JP7415034B2 - 含ホウ素環式放出性化合物及びそれを含む色変換フィルム - Google Patents

含ホウ素環式放出性化合物及びそれを含む色変換フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP7415034B2
JP7415034B2 JP2022555944A JP2022555944A JP7415034B2 JP 7415034 B2 JP7415034 B2 JP 7415034B2 JP 2022555944 A JP2022555944 A JP 2022555944A JP 2022555944 A JP2022555944 A JP 2022555944A JP 7415034 B2 JP7415034 B2 JP 7415034B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mmol
methyl
compound
group
photoluminescent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022555944A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023517750A (ja
Inventor
チェン、シジュン
ハンメーカー、ジェフリー、アール.
ルー、ヘップ
サスカ、ジャン
ワン、ポン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Publication of JP2023517750A publication Critical patent/JP2023517750A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7415034B2 publication Critical patent/JP7415034B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/06Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing organic luminescent materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2211/00Chemical nature of organic luminescent or tenebrescent compounds
    • C09K2211/10Non-macromolecular compounds
    • C09K2211/1018Heterocyclic compounds
    • C09K2211/1022Heterocyclic compounds bridged by heteroatoms, e.g. N, P, Si or B
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2211/00Chemical nature of organic luminescent or tenebrescent compounds
    • C09K2211/10Non-macromolecular compounds
    • C09K2211/1018Heterocyclic compounds
    • C09K2211/1025Heterocyclic compounds characterised by ligands
    • C09K2211/1029Heterocyclic compounds characterised by ligands containing one nitrogen atom as the heteroatom
    • C09K2211/1033Heterocyclic compounds characterised by ligands containing one nitrogen atom as the heteroatom with oxygen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2211/00Chemical nature of organic luminescent or tenebrescent compounds
    • C09K2211/10Non-macromolecular compounds
    • C09K2211/1018Heterocyclic compounds
    • C09K2211/1025Heterocyclic compounds characterised by ligands
    • C09K2211/1044Heterocyclic compounds characterised by ligands containing two nitrogen atoms as heteroatoms
    • C09K2211/1055Heterocyclic compounds characterised by ligands containing two nitrogen atoms as heteroatoms with other heteroatoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2211/00Chemical nature of organic luminescent or tenebrescent compounds
    • C09K2211/10Non-macromolecular compounds
    • C09K2211/1018Heterocyclic compounds
    • C09K2211/1025Heterocyclic compounds characterised by ligands
    • C09K2211/1088Heterocyclic compounds characterised by ligands containing oxygen as the only heteroatom
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/48Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor body packages
    • H01L33/50Wavelength conversion elements
    • H01L33/501Wavelength conversion elements characterised by the materials, e.g. binder
    • H01L33/502Wavelength conversion materials

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Planar Illumination Modules (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年3月20日に出願された米国仮特許出願第62/992,761号の利益を主張し、この開示全体が引用することにより本明細書の一部をなす。
本開示は、色変換フィルムにおいて使用される化合物、及びバックライトユニット、及びそれを備えるディスプレイ装置に関する。
色再現において、ガマット、すなわち色域は、テレビ又はモニター等のデバイスにおいて利用可能な色の或る特定の完全なサブセットである。例えば、純粋なスペクトル原色を使用することにより実現される広色域の色空間であるAdobe(商標)Red Green Blue(RGB)は、より広い色域を提供し、ディスプレイを通して見た可視色のより現実的な表現をもたらすのに開発された。より広色域を提供し得るデバイスにより、ディスプレイがより鮮やかな色を描写することが可能となり得ると考えられている。
高精細度大画面ディスプレイが一般的になるにつれ、より高性能で、より薄く高機能なディスプレイに対する需要が高まっている。現在の発光ダイオード(LED)は、青色光源が緑色蛍光体、赤色蛍光体、又は黄色蛍光体を励起して白色光源を得ることによって得られる。しかしながら、現在の緑色蛍光体及び赤色蛍光体の放出ピークの半値全幅(FWHM)は非常に大きく、通常40nmを超えることから、緑色スペクトルと赤色スペクトルとが重なり、互いに完全に区別することができない演色がもたらされる。この重なりは低い演色性及び色域の低下につながる。
色域の低下を補正するために、量子ドットを含むフィルムをLEDと組み合わせて使用する方法が開発された。しかしながら、量子ドットの使用には問題がある。第一に、カドミウムベースの量子ドットは極めて毒性が高く、健康安全性の問題のため多くの国々で使用が禁止されている。第二に、非カドミウムベースの量子ドットは、青色LED光を緑色光及び赤色光に変換する効率が非常に低い。第三に、量子ドットは湿気及び酸素から保護するのに高価な封入プロセスを必要とする。最後に、量子ドットを使用するコストは、製造プロセスの間にサイズの均一性を制御することが難しいため高くなる。
本明細書において記載されるフォトルミネッセンス錯体を使用して、テレビ、コンピューターモニター、スマートデバイス、及びカラーディスプレイを利用するあらゆる他のデバイスにおける識別可能な色間のコントラストを改善することができる。本開示のフォトルミネッセンス錯体は、良好な青色光吸収及び狭い放出帯域幅を有し、40nm未満の放出帯域の半値全幅(FWHM)を有する新規の色変換染料錯体を提供する。幾つかの実施の形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、第1の波長の光を吸収して、第1の波長よりも高い第2の波長の光を放出する。本明細書において開示されるフォトルミネッセンス錯体は、発光装置において使用される色変換フィルムで利用され得る。本開示の色変換フィルムは、色スペクトル内の重なりを減らすことによって色の劣化を減らすことから、高品質の演色性がもたらされる。
幾つかの実施の形態は、フォトルミネッセンス錯体を含み、該フォトルミネッセンス錯体は、青色光吸収部分と、置換エステルを含むリンカー基と、ホウ素-ジピロメテン(BODIPY)部分とを含み得る。幾つかの実施の形態においては、青色光吸収部分は、ナフタル酸誘導体を含み得る。幾つかの実施の形態においては、リンカー基は、ナフタル酸誘導体をBODIPY部分に共有結合させ得る。幾つかの実施の形態においては、ナフタル酸誘導体は、第1の励起波長の光を吸収し、エネルギーをBODIPY部分に移動させる。幾つかの実施の形態においては、BODIPY部分は、ナフタル酸誘導体からエネルギーを吸収し、第2のより高い波長の光エネルギーを放出する。幾つかの実施の形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、80%を超える放出量子収率を有する。
幾つかの実施の形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、最大40nmの半値全幅(FWHM)を有する放出帯域を有し得る。
幾つかの実施の形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、ストークスシフト、すなわち、青色光吸収部分の励起ピークとBODIPY部分の放出ピークとの間の差である、45nm以上のストークスシフトを有し得る。
幾つかの実施の形態においては、ナフタル酸誘導体は、以下の一般式であり得る:
Figure 0007415034000001
幾つかの実施の形態においては、Xは置換窒素(NR)であり得る。幾つかの実施の形態においては、Xは酸素(O)であり得る。幾つかの実施の形態においては、nは0又は1の整数であり得る。幾つかの実施の形態においては、Rは、H、置換アリール、置換アリールリンカー、又は置換エステルリンカーから選択され得る。幾つかの実施の形態においては、R10は、H、メチル、カルバゾールを形成する隣接するフェニル環への直接結合、又は置換エステルリンカーから選択することができ、R11は、H又はメチルであり得る。
幾つかの実施の形態は、青色光吸収ナフタル酸誘導体と、ホウ素-ジピロメテン(BODIPY)部分と、リンカー基とを含むフォトルミネッセンス錯体を含み、該リンカー基は、ナフタル酸誘導体をBODIPY部分に共有結合させ、該青色光吸収ナフタル酸誘導体は、下記式:
Figure 0007415034000002
(式中、XはNR又はOであり、Rは、H、置換アリール、又はリンカー基であり、nは0又は1であり、R10は、H、メチル、カルバゾールを形成する隣接するフェニル環への直接結合、又はリンカー基であり、R11はH、又はメチルであり、リンカー基は、置換エステル基、又は置換アラルキル基である)によって表され、ナフタル酸誘導体は、第1の励起波長の光エネルギーを吸収し、エネルギーをBODIPY部分に移動させ、BODIPY部分は、ナフタル酸誘導体からエネルギーを吸収し、第2のより高い波長の光エネルギーを放出し、フォトルミネッセンス錯体は、80%を超える放出量子収率を有する。
幾つかの実施の形態は、色変換フィルムを含み、該色変換フィルムは、樹脂マトリックスを含む色変換層と、樹脂マトリックス内に分散された、本明細書に記載される少なくとも1つのフォトルミネッセンス錯体とを含み得る。幾つかの実施の形態においては、色変換フィルムは、1μmから約200μmの間の厚さを有し得る。幾つかの実施の形態においては、本開示の色変換フィルムは、400nm~約480nmの範囲の青色光を吸収し、510nm~約560nmの波長範囲の光を放出することができる。別の実施の形態は、400nm~約480nmの範囲の青色光を吸収し、575nm~約645nmの波長範囲の光を放出することができる色変換フィルムを記載する。幾つかの実施の形態においては、色変換フィルムは、透明基材層を更に備え得る。幾つかの実施の形態においては、透明基材層は2つの対置表面を備え、色変換層は対置表面の1つに配置される。
幾つかの実施の形態は、色変換フィルムを作製する方法を含み、該方法は、少なくとも1つの前述のフォトルミネッセンス錯体とバインダー樹脂を溶媒中に溶解させることと、透明基材の対置表面の1つに混合物を塗布することとを含む。
幾つかの実施の形態は、本明細書に記載の色変換フィルムを備えるバックライトユニットを含む。
幾つかの実施の形態は、本明細書に記載のバックライトユニットを備えるディスプレイデバイスを含む。
本出願は、優れた色域及び発光特性を有するフォトルミネッセンス錯体、該フォトルミネッセンス錯体を使用して色変換フィルムを製造する方法、並びに該色変換フィルムを備えるバックライトユニットを提供する。これらの実施の形態及びその他の実施の形態を、以下により詳細に説明する。
フォトルミネッセンス錯体の一実施形態の吸収スペクトル及び放出スペクトルを示すグラフである。 フォトルミネッセンス錯体の一実施形態の吸収スペクトル及び放出スペクトルを示すグラフである。
本開示は、フォトルミネッセンス錯体、及び色変換フィルムにおけるそれらの使用を記載している。フォトルミネッセンス錯体を使用して、色変換フィルム内での1つ以上の所望の発光帯域幅の透過を改善及び増強することができる。幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、所望の第1の発光帯域幅の透過を増強するとともに、第2の発光帯域幅の透過を減少させることもできる。例えば、色変換フィルムは、2つ以上の色間のコントラスト又は強度を増強し、互いの識別を高めることができる。幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、2つの色間のコントラスト又は強度を増強し、それらの互いの識別を高めることができる。
本明細書において使用される場合に、化合物又は化学構造物が「置換された」と言及される場合に、これは1つ以上の置換基を含むことができる。置換された基は、非置換の親構造物から誘導され、その際、親構造物上の1つ以上の水素原子は、独立して1つ以上の置換基によって置き換えられている。置換基は、親基構造物上に1つ以上の置換基を有し得る。1つ以上の形態においては、置換基は、独立して、任意に置換されたアルキル、アルケニル、又はC~Cヘテロアルキルから選択され得る。
本明細書において使用される場合に、「アルキル」基という用語は、炭素-炭素二重結合又は三重結合を有さない炭化水素基を指す。「アルケン」部分は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合(-C=C-)を有する炭化水素基を指し、「アルキン」部分は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合(-C≡C-)を有する基を指す。アルキル部分、アルケン部分、又はアルキン部分は、分岐、直鎖、又は環状であり得る。
アルキル部分は、1個~6個の炭素原子を有し得る(本明細書に現れるかどうかにかかわらず、「1~6」等の数値範囲は、所与の範囲内の各整数を指す)。例えば、「1個~6個の炭素原子」は、アルキル基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、又は6個の炭素原子を有し得ること意味するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「アルキル」という用語の出現も包含する。本明細書で指定される化合物のアルキル基は、「C~Cアルキル」又は同様の呼称として指定され得る。ほんの一例として、「C~Cアルキル」は、アルキル鎖に1~6個の炭素原子が存在すること、すなわち、アルキル鎖がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル等の中から選択されることを示す。したがって、C~Cアルキルは、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキルを含む。アルキル基は、置換又は非置換であり得る。典型的なアルキル基としては、決して限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。
典型的なアルケン基としては、限定されるものではないが、エテニル、プロペニル、ブテニル等が挙げられる。
「芳香族」という用語は、4n+2(ここで、nは整数である)個のπ電子を含む非局在化π電子系を有する平面環を指す。芳香族環は、5個、6個、7個、8個、9個、又は10個以上の原子から形成され得る。芳香族環は、任意に置換されている場合がある。「芳香族」という用語は、炭素環式アリール(例えば、フェニル)及び複素環式アリール(すなわち「ヘテロアリール」又は「複素芳香族」)基(例えば、ピリジン)の両方を含む。この用語は、単環式基又は縮合環多環式(すなわち、隣接する炭素原子の対を共有する環)基を含む。
「炭化水素環」という用語は、炭素と水素のみを含む単環式基又は多環式基を指す。炭化水素環は飽和又は不飽和であり得る。単環式炭化水素環は、3個~12個の炭素原子を有し得る。単環式基の実例としては、以下の部分が挙げられる:
Figure 0007415034000003
多環式基の実例としては、以下の部分が挙げられる:
Figure 0007415034000004
本明細書において使用される場合に、「アリール」という用語は、環を形成する原子のそれぞれが炭素原子である芳香族環を指す。アリール環は、5個、6個、7個、8個、又は9個以上の炭素原子によって形成され得る。アリール基は、置換又は非置換であり得る。アリール基の例としては、限定されるものではないが、フェニル、ナフタレニル、フェナントレニル等が挙げられる。
「アラルキル」という用語は、本明細書で定義されるように、アリールで置換された、本明細書で定義されるようなアルキル基を指す。非限定的なアラルキル基としては、ベンジル、2-フェネチル、3-フェニルプロピル等が挙げられる。
「ヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素及び硫黄から選択される1つ以上の環ヘテロ原子を含むアリール基を指し、ヘテロアリール基は、その環系に4個~10個の原子を有するが、ただし、基の環が2つの隣接する酸素原子又は硫黄原子を含まない。ヘテロアリール環は、環内に追加のヘテロ原子を有することができることが理解される。2つ以上のヘテロ原子を有するヘテロアリール環において、それらの2つ以上のヘテロ原子は、互いに同じであっても異なっていてもよい。ヘテロアリール環は、任意に置換することができる。N含有ヘテロアリール部分は、環の骨格原子の少なくとも1つが窒素原子であるアリール基を指す。ヘテロアリール基の実例として、ピロール、イミダゾール、ピリジン等が挙げられる。
本明細書において使用される「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を意味する。
本明細書において使用される「結合」、「結合された」、「直接結合」、又は「単結合」という用語は、結合によってつなぎ合わされた原子がより大きな構造の一部であると見なされる場合の2つの原子間の又は2つの部分に対する化学結合を意味する。
本明細書において使用される「部分」という用語は、分子の特定のセグメント又は官能基を指す。化学的部分はしばしば、分子内に埋め込まれた、又は分子に追加された化学成分と認識される。
本明細書において使用される「シアノ」又は「ニトリル」という用語は、-CN官能基を含むあらゆる有機化合物を指す。
「エステル」という用語は、式-COOR(式中、Rは、アルキル、シクロアルキル、アリール、(環炭素を介して結合された)ヘテロアリール、及び(環炭素を介して結合された)複素環式部の中から選択される)を有する化学的部分を指す。本明細書において記載される化合物上のあらゆるヒドロキシ側鎖又はカルボキシル側鎖はエステル化されている場合がある。かかるエステルは、参考資料に容易に見出せる任意の適切な方法によって調製することができる。
本明細書において使用される場合に、「エーテル」という用語は、R-O-R’の一般式を有する2つのアルキル基又はアリール基に接続された酸素原子を含む化学的部分を指し、ここで、アルキル及びアリールという用語は、本明細書において定義される通りである。
本明細書において使用される場合に、「ケトン」という用語は、RC(=O)R’の一般式を有する2つのアルキル基又はアリール基に接続されたカルボニル基(炭素-酸素二重結合)を含む化学的部分を指し、ここで、アルキル及びアリールという用語は、本明細書において定義される通りである。
本明細書において使用される「BODIPY」という用語は、下記式:
Figure 0007415034000005
を有する化学的部分を指す。
BODIPY部分は、二置換ホウ素原子、典型的にはBF単位と錯形成されたジピロメテンから構成され得る。BODIPYコアのIUPAC名は、4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンである。
本明細書において使用される場合に、「ナフタル酸」又は「ナフタル酸誘導体」という用語は、以下の式を有する化学部分を指す:
Figure 0007415034000006
「~場合がある/~し得る(may)」又は「あり得る(may be)」という用語の使用は、「~である(is)」又は「~ではない(is not)」、或いは「~する(does)」若しくは「~しない(does not)」又は「~ことになる(will)」若しくは「~ことにはならない(will not)」等の簡略な表現として解釈されるべきである。例えば、「色変換フィルムは、透明基材層を更に備え得る」という記述は、例えば、「幾つかの実施形態においては、色変換フィルムは、透明基材層を更に備える」、又は「幾つかの実施形態においては、色変換フィルムは、透明基材層を更に備えない」と解釈されるべきである。
本開示は、第1の波長の光エネルギーを吸収し、第2のより高い波長の光エネルギーを放出するフォトルミネッセンス錯体に関する。本開示のフォトルミネッセンス錯体は、リンカーを介して結合された吸収発光部分と放出発光部分を含み、それらの距離が、吸収発光部分がそのエネルギーをアクセプター発光部分に移動させるように調整され、アクセプター発光部分は、次いで、吸収された第1の波長よりも大きい第2の波長で放出する。
幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、青色光吸収ナフタル酸誘導体と、リンカー基とホウ素-ジピロメテン(BODIPY)部分とを含む。幾つかの実施形態においては、リンカー基は、ナフタル酸誘導体をBODIPY部分に共有結合させ得る。幾つかの実施形態においては、ナフタル酸誘導体は、第1の励起波長の光を吸収し、エネルギーをBODIPY部分に移動させ、次いで、BODIPY部分は、第2の波長の光エネルギーを放出し、ここで、第2の波長の光エネルギーは、第1の波長よりも高い。励起されたナフタル酸誘導体からBODIPY部分へのエネルギー移動は、Forster共鳴エネルギー移動(FRET)を介して発生すると考えられる。この考えは、フォトルミネッセンス錯体の吸収/放出スペクトルによるものであり、1つは青色光吸収帯域(ナフタル酸誘導体)、もう1つはBODIPY吸収帯域にある2つの主要な吸収帯域があり、BODIPY部分の放出波長に放出帯域が1つだけある(図1及び図2を参照されたい)。
一実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、高い放出量子収率を有し得る。幾つかの実施形態においては、放出量子収率は、50%、60%、70%、80%、又は90%を超え、最大100%であり得る。幾つかの実施形態においては、放出量子収率は、50%、又は55%、又は60%、又は65%、又は70%、又は75%、又は80%、又は85%、又は90%、又は95%を超え、最大100%、50%~60%、60%~70%、70%~80%、80%~90%、90%~100%であり得る。放出量子収率は、放出された光子の数を吸収された光子の数で割ることによって測定することができ、これは発光部分の放出効率に等しい。幾つかの実施形態においては、吸収発光部分は、80%を超える放出量子収率を有し得る。幾つかの実施形態においては、量子収率は、0.8(80%)超、0.81(81%)超、0.82(82%)超、0.83(83%)超、0.84(84%)超、0.85(85%)超、0.86(86%)超、0.87(87%)超、0.88(88%)超、0.89(89%)超、0.9(90%)超、0.91(91%)超、0.92(92%)超、0.93(93%)超、0.94(94%)超、又は0.95(95%)超であり得る。フィルムにおける量子収率測定は、分光光度計、例えば、Quantaurus-QY分光光度計(Hamamatsu,Inc.、米国カリフォルニア州、キャンベル)によって実施され得る。
幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、40nm未満の半値全幅(FWHM)を有し得る放出帯域を有する。FWHMは、帯域についての最大放出強度の半分である放出強度でのナノメートル単位の放出帯域の幅である。幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、約35nm以下、約30nm以下、約25nm以下、又は約20nm以下の放出帯域のFWHM値を有する。
幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、45nm以上のストークスシフトを有し得る。本明細書において使用される場合、「ストークスシフト」という用語は、青色光吸収部分の励起ピークとBODIPY部分の放出ピークとの間の距離を意味する。
本開示のフォトルミネッセンス錯体は、調整可能な放出波長を有し得る。BODIPY部分に異なる置換基を置換することにより、放出波長は、510nmから約560nmの間、又は約610nmから約645nmの間、又はこれらの値のいずれかによって制限される範囲内のほぼ任意の波長に調整することができる。
幾つかの実施形態においては、青色光吸収部分は、約400nmから約470nmの波長の間にピーク吸収極大を有し得る。幾つかの実施形態においては、ピーク吸収は、約400nmから約405nm、約405nmから約410nm、約410nmから約415nm、約415nmから約420nm、約420nmから約425nm、約425nmから約430nm、約430nmから約435nm、約435nmから約440nm、約440nmから約445nm、約445nmから約450nm、約450nmから約455nm、約455nmから約460nm、約460nmから約465nm、約465nmから約470nmの間、又はこれらの値のいずれかによって制限される範囲内のほぼ任意の波長であり得る。
幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、510nmから560nmの間に放出ピークを有し得る。幾つかの実施形態においては、放出ピークは、約510nmから約515nm、約515nmから約520nm、約520nmから約525nm、約525nmから約530nm、約530nmから約535nm、約535nmから約540nm、約540nmから約545nm、約545nmから約550nm、約550nmから約555nm、約555nmから約560nmの間、又はこれらの値のいずれかによって制限される範囲内のほぼ任意の波長であり得る。
別の実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、610nmから645nmの間に放出ピークを有し得る。幾つかの実施形態においては、放出ピークは、610nmから約615nm、約615nmから約620nm、約620nmから約625nm、約625nmから約630nm、約630nmから約635nm、約635nmから約640nm、約640nmから約645nmの間、又はこれらの値のいずれかによって制限される範囲内のほぼ任意の波長であり得る。
他の実施形態は、青色光吸収ナフタル酸誘導体のエネルギーをBODIPY部分に移動させるために、青色光吸収ナフタル酸誘導体及びBODIPY部分の空間距離がリンカー基を介して調整されるフォトルミネッセンス錯体を含む。
本開示は、フォトルミネッセンス錯体を記載し、該フォトルミネッセンス錯体は、青色光吸収ナフタル酸誘導体と、リンカー基と、BODIPY部分とを含み得る。リンカー基は、青色光吸収ナフタル酸誘導体をBODIPY部分に共有結合させる。幾つかの実施形態においては、ナフタル酸誘導体は、第1の励起波長の光エネルギーを吸収し、エネルギーをBODIPY部分に移動させ、BODIPY部分は、ナフタル酸誘導体からエネルギーを吸収し、第2のより高い波長の光エネルギーを放出し、フォトルミネッセンス錯体は80%を超える放出量子収率を有する。
幾つかの実施形態は、青色光吸収ナフタル酸誘導体を含み、青色光吸収ナフタル酸誘導体は、以下の一般式:
Figure 0007415034000007
(式中、XはNR又はOとすることができ、nは0又は1であり、RはH、置換アリール、置換アリールリンカー又は置換エステルリンカーであり、R10はH、メチル、カルバゾールを形成する隣接するフェニル環への直接結合又は置換エステルリンカーであり、R11はH又はメチルである)であり得る。
幾つかの実施形態においては、XはNRである。幾つかの実施形態においては、XはOである。
幾つかの実施形態においては、nは0である。幾つかの実施形態においては、nは1である。
幾つかの実施形態においては、Rは置換Hである。幾つかの実施形態においては、Rは置換フェニルである。幾つかの実施形態においては、Rはリンカー基である。
幾つかの実施形態においては、R10はメチルである。幾つかの実施形態においては、R10はHである。幾つかの実施形態においては、R10はリンカー基である。幾つかの実施形態においては、R10は、カルバゾールを形成する隣接するフェニル環への直接結合である。
幾つかの実施形態においては、R11はメチルである。幾つかの実施形態においては、R11はHである。
幾つかの実施形態においては、XはNRとすることができ、nは0とすることができ、Rは置換エステルリンカーとすることができ、R10はHとすることができ、R11はHとすることができる。
幾つかの実施形態においては、XはNRとすることができ、nは1とすることができ、Rは置換エステルリンカーとすることができ、R10はHとすることができ、R11はHとすることができる。
幾つかの実施形態においては、XはNRとすることができ、nは1とすることができ、Rは置換エステルリンカーとすることができ、R10はメチルとすることができ、R11はメチルとすることができる。
幾つかの実施形態においては、XはNRとすることができ、nは1とすることができ、Rは置換エステルリンカーとすることができ、R10はカルバゾールを形成する隣接するフェニル環への直接結合とすることができ、R11はHとすることができる。
幾つかの実施形態においては、XはNRとすることができ、nは0とすることができ、Rは置換アリールとすることができ、R10は置換エステルリンカーとすることができ、R11はHとすることができる。
幾つかの実施形態においては、XはNRとすることができ、nは1とすることができ、Rはアラルキルリンカーとすることができ、R10はHとすることができ、R11はHとすることができる。
幾つかの実施形態においては、XはOとすることができ、nは1とすることができ、R10は置換エステルリンカーとすることができ、R11はHとすることができる。
幾つかの実施形態においては、Rは、置換アリールであり、ここで、置換アリールは、
Figure 0007415034000008
であり得る。
当業者はまた、R10及びR11の置換基がそれらのそれぞれのフェニル環の任意の位置で置換され得ることを認識するであろう。本明細書で提供される構造式は、多くの可能な位置異性体の1つを描写し得るが、これらの構造は例示にすぎず、本開示は、任意の特定の異性体状態に限定されず、ナフタル酸誘導体のありとあらゆる可能な位置異性体状態が、本開示の範囲内に入ることが意図されていることが理解される。
幾つかの実施形態においては、リンカー基は、青色吸収ナフタル酸誘導体をBODIPY部分と共有結合させる。リンカー基を変更して、青色光吸収ナフタル酸誘導体とBODIPY部分との間の空間距離を調整することができる。ナフタル酸誘導体とBODIPY部分との間の空間距離を最適化することにより、量子収率を調整することができる。
幾つかの実施形態においては、Lは、リンカー基を表し得る。リンカー基は、置換エステルリンカーを含み得る。置換エステルリンカーは、以下の構造のうちの1つを含み得る:
Figure 0007415034000009
幾つかの実施形態においては、リンカー基は、置換されたアラルキルリンカーを含み得る。幾つかの実施形態においては、置換されたアラルキルリンカーは、
Figure 0007415034000010
であってもよい。
本開示のフォトルミネッセンス錯体は、BODIPY部分を含み得る。BODIPY部分は、下記化学式:
Figure 0007415034000011
(式中、R及びRは、独立して、水素(H)、アルキル基、アルケン基、又はアルキン基であり、
及びRは、独立して、H又はC~Cアルキルであり、
及びRは、独立して、水素(H)、アルキル基、アルケン基、アルキン基、シアノ(-CN)、エステル(-COOCHCH)、又はアリールエステル(-COOCHAr)であり、
及びRはともに連結して、追加の単環式炭化水素環構造、又は多環式炭化水素環構造を形成してもよく、
及びRはともに連結して、追加の単環式炭化水素環構造、又は多環式炭化水素環構造を形成してもよく、
はアラルキルリンカー、又は下記構造:
Figure 0007415034000012
の置換アリール部分であってもよく、
及びRは、独立して、H、メチル、フッ化物、塩化物、又はアルコキシ基(メトキシ等)であり、
Lはリンカー基を表す)を有し得る。
幾つかの実施形態においては、Rはメチルである。幾つかの実施形態においては、RはHである。
幾つかの実施形態においては、Rはメチルである。幾つかの実施形態においては、RはHである。
幾つかの実施形態においては、Rはメチルである。幾つかの実施形態においては、RはHである。
幾つかの実施形態においては、Rはメチルである。幾つかの実施形態においては、RはHである。
幾つかの実施形態においては、R、R、R、及びRはメチルである。
幾つかの実施形態においては、Rはシアノである。幾つかの実施形態においては、Rは、アルキルエステル又はアリールエステルである。幾つかの実施形態においては、Rは、アリールエステルである。幾つかの実施形態においては、Rはアルキルエステルである。
幾つかの実施形態においては、Rはシアノである。幾つかの実施形態においては、Rは、アルキルエステル又はアリールエステルである。幾つかの実施形態においては、Rは、アリールエステルである。幾つかの実施形態においては、Rはアルキルエステルである。
幾つかの実施形態においては、R及びRはシアノである。幾つかの実施形態においては、R及びRは、アルキルエステル又はアリールエステルである。幾つかの実施形態においては、R及びRは、アリールエステルである。幾つかの実施形態においては、R及びRは、アルキルエステルである。
幾つかの実施形態においては、R及びRはともに連結して、多環式炭化水素環構造を形成する。
幾つかの実施形態においては、R及びRはともに連結して、多環式炭化水素環構造を形成する。
幾つかの実施形態においては、Rは、H、メチル、ハロゲン、又はメトキシ基である。幾つかの実施形態においては、Rは、メチル、フッ化物、塩化物又はメトキシ基である。幾つかの実施形態においては、Rはメチルである。
幾つかの実施形態においては、Rは、H、メチル、ハロゲン、又はメトキシ基である。幾つかの実施形態においては、Rは、メチル、フッ化物、塩化物又はメトキシ基である。幾つかの実施形態においては、Rはメチルである。
幾つかの実施形態においては、R及びRは、H、メチル、ハロゲン、又はメトキシ基である。幾つかの実施形態においては、R及びRは、独立して、メチル、フッ化物、塩化物又はメトキシ基である。幾つかの実施形態においては、R及びRはメチルである。
本開示のBODIPY部分は、R、R、R及びRがそれぞれメチルであり、R及びRがシアノ基であり、R及びRがそれぞれメチルであり、Gが置換エステルリンカーを含む置換アリール部分を含むBODIPY部分であり得る。
幾つかの実施形態においては、本開示のBODIPY部分は、R、R、R及びRがそれぞれメチルであり、R及びRが置換エステル基であり、置換エステル基がアルキル鎖を含み、R及びRがそれぞれメチルであり、Gが置換エステルリンカーを含む置換アリール部分を含む、BODIPY部分であり得る。
幾つかの実施形態においては、R、R、R及びRはそれぞれメチルであり、R及びRは置換エステル基であり、置換エステル基はアリール基を含み、R及びRはそれぞれ、メチル、フッ化物、塩化物、又はアルコキシ基から選択され、Gは、置換エステルリンカーを含む置換アリール部分を含む。
幾つかの実施形態においては、R及びRは、ともに連結して、多環式炭化水素環構造を形成することができ、R及びRはメチルであり、RとRは、ともに連結して、多環式炭化水素環構造を形成することができ、R及びRは、H、メチル、又はアルコキシ基から選択することができ、Gは、置換エステルリンカーを含む置換アリール部分を含む。
幾つかの実施形態においては、R及びRは、置換エステルとすることができ、ここで、置換エステルは、アリールエステルである。アリールエステルは以下の構造:
Figure 0007415034000013
であり得る。
幾つかの実施形態においては、R及びRは、置換エステルとすることができ、ここで、置換エステルは、アルキルエステルである。アルキルエステルは以下の構造:
Figure 0007415034000014

であり得る。
本開示のフォトルミネッセンス錯体は、BODIPY部分を含み得る。BODIPY部分は以下の化学式:
Figure 0007415034000015
(式中、R及びRはともに連結して、追加の単環式炭化水素環構造、又は多環式炭化水素環構造を形成してもよく、
及びRはHとしてもよく、
及びRはともに連結して、追加の単環式炭化水素環構造、又は多環式炭化水素環構造を形成してもよく、
及びRは、独立して、H、ハロゲン、メチル、又はアルコキシ基としてもよく、
Lは、置換エステルリンカーを含むリンカー基を表す)を有し得る。
幾つかの実施形態においては、R及びRはともに連結して、追加の単環式炭化水素環構造、又は多環式炭化水素環構造を形成してもよい。R及びRがともに連結されて単環式炭化水素環構造を形成する実施形態においては、構造は以下から選択され得る:
Figure 0007415034000016
及びRがともに連結されて多環式炭化水素環構造を形成する幾つかの実施形態においては、構造は、以下から選択され得る:
Figure 0007415034000017
幾つかの実施形態においては、R及びRはともに連結して、追加の単環式炭化水素環構造、又は多環式炭化水素環構造を形成してもよい。R及びRがともに連結されて単環式炭化水素環構造を形成する幾つかの実施形態においては、構造は以下から選択され得る:
Figure 0007415034000018
及びRがともに連結されて多環式炭化水素環構造を形成する幾つかの実施形態においては、構造は以下から選択され得る:
Figure 0007415034000019
幾つかの実施形態においては、青色光吸収ナフタル酸誘導体とBODIPY部分とを分離する距離は、約8Å以上であり得る。リンカー基は、青色光吸収ナフタル酸誘導体とBODIPY部分との間の所望の距離を維持し得る。
幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、リンカー基を含み、リンカー基は、青色光吸収ナフタル酸誘導体をBODIPY部分に共有結合させる。幾つかの実施形態においては、リンカー基は、任意に置換されたC~C16エステル基を含み得る。リンカー基が置換エステル基を含む場合、リンカー基は、以下のいずれかから選択することができる:
Figure 0007415034000020
幾つかの実施形態においては、BODIPY部分は、下記化学式:
Figure 0007415034000021
(式中、R~Rは上記の通りであり、L’はアラルキルリンカーであり得る)を有し得る。
幾つかの例では、アラルキルリンカーは、
Figure 0007415034000022
であり得る。
本開示のフォトルミネッセンス錯体は、以下によって表すことができ、これは例示の目的で提供され、決して限定として解釈されるべきではない:
Figure 0007415034000023

Figure 0007415034000024

Figure 0007415034000025
Figure 0007415034000026
Figure 0007415034000027
幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、青色光吸収ナフタル酸誘導体を含む。青色光吸収ナフタル酸誘導体は、有機ルミフォア(lumiphore)を含み得る。幾つかの実施形態においては、ナフタル酸誘導体は、400nm~約480nm、約400nm~約410nm、約410nm~約420nm、約420nm~約430nm、約430nm~約440nm、約440nm~約450nm、約450nm~約460nm、約460nm~約470nm、約470nm~約480nm、又はこれらの値のいずれかによって制限される範囲のほぼ任意の波長の範囲の光において最大吸収を有し得る。幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、約450nmの吸収極大ピークを有し得る。他の実施形態においては、青色光吸収ナフタル酸誘導体は、約405nmの最大ピーク吸収を有し得る。更に他の実施形態においては、青色光吸収ナフタル酸誘導体は、約480nmの最大ピーク吸収を有し得る。
幾つかの実施形態は、色変換フィルムを含み、色変換フィルムは、樹脂マトリックスを含む色変換層と、樹脂マトリックス内に分散された上に記載されるフォトルミネッセンス錯体とを含む。幾つかの実施形態においては、色変換フィルムは、本明細書に記載の1つ以上の錯体を含むものとして説明することができる。
幾つかの実施形態においては、色変換フィルムは約1μm~約200μmの厚さ、約1μm~約5μm、約5μm~約10μm、約10μm~約15μm、約15μm~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約120μm、約120μm~約160μm、約160μm~約200μmの厚さ、又はこれらの値のいずれかによって制限される範囲のほぼ任意の厚さであり得る。
幾つかの実施形態においては、色変換フィルムは、400nm~約480nmの波長の光を吸収することができ、約510nm~約560nm及び/又は約610nm~約645nmの範囲の光を放出することができる。他の実施形態においては、色変換フィルムは、510nm~約560nmの範囲、610nm~約645nmの範囲、又はそれらの任意の組合せの光を放出することができる。
幾つかの実施形態においては、色変換フィルムは、透明基材層を更に含み得る。透明基材層は2つの対置表面を有することができ、ここで、色変換層は、発光源に隣接することになる透明層の表面上に配置され、それと物理的に接触し得る。透明基材は特に限定されるものではなく、当業者であれば、当該技術分野において使用されるものから透明基材を選択することができるであろう。透明基材の幾つかの非限定的な例としては、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMA(ポリメチルアクリレート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、CAB(セルロースアセテートブチレート)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、COC(シクロオレフィンコポリマー)、PGA(ポリグリコリド又はポリグリコール酸)、PLA(ポリ乳酸)、PCL(ポリカプロラクトン)、PEA(ポリエチレンアジペート)、PHA(ポリヒドロキシアルカノエート)、PHBV(ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート))、PBE(ポリブチレンテレフタレート)、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)が挙げられる。上記の樹脂のいずれかが、対応する/それぞれのモノマー及び/又はポリマーであり得る。
幾つかの実施形態においては、透明基材は、2つの対置表面を有し得る。幾つかの実施形態においては、色変換フィルムは、対置表面の一方に配置され、それと物理的に接触し得る。幾つかの実施形態においては、色変換フィルムが配置されていない透明基材の面は、光源に隣接している場合がある。基材は、色変換フィルムの作製の間に支持体として機能し得る。使用される基材の種類は特に限定されず、透明であり支持体として機能し得る限り、材料及び/又は厚さは限定されない。当業者であれば、支持基材としてどの材料及び厚さを使用すべきかを決定することができるであろう。
幾つかの実施形態は、色変換フィルムを作製する方法を含み、該方法は、本明細書に記載のフォトルミネッセンス化合物、及びバインダー樹脂を溶媒中に溶解することと、透明基材の表面に混合物を塗布することとを含む。
フォトルミネッセンス錯体(複数の場合がある)とともに使用することができるバインダー樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂及びそれらの鹸化生成物、AS樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホスホン酸(PVPA)、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン、ナイロン、セルロース樹脂、並びに酢酸セルロース樹脂等の樹脂が挙げられる。幾つかの実施形態においては、バインダー樹脂は、ポリエステル樹脂及び/又はアクリル樹脂であり得る。
錯体及び樹脂を溶解又は分散させるのに使用され得る溶剤としては、アルカン、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、及びオクタン、シクロアルカン、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、及びシクロオクタン、アルコール、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ウンデカノール、ジアセトンアルコール、及びフルフリルアルコール、Cellosolves(商標)、例えば、Methyl Cellosolve(商標)、Ethyl Cellosolve(商標)、Butyl Cellosolve(商標)、Methyl Cellosolve(商標)アセテート、及びEthyl Cellosolve(商標)アセテート、プロピレングリコール及びその誘導体、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、及びジプロピレングリコールジメチルエーテル、ケトン、例えば、アセトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、及びアセトフェノン、エーテル、例えば、ジオキサン及びテトラヒドロフラン、エステル、例えば、ブチルアセテート、アミルアセテート、エチルブチレート、ブチルブチレート、ジエチルオキサレート、エチルピルベート、エチル2-ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、メチルラクテート、エチルラクテート、及びメチル3-メトキシプロピオネート、ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、及びテトラクロロエタン、芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、及びクレゾール、及び/又は高極性溶剤、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、及びN-メチルピロリドンが挙げられ得る。
幾つかの実施形態は、バックライトユニットを含み、バックライトユニットは、前述の色変換フィルムを備え得る。
他の実施形態は、本明細書に記載されるバックライトユニットを備え得るディスプレイデバイスを記載し得る。
特段の指示がない限り、本明細書及び実施形態において使用される、成分の量、分子量、反応条件等のような特性を表すあらゆる数字は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されると理解されるべきである。したがって、反する指示がない限り、本明細書及び付属の実施形態に示される数値パラメーターは、得ることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、均等論の適用を制限する試みとしてではない。実施形態の範囲で、各数値パラメーターは、報告された有効桁数に照らして、通常の丸め技法を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。
開示されたプロセス及び/又は方法について、プロセス及び方法において発揮される機能は、文脈によって示され得るように、様々な順序で実現され得る。さらに、概説された工程及び操作は例として示されているにすぎず、一部の工程及び操作は、任意であるか、より少ない工程及び操作にまとめられるか、又は追加の工程及び操作に拡張され得る。
本開示は時々、異なる他の構成要素内に含まれる、又はそれらと関連する異なる構成要素を説明する場合がある。そのような表された構成は単なる例示であり、同じ又は類似の機能を達成する多くの他の構成を実現することができる。
概して、本開示及び付属の実施形態(例えば付属の実施形態の本文)において使用される用語は、「オープン」な用語として意図されている(例えば、用語「含む(including)」は、「限定されるものではないが、~を含む(including,but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「限定されるものではないが、~を含む(includes,but not limited to)」等と解釈されるべきである)。さらに、特定の数の要素が導入される場合に、これは、文脈によって示され得るように、少なくとも記載された数を意味すると解釈され得る(例えば、他の修飾語を持たない「2つの記載」のありのままの記載は2つ以上の記載の少なくとも2つの記載を意味する)。本開示において使用される場合に、2つ以上の代替用語を表す任意の離接語及び/又は離接句は、用語の一方、用語のいずれか、又は両方の用語を含む可能性を企図するように理解されるべきである。例えば、語句「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されることになる。
本開示を説明する文脈において(特に以下の実施形態の文脈において)使用される用語「単数形("a","an","the")」及び同様の指示対象は、本明細書において特段の指示がない限り、又は文脈により明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を対象に含めると解釈されるべきである。本明細書において示されるありとあらゆる例、又は代表的な文言(例えば、「等(such as)」)の使用は、単に本開示をより良好に明らかにすることが意図されており、任意の実施形態の範囲に対する制限をもたらすものではない。本明細書における文言は、本開示の実施に不可欠な具体化されていないあらゆる要素を示すものとして解釈されるべきではない。
本明細書に開示される代替的な要素又は実施形態の群分けは、限定として解釈されるべきではない。各群の成員は、個別に又は群の他の成員若しくは本明細書に見られる他の要素と任意に組み合わせて参照され、具体化され得る。利便性及び/又は特許性の理由から、群の1つ以上の成員を群に含めることも、又は群から削除することもできると予想される。そのような包含又は削除が行われる場合、本明細書は、変更された群を含むため、付属の実施形態において使用される全てのマーカッシュ群の記述を満たすと考えられる。
本開示を実施するために本発明者らに知られるベストモードを含めて、或る特定の実施形態が本明細書に記載されている。当然ながら、これらの記載された実施形態の変形形態は、上述の説明を読めば、当業者に明らかになるであろう。本発明者は、当業者が必要に応じてそのような変形形態を使用することを予想し、本発明者らは、本明細書において具体的に記載される以外の方法で本開示が実施されることを意図している。したがって、実施形態には、適用法によって認められるように、実施形態において記載される主題のあらゆる変更形態及び均等物が含まれる。さらに、本明細書において特段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形形態における上記の要素のあらゆる組合せが企図される。最後に、本明細書において開示される実施形態は、実施形態の原理の例示であることが理解されるべきである。使用され得る他の変更形態は、実施形態の範囲内である。したがって、限定されるものではないが、例として、本明細書の教示に従って代替的な実施形態を利用することができる。したがって、実施形態は、厳密に示され、記載されている実施形態に限定されない。
実施形態
実施形態1.フォトルミネッセンス錯体であって、
一般式:
Figure 0007415034000028
(式中、XはNR又はOであり、nは0又は1の整数であり、RはH、置換アリール、置換アリールリンカー又は置換エステルリンカーから選択され、R10はH、メチル、カルバゾールを形成する隣接するフェニル環への直接結合又は置換エステルリンカーから選択され、R11はH又はメチルである)の青色光吸収ナフタル酸誘導体と、
置換エステルであるリンカー基と、
ホウ素-ジピロメテン(BODIPY)部分と、
を含み、
リンカー基は、ナフタル酸誘導体をBODIPY部分に共有結合させ、ナフタル酸誘導体は、第1の励起波長の光エネルギーを吸収し、エネルギーをBODIPY部分に移動させ、BODIPY部分は、ナフタル酸誘導体からエネルギーを吸収し、第2のより高い波長の光エネルギーを放出し、フォトルミネッセンス錯体は80%を超える放出量子収率を有する、フォトルミネッセンス錯体。
実施形態2.XがNであり、nが0であり、Rが置換エステルリンカーであり、R10がHであり、R11がHである、実施形態1に記載のナフタル酸誘導体。
実施形態3.XがNであり、nが1であり、Rが置換エステルリンカーであり、R10がHであり、R11がHである、実施形態1に記載のナフタル酸誘導体。
実施形態4.XがNであり、nが1であり、Rが置換エステルリンカーであり、R10がメチルであり、R11がメチルである、実施形態1に記載のナフタル酸誘導体。
実施形態5.XがNであり、nが1であり、Rが置換エステルリンカーであり、R10がカルバゾールを形成する隣接するフェニル環への直接結合であり、R11がHである、実施形態1に記載のナフタル酸誘導体。
実施形態6.XがNであり、nが0であり、Rが置換アリールであり、R10が置換エステルリンカーであり、R11がHである、実施形態1に記載のナフタル酸誘導体。
実施形態7.XがOであり、nが1であり、RがHであり、R10が置換エステルリンカーであり、R11がHである、実施形態1に記載のナフタル酸誘導体。
実施形態8.置換アリールが以下の構造のうちの1つから選択される、実施形態6に記載のナフタル酸誘導体:
Figure 0007415034000029
実施形態9.BODIPY部分が一般式:
Figure 0007415034000030
(式中、R及びRは、独立して、水素(H)、アルキル基、アルケン基、又はアルキン基から選択され、
及びRは、独立して、H又はC~Cアルキルから選択され、
及びRは、独立して、水素(H)、アルキル基、アルケン基、アルキン基、シアノ(-CN)、エステル(-COOCHCH)、又はアリールエステル(-COOCHAr)から選択され、
及びRはともに連結して、追加の単環式炭化水素環構造、又は多環式炭化水素環構造を形成してもよく、
及びRはともに連結して、追加の単環式炭化水素環構造、又は多環式炭化水素環構造を形成してもよく、
及びRは、独立して、H、メチル、フッ化物、塩化物、又はアルコキシ基から選択することができ、
Lは、置換エステルリンカーを含むリンカー基を表す)
である、実施形態1に記載のフォトルミネッセンス錯体。
実施形態10.R、R、R及びRがメチルであり、R及びRが置換エステルから選択され、R及びRがメチルであり、Lがリンカー基である、実施形態9に記載のBODIPY部分。
実施形態11.R、R、R及びRがメチルであり、R及びRがシアノであり、R及びRがメチルであり、Lがリンカー基である、実施形態9に記載のBODIPY部分。
実施形態12.R、R、R及びRがメチルであり、R及びRがアリールエステルであり、R及びRがメチル、フッ化物、塩化物、又はエーテル基から選択され、Lはリンカー基である、実施形態9に記載のBODIPY部分。
実施形態13.BODIPY部分が一般式:
Figure 0007415034000031
(R及びRは、ともに連結して、追加の多環式炭化水素環構造を形成し、
及びRはメチルであり、
及びRは、ともに連結して、追加の多環式炭化水素環構造を形成し、
及びRは、独立して、H、メチル又はアルコキシ基から選択することができ、
Lは、置換エステルリンカーを含むリンカー基を表す)である、実施形態1に記載のフォトルミネッセンス錯体。
実施形態14.R及びRがともに連結して炭化水素環構造を形成し、R及びRがメチルであり、R及びRがともに連結して多環式炭化水素環構造を形成してもよく、R及びRがH、メチル、又はエーテル基から選択され、Lがリンカー基である、実施形態13に記載のBODIPY部分。
実施形態15.リンカー基の置換エステルが、以下の構造のうちの1つから選択される、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、及び14に記載のフォトルミネッセンス錯体:
Figure 0007415034000032
実施形態16.リンカー基が置換アリールリンカーを含んでもよく、幾つかの実施形態においては、置換アルキルリンカーが、
Figure 0007415034000033
であってもよい、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、及び14に記載のフォトルミネッセンス錯体。
実施形態17.錯体が、以下の構造のいずれか1つから選択される、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、及び14に記載のフォトルミネッセンス錯体:
Figure 0007415034000034
Figure 0007415034000035

Figure 0007415034000036

Figure 0007415034000037
Figure 0007415034000038
実施形態18.色変換フィルムであって、
透明基材層と、
樹脂マトリックスを含む色変換層と、
樹脂マトリックス内に分散された実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14に記載のフォトルミネッセンス化合物を含む少なくとも1つのフォトルミネッセンス錯体と、
を含む、色変換フィルム。
実施形態19.一重項酸素消光剤を更に含む、実施形態18に記載の色変換フィルム。
実施形態20.遊離基捕捉剤を更に含む、実施形態18に記載の色変換フィルム。
実施形態21.フィルムは、10μmから200μmの間の厚さを有する、実施形態18に記載の色変換フィルム。
実施形態22.フィルムが、約400nm~約480nmの波長範囲の光を吸収し、510nm~約560、及び575nm~約645nmの波長範囲の光を放出する、実施形態17に記載の色変換フィルム。
実施形態23.実施形態18、19、20、及び21に記載の色変換フィルムを作製する方法であって、
実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、及び14に記載のフォトルミネッセンス錯体、及びバインダー樹脂を溶媒中に溶解することと、
透明な基材の対置表面の1つに混合物を塗布することと、
を含む、方法。
実施形態24.実施形態18、19、20、21、又は22に記載の色変換フィルムを備えるバックライトユニット。
実施形態25.実施形態24に記載のバックライトユニットを備えるディスプレイデバイス。
本明細書に記載のフォトルミネッセンス錯体の実施形態は、色変換フィルムで使用される他の形態の染料と比較して改善された性能を有することが発見された。これらの利点は、以下の例によって更に示され、これらの例は、開示を説明することを目的とするにすぎず、範囲又は基本的な原則を制限することを何ら意図するものではない。
例1.1 比較例1(CE-1):
Figure 0007415034000039
CE-1:0.75gの4-ヒドロキシル-2,6-ジメチルベンズアルデヒド(5mmol)及び1.04gの2,4-ジメチルピロール(11mmol)を、100mLの無水ジクロロメタン中に溶解した。溶液を30分間脱ガスした。次に、1滴のトリフルオロ酢酸を加えた。溶液をアルゴンガス雰囲気下で室温にて一晩撹拌した。得られた溶液にDDQ(2.0g)を加え、混合物を一晩撹拌した。翌日、溶液を濾過した後に、ジクロロメタンで洗浄して、ジピロールメタン(1.9g)を得た。次に、1.0gのジピロールメタンを60mLのTHF中に溶解した。5mLのトリメチルアミンを溶液に加えた後に、10分間脱ガスした。脱ガスした後に、5mLのトリフルオロホウ素-ジエチルエーテルをゆっくりと加え、引き続き70℃で30分間加熱した。得られた溶液をシリカゲル上にロードし、溶離液としてジクロロメタンを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の画分を収集し、減圧下で乾燥させて、0.9gの橙色の固体を得た(76%の収率)。LCMS(APCI+):C2124BFOについての計算値(M+H)=369;実測値:369。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 6.64(s,2H)、5.97(s,2H)、4.73(s,1H)、2.56(s,6H)、2.09(s,6H)、1.43(s,6H)。
例1.2 比較例2(CE-2):(Wakamiya, Atsushi et al. Chemistry Letters, 37(10), 1094-1095; 2008に記載される通りに合成した)
例2:フォトルミネッセンス錯体の合成:
例2.1:PLC-1
Figure 0007415034000040
化合物1.1:エタノール(20mL)中の4-ブロモ-1,8-ナフタル酸無水物(5.5g、20mmol)、4-ブチル-アニリン(3.58g、25mmol)の混合物を脱ガスし、一晩(16時間)加熱還流した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、固体をメタノールで洗浄し、空気で乾燥させて、灰白色の固体(7.48g、92%の収率)を得た。LCMS(APCI-):C2218BrNOについての計算値(M-):408;実測値:408。
化合物1.2:無水トルエン(25mL)中の化合物1.1(1.0g、2.45mmol)、N,N’-ジフェニルアミン(0.62g、3.7mmol)、Pd(dppf)Cl(0.15g、0.2mmol)及びナトリウムt-ブトキシド(0.36g、3.7mmol)の混合物を脱ガスし、110℃で一晩加熱した。得られた混合物をシリカゲルにロードし、ジクロロメタン/ヘキサン(0%→90%ジクロロメタン)の溶離液を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。主な橙色の画分を収集し、溶媒を除去した後、0.6gの橙色の固体を得た(50%の収率)。LCMS(APCI):C3428についての計算値(M-):496;実測値:496。H NMR(400MHz,TCE) δ 8.48~8.37(m,2H)、8.15(dd,J=8.6,1.2Hz,1H)、7.46(dd,J=8.6,7.2Hz,1H)、7.31(dd,J=8.2,6.6Hz,3H)、7.25~7.17(m,4H)、7.16~7.10(m,2H)、7.06~6.95(m,6H)、2.69~2.60(m,2H)、1.67~1.55(m,2H)、1.36(dt,J=14.8,7.3Hz,2H)、0.86(dt,J=24.8,7.3Hz,3H)。
化合物1.3及び化合物1.4:10mLのジクロロエタン中の化合物1.2(200mg、0.40mmol)及びメチル4-クロロ-4-オキソブチレート(120mg、0.8mmol)の溶液に、ジエチルエーテル中の0.8mLの1.0M ZnCl溶液を加えた。全体を30分間脱ガスし、次いで66℃で一晩加熱した。室温まで冷却した後、混合物を100mLのジクロロメタンに溶解し、NHCl水溶液、次いでブラインで洗浄した。有機相を収集し、NaSOで乾燥し、シリカゲルにロードし、ジクロロメタン/酢酸エチル(0%→100%酢酸エチル)の溶離液を使用するフラッシュクロマトグラフィーで精製した。所望の画分(最も極性の高い画分)を回収し、溶媒を除去した後、橙色の固体が得られた(100mg、42%の収率)。LCMS(APCI):C3831についての計算値(M-H):595;実測値:595。
PLC-1:ジクロロメタン(5mL)中の化合物1.4(40mg、0.067mmol)、ジベンジル5,5-ジフルオロ-10-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート)(38mg、0.06mmol)、DMAP/TsOH塩(29mg、0.1mmol)、及びDIC(30mg、0.2mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物をシリカゲルにロードし、DCM/酢酸エチル(0%→30%酢酸エチル)の溶離液を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の画分を回収し、溶媒を除去した後、橙色の固体が得られた(5mg、7%の収率)。LCMS(APCI):C7565BFについての計算値(M-):1214:実測値:1214。
例2.2:PLC-2
Figure 0007415034000041
化合物2.1(5,5-ジフルオロ-10-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボニトリル):化合物2.1を、米国仮特許出願第62/986,462号に記載されるように合成した。
PLC-2:DCM(5mL)中の化合物1.4(40mg、0.067mmol)、5,5-ジフルオロ-10-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボニトリル(25mg、0.06mmol)、DMAP/p-TsOH塩(30mg、0.1mmol)、及びDIC(30mg、0.24mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物をシリカゲルにロードし、DCM/酢酸エチル(0%→35%酢酸エチル)の溶離液を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の画分を回収し、溶媒を除去した後、橙色の固体が得られた(5mg、8%の収率)。LCMS(APCI):C6151BFについての計算値(M-):996;実測値:996。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.66~8.58(m,2H)、8.19(dd,J=8.6,1.1Hz,1H)、7.93~7.85(m,2H)、7.61(dd,J=8.5,7.2Hz,1H)、7.52(d,J=7.9Hz,1H)、7.36(dt,J=8.4,3.7Hz,4H)、7.25~7.14(m,6H)、7.09~7.04(m,2H)、7.01~6.93(m,2H)、3.37(t,J=6.3Hz,2H)、3.00(t,J=6.2Hz,2H)、2.73(s,6H)、2.69(d,J=7.8Hz,2H)、2.12(d,J=0.8Hz,6H)、1.73~1.64(m,2H)、1.62(s,6H)、1.47~1.35(m,2H)、0.96(t,3H)。
例2.3:PLC-3
Figure 0007415034000042
化合物3.1:ジオキサン/水(10mL/2mL)中の化合物1.1(816mg、2mmol)、(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)ボロン酸(580mg、2mmol)、Pd(PPh(115mg、0.1mmol)、KCO(414mg、3mmol)の混合物を脱ガスし、100℃で一晩加熱した。室温まで冷却した後、黄色の沈殿物が形成される。濾過し、水、メタノールで洗浄した後、固体を収集し、真空で乾燥させた。固体をDCMに溶解し、DCM/ヘキサン(0%→80%DCM)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィーによって更に精製した。主な橙色の画分を収集し、溶媒を除去した後、黄色の固体を得た(1.0g、87.4%の収率)。LCMS(APCI):C4033についての計算値(M+H):573;実測値:573。
化合物3.2:20mLのDCE中の化合物3.1(458mg、0.8mmol)、メチル4-クロロ-4-オキソブチレート(240mg、1.6mmol)の混合物に、ジエチルエーテル中の1.0M ZnCl(1.0mL、1.0mmol)を加えた。全体を脱ガスした後、アルゴン雰囲気下、50℃で一晩加熱した。室温まで冷却した後、混合物をDCM/水で後処理した。有機相を収集し、MgSOで乾燥し、濃縮してシリカゲルにロードし、次いでDCM/酢酸エチル(0%→8%酢酸エチル)の溶離液を使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を集め、溶媒の除去により、所望の生成物を橙色の固体として得た(0.30g、50%の収率)。LCMS(APCI):C4539についての計算値(M+H):687;実測値:687。
化合物3.3:DCM/TFA(10mL/4mL)中の化合物3.2の溶液に、トリエチルシラン(1.5g、13mmol)を10時間にわたって10回に分けて加えた。溶媒を除去した後、残りの油性固体を10mLのDCMに再溶解し、ヘキサン/酢酸エチル(0%→20%酢酸エチル)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィーで精製した。主な画分を収集し、溶媒を除去して、橙色の固体を得た(0.23g、78%の収率)。LCMS(APCI):C4540についての計算値(M-):672;実測値:672。H NMR(400MHz,TCE) δ 8.59~8.52(m,2H)、8.43(dd,J=8.7,1.1Hz,1H)、7.70(t,J=7.6Hz,2H)、7.32(d,J=8.1Hz,4H)、7.25(dd,J=8.4,7.2Hz,2H)、7.18~7.09(m,6H)、7.07(s,4H)、7.01(t,J=7.3Hz,1H)、3.59(s,3H)、2.65(t,J=7.8Hz,2H)、2.56(t,J=7.5Hz,2H)、2.29(q,J=7.0,6.6Hz,2H)、1.89(p,J=7.4Hz,2H)、1.36(h,J=7.5Hz,2H)、0.90(t,J=7.3Hz,3H)。
化合物3.4:1-ブタノール(8mL)中の3.3(0.23g、0.34mol)の混合物に、5M KOH水溶液(0.7mL、3.4mmol)を加え、全体を90℃で1時間加熱した。反応混合物を減圧下で1mLに濃縮し、次いで10mLのメタノールで希釈し、20mLの1N HCl水溶液に滴下した。橙色の沈殿物が形成され、固体を濾過により収集し、水で洗浄し、真空中で乾燥させて、(定量的収率で)180mgの赤色の固体を得た。LCMS(APCI):C3425NOについての計算値(M-):527;実測値:527。
Figure 0007415034000043
化合物3.5(ジベンジル5,5-ジフルオロ-10-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート):250mLの丸底フラスコにおいて、40mL(241mmol)のtert-ブチル-3-オキソブタノエートを80mLの酢酸に溶解した。混合物を氷水浴で約10℃に冷却した。温度を15℃未満に保ちながら、亜硝酸ナトリウム(18g、262mmol)を1時間かけて加えた。冷浴を取り除き、混合物を室温で3.5時間撹拌した。不溶性物質を濾別してオキシムの粗溶液を得て、これを次の工程で更に精製することなく使用した。次に、50gの亜鉛末(0.76mol)を13.7mL(79mmol)のベンジル-3-オキソブチレート及び100mLの酢酸の混合物に少しずつ加えた。得られた混合物を油浴中で撹拌し、60℃に加熱した。硬化したtert-ブチル-2-(ヒドロキシイミノ)-3-オキソブタノエート溶液をゆっくりと加えた。次いで、温度を75℃に上げ、1時間撹拌した。次に、反応混合物を水(4L)に注いだ。沈殿物を収集し、濾過して、ベンジル2,4-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキシレートを得て、これをMeOHから白色固体として再結晶させ、ベンジル3-オキソブチレートに基づいて15g、65%の収率を得た。H NMR(400MHz,CDCl):8.88(br,s,1H,NH)、7.47~7.33(m,5H,C=CH)、5.29(s,2H,CH)、2.53、2.48(2s,6H,2CH)、1.56(s,9H,3CH)。
次に、25mLバイアルで、1g(4.36mmol)のベンジル2,4-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキシレート、0.524g(4.36mmol)のMgSOの混合物を8mLの無水DCEに溶解し、アルゴンガスの存在下、室温にて15分間撹拌した。0.327gの2,6ジメチル4-ヒドロキシベンズアルデヒド(2.18mmol)を少しずつ加え、バイアルをテフロン(登録商標)キャップで閉じた。得られた混合物をアルゴンで15分間パージし続け、TFA(3滴、触媒量)を加えた。反応混合物を65℃で16時間撹拌した。TLC及びLCMSは、出発物質が消費されたことを示した。粗生成物に、0.544g(2.398mmol)のDDQを一度に加えた。得られた混合物を室温で1/2時間撹拌した。TLC及びLCMSは、出発物質が消費されたことを示した。得られた混合物をセライトの短い経路により濾過し、濾液を濃縮乾固し、残留物をトリメチルアミン(1.4mL、19mmol)とともに室温で15分間撹拌した50mLのDCEに再溶解し、次いで0℃に冷却した。3mLのBF-OEt(18.36mmol)をゆっくりと加えた。得られた混合物を室温で1/2時間撹拌し、次いで86℃に45分間加熱した。次いで、反応混合物を150mLのCHClで希釈し、50mLのブラインでクエンチした。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、溶媒を回転蒸発により除去した。残留物を、溶離液としてCHCl/EtOAcを使用したシリカゲルのカラムでクロマトグラフィーにかけて、赤橙色の固体として1gの純粋なジベンジル5,5-ジフルオロ-10-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート)を2,6ジメチル-4-ヒドロキシベンズアルデヒドに基づいて72%の収率で得た。LCMS(APCI-)、C3735BFについての計算値(M-):636.26;実測値:636。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 7.42~7.28(m,4H)、6.66(d,J=0.7Hz,1H)、5.29(d,J=11.3Hz,2H)、2.82(s,3H)、2.04(d,J=5.4Hz,3H)、1.72(s,3H)。
PLC-3:DCM(5mL)中の化合物3.4(72mg、0.136mmol)、化合物3.5(ジベンジル5,5-ジフルオロ-10-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート)(64mg、0.1mmol)、DMAP/p-TsOH塩(59mg、0.2mmol)及びDIC(63mg、0.5mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を、DCM/酢酸エチル(0%→5%)の溶離液を使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を収集して濃縮し、固体をDCM/メタノール中での再沈殿によって更に精製して、橙色の固体(70mg、61%の収率)を得た。LCMS(APCI):C7158BFについての計算値(M-):1146;実測値:1146。
例2.4:PLC-4
Figure 0007415034000044
化合物4.1:3mLのエタノール中の化合物3.4(95mg、0.18mmol)、4-ブチルアニリン(30mg、0.2mmol)の溶液を、85℃で一晩加熱した。得られた溶液に0.1mLの35%HCl水溶液を加え、混合物を室温まで冷却した。濾過及び空気中での乾燥により、淡黄色の固体(90mg、76%の収率)を得た。LCMS(APCI):C4438についての計算値(M-):658;実測値:658。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.70~8.63(m,2H)、8.46(dd,J=8.5,1.2Hz,1H)、7.75(dd,J=9.3,7.5Hz,2H)、7.40(d,J=2.0Hz,1H)、7.39~7.27(m,5H)、7.26~7.17(m,6H)、7.15(s,4H)、7.13~7.05(m,1H)、2.75~2.64(m,4H)、2.43(t,J=7.4Hz,2H)、2.00(p,J=7.5Hz,2H)、1.68(p,J=7.6Hz,2H)、1.42(h,J=7.3Hz,2H)、0.96(t,J=7.3Hz,3H)。
化合物PLC-4:2mLのDCM中の化合物4.1(50mg、0.076mmol)、ジベンジル5,5-ジフルオロ-10-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート)(40mg、0.063mmol)、DMAP/p-TsOH塩(60mg、0.2mmol)、DIC(63mg、0.5mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を、DCM/酢酸エチル(0%→5%)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を収集して濃縮し、DCM/メタノール中での再沈殿によって更に精製して、橙色の固体(66mg、82%の収率)を得た。LCMA(APCI):C8171BFについての計算値(M-):1277;実測値:1277。
例2.5:PLC-5
Figure 0007415034000045
化合物5.1:30mLのプロピオン酸中の4-ブロモ-1,8-ナフタル酸無水物(2.5g、9mmol)、2,5-ジイソプロパニルアニリン(5mL、27mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気下で一晩加熱還流した。得られた混合物を室温まで冷却し、次いで濾過し、メタノールで洗浄し、空気中で乾燥させて、白色の固体(3.9g、99%の収率)を得た。LCMS(APCI):C2422BrNOについての計算値(M-):435;実測値:435。H NMR(400MHz) δ 8.64~8.54(m,2H)、8.36(d,J=7.8Hz,1H)、8.04(d,J=7.8Hz,1H)、7.84(dd,J=8.5,7.3Hz,1H)、7.39(t,J=7.7Hz,1H)、7.23(d,J=7.7Hz,2H)、2.59(p,J=6.8Hz,2H)、1.04(d,J=6.9Hz,12H)。
化合物5.2:無水トルエン(25mL)中の化合物5.1(1.0g、2.29mmol)、N,N’-ジフェニルアミン(0.62g、3.7mmol)、Pd(dppf)Cl(0.15g、0.2mmol)、及びナトリウムt-ブトキシド(0.36g、3.8mmol)の混合物を脱ガスし、110℃で一晩加熱した。得られた混合物をシリカゲルにロードし、ヘキサン/DCM(0%→20%DCM)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の画分を集め、溶媒を除去すると、固体(0.75g、62%の収率)が得られた。LCMS(APCI):C3633についての計算値(M+H):525;実測値:525。
化合物5.3.1及び化合物5.3.2:DCE(20mL)中の化合物5.2(0.4g、0.76mmol)の溶液に、メチル4-クロロ-4-オキソブチレート(0.24g、1.6mmol)及びジエチルエーテル中の1.0M ZnCl溶液(1.0mL、1.0mmol)を加えた。得られた混合物を脱ガスし、50℃で一晩加熱し、次いでヘキサン/DCM(50%→100%DCM)及びDCM/酢酸エチル(0%→60%酢酸エチル)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィー精製にかけた。2つの所望の画分を収集し、極性の低い画分を濃縮して赤色の固体を得て、これをエステル化合物5.3.1(250mg、52%の収率)として特徴付けた。LCMS(APCI):C4139についての計算値(M+H):639;実測値:639。最も極性の高い画分を濃縮して、酸として特徴付けられる別の赤色の固体、化合物5.3.2(62mg、12.6%の収率)を得た。LCMS(APCI):C4036についての計算値(M-):624;実測値:624。
PLC-5:DCM(5mL)中の化合物5.3.1(62mg、0.1mmol)、化合物3.5(ジベンジル5,5-ジフルオロ-10-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート)(57mg、0.09mmol)、DIC(63mg、0.5mmol)、DMAP/p-TsOH塩(60mg、0.2mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を、ヘキサン/酢酸エチル(0%→30%酢酸エチル)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィー精製にかけた。所望の画分を集めて濃縮し、黄色の固体(30mg、27%の収率)を得た。LCMS(APCI):C7769BFについての計算値(M+):1242;実測値:1242。H NMR(400MHz) δ 8.56~8.46(m,2H)、8.14(d,J=8.8Hz,1H)、7.81(d,J=8.8Hz,2H)、7.62~7.53(m,1H)、7.47(d,J=8.0Hz,1H)、7.39(t,J=7.8Hz,1H)、7.32~7.21(m,14H)、7.16(d,J=7.6Hz,3H)、6.93(d,J=7.9Hz,4H)、5.18(s,4H)、3.27(s,2H)、2.91(s,2H)、2.74(s,6H)、2.65(t,J=6.8Hz,2H)、2.03(s,6H)、1.62(s,6H)、1.07(d,J=6.8Hz,12H)。
例2.6:PLC-6
Figure 0007415034000046
PLC-6((T-4)-[2-[(4,5-ジヒドロ-3-メチル-2H-ベンズ[g]インドール-2-イリデン-κN)(3,5-ジメチル-4-(4-((2-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-6-イル)フェニル)メチル]-4,5-ジヒドロ-3-メチル-1H-ベンズ[g]インドラト-κN]ジフルオロボロン):DCM(5mL)中の4-(4-((2-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-6-イル)(フェニル)アミノ)フェニル)-4-オキソブタン酸(0.050mmol、31mg)、化合物20.3(下記参照)(0.055mmol、30mg)、DAMP/p-TsOH塩(60mg、0.2mmol)、DIC(63mg、0.5mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を、DCM/酢酸エチル(0%→5%酢酸エチル)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィー精製にかけた。粗生成物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(60%トルエン/ヘキサン(2CV)→100%トルエン(均一濃度))により精製した。生成物を含む画分を蒸発乾固させて37mg(64%の収率)を得た。MS(APCI):化学式:C7565BFについての計算値(M-)=1150 実測値:1150。H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d) δ 8.76(d,J=8.1Hz,2H)、8.60(dd,J=7.3,1.1Hz,1H)、8.59(d,J=7.9Hz,1H)、8.24(dd,J=8.6,1.2Hz,1H)、7.92(d,J=8.9Hz,2H)、7.66(dd,J=8.4,7.4Hz,1H)、7.56(d,J=7.9Hz,1H)、7.48(t,J=7.8Hz,1H)、7.46~7.37(m,4H)、7.37~7.28(m,6H)、7.27~7.22(m,3H)、7.03(d,J=9.1Hz,2H)、7.02(s,2H)、3.38(t,J=6.2Hz,2H)、3.03(t,J=6.2Hz,2H)、2.91(t,J=7.0Hz,4H)、2.74(hept,J=6.8Hz,2H)、2.56(t,J=7.1Hz,2H)、2.23(s,6H)、1.40(s,6H)、1.17(d,J=6.8Hz,12H)。
例2.7:PLC-7
Figure 0007415034000047
化合物7.1:60mLのエタノール中の4-ブロモ-1,8-ナフタル酸無水物(2.78g、10mmol)、ガンマ-アミノ酪酸t-ブチルエステル塩酸塩(2.35g、12mmol)、トリエチルアミン(1.21g、12mmol)の混合物をアルゴン下で一晩加熱還流した。混合物を室温まで冷却し、4時間静置した。濾過し、メタノールで洗浄し、続いて空気で乾燥すると、所望の生成物として淡黄色の固体が得られた(3.48g、83%の収率)。LCMS(APCI):C2020BrNOについての計算値(M+):418;実測値:418。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.68(dd,J=7.3,1.2Hz,1H)、8.59(dd,J=8.5,1.2Hz,1H)、8.43(d,J=7.8Hz,1H)、8.06(d,J=7.9Hz,1H)、7.87(dd,J=8.5,7.3Hz,1H)、4.25(dd,J=7.7,6.8Hz,2H)、2.38(t,J=7.5Hz,2H)、2.06(p,J=7.4Hz,2H)、1.44(s,9H)。
化合物7.2:無水トルエン(25mL)中の化合物7.1(1.0g、2.4mmol)、N,N’-ジフェニルアミン(0.62g、3.7mmol)、Pd(dppf)Cl(0.15g、0.2mmol)、ナトリウムt-ブトキシド(0.36g、3.7mmol)の混合物を脱ガスし、110℃で一晩加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を100mLのDCMで希釈し、固体を濾別し、溶液を25mLに濃縮し、次いで、DCM/酢酸エチル(0%→5%酢酸エチル)の溶離液を使用したカラムクロマトグラフィー精製にかけた。橙色の画分を収集し、溶媒を減圧下で除去して、橙色の固体(0.65g、53%の収率)を得た。LCMS(APCI):C3231についての計算値(M+H):507;実測値:507。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.58~8.49(m,4H)、8.20(dd,J=8.6,1.2Hz,2H)、7.51(dd,J=8.5,7.3Hz,2H)、7.39(d,J=8.0Hz,2H)、7.32~7.23(m,8H)、7.13~7.07(m,3H)、7.07~7.01(m,8H)、4.30~4.22(m,4H)、4.14(q,J=7.2Hz,1H)、2.38(dd,J=8.0,7.2Hz,4H)、2.13~2.01(m,5H)、1.28(t,J=7.1Hz,2H)。
化合物7.3:DCM/TFA(10mL/10mL)中の化合物7.2(0.65g)の溶液を室温で一晩撹拌し、次いで溶媒を減圧下で除去した。得られた油性固体を20mLのメタノールに再溶解し、次いでこの溶液を撹拌しながら水(100mL)に滴下した。得られた沈殿物を濾過し、空気中で乾燥させて、橙色の固体(0.45g、78%の収率)を得た。LCMS(APCI):C2823についての計算値(M+H):451;実測値:451。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.59~8.49(m,2H)、8.21(dd,J=8.5,1.1Hz,1H)、7.52(dd,J=8.5,7.2Hz,1H)、7.40(d,J=8.0Hz,1H)、7.33~7.24(m,4H)、7.14~7.02(m,6H)、4.30(t,J=6.9Hz,2H)、2.51(t,J=7.4Hz,2H)、2.14(p,J=7.2Hz,2H)。
PLC-7:DCM(5mL)中の化合物7.3(50mg、0.11mmol)、ジベンジル5,5-ジフルオロ-10-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート)(64mg、0.1mol)、DMAP/p-TsOH塩(59mg、0.2mmol)、DIC(63mg、0.5mmol)の混合物を室温で一晩撹拌し、次いでDCM/酢酸エチル(0%→10%酢酸エチル)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィー精製にかけた。所望の画分を収集し、溶媒を除去すると、橙色の固体(75mg、70%の収率)が得られた。LCMS(APCI):C6555BFについての計算値(M-):1068;実測値:1068。H NMR(400MHz,TCE) δ 8.57~8.37(m,2H)、8.15(dd,J=8.6,1.2Hz,1H)、7.48(dd,J=8.6,7.3Hz,1H)、7.38~7.28(m,11H)、7.23(dd,J=8.4,7.3Hz,4H)、7.09~6.93(m,8H)、5.23(s,4H)、4.27(t,J=7.0Hz,2H)、2.79(s,6H)、2.69(t,J=7.3Hz,2H)、2.17(t,J=7.1Hz,2H)、2.07(s,6H)、1.66(s,6H)。
例2.8:PLC-8
Figure 0007415034000048
化合物8.1:ジオキサン/水(10mL/2mL)中の化合物7.1(1.0g、2.4mmol)、(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)ボロン酸(0.69g、2.4mmol)、Pd(PPh(115mg、0.1mmol)、KCO(0.48g、3.5mmol)の混合物を脱ガスし、次いでアルゴン下80℃にて一晩加熱した。得られた混合物を50mLのトルエンで希釈し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、次いで溶媒を減圧下で除去した。得られた油性固体を10mLのDCMに溶解し、次いでヘキサン/酢酸エチル(0%→15%酢酸エチル)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィー精製にかけた。所望の画分を収集し、溶媒を除去すると、黄橙色の固体(1.28g、91.5%の収率)が得られた。LCMS(APCI):C3835についての計算値(M+H):583;実測値:583。H NMR(400MHz,TCE) δ 8.62~8.54(m,2H)、8.40(dd,J=8.5,1.2Hz,1H)、7.71(dt,J=7.3,4.1Hz,2H)、7.39~7.32(m,2H)、7.32~7.25(m,4H)、7.22~7.14(m,6H)、7.11~7.02(m,2H)、4.18(t,J=7.2Hz,2H)、2.33(t,J=7.6Hz,2H)、1.99(p,J=7.5Hz,2H)、1.39(s,9H)。
化合物8.2:DCM/TFA(1mL/1mL)中の化合物8.1(50mg)の溶液を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、残留固体を2mLのメタノールに溶解し、次いで水(5mL)に滴下した。沈殿物を濾過により収集し、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(36mg、78%の収率)。LCMS(APCI):C3427についての計算値(M+H):527;実測値:527。
PLC-8:DCM(5mL)中の化合物8.2(36mg、0.068mmol)、化合物3.5(38mg、0.06mmol)、DMAP/p-TsOH塩(59mg、0.2mmol)及びDIC(63mg、0.5mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を、DCM/酢酸エチル(0%→5%酢酸エチル)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィー精製にかけた。所望の画分を収集し、減圧下で濃縮した。固体をDCM/メタノール中で再沈殿させることにより更に精製して、橙色の固体(50mg、73%の収率)を得た。LCMS(APCI):C7160BFについての計算値(M+H):1145;実測値:1145。H NMR(400MHz,TCE) δ 8.56(dd,J=7.5,3.2Hz,2H)、8.38(d,J=8.5Hz,1H)、7.67(dt,J=8.1,4.1Hz,2H)、7.33~7.21(m,16H)、7.18~7.10(m,6H)、7.04(q,J=8.1,7.3Hz,2H)、6.88(s,2H)、5.18(s,4H)、4.26(t,J=6.9Hz,2H)、2.74(s,6H)、2.66(t,J=7.2Hz,2H)、2.22~2.10(m,2H)、2.01(s,6H)、1.60(s,6H)。
例2.9:PLC-9
Figure 0007415034000049
化合物9.1:エタノール(80mL)中の4-(4-アミノフェニル)ブタン酸(3.3g、18mmol)、4-ブロモ-1,8-ナフタル酸無水物(4.43g、16mmol)の混合物を一晩加熱還流した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、エタノールで洗浄し、空気で乾燥させて、淡黄色の固体(6.2g、88%の収率)を得た。LCMS(APCI):C2217BrNOについての計算値(M+H):438;実測値:438。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.70(dd,J=7.3,1.2Hz,1H)、8.63(dd,J=8.5,1.2Hz,1H)、8.45(d,J=7.9Hz,1H)、8.08(d,J=7.9Hz,1H)、7.88(dd,J=8.5,7.3Hz,1H)、7.42~7.34(m,2H)、7.27~7.19(m,2H)、2.78(t,J=7.6Hz,2H)、2.44(t,J=7.3Hz,2H)、2.11~1.99(m,2H)。
化合物9.2:エタノール/水(20mL/1mL)中の化合物9.1(1.0g、2.3mmol)、(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)ボロン酸(0.69g、2.4mmol)、Pd(PPh(115mg、0.1mmol)、KCO(0.48g、3.5mmol)の混合物を脱ガスし、アルゴン下で80℃にて一晩加熱した。得られた混合物を濾過し、エタノールで洗浄し、空気中で乾燥させて、固体(1.80g、定量的収率)を得た。LCMS(APCI):C4029についての計算値(M-K):602;実測値:602。H NMR(400MHz,TCE) δ 8.24(d,J=22.7Hz,2H)、8.10(d,J=8.2Hz,1H)、7.33(s,3H)、7.25(d,J=7.8Hz,3H)、7.20~7.07(m,7H)、7.06~6.91(m,17H)、2.61(bs,2H)、2.19(bs,2H)、1.89(bs,2H)。
PLC-9:DCM(5mL)中の化合物9.2(72mg、0.11mmol)、化合物3.5(50mg、0.079mmol)、DAMP/p-TsOH塩(60mg、0.2mmol)及びDIC(63mg、0.5mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を、DCM/酢酸エチル(0%→5%酢酸エチル)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィー精製にかけた。主要な画分を集め、溶媒を除去すると、橙色の固体(88mg、91%の収率)が得られた。LCMS(APCI):C7763BFについての計算値(M-):1220;実測値:1220。H NMR(400MHz,TCE) δ 8.60~8.53(m,2H)、8.43(dd,J=8.5,1.2Hz,1H)、7.76~7.67(m,2H)、7.38(d,J=8.1Hz,2H)、7.36~7.25(m,14H)、7.25~7.19(m,4H)、7.19~7.12(m,6H)、7.04(t,J=7.4Hz,2H)、6.92(s,2H)、5.19(s,4H)、2.81(t,J=7.5Hz,2H)、2.75(s,6H)、2.61(t,J=7.4Hz,2H)、2.10(t,J=7.5Hz,2H)、2.05(s,6H)、1.64(s,6H)。
例2.10:PLC-10
Figure 0007415034000050
化合物10.1:DCM(20mL)中の化合物9.2(0.64g、1mmol)、ガンマ-アミノ酪酸t-ブチルエステル塩酸塩(0.196g、1mmol)、DIC(0.252g、2mmol)、DMAP/p-TsOH塩(0.44g、1.5mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を、DCM/酢酸エチル(0%→50%酢酸エチル)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィー精製にかけた。溶媒を除去した後、所望の化合物を橙黄色の固体として得た(0.74g、100%の収率)。LCMS(APCI):C4846についての計算値(M+H):744;実測値:744。
化合物10.2:DCM(10mL)中の化合物10.1(0.74g、1mmol)の溶液にTFA(10mL)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌し、次いで溶媒を減圧下で除去した。残留固体に、50mLのメタノールを加え、10分間撹拌して懸濁液を形成した。混合物を濾過し、メタノールで洗浄して、黄色の固体(0.67g、97%の収率)を得た。LCMS(APCI):C4438についての計算値(M+H):688;実測値:688。H NMR(400MHz,TCE) δ 8.60~8.52(m,2H)、8.43(dd,J=8.6,1.2Hz,1H)、7.75~7.67(m,2H)、7.32(dt,J=7.6,2.9Hz,4H)、7.26(dd,J=8.5,7.2Hz,4H)、7.21~7.10(m,8H)、7.10~6.99(m,2H)、3.25(q,J=6.2Hz,2H)、2.71(t,J=7.2Hz,2H)、2.34~2.26(m,2H)、2.19(t,J=7.5Hz,2H)、1.99(q,J=7.2Hz,2H)、1.76(p,J=6.5Hz,2H)。
PLC-10:DCM(5mL)中の化合物10.2(50mg、0.073mmol)、化合物3.5(40mg、0.063mmol)、DIC(63mg、0.5mmol)、DMAP/p-TsOH塩(60mg、0.2mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を、DCM/酢酸エチル(0%→30%酢酸エチル)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィーによる精製にかけた。所望の画分を収集し、溶媒を除去すると、赤色の固体(60mg、73%の収率)が得られた。LCMS(APCI):C8170BFについての計算値(M-):1305;実測値:1305。H NMR(400MHz,TCE) δ 8.59~8.51(m,2H)、8.46~8.39(m,1H)、7.71(t,J=7.2Hz,2H)、7.37~7.22(m,18H)、7.21~7.12(m,8H)、7.08~6.99(m,2H)、6.90(s,2H)、5.54(t,J=5.9Hz,1H)、5.18(s,4H)、3.30(q,J=6.6Hz,2H)、2.74(s,6H)、2.70(d,J=7.4Hz,2H)、2.55(t,J=7.3Hz,2H)、2.18(t,J=7.4Hz,2H)、2.03(s,6H)、1.98(t,J=7.5Hz,2H)、1.88(p,J=6.9Hz,2H)、1.63(s,6H)。
例2.11:PLC-11
Figure 0007415034000051
化合物11.1(カリウム4-(4-(1,3-ジオキソ-6-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート):エタノール/水(20mL/1mL)中の化合物9.1(1.0g、2.5mmol)、(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)ボロン酸(0.69g、2.4mmol)、Pd(PPh(0.15g、0.1mmol)及び炭酸カリウム(0.48g、3.5mmol)の混合物を脱ガスし、次いで90℃で一晩加熱した。得られた混合物を濾過し、固体をメタノールで洗浄し、次いで空気中で乾燥させて、黄色の固体(定量的収率で1.5g)を得た。LCMS(APCI):C4028についての計算値(M-K+H):600;実測値:600。
PLC-11:DCM(5mL)中の化合物11.1(カリウム4-(4-(1,3-ジオキソ-6-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート)(70mg、0.11mmol)、化合物3.5(ジベンジル5,5-ジフルオロ-10-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート)(50mg、0.079mmol)、DAMP/p-TsOH塩(60mg、0.2mmol)、DIC(63mg、0.5mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を、DCM/酢酸エチル(0%→10%酢酸エチル)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィー精製にかけた。主要な画分を集め、溶媒を除去すると、橙色の固体(80mg、83%の収率)が得られた。LCMS(APCI):C7761BFについての計算値(M-):1218;実測値:1218。H NMR(400MHz,d-TCE) δ 8.66~8.56(m,2H)、8.48~8.39(m,1H)、8.24(d,J=1.4Hz,1H)、8.12(d,J=7.7Hz,1H)、7.83(d,J=7.5Hz,1H)、7.75~7.66(m,1H)、7.65~7.57(m,4H)、7.57~7.52(m,2H)、7.52~7.36(m,5H)、7.34~7.21(m,13H)、6.93(s,2H)、5.19(s,4H)、2.82(t,J=7.6Hz,2H)、2.75(s,6H)、2.62(t,J=7.5Hz,2H)、2.15~2.07(m,2H)、2.05(s,6H)、1.65(s,6H)。
例2.12:PLC-12
Figure 0007415034000052
化合物12.1(メチル4-(4-(6-ブロモ-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート):0.25mLの96%硫酸を含む10mLの無水メタノール中の化合物9.1(0.50g、1.1mmol)の溶液を80℃で6時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、固体をメタノールで洗浄し、空気中で乾燥させて、白色の固体(0.54g、定量的収率)を得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.71(dd,J=7.3,1.1Hz,1H)、8.64(dd,J=8.5,1.2Hz,1H)、8.46(d,J=7.9Hz,1H)、8.09(d,J=7.8Hz,1H)、7.89(dd,J=8.5,7.3Hz,1H)、7.40~7.33(m,2H)、7.26~7.19(m,2H)、3.69(s,3H)、2.79~2.71(m,2H)、2.41(t,J=7.4Hz,2H)、2.04(p,J=7.4Hz,2H)。
化合物12.2(メチル4-(4-(6-(ジフェニルアミノ)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート):無水トルエン(10ML)中の化合物12.1(メチル4-(4-(6-ブロモ-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート)(0.45g、1mmol)、ジフェニルアミン(0.27g、1.6mmol)、Pd(dppf)Cl(0.073g、0.1mmol)及びナトリウムtert-ブトキシド(0.31g、3.1mmol)の混合物を脱ガスし、次いで110℃で一晩加熱した。室温まで冷却した後、混合物を100mLのDCMに注ぎ、5分間撹拌し、次いで沈殿物を濾別し、濾液を5mLに濃縮し、次いでDCM/酢酸エチル(0%→5%酢酸エチル)の溶離液を使用して精製するためにシリカゲルカラムにロードした。所望の画分を収集し、溶媒を除去すると、固体(100mg、18.5%)が得られた。LCMS(APCI):C3528についての計算値(M+):540;実測値 540。
化合物12.3(4-(4-(6-(ジフェニルアミノ)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタン酸):10mLのTHF中の化合物12.2(メチル4-(4-(6-(ジフェニルアミノ)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート)(100mg、0.18mmol)の溶液に、5mLの10N HCl水溶液を加えた。混合物を90℃で1時間加熱し、次いで溶媒を減圧下で除去した。残りをメタノール/水で再沈殿させて、赤色の固体(35mg、40%の収率)を得た。LCMS(APCI):C3427についての計算値(M+H):527;実測値:527。
PLC-12:DCM(5mL)中の化合物12.3(4-(4-(6-(ジフェニルアミノ)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタン酸)(35mg、0.066mmol)、化合物3.5(ジベンジル5,5-ジフルオロ-10-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート)(35mg、0.055mmol)、DAMP/p-TsOH塩(40mg、0.14mmol)、DIC(50mg、0.4mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を、DCM/酢酸エチル(0%→10%酢酸エチル)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製した。所望の画分を収集し、濃縮し、メタノールで沈殿させて、橙色の固体(44mg、70%の収率)を得た。LCMS(APCI):C7159BFについての計算値(M-):1144;実測値:1144。
例2.13:PLC-13
Figure 0007415034000053
化合物13.1(エチル3-メチル-1,4-ジヒドロインデノ[1,2-b]ピロール-2-カルボキシレート):吉草酸(20.0mL)中の1-インダノン(30.0mmol、3.96g)、亜鉛顆粒-20メッシュ(50.0mmol、3.27g)及びプロピオン酸ナトリウム(5.00mmol、480mg)の混合物に180℃で吉草酸(10.0mL)中のエチル2-(ヒドロキシイミノ)-3-オキソブタノエート(10.0mmol、1.59g)の溶液を、シリンジポンプを介して1時間かけて加えた。添加が完了した後、反応混合物を更に15分間撹拌した後に室温に冷却し、6M HCl(100mL)とEtOAc(100mL)との間で分けた。水層をEtOAc(3×100mL)で抽出し、合わせた有機物を1M NaOH水溶液(3×200mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。EtOHからの再沈殿により、505mgの化合物13.1(21%の収率)を無色の固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 9.05(br s,1H)、7.48(dt,J=7.5,1.1Hz,1H)、7.44(dt,J=7.5,1.0Hz,1H)、7.30(td,J=7.5,1.0Hz,1H)、7.19(td,J=7.5,1.1Hz,1H)、4.37(q,J=7.1Hz,2H)、3.49(s,2H)、2.42(s,3H)、1.40(t,J=7.1Hz,3H)。
化合物13.2(3-メチル-1,4-ジヒドロインデノ[1,2-b]ピロール):エチレングリコール(16mL)中の化合物13.1(0.161mmol、388mg)及び水酸化ナトリウム(4.82mmol、193mg)の懸濁液に水(500μL)を加え、反応混合物を150℃で1時間撹拌した。次にそれを室温に冷却し、NHClの1.0M水溶液(50.0mL)を加えた。沈殿物を真空濾過により単離し、風乾して、264mgの化合物13.2(97%の収率)を紫色の固体として得た。H NMR(400MHz,アセトニトリル-d) δ 9.17(br s,1H)、7.42(d,J=7.4Hz,1H)、7.35(d,J=7.5Hz,1H)、7.22(dd,J=7.4,7.5Hz,1H)、7.03(ddd,J=7.5,7.5,1.2Hz,1H)、6.61(dd,J=2.3,1.1Hz,1H)、3.38(s,2H)、2.11(s,3H)。
化合物13.3(4-ホルミル-3,5-ジメチルフェニル4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート)の合成:
Figure 0007415034000054
化合物13.3.1(4-(4-(6-ブロモ-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタン酸):EtOH(200プルーフ、80.0mL)中の6-ブロモ-1H,3H-ベンゾ[de]イソクロメン-1,3-ジオン(18.4mmol、3.30g)の溶液に、4-(4-アミノフェニル)ブタン酸(16.0mmol、4.43g)を加え、反応混合物を16時間加熱還流した。次いで、それを室温まで冷却し、EtOH(200プルーフ、50.0mL)で希釈し、濾過し、更にEtOH(200プルーフ、100mL)及びヘキサン(100mL)で洗浄して、5.02gの化合物13.3.1(収率72%)を灰白色の固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 12.15(s,1H)、8.63~8.55(m,2H)、8.34(d,J=7.8Hz,1H)、8.25(d,J=7.9Hz,1H)、8.03(dd,J=8.5,7.3Hz,1H)、7.34(d,J=8.3Hz,2H)、7.29(d,J=8.2Hz,2H)、2.68(t,J=7.3Hz,2H)、2.29(t,J=7.3Hz,2H)、1.87(p,J=7.5Hz,2H);13C NMR(101MHz,DMSO-d) δ 174.3、163.3、163.2、141.8、133.5、132.7、131.6、131.4、131.0、130.0、129.2、128.9、128.8、128.8、128.7、123.4、122.7、34.1、33.2、26.3。
化合物13.3.2(4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタン酸):Ar雰囲気下の20:1 EtOH/HO(115mL)中の化合物13.3.1(11.2mmol、4.93g)及びKCO(16.8mmol、2.32g)の懸濁液に、Pd(PPh(0.562mmol、649mg)及び(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)ボロン酸(11.8mmol、3.41g)を加え、反応混合物を80℃で16時間撹拌した。次いでそれを濾過し、EtOH(200プルーフ、200mL)で洗浄した。フィルターケーキを1M HCl(300mL)とCHCl(300mL)との間で分け、混合物をCHCl(3×300mL)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮して、6.50gの化合物13.3.2(96%の収率)を橙色/赤色の固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.67(dd,J=7.5,2.5Hz,2H)、8.47(d,J=8.5Hz,1H)、7.79~7.71(m,2H)、7.42~7.36(m,4H)、7.33(見かけのt,J=7.8Hz,4H)、7.28~7.19(m,8H)、7.10(見かけのt,J=7.3Hz,2H)、2.79(t,J=7.6Hz,2H)、2.46(t,J=7.3Hz,2H)、2.06(見かけのp,J=7.6Hz,2H);13C NMR(101MHz,クロロホルム-d) δ 177.9、164.6、148.4、147.3、147.1、141.8、133.3、133.2、131.8、131.6、131.3、130.8、130.2、129.5、129.5、128.5、127.7、126.7、125.0、123.6、123.0、122.5、34.8、33.1、26.0。
化合物13.3(4-ホルミル-3,5-ジメチルフェニル4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート):無水CHCl(25.0mL)中の4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンズアルデヒド(5.97mmol、897mg)、化合物13.3.2(4.98mmol、3.00g)及びDMAP・pTsOH塩(9.96mmol、2.93g)の溶液にDIC(29.9mmol、4.68mL)を加え、反応物を室温で80分間撹拌した。次いで、それをセライトで濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(トルエン→9:1、トルエン/EtOAc)により、3.05gの化合物13.3(83%の収率)を黄色の固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 10.57(s,1H)、8.70~8.64(m,2H)、8.48(dd,J=8.5,1.2Hz,1H)、7.76(dd,J=9.1,7.4Hz,2H)、7.44~7.37(m,4H)、7.37~7.26(m,6H)、7.25~7.19(m,6H)、7.14~7.08(m,2H)、6.87(s,2H)、2.85(t,J=7.6Hz,2H)、2.69~2.59(m,8H)、2.16(p,J=7.5Hz,2H);13C NMR(101MHz,クロロホルム-d) δ 192.3、171.4、164.6、164.4、148.4、147.3、147.2、143.6、141.5、133.5、133.2、131.8、131.6、131.3、130.8、130.2、130.1、129.5、129.5、129.2、128.6、127.7、126.7、125.0、123.7、123.0、122.6、122.4、121.3、34.7、33.6、26.1、20.7。
PLC-13(4-(6,6-ジフルオロ-13,15-ジメチル-12,16-ジヒドロ-6H-5λ,6λ-インデノ[2’,1’:4,5]ピロロ[1,2-c]インデノ[2’,1’:4,5]ピロロ[2,1-f][1,3,2]ジアザボリニン-14-イル)-3,5-ジメチルフェニル4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート):無水DCE(5.00mL)中の化合物13.2(0.473mmol、80.0mg)、及びpTsOH・HO(0.005mmol、1.00mg)の溶液に、アルゴン雰囲気下、室温にて化合物13.3(0.215mmol、158mg)を加えた。反応混合物を室温で2.5時間撹拌し、次いでそれを0℃に冷却し、p-クロラニル(0.215mmol、53.0mg)を一度に加え、撹拌を15分間続けた。トリエチルアミン(1.29mmol、180μL)を加え、混合物を0℃で5分間撹拌した後、BF・OEt(1.94mmol、239μL)を加え、撹拌を室温で更に15分間続けた。反応混合物をEtOAc(30.0mL)で希釈し、1M HCl(3×30.0mL)及びNaClの飽和水溶液(30.0mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(7:3、ヘキサン/EtOAc)により、125mgのPLC-13(53%の収率)を濃紫色の粉末として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.71~8.65(m,2H)、8.48(dd,J=8.6,1.2Hz,1H)、8.39(d,J=7.8Hz,2H)、7.77(dd,J=9.3,7.5Hz,2H)、7.50~7.27(m,16H)、7.25~7.19(m,6H)、7.14~7.08(m,2H)、6.99(s,2H)、3.53(s,4H)、2.89(t,J=7.5Hz,2H)、2.69(t,J=7.4Hz,2H)、2.27(s,6H)、2.20(tt,J=7.5,7.4Hz,2H)、1.52(s,6H)。
例2.14:PLC-14
Figure 0007415034000055
化合物14.1(6-ブロモ-2-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-1,3(2H)-ジオン):10mLの1-ブタノール中の4-ブロモ-1,8-ナフタル酸無水物(1.0g、3.6mmol)、4-アミノ-3,5-ジメチルフェノール(1.37g、10mmol)の混合物を脱ガスし、次いで150℃で一晩加熱した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、メタノールで洗浄し、空気中で乾燥させて、灰白色の固体(1.4g、98%の収率)を得た。LCMS(APCI):C2015BrNOについての計算値(M+H):396;実測値:396。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.71(d,J=8.0Hz,1H)、8.47(d,J=9.1Hz,1H)、8.23~8.06(m,1H)、7.93(d,J=7.6Hz,1H)、7.42~7.32(m,1H)、6.74~6.67(m,2H)、2.18~2.13(m,1H)、2.12~2.02(s,6H)。
化合物14.2(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-2-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-1,3(2H)-ジオン):エタノール/水(20mL/2mL)中の化合物14.1(6-ブロモ-2-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-1,3(2H)-ジオン)(0.98g、2.47mmol)、(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)ボロン酸(0.722g、2.5mmol)、Pd(PPh(115mg、0.1mmol)、KCO(0.48g、2.5mmol)の混合物を脱ガスし、80℃で一晩加熱した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、エタノールで洗浄し、空気中で乾燥させて、橙色の固体(1.4g、定量的収率)を得た。LCMS(APCI):C3829についての計算値(M+H):561;実測値:561。H NMR(400MHz) δ 8.59~8.52(m,2H)、8.40(dd,J=8.4,1.2Hz,1H)、7.69(t,J=7.8Hz,2H)、7.34~7.19(m,6H)、7.16~7.09(m,6H)、7.00(t,J=7.3Hz,2H)、6.60(s,2H)、2.43(s,1H)、1.95(s,6H)。
化合物14.3(エチル4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)-3,5-ジメチルフェノキシ)ブタノエート):DMF(3mL)中の化合物14.2(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-2-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-1,3(2H)-ジオン)(3.9g、0.7mmol)、エチル4-ブロモブタノエート(0.156g、0.8mmol)及び炭酸カリウム(0.207g、1.5mmol)の混合物を脱ガスし、次いで60℃で一晩加熱した。得られた混合物を酢酸エチル/ブラインで後処理した。有機相を収集し、MgSOで乾燥し、シリカゲルにロードし、ヘキサン/酢酸エチル(0%→40%酢酸エチル)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。黄色の画分を収集し、溶媒を除去すると、黄色の固体が得られる(0.22g、47%の収率)。LCMS(APCI):C4439についての計算値:675;実測値:675。
化合物14.4(4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)-3,5-ジメチルフェノキシ)ブタン酸):1-ブタノール/1,4-ジオキサン(10mL/5mL)中の化合物14.3(エチル4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)-3,5-ジメチルフェノキシ)ブタノエート)(0.22g、0.326mmol)の溶液に0.2mLの5M KOH水溶液を加えた。混合物を60℃で1時間加熱し、次いで1mLに濃縮し、10mLの水に加えた。この混合物に、1mLの6N HCl溶液を加え、沈殿物を濾過し、空気中で乾燥させて、固体(200mg、95%の収率)を得た。LCMS(APCI):C4235についての計算値(M+H):647;実測値:647。
PLC-14:DCM(4mL)中の化合物14.4(4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)-3,5-ジメチルフェノキシ)ブタン酸)(30mg、0.046mmol)、化合物3.5(ジベンジル5,5-ジフルオロ-10-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート)(25mg、0.04mmol)、DAMP/p-TsOH塩(40mg、0.14mmol)、DIC(50mg、0.4mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を、DCM/酢酸エチル(0%→10%酢酸エチル)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製した。所望の画分を収集し、濃縮し、メタノールで沈殿させて、橙色の固体(41mg、81%の収率)を得た。LCMS(APCI):C7967BFについての計算値(M-):1264;実測値:1264。H NMR(400MHz,d-TCE) δ 8.59(dd,J=7.4,4.5Hz,2H)、8.43(d,J=8.5Hz,1H)、7.71(t,J=7.8Hz,2H)、7.36~7.22(m,16H)、7.19~7.12(m,6H)、7.04(t,J=7.3Hz,2H)、6.94(s,2H)、6.75(s,2H)、5.19(s,4H)、4.09(t,J=5.8Hz,2H)、2.79(d,J=7.2Hz,2H)、2.74(s,6H)、2.29~2.13(m,2H)、2.05(s,6H)、2.03(s,6H)、1.64(s,6H)。
例2.15:PLC-15
Figure 0007415034000056
PLC-15:ジクロロエタン(5mL)中のエチル2-メチル-1H-ピロール-3-カルボキシレート(61mg、0.4mmol)、化合物13.3(4-ホルミル-3,5-ジメチルフェニル4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート)(100mg、0.136mmol)、MgSO(120mg、1.0mmol)の混合物にTFAを3滴加え、65℃で3日間加熱した。得られた混合物に、トリエチルアミン(0.13mL、0.9mmol)、BF-エーテラート(0.09mL、0.5mmol)を加え、次いで、60℃で30分間加熱した。室温に冷却した後、混合物をシリカゲルにロードし、DCM/酢酸エチル(0%→10%酢酸エチル)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。主要な画分を集め、溶媒を除去すると、橙赤色の固体(40mg、27%の全体収率)が得られた。LCMS(APCI):C6555BFについての計算値(M-):1068;実測値:1068。H NMR(400MHz,d-TCE) δ 8.60~8.53(m,2H)、8.43(dd,J=8.6,1.2Hz,1H)、7.75~7.67(m,2H)、7.39(d,J=8.3Hz,2H)、7.36~7.30(m,2H)、7.24(dt,J=13.8,8.1Hz,6H)、7.15(d,J=8.6Hz,6H)、7.08~6.99(m,4H)、6.91(s,2H)、4.17(q,J=7.1Hz,4H)、2.84(s,6H)、2.80(m,2H)、2.65(t,J=7.4Hz,2H)、2.13(m,2H)、2.08(s,6H)、1.24(t,J=7.1Hz,6H)。
例2.16:PLC-16
Figure 0007415034000057
PLC-16((T-4)-[2-[(4,5-ジヒドロ-3-メチル-2H-ベンズ[g]インドール-2-イリデン-κN)(3,5-ジメチル-4-((4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート)フェニル)メチル]-4,5-ジヒドロ-3-メチル-1H-ベンズ[g]インドラト-κN]ジフルオロボロン):DCM(5mL)中の化合物9.2(0.120mmol、77mg)、化合物20.3(下記参照)(0.100mmol、54mg)、DAMP/p-TsOH塩(60mg、0.2mmol)、DIC(63mg、0.5mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を、DCM/酢酸エチル(0%→5%酢酸エチル)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィー精製にかけた。粗生成物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(100%トルエン(2CV)→10%EtOAc/トルエン(15CV))により精製した。生成物を含む画分を蒸発乾固させて100mg(89%の収率)を得た。MS(APCI):化学式:C7559BFについての計算値(M-)=1128;実測値:1128。H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d) δ 8.77(d,J=8.1Hz,2H)、8.66(dd,J=7.3,1.2Hz,1H)、8.65(d,J=7.6Hz,1H)、8.52(dd,J=8.6,1.2Hz,1H)、7.81(t,J=7.2Hz,1H)、7.79(d,J=7.3Hz,1H)、7.52~7.46(m,2H)、7.46~7.40(m,4H)、7.34(tdd,J=8.5,6.7,4.7Hz,10H)、7.27~7.22(m,6H)、7.13(tt,J=7.3,1.2Hz,2H)、7.01(s,2H)、2.92(t,J=7.2Hz,6H)、2.73(t,J=7.5Hz,2H)、2.57(t,J=7.0Hz,4H)、2.29~2.15(m,8H)、1.42(s,6H)。
例2.17:PLC-17
Figure 0007415034000058
化合物17.1(エチル3-メチル-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート):吉草酸(2.00mL)中の1-テトラロン(3.00mmol、403μL)、亜鉛顆粒-20メッシュ(5.00mmol、327mg)及びプロピオン酸ナトリウム(0.50mmol、48mg)の混合物に180℃で吉草酸(1.00mL)中のエチル2-(ヒドロキシイミノ)-3-オキソブタノエート(1.00mmol、159mg)の溶液を、シリンジポンプを介して1時間かけて加えた。添加が完了した後、反応混合物を更に15分間撹拌した後に室温まで冷却し、6M HCl(10.0mL)とEtOAc(10.0mL)との間で分けた。水層をEtOAc(3×10.0mL)で抽出し、合わせた有機物を1mのNaOH水溶液(3×20.0mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(19:1、ヘキサン/EtOAc→9:1、ヘキサン/EtOAc)により、134mgの化合物17.1(52%の収率)を無色の固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.99(br s,1H)、7.34~7.30(m,1H)、7.25~7.20(m,2H)、7.17~7.13(m,1H)、4.35(q,J=7.1Hz,2H)、2.94(t,J=7.5Hz,2H)、2.69~2.62(m,2H)、2.30(s,3H)、1.39(t,J=7.1Hz,3H)。
化合物17.2(3-メチル-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール):フィン付き凝縮器及びガスアダプターを備えた250mLの2つ口フラスコ内のエチレングリコール(100mL)中の化合物17.1(エチル3-メチル-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート)(2.48g、9.71mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下で、KOH(9.71mL、5.0M水溶液48.6mmol)を加えた。反応混合物を100℃に70分間、次いで160℃に40分間加熱した後、室温まで冷却し、水(500mL)に注いだ。沈殿物を真空濾過により収集し、水(100mL)で洗浄して、化合物17.2(352mg、20%)を水色の粉末として得た。
濾液をTFAでpH=3に酸性化し、沈殿物を真空濾過によって収集し、水(100mL)で洗浄し、アルゴン雰囲気下でCHCl(100mL)に溶解した。TFA(1.00mL)を加え、反応混合物を室温で15分間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物をMeOH(2.00mL)で希釈した。水(100mL)を加えることにより沈殿を誘発し、沈殿物を真空濾過により収集し、水(50.0mL)で洗浄して、化合物17.2(306mg、17%)を青色の粉末として得た。H NMR(400MHz,アセトニトリル-d) δ 9.16(br s,1H)、7.24(dd,J=7.5,1.3Hz,1H)、7.16(ddd,J=8.7,7.4,1.8Hz,2H)、7.00(ddd,J=7.5,7.4,1.3Hz,1H)、6.52(dd,J=2.5,1.1Hz,1H)、2.87(t,J=7.6Hz,2H)、2.59(dd,J=8.5,6.7Hz,2H)、2.00(d,J=0.9Hz,3H)。
化合物17.3((T-4)-[2-[(4,5-ジヒドロ-3-メチル-2H-ベンズ[g]インドール-2-イリデン-κN)-(4’-ヒドロキシフェニル)メチル]-4,5-ジヒドロ-3-メチル-1H-ベンズ[g]インドラト-κN]ジフルオロボロン):無水1,2-ジクロロエタン(35.0mL)中の化合物17.2(3-メチル-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール)(652mg、3.55mmol)及び4-ヒドロキシベンズアルデヒド(216mg、1.77mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下で室温にてTFA(35.0μL)を加えた。反応混合物を室温で70分間撹拌し、0℃に冷却し、p-クロラニル(435mg、1.77mmol)を一度に加え、撹拌を15分間続けた。トリエチルアミン(1.48mL、10.6mmol)を加え、混合物を10分かけて室温まで温めた後、BF・OEt(1.96mL、15.9mmol)を加え、75分間撹拌を続けた。更にトリエチルアミン(1.48mL、10.6mmol)及びBF・OEt(1.96mL、15.9mmol)を加え、混合物を更に75分間撹拌し、全ての揮発性物質を減圧下で除去した。残留物をEtOAc(100mL)で希釈し、1M HCl(2×100mL)及び6M HCl(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl)により、化合物17.3(130mg、17%)を濃い青/緑色の粉末として得た。H NMR(400MHz) δ 8.65(d,J=8.0Hz,2H)、7.34(見かけのtd,J=7.6,1.7Hz,2H)、7.28~7.16(m,6H)、6.95~6.90(m,2H)、4.96(d,J=1.2Hz,1H)、2.80(dd,J=8.3,5.9Hz,4H)、2.47(dd,J=8.3,5.9Hz,4H)、1.35(s,6H)。
PLC-17((T-4)-[2-[(4,5-ジヒドロ-3-メチル-2H-ベンズ[g]インドール-2-イリデン-κN)-(4’-(4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノキシ)フェニル)メチル]-4,5-ジヒドロ-3-メチル-1H-ベンズ[g]インドラト-κN]ジフルオロボロン):無水1,2-ジクロロエタン(10.0mL)中の化合物17.3((T-4)-[2-[(4,5-ジヒドロ-3-メチル-2H-ベンズ[g]インドール-2-イリデン-κN)-(4’-ヒドロキシフェニル)メチル]-4,5-ジヒドロ-3-メチル-1H-ベンズ[g]インドラト-κN]ジフルオロボロン)(52mg、0.100mmol)、化合物9.2(カリウム4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート)(77mg、0.120mmol)、及びDMAP・pTsOH塩(59mg、0.200mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、室温にてDIC(94.0μL、0.600mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間、次いで50℃で1時間撹拌し、室温まで冷却し、1:1ヘキサン/トルエン(10.0mL)で希釈した。得られた混合物をフラッシュクロマトグラフィー(トルエン→9:1トルエン/EtOAc)で精製して、PLC-17(103mg、94%)を濃紫色の粉末として得た。H NMR(400MHz) δ 8.67(d,J=8.1Hz,2H)、8.58(dd,J=7.4,4.9Hz,2H)、8.44(d,J=8.5Hz,1H)、7.72(見かけのt,J=7.3Hz,2H)、7.43~7.14(m,27H)、7.04(見かけのt,J=7.3Hz,2H)、2.91~2.76(m,6H)、2.68(t,J=7.4Hz,2H)、2.48(t,J=6.9Hz,4H)、2.15(見かけのp,J=7.5Hz,2H)、1.36(s,6H)。
例2.18:PLC-18
Figure 0007415034000059
化合物18.1(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン):ベンゼン(10.0mL)中の3-メチルクロトン酸(19.0mmol、1.90g)の溶液を、100mLの丸底フラスコ内のAlCl(57.0mmol、7.60g)にゆっくりと加えた。得られた混合物を5時間加熱還流し、0℃に冷却し、1MのHCl(50.0mL)でクエンチし、EtOAc(3×50.0mL)で抽出した。合わせた有機物をNaHCOの飽和水溶液(3×100mL)及びNaClの飽和水溶液(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(9:1、ヘキサン/EtOAc)により、2.62gの化合物18.1(86%の収率)を橙色の油状物として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 7.72~7.67(m,1H)、7.65~7.57(m,1H)、7.53~7.47(m,1H)、7.39~7.32(m,1H)、2.60~2.58(m,2H)、1.47~1.36(m,6H);13C NMR(101MHz,クロロホルム-d) δ 205.7、163.7、135.1、134.8、127.2、123.4、123.2、52.8、38.4、29.8。
化合物18.2(エチル3,4,4-トリメチル-1,4-ジヒドロインデノ[1,2-b]ピロール-2-カルボキシレート):吉草酸(2.00mL)中の化合物18.1(3.00mmol、481mg)、亜鉛顆粒-20メッシュ(5.00mmol、327mg)及びプロピオン酸ナトリウム(0.50mmol、48mg)の混合物に180℃で吉草酸(1.00mL)中のエチル2-(ヒドロキシイミノ)-3-オキソブノエート(1.00mmol、159mg)の溶液を、シリンジポンプを介して1時間かけて加えた。添加が完了した後、反応混合物を更に15分間撹拌した後に室温まで冷却し、6M HCl(10.0mL)とEtOAc(10.0mL)との間で分けた。水層をEtOAc(3×10.0mL)で抽出し、合わせた有機物を1mのNaOH水溶液(3×20.0mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(19:1、ヘキサン/EtOAc→9:1、ヘキサン/EtOAc)により、81mgの化合物18.2(31%の収率)を無色の固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 9.19(s,1H)、7.40~7.34(m,2H)、7.27~7.18(m,2H)、4.38(q,J=7.1Hz,2H)、2.47(s,3H)、1.51(s,6H)、1.40(t,J=7.1Hz,3H)。
化合物18.3(3,4,4-トリメチル-1,4-ジヒドロインデノ[1,2-b]ピロール):エチレングリコール(1.50mL)中の化合物18.2(0.149mmol、42mg)及び水酸化ナトリウム(0.446mmol、18.0mg)の懸濁液に、水(50.0μL)を加え、反応混合物を150℃で1時間撹拌した。次に、これを室温に冷却し、1.0MのNHCl水溶液(5.00mL)を加えた。混合物をCHCl(3×10.0mL)で抽出して、29mgの化合物18.3(99%の収率)を紫色の固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 7.97(br s,1H)、7.30(dt,J=7.3,0.9Hz,1H)、7.21~7.14(m,2H)、7.07(ddd,J=7.4,5.4,3.3Hz,1H)、6.57(dd,J=2.2,1.1Hz,1H)、2.20(d,J=1.0Hz,3H)、1.50(s,6H)。
PLC-18(4-(6,6-ジフルオロ-12,12,13,15,16,16-ヘキサメチル-12,16-ジヒドロ-6H-5λ,6λ-インデノ[2’,1’:4,5]ピロロ[1,2-c]インデノ[2’,1’:4,5]ピロロ[2,1-f][1,3,2]ジアザボリニン-14-イル)-3,5-ジメチルフェニル4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート):アルゴン雰囲気下、室温で無水CHCl(0.60mL)中の化合物18.3(0.061mmol、12.0mg)及びpTsOH・HO(1結晶)の溶液に、化合物13.3(0.033mmol、25.0mg)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次にそれを0℃に冷却し、p-クロラニル(0.031mmol、8.00mg)を一度に加え、撹拌を15分間続けた。トリエチルアミン(0.186mmol、26.0μL)を加え、混合物を10分かけて室温まで温めた後、BF・OEt(0.279mmol、34.0μL)を加え、更に30分間撹拌を続けた。反応混合物をEtOAc(5.00mL)で希釈し、1M HCl(3×5.00mL)及びNaClの飽和水溶液(5.00mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(トルエン→19:1、トルエン/EtOAc)により、14.0mgのPLC-18(39%の収率)を濃紫色の粉末として得た。δ H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.68(dd,J=7.4,2.5Hz,2H)、8.48(d,J=8.5Hz,1H)、8.31(d,J=7.4Hz,2H)、7.80~7.72(m,2H)、7.47~7.28(m,16H)、7.25~7.20(m,6H)、7.11(見かけのt,J=7.3Hz,2H)、6.97(s,2H)、2.88(t,J=7.5Hz,2H)、2.69(t,J=7.4Hz,2H)、2.28(s,6H)、2.19(見かけのp,J=7.5Hz,2H)、1.54(s,6H)、1.50(s,12H)。
例2.19:PLC-19
Figure 0007415034000060
化合物19.1(4-ホルミル-3,5-ジメトキシフェニル4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート):CHCl(5.00mL)中の2,6-ジメキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.00mmol、182mg)、化合物13.3.2(1.10mmol、662mg)及びDMAP・pTsOH塩(1.00mmol、294mg)の溶液にDIC(6.00mmol、939μL)を加え、反応混合物を室温で20時間撹拌した。次いで、それをセライトで濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(4:1、トルエン/EtOAc)により、643mgの化合物19.1(84%の収率)を明るい橙色の固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 10.44(s,1H)、8.71~8.64(m,2H)、8.48(dd,J=8.5,1.2Hz,1H)、7.81~7.72(m,2H)、7.44~7.37(m,4H)、7.36~7.27(m,6H)、7.25~7.20(m,6H)、7.13~7.08(m,2H)、6.39(s,2H)、3.90(s,6H)、2.85(t,J=7.5Hz,2H)、2.67(t,J=7.6Hz,2H)、2.17(見かけのp,J=7.6Hz,2H)。
PLC-19((T-4)-[2-[(4,5-ジヒドロ-3-メチル-2H-ベンズ[g]インドール-2-イリデン-κN)-(2’,6’-ジメトキシ-4’-(4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノキシ)フェニル)メチル]-4,5-ジヒドロ-3-メチル-1H-ベンズ[g]インドラト-κN]ジフルオロボロン):CHCl(2.10mL)中の3-メチル-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール(0.210mmol、39mg)及び化合物19.1(0.100mmol、77mg)の溶液にpTsOH・HO(0.010mmol、1.20mg)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いでそれを0℃に冷却し、p-クロラニル(0.100mmol、25mg)を加え、混合物を0℃で15分間撹拌した。トリエチルアミン(0.600mmol、83μL)を加え、混合物を0℃で15分間撹拌した後、BF・OEt(0.900mmol、111μL)を加え、混合物を室温で45分間撹拌した。更にトリエチルアミン(0.600mmol、83μL)を加え、室温で5分間撹拌した後、BF・OEt(0.900mmol、111μL)を加え、混合物を室温で更に1時間撹拌した。次いでそれをEtOAc(10.0mL)で希釈し、3M HCl(3×10.0mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(トルエン→19:1、トルエン/EtOAc)により、97mgのPLC-19(84%の収率)を濃い青色/紫色の固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.83(d,J=8.1Hz,2H)、8.71~8.66(m,2H)、8.49(dd,J=8.5,1.2Hz,1H)、7.80~7.74(m,2H)、7.47~7.27(m,13H)、7.25~7.19(m,9H)、7.11(見かけのtd,J=7.3,1.2Hz,2H)、6.52(s,2H)、3.77(s,6H)、2.94~2.84(m,6H)、2.71(t,J=7.5Hz,2H)、2.59~2.50(m,4H)、2.21(見かけのp,J=7.6Hz,2H)、1.55(s,6H)。
例2.20:PLC-20
Figure 0007415034000061
化合物20.1(エチル3-メチル-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート):250mLの2つ口丸底フラスコに撹拌子を入れ、ヒートブロック内に入れた。このフラスコに、1-テトラロン(100.0mmol、14.620g)及びプロピオン酸ナトリウム(100.0mmol、9.610g)を加え、続いて酢酸(50mL)を加えた。反応物を、空気に開放して撹拌しながら145℃に加熱した。40mLのスクリューキャップバイアルに、エチル2-(ヒドロキシイミノ)-3-オキソブタノエート(2.50mmol、398mg)及びZn(粉末、10μm未満)(12.5mmol、818mg)を入れた。これらの材料を酢酸(12.5mL)中でスラリー化し、ケトンを含む撹拌反応物に約5分間かけて少しずつ加えた。このプロセスを3回繰り返し、合計10.0mmolの2-(ヒドロキシイミノ)-3-オキソブタノエート及び50.0mmolの亜鉛末を生成した。反応物を145℃で2.5時間撹拌し、次いで室温まで冷却した。撹拌しながら水(600mL)に注ぐことにより反応をクエンチした。容量を水で900mLにし、次いでジクロロメタン(4×160mL)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。過剰な1-テトラロンの大部分を、加熱しながら高真空で除去した。粗生成物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(5%EtOAc/ヘキサン(1CV)→20%EtOAc/ヘキサン(10CV))により精製した。生成物を含む画分を蒸発乾固させて1.417g(55%の収率)を得た。MS(APCI):化学式:C1617NOについての計算値(M+H)=256;実測値:256。H NMR(400MHz) δ 8.98(s,1H)、7.35~7.31(m,1H)、7.27~7.21(m,2H)、7.20~7.15(m,1H)、4.34(q,J=7.1Hz,2H)、2.99~2.92(m,2H)、2.70~2.64(m,2H)、2.31(s,3H)、1.39(t,J=7.1Hz,3H)。
化合物20.2(3-メチル-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール):250mLの2つ口丸底フラスコに撹拌子を入れ、フィン付き凝縮器及びガスアダプターを取り付けた。フラスコをアルゴンでフラッシュし、化合物20.1(5.01mmol、1.278g)をフラスコに加え、続いてエチレングリコール(50mL)を加えた。反応混合物にKOH(HO中5.0M、25.03mmol、5.01mL)を加えた。反応を停止し、ヒートブロック内で、アルゴン下100℃にて90分間加熱した。溶液は加熱すると均一になる。温度を160℃まで30分間上昇させ、次いで100℃に冷却した。撹拌水(300mL)に注ぐことにより反応をクエンチした。これを水で総量500mLにした後、2.5M酢酸/2.5M NaOAc(20mL)の溶液で酸性化した。TFAでpHを約3.5に下げた。得られた紫色の固体を濾別し、乾燥し、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(5%EtOAc/ヘキサン(1CV)→20%EtOAc/ヘキサン(10CV))により精製した。生成物を含む画分を蒸発乾固させて767mg(84%の収率)を得た。MS(APCI):化学式:C1313Nについての計算値(M+H)=184 実測値:184。H NMR(400MHz,アセトニトリル-d) δ 9.15(s,1H)、7.24(d,J=7.5Hz,1H)、7.20~7.13(m,2H)、7.00(td,J=7.4,1.4Hz,1H)、6.52(dd,J=2.3,0.9Hz,1H)、2.90~2.83(m,2H)、2.62~2.55(m,2H)、2.00(s,3H)。
化合物20.3((T-4)-[2-[(4,5-ジヒドロ-3-メチル-2H-ベンズ[g]インドール-2-イリデン-κN)(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メチル]-4,5-ジヒドロ-3-メチル-1H-ベンズ[g]インドラト-κN]ジフルオロボロン):化合物9.3は、化合物3.2と同様の方法で、化合物20.2(3.97mmol、728mg)及び4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンズアルデヒド(2.02mmol、304mg)から合成された。粗生成物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(100%トルエン(2CV)→10%EtOAc/トルエン(10CV))により精製した。生成物を含む画分を蒸発させて563mg(ピロールから3工程で52%の収率)を得た。MS(APCI):化学式:C3531BFOについての計算値(M+H)=544 実測値:544。H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 9.61(s,1H)、8.62(d,J=7.9Hz,2H)、7.45~7.38(m,2H)、7.38~7.34(m,4H)、6.68(s,2H)、2.91~2.83(m,4H)、2.58~2.52(m,4H)、2.04(s,6H)、1.41(s,6H)。
PLC-20((T-4)-[2-[(4,5-ジヒドロ-3-メチル-2H-ベンズ[g]インドール-2-イリデン-κN)-(2’,6’-ジメチル-4’-(4-(4-(6-(4-(ジ-p-トリルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノキシ)フェニル)メチル]-4,5-ジヒドロ-3-メチル-1H-ベンズ[g]インドラト-κN]ジフルオロボロン):CHCl(0.30mL)中の化合物20.3(0.032mmol、17mg)、化合物24.3(下記参照、0.033mmol、21mg)及びDMAP・pTsOH塩(0.032mmol、9mg)の溶液にDIC(0.192mmol、30μL)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、それをセライトで濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(トルエン→19:1、トルエン/EtOAc)、続いてトルエン/ヘキサンからの再沈殿により、13mgのPLC-20(35%の収率)を青色の固体として得た。H NMR(400MHz,ジクロロメタン-d) δ 8.80~8.71(m,2H)、8.65~8.60(m,2H)、8.50(d,J=8.7Hz,1H)、7.80~7.73(m,2H)、7.48~7.25(m,13H)、7.19~7.05(m,9H)、7.01(s,2H)、2.98~2.86(m,6H)、2.71(t,J=7.4Hz,2H)、2.57(s,4H)、2.34(br s,6H)、2.24(s,6H)、2.23~2.17(m,2H)、1.42(s,6H)。
例2.21:PLC-21
Figure 0007415034000062
PLC-21 ジベンジル10-(4-((4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノイル)オキシ)-2,6-ジメチルフェニル)-5,5-ジフルオロ-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート(1575-46):無水CHCl(6.00mL)中の化合物3.5(ジベンジル5,5-ジフルオロ-10-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート)(1.18mmol、750mg)、化合物13.3.2(1.30mmol、780mg)及びDMAP・pTsOH塩(2.36mmol、694mg)の溶液にDIC(7.08mmol、1.11mL)を加え、反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、それをセライトで濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(7:3、ヘキサン/EtOAc→3:2、ヘキサン/EtOAc)により、1.10gのPLC-21(76%の収率)を橙色の固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.68(dd,J=7.2,2.4Hz,2H)、8.48(d,J=8.5Hz,1H)、7.77(dd,J=9.3,7.4Hz,2H)、7.44~7.27(m,20H)、7.24~7.20(m,6H)、7.11(t,J=7.3Hz,2H)、6.97(s,2H)、5.27(s,4H)、2.85(d,J=13.9Hz,8H)、2.67(t,J=7.4Hz,2H)、2.22~2.06(m,8H)、1.72(s,6H);19F NMR(376MHz,クロロホルム-d) δ -142.72~-143.09(m);13C NMR(101MHz,クロロホルム-d) δ 171.5、164.0、159.9、148.4、147.3、147.2、146.9、136.7、135.8、131.6、131.3、130.8、129.5、128.6、128.4、128.3、127.8、126.7、125.1、123.7、122.5、121.8、121.3、66.2、34.8、33.6、26.1、19.7、15.1、12.6。
例2.22:PLC-22
Figure 0007415034000063
化合物22.1(ジベンジル10-(2,6-ジフルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-5,5-ジフルオロ-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート):CHCl(10.0mL)中のベンジル2,4-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキシレート(1.05mmol、241mg)及び2,6-ジフルオロ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(0.500mmol、79mg)の溶液にpTsOH・HO(0.050mmol、6mg)を加え、反応混合物を室温で45分間撹拌した。次いで、それを0℃に冷却し、DDQ(0.600mmol、136mg)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。トリエチルアミン(3.00mmol、417μL)を加え、混合物を0℃で10分間撹拌した後、BF・OEt(4.50mmol、555μL)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。更にトリエチルアミン(3.00mmol、417μL)を加え、室温で5分間撹拌した後、BF・OEt(4.50mmol、555μL)を加え、混合物を室温で更に1時間撹拌した。次いでそれをEtOAc(30.0mL)で希釈し、3M HCl(3×30.0mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(9:1、トルエン/EtOAc)により、175mgの化合物22.1(54%の収率)を橙色の固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 7.41~7.30(m,10H)、6.59~6.53(m,2H)、5.30(s,4H)、2.82(s,6H)、1.92(s,6H)。
PLC-22(ジベンジル10-(4-((4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノイル)オキシ)-2,6-ジフルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート):CHCl(0.50mL)中の化合物22.1(0.078mmol、50mg)、化合物13.3.2(0.085mmol、51mg)及びDMAP・pTsOH塩(0.078mmol、23mg)の溶液にDIC(0.468mmol、73μL)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、それをセライトで濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(19:1、トルエン/EtOAc)により、78mgのPLC-22(82%の収率)を海老茶色の固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.68(dd,J=7.4,2.5Hz,2H)、8.48(dd,J=8.5,1.2Hz,1H)、7.76(dd,J=9.1,7.6Hz,2H)、7.44~7.27(m,20H)、7.25~7.19(m,6H)、7.11(見かけのt,J=7.4Hz,2H)、6.98(d,J=7.6Hz,2H)、5.28(s,4H)、2.89~2.81(m,8H)、2.68(t,J=7.4Hz,2H)、2.18(見かけのp,J=7.5Hz,2H)、1.92(s,6H)。
例2.23:PLC-23
Figure 0007415034000064
化合物23.1(ジベンジル10-(2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニル)-5,5-ジフルオロ-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート):CHCl(10.0mL)中のベンジル2,4-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキシレート(1.05mmol、241mg)及び2,6-ジフルオロ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(0.500mmol、96mg)の溶液にpTsOH・HO(0.050mmol、6mg)を加え、反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。DDQ(0.600mmol、136mg)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、トリエチルアミン(3.00mmol、417μL)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した後、BF・OEt(4.50mmol、555μL)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。次いでそれをEtOAc(30.0mL)で希釈し、3M HCl(3×30.0mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(トルエン→19:1、トルエン/EtOAc)により、211mgの化合物23.1(62%の収率)を橙色の固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 7.42~7.30(m,10H)、6.98(s,2H)、5.29(s,4H)、2.83(s,6H)、1.84(s,6H)。
PLC-23(ジベンジル10-(4-((4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノイル)オキシ)-2,6-ジフルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート):CHCl(0.40mL)中の化合物23.1(0.074mmol、50mg)、化合物13.3.2(0.081mmol、49mg)及びDMAP・pTsOH塩(0.074mmol、22mg)の溶液にDIC(0.296mmol、46μL)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、それをセライトで濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(トルエン→19:1、トルエン/EtOAc)により、70mgのPLC-23(75%の収率)を橙色/赤色の固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.71~8.65(m,2H)、8.48(dd,J=8.6,1.2Hz,1H)、7.76(dd,J=9.1,7.4Hz,2H)、7.44~7.27(m,21H)、7.25~7.18(m,6H)、7.15~7.08(m,2H)、5.28(s,4H)、2.89~2.78(m,8H)、2.68(t,J=7.4Hz,2H)、2.17(見かけのp,J=7.5Hz,2H)、1.84(s,6H);19F NMR(376MHz,クロロホルム-d) δ -142.60~-142.96(m)。
例2.24:PLC-24
Figure 0007415034000065
化合物24.1(4-ブロモ-N,N-ジ-p-トリラニリン):トルエン(1.50mL)中のジ-p-トリルアミン(1.00mmol、197mg)、1-ブロモ-4-ヨードベンゼン(1.10mmol、311mg)、Pd(OAc)(0.010mmol、2.24mg)及びキサントホス(0.010mmol、5.78mg)の溶液に、ナトリウムtert-ブトキシド(1.20mmol、115mg)を加え、反応混合物を24時間加熱還流した。反応を水(10.0mL)でクエンチし、混合物をCHCl(3×10.0mL)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(19:1、ヘキサン/EtOAc)により、114mgの化合物24.1(32%の収率)を無色の固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 7.27(dd,J=7.6,1.5Hz,1H)、7.06(d,J=8.3Hz,2H)、6.99~6.94(m,2H)、6.91~6.86(m,1H)、2.31(s,3H);13C NMR(101MHz,クロロホルム-d) δ 147.4、144.9、132.9、131.9、130.0、124.7、123.9、113.6、20.8。
化合物24.2(4-メチル-N-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-N-(p-トリル)アニリン):ジオキサン(2.00mL)中の化合物24.1(0.207mmol、73mg)、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.228mmol、58mg)及び酢酸カリウム(0.621mmol、61mg)の溶液にPdCl(dppf)(0.006mmol、5.00mg)を加え、反応混合物を80℃で3時間、次いで室温で14時間撹拌した。反応を1.0M NHCl水溶液(10.0mL)でクエンチし、混合物をCHCl(3×10.0mL)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(19:1、ヘキサン/EtOAc)により、57mgの化合物24.2(69%の収率)を無色の油状物として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 7.68~7.61(m,2H)、7.08(dd,J=8.4,2.3Hz,4H)、7.00(ddd,J=14.1,8.4,2.8Hz,6H)、2.33(s,6H)、1.34(s,12H)。
化合物24.3(4-(4-(6-(4-(ジ-p-トリルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタン酸):20:1容量/容量EtOH/HO(1.50mL)中の化合物24.2(0.143mmol、57mg)、化合物13.3.1(0.136mmol、60mg)及びKCO(0.204mmol、28mg)の溶液にPd(PPh(0.007mmol、8mg)を加え、反応混合物を80℃で16時間撹拌した。次いで、それを1M HCl(20.0mL)とCHCl(20.0mL)との間で分け、CHCl(3×20.0mL)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(1:1、ヘキサン/EtOAc→EtOAc)により、62mgの化合物24.3(72%の収率)を橙色の粉末として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.66(dd,J=7.4,3.7Hz,2H)、8.47(d,J=8.5Hz,1H)、7.78~7.71(m,2H)、7.37(dd,J=10.4,8.3Hz,4H)、7.26(d,J=8.1Hz,5H)、7.19~7.06(m,10H)、2.79(t,J=7.6Hz,2H)、2.46(t,J=7.3Hz,2H)、2.35(s,6H)、2.12~2.01(m,4H)。
PLC-24 ジベンジル10-(4-((4-(4-(6-(4-(ジ-p-トリルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノイル)オキシ)-2,6-ジメチルフェニル)-5,5-ジフルオロ-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート:CHCl(0.52mL)中の化合物3.5(ジベンジル5,5-ジフルオロ-10-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート)(0.052mmol、33mg)、化合物24.3(0.048mmol、30mg)及びDMAP・pTsOH塩(0.096mmol、28mg)の溶液にDIC(0.288mmol、45μL)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、それをセライトで濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(トルエン→19:1、トルエン/EtOAc)、続いてトルエン/ヘキサンからの再沈殿により、24mgのPLC-24(40%の収率)を橙色の固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.70~8.63(m,2H)、8.49(dd,J=8.6,1.2Hz,1H)、7.79~7.72(m,2H)、7.46~7.26(m,16H)、7.19~7.09(m,10H)、6.97(s,2H)、5.27(s,4H)、2.92~2.78(m,8H)、2.67(t,J=7.4Hz,2H)、2.35(s,6H)、2.22~2.08(m,8H)、1.72(s,6H)。
例2.25:PLC-25
Figure 0007415034000066
PLC-25(ジベンジル10-(4-((4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノイル)オキシ)-2,6-ジメトキシフェニル)-5,5-ジフルオロ-1,3,7,9-テトラメチル-5H-4λ,5λ-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート):CHCl(2.10mL)中のベンジル2,4-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキシレート(0.210mmol、48mg)及び化合物19.1(0.100mmol、77mg)の溶液にpTsOH・HO(0.010mmol、1.20mg)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、DDQ(0.120mmol、27mg)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。トリエチルアミン(0.600mmol、83μL)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した後、BF・OEt(0.900mmol、111μL)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。更にトリエチルアミン(0.300mmol、42μL)を加え、室温で10分間撹拌した後、BF・OEt(0.450mmol、55μL)を加え、混合物を室温で更に3時間撹拌した。次いでそれをEtOAc(15.0mL)で希釈し、3M HCl(3×15.0mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(トルエン→19:1、トルエン/EtOAc)により、60mgのPLC-25(48%の収率)を橙色の固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.68(dd,J=7.4,2.6Hz,2H)、8.48(d,J=8.5Hz,1H)、7.77(dd,J=9.3,7.4Hz,2H)、7.45~7.28(m,19H)、7.25~7.18(m,6H)、7.11(見かけのt,J=7.3Hz,2H)、6.49(s,2H)、5.27(s,4H)、3.71(s,6H)、2.87(t,J=7.5Hz,2H)、2.81(s,6H)、2.68(t,J=7.5Hz,2H)、2.18(見かけのp,J=7.5Hz,2H)、1.87(s,6H);19F NMR(376MHz,クロロホルム-d) δ -142.70~-143.10(m)。
例2.26:PLC-26
Figure 0007415034000067
化合物26.1:
第1の工程:50mLのDCE中のエチル2,4-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキシレート(1.0g、6.0mmol)、4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンズアルデヒド(0.449g、3.0mmol)及びp-TsOH(50mg、0.29mmol)の混合物を脱ガスし、室温で一晩撹拌した。LCMS分析は、反応がm/e=467のメインピークで完了したことを示す。
第2の工程:上記で得られた混合物に、DDQ(0.817g、3.6mmol)を加え、全体を室温で30分間撹拌した。LCMS分析は、反応がm/e=465のメインピークで完了したことを示す。
第3の工程:氷浴で冷却しながら、上記で得られた混合物に、トリエチルアミン(1.7mL、19mmol)及びBF-ジエチルエーテル(2.2mL、18mmol)を加え、得られた混合物を50℃で1時間撹拌した。更に1mLのトリエチルアミン及び1mLのBF-ジエチルエーテルを加え、全体を更に1時間加熱した。LCMS分析は、全てのジピロールメタン出発物質がm/e=513のBODIPY生成物に変換されたことを示す。室温まで冷却した後、反応混合物をシリカゲルに供し、ヘキサン/酢酸エチル(0%→30%酢酸エチル)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の画分を収集した。溶媒を除去した後、所望の生成物が橙色の固体として得られた(1.0g、65%の収率)。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 6.68(s,2H)、4.29(q,J=7.1Hz,4H)、2.84(s,6H)、2.05(s,6H)、1.34(t,J=7.1Hz,6H)。LCMS(APCI+):C2732BFについての計算値(M+H)=513.2;実測値:513。
PLC-26:DCM(6mL)中の化合物26.1(100mg、0.195mmol)、化合物13.3.2(4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタン酸)(132mg、0.22mmol)、DIC(0.1mL、0.63mmol)及びDMAP/p-TsOH(118mg、0.4mmol)の混合物を室温で一晩撹拌し、次いで、シリカゲルにロードし、DCM/酢酸エチル(0%→5%酢酸エチル)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の主な橙色の画分を収集した。溶媒を除去した後、得られた固体をDCM/MeOHで再沈殿させた。濾過後に所望の生成物PLC-26が得られ、橙色の固体として空気中で乾燥させた(145mg、68%の収率)。H NMR(400MHz,d2-TCE) δ 8.56(dd,J=7.4,4.7Hz,2H)、8.43(d,J=8.3Hz,1H)、7.79~7.64(m,2H)、7.41~7.18(m,10H)、7.18~7.12(m,6H)、7.03(t,J=7.3Hz,2H)、6.93(s,2H)、4.19(q,J=7.1Hz,4H)、2.81(t,J=7.6Hz,2H)、2.75(s,6H)、2.62(t,J=7.4Hz,2H)、2.11(t,J=7.5Hz,2H)、2.06(s,6H)、1.65(s,6H)、1.25(t,J=7.1Hz,6H)。LCMS(APCI-):C6759BFについての計算値(M-)=1096.4;実測値:1096。
例2.27:PLC-27
Figure 0007415034000068
1,4,5,6-テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2-b]ピロール(化合物27.1)
3:1のHO/EtOH(32.5mL)中の1-ベンゾスベロン(10.0mmol、1.46mL)の溶液に、室温でNHOH・HCl(15.0mmol、1.04g)及び酢酸ナトリウム(25.0mmol、2.05g)を加え、反応混合物を95℃で1時間撹拌した。次に、これを室温に冷却し、濾過し、水(150mL)で洗浄し、16時間凍結乾燥して、1.64gの6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾ[7]アヌレン-5-オンオキシム(94%の収率)を無色の固体として得て、これを更に精製せずに後続の合成工程において使用した。
DMSO(9.00mL)中の6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾ[7]アヌレン-5-オンオキシム(5.71mmol、1.00g)の溶液に、室温でKOH(17.1mmol、959mg)を加え、反応混合物を140℃に加熱した後に、DMSO(2.00mL)中の1,2-ジクロロエタン(11.4mmol、897μL)を、シリンジポンプを介して3時間かけて加えた。次に、混合物を室温に冷却し、1MのNHCl水溶液(30.0mL)でクエンチし、CHCl(3×30.0mL)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン→9:1のヘキサン/EtOAc)により、262mgの化合物27.1(25%の収率)を黄色の固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.18(br s,1H)、7.34(dd,J=7.8,1.3Hz,1H)、7.25~7.19(m,1H)、7.16(dd,J=7.6,1.6Hz,1H)、7.13~7.07(m,1H)、6.84(t,J=2.8Hz,1H)、6.17(t,J=2.8Hz,1H)、2.91(t,J=6.8Hz,2H)、2.86~2.80(m,2H)、2.07~1.98(m,2H);13C NMR(101MHz,クロロホルム-d) δ 140.4、131.8、129.3、126.8、125.9、125.2、123.2、121.8、118.3、111.1、34.9、27.8、26.7。
4-(19,19-ジフルオロ-6,7,11,12,13,19-ヘキサヒドロ-5H-18λ,19λ-ベンゾ[3’,4’]シクロヘプタ[1’,2’:4,5]ピロロ[1,2-c]ベンゾ[3’,4’]シクロヘプタ[1’,2’:4,5]ピロロ[2,1-f][1,3,2]ジアザボリニン-9-イル)-3,5-ジフルオロフェノール(化合物27.2)
CHCl(13.5mL)中の化合物27.1(1.36mmol、250mg)及び2,6-ジフルオロ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(0.650mmol、103mg)の溶液にpTsOH・HO(0.065mmol、8mg)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。次に、DDQ(0.780mmol、177mg)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。トリエチルアミン(3.90mmol、542μL)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した後に、BF・OEt(5.85mmol、722μL)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。更なるトリエチルアミン(3.90mmol、542μL)を加え、室温で30分間撹拌した後に、BF・OEt(5.85mmol、722μL)を加え、混合物を室温で更に1時間撹拌した。次に、これをEtOAc(30.0mL)で希釈し、3MのHCl(3×30.0mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(トルエン→19:1のトルエン/EtOAc)により、149mgの化合物17.2(42%の収率)を青色の固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 7.73(d,J=7.4Hz,1H)、7.31~7.14(m,4H)、6.71(s,1H)、6.62(d,J=10.0Hz,1H)、2.47~2.40(m,2H)、2.28~2.04(m,2H)、1.90~1.83(m,3H)。
4-(19,19-ジフルオロ-6,7,11,12,13,19-ヘキサヒドロ-5H-18λ,19λ-ベンゾ[3’,4’]シクロへプタ[1’,2’:4,5]ピロロ[1,2-c]ベンゾ[3’,4’]シクロへプタ[1’,2’:4,5]ピロロ[2,1-f][1,3,2]ジアザボリニン-9-イル)-3,5-ジフルオロフェニル4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート(PLC-27)
CHCl(0.50mL)中の化合物27.2(0.091mmol、50mg)、化合物13.3.2(0.099mmol、60mg)及びDMAP・pTsOH塩(0.091mmol、27mg)の溶液にDIC(0.364mmol、57μL)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、それをセライトで濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(トルエン)により、78mgのPLC-27(76%の収率)を暗紫色の固体として得た。H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 8.68~8.57(m,2H)、8.41(dd,J=8.5,1.2Hz,1H)、8.08~7.88(m,2H)、7.72~7.64(m,2H)、7.39~7.30(m,4H)、7.29~7.22(m,8H)、7.18~7.13(m,6H)、7.06~7.01(m,2H)、6.89(d,J=7.9Hz,2H)、6.51(s,2H)、2.85~2.77(m,2H)、2.65(t,J=7.4Hz,2H)、2.56(t,J=6.8Hz,4H)、2.35~2.18(m,4H)、2.18~2.09(m,2H)、2.01~1.91(m,4H)、1.22~1.13(m,4H)。
例2.28:PLC-28
Figure 0007415034000069
4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノイルクロリド(化合物28.1)
CHCl(2.50mL)中の化合物13.3.2(0.500mmol、300mg)の懸濁液に、DMF(1滴)及び塩化オキサリル(1.00mmol、86μL)を加え、反応混合物を室温で2.5時間撹拌した。全ての揮発性物質を減圧下で除去して、315mgの化合物28.1(99%超の収率)を黄色/茶色の固体として得た。材料は、次の合成工程で直接使用するのに十分な純度であった。H NMR(400MHz、塩化メチレン-d) δ 8.63(dd,J=7.5,1.6Hz,2H)、8.49(dd,J=8.6,1.2Hz,1H)、7.80~7.73(m,2H)、7.45~7.29(m,9H)、7.29~7.16(m,9H)、7.13~7.06(m,2H)、3.03(t,J=7.2Hz,2H)、2.84~2.76(m,3H)、2.17~2.09(m,2H);13C NMR(101MHz、塩化メチレン-d) δ 174.3、165.0、164.8、149.0、148.0、147.7、141.7、134.7、133.7、132.6、131.8、131.5、131.4、130.8、130.0、129.9、129.8、129.4、129.3、128.3、127.3、125.6、124.2、123.7、123.1、122.0、47.0、34.6、27.1。
2-(4-(3-(6,6-ジフルオロ-13,15-ジメチル-12,16-ジヒドロ-6H-5λ,6λ-インデノ[2’,1’:4,5]ピロロ[1,2-c]インデノ[2’,1’:4,5]ピロロ[2,1-f][1,3,2]ジアザボリニン-14-イル)プロピル)フェニル)-6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-1,3(2H)-ジオン(PLC-28)
DCE(2.20mL)中の化合物28.1(0.200mmol、124mg)の溶液に、DCE(2.20mL)中の3-メチル-1,4-ジヒドロインデノ[1,2-b]ピロール(0.440mmol、74mg)の溶液を室温で加え、反応混合物を16時間加熱還流し、その後、室温まで冷却した。トリエチルアミン(1.20mmol、166μL)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した後、BF・OEt(1.80mmol、222μL)を加え、混合物を室温で3.5時間撹拌した。次いでそれをEtOAc(30.0mL)で希釈し、3M HCl(3×30.0mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(3:2ヘキサン/EtOAc、次に1:1トルエン/CHCl)により、13mgのPLC-28(7%の収率)を紫色の固体として得た。H NMR(400MHz,塩化メチレン-d) δ 8.6(d,J=7.5Hz,2H)、8.5(d,J=8.5Hz,1H)、8.3(d,J=7.7Hz,2H)、7.8~7.7(m,2H)、7.5(d,J=7.6Hz,2H)、7.5~7.4(m,6H)、7.4~7.3(m,10H)、7.2~7.2(m,6H)、7.1~7.1(m,2H)、3.6(s,2H)、3.2~3.1(m,2H)、3.0(t,J=7.2Hz,2H)、2.4(s,6H)、2.2~2.1(m,2H)。
例2.29:PLC-29
Figure 0007415034000070
3,5-ジクロロ-4-(19,19-ジフルオロ-6,7,11,12,13,19-ヘキサヒドロ-5H-18λ,19λ-ベンゾ[3’,4’]シクロへプタ[1’,2’:4,5]ピロロ[1,2-c]ベンゾ[3’,4’]シクロへプタ[1’,2’:4,5]ピロロ[2,1-f][1,3,2]ジアザボリニン-9-イル)フェノール(化合物29.1):
100mLの2つ口丸底フラスコに空気式凝縮器及び撹拌子を取り付けた。このフラスコに、化合物1,4,5,6-テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2-b]ピロール(化合物27.1、220mg、1.20mmol)及び4-ヒドロキシ-2,6-ジクロロベンズアルデヒド(115mg、0.61mmol)を加え、続いて無水ジクロロエタン(15ml)を加えた。反応混合物にアルゴンを30分間散布し、次いでトリフルオロ酢酸(TFA)(3滴)を加えた。反応溶液を一晩40℃まで加熱した。反応物を氷水浴中で0℃に冷却した後、p-クロラニル(200mg、0.81mmol)を加えた。反応物を0℃で20分間維持した。次いで、BF・OEt(0.8mL、6.5mmol)及びEtN(0.5mL、3.6mmol)を0℃で加えた。反応混合物を50℃まで1時間加熱した。反応混合物にシリカゲルをロードし、溶離液としてDCM中のヘキサン(0%~70%)を使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、純粋なBODIPY化合物29.1を黄金色の固体として、33%の収率で115mg得た。MS(APCI):C3324BClOについての計算値([M-H])=584;実測値:584。H NMR(400MHz,CDCl) 8.09(dd,J=4.0Hz,2.0Hz,2H)、7.32(dddd,J=13.2Hz,7.2Hz,7.2Hz,2.0Hz,4H)、7.22(dd,J=6.4Hz,2.0Hz,2H)、6.99(s,2H)、6.43(s,2H)c,5.77(bs,1H)、2.63(dd,J=6.8Hz,6.8Hz,4H)、2.32(bs,4H)、2.03(ddd,J=14.0Hz,6.8Hz,6.8Hz,4H)。
PLC-29 無水ジクロロメタン(5mL)中の3,5-ジクロロ-4-(19,19-ジフルオロ-6,7,11,12,13,19-ヘキサヒドロ-5H-18λ,19λ-ベンゾ[3’,4’]シクロへプタ[1’,2’:4,5]ピロロ[1,2-c]ベンゾ[3’,4’]シクロへプタ[1’,2’:4,5]ピロロ[2,1-f][1,3,2]ジアザボリニン-9-イル)フェノール(化合物29.1、29mg、0.0495mmol)、4-(4-(6-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタン酸(化合物13.3.2、48mg、0.08mmol)、DIC(0.1mL、0.63mmol)、DMAP/TsOH塩(29mg、0.1mmol)の混合物を室温で48時間撹拌した。得られた混合物をシリカゲルにロードし、ヘキサン/ジクロロメタン(40%→100%ジクロロメタン)の溶離液を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の画分を集めた。溶媒を除去し、メタノールで洗浄した後、濾過後に暗赤色の固体が得られ、空気中で乾燥させた(PLC-29、43mg、74%の収率)。LCMS(APCI):C7353BClについての計算値:1168.3;実測値:1168。H NMR(400MHz,TCE-d2) δ 8.60~8.53(m,2H)、8.43(dd,J=8.6,1.1Hz,1H)、7.97(t,J=4.6Hz,2H)、7.76~7.68(m,2H)、7.39(d,J=8.2Hz,2H)、7.36~7.19(m,16H)、7.15(d,J=8.0Hz,6H)、7.03(t,J=7.3Hz,2H)、6.40(s,2H)、2.83(t,J=7.5Hz,2H)、2.68(t,J=7.4Hz,2H)、2.60~2.50(m,4H)、2.24(bs,4H)、2.14(q,J=7.6Hz,2H)、1.96(t,J=7.1Hz,4H)。
例3 色変換フィルムの製造
ガラス基材を、実質的に以下のように作製した。1インチ×1インチの大きさの1.1mm厚のガラス基材をサイズに合わせて切断した。次に、ガラス基材を洗剤及び脱イオン(DI)水で洗浄し、新しいDI水ですすぎ、約1時間超音波処理した。次に、ガラスをイソプロパノール(IPA)中に浸し、約1時間超音波処理した。次に、ガラス基材をアセトン中に浸し、約1時間超音波処理した。次に、ガラスをアセトン浴から取り出し、室温にて窒素ガスで乾燥させた。
シクロペンタノン(99.9%の純度)中のポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)(GPCによる平均分子量120000 米国マサチューセッツ州、バーリントンのMilliporeSigma製)コポリマーの20重量%の溶液を調製した。調製したコポリマーを40℃で一晩撹拌した。(PMMA)CAS:9011-14-7、(シクロペンタノン)CAS:120-92-3。
上記で調製した20%のPMMA溶液(4g)を、密封容器内で上記のように調製した3mgのフォトルミネッセンス錯体に加え、約30分間混合した。次に、PMMA/ルミフォア溶液を、作製されたガラス基材上に1000RPMで20秒間の後に500RPMで5秒間スピンコートした。得られた湿式コーティングは、約10μmの厚さを有した。試料をスピンコーティング前にアルミニウム箔で覆って、試料を露光から保護した。3つの試料をそれぞれ、放出/FWHM、及び量子収率のそれぞれのためにこのようにして作製した。スピンコートした試料を真空炉内で80℃にて3時間焼き付け、残りの溶剤を蒸発させた。
1インチ×1インチの試料を、株式会社島津製作所のUV-3600 UV-VIS-NIR分光光度計(Shimadzu Instruments,Inc.、米国メリーランド州、コロンビア)に挿入した。全てのデバイスの操作は、窒素充填されたグローブボックス内で行われた。PC-8について得られた吸収/放出スペクトルを図1に示し、PC-33について得られた吸収/放出スペクトルを図2に示す。
上記のように作製された1インチ×1インチのフィルム試料の蛍光スペクトルを、Fluorolog分光蛍光光度計(Horiba Scientific、米国ニュージャージー州、エジソン)を使用してそれぞれの最大吸収波長(maximum absorbance wavelength)で設定された励起波長を用いて決定した。最大放出及びFWHMを表1に示す。
上記のように作製された1インチ×1インチの試料の量子収率を、Quantarus-QY分光光度計(Hamamatsu Inc.、米国カリフォルニア州、キャンベル)を使用して、それぞれの最大吸収波長で励起させて決定した。結果を表1に報告する。
フィルムの特性評価の結果(吸収ピーク波長(absorbance peak wavelength)、FWHM、及び量子収率)を以下の表1に示す。
Figure 0007415034000071
Figure 0007415034000072

Figure 0007415034000073
Figure 0007415034000074
Figure 0007415034000075
Figure 0007415034000076
Figure 0007415034000077
Figure 0007415034000078


Claims (21)

  1. フォトルミネッセンス錯体であって、
    青色光吸収ナフタル酸誘導体と、
    ホウ素-ジピロメテン(BODIPY)部分と、
    前記ナフタル酸誘導体を前記BODIPY部分に共有結合させるリンカー基と、
    を含み、
    前記青色光吸収ナフタル酸誘導体は、式:
    Figure 0007415034000079
    (式中、XはNR又はOであり、
    は、H、置換アリール、又はリンカー基であり、
    nは0又は1であり、
    10は、H、メチル、カルバゾールを形成する隣接するフェニル環への直接結合、又はリンカー基であり、
    11は、H又はメチルである)
    によって表され、
    前記リンカー基は、置換エステル基、又は置換アラルキル基であり、
    前記ナフタル酸誘導体は、第1の励起波長の光エネルギーを吸収し、エネルギーを前記BODIPY部分に移動させ、前記BODIPY部分は、前記ナフタル酸誘導体からエネルギーを吸収し、第2のより高い波長の光エネルギーを放出し、
    該フォトルミネッセンス錯体は、80%を超える放出量子収率を有する、
    フォトルミネッセンス錯体。
  2. 前記BODIPY部分が式:
    Figure 0007415034000080
    (式中、R及びRは、独立して、H、アルキル基、アルケン基、又はアルキン基であり、
    及びRは、独立して、H又はC~Cアルキルであり、
    及びRは、独立して、H、アルキル基、アルケン基、アルキン基、シアノ(-CN)、アルキルエステル、又はアリールエステルであり、
    及びRはともに連結して、追加の単環式炭化水素環構造、又は多環式炭化水素環構造を形成してもよく、
    及びRはともに連結して、追加の単環式炭化水素環構造、又は多環式炭化水素環構造を形成してもよく、
    は、L又は
    Figure 0007415034000081
    であり、
    及びRは、独立して、H、メチル、フッ化物、塩化物、又はアルコキシ基であり、
    Lはリンカー基を表す)
    によって表される、請求項1に記載のフォトルミネッセンス錯体。
  3. XがNRであり、nが0であり、Rが置換アリールであり、R10が置換エステルリンカーであり、R11がHである、請求項1又は2に記載のフォトルミネッセンス錯体。
  4. が、
    Figure 0007415034000082
    である、請求項3に記載のフォトルミネッセンス錯体。
  5. XがNRであり、nが0又は1であり、Rがリンカー基であり、R10がHであり、R11がHである、請求項1に記載のフォトルミネッセンス錯体。
  6. XがNRであり、nが0又は1であり、Rがリンカー基であり、R10がメチルであり、R11がメチルである、請求項1に記載のフォトルミネッセンス錯体。
  7. XがNRであり、nが1であり、Rがリンカー基であり、R10がカルバゾールを形成する隣接するフェニル環への直接結合であり、R11がHである、請求項1に記載のフォトルミネッセンス錯体。
  8. XがOであり、nが1であり、R10がリンカー基であり、R11がHである、請求項1に記載のフォトルミネッセンス錯体。
  9. 、R、R、及びRがメチルであり、R及びRがアルキルエステル又はアリールエステルであり、R及びRがメチルであり、Lがリンカー基である、請求項2に記載のフォトルミネッセンス錯体。
  10. 、R、R、及びRがメチルであり、R及びRがシアノであり、R及びRがメチルであり、Lがリンカー基である、請求項2に記載のフォトルミネッセンス錯体。
  11. 、R、R、及びRがメチルであり、R及びRがアリールエステルであり、R及びRが独立してメチル、フッ化物、塩化物又はメトキシ基であり、Lがリンカー基である、請求項2に記載のフォトルミネッセンス錯体。
  12. 及びRがともに連結して多環式炭化水素環構造を形成し、R及びRがH又はメチルであり、R及びRがともに連結して多環式炭化水素環構造を形成し、R及びRがH、メチル、ハロゲン、又はメトキシ基であり、Lがリンカー基である、請求項2に記載のフォトルミネッセンス錯体。
  13. 前記リンカー基が以下:
    Figure 0007415034000083
    である、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12に記載のフォトルミネッセンス錯体。
  14. 前記リンカー基が以下:
    Figure 0007415034000084
    である、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12に記載のフォトルミネッセンス錯体。
  15. 前記錯体が以下の構造:
    Figure 0007415034000085

    Figure 0007415034000086

    Figure 0007415034000087

    Figure 0007415034000088
    Figure 0007415034000089
    の1つである、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14に記載のフォトルミネッセンス錯体。
  16. 色変換フィルムであって、
    透明基材層と、
    樹脂マトリックスを含む色変換層と、
    前記樹脂マトリックス内に分散された、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15に記載のフォトルミネッセンス錯体と、
    を含む、色変換フィルム。
  17. 一重項酸素消光剤又は遊離基捕捉剤を更に含む、請求項16に記載の色変換フィルム。
  18. 前記フィルムが10μmから200μmの間の厚さを有する、請求項16又は17に記載の色変換フィルム。
  19. 前記フィルムが、約400nm~約480nmの波長範囲の光を吸収し、510nm~約560nmの波長範囲、又は575nm~約645nmの波長範囲の光を放出する、請求項16、17、又は18に記載の色変換フィルム。
  20. 請求項16、17、18、又は19に記載の色変換フィルムを備えるバックライトユニット。
  21. 請求項20に記載のバックライトユニットを備えるディスプレイデバイス。
JP2022555944A 2020-03-20 2021-03-13 含ホウ素環式放出性化合物及びそれを含む色変換フィルム Active JP7415034B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202062992761P 2020-03-20 2020-03-20
US62/992,761 2020-03-20
PCT/US2021/022254 WO2021188392A1 (en) 2020-03-20 2021-03-13 Boron-containing cyclic emissive compounds and color conversion film containing the same

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023517750A JP2023517750A (ja) 2023-04-26
JP7415034B2 true JP7415034B2 (ja) 2024-01-16

Family

ID=75340295

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022555944A Active JP7415034B2 (ja) 2020-03-20 2021-03-13 含ホウ素環式放出性化合物及びそれを含む色変換フィルム

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP7415034B2 (ja)
KR (1) KR20220130792A (ja)
CN (1) CN115298286A (ja)
TW (1) TWI760152B (ja)
WO (1) WO2021188392A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115850234A (zh) * 2021-11-23 2023-03-28 厦门大学 一种n-苯基-1,8-萘二甲酰亚胺衍生物及其制备方法和应用
WO2023158976A1 (en) 2022-02-18 2023-08-24 Nitto Denko Corporation Boron-containing cyclic emissive compounds and color conversion film containing the same

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104945322A (zh) 2014-03-31 2015-09-30 华东理工大学 检测肿瘤乏氧的化合物及其制备方法
CN105017300A (zh) 2015-06-30 2015-11-04 东南大学 一种苝二酰亚胺-氟硼二吡咯荧光树形分子及其制备方法和应用
CN105440065A (zh) 2015-11-11 2016-03-30 东南大学 一种萘酰亚胺-氟硼二吡咯荧光分子np-bodipy及其制备方法和应用

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007238489A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Kanagawa Acad Of Sci & Technol 化学発光性化合物及びそれから成る標識剤

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104945322A (zh) 2014-03-31 2015-09-30 华东理工大学 检测肿瘤乏氧的化合物及其制备方法
CN105017300A (zh) 2015-06-30 2015-11-04 东南大学 一种苝二酰亚胺-氟硼二吡咯荧光树形分子及其制备方法和应用
CN105440065A (zh) 2015-11-11 2016-03-30 东南大学 一种萘酰亚胺-氟硼二吡咯荧光分子np-bodipy及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
KR20220130792A (ko) 2022-09-27
CN115298286A (zh) 2022-11-04
WO2021188392A1 (en) 2021-09-23
JP2023517750A (ja) 2023-04-26
TWI760152B (zh) 2022-04-01
TW202140504A (zh) 2021-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6212391B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP7415034B2 (ja) 含ホウ素環式放出性化合物及びそれを含む色変換フィルム
JP6939787B2 (ja) 色変換シート、それを含む光源ユニット、ディスプレイおよび照明装置
JP2024023315A (ja) ホウ素含有環状発光化合物及びそれを含む色変換フィルム
JP2024511260A (ja) 含ホウ素環式放出性化合物及びそれを含む色変換フィルム
TW202342695A (zh) 含硼環狀發光化合物和含有該含硼環狀發光化合物的色轉換膜
TW202342487A (zh) 含硼環狀發光化合物和含有該含硼環狀發光化合物的色轉換膜
JP7415016B2 (ja) 含ホウ素環式放出性化合物、及び該化合物を含む色変換フィルム
JP2024508226A (ja) 含ホウ素環式放出性化合物及びそれを含む色変換フィルム
JP7458498B2 (ja) 含ホウ素環式放出化合物及びそれを含む色変換フィルム
WO2024119026A1 (en) Boron-containing cyclic emissive compounds and color conversion film containing the same
CN118355090A (zh) 含硼环状发光化合物和含有该含硼环状发光化合物的色彩转换膜
TW202330556A (zh) 含硼環狀發光化合物和含有該含硼環狀發光化合物的色轉換膜
CN118355091A (zh) 含硼环状发光化合物和含有该含硼环状发光化合物的色彩转换膜
CN117396580A (zh) 含硼环状发光化合物和包含该化合物的色彩转换膜
CN117063288A (zh) 含硼环状发光化合物和包含该含硼环状发光化合物的色彩转换膜
CN116917300A (zh) 多环芳香族化合物、颜色转换组合物、颜色转换片、光源单元、显示器及照明装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7415034

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150