の検出結果を受け付けるときに、利用者のかご呼びを登録しうるように動作する。例えば群管理盤23において利用者を特定する情報に当該利用者の居住階などの目的階が予め対応づけて記憶されている場合などに、かご呼び登録部26は、利用者のかご呼びを自動的に登録する。すなわち、かご呼び登録部26は、利用者の認証の情報に含まれていた当該利用者を特定する情報に対応する目的階へのかご呼びを、利用者の乗車を検出した乗車検出部22が設けられるかご14に登録する。あるいは、かご呼び登録部26は、かご操作盤20によるかご呼びの登録の制限を一時的に解除してもよい。このとき、かご14に乗車した利用者は、かご操作盤20を通じてかご呼びを登録する。利用者は、例えば自身の居住階を指定する階床ボタン21を操作することで、当該階床を目的階とするかご呼びを登録する。かご呼びの登録の制限の解除は、例えばかご呼びが登録されたときに終了する。群管理盤23は、かご呼びが登録されたかご14に設けられるかご操作盤20の当該かご呼びの目的階に対応する階床ボタン21に、内蔵されるランプの発光の指令を出力する。
かご呼びが割り当てられたかご14に対応するユニット制御盤15は、当該かご呼びに応答させるように、利用者を乗せて当該かご14を目的階に走行させる。このとき、インジケータ17は、当該かご14が現在いる階床、および当該かご14の走行方向などを表示する。
その後、利用者は、かご呼びに応答して目的階に到着したかご14から降車する。
また、エレベーター10の制御システム16は、セキュリティシステム1の玄関インターホン6および認証操作盤7などと連携して、例えば次のように動作する。
訪問者などの建物の利用者は、建物の居住者を訪問するときに、玄関インターホン6において当該居住者の住戸の部屋番号などを指定する。玄関階にいる利用者は、玄関インターホン6および住戸インターホン8などを通じて、訪問する居住者と音声通話する。居住者は、通話によって訪問者を認証するときに、解錠ボタン9を操作する。このとき、認証操作盤7は、玄関階にいる利用者の認証の情報を錠制御装置4およびエレベーター10の群管理盤23に出力する。ここで出力される利用者の認証の情報は、例えば利用者の目的階である当該利用者が部屋番号を指定した住戸のある居住階、および居住者の解錠ボタン9の操作によって当該利用者が認証された時刻などを含む。
錠制御装置4は、利用者の認証の情報を受け付けるときに、玄関ドア5に設けられた電気錠2を解錠させる。利用者は、開いた玄関ドア5を通じて建物に入館する。
群管理盤23の乗場呼び登録部24は、利用者の認証の情報を受け付けるときに、玄関階を当該利用者の出発階とする乗場呼びを登録する。割当部25は、乗場呼び登録部24が登録した乗場呼びをいずれかのかご14に割り当てる。
乗場呼びが割り当てられたかご14に対応するユニット制御盤15は、当該乗場呼びに応答させるように当該かご14を出発階である玄関階に走行させる。この間に、利用者は、玄関階の乗場12まで建物の内部を移動する。このとき、インジケータ17は、当該かご14が現在いる階床、および当該かご14の走行方向などを表示する。
その後、利用者は、乗場呼びに応答して玄関階に到着したかご14に乗車する。このとき、当該かご14に設けられた乗車検出部22は、利用者の乗車を検出する。乗車検出部22は、検出結果の情報を群管理盤23に出力する。
群管理盤23のかご呼び登録部26は、乗車検出部22から利用者の乗車の検出結果を受け付けるときに、利用者のかご呼びを登録しうるように動作する。例えば、かご呼び登録部26は、利用者の認証の情報に含まれていた当該利用者の目的階へのかご呼びを、利用者の乗車を検出した乗車検出部22が設けられるかご14に登録する。
かご呼びが割り当てられたかご14に対応するユニット制御盤15は、当該かご呼びに応答させるように、利用者を乗せて当該かご14を目的階に走行させる。このとき、インジケータ17は、当該かご14が現在いる階床、および当該かご14の走行方向などを表示する。
その後、利用者は、かご呼びに応答して目的階に到着したかご14から降車する。
ここで、利用者Aおよび利用者Bが続いて建物に入館することがある。この例において、利用者Aは、利用者Bが入館した後に認証された利用者である。利用者Aは、利用者Bに同行していない。この場合において、認証された利用者Aが玄関階の乗場12に移動している間に、先に建物に入館していた他の利用者Bが、利用者Aの乗場呼びが割り当てられたかご14に乗車してしまう可能性がある。このとき、利用者Bのかご14への乗車によって、利用者Aの目的階へのかご呼びが当該かご14に登録されることがある。あるいは、利用者Bのかご14への乗車によって、利用者Aのためのかご呼びの登録の制限の解除が行われることがある。このような場合に、利用者Aは、当該かご14への乗車を見合わせようとすることがある。このとき、利用者Aは、乗場操作盤18において取消し操作を行う。取消し操作は、直前に行われたかご呼びの自動登録、またはかご呼びの登録の制限の解除を取り消す予め設定された操作である。
この例において、利用者Aは、玄関階に設けられた乗場操作盤18において、内蔵されるランプが発光している上方に対応する方向ボタン19を操作する。当該方向ボタン19は、乗場呼び登録部24が登録した利用者Aの乗場呼びの方向に対応している。この例において、方向ボタン19に内蔵されるランプは、乗場呼びに応答したかご14が出発階から出発するまで点灯している。乗場呼びに応答したかご14が出発階から出発するまでの間の当該乗場呼びの方向に対応する方向ボタン19の操作は、取消し操作の例である。利用者Aによって乗場操作盤18を通じて取消し操作が行われるときに、かご呼び登録部26は、利用者Bの乗車によって直前に行われたかご呼びの自動登録、またはかご呼びの登録の制限の解除を取り消す。これにより、利用者Aの目的階へのかご呼びなどが取り消されるので、利用者Aは、当該かご14への乗車を見合わせることができるようになる。
また、例えば引越しなどの作業が行われる場合に、引越し作業の作業員がエレベーター10を頻繁に利用することがある。このような場合に、エレベーター10の利用の度に玄関インターホン6などを通じた作業員の認証が必要になると、作業員の作業効率が損なわれることがある。作業員のエレベーター10の利用の度に解錠ボタン9による居住者の認証操作が必要になると、居住者が煩わしさを感じることがある。このため、群管理盤23は、予め設定された継続解除操作が行われるときに、乗場操作盤18およびかご操作盤20を通じた呼びの登録の制限を継続的に解除する。
継続解除操作は、例えば、エレベーター10を利用する作業員の出発階である玄関階、および作業員の目的階である住戸のある居住階において行われる。
継続解除操作を行う作業員は、特定キーを所持している。特定キーは、例えば建物の管理者が管理しているキーである。この例において、作業員は、管理者の許可を得て作業の間の特定キーの貸与を受けている。ここで、特定キーは、特定キーであることを表す特定情報を記憶している。この例において、玄関インターホン6は、特定キーから特定情報を読み込む機能を搭載している。なお、玄関インターホン6は、読取装置3を通じて特定キーから特定情報を読み込んでもよい。玄関にいる作業員は、玄関インターホン6および住戸インターホン8などを通じて、訪問する居住者と音声通話する。このとき、作業員は、玄関インターホン6に特定キーの特定情報を読み込ませる。玄関階において特定キーの特定情報を読み込ませることは、利用者側の継続解除操作の例である。
住戸にいる居住者は、住戸インターホン8および玄関インターホン6などを通じて、玄関に居る作業員と音声通話している。居住者は、作業員が玄関インターホン6に特定キーの特定情報を読み込ませるときに、解錠ボタン9を操作する。居住階において解錠ボタン9を操作することは、認証者側の継続解除操作の例である。このとき、例えば音声通話などによって、居住者は、利用者側の継続解除操作のタイミングに合わせて認証者側の継続解除操作を行う。
利用者側の継続解除操作および認証者側の継続解除操作が続けて行われたときに、群管理盤23は、乗場操作盤18およびかご操作盤20を通じた呼びの登録の制限を継続的に解除する。この例において、利用者側の継続解除操作および認証者側の継続解除操作が第1時間の間に行われるときに、群管理盤23は、乗場操作盤18およびかご操作盤20を通じた呼びの登録の制限を第2時間の間継続的に解除する。ここで、第1時間および第2時間は、予め設定された時間である。第1時間は、例えば数秒のオーダの時間などである。第1時間は、例えば秒単位のパラメータによって設定されている。第2時間は、例えば数時間のオーダの時間などである。第2時間は、群管理盤23において時単位の可変なパラメータによって設定されている。当該パラメータは、例えば整数または実数の値を取る。第2時間は、継続解除操作の前に玄関インターホン6または認証操作盤7などによって設定されてもよい。
群管理盤23が呼びの登録の制限を継続的に解除している間、乗場呼び登録部24は、玄関階の乗場操作盤18を通じた乗場呼びの登録の制限を解除する。群管理盤23が呼びの登録の制限を継続的に解除している間、かご呼び登録部26は、かご操作盤20を通じた玄関階または居住階を目的とした乗場呼びの登録の制限を解除する。これにより、群管理盤23が呼びの登録の制限を継続的に解除している間、作業員は認証を必要とせずに、玄関階および目的階の間の移動にエレベーター10を利用できるようになる。また、居住者は、作業員のエレベーター10の利用の度に解錠ボタン9による認証操作を行う必要がなくなる。
ここで、群管理盤23が呼びの登録の制限を継続的に解除している間において、かご操作盤20を通じて登録されたかご呼びに応答して走行するかご14について、インジケータ17は、当該かご14が現在いる階床を表示しない。このとき、インジケータ17は、例えば当該かご14の走行方向を表示する。
また、群管理盤23が呼びの登録の制限を継続的に解除している間において、認証者側の継続解除操作が行われた居住階以外の階床に対応する階床ボタン21が操作されるときに、群管理盤23は、当該階床へのかご呼びを登録しない。このとき、かご操作盤20は、例えばブザーなどの警告音を発してもよい。
なお、群管理盤23が呼びの登録の制限を継続的に解除している間においても、読取装置3などにおける通常の認証の手順を経てエレベーター10を利用する他の利用者の呼びに応答するかご14については、インジケータ17は、当該かご14が現在いる階床、および当該かご14の走行方向などを表示してもよい。このとき、群管理盤23は、当該他の利用者の出発階の乗場呼び、および目的階へのかご呼びについて、通常時と同様に呼びの登録を行う。
また、群管理盤23は、群管理盤23が呼びの登録の制限の継続的な解除の取消しの操作を受け付けてもよい。この例において、群管理盤23は、呼びの登録の制限を継続的に解除している間において、利用者側の継続解除操作および認証者側の継続解除操作が続けて行われたときに、取消しの操作が行われたと判定する。この例において、利用者側の継続解除操作および認証者側の継続解除操作が第1時間の間に行われるときに、群管理盤23は、呼びの登録の制限の継続的な解除を取り消す。すなわち、乗場操作盤18による乗場呼びの登録およびかご操作盤20によるかご呼びの登録は、通常時と同様に無効化などの制限を受ける。
なお、利用者は、当該利用者が所持するスマートフォンなどの携帯端末を通じて、建物に入館できる利用者としての認証を受けてもよい。例えば認証操作盤7の住戸インターホン8と携帯端末との間の音声通話が可能な場合に、訪問者である利用者は、携帯端末および住戸インターホン8を通じて居住者との音声通話を行ってもよい。また、認証者は、当該認証者が所持するスマートフォンなどの携帯端末を通じて、建物に入館できる利用者の認証を行ってもよい。例えば玄関インターホン6と携帯端末との間の音声通話が可能な場合に、認証者は、携帯端末および玄関インターホン6を通じて訪問者である利用者との間の音声通話を行ってもよい。このとき、認証者は、携帯端末の操作を通じて解錠ボタン9の操作を行ってもよい。
また、利用者の出発階は、玄関階に限定されない。例えば、居住者が他の階の居住者を訪問する場合などに、訪問者である居住者の居住階が出発階とされてもよい。このとき、訪問者である居住者は、例えば自身の住戸の住戸インターホン8と訪問先の住戸の住戸インターホン8を通じて、訪問先の居住者と音声通話を行ってもよい。このとき、訪問者である居住者の住戸インターホン8は、受付装置の他の例となる。
図2は、実施の形態1の変形例に係るセキュリティシステム1の構成図である。
セキュリティシステム1が適用される建物は、例えばオフィスビルなどであってもよい。玄関ドア5は、例えば建物の内部におけるゲート状の装置であってもよい。
玄関階などの階床に設けられる乗場操作盤18は、行先階を指定した乗場呼びの登録の操作を受け付ける。当該乗場操作盤18において、階床を入力する入力パネル27が設けられる。入力パネル27は、例えばテンキーまたはタッチパネルなどである。当該乗場操作盤18において、入力パネル27を通じて利用者の行先階が指定される。なお、通常時において、当該乗場操作盤18による乗場呼びの登録は、無効化などの制限を受けている。
セキュリティシステム1は、複数の乗場読取装置28を備える。各々の乗場読取装置28は、いずれかの階床に対応する。各々の乗場読取装置28は、対応する階床の乗場12に設けられる。各々の乗場読取装置28は、例えば玄関の読取装置3と同様に利用者を特定する情報を読み取る装置である。例えば各々の階床の乗場12に設けられた乗場読取装置28が利用者を認証するときに、当該乗場12の乗場操作盤18を通じた乗場呼びの登録の制限が一時的に解除される。
この例において、取消し操作を行う利用者は、例えば次のような操作を行う。利用者は、玄関階の乗場操作盤18の入力パネル27を通じて、当該利用者を特定する情報を手動で入力する。このとき、利用者を特定する情報は、例えば従業員番号などの可読な識別子である。当該識別子は、玄関の読取装置3において読み取られた情報である。玄関の読取装置3が読み取った識別子を玄関階の乗場操作盤18の入力パネル27において手動で入力する操作は、取消し操作の例である。あるいは、利用者は、当該識別子を乗場読取装置28に読み取らせることで取消し操作を行ってもよい。
利用者によって乗場操作盤18を通じて取消し操作が行われるときに、かご呼び登録部26は、他の利用者の乗車によって直前に行われたかご呼びの自動登録、またはかご呼びの登録の制限の解除を取り消す。取消し操作において利用者の識別子が入力されるので、他の利用者の呼びなどが誤って取り消されることが予防される。
続いて、図3から図5を用いて、セキュリティシステム1の動作の例を説明する。
図3から図5は、実施の形態1に係るセキュリティシステム1の動作の例を示すフローチャートである。
図3において、利用者の認証および取消し操作などのイベントの検知に係るセキュリティシステム1の動作の例が示される。
ステップS101において、セキュリティシステム1は、利用者が認証されたかを判定する。セキュリティシステム1は、例えば読取装置3が利用者を認証するときに、当該利用者が認証されたと判定する。あるいは、セキュリティシステム1は、例えば認証操作盤7において解錠ボタン9が操作されるときに、利用者が認証されたと判定する。判定結果がNoの場合に、セキュリティシステム1は、ふたたびステップS101の処理に進む。判定結果がYesの場合に、セキュリティシステム1は、ステップS102の処理に進む。
ステップS102において、読取装置3または認証操作盤7などの利用者の認証を判定したセキュリティシステム1の装置は、利用者の認証の情報を群管理盤23に送信する。その後、セキュリティシステム1は、ステップS103の処理に進む。
ステップS103において、セキュリティシステム1は、乗場操作盤18において、内蔵されるランプが点灯している状態の方向ボタン19が操作されたかを判定する。当該方向ボタン19は、乗場呼びに応答したかご14が出発階から出発するまでの間の当該乗場呼びの方向に対応するボタンである。判定結果がYesの場合に、セキュリティシステム1は、ステップS104の処理に進む。判定結果がNoの場合に、セキュリティシステム1は、ステップS108の処理に進む。
ステップS104において、セキュリティシステム1は、乗場操作盤18を操作した利用者が、ステップS101において認証された利用者と異なる利用者であるかを判定する。ここで、セキュリティシステム1は、例えば乗場読取装置28が読み取った情報などに基づいて、乗場操作盤18を操作した利用者を特定する。なお、乗場読取装置28が設けられていない乗場12の乗場操作盤18が操作された場合など、乗場操作盤18を操作した利用者および認証された利用者が異なる利用者であるかの判定ができないことがある。このような場合に、セキュリティシステム1は、乗場操作盤18を操作した利用者は認証された利用者であるとみなして判定を行ってもよい。ステップS104の判定結果がYesの場合に、セキュリティシステム1は、ステップS105の処理に進む。一方、判定結果がNoの場合に、セキュリティシステム1は、ステップS106の処理に進む。
ステップS105において、セキュリティシステム1は、乗場操作盤18を操作した利用者の認証の情報を群管理盤23に送信する。その後、セキュリティシステム1は、ステップS101の処理に進む。
ステップS106において、セキュリティシステム1は、取消し操作の情報を群管理盤23に送信する。その後、セキュリティシステム1は、ステップS107の処理に進む。
ステップS107において、群管理盤23は、取消し処理を行う。例えば、かご呼び登録部26は、乗車検出部22が乗車を検出したかご14にかご呼びの自動登録を行った場合に、取消し処理として直前に行った自動登録を取り消す。また、かご呼び登録部26は、乗車検出部22が乗車を検出したかご14においてかご呼びの登録の制限を解除した場合に、取消し処理として直前に行った登録の制限の解除を取り消す。また、乗場呼び登録部24は、乗車検出部22が乗車を検出していない場合に、取消し処理として認証の情報に基づく乗場呼びの登録を取り消してもよい。その後、セキュリティシステム1は、ステップS101の処理に進む。
ステップS108において、セキュリティシステム1は、ステップS101において認証された利用者の識別子が乗場操作盤18の入力パネル27において入力されたかを判定する。セキュリティシステム1は、利用者の識別子が入力されない場合に、判定結果をNoとする。セキュリティシステム1は、入力された利用者の識別子が認証された利用者の識別子と異なる場合に、判定結果をNoとする。また、セキュリティシステム1は、認証された利用者の出発階の乗場操作盤18において入力パネル27が設けられていない場合などにおいて、判定結果をNoとしてもよい。判定結果がNoの場合に、セキュリティシステム1は、ステップS101の処理に進む。判定結果がYesの場合に、セキュリティシステム1は、ステップS106の処理に進む。
図4において、呼びの登録などに係る制御システム16の動作の例が示される。
群管理盤23は、例えば図3などにおいて送信される認証の情報などを受け付けるときに、図4における動作を開始する。
群管理盤23は、利用者の認証の情報を受け付けるときに、ステップS201の処理を開始する。
ステップS201において、乗場呼び登録部24は、利用者の認証の情報に基づいて、当該利用者の出発階の乗場呼びの登録を行う。その後、セキュリティシステム1は、ステップS202の処理に進む。
ステップS202において、割当部25は、利用者の乗場呼びの割当てを行う。その後、セキュリティシステム1は、ステップS203の処理に進む。
ステップS203において、群管理盤23は、利用者の出発階に設けられた乗場操作盤18において割当てを行った乗場呼びの方向に対応する方向ボタン19に、内蔵されるランプの発光の指令を出力する。その後、セキュリティシステム1は、ステップS204の処理に進む。
ステップS204において、乗場呼びが割り当てられたかご14に対応するユニット制御盤15は、当該かご14を出発階に走行させる。その後、セキュリティシステム1は、ステップS205の処理に進む。
ステップS205において、乗場呼びが割り当てられたかご14の乗車検出部22は、当該かご14が出発階に停止してから利用者の乗車を検出したかを判定する。判定結果がYesの場合に、セキュリティシステム1は、ステップS206の処理に進む。一方、当該かご14が停止してから予め設定された時間の間に利用者の乗車を検出されない場合に、乗車検出部22は、判定結果をNoとする。この場合に、セキュリティシステム1は、ステップS208の処理に進む。
ステップS206において、かご呼び登録部26は、利用者の乗車を検出したかご14に、利用者の認証の情報に基づく目的階へのかご呼びの自動登録を行う。あるいは、利用者の目的階が取得できない場合などに、かご呼び登録部26は、利用者の乗車を検出したかご14のかご操作盤20を通じたかご呼びの登録の制限を解除する。その後、セキュリティシステム1は、ステップS207の処理に進む。
かご呼びの登録の制限が解除されている場合に、ステップS207において、かご呼び登録部26は、当該かご操作盤20の操作が検出された後に、当該かご操作盤20を通じたかご呼びの登録の制限を再開する。その後、呼びの登録に係るセキュリティシステム1の動作は、終了する。
ステップS208において、かご呼び登録部26は、タイムアウトの処理として、かご呼びなどの利用者の認証の情報に基づいて記憶していた情報を破棄する。その後、呼びの登録に係るセキュリティシステム1の動作は、終了する。
図5において、呼びの登録の制限の継続的な解除に係るセキュリティシステム1の動作の例が示される。
ステップS301において、セキュリティシステム1は、利用者側の継続解除操作が行われたかを判定する。セキュリティシステム1は、例えば玄関インターホン6または読取装置3などが特定キーから特定情報を読み取るときに、利用者側の継続解除操作が行われたと判定する。ステップS301の判定結果がNoの場合に、セキュリティシステム1は、ふたたびステップS301の処理に進む。判定結果がYesの場合に、セキュリティシステム1は、ステップS302の処理に進む。
ステップS302において、セキュリティシステム1は、利用者側の継続解除操作に続いて認証者側の継続解除操作があったかを判定する。セキュリティシステム1は、例えば利用者側の継続解除操作から第1時間が経過する前に、認証者側の継続解除操作があるときに、判定結果をYesとする。判定結果がYesの場合に、セキュリティシステム1は、ステップS303の処理に進む。判定結果がNoの場合に、セキュリティシステム1は、ステップS304の処理に進む。
ステップS303において、群管理盤23は、乗場操作盤18およびかご操作盤20を通じた呼びの登録の制限を第2時間の間継続的に解除する。乗場呼び登録部24は、利用者側の継続解除操作が行われた階床の乗場操作盤18による乗場呼びの登録の制限を解除する。かご呼び登録部26は、利用者側の継続解除操作が行われた階床、および認証者側の継続解除操作が行われた階床を行先階とするかご操作盤20によるかご呼びの登録の制限を解除する。その後、セキュリティシステム1は、ステップS301の処理に進む。
ステップS304において、群管理盤23は、乗場操作盤18およびかご操作盤20を通じた呼びの登録の制限を第2時間の間継続的に解除する。乗場呼び登録部24は、利用者側の継続解除操作が行われた階床の乗場操作盤18による乗場呼びの登録の制限を解除する。かご呼び登録部26は、全ての階床を行先階とするかご操作盤20によるかご呼びの登録の制限を解除する。その後、セキュリティシステム1は、ステップS301の処理に進む。
なお、セキュリティシステム1は、例えば認証者側の継続解除操作から第1時間が経過する前に利用者側の継続解除操作があった場合においても、ステップS302の処理に進んでもよい。
以上に説明したように、実施の形態1に係るエレベーター10の制御システム16は、乗場呼び登録部24と、乗車検出部22と、かご呼び登録部26と、を備える。乗場呼び登録部24は、出発階にいる利用者の認証の情報に基づいて、当該出発階の乗場呼びを登録する。乗車検出部22は、利用者のかご14への乗車を検出する。かご呼び登録部26は、かご14に設けられたかご操作盤20からのかご呼びの登録を通常時において制限する。かご呼び登録部26は、乗場呼び登録部24が登録した乗場呼びに応答してかご14が出発階に到着した後に利用者のかご14への乗車を乗車検出部22が検出するときに、当該かご14に利用者のかご呼びを登録する。あるいは、かご呼び登録部26は、乗場呼び登録部24が登録した乗場呼びに応答してかご14が出発階に到着した後に利用者のかご14への乗車を乗車検出部22が検出するときに、当該かご14においてかご操作盤20からのかご呼びの登録の制限を解除する。
また、実施の形態1に係るセキュリティシステム1は、エレベーター10の制御システム16と、読取装置3と、を備える。読取装置3は、出発階にいる利用者を特定する情報を読み込む。読取装置3は、読み込んだ情報が認証可能な情報として予め登録されている場合に、当該利用者の認証の情報を制御システム16に出力する。
また、実施の形態1に係るセキュリティシステム1は、エレベーター10の制御システム16と、玄関インターホン6と、認証操作盤7と、を備える。玄関インターホン6は、出発階にいる利用者の操作によって認証要求を送信する。認証操作盤7は、利用者の目的階に設けられる。認証操作盤7は、玄関インターホン6から受信した利用者の認証要求に対する認証者の認証操作を受け付ける場合に、当該利用者の認証の情報を制御システム16に出力する。
このような構成により、かご呼びの自動登録のタイミングまたはかご呼びの登録制限の解除のタイミングが乗場呼びの登録のタイミングと分離される。かご呼びについての処理は、利用者のかご14の乗車の検出をもって行われる。このため、利用者が認証されてからかご14に乗車するまでの間に他の利用者が割り込むことによるセキュリティ性の低下が抑えられる。
また、かご呼び登録部26は、かご14に利用者のかご呼びを登録した後に、出発階の乗場12に設けられた乗場操作盤18において取消し操作が行われる場合に、当該かご14へのかご呼びの直前の登録を取り消す。
また、かご呼び登録部26は、かご14に利用者のかご呼びを登録した後に、出発階の乗場12に設けられた乗場操作盤18において取消し操作が行われる場合に、当該かご14へのかご呼びの登録の制限についての直前の解除を取り消す。
このような構成により、利用者が認証されてからかご14に乗車するまでの間に他の利用者がかご14に乗車している場合などにおいて、かご呼びについての処理の取消しが乗場操作盤18においてできるようになる。これにより、利用者は、かご14への乗車の見合わせができるようになるので、意図しない他の利用者との同乗などによるセキュリティ性の低下が抑えられる。
また、乗場操作盤18において乗場呼びの方向に対応する方向ボタン19が設けられていることがある。この場合に、かご呼び登録部26は、乗場呼び登録部24が登録した乗場呼びの方向に対応する方向ボタン19が操作されたときに、取消し操作が行われたと判定する。
このような構成により、利用者を特定する装置などが乗場12に設けられていない場合においても、利用者は、かご14への乗車の見合わせのためのかご呼びについての処理の取消しを容易にできるようになる。
また、乗場操作盤18において階床を入力する入力パネル27が設けられていることがある。この場合に、かご呼び登録部26は、利用者を識別する情報が当該利用者によって入力パネル27を通じて手動入力されたときに、取消し操作が行われたと判定する。
このような構成により、乗場読取装置28などの識別子を読み込む装置が乗場12に設けられていない場合においても、かご14への乗車の見合わせのためのかご呼びについての処理の取消しが利用者を識別した上で行われるようになる。これにより、他の利用者の呼びなどが誤って取り消されることが予防される。
また、玄関インターホン6を通じて利用者が送信する認証要求を、認証操作盤7を通じて認証者が認証操作を行うことで利用者の認証が行われることがある。この場合に、かご呼び登録部26は、利用者による玄関インターホン6を通じた利用者側の継続解除操作、および認証者による認証操作盤7を通じた認証者側の継続解除操作が第1時間の間に行われるかを判定する。これらの操作が第1時間の間に行われるときに、かご呼び登録部26は、かご14においてかご操作盤20からの出発階または目的階へのかご呼びの登録の制限を、第2時間の間継続して解除する。
また、かご呼び登録部26において、第2時間は、時単位の可変なパラメータによって設定される。
このような構成により、引越し作業などのエレベーター10を頻繁に利用する場合においても、作業員の作業効率が損なわれにくくなり、居住者が認証操作盤7の操作による煩わしさを感じにくくなる。また、このような継続解除の操作は、出発階および目的階の2箇所において行われるので、建物におけるセキュリティ性の低下が抑えられる。
また、かご呼び登録部26は、かご呼びの登録の制限について継続して解除している間に、利用者側の継続解除操作および認証者側の継続解除操作が第1時間の間に行われるかを判定する。これらの操作が第1時間の間に行われるときに、かご呼び登録部26は、かご呼びの登録の制限についての継続した解除を取り消す。
このような構成により、作業が完了した場合に呼びの登録の制限の継続的な解除が速やかに取り消されるので、建物におけるセキュリティ性の低下が抑えられる。
また、建物において、通常時においてかご14の位置を表示するインジケータ17が設けられていることがある。この場合に、かご呼び登録部26は、かご呼びの登録の制限について継続して解除している間に、かご操作盤20からの出発階または目的階へのかご呼びによって走行しているときのかご14の位置をインジケータ17に表示させない。
このような構成により、呼びの登録の制限が継続的に解除されている間に、建物の他の利用者に居住者の居住階などの階床の情報が知られにくくなる。これにより、建物におけるセキュリティ性の低下が抑えられる。
続いて、図6を用いて、セキュリティシステム1のハードウェア構成の例について説明する。
図6は、実施の形態1に係るセキュリティシステム1の主要部のハードウェア構成図である。
セキュリティシステム1の各機能は、処理回路により実現し得る。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。処理回路は、プロセッサ100aおよびメモリ100bと共に、あるいはそれらの代用として、少なくとも1つの専用ハードウェア200を備えてもよい。
処理回路がプロセッサ100aとメモリ100bとを備える場合、セキュリティシステム1の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。そのプログラムはメモリ100bに格納される。プロセッサ100aは、メモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、セキュリティシステム1の各機能を実現する。
プロセッサ100aは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。メモリ100bは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどにより構成される。
処理回路が専用ハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。
セキュリティシステム1の各機能は、それぞれ処理回路で実現することができる。あるいは、セキュリティシステム1の各機能は、まとめて処理回路で実現することもできる。セキュリティシステム1の各機能について、一部を専用ハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。このように、処理回路は、専用ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせでセキュリティシステム1の各機能を実現する。