JP7414610B2 - 崩壊性中子の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、崩壊性中子の製造方法に関する。
径の異なる2つの円筒状部材間に、径方向の柱を複数配置し、当該柱の間に冷媒を流す技術が知られている。
中国特許公開第102904386号公報
しかしながら、上記のような従来技術では、径の異なる2つの円筒状部材(内径側の円筒状部材と外径側の円筒状部材)の組み合わせが必要となるので、部材間の隙間が発生しやすい。かかる隙間が発生すると、当該隙間に冷媒の流れが発生して所期の冷却効果が得られないおそれがある。
そこで、本開示は、径方向の柱が複数配置された1ピースの円筒状部材の製造に好適な崩壊性中子の製造方法を提供することを目的とする。
1つの側面では、本発明は、回転電機の円筒状部材の製造に用いる崩壊性中子の製造方法であって、
周方向で複数に分割された内周側金型と、前記周方向で複数に分割された外周側金型との間で、中子材料を固化する工程と、
前記内周側金型と前記外周側金型から、固化した中子材料を離間させる離型工程とを含み、
前記内周側金型の外周面は、周方向全周のうちの第1周範囲において、径方向に突出する複数の第1突出部を有し、
前記外周側金型の内周面は、周方向全周のうちの第2周範囲において、径方向に突出する複数の第2突出部を有し、
前記第1周範囲と前記第2周範囲とは、前記周方向の位相が異なる、製造方法が提供される。
1つの側面では、本発明によれば、径方向の柱が複数配置された1ピースの円筒状部材の製造に好適な崩壊性中子の製造方法を提供することが可能となる。
モータの外観を概略的に示す正面図である。 モータの一部を概略的に示す側面図(軸方向に視た平面図)である。 モータの中心軸を通る平面で切断した際の、モータの一部を概略的に示す断面図である。 冷却水路に係る中子の単体を示す斜視図である。 ステータコアの単品状態の平面図である。 ステータの径方向に沿った断面図である。 ステータの軸方向に沿った断面図である。 一のコイル片の3面図である。 ステータの製造方法の流れを示す概略フローチャートである。 図5のQ1部の拡大図である。 本実施例による崩壊性中子を概略的に示す斜視図である。 内周側金型の一例を概略的に示す斜視図である。 外周側金型の一例を概略的に示す斜視図である。 離型工程における内周側金型及び外周側金型の移動方向の説明図である。 図14のQ13部の拡大図である。 比較例による内周側金型を概略的に示す斜視図である。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
以下では、本実施例による崩壊性中子及びその製造方法の詳細な説明に先立って、まず、図1から図8を参照して、本実施例による崩壊性中子を用いて製造されるのが好適なモータ10の構成を説明し、次いで、図9を参照して、本実施例による崩壊性中子を用いたモータ10の製造方法を概説する。
図1は、モータ10の外観を概略的に示す正面図であり、図2は、モータ10の一部を概略的に示す側面図(軸方向に視た平面図)であり、図3は、モータ10の中心軸Iを通る平面で切断した際の、モータ10の一部を概略的に示す断面図である。図4は、冷却水路95に係る中子795Aの単体を示す斜視図である。図1~図3では、モータ10のロータの図示が省略され、ステータコイル114等が非常に概略的に示される。
以下では、径方向は、特に言及しない限り、モータ10の中心軸I(=ステータコア112の中心軸)を基準とする。また、以下の説明では、上下方向は、中心軸Iが水平方向に略平行になるように搭載されたモータ10の搭載状態での上下方向を表す。図1等には、当該上下方向に対応したZ方向と、軸方向に対応するX方向とが図示されている。この場合、Z方向は、中心軸Iに直交し、Z1側が上側であり、Z2側が下側である。
モータ10は、ロータ(図示せず)と、ステータ10bとを備え、ステータ10bは、ステータコア112と、ステータコイル114とを含む。ステータコイル114は、軸方向両端にコイルエンド220A、220Bを含む。
また、モータ10は、支持ケース60(円筒状部材の一例)を含む。
支持ケース60は、図1及び図2等に示すように、円筒状の形態であり、モータ10のケースとして機能できる。支持ケース60は、例えば、軸方向の両側が開口した形態(軸方向に視て、ステータコア112に実質的に重なることがない形態)である。支持ケース60は、軸方向の両側で他のケース部材60A、60B(図3に、一点鎖線で概略的に図示)に結合される。なお、図3では、図示しないが、軸方向の一端側のケース部材60A又は60Bは、ロータ(図示せず)を回転可能に支持してよい。なお、図2及び図3には、他のケース部材60A、60Bとのボルト結合用の穴610が図示されている。このように、支持ケース60は、軸方向の端面が他のケース部材60A、60Bの軸方向の端面に軸方向に当接する態様で、他のケース部材60A、60Bに結合されてもよい。なお、ボルト結合用の穴610は、軸方向に貫通する貫通穴の形態であってもよいし、非貫通穴の形態であってもよい。
支持ケース60は、アルミを主成分とする材料により形成される。例えば、支持ケース60は、後述のように冷却水が通る冷却水路95を形成する関係上、好ましくは、耐腐食性が良好なアルミ合金により形成される。アルミ合金としては、例えば、Al-Si系合金や、Al-Mg系合金、Al-Mg-Si系合金等、任意である。
支持ケース60は、後述のようにケース油路35及び冷却水路95(図3参照)を形成する中空部(空洞)を有する構造である。かかる中空部を有する支持ケース60は、一ピースの部材であり、鋳造で形成されてよい。
具体的には、支持ケース60は、好ましくは、崩壊性中子(入れ子)(図4の中子795A参照)を利用して形成される。ここで、図4は、冷却水路95に係る中子795Aを概略的に示すが、ケース油路35に係る中子も同様に用意される。なお、図4に示す中子795Aは、冷却水路95を形成するための円筒部7951を備え、円筒部7951には、円柱部1951を形成するための孔1951A(径方向の貫通穴)が複数形成される。また、中子795Aは、軸方向の溝部957Aを備え、軸方向の溝部957Aは、冷却水路95の周方向の連続性を、支持ケース60の天頂部領域で軸方向に遮断するための仕切り壁(図示せず)を形成する。溝部957Aは、径方向に貫通する形態である。また、中子795Aは、入口水路942及び出口水路944を形成するための円柱部942A、944Aを有する。
支持ケース60は、このような2つの中子を、金型(図示せず)内に、ケース油路35に係る中子の径方向内側に冷却水路95に係る中子が径方向に隙間を介して配置される態様でセットし、溶融した金属材料(支持ケース60の材料であり、例えばアルミ合金)を当該金型内に注入することで形成(鋳造)できる。この場合、各中子は、例えば崩壊性の塩中子であってよく、金型から取り出された鋳造物における各中子の部分に水を注入することで、塩を溶かして除去する。この結果、ケース油路35に係る中子の部分(円柱部1351を形成するための孔まわりの部分)が空間(ケース油路35等の空間)となり、冷却水路95に係る中子の部分(図4に示すような、円柱部1951を形成するための孔1951Aまわりの部分)が空間(冷却水路95等の空間)となり、径方向でケース油路35に係る中子と冷却水路95に係る中子との間の隙間(支持ケース60の軸方向の略全長にわたり軸方向に延在する円環状の隙間)が境界壁面部位652(図3参照)となり、金型の外周面とケース油路35に係る中子の径方向外側の表面との間の隙間(支持ケース60の軸方向の略全長にわたり軸方向に延在する円環状の隙間)が外径側壁面部位653(図3参照)となり、型の内周面と冷却水路95に係る中子の径方向内側の表面との間の隙間(支持ケース60の軸方向の略全長にわたり軸方向に延在する円環状の隙間)が内径側壁面部位651(図3参照)となり、かつ、型と各中子の軸方向の両端面との間の隙間(円環状の隙間)が両端壁部660(図3参照)となる支持ケース60を製造できる。
支持ケース60は、径方向でステータコア112に接する態様でステータコア112を径方向内側に保持する。すなわち、支持ケース60は、ステータコア112の径方向外側の表面を隙間なく覆う態様で、ステータコア112を保持する。このようにして、支持ケース60は、ステータコア112を含むステータ10bを回転不能に支持する。
支持ケース60とステータコア112とは、ボルトによる締結ではなく、接合により一体化される。すなわち、支持ケース60は、ステータコア112の径方向外側の表面に、その径方向内側の表面が接合される。支持ケース60とステータコア112との接合方法については後述する。
支持ケース60は、好ましくは、ステータコア112の径方向外側の表面の略全体に、その径方向内側の表面が接する態様(面接触する態様)でステータコア112を保持する。この場合、支持ケース60内の冷却水路95を通る冷却水によりステータコア112の全体を効率的に冷却できる。ここでは、一例として、支持ケース60は、図3に示すように、ステータコア112のX方向の全長にわたり延在し、ステータコア112の外周面の略全体に、その内周面が接する。なお、ステータコア112の外周面の“略全体”とは、ステータコア112の溶接溝(図示せず)のような箇所(ステータコア112の外周面と支持ケース60の内周面とが径方向で離間しうる箇所)を許容する概念である。
支持ケース60は、内部にケース油路35及び冷却水路95を形成する。この際、径方向内側からステータコア112、冷却水路95、及びケース油路35の順に隣接して配置される。なお、“隣接”とは、支持ケース60に係る材料部分以外は介在しない態様を指す。
冷却水路95は、入口水路942及び出口水路944に接続される。具体的には、冷却水路95は、上流側の端部が入口水路942に接続され、下流側の端部が出口水路944に接続される。入口水路942及び出口水路944は、図1に示すように、支持ケース60の径方向外側から径方向外側(上下方向では上側)に突出する態様で、形成されてもよい。
冷却水路95は、ステータコア112の軸方向の延在範囲において周方向に延在する。ここでは、一例として、冷却水路95は、多数の円柱部1951(径方向に延在する円柱部)まわりに形成される形態(図3及び図4参照)である。より具体的には、冷却水路95は、径方向内側が内径側壁面部位651により仕切られ、径方向外側が境界壁面部位652により仕切られ、かつ、軸方向の両端部が両端壁部660により閉塞される。そして、このようにして形成される円環状の空間(支持ケース60の軸方向の略全長にわたり軸方向に延在する円環状の空間)に、内径側壁面部位651から境界壁面部位652まで径方向に延在する多数の円柱部1951が配置される。多数の円柱部1951は、流れに対して抵抗となりつつ、ステータコア112の径方向外側の表面の全体にわたり、淀みなく冷却水が流れるように機能する。多数の円柱部1951は、当該円環状の空間において略均等な態様で分散して配置されてよい。冷却水路95は、軸方向の一端が、入口水路942に接続され、軸方向の他端が出口水路944に接続される。
なお、図4に示す中子795Aは、上述したように支持ケース60の天頂部領域において軸方向の仕切り壁(図示せず)を形成するための軸方向の溝部957Aを備え、溝部957Aは、径方向に貫通する形態である。冷却水路95は、溝部957Aに対応する仕切り壁を有することで、入口水路942から出口水路944へと直線状に流れる冷却水の流れを防止できる。すなわち、入口水路942から導入された冷却水は、出口水路944まで至るためには、ステータコア112の径方向外側を周回しつつ軸方向に流れる必要があるので、入口水路942から出口水路944まで直線状に冷却水が流れる場合に比べて、ステータコア112を効果的に冷却できる。
ケース油路35は、ステータコア112の軸方向の延在範囲において周方向に延在する。ここでは、一例として、ケース油路35は、多数の円柱部1351(径方向に延在する円柱部)まわりに形成される形態(図3参照)である。より具体的には、ケース油路35は、径方向内側が境界壁面部位652により仕切られ、径方向外側が外径側壁面部位653により仕切られ、かつ、軸方向の両端部が両端壁部660により閉塞される。そして、このようにして形成される円環状の空間(支持ケース60の軸方向の略全長にわたり軸方向に延在する円環状の空間)に、境界壁面部位652から外径側壁面部位653まで径方向に延在する多数の円柱部1351が配置される。多数の円柱部1351は、当該円環状の空間において略均等な態様で分散して配置されてよい。
また、ここでは、一例として、ケース油路35は、図3に示すように、軸方向の一方の側の第1油路部351と、軸方向の他方の側の第2油路部352とを含む。第1油路部351と第2油路部352とは、入口油路330、331よりも上流側以外は、互いに対して連通しない独立した油路部である。なお、入口油路330、331は、図1に示すように、支持ケース60の径方向外側から径方向外側(上下方向では下側)に突出する態様で、形成されてもよい。
第1油路部351は、ステータコア112の軸方向の延在範囲の一方の側(本例ではX1側)において周方向に延在する。第1油路部351は、中心軸Iまわりの円筒状の形態(上述のように径方向の円柱部1351を備える円筒状の形態)であり、一端が入口油路330に連通し、他端が油滴下部(図示せず)にて開口する。
第2油路部352は、ステータコア112の軸方向の延在範囲の他方の側(本例ではX2側)において周方向に延在する。第2油路部352は、中心軸Iまわりの円筒状の形態(上述のように径方向の円柱部1351を備える円筒状の形態)であり、一端が入口油路331に連通し、他端が油滴下部(図示せず)にて開口する。
なお、ここでは、一例として、第1油路部351及び第2油路部352は、ステータコア112の軸方向の延在範囲の中心付近で分離した対称な形態である。これにより、ケース油路35を軸方向に分離しつつ、ステータコア112を第1油路部351及び第2油路部352のそれぞれを通る油により均等に冷却することが容易となる。ただし、変形例では、第1油路部351及び第2油路部352は、ステータコア112の軸方向の延在範囲の中心に関して非対称な形態であってもよいし、冷却水路95のように、第1油路部351及び第2油路部352が連通(連続)する態様であってもよい。
ここで、上述した冷却水路95及びケース油路35における冷却水と油の流れを概説する。
入口水路942に供給(図1の矢印R1参照)される冷却水は、冷却水路95に入り、冷却水路95を通って、ステータコア112の径方向外側で中心軸Iまわりを回りつつX1側からX2側へと流れ、出口水路944から出ていく(図1の矢印R3参照)。
入口油路330、331に供給(図1の矢印R10参照)される油は、ケース油路35の第1油路部351及び第2油路部352に供給され、第1油路部351に供給された油は、X1側へと中心軸Iまわりを回りつつ流れ、X1側端部における天頂部領域に至って油滴下部(図示せず)から、X1側のコイルエンド220Aに滴下される(図示せず)。同様に、第2油路部352に供給された油は、X2側へと中心軸Iまわりを回りつつ流れ、X2側端部における天頂部領域に至って油滴下部(図示せず)から、X2側のコイルエンド220Bに滴下される(図示せず)。
図1~図4に示す例によれば、冷却水路95を形成する支持ケース60が、ステータコア112に接するので、冷却水とステータコア112との間には、支持ケース60の内径側壁面部位651だけが存在するだけである。ここで、冷却水は、ラジエータ(図示せず)で外気(例えば車両の走行時に通過する空気)と熱交換されて冷却され、油は、冷却水路95内の冷却水と熱交換されて冷却されるものであるので、冷却水の方が油よりも低温である。従って、冷却水とステータコア112との間に、例えば油等の他の媒体や部材が介在する場合に比べて、冷却水によりステータコア112を効率的に冷却できる。
また、図1~図4に示す例によれば、上述のように、冷却水路95は、ステータコア112の径方向外側でステータコア112の軸方向の全体にわたり延在しかつ周方向の全体にわたり延在するので、ステータコア112の全体から熱を奪うことができる。
また、図1~図4に示す例によれば、支持ケース60内に冷却水路95とケース油路35とが形成されるので、支持ケース60内に冷却水路95とケース油路35との間の境界部を形成できる。すなわち、冷却水路95を形成する支持ケース60がケース油路35を形成するので、径方向で冷却水と油との間には、支持ケース60の境界壁面部位652が存在するだけである。従って、冷却水と油との間に、例えば他の部材が介在する場合に比べて、冷却水により油を効率的に冷却できる。従って、図1~図4に示す例によれば、出力の比較的高いモータ10においても、オイルクーラを不要とすることができる。
また、図1~図4に示す例によれば、上述したように、支持ケース60は、1ピースの部材でありながら、冷却水路95とケース油路35とを内部に形成するので、2つ以上の部材を結合することで支持ケース60のような支持ケースを形成する構成に比べて、部品点数を少なくすることができるとともに、結合のための構造(例えばボルト締結構造)等が不要となり、簡易な構成を実現できる。
なお、図1~図4に示す例において、ケース油路35内の油は、モータ10の動作中は常に循環されてもよいし、あるいは、モータ10の動作中の一部の期間だけ循環されてもよい。例えば、ケース油路35内の油は、上述したように主にコイルエンド220A、220Bの冷却に使用されるので、コイルエンド220A、220Bの発熱が比較的大きくなる期間だけ循環されてもよい。
なお、図1~図4では、特定の構造のモータ10が示されるが、モータ10の構造は、冷却水路95及びケース油路35のような油路を有する円筒状部材を有する限り、任意である。従って、支持ケース60は、冷却水路95及びケース油路35のうちの、一方を有していなくてもよい。また、図1~図4では、特定の冷却方法が開示されているが、モータ10の冷却方法は任意である。従って、例えば、冷却水路95及びケース油路35は、冷却水及び油がそれぞれ螺旋状で中心軸Iまわりを旋回するように形成されてもよい。
次に、図5~図8を参照して、モータ10のステータコア112及びステータコイル114について説明する。
図5は、ステータコア112の単品状態の平面図である。図6は、ステータコア112にコイル片52が組み付けられた状態のステータ10bの径方向に沿った断面図である。図7は、ステータコア112にコイル片52が組み付けられた状態のステータ10bの軸方向に沿った断面図である。なお、図7には、図中のQ2部の拡大図が併せて示される。
ステータ10bは、上述したように、ステータコア112と、ステータコイル114とを含む。
ステータコア112は、鉄を主成分とする材料により形成される。例えば、ステータコア112は、例えば円環状の強磁性体の積層鋼板からなるが、変形例では、ステータコア112は、磁性粉末が圧縮して固められた圧粉体により形成されてもよい。なお、ステータコア112は、周方向で分割される分割コアにより形成されてもよいし、周方向で分割されない形態であってもよい。ステータコア112の径方向内側には、ステータコイル114が巻回される複数のスロット220が形成される。具体的には、ステータコア112は、図5に示すように、円環状のバックヨーク22Aと、バックヨーク22Aから径方向内側に向かって延びる複数のティース22Bとを含み、周方向で複数のティース22B間にスロット220が形成される。スロット220の数は任意であるが、ここでは、一例として、48個である。なお、スロット220は、径方向内側の幅(周方向の幅)が径方向外側の幅未満に設定されてよい。
ステータコイル114は、U相コイル、V相コイル、及びW相コイル(以下、U、V、Wを区別しない場合は「相コイル」と称する)を含む。各相コイルの基端は、入力端子(図示せず)に接続されており、各相コイルの末端は、他の相コイルの末端に接続されてモータ10の中性点を形成する。すなわち、ステータコイル114は、スター結線される。ただし、ステータコイル114の結線態様は、必要とするモータ特性等に応じて、適宜、変更してもよく、例えば、ステータコイル114は、スター結線に代えて、デルタ結線されてもよい。
各相コイルは、複数のコイル片52を結合して構成される。図8は、一のコイル片52の3面図である。コイル片52は、相コイルを、組み付けやすい単位(例えば2つのスロット220に挿入される単位)で分割したセグメントコイル(セグメント導体)の形態である。コイル片52は、断面略矩形の線状導体(平角線)を、絶縁被膜(図示せず)で被覆してなる。ここでは、線状導体は、一例として、銅により形成される。ただし、変形例では、線状導体は、鉄のような他の導体材料により形成されてもよい。
一のコイル片52は、軸方向の一方側の第1セグメント導体52Aと、軸方向の他方側の第2セグメント導体52Bとを結合してなる。第1セグメント導体52A及び第2セグメント導体52Bは、それぞれ、一対の直線状の導体辺部50と、当該一対の導体辺部50を連結する渡り部54と、を有した略U字状に成形されてよい。コイル片52をステータコア112に組み付ける際、一対の導体辺部50は、それぞれ、スロット220に挿入される(図7参照)。この場合、コイル片52は、例えば軸方向に組み付けることができる。
一のスロット220には、図7に示すコイル片52の導体辺部50が複数、径方向に並んで挿入される。従って、ステータコア112の軸方向の両端には、周方向に延びる渡り部54が複数、径方向に並ぶ。ここでは、一例として、一のスロット220に8つのコイル片52が組み付けられる(すなわち8層巻構造である)。なお、渡り部54は、コイルエンド220A、220Bを生成する。
ここでは、第1セグメント導体52Aは、図8に示すように、周方向両側の導体辺部50のうちの一方が長く、他方が短く、第2セグメント導体52Bは、周方向両側の導体辺部50のうちの他方が長く、一方が短い。これにより、第1セグメント導体52A及び第2セグメント導体52Bのそれぞれに係る2つの結合部を軸方向にオフセットすることができる。また、ここでは、第1セグメント導体52A及び第2セグメント導体52Bは、それぞれ、周方向両側の導体辺部50のうちの一方が結合可能であるのに対して、他方が、径方向に1層分だけ互いに離間する方向にオフセットする。具体的には、第1セグメント導体52A及び第2セグメント導体52Bは、それぞれ、対向面42の頂部にオフセット部521A、521Bを備え、オフセット部521A、521Bは、径方向で逆方向のオフセットを実現する。
コイル片52は、重ね巻の形態でステータコア112に巻装される。この場合、一のコイル片52を構成する第1セグメント導体52A及び第2セグメント導体52Bは、図7に示すように、それぞれ、周方向両側の導体辺部50のうちの、一方側の導体辺部50の結合部40同士が結合される。この場合、他方側の導体辺部50は、他の一のコイル片52に結合される。この際、結合部40は、互いに全体が径方向で対向して面接触する対向面42を有し、対向面42同士が重なる状態で結合部40同士が結合される。
なお、コイル片52の結合部40同士を結合する際の結合方法としては、溶接が利用される。例えば、溶接方法としては、TIG溶接に代表されるアーク溶接が採用されてもよいし、レーザビーム源を熱源とするレーザ溶接が採用されてもよい。
図5~図8に示す例によれば、ステータコイル114は、セグメントコイルの形態であるコイル片52により形成されるので、ステータコア112のスロット220内の占積率を効果的に高めることができる。なお、ステータコイル114の構成は、国際特許公開第2019/059293号パンフレット(WO2019/059293 A1)に記載されるような構成と同じであってよく、当該文献に記載の内容は、ここでの参照により本明細書に組み込む。例えばコイル片52の第1セグメント導体52A及び第2セグメント導体52Bは、当該文献に記載のコイル片の第1セグメント導体及び第2セグメント導体と同じであってよい。
なお、図5~図8では、特定の構造のステータコア112及びステータコイル114が示されるが、ステータコア112及びステータコイル114の構造は、ステータコイル114がセグメントコイルの形態のコイル片52から形成される限り、任意である。また、セグメントコイルの形態のコイル片は、コイル片52のようなステータコア112のスロット220内で結合される形態に限られず、軸方向一端側で結合される形態のような、他の形態であってもよい。また、ステータコイル114の巻き方も任意であり、波巻の形態等のような、上述したような重ね巻の形態以外の巻き方であってもよい。
次に、図9以降を参照して、支持ケース60とステータコア112との接合方法について、ステータ10bの製造方法とともに説明する。
図9は、ステータ10bの製造方法の流れを示す概略フローチャートであり、図10は、支持ケース60とステータコア112との接合方法の説明図であり、接合層61が形成された状態のステータコア112の拡大図(図5のQ1部の拡大図)である。
ステータ10bの製造方法は、まず、ステータコア112を準備することを含む(ステップS30)。ステータコア112は、例えば円環状の強磁性体の積層鋼板からなる。この場合、各鋼板は、互いに結合されていなくてもよいし、溶接等により結合されていてもよい。
次いで、ステータ10bの製造方法は、ステータコア112の表面(径方向外側の表面)に、接合層61(図10参照)を形成することを含む(ステップS32)。接合層61は、次の工程で導入されるアルミを主成分とする材料が、ステータコア112の表面に接合しやすくするための層であり、接合層61は、鉄とアルミの合金層である。鉄とアルミの合金層は、例えば、アルミナイジング処理を行うことで形成できる。アルミナイジング処理の場合、ステータコア112の表面の一部が溶融し、アルミとの合金層が形成される。ステータコア112の表面の一部が溶融して接合層61が形成されるので、接合層61とステータコア112とは強固に一体化される。
接合層61は、好ましくは、ステータコア112における支持ケース60と接合する範囲全体をカバーするように形成される。これにより、ステータコア112と支持ケース60との間の接合を、ステータコア112と支持ケース60との間の接合範囲の全体にわたって強固にすることができる。
次いで、ステータ10bの製造方法は、接合層61が形成されたステータコア112を、金型(図示せず)にセットすることを含む(ステップS34)。この際、上述したケース油路35及び冷却水路95を形成するための中子(図4の中子795A参照)を金型にセットする。
次いで、ステータ10bの製造方法は、ステータコア112(接合層61が形成されたステータコア112)がセットされた金型に、アルミを主成分とする材料(以下、単に「アルミ材料」とも称する)を、溶かした状態で鋳込む(注入する)ことで、支持ケース60を鋳造することを含む(ステップS36)。なお、ここでは、溶かしたアルミ材料の重さだけで鋳造する金型鋳造(アルミ重力鋳造)方法が採用されるが、他の鋳造方法が利用されてもよい。
ここで、金型にセットされたステータコア112の表面には、上述のように接合層61が形成されている。従って、金型に、溶かしたアルミ材料を導入すると、アルミ材料が接合層61に含まれるアルミと一体化する。このようにして、接合層61を介してステータコア112の表面に支持ケース60を強固に接合できる。
次いで、ステータ10bの製造方法は、上述したケース油路35及び冷却水路95を形成するための中子(図4の中子795A参照)を“崩壊”させることを含む(ステップS38)。これにより、支持ケース60の内部に上述したケース油路35及び冷却水路95が形成される。
次いで、ステータ10bの製造方法は、上述のように支持ケース60が接合されたステータコア112に、コイル片52を組み付けることを含む(ステップS40)。この場合、コイル片52は、ステータコア112のスロット220内に軸方向に(又は径方向内側から)容易に組み付けることができる。
次いで、ステータ10bの製造方法は、コイル片52同士を結合すること(結合工程)を含む(ステップS42)。
このようにして、図9に示す例によれば、アルミナイジング処理により接合層61を形成することで、ステータコア112と支持ケース60とが強固に接合したステータ10bを容易に製造できる。なお、このようにして製造されたステータ10bの径方向内側に、ロータ(図示せず)が組み付けられ、モータ10を形成できる。
なお、図9では、アルミナイジング処理により接合層61を形成するが、これに代えて又は加えて、ステータコア112の表面に楔状の凸部を形成して接合強度を高めてもよい。
次に、図11以降を参照して、本実施例による崩壊性中子7及びその製造方法を詳細に説明する。以下で説明する崩壊性中子7は、上述した中子795A(及びケース油路35に係る中子)に対して適用可能である。なお、以下では、「軸」とは、モータ10の中心軸Iに対応する。また、用語「所定」とは、「予め規定された」という意味で用いられる。
図11は、本実施例による崩壊性中子7を概略的に示す斜視図である。
崩壊性中子7は、図11に示すように、円筒状の形態であり、径方向に貫通する複数の孔7A、7Bを有する。複数の孔7A、7Bは、円筒状の形態の周方向全周のうちの第1周範囲A1に形成される複数の第1孔7Aと、円筒状の形態の周方向全周のうちの第2周範囲A2に形成される複数の第2孔7Bとを含む。
第1周範囲A1と第2周範囲A2とは、周方向の位相(軸まわりの位相)が異なる。本実施例では、図11に示すように、第1周範囲A1及び第2周範囲A2は、軸まわりに45度ごとに交互に現れる(図11では、一部のみに符号“A1”及び”“A2”を付与)。なお、変形例では、45度以外の角度ごとに第1周範囲A1及び第2周範囲A2が交互に設定されてもよい。
第1孔7Aは、径方向外側に向かうにつれて開口面積が減少し、第2孔7Bは、径方向外側に向かうにつれて開口面積が増加する。これについては、内周側金型70の第1突出部700の形状、及び、外周側金型80の第2突出部800の形状に関連し、後述する。
図12は、内周側金型70の一例を概略的に示す斜視図である。図13は、外周側金型80の一例を概略的に示す斜視図である。
崩壊性中子7は、内周側金型70と外周側金型80とを利用して成形される。具体的には、崩壊性中子7の成形方法は、内周側金型70の外周面と外周側金型80の内周面の間(径方向の間)に、塩等を含む中子材料を固化する工程と、内周側金型70と外周側金型80から、固化した中子材料を離間させる離型工程(成形物を内周側金型70及び外周側金型80から離型する工程)とを含む。
内周側金型70は、軸まわりの周方向で複数に分割される。本実施例では、内周側金型70は、4つの部位71、72、73、74を含む。4つの部位71、72、73、74は、全周で360度にわたる外周面を形成する。部位71、72は、互いに対して対向して配置される(すなわち、対角関係に配置される)。部位71、72は、それぞれ、45度分の外周面を形成する。部位71、72は、互いに同一の構成を有してよい。部位73、74は、互いに対して対向して配置される(すなわち、対角関係に配置される)。部位73、74は、それぞれ、135度分の外周面を形成する。部位73、74は、互いに同一の構成を有してよい。部位71、72は、それぞれ、周方向で部位73、74の間に配置される。
内周側金型70は、外周面に、第1突出部700を有する。第1突出部700は、上述した崩壊性中子7の第1孔7Aを形成するために設けられる。従って、内周側金型70は、上述した第1周範囲A1に対応した周範囲に、第1突出部700を有する。4つの部位71、72、73、74は、それぞれ、一の第1周範囲A1に係る第1突出部700を有する。一の第1周範囲A1に係る第1突出部700は、当該一の第1周範囲A1の周方向全体にわたり形成される。これにより、第1突出部700(及びそれに伴い第1孔7A)を周方向で高密度に形成できる。
外周側金型80は、軸まわりの周方向で複数に分割される。本実施例では、外周側金型80は、4つの部位81、82、83、84を含む。4つの部位81、82、83、84は、全周で360度にわたる内周面を形成する。部位81、82、83、84は、図12に示すように、それぞれ同一の構成を有してよい。部位81、83は、互いに対して対向して配置される(すなわち、対角関係に配置される)。部位81、83は、それぞれ、90度分の内周面を形成する。部位82、84は、互いに対して対向して配置される(すなわち、対角関係に配置される)。部位82、84は、それぞれ、90度分の内周面を形成する。部位81、83は、それぞれ、周方向で部位82、84の間に配置される
外周側金型80は、内周面に、第2突出部800を有する。第2突出部800は、上述した崩壊性中子7の第2孔7Bを形成するために設けられる。従って、外周側金型80は、上述した第2周範囲A2に対応した周範囲に、第2突出部800を有する。4つの部位81、82、83、84は、それぞれ、一の第2周範囲A2に係る第2突出部800を有する。一の第2周範囲A2に係る第2突出部800は、当該一の第2周範囲A2の周方向全体にわたり形成される。これにより、第2突出部800(及びそれに伴い第2孔7B)を周方向で高密度に形成できる。
図14は、離型工程における内周側金型70及び外周側金型80の移動方向(型スライド方向)の説明図である。図15は、図14のQ13部の拡大図である。図14には、内周側金型70の各部位71、72、73、74の移動方向が矢印R71からR74で示され、かつ、外周側金型80の各部位81、82、83、84が矢印R81からR84で示される。
離型工程は、内周側金型70における分割された各部位71、72、73、74が、それぞれ径方向内側に直線状に移動する第1工程(矢印R71からR74参照)と、外周側金型80における分割された各部位81、82、83、84が、それぞれ径方向外側に直線状に移動する第2工程(矢印R81からR84参照)とを含む。
例えば、第1工程では、まず、部位71、72が順次又は同時に径方向内側に移動され、その後、軸方向に移動される。次いで、部位73、74が順次又は同時に径方向内側に移動される。第2工程では、各部位81、82、83、84が、順次又は同時に径方向外側に移動される。
なお、第1工程は、第2工程の一部又は全部の前に実行されてもよいし、第2工程の一部又は全部の後に実行されてもよい。
この場合、内周側金型70における分割された部位71、72、73、74ごとの離型時の移動方向(矢印R71からR74参照)と、外周側金型80における分割された部位81、82、83、84ごとの離型時の移動方向(矢印R81からR84参照)は、それぞれ、軸(図14の中心軸I参照)に交差しかつ互いに対して0度よりも大きい角度をなす。例えば、部位71の離型時の移動方向R71は、軸に交差し、かつ、部位72の離型時の移動方向R72に対して180度をなし、部位73の離型時の移動方向R73に対しては90度をなし、部位74の離型時の移動方向R74に対しては90度をなす。また、部位71の離型時の移動方向R71は、部位81の離型時の移動方向R81に対しては、135度をなし、部位82の離型時の移動方向R82に対しては135度をなし、部位83の移動の離型時の移動方向R83に対しては45度をなし、部位84の離型時の移動方向R84に対しては45度をなす。
この場合、内周側金型70における分割された部位71、72、73、74ごとの離型時の移動方向(矢印R71からR74参照)は、軸まわりの所定角度(本例では、90度)の回転ごとに重なる関係である。また、外周側金型80における分割された部位81、82、83、84ごとの離型時の移動方向(矢印R81からR84参照)は、軸まわりの所定角度(本例では、90度)の回転ごとに重なる関係である。そして、内周側金型70における分割された部位71、72、73、74ごとの離型時の移動方向(矢印R71からR74参照)と、外周側金型80における分割された部位81、82、83、84ごとの離型時の移動方向(矢印R81からR84参照)との間の、最小のなす角度は、所定角度の半分(本例では、45度)である。
ところで、上述した第1突出部700及び第2突出部800は、離型工程での離型が容易となるように、各部位71、72、73、74、81、82、83、84の離型時の移動方向に対応した方向に突出する。具体的には、部位71に形成される第1突出部700は、部位71の離型時の移動方向R71に平行に突出し、部位72に形成される第1突出部700は、部位72の離型時の移動方向R72に平行に突出し、部位73に形成される第1突出部700は、部位73の離型時の移動方向R73に平行に突出し、部位74に係る第1突出部700も同様である。また、部位81に形成される第2突出部800は、部位81の離型時の移動方向R81に平行に突出し、部位82に形成される第2突出部800は、部位82の離型時の移動方向R82に平行に突出し、部位83に形成される第2突出部800は、部位83の離型時の移動方向R83に平行に突出し、部位84に係る第2突出部800も同様である。
また、上述した第1突出部700及び第2突出部800は、離型工程での離型が容易となるように、突出方向に垂直な断面積が突出方向に沿って変化する。
具体的には、第1突出部700は、突出方向で突出側(径方向外側)に向かうにつれて断面積が減少する態様で、テーパが付けられる。すなわち、図15に模式的に示すように、部位74については、軸方向に視て、部位74の外周面の方向(L74参照)は、部位74の離型時の移動方向R74に対して、径方向内側が広くなる向きで、わずかに傾斜する。この結果、第1孔7Aは、径方向外側に向かうにつれて開口面積が減少することになる。
また、第1突出部700と同様に、第2突出部800は、突出方向で突出側(径方向内側)に向かうにつれて断面積が減少する態様で、テーパが付けられる。すなわち、図15に模式的に示すように、部位84については、軸方向に視て、部位84の外周面の方向(L84参照)は、部位84の離型時の移動方向R84に対して、径方向外側が広くなる向きで、わずかに傾斜する。この結果、第2孔7Bは、径方向外側に向かうにつれて開口面積が増加することになる。
なお、本実施例では、径方向外側に向かうにつれて開口面積が減少する第1孔7Aと、径方向外側に向かうにつれて開口面積が増加する第2孔7Bとは、略同じ数だけ形成される。従って、第1孔7A及び第2孔7Bまわりに形成される流路(冷却水路95やケース油路35)の断面積が径方向外側と径方向内側とで略同じとなり、流路の分布に関して全体にわたり良好なバランスを確保できる。
次に、図16を参照して、本実施例の効果を更に説明する。
図16は、比較例による内周側金型70’を概略的に示す斜視図である。比較例による内周側金型70’は、図16に示すように、本実施例による内周側金型70に対して、分割数が多い点が異なる。具体的には、内周側金型70’は、8分割され、それぞれの部位が第1突出部700に対応する突出部を有する。従って、比較例では、外周側金型(図示せず)は、第2突出部800に対応する突出部を有する必要はなく、凹凸のない内周面を有する。この場合、比較例では、外周側金型の分割数は、2つであることができる。
このような比較例では、内周側金型70’の分割数が比較的多くなるため、内周側金型70’を形成するための金型部位の数が多くなる。すなわち、図16の比較例では、8つの金型部位が必要となる。内周側金型70’と外周側金型のそれぞれの分割数の合計は、10つとなる。
これに対して、本実施例によれば、上述したように、内周側金型70の分割数は4つで済み、外周側金型80の分割数が4つとなるものの、合計で8つである。従って、本実施例によれば、崩壊性中子7を成形するための金型構成を簡易化できる。また、内周側金型70の分割数が比較的少ないので、内周側金型70の各部位71、72、73、74の離型時の移動(第1工程)を効率的に実現できる。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
<付記>
以上の実施例に関し、更に以下を開示する。なお、以下で記載する効果のうちの、一の形態に対する追加的な各形態に係る効果は、当該追加的な各形態に起因した付加的な効果である。
(1)一の形態は、回転電機(10)の円筒状部材(60)の製造に用いる崩壊性中子(7)の製造方法であって、
周方向で複数に分割された内周側金型(70)と、前記周方向で複数に分割された外周側金型(80)との間で、中子材料を固化する工程と、
前記内周側金型と前記外周側金型から、固化した中子材料を離間させる離型工程とを含み、
前記内周側金型の外周面は、周方向全周のうちの第1周範囲(A1)において、径方向に突出する複数の第1突出部(700)を有し、
前記外周側金型の内周面は、周方向全周のうちの第2周範囲(A2)において、径方向に突出する複数の第2突出部(800)を有し、
前記第1周範囲と前記第2周範囲とは、前記周方向の位相が異なる、製造方法である。
本形態によれば、回転電機(10)の円筒状部材(60)の製造に好適な製造方法を提供できる。具体的には、複数の第1突出部まわりと複数の第2突出部まわりに空間が形成されるので、複数の第1突出部及び複数の第1突出部に対応する部分が孔(径方向の孔)となる崩壊性中子を形成できる。そして、このような崩壊性中子を利用すれば、複数の孔まわりに空間が形成されるので、当該孔により形成される円柱部まわりに空間を有する円筒状の鋳造物を形成できる。この場合、円筒状の鋳造物は、回転電機の円筒状部材として好適に利用できる。すなわち、円筒状の鋳造物における複数の円柱部まわりの空間は、冷却水や油の流路として好適に利用できる。例えば、円筒状部材がステータまわりに設けられる場合は、冷却水や油等のような冷媒によりステータを効果的に冷却できる。
(2)また、本形態においては、好ましくは、前記離型工程は、前記内周側金型における分割された各部位(71、72、73、74)が、それぞれ径方向内側に直線状に移動する工程と、前記外周側金型における分割された各部位(81、82、83、84)が、それぞれ径方向外側に直線状に移動する工程とを含み、
前記第1周範囲は、前記内周側金型における分割された部位ごとに周方向で分離され、かつ、前記第2周範囲は、前記外周側金型における分割された部位ごとに周方向で分離されており、
前記内周側金型における分割された部位ごとの移動方向(矢印R71からR74)と、前記外周側金型における分割された部位ごとの移動方向(矢印R81からR84)は、それぞれ、軸に交差しかつ互いに対して0度よりも大きい角度をなす。
この場合、内周側金型と外周側金型のそれぞれを分割して効率的に崩壊性中子を製造できる。例えば、内周側金型だけを分割する場合や外周側金型だけを分割する場合に比べて、内周側金型を形成する部位の数と外周側金型を形成する部位の数の合計を低減できる。また、周方向の全周にわたって第1範囲又は第2範囲を設定できる。
(3)また、本形態においては、好ましくは、前記内周側金型における分割された部位ごとの移動方向は、前記周方向の所定角度ごとに重なる関係であり、
前記外周側金型における分割された部位ごとの移動方向は、前記周方向の前記所定角度ごとに重なる関係であり、
前記内周側金型における分割された部位ごとの移動方向と、前記外周側金型における分割された部位ごとの移動方向との間の、最小のなす角度は、前記所定角度の半分である。
この場合、周方向の全周にわたって第1範囲と第2範囲とを交互かつ均等(所定角度の半分ごと)に設定できる。
(4)また、本形態においては、好ましくは、前記内周側金型は、4つに分割され、かつ、4つの部位が全体として360度にわたる前記外周面を形成し、
前記外周側金型は、4つに分割され、かつ、4つの部位が全体として360度にわたる前記内周面を形成し、
前記所定角度は、90度であり、
前記複数の第1突出部は、前記内周側金型の前記4つの部位のそれぞれにおける前記第1周範囲の前記周方向の全体にわたり配置され、
前記複数の第2突出部は、前記外周側金型の前記4つの部位のそれぞれにおける前記第2周範囲の前記周方向の全体にわたり配置され、
前記第1周範囲と前記第2周範囲とは、前記周方向で連続して交互に設けられる。
この場合、適切な分割数で効率的に内周側金型及び外周側金型を実現できる。また、第1突出部及び第2突出部を周方向で高密度に形成できる。なお、複数の第1突出部は、互いに対して所定の距離だけ離れる態様で均一に配置されてもよいし、複数の第2突出部は、互いに対して所定の距離だけ離れる態様で均一に配置されてもよい。
(5)また、本形態においては、好ましくは、前記内周側金型の4つの部位のうちの、互いに対向する方向に移動する2つの部位同士は、同じ構成を有し、
前記外周側金型の4つの部位は、同じ構成を有する。
この場合、分割した各部位を共通に製造できるので、内周側金型及び外周側金型の製造性が良好となる。
(6)また、本形態においては、好ましくは、前記内周側金型における分割された一の部位の前記第1突出部は、該一の部位の前記移動方向に平行に突出し、
前記外周側金型における分割された一の部位の前記第2突出部は、該一の部位の前記移動方向に平行に突出する。
この場合、複数の第1突出部を内周側金型における分割されたそれぞれの部位に形成できるとともに、複数の第2突出部を外周側金型における分割されたそれぞれの部位に形成できる。
(7)他の一の形態は、回転電機(10)の円筒状部材(60)の製造に用いる崩壊性中子(7)であって、
円筒状の形態であり、径方向に貫通する複数の孔(7A、7B)を有し、
前記複数の孔は、円筒状の形態の周方向全周のうちの第1周範囲(A1)に形成される複数の第1孔(7A)と、円筒状の形態の周方向全周のうちの第2周範囲(A2)に形成される複数の第2孔(7B)とを含み、
前記第1周範囲と前記第2周範囲とは、前記周方向の位相が異なり、
前記第1孔は、径方向外側に向かうにつれて開口面積が減少し、
前記第2孔は、径方向外側に向かうにつれて開口面積が増加する、崩壊性中子である。
本形態によれば、第1孔及び第2孔まわりに形成される空間の断面積が径方向外側と径方向内側とで略同じとなり、空間の分布に関して全体にわたり良好なバランスを確保できる。従って、当該空間を冷媒の流路として利用する場合は、冷媒の分布に関して周方向かつ径方向の全体にわたり良好なバランスを確保できる。
7 崩壊性中子
7A 第1孔
7B 第2孔
700 第1突出部
70 内周側金型
71~74 部位
80 外周側金型
81~84 部位
800 第2突出部
10 モータ
10b ステータ
22A バックヨーク
22B ティース
35 ケース油路
95 冷却水路
112 ステータコア
114 ステータコイル
330 入口油路
331 入口油路
351 第1油路部
352 第2油路部
795A 中子
7951 円筒部
942 入口水路
942A 円柱部
944 出口水路
944A 円柱部
957A 溝部
1351 円柱部
1951 円柱部
1951A 孔
A1 第1周範囲
A2 第2周範囲

Claims (6)

  1. 回転電機の円筒状部材の製造に用いる崩壊性中子の製造方法であって、
    周方向で複数に分割された内周側金型と、前記周方向で複数に分割された外周側金型との間で、中子材料を固化する工程と、
    前記内周側金型と前記外周側金型から、固化した中子材料を離間させる離型工程とを含み、
    前記内周側金型の外周面は、周方向全周のうちの第1周範囲において、径方向に突出する複数の第1突出部を有し、
    前記外周側金型の内周面は、周方向全周のうちの第2周範囲において、径方向に突出する複数の第2突出部を有し、
    前記第1周範囲と前記第2周範囲とは、前記周方向の位相が異なる、製造方法。
  2. 前記離型工程は、前記内周側金型における分割された各部位が、それぞれ径方向内側に直線状に移動する工程と、前記外周側金型における分割された各部位が、それぞれ径方向外側に直線状に移動する工程とを含み、
    前記第1周範囲は、前記内周側金型における分割された部位ごとに前記周方向で分離され、かつ、前記第2周範囲は、前記外周側金型における分割された部位ごとに前記周方向で分離されており、
    前記内周側金型における分割された部位ごとの移動方向と、前記外周側金型における分割された部位ごとの移動方向は、それぞれ、軸に交差しかつ互いに対して0度よりも大きい角度をなす、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記内周側金型における分割された部位ごとの移動方向は、前記周方向の所定角度ごとに重なる関係であり、
    前記外周側金型における分割された部位ごとの移動方向は、前記周方向の前記所定角度ごとに重なる関係であり、
    前記内周側金型における分割された部位ごとの移動方向と、前記外周側金型における分割された部位ごとの移動方向との間の、最小のなす角度は、前記所定角度の半分である、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記内周側金型は、4つに分割され、かつ、4つの部位が全体として360度にわたる前記外周面を形成し、
    前記外周側金型は、4つに分割され、かつ、4つの部位が全体として360度にわたる前記内周面を形成し、
    前記所定角度は、90度であり、
    前記複数の第1突出部は、前記内周側金型の前記4つの部位のそれぞれにおける前記第1周範囲の前記周方向の全体にわたり配置され、
    前記複数の第2突出部は、前記外周側金型の前記4つの部位のそれぞれにおける前記第2周範囲の前記周方向の全体にわたり配置され、
    前記第1周範囲と前記第2周範囲とは、前記周方向で連続して交互に設けられる、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記内周側金型の4つの部位のうちの、互いに対向する方向に移動する2つの部位同士は、同じ構成を有し、
    前記外周側金型の4つの部位は、同じ構成を有する、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記内周側金型における分割された一の部位の前記第1突出部は、該一の部位の前記移動方向に平行に突出し、
    前記外周側金型における分割された一の部位の前記第2突出部は、該一の部位の前記移動方向に平行に突出する、請求項2から5のうちのいずれか1項に記載の製造方法。
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