JP7411470B2 - 口銭自動計上装置、口銭自動計上方法、および、口銭自動計上プログラム - Google Patents

Description

本発明は、口銭自動計上装置、口銭自動計上方法、および、口銭自動計上プログラムに関する。

特許文献１には、親会社経由で行う海外仕入取引で発生する、親会社に支払う手数料である口銭を自動算出し、原価に組み込んで計上する構成が開示されている。

特開２０１８－７３１７８号公報

しかしながら、上記特許文献１記載の発明においては、口銭算出時の掛率が予め設定されているため、仕入金額に応じて口銭率を自動的に変更することができなかったという課題があった。

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、仕入に付随して発生する仲介業者への口銭が仕入金額に応じて変動する場合であっても、仕入伝票登録時に、口銭を仕入金額に応じて自動計算および計上することで、漏れや誤りが無いように処理することができる口銭自動計上装置、口銭自動計上方法、および、口銭自動計上プログラムを提供することを目的とする。

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る口銭自動計上装置は、記憶部と制御部とを備えた口銭自動計上装置であって、前記記憶部は、口銭支払先、および、金額に応じた口銭率を紐付けて設定した口銭マスタを記憶する口銭記憶手段、を備え、前記制御部は、商品の仕入金額を含む仕入データを取得する仕入取得手段と、前記口銭マスタおよび前記仕入データに基づいて、前記商品の仕入金額に応じた前記口銭率を特定する口銭率特定手段と、前記仕入金額および前記口銭率に基づいて、前記口銭支払先に対する口銭金額を含む仕入口銭データを取得する口銭取得手段と、を備えたことを特徴とする。

また、本発明に係る口銭自動計上装置において、前記口銭マスタは、前記口銭支払先、および、金額範囲毎の前記口銭率が紐付けて設定され、前記口銭率特定手段は、前記口銭マスタおよび前記仕入データに基づいて、前記仕入金額が所定の前記金額範囲に含まれる場合、前記所定の金額範囲に対応する前記口銭率を前記仕入金額に応じた口銭率として特定することを特徴とする。

また、本発明に係る口銭自動計上装置において、前記口銭マスタは、仕入先、前記口銭支払先、および、前記口銭率が紐付けて設定され、前記仕入取得手段は、仕入先識別子、および、前記商品の前記仕入金額を含む前記仕入データを取得し、前記口銭率特定手段は、前記口銭マスタおよび前記仕入データに基づいて、前記仕入先および前記口銭支払先に紐付けられ、且つ、前記商品の前記仕入金額に応じた前記口銭率を特定することを特徴とする。

また、本発明に係る口銭自動計上装置において、前記制御部は、前記商品の前記仕入金額、および、前記口銭金額を含む原価データを取得する原価取得手段、を更に備えたことを特徴とする。

また、本発明に係る口銭自動計上装置において、前記原価取得手段は、更に、前記商品の仕入単価および／または前記口銭金額の在庫評価単価を含む前記原価データを取得することを特徴とする。

また、本発明に係る口銭自動計上装置において、前記記憶部は、前記仕入単価を含む前記仕入データおよび前記原価データを含む取引データを記憶する取引記憶手段、を更に備え、前記原価取得手段は、前記取引データに基づいて、前記商品の前記仕入単価および／または前記口銭金額の月次総平均値を前記在庫評価単価として含む前記原価データを取得することを特徴とする。

また、本発明に係る口銭自動計上装置において、前記記憶部は、前記仕入金額の支払先もしくは前記口銭支払先、ならびに、支払サイトを紐付けて設定した支払先マスタを記憶する支払先記憶手段、を更に備え、前記仕入取得手段は、前記支払先マスタに基づいて、前記支払先への支払予定日付を特定し、前記仕入金額および前記支払予定日付を含む前記仕入データを取得し、前記口銭取得手段は、前記支払先マスタ、前記仕入金額および前記口銭率に基づいて、前記口銭支払先への口銭支払予定日付を特定し、前記口銭支払先に対する前記口銭金額および前記口銭支払予定日付を含む前記仕入口銭データを取得することを特徴とする。

また、本発明に係る口銭自動計上装置において、前記記憶部は、前記口銭支払先、および、前記仕入先を設定した仕入先マスタを記憶する仕入先記憶手段、を更に備え、制御部は、前記仕入先マスタに基づいて、口銭支払先識別子および前記仕入先識別子を用いて、前記仕入先、前記口銭支払先および前記口銭率を前記口銭マスタに紐付けて設定する口銭設定手段、を更に備えたことを特徴とする。

また、本発明に係る口銭自動計上装置において、前記記憶部は、前記商品、および、口銭計上対象を示す口銭計上フラグを紐付けて設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段、を更に備え、前記口銭率特定手段は、前記商品マスタおよび前記仕入データに基づいて、前記商品が前記口銭計上対象であると判定した場合、前記口銭マスタおよび前記仕入データに基づいて、前記口銭率を特定することを特徴とする。

また、本発明に係る口銭自動計上方法は、記憶部と制御部とを備えた口銭自動計上装置に実行させるための口銭自動計上方法であって、前記記憶部は、口銭支払先、および、金額に応じた口銭率を紐付けて設定した口銭マスタを記憶する口銭記憶手段、を備え、前記制御部で実行させる、商品の仕入金額を含む仕入データを取得する仕入取得ステップと、前記口銭マスタおよび前記仕入データに基づいて、前記商品の仕入金額に応じた前記口銭率を特定する口銭率特定ステップと、前記仕入金額および前記口銭率に基づいて、前記口銭支払先に対する口銭金額を含む仕入口銭データを取得する口銭取得ステップと、を含むことを特徴とする。

また、本発明に係る口銭自動計上プログラムは、記憶部と制御部とを備えた口銭自動計上装置に実行させるための口銭自動計上プログラムであって、前記記憶部は、口銭支払先、および、金額に応じた口銭率を紐付けて設定した口銭マスタを記憶する口銭記憶手段、を備え、前記制御部において、商品の仕入金額を含む仕入データを取得する仕入取得ステップと、前記口銭マスタおよび前記仕入データに基づいて、前記商品の仕入金額に応じた前記口銭率を特定する口銭率特定ステップと、前記仕入金額および前記口銭率に基づいて、前記口銭支払先に対する口銭金額を含む仕入口銭データを取得する口銭取得ステップと、を実行させることを特徴とする。

本発明によれば、口銭支払先への債務伝票の計上漏れや入力ミスをなくすことができ、仕入業務の効率化を図ることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、口銭金額を仕入原価に反映させることでき、より正確な粗利を算出することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、口銭金額を仕入原価に反映させることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、仲介業者によって口銭率が決まっている場合、仕入金額にマスタ設定された口銭率を掛けることで口銭金額の算出ができるという効果を奏する。また、本発明によれば、基本的には仲介業者によって仕入先が決まっているため、逆接的に仕入先が決まることで口銭先である仲介業者が特定できるという効果を奏する。また、本発明によれば、所定の掛率が発生する取引において、業務効率化と債務の正確化に寄与することができるという効果を奏する。

図１は、本実施形態における口銭自動計上装置の構成の一例を示すブロック図である。 図２は、本実施形態におけるマスタ体系の一例を示す図である。 図３は、本実施形態における口銭自動計上装置の処理の一例を示すフローチャートである。 図４は、本実施形態における口銭自動計上処理の一例を示す図である。 図５は、本実施形態における口銭自動計上処理の一例を示す図である。 図６は、本実施形態における在庫特定キー項目の一例を示す図である。 図７は、本実施形態における原価データの一例を示す図である。

本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。

［１．概要］
まず、本発明の概要を説明する。

従来、仕入にかかる仲介手数料であり、例えば、海外からの輸入仕入を行う際に仲介業者から海外仕入先を紹介してもらう場合に支払う費用である口銭については、伝票計上を商品仕入の伝票とは別に計上する必要があり、人の手で計上していたため、ミスが発生するだけでなく、口銭金額を仕入原価に含めることができなかった。

そこで、本実施形態においては、仕入金額に応じて変動する口銭金額を自動計算し、口銭伝票を自動計上することで、作業負荷を軽減し、入力ミスを削減し、口銭金額を原価算入することで正確な粗利を算出することができる仕組みを提供している。

［２．構成］
本実施形態に係る口銭自動計上装置１００の構成の一例について、図１および図２を参照して説明する。図１は、本実施形態における口銭自動計上装置１００の構成の一例を示すブロック図である。

図１に示すように、口銭自動計上装置１００は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、口銭自動計上装置１００は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、ＰＤＡ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｄｉｇｉｔａｌ Ａｓｓｉｓｔａｎｔｓ）、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。

口銭自動計上装置１００は、制御部１０２と通信インターフェース部１０４と記憶部１０６と入出力インターフェース部１０８と、を備えている。口銭自動計上装置１００が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。

通信インターフェース部１０４は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、口銭自動計上装置１００をネットワーク３００に通信可能に接続する。通信インターフェース部１０４は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク３００は、口銭自動計上装置１００とサーバ２００とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）等である。

記憶部１０６には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部１０６には、ＯＳ（Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）と協働してＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部１０６として、例えば、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）・ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部１０６は、仕入先マスタ１０６ａと商品マスタ１０６ｂと口銭マスタ１０６ｃと支払先マスタ１０６ｄと取引データベース１０６ｅとを備えている。

仕入先マスタ１０６ａは、口銭支払先、および／または、仕入先を設定したマスタである。ここで、仕入先マスタ１０６ａは、口銭支払先識別子（例えば、口銭支払先コードおよび／または口銭支払先名等）、口銭支払先担当者識別子（例えば、口銭支払先担当者コードおよび／または口銭支払先担当者名等）、仕入先識別子（例えば、仕入先コードおよび／または仕入先名等）および／または仕入先担当者識別子（例えば、仕入先担当者コードおよび／または仕入先担当者名等）を含んでいてもよい。

商品マスタ１０６ｂは、商品を設定したマスタである。ここで、商品マスタ１０６ｂは、商品、および、口銭計上対象を示す口銭計上フラグが紐付けて設定されていてもよい。また、商品マスタ１０６ｂは、商品の仕入倉庫、商品単価、仕入先および／または仕入日等が設定されていてもよい。また、商品マスタ１０６ｂは、商品識別子（例えば、商品名、商品コードおよび／またはロット番号等）、倉庫識別子（例えば、倉庫名および／または倉庫コード等）、を含んでいてもよい。

口銭マスタ１０６ｃは、口銭支払先、および、金額に応じた口銭率を紐付けて設定したマスタである。ここで、口銭マスタ１０６ｃは、口銭支払先、および、金額範囲毎の口銭率が紐付けて設定されてもよい。また、口銭マスタ１０６ｃは、仕入先識別子、口銭支払先識別子、金額範囲（例えば、仕入下限金額および／または仕入上限金額）、金額範囲毎の口銭率を含んでいてもよい。

支払先マスタ１０６ｄは、仕入金額の支払先もしくは口銭支払先、ならびに、取引代金の締め日から支払日までの猶予期間を示す支払サイトを紐付けて設定したマスタである。ここで、支払先マスタ１０６ｄは、仕入先、支払先および支払サイトが紐付けて設定されていてもよい。また、支払先マスタ１０６ｄは、口銭支払先および支払サイトが紐付けて設定されていてもよい。

ここで、図２を参照して、本実施形態におけるマスタ体系の一例について説明する。図２は、本実施形態におけるマスタ体系の一例を示す図である。

図２に示すように、本実施形態における仕入先マスタ１０６ａにおいては、通常の仕入先であるＡ社の仕入先コード（Ａ００１）および口銭支払先であるＢ社の口銭支払先コード（Ｂ００１）が設定されていてもよい。このように、本実施形態における仕入先マスタ１０６ａにおいては、通常仕入先と口銭支払先とがそれぞれ登録されてもよい。また、図２に示すように、本実施形態における口銭マスタ１０６ｃにおいては、仕入先コード（Ａ００１）、口銭支払先コード（Ｂ００１）、仕入下限金額、仕入上限金額および口銭率が紐付けて設定されていてもよい。このように、本実施形態においては、口銭マスタ１０６ｃにおいて通常仕入先と口銭支払先との紐づけを持たせているため、通常仕入先コードをキーに口銭支払先が一意に特定され、上限下限金額をキーに明細金額で口銭率が特定されてもよい。なお、本実施形態においては、口銭マスタ１０６ｃに設定された口銭支払先および口銭率の情報はあくまで初期値であり、仕入伝票を登録する際に画面から（口銭先が変わった場合やスポットの口銭率に対応させて）変更可能であってもよい。また、図２に示すように、本実施形態における支払先マスタ１０６ｄにおいては、支払先コード、仕入先コードおよび支払サイト、ならびに、口銭支払先コードおよび支払サイトが設定されていてもよい。

図１に戻り、取引データベース１０６ｅは、取引データを記憶する。ここで、取引データベース１０６ｅは、仕入単価を含む仕入データ、口銭支払先に対する口銭金額を含む仕入口銭データおよび／または原価データを含む取引データを記憶していてもよい。ここで、仕入データは、仕入番号、仕入区分、仕入日付、仕入先コード（ＣＤ）、支払先ＣＤ、担当者ＣＤ、部門ＣＤ、倉庫ＣＤ、支払予定日付、支払方法ＣＤ、レート、明細行番号、商品ＣＤ、数量、仕入単価、仕入金額および／またはロット番号等を含んでいてもよい。また、仕入口銭データは、仕入番号、仕入区分、仕入日付、口銭支払先ＣＤ、支払先ＣＤ、担当者ＣＤ、部門ＣＤ、倉庫ＣＤ、支払予定日付、支払方法ＣＤ、レート、明細行番号、商品ＣＤ、数量、口銭単価、口銭金額および／またはロット番号等を含んでいてもよい。また、原価データは、仕入区分、仕入番号、数量、単価、金額、在庫数量および／または在庫評価単価等を含んでいてもよい。

入出力インターフェース部１０８には、入力装置１１２および出力装置１１４が接続されている。出力装置１１４には、モニタ（タッチパネルを含む）の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置１１２には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置１１４をモニタ１１４またはプリンタ１１４とし、入力装置１１２をキーボード１１２またはマウス１１２として記載する場合がある。

制御部１０２は、口銭自動計上装置１００を統括的に制御するＣＰＵ等である。制御部１０２は、ＯＳ等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部１０２は、機能概念的に、仕入取得部１０２ａと、口銭率特定部１０２ｂと、口銭取得部１０２ｃと原価取得部１０２ｄと口銭設定部１０２ｅとを備えている。

仕入取得部１０２ａは、仕入データを取得する。ここで、仕入取得部１０２ａは、商品の仕入金額を含む仕入データを取得してもよい。また、仕入取得部１０２ａは、仕入先識別子、および、商品の仕入金額を含む仕入データを取得してもよい。また、仕入取得部１０２ａは、支払先マスタ１０６ｄに基づいて、支払先への支払予定日付を特定し、仕入金額および支払予定日付を含む仕入データを取得してもよい。また、仕入取得部１０２ａは、仕入データを取引データベース１０６ｅに登録してもよい。

口銭率特定部１０２ｂは、商品の仕入金額に応じた口銭率を特定する。ここで、口銭率特定部１０２ｂは、口銭マスタ１０６ｃおよび仕入データに基づいて、商品の仕入金額に応じた口銭率を特定してもよい。また、口銭率特定部１０２ｂは、口銭マスタ１０６ｃおよび仕入データに基づいて、仕入金額が所定の金額範囲に含まれる場合、所定の金額範囲に対応する口銭率を仕入金額に応じた口銭率として特定してもよい。また、口銭率特定部１０２ｂは、口銭マスタ１０６ｃおよび仕入データに基づいて、仕入先および口銭支払先に紐付けられ、且つ、商品の仕入金額に応じた口銭率を特定してもよい。また、口銭率特定部１０２ｂは、商品マスタ１０６ｂおよび仕入データに基づいて、商品が口銭計上対象であると判定した場合、口銭マスタ１０６ｃおよび仕入データに基づいて、口銭率を特定してもよい。

口銭取得部１０２ｃは、口銭支払先に対する口銭金額を含む仕入口銭データを取得する。ここで、口銭取得部１０２ｃは、仕入金額および口銭率に基づいて、口銭支払先に対する口銭金額を含む仕入口銭データを取得してもよい。また、口銭取得部１０２ｃは、支払先マスタ１０６ｄ、仕入金額および口銭率に基づいて、口銭支払先への口銭支払予定日付を特定し、口銭支払先に対する口銭金額および口銭支払予定日付を含む仕入口銭データを取得してもよい。また、口銭取得部１０２ｃは、仕入口銭データを取引データベース１０６ｅに登録してもよい。

原価取得部１０２ｄは、原価データを取得する。ここで、原価取得部１０２ｄは、商品の仕入金額、および／または、口銭金額を含む原価データを取得してもよい。また、原価取得部１０２ｄは、商品の仕入単価および／または口銭金額の在庫評価単価を含む原価データを取得してもよい。また、原価取得部１０２ｄは、取引データに基づいて、商品の仕入単価および／または口銭金額の月次総平均値を在庫評価単価として含む原価データを取得してもよい。また、原価取得部１０２ｄは、原価データを取引データベース１０６ｅに登録してもよい。

口銭設定部１０２ｅは、仕入先、口銭支払先および口銭率を口銭マスタ１０６ｃに紐付けて設定する。ここで、口銭設定部１０２ｅは、仕入先マスタ１０６ａに基づいて、口銭支払先識別子および仕入先識別子を用いて、仕入先、口銭支払先および口銭率を口銭マスタ１０６ｃに紐付けて設定する。

［３．具体例］
本実施形態の具体例について、図３から図７を参照して説明する。

［口銭自動計上処理］
ここで、図３を参照して、本実施形態における口銭自動計上処理の一例について説明する。図３は、本実施形態における口銭自動計上装置１００の処理の一例を示すフローチャートである。

図３に示すように、仕入取得部１０２ａは、ユーザにより入力装置１１２を介して商品の仕入先コードおよび仕入金額等が入力された場合、支払先マスタ１０６ｄに基づいて、支払先への支払予定日付を特定し、仕入先コード、仕入金額および支払予定日付等を含む仕入データを取得し、当該仕入データを取引データベース１０６ｅに登録する（ステップＳＡ－１）。

そして、口銭率特定部１０２ｂは、商品マスタ１０６ｂおよび仕入データに基づいて、口銭計上フラグが立っている（商品が口銭計上対象である）か否かを判定する（ステップＳＡ－２）。

そして、口銭率特定部１０２ｂは、口銭計上フラグが立っていると判定した場合（ステップＳＡ－２：Ｙｅｓ）、処理をステップＳＡ－３に移行させる。

そして、口銭率特定部１０２ｂは、仕入データに基づいて、仕入金額が所定の金額範囲に含まれる場合、口銭マスタ１０６ｃにて仕入先および口銭支払先に紐付けられ、且つ、口銭マスタ１０６ｃに設定された所定の金額範囲に対応する口銭率を仕入金額に応じた口銭率として特定する（ステップＳＡ－３）。

そして、口銭取得部１０２ｃは、支払先マスタ１０６ｄ、仕入金額および口銭率に基づいて、口銭支払先への口銭金額を算出し、口銭支払先への口銭支払予定日付を特定し、口銭支払先に対する口銭金額および口銭支払予定日付を含む仕入口銭データを取得し、当該仕入口銭データを取引データベース１０６ｅに登録する（ステップＳＡ－４）。

そして、原価取得部１０２ｄは、取引データベース１０６ｅに記憶された取引データに基づいて、仕入単価および口銭金額の月次総平均値を在庫評価単価として取得し、商品の単価、仕入金額、口銭金額および在庫評価単価を含む原価データを取得し、当該原価データを取引データベース１０６ｅに登録し（ステップＳＡ－５）、処理を終了する。

一方、口銭率特定部１０２ｂは、口銭計上フラグが立っていないと判定した場合（ステップＳＡ－２：Ｎｏ）、処理をステップＳＡ－６に移行させる。

そして、原価取得部１０２ｄは、取引データベース１０６ｅに記憶された取引データに基づいて、仕入単価の月次総平均値を在庫評価単価として取得し、商品の仕入単価、仕入金額および在庫評価単価を含む原価データを取得し、当該原価データを取引データベース１０６ｅに登録し（ステップＳＡ－６）、処理を終了する。

ここで、図２、図４および図５を参照して、本実施形態における口銭自動計上処理の具体例について説明する。図４および図５は、本実施形態における口銭自動計上処理の一例を示す図である。

図４に示すように、本実施形態においては、２０１９／１２／１９にユーザによりＡ社からの商品単価：１００００円の商品（商品コード：ＳＨＯ００１）について１０個の仕入入力があった場合、仕入金額：１００００×１０＝１０００００円が算出され、図２に示す支払先マスタ１０６ｄに基づいて、仕入先且つ支払先であるＡ社への支払予定日付（２０２０／１／３１）が特定され、当該仕入金額および当該支払予定日付等を含む仕入データが取得されて登録される。そして、図４に示すように、本実施形態においては、図２に示す口銭マスタ１０６ｃに基づいて、仕入データに含まれる仕入先ＣＤ（Ａ００１）から口銭仕入先ＣＤ（Ｂ００１）が特定され、仕入金額が０円以上１０００００円以下のため、（１）の口銭率を用いて口銭金額：１０００００×０．０５＝５０００円が算出される。そして、図４に示すように、本実施形態においては、図２に示す支払先マスタ１０６ｄに基づいて、口銭支払先（（仲介業務）仕入先且つ（口銭）支払先）であるＢ社への支払予定日付（２０２０／２／１５）が特定され、口銭金額および支払予定日付等を含む仕入口銭データが取得されて登録される。

また、図５に示すように、本実施形態においては、２０１９／１２／１９にユーザによりＡ社からの商品単価：２００００円の商品（商品コード：ＳＨＯ００１）について１０個、および、商品単価：１００００円の商品（商品コード：ＳＨＯ００２）について１０個の仕入入力があった場合、商品毎にＳＨＯ００１の仕入金額：２００００×１０＝２０００００円、および、ＳＨＯ００２の仕入金額：１００００×１０＝１０００００円が算出され、図２に示す支払先マスタ１０６ｄに基づいて、仕入先且つ支払先であるＡ社への支払予定日付（２０２０／１／３１）が特定され、当該仕入金額および当該支払予定日付等を含む仕入データが取得されて登録される。そして、図５に示すように、本実施形態においては、図２に示す口銭マスタ１０６ｃに基づいて、仕入データに含まれる仕入先ＣＤ（Ａ００１）から口銭仕入先ＣＤ（Ｂ００１）が特定され、ＳＨＯ００１の仕入金額が１００００１円以上５０００００円以下のため、（２）の口銭率を用いて口銭金額：２０００００×０．１０＝２００００円が算出され、ＳＨＯ００２の仕入金額が０円以上１０００００円以下のため、（１）の口銭率を用いて口銭金額：１０００００×０．０５＝５０００円が算出される。そして、図５に示すように、本実施形態においては、図２に示す支払先マスタ１０６ｄに基づいて、口銭支払先（（仲介業務）仕入先且つ（口銭）支払先）であるＢ社への支払予定日付（２０２０／２／１５）が特定され、口銭金額および支払予定日付等を含む仕入口銭データが取得されて登録される。このように、本実施形態においては、仕入伝票登録時に仕入口銭データを自動計上することができる。

また、図４から図７を参照して、本実施形態における原価照会の一例について説明する。図６は、本実施形態における在庫特定キー項目の一例を示す図である。図７は、本実施形態における原価データの一例を示す図である。

本実施形態においては、図６に示す在庫データを特定するための在庫特定キー項目である倉庫ＣＤ・商品ＣＤ・ロットＮＯが指定された商品について、図４および図５に示す仕入データおよび仕入口銭データに基づいて、仕入単価および口銭金額の月次総平均値が在庫評価単価として取得され、図７に示すように、口銭伝票が専用の仕入区分で仕入伝票とは独立したデータ形式として含む原価データが取得される。なお、本実施形態においては、仕入区分を用いて数量不算入の判断がされてもよい。

［４．他の実施形態］
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。

例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。

また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。

また、口銭自動計上装置１００に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。

例えば、口銭自動計上装置１００が備える処理機能、特に制御部１０２にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、ＣＰＵおよび当該ＣＰＵにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて口銭自動計上装置１００に機械的に読み取られる。すなわち、ＲＯＭまたはＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）などの記憶部などには、ＯＳと協働してＣＰＵに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、ＲＡＭにロードされることによって実行され、ＣＰＵと協働して制御部を構成する。

また、このコンピュータプログラムは、口銭自動計上装置１００に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。

また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、ＵＳＢ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｓｅｒｉａｌ Ｂｕｓ）メモリ、ＳＤ（Ｓｅｃｕｒｅ Ｄｉｇｉｔａｌ）カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ＲＯＭ、ＥＰＲＯＭ（Ｅｒａｓａｂｌｅ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＥＥＰＲＯＭ（登録商標）（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓａｂｌｅ ａｎｄ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＣＤ－ＲＯＭ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｋ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＭＯ（Ｍａｇｎｅｔｏ－Ｏｐｔｉｃａｌ ｄｉｓｋ）、ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｋ）、および、Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。

また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、ＯＳに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。

記憶部１０６に格納される各種のデータベース等は、ＲＡＭ、ＲＯＭ等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。

また、口銭自動計上装置１００は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、口銭自動計上装置１００は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア（プログラムまたはデータ等を含む）を実装することにより実現してもよい。

更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。

本発明は、仕入に付随して仲介手数料等の外部への債務が発生する商流を持つ商社および流通小売業等の業界において有用である。

１００ 口銭自動計上装置
１０２ 制御部
１０２ａ 仕入取得部
１０２ｂ 口銭率特定部
１０２ｃ 口銭取得部
１０２ｄ 原価取得部
１０２ｅ 口銭設定部
１０４ 通信インターフェース部
１０６ 記憶部
１０６ａ 仕入先マスタ
１０６ｂ 商品マスタ
１０６ｃ 口銭マスタ
１０６ｄ 支払先マスタ
１０６ｅ 取引データベース
１０８ 入出力インターフェース部
１１２ 入力装置
１１４ 出力装置
２００ サーバ
３００ ネットワーク

Claims (10)

1. 記憶部と制御部とを備えた口銭自動計上装置であって、
   前記記憶部は、
   社外の口銭支払先、および、金額に応じた口銭率を紐付けて設定した口銭マスタを記憶する口銭記憶手段と、
   商品の仕入金額の社外の支払先および前記口銭支払先、ならびに、支払サイトを紐付けて設定した支払先マスタを記憶する支払先記憶手段と、
   を備え、
   前記制御部は、
   前記支払先マスタに基づいて、前記支払先への支払予定日付を特定し、前記支払予定日付および前記商品の前記仕入金額を含む仕入データを取得する仕入取得手段と、
   前記口銭マスタおよび前記仕入データに基づいて、前記商品の前記仕入金額に応じた前記口銭率を特定する口銭率特定手段と、
   前記支払先マスタ、前記仕入金額および前記口銭率に基づいて、前記口銭支払先への口銭支払予定日付を特定し、前記口銭支払予定日付および前記口銭支払先に対する口銭金額を含む仕入口銭データを取得する口銭取得手段と、
   を備えたことを特徴とする口銭自動計上装置。
2. 前記口銭マスタは、
   前記口銭支払先、および、金額範囲毎の前記口銭率が紐付けて設定され、
   前記口銭率特定手段は、
   前記口銭マスタおよび前記仕入データに基づいて、前記仕入金額が所定の前記金額範囲に含まれる場合、前記所定の金額範囲に対応する前記口銭率を前記仕入金額に応じた口銭率として特定することを特徴とする請求項１に記載の口銭自動計上装置。
3. 前記口銭マスタは、
   仕入先、前記口銭支払先、および、前記口銭率が紐付けて設定され、
   前記仕入取得手段は、
   前記支払先マスタに基づいて、前記支払先への前記支払予定日付を特定し、前記支払予定日付、仕入先識別子、および、前記商品の前記仕入金額を含む前記仕入データを取得し、
   前記口銭率特定手段は、
   前記口銭マスタおよび前記仕入データに基づいて、前記仕入先および前記口銭支払先に紐付けられ、且つ、前記商品の前記仕入金額に応じた前記口銭率を特定することを特徴とする請求項１に記載の口銭自動計上装置。
4. 前記制御部は、
   前記商品の前記仕入金額、および、前記口銭金額を含む原価データを取得する原価取得手段、
   を更に備えたことを特徴とする請求項１から３のいずれか一つに記載の口銭自動計上装置。
5. 前記原価取得手段は、
   更に、前記商品の仕入単価および／または前記口銭金額の在庫評価単価を含む前記原価データを取得することを特徴とする請求項４に記載の口銭自動計上装置。
6. 前記記憶部は、
   前記仕入単価を含む前記仕入データおよび前記原価データを含む取引データを記憶する取引記憶手段、
   を更に備え、
   前記原価取得手段は、
   前記取引データに基づいて、前記商品の前記仕入単価および／または前記口銭金額の月次総平均値を前記在庫評価単価として含む前記原価データを取得することを特徴とする請求項５に記載の口銭自動計上装置。
7. 前記記憶部は、
   前記口銭支払先、および、前記仕入先を設定した仕入先マスタを記憶する仕入先記憶手段、
   を更に備え、
   制御部は、
   前記仕入先マスタに基づいて、口銭支払先識別子および前記仕入先識別子を用いて、前記仕入先、前記口銭支払先および前記口銭率を前記口銭マスタに紐付けて設定する口銭設定手段、
   を更に備えたことを特徴とする請求項３に記載の口銭自動計上装置。
8. 前記記憶部は、
   前記商品、および、口銭計上対象を示す口銭計上フラグを紐付けて設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段、
   を更に備え、
   前記口銭率特定手段は、
   前記商品マスタおよび前記仕入データに基づいて、前記商品が前記口銭計上対象であると判定した場合、前記口銭マスタおよび前記仕入データに基づいて、前記口銭率を特定することを特徴とする請求項１に記載の口銭自動計上装置。
9. 記憶部と制御部とを備えた口銭自動計上装置に実行させるための口銭自動計上方法であって、
   前記記憶部は、
   社外の口銭支払先、および、金額に応じた口銭率を紐付けて設定した口銭マスタを記憶する口銭記憶手段と、
   商品の仕入金額の社外の支払先および前記口銭支払先、ならびに、支払サイトを紐付けて設定した支払先マスタを記憶する支払先記憶手段と、
   を備え、
   前記制御部で実行される、
   前記支払先マスタに基づいて、前記支払先への支払予定日付を特定し、前記支払予定日付および前記商品の前記仕入金額を含む仕入データを取得する仕入取得ステップと、
   前記口銭マスタおよび前記仕入データに基づいて、前記商品の前記仕入金額に応じた前記口銭率を特定する口銭率特定ステップと、
   前記支払先マスタ、前記仕入金額および前記口銭率に基づいて、前記口銭支払先への口銭支払予定日付を特定し、前記口銭支払予定日付および前記口銭支払先に対する口銭金額を含む仕入口銭データを取得する口銭取得ステップと、
   を含むことを特徴とする口銭自動計上方法。
10. 記憶部と制御部とを備えた口銭自動計上装置に実行させるための口銭自動計上プログラムであって、
    前記記憶部は、
    社外の口銭支払先、および、金額に応じた口銭率を紐付けて設定した口銭マスタを記憶する口銭記憶手段と、
    商品の仕入金額の社外の支払先および前記口銭支払先、ならびに、支払サイトを紐付けて設定した支払先マスタを記憶する支払先記憶手段と、
    を備え、
    前記制御部において、
    前記支払先マスタに基づいて、前記支払先への支払予定日付を特定し、前記支払予定日付および前記商品の前記仕入金額を含む仕入データを取得する仕入取得ステップと、
    前記口銭マスタおよび前記仕入データに基づいて、前記商品の前記仕入金額に応じた前記口銭率を特定する口銭率特定ステップと、
    前記支払先マスタ、前記仕入金額および前記口銭率に基づいて、前記口銭支払先への口銭支払予定日付を特定し、前記口銭支払予定日付および前記口銭支払先に対する口銭金額を含む仕入口銭データを取得する口銭取得ステップと、
    を実行させるための口銭自動計上プログラム。

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