JP7410605B1 - 試験基材を試験片に裁断する刃物機構及び試験片の裁断装置 - Google Patents

試験基材を試験片に裁断する刃物機構及び試験片の裁断装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7410605B1
JP7410605B1 JP2023096505A JP2023096505A JP7410605B1 JP 7410605 B1 JP7410605 B1 JP 7410605B1 JP 2023096505 A JP2023096505 A JP 2023096505A JP 2023096505 A JP2023096505 A JP 2023096505A JP 7410605 B1 JP7410605 B1 JP 7410605B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blade
cutter
outer plate
cutting
test
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2023096505A
Other languages
English (en)
Inventor
達 喜岡
輝 喜岡
Original Assignee
株式会社ハガタ屋
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ハガタ屋 filed Critical 株式会社ハガタ屋
Priority to JP2023096505A priority Critical patent/JP7410605B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7410605B1 publication Critical patent/JP7410605B1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】安全性を向上しながら、裁断の際に裁断位置を確認可能とする。【解決手段】刃物機構100は、ベースプレート3と、ベースプレート3に連結され、かつ試験基材6を試験片7に裁断する筒状刃物1と、筒状刃物1の外側に位置し、ベースプレート3の刃物固定側の表面に平行姿勢で往復運動自在に配置される外側プレート2とを備え、外側プレート2が、筒状刃物1を内側に配置する枠形状であって、その内形を筒状刃物1の外周面に沿う形状としており、外側プレート2の内周面23と筒状刃物1の外周面13との間には、外側プレート2が筒状刃物1に対して往復運動できる刃物隙間25を設け、外側プレート2の内周面23が、筒状刃物1の外周面13に対向する対向面23aを有し、対向面23aは、刃物隙間25が上広がりとなる傾斜面24を有する。【選択図】図11

Description

本発明は、プラスチックやゴム等のシート状や板状の試験基材を、引張試験や衝撃試験等に用いられる試験片に裁断する刃物機構と、この刃物機構を備える試験片の裁断装置に関する。
種々の用途に使用される材料は、ISO、JISなどの基準、規格に基づいて引張試験や衝撃試験等の各種試験が行われる。たとえば、タイヤなどに使用されるゴムは、引張試験や衝撃試験をするために、ゴムを所定の厚さのシート状の試験基材とし、これをダンベル形状の試験片に裁断している。試験基材は、厚さと外形を規格に適合する寸法に裁断して引張試験に使用される。
シート状の試験基材をダンベル形状に裁断する試験片の裁断装置は開発されている(特許文献1、2参照)。しかし、刃物の外周面、特に鋭利な刃先が表出しており、作業者が誤って触れるおそれがあり、安全性の問題があった。
そこで本発明者は以上の欠点を解消することを目的として、筒状刃物の刃先と外周面を覆う位置に外側プレートを配置した裁断装置を開発した(特許文献3参照)。この裁断装置の外側プレートは刃先が作業者の指に触れることを防止して、裁断作業や取扱いの安全性を向上している。種々の用途に使用される様々な試験基材を適切に裁断するために、厚みと強度のある外側プレートで試験基材を押圧し、筒状刃物で試験基材を裁断する必要がある。そして試験基材から複数の試験片を無駄なく裁断する必要があり、しかも試験片の破損、欠けなど試験誤差の原因を回避しなければならない。しかし、筒状刃物の外周面に近接する外側プレートの厚みにより裁断の際に刃先を認識して裁断位置を確認することが難しく、試験片の破損、欠けなどを回避しつつ無駄なく所定の位置で裁断することが難しいという問題がある。
特開2000-210899号公報 特開平05-057689号公報 特開2022-066073号公報
本発明はさらに以上の欠点を解消することを目的に開発されたもので、本発明の目的の一つは、安全性を確保しながら、裁断時に刃先を確認できる刃物機構及びこの刃物機構を備える裁断装置を提供することにある。
本発明のある態様に係る刃物機構は、受け台にセットされた試験基材をプレス機構で裁断する刃物機構であって、刃物機構が、プレス機構に固定されるベースプレートと、ベースプレートに連結され、かつ試験基材を試験片に裁断する筒状刃物と、筒状刃物の外側に位置し、ベースプレートの刃物固定側の表面に平行姿勢で往復運動自在に配置される外側プレートと、を備え、外側プレートが、筒状刃物を内側に配置してなる枠形状であって、その内形を筒状刃物の外周面に沿う形状としており、外側プレートの内周面と筒状刃物の外周面との間には、外側プレートが筒状刃物に対して往復運動できる刃物隙間を設け、外側プレートの内周面が筒状刃物の外周面に対向する対向面を有し、対向面は刃物隙間が裁断時に刃先を認識可能とする上広がりとなる傾斜面を有する。
本発明のある態様に係る裁断装置は、刃物機構と、試験片に裁断される試験基材を載せて裁断する裁断面を有する受け台と、刃物機構を裁断面に載せた試験基材に押圧するプレス機構とを備える。
以上の刃物機構及びこの刃物機構を備える裁断装置は、安全性を確保しながら、裁断時に刃先を確認できる特長がある。
本発明の一実施形態に係る刃物機構の概略斜視図である。 図1に示す刃物機構の分解斜視図である。 刃物機構の概略斜視図である。 図1の刃物機構で裁断される試験片の一例を示す概略斜視図である。 試験片の他の例を示す概略図である。 試験片の他の例を示す概略図である。 図1の刃物機構で短い刃側の刃物隙間を示す概略斜視図である。 図1の刃物機構で短い刃側の刃物隙間を示す概略斜視図である。 図1に示す刃物機構の底面図である。 図1に示す刃物機構の部分的垂直縦断面図であって、図9のX-X線端面に相当する図である。 図10の要部拡大断面図である。 図1に示す刃物機構の部分的垂直横端面図であって、図9のXII-XII線端面に相当する図である。 図1に示す刃物機構の部分的垂直横端面図であって、図9のXIII-XIII線端面に相当する図である。 外側プレートの概略斜視図、筒状刃物と内側プレートの概略水平断面斜視図である。 他の実施例に係る外側プレートの概略斜視図である。 他の実施例に係る外側プレートの概略斜視図である。 他の実施例に係る外側プレートの概略斜視図である。 比較例の筒状刃物が試験基材を裁断する状態を示す要部拡大断面図である。 本発明の他の実施形態に係る裁断装置の概略構成図である。 本発明の一実施例の刃物機構の参考写真である。 図20の要部拡大写真である。 比較例の刃物機構の参考写真である。 図22の要部拡大写真である。
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。図は構造を分かり易くするために、例えば筒状刃物の刃先部分を多少誇張して表示する。なお、本明細書において、上下方向は図面において特定されるものとする。
本開示の形態は、以下の構成や特徴によって特定されてもよい。
本開示の一態様に係る刃物機構は、試験基材をプレス機構で裁断する刃物機構であって、刃物機構が、プレス機構に固定されるベースプレートと、ベースプレートに連結され、かつ試験基材を試験片に裁断する筒状刃物と、筒状刃物の外側に位置し、ベースプレートの刃物固定側の表面に平行姿勢で往復運動自在に配置される外側プレートと、を備え、外側プレートが、筒状刃物を内側に配置してなる枠形状であって、その内形を筒状刃物の外周面に沿う形状としており、外側プレートの内周面と筒状刃物の外周面との間には、外側プレートが筒状刃物に対して往復運動できる刃物隙間を設け、外側プレートの内周面が筒状刃物の外周面に対向する対向面を有し、対向面に刃物隙間が裁断時に刃先を認識可能とする上広がりとなる傾斜面を有する。
以上の刃物機構は、安全性を確保しながら、裁断時に刃先を確認できる特長がある。外側プレートが、筒状刃物を内側に配置してなる枠形状であって、その内形を筒状刃物の外周面に沿う形状としており、筒状刃物の刃先を覆う位置に外側プレートを配置することで刃物機構の裁断、取扱いの安全性を向上できる。また、外側プレートの内周面が筒状刃物の外周面に対向する対向面を有し、対向面は刃物隙間が上広がりとなる傾斜面を有して筒状刃物の外周面に対向することで、刃物機構の安全性を向上しながら、裁断時に刃先を直接目視可能、認識可能として裁断位置を確実に確認でき、所定の位置で無駄なく試験基材を裁断できるからである。しかも極めて簡単な構成、構造でこれらの効果を実現できる。
本開示の他の態様に係る刃物機構は、外側プレートの下面側の刃物隙間(S1)を上面側の刃物隙間(S2)より狭くできる。以上の刃物機構は、安全性を確保しながら、裁断時に刃先を確認できる特長がある。外側プレートの下面側の刃物隙間(S1)を相対的に狭くすることで、指先などが刃先に触れることを防止して安全性を向上でき、また外側プレートの上面側の刃物隙間(S2)を相対的に広くすることで、上方から刃先位置を認識し易く、裁断位置を確認し易くできるからである。
本開示の他の態様に係る刃物機構は、対向面の全部または一部は、刃物隙間が上広がりとなる傾斜面を有することができる。以上の刃物機構は、試験片、刃物機構の形状、構造、構成などに応じて安全性を確保しながら、傾斜面を設けた対向面側から裁断時に刃先を認識し易くできる。例えば、短刃対向面または/及び長刃対向面が刃物隙間が上広がりの傾斜面を有することで、短刃対向面または長刃対向面の傾斜面側から裁断時に刃先を認識し易くできる。
本開示の他の態様に係る刃物機構は、傾斜面を同一または異なる傾斜角(θ)にできる。以上の刃物機構は、試験片、刃物機構の形状、構造、構成などに応じて安全性を確保しながら、裁断時に刃先を認識し易くできる。例えば短刃対向面を相対的に緩やかな傾斜面として刃先の確認可能な視野を広くでき、またそれ以外を相対的に急な傾斜面とし、外側プレートの下面側の刃物隙間を狭くして、安全性と裁断精度を向上できる。
本開示の他の態様に係る刃物機構は、外側プレートの上面側の刃物隙間(S2)または下面側の刃物隙間(S1)を同一または異なる間隔にできる。以上の刃物機構は、例えば相対的に外側プレートの上面側の刃物隙間(S2)を大きくする領域を設けて刃先の確認可能な視野を広くでき、また相対的に外側プレートの下面側の刃物隙間を狭くする領域を設けて安全性と裁断精度を向上できる。
本開示の他の態様に係る刃物機構は、傾斜面の外側プレートの下面(押圧面)に対する傾斜角(θ)を20度~80度にできる。以上の刃物機構は、筒状刃物の外周面に応じた傾斜角として指先が刃先に触れることを防止して安全性の向上でき、また刃先を確認し易くできる。
本開示の他の態様に係る刃物機構は、外側プレートの下面側の刃物隙間(S1)を0.1mm以上2cm以下にできる。以上の刃物機構は、作業者の指先が刃先に触れることを防止して安全性を向上しながら、外側プレートの上面側の刃物隙間(S2)を広くして刃先を確認し易くできる。
本開示の他の態様に係る刃物機構は、少なくともベースプレートの外形の一部を外側プレートの外形よりも小さくできる。以上の刃物機構は、例えばベースプレートの一辺の長さ(d)を外側プレートの対応する辺の長さ(D)よりも短くして、安全性の向上とともに、刃先を認識可能な視野を広くして、裁断位置の確認し易くできる特長がある。
本開示の他の態様に係る刃物機構は、外側プレートを透明にできる。以上の刃物機構は、筒状刃物や刃先の位置、試験基材の位置や表面状態を確認し易くして、安全性を向上しながら、裁断時に刃先を確認できる特長がある。
本開示の他の態様に係る刃物機構は、外側プレートをプラスチック製にできる。以上の刃物機構は、軽量、安価で、加工し易く、取り扱い易く安全性を向上しながら、裁断時に刃先を確認し易くできる特長がある。
本開示の他の態様に係る刃物機構は、さらに外側プレートをベースプレートの表面から離れる方向に弾性的に押し出す弾性体を備え、外側プレートは、試験基材との対向面に平面状の押圧面を有し、非裁断時において押圧面を弾性体に押し出された状態で、筒状刃物の刃先から突出する位置(突出位置)に配置できる。以上の刃物機構は、弾性体を介して押圧面が突出位置に配置されることで、刃先が外側プレートに隠れ安全性を向上しながら、裁断時に刃先を確認できる特長がある。
本開示の他の態様に係る刃物機構は、筒状刃物が試験基材をダンベル形状、方形、円形、多角形のいずれか形状の試験片に裁断することができる。以上の刃物機構は、試験片の形状に応じた安全性を確保しながら、裁断時に刃先を確認できる特長がある。
本開示の他の態様に係る刃物機構は、筒状刃物が、試験片の長辺側の両側縁を裁断する一対の長い刃と、長い刃の両端部に連結されて試験片の短辺側の両端縁を裁断する一対の短い刃を有し、外側プレートが、短い刃の外周面に対向する短刃対向面と、長い刃の外周面に対向する長刃対向面とを有し、短刃対向面は刃物隙間が上広がりの傾斜面を有することができる。本開示の他の態様に係る刃物機構は、長刃対向面は刃物隙間が上広がりの傾斜面を有することができる。本開示の他の態様に係る刃物機構は、短刃対向面の傾斜面の外側プレートの下面(押圧面)に対する傾斜角(θ)を、長刃対向面の傾斜面の傾斜角(θ)よりも小さくできる。本開示の他の態様に係る刃物機構は、短刃対向面の上側または下側の刃物隙間(S2またはS1)を対応する長刃対向面の上側または下側の刃物隙間よりも大きくできる。
本開示の他の態様に係る試験片の裁断装置は、刃物機構と、試験基材をセットする受け台と、刃物機構を試験基材がセットされた受け台に押し付けるプレス機構とを備えることができる。以上の裁断装置は、安全性を確保しながら、裁断時に刃先を確認できる特長がある。
(実施形態1)
図1~図17、図20、図21は、実施形態1に係る刃物機構100を示している。図1は上方からの概略斜視図、図2は分解斜視図、図3は下方からの概略斜視図、図4は試験片の概略斜視図、図5と図6は試験片の他の例の概略図、図7と図8は刃物隙間から刃先を認識する様子を示す概略斜視図、図9は底面図、図10~図13は部分的垂直断面図、図14は外側プレートの概略斜視図、図15~図17は、他の実施例に係る外側プレートの概略斜視図、図20、図21は一実施例の参考写真、要部拡大写真をそれぞれ示している。
図1の刃物機構100は、ベースプレート3と、ベースプレート3に連結され、かつ試験基材6を試験片7に裁断する筒状刃物1と、筒状刃物1の外側に位置し、ベースプレート3の刃物固定側の表面に平行姿勢で往復運動自在に配置される外側プレート2と、筒状刃物1の内側に位置し、ベースプレート3の刃物固定側の表面に平行姿勢で往復運動自在に配置されてなる内側プレート4とを備えている。
(試験基材6)
試験基材6は種々の用途に使用される。本開示の刃物機構100で裁断する試験基材6の材質、厚さ、形状などを特定するものではなく、引張試験などに使用される全ての試験基材を使用することができる。試験基材6は、例えばプラスチック、ゴム状弾性体、金属板、さらに異種材料が含有または積層された含有体、積層体などであり、厚さは1mm以下の薄膜、1~3mmのシート状、3mmないし5cmの板材である。試験基材6を可撓性のある材質に特定するものではなく、例えばセラミック等のようにほとんど可撓性のない無機材質の試験基材6も含まれ、刃物機構100は破損を防止して裁断できる。
(試験片7)
試験基材6は試験領域7Xを有する所定の寸法の試験片7に裁断され、規格に基づいて引張試験や衝撃試験、破裂試験等の各種試験が行われる。本開示は試験片7の形状、寸法などを特定するものではないが、例えば試験片7をダンベル形状にできる(図4)。この試験片7は、中央部の一定の横幅(W)の試験領域7Xの両端に、試験機等に連結するためのチャッキング領域7Yを有する。この試験片7は、試験領域7Xの横幅(W)を高い寸法精度で裁断する必要がある。試験領域7Xの横幅(W)の寸法誤差が、試験基材6の引張強度などの測定誤差の原因となるからである。この試験片7は、試験領域7Xの横幅(W)を狭くしながらチャッキング領域7Yで試験機に確実に連結できる。ただし、試験片7はダンベル形状以外の形状、例えば、長方形、正方形(図5)、多角形、円形(図6)、楕円形、星形、十字形、対称形または非対称形、不整形などにできる。試験片7は、例えば全体を一定の横幅の方形(長方形、正方形)として両端をチャッキング領域7Yにでき、またチャッキング領域7Yの間または内側を試験領域7Xにできる。
(筒状刃物1)
筒状刃物1は、下端縁の刃先10で試験基材6を試験片7に打ち抜き裁断する。筒状刃物1は、刃先10の形状を、裁断する試験片7の外形として、種々の形状の試験片7を裁断する。本開示は、筒状刃物1の形状、厚みなどを特定するものでないが、例えば図1~図3などの筒状刃物1はダンベル形状の試験片7を裁断できる。この筒状刃物1は、試験片7の長辺側の両側縁を裁断する一対の長い刃11と、長い刃11の両端部に連結されて試験片7の短辺側の両端縁を裁断する一対の短い刃12とを有している。一対の長い刃11は、試験領域7Xの両側を裁断する試験領域裁断刃11Xと、チャッキング領域7Yの両側を裁断するチャッキング領域裁断刃11Yとを有している。筒状刃物1は、中空の筒状であり内側中空部17を有している。
筒状刃物1は、例えば厚さを2mmないし10mmとする金属板を曲げ加工し、溶接して筒状とし、あるいは金属ブロックを放電加工などの方法で筒状に切断して製作できる。筒状刃物1は、焼き入れできる鋼材で製作されるが、好ましくは、加工性に優れた炭素鋼が適している。炭素鋼は、要求される硬さと脆さとを考慮して炭素の含有量を最適値に調整する。炭素鋼は、炭素の含有量を多くして硬くできる。ただ、炭素の含有量が多くなると脆くなるので、炭素の含有量を、例えば0.4%以上であって1.4%以下、好ましくは0.45%以上であって0.7%以下とする炭素鋼を使用する。
筒状刃物1は、裁断された試験片7をスムーズに内部に挿入できるように、外周面13に外側刃面15を設けた片刃としている。刃先10は、外周面13の下端部を砥石やヤスリで研削して外側刃面15を設ける。片刃の筒状刃物1は、筒状の内周面14をほぼ垂直面としながら、寸法精度を向上するために内周面14の下端部に沿って研削し研磨して修正刃面を設けることができ、外側刃面15と修正刃面との先端縁を刃先10として、内周面14よりも外周面13の方向に刃先10を偏在させることができる。
(外側プレート2)
外側プレート2は、筒状刃物1の外側に配置されて、押圧面21が試験基材6を押圧するアウタープッシャーである。本開示は、外側プレート2の形状、厚み、材質などを特定するものでないが、例えば図2などに示す外側プレート2は、筒状刃物1を内側に配置する枠形状であって、その内形を筒状刃物1の外周面13に沿う形状、具体的には、試験片7を裁断する筒状刃物1の外形よりも大きい内形としている。外側プレート2の内周面23と筒状刃物1の外周面13との間には、外側プレート2を筒状刃物1に対して往復運動させるための刃物隙間25を設けている。
図1などの外側プレート2は、下面を押圧面21としており、筒状刃物1の外側にあって、筒状刃物1に対して相対的に上下方向に往復運動する。外側プレート2は、裁断される試験基材6の表面を平面状の押圧面21で押圧する。外側プレート2は、筒状刃物1の刃先10が試験基材6の表面に接触しない位置において、弾性体51に押し出されて、押圧面21が刃先10に先行して試験基材6の表面を先押し、位置ずれしないように試験基材6を押し付け保持する。さらに押圧面21で試験基材6を実質的に平面状に保持し、刃先10による試験基材6の膨らみ、撓み、外側方向への変形を抑制した状態として裁断でき、裁断寸法精度を向上できる。
図9の枠形状の外側プレート2は、一対の縦枠20mと一対の横枠20nとを直角に連結している。両側の縦枠20mは、筒状刃物1の試験領域裁断刃11Xと対向する領域の横幅をチャッキング領域裁断刃11Yに対向する領域よりも広くしており、この部分の内周面23を試験領域裁断刃11Xの外周面13に接近させている。両端の横枠20nは横幅を等しくしている。枠形状の外側プレート2は、例えば平板を加工して筒状刃物1が通過できる開口を設けることができ、水平位置及び姿勢の調整することなく押圧面21を容易に同一平面にでき、筒状刃物1の外周面13に沿って広い押圧面積で安定的に試験基材6をプレスできる。図の外側プレート2は、外形を長方形とすると共に、四隅の角を削って湾曲部28を設けることで、安全性を向上している。ただし外側プレート2の外形を、例えば正方形、円形、楕円形、その他不整形などにできる。
外側プレート2の内周面23は、筒状刃物1の外周面13に対向する対向面23aを有し、対向面23aは、刃物隙間25が上広がりとなる傾斜面24を有する。この傾斜面24は、相対的に外側プレート2の上面側の刃物隙間25(S2)を広くして、裁断する際に上ないし上斜め方向から筒状刃物1の刃先10を認識可能な領域を広くでき、少なくとも刃先10の一部、好ましくは刃先10の両端や刃先線を認識可能として、裁断位置を確認し易くできる(図7、8、20、21)。また傾斜面24は、相対的に外側プレート2の下面側の刃物隙間25(S1)を狭くして、作業者の指先が入り込む、不意に刃先10に触れることを防止して使用、取扱いの安全性を向上できる。また傾斜面24は、傾斜面を有しない場合(図18)よりも、外側プレート2の下面側の刃物隙間25(S1)を狭くでき、押圧面21が筒状刃物1に近接して試験基材6を押圧して、裁断寸法精度を向上できる。さらに傾斜面24は刃先10の位置や姿勢を案内するガイド、刃先10の突出具合を規定するストッパにすることもできる。
図18、図22、図23は、対向面923が傾斜面を有しない比較例の刃物機構900を示す。図の刃物機構900は、外側プレート902の上面側の刃物隙間925が下面側よりも狭く、外側プレート902の厚みが相まって、裁断する際に刃先、裁断位置の確認が困難となる。確かに、外側プレート902の上面側の刃物隙間925を広くすることで裁断位置の確認を可能にできるが、これにより外側プレート902の下面側の刃物隙間925はさらに広くなり、指先が刃物隙間925に入り込む、意図せず刃先に触れることを防止できず、安全性の低下を招く。また外側プレート902が筒状刃物901に近接して試験基材906を押圧することもできず、裁断の寸法精度の低下を招くという問題を生じる。この問題を回避するために、外側プレート902の下面側の刃物隙間925を狭くし過ぎると、外側プレート902が筒状刃物901に接触しスムーズな往復運動が困難となる問題が生じる。
傾斜面24の傾斜角(θ)は、外側プレート2が筒状刃物1に対してスムーズに往復運動でき、かつ裁断する際に裁断位置の確認を可能とするために、外側プレート2の下面(押圧面21)に対して20度~80度が好ましく、30度~70度がより好ましい。傾斜面24の傾斜角(θ)が大き過ぎると、刃先10位置の確認可能な領域が狭くなり、または刃先10位置の確認が困難、もしくは外側プレート2が筒状刃物1に接触しスムーズな往復運動が困難となる。傾斜面24の傾斜角(θ)を小さ過ぎると、傾斜面24の下側先端の強度不足または押圧力不足が生じ得るからである。
図14の対向面23aは、短い刃12の外周面13に対向する一対の短刃対向面23B、短刃対向面23Bに連結されて長い刃11の外周面13に対向する一対の長刃対向面23Aを有している。図14の外側プレート2は、一対の短刃対向面23Bと一対の長刃対向面23Aの両方に刃物隙間25が上広がりとなる傾斜面24を有している。この外側プレート2は短刃対向面23Bまたは長刃対向面23Aのいずれの側からも刃物隙間25を覗いて筒状刃物1の刃先10を認識でき、特に図7と図8に示すように、短刃対向面23Bの刃物隙間25から短い刃12の刃先10の両端(角部)を認識し易くできる。
(外側プレート2の他の実施例)
外側プレート2の対向面23aの全部または一部に、刃物隙間25が上広がりの傾斜面24を有することができる。例えば図15の外側プレート2は、対向する一対の短刃対向面23Bの両面が傾斜面24を設けている。この傾斜面24は、刃物隙間25から短い刃12の刃先10、裁断位置を確認できる。図15は、対向する一対の短刃対向面23Bの両方に傾斜面24を設けているが、一方の短刃対向面23Bに傾斜面24を設けることもできる。図16の外側プレート2は、長刃対向面23Aが傾斜面24を設けている。この傾斜面24は、刃物隙間25から少なくとも長い刃11の刃先10の一部、裁断位置を確認できる。図16は、一方の長刃対向面23Aが傾斜面を設けているが、対向する一対の長刃対向面23Aの両面が傾斜面24を設けることもできる。図17の外側プレート2は、短刃対向面23Bと長刃対向面23Aが傾斜面24を設けている。この傾斜面24は、傾斜面24を設けた短刃対向面23Bまたは長刃対向面23Aの刃物隙間25から少なくとも短い刃12の刃先10または長い刃11の刃先10の一部、裁断位置を確認できる。図17は、一方の短刃対向面23Bと一方の長刃対向面23Aが傾斜面24を設けているが、対向する一対の短刃対向面23Bまたは一対の長刃対向面23Aの両面が傾斜面24を設けることもできる。さらに対向面23aの一部、一定の範囲、角度、領域、一辺(一面)または曲線(曲面)の一部に傾斜面24を設けることができ、例えば、刃先10の両端、角部を覆う領域、中心角45度の弧状、長刃対向面23Aの一部、長い刃11の両端付近などに傾斜面24を設けることもできる。
本開示は傾斜面24を特定しない。傾斜面24は同一または異なる傾斜角(θ)にできる。例えば図10及び図12の外側プレート2は、短刃対向面23Bの傾斜面23aの傾斜角(θ1)を長刃対向面23Aの傾斜面23aの傾斜角(θ2)よりも小さくしている。この外側プレート2は、短刃対向面23Bの上斜め方向からの刃先10、裁断位置の確認をより容易にできる。傾斜面24は凹凸を有する表面で足り、梨地の切断面などの非鏡面にできる。非鏡面は鏡面研磨、加工などの仕上げを要することなく製造コストを減少できる。図10などは傾斜面24を平面とするが、傾斜面24は曲面にでき、また平面と曲面を組み合わせることができる。また傾斜面24は突起、段差、凹凸形状、丸みなどを設けることもできる。例えば外側プレート2は、対向面23a、傾斜面24などに刃先10、裁断位置を認識確認し易くする線、色、凹凸形状、段差などの目印を設けることもできる。また対向面23aの下方先端に丸みを持たせ、強度を向上できる。
外側プレート2の内周面23と筒状刃物1の外周面13との間には、刃物隙間25を設けている。刃物隙間25は、外側プレート2を筒状刃物1に対して往復運動させ、かつ刃物隙間25を通して刃先10、裁断位置を確認でき、さらに刃先10に指先など触れることを防止できる適切な間隔とする。例えば、外側プレート2の下面側の刃物隙間(S1)は0.1mm以上2cm以下が好ましく、0.5mm以上1.5cm以下がより好ましい。
刃物隙間25は試験片7、刃物機構100、筒状刃物1の形状、構造、構成などに応じて同一または異なる間隔にできる。例えば、図11は外側プレート2の下面側の刃物隙間(S1)を、上面側の刃物隙間(S2)より狭くしている。相対的に、外側プレート2の下面側の刃物隙間(S1)を狭くすることで、刃先10に指先などの接触を防止して安全に使用、取扱いでき、また外側プレート2が刃先10に近接して試験基材6をプレスして試験基材6の位置ずれ防止し、また変形を抑制する状態で裁断して裁断精度を向上できる。また外側プレート2の上面側の刃物隙間(S2)を広くすることで、ベースプレート3の上斜め方向から刃先10の認識可能領域を広くして、刃先10を認識し易く、裁断位置を確認できる。また図10及び図12に示すように、試験領域裁断刃11Xとの間の刃物隙間25(S1)を、それ以外の刃物隙間25よりも狭くできる。試験領域裁断刃11Xとの間の刃物隙間25を狭くして、安全性を向上しつつ、試験基材6の位置ずれを有効に阻止し、変形を抑制して、試験領域7Xの横幅を高い寸法精度で裁断できるので、試験領域裁断刃11Xとの間の刃物隙間25は、例えば1cm以下とし、5mm以下が好ましい。外側プレート2は、試験領域裁断刃11X以外の、例えば短刃対向面23Bに傾斜面24を設けて、裁断位置の確認の容易性と試験領域7Xの裁断寸法精度の両立を実現できる。
外側プレート2は、刃物機構100の非裁断状態において、弾性体51に押し出された状態で、押圧面21を筒状刃物1の刃先10から突出した突出位置に配置するので、筒状刃物1の刃先10を外側プレート2で被覆して刃先10を保護できると共に、指先などの刃先10への接触を防止して安全に使用、取扱いできる。刃先10が外側プレート2の下面から突出しない位置に配置されることに加えて、狭い刃物隙間25が刃物機構100の安全性をより向上できる。外側プレート2が刃先10から突出する突出部26の突出長さ(H)は例えば1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましい。押圧面21に指先を強く押し当てた場合でも刃先10に触れることを防止でき、刃物機構100の安全性をより確実にできる。
外側プレート2は、例えば、プラスチック板や金属板が使用できる。プラスチック製の外側プレート2は、たとえば、エンジニアリングプラスチックを所定の厚さに成形した板材が使用できる。このようなプラスチック板として、高強度で汎用性が高いナイロン、例えばMCナイロンが使用できる。ただ、ナイロン以外のプラスチックも使用できる。プラスチック製の外側プレート2は厚くしながら軽量にでき、筒状刃物1の刃先10から突出位置に配置されることで刃先、指先を保護して安全に使用できる。プラスチック製の外側プレート2は、適切な厚み、強度として安全性を向上でき、例えばその厚みを5mm~3cm、好ましくは6mm~2cmにできる。また、プラスチック製の外側プレートを透明にできる。透明の外側プレートは、光を透過して裁断位置を確認し易く、試験基材6の表面状態を確認できる。
(ベースプレート3)
ベースプレート3は、筒状刃物1及び外側プレート2が連結される。本開示は、ベースプレート3の形状、厚み、材質、構成、構造、連結態様などを特定するものでないが、例えば図1、図2などのベースプレート3は、平面状の金属板で、上面に脱着自在にプレス機構70に連結される連結部32を固定して、下面に筒状刃物1と外側プレート2とを連結している。図1のベースプレート3は、外側プレート2と同様に外形を長方形状として、四隅の角を削って湾曲部38を設けることで、安全性を向上している。
ベースプレート3の外形を外側プレート2より小さくできる。例えば図10に示すように、ベースプレート3の一辺の長さ(d)を外側プレート2の対向する辺の長さ(D)よりも短くでき、試験基材6を裁断する際に、上斜め方向から刃物隙間25を覗く際に、ベースプレート3で遮られる範囲を少なくして、刃先10を認識できる領域を広くでき、刃先10の認識、裁断位置の確認を容易化できる。ベースプレート3は、長方形以外の形状、例えば正方形、楕円形、円形など整形のほか不整形にでき、刃物隙間25から裁断位置を確認し易い形状にでき、また刃先10の認識可能範囲を広げるために切欠き、開口などを設けることができる。
(弾性体51、連結ロッド52)
図1~図3などの刃物機構100は、外側プレート2を弾性的に押し出している弾性体51と、外側プレート2を平行姿勢で往復移動自在にベースプレート3に連結している連結ロッド52を備えている。弾性体51及び連結ロッド52の形状、構成、構造、配置位置などはいずれも特定されないが、例えば弾性体51は、コイルスプリング51aの押しバネで、圧縮された状態で外側プレート2とベースプレート3との間に配設されて、外側プレート2を弾性的に押し出している。弾性体51はバネ定数を大きくして、外側プレート2の押圧面21が試験基材6をプレスする圧力を強くできる。例えば、外側プレート2が試験基材6を加圧して裁断する状態で、試験基材6の表面を平面状に押圧する圧力は、弾性体51のバネ定数と、ストッパ54が弾性体51を圧縮する位置を調整して最適値に設定できる。外側プレート2は、弾性体51を介してベースプレート3に連結しているので、筒状刃物1の刃先10が試験基材6を裁断する際には、弾性体51を介して所定の押圧力で試験基材6をプレスして、試験基材6の変形を抑制する状態で裁断できる。
連結ロッド52は、弾性体51で押圧している外側プレート2の押圧面21を、筒状刃物1の刃先10から突出する突出位置に停止する。連結ロッド52は、外側プレート2に下端を固定して、上端部をベースプレート3の貫通穴53に往復運動自在に挿入している。連結ロッド52は上端にストッパ54を有し、このストッパ54がベースプレート3の上面に接触して、刃先10から外側プレート2が突出する突出位置、突出長さを特定する。外側プレート2の突出位置は、例えば刃先10から約1mm以上であって1cm以下、好ましくは2mm以上であって8mm以下に設定する。
連結ロッド52は上端部に雄ネジ部52aを設けている。雄ネジ部52aにナット54aをねじ込んでナット54aをストッパ54としている。この構造は、ナット54aのねじ込み位置でストッパ54の位置を調整できる。ストッパ54は、複数のナット54aをダブルナットとして、衝撃で緩まない構造にできる。連結ロッド52は、雄ネジ部52aを外側プレート2の挿通孔53bに下から上に挿通すると共に、ベースプレート3の貫通穴53aを貫通して、ここにナット54aをねじ込んで外側プレート2をベースプレート3に連結できる。連結ロッド52は、ネジ頭52bが外側プレート2の下面から突出しないように、外側プレート2の下面に凹部55を設けて、凹部55にネジ頭52bを案内している。連結ロッド52は裁断位置の確認を阻害せず、外側プレート2の平行姿勢での往復運動を可及的に可能とする適切な位置、例えばベースプレート3の四隅付近に配置している。
(内側プレート4)
内側プレート4は、筒状刃物1の内側に配置されて、押圧面41が試験基材6を押圧するインナープッシャーである。本開示は、内側プレート4の形状、厚み、材質などを特定するものでないが、例えば図3、図10などの刃物機構100は、筒状刃物1の内側に位置し、ベースプレート3の刃物固定側の表面に平行姿勢で往復運動自在に配置されてなる内側プレート4を有している。内側プレート4の外形は筒状刃物1の内周面14に沿う形状、具体的には筒状刃物1の内形よりも僅かに小さい外形としている。図3の内側プレート4は外形をダンベル形状とし、内側プレート4の外周面43と筒状刃物1の内周面14との間には、内側プレート4が筒状刃物1に対して往復運動できるように内側隙間45を設けている。
内側プレート4は、試験基材6との対向面には平面状の押圧面41を有する。刃物機構100で裁断しない際に、内側プレート4は、押圧面41を筒状刃物1の刃先10から突出する突出位置に配置している。内側プレート4の押圧面41が弾性体に押し出された状態で突出位置に配置できる。内側プレート4が突出位置に配置されることで、刃先10が内側プレート4の下面(押圧面41)から突出することがなく、取扱いの安全性を向上できる。内側プレート4が刃先10から突出する突出部46の突出長さ(h)は例えば1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましい。押圧面41を掴むなど意図せず指先を力強く押し当てた場合に、柔らかい指先の皮膚が内側隙間45、刃物隙間25にめり込んだとしても刃先10への接触を防止でき、安全性をより確実にできるからである。
図10、図11などの刃物機構100は、裁断しない際に外側プレート2の押圧面21と内側プレート4の押圧面41を共に筒状刃物1の刃先10から突出する突出位置に配置している。外側プレート2と内側プレート4が刃先10を両側から挟んで、各々の押圧面21、41が共に突出位置に配置されることで、刃先10が隠れ、作業者が意図せず刃先に触れることを防止でき、刃物機構100の取扱いの安全性を向上できる。刃物機構100は、非裁断時に外側プレート2の押圧面21と内側プレート4の押圧面41を同一平面上に配置して、均等に試験基材6を押圧でき、裁断精度を向上できる。
図11の内側プレート4は、内側隙間45の間隔(S3)が刃物隙間25の間隔(S1)よりも狭く、内側プレート4は外側プレート2よりも刃先10に近接して配置されている。筒状刃物1は外側刃面15の片刃であり、ほぼ垂直面の内周面14により近接して内側プレート4を配置して取扱いの安全性と裁断精度をより向上できる。また内側隙間45が狭いことで、内側プレート4の突出長さ(d)を短くしながら取扱いの安全性を向上できる効果もあり、刃物隙間25を相対的に広い間隔として、刃先10、裁断位置を確認し易さにも寄与している。
図7、図8に示すように、裁断の際に刃物隙間25を通して刃先10から突出する突出部46を視認、認識できる。突出部46を刃先10と異なる色にできる。裁断の際に、刃物隙間25を通して突出部46をより認識し易くして、刃先線や両端(角部)の位置、裁断位置を認識、確認し易くできる。図の突出部46は、下線(押圧面41)が刃先10に平行となるように配置され、刃先10、裁断位置を確認し易くしている。
(実施形態2)
図19の試験片7の裁断装置200は、試験基材6を載せて裁断する裁断面61を有する受け台60と、試験基材6を試験片7に裁断する刃物機構100と、刃物機構100を試験基材6にプレスするプレス機構70とを備えている。
(受け台60)
受け台60は、例えば金属製で、上面に設けている裁断面61を平滑な平面として水平姿勢に配置している。ただし、受け台60は、全体又は表面をプラスチックやゴム製とすることもできる。金属製の受け台60は、裁断面61に緩衝シート62を載せ、刃物機構100の刃先10の損傷を防止しながら試験片7に打ち抜きできる。緩衝シート62は、例えば厚さが1mm~5mmのプラスチック製のシートである。上面に緩衝シート62を積層している受け台60は、刃物機構100で試験基材6を打ち抜きする状態で、刃物機構100の刃先10を緩衝シート62に密着し、あるいは表面に挿入して、試験基材6から試験片7の全周を綺麗に裁断できる。ただし、受け台60は、必ずしも上面にプラスチック製の緩衝シート62を配置する必要はなく、刃先10で切断されるが刃物機構100の刃先10を損傷させないプラスチック以外の緩衝シート62、例えば真鍮や鉛などの受け台60よりも柔らかい金属などを積層し、あるいは緩衝シート62を積層することなく、受け台60の裁断面61に刃物機構100を接近ないし接触させて、試験基材6を打ち抜き加工して裁断することもできる。
(プレス機構70)
プレス機構70は、刃物機構100を押し下げて、受け台60の裁断面61に載せた試験基材6を試験片7に裁断する。プレス機構70は、刃物機構100を取付け固定する上下台71と、この上下台71を上下に往復運動させるシリンダ72とを備える。上下台71の下面に固定された刃物機構100が押し下げられて、受け台60上の試験基材6を試験片7に裁断する。図19のプレス機構70は、シリンダ72を垂直姿勢で配置して、伸縮ロッドの下端を上下台71の中央部に連結している。プレス機構70は、シリンダ72がロッドを伸縮する状態で、上下台41を水平姿勢に保持しながら上下に往復運動させる。
以上の裁断装置200は、以下の工程で試験基材6を試験片7に打ち抜き裁断する。
(1)刃物機構100をプレス機構70に取付ける。シリンダ72で上下台71を上昇位置に配置して、ベースプレート3の連結部32を上下台71の下面に固定する。
(2)受け台60に試験基材6をセットする。
(3)プレス機構70で刃物機構100を降下する。刃物隙間25から刃先10、裁断位置を確認しながら試験基材6の最終位置を調整する。さらにシリンダ72で上下台71を降下し、裁断線に沿って裁断線の外側を外側プレート2の押圧面21が、裁断線の内側を内側プレート4の押圧面41が試験基材6をプレスする。
(4)この状態で、さらに上下台71が降下すると、刃先10が垂直下方向に移動して試験基材6を裁断する。
(5)裁断後に、プレス機構70が刃物機構100を上昇して、裁断された試験片7を筒状刃物1から押し出して試験片7を回収する。
本発明は、ゴムやプラスチック等の試験基材を裁断して、引張試験や衝撃試験等に用いられるダンベル形状等の試験片を裁断する裁断装置及びこの裁断装置に使用する刃物機構として好適に使用できる。
100…刃物機構
200…裁断装置
1…筒状刃物
2…外側プレート
3…ベースプレート
4…内側プレート
6…試験基材
7…試験片
7X…試験領域
7Y…チャッキング領域
10…刃先
11…長い刃
11X…試験領域裁断刃
11Y…チャッキング領域裁断刃
12…短い刃
13…外周面
14…内周面
15…外側刃面
17…内側中空部
20m…縦枠
20n…横枠
21…押圧面
23…内周面
23a…対向面
23A…長刃対向面
23B…短刃対向面
24…傾斜面
25…刃物隙間
26…突出部
28…湾曲部
32…連結部
38…湾曲部
41…押圧面
43…外周面
45…内部隙間
46…突出部
51…弾性体
51a…コイルスプリング
52…連結ロッド
52a…雄ネジ部
52b…ネジ頭
53a…貫通穴
53b…挿通孔
54…ストッパ
54a…ナット
55…凹部
60…受け台
61…裁断面
62…緩衝シート
70…プレス機構
71…上下台
72…シリンダ
901…筒状刃物
902…外側プレート
906…試験基材
923…対向面
925…刃物隙間

Claims (14)

  1. 試験基材をプレス機構で裁断する刃物機構であって、
    前記刃物機構が、
    プレス機構に固定されるベースプレートと、
    前記ベースプレートに連結され、かつ試験基材を試験片に裁断する筒状刃物と、
    前記筒状刃物の外側に位置し、前記ベースプレートの刃物固定側の表面に平行姿勢で往復運動自在に配置される外側プレートと、
    を備え、
    前記外側プレートが、前記筒状刃物を内側に配置する枠形状であって、その内形を前記筒状刃物の外周面に沿う形状としており、
    前記外側プレートの内周面と前記筒状刃物の外周面との間には、前記外側プレートが前記筒状刃物に対して往復運動できる刃物隙間を設け、
    前記外側プレートの内周面が、前記筒状刃物の外周面に対向する対向面を有し、
    前記対向面は、前記刃物隙間が裁断時に刃先を認識可能とする上広がりとなる傾斜面を有する刃物機構。
  2. 請求項1に記載の刃物機構であって、
    前記外側プレートの下面側の前記刃物隙間(S1)が上面側の前記刃物隙間(S2)より狭い刃物機構。
  3. 請求項1に記載の刃物機構であって、
    前記対向面の全部または一部は、前記刃物隙間が上広がりとなる傾斜面を有する刃物機構。
  4. 請求項3に記載の刃物機構であって、
    前記傾斜面が同一または異なる傾斜角(θ)である刃物機構。
  5. 請求項3に記載の刃物機構であって、
    前記外側プレートの上面側の前記刃物隙間(S2)または下面側の前記刃物隙間(S1)が同一または異なる間隔である刃物機構。
  6. 請求項1に記載の刃物機構であって、
    前記傾斜面の傾斜角(θ)が20度~80度である刃物機構。
  7. 請求項1に記載の刃物機構であって、
    前記外側プレートの下面の前記刃物隙間(S1)が0.1mm以上2cm以下である刃物機構。
  8. 請求項1に記載の刃物機構であって、
    少なくとも前記ベースプレートの外形の一部が前記外側プレートの外形よりも小さい刃物機構。
  9. 請求項1に記載の刃物機構であって、
    前記筒状刃物の内側に位置し、前記ベースプレートの刃物固定側の表面に平行姿勢で往復運動自在に配置されてなる内側プレートを有する刃物機構。
  10. 請求項1に記載の刃物機構であって、
    前記外側プレートが透明である刃物機構。
  11. 請求項1に記載の刃物機構であって、
    前記外側プレートがプラスチック製である刃物機構。
  12. 請求項1に記載の刃物機構であって、さらに、
    前記外側プレートを前記ベースプレートの表面から離れる方向に弾性的に押し出す弾性体を備え、
    前記外側プレートは、試験基材との対向面に平面状の押圧面を有し、
    非裁断時において前記押圧面が前記弾性体に押し出された状態で、前記筒状刃物の刃先から突出する位置に配置される刃物機構。
  13. 請求項1ないし12のいずれか一項に記載の刃物機構であって、
    前記筒状刃物が試験基材をダンベル形状、方形、円形、多角形のいずれか形状の試験片に裁断する刃物機構。
  14. 請求項1に記載の刃物機構と、
    試験片に裁断される試験基材を載せて裁断する裁断面を有する受け台と、
    前記刃物機構を前記裁断面に載せた試験基材に押し付けるプレス機構とを備える試験片の裁断装置。
JP2023096505A 2023-06-12 2023-06-12 試験基材を試験片に裁断する刃物機構及び試験片の裁断装置 Active JP7410605B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023096505A JP7410605B1 (ja) 2023-06-12 2023-06-12 試験基材を試験片に裁断する刃物機構及び試験片の裁断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023096505A JP7410605B1 (ja) 2023-06-12 2023-06-12 試験基材を試験片に裁断する刃物機構及び試験片の裁断装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP7410605B1 true JP7410605B1 (ja) 2024-01-10

Family

ID=89451837

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023096505A Active JP7410605B1 (ja) 2023-06-12 2023-06-12 試験基材を試験片に裁断する刃物機構及び試験片の裁断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7410605B1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001138289A (ja) 1999-11-19 2001-05-22 Mitsubishi Materials Corp 打ち抜き装置
JP2022066073A (ja) 2020-10-16 2022-04-28 達 喜岡 シート材をダンベル形状に裁断する裁断装置と裁断方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001138289A (ja) 1999-11-19 2001-05-22 Mitsubishi Materials Corp 打ち抜き装置
JP2022066073A (ja) 2020-10-16 2022-04-28 達 喜岡 シート材をダンベル形状に裁断する裁断装置と裁断方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7410605B1 (ja) 試験基材を試験片に裁断する刃物機構及び試験片の裁断装置
TWI611890B (zh) 切模裝置
CN110364967A (zh) 切除用刀具
US8905691B2 (en) Arc surface milling assistant processing device
US20120247300A1 (en) Cutting apparatus
JP2022066073A (ja) シート材をダンベル形状に裁断する裁断装置と裁断方法
JP6912641B1 (ja) 金型装置
JP2019200973A (ja) 二次電池の製造方法
KR101438208B1 (ko) 봉재 절단용 치구
CN208529445U (zh) 一种用于切割陶瓷的装置
TW201600286A (zh) 沖切刀具
EP3053714A1 (en) Cutting device for metal foil
JP2003290858A (ja) ブレード保持金具の製造方法及びその製造装置
KR200284235Y1 (ko) 코너 절단용 펀치
JP4652945B2 (ja) 光ファイバ切断器の刃高調整治具、及びそれを用いた刃高調整方法
CN214603975U (zh) 一种治具
CN216542702U (zh) 玻璃抛光夹具及异型玻璃抛光装置
JP2001232425A (ja) ワークの打抜き加工方法及びその装置
CN214518909U (zh) 一种钣金件切割夹紧装置
JP2022137335A (ja) 面取りカッター
CN209738402U (zh) 压痕机的夹持机构及压痕机
CN211386536U (zh) 一种竖向工件的冲压折弯冲头
CN213533299U (zh) 治具及具有其的机床
CN212599318U (zh) 一种电容料带剪切机构及电容加工设备
CN220178357U (zh) 一种线切割加工多层薄板装夹装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230724

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20230724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7410605

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150