JP7410346B2 - スイッチ装置 - Google Patents

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本明細書中に開示されている発明は、スイッチ装置に関する。
本願出願人は、以前より、車載IPD[intelligent power device]などのスイッチ装置に関して、数多くの新技術を提案している(例えば特許文献1を参照)。
国際公開第2017/187785号
しかしながら、スイッチ装置における出力電流の検出精度については、さらなる検討の余地があった。
本明細書中に開示されている発明は、本願発明者らにより見出された上記課題に鑑み、出力電流を精度良く検出することのできるスイッチ装置を提供することを目的とする。
本明細書中に開示されているスイッチ装置は、第1ノードと第2ノードとの間に接続された第1スイッチと、第1端が前記第1ノードに接続されており前記第1スイッチと共通の駆動信号でオン/オフされる第2スイッチと、前記第2スイッチの第2端と前記第2ノードとをイマジナリショートすることで前記第1スイッチに流れる出力電流に応じたセンス電流を生成する出力電流検出部と、前記第1スイッチの両端間電圧を所定の下限値以上に制限する両端間電圧制限部と、を有する構成(第1の構成)とされている。
なお、上記第1の構成から成るスイッチ装置は、前記駆動信号を生成するドライバをさらに有する構成(第2の構成)にするとよい。
また、上記第2の構成から成るスイッチ装置において、前記両端間電圧制限部は、前記第2ノードの出力電圧と所定の閾値電圧との比較結果に応じて前記ドライバを制御する構成(第3の構成)にするとよい。
また、上記第3の構成から成るスイッチ装置において、前記ドライバの出力段は、前記駆動信号の印加端にソース電流を流し込むソース電流源と、前記駆動信号の印加端からシンク電流を引き込むシンク電流源を含み、前記両端間電圧制限部は、前記ソース電流及び前記シンク電流のオン/オフ制御と電流値制御を行う構成(第4の構成)にするとよい。
また、上記第4の構成から成るスイッチ装置において、前記ソース電流源は、第1ソース電流を生成する第1ソース電流源と、前記第1ソース電流よりも小さい第2ソース電流を生成する第2ソース電流源を含み、前記シンク電流源は、第1シンク電流を生成する第1シンク電流源と、前記第1シンク電流よりも小さく前記第2ソース電流よりも大きい第2シンク電流を生成する第2シンク電流源を含み、前記第1スイッチのオン期間には、前記出力電圧が第1閾値電圧よりも低いときに前記第1ソース電流源及び前記第2ソース電流源がオンして前記第1シンク電流源及び前記第2シンク電流源がオフし、前記出力電圧が前記第1閾値電圧よりも高く第2閾値電圧よりも低いときに前記第2ソース電流源がオンして前記第1ソース電流源並びに前記第2シンク電流源及び前記第2シンク電流源がオフし、前記出力電圧が前記第2閾値電圧よりも高いときに前記第2ソース電流源及び前記第2シンク電流源がオンして前記第1ソース電流源及び前記第1シンク電流源がオフする一方、前記第1スイッチのオフ期間には、前記第1シンク電流源がオンして前記第1ソース電流源及び前記第2ソース電流源並びに前記第2シンク電流源がオフする構成(第5の構成)にするとよい。
また、上記した第2~第5いずれかの構成から成るスイッチ装置において、前記両端間電圧制限部は、前記第2ノードの出力電圧と所定の閾値電圧との比較結果に応じて前記ドライバの駆動電圧を切り替える構成(第6の構成)にしてもよい。
また、上記した第1~第6いずれかの構成から成るスイッチ装置において、前記両端間電圧制限部は、前記第2ノードの出力電圧と所定の閾値電圧との比較結果に応じて前記第1スイッチとして用いられるトランジスタを選択する構成(第7の構成)にしてもよい。
また、本明細書中に開示されている電子機器は、上記第1~第7いずれかの構成から成るスイッチ装置と、前記スイッチ装置に接続される負荷と、を有する構成(第8の構成)とされている。
なお、上記第8の構成から成る電子機器において、前記負荷は、バルブランプ、リレーコイル、ソレノイド、発光ダイオード、または、モータである構成(第9の構成)にするとよい。
また、本明細書中に開示されている車両は、上記第8または第9の構成から成る電子機器を有する構成(第10の構成)とされている。
本明細書中に開示されている発明によれば、出力電流を精度良く検出することのできるスイッチ装置を提供することが可能となる。
半導体集積回路装置の全体構成を示すブロック図 信号出力部の一構成例を示すブロック図 ゲート制御部の一構成例を示すブロック図 出力電流検出部の一構成例を示すブロック図 Vds制限部の第1実施形態を示す図 Vds制限部の動作例を示す図 Vds制限部の第2実施形態を示す図 Vds制限部の第3実施形態を示す図 車両の一構成例を示す外観図
<半導体集積回路装置(全体構成)>
図1は、半導体集積回路装置の全体構成を示すブロック図である。本実施形態の半導体集積回路装置1は、ECU[electronic control unit]2からの指示に応じて電源電圧VBBの印加端と負荷3との間を導通/遮断する車載用ハイサイドスイッチIC(=車載IPDの一種)である。
なお、半導体集積回路装置1は、装置外部との電気的な接続を確立するための手段として、外部端子T1~T4を備えている。外部端子T1は、不図示のバッテリから電源電圧VBB(例えば12V)の供給を受け付けるための電源端子(VBBピン)である。外部端子T2は、負荷3(バルブランプ、リレーコイル、ソレノイド、発光ダイオード、または、モータなど)を外部接続するための負荷接続端子ないしは出力端子(OUTピン)である。外部端子T3は、ECU2から外部制御信号Siの外部入力を受け付けるための信号入力端子(INピン)である。外部端子T4は、ECU2に状態報知信号Soを外部出力するための信号出力端子(SENSEピン)である。なお、外部端子T4と接地端との間には、外部センス抵抗4が外付けされている。
また、半導体集積回路装置1は、NMOSFET10と、出力電流監視部20と、ゲート制御部30と、制御ロジック部40と、信号入力部50と、内部電源部60と、異常保護部70と、出力電流検出部80と、信号出力部90と、を集積化して成る。
NMOSFET10は、ドレインが外部端子T1に接続されてソースが外部端子T2に接続された高耐圧(例えば42V耐圧)のパワートランジスタである。このように接続されたNMOSFET10は、電源電圧VBBの印加端から負荷3を介して接地端に至る電流経路を導通/遮断するためのスイッチ素子(ハイサイドスイッチ)として機能する。NMOSFET10は、ゲート駆動信号G1がハイレベルであるときにオンし、ゲート駆動信号G1がローレベルであるときにオフする。
なお、NMOSFET10は、フルオン時におけるオン抵抗値が数十mΩとなるように設計すればよい。ただし、NMOSFET10のオン抵抗値が低いほど、外部端子T2の地絡時(=接地端ないしはこれに準ずる低電位端への出力ショート時)に過電流が流れやすくなり、異常発熱を生じやすくなる。従って、NMOSFET10のオン抵抗値を下げるほど、後述する過電流保護回路71や温度保護回路73の重要性が高くなる。
出力電流監視部20は、NMOSFET21及び21’とセンス抵抗22を含み、NMOSFET10に流れる出力電流Ioに応じたセンス電圧Vs(=センス信号に相当)を生成する。
NMOSFET21及び21’は、いずれもNMOSFET10に対して並列接続されたミラートランジスタであり、出力電流Ioに応じたセンス電流Is及びIs’を生成する。NMOSFET10とNMOSFET21及び21’とのサイズ比は、m:1(ただしm>1)である。従って、センス電流Is及びIs’は、出力電流Ioを1/mに減じた大きさとなる。なお、NMOSFET21及び21’は、NMOSFET10と同様、ゲート駆動信号G1がハイレベルであるときにオンし、ゲート電圧G2がローレベルであるときにオフする。
センス抵抗22(抵抗値:Rs)は、NMOSFET21のソースと外部端子T2との間に接続されており、センス電流Isに応じたセンス電圧Vs(=Is×Rs+Vo、ただし、Voは外部端子T2に現れる出力電圧)を生成する電流/電圧変換素子である。
ゲート制御部30は、ゲート制御信号S1の電流能力を高めたゲート駆動信号G1を生成してNMOSFET10及び21それぞれのゲートに出力することにより、NMOSFET10及び21のオン/オフ制御を行う。なお、ゲート制御部30は、過電流保護信号S71に応じて出力電流Ioを制限するようにNMOSFET10及び21を制御する機能を備えている。
制御ロジック部40は、内部電源電圧Vregの供給を受けてゲート制御信号S1を生成する。例えば、外部制御信号Siがハイレベル(=NMOSFET10をオンさせるときの論理レベル)であるときには、内部電源部60から内部電源電圧Vregが供給されるので、制御ロジック部40が動作状態となり、ゲート制御信号S1がハイレベル(=Vreg)となる。一方、外部制御信号Siがローレベル(=NMOSFET10をオフさせるときの論理レベル)であるときには、内部電源部60から内部電源電圧Vregが供給されないので、制御ロジック部40が非動作状態となり、ゲート制御信号S1がローレベル(=GND)となる。また、制御ロジック部40は、各種の異常保護信号(過電流保護信号S71、オープン保護信号S72、温度保護信号S73、及び、減電圧保護信号S74)を監視している。なお、制御ロジック部40は、上記した異常保護信号のうち、過電流保護信号S71、オープン保護信号S72、及び、温度保護信号S73の監視結果に応じて出力切替信号S2を生成する機能も備えている。
信号入力部50は、外部端子T3から外部制御信号Siの入力を受け付けて制御ロジック部40や内部電源部60に伝達するシュミットトリガである。なお、外部制御信号Siは、例えば、NMOSFET10をオンさせるときにハイレベルとなり、NMOSFET10をオフさせるときにローレベルとなる。
内部電源部60は、電源電圧VBBから所定の内部電源電圧Vregを生成して半導体集積回路装置1の各部に供給する。なお、内部電源部60の動作可否は、外部制御信号Siに応じて制御される。より具体的に述べると、内部電源部60は、外部制御信号Siがハイレベルであるときに動作状態となり、外部制御信号Siがローレベルであるときに非動作状態となる。
異常保護部70は、半導体集積回路装置1の各種異常を検出する回路ブロックであり、過電流保護回路71と、オープン保護回路72と、温度保護回路73と、減電圧保護回路74と、を含む。
過電流保護回路71は、センス電圧Vsの監視結果(=出力電流Ioの過電流異常が生じているか否か)に応じた過電流保護信号S71を生成する。なお、過電流保護信号S71は、例えば、異常未検出時にローレベルとなり、異常検出時にハイレベルとなる。
オープン保護回路72は、出力電圧Voの監視結果(=負荷3のオープン異常が生じているか否か)に応じたオープン保護信号S72を生成する。なお、オープン保護信号S72は、例えば、異常未検出時にローレベルとなり、異常検出時にハイレベルとなる。
温度保護回路73は、半導体集積回路装置1(特にNMOSFET10周辺)の異常発熱を検出する温度検出素子(不図示)を含み、その検出結果(=異常発熱が生じているか否か)に応じた温度保護信号S73を生成する。なお、温度保護信号S73は、例えば、異常未検出時にローレベルとなり、異常検出時にハイレベルとなる。
減電圧保護回路74は、電源電圧VBBないしは内部電源電圧Vregの監視結果(=減電圧異常が生じているか否か)に応じた減電圧保護信号S74を生成する。なお、減電圧保護信号S74は、例えば、異常未検出時にローレベルとなり、異常検出時にハイレベルとなる。
出力電流検出部80は、不図示のバイアス手段を用いてNMOSFET21’のソース電圧と出力電圧Voとを一致させることにより、出力電流Ioに応じたセンス電流Is’(=Io/m)を生成して信号出力部90に出力する。
信号出力部90は、出力選択信号S2に基づいてセンス電流Is’(=出力電流Ioの検出結果に相当)と固定電圧V90(=異常フラグに相当、本図では明示せず)の一方を外部端子T4に選択出力する。なお、センス電流Is’が選択出力された場合には、状態報知信号Soとして、センス電流Is’を外部センス抵抗4(抵抗値:R4)で電流/電圧変換した出力検出電圧V80(=Is’×R4)がECU2に伝達される。なお、出力検出電圧V80は、出力電流Ioが大きいほど高くなり、出力電流Ioが小さいほど低くなる。一方、固定電圧V90が選択出力された場合には、状態報知信号Soとして、固定電圧V90がECU2に伝達される。
<信号出力部>
図2は、信号出力部90の一構成例を示すブロック図である。本構成例の信号出力部90はセレクタ91を含む。セレクタ91は、出力選択信号S2が異常未検出時の論理レベル(例えばローレベル)であるときに、センス電流Is’を外部端子T4に選択出力し、出力選択信号S2が異常検出時の論理レベル(例えばハイレベル)であるときに、固定電圧V90を外部端子T4に選択出力する。なお、固定電圧V90は、先述した出力検出電圧V80の上限値よりも高い電圧値に設定されている。
このような信号出力部90によれば、単一の状態報知信号Soを用いて出力電流Ioの検出結果と異常フラグの双方をECU2に伝達することができるので、外部端子数の削減に貢献することが可能となる。なお、状態報知信号Soから出力電流Ioの電流値を読み取る場合には、状態報知信号SoをA/D[analog-to-digital]変換してやればよい。一方、状態報知信号Soから異常フラグを読み取る場合には、固定電圧V90よりもやや低い閾値を用いて状態報知信号Soの論理レベルを判定してやればよい。
<ゲート制御部>
図3は、ゲート制御部30の一構成例を示すブロック図である。本構成例のゲート制御部30は、ゲートドライバ31と、オシレータ32と、チャージポンプ33と、クランパ34と、NMOSFET35と、抵抗36(抵抗値:R36)と、キャパシタ37(容量値:C37)と、ツェナダイオード38と、を含む。
ゲートドライバ31は、チャージポンプ33の出力端(=昇圧電圧VGの印加端)と外部端子T2(=出力電圧Voの印加端)との間に接続されており、ゲート制御信号S1の電流能力を高めたゲート駆動信号G1を生成する。なお、ゲート駆動信号G1は、ゲート制御信号S1がハイレベルであるときにハイレベル(=VG)となり、ゲート制御信号S1がローレベルであるときにローレベル(=Vo)となる。
オシレータ32は、所定周波数のクロック信号CLKを生成してチャージポンプ33に出力する。なお、オシレータ32の動作可否は、制御ロジック部40からのイネーブル信号Saに応じて制御される。
チャージポンプ33は、クロック信号CLKを用いてフライングキャパシタを駆動することにより、電源電圧VBBよりも高い昇圧電圧VGを生成してゲートドライバ31に供給する昇圧部の一例である。なお、チャージポンプ33の動作可否は、制御ロジック部40からのイネーブル信号Sbに応じて制御される。
クランパ34は、外部端子T1(=電源電圧VBBの印加端)とNMOSFET10のゲートとの間に接続されている。外部端子T2に誘導性の負荷3が接続されるアプリケーションでは、NMOSFET10をオンからオフへ切り替える際、負荷3の逆起電力により、出力電圧Voが負電圧(<GND)となる。そのため、エネルギー吸収用にクランパ34(いわゆるアクティブクランプ回路)が設けられている。
NMOSFET35のドレインは、NMOSFET10のゲートに接続されている。NMOSFET35のソースは、外部端子T2に接続されている。NMOSFET35のゲートは、過電流保護信号S71の印加端に接続されている。また、NMOSFET35のドレイン・ゲート間には、抵抗36とキャパシタ37が直列に接続されている。
ツェナダイオード38のカソードは、NMOSFET10のゲートに接続されている。ツェナダイオード38のアノードは、NMOSFET10のソースに接続されている。このように接続されたツェナダイオード38は、NMOSFET10のゲート・ソース間電圧(=VG-Vo)を所定値以下に制限するクランプ素子として機能する。
本構成例のゲート制御部30において、過電流保護信号S71がハイレベルに立ち上げられると、ゲート駆動信号G1が定常時のハイレベル(=VG)から所定の時定数τ(=R36×C37)で引き下げられていく。その結果、NMOSFET10の導通度が徐々に低下していくので、出力電流Ioに制限が掛けられる。一方、過電流保護信号S71がローレベルに立ち下げられると、ゲート駆動信号G1が所定の時定数τで引き上げられていく。その結果、NMOSFET10の導通度が徐々に上昇していくので、出力電流Ioの制限が解除される。
このように、本構成例のゲート制御部30は、過電流保護信号S71に応じて出力電流Ioを制限するようにゲート駆動信号G1を制御する機能を備えている。
<出力電流検出部>
図4は、出力電流検出部80の一構成例を示す図である。本構成例の出力電流検出部80は、オペアンプ81と、PMOSFET82とを含む。オペアンプ81の非反転入力端(+)は、NMOSFET10のソースと外部端子T2(=出力電圧Voの印加端)に接続されている。オペアンプ81の反転入力端(-)とPMOSFET82のソースは、NMOSFET21’のソースに接続されている。オペアンプ81の出力端は、PMOSFET82のゲートに接続されている。PMOSFET82のドレインは、外部端子T4に接続されている。なお、PMOSFET82のドレインと外部端子T4との間には、先出の信号出力部90(図1)を挿入してもよい。
オペアンプ81は、NMOSFET21’のソースと外部端子T2とをイマジナリショートするようにPMOSFET82のゲート制御を行う。従って、オペアンプ81がオフセット電圧Vofsを持たない理想アンプであれば、NMOSFET21’のソース電圧と出力電圧Voが一致し、延いては、NMOSFET21’のドレイン・ソース間電圧がNMOSFET10のドレイン・ソース間電圧Vdsと一致する。その結果、NMOSFET21’には、出力電流Ioに比例するセンス電流Is’(=Io/m)が流れる。
しかし、現実的には、オペアンプ81がオフセット電圧Vofsを持つので、センス電流Is’は、オフセット電圧Vofsの影響を受けて変動する。特に、出力電流Ioが小さいときには、NMOSFET10(オン抵抗値:Ron)のドレイン・ソース間電圧Vds(=Io×Ron)が低くなるので、オフセット電圧Vofsの影響が相対的に大きくなり、出力電流Ioの検出精度(=センス電流Is’の生成精度)が下がる。例えば、バルブランプと発光ダイオードでは、後者に流れる出力電流Ioの方が小さいので、NMOSFET10のドレイン・ソース間電圧Vdsが低く、オフセット電圧Vofsの影響を受けやすいと言える。
このような不具合を解消するためには、NMOSFET10のドレイン・ソース間電圧Vdsが下がり過ぎないように、これを所定の下限値以上に制限するVds制限部(=両端間電圧制限部に相当)を設けることが望ましい。
<Vds制限部(第1実施形態)>
図5は、Vds制限部の第1実施形態を示す図である。本実施形態のVds制限部100は、本実施形態のVds制限部100は、コンパレータ101及び102と、抵抗103及び104と、電流源105と、を含む。
コンパレータ101は、非反転入力端(+)に入力される出力電圧Voと、反転入力端(-)に入力される閾値電圧VBB-VdsAとを比較して、比較信号SAを生成する。比較信号SAは、Vo>VBB-VdsAであるときにハイレベルとなり、Vo<VBB-VdsAであるときにローレベルとなる。言い換えると、比較信号SAは、Vds<VdsA(例えば30mA)であるときにハイレベルとなり、Vds>VdsAであるときにローレベルとなる。
コンパレータ102は、非反転入力端(+)に入力される出力電圧Voと、反転入力端(-)に入力される閾値電圧VBB-VdsBとを比較して、比較信号SBを生成する。比較信号SBは、Vo>VBB-VdsBであるときにハイレベルとなり、Vo<VBB-VdsBであるときにローレベルとなる。言い換えると、比較信号SBは、Vds<VdsB(例えば100mA)であるときにハイレベルとなり、Vds>VdsBであるときにローレベルとなる。
抵抗103及び104と電流源105は、外部端子T1(=電源電圧VBBの印加端)と内部基準電圧VREFの印加端との間に図示の順序で直列接続されている。抵抗103と抵抗104との接続ノードは、閾値電圧VBB-VdsAの出力端に相当する。抵抗104と電流源105との接続ノードは、閾値電圧VBB-VdsBの出力端に相当する。
なお、上記構成から成るVds制限部100は、比較信号SA及びSBを用いて、ゲートドライバ31を制御する。ゲートドライバ31は、その出力段を形成するソース電流源311及びシンク電流源312と、これらを制御するコントローラ313と、を含む。
ソース電流源311は、ゲート駆動信号G1の印加端にソース電流IHを流し込むための回路部であり、昇圧電圧VGの印加端とゲート駆動信号G1の印加端との間に並列接続されたソース電流源311a及び311bを含む。なお、ソース電流源311aは、ソース電流IH1(例えば60~70μA)を生成する。一方、ソース電流源311bは、ソース電流IH1よりも小さいソース電流IH2(例えば3μA)を生成する。
シンク電流源312は、ゲート駆動信号G1の印加端からシンク電流ILを引き込むための回路部であり、ゲート駆動信号G1の印加端と外部端子T2(=出力電圧Voの印加端)との間に並列接続されたシンク電流源312a及び312bを含む。なお、シンク電流源312aは、シンク電流IL1(例えば60~70μA)を生成する。一方、シンク電流源312bは、シンク電流IL1よりも小さくソース電流IH2よりも大きいシンク電流IL2(例えば6μA)を生成する。
コントローラ313は、ゲート制御信号S1と比較信号SA及びSBに応じて、ソース電流源311及びシンク電流源312を制御することにより、ソース電流IH及びシンク電流ILそれぞれのオン/オフ制御と電流値制御を行う。なお、本図では、コントローラ313をゲートドライバ31の一部として描写しているが、その機能を鑑みると、Vds制限部100の一部として理解することもできる。
図6は、Vds制限部100(ないしはコントローラ313)の一動作例を示す図であり、上から順に、外部制御信号Si、出力電圧Vo、比較信号SA及びSB、ソース電流IH1及びIH2のオン/オフ状態、並びに、シンク電流IL1及びIL2のオン/オフ状態が描写されている。なお、本図では、大きな出力電流Ioを要しない負荷3(発光ダイオードなど)が接続されている場合の挙動を示している。
時刻t1において、外部制御信号Siがハイレベル(=NMOSFET10をオンさせるときの論理レベル)に立ち上げられた後、時刻t2において、半導体集積回路装置1が動作可能状態(=UVLO解除状態)となった時点では、出力電圧Voが未だ立ち上がっていないので、Vo<VBB-VdsB(すなわちVds>VdsB)である。従って、SA=SB=Lとなる。
このとき、コントローラ313は、ソース電流源311a及び311bをオンして、シンク電流源312a及び312bをオフする。その結果、ゲート駆動信号G1は、ソース電流IH1及びIH2を足し合わせたソース電流IH(=IH1+IH2)により急峻に立ち上げられるので、出力電圧Voも急峻に上昇し始める。
出力電圧Voの上昇が進み、時刻t3において、Vo>VBB-VdsB(すなわちVds<VdsB)になると、SB=Hとなる。このとき、コントローラ313は、ソース電流源311aをオフする。その結果、ゲート駆動信号G1を立ち上げるためのソース電流IHが減少するので(IH=IH1+IH2→IH=IH2のみ)、出力電圧Voの上昇が緩やかとなる。
さらに、出力電圧Voが上昇し、時刻t4において、Vo>VBB-VdsA(すなわちVds<VdsA)になると、SA=Hとなる。このとき、コントローラ313は、シンク電流源312bをオンする。その結果、ソース電流IH2とシンク電流IL2との差分電流(=IH2-IL2<0)がゲート駆動信号G1の印加端から引き抜かれる状態となるので、ゲート駆動信号G1が低下して、出力電圧Voが上昇から低下に転じる。
その後、時刻t5において、V0<VBB-VdsA(すなわちVds>VdsA)になると、SA=Lとなる。このとき、コントローラ313は、シンク電流源312bをオフする。その結果、ゲート駆動信号G1が再び上昇に転じ、出力電圧Voが緩やかに上昇し始める。なお、時刻t5~t6においても、上記と同様の動作が繰り返されることにより、出力電圧Voが閾値電圧VBB-VdsAに維持される。このような状態は、NMOSFET10のフルオンが防止されて、そのドレイン・ソース間電圧Vdsが所定の下限値(=VdsA)以上に制限された状態に相当する。
時刻t6において、外部制御信号Siがローレベル(=NMOSFET10をオフさせるときの論理レベル)に立ち下げられると、コントローラ313は、シンク電流源312aをオンして、ソース電流源311a及び311bとシンク電流源312bをオフする。その結果、ゲート駆動信号G1は、シンク電流IL1により急峻に立ち下げられるので、出力電圧Voも急峻に低下し始める。
なお、時刻t7において、出力電圧Voがゼロ値まで低下したときには、シンク電流源312aをオフするとよい。
このように、Vds制限部100を導入すれば、NMOSFET10のドレイン・ソース間電圧Vdsを所定の下限値(=VdsA)以上に制限することができる。従って、大きな出力電流Ioを要しない負荷3(発光ダイオードなど)を接続したときでも、オペアンプ81が持つオフセット電圧Vofsの影響を受け難くなるので、出力電流Ioの検出精度(=センス電流Is’の生成精度)を高めることが可能となる。
また、上記したドレイン・ソース間電圧Vdsの制限動作(=NMOSFET10のフルオン防止動作)は、出力電流Ioが小さいときにのみ発動するので、NMOSFET10の異常発熱を懸念する必要はない。
また、大小のソース電流IH1及びIH2を組み合わせて用いることにより、出力電圧Voの高速起動(時刻t2~t3)と、ドレイン・ソース間電圧Vdsの制限動作時(時刻t4~t6)における出力電圧Voのオーバーシュート抑制を両立することができる。
<Vds制限部(第2実施形態)>
図7は、Vds制限部の第2実施形態を示す図である。本実施形態のVds制限部100では、先出のコンパレータ102(図5)が割愛されており、比較信号SA(=出力電圧Voと所定の閾値電圧VBB-VdsAとの比較結果)に応じて、ゲートドライバ31の駆動電圧(延いてはゲート駆動信号G1のハイレベル電圧)が切り替えられる。
より具体的に述べると、ゲートドライバ31の駆動電圧は、SA=L(Vds>VdsA)であるときに、昇圧電圧VGに切り替えられ、SA=H(Vds<VdsA)であるときに、昇圧電圧VGよりも低い電圧(=VG-α)に切り替えられる。すなわち、SA=Hであるときには、NMOSFET10がフルオンせず、そのオン抵抗値Ronが引き上げられるので、出力電流Ioが小さくてもドレイン・ソース間電圧Vdsが高くなる。
本実施形態によれば、先の第1実施形態(図5)と同じく、NMOSFET10のドレイン・ソース間電圧Vdsを所定の下限値(=VdsA)以上に制限することができる。従って、大きな出力電流Ioを要しない負荷3(発光ダイオードなど)を接続したときでも、オペアンプ81が持つオフセット電圧Vofsの影響を受け難くなるので、出力電流Ioの検出精度(=センス電流Is’の生成精度)を高めることが可能となる。
<Vds制限部(第3実施形態)>
図8は、Vds制限部の第3実施形態を示す図である。本実施形態のVds制限部100では、第2実施形態(図7)と同様、先出のコンパレータ102(図5)が割愛されており、比較信号SA(=出力電圧Voと所定の閾値電圧VBB-VdsAとの比較結果)に応じて、NMOSFET10として用いられるトランジスタ(本図ではNMOSFET10a及び10b)が選択される。
なお、NMOSFET10a及び10bそれぞれのドレインは、いずれも外部端子T1に接続されている。NMOSFET10a及び10bそれぞれのソースは、いずれも外部端子T2に接続されている。また、NMOSFET10aのゲートは、ゲート駆動信号G1の印加端に常時接続されている。一方、NMOSFET10bのゲートは、比較信号SAに応じてゲート駆動信号G1の印加端かNMOSFET10bのソースに接続される。
より具体的に述べると、SA=L(Vds>VdsA)であるときには、NMOSFET10bのゲートがゲート駆動信号G1の印加端に接続される。その結果、NMOSFET10a及び10bの双方がNMOSFET10として用いられる状態となる。
一方、SA=H(Vds<VdsA)であるときには、NMOSFET10bのゲートがNMOSFET10bのソースに接続される。その結果、NMOSFET10aのみがNMOSFET10として用いられる状態となる。すなわち、SA=Hであるときには、NMOSFET10のオン抵抗値Ronが引き上げられるので、出力電流Ioが小さくてもドレイン・ソース間電圧Vdsが高くなる。
本実施形態によれば、先の第1実施形態(図5)や第2実施形態(図7)と同じく、NMOSFET10のドレイン・ソース間電圧Vdsを所定の下限値(=VdsA)以上に制限することができる。従って、大きな出力電流Ioを要しない負荷3(発光ダイオードなど)を接続したときでも、オペアンプ81が持つオフセット電圧Vofsの影響を受け難くなるので、出力電流Ioの検出精度(=センス電流Is’の生成精度)を高めることが可能となる。
<車両への適用>
図9は、車両の一構成例を示す外観図である。本構成例の車両Xは、バッテリ(本図では不図示)と、バッテリから電力供給を受けて動作する種々の電子機器X11~X18とを搭載している。なお、本図における電子機器X11~X18の搭載位置については、図示の便宜上、実際とは異なる場合がある。
電子機器X11は、エンジンに関連する制御(インジェクション制御、電子スロットル制御、アイドリング制御、酸素センサヒータ制御、及び、オートクルーズ制御など)を行うエンジンコントロールユニットである。
電子機器X12は、HID[high intensity discharged lamp]やDRL[daytime running lamp]などの点消灯制御を行うランプコントロールユニットである。
電子機器X13は、トランスミッションに関連する制御を行うトランスミッションコントロールユニットである。
電子機器X14は、車両Xの運動に関連する制御(ABS[anti-lock brake system]制御、EPS[electric power steering]制御、電子サスペンション制御など)を行うボディコントロールユニットである。
電子機器X15は、ドアロックや防犯アラームなどの駆動制御を行うセキュリティコントロールユニットである。
電子機器X16は、ワイパー、電動ドアミラー、パワーウィンドウ、ダンパー(ショックアブソーバー)、電動サンルーフ、及び、電動シートなど、標準装備品やメーカーオプション品として、工場出荷段階で車両Xに組み込まれている電子機器である。
電子機器X17は、車載A/V[audio/visual]機器、カーナビゲーションシステム、及び、ETC[electronic toll collection system]など、ユーザオプション品として任意で車両Xに装着される電子機器である。
電子機器X18は、車載ブロア、オイルポンプ、ウォーターポンプ、バッテリ冷却ファンなど、高耐圧系モータを備えた電子機器である。
なお、先に説明した半導体集積回路装置1、ECU2、及び、負荷3は、電子機器X11~X18のいずれにも組み込むことが可能である。
<その他の変形例>
また、上記の実施形態では、車載用ハイサイドスイッチICを例に挙げて説明を行ったが、本明細書中に開示されている発明の適用対象は、これに限定されるものではなく、例えば、その他の車載用IPD(車載用ローサイドスイッチICや車載用電源ICなど)はもちろん、車載用途以外の半導体集積回路装置にも広く適用することが可能である。
また、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
本明細書中に開示されている発明は、車載用IPDなどに利用することが可能である。
1 半導体集積回路装置(スイッチ装置)
2 ECU
3 負荷
4 外部センス抵抗
10、10a、10b NMOSFET(スイッチ素子)
20 出力電流監視部
21、21’ NMOSFET
22 センス抵抗
30 ゲート制御部
31 ゲートドライバ
311、311a、311b ソース電流源
312、312a、312b シンク電流源
313 コントローラ
32 オシレータ
33 チャージポンプ(昇圧部)
34 クランパ(アクティブクランプ回路)
35 NMOSFET
36 抵抗
37 キャパシタ
38 ツェナダイオード(クランプ素子)
40 制御ロジック部
50 信号入力部
60 内部電源部
70 異常保護部
71 過電流保護回路(過電流保護部)
72 オープン保護回路
73 温度保護回路
74 減電圧保護回路
80 出力電流検出部
81 オペアンプ
82 PMOSFET
90 信号出力部
91 セレクタ
100 Vds制限部
101、102 コンパレータ
103、104 抵抗
105 電流源
T1~T4 外部端子
X 車両
X11~X18 電子機器

Claims (4)

  1. 第1ノードと第2ノードとの間に接続された第1スイッチと、
    第1端が前記第1ノードに接続されており前記第1スイッチと共通の駆動信号でオン/オフされる第2スイッチと、
    前記第2スイッチの第2端と前記第2ノードとをイマジナリショートすることで前記第1スイッチに流れる出力電流に応じたセンス電流を生成する出力電流検出部と、
    前記第1スイッチの両端間電圧を所定の下限値以上に制限する両端間電圧制限部と、
    前記駆動信号を生成するドライバと、
    を有し、
    前記ドライバの出力段は、前記駆動信号の印加端にソース電流を流し込むソース電流源と、前記駆動信号の印加端からシンク電流を引き込むシンク電流源と、を含み、
    前記両端間電圧制限部は、前記第2ノードの出力電圧と所定の閾値電圧との比較結果に応じて、前記ソース電流源及び前記シンク電流源を制御し、
    前記ソース電流源は、第1ソース電流を生成する第1ソース電流源と、前記第1ソース電流よりも小さい第2ソース電流を生成する第2ソース電流源を含み、前記シンク電流源は、第1シンク電流を生成する第1シンク電流源と、前記第1シンク電流よりも小さく前記第2ソース電流よりも大きい第2シンク電流を生成する第2シンク電流源を含み、
    前記第1スイッチのオン期間には、前記出力電圧が第1閾値電圧よりも低いときに前記第1ソース電流源及び前記第2ソース電流源がオンして前記第1シンク電流源及び前記第2シンク電流源がオフし、前記出力電圧が前記第1閾値電圧よりも高く第2閾値電圧よりも低いときに前記第2ソース電流源がオンして前記第1ソース電流源並びに前記第2シンク電流源及び前記第2シンク電流源がオフし、前記出力電圧が前記第2閾値電圧よりも高いときに前記第2ソース電流源及び前記第2シンク電流源がオンして前記第1ソース電流源及び前記第1シンク電流源がオフする一方、前記第1スイッチのオフ期間には、前記第1シンク電流源がオンして前記第1ソース電流源及び前記第2ソース電流源並びに前記第2シンク電流源がオフする、スイッチ装置。
  2. 請求項に記載のスイッチ装置と、前記スイッチ装置に接続される負荷を有する、電子機器。
  3. 前記負荷は、バルブランプ、リレーコイル、ソレノイド、発光ダイオード、または、モータである、請求項に記載の電子機器。
  4. 請求項又はに記載の電子機器を有する、車両。
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