JP7412210B2 - ランキンサイクル装置及びその運転方法 - Google Patents

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Description

本開示は、ランキンサイクル装置及びその運転方法に関する。
ランキンサイクル装置は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換するための装置である。特許文献1は、所定時間内における目標温度と検出温度との乖離状態、又は、所定時間内における目標圧力と検出圧力との乖離状態に基づき、ランキンサイクルでの異常の発生の有無を判定することを開示している。
特許文献2は、バイパス経路を備えたランキンサイクル装置を開示する。バイパス経路は、膨張機を迂回するように、膨張機の入口と膨張機の出口とを接続している。バイパス経路には、バイパス弁が設けられている。
特許第5741524号公報 特許第6233783号公報
バイパス弁(流量調整器)は、通常、制御装置によって電気的に制御される。ところが、バイパス弁を閉じる指令を出したにもかかわらず、膨張機の出口と膨張機の入口との間の圧力差が十分に増えないことがある。原因の1つとして、バイパス弁に何らかの不具合が生じ、バイパス経路が完全に閉鎖されていないことが考えられる。
本開示は、バイパス経路及び流量調整器を備えたランキンサイクル装置の信頼性を向上させるための技術を提供する。
本開示におけるランキンサイクル装置は、
膨張機と、
前記膨張機を迂回するバイパス経路と、
前記バイパス経路に設けられた流量調整器と、
前記流量調整器を制御する制御装置と、
を備え、
前記膨張機の入口圧力と前記膨張機の出口圧力との圧力差を目標値から減じることによって得られる偏差が所定時間にわたって閾値以上である場合、又は、前記膨張機の入口圧力を目標値から減じることによって得られる偏差が所定時間にわたって閾値以上である場合、前記制御装置は、前記流量調整器を開動作させる処理及び前記流量調整器を閉動作させる処理からなる群より選ばれる少なくとも1つの処理を実行する。
本開示のランキンサイクル装置の運転方法は、
膨張機と、前記膨張機を迂回するバイパス経路と、前記バイパス経路に設けられた流量調整器と、を備えたランキンサイクル装置の運転方法であって、
前記膨張機の入口圧力を特定することと、
前記膨張機の出口圧力を特定することと、
前記入口圧力と前記出口圧力との圧力差を目標値から減じることによって得られる偏差が所定時間にわたって閾値以上である場合、又は、前記入口圧力を目標値から減じることによって得られる偏差が所定時間にわたって閾値以上である場合、前記流量調整器を開動作させること及び前記流量調整器を閉動作させることからなる群より選ばれる少なくとも1つを実行することと、
を含む。
本開示によれば、膨張機の運転を開始しても膨張機の入口圧力と膨張機の出口圧力との圧力差が十分に増えないとき、流量調整器を動作させて流量調整器の不具合を解消する試みがなされる。試みが成功すれば圧力差が増加する。これにより、ランキンサイクル装置の信頼性が向上する。
実施の形態における熱発電システムの構成図 作動流体回路における作動流体の状態を示すモリエル線図 実施の形態における基本制御を示すフローチャート 実施の形態における故障診断/復旧制御を示すフローチャート 変形例1における故障診断/復旧制御を示すフローチャート 変形例2における故障診断/復旧制御を示すフローチャート
(本開示の基礎となった知見等)
バイパス経路及び流量調整器を使用することによって、膨張機を円滑に起動できる。そのため、バイパス経路及び流量調整器は、ランキンサイクル装置にとって有用である。
一方、膨張機の運転を開始しても膨張機の入口圧力と膨張機の出口圧力との圧力差が目標値に到達しないことがある。本発明者らがその原因を探った結果、流量調整器が完全に閉じられていない場合があることを突き止めた。流量調整器の開閉状態と圧力差との間には強い相関性がある。流量調整器が完全に閉じられない1つの理由としては、異物によって内部の流路が塞がれることが挙げられる。他の1つの理由としては、何らかの理由によって制御装置に記憶された流量調整器の開度と実際の流量調整器の開度との間に不一致が生じることが挙げられる。何らかの理由としては、開度を調節するためのステップモータのバックラッシュの影響が考えられる。
上記の知見に基づき、本発明者らは、ランキンサイクル装置の異常の有無を判断するとともに、異常状態から正常状態への復旧を図るための制御について鋭意検討を進めた。その結果、本開示の主題を構成するに至った。
本開示は、バイパス経路及び流量調整器を備えたランキンサイクル装置の信頼性を向上させるための技術を提供する。
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、又は、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態)
以下、図1から図4Aを用いて、実施の形態を説明する。
[1-1.構成]
図1は、本実施の形態における熱発電システム100の構成図である。熱発電システム100は、熱流路40及びランキンサイクル装置50を備えている。
熱流路40は、熱源30で生成された加熱媒体Gをランキンサイクル装置50に供給するための流路である。熱流路40は、典型的には、ダクトである。熱源30は、工場などの設備でありうる。加熱媒体Gは、設備から排出される排ガスでありうる。
ランキンサイクル装置50は、ポンプ1、蒸発器2、膨張機3及び凝縮器4を備えている。ポンプ1、蒸発器2、膨張機3及び凝縮器4は、配管によって環状に接続されて作動流体回路14を形成している。作動流体回路14には、作動流体が充填されている。蒸発器2が熱流路40に配置されている。蒸発器2において、加熱媒体Gの熱が作動流体に与えられる。
作動流体の種類は特に限定されない。作動流体は、無機作動流体であってもよく、有機作動流体であってもよい。無機作動流体としては、水が挙げられる。加熱媒体Gの温度が比較的低温であるとき、作動流体として、有機作動流体が適している。有機作動流体としては、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)系の作動流体が挙げられる。HFO系の作動流体は、HFOを含む作動流体を意味する。作動流体におけるHFOの含有率は、例えば、50質量%以上であり、80質量%以上であってもよい。HFOとしては、HFO1336mzz(Z)、HFO1336mzz(E)、これらの混合物が挙げられる。作動流体として、HFOを含まない公知の冷媒を採用することもできる。
ポンプ1は、作動流体を搬送する役割を担う。ポンプ1において、作動流体は加圧される。ポンプ1は、回転数可変のポンプであってもよい。
蒸発器2は、加熱媒体Gの熱を受け取って作動流体を蒸発させる。蒸発器2は、例えば、フィンアンドチューブ熱交換器である。蒸発器2は、加熱媒体Gの温度及び流量に応じて所定量の熱を回収して作動流体に付与する。
工場などの設備から加熱媒体Gが排出されるとき、設備の稼働中における加熱媒体Gの温度及び流量は、経時的に大きく変動しない傾向にある。即ち、蒸発器2に供給されるべき加熱媒体Gの温度及び流量は、概ね安定状態にある。工場での乾燥工程を例に考えると、製品の品質(乾燥状態)を均一に保つためには、乾燥用の熱源30の状態を安定させる必要がある。即ち、加熱媒体Gの温度及び流量を安定させる必要がある。そのような安定状態において、加熱媒体Gから作動流体へと所定量の熱を移動させるための熱交換がなされるように、蒸発器2が設計されている。即ち、外気温度に応じて予め設定された回転数でポンプ1を運転したときに蒸発器2から流出する作動流体の温度が所定温度に達し、膨張機3に流入する作動流体の状態が所定状態となるように、加熱媒体Gの温度及び流量を考慮に入れて、蒸発器2が設計されている。具体的には、蒸発器2において、伝熱管の段数、伝熱管の列数、伝熱管の長さ、フィンのピッチ、フィンの枚数などが定められている。
膨張機3は、作動流体を膨張させて圧力エネルギーを機械エネルギーに変換する。膨張機3は、容積型の膨張機であってもよく、速度型の膨張機であってもよい。容積型の膨張機としては、ロータリ膨張機、スクロール膨張機などが挙げられる。速度型の膨張機としては、半径流タービン、斜流タービン、軸流タービンなどが挙げられる。
膨張機3には発電機18が接続されている。発電機18は、膨張機3によって回転させられ、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する。発電機18のコンバータを介して膨張機3の回転数を制御することができる。
凝縮器4は、作動流体を凝縮させる。具体的には、凝縮器4は、冷却媒体によって作動流体を冷却して作動流体を凝縮させる。凝縮器4としては、フィンアンドチューブ熱交換器、プレート熱交換器、二重管式熱交換器などが挙げられる。冷却媒体は、液体であってもよく、気体であってもよい。凝縮器4は、典型的には、フィンアンドチューブ熱交換器である。凝縮器4に冷却媒体としての空気を供給するためのファン7が設けられていてもよい。液体の冷却媒体としては、水、及び、ブラインなどの不凍液が挙げられる。
作動流体回路14は、循環経路15及びバイパス経路16を有する。
循環経路15は、第1流路15a及び第2流路15bを含む。第1流路15aは、ポンプ1から蒸発器2を経由して膨張機3に至る流路である。第2流路15bは、膨張機3から凝縮器4を経由してポンプ1に至る流路である。
バイパス経路16は、膨張機3を迂回する流路であり、循環経路15における膨張機3の入口側の部分と循環経路15における膨張機3の出口側の部分とを接続している。詳細には、バイパス経路16は、循環経路15における蒸発器2よりも下流側かつ膨張機3よりも上流側の部分と、循環経路15における膨張機3よりも下流側かつ凝縮器4よりも上流側の部分と、を接続している。
バイパス経路16には、流量調整器5が設けられている。流量調整器5は、典型的には、弁である。流量調整器5は、0%(全閉)及び100%(全開)の開度をとりうる弁であってもよく、0%(全閉)及び100%(全開)の開度に加えて0%よりも大きく100%よりも小さい開度をとりうる弁であってもよい。前者の弁は、開閉弁である。後者の弁は、流量調整弁である。流量調整器5は、膨張機3を流れる作動流体の流量とバイパス経路16を流れる作動流体の流量との比率を調整する。
ランキンサイクル装置50は、再熱器6をさらに備えている。再熱器6は、第1部分6a及び第2部分6bを含む。第1部分6aは、循環経路15におけるポンプ1よりも下流側かつ蒸発器2よりも上流側の部分である。第2部分6bは、循環経路15における膨張機3よりも下流側かつ凝縮器4よりも上流側の部分である。再熱器6において、第1部分6aを流れる作動流体と第2部分6bを流れる作動流体との間で熱交換が行われる。この熱交換によって、第1部分6aを流れる作動流体の温度が上昇し、第2部分6bを流れる作動流体の温度が低下する。
ランキンサイクル装置50は、第1圧力センサ8a、第2圧力センサ8b及び第3圧力センサ8cをさらに備えている。第1圧力センサ8aは、第1流路15aに設けられている。第2圧力センサ8b及び第3圧力センサ8cは、第2流路15bに設けられている。本実施の形態では、第1圧力センサ8aは、循環経路15における蒸発器2よりも下流側かつ膨張機3よりも上流側の部分に設けられている。第2圧力センサ8bは、循環経路15における膨張機3よりも下流側かつ再熱器6よりも上流側の部分に設けられている。第3圧力センサ8cは、循環経路15における凝縮器4よりも下流側かつポンプ1よりも上流側の部分に設けられている。
第1圧力センサ8aは、第1流路15aにおける作動流体の圧力を検出する。第2圧力センサ8b及び第3圧力センサ8cは、第2流路15bにおける作動流体の圧力を検出する。詳細には、第1圧力センサ8aは、膨張機3の入口における作動流体の圧力である入口圧力を検出する。第2圧力センサ8bは、膨張機3の出口における作動流体の圧力である出口圧力を検出する。第3圧力センサ8cは、凝縮器4の出口における作動流体の圧力である出口圧力を検出する。入口圧力及び出口圧力から、サイクルの高圧とサイクルの低圧との圧力差を特定することができる。
第1圧力センサ8aは、循環経路15におけるポンプ1よりも下流側かつ蒸発器2よりも上流側の部分に設けられていてもよい。第1圧力センサ8aは、バイパス経路16における流量調整器5よりも上流側の部分に設けられていてもよい。バイパス経路16における流量調整器5よりも上流側の部分に設けられた第1圧力センサ8aも、膨張機3の入口圧力を検出しうる。
第2圧力センサ8bは、バイパス経路16における流量調整器5よりも下流側の部分に設けられていてもよい。バイパス経路16における流量調整器5よりも下流側の部分に設けられた第2圧力センサ8bも、膨張機3の出口圧力を検出しうる。第2圧力センサ8bは、循環経路15における凝縮器4よりも下流側かつポンプ1よりも上流側、即ち第3圧力センサ8cの位置に設けられていてもよい。
ランキンサイクル装置50は、第1温度センサ9a、第2温度センサ9b、第3温度センサ9c、第4温度センサ9d及び第5温度センサ9eをさらに備えている。
第1温度センサ9aは、循環経路15における蒸発器2よりも下流側かつ膨張機3よりも上流側の部分における作動流体の温度を検出する。本実施の形態では、第1温度センサ9aは、この部分に設けられている。第1温度センサ9aは、膨張機3の入口における作動流体の温度を検出しうる。
第2温度センサ9bは、循環経路15における膨張機3よりも下流側かつ凝縮器4よりも上流側の部分における作動流体の温度を検出する。本実施の形態では、第2温度センサ9bは、循環経路15における膨張機3よりも下流側かつ再熱器6よりも上流側の部分に設けられている。第2温度センサ9bは、膨張機3の出口における作動流体の温度を検出しうる。
第3温度センサ9cは、循環経路15における凝縮器4よりも下流側かつポンプ1よりも上流側の部分における作動流体の温度を検出する。本実施の形態では、第3温度センサ9cは、この部分に設けられている。第3温度センサ9cは、凝縮器4の出口における作動流体の温度を検出しうる。
第4温度センサ9dは、凝縮器4に供給されるべき冷却媒体の温度、即ち、外気温度を検出する。第4温度センサ9dは、外気温度センサである。本実施の形態では、第4温度センサ9dは、凝縮器4における冷却媒体(空気)の吸い込み部に配置されている。
第5温度センサ9eは、蒸発器2に供給されるべき加熱媒体Gの温度を検出する。本実施の形態では、第5温度センサ9eは、蒸発器2における加熱媒体Gの吸い込み部に配置されている。言い換えれば、第5温度センサ9eは、熱流路40に配置されており、熱流路40において、蒸発器2よりも上流側に位置している。
ランキンサイクル装置50は、制御装置20をさらに備えている。制御装置20は、各センサから取得した信号に基づき、ポンプ1、膨張機3、発電機18、ファン7、流量調整器5などの制御対象を制御する。
[1-2.動作]
図2は、作動流体回路14における作動流体の状態を示すモリエル線図である。ランキンサイクル装置50が定常運転を行っているとき、作動流体の状態は、図2に示すモリエル線図に沿って変化する。
図2において、横軸は、エンタルピである。縦軸は、圧力である。一点鎖線L1は、飽和液線である。二点鎖線L2は、飽和蒸気線である。
矢印PUMは、ポンプ1による昇圧を表す。矢印RH1は、再熱器6による加熱を表す。矢印EVは、蒸発器2による加熱を表す。矢印EXは、膨張機3による膨張を表す。矢印RH2は、再熱器6による冷却を表す。矢印CONは、凝縮器4による冷却を表す。これらの矢印が表す作用によって、作動流体の状態は、状態(1)、状態(2)、状態(3)、状態(4)、状態(5)及び状態(6)の順に変化する。
状態(1)は、循環経路15における凝縮器4よりも下流側かつポンプ1よりも上流側の部分における作動流体の状態である。状態(1)は、過冷却液の状態である。ブロック矢印SCは、作動流体の過冷却度を模式的に表している。状態(1)は、状態(6)に比べ、エンタルピが低い。
状態(2)は、循環経路15におけるポンプ1よりも下流側かつ再熱器6の第1部分6aよりも上流側の部分における作動流体の状態である。状態(2)は、過冷却液の状態である。状態(2)は、状態(1)に比べ、圧力が高い。
状態(3)は、循環経路15における再熱器6の第1部分6aよりも下流側かつ蒸発器2よりも上流側の部分における作動流体の状態である。状態(3)は、過冷却液の状態である。状態(3)は、状態(2)に比べ、エンタルピが高い。ただし、再熱器6における熱交換量が更に増加すると、状態(3)は、飽和液線L1の右側に移る、即ち、気液2相状態になることもありうる。
状態(4)は、循環経路15における蒸発器2よりも下流側かつ膨張機3よりも上流側の部分における作動流体の状態である。状態(4)は、過熱蒸気の状態である。ブロック矢印SHは、作動流体の過熱度を模式的に表している。状態(4)は、状態(3)に比べ、エンタルピが高い。
状態(5)は、循環経路15における膨張機3よりも下流側かつ再熱器6の第2部分6bよりも上流側の部分における作動流体の状態である。状態(5)は、過熱蒸気の状態である。状態(5)は、状態(4)に比べ、圧力及びエンタルピが低い。
状態(6)は、循環経路15における再熱器6の第2部分6bよりも下流側かつ凝縮器4よりも上流側の部分における作動流体の状態である。状態(6)は、気液2相の状態である。ただし、再熱器6における熱交換量が更に減少すると、状態(6)は、飽和蒸気線L2の右側、即ち、過熱蒸気の状態になることもありうる。状態(6)は、状態(5)に比べ、エンタルピが低い。
状態(2)、状態(3)及び状態(4)は、第1流路15aにおける作動流体の状態であり、相対的に高圧の状態である。状態(5)、状態(6)及び状態(1)は、第2流路15bにおける作動流体の状態であり、相対的に低圧の状態である。ブロック矢印PDは、第1流路15aにおける作動流体と第2流路15bにおける作動流体との圧力差を表す。以下、第1流路15aにおける作動流体の圧力を、高圧PHと称することがある。第2流路15bにおける作動流体の圧力を、低圧PLと称することがある。高圧PHと低圧PLの圧力差を、圧力差PDと称することがある。
上述の通り、本実施の形態では、ランキンサイクル装置50の構成要素が、制御装置20によって制御される。具体的には、制御装置20は、起動制御、通常制御、停止制御、及び故障診断/復旧制御を行う。起動制御は、ランキンサイクル装置50を起動させるための制御である。通常制御は、ランキンサイクル装置50のサイクルの安定時に行われる制御である。停止制御は、ランキンサイクル装置50を停止させるための制御である。故障診断/復旧制御は、流量調整器5の不具合の有無を診断するとともに、その不具合を解消するための制御である。詳細には、故障診断制御は、膨張機3の入口圧力と膨張機3の出口圧力との間の圧力差からランキンサイクル装置50の異常の有無を判断する制御である。復旧制御は、ランキンサイクル装置50に異常がある場合に実行される制御であって、流量調整器5を開動作及び/又は閉動作させて膨張機3の入口圧力と膨張機3の出口圧力との間の圧力差の拡大を図る制御である。
以下、制御装置20が行う制御について、図3及び表1から表5を参照しながら説明する。以下の説明では、各アクチュエータの起動制御における目標回転数を初期目標回転数と称することがある。
図3は、ランキンサイクル装置50の基本制御を示すフローチャートである。
ステップS1において、制御装置20は、ランキンサイクル装置50に運転信号が入力されたか否かを判断する。運転信号が入力されている場合、ステップS2に進む。運転信号が入力されていない場合、再度ステップS1が行われる。
ステップS2において、制御装置20は、ファン7を所定回転数で所定時間だけ運転する。
ステップS2の後、ステップS3において、制御装置20は、第4温度センサ9dの検出値Tcを取得する。検出値Tcは、外気温度Tairに対応する。
ステップS3の後、ステップS4において、制御装置20は、各アクチュエータの初期目標回転数を設定する。
具体的には、制御装置20には、表1に示すテーブルデータが格納されている。このテーブルデータでは、ポンプ1の初期目標回転数Rp0と外気温度Tairとが対応付けられている。制御装置20は、このテーブルデータから、外気温度Tairに対応付けられた初期目標回転数Rp0を選択する。
Figure 0007412210000001
また、制御装置20には、表2に示すテーブルデータが格納されている。このテーブルデータでは、ファン7の初期目標回転数Rf0と外気温度Tairとが対応付けられている。制御装置20は、このテーブルデータから、外気温度Tairに対応付けられた初期目標回転数Rf0を選択する。
Figure 0007412210000002
また、制御装置20には、表3に示すテーブルデータが格納されている。このテーブルデータでは、膨張機3の初期目標回転数Re0と外気温度Tairとが対応付けられている。制御装置20は、このテーブルデータから、外気温度Tairに対応付けられた初期目標回転数Re0を選択する。
Figure 0007412210000003
ステップS4の後、ステップS5において、制御装置20は、ランキンサイクル装置50の起動制御を実行する。
起動制御において、制御装置20は、流量調整器5の開度を小さくする。具体的には、制御装置20は、流量調整器5の開度を全開(100%)から全閉(0%)まで、徐々に変更する。
起動制御において、制御装置20は、ポンプ1の回転数を、ゼロから初期目標回転数Rp0へと制御する。具体的には、制御装置20は、ポンプ1の回転数を、徐々に上昇させる。初期目標回転数Rp0は、ステップS4で設定された値であり、具体的にはステップS4で選択された値である。
起動制御において、制御装置20は、膨張機3の回転数を、ゼロから初期目標回転数Re0へと制御する。具体的には、制御装置20は、膨張機3の回転数を、徐々に上昇させる。初期目標回転数Re0は、ステップS4で設定された値であり、具体的にはステップS4で選択された値である。
起動制御において、制御装置20は、ファン7の回転数を、ゼロから初期目標回転数Rf0へと制御する。具体的には、制御装置20は、ポンプ1の回転数を初期目標回転数Rp0に到達させ、ファン7の回転数を初期目標回転数Rf0に到達させる。また、制御装置20は、膨張機3の回転数を初期目標回転数Re0に到達させる。初期目標回転数Rf0は、ステップS4で設定された値であり、具体的にはステップS4で選択された値である。
制御装置20は、流量調整器5の開度の制御が完了し、かつ、ポンプ1、ファン7及び膨張機3の回転数が初期目標値に達すると、起動制御を終了させる。
起動制御の終了後、ステップS6において、制御装置20は、通常制御を実行する。
通常制御において、制御装置20は、流量調整器5の開度を、起動制御で小さくした値に維持する。具体的には、制御装置20は、流量調整器5の開度を全閉に維持する。
通常制御において、制御装置20は、第1温度センサ9aの検出値Taを取得する。先の説明から理解されるように、検出値Taから、膨張機3の入口における作動流体の温度を検出できる。
通常制御において、制御装置20は、検出値Taが所定の目標値となるように、ポンプ1の回転数を制御する。
通常制御において、制御装置20は、第1圧力センサ8aの検出値を取得する。この検出値から、膨張機3の入口における作動流体の圧力(入口圧力)を検出できる。
通常制御において、制御装置20は、第2圧力センサ8bの検出値を取得する。この検出値から、膨張機3の出口における作動流体の圧力(出口圧力)を検出できる。
通常制御において、制御装置20は、第1圧力センサ8aの検出値から第2圧力センサ8bの検出値を差し引いた差分を計算する。以下では、この差分を、圧力差ΔP1と称することがある。圧力差ΔP1から、高圧と低圧との圧力差PDを把握できる。
通常制御において、制御装置20は、膨張機3の目標圧力差ΔP0を設定する。
具体的には、制御装置20には、表4に示すテーブルデータが格納されている。このテーブルデータでは、膨張機3の目標圧力差ΔP0と外気温度Tairとが対応付けられている。制御装置20は、このテーブルデータから、外気温度Tairに対応付けられた目標圧力差ΔP0を選択する。例えば、第4温度センサ9dの検出値Tcが25℃のとき、対応する目標圧力差ΔP0は1.3MPaである。
Figure 0007412210000004
通常制御において、制御装置20は、圧力差ΔP1が目標圧力差ΔP0に追従するように、膨張機3の回転数を制御する。具体的には、圧力差ΔP1が目標圧力差ΔP0よりも大きい場合、膨張機3の回転数を増加させる。制御装置20は、圧力差ΔP1が目標圧力差ΔP0よりも小さい場合、膨張機3の回転数を減少させる。
ステップS7において、制御装置20は、ランキンサイクル装置50に停止信号が入力されたか否かを判断する。停止信号が入力されている場合、ステップS8に進む。停止信号が入力されていない場合、再度ステップS7が行われる。
ステップ8において、制御装置20は、ランキンサイクル装置21の停止制御を行う。具体的には、流量調整器5を開くとともに、ポンプ1及び膨張機3の回転数を減少させて最終的に停止させる。これにより、ランキンサイクル装置50が停止する。
次に、図4Aを参照して制御装置20が実行する故障診断/復旧制御について説明する。図4Aは、故障診断/復旧制御を示すフローチャートである。
ステップSS1の起動制御及びステップSS2の通常制御は、図3を参照して説明した基本制御の一部である。ステップSS1及びステップSS2を経て、流量調整器5が全閉となるように制御されて膨張機3が運転を開始する。膨張機3の運転開始後において、ステップSS3からステップSS9までの処理が実行される。
ステップSS3及びステップSS4は、ランキンサイクル装置50の故障の有無を確かめるための故障診断制御に相当する。
ステップSS3において、膨張機3の入口圧力P1及び膨張機3の出口圧力P2を検出する。膨張機3の入口圧力P1は、第1圧力センサ8aの検出値である。膨張機3の出口圧力P2は、第2圧力センサ8bの検出値である。膨張機3の入口圧力P1及び膨張機3の出口圧力P2より、現在の圧力差ΔP1を算出する。圧力差ΔP1は、膨張機3の入口圧力P1と膨張機3の出口圧力P2との偏差である。
ステップSS4において、(ΔP0-ΔP1)≧αを満たす状態が所定時間継続したかどうかを判断する。つまり、圧力差ΔP1を目標値ΔP0から減じることによって得られる偏差(ΔP0-ΔP1)が所定時間にわたって閾値α以上であるかどうかを判断する。目標値ΔP0は、表4に示す目標圧力差ΔP0である。閾値αは、定数であってもよく、変数であってもよい。閾値αは、目標圧力差ΔP0を基準として決定される変数であってもよい。
バイパス経路16が完全に閉鎖されている場合、膨張機3の運転開始時から暫く時間が経過すると圧力差ΔP1が目標値ΔP0に十分に近づく。ステップSS4の「所定時間」は、膨張機3の運転開始後に圧力差ΔP1が目標値ΔP0に十分に近づくために必要な時間であり、ランキンサイクル装置50の出力、作動流体の種類などに応じて実験的に決定されうる。ステップSS4の「所定時間」は、外気温度、加熱媒体Gの温度などに応じて決定される変数であってもよい。ステップSS4の「所定時間」の計測は、ステップSS4の処理を最初に実行した時点から開始されてもよく、膨張機3の回転数が初期目標回転数Re0に達した時点から開始されてもよい。
一方、流量調整器5に何らかの不具合が生じてバイパス経路16が完全に閉鎖されていない場合、作動流体の一部がバイパス経路16を通じて第1流路15aから第2流路15bに流入する。そのため、ランキンサイクル装置50の運転を続けても圧力差ΔP1は目標値ΔP0に到達しない。あるいは、圧力差ΔP1が目標値ΔP0に到達するのに非常に長い時間がかかる。本実施の形態では、圧力差ΔP1を目標値ΔP0から減じることによって得られる偏差(ΔP0-ΔP1)が所定時間にわたって閾値α以上であるとき、圧力差ΔP1に異常があると判断してステップSS5に移行する。即ち、圧力差ΔP1が十分に確保されていないとき、圧力差ΔP1に異常があると判断してステップSS5に移行する。
ステップSS5からステップSS8は、流量調整器5を正常な状態に復旧させるための復旧制御に相当する。
ステップSS5において、制御装置20は、流量調整器5を所定開度だけ閉動作させる処理を実行する。流量調整器5を閉動作させるには、例えば、流量調整器5に閉動作の指令を与える。流量調整器5が開度可変の流量調整弁であるとき、閉動作の指令は、流量調整器5の内部のステップモータを駆動させるための駆動パルスでありうる。ステップSS5における「所定開度」は特に限定されず、流量調整器5の設計等に応じて決定される。ステップSS5における「所定開度」は、例えば、流量調整器5の内部のステップモータの100ステップの回転動作に対応する開度である。流量調整器5が開閉弁であるとき、閉動作の指令は、流量調整器5を閉じるための電気信号である。さらに、ステップSS5において、流量調整器5の動作回数nをインクリメントする。動作回数nは、流量調整器5に閉動作の指令を与えた回数であって、ステップSS5からステップSS8のループの回数である。
流量調整器5に閉動作の指令を1回与えるだけで、流量調整器5の不具合が解消され、圧力差ΔP1が速やかに増加する可能性もある。その理由は次の通りである。流量調整器5が開度可変の流量調整弁であるとき、流量調整器5の開度は、ステップモータによって調節される。流量調整器5の開度は、制御装置20のメモリに記憶される。先に説明したように、ステップモータのバックラッシュの影響等によって、制御装置20に記憶された流量調整器5の開度と実際の流量調整器5の開度との間に不一致が生じることがある。この場合、制御装置20に記憶された開度が「全閉」であったとしても、実際の流量調整器5が僅かに開いている可能性がある。ステップSS5において、所定開度の閉動作の指令を流量調整器5に与えると、流量調整器5が完全に閉まり、圧力差ΔP1は上昇する。あるいは、異物によって流量調整器5の内部の流路が塞がれている場合において、流量調整器5の内部の部品に閉方向の力が加わることによって、異物が速やかに除去される可能性もある。流量調整器5の内部の部品には、ニードル、ボールバルブなどが含まれる。
ステップSS6において、サイクルの状態が安定するまで所定時間T1だけ待機する。流量調整器5が完全に閉じられても圧力差ΔP1は瞬時に増えない。所定時間T1は、圧力差ΔP1が目標値ΔP0に近づくのに十分な時間でありうる。
ステップSS7において、流量調整器5の動作回数nが上限回数Nmax以上であるかどうか判断する。動作回数nが上限回数Nmax未満である場合、ステップSS8に移行する。
ステップSS8において、再度、(ΔP0-ΔP1)≧αを満たす状態が所定時間継続したかどうかを判断する。つまり、圧力差ΔP1を目標値ΔP0から減じることによって得られる偏差(ΔP0-ΔP1)が所定時間にわたって閾値α以上であるかどうかを判断する。ステップSS8の処理は、ステップSS4と同じ処理である。ステップSS8の「所定時間」は、ステップSS4の「所定時間」と同じ長さの時間であってもよく、異なる長さの時間であってもよい。ステップSS8の「所定時間」は、所定時間T1と同じ長さの時間であってもよく、所定時間T1よりも少し長い時間であってもよい。ステップSS8の「所定時間」の計測は、ステップSS5の処理を実行した時点から開始されうる。
ステップSS8において、(ΔP0-ΔP1)≧αを満たす状態が所定時間継続した場合、ステップSS5に戻り、ステップSS5からステップSS7の処理を繰り返す。つまり、制御装置20は、流量調整器5を開動作させる処理を繰り返し実行する。1回の閉動作では流量調整器5を正常な状態に復旧できなかったとしても、複数回の閉動作で正常な状態に復旧できる可能性がある。したがって、閉動作を繰り返すことは復旧の可能性を高めるうえで有効である。
ステップSS5及びステップSS8において、偏差(ΔP0-ΔP1)が所定時間にわたって閾値α以上でないとき、圧力差ΔP1が正常であると判断してステップSS2の通常制御に戻る。つまり、不具合が解消されたと判断してステップSS2の通常制御に戻り、圧力差ΔP1の監視を継続する。動作回数nもリセットしてゼロに戻す。
ステップSS7において、流量調整器5の動作回数nが上限回数Nmaxに達したかどうかを判断する。つまり、圧力差ΔP1を目標値ΔP0から減じることによって得られる偏差が閾値α以上であり続けるとき、制御装置20は、流量調整器5を閉動作させる処理を上限回数Nmaxまで繰り返し実行する。異常の原因が流量調整器5でない場合、あるいは、閉動作を繰り返しても流量調整器5を正常な状態に復旧できない場合、速やかに別の措置を講ずるべきである。上限回数Nmaxを設定することによって、速やかに別の措置に移ることができる。
ステップSS7において、流量調整器5の動作回数nが上限回数Nmaxに達した場合、流量調整器5の動作によって圧力差ΔP1を正常な状態に復旧させることができないと判断する。つまり、流量調整器5を閉動作させる処理を繰り返し実行しても依然として(ΔP0-ΔP1)≧αを満たす状態が続く場合、制御装置20は、ステップSS9の処理を実行する。
ステップSS9において、ランキンサイクル装置50を再起動する。これにより、流量調整器5を正常な状態に復旧できる可能性がある。ランキンサイクル装置50を停止させてもよく、外部に異常を報知してもよい。ステップSS9の処理は、ランキンサイクル装置50を再起動すること、ランキンサイクル装置50を停止させること、及び、外部に異常を報知すること、からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。ランキンサイクル装置50を再起動することによって不具合が解消する可能性がある。ランキンサイクル装置50を停止させることは、安全性の観点で優れている。外部に異常を報知することによって、オペレータは、不具合の発生を速やかに認識し、点検、修理などの措置を講ずることができる。外部に異常を報知するための方法は特に限定されない。外部への異常の報知としては、エラーメッセージを操作パネルに表示すること、エラー音声を出力すること、エラーランプを点灯させることなどが挙げられる。
図4Bは、変形例1における故障診断/復旧制御を示すフローチャートである。変形例1では、流量調整器5を閉動作させる処理に代えて、流量調整器5を開動作及び閉動作させる処理である開閉処理が採用されている。図4BのフローチャートのステップST1からステップST4及びステップST6からステップST9は、それぞれ、図4AのフローチャートのステップSS1からステップSS4及びステップSS6からステップSS9に対応している。
ステップST4において、圧力差ΔP1を目標値ΔP0から減じることによって得られる偏差が所定時間にわたって閾値α以上である場合、ステップST5において、制御装置20は、開閉処理を実行する。開閉処理は、流量調整器5を開動作させること及び流量調整器5を閉動作させることの両方を含む処理である。例えば、流量調整器5の内部の流路が異物によって塞がれている場合、流量調整器5を一旦開けば異物が除去されやすい。開閉処理では、例えば、開動作によって半開となり、閉動作によって全閉となるように流量調整器5が制御される。この場合、ステップST5における「所定開度」は、流量調整器5の50%の開度に対応する。ステップST5における「所定開度」は、100%の開度であってもよい。また、ステップST5における「所定開度」を10%程度の開度に設定すれば、流量調整器5の操作によるサイクル状態の変動を小さく抑えつつ、異物を除去できる可能性がある。ステップST5において、開動作及び閉動作の組が実行されたら動作回数nがインクリメントされる。
ステップST5からステップST8をループすることによって、制御装置20は、流量調整器5を開動作させる処理と流量調整器5を閉動作させる処理とを交互に繰り返し実行する。1回の開閉動作では流量調整器5を正常な状態に復旧できなかったとしても、複数回の開閉動作で正常な状態に復旧できる可能性がある。したがって、開閉動作を繰り返すことは復旧の可能性を高めるうえで有効である。
図4Cは、変形例2における故障診断/復旧制御を示すフローチャートである。変形例1は、図4Aを参照して説明した実施の形態と図4Bを参照して説明した変形例1との組み合わせである。変形例2では、流量調整器5の閉動作を実行したとしても圧力差ΔP1が十分に増えない場合、流量調整器5を開閉動作させる。図4CのフローチャートのステップSU1からステップSU4及びステップSU7からステップSU10は、それぞれ、図4AのフローチャートのステップSS1からステップSS4及びステップSS6からステップSS9に対応している。
ステップSU4において、圧力差ΔP1を目標値ΔP0から減じることによって得られる偏差が所定時間にわたって閾値α以上である場合、ステップSU5において、制御装置20は、流量調整器5を所定開度だけ動作させる処理を実行する。流量調整器5の動作回数nが設定値kより小さいとき、流量調整器5を閉動作させる閉処理を実行する。流量調整器5の動作回数nが設定値k以上のとき、流量調整器5を開動作させること及び流量調整器5を閉動作させることの両方を含む開閉処理を実行する。開閉処理は、閉処理が少なくとも1回実行された後に実行されるべき処理である。設定値kは、1≦k<Nmaxの関係を満たす整数である。
変形例2によれば、閉処理が少なくとも1回実行される可能性があり、その後、開閉処理が少なくとも1回実行される可能性がある。設定値kが1のとき、閉処理が1回のみ実行され、開閉処理が1回又は複数回実行される可能性がある。設定値kが2以上のとき、閉処理が複数回実行される可能性があり、開閉処理が1回又は複数回実行される可能性がある。このようにすれば、流量調整器5を正常な状態に復旧できる可能性が更に高まる。
ステップSU6において、流量調整器5の動作回数nがインクリメントされる。
ステップSU5からステップSU9をループすることによって、制御装置20は、流量調整器5を開動作させる処理と流量調整器5を閉動作させる処理とを交互に繰り返し実行する。1回の開閉動作では流量調整器5を正常な状態に復旧できなかったとしても、複数回の開閉動作で正常な状態に復旧できる可能性がある。したがって、開閉動作を繰り返すことは復旧の可能性を高めるうえで有効である。
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態のランキンサイクル装置50は、膨張機3と、膨張機3を迂回するバイパス経路16と、バイパス経路16に設けられた流量調整器5と、流量調整器5を制御する制御装置20とを備えている。膨張機3の入口圧力P1と膨張機3の出口圧力P2との圧力差ΔP1を目標値ΔP0から減じることによって得られる偏差が所定時間にわたって閾値α以上である場合、制御装置20は、流量調整器5を開動作させること及び流量調整器5を閉動作させることからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む復旧制御を実行する。
本開示によれば、圧力差ΔP1の異常の有無を判断する。圧力差ΔP1に異常があるとき、流量調整器5を動作させて流量調整器5の不具合を解消する試みがなされる。異常の原因が流量調整器5にあり、異常の原因を流量調整器5から取り除くことができれば、圧力差ΔP1が増加する。ランキンサイクル装置50を正常な状態へと復旧させることができる。結果として、ランキンサイクル装置50の信頼性が向上する。専用の部品を追加する必要も無いので、コスト面でも有利である。
また、本実施の形態において、制御装置20は、流量調整器5を開動作させる処理及び流量調整器5を閉動作させる処理からなる群より選ばれる少なくとも1つの処理を繰り返し実行してもよい。閉動作を繰り返すことは復旧の可能性を高めるうえで有効である。
また、本実施の形態において、少なくとも1つの処理は、流量調整器5を閉動作させる閉処理と、閉処理が少なくとも1回実行された後に実行されるべき処理であって、流量調整器5を開動作させること及び流量調整器5を閉動作させることの両方を含む開閉処理と、を含んでいてもよい。このようにすれば、流量調整器5を正常な状態に復旧できる可能性が更に高まる。
また、本実施の形態において、制御装置20は、流量調整器5を開動作させる処理と流量調整器5を閉動作させる処理とを交互に繰り返し実行してもよい。1回の開閉動作では流量調整器5を正常な状態に復旧できなかったとしても、複数回の開閉動作で正常な状態に復旧できる可能性がある。したがって、開閉動作を繰り返すことは復旧の可能性を高めるうえで有効である。
また、本実施の形態において、流量調整器5を開動作させる処理及び流量調整器5を閉動作させる処理からなる群より選ばれる少なくとも1つの処理は、流量調整器5を開動作させること及び流量調整器5を閉動作させることの両方を含む開閉処理であってもよい。例えば、流量調整器5の内部の流路が異物によって塞がれている場合、流量調整器5を開閉すれば異物が除去されやすい。
また、本実施の形態において、制御装置20は、流量調整器5を開動作させる処理と流量調整器5を閉動作させる処理とを交互に繰り返し実行してもよい。1回の開閉動作では流量調整器5を正常な状態に復旧できなかったとしても、複数回の開閉動作で正常な状態に復旧できる可能性がある。したがって、開閉動作を繰り返すことは復旧の可能性を高めるうえで有効である。
また、本実施の形態において、圧力差ΔP1を目標値ΔP1から減じることによって得られる偏差が閾値α以上であり続けるとき、制御装置20は、流量調整器5を開動作させる処理及び流量調整器5を閉動作させる処理からなる群より選ばれる少なくとも1つの処理を上限回数まで繰り返し実行してもよい。異常の原因が流量調整器5でない場合、あるいは、閉動作を繰り返しても流量調整器5を正常な状態に復旧できない場合、速やかに別の措置を講ずるべきである。上限回数Nmaxを設定することによって、速やかに別の措置に移ることができる。
また、本実施の形態において、流量調整器5を開動作させる処理及び流量調整器5を閉動作させる処理からなる群より選ばれる少なくとも1つの処理を実行しても偏差(ΔP0-ΔP1)が依然として閾値α以上であるとき、制御装置20は、ランキンサイクル装置50を再起動させること、ランキンサイクル装置50を停止させること、及び、外部に異常を報知すること、からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む処理を実行してもよい。ランキンサイクル装置50を再起動することによって不具合が解消する可能性がある。ランキンサイクル装置50を停止させることは、安全性の観点で優れている。外部に異常を報知することによって、オペレータは、不具合の発生を速やかに認識し、点検、修理などの措置を講ずることができる。
膨張機3の入口圧力P1と膨張機3の出口圧力P2との圧力差ΔP1に代えて、膨張機3の入口圧力P1を用い、流量調整器5の不具合の有無を診断することも可能である。この方法は、膨張機3の入口圧力P1が目標値P0に収斂するようにランキンサイクル装置50が制御される場合に有用である。流量調整器5に不具合がある場合、圧力差ΔP1と同様に膨張機3の入口圧力P1も上がりにくい。そのため、圧力差ΔP1に代えて入口圧力P1を採用できる。
具体的には、図4AのフローチャートのステップSS3において、膨張機3の入口圧力P1を検出する。ステップSS4において、(P0-P1)≧βを満たす状態が所定時間継続したかどうかを判断する。つまり、入口圧力P1を目標値P0から減じることによって得られる偏差(P0-P1)が所定時間にわたって閾値β以上であるかどうかを判断する。目標値P0は、目標入口圧力P0である。目標入口圧力P0は、表4に示す目標圧力差ΔP0と同じように、外気温度に応じて設定されうる。閾値βは、定数であってもよく、変数であってもよい。閾値βは、目標入口圧力P0を基準として決定される変数であってもよい。これらの変更は、ステップSS8にも適用されうる。これらの変更は、さらに、図4B及び図4Cのフローチャートにも適用されうる。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかし、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
流量調整器5として、ニードル弁だけでなく、電動ボールバルブも採用可能である。電動ボールバルブは、弁の部分と弁前後の配管とで流路断面積の変化が小さい。このため、電動ボールバルブによれば、作動流体を循環させる際の流路抵抗を小さくすることができる。
膨張機3の入口圧力P1は、蒸発器2における作動流体の蒸発温度から特定してもよい。膨張機3の出口圧力P2は、再熱器6又は凝縮器4における作動流体の凝縮温度から特定してもよい。ただし、第1圧力センサ8aの検出値及び第2圧力センサ8bの検出値を用いて圧力差ΔP1の異常の有無を判断することによって、異常の有無をより正確に判断することができる。
ランキンサイクルの状態変化は、図2に示す態様のものに限定されない。図2では、配管における圧力損失、配管における放熱損失などの各種の損失が無視されている。現実には、モリエル線図はこれらが反映された形状をとる。
表1から表4の外気温度の区間の分割の仕方は、一例に過ぎず、本開示を限定するものではない。表1から表4の数値は、ポンプ1、ファン7及び膨張機3の仕様によって変化しうる。
表1から表4のRp0、Rf0、Re0及びΔP0を、外気温度及び別のパラメータに依存させることも可能である。別のパラメータの例は、蒸発器2に流入する加熱媒体Gの温度の検出値である。この検出値は、第4温度センサ9dによって得られる。Rp0、Rf0、Re0及びΔP0を第4温度センサ9dの検出値に応じて細かく設定することにより、ランキンサイクル装置50の運転効率が向上しうる。
外気温度と蒸発器2に流入する加熱媒体Gの温度との両方を考慮して各アクチュエータの目標値を設定することにより、ランキンサイクル装置50の運転効率が更に向上しうる。加熱媒体Gの温度に限らず、風量及び/又は風速を考慮すれば、ランキンサイクル装置50の運転効率が更に向上しうる。
ランキンサイクルにおけるエンタルピの変化幅が適切となるように蒸発器2を構成することは必須ではない。そのように蒸発器2が構成されていない場合であっても、ランキンサイクルにおける圧力の変化幅が適切となるようにランキンサイクル装置50を制御することによって、ランキンサイクルが安定するという効果が得られる。
蒸発器2は、フィンアンドチューブ熱交換器以外の熱交換器であってもよい。加熱媒体Gは、気体(排ガス)以外の流体であってもよい。例えば、蒸発器2がプレート熱交換器であり、加熱媒体Gが液体(例えば水)であってもよい。この場合、ランキンサイクル装置50は、バイナリ式ランキンサイクル装置でありうる。
ランキンサイクル装置が、図示した要素の全てを有していることは必須ではない。例えば、流量調整器5及び/又は再熱器6は省略可能である。
本開示に係る技術は、バイパス経路を有するランキンサイクル装置に適用されうる。また、本開示に係る技術は、蒸発器が加熱媒体に直接接触する直接接触型ランキンサイクル装置、及び、蒸発器と加熱媒体との間に水冷媒回路などの別のサイクルを有するバイナリ式ランキンサイクル装置にも適用されうる。
1 ポンプ
2 蒸発器
3 膨張機
4 凝縮器
5 流量調整器
6 再熱器
6a 第1部分
6b 第2部分
7 ファン
8a 第1圧力センサ
8b 第2圧力センサ
8c 第3圧力センサ
9a 第1温度センサ
9b 第2温度センサ
9c 第3温度センサ
9d 第4温度センサ
9e 第5温度センサ
14 作動流体回路
15 循環経路
15a 第1流路
15b 第2流路
16 バイパス経路
18 発電機
20 制御装置
30 熱源
40 熱流路
50 ランキンサイクル装置
100 熱発電システム
G 加熱媒体

Claims (9)

  1. 膨張機と、
    前記膨張機を迂回するバイパス経路と、
    前記バイパス経路に設けられた流量調整器と、
    前記流量調整器を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記膨張機の入口圧力と前記膨張機の出口圧力との圧力差を目標値から減じることによって得られる偏差が所定時間にわたって閾値以上である場合、又は、前記膨張機の入口圧力を目標値から減じることによって得られる偏差が所定時間にわたって閾値以上である場合、前記制御装置は、前記流量調整器を開動作させる処理及び前記流量調整器を閉動作させる処理からなる群より選ばれる少なくとも1つの処理を実行する、
    ランキンサイクル装置。
  2. 前記制御装置は、前記少なくとも1つの処理を繰り返し実行する、
    請求項1に記載のランキンサイクル装置。
  3. 前記少なくとも1つの処理は、前記流量調整器を閉動作させる閉処理と、前記閉処理が少なくとも1回実行された後に実行されるべき処理であって、前記流量調整器を開動作させること及び前記流量調整器を閉動作させることの両方を含む開閉処理と、を含む、
    請求項1又は2に記載のランキンサイクル装置。
  4. 前記制御装置は、前記開閉処理として、前記流量調整器を開動作させる処理と前記流量調整器を閉動作させる処理とを交互に繰り返し実行する、
    請求項3に記載のランキンサイクル装置。
  5. 前記少なくとも1つの処理は、前記流量調整器を開動作させること及び前記流量調整器を閉動作させることの両方を含む開閉処理である、
    請求項1に記載のランキンサイクル装置。
  6. 前記制御装置は、前記開閉処理として、前記流量調整器を開動作させる処理と前記流量調整器を閉動作させる処理とを交互に繰り返し実行する、
    請求項5に記載のランキンサイクル装置。
  7. 前記偏差が前記閾値以上であり続けるとき、前記制御装置は、前記少なくとも1つの処理を上限回数まで繰り返し実行する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のランキンサイクル装置。
  8. 前記少なくとも1つの処理を実行したとしても前記偏差が前記閾値以上であり続けるとき、前記制御装置は、前記ランキンサイクル装置を再起動させること、前記ランキンサイクル装置を停止させること、及び、外部に異常を報知すること、からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む処理を実行する、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のランキンサイクル装置。
  9. 膨張機と、前記膨張機を迂回するバイパス経路と、前記バイパス経路に設けられた流量調整器と、を備えたランキンサイクル装置の運転方法であって、
    前記膨張機の入口圧力を特定することと、
    前記膨張機の出口圧力を特定することと、
    前記入口圧力と前記出口圧力との圧力差を目標値から減じることによって得られる偏差が所定時間にわたって閾値以上である場合、又は、前記入口圧力を目標値から減じることによって得られる偏差が所定時間にわたって閾値以上である場合、前記流量調整器を開動作させること及び前記流量調整器を閉動作させることからなる群より選ばれる少なくとも1つを実行することと、
    を含む、ランキンサイクル装置の運転方法。
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